あなたの健康はお金で買えますか・・・? ■これで私は助かった・自律神経・結核
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【これで私は助かった!】おしっこが赤い…“膀胱がん”の場合も

ある日突然おしっこに血が混じって出てくれば、大抵の人は驚く。しかし、ただ驚くだけではいけない。積極的に検査を受けることで、命を脅かす危険な病気を撃退することが可能なのだ。今回はそんな「膀胱がん」のお話です。

 ■山口聡さん(57歳=仮名)のケース

 自宅では「便器の周りが汚れる」と女房に怒られるので、恥ずかしながらおしっこをするときも便器に座ってしていたんです。だから自分のおしっこの色をしみじみと見るのは、自宅以外のトイレ。最初に異変に気付いたのも居酒屋のトイレでした。

 おしっこの色がなんとなく赤いんです。紅茶のような色合いです。でも、その時は酔っていたし、居酒屋のトイレが暗かったこともあって、あまり気にしていませんでした。

 翌日会社のトイレでおしっこをしていたら、昨夜より鮮明に赤い。鉄さびのようなドス黒い赤で、「これはえらいことだ!」となりました。

 会社近くの病院の泌尿器科を受診して症状を話すと、内視鏡による検査を受けることになりました。そして検査の結果、驚いたことに「膀胱がん」と診断されたのです。

 血尿が出たのだから何かの病気だとは予想していましたが、それ以外に痛みなどの症状はなかったので、がんと聞いたときは本当に驚きました。

 ただ、組織検査の結果、「表在性」といって、がんが筋層にまで達していないことがわかったので、おなかを切らずに内視鏡でがんの部分を削り取ることができました。

 驚いたのはそのあとです。再発予防のため、膀胱の中にBCGを注入する治療が行われたのです。BCGなんて、結核予防のために子供にうつワクチンだと思っていたのですが、よもや 膀胱がんの再発予防に効果があるとは知りませんでした。

 でも、おかげで術後2年が過ぎた今も再発も転移もなく、先生からも「たぶんこのまま行けるでしょう」と明るい見通しが示されています。

 あれ以来「汚れるよりも安全第一」と、家でも立ちションを実践していますが、女房も文句を言わなくなりました(笑)

 ■専門医はこう見る

 日本大学医学部泌尿器科学系主任教授・高橋悟医師

 膀胱がんの最も特徴的な症状が「血尿」です。色の出方はさまざまですが、明らかに普段と違って赤っぽい色の尿が出たら要注意です。普段から自分の尿を観察している人であれば、1リットルのおしっこに1ccの血液が混じっただけでも「おや?」っと感じるものです。なので、日頃からおしっこの色には注意をしておくべきでしょう。

 山口さんもそうですが、早期の膀胱がんであれば、内視鏡手術が可能です。そして、術後にBCGを膀胱に入れて再発を防ぐ方法も、一般的な治療法といえるでしょう。

 ご存じのようにBCGは結核を予防するワクチンですが、これを膀胱内に投与すると、「細菌」の存在を確認した免疫細胞が攻撃をかけ、もし取り残したがん細胞などが残っていても、一緒に攻撃してくれるのです。

 通常は週に1度の投与で6~8週間続けますが、その後は3~4カ月に1度の検査で状況確認。2年経っても再発転移がなければ一安心、5年経ってOKなら無罪放免となります。

 そのためにも、術後のフォローアップは面倒がらずに続けてください。

【これで私は助かった!】便が細くなったら“大腸がん”の可能性  女性にも多い若い人は遺伝

成人男性で全長約1・5メートルといわれる大腸。その中でも肛門に近いほどがんができやすく、直腸とS状結腸のがんだけで、大腸がんの半分以上を占めている。そこに発生するがんを早期で見つけるには、微妙な変化を見逃してはならない。

 ■上田信二さん(45)=仮名)のケース

 父も祖父も胃がんで死んでいるので、私も胃には注意をしていました。35歳の時から毎年胃カメラ検査を受けて、そのたびに胃や食道に“荒れ”があることは指摘されていましたが、がんを疑うような病変が見つかることはなく、最近は少し安心する気持ちもわいてきていたところでした。

 大腸内視鏡検査も過去には受けたことがありますが、麻酔を使った無痛検査だったのに、あとでお腹が張って苦しい思いをしたことから、リピーターにはなれなかったんです。

 異変に気付いたのは、年に一度の胃カメラ検査の時。問診で医師が発したひと言でした。

 「特に問題はありませんか? 血便が出たり、便が細くなったり…」

 血便は気付きませんでしたが、少し前から便は細くなっていたんです。直径にして鉛筆より少し太い程度の柔らかい便が続いていました。

 そのことを話すと、胃だけじゃなく大腸の検査も勧められ、受けることになり、検査の結果、S状結腸に明らかに異変が見つかったのです。紹介された市民病院で精密検査をしたところ、約5センチのS状結腸がんであることがわかりました。

 2週間後の開腹手術で腫瘍はきれいに摘出できました。医師の話では「見た限り転移もなさそうだ」とのことで、まずはひと安心。手術後には万一、取り残したがん細胞があった時に備えて、抗がん剤を使った補助療法も受けました。5年後の今も、経過は順調です。

 あの時「便の細さ」を訊かれなければ、取り返しのつかない状況に至っていたはず。結果として、胃がんを見つけに行ってS状結腸がんが見つかった-という形になりましたが、定期的な検査の大切さを痛感しました。

 ■専門医はこう見る

 小林医院(大阪市鶴見区)院長・小林経宏医師

 大腸がんというと「血便」を頼りにする人がいますが、シグナルはそれだけではありません。「下痢と便秘を繰り返す」という症状もあるし、今回の上田さんのように「便が細くなる」という症状から見つかるケースも、決して珍しいことではありません。

 大腸にがんができて便が細くなるのは、がんによって大腸の一部が狭窄しているから。便が細いと、痔のある人には好都合ではありますが、決して喜んでばかりはいられないのです。

 上田さんは腹腔鏡ではなく開腹手術でがん組織を摘出されたようですが、手術は、がんの場所、大きさ、周囲の臓器への浸潤、リンパ節転移などから、総合的に判断してベストな方法を選ぶことが大切です。

 「腹腔鏡で取れるうちは大丈夫だが、お腹を開くとなるとかなり危ない状況」と考えている人もいますが、無理して腹腔鏡手術にこだわるより、状況によっては開腹手術で確実にがんを切除したほうがいいケースもある。予後が良好であることを考えると、手術した外科医の判断が的確だったといえるでしょう。

 消化器系のがんに不安のある人は、胃だけではなく大腸にも目を向けて、定期的な検査を受けることをお勧めします。

【これで私は助かった!】胆のうポリープ放置したら“がん”に!

「定期的な検査」といわれても、何かと理由を付けてサボってしまいがちなサラリーマン。しかし、これを怠ると、取り返しのつかないことになるかも…。胆のうポリープがある人は、半年に一度の超音波検査をお忘れなく。

 ■山下守夫さん(57歳=仮名)のケース

 身長165センチで体重が80キロと今でもメタボ体質は変わっていませんが、以前は90キロを超える肥満体でした。健診のたびに悪玉コレステロールと中性脂肪は基準値を上回り、肝機能も「やや高め」で推移していました。

そのたびに治療を受けるよう指導はされるのですが、仕事の忙しさもあって、ついつい見て見ぬふりをしていました。

 3年前に超音波検査で胆のうにポリープがあることは知っていました。でも直径が1センチにも満たない小さなもの。先生も「良性だと思うけれど、その内また検査をしましょう」といった程度の話だったので、つい放置していたんです。

 ところが1年後、同僚ががんで亡くなったことから、急にポリープのことが不安になりました。以前の先生の所には顔を出しづらかったので、違うクリニックに行って、「1年前に胆のうポリープが見つかった」と自己申告しました。

 すぐにエコーで確認すると、直径2・5センチのポリープが見つかりました。この1年で倍以上に成長していたのです。

 医師の「悪性の可能性がある。手術すべき」との言葉を聞き、同僚のこともあったので、手術を受けることにしました。

 手術といっても開腹はせず、腹腔鏡で胆のうを切除するもの。創口も小さく、1泊入院するだけの短期滞在型手術でした。

 術後の組織検査の結果、医師の予想通りポリープは「がん化」していました。医師からは「あのまま放置していたら1、2年の命だったね」と言われてゾッとしたものです。

 その時の反省から生活習慣を見直し、10キロ以上の減量を達成。せっかく拾った命なので、このままメタボを脱却して長生きしたいと思います。

 ■専門医はこう見る

 医療法人社団涼友会(東京都新宿区)理事長・執行友成医師

 胆のうポリープは(1)形(2)数(3)大きさ(増殖のスピード)(4)できた場所-の四つを複合的に勘案して診ていく必要があります。見つかった時に小さかったからと言って、決して安心することはできません。

 特に(2)の「増殖のスピード」は重要で、ポリープの大きさが2センチを超えたら、がんを疑ってかかるべき。この大きさになると、山下さんのように「取ってみたらがんだった」というケースは珍しくありません。

 とはいえ、胆のうポリープには自覚症状はなく、また早期では血液検査でも反応しにくい。となると、「定期的な検査」に頼らざるを得なくなります。

 私は、胆のうポリープがある人には、半年に一度の超音波(エコー)検査を実施しています。半年ごとにポリープの変化を見ていれば、がん化などの「万一の事態」にも対応できます。

CTやMRIのような大掛かりなものではなく、外来で簡単にできる検査なので、本当に長生きしたいのであれば、きちんと受けるべきでしょう

【これで私は助かった!】“動悸”を侮るな!脳梗塞のリスクも

「たかが動悸」などと侮ってはいけない。その先に脳梗塞という重大疾患が控えているかもしれないのだ。心臓の症状が脳の病気を呼び起こす、そのメカニズムはこうだ。今回は「心房細動」の物語。

 ■福井真一さん(54歳=仮名)のケース

 数日前から妙に動悸がするので、気になっていたんです。翌月から大きなプロジェクトが始まることもあり、どうせなら時間があるときに診てもらおうと思って、会社の診療所に行ったら、心電図を撮ってくれました。

 すると、明らかに波形がおかしい。その医師は消化器が専門なので、近くの循環器専門病院に紹介されると、その日のうちに診てくれました。

 検査の結果「心房細動」と診断され、ワーファリンという薬を飲むことになりました。

 その後数日で動悸は消えたのですが、あとで聞くとワーファリンが心房細動を治したのではなく、心房細動は自然に治っただけとのこと。そしてワーファリンは当分飲み続けるように言われました。

 症状が消えたのに薬は飲み続ける-。聞けば、脳梗塞を予防するために必要な処置なんだそうです。ワーファリンは血液をサラサラにして、血栓ができなくなるようにする薬。

心房細動の人の心臓には“血のよどみ”ができやすく、ここでできた血の塊が何かの拍子に血流に乗ると、脳に飛んで血栓になる危険性があるとか。私にはその意識はなかったのですが、意外にも「死の一歩手前」まで行っていたというのです。

 よもや動悸が脳梗塞につながる症状とは知りませんでしたが、医師によれば「あのまま放置していたらどうなっていたかわからない」とのこと。忙しくなる前に受診しておいてよかったと、胸をなでおろしています。

 ■専門医はこう見る

 JR東京総合病院(東京都渋谷区)心臓血管外科部長・鎌田聡医師

 心房細動とは、心臓の上部だけが震えるような現象を起こす不整脈のこと。本来心臓は上部(心房)と下部(心室)が交互に収縮することでポンプの役割を果たすのですが、心房細動になると上下の動きがシンメトリーではなくなります。そのため血液の出力が5-10パーセントほど低下します。

 心房細動の典型的な症状は「動悸」です。心房細動だけで命を落とすことは考えにくいものの、「震え」が速すぎたり、逆に遅すぎると意識を失うこともあるので要注意。

 福井さんも言うように、心房細動になると心内血栓といって心臓の中で血の塊ができやすく、それが血流に乗って行った先で詰まると命に関わる状態を引き起こします。

 心臓を出た血流の60パーセントが脳に行くので、確率としては「脳梗塞」のリスクが高いのですが、それ以外にも腸や脚などの血管で血流不全をおこす可能性があります。予防するにはワーファリンのような抗凝固剤を使った治療が不可欠です。

 心房細動がひどい時には、心臓の内側から電気の流れを止める「アブレーション」という血管内治療を行うこともありますが、福井さんは治まっているようなので、経過観察でよさそうです。ただし、ワーファリンは医師の指示に従って使い続けてください。

【これで私は助かった!】お腹に痛み…検査したら“急性心筋梗塞”

命に関わる重大疾患だからといって、必ずしも、のた打ち回るような激痛や苦痛を伴うとは限らない。同じ病気でも症状の出方は人によって異なる。症状が軽いからといって、甘く見るのは危険なのだ。

 ■湯川誠一さん(54)=仮名=のケース

 実は、病院に連れて行かれた時のことはハッキリ覚えていないんです。家で晩酌しながら夕食をとり、ソファに横になってテレビを見ていたことは覚えています。

 何となく胸というかお腹の上のあたりが痛むような感じがして、気分が悪くなってきました。飲み過ぎたわけでもなく、カゼでも引いたのかと考えていたことは覚えているのですが…。

 家内の話では、お腹が痛いと言うので、近所に住む弟と2人で私を車に乗せて、市民病院に連れて行ったんだそうです。

 病院では「症状は大したことがないようだが、意識障害があるようなので、とりあえず入院して翌日詳しく検査をしましょう」ということになり、入院に向けたスクリーニングをしていたら、心電図に異常が見つかったのです。

 心筋梗塞の時に見られる特徴的な波長があることから、さらに検査を重ねた結果、急性心筋梗塞と診断を受けて急遽、循環器科に回され、緊急のカテーテル治療(血管内治療)を受けることになりました。

 治療は成功し、どうにか事なきを得て2週間後に退院。すぐに仕事にも復帰し、半年経つ今では、そんな大病を経験したとは思えないほど元気に過ごしていますが、あれが心筋梗塞の症状だったとは、今でも信じられない思いです。

 特に太っているわけでもなければ、タバコだって吸ったことがありません。何より心筋梗塞は「胸に焼け火箸を突っ込まれたような激痛」を伴うと聞いていただけに、あんな穏やかな心筋梗塞もあるのか-と、今でも不思議な気分です。

 ■医師はこう見る

 佐久総合病院(長野県佐久市)北澤彰浩医師

 本当に命拾いをしたケースと言えます。ご本人も話している通り、心筋梗塞というと胸に激痛を伴うことが多く、経験者は「人生で経験したことのない強烈な痛みだった」と口を揃えて言うものですが、中には今回の「マイルドな症状」のケースもあります。

 湯川さんがラッキーだったのは、「大したことはなさそうだから」と自宅に帰されるのではなく、とりあえず入院する処置が取られたこと。そ

れによって入院のために必要な情報を得るための検査が行われ、その中の心電図検査で心筋梗塞を見つけることができたのです。

今回のように軽い意識障害がある程度であれば、「一過性の意識障害でしょう」と翌日の受診を約束させられ自宅に帰されることもあるケースです。この点は非常に運が良かったし、病院側の判断に拍手を送りたい。

