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【これで私は助かった!】ボケかなと思ったら“肝性脳症”だった!重大疾患の前兆を見逃すな  

人間、年を取ると色々な症状が出てくるもの。まして多少の痴呆がある人は、周囲がよほど注意していないと、その症状がボケなのか、あるいは内臓疾患によるものなのかの区別がつきにくい。高齢者に多い「肝性脳症」も、そんな病気の一つだ。

 ■豊岡一志さん(仮名)のケース

 父(79)は若い頃は大酒飲みで、60代前半で肝機能障害を指摘されました。5年前には肝硬変と診断され、それ以降は年齢的な衰えから量は減ったものの、毎晩何かしらのアルコールを口にしない日はありませんでした。

 最近は痴呆が出始め、コミュニケーションはおおむね問題ないものの、物忘れは顕著になりました。昔のことは覚えているのに、新しい知り合いや、昨日や今日の出来事をきれいに忘れる感じです。

 そんな数カ月前のこと、父が母に反抗するようになったのです。酒好きでも優しい性格で、特に母を怒鳴りつけたりすることは絶対になかった父が、声を荒らげて母を怒鳴りつけたり、口答えをするようになったのです。私も私の女房も驚きましたが、母は冷静でした。

 「これはボケじゃない。何かおかしい!」

 そう感じた母は、父が肝硬変の治療で通院しているかかりつけ医に相談。医師も不審に思い、脳のMRIなどの検査をしたところ、「肝性脳症」であることがわかったのです。

 少し前に腹水がたまり出したので利尿剤を使っていたのですが、それが効きすぎていたらしく、尿として排出されるべき老廃物が脳に流れてトラブルを起こしていたというのです。

 たまたま早期で見つかったからよかったものの、放置すれば昏睡(こんすい)に陥り、そのまま肝不全で命を落とすこともあると聞き、冷や汗が出てきました。

 ひと月ほど入院して点滴治療を受けた父は、痴呆の症状はそのままですが、以前の「母には優しい父」に戻っていました。

 怒鳴りつけられながらも、「ボケとは違う」と感じて医師に相談した母の冷静さに、夫婦の絆を感じさせられた思いです。

 ■専門医はこう見る

 キッコーマン総合病院(千葉県野田市)院長代理・三上繁医師

 肝硬変になるとアルブミンという血清タンパクの濃度が低下します。すると血液が薄まって水っぽくなり、血管壁を通過して外に漏れ出してしまいます。この現象が脚などで起きると「むくみ」、おなかで起きると「腹水」となります。

 肝硬変の人でアルブミンの値が落ちてくると、余計な水分を体内にためないようにするため利尿剤を使うことがありますが、その効果が強すぎると、血中の不要な物質が蓄積されて、その一部が脳にも流れていく。

そこで脳がダメージを受けるのが「肝性脳症」です。

 初期症状としては「ちょっとリアクションがおかしい」「話がかみ合わない」といった感じで、これは痴呆の症状に似ています。

これが進展すると命に関わる状態になるので、豊岡さんのお母さんが見抜いたのは見事としか言いようがありません。

 もう一つ特徴的な症状に「羽ばたき震戦」といって、手の先がピクピクと震えるものがあります。

 肝機能が悪い人が利尿剤を使った後、急に性格が変わったり、手の先の震えが見られる時は、すぐに主治医に相談して下さい。特に痴呆の症状がある人は、その判別が難しいので、注意深い観察が不可欠です。

【これで私は助かった!】大疾患後の後遺症はあきらめずに解消!

運よく重大疾患から逃れることができても、直後に別の重大疾患が控えていることは珍しいことではない。中でも「後遺症」が残った時は、簡単にあきらめるのではなく、できることから解消していく姿勢が重要だ。

 ■杉山哲哉さん(61)=仮名=のケース

 58歳の時、自宅でくつろいでいる時に脳梗塞で倒れ、病院に担ぎ込まれたんです。

発症から血栓溶解剤を投与するまでの時間が短かったことと、リハビリがうまくいったこともあり、会話に多少不自由な点は残ったものの、概ね滞りなく日常生活を送ることができるまでに回復しました。

 ただ、一つ気になっていたことがあったんです。それは「食事の時に、何となく飲み込みにくい」という点。といっても、飲み込めないわけではなく、「スムーズではない」といった感じ。

時々むせることはありましたが、「脳梗塞をやったんだから、まあこんなものなのだろう」という“あきらめの気持ち”があったのは事実です。

 ところが、次第にこの症状がひどくなり、人前で食べるのが恥ずかしくなってきました。主治医に相談すると耳鼻咽喉科の医師を紹介され、検査の結果、のどの知覚が低下していて、「嚥下障害」があることがハッキリしました。

 そこで、飲み込むことの訓練をすることになったのですが、せっかく脳梗塞から生還したのに、また別のリハビリをしなければならないことが情けなくなり、最初はあまり真剣になれなかったんです。

ところが、一つコツをつかむと、意外にあっさり飲み込める。というより、むせる、吐き出す-という「失敗」がないことがうれしくなって、次第に耳鼻科に通うのが楽しくなってきました。

 今では人前での食事も恐くなくなり、食べる量も増えてきました。見た目にも健康そうに見えるようで、数年前に大病したことがウソのような気さえしています。

 ■専門医はこう見る

 山川耳鼻咽喉科医院(東京都港区)院長・山川卓也医師

 嚥下障害のきっかけはさまざまで、のどの骨の形の変形や、神経の病気が原因で「飲み込み」が悪くなることもあります。

 嚥下機能が低下することで受けるダメージは想像以上に大きく、食べることへの意欲の低下が食欲不振を招き、栄養状態を悪化させます。

そうして免疫力が低下したところで飲み込みに失敗すると、誤嚥(ごえん)性肺炎を招いて生命の危険さえ背負い込むことにもなりかねません。

事実、寝たきりの高齢者の場合、死因のかなりの割合を誤嚥性肺炎が占め、その大元に嚥下障害があることは珍しいことではないのです。

 ですから「飲み込みにくい」「食べる時に困難感が生じる」場合は、早めに対策を講じるべきです。

 嚥下障害の改善策はさまざまで、その人の症状に応じた対応が求められますが、放置して治ることはありません。あごを落とす姿勢を取る、首のポジションを変える。

のどの片側の機能が落ちている時は、麻痺している側の声帯を指で押さえることで飲み込みやすくなることもあります。

 また、舌の知覚が落ちて嚥下機能が落ちている時には、氷をなめることで舌の知覚を取り戻す訓練もあります。

 人間にとって「食べること」は生きるための基本中の基本。この行為に自信や興味を無くすことは、生きることへの意欲を無くすことに直結します。少しでも違和感があるなら、耳鼻咽喉科に相談されることをお勧めします。

【これで私は助かった!】飛行機の長旅で胸に痛み!肺血栓塞栓症だった  

飛行機に乗るときは、落ちる心配よりも自分の血管の心配をすべきだ。水も飲まずに長時間じっとしていれば、血液がドロドロになるのは自明の理。これが冠動脈で詰まれば狭心症や心筋梗塞、肺に飛べば肺血栓塞栓症。いずれも命取りだ。

 ■野本肇さん(44歳=仮名)のケース

 海外出張で2週間ほどアメリカに行ってきたときのこと。ニューヨークを拠点として、国内のあちこちに出張していました。かなり遠方への出張もあり、一日の大半を飛行機かレンタカーの中で過ごす毎日。すべての日程を終えて成田行きの飛行機に乗ったときにはヘトヘトでした。

 NYから成田までは14時間ほど。とにかく疲労が激しく、窓際の席だったこともあり、食事以外はほとんど眠り続けました。たまに目が覚めたらビールを飲んでまた眠る-の繰り返しです。

 異変は成田に着いてからのこと。入国手続きのあたりから何となく息苦しくなり、胸が痛むような症状が出始めたんです。迎えに来た妻の運転する車の中でそのことを話すと、「恐いから病院に寄ろう」と言います。

でも激痛ではないので、私は一度家に戻って様子を見てもいいと思ったのですが、次第に息苦しさが増してきたので、妻の意見に従って病院に直行。検査の結果、「肺血栓塞栓症」と診断され、すぐに血管内治療で血栓を取り除く処置が取られました。

 幸いにも私の場合は血栓が小さく、症状も小さかったのですが、それだけに見逃したら危険でした。放置して大きな血栓が飛んだら、命を落としていたはずです。医師から「命拾いをしたね」と言われて、冷や汗が流れました。

 その一件以来、当面飛行機を使う出張は見合わせていますが、新幹線の中でも、ビールを飲まずに水を飲み、通路側の席を予約して1時間ごとにデッキに出て屈伸運動をするように心がけています。

 ■専門医はこう見る

 大阪厚生年金病院(大阪市福島区)鈴木夕子医師

 以前は「エコノミークラス症候群」という名前で知られた病気ですが、席種に関係なく起こり、また入院中の患者のような「寝たきり状態」の人にも多く発生する病気なので注意が必要です。

 最近は震災の影響で「車の中での生活を余儀なくされている人」にもリスクが高いことから話題になりました。

 身動きのとりにくい環境下で、十分な水分摂取ができないことで、脚の静脈の血流がうっ血し、血栓ができる(深部静脈血栓症)。この血栓が血管壁から剥がれて血流に乗って流れていき、心臓を通り過ぎて肺の血管で詰まると「肺血栓塞栓症」となります。

 治療法は野本さんが受けたカテーテル治療の他、血栓溶解剤の投与や外科的手術などがありますが、いずれも早期診断が求められるので、病院に直行した奥さんの判断は正解です。

 今回は小さな血栓だったので事なきを得ましたが、血栓ができるリスクを持っていることがわかったので、今後も長時間の移動の際にはいま実践されていること以外にも、弾性ストッキングというふくらはぎを締め付けるストッキングの着用や、脚をまっすぐのばして血栓ができにくいようにするなどの工夫が重要です。

【これで私は助かった!】“若年性アルツハイマー”早期発見&対応が大事!

老後の不安の代名詞ともいえる「認知症」。しかし、この病気が襲うのは、老後ばかりとは限らない。働き盛りの背後に忍び寄る若年性アルツハイマーには、早期発見と的確な対応が不可欠だ。

 ■石川精一さん(56)=仮名=のケースM

 大手精密機器メーカーの基幹工場で総務部に務める石川さんは、安全管理の指導を担当するセクションの課長代理。真面目一徹で、支店内の各部門からの信頼も厚い。

 そんな石川さんに異変が起きたのは2年前のこと。毎月、彼が責任者としてまとめている月報に、ミスが目立つようになってきたのだ。

 自分では何度も確認したつもりなのに、ミスがなくならない。そのうち、自分の仕事に自信を無くして、ふさぎ込むようになってしまった。産業医が「うつ症状が見られる」と判断し、心療内科を受診したが改善しないまま半年が過ぎた。

 産業医は月に一度、石川さんと顔を合わせているのに、どうも話が噛み合わない。そこで「念のため」と頭部のMRIを撮ってみたところ、海馬にアルツハイマーの所見を確認。若年性アルツハイマーだったのだ。

 認知症に詳しい内科医に紹介され、病気の進行を遅らせる薬を処方。事態を知った会社では、関係する職員に事情を説明し、石川さんの勤務が続けられるサポート体制を敷くことになった。

 こうした取り組みが総合的に効果を発揮し、石川さんは徐々に明るさを取り戻し、病気は緩やかに進行してはいるものの、業務に支障が出ることも、石川さんがふさぎ込むような事態も回避することができている。

 家族は「定年まで勤められるかどうかはわからないが、早期で認知症を発見し、温情ある措置を講じてくれた会社に感謝しています」と話している。

 ■専門医はこう見る

 クリニックうしたに(宮崎市)院長・牛谷義秀医師

 認知症というと高齢者の病気と思われがちですが、実際には若い世代でも一定数の患者がいます。ただ、若いということで認知症を疑わず、うつやストレス性の症状と判断されて、正しい治療が受けられないケースも決して少なくありません。

 そんな中で、石川さんの若年性アルツハイマーを疑い、画像診断をした産業医の判断は見事と言えます。

 サラリーマンにおける認知症の初期症状としては、「それまでできていた仕事ができなくなる」という特徴的な傾向が見られます。去年より今年、先月より今月、確実に仕事の質が低下しているようなら要注意。それまで当たり前のようにこなしてきた仕事が、何日かかっても終わらないような状況が見られたら、年齢に関係なく認知症を視野に入れて考えるべきでしょう。

 もし認知症と診断された時は、周囲の理解と情報の共有化が重要になってきます。周囲が仕事を分担してサポートするだけでなく、組織として見守るという姿勢が不可欠です。

 その上で、仕事が不可能となった場合も、障害年金的な公的扶助の制度があるので、家族が会社と連携しながら「それからの人生設計」を考えていく必要があります。

 認知症と診断された時点で人生を悲観するのではなく、「この時点で何をすべきか」を考えることが大切。そのためにも「早期発見」は意味のあることなのです。

【これで私は助かった!】血液検査で肝機能が低下…がん見つかる

「沈黙の臓器」と言われる肝臓。病気になっても症状を出さずに頑張り続け、いよいよ症状が出た時には手遅れになっていることの多い重要臓器だ。そんな肝臓のがんの前段階には、慢性肝炎と肝硬変があるのだが…。

 ■平野幹夫さん(56)=仮名=のケース

 きっかけは市の健診で受けた血液検査でした。30年前に脱サラして以降、健康診断なんて受けたことがなかったのですが、結果としてそのツケが回った形になってしまいました。

 他の項目は問題なかったのですが、肝機能だけが悪かったので、病院で詳しく調べてもらうと、2センチほどのがんが見つかったのです。

 肝臓に刺した電極の先からラジオ波を流す治療でがんは焼灼(しょうしゃく)したのですが、これで私がC型肝炎に感染していたことが判明したのです。

 実際にはC型肝炎が慢性化し、その後、肝硬変に移行したのちに、がんができていたのでした。

 そこでがん治療のあとに、抗ウイルス薬による薬物治療が始まりました。発熱や倦怠感などの副作用が出て、治療から逃げ出したくなることもありましたが、なんとか頑張って続けた結果、ウイルスを消すことに成功しました。

 しかも、肝硬変ということで諦めていた肝機能の方も、どういうわけか少しですが改善してきたのです。

主治医によると、肝硬変まで進んでいても、治療をきちんと受けて節制をすると、少しは肝臓が柔らかくなることがあるそうで、自分の体のことながら、勉強になりました。その後も定期的に検査を受けていますが、これまでのところ、がんの再発はありません。

 自分の健康に目を向けなかったことの代償として、今では私が、周囲の友人に会うたびに「健診を受けろ」と勧めて歩いています。

 ■専門医はこう見る

 キッコーマン総合病院(千葉県野田市)院長代理・三上繁医師

 肝炎ウイルスに感染していることがわかっていれば、定期的なチェックを受けることになります。そうでないと感染に気付くきっかけがなく、平野さんのようなケースをたどることがあります。

