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梅毒になったら「HIV感染」も疑え! 日本だけエイズ患者が減らない理由

主要先進国のエイズ患者数は減少して来ていますが、日本は例外。しかも、HIV感染のリスクをアップさせる梅毒の患者数も急増しています
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日本ではHIV検査に心理的ハードル

エイズ(AIDS 後天性免疫不全症候群)は、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)の感染によって引き起こされる疾患です。HIVに感染後、治療を受けなければ、免疫不全状態となりエイズを発症、2年以内に90%の患者が死亡します。しかし、複数のエイズ治療薬の開発などがあり、主要先進国では1996年以降、エイズ患者数は減少してきました。ただし日本は例外で、エイズ患者数には欧米のような減少傾向は見られていません。

これは、検査に心理的な抵抗を感じる人が多いことなどから、HIV検査が普及しないことが大きな要因です。保健所等での検査は減少傾向が続き、結果的に早期発見・治療に遅れが生じていると思われます。

性感染症に罹患したら、HIV感染にも要注意!

近年、若い女性などに梅毒の患者が急増しています。しかも、梅毒やクラミジア等の性感染症に感染していると、粘膜組織が弱るため、HIVの感染リスクが数倍高まるのです。クラミジアや淋病に感染している場合は3~4倍、梅毒では2倍以上も感染率が高くなると言われています。また、HIVと性感染症は、重複感染が多いのです。

【画像参照】
このグラフは男性間性交渉者に関するデータですが、B型肝炎、梅毒、クラジミアは、HIV感染との重複感染率が60%以上に上っています。つまり、性感染症に感染したら、HIV感染も疑う必要があります。
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ネットで買える検査キットも

もし心配ならば、まずは検査することです。HIV検査は全国のほとんどの保健所等で無料・匿名で検査が受けられます。有料ですが、医療機関でもHIV検査は受けられます。また最近は、ネットで買える検査キットを使い、自宅から検査物を郵送する方法でHIV検査を受けることもできます。

この検査は、非常に感度が高い「スクリーニング検査」です。「スクリーニング検査」で陽性の場合は、HIV感染による「陽性」と、HIVに感染していないのにも関わらず、非特異反応により陽性となる「偽陽性」も含まれています。(スクリーニング検査で陽性となったうち、50%が偽陽性とされています)

そこで、陽性になった場合は、引き続き「確認検査」を実施し、そこで陽性であれば「HIV感染」、陰性であれは「HIV検査陰性(スクリーニング検査の偽陽性)」となります。 検査キットで陽性となった人も、必ず医療機関で「確認検査」を受けて下さい。

街で献血をすれば「HIV検査」もしてくれる…?

日本赤十字社が行う献血では、安全性の高い血液や血液製剤を供給するため、非常に厳格なHIV検査を実施しています。しかし、結果は献血者本人には伝えないことになっています。

その理由は、感染リスクのある人の検査目的の献血を防ぐためです。 もし検査の結果を本人に通知してしまうと、献血が性病検査の代わりと考える人が集まってしまい、 献血の中に感染した血液が混入する可能性が高くなります。

実は、HIV抗体が体内にできて、検査で検出されるようになるまでに、4週間程度の時間がかかるのです。この検査をしても反応が出ない時期をウィンドウ期といいます。(「スクリーニング検査」も、より確実な診断のためには、感染の機会から3か月経過後の検査が勧められます)

「感染したのでは…」と不安に思う人が検査代わりに献血した場合、もしHIV陽性であっても、ウインドウ・ピリオド期であれば、検査をすり抜けてしまいます。そうなると、輸血された患者さんにHIVを感染させてしまう恐れがあります。 例え不安を感じていても、絶対に検査目的の献血は止めましょう!
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「死の病」から「慢性疾患」になったが…予防が第一!

世界初のエイズ治療薬は、満屋裕明熊本大学教授が、米国立衛生研究所(NIH)の上級研究員だった87年4月に開発した「AZT(アジドチミジン)」でした。このクスリがエイズ治療の基本路線を決定づけ、これまでに数十種類の治療薬が生まれています。HIV陽性であっても、エイズ発症前に適切な治療を受ければ、現在の死亡率はほぼゼロです。人工授精や体外受精を行うことで、妊娠・出産も可能になりました。未だ根治はできませんが,「死の病」から「慢性疾患」の1つになったとも言われます。

とはいえ、最も大切なのは予防です。

◆コンドームは性行為の最初から最後まで装着する
◆口を使った性行為でもコンドームを装着
◆不特定多数とは関係を持たない
…といったことを心がけましょう。

高山哲朗先生 監修
平成14年 慶應義塾大学医学部卒業。慶應義塾大学病院、北里研究所病院、埼玉社会保険病院を経て、平成24年 わたクリニック副院長。 医学博士。日本内科学会認定医。日本消化器病学会専門医。日本消化器内視鏡学会専門医。日本医師会認定産業医。 東海大学医学部客員准教授。予測医学研究所所長

【気になるこの症状】「百日ぜき」2週間以上せきが続くときは検査を 予防はうがい、手洗い、マスク

 1年通して発症がみられるが、春から夏に多い傾向があるとされる「百日ぜき」。子供の病気のイメージがあるが、臨床現場では大人でもよくみられるという。乳幼児が感染すると重症化するので、感染拡大には十分注意が必要だ。

 【長引くせき症状】

 原因の病原体は「百日ぜき菌」で、患者のせきやくしゃみなどから飛沫(ひまつ)感染する。生後3カ月以降の乳幼児から定期予防接種が行われているが、その有効期間は5~10年。思春期以降はいつ発症してもおかしくない。佐野虎ノ門クリニック(東京)の佐野靖之院長が説明する。

 「『百日ぜき』と『せきぜんそく』のせき症状は非常に似ていて、区別が難しい。ただし、『せきぜんそく』はアレルギー性で他人にはうつりません。ですから、家庭や会社など周囲にせき込んでいる人がいて、自分も2週間以上もせきが出るようなら『百日ぜき』を疑って検査をした方がいい」

 百日ぜきの感染力は強く、同居人の約90%は感染するという。

 【乳幼児の感染は危険】

 典型的な症状は、かぜ症状から始まり、発熱はあっても微熱。2週間くらいすると、激しくせき込むようになり、息を吸い込むときに笛を吹くような音を立てて大きく息を吸うようになる。しかし、大人の場合はせきが長く続くが、子供と違って典型症状が出る人が少ないので、せきぜんそくと見分けにくいのだ。

 「通常、未治療の感染者からの菌の排出はせきが出始めてから約3週間持続します。その間、ワクチン未接種の乳幼児にうつしてしまうのが怖いのです。重症化して死亡する事例も少なくありません」

 百日ぜきの「せき」は、粘膜の炎症ではなく、菌が産生する毒素によって引き起こされるという。

【内服と吸入の併用】

 百日ぜきかどうかは、タンの培養や血液の抗体検査で調べる。ただし、普通のクリニックでは結果が出るまで3日くらいかかる。実際、百日ぜきと診断されるのは、せき込んでいる人の4分の1で、せきぜんそくの方が3倍多い。そのため初診時はせきぜんそくに準じた治療を行うという。

 「百日ぜきと診断がつけば、治療はマクロライド系の抗菌薬を使います。ただ、菌を退治しても毒素が消えるまでせきは治まらないので、せきぜんそくと同様に吸入ステロイドも併用します」

 抗菌薬服用から7日後くらいには菌の排出はなくなるが、1~2週間は服用を続ける。せき症状の方は、経口ステロイドを併用すれば改善は早く、10日~2週間以内でせきが出なくなる患者が多いという。

 「百日ぜきは、施設によっては詳しく検査しない場合もあるので、大人の感染の実態はよく分かっていません。予防は、うがい、手洗い、マスクの着用です」

 《百日ぜきの典型的な症状》
 ★2週間以上続くせき
 ★発作のように起こる激しいせき込み
 ★息を吸い込むときに「ヒュー」という笛のような音を立てて、大きく息を吸う(成人では少ない)
 ★せき込み後に嘔吐(おうと)する

誰でも一度は検査するべき? HIVや性病の検査について詳しく解説

「もしかして……」。HIVや性病にかかっているかもしれないという不安を抱いた時、いち早く受けるべきなのが検査です。検査はどこで受けられるのか、またその方法や流れをご紹介します。

保健所などでは無料&匿名で行っているところも

HIVの検査は、全国の保健所や自治体の特設検査施設で無料・匿名で受けることが可能です。もちろん医療機関でも検査はでき、自費診療の場合で費用はだいたい5000~10000円です。保健所などの無料匿名検査は、施設により受けられる日時が異なります。多くの施設は1~2週間に1度、平日の昼間に実施。施設により異なりますので、厚生労働省が運営している下記HPで事前に確認をしましょう。

HIV検査相談マップ http://www.hivkensa.com/

症状が出ているものは病院で保険適用で検査が

性病は、自然治癒しませんし、放置しておくと悪化し不妊の原因にもなります。体調などの変化から「性病かもしれない」と感じたら、すぐに検査を受けるようにしましょう。また、保険診療の病院の場合、症状がないと検査費用が保険適用になりません。でも、陽性だった場合、すぐに治療が開始できるので、早期発見、早期治療につながるというメリットもあります。

自覚症状がある場合は、症状がある部位によって受診する科が異なります。

性器に症状がある時/性病科、男性の場合は泌尿器科、女性の場合は産婦人科
のどに症状がある時/性病科、耳鼻咽喉科
皮膚に症状がある時/性病科、皮膚科

HIVは、スクリーニング検査と確認検査の2つを行う

コンドームを使わない性行為をした時や、HIVに感染したかもしれないと、不安になった時は、すぐに検査を受けましょう。HIV感染は、HIV検査を受けないと見つけられないもの。感染が疑われる日から1カ月しか経っていなくても、感染していれば陽性の反応がでます。体を守るためにも、不安を解消するためにも、気になったらすぐに検査を受けましょう。

検査は、膣分泌液やおりもの、血液や尿から調べる方法が一般的です。HIV検査は、エイズ(後天性免疫不全症候群)の原因ウイルスであるHIVに感染しているかどうかを調べる検査です。HIVに感染すると、体内でHIVに対する抗体が産生されます。一般的には、この抗体が血液中にあるかを調べる「抗体検査」をまず行います。その後、「確認検査」といって、HIVを構成するたんぱく質にHIV抗体があるかどうかを確認する検査を行います。これは、スクリーニング検査で陽性となった時、その反応が本当にHIVによるものなのかを確認するためです。

また、最近は、検査キットを購入して自宅でHIVウイルスの検査を行うこともできます。インターネットでも販売しており、だいたい3000円から。購入する際は、登録衛生検査所で検査を行っている製品か、医療機器を販売する事業許可(高度管理医療機器等販売業・賃貸業の許可)を取得している企業の製品かチェックしましょう。病院や保健所で受ける方が失敗は少ないのでベストですが、事情があって病院や保健所に行けない時は、利用してみてもよいでしょう。

キスでも感染!急増する「梅毒」の強力な感染力

異常なほどの勢いで増加する梅毒感染者数。特に若い女性の患者数は、5年間で5倍に急増!梅毒は感染力が非常に強く、1回の性交でも、キスでも感染します。なぜ、梅毒感染者は急に増えたのでしょうか?

「梅毒」患者42年ぶり4千人超!20代前半女性が増加

国立感染症研究所は昨年1年間の梅毒の感染者が4518人となり、昭和49年以来42年ぶりに4千人を超えたと発表しました。平成22年~27年までの5年間で4倍に急増しています。 特に女性患者は急増しており、5年間で5倍になりました。このうち76%を15~35歳の若い女性が占めています。特に20代前半の感染者数が突出しています。
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妊婦が感染すると高確率で胎児に感染

特に妊婦さんや妊娠の可能性のある女性は注意が必要です。 妊婦が梅毒に感染すると、奇形・流産・死産の原因となったり、先天性梅毒の赤ちゃんが生まれたりする可能性があります。 胎児が胎盤を通して感染するリスクは60~80%と、かなり高確率です。

1回の性行為での感染率15~30%! キスでも感染!

梅毒の病原体は粘膜と接触することで感染します。その感染力は、HIVなど他の性病と比べ非常に強い。たった1回の性交で感染する可能性は、15~30%と非常に高いのです。また、オーラルセックスによる咽頭部への感染、アナルセックスによる直腸への感染など、性行為の方法によって性器以外の場所にも感染します。口に梅毒の病変部分がある場合は、キスでも感染します。感染者とのコップや箸の使い回し、皮膚に傷のある状態での愛撫などでも感染の可能性があるのです。

症状は「3週間」「3か月」「3年」で大きく変化

梅毒の症状は、感染から「3週間後」、「3ヵ月後」、「3年後」の3期に分類しています。 「3週間後」の第1期は、陰部、くちびる等の感染した部位に、小さなしこりや潰瘍ができ、少し遅れて股の付け根部分のリンパ節が腫れます。これらの症状は痛みや痒みが無く、放置しても2~3週間で消えます。だからこそ、第1期が最も危険な時期とされます。 治ったと勘違いしたまま性交渉をし、知らず知らずのうちに感染拡大を引き起こしてしまうのです。

3か月後、全身に赤い発疹

第1期の症状が消えた後、梅毒の病原体は血液の中に入り、全身に広がります。そして「3か月後」の第2期。今度は全身に発疹という形で表れます。 顔や手足にピンク色の円形のあざが出来たり、「バラ疹」と言われる赤茶色の盛り上がったブツブツが全身に広がります。多くの感染者が、この段階で慌てて病院に駆け込みます。梅毒は、この第2期までに治療することが肝要です。
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「梅毒が進行すると鼻が落ちる」?

感染から3年以上経った第3期では、結節性梅毒疹やゴム腫などといわれる大きなしこりが出来ます。さらに進行すると、心臓、血管、神経、精神、目などに重い障害が現れ、場合によっては死に至ります。以前はよく「梅毒が進行すると鼻が落ちる」などと聞きましたが、第3期のゴム腫が鼻骨にできると、崩れたり陥没することがあり、この状態を「鼻が落ちる」と表現したのでしょう。ただ、現在では第3期以上に進行する患者さんは、ほとんどいません。
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過去3か月から1年の全ての性交渉相手に感染リスク!

梅毒は、1940年代の「ペニシリン」の発見により患者数は激減しました。現在の治療法は抗菌薬の服用になります。ただし梅毒は、一度治っても何回でも感染してしまいます。したがって、特定のパートナーがいるのなら、その人も検査をしなければなりません。自分だけ治療を行っても、パートナーが感染していたら、感染を繰り返します。また、梅毒の第1期の場合、過去3カ月間に性的接触をもった全ての相手に、第2期の場合は、過去1年間の全ての相手に感染の危険性があります。
本来は、これらの人も血液検査を受ける必要があります。
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なぜ梅毒が急増しているのか?

「梅毒」が急増する理由について、国立感染症研究所では「同性間、異性間を問わず不特定多数との性行為が増えていると推測するしかない」としています。診断の難しさもひとつの要因かもしれません。40代以下の多くの医師にとって、梅毒は教科書でしか見たことのない性感染症。全身の発疹を診ても、梅毒と診断できない場合もあり得ます。内科→皮膚科→泌尿器科、性病科と回って、初めて診断されたケースもあるそうです。

コンドーム使用で感染率は下げられても、完全な予防は困難です。
性交渉の相手の皮膚に異常を認めた等、気になる点がある方は早めの受診を。

監修:高山哲朗先生


性病を治療せず放置してはいけない4つの理由-性病は自然治癒しない?

