あなたの健康はお金で買えますか・・・? ■1分で判明!病気チェック・発達障害
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【1分で判明!病気チェック】噛みしめ呑気症候群 歯の噛みしめ習慣が原因に、マウスピース装着で症状軽減

多量の空気を飲み込むことでゲップやおならの頻発、お腹の膨満感などの症状が現れる状態を「呑気(どんき)症」、「空気嚥下(えんげ)症」と呼ぶ。その多くは歯の噛みしめ習慣が原因で起きている「噛みしめ呑気症候群」だ。生活に支障があれば治療を考えよう。

 【唾液の飲み込み過ぎ】 

 誰もが忌み嫌うゲップやおならの正体は、唾液や飲食と一緒に飲み込んでいる空気だ。

 呑気症治療の第一人者で心療内科「ベイサイドさちクリニック」(横浜市)の小野繁院長は「人は誰でも唾液を1回飲み込むのと同時に3-5ccの空気を飲み込んでいる。

 胃の中には常時50ccぐらいの空気が溜まっていて、ゲップで口から出たり、6-7時間かけて大腸に運ばれ排ガスされている」と説明する。

 呑気症の人は、普通の人よりも唾液を飲み込む回数が多いのだ。しかし実際、消化器科などで検査しても異常が見られないと腹部膨満・排ガスタイプは「過敏性腸症候群」、ゲップタイプは「非びらん性胃食道逆流症」などと診断されてしまうことが多いのが現状だ。

 【肩こりや頭痛も合併】

 小野院長は「これらの病気と呑気が併発することはあっても原因とはならない」と話し、「ほとんどの呑気症例に共通するのが歯の噛みしめ習慣、緊張時に起こす唾液嚥下」と、空気を飲み込む回数が無意識に増える理由をこう解説する。

 「唾液を飲み込むときは舌を上顎につけ、上下の歯を合わせると嚥下反射が起こる。日常的な噛みしめ習慣の背景には、精神的ストレス、抑うつ状態、PC作業などのうつむき姿勢、鼻炎や後鼻漏などの疾患などさまざまな要因がある」

 日常的に噛みしめているため、消化器症状に加えて顎周辺の疲れ、肩や首のこり、頭痛などの頭頸部症状を伴うのも特徴。

 小野院長は「噛みしめ呑気症候群」と名付け、10年ほど前から学会などで報告をしてきた。

 【マウスピース装着で噛みしめ防止】

 数々の診療科を受診しても納得のいく治療が受けられず、ドクターショッピングを繰り返す患者は多いという。悩みを抱えたままでいると、その不安から「おなかが気になって集中できない」「自分のにおいを過度に気にする」などの精神症状が出てくるから厄介だ。

 小野院長は効果的な治療法として、歯科との協同でマウスピースを作り、歯にはめるスプリント療法を行っている。前歯、もしくは奥歯の一部に装着して、噛みしめを防止・気づかせる方法だ。

 食事と睡眠以外は日常的に装着して改善させていく。

 「早い人で1カ月、平均3カ月ぐらいで症状がとれる。スプリントの費用は3割負担で5000円ほど」と小野院長。

 無意識に噛みしめていたら要注意だ。

★「噛みしめ呑気症候群」チェックリスト

《消化器症状》

□ゲップがよく出る

□おならがよく出る

□お腹が張る(膨満感)

《頭頸部症状》

□気がつくと歯を噛み合わせていることが多い

□口元や頬に力が入っていて唾液を飲むことが多い

□顎の周辺に疲れや痛みがある

□肩や首のこりが強い

 ※胃腸の検査で異常がなく、消化器症状1つ以上、頭頸部症状2つ以上該当すれば可能性がある。

 ベイサイドさちクリニック(横浜市)/小野繁院長作成

【1分で判明!病気チェック】異常な不快感で睡眠障害に むずむず脚症候群

脚に異常な不快感が現れて、なかなか寝つけないことはないか。あったら睡眠障害の疑いあり。専門医は週2回以上あるようなら治療を受けた方がいいと忠告する。チェックリストに該当しないか確認してみよう。

【脚が不快で眠れない】

 この病気は夕方から夜間にかけて脚がむずむずする、チリチリする、かゆい、痛い、ほてるなどの不快感が現れて、「眠れない」「寝不足で翌日、強い眠気に襲われる」ことが大きな問題になる。

 睡眠障害の専門医のスリープ&ストレスクリニック(東京・大崎)の林田健一院長は「不快感は脚の太もも、ふくらはぎ、足裏など、皮膚表面ではなく深部に感じて、筋肉を揉みほぐしたくなる、脚を動かしたくてたまらなくなる」と症状の特徴を説明する。

 不快感は両脚、片足だけの場合、また左右差があったりと人によって違う。次第に腹部、背中、腕の方まで広がるケースもあるという。

【脳内物質ドーパミンの分泌低下】

 しかし、脚を動かしたり、他の事に注意が引かれていると不快症状はピタリと治まる。いざ寝ようとする(じっとしている)と症状が強く出るから困るのだ。症状は毎日のように現れる重症の人もいれば、ときどき現れる軽症の人もいる。

 発症メカニズムはハッキリ解明されてはいないが、「脚の過剰な知覚を抑えている脳内物質のドーパミンの分泌低下。ドーパミンを作る原料になる鉄分の摂取不足。それから体質(遺伝子)の3つが発症に大きく関係していることは分かっている」(林田院長)。

 また、腎不全、鉄欠乏性貧血、糖尿病、腰痛症などの病気で二次的に引き起こされる場合もあれば、精神安定剤や抗ヒスタミン薬の副作用で起こる場合もあるという。

【専門医の受診が重要】

 罹患率は年齢と共に増えて60代がピーク。国内の罹患者は潜在患者を含め200万人以上と推定されているが、実際に適切な治療を受けている人は意外と少ない。林田院長は「全体の10%程度ではないか」と、その理由をこう話す。

 「この病気を知らない医師がまだ多く、整形外科、皮膚科、血管外科などを渡り歩いている患者さんが結構いる。精神神経科医であっても睡眠障害を専門にしていなければ正しい診断は難しい」

 以前は、むずむず脚症候群に対する保険適用薬はなかった。が、今年1月からドーパミンの働きを助けるパーキンソン病の治療薬がむずむず脚症候群にも保険適用になった。服用すれば症状は抑えられるという。

 睡眠障害の専門医は日本睡眠学会のホームページなどに掲載されている。

 ムズムズする人は最寄りの専門医を受診しよう。

★「むずむず脚症候群」チェックリスト

□脚に異常な不快感があり、脚を 動かしたくてたまらない

□脚の不快感は、むずむずする、虫がはっているような感じ、かゆい、痛い、火照るなど

□脚の不快感はじっとしているときに起こる

□脚の不快感は、脚を動かしたり、歩いたりすると楽になる

□脚の不快感は夕方から夜間にかけて強く出る

□脚の不快感でよく眠れない

※すべて該当すれば決定的。スリープ&ストレスクリニック(東京・大崎)/林田健一院長作成

【1分で判明!病気チェック】嗅覚障害 普段からアレルギー性鼻炎の治療が大切 

★治らない場合は嗅神経障害の疑い

においの感じ方に異常が起こる原因には、風邪や鼻炎の影響などの一時的なものもあるが、いつまでも治らない場合には嗅神経の障害が疑われる。最悪、脳腫瘍が関係している可能性もあるので、早めに耳鼻咽喉科で原因を診断してもらう。

 【神経障害と鼻の閉塞】 

 人がにおいを感知する“臭いセンサー”は、鼻腔の天井(大脳底部に隣接)にあり、切手1枚ほどの大きさの“嗅粘膜”で感じ取っている。

 空気中を漂うにおいの分子が嗅粘膜に触れて溶解すると、大脳から伸びている“嗅神経”ににおいの情報が伝わる仕組みだ。

 においの感じ方がおかしくなる嗅覚障害の主な原因について、耳鼻咽喉科・日本橋大河原クリニック(東京)の大河原大次院長は「嗅神経が障害されているケース、神経は正常だが鼻腔が閉塞されているケース、それと両方の混合型の3つがある」と説明する。

 嗅覚と味覚は密接に補う関係にあり、嗅覚障害が起きている人には味覚障害も合併する人が少なくないという。

 【風邪や鼻炎から悪化】

 嗅神経が障害される原因では、「風邪をこじらせ細菌やウイルスによる強い炎症の持続によって嗅神経がダメになってしまうケースが最も多い」(大河原院長)。

 他には脳の外傷や手術によって起こる場合もある。また怖いのは、たまたま大脳の底部にできた脳腫瘍が嗅神経を圧迫して起きている可能性もあるから油断できない。

 大河原院長は「閉塞の原因では、アレルギー性鼻炎によって粘膜が腫れて臭い分子の到達を妨げていることが多く、鼻タケ(鼻腔内のポリープ)発生の原因にもなる」と話し、加えて「風邪を引くと炎症を悪化させやすい」と、普段からのアレルギー鼻炎の治療の大切さを忠告する。

 【早い治療開始が重要】

 鼻腔の閉塞だけであれば基礎疾患の治療(鼻タケがあれば切除)で嗅覚もよくなるが、厄介なのは嗅神経が障害されているケースだ。

 「他の神経と同様に嗅神経が一度やられるとなかなか治らない。復活、再生は治療開始時期にもよるので、風邪などの鼻の炎症が治ってもにおいの感じ方がおかしい場合には早めに受診した方がいい」(大河原院長)

 治療では、ステロイドホルモンを主成分とした点鼻薬が使われる。においの感じ方が戻ってくるかどうかは2カ月ぐらいが目安になるという。

 「これから風邪をひきやすい季節になり、花粉症のシーズンへと続く。リスクが高くなるので鼻の炎症はきちんと治療を受けてこじらせないように」と大河原院長。

 おいしい食事を楽しめるのも嗅覚のおかげ。普段から鼻の通りをよくしておこう。

★「嗅覚障害」チェックリスト

□においがまったく分からなくなった

□においの感じ方が弱くなった

□本来のにおいと違って感じる

□何を嗅いでも同じにおいに感じる

□食べ物の味が変わって感じる

□においが強く感じて食事がつらい

□風邪をキッカケににおいが変だ

□頭の手術を受けてからにおいが変だ

□鼻の通りが悪くにおいを感じない

 ※1つでも該当して、1~2週間続いているようなら受診しよう。

 日本橋大河原クリニック(東京)/大河原大次院長作成

【1分で判明!病気チェック】糖尿病 血縁者、食後血糖値に要注意★最悪コースは“朝抜き、昼ソバ、夜ドカ食い”  

★最悪コースは“朝抜き、昼ソバ、夜ドカ食い”

予備群を含めると40代以上の4人に1人が罹患しているといわれる2型糖尿病(生活習慣病)。無症状で進行して、5年、10年たつと神経障害、網膜症、腎症と合併症を引き起こす。チェックリストに複数該当するようなら血糖値の管理、生活改善を必ず実行しよう。

 【家族にいたら覚悟】

 発症原因に食事内容や運動不足など生活習慣の乱れが強調される。が、絶対的に注意が必要な人は祖父母や親兄弟に糖尿病の発症者がいる人だ。

 糖尿病学会専門医・指導医である「加藤内科クリニック」(東京・高砂)の加藤光敏院長は「発症には遺伝的因子が大きく関係する。血縁者に糖尿病の方がいる人は、注意していなければ遅かれ早かれ発症すると覚悟が必要」と忠告する。

 日本人は“やせ形糖尿病”が多いのも特徴。欧米人に比べて遺伝的にインスリンの分泌が少なく、太り過ぎる前に発症してしまうのだ。

 【食後血糖値にも注目】

 健診でも『空腹時血糖値』(110を超えると予備群)ばかりに目をとらわれていたら“隠れ糖尿病”を見逃しやすい。

 加藤院長は「糖尿病発症の7-10年前から食後血糖値の高値がはじまっている。遺伝的因子をもつ人は『ブドウ糖負荷試験』(2時間値が140を超えると予備群)を一度早めに受けて生活に注意すべき」とアドバイスする。

 今年の夏から糖尿病の診断基準に、1-2カ月前からの血糖状態が分かる『ヘモグロビンA1c』(正常基準値4・3-5・8%)が検査項目に加わっているが、「やや肥満の人で5・2%を超えていたら、すでに食後血糖値が高い方が多い」(加藤院長)という。

 【筋肉が落ちると血糖値が上昇】

 発症予防で注意することは、まずは腹8分目で食べ過ぎないこと。炭水化物は体内でブドウ糖に変換されるので、よく食事全体に占めるご飯の割合を極端に減らす人がいるが、「炭水化物は全体の55-60%摂った方がいい。おかずばかりだと塩分を摂り過ぎるし、腎臓に負担がかかる」(同院・加藤則子管理栄養士)。

 それから、欠食、間食はしない。少量でも3食きちんと分けて摂ること。

 定番の最悪なコースは“朝抜き、昼ソバ、夜ドカ食い”だ。

 「しっかり運動」も耳にタコができる言葉だが、目的は摂取カロリーの消費だけでないという。

 加藤院長は「体の最大の筋肉群である脚の筋肉を維持することが大事。筋肉がないと糖が取り込めず、食後血糖値が上昇しやすい。

同時に脂肪肝の人は改善を」と強調し、1日のノルマを「最低30分は歩く。通勤時にでも片道15分は歩いてもらいたい」と念を押す。

 発症すれば一生つき合うことになる糖尿病、肝に銘じておこう。

★「糖尿病」チェックリスト

□血縁者に糖尿病の人がいる

□親兄弟に心臓病や脳梗塞になった人がいる

□運動不足と感じている

□20歳の時より体重が10キロ以上多い

□夜遅く食事して、すぐ寝る生活

□喫煙習慣がある

□野菜不足、外食を頻繁にする

□糖分入りのコーヒー、炭酸飲料を1日5缶(本)以上飲む

□尿がベトつく感じがする

 ※該当項目が多いほど糖尿病または予備群の可能性が高い。

加藤内科クリニック(東京・高砂)/加藤光敏院長作成

【1分で判明!病気チェック】耳かきや綿棒で皮膚傷つけ感染★外耳道炎

耳の入り口から鼓膜までの“外耳道”の皮膚に炎症が起こる急性の病気。耳穴が痛い、強烈にかゆい、黄色っぽい液体が出るなどの症状があったら疑いがある。

通常は怖い病気ではないが、完治させないと水泳などで繰り返すので要注意だ。

 【耳穴の傷から細菌感染】

 海水浴やプールの後に起こりやすいので「水泳耳」「スイマーズイヤー」などの呼ばれ方もする。が、水泳などで外耳道に水が入ることは直接の発症原因にはならない。

 その前に、耳かきや綿棒などで耳穴をいじり過ぎて外耳道の皮膚を傷つけてしまうことが、細菌感染を引き起こすおおもとの原因だ。

 耳鼻咽喉科日本橋大河原クリニック(東京)の大河原大次院長は「外耳道は体の皮膚と一体で、水に触れただけでは炎症は起こらない。中耳炎も水泳が原因と勘違いされるが、中耳は鼓膜の裏で水に触れることはない。鼻の炎症が耳管を通じて中耳に移行することで起こる」と説明する。

 【水泳後は自然乾燥で十分】

 ただ、水泳後は耳穴が水にぬれているので綿棒などできれいにふき取りたくなる。皮膚がふやけるので、つい力を入れてグリグリやってしまうと外耳道を傷つけやすい。それを水泳のたびにやれば確かに発症しやすい。

 大河原院長は「本当なら水が入っても体温で自然に乾くので放っておくべき。どうしても気になるなら綿棒を軽く入れて、力を入れずに水分を吸い取らせる程度でいい」とアドバイスする。

 発症すると、かゆみが強く出るので我慢できずに患部を触ってしまうといつまでたっても治らない。耳鼻咽喉科で処方される軟膏薬や点耳薬をつけていれば1-2週間で治るので、再発させないためにも完全に治り切るまで水泳は当分の間はお預けだ。

 【綿棒で耳掃除をするなら赤ちゃん用】

 デスクワークの人も外耳道炎を起こす人が意外と多いという。仕事のストレスでイライラすると無意識に綿棒などで耳穴をいじってしまう人が結構いるからだ。

 大河原院長は「耳掃除には標準サイズの綿棒を使うより、先の硬い竹製の耳かきの方が適している」と、こう話す。

 「綿棒は先が軟らかいと思って、力が入り過ぎてしまう。それに耳穴は直径1センチほどなので、標準サイズでは太過ぎて耳垢を奥に押し込んでしまう。綿棒を耳掃除に使うのなら赤ちゃん用の細い綿棒を使うように」