 そんな中で、早期がんで見つかり、治療が奏功してがんも、またC型肝炎ウイルスの排除も成功したとのこと。非常にラッキーなケースと言えるでしょう。

 C型肝炎ウイルスへの感染源は、医療環境が不衛生だった時代の注射、手術、輸血、あるいは医療機関以外でのイレズミなどが主たるルートです。

 感染すると急性肝炎を発症します。この時の症状の出方は個人差が大きく、高熱から感染がわかることもあれば、比較的症状が軽いと「カゼ」と間違えて、そのまま治療が受けられないこともあります。

 こうなると、その先で肝炎ウイルスへの感染を知るチャンスはなかなかなく、平野さんのように病気が進んでから肝機能の低下を招き、初めて気付くことにもなりかねません。今、50歳代以上で、先に挙げたような感染リスクの経験を持つ人は、十分な注意が必要です。

 ただ、病気が見つかってからの平野さんの対応は見事です。抗ウイルス薬の治療は人によって副作用が強く出ることがあるのも事実ですが、見事に克服されたようです。

 これからも定期的な検査の受診を怠らず、がんの再発予防に留意してください。

視線を合わせない自閉症の特徴、乳幼児期から確認

他人と視線を合わせないという自閉症の特徴は、乳幼児期の段階から確認できるかもしれないとする米研究チームの論文が、6日付の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。今回の研究では、生後2か月という早期からこの特徴が確認された。

 目を合わせることを避ける傾向は、長らく自閉症の特徴の一つと認識されてきたが、これを早期診断の手段とする可能性は追究されてこなかった。

 研究チームは視線追跡技術を用いて、乳幼児110人を誕生から2歳になるまで調査した。保育士に扮した俳優が、ゲームをしながら話しかけるビデオを見せて、視聴している乳幼児たちが俳優の目を見ているかどうかを観察した。その結果、13人が後に自閉症スペクトラム障害(ASD)と診断された。

 ASDと診断された子どもたちについて、論文の共著者で米エモリー大学(Emory University)医学部のウォーレン・ジョーンズ(Warren Jones)氏はAFPの取材に対し「2歳になるまでに、母親の目を見る度合いが着実に減っていった」と説明した。この兆候は生後6か月以内でも確認され、生後2か月でみられた乳児もいたという。

 今回の研究では、視線を避ける傾向が人間の発達の早い段階で表れるということに加え、ASDの子どもは最初から他人と目を合わせないのではなく、徐々に視線を合わせる回数が減っていくことも突き止めた。

「この2つの要素により、将来的にASDの治療は、初期段階から介入する方法へと劇的に変わる可能性がある」と、米マーカス自閉症センター(Marcus Autism Centre)の所長で論文共著者のアミ・クリン(Ami Klin)氏は語る。 

 自閉症の治療法はないが、これまでの研究から早期の行動療法によって自閉症の子どもたちの学習能力やコミュニケーション能力、社会性などが向上することが分かっている。

 世界保健機関(World Health Organisation、WHO)によると、ASDと診断される子どもは160人に1人の割合だという。

「なんだ「なんだか不調…」自律神経を整えたければ「まず笑え!」の理由とは?か不調…」自律神経を整えたければ「まず笑え!」の理由とは?

自律神経が乱れたことによって引き起こされる。その病の名は「自律神経失調症」

だるい、すぐ疲れる、食欲がない、下痢、便秘、体が冷える、常にイライラ、やる気が出ない、肩こりがひどい……これらは自律神経が乱れたことによって引き起こされる。その病の名は「自律神経失調症」。耳にしたことがある人も多いだろう。
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“笑い”は日本人の死因の1~4位までを予防する!?

自分で意識しなくても、環境に応じて身体の状態を自動的に調節してくれる神経が「自律神経」。ストレスの多い現代、この自律神経がうまく機能しなくなってしまったことによって、多くの人が苦しめられている。とはいえ、これらは今すぐ命にかかわるような深刻なものではなく、毎日の中で「なんかツラい」「どうにもツラい」程度で流してしまうようなレベルのもの。これこそ、「自律神経失調症」の特徴なのだ。

ということならば、私たちに不調をもたらすこの自律神経をどうすれば整えられるのか、というお話なのだが、実は改善になによりうってつけの行動があるという。落語家で医学博士の立川らく朝さんが勧めるのが、「笑うこと」だ。

実は“笑い”は自律神経失調症だけでなく、日本人の死因の1~4位を占めるガン、虚血性心疾患、肺炎、脳血管障害まで予防することが医学的に証明されているのだ。

笑いは身体をリラックスモードにモード変換してくれる

では、具体的にはどうすればいいのだろうか?

「簡単なんです。笑うんですよ。じつは笑うと副交感神経が活発になり、交感神経よりも優位な状態になることがわかっています」(立川らく朝さん)

笑うだけで、リラックスモードを司る副交感神経が活発になり、ストレスモードで働く交感神経優位によって引き起こされていた様々な体の不調が改善する。そしてあなたの笑顔はきっと、あなた自身だけでなく周りも笑顔にしていくだろう。……なんて単純でオイシイ話だろうか。

交感神経、副交感神経の関係性など、自律神経にまつわる詳しいことは立川らく朝さんの著書『落語で不調を改善! 笑って自律神経を整える』に書いてある。漠然とした不調に悩む人はぜひとも一読して、付録のCDを聞いてみてほしい。大笑いして、不調なんて吹き飛ぶはずだ。

侮れない“古くて新しい病気”「結核」を疑う4つの初期症状(2)

 しかし一方で、WHO(世界保健機関)が2013年に推定した資料によれば、世界で860万人が毎年新たに発症し、年間130万人が死亡。さらに結核治療薬が効きにくい多剤耐性結核の推定患者数は45万人で、年間約17万人が命を落としているという。

 結核感染者全体が減少傾向にある中で、この多剤耐性結核菌による死亡者だけが4年前より2万人以上増えているのだ。

 「そのためWHOは、“多剤耐性結核菌への対応の不備は、公衆衛生上の危機に当たる”として警告、治療薬の供給体制などを緊急に整える必要があると強調しています。

日本でも死亡原因で1位から後退したとはいえ、新規の患者は年間約3万人。これは、WHOが警告しているように抗生物質が効かず、治療法がない感染が拡大しているからだと思います。

ハイリスク集団として、結核の“高蔓延国”からさまざまな目的で日本に入ってくる外国人にも目を向けなければならなりません」(前出・医療ジャーナリスト)

 日本における結核の現状は、全国に蔓延していた時代から、都市部を中心とした高齢者に集中する時代に変わってきた。

 「現在の高齢者は、若い頃に結核流行時を経験している人が多い。“一度患うと感染しない”といった説もあるようですが、体力や免疫力が低下したときに、眠っていた菌が再び目を覚まして発病するとも言われている。

逆に、若い世代は未感染のため菌を吸い込むと感染しやすく、比較的早い時期に発病します。ましてや、2万人を超えたとされるHIV感染者ともなると、体力が落ち込んでいるために結核菌に侵されやすく、命取りになる可能性が高くなります」(同)

 専門家の間では、「HIVと結核の合併は今後、大きな問題となる危険性を孕んでいる」と警戒感が強まっている。

 では、どうしたら結核から逃れられるのか。重要なポイントは、
 (1)睡眠を十分にとる。
 (2)適度な運動をする。
 (3)好き嫌いなくバランスの取れた食事を摂る。

 そして、次のような症状がある場合、専門医を受診すべきだという。
 (1)2週間以上の長引く咳。
 (2)痰が出る。
 (3)微熱が長引く。
 (4)倦怠感が長く続く(体がだるく活力がない)。
 (5)体重の減少。

 東京社会医学研究センターの大畑保氏は、次のように指摘する。

 「抗生物質が効かない結核が増え始め、感染の拡大につながっていることに加え、注目すべきは若い医師が結核を見逃してしまうケースが多々あること。日本では結核患者数が減ったことで、疑わない医師が増えているのです。

また、めったに診ないので経験が積めない。結核は検査しても見つけにくいこともあるし、症状が風邪に似ているために放置される場合もありますので注意が必要です」

 “古くて新しい病気”とも呼ばれる結核。その落とし穴が、意外にも身近に存在することを意識しなければならない。

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▽子育て中で勤務時間のご希望があるお医者さま

侮れない“古くて新しい病気”「結核」を疑う4つの初期症状(1)

 日本の新規結核羅患率は、人口10万人当たり16.1人(2014年・厚労省調べ)で、実は10人以下の欧米先進国に比べ患者数は多く、世界の中では依然として“結核の中蔓延国”とされている。

 2013年10月、東京・八王子の40代の男性教諭が肺結核の発病に気づかず授業を続けていたため、他の教諭や生徒など15人が結核に感染した。

また同月、滋賀医大に勤める30代の女性看護師が患っていることも判明。さらに徳島県の開業医が発病していることも分かり、改めてその脅威を知らされる事態となった。

 そもそも、なぜ結核は発生してしまうのか。
 東京医療センター呼吸器科の外来担当医は、こう説明する。

 「結核とは、“結核菌”という細菌が引き起こす“おでき”のようなものと考えていいでしょう。最初は炎症から始まり、患った場所が肺であれば肺炎のような症状が出ます。さらに悪化すると組織がダメになって化膿に似た状態になります。

肺結核では、この状態がかなり長く続き、レントゲンなどに映る影の大半がこの時期の病巣です。その後、組織がドロドロに溶けて咳やクシャミと一緒に気管支を通って肺の外へ出され、病巣は空洞になる。

ポッカリと空いた空洞なので、空気も肺からの栄養も十分にあり、結核菌には絶好の住家となって、菌がどんどん増殖するのです」

 そして担当医はさらに、その怖さを説く。
 「増殖した菌は肺の他の部分に飛び火したり、リンパや血液の流れに乗って他の臓器に対し悪さを始めることもあります。

こうして、結核は肺全体、全身に拡がり、最後には肺の組織が破壊され、呼吸困難や他の臓器不全を起こして命の危機を招くことになります。ですから、咳や痰やクシャミが2週間以上続いたら、まず医療機関に診てもらうことが大事です」

 このように、結核が厄介なのは全身の至る所に病を作るという点だ。冒される臓器としてはリンパ節が最も多く、特に多いのが首の脇が腫れるもので、昔は“瘰癧”と呼ばれた。

また、骨や関節にもできる。中でも背骨の脊椎カリエス、腎臓の腎結核が多く見られ、腎結核の場合は膀胱などを巻き込むこともよくあるといわれる。

 「その他、咽頭、腸、腹膜、眼や耳、皮膚、生殖器にまで広がることもあり、中でも最も怖いのは、脳に至ることです。結核菌が血管を通って全身にばらまかれ、脳を包んでいる膜(髄膜)にたどり着き、そこに病巣を作る。

現在では、全身に結核菌がばら撒かれる粟粒結核の場合、早く発見できれば助かりますが、髄膜炎では治療が少しでも遅れると3分の1近くが命を落とし、治っても脳に重い後遺症が残る可能性があるのです」(健康ライター)

 また、あるベテランの医療ジャーナリストはこう語る。
 「結核で多くの人が亡くなっていた時代、死因は肺の大部分が結核菌に破壊されるケースと、腸の結核で栄養が取れずに死亡するケースとで、ほぼ半々でした。

それが特効薬『ストレプトマイシン』などが登場し、結核菌による炎症の発達を止める効果を上げ、その後の病気の進行を抑えて治療への道筋をつけたのです」

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【これで私は助かった!重大疾患の前兆を見逃すな】腰を曲げた方がラク…脊柱管狭窄症かも

長く歩けない、腰が曲がってきた-。いずれも「年のせい」と考えてしまいがちだが、こうした症状の背景に「脊柱管(せきちゅうかん)狭窄症」という疾患が隠れていることがある。早めに治療することで「健康な腰」を取り戻すことも可能なのだ。

 ■山本善治さん(60=仮名)のケース

 私の場合、腰が曲がるというより、曲げたほうがラク-というのが本当のところでした。ゴルフが唯一の趣味だったのに、この1年ほどは腰の痛みに加えて、300メートルも歩くと脚にしびれや痛みが出るようになってきたこともあって、ゴルフから遠ざかっていました。

 そんな時、会社の同僚から「一度病院で検査したほうがいい」と勧められたんです。彼は長く腰痛に苦しんでいましたが、椎間板ヘルニアの手術を受けたところ、それまでの痛みがウソのように消えてしまったという経験の持ち主。私も治療前後の彼を知っているだけに、彼の忠告には説得力がありました。

 整形外科を受診し、MRIで 腰の画像を撮ったところ、私の痛みは脊柱管狭窄症によるものということがわかったのです。

 脊椎を形成する椎体という骨の穴が小さくなり、中を通る神経が圧迫されて痛みが出ているという。私の場合は内視鏡手術で改善が見込めるとのことなので、手術を受けることにしました。

 手術は全身麻酔で1時間半ほど。術後の痛みはほとんどなく、手術翌日から歩くことができました。1週間で退院し、その後は外来通院。リハビリで簡単な体操指導を受けながら、1カ月後には普通にゴルフができるまでに回復していました。

 痛みが消えてしまうと、それまでの苦痛がいかに煩わしいものだったかがよくわかります。それはゴルフだけでなく、仕事をしていても集中力がまるで違うので、手術後は仕事がはかどるんです。

 今では周囲で腰痛に悩んでいる人がいると、同僚がそうしてくれたように、私も「検査したほうがいいよ」と勧めて歩いています(笑)。

 ■専門医はこう見る

 麻生総合病院(川崎市麻生区)脊椎脊髄病腰痛センター長・森下益多朗医師

 脊柱管狭窄症の早期に出る症状は、脚のしびれや痛み、まっすぐ歩けない、腰をかがめるとラクになる-というもの。いずれも「年のせい」で片付けられやすい症状なので、放置して悪化させてしまう人も少なくありません。その意味で、山本さんはお友達の勧めで治療の機会を得ることができたのだから、ラッキーだったといえます。

 脊柱管狭窄症は、早期であれば手術によって生活の質を大幅に向上させることが可能です。山本さんのように、あきらめていたスポーツを再開できた人も大勢います。

 一方で、放置して悪化させてしまうと、単なる痛みやしびれ以外にもさまざまな神経症状が出る危険性があります。頻尿や残尿感、ひどい場合は大便を漏らしたり、反対に排泄ができなくなる「排尿、排便障害」を引き起こすこともある。こうなると手術をしても劇的な改善は難しい。早めの診断と治療が不可欠です。

 山本さんが受けた内視鏡手術は、手術のキズ口も小さいので入院期間が短く、術後の回復も早いというメリットがあります。ただ、脊椎疾患での内視鏡手術ができる医師が日本ではまだ多くないので、病院のホームページなどで調べてから受診するといいでしょう。