 病気に「必ず」はありません。心筋梗塞だから必ず激痛が起きる、心筋梗塞になる人は必ず太っているかタバコを吸っている-と決めてかかると、早期発見を遅らせて取り返しのつかない事態を招きかねません。

この点は十分に気を付けてほしい。

 それからもう一つ。今回、弟さんの車で病院に搬送されていますが、意識障害がある場合は緊急性が高いことが多いので、救急車を呼ぶことに躊躇する必要はありません。堂々と119番に電話してください。

【これで私は助かった!】“痔”の症状に隠れていた直腸がん

小さい病気が大きな病気の症状を隠すことがある。些細(ささい)な症状も見逃さず、疑ってかかることが早期発見には大切なのだ。今回は“痔(じ)”の症状に隠れていた“がん”の話-。

 ■山崎純一さん(55歳=仮名)のケース

 若い頃から“痔主”でした。大学時代にイボができてからは、ストレスがかかると脱出するのが毎度のことで、そのこと自体には慣れっこになっていたんです。

 しかも、時折硬い便が出ると切れることもあり、そんなときは出血と痛みが重なるので、集中力も出ません。

内痔核と裂肛という二重苦に苦しみながらも、長年の付き合いで手術を受ける気にもなれず、結果として放置し続けていました。

 ところが1年前、硬い便が出たわけでもないのに出血があったんです。切れ痔の時はウォシュレットでお湯を当てると痛みを感じるのですが、この時は痛くない…。なんとなく嫌な予感がしました。

 子供の頃に私をかわいがってくれた叔父が大腸がんで亡くなってから時間がたっていなかったこともあり、不安になった私は、病院に行きました。

「がんかもしれない」と言うのは大げさなような気がして恥ずかしかったので、「切れ痔」ということにして…。

 大腸内視鏡検査の結果は「早期の直腸がん」。自分でも「これまでの出血とはちょっと違う」という思いがあったのですが、やはりショックでした。

 すぐに入院し、腹腔鏡による手術を受けました。手術は成功し、転移もないようで、当面は安心してよさそうです。

医師からは「痔の人は血便や肛門からの出血になれているので早期発見が難しい。

ラッキーだった」と言われましたが、本当に運が良かったと思います。私自身、叔父の件がなければがんを疑うことはなかったはず。天国の叔父が救ってくれたんだろうと、心の中で感謝しています。

 ■専門医はこう見る

 キッコーマン総合病院(千葉県野田市)院長・久保田芳郎医師

 「痔だと思っていたらがんだった」というケースは少なくありません。また山崎さんの主治医が言うように、痔の症状ががんの症状を隠し、がんの発見を遅らせることもよくあることです。

会社の健診や人間ドックで受ける便潜血検査で陽性になっても、「俺は痔だから」と自己判断して再検査を受けずに、がんを見逃す人もいます。

 そしてもう一つ、出血という自覚症状で直腸がんが見つかった場合、進行がんであるケースが多いため、その意味でも腹腔鏡手術で処置できた山崎さんは本当にラッキーなケースだったといえるでしょう。

 近年はウォシュレットの普及で、トイレットペーパーに血が付いて気付く-というケースも減っています。

便利さと裏腹に直腸がんや大腸がんの早期発見が難しい環境になりつつあるのです。それだけに「便の目視」を心がけることは大切です。

 血便は、出血の場所によって色や形状に特徴があります。

胃や十二指腸のような上部消化管からの出血では便が黒くなり、大腸や直腸など出血部位が肛門に近くなるほど、血の色が赤くなる傾向があります。

 いずれにしても、血便という症状は腸管で何かが起きていることを示唆しているわけで、無視するのは危険です。痔の人もそうでない人も、積極的に大腸内視鏡検査か注腸検査を受けましょう。

【これで私は助かった!】腹痛から“膵臓がん”見つかり命拾

見つかったときには手遅れだった-。がんの中でもこのケースが非常に多いのが「膵臓(すいぞう)がん」だ。早期発見の難しさはトップクラス。生還が最も難しい病気なのだが…。

 ■浜岡祥司さん(54歳=仮名)のケース

 膵臓がんが助かりにくいということは知っていました。だから自分が膵臓がんだと分かったときは観念しました。はっきり言って諦めていましたよ。

 きっかけは腹痛。それも「なんとなく痛い」という不快感に近いもの。胃薬を飲んでも効かず、酒の飲み過ぎだと思っていたんです。以前は会社でも一、二を争う大酒飲みでしたから。

 それでも1カ月も症状が続くと不安になってきて、そこでようやく病院を受診。症状を話すと胃カメラと超音波検査を受けることになりました。

 胃カメラでは異常はなかったものの、超音波の画像で膵管の微妙な広がりが写っていた。精密検査に進んで、CTとMRI検査の結果は「ステージIIの膵臓がん」。膵頭部に直径1センチほどのがんがあったのです。

こんな僅かな病変からがんが見つかるとは驚きました。

 すぐに入院して、膵頭部と十二指腸を切除する手術が行われ、トータル1カ月ほどで退院。その後もがんが取り切れていない場合を想定して1年間の抗がん剤治療を受けました。

 抗がん剤の副作用は多少出たものの、副作用を止める薬を一緒に服用していたので、想像していたよりは軽く済みました。

 抗がん剤治療が終わってからも、定期的に検査は受けていますが、5年半が過ぎた今も転移や再発はナシ。

医師の指示に従って、お酒はやめました。膵臓がんになって助かっただけでも命拾いなのに、それをみすみす捨てるようなことはできませんからね。

 ■専門医はこう見る

 北里大学北里研究所メディカルセンター病院(埼玉県北本市)外科部長・八十川要平医師

 膵臓がんが助かりにくいがんなのは事実です。よく「膵臓がんは背中が痛くなる」と言いますが、これはがんが脊椎の神経に浸潤して起きる症状。

「黄疸(おうだん)」も同様で、膵がんに伴う自覚症状の多くは、がんがかなり進行していることを示唆します。

 早期で手がかりとなる症状というと、浜岡さんのような「上腹部の痛み」が挙げられますが、これも必ず出るわけではありません。つまり、自覚症状をアテにしていたのでは、なかなか完治は期待できないがんなのです。

 浜岡さんは「幸運」が重なったケースといえます。

超音波画像の微妙な病変に気付いたのは医師や検査技師の技術が高かったから。この時点でがんが、一般的に「助かる見込みがある」とされる1センチ以下だったこともラッキーでした。

 オマケに膵臓がんの手術は食道がんと並んで難易度の高い手術。執刀する外科医には高い技術が求められます。その意味では、病院選びも重要なテーマとなります。

 こうした難関をクリアして初めて克服できる可能性が出てくる-というのが膵がんなのです。

 ただし、ハイリスクな人はいます。喫煙者、飲酒量の多い人、糖尿病の人-。

特に中高年になって初めて糖尿病を指摘された人は要注意。これらに当てはまる人は、日頃から微妙な症状に注意して、年に一度の健診やドックを欠かさないことが重要です。

【これで私は助かった!】“糖尿病”の早期治療で九死に一生!

重大疾患に関与する症状は色々あるが、中には症状を示さない病気もある。その代表的な病気が「糖尿病」。何も言わず、苦痛を訴えることなく、弱っていく膵臓。気付いた時には取り返しのつかない事態に陥っているのだ。

 ■岡田亮介さん(35)=仮名=のケース

 学生時代はサッカー部。体力だけは自信があります。ストレスはあるものの、若い頃と食欲は変わらず、カゼ一つ引いたこともありません。

それが、会社の健診で受けた血液検査で、「ヘモグロビン・エー・ワン・シー(HbA1c)」が9・0と出たのです。

5・8以上は糖尿病の危険性大(今年4月からは「国際標準値・NGSP」という基準に変わり、6・2以上だと糖尿病が疑われる)というのに、はるかに上回る数値です。

「要入院」を言い渡され、2週間の教育入院を経験しました。

 3食ともカロリー制限食ですが、10日もすると慣れました。

それより驚いたのが、いきなりインスリン注射を始めたことです。「インスリン注射は最後の手段」と思ってたのでびっくりしました。

 医師の説明では、糖尿病の早期でインスリンを使うことで、膵臓の機能回復を助け、いずれはインスリンを使わなくてもよくなるケースもあるとのこと。

「打ち始めたら死ぬまで続ける治療」と思い込んでいたので、拍子抜けした気分でした。

また、インスリン注射は思ったより痛みも少なく、打ち方も簡単でした。

 退院後もインスリン注射、食事療法、運動療法を続けていたら、3カ月後にはHbA1cが7台まで低下。

インスリン量もどんどん減り、半年経った現在は6台前半で推移しており、医師からも「もうすぐインスリンはやめられるだろう」と励まされています。

 知らずに放置していたら、壊疽(えそ)や失明、果ては動脈硬化から命を落とす危険性さえあっただけに、運よく見つかり、的確な治療を受けられたことに感謝しています。

 ■専門医はこう見る

 池田病院(兵庫県尼崎市)院長・池田弘毅医師

 岡田さんのように若い頃に激しいスポーツをしていた人も糖尿病には注意が必要です。

学生時代と比べて運動量が減っているのに、食べる量は減りにくい。岡田さんも「食欲は変わらない」と言っているように、肥満になりやすい環境が整ってしまうのです。

 しかも糖尿病の場合、自覚症状がないこともあり、自分では病気にかかっている気がしないまま、水面下で静かに病気が進行してしまうことになりかねないのです。

 ただ、岡田さんの受けた治療は的確なものであり、特に高血糖による悪循環を断ち切るために、早期の段階でインスリン注射を始めたのは、適切な治療だと言えます。

 高血糖状態が持続しているとわかったら、まずは疲弊している膵臓の機能を回復させる必要があります。そのためにはインスリンを投与することで膵臓を休ませることが大事。

これに食事療法や運動療法、さらに適切な薬物療法を組み合わせることで状態は好転し、体重が減ればそれだけ膵臓への負担も軽減でき、結果としてインスリンから離脱できることも多いのです。

 岡田さんのように、「インスリン注射は最後の手段」と思い込んでいる人は少なくありません。

より早期からのインスリン治療が、血糖を改善するのみならず、糖尿病自体の状態も改善し、インスリンから離脱できることもあることを、多くの人に知ってほしいですね。

【これで私は助かった!】“甲状腺がん”をあなどるな!

ネットで見つけた「甲状腺がんは安全ながん」という表現。しかし、それを過信して病院に行かないのは自殺行為だ。安全か否かは医師が判断するもの。自己診断ほど怖いものはない。

 ■津山潔さん(42歳=仮名)のケース

 首に「しこり」を見つけたのは3年半ほど前のこと。のど仏の下を指で触ると、硬いかたまりがありました。直径1センチほど。ちょうど枝豆かピーナツくらいの大きさで、ゴツゴツしていました。

 インターネットで調べると、そこは甲状腺のある場所。甲状腺という名前は聞いたことがあるものの、何をする臓器なのかは知りませんでした。

 ネットの文面を読むと、要は「元気の素になるホルモンを出す臓器」。どうやら、このしこりは、甲状腺の腫瘍のようで、悪性なら甲状腺がんですが、ネットの情報では甲状腺がんは女性に多い病気という。

忙しい時期でもあったので、その時は病院に行きませんでした。

 ところが、かたまりは徐々に大きくなり、気付いてから1年ほど経つと、2センチほどに成長していました。

あらためてネットを見ると、「甲状腺がんは女性に多いが、男性に起きると予後が悪い」という記述がありました。怖くなって専門病院を受診。そこで超音波と細胞診検査を受け、下された診断は“がん”でした。

 それは甲状腺がんの中でも「乳頭がん」とよばれるもの。場所と大きさから、このまま放置すると“発声”に影響が出る危険性があるとのことで、すぐに手術を受けることになりました。

 おかげさまで手術は成功。転移などの不安もなく、主治医が一番心配していた“発声機能”へのダメージも回避できました。

 ネットでは「甲状腺がんは安全ながん」という情報が多いようですが、がんである以上簡単には安心はできません。ネット情報だけに頼ることの危険性を、身を持って痛感した次第です。

 ■専門医はこう見る

 伊藤病院(東京都渋谷区)院長・伊藤公一医師

 甲状腺がんには4つのタイプがあります。乳頭がん、濾胞(ろほう)がん、髄様(ずいよう)がん、未分化がんです。このうち、日本人の甲状腺がん全体の90パーセント以上を占めるのが乳頭がん。

津山さんの話にもあるように、乳頭がんの多くは安全性が高いがん。それだけに、早期発見、早期治療が重要になります。

 津山さんの場合でも、がんが小さいうちに手術をしたほうが、よりストレスの小さな治療で済んだはずです。また頻度は低いものの、甲状腺がんにも危険ながんはあります。

特に未分化がんは、人間の体にできるすべてのがんの中でも、最も予後の悪いがん。

乳頭がんや濾胞がんも、肺や骨などに転移すれば一気に危険性は高まる。つまり、「甲状腺がんなら何でも治りやすい」と安易に考えるのは危険なのです。

 津山さんは、もう少しで発声機能に障害が及ぶところでした。

これは、がんと甲状腺の裏側を走る“反回神経”の距離が近かったため。がんが、この神経に直接浸潤すると、声が嗄(か)れたり、出にくくなることがあります。

のどを酷使する仕事でもないのに「声がれ」の症状があり、耳鼻咽喉科で診ても喉頭に問題がないような場合は、甲状腺がんの存在を視野に入れるべきでしょう。

【これで私は助かった!】“糖尿病”の早期治療で九死に一生!

重大疾患に関与する症状は色々あるが、中には症状を示さない病気もある。その代表的な病気が「糖尿病」。何も言わず、苦痛を訴えることなく、弱っていく膵臓。気付いた時には取り返しのつかない事態に陥っているのだ。

 ■岡田亮介さん(35)=仮名=のケース

 学生時代はサッカー部。体力だけは自信があります。ストレスはあるものの、若い頃と食欲は変わらず、カゼ一つ引いたこともありません。

それが、会社の健診で受けた血液検査で、「ヘモグロビン・エー・ワン・シー(HbA1c)」が9・0と出たのです。

5・8以上は糖尿病の危険性大(今年4月からは「国際標準値・NGSP」という基準に変わり、6・2以上だと糖尿病が疑われる)というのに、はるかに上回る数値です。「要入院」を言い渡され、2週間の教育入院を経験しました。

 3食ともカロリー制限食ですが、10日もすると慣れました。それより驚いたのが、いきなりインスリン注射を始めたことです。「インスリン注射は最後の手段」と思ってたのでびっくりしました。

 医師の説明では、糖尿病の早期でインスリンを使うことで、膵臓の機能回復を助け、いずれはインスリンを使わなくてもよくなるケースもあるとのこと。

「打ち始めたら死ぬまで続ける治療」と思い込んでいたので、拍子抜けした気分でした。また、インスリン注射は思ったより痛みも少なく、打ち方も簡単でした。

 退院後もインスリン注射、食事療法、運動療法を続けていたら、3カ月後にはHbA1cが7台まで低下。

インスリン量もどんどん減り、半年経った現在は6台前半で推移しており、医師からも「もうすぐインスリンはやめられるだろう」と励まされています。

 知らずに放置していたら、壊疽(えそ)や失明、果ては動脈硬化から命を落とす危険性さえあっただけに、運よく見つかり、的確な治療を受けられたことに感謝しています。

 ■専門医はこう見る

 池田病院(兵庫県尼崎市)院長・池田弘毅医師

 岡田さんのように若い頃に激しいスポーツをしていた人も糖尿病には注意が必要です。

学生時代と比べて運動量が減っているのに、食べる量は減りにくい。岡田さんも「食欲は変わらない」と言っているように、肥満になりやすい環境が整ってしまうのです。

 しかも糖尿病の場合、自覚症状がないこともあり、自分では病気にかかっている気がしないまま、水面下で静かに病気が進行してしまうことになりかねないのです。

 ただ、岡田さんの受けた治療は的確なものであり、特に高血糖による悪循環を断ち切るために、早期の段階でインスリン注射を始めたのは、適切な治療だと言えます。

 高血糖状態が持続しているとわかったら、まずは疲弊している膵臓の機能を回復させる必要があります。そのためにはインスリンを投与することで膵臓を休ませることが大事。

これに食事療法や運動療法、さらに適切な薬物療法を組み合わせることで状態は好転し、体重が減ればそれだけ膵臓への負担も軽減でき、結果としてインスリンから離脱できることも多いのです。

 岡田さんのように、「インスリン注射は最後の手段」と思い込んでいる人は少なくありません。

より早期からのインスリン治療が、血糖を改善するのみならず、糖尿病自体の状態も改善し、インスリンから離脱できることもあることを、多くの人に知ってほしいですね。

【これで私は助かった!】“甲状腺がん”をあなどるな!