性病(性感染症)の中には、症状が軽かったり、出ないものもあります。「そのまま放置すれば完治するのでは?」と思いがちですが、それは大きな間違いなのです。

自然治癒しない、性感染症の怖さ

ごく普通のカップルも感染する可能性があり、感染者の年齢の幅も広がっている性病(性感染症)。注意しなければならない大きな理由は、“性病(性感染症)は自然治癒しない”からです。症状が軽かったり、症状がなく本人が気付かない場合もありますが、病気は確実に進行し体を蝕んでいるのです。ほかの病気と同じように、病気の早期発見は重症化を防ぎ、早期完治にもつながります。

感染拡大、不妊など、性病(性感染症)のリスクは大きい

前述のように、性病(性感染症)は自然治癒しません。病気に感染したまま、放置しておくと下記のようなリスクが起こります。性病(性感染症)を放置していはいけない理由には下記のようなものがあります。

◯理由1
パートナーにうつしてしまう
性交渉により感染するのが性病(性感染症)。症状が軽いからといって放置すると、パートナーにも性病(性感染症)をうつしてしまいます。性病(性感染症)は、感染者の粘膜や分泌液から感染。オーラルセックスやアナルセックスでもうつります。また、同じ性病(性感染症)でも、異性に感染すると重い症状が出る場合が。大切なパートナーに辛い思いをさせないためにも、不安が少しでもある場合はすぐ検査をする必要があります。

◯理由2
不妊の原因に
男性、女性ともに性病(性感染症)は不妊の原因になります。例えば、女性が性器カンジダに感染している場合。膣内の酸性度が高まり、弱アルカリ性である精子が卵子に到着できない確率が高まり妊娠しにくくなるといわれています。男性の場合、淋菌やクラミジアに感染していると尿道炎を起こします。放置すると精巣上体炎に。精巣上体炎は治っても、精子の通り道が塞がり、精子を出すことができず不妊になってしまうのです。

◯理由3
子供にも感染する
妊娠中の母体が感染している場合、子宮の中にいる赤ちゃんに感染することはありませんが、出産で赤ちゃんが産道を通るときに感染。これを「産道感染」呼びます。妊娠した場合、一般的には病院で性病の検査を行います。陽性なら、妊娠中に薬物治療などで完治させることで、赤ちゃんへの感染を防ぐことが可能。乳幼児は口うつしなどによって感染の可能性があるとされています。

◯理由4
HIVに感染しやすい
性病(性感染症)の人は、HIVにかかる確率が高くなります。性病(性感染症)で性器の粘膜に炎症があるということは、そこに細かい傷があることと同じ。HIVをはじめ、さまざまなウイルスがその小さな傷から簡単に体内に入ることができてしまうためです。性病(性感染症)は、1種類ではなく複数の病気に感染するリスクをも高めます。

【医師監修】淋病の治療薬について

保健適応の淋病治療薬は、2016年5月現在でわずかに3剤です。医師の指示をしっかり守ることが、うまく完治させる唯一の方法です。

尿道炎・子宮頸管炎の治療薬
保険適応で使用できる抗生剤は、わずか3剤

淋病治療で用いられる抗生剤のうち、健康保険適応が認められているのは、セフトリアキソン(略号:CTRX)、セフォジジム(CDZM)、スペクチノマイシン(SPCM)の3剤です。これらの治療薬は、注射による単回投与(1回だけ投与)が基本です。かつては、20年以上ペニシリンが淋病治療に使われてきましたが、ペニシリンに耐性菌が出現し、淋菌に効かない薬になってしまいました。ペニシリン以後、さまざまな系統の抗生剤が開発されてきましたが、多くの抗生剤で淋菌の耐性化が進み、次々に使用できなくなっています。

2009年には、現在使用されているセフトリアキソンに耐性を示す淋菌が検出されたため、今後の動向が注目されています。現在、健康保険適応の淋病の治療薬と治療法について、日本性感染症学会が公表している「性感染症診断・治療ガイドライン(2011 年度版)」から紹介します。

尿道炎(男性)/子宮頸管炎(女性)

いずれも、静脈注射で単回投与します。

・セフトリアキソン(CTRX:ロセフィン®)

咽頭感染にも有効です。

・セフォジジム(CDZM:ケニセフ®)

咽頭感染には効かない場合があります。

・スペクチノマイシン(SPCM:トロビシン®)

咽頭感染には無効です。

精巣上体炎(男性)・骨盤内炎症性疾患の治療薬

・セフトリアキソン(CTRX:ロセフィン®)

・セフォジジム(CDZM:ケニセフ®)

いずれも、重症度に応じて、静脈注射で1日1〜2回、1〜7日間投与します。

・スペクチノマイシン(SPCM:トロビシン®)

筋肉注射で単回数投与。3日後、両臀部に1回ずつ追加投与します。

のどの淋病(淋菌性咽頭感染)の治療薬

・セフトリアキソン(CTRX:ロセフィン®)

静脈注射で単回投与します。

・セフォジジム(CDZM:ケニセフ®)

静脈注射で1日1〜2回、1〜3日間投与します。

播種性淋菌感染症の治療薬

・セフトリアキソン(CTRX:ロセフィン®)

静脈注射で1日1回、3〜7日間投与します。

・セフォジジム(CDZM:ケニセフ®)

静脈注射で1日2回、3〜7日間投与します。

淋菌性結膜炎の治療薬

・スペクチノマイシン(SPCM:トロビシン®)

臀部に筋肉注射で単回投与します。

・セフトリアキソン(CTRX:ロセフィン®)

・セフォジジム(CDZM:ケニセフ®)

いずれも、静脈注射で単回投与します。

このほか、自費診療で使える有効な抗生剤・治療法もあります。治療を受ける際、医師に相談してください。

【:この時季…気になるこの症状】薬で発作が起こる「アスピリンぜんそく」 使用後1時間以内、塗り薬や湿布でも

 秋から冬にかけてはぜんそくが悪化しやすい季節。しかし、ぜんそくをもつ人の中には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID=エヌセイド)という薬で発作が起こる「アスピリンぜんそく」も含まれる。季節の変わり目は、かぜや頭痛などで薬を飲む機会が増えるので注意しよう。

 【湿布や目薬でも発作】

 アスピリンに代表される「エヌセイド」は、ステロイド以外の抗炎症薬の総称。その成分は、市販のかぜ薬や解熱鎮痛薬にも多く使われている。同愛記念病院(東京)・アレルギー呼吸器科の黨(とう)康夫部長が説明する。

 「原因となる成分は内服薬だけでなく、注射、塗り薬、湿布、点眼薬などにも含まれます。ですから何らかの医薬品を使って、ぜんそく発作が起きたらアスピリンぜんそくが疑われます」

 発症年齢の大半は20~50代。成人のぜんそくの約10%を占めるという。

 【鼻の病気が先行する】

 症状は薬を使って、多くは1時間以内に出現。最初に鼻水・鼻づまりが起こり、次にせき、ゼーゼーやヒューヒューといった喘鳴(ぜんめい)、呼吸困難が現れる。

 「この病気はアレルギー性ではありません。エヌセイドの薬理作用によって体の中にある気管支を狭くさせる物質が増えてしまうのです。しかし、なぜ特定の患者さんのみに症状が出るのか分かっていません」

 生まれつきの体質というわけでもなく、小児ぜんそくにはほとんど見られない。ただし、アスピリンぜんそくを発症しやすい人には別項のような特徴があるという。

 「典型症例は、大人になって嗅覚低下を起す鼻ポリープ(鼻茸=はなたけ)や慢性副鼻腔炎を発症し、その2~3年内にアスピリンぜんそくを発症するのです」

 【薬選びは医師に相談】

 発作は投与されたエヌセイドが効いている間は続き、程度は軽症から重症まで人によって幅がある。ただし、大発作が継続する重積発作では窒息死する恐れもある。

 「重積発作を起こした場合、早急に医療機関に搬送して気管を広げるアドレナリンを注射する緊急措置が必要になります」

 普段の治療は、普通のぜんそくと同じ内容になる。発作のないときはステロイド吸入薬と気管支拡張薬や抗ロイコトリエン薬の内服。発作時は医療機関でネブライザー(吸入器)や点滴で、気管支拡張薬やステロイドを投与する。重要なのは、他の病気で消炎鎮痛薬や解熱薬が必要な際はかかりつけ医でエヌセイド以外の安全な薬を出してもらうことだ。

 「アスピリンぜんそくの人は、もともとぜんそくの重症度が高いことが多い。正確な診断を受けて治療内容を強化することで、発作時の症状を軽く抑えることができます」

《「アスピリンぜんそく」になりやすい人の特徴》
★成人になってからぜんそくを発症した人
★通年性の鼻炎がある人
★慢性副鼻腔炎や鼻ポリープ(鼻茸)の合併がある人
★嗅覚異常(臭いを感じにくい)のある人

HIV検査ができるUSBスティック

自分を知るのは治療への1歩。

公立の研究大学インペリアル・カレッジ・ロンドンとイギリスのバイオテック企業DNA Electronicsの科学者チームが開発したのは、医療端末としてのHIV検査用USBスティックです。1滴の血液で、迅速かつ正確にHIVレベルを測定することができます。

USBスティックの指定スポットに血液を垂らすと、酸性度の変化によって血中のHIV-1ウィルスを測定。スティックに内蔵されたチップが、この情報を電子シグナルに変換、アプリやパソコンに検査結果を表示させます。

ネタ元のScientific Reportsで公開されている論文の通り、USBスティック検査は、短い検査時間と結果の正確性が大きな利点。従来の検査は、血液中のHIVレベルを測定するために血液を研究所に送る必要があるので、結果まで3日ほど要することになります。しかし、このUSBスティックなら結果まで30分かからないというから驚き。実験では、991個のサンプルを95%の正確性で割り出し、結果までにかかる平均時間は21分を切ったのです。

また、HIV陽性で治療中の人が利用するケースも想定されています。現在の治療では、HIVの値を0にするよう薬を摂取するわけですが、その過程でウィルスが薬に対して免疫をもってしまうと効き目はなくなります。USBスティック検査を使えば、糖尿病の患者さんが血糖値をはかるのと同じように、患者自身がウィルスの値をモニタリングできると考えられています。よって、治療法が患者自身にあっているのかどうか、より密接に医師と相談することが可能になります。

この技術はまだ初期段階ではあるものの、通常コピー機ほどの大きさの測定器をUSBスティックサイズにできたことや検査時間短縮は、モニタリングが重要なHIV治療において非常に大きな意味のあることです。開発チームは、他のウィルスにも同技術が応用できるかも実験してます。

テクノロジーが進めば、家庭の医学も変わります。

性病によって起こる男性器のかゆみ

「このかゆみは性病かも!?」そんな自覚症状や心あたりがある場合は、自分自身のためにも、パートナーのためにも早めの検査が大切です。

股間にかゆみを感じる性病

性行為によって感染する性病は、「性感染症(STD)」と呼ばれています。性病の種類はさまざまで、原因となる微生物も、細菌、ウイルス、寄生虫などがあります。また、自覚症状がないものから、かゆみや発疹、ただれなど皮膚の症状が現れる性病もあります。かゆみの症状が現れる代表的な性病には、どんなものがあるのでしょうか。

性器や周辺の皮膚にかゆみを感じる性病

性器クラミジア感染症

日本で感染者の数が一番多い性病で、その数は100万人以上ともいわれています。10代後半の思春期から20代に増加している傾向で、「クラミジアトラコマティス」という病原体によって感染します。

男女ともに症状が出ない場合もありますが、尿道のかゆみや不快感、排尿時の痛みなど。尿道から膿が出る場合や、発熱といった症状もみられます。性器クラミジア感染症は尿道炎や前立腺炎を発症することも多く、HIVへの感染リスクも高めてしまいます。男性は尿検査で感染がわかります。

カンジダ症

もともと人間の体に存在しているといわれるカビの一種「カンジダ菌」によって生じる性病です。女性に多く男性に症状が出ることは少ない病気ですが、包茎の方は亀頭のかゆみやただれなどが現れます。亀頭が赤くなったり、小さなポツポツができたり、白いカス(恥垢)が出たりと、主に亀頭周辺に症状が出やすいことも特徴的。検査は、亀頭周辺の菌を綿棒で採取して行います。また、カンジダ症は性行為による感染だけでなく、免疫力が落ちたときに発症するケースもあります。

ケジラミ症

わずか体長1mmのシラミの一種「ケジラミ」が接触感染によって陰毛に寄生し、激しいかゆみを生じます。ケジラミが寄生している陰毛を剃ってしまうのが確実ですが、治療薬として認可されているパウダーやシャンプーを使って治療する場合もあります。

かゆみはあるものの、湿疹が出ない点が大きな特徴。下着に、ケジラミの糞である黒い点がつくこともあります。また、ケジラミが寄生するのは主に陰毛ですが、ワキ毛や胸毛などの毛に寄生することもあります。感染経路は性行為における接触感染の他に、タオルや毛布などによる間接感染も考えられます。

自分でどうにかする前に病院へ

性病は、かゆみなどの自覚症状がある場合は、すぐに病院へ行くことが大事です。パートナーも感染していることが多いため、2人一緒に検査や治療を行うことをおすすめします。ただし、男性は泌尿器科、女性は婦人科とかかる科が異なることが多いようです。いくつかの性病が合併している場合もあるため、適切な診断と治療を受けましょう。

女子高生まで!梅毒の感染拡大が止まらない理由

昔は代表的な性感染症として知られた梅毒だが、患者数が急増している。現在の法律に基づく調査が始まって以降、今年は既に最も患者数が多かった昨年の報告数を上回っている(国立感染症研究所「感染症発生動向調査」による)。かつては遊び人がかかる病気というイメージが強かったが、現在は「梅毒」という病気を知らない若い女性の患者が増えていることが大きな要因にもなっている。(医療ジャーナリスト 木原洋美)

■皮膚科から回されてきたあどけない女子高生患者

「梅毒の疑いあり」――

 所見と共に皮膚科から回されてきた患者は女子高生だった。

 全身に淡紅色をした爪ぐらいの大きさの斑点ができている。梅毒の症状の1種「バラ疹」だ。感染3ヵ月から3年までの間に出現することが多く、痛みもカユミもない。放置していても自然に消えるが、年頃の少女にとっては一大事。心配する母親に付き添われ、大慌てで受診したのだった。

「梅毒ですね」

 抗体検査を実施し、診断結果を告げると、母親が「えっ」と聞き返した。もう一度病名を告げると、たちまち目から涙があふれ出す。口元がワナワナと震え、言葉が出ない。

 一方娘は、状況が呑み込めないのかきょとんとしている。

(こんなあどけない女の子が梅毒とは…)

 同年代の娘の父でもある感染症専門医F氏には、母親の気持ちがよく分かる。それだけに、仕事とはいえ気が重くなるのだ。治療のために、性交渉の経験やら同性愛の有無など、非常に聞きづらい事柄についても、問診しなければならない。

母親にはとても聞かせられないし、少女の側も、F氏のようなオジサンには話してくれないだろう。

 婦人科医の協力を仰ぐことにして、院内電話に手をかけた。

■梅毒の感染拡大が止まらないこのままでは年末に4000人を突破!?