【これで私は助かった!重大疾患の前兆を見逃すな】“喘息”を甘くみてはダメ!命落とすことも

がんや心臓病、脳卒中と較べると、何となく軽く考えられがちな「喘息」。しかし、いまも日本では毎年2000人が喘息発作で命を落としている。呼吸困難の末の死ほどつらい最期もない。甘く見るのは禁物だ。

 ■永井伸一さん(仮名=55)のケース

 若い頃から「喘息持ち」で、過去にはかなり深刻な発作も経験しました。しかし、治療がうまくいったこともあり、近年は小さな発作はあるものの、いわゆる「大発作」に見舞われることはなくなっていたんです。

 馴れというのは恐ろしいものです。昔あれほど苦しんだはずなのに、しばらく遠ざかっていることで根拠のない自信が湧いてきて、処方されている吸入薬の使用をサボることが増えていたんです。

 サボっても大きな発作が起きないことから、いま思えば愚かなことなのですが「治ったのか?」とさえ考えるようになっていました。

 そんなある日の明け方、久しぶりに大発作が来ました。慌てて隣で寝ている妻を叩き起こしたのですが、過去の私の大発作を見て知っている彼女は「比較的軽い症状」と判断したのです。

 これはあとで聞いた話ですが、以前私が繰り返していた大発作の時は本当に苦しそうに呼吸をしていたのに比べてこの時は呼吸が小さく、「ゼーゼー」言うこともないので、大したことはないと思ったというのです。

 でも実際にはその逆で、肺に空気を吸い込めないから呼吸が小さくなっていたのです。冗談ではなく、本当にこのまま死んでいくのかと思うほどの苦しみでした。

数分後、顔色が青くなってようやく異変に気付いた妻が救急車を呼び、何とか助かったのですが、「それほど苦しそうに見えなかった」という妻の言葉を聞いて、あらためて恐怖を感じたものです。

 私の病気を知っている妻だから救急車を呼んでくれましたが、事情を知らない人しかいない時ならどうだったわかりません。以来、私は「喘息発作で呼吸ができません。救急車を呼んでください」と書いた紙を肌身離さず持ち歩いています。もちろん吸入薬もサボることはなくなりました。

 ■専門医はこう見る

 大阪厚生年金病院(大阪市福島区)内科・鈴木夕子医師

 気管支喘息の「大発作」が継続する状態を「喘息重積発作」と呼び、放置すると致死的状況に至る重大な局面です。救急車で病院に運び込まれても、診断が遅れたり的確な治療がされなければ命の保証はありません。

 喘息という病気はきちんと治療をすれば必ず治る病気なのに、喘息発作で死亡する人が絶えないのは、患者や家族が正しく病気を理解せず、「甘く見る」ことに根源的な問題があるのです。永井さんのような「喘息のベテラン」でさえこうした経験をするのですから、この問題は非常に根深いものと言えるでしょう。

 周囲で喘鳴(呼吸に伴うゼーゼー、ヒューヒューという音)が小さい、咳や痰を伴う、顔色や手先が青くなったり冷たくなる-などの症状を伴う喘息発作を起こしている人がいたら、躊躇せずに救急車を呼んでください。そして喘息持ちの人は永井さんのように「緊急医療カード」を身に付け、周囲に状況を知らせる工夫をすべきです。

 助かるはずの年間2000人を確実に助けるためにも、患者と周囲の理解が重要なのです。

【これで私は助かった!】子供が視力検診で集中力がない…弱視の恐れも

出産直後の赤ちゃんの目はほとんど見えないが、次第に鮮明になって8歳くらいで視力が完成する。この「視力の成長」が不完全な状態が「弱視」だ。事が幼児期の問題だけに、親や周囲が気付かないと、その後の人生にも大きな影を落とすことになる。

 ■成瀬篤夫さん(仮名)のケース

 次女が3歳児検診で視力を測った時、妻が「上の子より明らかに集中力がない」と洩らしたのがきっかけでした。絵本を読んでいても30秒とじっとしていられないんです。歩き出してからも、お姉ちゃんの時より転ぶ回数が明らかに多い。

視力は右が0・5で左は0・8でしたが、妻の発言から眼科受診を勧められ、再検査の結果「弱視」と診断されました。

 よく見えるほうの目をパッチで隠して、見えにくいほうの目だけでぬり絵をしたり絵本を読んだりする訓練を1日のうち数時間程度行い、常にメガネをかけます。子供にメガネは気の毒でしたが、当人は面白がってすぐに慣れました。

 治療を始めて半年もすると、両目の度数はほぼ揃ってきたのですが、そこでメガネをやめると元に戻る危険性が高いとのことで、メガネはそのままにしました。

 中学に入る頃にはメガネがトレードマークになっていて、本人に外す気がない。そのまま大学も出て就職。「メガネ美人」などとおだてられて5年前に結婚。今は1歳の女の子の母親です。

 いま彼女の視力は両方とも2・0。弱視は克服できています。

 ■専門医はこう見る

 総合新川橋病院(川崎市川崎区)眼科・河西雅之医師

 視力の発達を障害する原因として先天的な白内障などによるものと、強い屈折異常や斜視によって脳が正常に画像処理ができていない弱視があります。成瀬さんのお嬢さんは後者の弱視ですね。

 弱視の治療は開始時期が早ければ早いほど治療成績も高まります。その意味で、3歳児検診で見つけられたのは、非常に理想的なケースと言えるでしょう。

 特に幼児の場合、「自分の目が見えにくい」という意識がありません。本人にとっては、その視力が当たり前なので、特に不満もないのです。それだけに周囲がよく観察していないと見過ごしてしまいがちです。

 成瀬さんのお嬢さんが受けた治療は標準的なもので、特にメガネは重要です。元が軽い遠視だと、思春期の頃にメガネを外せるケースもありますが、多くは大人になってから目が疲れやすくなるので、可能な限りそのままメガネを使い続けることが推奨されます。

とりわけ女の子の場合、メガネをかけることにご両親として気掛かりな点があるようですが、最近はファッション性に優れたメガネも多いので、昔に比べて拒否反応を示す人は減ってはいます。

 いずれにしても、将来のことを考えて、眼科医と十分に話し合って治療方針を決めていくことが大切です。

【これで私は助かった!】不妊の診察のはずが…脳に腫瘍みつかる

病気に気付くきっかけはさまざまで、別の病気や症状で病院を受診したことから意外な病気が見つかることもある。今回は「不妊」という症状から「脳の病気」が見つかったという女性の話。

 ■広瀬由美子さん(33歳=仮名)のケース

 27歳で結婚して、2年間頑張ったのですが子宝には恵まれませんでした。特に後半は生理不順が続いたり、赤ちゃんを産んだわけでもないのにおっぱいが出たり、最後には生理が完全に止まってしまったりと、明らかにおかしな状態でした。

 不安になって産婦人科を受診。血液検査の結果、ホルモンの値に異常が見つかりました。プロラクチンというホルモンの値が異常に高く、これが不妊の原因になっている可能性が出てきたのです。

 医師が、「念のため脳の写真を撮りましょう」と言うのです。ホルモン異常で生理不順になるのはわかりますが、なぜ脳の写真を撮るのか不思議でしたが、指示に従って頭のMRI検査を受けると 驚いたことに脳の下垂体に腫瘍が見つかりました。

 放置すると危険だというので、脳神経外科で手術を受けました。手術は成功し、入院は10日ほどで済みました。その後はホルモン剤など何種類かの薬を飲んでいますが、生理も戻ってプロラクチンの値も正常範囲内に収まるようになりました。

 1年後、待ちに待った妊娠が分かり、翌年無事に女の子を出産。現在も母子ともに健康に過ごしています。

 ■専門医はこう見る

 中崎クリニック(横浜・神奈川区)院長・中崎浩道医師

 不妊から下垂体腫瘍が見つかるケースは意外に少なくありません。不妊治療が専門の医師であれば、ホルモンの値から判断して、早い段階で下垂体腫瘍を疑います。

 プロラクチンは本来、妊娠や出産時に多く分泌されて、生理を止めたり、母乳の分泌などに関与します。

つまり、妊娠前にはあまり必要のないホルモンなのですが、下垂体に腫瘍ができると、妊娠前でもこれが異常に分泌されて、広瀬さんのような症状を引き起こすことになるのです。

 下垂体は数種のホルモンを分泌する器官なので、腫瘍化する細胞の種類の違いによりホルモン異常もいろいろで、中でもプロラクチン産生、腫瘍末端肥大症(巨人症)、クッシング病が有名です。

また下垂体の近くを視神経が走っており、腫瘍がここに影響すると視野が欠損したり、腫瘍からの出血で失明する危険性もあります。

 プロラクチン産生腫瘍の場合、腫瘍が小さければ手術も難しいものではなく、予後も比較的良好な病気です。術後は妊娠、出産も可能です。そのためにも早期での発見が重要。2年以上の不妊が続くときは、まず産婦人科や不妊外来を受診されることをお勧めします。

【これで私は助かった!】“マイコプラズマ肺炎”に注意!集団感染の危険性も

冬は感染症のリスクが高まる。移したり移されたり-。お歳暮と違って、病気のやり取りは迷惑なだけだ。今回はそんな感染症の代表格で現在大流行している「マイコプラズマ肺炎」についてのお話です。

 ■望月圭介さん(35)=仮名=のケース

 初めは咳から始まったんです。といっても“から咳”で、痰を伴うような重いものではなかったので、あまり心配していませんでした。ちょうどその頃は仕事上の小さなミスが重なって、ストレスもたまっていたんです。恐らくそうした疲れによるものだろうと、甘く見ていたんです。

 ところがその翌日の朝、高熱が出たんです。38度を超える熱なんて過去にあまり経験がなく、さすがに会社を休んで病院に行きました。

 症状を話すとエックス線撮影をすることになり、それも医師の指示で最優先の超特急で検査が行われたのです。有難い半面、「重病なのか?」と不安もわきました。

 エックス線画像を見て医師は「やっぱり肺炎ですね」とつぶやき、すぐ入院の手続きを取るように言われました。

 たしかに症状はつらかったけれど、まさか入院するとは思いませんでした。躊躇したものの、医師に強く勧められて、そのまま入院。その後は1日1回の抗生物質の投与をするだけで、あとは安静を保つだけ。徐々に回復し、1週間後には退院して職場復帰も果たすことができました。

 退院する時に医師から、「望月さんの病気はマイコプラズマ肺炎といって、人に移す危険性のあるタイプの病気。入院しないで、中途半端な状態で会社に行っていたら、集団感染の感染源になっていたかもしれませんよ」と言われて、ゾッとしたものです。

 そして、直後にプロ野球選手がこの病気に集団感染したというニュースを知って2度ビックリ。あの“から咳”で周囲に感染を拡大させてなかっただけでも、ラッキーだったと思っています。

 ■医師はこう見る

 神奈川県立循環器呼吸器病センター(横浜市金沢区)呼吸器科医長・萩原恵里医師

 マイコプラズマ肺炎は、小児を含む比較的若い人(10~30代が中心)に多く見られる感染症。初期症状は咳と熱で、特に望月さんに見られた“から咳”は特徴的な症状の1つです。

 原因となるマイコプラズマは、私たちの周囲に普通にいる微生物。感染力は決して強いわけではありませんが、感染した人の免疫力に反応して発症するので、免疫力の高い、若くて元気な人でも症状が強く出るケースがあります。

 通常は症状の出方やエックス線画像など、マイコプラズマ肺炎を予想させるいくつかの要因が重なったところで、治療を始めます。基本は抗生物質の投与と安静で、1週間から10日程度で軽快していきます。

 この時、発症早期と回復したあたりで血液検査をして、マイコプラズマの抗体価が上昇していることが確認できると、最終的な確定診断ができます。ただ、実際には診断時には病気も治っていることがほとんど。望月さんが退院間際に詳細な説明を受けたのも、そうした状況によるものと思われます。

 かぜと間違えて放置すれば重症化することもある上、会社や家庭内で感染を拡大する危険性もあったことを考えると、すぐに入院処置が取られたことは、結果的に良かったと言えるでしょう。

 これからの時期、咳が出たり、している人を見かけたら、十分な注意が必要です。

【これで私は助かった!】“糖尿病”の早期治療で九死に一生!

重大疾患に関与する症状は色々あるが、中には症状を示さない病気もある。その代表的な病気が「糖尿病」。何も言わず、苦痛を訴えることなく、弱っていく膵臓。気付いた時には取り返しのつかない事態に陥っているのだ。

 ■岡田亮介さん(35)=仮名=のケース

 学生時代はサッカー部。体力だけは自信があります。ストレスはあるものの、若い頃と食欲は変わらず、カゼ一つ引いたこともありません。それが、会社の健診で受けた血液検査で、「ヘモグロビン・エー・ワン・シー(HbA1c)」が9・0と出たのです。

5・8以上は糖尿病の危険性大(今年4月からは「国際標準値・NGSP」という基準に変わり、6・2以上だと糖尿病が疑われる)というのに、はるかに上回る数値です。「要入院」を言い渡され、2週間の教育入院を経験しました。

 3食ともカロリー制限食ですが、10日もすると慣れました。それより驚いたのが、いきなりインスリン注射を始めたことです。「インスリン注射は最後の手段」と思ってたのでびっくりしました。

 医師の説明では、糖尿病の早期でインスリンを使うことで、膵臓の機能回復を助け、いずれはインスリンを使わなくてもよくなるケースもあるとのこと。「打ち始めたら死ぬまで続ける治療」と思い込んでいたので、拍子抜けした気分でした。また、インスリン注射は思ったより痛みも少なく、打ち方も簡単でした。

 退院後もインスリン注射、食事療法、運動療法を続けていたら、3カ月後にはHbA1cが7台まで低下。インスリン量もどんどん減り、半年経った現在は6台前半で推移しており、医師からも「もうすぐインスリンはやめられるだろう」と励まされています。

 知らずに放置していたら、壊疽(えそ)や失明、果ては動脈硬化から命を落とす危険性さえあっただけに、運よく見つかり、的確な治療を受けられたことに感謝しています。

 ■専門医はこう見る

 池田病院(兵庫県尼崎市)院長・池田弘毅医師

 岡田さんのように若い頃に激しいスポーツをしていた人も糖尿病には注意が必要です。学生時代と比べて運動量が減っているのに、食べる量は減りにくい。岡田さんも「食欲は変わらない」と言っているように、肥満になりやすい環境が整ってしまうのです。

 しかも糖尿病の場合、自覚症状がないこともあり、自分では病気にかかっている気がしないまま、水面下で静かに病気が進行してしまうことになりかねないのです。

 ただ、岡田さんの受けた治療は的確なものであり、特に高血糖による悪循環を断ち切るために、早期の段階でインスリン注射を始めたのは、適切な治療だと言えます。

 高血糖状態が持続しているとわかったら、まずは疲弊している膵臓の機能を回復させる必要があります。そのためにはインスリンを投与することで膵臓を休ませることが大事。これに食事療法や運動療法、さらに適切な薬物療法を組み合わせることで状態は好転し、体重が減ればそれだけ膵臓への負担も軽減でき、結果としてインスリンから離脱できることも多いのです。

