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【乳がんセルフチェック】見て、触って、乳がんを早期発見

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乳がんを早期発見するには、40歳を過ぎたら2年に1度の検診。でも、30代以下で乳がんになった人の話も聞くし、本当に40歳からでいいのか、ちょっと不安ですよね...そこでまずは月に1度の「セルフチェック」をおすすめします。健康なうちに自分の乳房に関心を寄せておけば、いざ変化があった時に気付きやすいからです。

乳がんセルフチェックのやり方

タイミング

閉経前の女性は、生理が終わって1週間~10日以内がおすすめ。胸が柔らかい期間だからです。閉経した人は、毎月1日や誕生日と同じ日など、日にちを決めると忘れにくいですね。お風呂に入るついでに行うのが、面倒くさくなくておすすめです。

見る

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まずは鏡の前で両胸を見て、えくぼのようなへこみが無いかをチェック。がんが皮膚をひっぱると、へこみサインが現れます。へこみを見つけたら、その先を触ってみてください。しこりがあればがんの疑いがあり、しこりが無ければ、単なる脂肪の可能性が高いので、気にする必要はありません。

触る

次に、乳房を触ってみましょう。コツは、肌をつかまないこと。つかんでしまうと、乳腺を硬く感じてしこりと間違えやすいのです。

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指をそろえて、小さな「の」の字をいくつも書くように、くるくると全体を触ってください。

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「の」の字だとひっかかって難しい方は、乳房の周りから乳輪の側に横方向に触ってもOK。

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どこから始めてもいいですが、触り忘れがないよう、全体をくまなく触ってくださいね。力加減は、少し皮膚がへこむぐらい、ちょっと押し気味で。ぐいぐい押し過ぎても痛いですし、表面をなでるだけでは不十分です。


触る範囲は、鎖骨の下から、乳房のふくらみの下まで。もし高齢の方で乳房が下の方に垂れていても、乳腺は鎖骨の下に残っているので、同じ範囲を触るようにしてください。骨をしこりと間違える人もいますが、骨は長く伸びているのが特徴です。

つまむ

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最後に乳首の元を軽くつまんで、血が出ないかを調べましょう。がんがあれば、乳首の元にある乳管に血がたまることがあるためです。力加減は、軽くでOK。血が出る場合は、鼻血のようにたらっと出ます。ぎゅうぎゅう押すと、その力が原因で出血することもあるので、気を付けてくださいね。また透明な液体が出ても、気にする必要はありません。

大切なこと

毎月触ることで、自分の乳房の「"通常の"状態を知る」ことが大切です。そうすれば、いざ、それまではなかったしこりができた時に、気づきやすくなるからです。しこりの硬さは人によって違うので「石のように固いはず」などと思い込むのはNG。まずは自分の乳房の普段の状態を知ることで、肌荒れに気づくように、変化に気づいて頂きたいです。

変化に気づいたら...

へこみ、しこり、出血など、何らかの変化に気づいたら、お近くの乳腺外科を受診してみてください。ただし、もし生理の前にしこりを発見した場合は、焦らず、生理が終わるまで待ってみましょう。生理の前は乳腺が張るので、がんと間違えがちです。


また、乳腺が張ると痛みを感じることがありますが、がんは痛みとは関係がありません。もし乳腺が張っているだけなら、生理が終わると自然と消えます。生理が終わってもしこりが残っていれば、お近くの乳腺外科を受診してみてください。

セルフチェックは完全ではありません

セルフチェックは、自分で「がん」に気づくための、あくまで目安です。セルフチェックでは見つからない「がん」もあります。また、遺伝的に乳がんになりやすい人もいます。「遺伝的に乳がんになりやすいかどうかのチェックリスト」も活用し、危険度が高い方は医療機関への相談をお勧めします。40歳以上の方は、必ず2年に1度の検診を受けましょう。


【お答えいただいた専門家】
公益財団法人 東京都予防医学協会 がん検診・診断部長
坂 佳奈子(ばん・かなこ)
専門:乳がん検診・画像診断

なぜ乳腺外科医がYouTubeを始めたのか|もっと知ってほしい「乳房を意識して生活すること」の大切さ

乳がんになる人は増えているのに、残念ながら乳房に意識を向ける人は多くありません。今回は乳腺外科医で構成する「BC Tube編集部」に、ブレストアウェアネスへの理解を深め、日常的に乳がんを考えられる社会に向けた取り組みについてうかがいました。増え続ける乳がんに対して自分ができることを改めて考えてみましょう。

大切なのは「ブレストアウェアネス」への理解と、4つのアクションの実践
ーー自分の乳房に関心を持ち、乳房の変化を意識して生活することを「ブレストアウェアネス」といいます。乳がんを早期に見つけて治療につなげる大切な習慣ですが、果たしてどのくらい浸透しているのでしょうか?

「ブレストアウェアネスは数年前に海外から入ってきた言葉ですが、日本では十分に知られていないのが現状です。以前、ツイッターでブレストアウェアネスに関するアンケートを行ったところ、約200名のうち7割近くが『ブレストアウェアネスという言葉を初めて聞いた』と回答。言葉を知っていて実践もしている人は約5%でした。

ただブレストアウェアネスという言葉が広まればいいわけではなく、目的の本質は、(1)乳房のセルフチェックの習慣化(2)乳房の変化を知る(3)乳房の変化に気づいたら検診を待たずに医療機関を受診する(4)40歳になったら定期的に乳がん検診を受けるというブレストアウェアネスを構成する4つのアクションをすべて実践してもらうことです。

注意したい乳房の変化を理解しないままセルフチェックを行っている方、乳房の変化に気づいても病院を受診せず検診に行ってしまう方を減らすために、ブレストアウェアネスのアクションを広めていきたいです」(寺田満雄先生)

ーー海外では広く知られているブレストアウェアネス。日本での認知度が低い理由として、どんなことが考えられますか?

「そもそもブレストアウェアネスが発信される機会はまだ少ないですし、英語であるが故に何を意味しているかピンとこない人も多いのでは。だからこそブレストアウェアネスの中身である、4つのアクションを伝えていく必要性を感じています。

人の行動を変えるのは簡単ではないですし、乳がんや乳房を意識する習慣を自分事として捉えてもらうには時間がかかるのも承知です。BC Tubeでは健診機関や病院にリーフレットを設置するなど、できる活動から行っていきます」(寺田満雄先生)

欧米に比べてなぜ低い? 乳がんに対する日本人の関心度
ーー乳がんの正しい知識を広め、検診受診を啓発する「ピンクリボン運動」。毎年10月のピンクリボン月間には世界規模で啓発イベントが行われていますが、日本の検診受診率は約40%と伸び悩んでいます。日本人が乳がんを自分事として感じにくい理由を考えてみましょう。

欧米では、8人に1人が生涯で乳がんに罹患する状況が昔から長く続いています。家族や友人、職場の同僚などに乳がんを経験した人がいるのは珍しくないため、乳がんに対する関心が高く検診受診率は約80%です。

対する日本人の生涯における乳がん罹患率は以前は欧米と比較すると少なかったのですが、どんどん増加傾向にあり、最近の統計では9人に1人。欧米と肩を並べつつありますが、乳がんと診断されると『まさか自分が!?』と思う人が圧倒的に多く、乳がんの増加スピードに自分事として捉える意識が追いついていないのを感じます。

子どもの頃から乳がんが身近な病気だったか否か、それが日本と欧米の乳がんに対する意識形成に関係している可能性があるので、学校でのがん教育を通して、乳がんが身近な病気であることを教えていくことも必要だと感じます」(田原梨絵先生)

ーー乳がんに対する関心が低いと、正しい知識に触れる機会も少ないはず。「私は胸が小さいから乳がんにはならない」「家族に乳がん経験者がいないから私も大丈夫」といった誤解が検診を遠ざけてしまうことがあります。

「そうならないためには、科学的根拠のある正しい情報に触れることが大事です。国内では、国立がん研究センターのサイトがもっとも信頼できる情報源といえるでしょう。また乳がんになった人が病気や治療について調べる場合は、日本乳癌学会編集の『患者さんのための乳がん診療ガイドライン』をおすすめします。併せて私たちのYouTube動画も参考にしてください!」(田原梨絵先生)

ーー身近に乳がんになった人はいないし「私には関係ない」と、なかなか意識が向かない人に田原先生が伝えたいことは?