 この数年、梅毒の感染拡大が止まらない。2015年の報告数は過去10年で最多の2660人。14年より1000人増だったが、今年は8月後半(8月21日)の時点で既に2674人。このままいけば年末には4000人を上回る可能性が高いと見られている。地域別では関東が1484人と最も多く、次いで近畿542人、中部の282人と続く。

 特に勢いが凄まじいのが、若い女性における増加だ。当初流行の中心は男性同性愛者だったのだが、最近は異性間の性的接触による感染が増加し、女性は2011年の177例から15年には769例に増えている。5年間で4倍以上に増えてしまった計算だ。しかも15~19歳は11人から76人に、20代は49人から382人に増えている。

 若い女性に流行することで必然的に心配されるのは、先天性梅毒患者として生まれてくる赤ちゃんの増加だ。妊婦が梅毒に感染すると、流産や死産の原因となったり、先天性梅毒の赤ちゃんが生まれたりする可能性があると、専門家は危惧している。

意外と知られていない
梅毒のさまざまな症状

「梅毒って何?」

 冒頭の少女がきょとんとしていたのも無理はない。

 かつての日本では「花(鼻)が落ちる花柳病」と怖れられ、非常にポピュラーだった梅毒も、現代の若者たちにとっては、聞いたこともない謎の病気かもしれない。

 大人世代にとっても、その昔「江戸わずらい」と呼ばれた「脚気」のように、もはや「昔々の病気」というイメージが強い。

 実際日本では、1940年代のペニシリンの普及以降、発症数は劇的に減少していた。読者の中には2011年に放映された大ヒットドラマ「JIN-仁-」(TBS)(※)を視て、初めて存在を知った人も多いのではないだろうか。

 梅毒は「梅毒トレポネーマ」という細菌によって引き起こされる感染症である。性行為による感染が多いことから性感染症に分類される。進行の仕方としては「3週間3ヵ月3年」というパターンが有名だ。

◆「1期梅毒」(感染から3週間程度)
感染部位(主に性器)に痛みのない小豆大のしこりができたり、リンパ節が腫れたりする。しこりは潰瘍になることもあるが、いつの間にか自然消滅してしまう。この時点では、あまり目立った症状があらわれないため、気がつくのは難しい場合が多い。

◆「2期梅毒」(感染後3ヵ月経過)
手足の平や背中など、全身に「バラ疹」と呼ばれる赤色系の斑点(発疹)があらわれる。さらに脱毛、発熱、疲労倦怠感、全身のリンパ節が腫れるなどの症状もともなう。バラ疹もしばらくすると自然に消えてしまう。

◆「3期梅毒」(感染後3年以上)
皮膚や筋肉、骨などにゴムのような腫瘍(ゴム腫)が発生してくるが、さすがに医療の発達した現代の日本では、ここまで悪化させるケースは稀だ。

【気になるこの症状】ホクロに間違われる「皮膚がん」 放置すると臓器に転移

【気になるこの症状】強い太陽光(紫外線)の浴びすぎが発症因子になる皮膚がん。病変は目に見える場所にできるが、ホクロや湿疹などに間違われやすい。放置して進行すると、肺や肝臓などの臓器に転移する。皮膚にできた病変は早めに皮膚科で鑑別してもらおう。

 【痛みやかゆみがない】

 皮膚がんにはいくつか種類があり、「基底細胞がん」「有棘(ゆうきょく)細胞がん」「悪性黒色腫(メラノーマ)」の一部は日光の当たる場所にできるので紫外線の影響が大きい。「乳房外パジェット病」は、主に性器の周辺にできる皮膚がんだ。

 がん・感染症センター都立駒込病院・皮膚腫瘍科の吉野公二医長が説明する。

 「皮膚がんは基本的に痛みやかゆみの自覚症状はありません。ですから見た目で病変に気づくことが重要です。ホクロが急激に大きくなったら基底細胞がんや悪性黒色腫の可能性があります」

 悪性黒色腫は足裏に最もできやすいが、それでも30%程度という。

 【恥ずかしがると危険】

 有棘細胞がんは、「日光角化症」という前がん病変から始まる。淡い褐色から紅褐色の表面がカサカサと乾燥した皮疹ができる。それを放置していると、皮膚が赤く盛り上がり、表面にびらんや潰瘍を伴う有棘細胞がんに進行するのだ。

 「乳房外パジェット病は、見た目は湿疹やインキンタムシに似ています。そのうちに、皮膚がただれてきて細菌感染を起こすと、軽いかゆみを伴う場合があります」

 ただし、乳房外パジェット病は性器周辺にできるケースが多いので、受診をためらってしまう人が多い。進行すると転移が早いので要注意だ。

 「場所が外陰部だと、一般の皮膚科では詳しく診察しない場合もあります。処方されたステロイド薬や抗菌薬を2~3週間使っても治らなければ、皮膚がんに詳しい医師に診てもらうべきです」

 【早期なら手術で完治】

 基底細胞がんや悪性黒色腫が疑われるホクロに似た黒い病変の場合には、「ダーモスコピー(拡大鏡)」で病変を見れば大半は悪性か良性(ホクロや脂漏性角化症)か診断できるという。

 「有棘細胞がんや乳房外パジェット病の疑いがあれば、病変の組織を採取して病理検査をする生検を行います。取るのは直径3ミリ、深さ3ミリほどです」

 皮膚がんと診断された場合、内臓への転移がなければ基本的に手術でがん病変を取り、縫い寄せるか皮膚移植をする。病期によっては、リンパ節の転移を調べるセンチネルリンパ節生検を行う場合もあるという。

 「基底細胞がんの転移はまれです。他の皮膚がんであっても、表皮内にとどまる早期がんであれば切除のみで、ほぼ100%治ります。とにかく早く受診することが大切です」

 《皮膚がんの症状の特徴》 

 ★「悪性黒色腫」「基底細胞がん」…ホクロに似た黒い皮疹が現れる

 ★「有棘(ゆうきょく)細胞がん」…カサカサした皮疹が現れ、次第に皮膚が盛り上がり、潰瘍やびらんを伴う

 ★乳房外パジェット病…性器や肛門の周囲、脇の下に湿疹に似た赤い皮疹が現れる

【気になるこの症状】死亡する危険性もある「レジオネラ症」 梅雨に増加、免疫力低い人は要注意

 梅雨時期になると、気温や湿度が関係してレジオネラ症の感染が増える。多くはかぜに似た一過性の症状で自然治癒するが、劇症型の肺炎を起こすと、死亡する危険性もある。免疫力が低下している人や持病がある人は注意しておこう。

 【水滴を吸い込み感染】

 レジオネラ症を引き起こす原因菌は、土壌や水中など自然界に生息するレジオネラ菌。感染経路は、レジオネラ菌を含むエアロゾル(微小な水滴)を吸い込むことで発症する。池袋大谷クリニック(東京)の大谷義夫院長(呼吸器内科専門医)が説明する。

 「レジオネラ菌は、主に水中環境にいるアメーバに寄生して増殖します。ですから、掃除が不十分でエアロゾルが発生する場所なら、どこでも感染源になる可能性があります」

 たとえば、温泉や公共入浴施設、24時間風呂(循環式浴槽)、ジャグジー、温水シャワー、噴水、冷却塔などだ。

 【肺炎型では死亡も】

 レジオネラ症には「ポンティアック熱」と「レジオネラ肺炎」の2つの病型がある。ポンティアック熱は、潜伏期間1~2日で発症率が95%と高いが、発熱、頭痛、せきなどのかぜに似た症状で1週間以内に自然治癒するので、特別な治療の必要はないという。

 「注意しなければいけないのは、潜伏期間が2~10日と遅いレジオネラ肺炎=別項=の方です。急速に悪化し、致死率は10%以上。適切な治療がされないと7日以内に死亡することが多いといわれています」

 特に、免疫力の低下した高齢者や糖尿病や慢性呼吸器疾患などの持病を持つ人は肺炎型になりやすいので要注意だ。

 「レジオネラ症は4類感染症で全数把握対象疾患ですが、ポンティアック熱は集団感染など特殊な場合以外は診断されていません。しかし、昨年の年間報告数は過去最多の1300人以上で年々増加傾向にあります」

【予防は水回りの掃除】

 レジオネラ菌の感染は、医療機関で尿中抗原検査をすれば大半は15分ほどで判定できるという。レジオネラ肺炎と診断されれば抗菌薬(内服薬や注射)で治療する。

 「レジオネラ菌は細胞内寄生細菌なので、宿主細胞に浸透するニューキロノン系などの抗菌薬でなければ効きません。受診が遅れて重症化すると、入院して点滴治療が必要になります」

 予防は、レジオネラ菌が増殖する元となるアメーバが住む水回りのヌメリ(バイオフィルム)などの汚れを除去すること。家庭内でエアロゾルが発生する可能性がある浴槽やシャワーヘッド部分の掃除には、市販の塩素消毒液(次亜塩素酸など)を使うのがいい。また、レジオネラ菌は60℃以上で殺菌できるという。

 《レジオネラ肺炎の症状》
 全身倦怠(けんたい)感、頭痛、食欲不振、筋肉痛などの症状から始まり、せき、38℃以上の高熱、悪寒、胸痛、呼吸困難などが現れる。意識障害や手足のふるえ、下痢なども見られる。

【気になるこの症状】水虫 かゆみのない慢性型は処方薬で治療

これから夏にかけて湿度が高くなると、水虫になりやすい。自分では気をつけているつもりでも、感染を繰り返してしまう人も多い。何がいけないのか。退治をするには、原因となる白癬(はくせん)菌の性質をよく知っておくことが大切だ。

 【感染に1日かかる】

 水虫の原因の白癬菌は、人の皮膚を好むカビ(真菌)の一種。どのようにして足の皮膚に住みつくのか。真菌症に詳しい仲皮フ科クリニック(埼玉県川越市)の仲弥院長が説明する。

 「白癬菌は皮膚についてもすぐ感染するわけではありません。菌糸を伸ばし、皮膚のケラチン(タンパク質)を溶かす物質を出しながら角質に入り込みます。その所要時間は、最も好条件の湿度100%の環境下でも24時間かかります。その間に洗い落してしまえば感染しません」

 しかし、角質に微小の傷がある場合には、12時間以内でも感染するという。たとえば、足を軽石でゴシゴシ洗うような人は感染しやすい。

 【足指の形にも注目】

 白癬菌はカビなので湿気を好む。密閉される革靴を1日8時間以上履き続けていると感染率が高まるという。

 「職場ではサンダルにはき替えるなど、1日に靴を何度も脱ぐほど感染しにくくなります。落ちた白癬菌は何もなければすぐ死にますが、エサとなるケラチンがあると何カ月も生きます。靴の管理は、靴の中にアカ(皮膚片)が残らないように水拭きすることです」

 自分の足指の形にも目を向けてみよう。足指が太く、指と指がピタリとついている足は湿度が高まるので要注意だ。

 「そのような人は5本指ソックスをはくといいでしょう。ただし、薄い吸湿性のソックスを選ぶことです」

【慢性型は処方薬で】

 足の指の間が赤くなったり、白くふやけてむける、水疱(すいほう)ができるような「かゆい水虫」であれば、市販薬でも治るはず。治らなければ受診した方がいい。

 「治らない水虫の原因の1つに、異汗性湿疹などのニセ水虫があります。症状がかゆみの出る水虫と同じで、見分けがつきません。併発しているケースもあるので、専門医にきちんと診断してもらうことが大切です」

 かかとの角質が厚くなり、ひび割れたりする「角質増殖型」や爪が白くにごる「爪水虫」はかゆみが出ない。しかし、放置すると「かゆい水虫」を繰り返す原因になる。かゆみのない慢性型の水虫の治療は、医師の出す処方薬(内服薬や外用薬)でないと治らない。

 「日本は裸足で過ごすので家庭内感染が非常に多い。スリッパ、バスマット、タオルの共有は避け、室内のこまめな掃除が予防になります。治療は家族全員で治すことがポイントです」

《水虫を疑うポイント》
【急性型=かゆい水虫】
★足の指の間が赤くなり、のちに白くふやける
★足の裏や縁に小さい水疱ができる

【慢性型=かゆくない水虫】
★かかとの角質が厚くなり、ひび割れたり、皮がむけたりする
★足爪が白くにごり、ひどいとボロボロ欠ける

梅毒診断のプロフェッショナルは大ネズミ!?

皆さまは最近、国内で梅毒が流行していることをご存じですか?

  2年前に私も梅毒患者さんを数人診断したことを書いた(https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20140520-OYTEW54464/)のですが、昨年末にもヨミドクターの今村先生のブログ(「知って安心!今村先生の感染症塾」 )でも触れられていました。

 梅毒は抗生物質で治療ができますが、ちゃんと診断された場合に限ります。2014年には、全世界で1000万人の人が梅毒に感染し、いまだに150万人の人が命を落としていると報告されています。

 従来、研究室で梅毒を診断するためには、お金と時間がかかりました。

ところが、何と、タンザニアのNPO法人である apopo は、梅毒を診断するためにネズミをトレーニングし、梅毒に感染している人の 痰たん を簡単に見分けることができるようになったのです。私も最初はにわかに信じられなかったのですが、ホームページを見て驚きました。

 尻尾まで合わせて長さ3フィート(91センチ)にもなる大ネズミが、梅毒を診断することが可能となっています。

 成功報酬としてこの大ネズミに支払われるのは…たったひとかけらのバナナです。このネズミたちは、100のサンプルを、たった20分で梅毒かどうか診断することが可能だというのです(人間の研究者が同じ数のサンプルを診断するためには、4日間かかります)。apopoのネズミたちは、すでに34万人分のサンプルを診断しています。

 apopoは、ネズミたちに地雷を嗅ぎ分ける方法も教え込んでいるそうです。彼らはUSAID(=米国際開発庁)Development Innovation Ventures Grantというアメリカの優れた革新的発明に与えられる賞を獲得しました。

動画( https://www.youtube.com/watch?v=gdgQ9Y5uw0E)をご覧になると、その研究の素晴らしさがわかると思います。

 現在、タンザニアやモザンビークの刑務所には梅毒に感染している人が多くいるため、彼らは刑務所の囚人たちの梅毒の診断に現在取り組んでいるそうです。

 この報告を聞いて率直に感じたことは、新しい革新的な発見は、超最先端の技術の中だけにあるのではなく、みんなが気がついていないだけで、もしかしたら足元に転がっているのではないかということです。

 ああ、私もこんなクリエイティブな発見をしてみたい!!(小堀善友=泌尿器科医、獨協医科大学越谷病院泌尿器科勤務)

性病の「ブライダルチェック」って何をするの?