 外耳道炎は、重症の糖尿病などがあると周囲の骨にまで炎症が波及して生命を脅かす「悪性外耳道炎」に進行するケースがごくまれにある。耳穴の炎症といえども糖尿病の人は十分注意が必要だ。

★「外耳道炎」チェックリスト

□耳穴に強いかゆみがある

□何もしなくても耳穴が痛い

□耳を引っ張ったり、押すと強く痛む

□あごを動かすと耳穴が痛む

□耳穴から黄色い液が出る(耳だれがある)

□耳掃除をしようとすると腫れものに当たり痛い

□耳穴が腫れているように感じる

□耳穴に指を入れて嗅ぐと臭い

 ※2つ以上該当すれば可能性が高い。耳鼻咽喉科日本橋大河原クリニック(東京)/大河原大次院長作成

【1分で判明!病気チェック】原因の9割に関係しているのはやはりアレ…肺がん

男性のがんの中で死亡数が最も多く、男女合わせると年間約6万人。早期発見には定期検査しかないが、確実に発症リスクを高める(4-5倍)のはタバコ。もちろん非喫煙者、受動喫煙でも発症するので、呼吸器の症状が出現したら要注意だ。

【指数400超は注意】

 肺がんで亡くなったニュースキャスターの筑紫哲也氏(享年71)も1日3箱も吸っていた愛煙家。前年、人間ドックに入りPET検査で発見されたが、その時点ではすでに咳き込むことが多かったといわれる。

 「原因の8-9割にタバコがかかわっている。喫煙者は最低でも半年に1回はX検査、痰の細胞診を受けた方がいい」と警告するのは、日本呼吸器学会・指導医でもある寺尾クリニカ(東京・新宿)の寺尾一郎院長。

 予防は禁煙が大前提だ。が、それでも踏み切れないのなら、刻一刻と発症のカウントダウンが迫っていることを十分肝に銘じておくべきだ。

 目安は『1日の平均喫煙本数×喫煙年数』のブリンクマン指数。400を超えたら高度危険群。1日の喫煙本数と肺がん死亡率は相関する。1日20本以上の人は吸わない人よりも10倍肺がんで死亡しやすいという。

【気管か末梢で違う】

 ひと口で「肺がん」といっても種類が多く、発生場所や頻度、増殖速度などが異なる。

 顕微鏡でのがん細胞の見え方では、「非小細胞がん」(3種ある)と、進行が速く転移しやすい「小細胞がん」(全体の15-20%)に分けられる。

 「部位で分ければ、気管支にできる『肺門型』と、末梢の肺胞にできる『肺野型』。肺門型なら比較的早くから咳や血痰の症状が表れる。が、症状がなく、健診のX線などで偶然見つかることが多いのは肺野型です」

 部位によって症状や検査法が違ってくるところが肺がんの見落とされやすい大きな理由だ。

【非喫煙は無症状】

 一般に咳や血痰が肺がんの一番の特徴と思われがちだが、それは間違い。

 中でも最も発症頻度(男性40%、女性70%以上)が多いのは、非喫煙者でも発生する「腺がん」。肺野型が多いので、相当進行するまで無症状だ。

 次いで多いのが、喫煙との因果関係が強く肺門型の割合が多い「扁平上皮がん」(男性40%、女性15%)。これが喫煙者に早期から咳や血痰が出やすいタイプになる。

 転移しやすい小細胞がんでは、脳転移によって頭痛やめまい、骨転移によって腰痛などが最初の症状になる場合がある。

 「喫煙に加えて毎日お酒を飲む人は、さらにリスクが高まることが分かっている」と寺尾院長。年々増え続ける“難治がん”。予防のためには、まず禁煙治療が必要だ。

【「肺がん」チェックリスト】
 □がんこな咳や痰が続いている
 □血痰が出る
 □声がかれるようになった
 □息切れや呼吸時にゼーゼーする
 □息を吸ったとき胸痛がある
 □発熱がある(肺炎のような)
 □体重が減り、食欲がなくなった
 とくに喫煙者で、2つ以上該当するようなら可能性があるので早期に検査するべき
 ※寺尾クリニカ(東京・新宿)/寺尾一郎院長作成

【1分で判明!病気チェック】薬で便意コントロール…早めの対処「過敏性腸症候群」

出勤途中や会議中に突然、お腹の調子が悪くなりトイレに駆け込まずにいられない。そんな便通異常を繰り返すが、病院で検査しても体に異常が見当たらないのが特徴。放置すると悪循環に陥り、仕事の失敗にもつながる。早めの対処が肝心だ。

 【脳から腸に反応】

 胃腸は“心の鏡”といわれるように、脳のストレスの影響をとても受けやすい。よく「悩み事が多くて胃が痛い」という言葉を耳にするが、この病気の場合、腸にその症状が現れた状態だ。

 「消化管の働きは脳の視床下部の自律神経によって無意識のうちにTPOをわきまえてコントロールされている。ところがストレスの影響で視床下部に狂いが生じると自律神経が正常に働かなくなり、腸の運動が乱れてしまう。

また『脳腸相関』といって、脳がストレスを感じると腸管が敏感に反応するのです」と脳と腸の密接な関係を説明するのは、表参道内科胃腸科クリニックの大黒学院長。

 そのため発症には、ストレスを受けやすい性格かどうかも大きく関係する。きちょうめんで超まじめ、責任感が強い、気弱で内向的といったタイプの人は要注意だ。

 【また起こるかも】

 症状が出やすいのは朝食後の午前中。きちんと排便を済ませているにもかかわらず、あるシチュエーションになると突然、発作のように腹痛や便意をもよおす。

排便をすれば、その時はお腹の症状は治まるが、残便感があり、1日に何度もトイレに駆け込むことになるのでうっとうしい。

 「多いのは出勤途中の電車内、商談中や会議中など。トイレに行けないような状況になると決まって起こる。

大事な場面で繰り返すと『また起こるのでは』という不安がさらにストレスになって悪循環に陥るのです」

 腸の運動異常によって排便のタイプが異なる。腸からの水分の吸収が悪いと下痢型(男性に多い)。腸のぜん動運動が悪いと便が出にくく、ウサギの糞のようなコロコロした便になる便秘型(女性に多い)。下痢と便秘を交互に繰り返す交替型もある。

 【新薬登場】

 精神的ストレスが関与するので根治は難しいが、対症療法で便通をコントロールして不安を取り除くことが大切。治療では便性状改善薬をベースに複数の薬剤を組み合わせて様子をみていくことになる。

また、男性の下痢型に限っては、過敏な腸の運動や痛みが脳に伝わるのを防ぐ新薬が昨秋保険適用になったばかりだ。

 大黒院長は「便通改善には時間がかかるが、1、2週間で効果がないと、すぐにあきらめて医療機関を転々としている人が少なくない。ある程度の試行錯誤は避けられないこともある」と腰を据えた治療の大切さを強調する。

 長引く便通異常には大腸がんの危険性も潜む。検査だけは早めに受けるようにしよう。

 ★「過敏性腸症候群」チェックリスト
 (1)下痢や便秘が長期間続いている
 (2)突然、便意や腹痛が起こる
 (3)出勤途中や会議になるとお腹の調子が悪くなる
 (4)排便をすればお腹の症状が楽になる
 (5)排便後も残便感がある
 (6)お腹の症状は午前中に多い
 (7)ガスがたまりやすくお腹が張る
 (8)休日や夜間にはお腹の症状はない
 (9)几帳面、まじめな性格といわれる
 (10)仕事で悩み事を抱えている、またはストレスを強く感じている
3つ以上該当するようなら疑いが強い
*表参道内科胃腸科クリニック(東京・神宮前)/大黒学院長作成

【1分で判明!病気チェック】排尿に元気あります? 放置すると…「前立腺肥大症」

50歳を過ぎたころから排尿に異常が出始める男の病気。「年のせい」と見過ごしてしまいがちだが、放置すると腎機能障害を招くことも。“がん”の合併もありうるので、早めに前立腺の状態を調べておくことが重要だ。

 【30代後半から肥大】

 尿道を取り囲むように膀胱の下に付いている前立腺は、睾丸から送られてきた精液を薄めて射精しやすくさせるのが主な働き。加齢に伴い30代後半ごろから徐々に肥大を始める。

その進行速度は個人差が大きく、ホルモンのアンバランスや炎症など関与しているといわれるが、肥大の明確な原因は不明だ。

 大きくなった前立腺が自律神経の作用で収縮したり、尿道を圧迫して、チェックリストのような排尿障害が起こるのが、この病気の特徴だ。

 「症状は刺激症状((1)-(3))、閉塞症状((4)-(7))、排尿後症状((8)(9))の順に現れてくる。ただ、肥大の大きさと症状の出現時期や程度は必ずしも比例しない」と話すのは、東京医科歯科大学病院・泌尿器科の増田均講師。

 つまり、前立腺の病気の疑いを調べるPSA検査(血液検査)や超音波エコーなどで肥大が分かっても、本人が日常生活で困っていなければ治療を急ぐ必要はない。

 【糖尿病は感じない】

 だが、「検査だけは40歳を過ぎたら受けてもらいたい」と釘をさす。というのも、肥大症は前立腺の内部の組織(内腺)が増殖するので症状が出やすい。が、もし排尿障害が外側の組織(外腺)が増殖する“がん”による症状だったら、すでに危険な状態だからだ。

 「前立腺の大きさのわりにPSA値が高ければ、問題。年齢、PSA、大きさを調べれば、がんの確率が出てきます」

 また、糖尿病を発症していると神経をやられる。

 普通なら残尿感などで尿道の閉塞に気づくが、糖尿病があると気づきにくい。ただでさえ糖尿病は腎臓の血管に障害(糖尿病腎症)をもたらすが、尿閉で膀胱に尿がたまった状態が続くと一層、腎機能を低下させる。

 とくに糖尿病の人は前立腺の肥大には要注意だ。

 【7-8割は改善】

 前立腺肥大症の治療は、軽症であれば、前立腺の緊張をとる「α1受容体遮断薬」や膀胱の緊張をとる「抗コリン薬」、炎症を抑える生薬などの薬物療法で7-8割は排尿症状が改善する。が、決して前立腺が小さくなるわけではない。

 「肥大が大きいほど進行は早く、いずれ尿が出なくなることもある。症状が強くなったら内視鏡を使って電気メスで前立腺を削るなどする『内視鏡手術』を検討することになる」

 排尿に元気がなくなったら疑いあり、とりあえず検査だけは受けよう。

 ★「前立腺肥大症」チェックリスト

 (1)2時間以内にもう1度トイレに行きたくなる

 (2)会議中でもトイレを我慢できない

 (3)就寝中、2回以上トイレで起きる

 (4)排尿中に尿が途切れる

 (5)尿が出るまで時間がかかり、出てからも長い

 (6)尿の勢いが弱く、尿線が細い

 (7)排尿するときはいつも息んでする

 (8)排尿後、残尿感がある

 (9)排尿後、下着に尿が漏れる

 1つでも症状が強いようなら可能性がある。2つ以上該当するようなら疑いが強い

 *東京医科歯科大学病院・泌尿器科/増田均医師作成

【1分で判明!病気チェック】早期受診で原因を特定「五十肩」

「四十肩」とも呼ばれるように、早ければアラフォー辺りから出現する肩痛の病気。放置しても自然治癒するが、勝手な思い込みは禁物。肩痛は心疾患など別の病気によっても引き起こされるケースがある。

早期の受診で原因をハッキリさせることが重要だ。

【簡易テストで分かる】

 正式な医学名は「肩関節周囲炎」もしくは「凍結肩」。発症から3段階の病期を経て治癒に至る。チェックリストの項目は、発症当初の最も肩の痛みが強い「急性期」にみられる主な症状だ。

 「診察時にも行われていて五十肩を調べるのに最もいいのはエルボープッシュテスト(図)。ほぼ一発で分かります」と話すのは、山田記念病院(東京・両国)整形外科の長谷川伸医師。

 痛みは、肩関節の中の腱板や関節包、じん帯に炎症が起こるためだ。が、どうして炎症が起こるのか原因が分かっていない。

 加齢とともに体が固くなると起こりやすいので、運動不足は要注意だ。

【左肩激痛は心疾患も】

 決して怖い病気ではないが、早期受診が大切。他の肩痛が出る病気を見落とさないためだ。

 「中には狭心症や心筋梗塞を発症して『左肩が痛い』といって整形外科を受診する人がいる。急に左肩が痛み出し、脂汗が出るほどの痛みだったら要注意です」

 耐えられない激痛は石灰沈着性腱板炎でも起こる。また腱板断裂の場合、痛みは五十肩と似て耐えられるが、治療をしないと放置したままでは回復しない。「五十肩のうち40%は腱板断裂を伴っている」という。

【早期治療で回復早く】

 急性期を過ぎると痛みが軽くなり、今度は肩が動かしにくい症状が強くなる「慢性期」に突入。その後は痛みが消え、肩の動きが回復し始める「回復期」を迎える。

 3つの病期の期間は人によって異なり、治癒するまで早くて3カ月、遅いと3年もかかる。

 治療内容も病期によって異なってくる。安静時の痛みが強い急性期の中期までは安静にして、痛み止めの内服や注射治療を行う。痛みが軽くなり始める急性期の後期になったら一転、運動療法を積極的に行って可動域を広げていくのだ。

 「治療を続ければ、それだけ回復も早くなる。痛みが軽くても腱板断裂の可能性もあるので検査だけは早めに受けましょう」と長谷川医師。

 50歳以上の5人に1人は経験する身近な病気。40歳を過ぎたら誰に起きてもおかしくない。

★「五十肩」チェックリスト

□肩を中心に首や腕にも痛みがある

□肩を動かすと痛みが増す

□痛みで肩の動きが制限される

□夜中に肩の痛みで目が覚める

□痛い方の肩を下にして寝られない

□椅子に座った状態で、両方の手首を重ね合わせて握り、目の高さまで持っていく。向かいに座った協力者に片方のひじに手を添えてもらい、その手を押してみる。肩の痛い方のひじは力が入らない

※2つ以上該当したら可能性が高い

※山田記念病院・整形外科(東京・両国)/長谷川伸医師作成

【1分で判明!病気チェック】通勤で片道2時間なら要注意…急変する「過労死」

社会医学用語で特定の病名ではないが、働き過ぎが原因で突然、病気を発症して死亡または一生障害が残る状態をいう。

 働き盛りのサラリーマンなら、誰にでもその危険性が潜む。事前のチェックが重要だ。

 近年、うつ病の発症による過労自死(自殺)が急増している。が、これまで過労死全体の3分の2を占め、依然増加傾向にあるのが発症から24時間以内に死に至る“突然死”。くも膜下出血や脳出血、急性心筋梗塞などの循環器系の疾患だ。

 過労死のポイントは、長時間労働や仕事の過重負担、ストレスなど、複合した職場要因が蓄積されて病気の発症に大きく関わっているところ。

加えて、チェックリストのような日常生活が習慣化していると、さらにリスクは跳ね上がる。たとえ「健診では異常なし」「昨日までは元気そうだった」という人でも、ある日突然、急変することは珍しくない。

 【息が抜けたとき注意】

 ストレスと心臓突然死の関係では、「急性ストレスよりも、ジワジワと慢性的な消耗性ストレスの方が発症に大きく関与する。

実際はストレスを感じているときより、その後ホッと息が抜けたときが危ない」と話すのは、国立公衆衛生院名誉教授で「過労死・自死相談センター」(東京・三田)の上畑鉄之丞医師。

 多忙な生活に追われているとストレスの蓄積も自覚しにくい。同医師が警告する危険な労働パターンの目安は、次の3つ。

 ≪(1)週60時間以上の就労(2)月50時間以上の残業(3)月間の所定休日の半分以上の出勤≫。どれかひとつでも数カ月以上にわたり続いていれば要注意だ。

 【悩み抱え込みうつ病】

 統計的にみて過労死が多い年齢層は35-54歳の男性で、とくにリスクが高いのは上司と部下の板ばさみで悩みが尽きない主任や係長などの中間管理職。

性格的には「まじめできちょうめん」「責任感が強く完璧主義」といったタイプだと、悪くいえば仕事に対して要領よく手が抜けない。仕事の悩みをひとりで抱え込みがちになるので、うつ病のリスクもはらむ。

 「家族や同僚の聞き取りによる過労死の前兆で多かったのは、『普段経験したことのない疲労感』。次いで『不眠が続いていた』や『体調不良』、『風邪が長引くこと』という訴えだった」と上畑医師。