「乳がんは誰でもなる可能性があり、絶対にならないという人はいません。自分の体は自分で守るという意識を持ち、検診のほかにセルフチェックを日常的に行い、乳房の変化に気づいたらすぐに医療機関を受診しましょう。月に一度のセルフチェックは習慣にしてしまえばさほど面倒ではありません。歯磨きと同じように当たり前に行えるようになってほしいです」(田原梨絵先生)

乳房の健康意識を高め、行動を変えたい。「BC Tube」の活動に注目!
乳がんを正しく知り、乳房の健康を自分で守れる人が増えるように、2020年7月からYouTubeで乳がんの情報を発信しているBC Tube。乳腺専門医が動画配信に込めた思いや制作のこだわりについてうかがいました。

「インターネット上の情報は玉石混交で、科学的根拠に基づいた情報もあれば信頼性の低い情報も多く存在します。正確で、わかりやすい情報を伝える方法を考えたとき、文字ベースより動画で見せるほうが効果的では?そう思い『乳がん大事典』というYouTubeチャンネルを始めました。主流メディアになりつつあるYouTubeに正しい乳がん情報を置いておく必要性も感じています。

このチャンネルを一番見てほしいのは乳がんにあまり関心のない方ですが、それ以外にも検診の情報を知りたい方、これから治療を始める方、無症状だけど乳房の健康が気になる方に役立つ情報を配信しています。YouTubeは不特定多数の方が視聴するため、誰が見ても傷つかない言葉を選ぶこと、そして事実を正しく伝えることを意識しています」(伏見淳先生)

ーーYouTube動画は複数の乳腺科医によって制作され、さまざまな「目」が入ることで、一人の医師の私見に偏らない客観的な情報を提供。故に信頼性が高く情報の質に定評があります。

「動画制作にかかわっていない医師にピアレビューしてもらい、医学雑誌と同じような制作手順を踏むことで正確性と客観性を担保しています。今年の日本乳癌学会や乳癌検診学会のシンポジウムでBC Tubeの活動を発表したところ高い評価をいただきました。

一方的な発信にならないように、今後は患者団体とパートナーシップ契約を結び、アンケートで集めた声をもとに患者さんの役に立つ動画も充実させていく予定です」(伏見淳先生)

クラウドファンディングに初挑戦!託す思いとは
ーーピンクリボン月間にあたる10月には、ブレスト・アウェアネスの4つのアクションをより多くの方に知ってもらうために、クラウドファンディングを開始。挑戦のきっかけは?

「私たちは、自分は乳がんとは関係がないと思っている方にもブレストアウェアネスや乳がんに関心を持ってほしいと思っていますが、いわゆる無関心層の方に医療者が直接言葉をかけるのは難しいと感じクラウドファンディングを行うことにしました。テーマは「あなたの手紙で、大切な人にもブレスト・アウェアネスを」です。

どういうことかというと、私たちの活動に賛同してくださった支援者に返礼としてブレスト・アウェアネスカードとメッセージカードをお送りします。そのメッセージカードに『これからも元気でいてね』など一言添えて大切な人に送ってください。手紙をきっかけに世間話でもいいのでブレストアウェアネスや乳がんについて話してもらい、私たちが届けられない言葉を関心層から無関心層へ届けていただきたい。

乳房のことを気にしたこともなかった、自分は乳がんとは関係ないと思っていた女性そして男性にも、将来の自分や大切な人の命を守るために、ブレスト・アウェアネス、乳がんに関心を持ってほしい。そして、健康に対する気づきの輪を広めたい、それがこのプロジェクトの一番のポイントです」(山下奈真先生)

ーーでは集まった資金をもとに、どのようなアクションを行う予定ですか?

「達成金額ごとに3つのゴールを考えています。まずリーフレットとDVDを作成して全国の医療機関に配布し、次は無関心層の方が手に取りやすいネイルサロン、美容院、スーパーなどに設置場所を広げていきます。最終的には医療従事者、教諭、小中高校生向けの教員用の教材を作成し、さまざまな場所から正しい乳がんの情報にアクセスできる社会を作り、社会全体の乳がんに対する意識を高めることが目標です」(山下奈真先生)

検診や治療の情報に留まらない。BC Tubeが見据える未来
ーーこれまでYouTubeを通して乳がんの情報を配信してきたBC Tube。今後はどのような活動を思い描いているのでしょうか?

「まずは10月に行うクラウドファンディングをきっかけに、ブレストアウェアネスをさらに広めていきたいですね。その先については、抗がん剤の副作用による脱毛、手術による乳房の喪失という外見の変化に悩む患者さんのためのアピアランスケア(外見のケア)や、がんと就労など乳がんを取り巻く社会的課題の解決に役立つ情報も提供していきたい。そして乳がんになった方が生きやすい、『乳がんを皆で知り、やさしく支え合い、共に生きる』社会を目指していきます」(伏見淳先生)

お話を伺ったのは…BC Tube編集部
一般社団法人BC Tubeとして2020年11月に設立。メンバーは代表理事の伏見淳氏をはじめとする7名の乳腺外科医を中心に構成し、YouTubeチャンネル「乳がん大事典」を運営。乳腺外科医が作成した動画を第三者の乳がん診療・研究に携わる医師と非医療者のレビューを経て定期的に公開し、客観的で科学的根拠のある乳がん情報の発信を行っている。2021年10月、ブレスト・アウェアネスや乳がんに関心を持ってほしい、健康に対する気づきの輪を広めたいという思いから、クラウドファンディングを開始。

取材・文/北林あい

早期発見が難しい…無症状が多い卵巣がんの症状・検査法

【医師が解説】卵巣の病気は自覚症状が出にくい上になかなか有効な検診法がなく、進行するまでわかりにくいのが特徴です。国内の卵巣がん患者は増加しており、2019年人は4733人の方がこの病気で命を落としています。卵巣がんの特徴や症状、治療法について解説します。


卵巣がんとは……卵巣のう腫とは異なる卵巣の悪性腫瘍

卵巣の図

卵巣にできる癌は、かたいコブというイメージです


図をご覧ください。卵巣は親指の先ぐらいの大きさの臓器で、右と左の両方に1個ずつあります。そしてなんと、実は卵巣は体のなかでもっとも腫瘍ができやすい臓器といわれています。考えてみれば、生命のもとになる卵子があって、毎月細胞分裂してるところですから、当然といえば当然の気もしますよね。

そんなわけで卵巣にはさまざまな腫瘍ができますが、その中には大きく分けて、良性のことが多い「卵巣のう腫」と、悪性のことが多い「充実性腫瘍」があります。卵巣の腫瘍のうち約9割が卵巣のう腫で、残りの1割が充実性腫瘍なのです。卵巣のう腫に関して詳しくは「卵巣腫瘍ってどんなもの?」をご参照ください。

充実性腫瘍の8割が悪性といわれ、そしてその代表例が「卵巣がん」です。イメージとしては固いしこりのような感じです。卵巣は別名「沈黙の臓器」。自覚症状がほとんどないのに病気が進行してゆくのが特徴で、なかなか有効な検診方法がなく、早期発見が難しいといわれています。
 

卵巣がんになりやすい人の傾向……年代は問わないのが特徴的

卵巣がんは40代~60代の女性に最も多く見られますが、思春期から高齢の女性までなる可能性があります。年々増加しており、排卵の回数が多いほど(妊娠・出産の経験がない、少ない女性ほど)発生率が高いという説もあります。「産む、産まないで何が変わる?おさえておきたい病気特集 妊娠、出産で変わる病気のリスク」も併せてご覧下さい。