 岡田さんのように、「インスリン注射は最後の手段」と思い込んでいる人は少なくありません。より早期からのインスリン治療が、血糖を改善するのみならず、糖尿病自体の状態も改善し、インスリンから離脱できることもあることを、多くの人に知ってほしいですね。

【今日のストレス 明日の病気】出張疲れでひくカゼ 緊張解け免疫力下がり帰宅後に…

行楽の秋である。旅も物見遊山でほっつき歩くならいいが、仕事が目的の出張となると話は違ってくる。窓外の紅葉を眺める余裕もなく、新幹線の中で資料を読むだけの旅-。旅情も何もあったものではない。

 Mさん(35)は、それほど出張が多いというわけでもない。年に2、3度、1泊か2泊の国内出張に出かける程度。しかし、その出張のあとで、必ずと言っていいほどの確率で、かぜを引くのだ。

 「家族や友人との旅行ではそんなことはないのに、会社の出張だと必ず体調を崩すんです」と不思議がるMさん。しかし、その裏には意外なストレスの影が見え隠れする。

 「出張中は適度な緊張感が免疫力を高めているのです」と語るのは、大阪厚生年金病院の鈴木夕子医師。さらに詳しく解説してもらおう。

 「よく“忙しいとかぜを引かない”といいますが、出張中がまさにそれ。人は多忙になると、肉体的にも精神的にも追い込まれて集中力が高まり、交感神経が優位になります。

これにより身体中心部の血液循環がよくなり、体温が上昇。結果として免疫力が高まるのです。そして、出張中もこれと同じ状態が体の中では起きているのです」

 年中出張しっぱなしの人ならその生活が常態化してしまうが、年に2、3回のMさんにとって、出張は「非日常」。しかも片時も仕事が頭から離れない中で、体は無意識のうちに緊張状態に置かれているということなのだ。

 「出張先から自宅に戻ると、緊張が解けて免疫力が下がり、身近な現実世界のストレスに負けて、かぜを引くのでしょう」(鈴木医師)

 家族や友人との旅行では体調を崩すことがないのも、そうした旅行中は緊張をしないから。肉体面ではともかく精神的なストレスは感じていない。当然、旅行中に体が負う緊張感は小さく、免疫力の上がり下がりもない-ということなのだろう。

 そんなMさんは近々、常務のお供で3日ほど出張の予定が組まれている。これはストレスの宝庫であり、考えただけでぐったりしてくるという。今回は、出張前から寝込みそうだぞ。

【これで私は助かった!】肛門から出血…“結腸がん”からの生還

火のないところに煙は立たないとはいうが、異常のないところに出血はしないのが人間の体。「これくらいの出血」と甘く見ていると、命を失いかねない事態に至ることもあるのだ。今回は「S状結腸がん」から生還した人のストーリー。

 ■遠山真一さん(54)=仮名=のケース

 きっかけは「肛門からの出血」でした。いぼ痔を持っているわけではないのですが、子どもの頃から便秘になると出血することがあり、この時も切れ痔だろうと思っていたのです。

 ただ、切れ痔の時は排便時やシャワートイレを使った時に痛みを感じるのが常だったのですが、この時はそうしたことがなくて、何となく嫌な予感がないわけではなかったのですが、あまり深刻に考えたくなかったので、敢えて無視することにしたです。

 ちょうどその時期に会社の健診があり、便潜血検査で陽性反応が出ました。私は「切れ痔のせい」と思っていましたが、医師から強く勧められたので、大腸内視鏡検査を受けたのです。

 すると、直腸からS状結腸にかけていくつかのポリープが見つかり、その中に「顔つきの良くないポリープ」があるという。今度は市民病院を紹介されて、内視鏡による手術を受けることになったのです。

 ただの痔だと思っていたものが大ごとになってしまい、さすがに戸惑いましたが、なってしまったものは仕方ありません。手術は無事終わり、ポリープもすべてきれいに切除できました。

 その時点では悪性か否かは不明でしたが、その後の組織検査で、やはりがんであることが判明。結果として命拾いをした形となりました。

 変に「肛門からの出血」に慣れていたことが災いしたのですが、たまたま会社の健診があったので助かりました。医師からは、今後は年に一度は大腸内視鏡検査を受けるように言われており、その必要性を強く感じているところです。

 ■医師はこう見る

 マリーゴールドクリニック(東京都港区)院長・山口トキコ医師

 肛門からの出血を「痔のせい」と決めつけるのは危険です。まずは医師の診断を受けて、ハッキリさせることが重要です。

 確かに痔による出血であるケースは少なくありません。しかし、「痔だと思う」と言って受診した人の中から、一定の割合でがんが見つかるのも事実。自己判断はリスクが大きすぎます。

 腸管の中でも、肛門に近い直腸やS状結腸からの出血は比較的鮮やかな血が出るので、ご本人が気付くこともあります。こうした症状の場合は、触診や大腸内視鏡検査で確認します。

 直腸付近の異常であれば、いぼ痔の有無はハッキリするし、がんがある場合も医師が指で触って確認できることが少なくありません。遠山さんの場合はS状結腸に複数のポリープが見つかったとのことですが、肛門疾患や消化器科の医師であれば、ポリープの形状からある程度の悪性度を推察することができます。遠山さんを診た医師の言う“顔つき”がそれです。

 S状結腸がんも直腸がんも、進行した状態だと大掛かりな手術になりますが、早期なら内視鏡手術で切除可能。ほんの数日の入院で済んでしまいます。そのためにも早期発見が重要であり、出血のような症状を見逃さないことが不可欠です。

 もう一つ、近年の洋式便器とシャワートイレの普及で、自分の便を見ない人が増えており、これもがんの発見を遅らせる要因となります。排便は重大疾患の発見につながる最初の糸口でもあります。必ず一目確認する癖を付けたいものです。

自律神経が乱れると、 あらゆる不調があなたを襲う…

自律神経が乱れると、 あらゆる不調があなたを襲う……動悸、めまい、頭痛、下痢、便秘、倦怠感、憂鬱症状……。

自律神経の乱れによって引き起こされる症状は、多岐にわたります。最大の特徴は、自覚症状があるにも関わらず、病院で検査をするも、異常が見当たらないということ。原因として考えられているのは、 ストレス、生活リズムの乱れ、環境の変化、女性ホルモンの影響などといわれています。

そもそも、自律神経というのは、交感神経と副交感神経の2つの神経からなります。

交感神経とは?:
「走る」「息をする」「勉強する」「食べる」「緊張する」など、 活発に行動するときに強く働く神経のことです。

副交感神経とは?:
「睡眠中」「リラックスしている状態」など、安静時に強く働く神経のことです。

自律神経失調症のひとつ「過敏性腸症候群」に注意!
この自律神経の乱れともっとも密接な関係にある臓器が胃腸。

本来、胃腸というのは副交感神経が優位なときに強く働きます。つまり、体の機能が正常であれば胃や腸が活発になるのは、睡眠中など安静にしているときということ。

ところが、強いストレスを受けると、安静時ではなく活動中(本来交感神経が優位でなくてはならないとき)に副交感神経が優位になってしまうことがあるのです。それが、胃腸の不調に繋がっているといわれています。

例えば、出勤時の電車の中や会議、といった心理的ストレスがかかると腹痛や下痢になる……といった話をよく耳にすると思います。それは、ストレスにより自律神経の機能が乱れたことで、引き起こされているのです。

この状態が、慢性的に続いてしまったケースが近年増加傾向にある「過敏性超症候群」。特徴は、精密検査をしても、身体的にはまったく異常が見当たらないのに、下痢や便秘といった不快な症状が1ヶ月以上も続くことです。

治療としては、習慣や食生活、心理的な治療を組み合わせた、総合的な対処が必要になります。

最近では内服薬などもありますが、大切なのは一人ひとりの事情を鑑みた総合的なケア。その中でも特に重視されているのが、心理的ストレスを和らげること。趣味や運動などを通して、日常の中でこまめに気分転換するようにしましょう。

過敏性腸症候群と似たような症状は、他の病気でも現れます。下痢や便秘が続く、という人はまずは精密検査を行いましょう。自己診断はせず、医師の診断のもと適切なケアを行ってください。

【今日のストレス 明日の病気】口角炎 不条理な客の応対が続くとおちょぼ口に?  

家電量販店に勤務するTさん(38)は、若いころからストレスがかかるたびに「口角炎」に悩まされてきた。唇の脇がひび割れて、いずれ裂けてくる。「特に冬場は多いんです」と嘆く彼はいま、おちょぼ口だ。

 これまで何度となく口角炎を経験してきたが、その痛みや煩わしさに慣れることはないという。

 「ものを食べたり飲んだりするときはもちろん、アクビや大笑いをしただけでも強い痛みが出るんです。

一番つらかったのが歯医者さんに行ったとき。さすがに痛くて口を大きく開けられないので、診察をキャンセルして帰ってきたこともあります」とうなだれる。

 彼の口角炎ができるのは、決まってストレスがかかった時。特に彼にとってのストレス源は、不条理な客だ。

 「クレジットカードが預金不足で使えないといっても、『客を信用できないのか!』と怒鳴られたり、商品がモデルチェンジすると『なんで勝手に変えるんだ!』と激高したり。そんなこと僕に言われてもねぇ…」

 不思議なもので、その手の客が一人来ると、その日はクレームが連続する。そして翌朝、彼の口元は裂けている…。

 「精神的な抑圧によって交感神経が緊張状態になり、唾液の分泌量が減ることでさまざまな症状を起こすことになりますが、口角炎もその一つ。

人によっては唇だけでなく舌が乾いてひび割れることもあります」と語るのは、東京・渋谷区にある片平歯科クリニックの片平治人院長。要はストレスから来るドライマウスが原因だったのだ。

 同じストレス性の症状でも、狭心症や突発的な下痢などと比べれば、口角炎など軽いもの。でも、客商売のTさんにとっては、“話しづらい”という症状は重大な問題だ。

 片平院長は、「当面は薬剤軟膏を塗り、刺激物をさけて、口を大きく開けないこと。口の中の粘膜や舌に異常があればカンジダ症を疑う場合もあるが、そもそも口腔は全身の健康状態を反映しやすい場所。栄養と睡眠を十分に摂り、ストレスをためない工夫が大切」と話す。

 Tさんのひょっとこのような口元が、笑顔で広がる日はくるのだろうか。

【これで私は助かった!】高血圧を甘く見てはダメ!突然死も!重大疾患の前兆を見逃すな

高血圧を持病にする人は少なくない。その「仲間の多さ」から危機感を持ちにくいことも事実。しかし、この病態はあらゆる血管障害の土台となる。甘く見ていると、突然死を引き起こすことにもなりかねない。

 ■高村勲さん(50)=仮名=のケース

 以前から会社の健診で血圧が高めだとは指摘されていましたが、あまり気にしていませんでした。程度の差はあれ、「高血圧」って珍しい病気じゃないし、サラリーマンなら病気の一つや二つくらい持っていて当たり前と思っていたんです。今思うと、本当に恥ずかしい話です。

 ちょうどその時期は大きなプロジェクトが佳境を迎えていて、残業が続いていました。ただ、私自身は仕事が趣味みたいなところがあって、残業や休日出勤をストレスと感じることはなかったのですが、体はストレスと思っていたようです。

 夕方4時頃、会議を終えて自分の席に戻り、パソコンを立ち上げたところで「ドカン!」と来ました。頭をハンマーで殴られたような衝撃があり、頭を抱え込む以外、何もできないのです。

痛みはそれまで人生で経験したことのない激痛。とにかく何もできません。

 近くにスタッフはいるのですが、私の席は位置的にうずくまるとパソコンの画面の陰になる場所で、気付かれにくい。「助けてくれ」どころか「おい」と簡単な言葉を発することすら、できません。「ウー、ウー」と唸るのが精一杯でした。

 後で聞くと、すぐスタッフが異常に気付き、救急車を呼んでくれたそうですが、私は「なぜ気付かないんだ…」と途方に暮れるほど長い時間が過ぎたような気がしました。

 救急車で病院に搬送され、検査の結果「クモ膜下出血」。それでも血管内治療ができそうだとのことで、すぐに手術室に入り、血管内の破裂した動脈瓜生内にコイルを充てんする治療が行われました。

 手術は成功し、半年ほどのリハビリを受けましたが、幸いにも処置が早かったことから大きな後遺症は残らず、今は元気に仕事に復帰しています。救急車を待つ間、本気で死を覚悟しただけに、今元気でいることがうそのようです。

それからというもの、血圧を下げることに真剣に取り組んでいますが、もっと早くこの危険に気付いていれば-と後悔し、反省する毎日です。

 ■医師はこう見る

 東京共済病院(東京都目黒区)脳神経外科・渡邊玲医師

 クモ膜下出血は脳の動脈瘤が破裂して血管から脳内に血液が流れ出る病気。死に直結する重大疾患で、十分な注意が必要です。

 症状は高村さんのような「ハンマーで殴られたような激痛」が典型的ですが、必ずしもそうとは限りません。出血が微小な場合、もっと弱い頭痛程度しか感じないこともあります。

 ただ、経験した患者の話を総合すると、片頭痛や緊張型頭痛、また、かぜを引いて熱が出た時のような頭痛とは明らかに異なる質の痛みだったと言います。

従って高村さんのような激痛であればもちろんですが、比較的弱い頭痛であっても、それまでに経験のないタイプの頭痛に見舞われた時は要注意と考えるべきでしょう。

 脳動脈瘤は、破裂する前に処置をしておけばクモ膜下出血を防ぐことができます。しかし、脳動脈瘤があるだけでは症状はありません。脳ドックなどで画像診断をしない限り、未破裂脳動脈瘤を見つけることはできないのです。

 高血圧を指摘されている人は留意し、ドックなどを利用して積極的に予防に努めることをお勧めします。

【これで私は助かった!】頭痛の正体は上咽頭がん!耳鼻科の先生に感謝   

頭痛や鼻づまりといった「珍しくない症状」が、じつは命に関わる重大疾患のシグナルであることもある。いちいち気にしすぎるのもよくないが、気にしなければ早期発見は難しい。ここに病気治療の難しさがある。

 ■丸山敬造さん(71歳=仮名)のケース

 若い頃から姿勢が悪く、緊張型頭痛という肩こりから来る頭痛に悩まされていました。ところが、それとは少し質の違う頭痛を感じるようになったんです。以前から高血圧の治療でかかっていた近所の内科医院で相談すると、いわゆる「痛み止め」が処方されたのですが、ほとんど効果はありませんでした。

 そうこうするうちに花粉症シーズンを迎え、毎年その時期だけかかる耳鼻咽喉科を受診。その時に医師との何気ない世間話の中で頭痛の話をすると、「念のため」と、鼻の検査を兼ねて頭部MRIを勧められたのです。