ネットで見つけた「甲状腺がんは安全ながん」という表現。しかし、それを過信して病院に行かないのは自殺行為だ。安全か否かは医師が判断するもの。自己診断ほど怖いものはない。

 ■津山潔さん(42歳=仮名)のケース

 首に「しこり」を見つけたのは3年半ほど前のこと。のど仏の下を指で触ると、硬いかたまりがありました。

直径1センチほど。ちょうど枝豆かピーナツくらいの大きさで、ゴツゴツしていました。

 インターネットで調べると、そこは甲状腺のある場所。甲状腺という名前は聞いたことがあるものの、何をする臓器なのかは知りませんでした。

 ネットの文面を読むと、要は「元気の素になるホルモンを出す臓器」。

どうやら、このしこりは、甲状腺の腫瘍のようで、悪性なら甲状腺がんですが、ネットの情報では甲状腺がんは女性に多い病気という。

忙しい時期でもあったので、その時は病院に行きませんでした。

 ところが、かたまりは徐々に大きくなり、気付いてから1年ほど経つと、2センチほどに成長していました。

あらためてネットを見ると、「甲状腺がんは女性に多いが、男性に起きると予後が悪い」という記述がありました。

怖くなって専門病院を受診。そこで超音波と細胞診検査を受け、下された診断は“がん”でした。

 それは甲状腺がんの中でも「乳頭がん」とよばれるもの。

場所と大きさから、このまま放置すると“発声”に影響が出る危険性があるとのことで、すぐに手術を受けることになりました。

 おかげさまで手術は成功。転移などの不安もなく、主治医が一番心配していた“発声機能”へのダメージも回避できました。

 ネットでは「甲状腺がんは安全ながん」という情報が多いようですが、がんである以上簡単には安心はできません。ネット情報だけに頼ることの危険性を、身を持って痛感した次第です。

 ■専門医はこう見る

 伊藤病院(東京都渋谷区)院長・伊藤公一医師

 甲状腺がんには4つのタイプがあります。乳頭がん、濾胞(ろほう)がん、髄様(ずいよう)がん、未分化がんです。

このうち、日本人の甲状腺がん全体の90パーセント以上を占めるのが乳頭がん。
津山さんの話にもあるように、乳頭がんの多くは安全性が高いがん。

それだけに、早期発見、早期治療が重要になります。

 津山さんの場合でも、がんが小さいうちに手術をしたほうが、よりストレスの小さな治療で済んだはずです。また頻度は低いものの、甲状腺がんにも危険ながんはあります。

特に未分化がんは、人間の体にできるすべてのがんの中でも、最も予後の悪いがん。

乳頭がんや濾胞がんも、肺や骨などに転移すれば一気に危険性は高まる。
つまり、「甲状腺がんなら何でも治りやすい」と安易に考えるのは危険なのです。

津山さんは、もう少しで発声機能に障害が及ぶところでした。
これは、がんと甲状腺の裏側を走る“反回神経”の距離が近かったため。

がんが、この神経に直接浸潤すると、声が嗄(か)れたり、出にくくなることがあります。

のどを酷使する仕事でもないのに「声がれ」の症状があり、耳鼻咽喉科で診ても喉頭に問題がないような場合は、甲状腺がんの存在を視野に入れるべきでしょう。 

【これで私は助かった!】動悸、息切れで検査したら…心臓弁膜症だった  

動悸(どうき)、息切れ、めまい…。現代人なら誰もが経験のある何気ない症状の陰に、命を脅かす恐ろしい病気が隠れていることがある。

「年のせい」と甘く見ていると痛い目に遭う。長生きしたければ、早目早目の対策が不可欠だ。

 ■土井秀嗣さん(57歳=仮名)のケース

 いまのマンションに住んで20年。駅まで15分ほど歩きますが、20年も住んでいるので慣れっこになっていました。

 ところが少し前から、この距離が体にこたえるようになってきたんです。しかも急速に…。仕事で疲れた夜だけでなく、朝会社に出かけるときにも、駅に着く前に息切れがする。

電車に乗って落ち着くと、ドキドキと動悸がするのを感じるんです。

 この“動悸”は夜寝るときにもあって、ベッドに入って電気を消したあとも、自分の心臓の音が聞こえるくらいハッキリ感じる。年齢的にもメンテナンスが必要かと考えて、病院に行きました。

 心電図を撮って、聴診器で心臓の音を聴いた医師が「弁膜症の可能性がある」という。

そこで検査入院をして心エコーと血管内に細い管を入れて内部を見るカテーテル検査をしたところ、左心室から大動脈に通じるところの弁が壊れていることがわかったんです。

心臓から血液を送り出す機能が大幅に低下しているとのことで、手術を受けることになりました。

 痛みもなく、自覚症状と言っても動悸や息切れくらいしかなかったのに、よもや心臓の手術を受けることになるとは驚きました。

 壊れた弁を取り除き、代わりに人工的に作った弁を設置するという手術を受けて、無事成功。

術後10日ほどで退院し、自宅で数日休んだのちに、仕事に復帰しました。好きなゴルフはしばらく禁止されていますが、命が助かったんだからそれくらい我慢できます。

 些細(ささい)な症状からこんな大病が見つかったことで、あれ以降体調管理には気を使っています。

薬もきちんと飲んでいるし、食生活も野菜中心に変えました。変な言い方ですが、病気をしたおかげで長生きできそうな気がしています(笑)。

 ■専門医はこう見る

 埼玉東部循環器病院(埼玉県越谷市)心臓血管外科部長・田中佐登司医師

 全身の臓器から静脈を経て心臓に戻ってきた血液は、右心房から右心室に送られ、一旦肺に行った後、再び心臓に戻って、左心房から左心室を経て、全身に送られていきます。

 この時、心臓の内部での流れを制御するために各部屋の出入り口に「弁」が設けられています。

 加齢や動脈硬化などが原因となって、この弁が故障したり、本来の役割が果たせなくなるのが「心臓弁膜症」。心臓のポンプ機能が低下して、放置すると不整脈や心不全、多臓器不全などを招いて死に至る重大疾患です。

 症状としては土井さんの感じた動悸や息切れなどがありますが、中には「めまい」を訴える人もいます。

 いずれも忙しいサラリーマンが見逃してしまいがちな症状ですが、循環器系の治療を専門とする医療機関で検査をすれば、早期発見、早期治療が可能なので、思い当たる症状があれば、早目に受診すべきです。

 動脈硬化や糖尿病などのリスクを抱えている人は、定期的に心臓ドックを受けるなどして、重症化を防ぐ取り組みが必要です。

【これで私は助かった!】腹痛から“膵臓がん”見つかり命拾い

見つかったときには手遅れだった-。がんの中でもこのケースが非常に多いのが「膵臓(すいぞう)がん」だ。早期発見の難しさはトップクラス。生還が最も難しい病気なのだが…。

 ■浜岡祥司さん(54歳=仮名)のケース

 膵臓がんが助かりにくいということは知っていました。だから自分が膵臓がんだと分かったときは観念しました。はっきり言って諦めていましたよ。

 きっかけは腹痛。それも「なんとなく痛い」という不快感に近いもの。胃薬を飲んでも効かず、酒の飲み過ぎだと思っていたんです。以前は会社でも一、二を争う大酒飲みでしたから。

 それでも1カ月も症状が続くと不安になってきて、そこでようやく病院を受診。症状を話すと胃カメラと超音波検査を受けることになりました。

 胃カメラでは異常はなかったものの、超音波の画像で膵管の微妙な広がりが写っていた。精密検査に進んで、CTとMRI検査の結果は「ステージIIの膵臓がん」。膵頭部に直径1センチほどのがんがあったのです。こんな僅かな病変からがんが見つかるとは驚きました。

 すぐに入院して、膵頭部と十二指腸を切除する手術が行われ、トータル1カ月ほどで退院。その後もがんが取り切れていない場合を想定して1年間の抗がん剤治療を受けました。

 抗がん剤の副作用は多少出たものの、副作用を止める薬を一緒に服用していたので、想像していたよりは軽く済みました。

 抗がん剤治療が終わってからも、定期的に検査は受けていますが、5年半が過ぎた今も転移や再発はナシ。医師の指示に従って、お酒はやめました。膵臓がんになって助かっただけでも命拾いなのに、それをみすみす捨てるようなことはできませんからね。

 ■専門医はこう見る

 北里大学北里研究所メディカルセンター病院(埼玉県北本市)外科部長・八十川要平医師

 膵臓がんが助かりにくいがんなのは事実です。よく「膵臓がんは背中が痛くなる」と言いますが、これはがんが脊椎の神経に浸潤して起きる症状。「黄疸(おうだん)」も同様で、膵がんに伴う自覚症状の多くは、がんがかなり進行していることを示唆します。

 早期で手がかりとなる症状というと、浜岡さんのような「上腹部の痛み」が挙げられますが、これも必ず出るわけではありません。つまり、自覚症状をアテにしていたのでは、なかなか完治は期待できないがんなのです。

 浜岡さんは「幸運」が重なったケースといえます。超音波画像の微妙な病変に気付いたのは医師や検査技師の技術が高かったから。この時点でがんが、一般的に「助かる見込みがある」とされる1センチ以下だったこともラッキーでした。

 オマケに膵臓がんの手術は食道がんと並んで難易度の高い手術。執刀する外科医には高い技術が求められます。その意味では、病院選びも重要なテーマとなります。

 こうした難関をクリアして初めて克服できる可能性が出てくる-というのが膵がんなのです。

 ただし、ハイリスクな人はいます。喫煙者、飲酒量の多い人、糖尿病の人-。特に中高年になって初めて糖尿病を指摘された人は要注意。これらに当てはまる人は、日頃から微妙な症状に注意して、年に一度の健診やドックを欠かさないことが重要です。 

【これで私は助かった!】孫が気づいた足の斑点…実はがんだった!

足の裏にできた黒い斑点。よもやこれが命を脅かす存在になろうとは。大人になってからできたホクロ、しかもどんどん大きくなるホクロには、くれぐれもご注意を…。

 ■高橋素彦さん(65歳=仮名)のケース

 最初の異変は2年前の夏。風呂上りに足の爪を切っていたら、右足の裏に黒い斑点のようなものが見えたんです。直径3ミリくらい。痛くも痒くもないので、その時は特に気にしなかったんです。

 数カ月後、同じ右足の裏を見ると、前よりも明らかに斑点が大きくなっていました。この年齢で新しいホクロができるなんて…と不思議には思いましたが、それもすぐに忘れてしまいました。

 ところが昨年の正月に孫が遊びに来て、「おじいちゃんの足にゴミが付いてる!」って言うんです。これはホクロだと教えたのですが、見ていた娘が「悪い病気だといけないから、お医者さんに診てもらったら?」と心配する。私もどんどん大きくなる“ホクロ”の存在が不気味に思えて、正月明けに病院の皮膚科を受診しました。

 発症時期、色調や大きさの変化などを確認し、足の裏を拡大鏡で見たその医師の判断は「要組織検査」。そしてその結果は悪性黒色腫、つまり皮膚がんだったのです。

 ホクロやゴミと間違われていた足の斑点が、よもやがんだとは驚きでした。でも、まだ早期なので何とかなるだろうという医師の指示に従い、入院して手術を受けました。患部からがん組織を切除し、自分の太ももから皮膚の一部を移植しました。

 あわせて「DAV療法」という悪性黒色腫に有効な3種類の抗がん剤を同時に注射する治療法を、1カ月ごとに休薬しながら3クール受けました。

 術後の経過は順調で、まもなく丸2年が過ぎようとしていますが、再発や転移もなく、安心しています。

 今思えば、孫が「ゴミだ!」と騒がなければ放置していたはずの皮膚がん。孫に命を救ってもらったようで、かわいさもひとしおです。

 ■専門医はこう見る

 東邦大学医療センター大橋病院(東京・目黒区)皮膚科教授・向井秀樹医師

 若い頃からあるホクロが年齢とともに大きくなることはありますが、60歳を過ぎて新しいホクロが突然できることはまずありません。見覚えのない新しい斑点やホクロを見つけたら要注意です。

 特に大人にできるホクロには「7ミリルール」というのがあり、このサイズを超えると悪性化の兆候が明らかになるのです。

もちろん、7ミリ以下でもこの年齢で急速に成長するというだけで十分に怪しいので、積極的にがんを疑ってかかるべきでしょう。早期で治療を始められれば治せるケースもありますが、タイミングを逸してしまうと予後は厳しくなります。

 放置するとホクロがさらに成長して盛り上がり、表面が崩れて潰瘍となり、出血が始まります。

 がん組織がリンパ腺に浸潤すると、肺や肝臓、時には脳、目、口腔などに転移。

ひどい場合は全身の皮膚に黒いしこりができることもあります。逆に早期で見つけられれば、手術と化学療法を柱にした治療法が確立されているので、「ホクロくらい」とばかにしないで、早めに皮膚科医に相談することをお勧めします。

【これで私は助かった!】“動悸”を侮るな!脳梗塞のリスクも

「たかが動悸」などと侮ってはいけない。その先に脳梗塞という重大疾患が控えているかもしれないのだ。心臓の症状が脳の病気を呼び起こす、そのメカニズムはこうだ。今回は「心房細動」の物語。

 ■福井真一さん(54歳=仮名)のケース

 数日前から妙に動悸がするので、気になっていたんです。翌月から大きなプロジェクトが始まることもあり、どうせなら時間があるときに診てもらおうと思って、会社の診療所に行ったら、心電図を撮ってくれました。

 すると、明らかに波形がおかしい。その医師は消化器が専門なので、近くの循環器専門病院に紹介されると、その日のうちに診てくれました。

 検査の結果「心房細動」と診断され、ワーファリンという薬を飲むことになりました。

 その後数日で動悸は消えたのですが、あとで聞くとワーファリンが心房細動を治したのではなく、心房細動は自然に治っただけとのこと。そしてワーファリンは当分飲み続けるように言われました。