 労働時間、日常生活、身体の変調など、思い当たる人はきちんと休養を取るようにしよう。

 「日常生活の危険信号」チェックリスト
 (1)喫煙習慣がある
 (2)ほぼ毎日ビール3本以上飲んでいる
   (日本酒なら3合、焼酎水割りで4杯)
 (3)接待や付き合いの酒が週3回以上ある
 (4)朝食抜きで出勤することがほとんど
 (5)食事内容が肉類中心に偏っている
 (6)毎日帰宅はほぼ23時過ぎになる
 (7)1日の睡眠時間は5時間以下
 (8)通勤が片道2時間以上かかる
 (9)運動習慣がまったくない
 (10)健康なので医者にかかったことはないし、
   会社の健診もしばらく受けていない
 
3つ以上該当するようなら過労死のリスクが高くなる
 *過労死・自死相談センター代表/上畑鉄之丞医師作成

【1分で判明!病気チェック】 環境の変化で…放置すると“うつ病”に「適応障害」

「いまの職場の状況を考えると“頭が痛い”」と嘆いているようなら要注意。

皇太子妃雅子さまの診断発表で広く知られるようになった病気だ。が、職場環境が変わりやすいサラリーマンなら誰が罹ってもおかしくない。我慢のし過ぎは禁物だ。

 【職場環境の変化から1カ月以内に発症】

 症状は“軽症うつ病”に似ていて区別がつきにくい。が、決定的な違いは発症の原因となっているストレス(出来事や生活の変化など)が自分でハッキリと分かっていることだ。

 それが職場であれば、内勤と外勤の異動などの「環境の変化」。昇格して部下ができる、降格して後輩と肩を並べるなどの「立場の変化」。異動や転勤して特定の人と反りが合わない、転職で希望の職種に付けなかった場合などのケースがある。

 「とくに公務員はまったく業務内容が違う課に異動することがあるので多い。また40代以上ではパソコン操作が強いストレスになる場合もある」と話すのは、日本精神神経科学会理事を務める「池上クリニック」(川崎市)の池上秀明院長。

 その環境や業務内容にうまく適応できない、なじめないことで1カ月以内に症状が現れる。

 【「異常なし」でも安心できない】

 チェックリストは典型的な症状だが、「抑うつ気分」など“心の症状”だけが出ることもあれば、「頭痛」や「下痢」など“身体の症状”だけが強く出るケースもある。

 とくに身体症状だけだと、精神科・心療内科以外の診療科を受診しても「異常なし」を告げられる。不定愁訴から自律神経失調症や更年期障害などと診断され、見逃されているケースも少なくないので要注意だ。

 「放置したままでは本格的な“うつ病”に移行する。診断基準では症状が6カ月を超える場合や原因を取り除いて6カ月以内に治らない場合には本格的なうつ病と考えられます」

 性格的には、真面目で我慢強い人ほど罹りやすいといわれる。

 【原因の除去は難しい】

 治療で処方される抗うつ薬や抗不安薬を服用していれば症状は軽減する。が、あくまで対症療法なので、根本の原因である“環境”を変えなければ完治することは難しく、症状の再発、うつ病への移行は止められない。

 だが、原因が職場にあるような場合には、いくら診断書を提出して担当医が説明しても、1人の社員の病状に合わせて会社側が人事を見直したり、早急に対応して動くことは現実的には難しい。また、それで確実に治るとも言い切れない。

 「結局、うまく休養を取り、精神的疲労を癒やしながら様子を見ていくしかない。が、会社にはこの病気を十分理解してもらうことが非常に大切になる」と池上院長。

 組織で働く限り、誰にでもリスクはつきまとう。たまには、心の健康管理にも目を向けよう。

 ★「適応障害」チェックリスト

 □憂うつである(抑うつ気分)

 □やる気が起きない

 □現状の生活に嫌気がさした

 □職場が合わないと思っている

 □職業選択を間違えたと感じる

 □思うように仕事が進まない

 □頭がぼんやりする

 □頭痛がする

 □吐き気がする

 □体がだるい(倦怠感)

 □下痢が続いている

 何かハッキリとした気にかかるストレスがあって、1カ月以内に該当する複数の症状が現れたら疑いがある

 *池上クリニック(川崎市)/池上秀明院長作成

【1分で判明!病気チェック】5人に1人…単身赴任、異動で発症「男性更年期障害」

更年期障害は40-50代になり、性ホルモンの分泌量が急激に減ることで心身に不調が現れる病気。女性は閉経があるので目に見えて分かるが、男性の場合は分かりにくい。体に衰えを感じたらチェックが必要だ。

 男性ホルモンの低下は、血液検査の『遊離型テストステロン』値(8.5pg/ml未満は該当)で低下の度合を測り、国際的に使われている『加齢男性症候スコア』(17項目の問診)の点数によって重症度を判定する。

 「ある会社で健診をした45-65歳の男性を対象に行われた調査では約20%が中等度以上に該当したという報告がある。5人に1人は見つかる計算です」と話すのは、男性更年期外来を設ける東大宮総合病院・泌尿器科の飯泉達夫部長。

 女性は閉経を迎え短期間に急激に低下し、ほぼ消失する。が、男性の場合は20代をピークに1%ぐらいずつ徐々に減っていき完全になくなるわけではない。

ただ、男性でも40-50代の働き盛りで一気に低下する人がいる。その大きな原因となるのが社会的ストレス。単身赴任、異動、倒産などの環境の変化がキッカケとなる。

 女性の更年期障害では身体的な不定愁訴(自律神経失調症状)が出やすいのに比べ、男性ではストレスの影響が大きいため精神症状の方が強く出やすいのが特徴だ。

 「とりわけ抑うつ症状が強く、うつ病との鑑別が難しい。実際、来院患者の半数はすでに精神科や心療内科を受診している人で、35%はうつ病の診断がされている。中高年男性の不定愁訴は更年期障害とうつ病の両方を疑う必要がある」

 同院に来院する患者の具体的な訴えをまとめてみると、「やる気がない、疲れやすい」「睡眠障害」「性欲低下、勃起障害(ED)」がそれぞれ80-90%の人にみられ、半数の人が「集中力の低下」を訴えている。

 治療では、まず抗うつ薬を処方する場合がある。男性ホルモンの低下に対しては、2-4週毎(症状が落ち着けば数カ月毎)に筋肉注射でホルモンを補充する『ホルモン補充療法』を行う。

その効果のほどについて、飯泉部長は「50-60%の人に有効」と話す。

 ただ、50代から増える前立腺肥大の進んだ人には悪化させる可能性があるためホルモン補充は使えない。その場合には、抗うつ作用のある胃薬や漢方薬などが処方されている。

 ★「男性更年期障害」チェックリスト
 (1)性欲が低下してきた
 (2)元気(活力)がなくなってきた
 (3)体力あるいは持久力が低下してきた
 (4)身長が低くなった
 (5)日々の愉しみが少なくなった
 (6)物悲しい気分になったり、怒りっぽい
 (7)勃起力が弱くなった
 (8)運動能力の低下を感じる
 (9)夕食後、うたた寝をすることがある
 (10)仕事能力の低下を感じる

*3つ以上該当すれば更年期障害の疑いがあり。(1)または(7)だけでも男性ホルモン低下の可能性あり。(セントルイス大学/Dr.MorleyJ.E.作成)

【1分で判明!病気チェック】かかる確率1/100、精神疾患の本丸「統合失調症」

生涯にかかる確率は、男女差なく約100人に1人。いまだ原因は解明されてなく、精神疾患の本丸といえる病気だ。本来、20歳前後の青年期の発症が典型的だが、近年は30歳以降の初発が増えてきて珍しくなくなっている。

 特有の症状として、幻覚・幻聴や被害妄想などの「陽性症状」が目立つ。が、実際、中核となるのは口数が減り元気がなくなり引きこもりがちになる「陰性症状」だ。

 表は自己チェックの目安だが、この病気の自覚は難しい。当人が項目内容を訴えたり、周囲からみて「ブツブツ独り言をいう」「周囲に怯えている」「作業の低下」「不登校・欠勤」などのサインに気づいたら、とにかく受診させることが重要。

 「幻聴や被害妄想に支配されると、死にたくなくても『死ね』と聴こえれば自殺行為をせざるを得ない。また、自分を守るため『加害者である』と思い込んだ相手に危害を加えてしまうことがある」とクリニック西川・西川嘉伸院長(精神科専門医)は警告する。

 発症から数年内であれば治療効果は高く、それだけ社会復帰も早い。治療のポイントは抗精神病薬をしっかり飲み続けること。症状は数カ月で消えてよくなるが、服用を途中でやめると再発率が高い。

 治療はじっくり気長に、家族や職場の理解とあたたかく見守るサポートが大切だ。

 ★「統合失調症」チェックリスト

 (1)姿がないのに自分に話しかけてくる声が聴こえる

 (2)誰かに監視、盗聴、盗撮、尾行されている

 (3)考えていることが声になって聴こえたり、他人に漏れ伝わってしまう

 (4)自分の言動が他の力に操作されている

 (5)考えがまとまらない

 (6)すごく不安で憂うつだ

 (7)やらなければ、と思うが行動できない

 (8)周りの人が自分を陥れようとする

 (9)眠れない、寝てもすぐに目が覚める

 (10)食欲がない

 3つ以上該当なら精神科専門医への受診が必要=「クリニック西川」(東京・大塚)の西川嘉伸院長作成

【1分で判明!病気チェック】排尿に元気あります? 放置すると…「前立腺肥大症」

50歳を過ぎたころから排尿に異常が出始める男の病気。「年のせい」と見過ごしてしまいがちだが、放置すると腎機能障害を招くことも。“がん”の合併もありうるので、早めに前立腺の状態を調べておくことが重要だ。

 【30代後半から肥大】

 尿道を取り囲むように膀胱の下に付いている前立腺は、睾丸から送られてきた精液を薄めて射精しやすくさせるのが主な働き。加齢に伴い30代後半ごろから徐々に肥大を始める。その進行速度は個人差が大きく、ホルモンのアンバランスや炎症など関与しているといわれるが、肥大の明確な原因は不明だ。

 大きくなった前立腺が自律神経の作用で収縮したり、尿道を圧迫して、チェックリストのような排尿障害が起こるのが、この病気の特徴だ。

 「症状は刺激症状((1)-(3))、閉塞症状((4)-(7))、排尿後症状((8)(9))の順に現れてくる。ただ、肥大の大きさと症状の出現時期や程度は必ずしも比例しない」と話すのは、東京医科歯科大学病院・泌尿器科の増田均講師。

 つまり、前立腺の病気の疑いを調べるPSA検査(血液検査)や超音波エコーなどで肥大が分かっても、本人が日常生活で困っていなければ治療を急ぐ必要はない。

 【糖尿病は感じない】

 だが、「検査だけは40歳を過ぎたら受けてもらいたい」と釘をさす。というのも、肥大症は前立腺の内部の組織(内腺)が増殖するので症状が出やすい。が、もし排尿障害が外側の組織(外腺)が増殖する“がん”による症状だったら、すでに危険な状態だからだ。

 「前立腺の大きさのわりにPSA値が高ければ、問題。年齢、PSA、大きさを調べれば、がんの確率が出てきます」

 また、糖尿病を発症していると神経をやられる。

 普通なら残尿感などで尿道の閉塞に気づくが、糖尿病があると気づきにくい。ただでさえ糖尿病は腎臓の血管に障害(糖尿病腎症)をもたらすが、尿閉で膀胱に尿がたまった状態が続くと一層、腎機能を低下させる。

 とくに糖尿病の人は前立腺の肥大には要注意だ。

 【7-8割は改善】

 前立腺肥大症の治療は、軽症であれば、前立腺の緊張をとる「α1受容体遮断薬」や膀胱の緊張をとる「抗コリン薬」、炎症を抑える生薬などの薬物療法で7-8割は排尿症状が改善する。が、決して前立腺が小さくなるわけではない。

 「肥大が大きいほど進行は早く、いずれ尿が出なくなることもある。症状が強くなったら内視鏡を使って電気メスで前立腺を削るなどする『内視鏡手術』を検討することになる」

 排尿に元気がなくなったら疑いあり、とりあえず検査だけは受けよう。

 ★「前立腺肥大症」チェックリスト

 (1)2時間以内にもう1度トイレに行きたくなる

 (2)会議中でもトイレを我慢できない

 (3)就寝中、2回以上トイレで起きる

 (4)排尿中に尿が途切れる

 (5)尿が出るまで時間がかかり、出てからも長い

 (6)尿の勢いが弱く、尿線が細い

 (7)排尿するときはいつも息んでする

 (8)排尿後、残尿感がある

 (9)排尿後、下着に尿が漏れる

 1つでも症状が強いようなら可能性がある。2つ以上該当するようなら疑いが強い

 *東京医科歯科大学病院・泌尿器科/増田均医師作成

100人規模の会社なら5人が患者 「大人のADHD」の症状とは

「大人のADHD」が少しずつ知られてきているが、それでもまだまだ浸透していない。国内でも珍しい専門外来を担当する昭和大付属烏山病院・岩波明院長に聞いた。

 ADHD(注意欠陥多動性障害)は発達障害の一種で、「注意の障害(不注意)」と「多動傾向」を主な症状とする。

 その具体的な症状として、不注意では「集中できない」「ケアレスミスが多い」「物の紛失、忘れ物が多い」「片付けが苦手」「約束を守れない」。多動傾向では「落ち着きがない」「一方的に話す」「激高したり、イライラしやすい」「衝動買いをよくする。金銭の計算が苦手」などがある。

 長く「子供の病気」と認識されてきたADHDだが、最近は「大人の病気」でもあり、むしろ子供の場合よりも深刻であることが分かってきた。

「ADHDは突然、発症するのではなく、子供の頃から症状が見られます。ただ、周囲のサポートなどでなんとか不適応を起こさずやってこられる人もいる。しかし、成人以降に社会との不適応が際立つようになるのです」

 患者数は成人の3~5%で、うつ病と同等かそれ以上。100人規模の会社なら3~5人はいる計算なので、想像以上に身近な病気だ。

 大人と子供では、特徴的な症状が多少違う。

「多動傾向は成長の過程でコントロールできるようになるため、大人では目立ちにくい。一方、不注意は継続します」

 Aさん(26)は、有名国立大卒業後、大手メーカーに就職した。配属された総務課で、重要な書類を置き忘れたり、約束をすっぽかすなど普通では考えられないミスを頻発。悩んだ末、書籍で知ったADHDを疑い、岩波院長の外来を受診した。

■発見のカギは小中学生の成績表

 デザイナーのBさん(28)は、会社員時代は「変人」と称されるも、独創的な発想でそれなりに受け入れられていた。ところが独立後、取引先との交渉や金銭のやりとりでトラブルを連発し、「デザインはいいが、仕事は一緒にしたくない」と言われるようになった。Aさんと同じく自ら調べ、岩波院長の治療を受けるようになった。

「ADHDによる不注意で、能力はあるのに低い評価を受ける。対人交渉が苦手になり、うつ病を発症する人もいます。また、多動傾向はなくなるわけではないので、それに関連した衝動性からアルコール依存症や薬物依存に走る人もいます」

 社会生活に影響を及ぼすほど不注意が目立つなら、大人のADHDかもしれない。特に、同時進行で物事の処理ができない。たとえば、「会議の書類を作っている時に、上司に別の仕事の話を振られると、書類作成の途中だったことを忘れる」「複数の仕事を並行してこなせない」「仕事中に同僚に話しかけられると、何をしていいか分からずパニック状態に陥る」などがあれば、可能性は高い。

 もうひとつ、チェックすべきポイントがある。子供の頃の行動だ。前述のように子供の頃から症状があるので、不注意、多動傾向に該当する「何か」が必ずある。

「私は、患者さんに小中学時代の成績表を見せてもらうことがよくあります。『落ち着きがない』『忘れ物が多い』といった担任のコメントが、ADHDを発見するカギになります」

 主な治療は服薬と認知行動療法。これらで「生きることが本当に楽になった」と話す人は実に多い。

発達障害の疑いがある夫とセックスレス…40代女性のその後

読売新聞ヨミドクター編集長の岩永直子です。これまでこの「性とパートナーシップ」の連載で取材をさせていただいた方は、その後もやり取りを続けていることが多いのですが、今回は昨年6月から7月にかけて、3回(「 40代女性(上)セックスレスの原因…出産、夫の単身赴任、いじめ、孤独感、家族の障害 」 、「 40代女性(中)夫以外の男性との出会い 揺れる思いに高まる欲求、そして… 」 、「 40代女性(下)身も心もしっかりつながりたい…淡泊な夫とついに別居 」 )に分けて紹介した女性のその後です。