普通、がんといえばかなり年齢がいってから発病するので、そういった意味ではかなり特徴的ながんということになります。

実は卵巣がんのリスクははっきりしていません。ただ、遺伝が関係しているといわれているので家族で卵巣がんの人がいる方は要注意になります。

□年代は40~60歳が多いがあらゆる年齢に発生
□家族に卵巣がんの人がいる
 

卵巣がんの症状……初期症状は出にくく、進行すると腰痛や生理不順も

腫瘍が小さいうちはほとんどが無症状。腫瘍がこぶしよりも大きくなると、固いしこりが下腹部にできたり、腰痛、下腹部痛、生理不順、また、場合によっては腹水といって、おなかに水がたまったりします。
 

卵巣がんの検査法・早期発見法…有効な検診方法は研究中

本当ならここで最適な方法をご紹介したいところですが、早期発見に役立つ有効な検診方法はまだわかっていません。いろいろな手法が試みられてはいるようですが、なかなか難しいようです。

下腹部にしこりを感じたり、便秘でもないのにお腹がいつも張ってくる気がしたら婦人科を受診していただくのはもちろんですが、家族歴があるなど、明らかにリスクが高い人は、子宮がん検診の際に自費になりますがエコー(超音波検査)で卵巣も見てもらうのも一つの方法でしょう。
 

卵巣がんの治療は手術・化学療法

基本的には手術と化学療法が中心になります。手術で腫瘍を取ることにより、卵巣がんのなかでもどんな種類の癌なのかとか、どこまで広がっているのかがわかります。卵巣、卵管だけをとるのか、リンパ節や他の臓器を広く取るのかはその時々によって違います。

また、手術の後は全身に広がっていると考えられるがん細胞に対抗するために化学療法が行われます。卵巣がんは比較的、化学療法が効果的であるといわれています。

放射線療法といって、放射線を体の内や外から照射する方法もあります。

ただし、卵巣がんの治療は病気の時期や年齢、どんな種類かによっても違います。卵巣がんの標準的な治療指針については、日本婦人科腫瘍学会から発表されています(参照:日本婦人科腫瘍学会 卵巣がん治療ガイドライン)。しかし標準的な治療のみだけでは難しい場合もあり、様々な方法が検討されています。

子宮内膜症、診断確定までに平均7年半 長くかかる原因は?

子宮内膜症を抱える人は、世界全体で約1億7600万人にのぼると推定されている。子宮内膜症は慢性痛や倦怠感、不正出血(中間期出血)などの症状を引き起こすことが多く、婦人科の病気の中でも、最も一般的なものとされる。

生理用品と関連製品のサブスクリプションサービスを提供する英ヨッピー(Yoppie)が実施した調査では、診断を受けるまでの時間の長さと、それにより心身が受ける影響の深刻さが明らかにされている。

一方、子宮内膜症に関する理解不足を解消しようと声を上げた人たちの活動は5年ほど前から行われているものの、診断が確定されるまでには、いまだ平均7年半の時間がかかっている。

子宮内膜症に関する情報サイト「スピークエンド(SpeakEndo)」は、患者の3人に1人は、3~4人の医師に相談してようやく診断が確定する状況だと報告している。これは、多くの女性が診断や症状をコントロールするための有効なサポートを受けられないまま、何年間もその痛みについて説明し続けなければならないことを意味している。

慢性的な痛みを抱えで暮らしながら、症状を訴えつつ10年近い時間を過ごすのがどれほどの労力を必要とすることか、それは自ら体験しなければ、理解し難いことだろう。

ヨッピー創業者のダニエラ・ペリは、「子宮内膜症の症状は個人によって大きく異なり、他の病気の症状と似たものでもあることが多いため、診断が難しく、誤診につながることがある。新型コロナウイルス感染症の流行によって医療システムに負担がかかっていることもあり、適切な治療を受けられるまでに、さらに長い時間がかかることになっている」と述べている。

ただ、避けられない問題はあるとしても、診断が確定するまでに平均7年半という長い時間がかかることは、非常に重い症状に苦しむ女性たちの生活の質が深刻な影響を受けているということであり、適切といえる状況ではない。

この調査の前にも、なぜ子宮内膜症の診断にはこれほど長い時間を要するのか、この病気に関する誤解の原因はどこにあるのかについて調べた研究は、いくつも行われてきた。

医学誌「Diagnosis」に7月末に掲載されたオランダのラドバウド大学医療センターの研究結果は、子宮内膜症に関する教育の欠如が、診断がつくまでに長い時間がかかることにつながっていると指摘している。

知識不足が診断の遅れの大きな原因に
この研究結果は、診断プロセスのネックになっているのは、患者が診察を受けるまでに時間がかかること、一般開業医による症状の評価が十分適切に行われていないこと、患者と医療従事者の間のコミュニケーションが不十分であることだと結論づけている。

「社会の認識を高め、医療スタッフに対し、患者が示す症状を認識するのに十分な知識とスキルを提供するための努力が必要だ」という。

過去の研究では、子宮内膜症に一般的な症状と、精神的健康に関連があることも示されている。慢性的な痛みを抱えて暮す期間が長くなるほど、患者は生活の質の低下に苦しむことになり、それが不安症やうつ病の発症につながるという。

多くの専門家たちが、診断が確定するまでに長い時間がかかりすぎることを強く批判してきた。一方、この病気の症状については、依然として多くの誤解があることも指摘している。

40代じゃ遅い? 初めて乳がん検診を受けた年齢ランキング

小林麻央さんが乳がんにより闘病中であることが報じられ、世間に大きなショックを与えました。

命の危険にさらされることはもちろん、場合によっては治療で乳房を失ってしまうこともあり、乳がんは女性にとって無視することのできない病気です。

早期発見できれば治癒率は高いと言われる乳がん。

検診を受けた方がいいと分かっていても、つい後回しにしてしまったり、いざ検査となると怖くなってしまったりすることもありますよね。

そこで、パピマミ読者のみなさまに「乳がん検診を初めて受けたのはいつですか?」 というアンケートを実施しましたので、みなさんの回答を見ていきたいと思います。

●乳がん検診を初めて受けたのはいつですか?

・1位:30〜34歳……30%(145人)
・2位:25〜29歳……19%(93人)
・3位:35〜39歳……16%(75人)
・4位:40〜44歳……15%(73人)
・5位:20〜24歳……12%(59人)
・6位:45〜49歳……3%(14人)
・7位:10代……2%(8人)
・8位:50〜54歳……1%(7人)
・9位:60歳〜……1%(4人)
・10位:54〜59歳……1%(3人)

※有効回答者数:481人/集計期間:2016年9月23日〜2016年9月26日(パピマミ調べ)

●半数近くの人が30歳前後で初めて受診

『若いとがんの進行も早いと聞いて、若いからこそやらなければいけないと思い受診しました』(30代女性/主婦)

『「あのときやっておけば良かった」と後悔しないように、できるだけ早く受けた方がいいと思います』(20代女性/事務職)

もともと乳がんは40代後半から50代にかけて発症することが多い病気とされていましたが、近年、20代から30代の若い女性の発症率も高まっており、若いからといって安心できるものではありません。

乳がんで闘病中の小林麻央さんも現在34歳ということで、同年代の女性にとっては決して他人事とは言えないはずです。

芸能人が乳がんにかかったという報道を目にすることも増え、今回の結果からも、若いころから危機感を持っている女性が増えている ことが伺えます。

●40歳前後での初受診が3割

『検査と聞くとどうしても腰が重くなってしまって、後回しにしてしまいますね』(40代女性/主婦)

『40過ぎるとまわりの人もみんな受け出して、私もそろそろかなと思って受けました。補助があるので、金銭的な負担もなくなるというのが大きいですね』(40代女性/パート)

国の指針では、40歳以上の女性を対象に2年に1回の受診 が勧められており、40代を目安に積極的に受診する人が多いようです。

40歳をすぎると自治体による費用負担があり、安価に検診を受けることができるため、それがきっかけとなるのでしょう。

もし全額自己負担となると、マンモグラフィ検査と超音波検査で1万円を超える費用 が必要となるため、40歳未満での検診に気後れする人もいるはずです。

●10代から20代前半で受けたという人も

『私の母親が若くして乳がんになったので、自分もその可能性があると思って受けました』(20代女性/大学生)

家族に若くして乳がんになった人がいるなどの場合、遺伝性乳がんの可能性があり、発症リスクが高くなる と言われています。

そのため、かなり早期から乳がん検診を受けることもムダとは言えないでしょう。

しかし、若い人の場合、乳腺密度が高いこともあり、マンモグラフィ検診では病変を見つけにくい といったこともあります。

早期の検診が自分に必要かどうかは、医師によく相談するようにしましょう。

いかがでしたか?