頭痛の原因がわかるかもしれないし、何よりその手の大掛かりな検査を受けたことがなかったこともあり、受けてみたところ、鼻の奥に広がっているがんがあることがわかりました。上咽頭がんです。

 がんは「斜台」とよばれる頭蓋骨の底の部分を侵して、その向こう側の脳に達しようとしていました。

 地域の基幹病院に送られて精密検査の結果、手術はせずに放射線と抗がん剤による治療が行われることになりました。

 がんがあることがわかってから気付いたのですが、少し前から「鼻づまり」という症状もありました。でも、まさかそれががんによるものとは思わず、「カゼが治りきらないのだろう」程度の軽い気持ちだったのです。

 幸運にも治療は成功し、がんはほぼ無力化することができました。あの嫌な頭痛も治まり、定期的な検査は必要ですが、2年たった現在も再発や転移は見当たりません。

 それにしても、あの時耳鼻科の先生と世間話をしなければ、いまごろは命を落としていたことでしょう。画像検査を勧めてくれた耳鼻科の先生には本当に感謝しています。

 ■専門医はこう見る

 福内ペインクリニック頭痛外来(東京・新宿区)院長・福内靖男医師

 上咽頭がんは比較的予後の悪いがんで、特徴的な自覚症状もないことから早期で見つけることが難しいがんの一つです。

 がんが脳神経まで到達してダメージを及ぼしていると、頭痛、めまい、難聴、視力の低下や視野の欠損、鼻づまり、味覚障害、嚥下困難などが見られることがあります。

 しかし、長く通院している患者さんならまだしも、頭痛や鼻づまりなどの症状だけで、すぐにこの病気を見つけ出すのは困難といえるでしょう。その意味で、丸山さんが耳鼻科医に相談する機会に恵まれたことは、非常にラッキーだったといえます。

 いわゆる片頭痛の「拍動性の痛み」や、緊張型頭痛の「ハチマキを締め付けられるような痛み」など、頭痛持ちの人が普段感じる症状とはタイプの異なる症状を感じたときは要注意。

 また、そうした異質な痛みが長期間にわたって持続し、徐々に増強する。そして「従来は効果があった薬」が効果を示さない時は、上咽頭がんに限らず、何かしら別の原因が生じていることを疑うことも大切です。

【これで私は助かった!】手術しても頭に痛み…脳脊髄液減少症を併発

一つの症状に対して、原因疾患も一つとは限らない。複数の病気が複合的に一つの症状を起こしていることもある。今回は「頭痛」から始まった奇跡の生還の物語。

■野口朋広さん(39歳=仮名)のケース

 頭全体を支配する痛みが始まったのは2年前のこと。頭痛薬を飲んでも効かないし、日に日に痛みが強まってきたので病院の脳神経外科を受診。検査の結果「慢性硬膜下血腫」と診断されました。

 脳と頭蓋骨の間に血がたまる病気で、放置すれば死に至ることもあるが、手術をすれば治るとのこと。そこですぐに入院し、手術を受けることになりました。

 手術は無事成功し、術後は痛みも消えて喜んでいたのですが、3日後に痛みが再発。検査すると血腫が再発しているとのことで再手術。しかし終わると数日でまた痛み…。

 3回目の再発時に、主治医は「別の原因を考えたほうがいいかもしれない」と言って、別の病院の脳神経外科を紹介されました。行った先は東京・乃木坂の山王病院。

脳神経外科の高橋浩一先生の下で検査を受けたところ、「脳脊髄液減少症」を併発していることがわかったのです。

 脊髄から何らかの理由で脊髄液が漏れ出す病気で、これが脳の状態を悪化させているとのこと。そこで私自身の血を抜いて、背中の脊髄周囲にある“漏えい部”に注入し、脊髄液の漏れをふさぐ治療を受けました。

 この処置の後に元の病院で4回目の手術を受けたところ、今度は完全に症状が消え、それ以降再発もなくなりました。

 頭の痛みから始まった治療で、よもや背中に処置をされるとは思ってもみませんでしたが、それで完治したのだから、やはり脊髄液の漏れが原因だったのでしょう。

 人の体は意外なところでつながっていることを、自分の身をもって勉強した次第です。

■専門医はこう見る

 山王病院(東京・港区)脳神経外科・高橋浩一医師

 硬膜下血腫の再発を繰り返す人から脳脊髄液減少症が見つかるケースは少なくありません。ただ、脳脊髄液減少症という病気そのものの認知度が低いため、医師がその疑いを持たないケースがあることも事実です。

 脳脊髄液が減少すると、頭蓋の中の脳の位置が全体的に下がってきて、血腫ができやすくなる。野口さんも言う通り、慢性硬膜下血腫の手術そのものは決して難しいものではないので、それで何度も再発する場合は、他に原因があることを疑うべきなのです。

 脳脊髄液減少症は、造影MRIで診断できる場合があります。

野口さんの受けた治療は「ブラッドパッチ法」といって、その名の通り、患者自身の血液で脊髄液の漏れをふさぐ治療法。日本ではまだ健康保険が適用されておらず、そのため国内でこの治療を行っている医療機関は限られます。

最初にかかった医師が脳脊髄液減少症についての情報を持っていないと、なかなか診断にさえ結びつかないケースが出てくるのが実情です。

 一方の硬膜下血腫は、初めは頭痛から始まり、進行すると意識が遠のいたり“ボケ”に似た症状が出て、最終的には呼吸機能などが悪化して死亡する重大疾患。手術が簡単だからといって、再発を放置するのは危険です。

 硬膜下血腫を繰り返す場合は、自分から他の病気の存在を疑ってみるべきでしょう。

【これで私は助かった!】定期検査で長生き!肺がん見つかり早期手術

前回、肺がんの中でもタバコに影響されやすい扁平上皮がんのケースを紹介したが、今回はもう一方の「腺がん」。喫煙の有無に関係なく発生するという、恐ろしい存在なのだが…。

 ■藤川百合子さん(54)=仮名=のケース

 7年前に乳がんが見つかり、手術をしました。ステージIIでしたが、がんはきれいに切除でき、リンパ節転移もありませんでした。術後も定期的に検査を受けていますが、先生も「ほぼ大丈夫でしょう」と言うので、安心していたんです。

 ところが、3年前に定期検査を受けたところ、CT画像で胸に影が写ったんです。同じ胸でも今度は肺です。精密検査の結果、肺の中葉に直径3センチほどの腺がんがあることがわかりました。一度は助かったと思っていただけにショックでした。

 それでも紹介された呼吸器外科の先生が、「直径3センチほどなので、手術で何とかいけると思います。我々も頑張りますから藤川さんも頑張りましょうよ!」と気合を入れてくれたのが、とても励みになりました。

 手術は胸腔鏡というカメラを使って行うもので、傷跡もほとんどわからない小さなもの。前回の乳がんの手術もそうでしたが、最近の手術は本当に見た目にはわからない程度の傷で済んでしまうのが不思議で、この年になっても、女性としてはありがたいことです。

 がんはきれいに切除できて、その後は補助療法で2年ほど抗がん剤を服用していましたが、それも終わり、今は3カ月に一度の定期検査に行くだけです。

今回も術後の経過は良好で、乳がんともども、どうにか克服できそうな気がしています。

 タバコも吸わない私が、よもや肺がんになるとは思っていませんでしたが、考えようによっては乳がん術後の定期検査をちゃんと受けていたおかげで早期発見できたわけで、何が幸いするかわかりません。

 二度も救われた命ですから、これからも定期検診をきちんと受けて、長生きしてやろうと思っています。

 ■医師はこう見る

 群馬大学附属病院(群馬県前橋市)呼吸器外科講師・清水公裕医師

 肺がんは、腺がんも扁平上皮がんも、早期では特徴的な症状が出ることは、ほとんどありません。つまり肺がんを症状のみを頼りに早期で見つけることは、非常に難しいことなのです。

 エックス線検査で見つかることもありますが、がんの性状やできた場所によっては見つけることが難しく、CTでしか見えない肺がんも少なくありません。

そのため、今回のように別の病気の治療や、治療後の経過観察での肺のCT撮影で、偶然写りこんで見つかることが時々あります。

 藤川さんがラッキーだったのは、肺のがんが「手術可能」な段階で見つかったこと。手術ができるということは、根治の可能性があることを示唆します。

しかも胸腔鏡で切除できたのは、比較的早期の肺がんであり、加えて胸腔鏡手術が可能な専門施設で治療を受けられたことも、技術的な面で幸運だったと言えるでしょう。

 世間には、タバコを吸わなければ肺がんにはならないと思い込んでいる人がいますが、誤りです。特に腺がんは、非喫煙者にも普通にできるがんで現在、増加の一途を辿っています。

特に、日本人を含めたアジア圏の女性に多く、今後も、高齢化とともに増加することが予測されます。

 今回のように定期的な肺の検査を受ける機会が無い人は、きちんと検診を受ける以外に、早期発見への有効な手立てがないのが実情です。通常の検診はもちろん、人間ドックでも肺のCT撮影をオプションで選ぶなど、積極性な検査の受診が重要です。

【これで私は助かった!】40代で肺がん…血の混じった痰で発見  

がんも早期で見つければ治せる時代になった。しかし、必ずしも早期で見つけられるとは限らない。特に肺がんは早期で症状が出にくく、よほどのことでもない限り、症状を頼りに早期がんを見つけるのは困難なのだ。

 ■下村亮介さん(44)=仮名=のケース

 きっかけは「咳」でした。風邪かな、とも思ったのですが、熱も出ないので様子を見ていました。すると湿った咳が2日ほど続いたところで、血の混じった痰が出たのです。それも鮮やかな赤ではなく、どす黒く明らかに不健康な痰でした。

 そこで会社近くの病院に行って検査を受けると、「がんの疑いがあるから」と大学病院に紹介状を書かれたのです。

 高校時代からタバコを吸っていたので、いずれ肺がんになる覚悟はあったのですが、まさかこの年齢で来るとはショックでした。そして、大学病院に紹介された時点で、半ば諦めてもいました。

 大学での精密検査の結果はやはり“クロ”で、扁平上皮がんという喫煙由来の可能性が高い進行度II期の肺がんとのこと。目の前が真っ暗になりましたが、先生が「ダメ元で手術をしてみよう」と言うので、賭けてみることにしたのです。

 2カ月ほど抗がん剤治療を受けて、がんを小さくしてから手術を受けました。幸いにもがん組織は取り切れたのですが、再発転移の危険性は残ります。

術後2年間再発を予防するための補助療法として経口の抗がん剤を飲んでいましたが、今はそれもやめて、術後4年目。月に一度の検査を続けていますが、ありがたいことに今のところ再発・転移は確認されていません。

 もちろんタバコは止めました。というより、がんと宣告された時点で、吸う気が失せてしまったのです。ならば、がんになる前に止めるべきだったのですが、そこが愛煙家の弱いところです。

 先生からは、あと1年再発がなければ完治と言われていますが、一度は諦めた命です。これからは用心に用心を重ねて、健康第一で生きていこうと思っています。

 ■医師はこう見る

 広島大学病院(広島市南区)呼吸器外科教授・岡田守人医師

 下村さん自身も考えている通り、非常にラッキーなケースと言えます。まず、早期の肺がんを「症状」から見つけるのは非常に困難なので、これを頼りにするのは危険です。

咳や血痰から肺がんが見つかった場合、ほとんどが進行例のため、半分以上が手術不能です。

 また、タバコと関連がある扁平上皮がんは、中枢型が多く、エックス線の画像で見ても位置的にちょうど心臓と重なってしまうので、見つけにくいという点もネックです。早い話が、タバコは吸わないに越したことはないということです。

 肺がんの8割以上は扁平上皮がんと腺がんの2つのタイプが占め、喫煙の影響を受けやすい扁平上皮がんに対して、腺がんは喫煙の有無に関係なくできるがん。

そして近年、比較的若い女性を中心に増加傾向です。以前はこの2つのタイプはほぼ同頻度だったのに、今では腺がんが圧倒的に多いのです。

 下村さんのように、喫煙者は常に肺がんを意識していますが、そうでない人はあまり肺がんについて心配しない傾向にあり、これもまた早期発見を遅らせる原因となります。

面倒がらずに、定期的な健診は欠かさず受けるようにしましょう。

【これで私は助かった!】“眼精疲労”が引きこもりにつながる

いわゆる“引きこもり”の原因はさまざまだが、「目の症状」が元で、外部との接触を避けるようになるケースもあるという。今回はそんな「眼精疲労」が招いたケースだ。

 ■寺岡真さん(23)=仮名=のケース

 せっかく入った大学でしたが、どうにも興味が持てませんでした。無理して授業に出ても、次第に目が疲れて焦点が合わなくなる。常に頭が重く気分が悪く、吐いてしまうことさえありました。

 特に目の疲れがひどく、眼科に何度か行きましたが検査の結果、「異常なし」だったり、「ドライアイ」だったり。点眼薬をもらっても大して効果はなく、次第に眼科にも学校にも足が遠のくようになりました。

 結局、大学は中退し、1年半ほど“引きこもり”の状態だったのですが、父親が同僚から紹介された眼科医がいるから、もう一度だけ診てもらおうというので、仕方なく受診しました。

 すると今度の先生は、「メガネが合っていない」と言い、メガネの処方箋を書いてくれたんです。メガネなんてショップで作るものだと思っていたので、眼科医が処方することに驚きました。

 その処方箋通りのメガネをかけて、出された昼用と夜用の2種類の点眼薬を使っていたら、見る間に視界がクリアになり、ほんの1-2週間で、長く続いていた頭の重さ感がウソのように消えたんです。

 それまで目が疲れるのでテレビなど絶対に見なかったのですが、久しぶりにテレビを見る気になり、しかも全然疲れない。本当に驚きました。

 精神的にも元気になってきたので、今年の春から理美容の専門学校に通い始めました。つらかった大学時代とは正反対の、楽しい学生生活を満喫しています。

 ■医師はこう見る

 梶田眼科(東京都港区)院長・梶田雅義医師

 寺岡さんのようなケースは、意外に少なくありません。眼精疲労に詳しい医師でないと、正確な診断や治療に行きつかないこともあり、ドライアイや、ひどい時には「気のせい」と言われ、放置するうちに悪化してしまうことがあるのです。

 寺岡さんの場合は眼精のバランスを崩すところまで進行してしまったようです。

 目の症状というのは自分にしか、わからないもの。その症状や不快感を周囲、特に医師に理解してもらえないと、精神的な不安が自律神経にダメージを及ぼしてしまうのです。その意味で、最後に正しい診断と治療技術を持った医師に巡り合えたことは幸運だったと言えるでしょう。

 眼精疲労の原因は、目の内にある水晶体を支える毛様体という筋肉が疲弊して、ピントの調節機能が低下した状態。そこで、夜間は毛様体筋を休ませ、日中は活動性を高める点眼薬を使うことで、機能回復を図る治療が行われます。