 アスペルガー傾向のある夫と別居し、新たな一歩を踏み出したこの女性とはその後もちょこちょこ会ってお話を伺い、つい最近、「この春、産業カウンセラーの試験に合格しました!」と連絡がありました。そこでお祝いも兼ねて近況を伺い、前向きに自分の道を歩んでいる姿を、皆様にもご紹介することにしました。

 この方、メールの言葉の選び方もとても鋭く、いつも「この人は自分をわかってもらいたいと願っている。表現したいと思っている」と感じていたので、今回、「今のご自身の心境を文章でまとめられたらどうですか?」と持ちかけてみました。すると、しばらくしてから、書いたものを送ってくださいました。とても思いが伝わる文章ですので、次回は、この女性の寄稿文を掲載します。どうぞ併せてご覧ください。

◆カウンセリングの勉強とトラウマ治療

 これまでの詳しい経緯は過去の記事を読んで頂くとして、別居後、女性がカウンセリングの資格取得を目指したのは、夫婦関係に影を落としている自分の過去にしっかり向き合ってみたかったこと、そして、「自分に自信を付けたかったこと」が動機でした。

 「私は今、経済的に自立できていないし、支配的な両親の影響もあって、ずっと自分の判断に常に自信がなかった。自分がやりたいことをやりたいと言ったら、きっと周りが『なんでそんなことするの?』と否定するのだろうと思ってしまい、周りの意見を聞いてからでないと動くことができなかったのです。つまらない例を出せば、洋服だって自分で選んだものに自信がなかった。カウンセリングの勉強をして、自分自身の問題を分析したいという思いもありましたが、この資格を取ることができたら、確実に一つ自分の努力でつかんだことになる。そういう具体的な何かが欲しかったんです」

 産業カウンセラーの資格講座は1年近く続き、受講生同士のカウンセリング実習も多い授業でした。若い人たちの中で、結婚して子供を産んでいる専業主婦は女性だけ。家族関係や外での人間関係について、互いにカウンセリングを実践しているうちに、女性は徐々に、自分の問題に気付いていったと言います。

 「私が好きになる人は弱い人ばかりで、私は、夫にも『あなたは弱い』と指摘して傷つけていました。夫を弱者として世話をすることで、自分の力を感じ、自分の居場所を得ていたのだと思います。それは私が本当には自信がなかったから。本当に力を持っている人は弱い人に接する時、そんなパワーの使い方をしない。その人の力を引き出すことをしてあげるはずです」

 女性はカウンセリングの勉強と並行して、心療内科に通いました。自身の考え方の癖に気づき、適切な考え方に修正していく「認知行動療法」などのトラウマ治療も行いました。過去における両親や夫との関係について分析していくうちに、自分の存在を誰かに認められ、評価されることで安心するという癖が全ての関係に影響していることに気付きました。

 「本当は親にしてもらいたかったことを、恋愛相手に求めてしまう。相手はそれが負担になって、逃げ回るようになり、うまくいかなくなるということの繰り返しでした」

◆家族の絆 距離をおくことでうまくいくことも

 小学校低学年の娘は自分と一緒に生活し、徒歩数分の距離に、この春高校に進学した長男と夫が暮らすようになってから約1年。

 ある日、夫がインフルエンザで寝込んでいると息子に聞き、「ご飯持っていってあげようか」と声をかけたことがありました。しかし、夫は「コンビニでもスーパーでも買えるからいりません」と断ってきました。最初は、「息子も栄養をつけなくてはいけないのに、なんでこの人、こういう態度をとるの?!」と腹を立てていましたが、女性ははっと気付きました。

 (私はこうやって私のペースを押しつけて、自分の影響力を確認しているくせに、「私だけが何もかもやらされている」と不満を持っていたんだ。一方的な関係ではなく、相手は相手のペースがあるのを認めていたら、お互いにいやな気持ちにならずに済んだのかもしれない)

 それから、女性は吹っ切れました。夫と息子が暮らす元の自宅は、2人とも掃除をろくにしないので散らかり放題です。息子はアトピー持ちなので、不衛生な環境で悪化しないか気になりますが、それは夫と息子が何とかすればいい。私が先回りして世話をしても、同じことの繰り返しだ。もう手は出さない――。

 「もし、もっと早く、距離を持って、互いにやりたいようにやるようにしていたら、お互い傷つけ合わずに済んだのかもしれません。本人も、私がそういうふうに接していたら、夫も自分でうまく生活する方法を見つけて、安心して振る舞えたのかもしれません。まあ、今それに気付いても、もう私はすっかり2人の関係に疲れちゃったので、やり直すつもりはありませんが」

 夫とは最近は会話することも少なくなりましたが、子どもたちのことでメールを交わすことはしています。

 娘は2人きりで過ごしている時、たまに「ギューッとして」と甘えてきます。両親の不和や発達障害を持つ兄への気遣いで、大人びた振る舞いの多かった娘が、ようやく自分の欲求を母親にぶつけられるようになったのだとホッとすることもあります。

 娘は週末に父親と兄のいる元の自宅に戻り、女性に対して、「仲良くしてくれればいいのに」と不満を漏らすことがあります。しかし、女性のフォローがない場所で父や兄と向き合うと、おかしいと感じることもあるようで、学校の作文では、「お父さんがお兄ちゃんのことを怒りすぎです。私はお兄ちゃんを守れる人になりたいです」と書いてきたことがありました。それを読んで、夫は両親の感想欄に「わかりました。怒らないようにしたいです」と返事をして、一見、バラバラになったように見える家族が、距離を置くことでかえって、うまく付き合えるようになった気もするのです。

◆余裕が生まれた鍼灸師の彼との関係

 そして、ほのかな 想(おも)いを抱きながら、一度は突き放された年下の 鍼灸(しんきゅう)師の彼とは、今も、友達のような関係を続けています。彼のいる整体院でたまに施術をしてもらうこともあります。くだらない雑談をしながらも、長男の体調が悪くなった時の相談に乗ってくれ、娘と一緒に行った時は、宿題をなかなかやろうとしない娘とうまく会話し、やる気を引き出してくれたりします。

 「彼のことがまだ好きだし、どこかで私は父親的な存在を求めているのかもしれませんね。子供たちにとっても、私にとっても。私が子供の頃に得られず、夫にも求めることができなかった父親の役割を、彼に期待してしまっているのかもしれません。でも、それだけじゃない。彼に触れてもらったり、会話をしたりすると、私のエネルギーの出方が違うんです。なんだか元気になるし、寒い時期には帰りに体が温かくなる」

 徐々に親密な雰囲気が戻り、最近では時折、性的な会話も交わすことがあります。しかし、彼は、詳しくは話しませんが、過去の女性関係にトラウマがあるようで、女性と深い付き合いになるのを怖がっているようです。自分との関係性とは別の理由で、距離を縮める心にブレーキがかかっていることが今はよく理解できます。

 「私が一歩踏み込もうとすると、やどかりのように自分の殻に引っ込んでしまうのです。彼を好きな気持ちは変わらないのですが、無理に近づくのではなく、今は『彼のタイミングを待ちましょう』という心の余裕ができました。別居で家族関係が落ち着き、カウンセリングで自分のことがわかってきたからかもしれません。待っている間に彼がどこかに行ってしまうかもしれないという不安はあります。でも以前のように、私がこんなに思っているのに応えてくれないといらだったり、焦って2人の関係を縮めようとする気持ちからは解放されました」

 性的な欲求もありますが、それについても心にゆとりが生まれてきました。

 「できるならしたい。でも、ないことに焦らない。2人の間にセックスがないならないで、いい関係は作れるのではないかと思えるようになりました。老夫婦のようだっていいじゃないって思えるようになったんです。カウンセラーの試験に合格したことは自分の中で大きかった。『自分もやればできるんだ。今後の可能性だって広がったじゃない』と思うと、焦りや不安に支配されない。焦らないゆとりが自分の中に生まれたのだと思います」

 夫とはいずれ離婚するつもりですが、今は経済的に自立できていないので、就職に向けて努力しながら、自分の力を蓄えようと思っています。夫も同意してくれています。

 「1人で週末に家にいる時に寂しい気持ちもあります。それでも、寂しいと思いながら、自由を感じている自分もいます。私は今、自分を育て直しているのだと思います。自分一人で立てたその先に、誰か自分にぴったり合う片割れがいれば私はもっと力を発揮できる。そんな希望を抱いています」

 (終わり、次回は女性の手記です)

【日本の名医】“過活動膀胱”の分野で高い知名度!★日本大学医学部附属板橋病院(東京都板橋区)泌尿器科学系主任教授 高橋悟さん(50

最近、目にすることの増えた「過活動膀胱(ぼうこう)」という病名。頻尿と尿意切迫感を伴う特徴的症状を示す病態で、10年前に国際学会で病名が与えられた新しい症候群だ。

 日大医学部泌尿器科主任教授の高橋悟医師は、泌尿器科領域のがん治療での高い実績と並行して、この過活動膀胱の分野で高い知名度を持っている。

 ざっくばらんで気さくな高橋医師。「泌尿器科の前に脳神経外科にいたので、当時のボスに『神経は得意だろう』って言われて排尿障害を勧められたんです。上司には逆らわない性格なんですよ」と笑って話すが、決して簡単な分野ではない。

 「基本的には投薬が中心ですが、ケースによっては電気刺激療法や骨盤底体操などを併用することで効果が増すこともあり、その見極めが重要。また、投薬にしても何通りかのアプローチがあるので、最近では患者に合わせた治療法が選べるようになりました」

 しかし問題なのが、患者が恥ずかしがって受診しないことと、泌尿器科医以外の医師に、こうした最新情報を持っている人が少ないことだ。

 「医師向けの啓蒙活動は急務ですが、患者さんが正しい知識を持つことで医療側を動かすこともできる。国内に810万人も患者がいる病気。恥ずかしがらずに、気軽に医師に相談してほしい」と呼びかける。

 患者と医師の目がこの病気に向けば、おしっこで困る人の数は激減する。高橋医師の地道な啓蒙活動が花開く時期は近い。

 ■たかはし・さとる 1961年群馬県前橋市生まれ。85年群馬大学医学部卒業。同大脳神経外科、東京大学医学部泌尿器科、米メイヨークリニック、東大泌尿器科助教授を経て2005年より現職。日本泌尿器科学会理事・指導医、日本泌尿器内視鏡学会幹事他。医学博士。趣味は山登り、渓流釣り、仏像鑑賞。

温泉は“医療保険”適用! フランスの最新「温泉療養」事情

ファッションやライフスタイルなど、世界でも随一の洗練された文化を持つフランスのお風呂事情を伺うため、元フランス大使館勤務で現在一般社団法人SPALOHAS倶楽部代表理事のジュアンドヤスコさんにお話を伺いました。

■フランスでは温泉が“医療”?

早坂:フランスでは温泉に医療保険が使えるとのことですが、どういうことなのでしょうか?

ジュアンド(一般社団法人SPALOHAS倶楽部):年間3週間まで公的保険適応で毎年温泉での療養が可能です。もちろん単なる観光とは異なります。医師の診断書と一度に同じ温泉地に3週間(日曜を除く18日間治療)滞在することが必要条件となり、温泉療法費の65%が保険で還付されます。

早坂:そのような温泉療養ができる温泉地はどれくらいフランスにあるのでしょうか?

ジュアンド:温泉地数は89で、温泉治療を行うテルメは105か所、源泉は700~800か所あります。日本より温泉地の数はずっと少ないです。

■フランスの温泉療養で、医療保険が適応されているのはこんな人たち

早坂:保険で温泉療養しているのはどんな方ですか?

ジュアンド:すべての病気が保険適応になる訳ではなく12の療養対象疾患が決まっています。CNETh(フランス温泉療法開発評議会)によると、年間55万人の利用者(2014年)がおり、60歳以上が68%を占めています。

利用される疾患は関節リウマチ77.2%、呼吸器疾患8.3%、血管疾患3.4%、消化器官3.2%となっており、リウマチでの利用が最も多くなっています。

■温泉療養に医療保険が使える意義とは?

早坂:日本では温泉療養には医療保険は使えません。そのため、医師の関心も低くなってしまいます。フランスで温泉療養に医療保険が使える社会的な意義はなんでしょうか?

ジュアンド:CNEThによると、温泉療養にかかわる全保険費用は2億5000万ユーロですがこれは全医療保険予算の0.2%未満にすぎません。一方、温泉リゾートの生産額は10億ユーロ(温泉療法に関係する産業:温泉療法テルメ、医師、宿泊施設、食事/レストラン、療養患者によるレジャー費など全体で)にのぼり、大きな経済効果になっていることが分かります。

■フランス発の温泉医学研究が盛んな訳は?

早坂:日本では関連医学会が温泉療養について医療保険の適応の要望を毎年国に出しているようですが、国民医療費増加の折、なかなかうまくいかないようです。しかし、医療費だけでなく地域への経済効果の面で考えるのも必要ですね。一方、最近フランス発の温泉療養に関する医学論文をよく目にしますが。

ジュアンド:そのとおりです。温泉利用で得られた利益の一部を民間関連団体経由で学術研究に活用する仕組みがきちんとできており、温泉療養に関する研究も盛んです。科学的エビデンスがないと保険適用にも理解が得られません。

早坂:温泉研究ができる仕組みが確立されているのは、私のような温泉医学の研究者からすればうらやましい限りです。

我が国は温泉に非常に恵まれた国であり、他の諸国と比べて圧倒的に多く、その温泉地数は全国で3159 か所、源泉数は2万7405か所(環境省2014)もあります。インタビューを通して、もっと日本でも温泉が医療に有効活用できればよいと感じました。

【1分で判明!病気チェック】「フーフー」で判明?モヤモヤ病…脳梗塞に似た症状  

「モヤモヤしたら要注意!」とはいっても、脳内の血管の話。日本で発見された病気で、別名「ウイリス動脈輪閉塞症」。過去に歌手の徳永英明が罹患して広く知れ渡るようになった脳血管障害だ。

【なぜか日本人に多発】

 発症頻度は高いとはいえないが、欧米人に比べてアジア系の人に約10倍も多く、とくに日本人が圧倒的。2003年調査の患者数でみると10年前の倍増で推定7700人。年間約400人(10万人に3人)が新たに発症しているといわれる。

 病名にも由来する一番の特徴は、「検査で脳血管撮影をすると、たばこの煙が立ち昇るようにモヤモヤとした細い血管像が映し出されるところ」と説明するのは、東京都済生会中央病院・脳神経外科の淺田英穂医長。

 モヤモヤの原因は、首の両側を走る内頚動脈が脳の内部に向って行きつく先(ウイリス動脈輪)で狭窄や閉塞を起こすため、血流が悪くなり、その周辺にある本来は細いはずの毛細血管がいくつも拡張してしまうのだ。

【脳卒中の危険性!】

 もし、この状態が見つかったなら、放置したままでは怖い。いずれ脳出血や脳梗塞を引き起こす危険性が高く、運が悪ければ死亡、助かっても後遺症が出る恐れがある。

 ただ、「モヤモヤ病の発症ピークには5歳前後と30-40歳代があって、大人の半数例が突然、脳出血を起こし病院に運ばれて、はじめて発覚するケース。比較的時間に余裕のあるもう1つの『脳虚血型』の症状(チェックリスト)だけは見逃さないでもらいたい」。

 普段、健診は受けてもMRAなどで脳血管撮影をする機会はそうめったにない。加えて厄介なのは、発症原因が不明で、どんな人に起こりやすいのか、予防手段がまったく分からないからだ。

【過呼吸で異変出現】

 脳虚血型の症状とは、血液が脳に十分に行き渡らなくなるため一時的に現れる脳梗塞に似た症状。片側の手や足が突然動かなくなったり、ロレツが回らない、片目の視野が欠けるなど。だが、血流が戻れば症状も30分以内に治まってしまう。

 典型的なのは、「アツアツのラーメンやうどんをフーフー息を吹きかけて食べているとき、風船を膨らますとき、笛やハーモニカを吹く、カラオケで歌いまくるなど、過呼吸運動すると症状が出やすい」と淺田医長。

 脳梗塞と異なるのは、片マヒの側が左右代わって起きたり、朝方に強い頭痛や吐き気が起きて昼ごろまでには良くなる症状もあること。

 いつも昼食は決まって“立ち食いそば”というなら、是非アツアツ・フーフーで「モヤモヤ」チェックだ。

【「モヤモヤ病」チェックリスト】

 (1)片方の手や足がマヒする

 (2)ロレツが回らない(話しづらい)