早期発見が自分の命を助けることになると頭では分かっていても、検査に痛みがあることや乳房という場所柄、あまり積極的に受けたいものとは言えない乳がん検診。

本格的な検診ではなくても、セルフチェックでしこりやへこみがないか確認することはできます。

小さな変化があったときにすぐに気づけるよう、危機感を持ち日頃から観察することが、結果として自分の命を守ることにつながる のではないでしょうか。

新しい乳がん検診「ドゥイブス法」は見逃しが少なく痛くない

乳がん検診は「痛い」「服を脱ぐのが恥ずかしい」と嫌がる人が珍しくない。しかし、それらの受けたくない理由が省かれた新しい乳がん検診がある。「ドゥイブス(DWIBS)法」だ。開発者である東海大学工学部医用生体工学科教授の高原太郎医師(放射線科専門医)に話を聞いた。

ドゥイブス法は、がんの細胞密度が高いことに着目し、細胞間の水の動きをもとにがんを検出する検査法で、画像検査MRIの一種である「拡散強調画像」をもとに、高原医師が2004年に開発。それまでは、拡散強調画像は体の一部分しか撮影できなかったが、一度の検査で全身を撮影できるようにした。

全身のがんの検診のほか、がん組織の活性の評価、抗がん剤・放射線治療の効果判定などに有効だが、特に注目を集めているのがドゥイブス法による乳がん検診だ。

乳がんは30代から急増し、生涯に乳がんになる日本人女性の割合は9人に1人。早期発見すれば比較的予後が良いが、30~60代で乳がんが死亡率トップなのは、主に次の理由からだ。

「まずは、受診率の低さ。日本での乳がん検診受診率は45%で、半数以上が受けていません」

乳がん検診には、乳房を挟んで撮影する「マンモグラフィー(以下=マンモ)」があるが、「痛い」という女性は少なくない。放射線被曝というデメリットもあり、受診率の低さにつながっている。豊胸手術をした人は中に入れたインプラントが壊れる可能性があり、医療機関側から検査を拒否されることも。

「次に、たとえマンモを受けても、日本人は『高濃度乳房』が多く、がんを見逃されやすい」

高濃度乳房とは、乳房に占める乳腺組織の割合(乳腺濃度)が高いことで、高い順に「高濃度」「不均一高濃度」「乳腺散在」「脂肪性」と分類される。一般的に若いうちは高濃度が多数で、加齢とともに乳腺濃度は低くなるが、日本人は年を取っても高濃度の人が多数を占め、高濃度と不均一高濃度を合わせると半数ほどが該当。高濃度乳房は病気ではないが、マンモでは乳房全体がほぼ白く写るため、がんが見つかりづらい。

「超音波検査も併用すれば高濃度乳房でも、がんを発見できる率は高まります。しかし、超音波技師の数は十分ではありません。また、高濃度や不均一高濃度を受診者に報告することは義務化されていません」

つまり、本来は超音波も受けるべきなのに、「異常なし」とだけ告げられているケースも考えられるのだ。なお、米国ではマンモで高濃度や不均一高濃度が判明した場合、受診者に伝えることが義務化されている。

■検査時間は15分、服を着たままでOK

ドゥイブス法による乳がん検診は、5つの特徴がある。①専用の台の上にうつぶせ寝で撮影するだけなので「痛くない」②胸が圧迫されないので「豊胸手術や乳房の手術後も検査可能」③放射線を使わないため「被曝しない」④高濃度乳房でもがんを画像上で確認できるため「がんの見逃しが少ない」⑤服を着たままで検査を受けられるので「恥ずかしくない」。検査のハードルが低く、受診者の4割が「乳がん検診を一度も受けたことがない」、3割が「3年以上受けていない」人だ。

「ドゥイブス法のがん発見率は約1・5%。陽性的中率が約15%と高いのもポイントです」

マンモとは受診する群が違うので単純比較はできないものの、マンモのがん発見率は約0・3%、陽性的中率は約3%だ。

ドゥイブス法の乳がん検診の費用は2万~3万円。マンモと超音波は2つ合わせても8000円ほど(3割負担の場合。マンモは国の補助により40歳以上は2年に1度無料)なので、それよりは高額だが、前出の「生涯に乳がんになる日本人女性の割合は9人に1人」ということを考えると、受けるメリットは大きい。検査時間は15分ほど。全国26の病院で検査を実施している。

「子宮が腫れる」とも言うけれど....生理中、お腹が張るのはなぜ?【医師解説】

生理が始まると下腹部が膨れ、2キロも太った気がするのはなぜだろう。2人の産婦人科医がその理由を解説。生理が始まる2日ほど前から腹部だけ2キロ太った気がする。パンツはなんだかきつい。身体も重い。

気のせいではなく、生理中は実際にお腹が膨れることがあるそうだ。原因はホルモンにある、と2人の婦人科医が説明する。

腸の働きが減速
これはほとんどの女性が経験していることだが、生理痛と同様、人によって症状はさまざまだ。「排卵の直後、生理が始まる数日前、妊娠した場合に備えてプロゲステロンの分泌が増えます。

このホルモンは腸の周りの筋肉を緩ませる傾向があります。すると腸の働きが鈍くなり、ガスが溜まりやすくなります」と婦人科医で心身医学専門医のシルヴァン・ミムンは説明する。その結果、お腹が張ってしまう。

「子宮が腫れていると勘違いされる女性もいますが、原因は腸です」と産婦人科医で心身医学専門医のオディル・バゴ(1)も付け加える。生理が始まる前に、よりお腹が張る場合もあるそう。「妊娠していなければ、すなわち生理が始まれば、プロゲステロンの量は減ります」。

不愉快な症状ではあるが、どうしようもないことでもある。薬用炭を摂るとガスが吸収され症状が軽減する。「でも一番効果的なのは、ベルトの穴を一つゆるめにずらすこと」とオディル・バゴは説明する。

(1)オディル・バゴ(Odile Bagot)は“Mam Gyneco”の通称で『Dico des nanas, tout ce qu'il faut savoir de la puberte a la menopause (思春期から閉経期までの女子の辞書)』と『Dico des femmes enceintes, du desir de grossesse a la visite postnatale (妊娠の希望から産後訪問までの妊婦の辞書)』(Hachette出版刊)の著作がある。

症状がない!? 卵巣がんってどんな病気?