 症状が消えたのに薬は飲み続ける-。聞けば、脳梗塞を予防するために必要な処置なんだそうです。ワーファリンは血液をサラサラにして、血栓ができなくなるようにする薬。心房細動の人の心臓には“血のよどみ”ができやすく、ここでできた血の塊が何かの拍子に血流に乗ると、脳に飛んで血栓になる危険性があるとか。私にはその意識はなかったのですが、意外にも「死の一歩手前」まで行っていたというのです。

 よもや動悸が脳梗塞につながる症状とは知りませんでしたが、医師によれば「あのまま放置していたらどうなっていたかわからない」とのこと。忙しくなる前に受診しておいてよかったと、胸をなでおろしています。

 ■専門医はこう見る

 JR東京総合病院(東京都渋谷区)心臓血管外科部長・鎌田聡医師

 心房細動とは、心臓の上部だけが震えるような現象を起こす不整脈のこと。本来心臓は上部(心房)と下部(心室)が交互に収縮することでポンプの役割を果たすのですが、心房細動になると上下の動きがシンメトリーではなくなります。そのため血液の出力が5-10パーセントほど低下します。

 心房細動の典型的な症状は「動悸」です。心房細動だけで命を落とすことは考えにくいものの、「震え」が速すぎたり、逆に遅すぎると意識を失うこともあるので要注意。

 福井さんも言うように、心房細動になると心内血栓といって心臓の中で血の塊ができやすく、それが血流に乗って行った先で詰まると命に関わる状態を引き起こします。

 心臓を出た血流の60パーセントが脳に行くので、確率としては「脳梗塞」のリスクが高いのですが、それ以外にも腸や脚などの血管で血流不全をおこす可能性があります。予防するにはワーファリンのような抗凝固剤を使った治療が不可欠です。

 心房細動がひどい時には、心臓の内側から電気の流れを止める「アブレーション」という血管内治療を行うこともありますが、福井さんは治まっているようなので、経過観察でよさそうです。ただし、ワーファリンは医師の指示に従って使い続けてください。

【これで私は助かった!】ぎっくり腰と思ったら…解離性大動脈瘤

「腰痛で死ぬところだった…」。といってもぎっくり腰でショック死しかけたというのではない。腰痛と思っていたら、じつは動脈が裂けて瘤ができていたのだ。これが破裂したら本当に命取りになる。寸でのところで食い止めた人の報告だ。

 ■茂本勝昭さん(56歳=仮名)のケース

 夜中に突然背中の下のあたりに激痛が走ったんです。最初はぎっくり腰かと思ったのですが、寝ている最中にぎっくり腰になるとは思わなかったので、不思議でした。

妻が車で救急病院に連れて行くというのですが、とても車の座席に座れる痛みではない。近所の手前、躊躇(ちゅうちょ)はしたものの、救急車をお願いしました。

 市民病院で整形外科の医師が当直だったので、そこに担ぎ込まれたのですが、どんな姿勢をとっても痛みが引かない。加えて次第に血圧も下がってきたので、造影CTを撮ったら、下行大動脈の内膜が剥がれて“瘤”ができていたんです。

 すぐに循環器科の医師が呼ばれて緊急入院。集中治療室で面会謝絶、絶対安静を言い渡されました。トイレもベッド上で行う生活が1カ月近くも続きました。その後の安静状態を確保した上での薬物治療が功を奏して緊急開腹手術は免れることができましたが、医師から「知らずに放置していたら、動脈瘤が破裂して病院にたどり着く前に死んでいた」と言われてゾッとしました。

 後日、血管内にステントグラフトと呼ばれる金網で血管壁を内側から保護し、裂けた血管の中や瘤の中に血液が流れ込まないようにする血管内手術を受け、いまは通常の生活を送っています。

 それにしても、ぎっくり腰のつもりで病院に行って、動脈の治療を受けるとは驚きました。そして何より、「腰痛」という症状から解離性大動脈瘤を見つけ出して循環器の専門医を呼び出してくれた整形外科医の眼力には本当に敬服しています。

 ■専門医はこう見る

 総合新川橋病院(川崎市川崎区)整形外科・平出敦夫医師

 大動脈のうち「下行大動脈」とよばれる血管は、背中から腰の近くを走っているので、そこに解離がおきると「背部痛」や「腰痛」という症状が出ることがあります。

 一般的な腰痛発作とは質の異なる激痛となることが多く、茂本さんのように「どんな姿勢をとっても痛みが引かない」という点が最大の特徴です。逆にぎっくり腰や椎間板ヘルニアのような腰痛には、「痛みが和らぐ姿勢」があるので、受診時の医師にはその違いを見極める診断力が求められることになるのです。

 もう一つ解離性大動脈瘤の症状の特徴として、「痛む個所が移動していく」というものがあります。これは血管の解離(裂け目)が進んでいることを示しており、より緊急性が高い状態といえます。こうした状態に血圧の低下などが重なって見られるときには、躊躇せずに救急車を呼ぶべきです。

 一方、椎間板ヘルニアに代表される慢性の腰痛は、身体の動きに伴った鈍い痛みが特徴です。このように、原因がハッキリしているときは、救急ではなく通常の外来を受診してください。もちろん救急車は使わずに…。

【これで私は助かった!】飛行機の長旅で胸に痛み!肺血栓塞栓症だった  

飛行機に乗るときは、落ちる心配よりも自分の血管の心配をすべきだ。水も飲まずに長時間じっとしていれば、血液がドロドロになるのは自明の理。これが冠動脈で詰まれば狭心症や心筋梗塞、肺に飛べば肺血栓塞栓症。いずれも命取りだ。

 ■野本肇さん(44歳=仮名)のケース

 海外出張で2週間ほどアメリカに行ってきたときのこと。ニューヨークを拠点として、国内のあちこちに出張していました。かなり遠方への出張もあり、一日の大半を飛行機かレンタカーの中で過ごす毎日。すべての日程を終えて成田行きの飛行機に乗ったときにはヘトヘトでした。

 NYから成田までは14時間ほど。とにかく疲労が激しく、窓際の席だったこともあり、食事以外はほとんど眠り続けました。たまに目が覚めたらビールを飲んでまた眠る-の繰り返しです。

 異変は成田に着いてからのこと。入国手続きのあたりから何となく息苦しくなり、胸が痛むような症状が出始めたんです。迎えに来た妻の運転する車の中でそのことを話すと、「恐いから病院に寄ろう」と言います。

でも激痛ではないので、私は一度家に戻って様子を見てもいいと思ったのですが、次第に息苦しさが増してきたので、妻の意見に従って病院に直行。検査の結果、「肺血栓塞栓症」と診断され、すぐに血管内治療で血栓を取り除く処置が取られました。

 幸いにも私の場合は血栓が小さく、症状も小さかったのですが、それだけに見逃したら危険でした。放置して大きな血栓が飛んだら、命を落としていたはずです。医師から「命拾いをしたね」と言われて、冷や汗が流れました。

 その一件以来、当面飛行機を使う出張は見合わせていますが、新幹線の中でも、ビールを飲まずに水を飲み、通路側の席を予約して1時間ごとにデッキに出て屈伸運動をするように心がけています。

 ■専門医はこう見る

 大阪厚生年金病院(大阪市福島区)鈴木夕子医師

 以前は「エコノミークラス症候群」という名前で知られた病気ですが、席種に関係なく起こり、また入院中の患者のような「寝たきり状態」の人にも多く発生する病気なので注意が必要です。

 最近は震災の影響で「車の中での生活を余儀なくされている人」にもリスクが高いことから話題になりました。

 身動きのとりにくい環境下で、十分な水分摂取ができないことで、脚の静脈の血流がうっ血し、血栓ができる(深部静脈血栓症)。この血栓が血管壁から剥がれて血流に乗って流れていき、心臓を通り過ぎて肺の血管で詰まると「肺血栓塞栓症」となります。

 治療法は野本さんが受けたカテーテル治療の他、血栓溶解剤の投与や外科的手術などがありますが、いずれも早期診断が求められるので、病院に直行した奥さんの判断は正解です。

 今回は小さな血栓だったので事なきを得ましたが、血栓ができるリスクを持っていることがわかったので、今後も長時間の移動の際にはいま実践されていること以外にも、弾性ストッキングというふくらはぎを締め付けるストッキングの着用や、脚をまっすぐのばして血栓ができにくいようにするなどの工夫が重要です。

【気になるこの症状】腫れ、痛み、骨破壊 早期治療開始が重要な関節リウマチ

関節が腫れて痛みを発する関節リウマチ。寒い冬は症状が悪化しやすい。朝起きて、1時間以上も手がこわばるようなら要注意。適切な治療を受けなければ関節の変形をきたす。早期の診断と治療開始が重要だ。

 【自己免疫で骨を破壊】

 関節リウマチでは、最初に体のどこの関節から腫れてくるか人によって異なるが、頻度が高いのは手指や手首の関節だ。

 東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センターの田中栄一講師が説明する。

 「関節の中は滑膜(かつまく)と呼ばれる薄い膜に包まれています。この滑膜に炎症が起こり、滑膜組織が増殖し、さまざまな物質が産生され、軟骨や骨が破壊されていきます。本来は細菌やウイルスから自分を守ってくれる自己の免疫システムの異常が原因とされています」

 関節リウマチに罹りやすい体質や要因があり、それにウイルスや化学物質、妊娠・出産、ケガや強度のストレスなどの因子が複雑にからみ合って発症すると考えられている。最近では喫煙も危険因子とされている。

 【早期に急速に進行】

 国内患者数は60-70万人と推定され、男女比は女性の方が3-4倍多い。発症のピークは40代で、30-50代での発症が7割を占める。

 「症状の特徴は、手指や手首を中心とする多関節にわたる関節の腫れであり、左右対称に起こるのが典型的です。関節の腫れがあることが診断するにあたっての大事な症状になります」

 関節の破壊は、発症後1-2年で急速に進むことが多いという。

 「一般的には一旦、関節の変形が起こってしまうと、適切な治療をしても手術以外では、元に戻すことはできないとされています。ですから早期の診断と治療開始が極めて重要になります」

 【診断や治療は進歩】

 早期に診断するための検査方法も進歩していて、関節超音波検査や抗CCP抗体測定(血液検査)などが行われる。「治療は10年前と比較したら、かなり進歩しました。抗リウマチ薬のひとつである『メトトレキサート』や、生物学的製剤(現在、日本では7種類が投与可能)の使用がこの進歩に大きく貢献しました」

 ただし、生物学的製剤は、有効性が期待できる半面、副作用のリスクや経済的な問題もある。使用開始にあたっては専門医とよく相談することが大切だ。

 「関節リウマチの診断や治療は明らかに向上していますので、疑わしい症状がある時は、早めに専門医に受診することをお勧めします」

 【関節リウマチを疑う症状】
 ・起床後、手のこわばりが1時間以上続く
 ・手指や手首など、体のどこかの関節が腫れて痛い
 ・関節の腫れが左右対称で現れた
 ・関節の腫れが移動する、または増えてきた

【これで私は助かった!】歯医者で命拾い!早期の舌がん見つかる

歯の治療に行ってがんが見つかるなんて、なかなか考えにくい。しかし、口の中の小さな異変に一番気づきやすいのは歯科医師だ。歯の治療や健診で歯科を受診することは、「口の健康」を考える上でも重要なのだ。

 ■曽我肇さん(59歳=仮名)のケース

 若い頃から年に一度は歯科健診を受けていました。いま通っている歯科医院は妻が見つけてきた所。40代半ばの先生が一人で切り盛りするクリニックです。説明が非常に丁寧なので、「歯のかかりつけ医」として通院するようになりました。

 ずいぶん前に右下奥の歯に入れた“かぶせ物”が合っていないようで、気になっていたんです。気が付くと舌でその部分を擦るのが癖になっていました。

 しばらくすると食事中にそのかぶせ物が取れたので歯科医院を受診したら、舌の右裏側に、1センチほどの口内炎のようなものがあると指摘されました。それにしては痛みもなく、その時は気にしていなかったのですが、翌週受診すると、「舌の裏側の病変が僅かに大きくなっているようだ」と言うんです。

 心配なので口腔外科で診てもらってほしいとのことで、大学病院の口腔外科に紹介状を書いてくれました。

 大学病院に行って、組織検査や画像診断の結果は「きわめて早期の舌がん」。いまなら手術で取り切れるとのことで、すぐに入院して手術を受けることになりました。

 手術は無事に成功し、術後1週間で退院。しばらくは痛みが残ったものの、1カ月もすると普通に食事もとれるようになりました。自分では少し舌足らずなしゃべり方になった気がするものの、周囲の人は「気にならない」と言います。

 心配したリンパ節転移もなく、今後も定期的な検査は必要ですが、執刀医は「まあ大丈夫でしょう」と言っており、自分としても安心しています。

 それにしても、自分でも気づかないような舌の裏の小さな病変を見つけ、躊躇(ちゅうちょ)せず大学病院に送ってくれた歯科の先生には、本当に感謝しています。

 あの時に見過ごされていたら、今ごろは生きていなかったはず。歯医者さんで命拾いをするとは、思ってもみませんでした。

 ■専門医はこう見る

 片平歯科クリニック(東京・渋谷区)院長・片平治人歯科医師

 舌がんや歯肉がんなどの「口腔がん」の診断と治療は口腔外科や耳鼻咽喉科の領域ですが、その病変を一番発見しやすいのは、日頃から口腔内を診ている歯科医師なのです。

 しかも、がんを疑って受診する患者を診るのではなく、歯科治療の際に見つけることから、がんであっても「早期」、あるいは「前がん病変」の段階で発見できることも珍しいことではありません。

つまり、定期的に歯科健診を受けることは、単に虫歯予防、歯周病予防だけでなく、口腔がんの早期発見の意味でも重要な役割を担っているということができるのです。

 特に近年は、「歯周病と糖尿病や動脈硬化」などに代表される、歯科疾患と全身疾患の関連性が指摘されるようになり、歯科と医科が連携して全身を診ていく必要性が叫ばれています。

 今回の曽我さんは偶然、別の治療の際に舌がんを見つけましたが、この“偶然”の機会を増やすためにも、年に一度と言わず、最低半年に一度は歯科健診を受けられることをお勧めします。

【これで私は助かった!】おしっこが赤い…“膀胱がん”の場合も

ある日突然おしっこに血が混じって出てくれば、大抵の人は驚く。しかし、ただ驚くだけではいけない。積極的に検査を受けることで、命を脅かす危険な病気を撃退することが可能なのだ。今回はそんな「膀胱がん」のお話です。

 ■山口聡さん(57歳=仮名)のケース

 自宅では「便器の周りが汚れる」と女房に怒られるので、恥ずかしながらおしっこをするときも便器に座ってしていたんです。だから自分のおしっこの色をしみじみと見るのは、自宅以外のトイレ。最初に異変に気付いたのも居酒屋のトイレでした。