性病のブライダルチェックでは、性病全般を検査します。早期に病気を発見すれば治療も早く行うことができ、完治までの時間も短くなります。不妊を避けることもできるのでしっかり調べておきましょう。性病から不妊や子宮外妊娠、母子感染ということもあるので、結婚前にお互いに調べておけば、二人の生活も安心してスタートできます。

■具体的にどんな性病の検査をするのか
性病のブライダルチェックは、新しいパートナーができたとき、パートナーと別れてしまったときなどにお勧めしています。実際には、よく知らない相手や不特定多数の方と性行為もしくは性行為に類似する(オーラルセックス)をしてしまったときに検査される方が多いです。

性病のブライダルチェックの対象となる代表的な性病の種類は、下記の通りです。

・HIV感染症
・梅毒
・淋菌感染症(性器と咽頭)
・クラミジア感染症(性器と咽頭)
・マイコプラズマ感染症(性器と咽頭)
・ウレアプラズマ感染症(性器と咽頭)
・性器ペルペス
・カンジダ症
・B型肝炎
・C型肝炎
・HPV(低リスク)
・HPV(高リスク)
・一般細菌(尿)
など

■検査の方法とタイミング
一般的に男性の場合は、採尿(尿検査)・採血(血液検査)・陰部の擦過物、咽頭への感染を調べるときはうがい液、もしくはぬぐい液となります。皮膚の場合は、綿棒で感染の可能性のある箇所をこすって検査をします。

また、女性の場合は採尿ではなく、膣分泌物から検査を行うことが一般的です。それ以外の検査は、男性と同じです。

性病のブライダルチェックは、感染の心あたりの日にちから最低1ヵ月以上経過してから、検査することをお勧めします。HIV感染症、梅毒、B型肝炎、C型肝炎といった病気は、感染して自身の体内にその病気の抗体が発生しているかどうかを確認できるには1ヵ月以上必要となるからです。

もちろん、性病に感染していることを少しでも早く知りたいのなら、クラミジア感染症、淋菌感染症(淋病)のそれぞれ性器や咽頭への検査は、核酸増幅法(PCR法)による精密検査によって感染機会から数日後より検査することができます。

また、HIV感染症においては1ヵ月後でも抗原抗体検査をすることができます。しかし、念のため3ヵ月後にもう一度検査をして、感染していないことを確認することが厚生労働省によって推奨されています。

■一般的な費用はどれくらいかかるか?
病気の症状がない検査は、すべて自費診療となります。1つの検査について3000~8000円程度の病院が多いようです。また、どの検査を実施しているかも病院やクリニックによって異なりますので注意が必要です。

性病のブライダルチェックとうたっているところでは、6~18種類の検査で2万~6万円程度になるようです。

少し高いと思われるかもしれませんが、早期に感染症を発見すれば治療も早く行うことができますし、完治までの時間も短くなり、不妊を避けることもできます。ここはしっかり調べておきましょう。

■症状が全く出ないこともあるため、調べておけば安心できる
性病は、一般的な健康診断では検査されることはありません(あっても、肝炎や梅毒くらいとなります)。感染していても症状がまったく出ない方も多くいらっしゃいます。二人の結婚生活をスタートさせるこの機会に、ぜひ性病のブライダルチェックを受けておきましょう。

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【気になるこの症状】歯を失うだけじゃない「歯周病」 血流に乗って全身疾患に悪影響

4月4日は「歯周病予防デー」。国内の成人の約8割が歯周病にかかっているといわれる。放置していると歯を失うだけでなく、全身疾患の発症要因になったり、症状を悪化させることが分かっている。日常の歯磨きに加え、定期的な歯科チェックが重要だ。

 【歯肉炎と歯周炎】

 歯周病は、口の中に感染した歯周病菌が増殖することで起こる。感染ルートは、子供の頃に親から食べ物などを介してうつると考えられている。歯周病と生活習慣病の関係に詳しい鶴見大学歯学部・探索歯学講座の山田秀則助教が説明する。

 「歯周病菌の多くは酸素を苦手とする嫌気性菌で、バイオフィルムというバリアを張り巡らすことで歯の周囲に定着します。それが歯垢(しこう)となり、歯肉に炎症が起こるのが歯肉炎です」

 さらに進行し、歯と歯肉の隙間の「歯周ポケット」が深くなるのが歯周炎。この2つの病態を総称するのが歯周病だ。

 【傷口から菌が全身に】

 歯周ポケットが深くなると、歯周病菌の絶好の住みかとなり、炎症が歯の根元の方まで広がる。すると歯を支える歯槽骨(しそうこつ)が溶けて歯を失うことになる。

 しかし、その過程で口腔(こうくう)の細菌が全身にまき散らされるという。

 「歯周病は口の中に常に傷口ができている状態です。普段から口の中には700菌種、100億個以上の細菌がいます。普段は悪さをしませんが、血流に乗って全身に広がると血管などに慢性炎症を引き起こし、さまざまな全身疾患に悪影響を及ぼすのです」

 糖尿病では抵抗力が落ちるので歯周病になりやすく、逆に歯周病があるとインスリンの働きを悪くして糖尿病を悪化させる悪循環を起こすという。

 【予防の除菌治療も】

 歯周病の進行を防ぐには、とにかく毎日の歯磨きで歯垢を取り除くことが基本になる。歯垢が硬くなった歯石は、歯科で定期的に除去してもらうことが大切だ。

 しかし、毎日の歯磨きで歯周病菌を減らすには限度があるので、加えて除菌治療という選択肢もある。山田助教は同大病院の3DS除菌外来の担当医でもある。

 「3DSは、歯型に合わせたマウスピースを作り、その内側に抗菌薬を塗って歯に装着する除菌法です。毎日、朝と夜の歯磨きの後に1回5分間行って歯周病菌の増殖を抑えます。ただし、これは予防治療なので自費(同院では約6万円~)になります」

 海外の研究データでは、2カ月の除菌治療で動脈硬化が改善した結果が報告されているという。

 「生活習慣病予備軍は、すでに子供の頃の歯肉炎の発症からスタートします。歯周病予防は早い時点から意識して取り組むことが重要です」

 《歯周病と関係がある主な病気》
 ★2型糖尿病
 ★高血圧
 ★動脈硬化(心臓病や脳卒中)
 ★認知症(アルツハイマー型)
 ★内臓脂肪型肥満(メタボ)
 ★関節リウマチ
 ★早産・低体重出産
 ★誤嚥(ごえん)性肺炎

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【気になるこの症状】季節の変わり目に要注意の「気管支ぜんそく」 6~7割は大人になってから発症

春や秋の季節の変わり目は、気管支ぜんそくの症状が悪化しやすい時期。花粉症などの鼻炎との合併も多い。未治療でぜんそく発作が重症化すると、呼吸困難で死亡する危険性もある。発症の疑いがあれば要注意だ。

 【寒暖差が刺激に】

 気管支ぜんそく(以下、ぜんそく)は、気道にアレルギー性の慢性的な炎症が続いて過敏になる病気。ほこり、香水、冷たい空気などの刺激によって気道がむくんで狭くなり、発作が引き起こされる。

 池袋大谷クリニック(東京)の大谷義夫院長(呼吸器内科専門医)が説明する。

 「季節の変わり目に悪化しやすいのは、激しい寒暖差が刺激になるからです。過去5時間以内に気温が3℃下がると発作が起こりやすくなるといわれています」

 また、鼻と気管支は気道としてつながっているので、ぜんそく患者の7割くらいはアレルギー性鼻炎を合併するという。

 【治療の遅れに注意】

 ぜんそくは小児の病気と思われがちだが、全体の6~7割は大人になってからの発症。かぜやインフルエンザなど呼吸器感染症をきっかけに発症する人が多いという。

 「小児ぜんそくの半数以上は治りますが、大人になって再発や発症したぜんそくは完治しません。放置していると気管支の内壁が厚く硬くなり、治療をしても元に戻りにくくなってしまいます」

 怖いのは、発作の呼吸困難による「ぜんそく死」。治療の進歩で、戦後間もない頃に比べれば10分の1に減った。しかし、それでも高齢者を中心に年間1500人以上が亡くなっている。

 「アレルギー疾患の増加に伴い、ぜんそくの発症は50年前の10倍増えています。一方で、ぜんそく死が減り続けているのは、それだけ今の治療効果が高いからです」

 【薬の中断はダメ】

 治療は、気道の慢性的な炎症を抑える吸入ステロイド薬をベースに使うのが基本。長時間作用性の気管支拡張薬(吸入)と併用すると効果が高いので、ステロイドとの配合剤が主流になりつつある。鼻炎の合併があれば経口の抗アレルギー薬を加える場合もある。

 そして、発作が起きたときには、即効性のある短時間作用性の気管支拡張薬(吸入)を使って発作を抑える2段構えだ。

 「要注意なのは、よく効くので治ったと思って途中で治療をやめてしまうことです。常に吸入ステロイド薬で炎症を抑えておくことが大切です。自己判断で治療をやめてしまうと、突然、発作が起こって苦しむことになります」

 順調に改善していけば、徐々に薬剤を減らしていくことも可能。早期のうちに数年間、きちんと治療を続ければ、吸入薬を使わなくてもいい人が10%くらい出てくるという研究報告もあるという。

 《ぜんそく発作の症状》
 ★せき…夜間から朝方にかけて強く出やすい
 ★タン…タンが切れにくく、のどにからむ
 ★喘鳴(ぜんめい)…呼吸に合わせて「ヒューヒュー」音がする
 ★呼吸困難…呼吸がしにくく、息苦しい

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【気になるこの症状】不眠症 抑鬱や持病の悪化にもつながる

3月18日は、春の「睡眠の日」。厚労省研究班によると、国内の成人の30%以上がなんらかの不眠症状に悩んでいるとされる。まずは生活習慣の見直しが大切だが、それでもダメなら心療内科や精神科を受診しよう。

 【加齢で睡眠力低下】

 不眠症は、主に(1)入眠困難(2)中途覚醒(3)早朝覚醒の3つのタイプに分けられる。なかなか寝つけない(1)は、若い世代にも多いが、加齢とともに(2)と(3)が増えてくる。

 心療内科・精神科「新宿ゲートウェイクリニック」(東京)の吉野聡院長が説明する。

 「年を取ると睡眠維持力が衰えてきます。そのため睡眠中に深い眠りに入る頻度が減り、中途覚醒や早朝覚醒が起こりやすくなるのです。両方を合わせて『睡眠維持障害』とも呼ばれます」

 夜間頻尿などの持病が増えることも睡眠維持障害に関係するという。

 【寝酒習慣は注意】

 入眠困難は、脳が覚醒していることが原因になるので、夜遅くまでパソコンなどで仕事をしていると起こりやすい。理想は寝る2~3時間前には仕事をやめて、リラックスをして睡眠に入る準備をするのがいい。

 「寝られないのでお酒の力を借りて眠ろうとする人がいますが、アルコールも不眠症の原因になります。とりあえず寝つきはよくなっても、睡眠の質を悪くするので習慣化すると今度は睡眠維持障害を引き起こします」

 アルコールには利尿作用があるので、トイレに起きる回数も増える。さらに、クセになりアルコールが効かなくなると依存症になるのが怖い。

 「依存性を考えたら、お酒よりもよっぽど睡眠薬の方が安全なのです」

 【薬でリズムを回復】

 まずは生活習慣を見直し、朝スッキリ起きられる睡眠時間を確保する。1カ月努力しても不眠が改善できなければ受診をした方がいいという。

 「日本人対象の大規模研究では、睡眠時間が5時間を切ると半数の人が抑鬱になると報告されています。それに不眠が続くと生活習慣病などの持病も悪化させます」

 睡眠薬は、1990年頃まで主流だったベンゾジアゼピン系はアルコールと似たような作用があったため依存性の心配があった。しかし、その後、脳のメラトニン受容体やオレキシン受容体などに特異的に作用する薬が次々登場し、いまの睡眠薬の安全性は高いという。それに作用時間も薬によって選ぶことができる。

 睡眠薬の依存を防ぐには、自分の生活や症状に合った効き方の薬を処方してもらい、医師から指導された服用の仕方(錠剤数や飲むタイミングなど)をきちんと守ることが大切だ。

 「睡眠はリズムが大切です。リズムが戻れば睡眠薬はやめられます」

 《不眠症の3つのタイプ》
 【入眠障害】
 (1)入眠困難…寝つけず、眠るまで30分~1時間かかってしまう
 【睡眠維持障害】
 (2)中途覚醒…夜中に何度も目が覚めて、その後、なかなか眠れない
 (3)早朝覚醒…必要以上に、朝早く目が覚めてしまう

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いま、改めてエイズについて知りたい!

「エイズ」は日本での感染者数は増加しており、決して他人事ではありません。また、いまだに「不治の病」「唾液で感染する」などという間違った知識を持っている方も少なくないようです。偏見をなくしていくことと同時に、自衛手段としても、正しい知識をきちんと身につけたいものですよね。

今回は改めてエイズについて、医師に聞きました。

エイズの原因や感染経路は?
エイズの原因は、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染することです。
感染源は感染者の血液、精液、膣分泌液とされ、通常の一般的な生活の中で感染することはまずありません。

感染経路としては性行為が最も多く、男女間の性行為のほか、肛門性交の受け手側はリスクが高いとされています。オーラルセックスでも感染します。

輸血などもリスクは全くないわけではありませんが、献血で得られた血液は検査が全部行われ、安全とされたものだけが製剤化されます。
ただ感染直後の献血での血液はウイルス量が少なく、抗体もまだできていないので検査をすり抜けてしまうことがあり非常に悩ましい問題です。

そのほかの感染リスクとしては以下のような経路などが考えられます。
・母体からの感染
・刺青(の針)、ピアス、カミソリ、注射器、歯ブラシの使い回し

唾液からはHIVは感染しませんが、歯ブラシは出血を伴うことがあるので使い回ししないほうがいいでしょう。
初期症状は風邪に似ている…?
症状としては感染後2週間程度でインフルエンザ様症状といって、以下のような症状などがみられることがあります。
・発熱
・頭痛
・倦怠感
・咽頭痛
・関節痛
・筋肉痛

一方で症状がない人も多いです。

また風邪かHIV感染かどうか区別することは困難です。
検査は、感染する機会のあった最後の日から2カ月以上たってから保健所で受けるようにしましょう。

さらに進行すると現れる症状は?
感染している場合は、その後しばらく症状がない期間が続きます。
その後、CD4陽性リンパ球という白血球の一種が徐々に数が減っていき、正常な免疫機能が保てなくなってきます。

そのうち、エイズ関連症候群といって以下の症状などが現れます。

≪エイズ関連症候群といわれるもの一例≫
・細菌による血管腫症
・陰部カンジダ症(1か月以上持続して薬がなかなか効かない)
・口腔や喉のカンジダ症
・子宮頸管部異形成
・子宮頸部上皮内癌などの子宮頸がん関連疾患

1カ月以上持続する発熱や下痢などの症状が続きます。
さらに、普通なら感染しても免疫が打ち勝って何も起こらないような病原体にも最終的には負けてしまい、様々な疾患を起こして死に至るとされます。

≪エイズを発症すると起こり得る病気の一例≫
・カリニ肺炎
・カポジ肉腫
・真菌症
・原虫症
・細菌感染症
・ウイルス感染症
・脳リンパ腫
・非ホジキンリンパ腫
・HIV脳症   など
治療法&予防するにはどうすればいい?
≪治療方法について≫
有効と判断される抗ウイルス薬を内服開始します。(薬を服用する前ににHIVウイルスがどの抗ウイルス薬に対して効き目があるかをチェックする必要があります。)
途中で勝手にやめたりするとその薬が効かなくなってしまう可能性があるのでしっかりと内服継続をすることが予後を左右します。

≪予防について≫
予防方法としては、以下のようなことが挙げられます。
・不特定多数との性行為はしない
・性行為をするときはコンドームを最初から確実に使用する

結婚を考えている男女間ではあらかじめブライダルチェックとして検査をお互い受けておくことなどが大事です。
併せて感染経路で挙げた「血液がつくおそれのあるもの」の使いまわしは控えたほうが予防になります。

他人の体液には素手で触れず、ビニル手袋などで防御し、他人の体液が粘膜や傷のある皮膚についた場合は大量の流水ですぐに洗い流し医療機関にご相談ください。

【医師からのアドバイス】
日本は先進国の中で最も増加率が高い国とも言われています。正しい知識を持ってHIV新規感染者増加の傾向を断ち切らなければいけません。

感染してしまってもお薬を飲み続けることでエイズ発症をかなり遅らせることができますし、お薬も日々進化しています。疑わしい行為があれば早めに(最後の行為から2か月たってから)保健所で検査をしましょう。

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【気になるこの症状】心房細動 半数が自覚症状なく放置すると脳梗塞も

 3月9日から「心房細動週間」。心房細動は不整脈の1つだが、早急に命に関わるものではない。ただし、放置していると脳梗塞を起こすリスクが高くなる。高血圧などの持病を持つ人は、年1回の心電図検査と日頃の脈拍管理が大切だ。

 【原因は加齢と高血圧】

 心臓は4つの部屋に分かれているが、上半分の「心房」という部屋が細かく早く、ぶるぶると震えてしまうのが心房細動だ。心臓は微弱な電気信号で規則正しく動いているが、その電気信号の異常で起こる。