日本では、年間約6000人の人が卵巣がんになるといわれていますが、卵巣の病気はなかなか有効な検診法がなく、進行するまでわかりにくいのが特徴。ここでは、女性に知っておいてほしい病気、卵巣がんについてお伝えします。

■卵巣がんってどんな病気? 「沈黙の臓器」初期は症状がない!?
卵巣は親指の先ぐらいの大きさの臓器で、右と左の両方に1個ずつあります。そしてなんと、実は卵巣は体のなかでもっとも腫瘍ができやすい臓器といわれています。考えてみれば、生命のもとになる卵子があって、毎月細胞分裂してるところですから、当然といえば当然の気もしますよね。

そんなわけで卵巣にはさまざまな腫瘍ができますが、その中には大きく分けて、良性のことが多い「卵巣のう腫」と、悪性のことが多い「充実性腫瘍」があります。卵巣の腫瘍のうち約9割が「卵巣のう腫」で残りの1割が充実性腫瘍なのです。

充実性腫瘍の8割が悪性といわれ、そしてその代表例が「卵巣がん」です。イメージとしては固いしこりのような感じです。卵巣は別名「沈黙の臓器」。自覚症状がほとんどないのに病気が進行してゆくのが特徴で、なかなか有効な検診方法がなく、早期発見が難しいといわれています。怖いですよね。

■どんな人が卵巣がんになりやすいの? 年代は問わないのが特徴的
卵巣がんは40代~60代の女性に最も多く見られますが、思春期から高齢の女性までなる可能性があります。年々増加しており、排卵の回数が多いほど(妊娠・出産の経験がない、少ない女性ほど)発生率が高いという説もあります。

普通、がんといえばかなり年齢がいってから発病するので、そういった意味ではかなり特徴的ながんということになります。実は卵巣がんのリスクははっきりしていません。ただ、遺伝が関係しているといわれているので、家族で卵巣がんの人がいる方は要注意になります。

・年代は40~60歳が多いがあらゆる年齢に発生
・家族に卵巣がんの人がいる

■卵巣がんってどんな症状があるの? 最初はほとんど無症状
腫瘍が小さいうちはほとんどが無症状。腫瘍が大きくなって、こぶしより大きくなると、固いしこりが下腹部にできたり、腰痛、下腹部痛、生理不順、また、場合によっては、腹水といって、おなかに水がたまったりします。

■卵巣がんってどうやって調べられるの? 有効な検診方法はまだ研究中
本当なら、ここで「こんな方法があります!」とお知らせしたいところなのですが、早期発見に有効なはっきりした検診方法がまだないのです……いろいろ試みられてはいるようですが、なかなか難しいようです。

下腹部にしこりを感じたり、便秘でもないのにお腹がいつもはってくる気がしたら婦人科を受診していただくのはもちろんですが、家族歴があるなど、明らかにリスクが高い人は、子宮がん検診の際にエコー(超音波検査)で卵巣も見てもらうのも一つの方法でしょう(自費になりますが)。

■卵巣がんの治療について教えて! 手術・化学療法
基本的には手術と化学療法が中心になります。手術で腫瘍を取ることにより、卵巣がんのなかでもどんな種類のがんなのかとか、どこまで広がっているのかがわかります。卵巣、卵管だけをとるのか、リンパ節や他の臓器を広く取るのかはその時々によって違います。

また、手術の後は全身に広がっていると考えられるがん細胞に対抗するために化学療法が行われます。卵巣がんは比較的、化学療法が効果的であるといわれています。放射線療法といって、放射線を体の内や外から照射する方法もあります。

ただし、卵巣がんの治療は病気の時期や年齢、どんな種類かによっても違います。そこで、2004年に卵巣がんの標準的な治療指針が日本婦人科腫瘍学会から発表されています。でも、標準的な治療のみだけでは難しい場合もあり、色々な方法が検討されているところです。

夜間の絶食が乳がんの再発リスクを減少 夜間間食はがんの元

夜間の間食により、乳がんの再発リスクが上がるという調査結果が発表された。この調査によると、夜間の絶食時間が13時間未満の人は、それ以上の人と比べて乳がんの再発リスクが36%高かった(※1)。
□乳がんと夜間間食の関係、当初の研究目的は違っていた

 米カリフォルニア大学のパターソン博士のチームは、1995年から2007年までの間に、「女性の健康的な食生活」の調査に参加した女性たちのデータを再検証した。調査対象は27~70歳の初期乳がんと診断された女性たち2400人である。

 当初の目的は、フルーツや野菜をたくさん食べることで、がんの再発を防ぐことができるかを調べることだったが、それに関しての有意差は認められなかった。

 しかし、これらのデータを観察していったところ、研究者は、夜間の絶食時間と乳がんの再発率の間に関連性が見られる事を発見した。夜間の絶食時間の平均は12.5時間であったが、その時間が短いと乳がんの再発リスクが上がるという傾向が認められたのだ。
 
□ラットの研究でも実証されているがん再発と間食の関係

 事前にラットで行われた研究では、がんの予後が悪化する要因である高血糖や炎症、体重増加などは、夜間の絶食により防ぐことができると判明している。

 また、絶食時間が長い人の血中ヘモグロビンA1C(過去3カ月の血糖値レベルの目安になる物質)濃度は低く、睡眠時間は長い傾向にあるという調査結果も存在する。血液中の糖分はがんの燃料となり、質が悪く短い睡眠もがん発生のリスクになることも分かっている。

 おそらく、長時間の絶食は平均血糖値と睡眠の質や量などを介して、がんの発生リスクを低下させているようである。
□大切なのは自然のリズム 生活リズムの乱れががん発生のリスクに

 「進化の過程で、人類は、狩りや食物の採取などで動いている明るい時間に食事を取っていた。

 体を動かしている時に食べるというのが自然のリズムであり、それに反する行動を取る事は、体内時計を狂わせて、代謝の健全性を損なう理由になる」。その生活リズムの乱れががんの発生リスクになると専門家は信じている。

 パターソン博士はこういった生活の乱れはがん以外の健康面にも影響を及ぼすと述べている。「私の乳がん患者の多くは睡眠の問題を抱えている。しっかり絶食時間を作り、良い睡眠をとることは、がんのリスクだけでなく、高血圧や高脂血症、メタボリックシンドロームや、それに伴う、心疾患などのリスクも低下させる事が出来る」。

 人は生まれながらに病気と闘う能力を持っている。薬やサプリメントに頼るだけではなく、内なる力を最大限発揮できるよう、生活リズムを自然に近づけることも大切である

子宮体がんは子宮頸がんとどう違うの?

子宮にできるがんを「子宮がん」と呼びますが、子宮がんには「子宮体がん」と「子宮頸がん」があります。この2つはまったく別の種類のがんで、特徴も大きく異なります。「子宮体がん」と「子宮頸がん」、2つの違いについて、自治医科大学附属さいたま医療センター産婦人科教授の今野良先生に教えてもらいました。

「子宮頸がん」は30〜40代、「子宮体がん」は50代が年齢のピーク

「子宮頸がん」は、子宮の入口にあたる、子宮頸部にできるがんです。30〜40代を中心に発症し、現在では20代にも急増中。主に性行為によってヒトパピロマーウイルス(HPV)に感染することによって起こり、初期は自覚症状がないため、定期的に子宮がん検診を受けることで予防につながります。

一方、「子宮体がん」は子宮の内側にある子宮内膜から発症するがん。50代で発症する人が多く、最近は30代にも増えています。ホルモンバランスの異常や肥満、糖尿病などと因果関係が深いとされていますが、原因は特定できていません。不正出血があったら受診することが早期発見につながります。

子宮頸がんと子宮体がんの大きな違いは、がんの原因や発がんの過程がはっきりと解明され、予防ができるがんであることです。一方、子宮体がんには初期症状がありますが、子宮頸がんにはありません。ウイルスが原因で誰もがかかるリスクをもっているがんなのに、自分で気づくことができないため、年間3,500人の女性がこのがんで亡くなっています。なんと、1日に約10人が子宮頸がんのために命を落としているという計算になります。

子宮と命を守るために大切なのは、定期検診で細胞ががんになる前に発見すること。各自治体が検診費用をサポートするなど、負担なく受けられる環境が整っています。1年に1回、検診を受けて、子宮のチェックをしましょう。