 おしっこの色がなんとなく赤いんです。紅茶のような色合いです。でも、その時は酔っていたし、居酒屋のトイレが暗かったこともあって、あまり気にしていませんでした。

 翌日会社のトイレでおしっこをしていたら、昨夜より鮮明に赤い。鉄さびのようなドス黒い赤で、「これはえらいことだ!」となりました。

 会社近くの病院の泌尿器科を受診して症状を話すと、内視鏡による検査を受けることになりました。そして検査の結果、驚いたことに「膀胱がん」と診断されたのです。

 血尿が出たのだから何かの病気だとは予想していましたが、それ以外に痛みなどの症状はなかったので、がんと聞いたときは本当に驚きました。

 ただ、組織検査の結果、「表在性」といって、がんが筋層にまで達していないことがわかったので、おなかを切らずに内視鏡でがんの部分を削り取ることができました。

 驚いたのはそのあとです。再発予防のため、膀胱の中にBCGを注入する治療が行われたのです。BCGなんて、結核予防のために子供にうつワクチンだと思っていたのですが、よもや 膀胱がんの再発予防に効果があるとは知りませんでした。

 でも、おかげで術後2年が過ぎた今も再発も転移もなく、先生からも「たぶんこのまま行けるでしょう」と明るい見通しが示されています。

 あれ以来「汚れるよりも安全第一」と、家でも立ちションを実践していますが、女房も文句を言わなくなりました(笑)

 ■専門医はこう見る

 日本大学医学部泌尿器科学系主任教授・高橋悟医師

 膀胱がんの最も特徴的な症状が「血尿」です。色の出方はさまざまですが、明らかに普段と違って赤っぽい色の尿が出たら要注意です。普段から自分の尿を観察している人であれば、1リットルのおしっこに1ccの血液が混じっただけでも「おや?」っと感じるものです。なので、日頃からおしっこの色には注意をしておくべきでしょう。

 山口さんもそうですが、早期の膀胱がんであれば、内視鏡手術が可能です。そして、術後にBCGを膀胱に入れて再発を防ぐ方法も、一般的な治療法といえるでしょう。

 ご存じのようにBCGは結核を予防するワクチンですが、これを膀胱内に投与すると、「細菌」の存在を確認した免疫細胞が攻撃をかけ、もし取り残したがん細胞などが残っていても、一緒に攻撃してくれるのです。

 通常は週に1度の投与で6~8週間続けますが、その後は3~4カ月に1度の検査で状況確認。2年経っても再発転移がなければ一安心、5年経ってOKなら無罪放免となります。

 そのためにも、術後のフォローアップは面倒がらずに続けてください。

【これで私は助かった!】頭痛の正体は上咽頭がん!耳鼻科の先生に感謝

頭痛や鼻づまりといった「珍しくない症状」が、じつは命に関わる重大疾患のシグナルであることもある。いちいち気にしすぎるのもよくないが、気にしなければ早期発見は難しい。ここに病気治療の難しさがある。

 ■丸山敬造さん(71歳=仮名)のケース

 若い頃から姿勢が悪く、緊張型頭痛という肩こりから来る頭痛に悩まされていました。

ところが、それとは少し質の違う頭痛を感じるようになったんです。以前から高血圧の治療でかかっていた近所の内科医院で相談すると、いわゆる「痛み止め」が処方されたのですが、ほとんど効果はありませんでした。

 そうこうするうちに花粉症シーズンを迎え、毎年その時期だけかかる耳鼻咽喉科を受診。その時に医師との何気ない世間話の中で頭痛の話をすると、「念のため」と、鼻の検査を兼ねて頭部MRIを勧められたのです。

頭痛の原因がわかるかもしれないし、何よりその手の大掛かりな検査を受けたことがなかったこともあり、受けてみたところ、鼻の奥に広がっているがんがあることがわかりました。上咽頭がんです。

 がんは「斜台」とよばれる頭蓋骨の底の部分を侵して、その向こう側の脳に達しようとしていました。

 地域の基幹病院に送られて精密検査の結果、手術はせずに放射線と抗がん剤による治療が行われることになりました。

 がんがあることがわかってから気付いたのですが、少し前から「鼻づまり」という症状もありました。でも、まさかそれががんによるものとは思わず、「カゼが治りきらないのだろう」程度の軽い気持ちだったのです。

 幸運にも治療は成功し、がんはほぼ無力化することができました。あの嫌な頭痛も治まり、定期的な検査は必要ですが、2年たった現在も再発や転移は見当たりません。

 それにしても、あの時耳鼻科の先生と世間話をしなければ、いまごろは命を落としていたことでしょう。画像検査を勧めてくれた耳鼻科の先生には本当に感謝しています。

 ■専門医はこう見る

 福内ペインクリニック頭痛外来(東京・新宿区)院長・福内靖男医師

 上咽頭がんは比較的予後の悪いがんで、特徴的な自覚症状もないことから早期で見つけることが難しいがんの一つです。

 がんが脳神経まで到達してダメージを及ぼしていると、頭痛、めまい、難聴、視力の低下や視野の欠損、鼻づまり、味覚障害、嚥下困難などが見られることがあります。

 しかし、長く通院している患者さんならまだしも、頭痛や鼻づまりなどの症状だけで、すぐにこの病気を見つけ出すのは困難といえるでしょう。その意味で、丸山さんが耳鼻科医に相談する機会に恵まれたことは、非常にラッキーだったといえます。

 いわゆる片頭痛の「拍動性の痛み」や、緊張型頭痛の「ハチマキを締め付けられるような痛み」など、頭痛持ちの人が普段感じる症状とはタイプの異なる症状を感じたときは要注意。

 また、そうした異質な痛みが長期間にわたって持続し、徐々に増強する。そして「従来は効果があった薬」が効果を示さない時は、上咽頭がんに限らず、何かしら別の原因が生じていることを疑うことも大切です。

【これで私は助かった!】歯科治療後の高熱…細菌性心内膜炎を疑え!

雑菌はさまざまな経路で体内に侵入してくるが、意外な経路もある。例えば歯科治療だ。虫歯治療や抜歯の際に、歯肉や歯の髄から細菌が入り込み、全身に回って悪さをすることがある。

その代表的な例が「細菌性心内膜炎」。早期発見のポイントは、歯科治療後の高熱だ。

 ■寺田真一さん(32歳=仮名)のケース

 歯科医院で親知らずを抜いた1週間後、突然38度台の熱が出たんです。抜歯直後も発熱がありましたが、その後平熱に戻っていたので、それとは関係なくかぜを引いたのかと思っていました。

 内科の診療所で抗生物質が処方されましたが、1週間経っても熱が下がらない。それどころか血尿まで出てきたので、驚いて再度受診したんです。

 すると先生は「もしかしたら…」と、聴診器で心臓の音を聴き、「雑音が聴こえる」とのことで超音波検査を受けました。

 すると、心臓の僧房弁という、血液を送り出す弁が機能不全を起こしていて、菌のかたまりが付いていることがわかったのです。発熱はかぜではなく、繁殖した菌に対しての炎症反応によるものだったわけです。

 病名は「細菌性心内膜炎」。すぐに病院に送られて入院し、1カ月間にわたって点滴による抗生物質の投与が続きました。

 点滴を入れて2日後には熱は下がりましたが、その後も少しずつ抗生物質の量を減らしながら、血中の菌の量や炎症反応の有無を調べる治療が続き、ようやく退院できたのは40日後でした。

 入院が長期化しましたが、早い段階で診断が付いただけでもラッキーでした。心臓の異常に気付かずに放置したり、別の治療を続けていたら、僧帽弁が壊れて心不全を起こしたり、壊れた弁が脳に飛んで脳梗塞を起こす危険性もあったのです。

 きっかけは、抜歯の際の雑菌混入。私の場合は今後も同じことを繰り返す危険性があることがわかったので、今後歯科を受診する際には必ず事前に抗生物質を服用するように注意されています。

 ■専門医はこう見る

 三好クリニック(東京・港区)院長・三好俊一郎医師

 抗生物質で熱が下がらない時、薬の種類を変えてさらに経過観察をすることが多いのですが、この医師はすぐに心臓の音を確認しています。これで弁の異常を疑うことができるのです。

 心臓の弁が機能不全を起こしていると、その部分で血液が逆流し、菌の温床となります。菌が増殖すると炎症反応が起き、その一環として熱も出るのです。

 この「細菌性心内膜炎」で入院すると、内服薬とは桁違いの量の抗生物質が点滴で投与されます。経口だと腸内細菌も死んでしまうので、下痢を起こしやすくなるのですが、点滴だと腸に影響なく大量投与ができ、安全かつ効果的に菌を減らしていくことができるのです。

 歯科治療の際に体内に菌が入り込む危険性は以前から指摘されており、歯科医師の中にも予防のために、歯科治療前後の抗生物質投与や、心臓に基礎疾患を持つ人には、歯科治療前に循環器科の受診を勧める人もいます。

 歯科治療に限らず、「血を見る治療」の際には、菌が侵入する危険性があるので、直後の発熱には十分な注意が必要です。

【これで私は助かった!】ぎっくり腰と思ったら…解離性大動脈瘤

「腰痛で死ぬところだった…」。といってもぎっくり腰でショック死しかけたというのではない。腰痛と思っていたら、じつは動脈が裂けて瘤ができていたのだ。これが破裂したら本当に命取りになる。寸でのところで食い止めた人の報告だ。

 ■茂本勝昭さん(56歳=仮名)のケース

 夜中に突然背中の下のあたりに激痛が走ったんです。最初はぎっくり腰かと思ったのですが、寝ている最中にぎっくり腰になるとは思わなかったので、不思議でした。

妻が車で救急病院に連れて行くというのですが、とても車の座席に座れる痛みではない。近所の手前、躊躇(ちゅうちょ)はしたものの、救急車をお願いしました。

 市民病院で整形外科の医師が当直だったので、そこに担ぎ込まれたのですが、どんな姿勢をとっても痛みが引かない。加えて次第に血圧も下がってきたので、造影CTを撮ったら、下行大動脈の内膜が剥がれて“瘤”ができていたんです。

 すぐに循環器科の医師が呼ばれて緊急入院。集中治療室で面会謝絶、絶対安静を言い渡されました。トイレもベッド上で行う生活が1カ月近くも続きました。

その後の安静状態を確保した上での薬物治療が功を奏して緊急開腹手術は免れることができましたが、医師から「知らずに放置していたら、動脈瘤が破裂して病院にたどり着く前に死んでいた」と言われてゾッとしました。

 後日、血管内にステントグラフトと呼ばれる金網で血管壁を内側から保護し、裂けた血管の中や瘤の中に血液が流れ込まないようにする血管内手術を受け、いまは通常の生活を送っています。

 それにしても、ぎっくり腰のつもりで病院に行って、動脈の治療を受けるとは驚きました。そして何より、「腰痛」という症状から解離性大動脈瘤を見つけ出して循環器の専門医を呼び出してくれた整形外科医の眼力には本当に敬服しています。

 ■専門医はこう見る

 総合新川橋病院(川崎市川崎区)整形外科・平出敦夫医師

 大動脈のうち「下行大動脈」とよばれる血管は、背中から腰の近くを走っているので、そこに解離がおきると「背部痛」や「腰痛」という症状が出ることがあります。

 一般的な腰痛発作とは質の異なる激痛となることが多く、茂本さんのように「どんな姿勢をとっても痛みが引かない」という点が最大の特徴です。

逆にぎっくり腰や椎間板ヘルニアのような腰痛には、「痛みが和らぐ姿勢」があるので、受診時の医師にはその違いを見極める診断力が求められることになるのです。

 もう一つ解離性大動脈瘤の症状の特徴として、「痛む個所が移動していく」というものがあります。

これは血管の解離(裂け目)が進んでいることを示しており、より緊急性が高い状態といえます。こうした状態に血圧の低下などが重なって見られるときには、躊躇せずに救急車を呼ぶべきです。

 一方、椎間板ヘルニアに代表される慢性の腰痛は、身体の動きに伴った鈍い痛みが特徴です。このように、原因がハッキリしているときは、救急ではなく通常の外来を受診してください。もちろん救急車は使わずに…。

【これで私は助かった!】子供が視力検診で集中力がない…弱視の恐れも

出産直後の赤ちゃんの目はほとんど見えないが、次第に鮮明になって8歳くらいで視力が完成する。この「視力の成長」が不完全な状態が「弱視」だ。事が幼児期の問題だけに、親や周囲が気付かないと、その後の人生にも大きな影を落とすことになる。

 ■成瀬篤夫さん(仮名)のケース

 次女が3歳児検診で視力を測った時、妻が「上の子より明らかに集中力がない」と洩らしたのがきっかけでした。絵本を読んでいても30秒とじっとしていられないんです。

歩き出してからも、お姉ちゃんの時より転ぶ回数が明らかに多い。視力は右が0・5で左は0・8でしたが、妻の発言から眼科受診を勧められ、再検査の結果「弱視」と診断されました。

 よく見えるほうの目をパッチで隠して、見えにくいほうの目だけでぬり絵をしたり絵本を読んだりする訓練を1日のうち数時間程度行い、常にメガネをかけます。子供にメガネは気の毒でしたが、当人は面白がってすぐに慣れました。

 治療を始めて半年もすると、両目の度数はほぼ揃ってきたのですが、そこでメガネをやめると元に戻る危険性が高いとのことで、メガネはそのままにしました。

 中学に入る頃にはメガネがトレードマークになっていて、本人に外す気がない。そのまま大学も出て就職。「メガネ美人」などとおだてられて5年前に結婚。今は1歳の女の子の母親です。

 いま彼女の視力は両方とも2・0。弱視は克服できています。

 ■専門医はこう見る

 総合新川橋病院(川崎市川崎区)眼科・河西雅之医師

 視力の発達を障害する原因として先天的な白内障などによるものと、強い屈折異常や斜視によって脳が正常に画像処理ができていない弱視があります。成瀬さんのお嬢さんは後者の弱視ですね。

 弱視の治療は開始時期が早ければ早いほど治療成績も高まります。その意味で、3歳児検診で見つけられたのは、非常に理想的なケースと言えるでしょう。

 特に幼児の場合、「自分の目が見えにくい」という意識がありません。本人にとっては、その視力が当たり前なので、特に不満もないのです。それだけに周囲がよく観察していないと見過ごしてしまいがちです。

 成瀬さんのお嬢さんが受けた治療は標準的なもので、特にメガネは重要です。元が軽い遠視だと、思春期の頃にメガネを外せるケースもありますが、多くは大人になってから目が疲れやすくなるので、可能な限りそのままメガネを使い続けることが推奨されます。

とりわけ女の子の場合、メガネをかけることにご両親として気掛かりな点があるようですが、最近はファッション性に優れたメガネも多いので、昔に比べて拒否反応を示す人は減ってはいます。

 いずれにしても、将来のことを考えて、眼科医と十分に話し合って治療方針を決めていくことが大切です。

【これで私は助かった!】動悸、息切れで検査したら…心臓弁膜症だった  

動悸(どうき)、息切れ、めまい…。現代人なら誰もが経験のある何気ない症状の陰に、命を脅かす恐ろしい病気が隠れていることがある。「年のせい」と甘く見ていると痛い目に遭う。長生きしたければ、早目早目の対策が不可欠だ。