 不整脈専門医で三好クリニック(東京・表参道)の三好俊一郎院長が説明する。

 「原因で分かっているのは老化と、血圧が高いと起こりやすいことです。発症頻度は、65歳以上では25人に1人、75歳以上になると10人に1人といわれています」

 国内の患者数は診断されているだけでも推計約80万人、実際には100万人以上いるとみられている。

 【血栓が脳へ飛ぶ】

 心房細動を放置して怖いのは脳梗塞の原因になるからだ。

 「心房細動で心臓のポンプ機能が低下すると血液がよどんで血栓ができやすくなります。その血栓が脳血管に飛んで詰まらせるのが心原性脳塞栓(そくせん)症で、脳梗塞全体2~3割を占めます」

 心臓でできる血栓はサイズが大きいので死亡率(20%)が高く、助かっても半身マヒなどの後遺症が出る確率(40%)も高くなるという。

心房細動はときどき起こる「発作性」から始まり、加齢とともに「慢性」に移行することが多い。やっかいなのは、半数の人は自覚症状がないことだ。心電図検査をやっても心房細動が起きているときでないと結果に異常は現れない。

 「それでも年1回の心電図検査は大切です。それは、年齢や高血圧、糖尿病の有無などで、心房細動のリスクの高い人は診断できるからです」

 【日頃から脈拍管理を】

 60歳以上で生活習慣病をもつ人は、日頃の血圧管理と同時に脈拍管理にも注意しておいた方がいいという。

 「最近の家庭用血圧計の多くは、脈拍に異常があればサインマークが表示されるようになっています。朝晩の測定以外でも動悸(どうき)や疲れなど、少しでも心臓の負担を感じたら脈拍を調べた方がいいでしょう。手で脈拍をみる場合は、手首よりも胸に手を当てた方が分かりやすいはずです」

 心房細動の治療は、脳梗塞の予防では血液を固まりにくくさせる抗凝固薬が処方される。症状が強い場合には、抗不整脈薬の処方や太ももの付け根などの血管からカテーテルを挿入して行う血管内治療が検討される。

 発症の疑いがあれば、循環器内科できちんと調べてもらおう。

 《心房細動を疑う症状》
 ★胸がドキドキする
 ★胸が苦しい
 ★階段を昇るのがきつい
 ★息が切れやすい
 ★疲れやすい
 ※ただし、半数の人は自覚症状がない

【気になるこの症状】慢性腎臓病 ほぼ無症状で進行、健診で早期発見を

毎年3月第2木曜日は「世界腎臓デー」。慢性腎臓病(CKD)を放置して腎機能低下が進み、腎不全に至ると人工透析や腎移植が必要になる。CKDの初期は症状がほとんどないので、早期発見には健診結果に注意しておくことが重要だ。

 【心臓病の危険因子】

 「CKD」とは、何らかの腎障害が慢性的に持続している病態の総称を言う。原因となる疾患には、糖尿病、高血圧、慢性腎炎などがあり、国内の推定患者は約1300万人とされている。

 腎臓病に詳しい「みたかの森クリニック」(東京都武蔵野市)の菊池太陽院長が説明する。

 「成人の8人に1人が透析を必要とする腎不全の予備軍です。また、CKDは透析に至るリスクである以前に、心臓や血管に負担を与え、心筋梗塞や脳卒中の発症を高めることが怖いのです」

 日本の大規模研究では、心不全の入院患者の70%以上が中等度以上のCKDを合併していた報告があるという。

 【検査項目に注目】

 CKDはほぼ無症状で進行し、腎機能が正常の45~30%未満になって初めて、むくみや高血圧が現れるが、透析直前まで症状が分からないこともある。早期発見には健診で疑いを見つけるしかない。

 「CKDの疑いは、血清クレアチニン(血液検査)から計算される推算GFRと尿タンパク(尿検査)で分かります。検査項目に血清クレアチニンがない健診もみられますので、追加で検査してもらうことが大切です」

糖尿病や高血圧で通院する人は、主治医が腎機能に注意するからまだいい。見逃がされているのは、定期健診を受けない人や、異常があっても2次検査に行かない人だ。

 「治療可能なIgA腎症を見つけるには尿の異常の早期発見が必要で、腎臓内科医が診ないと見逃されるケースもあります。また、一般診療でも腎疾患に対して適切な検査が行われていないケースもあります」

 【機能10%以下は透析】

 慢性腎炎(IgA腎症など)の疑いがあるCKDは、正確な病理診断と有効な治療法を確定するために、腎生検(針を刺して組織を取る)を行う。

 「CKDは早期発見、早期治療で寛解(進行せず、安定した状態)する疾患も含まれています。ある程度腎臓の破壊が進行したCKDは腎機能の復元は難しいですが、治療の継続で透析を避けられる可能性はあります」

 腎機能の低下が15%未満になると末期腎不全と診断され、10%以下になると透析や腎移植をする基準となっている。血液透析になると、週3回通院して1回4~5時間かかるので大変だ。

 「腎機能を測る推算GFRはインターネットで検索すれば計算式が出ています。医者任せにせず、腎機能を自分で調べて知っておくことも大事だと思います」

 《CKDで透析になる主な原疾患》
 (1)糖尿病性腎症 …43.5%
 (2)慢性腎炎(主にIgA腎症) …17.8%
 (3)腎硬化症(高血圧が原因) …14.2%
 (4)不明 …11.3%
 (5)多発性嚢胞腎 …2.7%
 (6)急速進行性糸球体腎炎 …1.4%
 ※日本透析医学会2014年調べ

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【気になるこの症状】脳脊髄液減少症 頭痛、吐き気…起き上がれない人も

1月、脳脊髄液減少症の代表的な治療法(ブラッドパッチ)の保険適用が承認された。この病気は、横になって起き上がると、頭痛やめまいなどの症状が悪化する特徴がある。疑いがあれば、専門医にきちんと診断してもらおう。

 【髄液が漏れて発症】

 脳や脊髄は硬膜という膜で包まれていて、その中は髄液という液体で満たされている。脳脊髄液減少症は、外傷や何らかの原因で髄液が漏れ出すことでさまざまな症状が現れる。この病気に詳しい山王病院・脳神経外科の高橋浩一副部長が説明する。

 「脳や脊髄は髄液の中で浮いている状態なので、髄液が漏れると髄液圧が低下して、脳や脊髄が引っ張られたりすることで多岐にわたる症状が引き起こされると考えられています」

 米国の論文から換算すると、国内では少なくとも年間5000人は発症しているとみられている。発症時の平均年齢は40代だ。

 【発症初期は安静に】

 発症を疑うポイントは、(1)症状が連日続く(2)MRIなど含め病院の各種検査で異常がない(3)痛み止めや向精神薬など薬の効果が乏しい(4)運動で症状が悪化すること。症状が強いと、起き上がれない人もいるという。

 問題は、適切に診断、治療できる医師がまだ少ないことだ。

 「病院の検査で診断がつかず発症が疑われる場合は、まず1週間くらい安静(横になる)にして、水分補給を十分取ることです。そうすることで、発症初期であれば髄液の漏れが自然と止まる可能性があるからです」

 それでも症状が続くようなら専門医を探した方がいい。日本脳脊髄液減少症研究会に所属する医師であれば多くは対応できるという。

 【自分の血液を注入】

 診断するには、髄液の漏れを確認するRI脳槽シンチ、CTミエロ、MRミエロなどの特殊な画像検査が必要になる。そして、高い治療効果が期待できるのが、これまで先進医療で行われてきたブラッドパッチだ。

 「この治療法は、患者さん自身から採取した血液(男性30cc、女性20cc)を髄液が漏れている近くの硬膜の外側に注入します。それだけで漏れが止まるので、非常に簡単にできます」

 治療後は2泊して退院。治療回数は、半年ほどあけて平均2~3回行う。部分改善を含めた改善率は75%という。ただし、治療はあくまで髄液の漏れを止めるだけ。療養生活を長く続けてきたような患者の場合は、自分から積極的に体力を回復させる(元の生活に戻ろうとする)努力が大切になるという。

 「ブラッドパッチが保険適用になり、今後は診療できる医療機関も増えてくると思っています」

 《脳脊髄液減少症で現れる主な症状》

 頭痛、吐き気、首の硬直(異常なコリ)、疲れやすさ(けんたい感)、めまい、視覚の異常など

 ※上記のような症状が立っていると悪化し、横になると軽くなる

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【気になるこの症状】大人の歯列矯正 顎関節症など改善も年単位でじっくりと

歯並びは見た目だけでなく、咬み合わせが関係して全身にも影響する。子供と比べて治療期間が長くなる大人の歯列矯正。始めるなら、根気強く続けることが大切だ。

 【腰痛改善のケースも】

 デコボコに生えた歯を矯正で治すことの効能について、歯科医院キャビネ・ダンテール御茶ノ水(東京)の安田登院長が説明する。

 「まずは当然、見た目のコンプレックスの解消です。会話の度に口元に手を当てていた人が、対外的に表情が明るく、積極的になります」

 病気予防でいえば、口腔(こうくう)ケアがしやすくなり、虫歯や歯周病の管理がしっかりできる。

 「口の中だけではありません。歯並びを治すと咬み合わせの影響で起きていた、顎(がく)関節症や原因不明の耳鳴り、肩こりや腰痛などの症状が改善する場合があります」

 【大人は時間がかかる】

 一般的に歯列矯正は子供の頃に行うことが多い。骨の成長している最中の方が自由に動いてくれて治しやすいからだ。

 「歯は押されると根元の骨は押された方向の部分が溶けて、反対側に隙間ができる。そこに新たに骨が沈着して歯の傾きが矯正されます。成長が止まった大人の歯は骨の沈着が遅くなる。大人が矯正する場合には、子供の1・5-2倍の時間がかかります」

 歯列矯正には、歯の傾きを治す期間と元に戻らないように固定する期間が必要になる。治療期間は状態によって個人差が大きく、短くても3-4年と、年単位で治していくことになる。

 【目立たたない方法も】

 歯列矯正となると、歯の表面にブラケットという装置を付け、そこに通すワイヤがむき出しになる。大人では仕事上、付けるのをためらう人も多いのではないか。

 「矯正方法には、いろいろ種類があって、ワイヤを歯の裏側に付ける方法や透明なマウスピースを装着する方法など、目立たない方法や装置はたくさんあります。ただし、患者さんの歯並びの状態によって適用できない方法もあります」

 歯科矯正は一部の病気の場合を除いて、ほとんどが自由診療。費用は施設や矯正法、通院回数などによって異なる。同院の場合では、ワイヤを使う矯正で70万円くらいから、マウスピースでは100万円くらいからが大まかな目安だ。

 「矯正後のメリットは大きいが、治療中の違和感などデメリットも多い。通院が長く、費用も高額なので、歯列矯正を希望するなら複数の専門歯科に相談した上で、自分に合った矯正法を検討した方がいいでしょう」

《主な歯列矯正の種類》
★「ワイヤ矯正」歯の表面にワイヤを取り付ける最も一般的矯正法。
★「舌側矯正」ワイヤ矯正の装置を歯の裏側に付ける。見た目は分からないが、違和感が強くなる。
★「マウスピース矯正」矯正過程を50段階程度に分割してマウスピースを作り、2週間に1回ずつ取り換えて歯に装着する。

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コンドームを使わない「男性の言い訳」5選とその対処法

「80%以上の男性がコンドームを使わないために一度は言い訳をしたことがある」というのは、米国の最新調査結果。“セーフセックス”が叫ばれて久しい時代にちょっと驚きの高い数字です。

さらに、平均して3.5種類の言い訳バリエーションを用いているというのは『Journal of Sex Reseach』に発表された米ワシントン大学の調査結果。21歳から30歳までの313人の男性のコンドームの使用を含めた性行動についてのこの調査では、男性がコンドームを避けて通るために用いる戦術についてもスポットをあてています。

「ほとんどの男性が14歳の時から少なくとも1つの戦術を用い、その後もあらゆる言い訳戦術を駆使しています」とこの調査を実施した同大学准教授のKelly Cue Davis氏。

「彼とオープンに話し合うことが大事ですよ」と語るのは臨床心理学者のベリサ?ヴラニッチ女史。男性がどのような戦術でコンドーム無しを達成しようとしているのか、さらにそれへの対処法をヴラニッチさんがアドバイスしてくれました。

「大丈夫。病気持ってないから」:
調査で一番多かったのがこの言い訳。73.7%が健康を保証することで女性が安心させるには十分と思っているようです。

しかし、「性病は無症状で進行することが多い」ため病院でチェックしてもらわない限り、保証はないとヴラニッチ女史。しかし、エッチの最中に性病の話を持ち出すのはムードをぶち壊してしまうため、ラニッチさんは、相手が言い出す前に自分がコンドームを持ち出すようにすると良いとアドバイスしています。

「きみがセクシーすぎてもう待てない。もうしよう。」
この手を使う男性も73.2%と非常に多いです。ほめ殺しで目的を達成しようとする手は、ホルモンがあふれ出ている時には女性もつい気もゆらぐもの。その戦術に乗らないためにも手の届くところにコンドームをしっかり用意しておくこと。「そんな時間はないよ」と言う彼の試みを封じ込めるのに役立ちます。

「していない方が気持ちイイ」
50.3%がこの言い訳をしたことがあるそうです。しかし、『Journal of Sexual Medicine』に掲載されたある調査では、男女共にコンドームの有無に関係なく得られる快楽は同じだったことが報告されています。「女性は、妊娠や性病の心配がなくなるため、コンドームを使ったほうがクライマックスを迎えやすいのです」とヴラニッチさん。コンドームも波型やウルトラスキンなどいろいろな種類があり、肌の感触とそう大差はなくなっています。自分でそれらを購入し、彼と楽しんでみるのもひとつの手。

「着けなくてもいい?」
40%の男性は、単刀直入に女性にお願いする戦術をとっています。「恐らく面と向かって聞けば、女性は許してくれるだろうと思っているのです」とヴラニッチさん。こういう場面では、意志を堅く持ちはっきり「NO!」と答えること。ためらいを見せると「いけるかも」と思わせるだけです。

「え? 僕を信用してないの?」
調査では34%の男性が“愛情を盾にとる”戦術を用いたことがあるとか。男性によっては、単にアナタを試す意図で故意にいう人も。ヴラニッチさんは「これは彼とは関係ないあなたの交渉の余地のないポリシーであることを説明しましょう」とアドバイスしています。

重要なことは、コンドームを使ってほしいことを彼にオープンに話し、例外を許さないこと。それでもあの手この手でコンドームを避けてくるようであれば、それは彼と「お別れする時がきたのでしょう」とヴラニッチさん。「付き合う相手とは、セーフセックスについて同じ考えを持っている必要があるのです」。

【気になるこの症状】急性大動脈解離 高血圧が原因で胸や背中に突然激痛

心臓が血液を全身に送り出す最も太い血管が大動脈。その大動脈の内膜に突然、裂け目ができて血液が流れ込み、内膜の下の中膜が分離するのが急性大動脈解離だ。高血圧の人に起こりやすく、冬場の発症が多い。致死率が高いので要注意だ。

 【血管の中が裂ける】

 急性大動脈解離を発症すると、突然、胸や背中をバットで殴られたような激痛が起こる。その痛みが背中から腰へ移動することも多い。内科・循環器科「さかい医院」(川崎市)の堺浩之院長が説明する。

 「大動脈は心臓から上に向かって出て、弓状に曲がって背骨の横を通り、腹部、腰部と伸びています。内膜の裂け目は血流の圧力が最もかかる弓状の部分にできやすく、激痛は内膜と外膜の間の中膜が裂けるときの痛みです。その血管の解離がおなかや腰の方まで及ぶと痛みが移動するのです」