頻度は?どう触る?意外と知らない「乳房セルフチェック」乳腺科医が勧める正しいやり方

自分の乳房の状態に日頃から関心を持ち、乳房を意識する「ブレストアウェアネス」については前回の記事にまとめています。今回は、ブレストアウェアネスの中のひとつ、月に一度実施したい「乳房セルフチェック」のやり方についてご紹介します。

見て・触って・感じる、習慣にしたい月に一度の乳房のセルフチェック

乳がんから命を守るために必要な早期発見は、日頃から乳房に意識を向けることが鍵になります。40歳以上の人は2年に一度のマンモグラフィ検診を受けることを前提に、検診にプラスして乳房のセルフチェックを習慣にしましょう。

「乳房のセルフチェックで大切なのは一回きりではなく、月に一度を目安に習慣的に行うことです。乳腺はそれ自体がゴツゴツしていてしこりと間違いやすいため、異常がないと言われた検診後に触って健康な状態の感覚を覚えておき、その状態を基準に先月と違いがないかを確認します。行う時期は、乳房の張り感が収まり一番やわらかい状態になる月経が終わった数日後が適しています。閉経後の方は自分がやりやすい日を決めて毎月行ってください。セルフチェックは生活習慣にすることが望ましいので、入浴時、着替えのついで、寝る前にベッドに仰向けになってなど、自分がやりやすいタイミングで行うようにしましょう。またマンモグラフィ検診は40歳からですが、検診年齢の前からセルフチェックを始めて、自分の乳房の変化に意識を向ける習慣を身につけておくことも大切です。特に家族の中に乳がんや卵巣がんを発症した人がいる場合は、早くからそのような習慣を身につけておくことがおすすめです」(寺田満雄先生)

乳房のセルフチェックのやり方

目で見てチェック

鏡の前に立って両腕を上げて乳房のひきつれ、くぼみ、乳頭の変化、乳房の左右差がないかを確認する。

手で触ってチェック

1.チェックする乳房側の腕を上げて、反対側の手の指で触るようにする。

2.人差し指、中指、薬指の3本の指の腹で小さな円を描きながら、乳房の右外側・右内側・左外側・左内側をまんべんなく触り違和感がないかチェックする。

3.乳頭は指の腹で触るだけでなく、乳頭を指でつまんで分泌物が出ないかチェック。

4.乳がんは進行すると脇の下のリンパ節に転移しやすいため、脇の下に腫れやしこりがないか触ってチェック。

触ってチェックするときのポイント

・皮膚をサラサラなでるだけでは変化に気づきにくいため、指の腹で皮膚を少し押し込むようにしっかり触る。

・入浴時は石鹸をつけて行うと乳房の凹凸がわかりやすい。

「セルフチェックでいつもと違う変化に気づいたら、その後の行動が大切です。忙しいから、怖いからといってそのままにしないで、すみやかに乳腺外科を受診しましょう。多分大丈夫だろうという自己判断も禁物です」(寺田満雄先生)

BC Tube編集部の動画でもチェックしてみましょう

図や動きを使って分かりやすく説明しているので、ぜひ動画でもご覧ください。

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しこりがあったら乳がん!?慌てずに行動するために知っておきたいこと

セルフチェックで見つかることもあり、乳がんのサインのひとつとされる「しこり」は、1~2cm程の大きさになると指で触って自覚できると言われています。セルフチェック中に指に石のような硬い感触があったら「もしかして……」と不安になりますが、すべてのしこりが乳がんの症状なのでしょうか。

「セルフチェックで見つけたしこりのすべてが乳がんというわけではありません。しかし、しこりには良性と悪性(がん)があり、触っただけで区別するのは医師でも難しいものです。マンモグラフィなどの画像検査を行い、さらに細胞や組織を採って調べてみて初めて確定できます。年齢によって、セルフチェックで見つけたしこりが悪性である確率も変わってきます。自分で見つけたしこりが乳がんと診断される確率は、60歳以下だと10%以下と低く、多くの場合は良性です」(山下奈真先生)

年齢によって変わるのはなぜなのでしょうか。

「若い程、悪性の確率が低い理由は、しこりは乳腺にできますが、年齢が若い人ほど乳腺が発達していて触ったときに硬く感じるため、しこりだと思って検査をしたら乳線そのものの硬さだったということが多いからです」(山下奈真先生)

「また、20~40歳代では乳腺線維腺腫など等の良性のしこりもよく見られるのも一因と考えられます。乳がん以外の良性のしこりには、乳腺線維腺腫、葉状腫瘍、乳腺炎、乳腺症などが挙げられ、乳腺とは関係のない脂肪や皮膚の腫瘍をしこりと感じることもあります」(寺田満雄先生)

また「一方で乳がんと診断された人の約半数がしこりなどに自分で気づいて受診してします。しこりがあっても不安になり過ぎる必要はありませんが、自己判断で良性と決めつけてしまうのも危険です。良性のしこりでも治療が必要な場合があります。かならず医療機関で詳しい検査を受けるようにしましょう」(山下奈真先生)

動画でもチェック!

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BC Tube編集部

一般社団法人BC Tubeとして2020年11月に設立。メンバーは代表理事の伏見淳氏(ダナ・ファーバー癌研究所)はじめとする7名の乳腺外科医を中心に構成し、YouTubeチャンネル「乳がん大事典 BC Tube編集部」を運営。乳腺外科医が作成した動画を第三者の乳がん診療・研究に携わる医師と非医療者のレビューを経て定期的に公開し、客観的で科学的根拠のある乳がん情報の発信を行っている。

【乳がん体験記】お腹の脂肪を乳房へ。想像を絶する痛みの乳房切除と再建手術「一次一期再建術」

こ56歳で乳がんの告知を受け、治療を始めた あ・らかんです。今回は、私が選んだ手術(一次一期再建術)の体験とそのメリット・デメリットについて私の感じたことをお伝えします。こんなに大変な手術だったの!?


お腹の脂肪を乳房へ、自家組織移植って自給自足 

学ぶことが術前・術後を乗り越える力の一つとなった

年1万人が診断される「子宮頸がん」 20歳以上は定期的な検診を…がんになる前段階で発見

患者 毎年1万人

「HPV検査」追加

セルフチェックも有効“乳がん”生存率95%のしこりの見つけ方

「11人に1人が乳がんになる時代で、患者数はこの30年で3倍以上に増加。それにともない、若い女性の乳がんの患者さんも増えています。実際、私のクリニックでも、20~30代の働く女性の患者さんが急増しています」

そう話すのは「新宿ブレストセンター クサマクリニック」の日馬幹弘院長。若年性乳がんが増えた背景を解説してくれた。

「乳がんの原因は、妊娠に必要な女性ホルモン『エストロゲン』の過剰分泌です。現代の女性は昔と比べて、小学校高学年からと初潮が早くなっていて、月経期間が長いのです。

月経前は女性ホルモンが多く分泌され、乳腺が『エストロゲン』にさらされます。妊娠・出産することで、一時的に『エストロゲン』の分泌は止まりますが、少子化の時代、若い女性の出産回数の減少も乳がんの増加に関係しているのです」(日馬先生・以下同)

気がかりなのが、乳がんだけにとどまらず、子宮頸がんなど、若い女性にがんが増えていることだ。国立がん研究センターによる、がん患者数の統計がある。それによると、’86年から’13年までの間に、20歳から34歳までの年代で、がん患者数は1.4倍になっているのだ。

最近のライフスタイルや食生活などが影響している若年性がん。ほかのがん同様に、早期に発見するのが鍵になる。そのためには定期健診が重要だが、乳がん検診に関して、問題が山積みしていると日馬先生はこう語る。

「母親や親戚に乳がんになった人がいる女性は25歳から、乳がん患者が家族にいない方でも30歳を目安に、1年に1回の乳がん検診を受けたほうがいいと考えています。ただし、20~30代では、放射線被曝のリスクがあるうえに、がんが見逃されやすいマンモグラフィーよりも超音波を中心にした検査をしてください。