 (3)片目の視野が欠ける

 (4)手や足が勝手に動く

 (5)朝起きて午前中に頭痛がする

 (6)午前中だけ吐き気がある

 (7)突然、意識を失うことがある

 (8)ラーメンを食べるとき、息を幾度も吹きかけていると手や足が脱力する

 (9)片マヒが30分以内に治まり、左右代わって現れる

 (10)ケイレン発作を起こして倒れた

 「1つでも該当すれば検査を受けよう。複数あれば可能性がある」

*東京都済生会中央病院・脳神経外科 淺田英穂医長作成

【1分で判明!病気チェック】 帰りたくない…帰宅拒否症は働き盛りの「軽症うつ病」

家に帰りたくない…。正確には“本当は帰りたくても帰れない”のが特徴だ。とくに40-50代の働き盛りに現れやすい「軽症うつ病」の一種。放置したままだと本物のうつ病になる恐れも。

帰宅途中に寄り道せずにはいられない人、だったらチェックしてみよう。

 軽症うつ病は、抑うつ気分、意欲低下、不眠や食欲不振といった症状が本物のうつ病に比べて軽度のため、不調を訴えてもあまり仕事や生活面には大きな支障をきたさない。

ただ、その兆候がさまざまな形で現れることがある。帰宅拒否症もそのひとつだ。

 「最初は、必要もないのに会社に居残ることから始まる。退社してもまっすぐ帰宅せず、飲み屋やネットカフェなどで時間をつぶし、家族が寝静まったころ、こっそり帰宅。

さらに進むと、カプセルホテルや個室ビデオなどに泊まって、そのまま出社することを繰り返す」と典型的なパターンを話すのは、初台関谷クリニック(東京・渋谷)の関谷透院長。

 その発症には、仕事がうまくいっていない、出世が止まっている、同僚や後輩が上司になっているなど、さまざまな職場のストレスが大きく関係している。が、見逃せないのは家族との関係。

 「罹りやすいのは、これといった趣味をもたず、生真面目な仕事一筋タイプ。仕事や付き合いに追われ、それまで家庭を顧みなかった人が、いざ家庭に安らぎを求めても自分の居場所がない。

妻からは給料や出世のことで小言をいわれ、子供には無視される。家族と顔を合わせること自体が苦になってしまう」

 治療では家族へのカウンセリングも重要。「基本的には抗うつ薬の服用だが、家庭から離れた方がいい場合にはナイトホスピタルを利用してもらう場合もある」

 ナイトホスピタルは入院施設から会社に通う保険の利く医療システム。玄関先で一度立ち止まり、タメ息つきながら家に入るようなら要注意だ。

【「帰宅拒否症」チェックリスト】

 (1)仕事だけが生きがいだ

 (2)仕事がうまくいっていない

 (3)生真面目で要領が悪い

 (4)小心なため、もめごとが嫌い

 (5)特定なことに恐怖心を持ちやすい

 (6)趣味もなく、スポーツもしない

 (7)出世が止まり、給料があがらない

 (8)妻が出世や収入についてうるさい

 (9)妻は出勤時に見送らない

 (10)妻や家族との会話が乏しい

 (11)妻が健康管理にうるさい

 (12)子供に受験生がいる

 (13)子供に勉強を教えるように強いられる

 (14)子供にバカにされている

 (15)家では居場所がなく、気が休まらない

 (16)家庭の中で無視されている

 (17)社宅住まいである

 (18)なにかと近所と比較される

 (19)いつも小遣いに困っている

 (20)財布のヒモは妻が握っている

 「10項目以上当てはまる場合は要注意」

 *初台関谷クリニック・関谷透院長作成

1分で判明!病気チェック】ストレス抱える中高年に多い「メニエール病」

ある日、突然、天井がグルグル回るような激しいめまいに襲われる-。女優の美保純も悩まされた耳の病気。国内の患者数は推定7-10万人といわれるが、特に仕事でストレスを抱える中高年に起こりやすい。

“うつ病”の合併も増えているので早期受診と対策が肝心だ。

 【繰り返す“グルグル、ゲロゲロ”の発作】

 強い吐き気や嘔吐をもよおす“めまい”は強烈。めまいが起きている間、片側の耳に耳鳴りや難聴を伴うのが典型的な症状の現れ方だ。

 しかも、めまい発作は1回だけではない。これを引き金に過労、ストレス、睡眠不足になると何回も繰り返すようになるからたまらない。

 めまいに詳しい東京厚生年金病院耳鼻咽喉科の石井正則部長は、「発作は内耳の中を流れる内リンパ液が過剰に作られ、内耳全体が水膨れ状態になるため。しかし、その原因は分かっていません」と説明する。

 寒冷前線の通過前後、寒暖の差、高湿度、季節の変わり目など気候や気圧の微妙な変化でも発作が起こりやすくなるのも特徴だ。

 【難聴の回復は受診の早さがカギ】

 ただ、少し症状の出方が違うタイプもあるので要注意。耳症状にだけ現れる「蝸牛型メニエール病」、めまいだけが現れる「前庭型メニエール病」があり、1-3割程度が繰り返すうちに本格的なメニエール病に移行する。

 いずれにしても、メニエール病を未治療のまま放置していると発作のたびに難聴が悪化して元に戻らなくなる。

 「とにかく発作から治療を受けるまでの時間が早いほど難聴は治りやすい。遅くても2週間以内がリミットです」

 治療では、症状に合わせた薬物療法が基本になる。が、発作を予防するためにはストレス解消や睡眠の管理などセルフコントロールが重要になることはいうまでもない。

 【うつ病の合併が増加】

 生活習慣の見直しができず、ストレスの回避もできないでいると発作を繰り返すことになる。加えて、「うつ病を合併する中高年が非常に増えている」と石井部長はいう。

 そのため、最近では薬物療法とともに運動療法にも重点が置かれるようになってきている。

 具体的には1日1回、40分以上のウオーキング。加えて、可能なら自分の好きなスポーツを最低週1回以上、理想は週2-3回やってしっかりガス抜きをすることだ。

 ただ、時間に追われるサラリーマンや毎日の運動が難しい人には、自律神経系のバランスを整えるためにも“ヨガ”をすすめている。

 「メニエール病は一生の病気といわれるが、ストレスと環境にうまく対応できていれば発作が起こることはありません」

 目の回る忙しさでも、息抜きだけは忘れずに。

★「メニエール病」チェックリスト

 □突然、周囲がグルグル回転するような激しいめまいが起こるようになり、繰り返す

 □回転性のめまいは20分ぐらいから数時間続く

 □めまい発作と同時に片耳に耳鳴りや難聴(低音部)を伴う

 □強い吐き気や嘔吐を伴う

 □首や肩のこり、頭痛、頭重感を伴う □発作の前に片耳に耳閉感があった

 3つ以上該当すれば可能性が高い

※東京厚生年金病院耳鼻咽喉科(東京・新宿)/石井正則部長作成

【1分で判明!病気チェック】味覚障害 放置すれば生活習慣病悪化も

せっかく味覚を台無しにしてしまうのが、この病気の憎いところ。「味が薄く感じる」も症状のひとつ。放置したままでは塩分の取り過ぎから高血圧など生活習慣病の悪化につながる。早期発見で、“美味しい生活”取り戻そう。

【年間24万人が発症】

 この病気の症状は、食べ物の本来の味を正確に感じ取れなくなること。患者数は増加を続け、2003年調査の時点では年間24万人。現在では、さらに多くの発症者いると考えられている。

 人は甘味や苦味など5種類の味を舌に分布する“味蕾(みらい)細胞”によってキャッチ、神経を通して脳に伝えられ感じ取る。この経路に何らかの障害が起こると味の感覚がおかしくなる。

 「原因の30%を占め、最も多いのは偏食による亜鉛の摂取不足」と話すのは、味覚障害に詳しい冨田耳鼻咽喉科医院(東京・練馬)の冨田寛院長。

 味蕾細胞は新陳代謝が早く、1カ月ほどで新しく生まれ変わる。が、そのとき欠かせない重要な栄養素が亜鉛なのだ。

【糖尿病、高血圧患者は要注意】

 亜鉛は、カキ、ゴマ、レバー、うなぎのかば焼き、アーモンド(種子類)などに多く含まれているミネラル成分。本来、成人男性が1日に取るべき目安は11-12ミリグラムだが、平均値9ミリグラムが現状だ。

 さらに体内の亜鉛を減らす原因になるのは常用の薬。

 「主に高血圧、高脂血症、糖尿病、前立腺肥大などで処方される240種ぐらいの薬剤が亜鉛と結びつき吸収を阻害することが分かっている」

 加えて、多くの加工食品に日持ちをよくするために添加されている「ポリリン酸」や「フィチン酸」にも亜鉛の吸収を妨げる作用がある。

 よほど意識して摂取しない限り、気づかず亜鉛不足に陥る要因は身の周りにいっぱいだ。

【「薄味だな」は黄色信号】

 また、肝臓、腎臓、甲状腺の病気、糖尿病、うつ病など、基礎疾患の症状の1つとしても味覚障害が現れることがある。他の病気のシグナルとしても見逃せない。

 まずは味の異常がどんな原因で引き起こされているのか、味覚の検査をやってくれる専門施設(主に耳鼻咽喉科)で調べてもらうことが大切。放置すると治りが悪くなるだけでなく、塩分や糖分を取り過ぎて知らずに生活習慣病を悪化させる恐れがある。

 基礎疾患があれば、その治療が優先だが、単に亜鉛不足だけなら食事指導と亜鉛の投与で7割の人は半年ぐらいをメドに改善するという。

 「とくに男性は味に無頓着の人が多い。基本的に外食の味付けは濃いので薄く感じたら要注意です」と冨田院長。

 毎日食べている安いランチ、本当はもっと美味しいのかもしれない。

★「味覚障害」チェックリスト

□何を食べても薄味に感じる

□食事をすると砂を噛むような感じがるす

□何を食べても美味しくない、嫌な味がする

□本来の味とは違う味に感じる食べ物がある

□ある特定の味が分からない

□普段から口の中に苦味や渋味を感じる

□日常的に口の中が渇く

□舌がヒリヒリ痛む

 1つでも該当すれば疑いがある

※冨田耳鼻咽喉科医院(東京・練馬)/冨田寛院長作成

【日本の病院の実力】「肝がん」早期発見&治療で医学界をリード 近畿大学医学部附属病院

ウイルス性肝炎の影響で増え続けている肝がん。その治療では、特殊な針を刺してがんを焼灼するラジオ波焼灼療法や、がんにつながる血管を塞ぐ肝動脈塞栓術などが広く普及しているが、かつては外科的手術しか根治できなかった。

また、血管が張り巡らされた巨大な臓器ゆえに、早期の肝がんを見つけるのも困難。それを打破したのが、近畿大学医学部附属病院消化器内科だ。肝がんの早期発見と治療において、世界に先駆けた方法を開発し、リーダーとして君臨している。

 「最先端医療を行えば行うほど、問題点がはっきりと見えて、ふとアイデアが浮かぶのです」

 こう話す同科の工藤正俊教授は、これまで数々の診断法や治療法を生み出し、標準技術として世に広めている。たとえば、肝硬変が進んだ状態の肝がんを手術で切除する場合には、正常な肝機能をできるだけ残す必要がある。

どこまで切除できるのか。その肝機能の予備力を診断できる方法を見いだし、1989年にノーベル医学賞につながる米国核医学会バーソン・ヤロー賞を受賞した。

 また、99年には日本初のラジオ波焼灼療法を成功させ、これまで3000例以上に行っている。肝動脈塞栓術は4000例以上。肝がんの早期発見法として、2007年には新たな造影超音波検査法も開発した。

 「5ミリ程度の肝がんは、超音波だけでは見つかりにくい。07年に承認された造影剤を2回用いると、再発したがんだけでなく、小さながんも100%見つかる」(工藤教授)

 微小の肝がんを見つける方法はそれまでなかっただけに、学会で発表したところ大反響を呼んだという。今では、その造影剤を使える医療機器があれば、どこの病院でも行える検査法となっている。

新たに見いだした検査法や治療法を瞬く間に広めてしまう“工藤マジック”。昨年には、北米肝臓学会で日本人としては20年ぶりに講演を行うなど、国内外での活動で休む暇もないほど。しかし、工藤教授は、「診断も治療も現状に満足していない」ときっぱりいう。

 「今取り組んでいるのは、肝がんに対する分子標的薬です。がん細胞内のシグナル伝達を遮断する化学療法で、余命数カ月の肝がん患者さんを助けることができる。効く人と効かない人を見極めているところです」

 治療や診断で壁にぶつかっても、元気になった患者の笑顔を支えに、乗り越え続ける。肝がんで亡くなる人がゼロになるまで、工藤マジックに終わりはない。

<データ>2008年実績

★ラジオ波焼灼療法405件

★肝動脈塞栓療法332件

★動注化学療法102件

★造影超音波検査620件

★インターフェロン治療(新規導入件数)251例

★病床数985床

〔住所〕〒589-8511大阪府大阪狭山市大野東377の2
(電)072・366・0221

【1分で判明!病気チェック】絢香だけじゃない! あの大物政治家も…バセドー病

人気歌手・絢香(21)が俳優・水嶋ヒロ(25)との結婚会見で罹患を告白。故・田中角栄元首相も持病だったことで知られ、男性でも少なくない甲状腺の病気。放置したままだと心房細動(不整脈の一種)を起こして心不全や脳梗塞などを招く恐れもあるので要注意だ。

【常にジョギング状態】

 「バセドー病」は、喉仏の下に付いている甲状腺の機能が亢進して“甲状腺ホルモン”を過剰に分泌してしまう病気。原因は甲状腺を刺激する抗体が体内に作られるためだが、なぜ作られるのかは分かっていない。

 「特に発症のキッカケになる誘因はなく、誰に起きてもおかしくない。ただ、遺伝的な素因も関係するので、橋本病など含めて甲状腺疾患の人が血縁者にいたら注意した方がいい」と話すのは、バセドー病に詳しい「虎の門小澤クリニック」(東京・西新橋)の小澤安則院長。

 甲状腺ホルモンは脳、心臓、消化器官、筋肉など全身に作用し新陳代謝を活発にする働きがある。過剰になると、動かなくても常にジョギングしているようなエネルギー消費が激しい状態になるのだ。

【2-3割に眼球“異変”】


田中角栄氏(クリックで拡大) 特徴的なのは、汗をかく、動悸、イライラなどのホルモン過剰で起こる症状の他に、甲状腺が腫れて大きくなる(甲状腺腫)こと。また、すべてではないが2-3割に眼球の突出が目立ってくる。

 「眼球の後ろの脂肪組織や筋肉が炎症やむくみで体積が増えるため、眼球が押し出されてくる。物が二重に見えたり、結膜の充血などの症状(バセドー眼症)が現れる」

 加えて1-2%だが、男性だけに起こる症状もある。休んだ後に手足が動かなくなり、数時間内に自然と治る発作を繰り返す「周期性四肢マヒ」。目立つほどではないが、胸が女性のように膨らんでくる「女性化乳房」だ。

【放置すると心不全のリスクも】

 治療で目指すのはホルモン分泌量を正常値にコントロールし続け、薬がなくても正常域となる「寛解(かんかい)」の状態に持ち込むこと。多くは「抗甲状腺薬の内服」で行うが、副作用や甲状腺が大きい、再発が多いなどの問題があれば「手術(摘出)」や「アイソトープ治療(放射線ヨード内服)」が検討されるのが一般的だ。

 この病気で最も怖いのは未治療での放置やコントロール不良。動悸や頻脈は心房細動に発展し、心不全に進むリスクが高まる。また、手術や感染症などの合併があると「甲状腺クリーゼ」という状態になることがある。高熱、激しい頻脈、意識混濁などを起こして致死率も高い。

 「他の疾患と間違って治療されているケースもある。鑑別・治療は甲状腺の専門医に診てもらうべき」と小澤院長。

 汗かきでじっとしていられないアグレッシブな人、要チェックだ。

【「バセドー病」チェックリスト】

 □暑がりで汗を多くかく

 □動悸がする、脈拍が早い

 □疲れやすく、体がだるい

 □便がゆるくなった

 □落ち着きがなく、イライラする

 □手が震える

 □食べているのに痩せてきた

 □眼が大きく出てきた

 □喉仏の下の辺りが腫れてきた(甲状腺腫)