 寺岡さんはメガネを換えたようですが、もしかしたら隠れ斜視(斜位)があったのかもしれません。これに気付かず、合わないメガネをかけ続けていると、外眼筋も常に頑張っていなければならなくなり、眼精疲労が回復に向かうことはないのです。

 眼精疲労はさまざまな要因で引き起こされますが、最近はスマートフォンが引き金になるケースが増えています。スマホは画面にタッチして操作する構造上、従来の携帯電話に比べ画面の位置が目に近く、それだけ毛様体筋と外眼筋の負担を大きくしています。

 眼精疲労を「単なる目の症状」と軽く考えていると、深刻な精神症状を引き起こすことにもなりかねないだけに、十分な注意が必要です。

イライラの原因!?「自律神経が乱れる」朝のNG行動5つ

自律神経を整えることが、キレイの秘訣であることはみなさんご存知ですよね。自律神経が乱れてしまうとホルモンバランスが崩れたり、代謝が悪くなったり、イライラしやすくなったりします。

でも、現代の女性は交感神経が優位になりがちで、自律神経が乱れてしまっている方が多いのが事実。今回は、朝にやりがちな自律神経を乱してしまうNG行動を確認していきましょう。

■1:朝起きてすぐカーテンを開けない

朝起きたらまず何をしますか? カーテンを開けずに支度を始めてしまっている方、要注意です。太陽の光を浴びることで、体は一日のスタートだと認識します。こうして体に一日のリズムを刻みこむことで、自律神経が整いやすくなるのです。

前日に寝るのが遅くなってしまったとしても、毎朝同じ時間に起きて光を浴びることが重要です。カーテンを開けて、太陽の光を浴びながら伸びをする習慣をつけると、自然と朝の憂鬱さも軽くなります。ぜひ行ってみてください。

■2:朝バタバタ支度をする

できるだけ出発ギリギリまで寝ていたい方も多いと思います。でも実は、これも自律神経を乱してしまうNG行動。

バタバタ準備をして焦ることで、交感神経が優位になります。朝余裕をもってのんびり支度をするのが、交感神経を刺激しないコツです。ゆったり支度をしてコーヒーを飲んだり、本や新聞などを読む時間を作るのがベスト。

ほんの10分早く起きるだけでも朝の時間に余裕ができるはず。明日から10分早起きしてみませんか?

■3:朝食を食べない

朝、昼、晩の3回の食事をとることで、体内にリズムが生まれます。自律神経を整えるためには、一定のリズムのある習慣が大切なのです。また、朝食を食べることで腸を目覚めさせ、腸がきちんと働き、腸内環境がよくなることにもつながります。

朝なかなかしっかり食事をとれないという方は、とにかく固体のものを食べるように心がけましょう。りんごやバナナといったフルーツは、食べやすくてヘルシーなのでおすすめです。

■4:駅までダッシュ

家を出てからも、バタバタしてしまうのは交感神経を優位にしてしまうことに。毎朝駅までダッシュしている方は気を付けましょう。

自律神経は一定のリズムを感じることで整います。ゆっくり一歩一歩リズムを感じながら歩くことも、自律神経を整えるコツです。毎朝走ったり、走って疲れたら歩いたりするのは、自律神経が乱れるもとに。

電車の時間や出勤時間、登校時間に余裕をもって出かけるようにしましょう。

■5:ヨガは夜しかやらない

ヨガを行っている方はご存知のとおり、ヨガには自律神経を整える効果があります。夜しかヨガをやらないという方は、ぜひ朝にも行ってみてください。朝に自律神経を整えると、すっきりと一日をスタートでき、その良い状態が一日中続きます。

ヨガをやったことがない方も、簡単な1ポーズでもよいので挑戦してみてくださいね。自律神経を整えるには朝の習慣が重要です。ぜひ明日の朝から気を付けて、美しい体を目指しましょう。

実はカラダ冷えてます!夏こそ乱れがちな「自律神経をキリッと整える」2つの方法

外は暑いので露出多めのファッションになるものの、室内に入ればエアコンが直撃で寒い…。こんな環境下で夏場は自律神経が乱れ、実は「夏冷え」が加速してしまいがち。

さらに今年は冷夏が予想されるだけにノースリーブなどを例年の感覚で着ていると不調に陥ってしまう心配が! そこで本日は、夏冷えの実態とその撃退方法をお伝えしたいと思います。

■夏冷えのメカニズムとは?

そもそも「冷え」とは、脳内の自律神経から「体温を調節して!」の指令が送られない事が原因。過度のストレスや生活習慣に乱れによって自律神経のバランスが崩れてしまう事によりこのような不調が起きてしまうと考えられています。

冬ならば温めれば何とかしのげるものの、夏冷えの場合は体温調節ができない上に、冷たいものを多く摂取してしまうため、余計に自律神経が乱れ「冷え」を加速してしまう結果に。そこが夏冷えの恐ろしいところなのです。

■夏冷えが及ぼす体への影響

冷えて体温が下がっているところに冷たいものを摂取すると、低体温となり免疫系が弱くなってしまうそう。すると、あらゆる部分の動きが鈍くなってしまうため、ちょっとした事でも疲れを感じやすくなってしまうとか。

さらには、くすみがひどい肌荒れ、中々完治しないむくみ、頭痛や肩こり、胃の働きが悪くなるなど様々な不調が現れてしまいます。

■今すぐできる夏冷えの撃退法

本格的な夏が到来する前から自律神経を整える事が絶対必須! 夏冷えは、とにかく生活習慣を改めてあげる事が大切です。ちょっと気合を入れれば、今までにない夏キレイなアナタになれるかも! そこで今スグできる簡単夏冷え撃退法をお伝えします。

●ウォーキングで血の巡りがグングン良くなる!

全身の血流を良くし、冷えを改善させるために最も効果的なのは「ウォーキング」。実はこれって意外とできていない方が多いんですよ! 歩く目安は、1日10分~20分程度でOK。

足に合ったスニーカーで背筋を伸ばしお腹・骨盤は引き上げるように意識します。そして、リズムを刻むようにマイペースに歩く事がポイントです。

●38~39度のお風呂でストレスもすっきり!

冷えを感じている女性はシャワーで済ませている人が多いそう。体を芯から温める事はもちろんの事、しっかり浸かる事で自律神経を整える事ができます。38~39度のぬるめのお湯にゆったりと身を委ねてリラックスする時間を作ってあげましょう。

冷えが改善されるだけでなく、脳内のストレスホルモンもリリースされます。

なんとなく体調が優れないからと病院で検査をしても何の問題もないタイプの方に多く見受けられるのが、夏冷えの症状。見逃さずにしっかり向き合う必要がありますね!

佐世保高1殺害「保護処分」に…少女が抱えていた「自閉症スペクトラム障害」とは

長崎県佐世保市で起きた女子高生殺人事件。クラスメイトを16歳の少女が殺害したセンセーショナルな事件は世間を騒がせ、話題になりました。13日、長崎家裁は加害者少女へ「保護処分」を決定。16歳の誕生日を迎える直前の犯行だったこともあり、この判定には賛否両論が起こっています。

加害者である少女には重度の「自閉症スペクトラム障害(ASD)」などの障害があったとされています。あまり聞きなれない言葉ですが「自閉症スペクトラム障害」とは何なのでしょうか?

◆自閉症スペクトラム障害(ASD)って?

ASDは社会的コミュニケーション障害と、興味の限局が症状の特徴です。場の空気が読めず、抽象的な質問に対して答えられない、質問の意図が理解できないなどといった日常的にコミュニケーションに支障をきたします。

また、自分の興味のある分野で安心し、強いこだわりを持ちます。狭い興味の範囲内で行動することがよくあり、そこから抜けられず、些細な言動に引っかかり相手を深く追求するといったこともままあります。

また、自閉症スペクトラム障害は、同じ発達障害である注意欠陥・多動性障害(ADHD)と見分けがつきにくいといわれています。

姜昌勲医師は、かつてはアスペルガー症候群と呼ばれた知的障害を持たない自閉症スペクトラム障害(ASD)と、注意欠陥・多動性障害(ADHD)との共通点や違いを次のように指摘しています。

●会話にまとまりがない
注意欠陥・多動性障害の患者はぽんぽんと会話が飛ぶのに比べて、自閉症スペクトラム障害の患者は、ひとつの話題を深く掘り下げてこだわって話す傾向があります。

●同じ話を何度もする
注意欠陥・多動性障害の患者が、同じ話を何回もしたのを忘れているのに対し、自閉症スペクトラム障害の患者は、過去のネガティブな経験やトラウマにこだわり、何回も同じことを話す傾向があります。

●空気が読めない
自閉症スペクトラム障害の患者は、相手の意図していることが読めず、自分ルールにこだわります。自分の決めた基準に従って行動する特徴があるのに比べ、注意欠陥・多動性障害は自分の欲求に衝動的ですぐに行動する傾向があります。

●不注意
自閉症スペクトラム障害の患者は、自分で決めたことを最優先するので、柔軟性をもとめられても適応できません。そのため、周りとすれ違いが起こってしまい、ミスを引き起こします。一方、注意欠陥・多動性障害は見落としや詰めの甘さなどからミスを起こします。

総じて、自閉症スペクトラム障害の患者のほうが表情に変化が少なく、何を考えているのかわからないことが多いようです。

自閉症スペクトラム障害は、協調性や対人スキル、柔軟な対応など複数のスキルをもとめられる職種には向いていません。

一方で、特定の分野に対して強いこだわりを持つ自閉症スペクトラム障害を持つため、研究者や学者、芸術方面の職種が向いているようです。加害者の少女が、この特性をポジティブな方向で活かせなかったのは、とても残念です。

<参考資料>
*1)姜 昌勲『大人の発達障害 診断マニュアル』中外医学社
http://karapaia.livedoor.biz/archives/52069875.html

監修:山本恵一(やまもと・よしかず)
メンタルヘルスライター。立教大学大学院卒、元東京国際大学心理学教授。保健・衛生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサービスなどを提供する株式会社とらうべ副社長

見た目年齢を加速!? 老け顔の原因=自律神経の乱れが引き起こす3つのトラブルをチェック!

突然ですが、みなさまは「自律神経」という言葉を聞いたことはありますか? よく耳にする言葉だけれど、詳しい働きはよくわからないという方も少なくないはずです。

実は心や体だけではなく、お肌の状態にも大きな影響を及ぼす自律神経。肌トラブルや肌老化とも深い関わりがあるのです。お肌がキレイな人は自律神経のバランスが整っているといわれています。

今回は自律神経とお肌の関係をチェックしていきましょう!

◇ 自律神経ってなに? 乱れると、どんな影響があるの?

自律神経とは、血行や代謝、呼吸、体温を維持するなど、私たちが生きているうえで欠かせない生命を維持する機能をコントロールしている神経のことです。「

頑張るぞ!」と心身を活発モードにする“交感神経”と、「ゆっくりのんびり」なリラックスモードにする“副交感神経”の2種類があります。

活発モードの交感神経が働くと、集中力や判断力、瞬発力が高まって仕事や家事がはかどる一方で、交感神経が優位になりすぎると血管を収縮して血行が悪化。頭痛や肩こり、疲れなどの不調を引き起こします。

また過度の緊張状態が続くことで、イライラしたり怒りっぽくなることもあります。

◇ 心身だけじゃない! お肌にも悪影響を与えます

ストレスだってお肌には悪影響ですよね。自律神経の乱れは心身の不調だけではなく、お肌の状態とも深い関係があります。

血流が悪くなったり、お肌の新陳代謝が低下したり、腸の働きが悪くなって便秘気味になったり……。

その結果、ニキビや肌荒れ、シミ、シワなどのエイジングサインなど、さまざまなお肌トラブルや肌老化を引き起こす原因になります。

◇ 自律神経の乱れが起こす、3つのトラブルとは?

1.血流悪化→くすみ・クマ・黒ずみ
自律神経が乱れると、毛細血管が収縮して血の巡りが悪くなります。その結果、お肌の透明感が失われたり、クマやくすみ、黒ずみの原因に。

2.肌の新陳代謝ダウン→シミ・シワ・ニキビ痕
自律神経の乱れにより、肌細胞の生まれ変わりターンオーバーがスムーズにいかなくなると、シミやシワが増えやすくなります。ニキビができたあとに、ニキビ痕として残りやすくなることも。

3.便秘気味になる→ニキビ・吹き出物
腸は、リラックスモードの副交感神経にコントロールされているため、自律神経のバランスが崩れると動きがわるくなり便秘がちに。すると老廃物が体に溜まり、有害物質が腸から吸収されて全身をまわるため、ニキビや吹き出物ができやすくなります。

最近、イライラすることが増えた、よく眠れない、お肌の調子が悪い。その原因は自律神経の乱れによるものかも。次回はその原因をご紹介します!

当事者が書いた「自閉症の気持ち」が世界でベストセラーに! その奇跡の物語とは?