 ■土井秀嗣さん(57歳=仮名)のケース

 いまのマンションに住んで20年。駅まで15分ほど歩きますが、20年も住んでいるので慣れっこになっていました。

 ところが少し前から、この距離が体にこたえるようになってきたんです。しかも急速に…。仕事で疲れた夜だけでなく、朝会社に出かけるときにも、駅に着く前に息切れがする。電車に乗って落ち着くと、ドキドキと動悸がするのを感じるんです。

 この“動悸”は夜寝るときにもあって、ベッドに入って電気を消したあとも、自分の心臓の音が聞こえるくらいハッキリ感じる。年齢的にもメンテナンスが必要かと考えて、病院に行きました。

 心電図を撮って、聴診器で心臓の音を聴いた医師が「弁膜症の可能性がある」という。そこで検査入院をして心エコーと血管内に細い管を入れて内部を見るカテーテル検査をしたところ、左心室から大動脈に通じるところの弁が壊れていることがわかったんです。心臓から血液を送り出す機能が大幅に低下しているとのことで、手術を受けることになりました。

 痛みもなく、自覚症状と言っても動悸や息切れくらいしかなかったのに、よもや心臓の手術を受けることになるとは驚きました。

 壊れた弁を取り除き、代わりに人工的に作った弁を設置するという手術を受けて、無事成功。術後10日ほどで退院し、自宅で数日休んだのちに、仕事に復帰しました。好きなゴルフはしばらく禁止されていますが、命が助かったんだからそれくらい我慢できます。

 些細(ささい)な症状からこんな大病が見つかったことで、あれ以降体調管理には気を使っています。薬もきちんと飲んでいるし、食生活も野菜中心に変えました。変な言い方ですが、病気をしたおかげで長生きできそうな気がしています(笑)。

 ■専門医はこう見る

 埼玉東部循環器病院(埼玉県越谷市)心臓血管外科部長・田中佐登司医師

 全身の臓器から静脈を経て心臓に戻ってきた血液は、右心房から右心室に送られ、一旦肺に行った後、再び心臓に戻って、左心房から左心室を経て、全身に送られていきます。

 この時、心臓の内部での流れを制御するために各部屋の出入り口に「弁」が設けられています。

 加齢や動脈硬化などが原因となって、この弁が故障したり、本来の役割が果たせなくなるのが「心臓弁膜症」。心臓のポンプ機能が低下して、放置すると不整脈や心不全、多臓器不全などを招いて死に至る重大疾患です。

 症状としては土井さんの感じた動悸や息切れなどがありますが、中には「めまい」を訴える人もいます。

 いずれも忙しいサラリーマンが見逃してしまいがちな症状ですが、循環器系の治療を専門とする医療機関で検査をすれば、早期発見、早期治療が可能なので、思い当たる症状があれば、早目に受診すべきです。

 動脈硬化や糖尿病などのリスクを抱えている人は、定期的に心臓ドックを受けるなどして、重症化を防ぐ取り組みが必要です。

【これで私は助かった!】無痛検査でスキルス胃がん発見!九死に一生

早期診断、早期治療の普及により、以前に比べて死亡率が減少している胃がん。しかし、それは統計上の話であって、がんにかかれば命の保証はない。今回はそんな胃がんの中でも最もタチの悪い「スキルス胃がん」から生還した人の物語。

 ■白川勉さん(30歳=仮名)のケース

 私の場合は本当に偶然が重なったとしか言いようがありません。

 仕事の付き合いで酒を飲むことが多く、その上にプライベートでもほぼ毎日飲んでいました。学生時代からタバコも切らしたことがなく今、思えばいつがんになってもおかしくない生活だったと思います。

 それでも少々飲み過ぎた時期があり、胃のもたれや痛みを感じるようになりました。会社の先輩に相談すると、胃カメラ検査を受けたほうがいいと言われたのですが、それを父に話すと「お前みたいな若造ががんになるはずがない。受けるだけ無駄だ」と笑われました。

 しかし、先輩は20代で胃がんにかかって命を落とした知り合いがいたと言って強く勧めます。無痛検査なら苦しまずに受けられると言うので、先輩の顔を立てるつもりで受けてみたんです。

 受けてみて驚いたことが二つあります。一つは本当に苦しくなかったこと。そしてもう一つが、胃がんが見つかったことです。しかも「スキルス胃がん」という、胃がんの中でも非常に治療成績の悪いタイプのがんです。

 ネットで調べて愕然とし、一度は諦めかけたのですが、検査をした医師の紹介で大学病院に行き、かなり大掛かりな手術を受けたところ、助かることができたのです。

 執刀医も、私の運の良さを繰り返し強調するばかりで、自分の手術のウデよりも、胃カメラで早期発見してくれた医師の眼力に感心していました。

 手術を受けて4年が経ちますが、再発転移はありません。もちろん酒もタバコもやめましたが、面白いのは、会社の仲間たちまで、そろってタバコをやめてしまったのです。

 「胃カメラなんて必要ない」と笑っていた父が、今では毎年、春になると私と一緒に胃カメラの検査を受けています。お腹に大きな手術痕ができましたが、それを見るたびに、命の大切さと早期発見の重要性をしみじみ実感しています。

 ■専門医はこう見る

 渡辺七六クリニック(東京都渋谷区)院長・渡辺七六医師

 胃がんにはいくつかタイプがありますが、中でもスキルス胃がんの予後の悪さは突出しており、白川さんが一度は諦めかけたのも頷ける話です。

 そんなまさに“崖っぷち”から白川さんが生還できたのは、彼自身が「素直だった」ことが大きな要因といえます。彼のお父さんがそうだったように、20歳代の若さで胃がんになるなんて、普通は考えません。

それでも、先輩の勧めに従って検査を受け、がんが見つかった後も医師の紹介する大学病院で手術を受けた-。ある意味「素直にレールに乗った」ことが、彼を生還させたと言えるでしょう。

 実際問題として、この若さで胃がんが見つかることは稀です。しかし、だから放置していいというものでもないのです。

 血便などの明らかな症状が出てからでは取り返しのつかないことも少なくありません。喫煙や飲酒などのリスクがあり、しかも気になる症状がある時は、年齢に関係なく一度は検査をしておくべきです。

「カサンドラ症候群」とは? 夫の“発達障害”に悩む妻が増加中

夫の言動に不満を抱かない妻などいないだろう。ただ、その言動の原因が先天的な脳の病気にあるとしたら──。ここ数年で知られるようになった「大人の発達障害」。「知的障害や言語障害を伴わない自閉症」と定義されるアスペルガー症候群を代表とする自閉症スペクトラム障害(ASD)などがその一例だ。そんな夫と暮らす妻たちが抱える状況や心身の不調を指す「カサンドラ症候群」という言葉がインターネット上などを中心に広まっている。
 
 こうした状況のなか、同じ悩みを抱える、ASDの人のパートナーである妻たちが支え合う「自助グループ」も生まれつつある。東京都多摩市を中心に活動する「ハーンの妻達」は、代表のSORAさん(53)自身、ASDの夫(58)がいる。11年前、ASDの長男と同じ医療機関で診断された。

 夫はお金の管理ができず、自分の会社を二つ倒産させ、SORAさんが働いて家計を支えた。女性問題を起こしたことも。

「夫に悪気はなく、反省もしない。苦労の連続でたくましくならざるを得ず、女性としての幸せと自信を失っていきました」

 ASDへの認知や理解が進むのはいいが、周りから「障害者の夫に理解がない妻」と見られるのではないかと、誰にも打ち明けられない。そんな孤立感がパートナーを苦しめ、心身をむしばんでいく。

「同じ立場の人たちが集まって、自分だけじゃないと知り、気持ちを切り替えられる居場所があれば」と13年に自助グループを立ち上げ、参加者は現在までにのべ200人を超えた。悩みを打ち明け相談する情報交換会のほか、心身の不調を未然に防ぎ、妻が自分の力で回復する方法を考える体験型のワークショップがメーンだ。「夫婦関係を立て直したい」「つらいけれど何とかしたい」という妻たちが多く集う。

「ASDはわかりにくい障害。夫が自覚をしないまま、対応の仕方がわからない妻が全部を背負うには限界がある。夫婦が向き合って解決に向かうために、第三者の介入が必要だと思う」(SORAさん)

 専門外来を持つ昭和大学附属烏山病院(東京都世田谷区)の加藤進昌病院長も言う。

「ASDは先天的な障害で治ることはない。だが障害を本人が受け入れ、基本的な会話のルールや家族や社会との適切な向き合い方を学習、体験すれば、コミュニケーションが円滑になる可能性はある」

 昭和大学附属烏山病院では診療の場に家族を同席させ、対処策を助言することも。またASDの診断を受けた人対象の「発達障害専門プログラム」を実施している。1年かけてコミュニケーションを学んだり自己理解を深めたりし、生活や仕事をしやすくするのが目的。だが、同院のように大人のASDを対象とした医療施設や支援体制はまだ数少ない。

 発達障害の夫(52)との波乱の家庭生活を赤裸々につづり、シリーズ累計10万部を突破したコミックエッセー『旦那(アキラ)さんはアスペルガー』の作者・野波ツナさんが訴える。 「ASDへの理解が広まってほしいと願うと同時に、家族も何らかの困りごとを抱えている状況にも目を向けてほしい」

自閉症の人生:それはあなたが考えているものとは違う

Doctor Stu's Science Blog:コーヒーカップがカチンと鳴る音が、時計台が鳴る音より大きい世界を想像してみてください。道行く人のつぶやきが、ワールドカップの歓声より大きいところを想像してください。

あるいは、電気スタンドが太陽より明るかったり、腐った魚の匂いが一日中つきまとったりするのを...。これが感覚過敏の世界です。
自閉症にはさまざまな種類がある

自閉症の人生がどんなものか、ちょっと想像できないでしょう。「自閉症」と聞くと、1980年代の映画「レインマン」でダスティン・ホフマンが演じたキャラクターを思い出すかもしれません。

彼は社会的ひきこもりで、知的には天才でした。あるいは、叫んだり、体を揺すったり、頭を振り続けている哀れな子どもをイメージするかもしれません。

過度に単純化されたこうしたステレオタイプは、自閉症がいかに多様性に富んでいるかを示しています。自閉症とはひとつの状態ではありません。状態の「スペクトル」なのです。

これが、自閉症が「自閉症スペクトル障害(ASD)」と呼ばれようになった理由です。英国では100人に1人がASDと診断されています。つまり、あなたの知り合いでの中にも自閉症の人がおそらくいます。たとえあなたが気づいていないかったとしても。

自閉症の人は馬鹿ではありません。ちょっと見ただけでは自閉症の人を見分けることはできないでしょう。自閉症は「隠れた能力障害」とも呼ばれます。この症状をよく表している言葉です。

自閉症の人の中には、学習障害やコミュニケーション障害を抱えてる人もいます。しかし、高い知性を持ち、仕事で成功している人もいます。映画みたいな特殊な能力を持った人は非常にまれです。

ASDのすべての人に共通することは、社会生活の困難さです。人の言葉を文字通りに受け取ってしまったり、しぐさの意味を理解できなかったり、場の雰囲気が読めなかったりします。

自閉症の人の多くが、世界を全く違ったように経験しています。「感覚過敏」に苦しむ人たちもいます。すべての感覚が極限まで敏感になり、ちょっとした音、目に入る情景、匂いが、苦痛に満ちた大混乱を引き起こします。

子どもが自閉症的「かんしゃく」を起こすのは、注意を引くためではありません。突如として苦痛の固まりとなった世界から、なんとか逃れようとする痛ましい試みなのです。

彼らが見ている世界は違うと認め、尊重する

自閉症は、一生にわたる症状です。治療法も原因もわかっていません。

しかし、自閉症の人たちが生きやすくなるために、私たちができることはたくさんあります。アスペルガーと呼ばれるタイプの自閉症をもつルーシーという女性の例を見てみましょう。

彼女は、学問的な才能に恵まれた女性です。厳格な日課を持ち、興味の対象は限定され、身体的に不器用で、社会的困難を抱えています。ある日、彼女は病院を訪れました。

看護師による問診を受けたあと、「外で座ってお待ちください。医師がすぐに参ります」と告げられました。

ルーシーさんはその言葉を文字通り受け取りました。数時間後、病院の守衛が発見したとき、彼女は待合室ではなく、病院の外にある公園のベンチに座っていました。

ルーシーさんの事例が示すように、自閉症の人に対して、シンプルで明確な言葉を使えば、誤解の多くは避けられます。彼らは、無口で、無作法で、思いやりのない人間に見えるかもしれません。

しかし、大抵は、社会のエチケットが身についていないだけです。

パニック的な攻撃性、暴言、異常な行動は、恐怖というよりは痛みの表現です。自閉症の人にとって、世界を別の視点で見ることは大変難しいことです。そ

して、私たちができる最良のことは、世界を別の視点で見ることです。自閉症の人が生きている世界は、私たちが感じている世界とは違うことを認め、そのことを尊重するのです。

「自閉症」と診断されたら?対処法は治療法はどんなのがあるの?

脳の発達障害から起こる「自閉症」。現在、自閉症の詳細なメカニズムは解明されていないため、根本的原因を取り除く手術や具体的治療法はありません。

では、自閉症と診断されたら、その後どのような治療を受けるのでしょうか?
ここでは、自閉症の対処法・治療法を紹介します。

◆社会生活を送るためのトレーニング

自閉症の主な症状のひとつ、「コミュニケーション能力の欠如」については、社会生活を送る上でハンディキャップとなります。コミュニケーション能力のレベルを向上させる対策として、自閉症の症状をトレーニングで目立たなくさせる方法がとられています。

繰り返してしまう反復行動や自分のパターンをやめさせたり、社会のルールを教えます。

小さな目標を少しずつクリアしていきます。専門の精神科医などの指導のもと、親や家族が愛情を持って根気良く日々を積み重ねていくことが何よりのトレーニングとなります。
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◆薬物治療は慎重に

自閉症の症状の中で、「多動性」や「儀式的行為」、「自傷行為」などの症状を緩和させるために、薬物治療が用いられます。投与期間は、数か月~数年間にわたることがあります。

ただ、小さい子どもには、薬の分量や副作用が異なるため、慎重に使用されなければなりません。また、薬物治療をしても、自閉症そのものを治すわけでなく、あくまで補助的な治療、症状を緩和する意味合いで使用されます。
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◆症状によっては改善の可能性も

IQ70以上の高機能自閉症アスペルガー症候群の場合、知的レベルが一定なので、5~7歳までに言語でコミュニケーションできるように成長していれば、社会生活を送る上でのハンディキャップは軽減される可能性もあります。

また、幼児期に自閉症と診断されても、成長するにつれて症状が改善される場合があります。ただ、環境や行動の変化になかなか対応できないなど、改善されにくい症状もあります。
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◆誤解される病気を支えるのは家族

自閉症の子どもは、一見健康に見えるため、周囲から「しつけがなってない子」と誤解されてしまうこともあります。
自閉症を取り巻く環境は、少しずつ改善されてきてはいるものの、正しい理解を得るにはまだまだ時間を要するのも事実です。

そんな厳しい現実の中で、自閉症の子どもが社会生活に適応していくためには、家族や周囲の協力が必要不可欠です。
ママをはじめ、自閉症の子どもを持つ家族は強いストレスを抱え、孤立してしまうこともあります。

専門の小児科医や精神科医を見つけ、自閉症とはどのような病気なのかをきちんと理解し、コミュニケーションをとる努力を積み重ねていくことが大切です。

いまだメカニズムが解明されていない「自閉症」。原因と症状って?