 思い当たる項目が多ければ可能性がある

 *虎の門小澤クリニック/小澤安則院長作成

【1分で判明!病気チェック】環境の変化で…放置すると“うつ病”に「適応障害」

「いまの職場の状況を考えると“頭が痛い”」と嘆いているようなら要注意。皇太子妃雅子さまの診断発表で広く知られるようになった病気だ。が、職場環境が変わりやすいサラリーマンなら誰が罹ってもおかしくない。我慢のし過ぎは禁物だ。

 【職場環境の変化から1カ月以内に発症】

 症状は“軽症うつ病”に似ていて区別がつきにくい。が、決定的な違いは発症の原因となっているストレス(出来事や生活の変化など)が自分でハッキリと分かっていることだ。

 それが職場であれば、内勤と外勤の異動などの「環境の変化」。昇格して部下ができる、降格して後輩と肩を並べるなどの「立場の変化」。異動や転勤して特定の人と反りが合わない、転職で希望の職種に付けなかった場合などのケースがある。

 「とくに公務員はまったく業務内容が違う課に異動することがあるので多い。また40代以上ではパソコン操作が強いストレスになる場合もある」と話すのは、日本精神神経科学会理事を務める「池上クリニック」(川崎市)の池上秀明院長。

 その環境や業務内容にうまく適応できない、なじめないことで1カ月以内に症状が現れる。

 【「異常なし」でも安心できない】

 チェックリストは典型的な症状だが、「抑うつ気分」など“心の症状”だけが出ることもあれば、「頭痛」や「下痢」など“身体の症状”だけが強く出るケースもある。

 とくに身体症状だけだと、精神科・心療内科以外の診療科を受診しても「異常なし」を告げられる。不定愁訴から自律神経失調症や更年期障害などと診断され、見逃されているケースも少なくないので要注意だ。

 「放置したままでは本格的な“うつ病”に移行する。診断基準では症状が6カ月を超える場合や原因を取り除いて6カ月以内に治らない場合には本格的なうつ病と考えられます」

 性格的には、真面目で我慢強い人ほど罹りやすいといわれる。

 【原因の除去は難しい】

 治療で処方される抗うつ薬や抗不安薬を服用していれば症状は軽減する。が、あくまで対症療法なので、根本の原因である“環境”を変えなければ完治することは難しく、症状の再発、うつ病への移行は止められない。

 だが、原因が職場にあるような場合には、いくら診断書を提出して担当医が説明しても、1人の社員の病状に合わせて会社側が人事を見直したり、早急に対応して動くことは現実的には難しい。また、それで確実に治るとも言い切れない。

 「結局、うまく休養を取り、精神的疲労を癒やしながら様子を見ていくしかない。が、会社にはこの病気を十分理解してもらうことが非常に大切になる」と池上院長。

 組織で働く限り、誰にでもリスクはつきまとう。たまには、心の健康管理にも目を向けよう。

 ★「適応障害」チェックリスト

 □憂うつである(抑うつ気分)

 □やる気が起きない

 □現状の生活に嫌気がさした

 □職場が合わないと思っている

 □職業選択を間違えたと感じる

 □思うように仕事が進まない

 □頭がぼんやりする

 □頭痛がする

 □吐き気がする

 □体がだるい(倦怠感)

 □下痢が続いている

 何かハッキリとした気にかかるストレスがあって、1カ月以内に該当する複数の症状が現れたら疑いがある

 *池上クリニック(川崎市)/池上秀明院長作成

【1分で判明!病気チェック】環境の変化で…放置すると“うつ病”に「適応障害」

「いまの職場の状況を考えると“頭が痛い”」と嘆いているようなら要注意。皇太子妃雅子さまの診断発表で広く知られるようになった病気だ。が、職場環境が変わりやすいサラリーマンなら誰が罹ってもおかしくない。我慢のし過ぎは禁物だ。

 【職場環境の変化から1カ月以内に発症】

 症状は“軽症うつ病”に似ていて区別がつきにくい。が、決定的な違いは発症の原因となっているストレス(出来事や生活の変化など)が自分でハッキリと分かっていることだ。

 それが職場であれば、内勤と外勤の異動などの「環境の変化」。昇格して部下ができる、降格して後輩と肩を並べるなどの「立場の変化」。異動や転勤して特定の人と反りが合わない、転職で希望の職種に付けなかった場合などのケースがある。

 「とくに公務員はまったく業務内容が違う課に異動することがあるので多い。また40代以上ではパソコン操作が強いストレスになる場合もある」と話すのは、日本精神神経科学会理事を務める「池上クリニック」(川崎市)の池上秀明院長。

 その環境や業務内容にうまく適応できない、なじめないことで1カ月以内に症状が現れる。

 【「異常なし」でも安心できない】

 チェックリストは典型的な症状だが、「抑うつ気分」など“心の症状”だけが出ることもあれば、「頭痛」や「下痢」など“身体の症状”だけが強く出るケースもある。

 とくに身体症状だけだと、精神科・心療内科以外の診療科を受診しても「異常なし」を告げられる。不定愁訴から自律神経失調症や更年期障害などと診断され、見逃されているケースも少なくないので要注意だ。

 「放置したままでは本格的な“うつ病”に移行する。診断基準では症状が6カ月を超える場合や原因を取り除いて6カ月以内に治らない場合には本格的なうつ病と考えられます」

 性格的には、真面目で我慢強い人ほど罹りやすいといわれる。

 【原因の除去は難しい】

 治療で処方される抗うつ薬や抗不安薬を服用していれば症状は軽減する。が、あくまで対症療法なので、根本の原因である“環境”を変えなければ完治することは難しく、症状の再発、うつ病への移行は止められない。

 だが、原因が職場にあるような場合には、いくら診断書を提出して担当医が説明しても、1人の社員の病状に合わせて会社側が人事を見直したり、早急に対応して動くことは現実的には難しい。また、それで確実に治るとも言い切れない。

 「結局、うまく休養を取り、精神的疲労を癒やしながら様子を見ていくしかない。が、会社にはこの病気を十分理解してもらうことが非常に大切になる」と池上院長。

 組織で働く限り、誰にでもリスクはつきまとう。たまには、心の健康管理にも目を向けよう。

 ★「適応障害」チェックリスト

 □憂うつである(抑うつ気分)

 □やる気が起きない

 □現状の生活に嫌気がさした

 □職場が合わないと思っている

 □職業選択を間違えたと感じる

 □思うように仕事が進まない

 □頭がぼんやりする

 □頭痛がする

 □吐き気がする

 □体がだるい(倦怠感)

 □下痢が続いている

 何かハッキリとした気にかかるストレスがあって、1カ月以内に該当する複数の症状が現れたら疑いがある

 *池上クリニック(川崎市)/池上秀明院長作成

【1分で判明!病気チェック】早期なら9割完治、40歳過ぎたら内視鏡「胃がん」

プロ野球の王貞治前監督、政治家の鈴木宗男氏、夫婦漫才の宮川花子など有名人の罹患も度々。日本で最も多い“がん”(新規患者が年間約10万人)だが、早期なら9割は治療で完治する。とくに40歳を過ぎたら内視鏡検査は必須。ピロリ菌退治にも目を向けよう。

 【企業健診で発見増加】

 チェックリストにある胃症状は普段の飲み過ぎ食い過ぎでもよく起こる。しかも、もし胃がんが原因で出現しているのなら、すでに“進行がん”の疑いありだ。

 「早期で見つかる多くのケースは健診。内視鏡で切除できるがんなら5年生存率95%以上、ほとんど治ります」と定期健診での内視鏡検査の重要性を話すのは、平塚胃腸病院(東京・池袋)の佐藤健副院長。

 同院の胃がん手術の70-80%は内視鏡切除。それだけ企業健診での内視鏡検査実施の要望が多くなり、着実に早期発見が増えているという。

 とくに男性の罹患率が急速に高まるのが40代から。塩分の多い食事、アルコール、タバコなどの刺激物はリスクになるので要注意だ。

 【10倍以上のリスク】

 もうひとつ、解明されつつあるのが胃の粘膜に住みつき胃・十二指腸潰瘍の原因になるピロリ菌のリスク。北海道大学が、治療後の早期胃がん患者を除菌した臨床研究で「除菌すれば胃がんの発生が3分の1になる」と発表。九州大学の調査では、ピロリ菌感染に喫煙が加わると胃がんリスクが11倍に跳ね上がることが報告された。

 「ピロリ菌が直接がんを発生させるのではないが、長く感染していると胃粘膜ががんのできやすい状態(萎縮性胃炎)に変化してしまう」

 乳児期に感染するピロリ菌の感染率は、いまの若い世代は低いが40歳以上になると7割、約5000万人が感染しているといわれる。

 【丈夫な胃でも危険】

 胃がん予防のための検査・除菌は保険適用外(全額実費)だが、検査は息を吐く呼気検査だけでわかる。陽性なら3種類の薬剤を1週間飲み続ける除菌治療を早めに受けておいた方がいい。

 ただ、除菌で将来のリスクは減らせても、胃粘膜が元に戻るわけではなく除菌前に負ったリスクは残るので要注意。

 また、自分はピロリ菌検査が陰性、しかも昔から胃は丈夫な方だと思い込んでいる人でも油断は禁物だ。

 「ピロリ菌がいない胃にがんが発生する場合には、早い段階で広がる悪性度の高いタイプ(未分化がんなど)ができやすい」と佐藤副院長。

 結局、誰でも胃袋を直接のぞく内視鏡での監視が重要。できれば年1回は受けておきたい。

★「胃がん」チェックリスト

□胃もたれやむかつきなどみぞおちに 不快感がある

□胃がチクチク痛むことがある

□食欲不振が続いている

□吐き気が続いている

□塩辛や漬物などしょっぱいものが好 きでよく食べる

□お酒を毎日のように飲んでいる

□喫煙習慣がある

□野菜や果物が嫌いであまり食べない

□親兄弟に胃がんになった人がいる

□40歳以上でピロリ菌の検査を受けて いない、または陽性で除菌治療を受 けていない

 該当項目が多いほどリスクが高い。40歳以上なら内視鏡検査を受けておこう

*平塚胃腸病院(東京・池袋)/佐藤健副院長作成

【1分で判明!病気チェック】胸やけ頻発に注意! 食道裂孔ヘルニアの原因とは…

臓器や組織の一部が脱出するヘルニア。食道と胃の間を仕切る横隔膜から胃袋が飛び出すのがこの病気だ。典型的な症状は“胸焼け”だが、がんの症状と重なるところがある。X線や内視鏡で早めの鑑別が重要だ。

【2人に1人は胃脱出】

 「食道裂孔(れっこう)」とは、食道を通すために横隔膜に開いた孔(あな)で、本来、食道の括約筋はこの位置にあって胃からの逆流を防止する弁の役目を果たしている。

 胃の飛び出し方(食道側へ)には2種類あり、大多数の85%を占めるのが「滑脱型」。食道の括約筋の部分が、そのまま上にあがってしまい胃が飛び出している状態だ。

 「最近の日本内視鏡学会の報告では、日本の成人の半数、2人に1人が滑脱型の病態をもち、うち半数に症状がある。つまり、成人の4人に1人が食道裂孔ヘルニアによる何らかの症状をもっている」と話すのは、町田市民病院(東京)の外科部長を務める羽生信義副院長。

 もう1つの型は、括約筋は横隔膜の位置にあるが胃だけが風船のように飛び出す「傍(ぼう)食道型」。「滑脱型」は40代から増え、「傍食道型」は高齢女性に多い。

【肥満が最大の原因】

 括約筋の閉まりが悪くなるので、症状は胃酸などが逆流する「胃食道逆流症」やびらんや潰瘍ができる「逆流性食道炎」そのもの。主に胸焼け、逆流感。横になって胃酸が喉の辺りにくれば、咳や苦味、声がれなどの症状が出ることもある。

 傍食道型の場合には、胸の圧迫感、胃の辺りのつかえ感、出た胃が心臓を圧迫すれば長時間の歩行困難なども起こる。

 胃が飛び出す最大の原因とされるのは肥満。過度の腹圧がかかるからだ。

 「一種の生活習慣病。20年前は日本人の逆流症や食道炎の頻度は5%以下といわれていた。この間で欧米に追いついた」

 男女比も女性が2倍多いといわれたが、いまでは若干男性の方が多い。

【がんの見落とし注意】

 といっても、症状がなければ治療の必要はない。治療のケースは症状が強く、生活に支障をきたすとき。滑脱型では、胸焼けなどには胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬の服用、逆流がひどければ手術でヘルニアを治す選択肢もある。

 ただ、傍食道型では脱出部分の血流が止まって胃が腐るとショック死や大出血を招く恐れも。

 「最も重要なのは、症状があったら早く検査で原因を確認すること。この症状は喉頭、咽頭、食道のがんでも現れる。欧米では食道がんの半数は食道炎を併発しています」と羽生副院長。

 ありふれた症状でも頻発したら要注意だ。

【「食道裂孔ヘルニア」チェックリスト】
 □胸に痛みや灼熱感がある(胸やけ)
 □胃からの逆流感がある
 □胸につかえ感がある
 □横になるとむせて咳が出る
 □朝起きると喉に苦味や違和感がある
 □朝起きて声がかれている
 □胃の辺りにつかえ感がある
 □胸に圧迫感がある

 該当する症状がいくつかあれば検査を受けて病気の鑑別をしてもらいましょう
 
*町田市民病院(東京)・消化器外科/羽生信義部長

【1分で判明!病気チェック】かかる確率1/100、精神疾患の本丸「統合失調症」

生涯にかかる確率は、男女差なく約100人に1人。いまだ原因は解明されてなく、精神疾患の本丸といえる病気だ。本来、20歳前後の青年期の発症が典型的だが、近年は30歳以降の初発が増えてきて珍しくなくなっている。

 特有の症状として、幻覚・幻聴や被害妄想などの「陽性症状」が目立つ。が、実際、中核となるのは口数が減り元気がなくなり引きこもりがちになる「陰性症状」だ。

 表は自己チェックの目安だが、この病気の自覚は難しい。

当人が項目内容を訴えたり、周囲からみて「ブツブツ独り言をいう」「周囲に怯えている」「作業の低下」「不登校・欠勤」などのサインに気づいたら、とにかく受診させることが重要。

 「幻聴や被害妄想に支配されると、死にたくなくても『死ね』と聴こえれば自殺行為をせざるを得ない。

また、自分を守るため『加害者である』と思い込んだ相手に危害を加えてしまうことがある」とクリニック西川・西川嘉伸院長(精神科専門医)は警告する。

 発症から数年内であれば治療効果は高く、それだけ社会復帰も早い。治療のポイントは抗精神病薬をしっかり飲み続けること。症状は数カ月で消えてよくなるが、服用を途中でやめると再発率が高い。

 治療はじっくり気長に、家族や職場の理解とあたたかく見守るサポートが大切だ。

 ★「統合失調症」チェックリスト

 (1)姿がないのに自分に話しかけてくる声が聴こえる

 (2)誰かに監視、盗聴、盗撮、尾行されている

 (3)考えていることが声になって聴こえたり、他人に漏れ伝わってしまう

 (4)自分の言動が他の力に操作されている

 (5)考えがまとまらない

 (6)すごく不安で憂うつだ

 (7)やらなければ、と思うが行動できない

 (8)周りの人が自分を陥れようとする

 (9)眠れない、寝てもすぐに目が覚める

 (10)食欲がない

 3つ以上該当なら精神科専門医への受診が必要

「クリニック西川」(東京・大塚)の西川嘉伸院長作成

【1分で判明!病気チェック】40代からの大人の発症、死ぬのでは…恐怖感「喘息」

罹患者600万人ともいわれ、呼吸器疾患で最も多い病気。その多くは40代からの大人の発症だ。ひとたび発作が起きれば咳や息苦しさで「死ぬのでは…」と恐怖感に襲われる。

重要なのは、糖尿病や高血圧などと同様“慢性疾患”と理解して、病気を上手にコントロールすることだ。

 【“止まらぬ咳”で窒息も】

 最大の症状は、肺の空気の通り道である枝分かれした気管支の内腔が狭くなって引き起こされる“発作”。息苦しくなって、咳や痰が止まらない。ひどいと窒息さえ起こしかねないから怖い。

 発作の引き金になるのは、気道感染(風邪)や花粉症、季節の変わり目の気温差、ストレス、過労などだが、そもそも急に発症する病気ではない。

 「喘息の人は、もともと普段から気道に炎症が起きていて過敏状態。そこに誘因が加わることで発作が起こる」と説明するのは、日本呼吸器学会・指導医でもある寺尾クリニカ(東京・新宿)の寺尾一郎院長。