5月27日放送の『Dr.倫太郎』(日本テレビ系)第7話において、物語のクライマックスとなっていたのは、サヴァン症候群を伴う自閉症スペクトラムの少年が、文字盤を使って「自分の気持ち」を倫太郎医師に伝えるシーンでした。

感情表現や行動が一般的な子供と大きく異なるため、こうした自閉症スペクトラムの児童の気持ちは、家族をはじめとする周囲の人々に理解されにくいケースも多いようです。

しかし、そんな自閉症を取り巻く社会の状況に一石を投じた一冊の本があります。それは自閉症の当事者によって書かれた「自閉症の取り扱い説明書」とでも呼べるような画期的な本でした。

◆世界でベストセラーになった『自閉症の僕が跳びはねる理由』
その本のタイトルは『自閉症の僕が跳びはねる理由~会話のできない中学生がつづる内なる心~』。著者である東田直樹さんは、本のサブタイトルにある通り「会話のできない重度の自閉症」と子供のころに診断されました。

しかし、やがて東田さんは訓練により文字盤を使ったコミュニケーションができるようになり、その後はパソコンで原稿も書けるようになったそうです。

東田さんはこの本が出版された2007年当時は中学2年生でしたが、現在では雑誌『ビッグイシュー日本版』での連載「自閉症の僕が生きていく風景」や、エッセイ・絵本・詩集など多くの著作を持つ作家として活躍しています。

また、この本はイギリス、アメリカ、カナダなど世界20か国以上で翻訳・出版されており、ベストセラーになっているとのことです。

◆イギリスのベストセラー作家との奇跡的な出会い
『自閉症の僕が跳びはねる理由』を最初に海外に紹介したのは、ハリウッドで映画化もされた『クラウド・アトラス』などの著作を持つイギリスのベストセラー作家デイヴィッド・ミッチェル氏でした。

自閉症児の父親でもあるデイヴィッド氏は、子供の心が理解できないことで長年悩んでいたそうです。

そんなある日、デイヴィッド氏は『自閉症の僕が跳びはねる理由』を偶然読むことになります(デイヴィッド氏が日本に長く住んだ経験を持ち、日本語が読めたということも、奇跡のひとつといえるかもしれません)。

東田さんの著作を読んで、「まるで息子が自分に語りかけている」ように感じたデイヴィッド氏は、やがて日本人である妻とともにこの本の英訳を決意したそうです。

東田さんとデイヴィッド氏の奇跡的な出会いによってさまざまな国の言葉に翻訳された『自閉症の僕が跳びはねる理由』が、世界各地にいる自閉症の当事者とその家族に希望を与えていく様子は、NHKが制作したドキュメンタリー番組『君が僕の息子について教えてくれたこと』にも記録されており、現在はDVDも発売されています。

◆質問形式で「自閉症の心の中」を説明
東田さんの著作に話を戻すと、『自閉症の僕が跳びはねる理由』は、「いつもおなじことを尋ねるのはなぜですか?」「すぐにどこかへ行ってしまうのはなぜですか?」といった自閉症についての50以上の質問に、著者が「当事者の立場から」回答する形で書かれています。

デイヴィッド氏のように「自閉症の子供の気持ちがわからない」と悩んでいたり、「自閉症についてもっと知りたい」と考えたりしている人にとっては、この本は自閉症(と呼ばれる人)に対する見方や接し方を変化させる「奇跡の一冊」になり得るのかもしれません。

井澤佑治(いざわ・ゆうじ)コラムニスト
舞踏家/ダンサーとしての国内外での活動を経て、健康法・身体技法の研究、高齢者への体操指導、さまざまな障がいや精神疾患を持つ人を対象としたセラピー、発達障害児の療育、LGBTの支援などに携わる。

自閉症にも改善効果?ブロッコリー・スプラウトに含まれる抗酸化物質「スルフォラファン」

長年「スーパーフード」といわれてきたブロッコリー。その発芽野菜であるブロッコリー・スプラウトは、もっと魅力的でした。

今回は、その健康成分と効果について、最新の研究結果をご紹介します。

一番効果があるとされるのが、ブロッコリー・スプラウトに多く含まれる抗酸化物質のスルフォラファンです。ただ、ブロッコリー自体には、この成分はほとんどありません。

イギリスのロンドン・ロイヤル・ベターナリー大学では、マウスの実験から、関節炎の痛みを和らげる効果が期待できるとしています。

◆がん予防の効果が期待される
ミシガン大学の製薬研究者、ドウシン・サンさんは、がんの予防や治療にも効果があるといいます。

今は動物実験の段階で、人間への効果は確認されていませんが、がん細胞の成長を妨げ、解毒作用のある酵素を作る可能性があるそうです。

がん予防を期待するなら、かなりの量をとる必要があるので、茹でるか蒸すかがお勧めです。新鮮なラディッシュとあわせると、最強のスルフォラファンコンボになります。

◆自閉症にも改善効果が
アメリカ疾病管理予防センターでは、自閉症の治療にスルフォラファンを使う研究も行っています。

研究にあたったケネディ・クリューガー研究所のアンドリュー・ツィマーマン博士によると、スルフォラファンを投与した44人中26人に、「攻撃性が減る」「社会適応性が高まる」など大きな効果があったそうです。

投与をやめると、患者は元の状態に戻ったそうです。

◆スルフォラファンのさまざまな効果
スルフォラファンには、他にもいろいろな効果があります。

花粉症の抑制、ピロリ菌の除菌、悪酔いの軽減(アセトアルデヒドの代謝を促進)、内臓脂肪の蓄積の抑制などです。

ぴりっとした風味のもとであるミロシナーゼは熱に弱いのですが、スルフォラファンは熱に強いので、加熱調理もOK。サラダやつま以外にも、ブロッコリー・スプラウトを活用してみませんか?

参考:
『ABCNews』http://abcnews.go.com/Health/broccoli-sprouts-true-disease-fighting-super-food/story?id=30615273
『村上農園』http://www.murakamifarm.com/about/functional/sulforaphane/

ADHD、アスペルガーと呼ばない!「自閉症スペクトラム障害」という新たな定義とは?

「自閉症スペクトラム障がい(ASD)」という言葉をご存じですか? これは重い自閉症から「自閉の傾向はあるが社会的にはほとんど問題なく生活できる」という人までをスペクトラム(連続体)の中で捉える概念のことです。

2013年に、米国精神医学会が定める世界的な精神医学の診断基準「DSM」において、アスペルガー症候群や自閉症が「自閉症スペクトラム障がい」に含まれる形に改訂されたことから、日本でもこれに習い「アスペルガー症候群」という分類名は使用されなくなるのではないかと言われています。

◆ASDと自閉症の違いとは?
自閉症スペクトラム障がい(以下ASD)の最大の特徴は、これまで個別の障がいとされてきた「自閉症」「アスペルガー症候群」「非定型広汎性発達障がい」「小児崩壊性障がい」などを分類せず、すべてを包括してASDと定義することにあります。

また、自閉症の診断基準として採用されてきた「社会性」「コミュニケーション」「想像力」の3分野の診断領域を、「社会的コミュニケーション」と「限定した興味と反復行動」の2つに絞ったことも大きな特徴といえるでしょう。

◆これまでの定義の「曖昧さ」の改善が目的
ASDという診断基準が採用された理由として、これまで日本で採用されてきた「知的障がいを伴わない自閉」傾向にある人も「高機能自閉症」と「アスペルガー症候群」という2つの分類に分けられていましたが、患者の障がいをこの2つに分類することがとても難しいという指摘もあります。

また、「非定型広汎性発達障害(=特定の難しい広汎性発達障害)」に関しても、その診断基準が非常に曖昧なため、「精神面で問題がある」とされる子どもの多くがこの障がいに分類されてしまうという懸念も、新たな定義が導入された理由のようです。

◆障害・非障害の間に境界線を引かない
ASDという概念が導入されたことにより、「発達障害」は大きく分けて学習障害(LD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)と自閉症スペクトラム障害(ASD)の3つにカテゴライズされることになりました。

ASDにおいては、自閉的な傾向を連続体として捉えることから、「障害・非障害の間に境界線を引かない」画期的な診断基準という見方もあるようです。

しかし、そのために「ややこだわりが強い」「ひとりでいるのが好き」「物事に熱中しやすい」などといった、いわば「誰にでもある」ような特徴にもASDという診断がされてしまう可能性も指摘されており、ASDという名称の使用には慎重さも求められています。

【これで私は助かった!】五十肩と思ったら“腱板断裂”で手術!

どんな病気も自己診断は危険だが、どうせなら重いと見積もった方が安全だ。「どうせすぐに治る」と思い込むと、意外な大手術に発展することがある。今回は「腱板(けんばん)断裂」のお話。

 ■佐藤雅之さん(53)=仮名=のケース

 最初は「痛み」ではなく「違和感」でした。右の肩が、なんとなくしっくりとしない、関節の落ち着きが悪い-といった感覚でした。ところが次第にハッキリとした痛みに発展していき、好きなゴルフができなくなったんです。夜

寝ている間などには特に痛みを強く感じるようになり、次第に右の腕だけが上がらなくなってきました。

 今、思えば、この時点で素直に病院に行けばよかったのですが、周囲のゴルフ仲間が「四十肩だな。俺もやったよ」とか、「もう50代なんだから五十肩だ」と言って心配しなくていいと思った。

聞けばみんな、放っておいたら自然に治ったというのです。そこで四十肩、五十肩の先輩たちの助言に従って、湿布を貼っておとなしくしていました。

 ところが痛みが出てから3カ月が過ぎても、痛みは増すばかり。そこで病院の整形外科を受診し、MRIで肩を撮影した結果「腱板断裂」だとわかったのです。

 しかも驚いたのは、手術を受けることになったこと。それでも医師は、「まだ内視鏡で手術ができる段階でよかった。

もう少し放置していたら、断裂部が拡大し、大きく切開して行う大手術だったんですよ」と言います。あの時は『四十肩だ』と笑っていた仲間を恨みましたね」。

 それでも手術は成功し、3週間後には退院。その後もリハビリを続け、主治医からゴルフ再開の許しが出たのは半年後のことでした。

 しかし、あの“違和感”がこんな病気の前兆だったとは驚きです。自己診断、素人判断の恐ろしさを痛感し、仲間ともども反省をしている次第です。

 ■医師はこう見る

 麻生総合病院(川崎市麻生区)スポーツ整形外科部長・鈴木一秀医師

 中年期に起きる肩の症状を、四十肩や五十肩と思い込んで、放置するうちに悪化するケースは、意外に少なくありません。

 特に腱板断裂は、外傷により発症するというイメージが強いため、40-50代で疑う人は少ないのです。

 佐藤さんのケースは、肩の腱板という、肩甲骨から上腕骨を支える4つの筋の集まりの一部が断裂していたようです。

腱板というのは、いわゆる「インナーマッスル」のことで、これが切れると関節での上腕骨頭の収まりが悪くなり、腕を上げることが難しくなります。

 内視鏡で手術ができたということは、主治医が言っているように「重症になる前」だったということ。

そのまま悪化していたら、修復できないため、肩を大きく切開して、筋移行や筋膜移植などを選択しなければなりません。その意味で、早めに診断で下りて良かったと言えるでしょう。

 佐藤さんが経験した「夜間の痛み」や「動作時の痛み」、「挙上障害」は、腱板断裂の特徴的な症状なので、こうした痛みがある時は、医師の診断を仰ぐべきです。

 なお、「四十肩」「五十肩」と呼ばれる病気は、正式には「肩関節周囲炎」と言い、状態にもよりますが、自然に治っていくものもあります。

 しかし、腱板断裂との判別は素人にはまず無理なので、痛みがある、腕が上がらない、などの症状があったら、一度は受診しておいたほうがいいでしょう。

思春期によくある「起立性調節障害」 家族はどう向き合う?

朝起きられず、学校も休みがちに……。自律神経系のアンバランスによって、しばしば思春期に発症する「起立性調節障害」。もし我が子が診断されたら?

 起立性調節障害の専門外来を持ち、数多くの子どもたちの治療に当たってきた、もりしたクリニックの森下克也氏に起立性調節障害の適切なサポートについて伺った。

■本人が自分のストレスに気づくことが大切

起立性調節障害の子どもに話を聞くと、「学校に行きたくない」と言う子はまずいません。「しかし、その裏にはしばしば「行きたくない」気持ちが潜んでいます。

学校のある日の朝に症状がひどくなるようなら、何かストレスを感じていないか気にかけ、どうすればよいか一緒に考えてあげてください。本人が自分のストレスや悩みに気付き、向き合うことが症状の改善につながります。
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■叱っても放置してもダメ 「逃げ癖」も怖い

「起きなさい!」「怠け者!」などと叱り飛ばしていると、症状の悪化を招くばかりか、子どもの自立心の芽を摘むことになります。一方、「調子が悪いなら寝ていていいよ」と放置していると、子どもは無意識のうちに病気を利用するようになります。

すると、病気が治りにくくなるばかりか、目の前の課題を乗り越える力が育たなくなります。一番の問題は、病気を理由に「逃げ癖」がついてしまうことなのです。
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■具体的な目標を持たせ、長い目で見る

起立性調節障害をもつ子どもたちの多くは、「このままではいけない」と思いつつ、悶々(もんもん)としながら日々を過ごしています。受験や、留年や退学といった事態に直面して初めて、動き出すきっかけをつかめる子が多いようです。

具体的な目標ができたり、自分の在り方に自信を持てたりすると、表情もはつらつとしてきて「もう大丈夫」と思えます。

思春期の子どもは、自立心が育ちきっていない「未熟さ」ゆえに、心身に現れるさまざまな症状に負けてしまいがちです。自立心の成長には時間がかかります。

「今は仕方がない。でも、いつかは自分で動き出さなければいけないときが来るんだよ」などと声をかけて、本人が自立心を育て、この先もさまざまな課題と向き合っていけるよう、子どもを信じ、長い目で見守ってあげてください。

急激な気圧の変化が自律神経に影響!対策は「●●をよくすること」

今年の立春は2月4日でした。とはいえ、まだまだ全国的に寒さの厳しい日が続くようですが、春の訪れを祝う行事も各地で行われているようです。

旧暦では正月にあたる立春は1年がスタートとする祝日。今年2015年の立春は満月でもあり、占星術や風水でもなにかと縁起のよい日のようです。

そんな、めでたい春の訪れの時期ですが、気をつけなければならないのが「気圧の変化」による心身の不調です。

◆変わりやすい天候=気圧の変化が自律神経に影響
2/4の時点では、本州には低気圧による大雪の予報が出ていますが、これから気候が暖かくなるにつれて、低気圧と高気圧が交互にやってくる季節になっていきます。

この時期には春一番に代表されるような「春の嵐」や雨の日が増え、全国的に天候が不安定になることも多いようです。
こうした気圧・気候の急激な変化の影響を受けるのが、交感神経・副交感神経といった自律神経です。

一般的に、高気圧のときは緊張をつかさどる「交感神経」が優位になり、低気圧のときはリラックスに深く関わる「副交感神経」が優位になるとされていますが、自律神経が気圧の変化に過敏に反応することで、ホルモンの分泌などにも影響をあたえ、頭痛・だるさなどの体調不良や肌荒れを引き起こすともいわれているのです。

また、この時期にはスギ・ヒノキの花粉が飛散しはじめることも、アレルギーを持つ人にとっては不調の原因に。これは、くしゃみ・鼻水・目のかゆみといった花粉症の症状だけでなく、「花粉による肌荒れ」を起こす場合もあるので注意が必要です。

◆対策は「血流をよくすること」
気圧の変化による心身の不調を軽減するには、身体をあたためて血流をよくすることが一番です。身体をあたためることは血流の改善につながるだけでなく、皮脂の分泌もうながすため、肌荒れの予防にもなるのです。

逆に、血流が滞って「冷えた状態」の身体は気圧の変化の影響を受けやすく、頭痛や肌荒れなどさまざまな不調を引き起こしやすいともいえます。

これからの季節にそなえて、白湯などのあたたかい飲み物をこまめに飲む、手首・足首・首といった「首」のつく場所をあたためる、根菜など食物繊維を多く含む食品で「腸内環境」を整える、などの方法で気圧の急激な変化にも負けないカラダづくりをおこなっておくとよいでしょう。

【これで私は助かった!】おしっこが赤い…“膀胱がん”の場合も

ある日突然おしっこに血が混じって出てくれば、大抵の人は驚く。しかし、ただ驚くだけではいけない。積極的に検査を受けることで、命を脅かす危険な病気を撃退することが可能なのだ。今回はそんな「膀胱がん」のお話です。

 ■山口聡さん(57歳=仮名)のケース

 自宅では「便器の周りが汚れる」と女房に怒られるので、恥ずかしながらおしっこをするときも便器に座ってしていたんです。だから自分のおしっこの色をしみじみと見るのは、自宅以外のトイレ。最初に異変に気付いたのも居酒屋のトイレでした。