 最大の発症リスクは高血圧で、60~70代に多い。日中の活動時間帯に起こりやすいという。

 【突然死の原因に】

 発症した場合、すぐに病院へ緊急搬送し、至急治療を開始することが重要になる。発症時の状態によっては突然死(24時間以内の死亡)を引き起こすからだ。

 「大動脈解離を起こすと、大動脈から脳や各臓器に向かう枝の動脈が詰まって血行障害による合併症を起こす恐れが出てきます。また、大動脈が破裂してしまうと、ほとんど助かりません」

 発症頻度は10万人あたり年間3~5人とされるが、どれくらいの人が突然死で亡くなっているかはっきり分かっていない。東京都監察医務院の突然死の解剖例でみると、大動脈解離で死亡した人の約60%が病院到着前の死亡で、93%が24時間以内の死亡だ。

 【型で治療法が違う】

 大動脈解離は2つの型に分類され、その型により治療法や予後の生存率が違う。大動脈の上行から弓部分に解離があればA型で、弓部から先にだけ解離があればB型だ。

 「A型の1カ月後の生存率は、内科治療のみでは50%程度で、外科治療では80%です。そのため、診断がついた時点で緊急手術となります。解離した部分を含む血管を人工血管に置き換える手術が行われます」

 一方、B型で合併症がない場合の1カ月後の死亡率は、内科治療と外科治療ではともに10%程度で差がない。B型の治療は薬を使った降圧療法が行われ、3年後の生存率も75~80%と高い。ただし、発症の割合はA型が60~70%と圧倒的に多いという。

 「高血圧の人は、冬場の血圧管理をきちんとやることが大切です。もし、胸や背中にこれまで経験したことのない激痛が起きたら、すぐに救急車を呼んでください」

《急性大動脈解離の症状》
★突然、胸や背中に強烈な痛みが起こる(意識を失う場合もある)
★痛みは発症時が最強
★血管の解離が進むと、痛みが胸や背中からおなかや腰に移動する

【気になるこの症状】マロリー・ワイス症候群に注意! 飲酒嘔吐で吐血したら救急病院へ

悪酔いして嘔吐(おうと)には注意したい。勢いよくゲーゲーやると、突然“吐血”する病気がある。万一、大量出血すれば命の危険も。少しでも吐血があれば、夜間でも救急受診しよう。

 【腹圧で胃に裂け目】

 嘔吐に続いて起こる吐血が主症状。病気を報告した医師2人の名を取って“マロリー・ワイス症候群”と呼ばれている。日本消化器学会指導医で「奥田クリニック」(東京都北区)の奥田武志院長が説明する。

 「大半の発症が飲酒による嘔吐が引き金になる。激しい嘔吐を繰り返すと、急激に上昇する腹圧で胃粘膜の表面層に裂傷ができるのです」

 酒を飲む機会の多い30-50代男性に起こりやすい。ただし、食中毒、乗り物酔い、妊婦のつわりなどの嘔吐でも起こる可能性があるという。

 【大量出血でショック】

 裂傷個所は大体決まっていて、食道と胃の境目のすぐ下。腹圧で最も収縮する胃の小弯(わん)部に縦方向2センチ前後の亀裂ができる。

 「吐血は真っ赤で鮮やかな色の新鮮血を吐く。みぞおち辺りに波打つ痛みを伴うこともある。傷が浅くジワジワ出血するタイプであれば、翌日、黒くベタベタしたタール便となって下血する場合もあります」

 怖いのは動脈が裂けて大量出血した場合。一気に血圧が低下して、出血性ショックを起こす恐れがある。早急に内視鏡で止血して、輸血をしないと命にも関わる。

 「特に1人暮らしの場合、帰宅後に突然、大量出血した時が危ない。夜間の発症なので受診をためらいがち。だが、少量でも吐血があったら救急車を呼ぶなりして、すぐ救急指定病院で診てもらった方がいい」

 【慢性胃炎はリスク高】

 ただし実際は、この病気の吐血は9割が自然に止血すると言われる。早期受診が大切なのは、万一の最悪のケースを起こさないための対処だ。

 「吐血の原因では圧倒的に胃潰瘍の方が多いが、潰瘍歴がなく、夜の飲酒の嘔吐に続く吐血はマロニー・ワイス症候群を疑う。食道動脈瘤(りゅう)の破裂でも吐血するが、肝硬変のある人に限られます」

 以前は、胃が食道の境から脱出する食道裂孔ヘルニアがあるとリスクが高いと言われていたが、今は逆。脱出すると緩衝作用で発症しにくいと考えられている。現在の有力なリスクはピロリ菌が起こす萎縮性胃炎。感染歴があれば要注意だ。

 「嘔吐の腹圧が引き金になる病気には、発症はまれだが死亡率の高い特発性食道破裂もある。食道が裂けて、強烈な胸痛が起こるのが特徴です」

 吐く時はベルトを緩めて、腹圧を下げよう。

【吐血で疑われる病気の見分け方】

★マロリー・ワイス症候群

 嘔吐に引き続く吐血

★胃潰瘍

 以前から慢性的な潰瘍症状、潰瘍歴がある

★食道動脈瘤の破裂

 もともと肝硬変の持病がある

★胃がんや食道がん

 吐血前から他のがん症状がある

【今日のストレス 明日の病気】足の甲に痛み…ストレスによる神経痛だった

左足の甲にしびれにも似た痛みを感じるYさん(34)。湿布を貼っても痛み止めを飲んでも、あまり効果がない。ストレスによるものと思われるこの症状、神経痛だ。

 実はYさんの症状、足の甲だけではない。肘から手の甲にかけてしびれることもあるし、肩がガッチガチに固まって、頭が痛くなることもある。その中で最もひどいのが足の甲の痛みなのだ。

 靴のサイズは合っている。そもそも症状が出ない時は、さっきまでの痛みを忘れてしまうほど快適だが、痛み出すと痛風患者のように脚を引きずって歩くようになる。

 一度整形外科で診てもらったが、エックス線の検査でも問題はなく、「手ぶらで帰すのも何だから…」と湿布と痛み止めが処方されたのだ。その薬で効果がなかったことは冒頭で触れた通り。

 症状が出るのは、うるさい取引先に出向く時や、部下のミスで上司に謝りに行く時など。休日出勤ともなれば、その症状はきわめて顕著に現れる。やはりストレスによるものなのだろうか。

 「おそらくストレスから来る末梢神経障害性疼痛か中枢性神経障害性疼痛と思われます」と語るのは、東京・豊島区にある寺田クリニック院長の寺田壮治医師。その病態をこう解説する。

 「精神的ストレスが神経症状を引き起こすことは知られていますが、それが末梢神経や中枢神経に及ぶとYさんのような症状になって現れることがある。器質的に問題がないと医師からも“気のせい”と言われてしまい、そのストレスが症状を悪化させることになる。いわゆる“不定愁訴”の典型例です」

 湿布や飲み薬で痛みを取ることも重要だが、寺田医師は漢方薬を組み合わせることで効果的な治療が可能だという。

 「東洋医学的には、その人の“気”のバランスを見ながら薬を選んでいくので、『△△という漢方薬が効く』とは言えません。その人の体質に合った漢方薬を選んで、西洋医学の薬と併用することで、西洋医学の薬の効果を高め、結果的に薬の量を減らすことができるのです」(寺田医師)

 ストレスに洋の東西はない。長くストレス症状に悩む人は、漢方に目を向けてみるのも一つの手かもしれない。

急増している「梅毒」、治療は可能だが 症状にも検査にも癖のあるやっかいな性感染症

梅毒の増加が止まらない。国立感染症研究所によると、報告数は、2015年12月27日までで累計2638件となっており、 昨年同時期の約1.5倍だ。

1960年代までは日本を含め世界で流行していたが、治療法の確立によって減少しているといわれていた。実際、日本でも1999~2012年の報告数は平均500件程度だったが、2013年に1228件、2014年は1683件とハイペースで増加している。

止めるのが難しい「性感染症」

梅毒は主に性交渉によって感染する性感染症だが、治療法が確立されている疾患がなぜ、今増加しているのだろうか。

神戸大学感染症内科教授の岩田健太郎医師は、「今の段階では、なぜ梅毒が急激に増加しているのか正確にはわからない」と語る。若年層間での性交渉の割合や、不特定多数との性交渉の増加、性産業の複雑化など、さまざまな要因をあげる声はあるが、梅毒との関係が調査されたわけではなく、推測にとどまる。

国立感染症研究所の発生動向調査では、男性は25~39歳での発生率が高く、主に同性間の性的接触が原因。女性は20~29歳、異性間が多く、男性間での流行が波及している可能性があるとしているものの、増加の理由については言及していない。

「性感染症は感染経路が明確なので、理論上は経路遮断、つまり性交渉をしない、セーフティーセックスを意識する、といった方法で止められるはずです」(岩田医師)

コンドームの使用で、100%ではないが梅毒を予防できるというエビデンスも存在する。しかし、性行為には知識や理性以外も大きく作用する。悲しいことに、わかっていても確実には予防できないというわけだ。

「梅毒に限らず、現実には、性感染症をコントロールするのは非常に難しいのです」(岩田医師)

とはいえ、放置するわけにもいかないだろう。梅毒はきちんと診断されていれば、治療も比較的容易とされているが、診断が遅れてしまうと神経梅毒などを発症し、後遺症が残る可能性もある。また、妊娠中に感染してしまうと、生まれてくる子どもが先天梅毒となるリスクもある。すでに、2014年度には4例の先天梅毒が確認されているのだ。

発症するまで検査できない? 早期検査もあるが...

では、梅毒に感染してしまったかどうかは、どうすればわかるのか。皮膚科専門医として梅毒の症状も診断してきた、アンチエイジング医師団の山田秀和医師は、皮膚に現れる特徴的な症状から判断できるという。

「3週間3か月3年、というのが有名です。まず、感染から3週間程度で、感染部位(主に性器)に痛みのない小豆大のしこりができたり、リンパ節が腫れたりします。ときにはしこりが潰瘍になりますが、自然に治ってしまいます」(山田医師)

「1期梅毒」といわれるこの時点では、そもそもあまり目立った症状として出ないこともあり、気がつくのは難しい場合が多い。国立感染症研究所の発生動向調査でも、早期に無症状の患者が多くなっているとされていた。

3か月ほどすると、「2期梅毒」となり、皮膚に「バラ疹(2期疹)」と呼ばれる5~20ミリ程度の赤い発疹が出てくる。バラ疹は手足の平に出てくることもある。「さらに脱毛、発熱、疲労倦怠感、全身のリンパ節が腫れるなどの症状をともないます。

バラ疹もしばらくすると消えてしまい、放置すると『3期梅毒』といわれる状態になります」(山田医師)

そこまで悪化させない確実な方法は、皮膚科や性病科、泌尿器科、産婦人科(婦人科)、地域の保健所などで受けられる「梅毒血清検査」だが、検査にもいくつか注意が必要だ。

まず、早期検査として実施される「STS法(脂質抗原検査)」は、実際には感染していないのに陽性と判定されてしまう、「偽陽性」が起きることがある。アンチエイジング医師団の一人、AAC銀座クリニック院長の浜中聡子医師によると、輸血もしておらず、やましいこともないのにと、偽陽性に混乱して診察に訪れる患者もいるという。

また、そもそも血液検査は、1期梅毒の早期発見には向いていないとされる。皮疹などがでる2期梅毒以降は、STS法とTPHA法といった複数の血液検査を組み合わせ、診断できる。[監修:岩田健太郎 神戸大学感染症内科教授、山田秀和 近畿大学医学部奈良病院皮膚科教授]

【気になるこの症状】“ゴルフ骨折”にご用心! 猛練習で「ポキリ」

中高年ビギナーは、急に猛練習したり、プレー中にヘマをすると、簡単に骨折してしまうことがある。久しぶりのゴルフは張り切り過ぎに要注意。レジャー気分で楽しもう。

 【あばら骨の疲労骨折】

 せっかくのコンペ、いいトコみせたい-。ビギナーが練習のし過ぎで起こりやすいのが“スイング骨折”。メディカルガーデン整形外科(千葉県浦安市)の長谷川伸副院長が説明する。

 「繰り返すスイング動作で起こる肋骨(ろっこつ)の疲労骨折です。ゴルフのようなダウンスイングやアッパースイングでは、肋骨の間の“肋間筋”や背中の肩甲骨と肋骨を結ぶ“前鋸(ぜんきょ)筋”が強く収縮し、肋骨が引っ張られて疲労骨折を起こすのです」

 ビギナーはフォームが悪く、手打ちになりやすいので余計に負荷がかかる。特に体が硬い中高年ほど起こりやすい。

 「通常、利き腕と反対側の第4-7肋骨にヒビが入り、脇腹に鈍痛が現れる。数カ所、同時に起こることもあります」

 【衝撃で手のひらを骨折】

 逆に、練習のしなさ過ぎもよくない。運よくクラブにボールが当たればいいが、地面をたたいてばかりいると、手のひらを骨折するハメになる。

 「手のひらに強い衝撃が加わり、小指の下の手首に近い所にある“有鉤(ゆうこう)骨”という骨の出っ張りが骨折するのです。ゴルフでは、原因のほとんどはダフリ。利き手の反対側に起こります」

 野球やテニスでも起こるケースがあり、球を打った時の衝撃が原因になる。ゴルフと違って、発症のほとんどはトッププレーヤーという。

 「骨折の炎症が近くを通る“尺骨神経”に波及すると、痛みに加えて小指や薬指にシビレを伴うことがあります」

 【手術の方が回復早い】

 骨折したら当然、スポーツはしばらく中止。治療は、スイング骨折の場合、専用の肋骨バンドなどを使って骨折部の安静・固定を3-4週間続けていれば治癒する。

 「有鉤骨骨折は、受傷直後で折れた骨のズレが少なければ、手のひらを動かなさいようにして2-3カ月、安静していれば自然にくっ付くことが多い。ズレが大きい場合には自然治癒は難しいので手術で骨の破片を摘出する必要があります」

 しかし、手術で摘出した方が、術後約6週間でスポーツ復帰が可能になる。手の動きに障害が残ることはほとんどないので、スポーツ選手なら骨のズレに関係なく手術を選択するという。

 「スイング骨折で現れる鈍痛は、心臓病などの他の病気の疑いも考えられます。必ず受診して検査を受けてください」

【スイング骨折の症状の特徴】
・脇腹から背中の肩甲骨にかけて鈍痛がする
・ジワジワ痛くなった
・痛いがプレーはできる

【有鉤骨骨折の症状の特徴】
・手のひらの小指側が痛い
・手を動かさなくても痛い
・痛くて物が握れない
・痛くて手首を反らせない
・小指と薬指がしびれる

【気になるこの症状】“ミトコンドリア病”ってどんな病気?