首がすわって、腰がすわり、つかまり立ちをして、やがて歩き出す。

子どもの体の成長を目にすることはうれしいものです。でも、言葉やコミュニケーション能 力の遅れは、その子の個性なのか、それとも何かの病気なのか、判断が難しいもの。

「もしかして自閉症かもしれない」と心配するママもいるでしょう。
ここでは、自閉症の原因と症状を紹介します。

◆自閉症は出生前から

自閉症はその言葉から、何かのトラブルがきっかけで自ら心を閉ざしてしまったという印象を持たれがちですが、自閉症は先天的な病気です。現在、自閉症の病気発症のメカニズムは解明されていませんが、脳機能の違いが原因と考えられています。

出生後に何か大きなショックを受けて、自分の殻に閉じこもっているという間違った解釈をされることもありますが、幼少期の体験や親の子どもへの接し方とは無関係です。
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◆症状の特徴

自閉症の主な症状は、「対人交渉の質的問題」と「コミュニケーションの質的問題」、そして「イマジネーション障害」です。通常3歳までに顕著に表れます。 抱っこされたい素振りも見せず、目で合図を送らない、笑わないといった兆候があります。

日本自閉症協会によると国内の自閉症患者数は約36万人。男性に多く、女性の約4倍を占めます。軽度の症状の患者まで含めると、「100人に1人はいる」という説もあります。

◆対人交渉の質的問題

自分と相手の関係を正しく理解できず、不適切な行動をとります。人見知りせずに、誰にでも平気で抱っこされたり、両親や家族が自分にとって大切な存在だと理解できません。反対に、ママだけに極端に依存する子などもいます。
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◆コミュニケーションの質的問題

言葉を発しても意味のない言葉使いやオウム返しをします。言葉の発達の遅れよりも、言葉の偏りや奇妙さが自閉症の診断のポイントとなります。
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◆イマジネーション障害

環境の変化や相手に合わせて臨機応変に対応することが苦手なので、自分の行動パターンが変わることに強く固執します。特定の動作を繰り返したりするのも特徴です。不測の事態が起きるとパニックを起こしてしまうこともあります。
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◆厳しく叱る前に

自閉症の重傷度を定める上で指標となるのが、知的レベル。約8割近くの自閉症患者の知的レベルはIQ70以下。ただ、計算や記憶など特異な分野で能力が高 く、症状が軽度の自閉症もあります。

近年は早期発見から、知的障害を伴わない高機能自閉症「アスペルガー症候群」の報告が増えています。一見正常に見えるため、家族でも自閉症だと気付かずに、厳しくしつけをしてしまう恐れがあります。

ひとりひとりの個性があるように、その子に合った成長のスピードがあります。でも、もしママが少し心配な様子が見て取れたら、小児科医に相談しましょう。

パニック障害体験談■ 医師の診断とその後の症状

特定の場所やシチュエーションの中で突然不安な気持ちになったり、体調に変化が出るなどして、その場から逃げだしたくなったりします。例えば電車の中や自動車の運転中等、拘束された環境で症状が出やすくなります。

私がパニック障害と診断されたのは2年前でした。

■ 経験したパニック障害の症状への道のり

◎ キーンという耳鳴り、耳閉感

はじめは聞こえたり消えたりの繰り返しでしたが、ついに四六時中症状がでるようになってしまいました。

◎ ふわっとするめまい

いつもエレベーターか小型の船に乗っている感じでした。

◎ 自動車の運転が怖くなる

耳の不快感、めまいから、自動車の運転が怖くなってしまいました。

◎ 買い物に出掛けたくなくなる

レジで並ぶのが辛く、買い物中、急な腹痛、動悸に見舞われてしまいました。

◎ 医師の診察中にパニック発作

呼吸が苦しくなり、手が震え、動悸に見舞われるようになり、ここで診断がつきました。

・自動車の運転ができなくなってしまいました。

・「こんなはずではないのに」という気持ちから、毎日泣いてばかりいました。

耳鼻咽喉科及び脳神経外科にて頭部MRIの診断は異常はありませんでした。突発性難聴でもありませんでした。内科にて心電図をとりましたが、異常はありませんでした。

◎ ふりかえると……

耳鳴りを経験する半年ほど前から就活をしていました。結婚後ということで正社員では採用が決まらず、毎日ハローワークのウェブサイト、派遣会社のウェブサイトをチェックしていました。大変焦っていたのは確かです。

気のおけない人達との飲み会で突然不安感に見舞われ、呼吸しづらくなってしまい、途中で失礼したのもその頃でした。

■ 医師の診断とその後の症状

診断されたクリニックが内科だった為、主人のすすめでその後メンタルクリニックで診察を受けなおしました。困った症状を訴えているその最中にも呼吸が苦しくなったり、手が震えたりした為、診断がつきました。

はじめのクリニックで処方された抗不安薬を服用していましたが、メンタルクリニックでセロトニンをコントロールする目的でセロトニン再取り込み阻害薬である抗うつ薬(ルボックス)を処方されるも体に合わず、丸2日間起き上がれない等不具合が出ました。

現在は抗不安薬と漢方薬で精神神経症状の様子を見ている状況です。メンタルクリニックには月1回受診しています。少しずつ行動範囲を広げるべく、努力中です。

余談になるかも知れませんが、月経困難症(傷みがひどい)のため、経口避妊薬で月経をコントロールしています。

自動車の運転も、長距離でなければ気にならなくなりました。毎日スーパーのチラシをチェックして買い物にも行けるようになりました。レジで並ぶのも気になりません。

■ おわりに

◎ 異変にきづいたらどうする?

「めまいが続く」「眠りに異変が出てきた」「耳鳴りが続く」等、いつもと違う体の異変に気づいたら、早めにメンタルクリニック等、こころの状態を診てくださる方に相談するのがいちばんです。

◎ やっぱり、食事、運動、休養に留意する

仕事漬けで食事がおろそかなのに、運動が好きでジム通い……が筆者の若い頃の日常だった気がしています。長い間、自分が知らないうちに自分を傷つけていたのでは?と考えています。

バランスのよい食事を欠食せず、軽く汗ばむくらいの運動をし、ぐっすり眠る。これができればいつの間にか心から笑える日が来る!と信じて日々過ごしています。

◎ ストレス対策を見つけておく

ストレスフルの状態が普通になっている方、多くないでしょうか? 交感神経優位になっていませんか?自分に合った、ストレスの解消方法を見つけておき、できるだけ早くケアする事をおすすめします。

参考までに筆者は、腹式呼吸をゆっくり行うようにしたら、少しずつですが、落ち着いてきた気がしています。

自閉症の女の子は男の子よりも症状を隠すのが上手

広く知られるようになった「自閉症」。あなたは自閉症についてどれほどの知識がありますか?

自閉症とは社会性に乏しく、他人とコミュニケーションを取る能力が極めて低い症状のことをいいます。子どもが自閉症になるケースも多く、それを小児自閉症と呼びます。

ロンドンカレッジ大学の研究によると、女の子の方が男の子よりも自閉症の症状を隠すのが上手で、周りが彼女が自閉症だと気づく確率は男の子のそれと比べてかなり低いことがわかりました。

研究では3500人以上の子どもを対象に1990年代に行われたものを再検証しました。子どもに4つの感情を表現してもらいます。

怒った顔、悲しい顔、幸せな顔、怖い顔です。絵を見たり、特定の指示に合わせてこれらの表情を作るのですが、自閉症の子どもは悲しい顔をするべき時に、ニコニコ笑ってしまうケースなど、指示をきちんと受け止められないケースが多かったそうです。

しかし、その中でも女の子の方が男の子よりも上手に指示に従うことができることが明らかになりました。

研究に従事したコターリ博士は、男の子はその表情で自閉症であるかないかの判断が比較的簡単だが、女の子の方がうまく相手とコミュニケーションができてしまうので、たとえ自閉症でもそうではないと判断されるケースが多いと述べています。

気をつけないと自閉症で苦しんでいる子どもを問題ないと判断してしまうことになってしまいます。

私たちの身近にも自閉症のお子さんを抱えている方がいるでしょう。自閉症を抱える子どもの親になるということは、私たちが思う程簡単なことではないのです。

当事者ではない私たちが、子どもたちの行動だけを見て、自閉症だとかそうではないとか簡単に判断しないように注意したいですね。

自閉症の女の子は男の子よりも症状を隠すのが上手

広く知られるようになった「自閉症」。あなたは自閉症についてどれほどの知識がありますか?

自閉症とは社会性に乏しく、他人とコミュニケーションを取る能力が極めて低い症状のことをいいます。子どもが自閉症になるケースも多く、それを小児自閉症と呼びます。

ロンドンカレッジ大学の研究によると、女の子の方が男の子よりも自閉症の症状を隠すのが上手で、周りが彼女が自閉症だと気づく確率は男の子のそれと比べてかなり低いことがわかりました。

研究では3500人以上の子どもを対象に1990年代に行われたものを再検証しました。子どもに4つの感情を表現してもらいます。

怒った顔、悲しい顔、幸せな顔、怖い顔です。絵を見たり、特定の指示に合わせてこれらの表情を作るのですが、自閉症の子どもは悲しい顔をするべき時に、ニコニコ笑ってしまうケースなど、指示をきちんと受け止められないケースが多かったそうです。

しかし、その中でも女の子の方が男の子よりも上手に指示に従うことができることが明らかになりました。

研究に従事したコターリ博士は、男の子はその表情で自閉症であるかないかの判断が比較的簡単だが、女の子の方がうまく相手とコミュニケーションができてしまうので、たとえ自閉症でもそうではないと判断されるケースが多いと述べています。

気をつけないと自閉症で苦しんでいる子どもを問題ないと判断してしまうことになってしまいます。

私たちの身近にも自閉症のお子さんを抱えている方がいるでしょう。自閉症を抱える子どもの親になるということは、私たちが思う程簡単なことではないのです。

当事者ではない私たちが、子どもたちの行動だけを見て、自閉症だとかそうではないとか簡単に判断しないように注意したいですね。

【これで私は助かった!】ボケかなと思ったら“肝性脳症”だった!重大疾患の前兆を見逃すな  

人間、年を取ると色々な症状が出てくるもの。まして多少の痴呆がある人は、周囲がよほど注意していないと、その症状がボケなのか、あるいは内臓疾患によるものなのかの区別がつきにくい。高齢者に多い「肝性脳症」も、そんな病気の一つだ。

 ■豊岡一志さん(仮名)のケース

 父(79)は若い頃は大酒飲みで、60代前半で肝機能障害を指摘されました。5年前には肝硬変と診断され、それ以降は年齢的な衰えから量は減ったものの、毎晩何かしらのアルコールを口にしない日はありませんでした。

 最近は痴呆が出始め、コミュニケーションはおおむね問題ないものの、物忘れは顕著になりました。昔のことは覚えているのに、新しい知り合いや、昨日や今日の出来事をきれいに忘れる感じです。

 そんな数カ月前のこと、父が母に反抗するようになったのです。酒好きでも優しい性格で、特に母を怒鳴りつけたりすることは絶対になかった父が、声を荒らげて母を怒鳴りつけたり、口答えをするようになったのです。私も私の女房も驚きましたが、母は冷静でした。

 「これはボケじゃない。何かおかしい!」

 そう感じた母は、父が肝硬変の治療で通院しているかかりつけ医に相談。医師も不審に思い、脳のMRIなどの検査をしたところ、「肝性脳症」であることがわかったのです。

 少し前に腹水がたまり出したので利尿剤を使っていたのですが、それが効きすぎていたらしく、尿として排出されるべき老廃物が脳に流れてトラブルを起こしていたというのです。

 たまたま早期で見つかったからよかったものの、放置すれば昏睡(こんすい)に陥り、そのまま肝不全で命を落とすこともあると聞き、冷や汗が出てきました。

 ひと月ほど入院して点滴治療を受けた父は、痴呆の症状はそのままですが、以前の「母には優しい父」に戻っていました。

 怒鳴りつけられながらも、「ボケとは違う」と感じて医師に相談した母の冷静さに、夫婦の絆を感じさせられた思いです。

 ■専門医はこう見る

 キッコーマン総合病院(千葉県野田市)院長代理・三上繁医師

 肝硬変になるとアルブミンという血清タンパクの濃度が低下します。すると血液が薄まって水っぽくなり、血管壁を通過して外に漏れ出してしまいます。この現象が脚などで起きると「むくみ」、おなかで起きると「腹水」となります。

 肝硬変の人でアルブミンの値が落ちてくると、余計な水分を体内にためないようにするため利尿剤を使うことがありますが、その効果が強すぎると、血中の不要な物質が蓄積されて、その一部が脳にも流れていく。

そこで脳がダメージを受けるのが「肝性脳症」です。

 初期症状としては「ちょっとリアクションがおかしい」「話がかみ合わない」といった感じで、これは痴呆の症状に似ています。

これが進展すると命に関わる状態になるので、豊岡さんのお母さんが見抜いたのは見事としか言いようがありません。

 もう一つ特徴的な症状に「羽ばたき震戦」といって、手の先がピクピクと震えるものがあります。

 肝機能が悪い人が利尿剤を使った後、急に性格が変わったり、手の先の震えが見られる時は、すぐに主治医に相談して下さい。特に痴呆の症状がある人は、その判別が難しいので、注意深い観察が不可欠です。

【これで私は助かった!】大疾患後の後遺症はあきらめずに解消!