 下地になる“気道過敏”の原因は体質の変化。ダニやハウスダストなどによる「アレルギー性」、風邪などを繰り返すことによる「非アレルギー性」に大別される。

 【長引くカラ咳も注意】

 発作時の特徴的な症状はチェックリストのようなものだが、最近目立って増えているのが「咳ぜんそく」のケース。痰や喘鳴、息苦しさがないところが普通の喘息と違うところだが、とにかく“カラ咳”がひどい。数週間から数カ月も続く。

 「発作の誘発因子は同じで、気道過敏の症状だけが強く出る。放置したままだと約30%が本物の喘息に移行するといわれる。咳だけの発作でも早期の受診が大切です」

 喘息になってあまり発作を繰り返していると、気管支の基底膜が次第に厚くなる。こうなるといくら治療しても元に戻らなくなる。体質的な病気なので喘息自体は治らなくても、長期にわたって発作をできるだけ抑えることが治療の基本だ。

 【「日記」で状態を把握】

 内服薬や吸入薬には、起きてしまった発作を抑える「発作治療薬」、普段は発作を起こさせない「長期管理薬」を使う。が、それだけでは不足。実践している人は少ないが、本来は自分の喘息の状態を把握する「喘息日記」を付けながらの管理が最も重要だ。

 ピークフローメーターと呼ばれる息を吹く器具を使って毎日数値を記録。ある一定の数値まで低下したら、発作の危険性があるので医師の診察を受ける管理の仕方だ。

 「認識が薄いが、喘息は慢性疾患なので糖尿病などと同じで管理しながら上手に付き合っていく病気」と寺尾院長。

 大気汚染や居住空間の変化が関係して増加を続けている一種の文明病。誰にいつ発症してもおかしくないのだ。

 ★「喘息発作」チェックリスト

□咳が止まらない

□咳と同時に痰がからむ

□日中は咳がひどくないが、夜中や朝方に咳が出て目が覚める

□夜になると、咳がひどくて眠れない

□息が吐き出しにくく苦しくなる

□呼吸をするとヒューヒューやゼイゼイ音がする(喘鳴)

□横になると息苦しい症状が強い

□親に喘息の人がいる

□春や秋の季節の変わり目に症状が出やすい

□もともと風邪をひきやすかった

 該当が多いほど可能性が高い。発作を繰り返す前に受診しよう

 *寺尾クリニカ(東京・新宿)/寺尾一郎院長作成

【1分で判明!病気チェック】常用薬の副作用が近年増加中…「ドライマウス」  

口腔乾燥症とも呼ばれ、国内の患者は推定800万人。唾液の分泌量が減って口の中がカラカラに乾く現代病のひとつだ。

 原因には、膠原病の一種で涙や唾液が出にくくなるシェーグレン症候群や糖尿病など、病気による場合もある。が、近年増加中の大部分は、薬の副作用や生活習慣の変化による現代ならではの要因がいくつも複合して起きているケースだ。

 生活習慣病やうつ病の発症増大によって、降圧薬や利尿薬、抗うつ薬や睡眠薬などを常用する人が増えている。これらの薬剤の副作用でも口が乾く。加えてストレスが多いと自律神経の働きが乱れ、唾液の分泌量が減る。

また、ファストフードなどの柔らかい食品を食べる機会が増えたことで咀しゃく回数の減少、噛む筋力の低下などの影響も指摘されている。

 通常、唾液の分泌量は1日平均1.5リットル、それが3分の1ほどに。

 「唾液は食べ物で酸性になった口腔内を中和し、酵素の力で細菌の増殖を防いでいる。ドライマウスになると虫歯や歯周病、口内炎などの口腔病だけでなく、風邪などの感染症も起こしやすくなる」(福島歯科医院・鍼灸治療院の福島厚院長)

 現在、治療は保湿ジェルや人工唾液を使った対処療法を中に行われているが、漢方薬による体質改善でも高い効果が得られている。

 ★「ドライマウス」チェックリスト
 (1)口の渇きが3カ月以上毎日続いている
 (2)顎や耳の下が常に腫れている感じがする
 (3)睡眠中、口の中が乾いて目が覚める
 (4)しょっちゅう水を飲みたくなる
 (5)クッキーなど乾いた物を食べると飲み込みにくい
 (6)口の中がネバネバして話しにくい
 (7)味覚がおかしいと感じることがある
 (8)口臭がきつい
 (9)義歯で傷つきやすい
 (10)舌や頬の内側など口の中が痛む

 「該当する項目が多いほど可能性が高い」

(「福島歯科医院・鍼灸治療院」福島厚院長=東京・新橋)

【日本の病院の実力】三半規管の異常による“めまい”で先端医療★聖マリアンナ医科大学病院・耳鼻咽喉科

ひどいときには日常生活にまで支障が生じるめまい。その半数以上は耳石器(じせきき)が関与した「良性発作性頭位めまい症」が原因である。

 耳石器は、耳の奥の内耳のほぼ中心付近に位置し、頭部の傾きや移動感覚を感受して、その情報を脳に送っている。この耳石器の中の耳石が、間違って三半規管に入り込むとめまいが生じる。

 三半規管は、頭部の回転に関する情報を脳へ与えることで目の動きと身体を平衡に保っているため、異常が生じると眼球の動きは乱れ、脳が混乱し、めまいへ結びつく。

 これらの仕組みを解明し、眼球の動きによって三半規管の異常を判定する診断方法と装置、さらには、リハビリ法まで開発して最先端の研究を行っているのが、聖マリアンナ医科大学病院耳鼻咽喉科だ。

 「どの三半規管に耳石が入り込んだのか。三半規管内の場所の違いによって、眼球が揺れる眼振(がんしん)の動きは異なります。また三半規管や神経自体に障害があることも、わずかな動きの違いで診断できます。手術や薬物療法が必要なのか、リハビリだけで済むのかも判断できるのです。それらをより精密に行うために、いろいろな取り組みをしています」

 こう話す同科の肥塚泉教授(55)は、めまいの診断と治療のスペシャリストである。1998年には、スペースシャトルコロンビア号で、宇宙酔いに関する実験を行い、無重力空間での耳石の機能変化について徹底的に調べ、世界的にも有名だ。この研究により、リハビリの重要性も高まっている。

 「良性発作性頭位めまい症は、頭位治療という一種の理学療法で、三半規管に入り込んだ耳石を取り除くことが可能です。また三半規管や神経に障害があっても、しばらくすると、脳は反対側の三半規管や目からの情報、筋肉や関節からの情報を基にバランスを修正することができます。そのため、リハビリを行うと、めまいが起こりにくくなるのです」(肥塚教授)

 リハビリと言っても、特別な機械は必要なく、目を動かす、または、散歩などで身体を動かす簡単な方法だ。同科のめまい外来を受診すると、平衡機能を調べるための眼振検査が行われ、原因がはっきりすればリハビリを実施。患者によっては、画像診断も行われず、薬の処方もないため、拍子抜けする人もいるが、多くの人がこの診断と治療で症状を改善している。

 「めまいのリハビリは、世界的には標準治療ですが、唯一、先進国では日本だけが積極的に行っていません。そして、一般的にも認知度は低い。この状況を変えたいと思っています」(肥塚教授)

 リハビリの指導には手間暇がかかり保険点数も低く、医療機関へのメリットが少ない。国民皆保険の日本では医療費財源の問題もあり、めまいのリハビリが普及する土壌ではないのだ。それでも肥塚教授は、リハビリの効果を判定する装置の特許を取得し、普及を後押しする新たな装置の開発に着手している。

 「笑顔で帰る患者さんの姿は、私の支えです。一人でも多くの人のめまいを改善したい」と肥塚教授。そのためにまい進中だ。

 <データ>2011年実績
・平衡機能検査(電気眼振図)306件
・平衡機能検査(重心動揺計)60件
・中耳手術数96件
・病院病床数1208床
〔住所〕〒216-8511神奈川県川崎市宮前区菅生2の16の1
(電)044・977・8111

【日本の名医】脳卒中治療のスーパードクター 上山博康先生

上山博康先生のプロフィール・実績等の紹介

(プロフィール)
1973年北海道大学医学部卒
その後道内の旭川、釧路、美唄などの関連施設で6年間研修
1980年秋田脳血管研究所勤務
1985年北海道大学医学部助手
日本脳神経外科学会
日本脳卒中の外科学会
日本脳卒中学会
日本脳神経外科学会認定医

(実績その他)
脳の病の“最後の砦”と呼ばれる旭川赤十字病院の脳神経外科部長を務めています。
脳卒中を引き起こす脳動脈瘤の手術を得意としています。この分野において「匠(たくみ)の手」として全国的に有名で、その腕を見込んで手術を依頼してくる手紙やメールがひっきりなしに届いているようですが、氏はその全てに目を通し、自ら返事を書いているそうです。

数々のメディアでその活躍ぶりが取り上げられており、、脳腫瘍のスーパードクターと言われる福島孝徳もTVで「もし僕が脳血管の手術を受けるなら上山先生にしてもらう」と話しており、まさにスーパードクターから評価されるスーパードクターという存在となっています。

上山博康氏が脳神経外科部長を務める旭川赤十字病院は、脳血管障害、脳腫瘍、頭部外傷を扱っており、道北の脳疾患治療の拠点として充実した設備、人員、体制を確保し診療を行っています。

同病院には上山氏を含めて脳神経外科学会専門医が10名在籍しており、日本脳神経外科学会の訓練施設(A項)の指定を受けています。年間500例以上の手術を行っていおり、脳動脈瘤手術件数は180件を超えますが、これは全国でもベスト10に入る症例数です。

 また、脳梗塞治療においても急性期治療から慢性期血行再建術に到るまで積極的な外科治療を行っており、日本の脳神経外科をリードする施設の一つとなっています。

(脳卒中治療に関する考え方・ポリシー)
~(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より抜粋)~
「人生を手術する」モットーに、自分の力が必要と言われれば日本中の病院に足を運び、脳血管手術や脳腫瘍の摘出手術などを手がけています。

脳動脈瘤のクリッピング手術では年間300件・累計20,000近い手術を行い、「脳血管に関わる手術で日本一」「匠の手を持つ脳外科医」と呼ばれる存在となっています。

大人の発達障害 ADHDの特徴とは? 症状や対処法について

ADHD(注意欠陥・多動性障害)は、成人の10人に1人が診断基準に当てはまるという報告もあるほど身近な発達障害。その特徴と対処法をまとめました。

物忘れや失言はADHD(注意欠陥・多動性障害)の場合が

テレビやニュースでも近年話題になっている大人の発達障害。ADHDは、注意欠陥・多動性障害といわれる、発達障害のひとつです。不注意、じっとしていられない、思ったことを口にしてしまうなどから、職場や家庭において困難なことが起こります。これは生まれつき脳の発達に障害があるため起こっているもので、治療で根本的に治すことはできません。ただし、専門の病院などで診断を受け、まわりの人の支援や理解を受ければ、つらい状況を改善することができます。

ADHD(注意欠陥・多動性障害)の人には、このような特徴があります。

◯片付けられない
ADHD(注意欠陥・多動性障害)は、物を分類する、使った物を元に戻す、順番に片付けるといったことが苦手です。職場のデスクや自宅の部屋が汚い人も多く、本人が片付けようと努力しても、できずに自分を責めてしまいます。引き出しだけなど、小さいスペースから片付け始めるとできるようになります。

◯お金の計算ができない
ついつい衝動買いして散財してしまうのも、ADHD(注意欠陥・多動性障害)の特徴のひとつ。買い物はリストにしておきそれ以外は買わない、クレジットカードや大金は持たないなどの工夫でトラブルを予防できます。家族にお金を管理してもらうのも手です。

◯空気が読めない
ADHD(注意欠陥・多動性障害)の特徴である「衝動性」は、物事を深く考えずとっさに行動してしまうもの。そのため、人との会話においても、相手を傷つける言葉を言ったり、まわりをしらけさせることを言ってしまったりします。思いついたことは、ひと呼吸おいてから発言するようにすると、改善できます。

◯約束が守れない
順序立てて物事を考えられないのも、ADHD(注意欠陥・多動性障害)の特徴のひとつです。スケジュールが立てられない、作業を効率良く順序立てて行えない、納期を守れない、アポイントメントを忘れるなどといったことが起こります。予定はまわりの人にチェックしてもらいながら考える、視界に入るところにメモを貼るなどで対策が可能です。

ADHD(注意欠陥・多動性障害)の人の快適な働き方とは

もし、病院を受診してADHD(注意欠陥・多動性障害)と診断されたらどうする?
職場の人に自分の特性を理解してもらえれば、お互い快適に働くことができるようになります。例えば、仕事を順序立てて行うのが苦手なら、その部分をサポートしてもらえば、あとは自分で作業することができます。パソコンの「TO DOリスト」やアラーム機能を利用したり、同僚にミスがないかチェックしてもらうだけでも、ずいぶん仕事がスムーズになるはずです。

今の仕事が合わないからと転職すると、さらにストレスになる場合があるので、あまりおすすめはできません。ただし、もしADHD(注意欠陥・多動性障害)と診断されても今の職場で自分がADHD(注意欠陥・多動性障害)だということを伝えるのは勇気がいるかもしれません。全国のハローワークでは障害者のための相談窓口を設け、仕事や働き方の相談も行っています。気になる人は、一度たずねてみましょう。

【1分で判明!病気チェック】都市部はヒートアイランド現象で30度超「熱中症」

都市部はヒートアイランド現象で30度超「熱中症」
1分で判明!病気チェック

 体温の調節機能が破綻して、最悪では死に至る可能性もある病気。とくに都市部の夏はヒートアイランド現象で気温30度を超える時間が増大している。チェックリストのようなリスクを多くもつ人は、梅雨の時期からの対策が肝心だ。

 【梅雨の合間も要注意】

 夏の人の体は、自律神経の働きで皮膚に血液を多く集めたり、発汗させて体の熱を外気へ逃して体温調節を行っている。

 ところが体調不良や急激な気温上昇で、この熱放出が十分にできないことがある。体に熱がこもってさまざまな症状が現れるのが「熱中症」だ。

 「まだ体が暑さに慣れていない時期に起こりやすい。とくに梅雨の合間に突然気温が上昇した日や梅雨が明けたばかりの頃は要注意です」と話すのは、日本医科大学付属病院・高度救命救急センターの川井真准教授。

 体が上手に順応するのは、本格的な暑さから3-4日後。そのため、7月中旬にかけてと8月上旬にかけての2回、発症急増のピークがみられる。

 【毎年200人以上が死亡】

 症状は重症度ごとにみると分かりやすい。

 I度は「立ちくらみ」(熱失神)や筋肉の「こむら返り」(熱痙れん)が起こる比較的軽い状態。

 II度は、頭痛、吐き気・嘔吐、倦怠感や虚脱感など、体がぐったりする「熱疲労」の状態。

 III度では、意識障害や体の痙れん、手足の運動障害、汗をかけずに体が熱い。命に危険が及ぶ「熱射病」の状態だ。

 自分で水分が取れないII度やIII度は早急に救急搬送が必要だ。

 が、「I度でもIII度に急変する場合がある。糖尿病や心臓病など持病をもつ人は、気分が悪くなった時点ですぐに受診した方がいい」という。

 毎年200-400人台の死亡者が出ているが、決して炎天下だけで起こる病気でないことは念頭に置くべきだ。

 【熱帯夜が追い打ち】

 実際、65歳以上では、半数以上が自宅で発症。末梢の血流量の低下や汗をかきにくい上に、暑さや喉の渇きが感じにくいため水分摂取を十分に取らないことが原因だ。

 ただ、このような体温調節機能の低下は、心疾患、糖尿病、精神疾患などがあっても同様。加えて常用薬の副作用で脱水を招いたり、自律神経に影響する場合がある。

 また、仕事の疲労やストレスは自律神経のバランスを崩して不眠を招きやすい。さらに熱帯夜(夜間の最低気温25度以上)が追い打ちをかけて悪循環に陥っていくのだ。

 「熱帯夜の日数が多いと熱中症死亡数が増えることはデータでも報告されている。夏はちょっとした体調不良でもすべてが熱中症のリスクになる」と川井准教授。

 暑さに負けない夏場の体調管理、徹底しよう。

★「熱中症になりやすい」チェックリスト  

□朝食を抜いている

□このところ寝不足気味である

□下痢をしている

□二日酔いをしている

□ストレス、疲れがたまっている

□肥満である

□まったく運動習慣がない

□糖尿病や心臓病の持病がある

□精神疾患に罹っている

□利尿降圧剤など、薬を常用している

□仕事柄クールビズスタイルができない

 該当が多いほど発症リスクが高いので要注意。

 日本医科大学付属病院・高度救命救急センター/川井真・准教授

【1分で判明!病気チェック】“声がれ”要注意…忌野清志郎さんも襲った「喉頭がん」

発症から2年後に左腸骨(骨盤)にがんが転移し亡くなったロックシンガー・忌野清志郎(享年58)を最初に襲ったのが、この「喉にできるがん」。首から上にできる“頭頸部がん”の中では約3割を占めてトップ。