 おしっこの色がなんとなく赤いんです。紅茶のような色合いです。でも、その時は酔っていたし、居酒屋のトイレが暗かったこともあって、あまり気にしていませんでした。

 翌日会社のトイレでおしっこをしていたら、昨夜より鮮明に赤い。鉄さびのようなドス黒い赤で、「これはえらいことだ!」となりました。

 会社近くの病院の泌尿器科を受診して症状を話すと、内視鏡による検査を受けることになりました。そして検査の結果、驚いたことに「膀胱がん」と診断されたのです。

 血尿が出たのだから何かの病気だとは予想していましたが、それ以外に痛みなどの症状はなかったので、がんと聞いたときは本当に驚きました。

 ただ、組織検査の結果、「表在性」といって、がんが筋層にまで達していないことがわかったので、おなかを切らずに内視鏡でがんの部分を削り取ることができました。

 驚いたのはそのあとです。再発予防のため、膀胱の中にBCGを注入する治療が行われたのです。BCGなんて、結核予防のために子供にうつワクチンだと思っていたのですが、よもや 膀胱がんの再発予防に効果があるとは知りませんでした。

 でも、おかげで術後2年が過ぎた今も再発も転移もなく、先生からも「たぶんこのまま行けるでしょう」と明るい見通しが示されています。

 あれ以来「汚れるよりも安全第一」と、家でも立ちションを実践していますが、女房も文句を言わなくなりました(笑)

 ■専門医はこう見る

 日本大学医学部泌尿器科学系主任教授・高橋悟医師

 膀胱がんの最も特徴的な症状が「血尿」です。色の出方はさまざまですが、明らかに普段と違って赤っぽい色の尿が出たら要注意です。普段から自分の尿を観察している人であれば、1リットルのおしっこに1ccの血液が混じっただけでも「おや?」っと感じるものです。なので、日頃からおしっこの色には注意をしておくべきでしょう。

 山口さんもそうですが、早期の膀胱がんであれば、内視鏡手術が可能です。そして、術後にBCGを膀胱に入れて再発を防ぐ方法も、一般的な治療法といえるでしょう。

 ご存じのようにBCGは結核を予防するワクチンですが、これを膀胱内に投与すると、「細菌」の存在を確認した免疫細胞が攻撃をかけ、もし取り残したがん細胞などが残っていても、一緒に攻撃してくれるのです。

 通常は週に1度の投与で6~8週間続けますが、その後は3~4カ月に1度の検査で状況確認。2年経っても再発転移がなければ一安心、5年経ってOKなら無罪放免となります。

 そのためにも、術後のフォローアップは面倒がらずに続けてください。

【これで私は助かった!】便が細くなったら“大腸がん”の可能性  女性にも多い若い人は遺伝

成人男性で全長約1・5メートルといわれる大腸。その中でも肛門に近いほどがんができやすく、直腸とS状結腸のがんだけで、大腸がんの半分以上を占めている。そこに発生するがんを早期で見つけるには、微妙な変化を見逃してはならない。

 ■上田信二さん(45)=仮名)のケース

 父も祖父も胃がんで死んでいるので、私も胃には注意をしていました。35歳の時から毎年胃カメラ検査を受けて、そのたびに胃や食道に“荒れ”があることは指摘されていましたが、がんを疑うような病変が見つかることはなく、最近は少し安心する気持ちもわいてきていたところでした。

 大腸内視鏡検査も過去には受けたことがありますが、麻酔を使った無痛検査だったのに、あとでお腹が張って苦しい思いをしたことから、リピーターにはなれなかったんです。

 異変に気付いたのは、年に一度の胃カメラ検査の時。問診で医師が発したひと言でした。

 「特に問題はありませんか? 血便が出たり、便が細くなったり…」

 血便は気付きませんでしたが、少し前から便は細くなっていたんです。直径にして鉛筆より少し太い程度の柔らかい便が続いていました。

 そのことを話すと、胃だけじゃなく大腸の検査も勧められ、受けることになり、検査の結果、S状結腸に明らかに異変が見つかったのです。紹介された市民病院で精密検査をしたところ、約5センチのS状結腸がんであることがわかりました。

 2週間後の開腹手術で腫瘍はきれいに摘出できました。医師の話では「見た限り転移もなさそうだ」とのことで、まずはひと安心。手術後には万一、取り残したがん細胞があった時に備えて、抗がん剤を使った補助療法も受けました。5年後の今も、経過は順調です。

 あの時「便の細さ」を訊かれなければ、取り返しのつかない状況に至っていたはず。結果として、胃がんを見つけに行ってS状結腸がんが見つかった-という形になりましたが、定期的な検査の大切さを痛感しました。

 ■専門医はこう見る

 小林医院(大阪市鶴見区)院長・小林経宏医師

 大腸がんというと「血便」を頼りにする人がいますが、シグナルはそれだけではありません。「下痢と便秘を繰り返す」という症状もあるし、今回の上田さんのように「便が細くなる」という症状から見つかるケースも、決して珍しいことではありません。

 大腸にがんができて便が細くなるのは、がんによって大腸の一部が狭窄しているから。便が細いと、痔のある人には好都合ではありますが、決して喜んでばかりはいられないのです。

 上田さんは腹腔鏡ではなく開腹手術でがん組織を摘出されたようですが、手術は、がんの場所、大きさ、周囲の臓器への浸潤、リンパ節転移などから、総合的に判断してベストな方法を選ぶことが大切です。

 「腹腔鏡で取れるうちは大丈夫だが、お腹を開くとなるとかなり危ない状況」と考えている人もいますが、無理して腹腔鏡手術にこだわるより、状況によっては開腹手術で確実にがんを切除したほうがいいケースもある。予後が良好であることを考えると、手術した外科医の判断が的確だったといえるでしょう。

 消化器系のがんに不安のある人は、胃だけではなく大腸にも目を向けて、定期的な検査を受けることをお勧めします。


【これで私は助かった!】胆のうポリープ放置したら“がん”に!

「定期的な検査」といわれても、何かと理由を付けてサボってしまいがちなサラリーマン。しかし、これを怠ると、取り返しのつかないことになるかも…。胆のうポリープがある人は、半年に一度の超音波検査をお忘れなく。

 ■山下守夫さん(57歳=仮名)のケース

 身長165センチで体重が80キロと今でもメタボ体質は変わっていませんが、以前は90キロを超える肥満体でした。健診のたびに悪玉コレステロールと中性脂肪は基準値を上回り、肝機能も「やや高め」で推移していました。

そのたびに治療を受けるよう指導はされるのですが、仕事の忙しさもあって、ついつい見て見ぬふりをしていました。

 3年前に超音波検査で胆のうにポリープがあることは知っていました。でも直径が1センチにも満たない小さなもの。先生も「良性だと思うけれど、その内また検査をしましょう」といった程度の話だったので、つい放置していたんです。

 ところが1年後、同僚ががんで亡くなったことから、急にポリープのことが不安になりました。以前の先生の所には顔を出しづらかったので、違うクリニックに行って、「1年前に胆のうポリープが見つかった」と自己申告しました。

 すぐにエコーで確認すると、直径2・5センチのポリープが見つかりました。この1年で倍以上に成長していたのです。

 医師の「悪性の可能性がある。手術すべき」との言葉を聞き、同僚のこともあったので、手術を受けることにしました。

 手術といっても開腹はせず、腹腔鏡で胆のうを切除するもの。創口も小さく、1泊入院するだけの短期滞在型手術でした。

 術後の組織検査の結果、医師の予想通りポリープは「がん化」していました。医師からは「あのまま放置していたら1、2年の命だったね」と言われてゾッとしたものです。

 その時の反省から生活習慣を見直し、10キロ以上の減量を達成。せっかく拾った命なので、このままメタボを脱却して長生きしたいと思います。

 ■専門医はこう見る

 医療法人社団涼友会(東京都新宿区)理事長・執行友成医師

 胆のうポリープは(1)形(2)数(3)大きさ(増殖のスピード)(4)できた場所-の四つを複合的に勘案して診ていく必要があります。見つかった時に小さかったからと言って、決して安心することはできません。

 特に(2)の「増殖のスピード」は重要で、ポリープの大きさが2センチを超えたら、がんを疑ってかかるべき。この大きさになると、山下さんのように「取ってみたらがんだった」というケースは珍しくありません。

 とはいえ、胆のうポリープには自覚症状はなく、また早期では血液検査でも反応しにくい。となると、「定期的な検査」に頼らざるを得なくなります。

 私は、胆のうポリープがある人には、半年に一度の超音波(エコー)検査を実施しています。半年ごとにポリープの変化を見ていれば、がん化などの「万一の事態」にも対応できます。

CTやMRIのような大掛かりなものではなく、外来で簡単にできる検査なので、本当に長生きしたいのであれば、きちんと受けるべきでしょう

【これで私は助かった!】“動悸”を侮るな!脳梗塞のリスクも

「たかが動悸」などと侮ってはいけない。その先に脳梗塞という重大疾患が控えているかもしれないのだ。心臓の症状が脳の病気を呼び起こす、そのメカニズムはこうだ。今回は「心房細動」の物語。

 ■福井真一さん(54歳=仮名)のケース

 数日前から妙に動悸がするので、気になっていたんです。翌月から大きなプロジェクトが始まることもあり、どうせなら時間があるときに診てもらおうと思って、会社の診療所に行ったら、心電図を撮ってくれました。

 すると、明らかに波形がおかしい。その医師は消化器が専門なので、近くの循環器専門病院に紹介されると、その日のうちに診てくれました。

 検査の結果「心房細動」と診断され、ワーファリンという薬を飲むことになりました。

 その後数日で動悸は消えたのですが、あとで聞くとワーファリンが心房細動を治したのではなく、心房細動は自然に治っただけとのこと。そしてワーファリンは当分飲み続けるように言われました。

 症状が消えたのに薬は飲み続ける-。聞けば、脳梗塞を予防するために必要な処置なんだそうです。ワーファリンは血液をサラサラにして、血栓ができなくなるようにする薬。

心房細動の人の心臓には“血のよどみ”ができやすく、ここでできた血の塊が何かの拍子に血流に乗ると、脳に飛んで血栓になる危険性があるとか。私にはその意識はなかったのですが、意外にも「死の一歩手前」まで行っていたというのです。

 よもや動悸が脳梗塞につながる症状とは知りませんでしたが、医師によれば「あのまま放置していたらどうなっていたかわからない」とのこと。忙しくなる前に受診しておいてよかったと、胸をなでおろしています。

 ■専門医はこう見る

 JR東京総合病院(東京都渋谷区)心臓血管外科部長・鎌田聡医師

 心房細動とは、心臓の上部だけが震えるような現象を起こす不整脈のこと。本来心臓は上部(心房)と下部(心室)が交互に収縮することでポンプの役割を果たすのですが、心房細動になると上下の動きがシンメトリーではなくなります。そのため血液の出力が5-10パーセントほど低下します。

 心房細動の典型的な症状は「動悸」です。心房細動だけで命を落とすことは考えにくいものの、「震え」が速すぎたり、逆に遅すぎると意識を失うこともあるので要注意。

 福井さんも言うように、心房細動になると心内血栓といって心臓の中で血の塊ができやすく、それが血流に乗って行った先で詰まると命に関わる状態を引き起こします。

 心臓を出た血流の60パーセントが脳に行くので、確率としては「脳梗塞」のリスクが高いのですが、それ以外にも腸や脚などの血管で血流不全をおこす可能性があります。予防するにはワーファリンのような抗凝固剤を使った治療が不可欠です。

 心房細動がひどい時には、心臓の内側から電気の流れを止める「アブレーション」という血管内治療を行うこともありますが、福井さんは治まっているようなので、経過観察でよさそうです。ただし、ワーファリンは医師の指示に従って使い続けてください。

【これで私は助かった!】お腹に痛み…検査したら“急性心筋梗塞”

命に関わる重大疾患だからといって、必ずしも、のた打ち回るような激痛や苦痛を伴うとは限らない。同じ病気でも症状の出方は人によって異なる。症状が軽いからといって、甘く見るのは危険なのだ。

 ■湯川誠一さん(54)=仮名=のケース

 実は、病院に連れて行かれた時のことはハッキリ覚えていないんです。家で晩酌しながら夕食をとり、ソファに横になってテレビを見ていたことは覚えています。

 何となく胸というかお腹の上のあたりが痛むような感じがして、気分が悪くなってきました。飲み過ぎたわけでもなく、カゼでも引いたのかと考えていたことは覚えているのですが…。

 家内の話では、お腹が痛いと言うので、近所に住む弟と2人で私を車に乗せて、市民病院に連れて行ったんだそうです。

 病院では「症状は大したことがないようだが、意識障害があるようなので、とりあえず入院して翌日詳しく検査をしましょう」ということになり、入院に向けたスクリーニングをしていたら、心電図に異常が見つかったのです。

 心筋梗塞の時に見られる特徴的な波長があることから、さらに検査を重ねた結果、急性心筋梗塞と診断を受けて急遽、循環器科に回され、緊急のカテーテル治療(血管内治療)を受けることになりました。

 治療は成功し、どうにか事なきを得て2週間後に退院。すぐに仕事にも復帰し、半年経つ今では、そんな大病を経験したとは思えないほど元気に過ごしていますが、あれが心筋梗塞の症状だったとは、今でも信じられない思いです。

 特に太っているわけでもなければ、タバコだって吸ったことがありません。何より心筋梗塞は「胸に焼け火箸を突っ込まれたような激痛」を伴うと聞いていただけに、あんな穏やかな心筋梗塞もあるのか-と、今でも不思議な気分です。

 ■医師はこう見る

 佐久総合病院(長野県佐久市)北澤彰浩医師

 本当に命拾いをしたケースと言えます。ご本人も話している通り、心筋梗塞というと胸に激痛を伴うことが多く、経験者は「人生で経験したことのない強烈な痛みだった」と口を揃えて言うものですが、中には今回の「マイルドな症状」のケースもあります。

 湯川さんがラッキーだったのは、「大したことはなさそうだから」と自宅に帰されるのではなく、とりあえず入院する処置が取られたこと。そ

れによって入院のために必要な情報を得るための検査が行われ、その中の心電図検査で心筋梗塞を見つけることができたのです。

今回のように軽い意識障害がある程度であれば、「一過性の意識障害でしょう」と翌日の受診を約束させられ自宅に帰されることもあるケースです。この点は非常に運が良かったし、病院側の判断に拍手を送りたい。

 病気に「必ず」はありません。心筋梗塞だから必ず激痛が起きる、心筋梗塞になる人は必ず太っているかタバコを吸っている-と決めてかかると、早期発見を遅らせて取り返しのつかない事態を招きかねません。

この点は十分に気を付けてほしい。

 それからもう一つ。今回、弟さんの車で病院に搬送されていますが、意識障害がある場合は緊急性が高いことが多いので、救急車を呼ぶことに躊躇する必要はありません。堂々と119番に電話してください。

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