米生物学者ワトソンとクリックによりDNAの二重らせん構造の論文が発表されてから59年。以来、DNAの研究は飛躍的に進み、いまではDNAの変異で起こる“ミトコンドリア病”という聞き慣れない病気の存在も分かってきた。

 ■脳や筋肉の障害が多い

 ミトコンドリアは、ひとつの細胞内に数百個存在し、細胞が生きるために必要なエネルギー(APT)を作り出している。

 ミトコンドリア病は、細胞内の核DNAもしくはミトコンドリアDNAの変異で、ミトコンドリアの機能が低下して引き起こされる病気の総称だ。

 この病気に詳しい国立精神・神経医療研究センター神経研究所の後藤雄一部長は「体のどこの細胞に異常が起こるかで症状はさまざま。ただ、エネルギーをたくさん必要とする脳、筋肉、心臓は他の部位より障害が出やすい」と説明する。

 主症状の特徴によって分類することができ、その代表が別項のような脳や筋の病気だ。

 ■患者数は氷山の一角

 ミトコンドリアDNAの変異は、生まれながら親から受け継ぐ場合もあれば、老化などで後から生じるケースもあり、発症年齢は人によってまちまちという。

 「たとえ変異があっても、その変異したDNAが細胞内である程度まで増えなければ症状は現れません。何が原因で増えるのか、解明できていないのが現状です」(後藤部長)

 2年前から国の特定疾患に認定されており、その公費負担の受診者数は数百人ほど。だが、その数は氷山の一角で、実際の患者数は把握されていない。というのも、発症頻度が高く、よく知られた病気の中にミトコンドリア病が隠れていることが分かってきたからだ。

 ■持病の原因の疑い

 後藤部長は「糖尿病全体の1%はミトコンドリア病が原因とみられている」とこう話す。

 「他にも脳卒中、心筋症、難聴、腎臓病、精神障害、ホルモン異常など、組み合わせの不自然な病気の合併があれば、ミトコンドリア病によって各臓器が障害されている疑いがあります」

 ミトコンドリア病かどうか調べるには、障害のある臓器や筋組織を採取して病理検査・生化学検査・遺伝子検査をする必要がある。

 治療は、いまのところ特効薬はない。各臓器の症状には従来からの対症療法を行い、ミトコンドリアの機能低下の改善には、ビタミン剤やコエンザイムQ10などが処方されているという。

 後藤部長は「予防や治療の研究が進んでいて、将来的には発症を防げると思う。老化もミトコンドリアの機能低下で起きるので、ミトコンドリア病の研究はアンチエイジングの研究にもつながります」と話している。

 ■症状で分類される代表的なミトコンドリア病の種類

★メラス 脳卒中に似た意識障害や運動麻痺の症状が急激に現れる。
★マーフ 自分の意志とは関係なく体の筋肉がピクピク動いてしまう症状が主体。
★CPEO 眼球を上下左右に動かす筋肉に障害、眼球を動かせなくなる。

【気になるこの症状】ぎっくり腰に注意!運動不足や衰えで起きる

引っ越しやスポーツなど、ちょっとした腰への負担でとんでもない目にあうのが“ぎっくり腰”の発症だ。たいがいは自然治癒するが、腰椎の劣化が進んでいれば慢性腰痛のきっかけになるので注意したい。

 ■腰に起こる捻挫

 欧米では「魔女の一撃」と呼ばれているほど発症時の腰の痛みは強烈。「グキッ」と一瞬にして腰に力が入らず、姿勢を変えようと体を動かすと痛みが走るので、「立てない」「動けない」「はうようだ」という表現を大方の経験者が語るのが、ぎっくり腰の特徴だ。

 稲毛整形外科(千葉市)の南出正順院長は、「正式病名は急性腰痛症。腰椎周辺組織の炎症や軽いじん帯損傷で、いわゆる“腰椎のねんざ”。誤って舌や口の中を噛んで2、3日痛みが続くのと同じようなものなので、誰に起きてもおかしくない」と説明する。

 とはいっても、数日間、身動きとれないのがツライところだ。

 ■中腰は1・5倍の負荷

 発症の多い状況は、中腰で荷物を持ち上げたとき、靴下を履こうとしたとき、洗顔で前屈みになったとき、イスから立ち上がったとき、くしゃみをした瞬間など。スポーツ時よりも、日常のちょっとした動作で起こる方が断然多いのはなぜなのか。

 南出院長は「中腰姿勢は腰に体重の1・5倍の負荷がかかる」とこう話す。

 「スポーツではどんな動きをすればいいか、ある程度想定している。が、日常生活の不意な動きには、どの程度の負荷が腰にかかるか予期していない。用意ができていないところに急激な力が加わるので、許容域を超えてしまうのです」

 逆に、運動しはじめて体が温まってきた方が起こりにくい。日頃の運動不足や筋力の衰えに気づいていない“過信”に落とし穴があるという。

 ■意識的に腹筋強化

 腰椎の劣化の進行具合によっては、ぎっくり腰をきっかけにして徐々に椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの慢性腰痛に移行していく場合もあるという。また、基礎疾患の有無、痛みの現れ方などでは別の病気の疑いもあるので、別項のような項目に該当するなら受診すべきだ。

 ぎっくり腰は基本的に自然治癒するので、発症したら2日間は患部を冷やす。痛みが強ければ市販の消炎鎮痛剤(飲み薬や湿布)を使う。お風呂はシャワー程度にして、マッサージはダメ。痛くない体勢で横になって、2、3日安静にしていれば、次第に動けるようになってくるという。

 南出院長は「治っても3カ月間は再発に注意。予防は、普段からストレッチや腹筋を鍛えておくことが大切です。長時間座るときは、背筋を伸ばしてヘソを1センチ引っ込ます意識をするだけでも腹筋が鍛えられます」とアドバイスする。

 ■こんなときは受診すべきだ
★50代半ば以上での発症
★最近、転倒などをして腰を痛めたことがある
★安静にしていても腰の痛みが強い
★胸や背中など別のところまで痛みが響く(放散痛)
★排尿困難、脚の痛みやシビレなどの神経症状を伴う
★喘息などでステロイド剤を常用している人
★全身の発熱を伴っている

【気になるこの症状】“めまい”の裏に重い病気も!まず検査を

気温や気候の変化の激しい季節の変わり目は、自律神経失調症が起こりやすく、“めまい”も現れやすい。だが、めまい症状の裏には重篤な病気が隠れている可能性もある。検査で原因をはっきりさせることが大切だ。

 ■めまいの内容が重要

 ひと言で「めまい」といっても、天井がグルグル回るような「回転性めまい」、フワフワ宙を浮いているような感じの「浮動性めまい」、起立したとき急に目の前が真っ暗になる「立ちくらみ」などがある。

 東京医科大学病院・めまい外来(耳鼻咽喉科)の小川泰生准教授は、「めまい症状の裏に隠れた病気を探るには、『どんなときに起きたか』『どんなめまいか』『めまいの持続時間はどれくらいか』『他に症状を伴うか』などの問診が非常に重要になります」と説明する。

 自律神経失調症では血圧が激しく上下して立ちくらみを起こす。が、回転性めまいの場合、多くは耳の病気の疑いがあるという。

 ■脳卒中でも出現

 回転性めまいを主症状とする病気で発症頻度の多いベスト3は「良性発作性頭位めまい症」「メニエール病」「前庭神経炎」。どれも平衡感覚を保つのに重要な働きをしている内耳の病気で、めまいの現れ方(別項)にはそれぞれ特徴がある。

 ただし、怖いのは一部の脳梗塞・脳出血でも回転性めまいが現れるケースがある点だ。

 小川准教授は「一般に回転性は内耳のめまい、浮動性は脳などに原因のある中枢性のめまいといわれるが、実際には小脳や脳幹の脳梗塞・脳出血では初期に回転性めまいが現れることがあります」と警告する。

 さらには耳鳴り・難聴が加わると、めまいを伴う突発性難聴の症状とまったく変わらないケースがあるという。

 ■持病あれば要注意

 めまい症状の早期受診が肝心なのは、受診が遅れると生命に関わる脳梗塞や脳出血など重篤な病気の可能性を調べること。また、ダイビングで海に潜ったり、強く鼻をかんだり、耳に強い圧力が加わった後に回転性めまいが現れたら、早く受診をしてもらいたいという。

 「内耳のリンパ液が漏れる“外リンパろう”という病気では、聴力低下が進行すると戻らなくなる。早期に治療が必要です」(小川准教授)

 めまいの診察では、問診に合わせて聴力検査、眼振検査、足踏み検査、温度刺激検査、CT・MRIなどさまざまな検査を組み合わせて原因を探っていくことになる。

 小川准教授は「手足や顔面のマヒ、意識障害などを伴うめまいは、耳の病気では考えられない緊急性の高いめまいです。とくに糖尿病や高血圧のある人のめまいは要注意」と忠告する。

 ■代表的なめまい疾患と脳卒中の疑い

●良性発作性頭位めまい症……頭の位置を動かしたときに回転性のめまいが起こり、数秒で治まる。
●メニエール病……回転性のめまいが、長くて1-2時間続く。耳鳴り・難聴も伴い、繰り返す病気。
●前庭神経炎……発作は1回限りだが、激しい回転性のめまいが数日間続く。耳鳴り・難聴はない。
●脳梗塞・脳出血……フワフワした浮動性のめまいの場合もあれば、回転性のめまいの場合もある。耳鳴り・難聴を伴うこともある。

【気になるこの症状】男性不妊 精子異常の原因で最も多い“精索静脈瘤”

体外受精などの不妊治療の公費助成が見直され、2016年度から対象が「42歳まで」になる。何らかの不妊治療を受けている人は50万人とされるが、不妊の半分は男性に原因がある。男性側はとにかく精子検査を受けることが先決だ。

 【週2回、半年頑張る】

 男性不妊専門の治療施設「恵比寿つじクリニック」(東京)の辻祐治院長が指摘する。

 「他国と比べて日本人は圧倒的に性交回数が少ない。一般的に、普通に性交があれば半年で約65%は妊娠する。最低週2回、半年たっても妊娠しなければ、まず精液検査を勧めます」

 大もとの精子が元気でなければ始まらない。不妊治療の原則は夫婦同時の検査・治療。男性側に精子異常があれば、いくら体外受精や顕微授精を繰り返しても当然、成功率は低くなる。

 【血液の逆流で障害】

 男性不妊の原因には、ED(勃起不全)や射精障害など、セックスの問題もある。だが精子の異常には、“数が少ない(乏精子症)”“動きが悪い(精子無力症)”などがある。その原因の約5割を占め、最も多いのが“精索(せいさく)静脈瘤(りゅう)”という疾患だ。

 「血液が精巣から心臓へ戻る静脈の逆流防止弁の具合が悪く、血液が逆流してしまうのです。精巣が精子を作る適温は34-35度。おなかの中の温かい血液が精巣へ逆流すると、元気な精子を作る働きが障害されると考えられています」

 弁の具合が悪いのは体質で、逆流は中高生の年代から始まるという。

 「逆流を起こした静脈は太く蛇行して、睾丸の上の部分がコブ状に腫れてくる。大半は痛みなどの自覚症状がないので、触らないと気づかない。大人になって不妊治療の際に、はじめて発見されるケースが多い」

 【手術での改善率は75%】

 精索静脈瘤は大小含めると男性の15%にみられるという。あっても子供を授かる人もおり、必ず精子異常を起こすとは限らない。

 治療対象は、子供を望んでいるのに妊娠しない精子異常のある人。治療は手術になる。

 「脚の付け根の鼠径(そけい)部を局所麻酔で約2センチ切って、顕微鏡で逆流している静脈だけを糸でしばります。所要時間は2時間ぐらい。3カ月後に再検査して精子の改善率は約75%です」

 病院によっては入院で行われるが、同院のような専門施設では日帰り手術が行われている。

 「日本人の精巣がんは多くないが、欧米では男性不妊の患者さんの10%に精巣がんが見つかると言われます。精巣がんの特徴は、押しても痛くない硬いシコリです」

 女性の乳がんの自己検診と同じで、男性もタマには股間の袋とタマを丹念に触ってみることが大切だ。

【精索静脈瘤の特徴】

★立った姿勢で腹に力を入れて陰のうを触ると、睾丸の上にコブ状の腫れができる

★コブは、体を横にすると潰れて分かりにくくなる

★コブは陰嚢の左側にできやすい(両側の場合もある)

★コブは痛みを伴わない(一部に鈍痛を感じる人がいる)

★コブを触ると、グニュグニュとした触感がある

昔の病気だった「梅毒」が、今になって若者の間で急増している理由とは?

梅毒は、梅毒トレポネーマによる感染症で、主に性行為や類似行為により感染する性病です。感染経路としては、皮膚や粘膜の小さな傷から感染します。感染症法で、5類感染症全数把握疾患に定められていて、梅毒と診断した医師は、最寄りの保健所に届け出ることになっています。

日本では、第2次世界大戦後の1955年に大流行がみられ、その後も一時的な流行はありましたが、現在では過去の病気として、梅毒を診療したことのある医師も少なくなってきていました。

■3年で梅毒の感染患者が約2倍に増加中
ところが、国立感染症研究所によると、2004年の届出から微増しはじめ、2013年には1226例の報告数となっています。前年度である2012年は875例、2011年の621例から考えると、3年で約2倍に患者数が増加しています。

■梅毒感染者の約80%が男性で、25歳~29歳に広まっている
感染者総数のうち、約80%が男性です。特筆すべきことは、年齢別の発生率でみると人口10万人当たりの発生率では、25歳から29歳の男性が3.9、35歳から39歳が3.4となっています。男性の人口10万人の発生率は1.6ですから、25歳から29歳の若年層に梅毒が広がっていることがうかがえます。

■近年の梅毒の特徴
近年の梅毒の特徴として、男性と性交する男性に広まっていること、HIV混合感染が目立つことなどが挙げられます。その他、眼梅毒、口腔咽頭梅毒、梅毒性直腸炎など、ひと言で梅毒といっても多様な症例が増えています。

■梅毒はいつから検査できるの?
梅毒の検査は、血液中に抗体があるかどうかで判定します。そのため、感染機会から約1ヵ月後に検査ができるようになります。梅毒の検査方法は、脂質抗原法とTP抗原法の2種類を組み合わせて総合的に判断します。

注意しないといけないことは、TP抗原法では、一度感染して陽性と判定されると、一生、陰性化することはありません。完治した後に再度感染した可能性がある場合は、脂質抗原法で検査するようにしましょう。

治療によって完治していても、健康診断などで陽性と診断されるケースもあります。その際は検査方法を確認したうえで再検査を受けるとよいでしょう。

■梅毒の治療とは
ペニシリンを服用することで、初期の梅毒は完治します。薬を服用する期間は、初期の梅毒感染の場合は2~4週間ほどです。中期の梅毒感染の場合は8~12週間ほど必要となります。

■性器に異変があったら医療機関へ
性行為や類似行為の後に、性器に異変があったら、医療機関に相談に行きましょう。性病科、泌尿器科、内科、産婦人科などで血液検査を受けることができます。

【気になるこの症状】“糖尿病”患者の水虫、足の切断の恐れも

水虫は、自覚のない人でも4人に1人は見つかる病気。通常、命に危険はないが、糖尿病であれば要注意。感染しやすい上に傷ができれば化膿しやすく、足の切断に至る恐れもある。水虫菌(白癬〈はくせん〉菌)が活発になるこの時期は対策が重要だ。

 ■罹患率が2-3倍高い
 糖尿病があると体の抵抗力が落ちるので、水虫に限らず、健康の人より感染症を合併しやすい。

 水虫治療の名医で知られる「仲皮フ科クリニック」(埼玉・川越)の仲弥(わたる)院長は「糖尿病患者の水虫の罹患率は、足水虫で50%前後、爪水虫で20数%。糖尿病でない人より2-3倍、水虫にかかりやすい」と指摘する。

 水虫は、当初は強いかゆみを伴う急性型から始まり、それを毎年繰り返していると、かかとなどのひび割れや足爪がボロボロになるかゆみのない慢性型に移行する。水虫を根治するには、かゆみのない水虫を見逃さないことが重要という。

 ■水虫から足の切断も
 糖尿病患者の水虫が警戒されるのは、水虫菌自体が直接怖いわけではない。仲院長は「怖いのはひっかいたり、水ぶくれが潰れたり、足に傷を作るキッカケになること」とこう説明する。

 「糖尿病患者は足に小さい傷口でもできると、そこから黄色ブドウ球菌などの細菌感染が起こり、容易に潰瘍や壊疽(えそ)に発展してしまう。拡大するスピードが速いので、受診が遅れると足を切断しなくてはいけない恐れがでてきます」

 普通なら足に傷や潰瘍ができれば痛くてたまらない。だが、糖尿病が悪化すると末梢神経障害があって感覚が乏しくなるので痛くない。足の病変に気づきにくいのだ。皮膚科の外来では「なぜ、ここまで放置していたのか」と思うほど、ひどい壊疽の状態になってから初めて受診する人も少なくないという。

 ■毎日、足を見る・触る
 糖尿病の人は水虫だけでなく、タコ、ウオの目、深爪、巻き爪など、とにかく足の傷や病変には十分に注意。見つけたら『痛い・かゆい』の症状に関わらず、すぐに受診して早期のうちに治しておくことが肝心だ。

 「日常のフットケアでは、足の状態を毎日よく観察することが大切です。ただ見るだけでなく、硬くなっているところがないか必ず触って観察してください」(仲院長)

 タコやウオの目は自分で削らず、皮膚科で処置してもらうこと。水虫予防は、基本的に足を1日1回きれいに洗っていれば感染しないという。

 仲院長は「爪水虫や角質がひび割れる水虫は内服薬でないと治りません。薬の飲み合わせもあるので常用薬は必ず医師に伝えてください」とアドバイスする。

《糖尿病患者のフットケアポイント》
★足の状態を毎日よく見て・触って観察する(皮膚のひび割れ・ふやけ・炎症・水ぶくれ・傷、爪の変色や変形、タコ、ウオの目はないか)
★毎日、足を洗って、よく乾燥させる
★足を洗う時は強くこすらない
★通気性・吸湿性の高い靴下を選ぶ
★なるべく白い靴下を履く(出血があれば分かりやすい)
★足に合った靴を履く
★足爪を切る時、深爪に注意する

性病検査をしたい!《費用》と《時間》はどのくらいかかる?