とくにリスクが高い喫煙者は、“声がれ”に気づいたら要注意だ。

 【最初の“異変”は声がれ】

 喉の奥には、前側に吸った空気が通る「喉頭(こうとう)」、後側に食べ物が通る「咽頭(いんとう)」がある。喉頭がんは、喉頭にある左右1対の粘膜のヒダが振動して声を作り出している“声帯”周辺にできるがんだ。

 「約8割が声門部(声帯)、声門上が約2割、声門下にできるのはごくまれです。声帯はごく微小な病変でも“声がれ”を起こすので、他のがんに比べれば早期発見されやすい」と話すのは、東京逓信病院・耳鼻咽喉科の八木昌人部長。

 ただ、残り2割は進行しないと声の症状は出にくく、咽頭に近ければ飲み込むときの「しみるような痛み」や「血痰」。リンパ節への転移があれば「首の腫れ」などが初期症状になる場合がある。

 【ロッカーの職業病!?】

 海外でも過去に、ロッド・スチュワートやRストーンズのチャリー・ワッツ、元ビートルズの故ジョージ・ハリスンなどが罹った。それを考えるとロッカー特有のシャウトする喉の酷使が誘因になるイメージがある。が、シャウトは声帯ポリープの原因にはなっても、ポリープががん化することはない。

 八木部長は「声の使い過ぎががんの発症率を高めることはない」と、リスクをこう説明する。

 「最も悪いのはタバコ。発症者の9割は喫煙者で、男女比は10対1。たばこを吸わない女性がなることは非常に少ない。加えてお酒の飲み過ぎは促進因子になります」

 タバコ、男性、飲酒。つまりロッカーには、この3大要因をもつ人が多いのが発症を目立たせている真相のようだ。

 【声帯残せるかは早期治療がカギ】

 一般の人でもカラオケ好きや普段、大声を出すような職業の人で注意したいのは、声がれの原因が声の出し過ぎと思い込み、がんの早期発見を遅らせてしまうことだ。

 喉頭がん全体でも5年生存率は約70%と比較的治癒率は高い。が、早期に受診し、いかに声帯を残せるうちに放射線や抗がん剤の併用で治療を開始できるかが、声を失わずに済むかを左右する。

 声帯ポリープや風邪の炎症なら、鼻から入れる内視鏡検査ですぐ見分けがつく。がんだった場合、3カ月も放置すると進行がんで声を失う恐れがある。とにかく声がれが表れたら早めに鑑別してもらうことが大切だ。

 「早期がんであれば放射線治療だけでも5年生存率90%以上の確率で治ります」と八木部長。

 偉大なロッカーの早過ぎる死を無駄にしないためにも、名曲と共にこのがんの存在を忘れずにおこう。

 ★「喉頭がん」チェックリスト

 □1カ月以上も声がれが治らない

 □のどに異物感を感じる

 □のどがいがらっぽい

 □飲み込むときに違和感がある

 □飲み込むときに痛みを感じる

 □首の付け根(顎の下)に腫れやシコリがある

 □血痰が出る

 「声がれ」もしくは該当が多ければ疑いがある。とくに喫煙者はリスクが高いので検査を受けよう

 *東京逓信病院・耳鼻咽喉科/八木昌人部長作成

発達障害の大学生増加 放置したままでいいわけがない

「多様化社会」という言葉はそれを支える制度がなくては意味が無い。とある大学教員のブログから、コラムニストののオバタカズユキ氏が大学生の「多様化」を考える。

 * * *
 特定個人を責める意図はないので、某教員の某ブログにて、と記すにとどめる。先日、そのブログにこんなことが書かれてあった。

 ブログ主は大学教員。大学の授業で学生にミニレポートを書かせ、それを出席票のかわりにしていた。するとある日、中身も筆跡もそっくりなミニレポートが複数枚出されていることに気づいた。

 これは明らかに「代返」だ。一番たくさんの文字数を書いた太郎君が、二郎君、三郎君、四郎君のものも書いて、そしらぬ顔で自分に提出したのだろうと思った。

 次の授業で、そっくりレポートの「提出者」たちに尋ねてみると、教員の読みはアタリ。「提出者」たちはその行為を認めたと言う。それが不正行為であることを教員が説明すると、二郎君以下はきまりの悪そうな顔をしていたとのことだ。

 ところが、太郎君ひとりは反論した。「みんなやっているし、他の先生に叱られたこともない」というふうに。教員が、「だからいいという問題ではない。これは不正行為で、学問の世界では問題外だし、出欠を誤魔化したことは教員の私を欺いたことになる」とていねいに諭したら、「初めて教えてもらえた」と礼を言われた。

 問題はその先で、「だから、このときの出席は取り消しになる」と教員が学生たちに伝えたところ、それまで“ありがとうモード”だった太郎君が、急に「なぜ?」と食い下がってきた。「不正行為だから」と言っても、「知らなかったことで罰せられるのはおかしい」と反論してきたという。

 以上は、元のブログの文を多少アレンジしたものだが、大筋こんなことがおきたらしい。そして、教員は、最後まで納得しなかった太郎君について考えながら、善悪の区別のつかない学生の登場を嘆いていた。人に相対する態度は礼儀正しいのに、常識が通じない。それは、コミュ力の発揮と自己主張の仕方ばかりを形式的に教えてきた大人側の問題なのではないか、と。

 このブログのエントリーは、SNSでけっこう拡散し、私の目にも止まることとなった。読んだ人の多くは、「大学の劣化もここまで来たか……」というもの。日本の今の首相の名前を知らない、分数の四則算ができない大学生が増えている……といったお決まりの大学生バカネタと同じ水準で、呆れかえっていた読み手が大半であった。

 が、ブログのコメント欄で勤務医と称する人が、「この太郎君の様子はアスペルガー症候群の症状に当てはまる。早期の受診を薦める」といった内容を書きこんでいた。私も素人ながら、この話は、発達障害の観点から考えたほうがいいと思った。

 太郎くんの問題は、コニュ力や自己主張の教育云々以前の話だし、いまどきの大学生が劣化しているというよりも、ここまで多様化している、と捉えたほうがベターではないか。多様化した大学生の中には、多様な特性をもつ発達障害者が含まれるのだ。

 発達障害をもつ人が増えている、と言われて久しい。原因は、諸説あってまだよく分らない。はっきりしているのは、昔だったら「変人」とか「ダメなやつ」とかで片づけられていた人々(子供たち)が、幼稚園・保育園、小中学校の先生から検査を勧められ、発達に偏りやでこぼこがある、と指摘されるケースがだいぶ前から急増している事実である。潜在していた発達障害が顕在化してきた、という話だ。

 そのこと自体の是非は置く。ただ、とても問題なのは、そうした検査をし、ときには専門医が診断を下したりしても、発達に問題があると言われた当人やその親のフォロー体制が、いまだにほとんど確立していないことだ。障害の有無がわかっても、障害をフォローする社会側のシステムがなきに等しい。

 今回、読ませてもらったブログ主は、「発達障害ではないか」という読者からの指摘を受け、その方面について取り急ぎ勉強をした様子である。でも、じゃあ、どうしたらいいかという段で頭を抱えていることだろう。

【日本の病院の実力】「正しい診断」と「薬の適正使用」 世界水準の治療を推し進める 帝京大学医学部附属病院

 皮膚科領域は幅広い。アトピー性皮膚炎や乾癬(かんせん)などの自己免疫に関わる病気や、水虫などの感染症、メラニン色素の異常増殖で生じる太田母斑など、さまざまな原因と症状が伴う。診断が難しい場合も少なくない。

 そんな皮膚科領域の病気に対し、他院の治療で症状の改善しない人々が多く受診しているのは、帝京大学医学部附属病院皮膚科である。世界水準の治療を推し進め、症状の改善に力を注いでいる。

 「薬というのは、副作用がつきものです。特に長期的な使用に関しては、皮膚への影響だけでなく他の臓器への影響も考えなければなりません。また、水虫と思われている症状が、実は違う病気だったりすることもあります。病気が異なるのに水虫の薬を使用しても、当然のことながら治りません。正しい診断と薬の適正使用は、世界的に推進されていることです。当科では、世界水準に照らした診断と治療を行うように心掛けています」

 こう話す同科の渡辺晋一主任教授(64)は、皮膚病治療のスペシャリストである。東大医学部から米国ハーバード大学で学び、太田母斑を改善する「Qスイッチ・ルビーレーザー」を1990年に国内で初めて取り入れるなど、世界水準の治療を日本に導入すべく奮闘してきた。

 また、水虫などの真菌症への造詣が深く、同科を皮膚真菌症治療薬の国内開発拠点にまで発展させている。

 「太田母斑は顔に生じるため、Qスイッチ・レーザー治療でキレイになったときの患者さんの笑顔は、私の原動力になっています。世界的に認められている治療法で、皮膚疾患の多くの患者さんを救いたい。その思いを持ち続けています」

 渡辺教授は、15年ほど前から国際協力機構(JICA)の依頼で、タイで講師として医療指導を行っている。そこには、中近東やアジア地区の医師も集まるため、常に最新の情報交換を行うことで、よりよい医療の提供を考え続けているという。

 「皮膚というのは、広範囲な臓器でしかも繊細です。特にアトピー性皮膚炎などは、適切な治療が行われないと治りにくくなってしまいます。当院には、そのような患者さんが全国からたくさん来られるのですが、その多くは不適切治療によるものです」(渡辺教授)

 研究レベルは世界トップレベルを誇る日本だが、海外の薬の国内承認が遅れると、日本以外の国(アジア諸国を含む)では安い費用で治療ができても、日本では高額な医療費がかかったり、治すことができなかったりすることになる。欧米人とは体格が異なるため、治療法に差が生じると思われがちだが、日本と体格が似ているアジア諸国の患者も、世界標準治療を受けている。よりよい医療の提供には、世界的な治療法も視野に入れることが必要だ。

 「日本の皮膚科医療を世界水準のレベルに、引き上げることができればと思っています」と渡辺教授は話す。難しい症状の人々を救うべく奮闘中だ。 

【データ】2014年度実績(皮膚科)
・外来患者延数 2万6421人
・入院患者延数 3019人
・病院病床数 1082床
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あなたの夫は大丈夫?「風俗通い」で“大人の発達障害”疑うケースも

「大人の発達障害」が注目されるなかで、それが疑われる夫を持つ妻たちが孤立や苦悩を訴える“カサンドラ症候群”の存在が明らかになっている。

アスペルガー症候群を含む「自閉症スペクトラム障害(ASD)」の夫とのコミュニケーションがうまくいかず、その状態を周りにも理解されず、心身に不調をきたした妻のことだが、彼女たちは悩みをこう吐露する。

「夫は口数が極端に少なく、子どものことなどを相談しても、ただ黙っているだけ。私一人で決めるしかなく、うまくいかないと『俺はそれがいいとは言わなかった』と。

確かに夫は何も言っていないので、私のせいなんだと自分を責めるしかない。アスペルガー症候群の話をしたら『人のことを障害者扱いするな!』と怒鳴られ、数少ない言葉を交わす機会も怖くなってしまった。

心身ともにボロボロ、片耳の聴力を失い、内臓にも異常が見つかり働けない状態で、離婚もできない」(50代主婦)

「夫の自閉症スペクトラム障害(ASD)を疑い始めたのは、長年の風俗通いが発覚したから。少し変わってはいるが真面目で正義感が強く、倹約家だと思っていたのに。

泣く私を見て夫は驚き、『傷つくとは思わなかった』とキョトンとした表情。なぜ私が悲しむのかが理解できないため、私自身がとうとうと説明しなければならない」(40代主婦)

 夫婦間のコミュニケーション不全をすべて発達障害のせいにするのは、障害差別を助長しかねない。しかし、夫との関係に困り果て、声を上げることさえできずに苦しむ妻が相当数いることは、紛れもない事実だ。

 今、妻たちによる自助グループが各地に立ち上がり、インターネットで情報発信している会もある。悩みを打ち明け合う茶話会のような集まりから、妻自らが回復する術を身につけるワークショップ形式の会までさまざま。

一方、未診断の人のパートナーたちが集まってしまった場合、情報や対応策が混乱する恐れもあると指摘する声もある。

 成人発達障害の専門外来を設ける昭和大附属烏山病院(東京都世田谷区)では昨年度、厚生労働省の推進事業として「成人期発達障害支援のニーズ調査」を実施し、当事者、家族、医療や行政の関係者にアンケートした。

その結果、家族の7割が「自分たちへの支援が必要」「自分たちを対象とした心理教育や支援のプログラムがあれば参加したい」と答えた。行政機関も本人へのさまざまな支援とともに「家族への支援は必要」との回答が最も多く、8割近くに上っている。


【1分で判明!病気チェック】仕事のストレス、働き盛り中心に…「突発性難聴」  

20-50代の働き盛りを中心に年間発症者は約3万5000人。リーマンショックに派遣切り、経済の混迷が続くほど、一層増加が危ぶまれる“難聴”を引き起こす病気だ。歌手の浜崎あゆみ(30、が罹ったことで広く知られたが、放置すると発症2週間で治る望みはほとんどなくなる。“聞く耳”をもって早期の治療が肝心だ。

 【兜町はリスク高い】

 東京・兜町に近い「耳鼻咽喉科・日本橋大河原クリニック」。土地柄、訪れる患者は9割以上が近隣に勤めるサラリーマンやOLで、その多くが証券関係の仕事。聞けば2年前の開業以来、『突発性難聴』の新規患者が1日平均3-4人はいるという。

 「やはり一番の発症要因は仕事などのストレス。原因には内耳のウイルス感染説や血液の循環障害説がありハッキリしていないが、おそらくストレスの影響による循環障害だろう」と話すのは、大河原大次院長。

 同医師が前勤務(副院長)していた国内有数の耳鼻咽喉科専門病院(神尾記念病院)の疾患比率でみても、このエリアの際立った発症頻度の高さには驚かされたという。

 【耳の違和感でも注意】

 症状の一番の特徴は、ある日突然、何の前触れもなく発症すること。ほとんどのケースが片耳だ。

 “難聴”というと、全然聞こえなくなるイメージがあるが、決してそうではない。軽度の場合も多く、「違和感」「耳閉感」「耳鳴り」という聞こえの悪さでも表現できる。

また、「低音部の難聴」か、「高音部の難聴」かでも違いが出てくる。「低音部難聴のような場合には、聞こえないというより耳が詰まった感じ、塞がった感じがする」

 耳鳴りを伴う場合も、「高音部の難聴は『キーン』という高い音、低音部の難聴では『ゴー』や『ボー』の低い音の耳鳴りになる」という。

 加えて、難聴の程度が強くなるほど発症時に“めまい”を伴いやすい。

 一般的に『耳からくるめまいは回転性』といわれているが、これも感じ方の違いもあり一概にはいえないそうだ。

 【治療時期を逃すな!】

 治療は薬物療法で、聴力が回復するまで通常、1カ月ぐらいかかる。が、完治するのは約3分の1。あとは、聴力はある程度回復しても難聴や耳鳴りが残る、まったく回復しない、のどちらかだ。

 治療成績を大きく左右するのは、「発症時の聴力の低下レベル」と「治療開始時期」。2週間放置すると、ほとんど回復は無理。また糖尿病があると治りにくい傾向がある。

 「軽度の人ほど治療時期を逃して難聴が残ってしまう人が多い。2-3日たっても聞こえ方が変なら、すぐ受診すべきです」と大河原院長。

 あっても生涯一度切りの発症だが、このご時世、世代に関係なく誰もが予備軍。ストレスには十分注意したい。

 ★「突発性難聴」チェックリスト

 □前触れもなく、ある日突然、片耳の聞こえが悪くなった

 □片耳が詰まった感じがする

 □片耳に違和感がある

 □難聴に耳鳴りを伴っている

 □難聴にめまいも伴った

 □難聴と同時にフワフワした感じがする

 □過去に経験したことがない難聴

 □手や口のしびれやマヒを伴わない

 □ストレスや疲労が多かった

 □難聴が2日以上続いている

  片耳に起きて2つ以上該当したら可能性が高い

 *耳鼻咽喉科・日本橋大河原クリニック(東京・日本橋)/大河原大次院長作成

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