とはいえ、超音波検査はエコーを当てる角度によって見え方が違うなど、行う医師の技術によって精度に差が出てきます。検査するときは、乳がん学会の認定施設かどうかチェックすることも大切です」

また、検診と同時に行うセルフチェックも重要だという。日馬先生がオススメの「乳がんセルフチェック法」を教えてくれた。

(1)背中にタオルや枕を置いて、胸を張らせて、指の腹で乳房を圧迫しながら触っていく。

(2)しこりは、いびつな形で、梅干しの種のような硬さ。触ると反動があるようなタイプが多い。肉まんの中の梅干しの種を見つけるようなイメージで。

(3)乳がんは、乳房の外側の上部に発生しやすいので、とくに注意して調べよう。

生理1週間前の乳房の硬いとき、生理後2~3日の軟らかいときの感触を覚えておくことがポイント。月に1回チェックして、いつもと感触が違うと思えば、専門医で受診を。

「教科書どおりにしこりを見つけようとしてしまうと、飽きてしまい継続的にはできません。生存率95%の進行度1期(大きさ2センチ未満)のしこりを探すのは思いのほか困難です。私がオススメしているセルフチェックは、自分で“いつもと違う状態”だと気がつけるかどうかが重要なポイントです」

「カギは患者との雑談力」乳がん名医が”サイン”見逃さない理由

「診断技術や治療法の進歩により、近年、がん医療に大きな変化が訪れています。それとともに“がんの名医”という基準も変わってきています」

そう話すのは、東京医科歯科大学特任講師で医療ジャーナリストの宇山恵子さん。2人に1人がかかるといわれる“身近な”病気であるがん。これまで高額だった治療もより“身近”になってきている。

「4月から、公的医療保険で受けられるがん治療の選択肢が拡大。それまで自己負担で200万円ほどだったロボット支援手術は、保険適用のがんの種類が増え、胃がんや直腸がんなども対象に。10万〜50万円で手術が受けられるようになりました。

また、放射線治療でも富裕層向けといわれていた最新治療法が保険適用に。高額だった治療に、手が届くようになっているのです」

名医にはどんな変化が?

「技量や実績が申し分ないことは当然ですが、患者への対応がやさしくて、物腰がやわらかいことが最近の特徴。説明がわかりやすくて質問にもすぐに答えてくれる。自分よりも患者さん第一という姿勢を崩さない人たちです」

そんな“がん新時代”。宇山さんが「名医と呼ぶにふさわしい」と判断した医師に、最前線の“治療現場”を伺った。

【乳がん】島田菜穂子先生・ピンクリボンブレストケアクリニック表参道

「乳がんは、早期といわれる0期から1期(しこりが2センチ以下でリンパ節転移がない)の段階で、適切な治療を受ければ90〜95%で治ります」

こう語るのは乳がん診断の名医で「ピンクリボンブレストケアクリニック表参道」の島田菜穂子先生。女性の約11人に1人がかかるといわれる乳がんは、早期発見がカギだ。乳がん検診(40歳以上で2年に1回)では、一般的にマンモグラフィーが使われている。

「日本人女性の乳房は、脂肪が少なく、がんになる乳腺の割合が高い『高濃度乳房』が多い。マンモグラフィーでは、がんも乳腺も白く写ってしまうため『高濃度乳房』は、早期のがんが見落とされてしまうケースがあるのです」

自己負担の超音波検査や最新の3Dマンモグラフィー検査との併用が早期発見を手助けするが、いずれも、画像からがんを見つけ出す、医師の“確かな目”が不可欠だ。しかし、島田先生はそれ以上に大切なものがあるという。

「私の原点は、エックス線や超音波などで撮影された画像から病気の性質を導き出す放射線科診断医です。研修医のころ、乳がんの患者さんの超音波検査をしたときに、患者さんが主治医には遠慮して話さなかった症状や生理の周期などを口にしたのです。それは画像診断にとって大きなヒントになることばかりでした。

それから乳腺診療に力を注ぐようになっても、目の前の画像からがんを探すだけでなく、ほかの検査の画像や患者さんが語る症状や日常背景を聞き出して、その情報を組み合わせて推理しながら画像診断をしています。そうすることで、より“鮮明に”がんが見えてくることが多いのです」

最新の知識や機器を備えているだけでなく、患者が何げなく口にする“異変”に耳を傾けることも必要だという。

「患者さんが『子どもが受験で大変なの』という話をしたら、お子さんの勉強に付き合い、不規則な生活をして生理不順になってしまった可能性も。本人は病状を話しているつもりはないかもしれませんが、ちょっとした会話からヒントをもらえることは少なくありません。ヒントがあれば画像からたくさんの情報が見えてくるのです」

と、笑みを見せる島田先生。放射線診断医としての経験は、ほかにも生きている。

「違和感や症状があって受診したのに『がんはありませんでした』と言われても、患者さんの不安は解消されません。多くの画像診断をした研修医時代に、がん以外の状態でおきるさまざまな症状の原因を画像から読み解くトレーニングをしました。

がんではないという結果だけでなく、患者さんが気づいた症状の原因を明らかにして、それをお知らせすることでより安心いただけます。正常であることを説明することも重要だと思っています」

20代から子宮内膜症に要注意、生理にともなう健康リスク

ここ最近、よく話題に挙がる「男性はげたを履かせてもらっている」説。今夏発覚した東京医科大学の不正入試問題では、男子学生に加点するいっぽうで、女子学生は減点していたことが明らかになった。

平成も終わろうとしているこの時代に、「男性にげた」どころか、いまだに女性というだけで「逆げた」を履かされる残念なニッポン。そんな「逆げた」の存在について考えるときに見過ごせないのが、女性にだけ訪れるアレ――。そう「生理」だ。

女性活躍がしきりに叫ばれるいっぽうで、「出産」という生命の一大イベントと密接に関わる「生理」は、「逆げた」の大きな要因になっているにもかかわらず、なぜかタブー視され続けている。

あまりに身近な存在のため女性自身も無自覚になりがちだが、その苦労を女性が「自己責任」であるかのように背負わされ、男性は「知らなくて当たり前」とされるのはいったいなぜ? 改めて考えると「シンプルに不思議」!

これからの時代に、女性はもちろん、男性も知っておきたい「生理」のこと。

「生理は小さなお産です。それだけの産みの苦しみを、女性は毎月味わっているといえるでしょう」

そう話すのは、成城松村クリニックの松村圭子院長。月経自体は生理現象とはいえ、女性の健康を左右するエストロゲンと深く関係する。生理にともなう“健康リスク”への意識を高めよう。

■月経回数が多いこと自体がリスク

現代女性が抱える「生理問題」の根幹となるのが、昔と比べ生涯の月経回数が激増していること。

「もちろん個人差はありますが、戦前ぐらいまでは、女性の生涯月経回数は50回程度でした。これは、初潮が来るとほどなく結婚し、8人、9人と子どもを産むことが『普通』だったため。妊娠中と、授乳中の多くは月経がないので、たくさん子どもを産めばそれだけ月経回数は減少。子宮や卵巣を休ませる期間も長かったといえます。

いっぽう現代女性の生涯月経回数はなんと400回以上! 昔に比べて発育がよくなり、初潮が低年齢化していることと、晩婚・少子化がその理由です」(松村院長・以下同)

まずは、女性の月経回数が昔に比べ激増していることそのもののリスクについて、松村院長は次のように語る。

「卵巣にある卵胞が裂けて卵子が排出されることを『排卵』といいますが、妊娠しないとこれが繰り返されることになり、卵巣がんの発症リスクが高まります。また、子宮内膜に似た組織が子宮以外の場所でエストロゲンに反応し、増殖や出血を繰り返す病気を子宮内膜症といいますが、こちらは月経回数と発生頻度が正比例。

さらに、月経が多い=エストロゲンに長期間さらされることで子宮体がんのリスクも上昇するほか、子宮筋腫や乳がんもエストロゲン依存の病気として知られています。そして、これらの病気の多くは、乳がんをのぞき、生理不順や重い生理痛、不正出血などの症状を伴うもの。『たかが生理』と侮っていると、大病を見逃す危険性があることを、まずは理解してください」