「性病かも……」と思ったらまずは検査を!

梅毒、淋疾、クラミジア、HIV、この4つが主な性病です。性器に異常を感じ、「これって性病かも」と思っても、自分自身で判断することはできませんので、必ず検査を行ってください。

検査は保健所、病院で受けることができ、また、検査キットでも調べることが可能です。 それぞれの費用と時間を比較して、ご自身にあったもので検査を行ってください。

1. 保健所では匿名&無料で検査できる!

全国の保健所あるいは自治体の施設で性病の検査が行われています。これらの検査は原則無料となっており、検査の際に匿名で検査を受けることができます。 ただし検査結果の通知は面談で行われるため、電話での問い合わせや郵送での結果通知はできません。

保健所の検査はHIVなどの社会的に影響のある病気を中心に行われるため、病院などでの検査よりも検査項目が少ない場合があります。 検査は主にHIV、梅毒、クラミジア、淋菌の検査が実施されています。また、検査は採血と採尿で行われるため、喉に感染しているクラミジアの検査は行われません。

検査は毎日行われているわけではなく日程が決まっており、また、検査によって定員が決められていることがあります。 日時や検査項目についてお近くの保健所に確認してくださいね。

2. 病院では有料&保険が適応されない場合も……!

全国の病院や診療所で性病の検査が行われています。 病院での検査では検査費用の他に診察代、初めての通院であれば初診料がかかります。

性病に関する症状がある場合であれば検査費用に保険を適用されますが、症状がない場合には保険が適用されないこともあります。 病院での検査の場合には保健所のような匿名での検査はできませんが、患者情報に関する守秘義務がありますので秘密は守られます。

どの性病の検査ができるかは病院によりますが、4つの性病以外に性器ヘルペス、トリコモナス、尖圭コンジローマなどの診断も可能です。

3. 検査キット

自宅あるいは指定したコンビニや郵便局まで検査キットを郵送してもらい、自分でサンプルを採取したらそれをポストに入れるだけです。 郵送の際は匿名性に配慮されているので、最低限の個人情報の提示だけで検査を行うことができます。

病院で健康保険が適用されない場合は、検査キットの方が安くすむ場合がありますが、検査項目の数で値段が変わります。

それぞれのメリット&デメリットを考慮して検査を

保健所の場合は無料でしかも匿名で、検査キットの場合は自宅にいながら検査できますが、性病が発見された場合はあらためて病院に行かなければならないというデメリットがあります。時間がない中で検査して早く治療したいという方は、病院を受診するのが一番かもしれません。

知ってますか? 日本で「梅毒患者」が急増! 女性の感染が5年で5倍、全体の3割に

 突然だが、「梅毒」に対して、どんなイメージをお持ちだろうか?

 かつては、不治の病として恐れられ、売春婦を媒介に大流行し、シューベルト、ベートーベン、ニーチェなど、多くの歴史上の人物も苦しんだ。ペニシリンの大発見で過去の病気となり、「今はもう梅毒は怖くないし、感染する人も少ないのでは?」という認識の人も多いだろう。

 ところが近年、日本では梅毒の流行が加速している。

女性の梅毒は5年で5倍に急増!

 日本の梅毒患者は、1967年の1万1000人をピークに減少を続け、2001~2005年までは500人前後で推移していた。だが、2013年に再び1000人台に増加。さらに今年に入ってから患者数は2100人(11月1日まで)に達し、1999年4月に感染症法による届け出が義務づけられて以来、初めて2000人を超えた。2013年からわずか2年で倍増する勢いにある。

 性感染症の専門家らによると、最近は特徴的なのが女性患者が増えている点だという。女性感染者は、2010年からの5年間で5倍に増えた。患者全体におけるその割合は、2013年は19%、2014年は23%。今年は28%を超えて、実に3割に迫っている。今年の女性患者の76%は15~35歳。なかでも20~24歳の女性は、前年の同期と比べて2.7倍という急増ぶりだ。

 感染ルートを見ると、2014年は「男性同士の性的接触」によるものが増えたが、2015年は男女ともに「異性間の性的接触」による感染率が上昇している。

 これまでは梅毒患者の8割は男性で、女性患者は男性との性行為によって感染したケースがほとんどだった。ところがここ数年は、女性との性的接触によって男性が感染するケースが増えている。男性から女性へ、そして女性から男性へという悪循環に陥っているようなのだ。

潜伏期の隠れた患者がいる可能性も

 梅毒はトレポネーマという病原菌によって引き起こされる性病だ。感染すると、約3週間後には感染個所に痛みのないしこりが現れ、約3カ月後には全身にピンクのブツブツが発生する。それらが自然に治まると、その後は潜伏期に入る。

 治療をせずに放置してしまうと、3年後ぐらいから全身の臓器に腫瘍が現れ、心臓、血管、神経、脳などに障害が出て、最悪の場合は死に至ることがある。妊娠している人が梅毒に感染した場合、死産や障害の原因になることもある。

 国立感染症研究所によると、感染後にしこりやブツブツが出る症状を見過ごしてしまい、治療をしないまま潜伏期に入ってしまった患者も多いと見ている。

 そうしたことから、実際の新規梅毒感染者は統計よりもずっと多く、年間に少なくとも3000人は超えるのではと予想する専門家もいる。梅毒は、早期発見で治療を開始すれば1カ月以内に完治するケースがほとんど。しかし、放置して治療が遅れると、悪化して長期化する恐れが高い。

 厚生労働省では最近の女性患者急増を受けて、急遽「女子の梅毒、増加中!」というリーフレットを作成。「コンドームの適切な使用によりリスクを減らすことができます」などと呼びかけている。

梅毒はコンドームだけでは防げない

 ところが、梅毒は皮膚や粘膜の接触により感染するため、コンドームだけでは100%予防できない。オーラルセックスやアナルセックスはむろん、ディープキスだけでも感染する可能性がある。何しろ1回あたりの性行為による感染確率は15~30%と、非常に高いから厄介だ。

 ここ数年の患者増の原因は、まだ明らかにされてはいない。しかし「梅毒は過去の病気」と軽視されるあまり、感染経路や症状に関する知識が一般に浸透していないとしたら問題だ。

 不特定多数の相手との性交渉は避け、コンドームはきちんと使用すること。また思い当たる症状があれば、すぐに検査を受けること。流行を拡大させないためには、それぞれが正しい知識をもって自衛していくしかないだろう。

【気になるこの症状】「回帰熱」の感染見つかる マダニに病原菌…刺されたら潰さずに病院へ

国内では確認されていなかったマダニが媒介する病気の感染例が、今年に入って次々と見つかっている。「アナプラズマ」「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に続き、先月、国立感染症研究所は「回帰熱」の存在を明らかにした。野山でダニに刺されたら、必ず病院で毒を取ってもらおう。

 【マダニ媒介を初確認】

 回帰熱の感染が見つかったのは、マダニが媒介するライム病患者の血清、約800検体の中から。北海道在住の患者2例から確認された。分析を行った国立感染症研究所・細菌第一部の川端寛樹室長が説明する。

 「回帰熱は本来、(日本に少ない)ヒメダニやシラミが媒介すると考えられていました。ところがライム病と回帰熱の両方の病原体を持つマダニがいて、今回の2例の患者さんは両方に感染したと考えられます」

 回帰熱の病原体は“ボレリア属”の細菌。中でも特定の一群が回帰熱を引き起こすという。

 【怖いのはシラミ媒介】

 病原体を持つダニに刺されてから潜伏期間は5-10日。症状は病名の通り、39度以上の高熱が出る発熱期と無熱期を繰り返すのが特徴だ。

 「感染して血液中に菌が増えると熱が出る。体の免疫で菌が減ると、いったん熱が下がる。しかし、菌が表層のタンパク質を変化させて免疫の攻撃を逃れ、再び増殖して発熱を繰り返すのです」

 人から人へ感染することはなく、抗生物質を投与すれば治るので過剰に恐れる必要はない。が、海外での感染には十分、注意した方がいい。

 「最も怖いのはシラミ媒介の回帰熱。日本のシラミは心配ないが、アフリカではいまだに感染例が報告されています。治療しなかった場合の致死率は、ダニ由来は5%以下ですが、シラミ由来では30%に跳ね上がります」

 【国内の生息は寒冷地】

 マダニと言っても種類があり、回帰熱の病原体を持つ可能性があるのは、日本では“シュルツェマダニ”。保菌率は2%程度とみられている。症状も従来の海外の回帰熱と違いがある=別項。

 「国内の生息地域は決まっていて寒冷地。本州では中部以北の標高1200メートル以上の山間部。北海道では平地の庭先でも見られます」

 吸血するのはメスダニで、吸血前の体長は3-5ミリ。人の体に付くと、脇の下や股間など、柔らかく血の吸いやすい場所に移動する習性がある。

 ダニに刺されない対策は、露出の少ない服装で、赤や黒、茶色などダニが付いても分かりにくい服の色は避けること。高濃度のディート(虫よけ成分)が配合された医薬品の虫よけスプレーを使うのが効果的という。

 「すべての病原体はダニの唾液に含まれています。刺されて潰そうとすると、余計に病原体が入り込む。感染の可能性も考えて、病院で除去してもらうことが大切です」

【国内の回帰熱の症状の特徴】
・潜伏期間12-16日程度
・39℃以上の発熱に頭痛、筋肉痛などを伴う症状が数日間続く。肝障害を伴うことがある。免疫低下があると髄膜炎を発症することもある
・発熱期と無熱期の繰り返しは今のところ見られていない

1999年以降で患者数が最多に HIV感染の合併が怖い「梅毒」

梅毒はペニシリンでの治療により、世界的に激減した。現在は感染症法の5類感染症に指定されており、医師は患者を診断したら、最寄りの保健所に届け出義務がある。

ここ数年は増加傾向で、今年9月13日までの報告数が1701件となり、昨年1年間の1661件を突破した。特に多いのが東京都だ。

 梅毒は主に、性行為などで感染し、約3週間の潜伏期を経て、梅毒の病因菌(梅毒トレポネーマ)が入りこんだ場所に、初期硬結(こうけつ)という痛みのない小さな腫れ物ができる。これがI期だ。その後2~3週間で症状は消えるが病原体は残る。

 感染3か月以降3年目までのII期は、足の裏や手のひらなどに痛みや痒みのない赤い発疹が現われるなど、体に様々な症状が出る。この典型的な発疹が楊梅(ヤマモモ)に似ていることから、「梅毒」と呼ばれる。II期もI期同様、皮膚症状は数週間のうちに自然消退するが、病気は進行する。

 新宿さくらクリニック(東京都新宿区)の澤村正之院長に話を聞いた。

「今年は毎月のように、梅毒の典型的な皮膚症状がある患者さんが来られます。患者は従来はホモセクシャルの30~40代の男性がほとんどでしたが、今年は若い女性の患者も見られ、異性間の性接触でも感染が広がっている実感があります」

 10年前までは、梅毒はスクリーニング検査で発見されることが多く、典型的な皮膚症状を示す症例は極めて稀だった。

そのため梅毒を診察したことがない若い医師では、皮膚症状を水虫や手足口病や手湿疹(てしっしん)と診断していた例もあるという。かつて脳梅と恐れられた晩期梅毒は、抗生物質の普及で、ほとんど姿を消している。

臭う、かゆい…これって、もしかして「性病」かも?性病の症状チェック!

「性病」と聞くと、ドキッとしてしまいますよね。女性の場合、おりものの量や臭いの変化、デリケートゾーンの痒みなどが典型的な症状ですが、これらの身体のサインを見逃し放置してしまうと、将来さまざまなリスクが生じる可能性もあります。今回は性病と疑われる症状や、病気にかからないために自分でできる予防策などについて、医師に教えてもらいました。

性病の代表的な症状とは?
まずは、性病と疑われる代表的な症状をみていきましょう。身体にあらわれるサインを見逃さないようにするのが大切です。

・おしっこが近くなる
・おしっこをするときに陰部が痛い、もしくは焼けるような感覚がする
・尿道から膿のような白っぽいものが出る
・おりものがいつもより多い
・陰部周辺が赤くなり、湿疹や水泡ができる

原因となるウイルスと治療法は?
原因となる菌やウイルスは、まずおしっこの不調をきたすものとして、クラミジアや淋菌があがります。また、湿疹や水泡などができ、皮膚に痛みをともなうヘルペスウイルスがもっとも一般的です。

治療は、淋菌やクラミジアに関しては抗生物質の内服で数日もすれば治癒されるでしょう。また、ヘルペスウイルスは軟膏を陰部に塗るとともに、抗ウイルス薬を内服することになります。こちらは数週間で治癒されるでしょう。

性病を予防する大原則!
性病にかからないために自分でできる予防の大原則として、以下の2つがあげられます。
・性行為にはコンドームを使用する
・不特定多数の人と性行為をしない

そして自分の安全を守るため、相手に検査を受けてもらうことも大切ですね。
症状が出てしまった時は水分を多くとり、尿をしっかり排出することで悪い菌などを体外に出すようにします。それでも症状が続く場合には、しっかりと検査を受けましょう。
どこで、どんな検査をするの?

まずは、症状の原因を特定することが必要になります。
検査は、尿の採取や陰部などの水泡や膿の出ている部分を綿棒でこすって病原体を確認する簡単なものです。約30分ほどで結果が出るほか、身体には大きな痛みや合併症のようなものはありません。

検査する場所は総合病院でなく、家の近くにあるようなクリニックのほうが意外とよく診療してくれるので、泌尿器科か内科のクリニックを受診しましょう。

医師からのアドバイス
もし性病にかかってしまった場合には、完治するまで絶対に性交渉をしないようにしてください。治る前に性交渉をしてしまっては相手にうつすことになり、自分が治った後に再度その相手と性交渉をすれば、また自分が感染してしまうからです。性病と疑われる症状を見つけた際には、できるだけ早く病院で検査を受けるようにしてくださいね。
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