運よく重大疾患から逃れることができても、直後に別の重大疾患が控えていることは珍しいことではない。中でも「後遺症」が残った時は、簡単にあきらめるのではなく、できることから解消していく姿勢が重要だ。

 ■杉山哲哉さん(61)=仮名=のケース

 58歳の時、自宅でくつろいでいる時に脳梗塞で倒れ、病院に担ぎ込まれたんです。

発症から血栓溶解剤を投与するまでの時間が短かったことと、リハビリがうまくいったこともあり、会話に多少不自由な点は残ったものの、概ね滞りなく日常生活を送ることができるまでに回復しました。

 ただ、一つ気になっていたことがあったんです。それは「食事の時に、何となく飲み込みにくい」という点。といっても、飲み込めないわけではなく、「スムーズではない」といった感じ。

時々むせることはありましたが、「脳梗塞をやったんだから、まあこんなものなのだろう」という“あきらめの気持ち”があったのは事実です。

 ところが、次第にこの症状がひどくなり、人前で食べるのが恥ずかしくなってきました。主治医に相談すると耳鼻咽喉科の医師を紹介され、検査の結果、のどの知覚が低下していて、「嚥下障害」があることがハッキリしました。

 そこで、飲み込むことの訓練をすることになったのですが、せっかく脳梗塞から生還したのに、また別のリハビリをしなければならないことが情けなくなり、最初はあまり真剣になれなかったんです。

ところが、一つコツをつかむと、意外にあっさり飲み込める。というより、むせる、吐き出す-という「失敗」がないことがうれしくなって、次第に耳鼻科に通うのが楽しくなってきました。

 今では人前での食事も恐くなくなり、食べる量も増えてきました。見た目にも健康そうに見えるようで、数年前に大病したことがウソのような気さえしています。

 ■専門医はこう見る

 山川耳鼻咽喉科医院(東京都港区)院長・山川卓也医師

 嚥下障害のきっかけはさまざまで、のどの骨の形の変形や、神経の病気が原因で「飲み込み」が悪くなることもあります。

 嚥下機能が低下することで受けるダメージは想像以上に大きく、食べることへの意欲の低下が食欲不振を招き、栄養状態を悪化させます。

そうして免疫力が低下したところで飲み込みに失敗すると、誤嚥(ごえん)性肺炎を招いて生命の危険さえ背負い込むことにもなりかねません。

事実、寝たきりの高齢者の場合、死因のかなりの割合を誤嚥性肺炎が占め、その大元に嚥下障害があることは珍しいことではないのです。

 ですから「飲み込みにくい」「食べる時に困難感が生じる」場合は、早めに対策を講じるべきです。

 嚥下障害の改善策はさまざまで、その人の症状に応じた対応が求められますが、放置して治ることはありません。あごを落とす姿勢を取る、首のポジションを変える。

のどの片側の機能が落ちている時は、麻痺している側の声帯を指で押さえることで飲み込みやすくなることもあります。

 また、舌の知覚が落ちて嚥下機能が落ちている時には、氷をなめることで舌の知覚を取り戻す訓練もあります。

 人間にとって「食べること」は生きるための基本中の基本。この行為に自信や興味を無くすことは、生きることへの意欲を無くすことに直結します。少しでも違和感があるなら、耳鼻咽喉科に相談されることをお勧めします。

【これで私は助かった!】飛行機の長旅で胸に痛み!肺血栓塞栓症だった  

飛行機に乗るときは、落ちる心配よりも自分の血管の心配をすべきだ。水も飲まずに長時間じっとしていれば、血液がドロドロになるのは自明の理。これが冠動脈で詰まれば狭心症や心筋梗塞、肺に飛べば肺血栓塞栓症。いずれも命取りだ。

 ■野本肇さん(44歳=仮名)のケース

 海外出張で2週間ほどアメリカに行ってきたときのこと。ニューヨークを拠点として、国内のあちこちに出張していました。かなり遠方への出張もあり、一日の大半を飛行機かレンタカーの中で過ごす毎日。すべての日程を終えて成田行きの飛行機に乗ったときにはヘトヘトでした。

 NYから成田までは14時間ほど。とにかく疲労が激しく、窓際の席だったこともあり、食事以外はほとんど眠り続けました。たまに目が覚めたらビールを飲んでまた眠る-の繰り返しです。

 異変は成田に着いてからのこと。入国手続きのあたりから何となく息苦しくなり、胸が痛むような症状が出始めたんです。迎えに来た妻の運転する車の中でそのことを話すと、「恐いから病院に寄ろう」と言います。

でも激痛ではないので、私は一度家に戻って様子を見てもいいと思ったのですが、次第に息苦しさが増してきたので、妻の意見に従って病院に直行。検査の結果、「肺血栓塞栓症」と診断され、すぐに血管内治療で血栓を取り除く処置が取られました。

 幸いにも私の場合は血栓が小さく、症状も小さかったのですが、それだけに見逃したら危険でした。放置して大きな血栓が飛んだら、命を落としていたはずです。医師から「命拾いをしたね」と言われて、冷や汗が流れました。

 その一件以来、当面飛行機を使う出張は見合わせていますが、新幹線の中でも、ビールを飲まずに水を飲み、通路側の席を予約して1時間ごとにデッキに出て屈伸運動をするように心がけています。

 ■専門医はこう見る

 大阪厚生年金病院(大阪市福島区)鈴木夕子医師

 以前は「エコノミークラス症候群」という名前で知られた病気ですが、席種に関係なく起こり、また入院中の患者のような「寝たきり状態」の人にも多く発生する病気なので注意が必要です。

 最近は震災の影響で「車の中での生活を余儀なくされている人」にもリスクが高いことから話題になりました。

 身動きのとりにくい環境下で、十分な水分摂取ができないことで、脚の静脈の血流がうっ血し、血栓ができる(深部静脈血栓症)。この血栓が血管壁から剥がれて血流に乗って流れていき、心臓を通り過ぎて肺の血管で詰まると「肺血栓塞栓症」となります。

 治療法は野本さんが受けたカテーテル治療の他、血栓溶解剤の投与や外科的手術などがありますが、いずれも早期診断が求められるので、病院に直行した奥さんの判断は正解です。

 今回は小さな血栓だったので事なきを得ましたが、血栓ができるリスクを持っていることがわかったので、今後も長時間の移動の際にはいま実践されていること以外にも、弾性ストッキングというふくらはぎを締め付けるストッキングの着用や、脚をまっすぐのばして血栓ができにくいようにするなどの工夫が重要です。

【これで私は助かった!】“若年性アルツハイマー”早期発見&対応が大事!

老後の不安の代名詞ともいえる「認知症」。しかし、この病気が襲うのは、老後ばかりとは限らない。働き盛りの背後に忍び寄る若年性アルツハイマーには、早期発見と的確な対応が不可欠だ。

 ■石川精一さん(56)=仮名=のケースM

 大手精密機器メーカーの基幹工場で総務部に務める石川さんは、安全管理の指導を担当するセクションの課長代理。真面目一徹で、支店内の各部門からの信頼も厚い。

 そんな石川さんに異変が起きたのは2年前のこと。毎月、彼が責任者としてまとめている月報に、ミスが目立つようになってきたのだ。

 自分では何度も確認したつもりなのに、ミスがなくならない。そのうち、自分の仕事に自信を無くして、ふさぎ込むようになってしまった。産業医が「うつ症状が見られる」と判断し、心療内科を受診したが改善しないまま半年が過ぎた。

 産業医は月に一度、石川さんと顔を合わせているのに、どうも話が噛み合わない。そこで「念のため」と頭部のMRIを撮ってみたところ、海馬にアルツハイマーの所見を確認。若年性アルツハイマーだったのだ。

 認知症に詳しい内科医に紹介され、病気の進行を遅らせる薬を処方。事態を知った会社では、関係する職員に事情を説明し、石川さんの勤務が続けられるサポート体制を敷くことになった。

 こうした取り組みが総合的に効果を発揮し、石川さんは徐々に明るさを取り戻し、病気は緩やかに進行してはいるものの、業務に支障が出ることも、石川さんがふさぎ込むような事態も回避することができている。

 家族は「定年まで勤められるかどうかはわからないが、早期で認知症を発見し、温情ある措置を講じてくれた会社に感謝しています」と話している。

 ■専門医はこう見る

 クリニックうしたに(宮崎市)院長・牛谷義秀医師

 認知症というと高齢者の病気と思われがちですが、実際には若い世代でも一定数の患者がいます。ただ、若いということで認知症を疑わず、うつやストレス性の症状と判断されて、正しい治療が受けられないケースも決して少なくありません。

 そんな中で、石川さんの若年性アルツハイマーを疑い、画像診断をした産業医の判断は見事と言えます。

 サラリーマンにおける認知症の初期症状としては、「それまでできていた仕事ができなくなる」という特徴的な傾向が見られます。去年より今年、先月より今月、確実に仕事の質が低下しているようなら要注意。それまで当たり前のようにこなしてきた仕事が、何日かかっても終わらないような状況が見られたら、年齢に関係なく認知症を視野に入れて考えるべきでしょう。

 もし認知症と診断された時は、周囲の理解と情報の共有化が重要になってきます。周囲が仕事を分担してサポートするだけでなく、組織として見守るという姿勢が不可欠です。

 その上で、仕事が不可能となった場合も、障害年金的な公的扶助の制度があるので、家族が会社と連携しながら「それからの人生設計」を考えていく必要があります。

 認知症と診断された時点で人生を悲観するのではなく、「この時点で何をすべきか」を考えることが大切。そのためにも「早期発見」は意味のあることなのです。

【これで私は助かった!】血液検査で肝機能が低下…がん見つかる

「沈黙の臓器」と言われる肝臓。病気になっても症状を出さずに頑張り続け、いよいよ症状が出た時には手遅れになっていることの多い重要臓器だ。そんな肝臓のがんの前段階には、慢性肝炎と肝硬変があるのだが…。

 ■平野幹夫さん(56)=仮名=のケース

 きっかけは市の健診で受けた血液検査でした。30年前に脱サラして以降、健康診断なんて受けたことがなかったのですが、結果としてそのツケが回った形になってしまいました。

 他の項目は問題なかったのですが、肝機能だけが悪かったので、病院で詳しく調べてもらうと、2センチほどのがんが見つかったのです。

 肝臓に刺した電極の先からラジオ波を流す治療でがんは焼灼(しょうしゃく)したのですが、これで私がC型肝炎に感染していたことが判明したのです。

 実際にはC型肝炎が慢性化し、その後、肝硬変に移行したのちに、がんができていたのでした。

 そこでがん治療のあとに、抗ウイルス薬による薬物治療が始まりました。発熱や倦怠感などの副作用が出て、治療から逃げ出したくなることもありましたが、なんとか頑張って続けた結果、ウイルスを消すことに成功しました。

 しかも、肝硬変ということで諦めていた肝機能の方も、どういうわけか少しですが改善してきたのです。

主治医によると、肝硬変まで進んでいても、治療をきちんと受けて節制をすると、少しは肝臓が柔らかくなることがあるそうで、自分の体のことながら、勉強になりました。その後も定期的に検査を受けていますが、これまでのところ、がんの再発はありません。

 自分の健康に目を向けなかったことの代償として、今では私が、周囲の友人に会うたびに「健診を受けろ」と勧めて歩いています。

 ■専門医はこう見る

 キッコーマン総合病院(千葉県野田市)院長代理・三上繁医師

 肝炎ウイルスに感染していることがわかっていれば、定期的なチェックを受けることになります。そうでないと感染に気付くきっかけがなく、平野さんのようなケースをたどることがあります。

 そんな中で、早期がんで見つかり、治療が奏功してがんも、またC型肝炎ウイルスの排除も成功したとのこと。非常にラッキーなケースと言えるでしょう。

 C型肝炎ウイルスへの感染源は、医療環境が不衛生だった時代の注射、手術、輸血、あるいは医療機関以外でのイレズミなどが主たるルートです。

 感染すると急性肝炎を発症します。この時の症状の出方は個人差が大きく、高熱から感染がわかることもあれば、比較的症状が軽いと「カゼ」と間違えて、そのまま治療が受けられないこともあります。

 こうなると、その先で肝炎ウイルスへの感染を知るチャンスはなかなかなく、平野さんのように病気が進んでから肝機能の低下を招き、初めて気付くことにもなりかねません。今、50歳代以上で、先に挙げたような感染リスクの経験を持つ人は、十分な注意が必要です。

 ただ、病気が見つかってからの平野さんの対応は見事です。抗ウイルス薬の治療は人によって副作用が強く出ることがあるのも事実ですが、見事に克服されたようです。

 これからも定期的な検査の受診を怠らず、がんの再発予防に留意してください。

視線を合わせない自閉症の特徴、乳幼児期から確認

他人と視線を合わせないという自閉症の特徴は、乳幼児期の段階から確認できるかもしれないとする米研究チームの論文が、6日付の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。今回の研究では、生後2か月という早期からこの特徴が確認された。

 目を合わせることを避ける傾向は、長らく自閉症の特徴の一つと認識されてきたが、これを早期診断の手段とする可能性は追究されてこなかった。

 研究チームは視線追跡技術を用いて、乳幼児110人を誕生から2歳になるまで調査した。保育士に扮した俳優が、ゲームをしながら話しかけるビデオを見せて、視聴している乳幼児たちが俳優の目を見ているかどうかを観察した。その結果、13人が後に自閉症スペクトラム障害(ASD)と診断された。

 ASDと診断された子どもたちについて、論文の共著者で米エモリー大学(Emory University)医学部のウォーレン・ジョーンズ(Warren Jones)氏はAFPの取材に対し「2歳になるまでに、母親の目を見る度合いが着実に減っていった」と説明した。この兆候は生後6か月以内でも確認され、生後2か月でみられた乳児もいたという。

 今回の研究では、視線を避ける傾向が人間の発達の早い段階で表れるということに加え、ASDの子どもは最初から他人と目を合わせないのではなく、徐々に視線を合わせる回数が減っていくことも突き止めた。

「この2つの要素により、将来的にASDの治療は、初期段階から介入する方法へと劇的に変わる可能性がある」と、米マーカス自閉症センター(Marcus Autism Centre)の所長で論文共著者のアミ・クリン(Ami Klin)氏は語る。 

 自閉症の治療法はないが、これまでの研究から早期の行動療法によって自閉症の子どもたちの学習能力やコミュニケーション能力、社会性などが向上することが分かっている。

 世界保健機関(World Health Organisation、WHO)によると、ASDと診断される子どもは160人に1人の割合だという。

「なんだ「なんだか不調…」自律神経を整えたければ「まず笑え!」の理由とは?か不調…」自律神経を整えたければ「まず笑え!」の理由とは?

自律神経が乱れたことによって引き起こされる。その病の名は「自律神経失調症」

だるい、すぐ疲れる、食欲がない、下痢、便秘、体が冷える、常にイライラ、やる気が出ない、肩こりがひどい……これらは自律神経が乱れたことによって引き起こされる。その病の名は「自律神経失調症」。耳にしたことがある人も多いだろう。
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“笑い”は日本人の死因の1~4位までを予防する!?

自分で意識しなくても、環境に応じて身体の状態を自動的に調節してくれる神経が「自律神経」。ストレスの多い現代、この自律神経がうまく機能しなくなってしまったことによって、多くの人が苦しめられている。とはいえ、これらは今すぐ命にかかわるような深刻なものではなく、毎日の中で「なんかツラい」「どうにもツラい」程度で流してしまうようなレベルのもの。これこそ、「自律神経失調症」の特徴なのだ。

ということならば、私たちに不調をもたらすこの自律神経をどうすれば整えられるのか、というお話なのだが、実は改善になによりうってつけの行動があるという。落語家で医学博士の立川らく朝さんが勧めるのが、「笑うこと」だ。

実は“笑い”は自律神経失調症だけでなく、日本人の死因の1~4位を占めるガン、虚血性心疾患、肺炎、脳血管障害まで予防することが医学的に証明されているのだ。

笑いは身体をリラックスモードにモード変換してくれる

では、具体的にはどうすればいいのだろうか?

「簡単なんです。笑うんですよ。じつは笑うと副交感神経が活発になり、交感神経よりも優位な状態になることがわかっています」(立川らく朝さん)

笑うだけで、リラックスモードを司る副交感神経が活発になり、ストレスモードで働く交感神経優位によって引き起こされていた様々な体の不調が改善する。そしてあなたの笑顔はきっと、あなた自身だけでなく周りも笑顔にしていくだろう。……なんて単純でオイシイ話だろうか。

交感神経、副交感神経の関係性など、自律神経にまつわる詳しいことは立川らく朝さんの著書『落語で不調を改善! 笑って自律神経を整える』に書いてある。漠然とした不調に悩む人はぜひとも一読して、付録のCDを聞いてみてほしい。大笑いして、不調なんて吹き飛ぶはずだ。

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