■若い女性の極端な痩せ志向が生理不順につながる

次に、外見に敏感な若い女子ほど気をつけてほしいのが過度なダイエット。

「とくに体が未成熟な10代では体が飢餓状態となり、生命維持に直接関係のない『妊娠機能』からストップしてしまいます。生理不順や無月経となるほか、放置すれば不妊につながることも。20代以上も例外ではありませんが、成長期はとくに注意が必要です」

■20代から子宮内膜症に要注意

本来なら生理も安定してくるはずの20代。不順なら、何かしらの問題を抱えている可能性もある。

「現代人なら、出産を経験していない限り、20代後半ですでに150回以上の月経を経験している計算になり、子宮内膜症の発症リスクは十分高くなっています。いっぽうで自分の生理に無頓着で、初潮はおろか、最終月経がいつだったかさえ把握していないという方も少なくありません。これでは診断に支障をきたしますので、面倒であっても、生理のサイクルはきちんと記録しましょう」

■無理がたたってくる30代

30代ともなると体に無理がきかなくなってくるが、月経を繰り返したことによるエストロゲンの影響もさらに蓄積してくるころだ。

「子宮内膜症のリスクが引き続き高いのはもちろん、子宮の良性腫瘍である子宮筋腫のリスクも増加。さらに、ストレスによるPMS(月経前症候群)にも、かかりやすくなるといえるでしょう」

■プレ更年期がはじまる40代

生理自体はまだあるものの、妊娠率がガクッと下がるのがアラフォー。これは、「出産のタイムリミット」に直面する時期でもある。

「そのため、あせりや不安など、精神的なゆらぎが原因で更年期のような不調を訴える人も。周りと比べず、自分の人生で『快』と思えることは何かを、しっかり見つめるようにしましょう」

■更年期以降は年相応の美しさを

そしていよいよ訪れる更年期。子宮体がんのリスクはこのあたりで増加する。他方、エストロゲンが激減することに伴う不調の多くはホルモン補充療法などでカバーできるが、何よりも「受け入れることが大切です」と松村院長。

「私自身も更年期に入りましたが、まったく不調はないんです。それは、たぶん私が『若さ』に固執していないから(笑)。閉経に伴う喪失感からうつ病になってしまう人もいますが、閉経以降も長生きできるようになった今だからこそ、次のステージを楽しまなくちゃ」

女性に履かされる究極の逆げた、「生理」。でも、女性もそれを履きこなし、男性がその足元を少しでも支えることができたなら。互いの人生の足取りは、きっともっと軽やかになるはず!

乳がんの兆候、3~4割はしこりに自分で気付く 揉むのは危険

早期に発見すれば生存率は約9割

 

女性の11人に1人が罹患するとされる乳がん。南果歩(55才)や北斗晶(51才)ら、罹患した多くの女性芸能人がメディアを通じて検診や早期発見の重要性を訴えているため、関心の高い女性は多いだろう。 東京ミッドタウンクリニックの森山紀之医師によれば、主な兆候はやはり「乳房のしこり」だという。


「しこりで乳がんに気づいたという患者さんは数多くいらっしゃいます。過去に国立がん研究センターで調査した際も3~4割の患者さんは、検診ではなく、自分でしこりに気づき病院を受診していた。わきの下を触ってしこりに気づいたというかたもいました。乳がんは、セルフチェックで発見できることもあります。片手の指4本をそろえて乳房にあて、硬いものがないか調べることを習慣にしてください」


ポイントは、手のひら全体を使ってまんべんなく乳房を触り、チェックすること。

詳しい方法は「日本乳がんピンクリボン運動」のホームページにも記載がある。「その際に絶対にやってはいけないのは、硬いしこりをもみほぐしてしまうこと。しこりが良性の腫瘍である『のう胞』の可能性もありますが、もしがんなら全身に広がり、転移する可能性があります。もむのは危険です」(森山さん)


 しこり以外の兆候もある。医療ジャーナリストの村上和巳さんが言う。

「乳輪のあたりに湿疹ができることがあります。特に乳頭の真下にがんができると、よく表れる症状です」乳房そのものにもさまざまな変化が起きる。獨協医科大学総合診療科教授の志水太郎医師はこう解説する。


「左右の乳房の大きさが変わってきたり、胸が引きつったり、肋骨が痛んだりといった症状を訴えるかたもいます。赤い乳汁が出ることもある。心配になったら乳腺外科を受診して、専門医の検査を受けてください」もう一つ。女性のがんとして罹患者が多いのは子宮頸がんだ。大阪大学が2019年2月に発表した調査によれば2000年以降、子宮頸がんの罹患者数は年々増加しているという。


「子宮頸がんは他のがんと違って、若い女性でも罹患しやすい。20代後半から増加し、40代前半までの患者数が最も多くなります。だからこそ、若い人にも兆候に気を配ってほしい」(村上さん)

 

早期発見のキーワードは「おりものと不正出血」だ。

「子宮頸がんに限らず、子宮体がんにも共通していえるのは、閉経後や生理と関係ないタイミングでの不正出血。異臭がするおりものが出てきたときも要注意です。


特に子宮頸がんの不正出血は、性交後に起きることが多い。がんの腫瘍は触れると出血しやすいため、子宮の入り口にできる子宮頸がんは性交で出血しやすいのです」(森山さん)子宮頸がんは進行が早いため、検診で異常がなくても、おりものと不正出血が続いたら、一度婦人科に相談してみよう。

がんの疑いがある初期症状一覧

早期発見が重要な乳がんと子宮がん他、見落としがちな兆候

 11人に1人の女性が「乳がん」になり、この比率は年々上昇するといわれている。乳がんはセルフチェックで見つかる可能性が高いとされ、実際に半分以上が自分で気づき、病院へ行ったことで発見されたというデータもある。


 しかし、あいクリニック中沢院長の亀谷学さんは「しこり以外の兆候はわかりづらい」と指摘する。

「だから、しこりとして認識しづらいミリ単位の乳がんを見逃さないためにマンモグラフィー検査を受ける必要があります。また、しこり以外の兆候も覚えておいてほしい。


例えば普通、初期の乳がんは痛みを伴いませんが、まれに押すと痛い『炎症性乳がん』もあります。乳頭や乳輪がただれてかゆみを伴う『乳房パジェット病』は湿疹などに似ていますが8割以上が乳がんを併発します。専門知識がない医師だと、湿疹などと診断されて見逃す可能性があります。乳房に関する症状で気になることがあれば、内科ではなく乳腺専門医で診てもらってください」(亀谷さん)


◆卵巣がん

 卵巣がんは乳がんなどほかのがんに比べてかかる人が少ないうえ、自治体のがん検診の対象からも外れているゆえに、発見が遅れてしまう可能性が高いという。亀谷さんが解説する。「卵巣がんは、初期は無症状ですが進行すると、下腹部を触るとしこりがあったり、お腹が張る、トイレが近くなるなど膀胱炎のような症状が出たりする。


膀胱炎であれば、排尿した時にツンとした痛みが走ったり、尿が濁ったり強くにおったりするうえ、放置すれば数日から1週間ほどで高熱が出て腎盂炎になります。このような経過がない場合は、婦人科で診てもらった方がいい」


◆子宮がん

 子宮頸がんは早期発見できれば5年生存率は9割を超え、子宮を残すこともできる。東京ミッドタウンクリニックの森山紀之さんが言う。「兆候は、においの強いおりものと、不正出血です。子宮の下部にがんができるので、性行為で刺激されると傷ついて出血します。


生理とは違って、性行為をした後に出血があれば、疑った方がいいでしょう」(森山さん)若い人がかかりやすい子宮頸がんと異なり、50~60代で増えるのは、子宮体がんだ。こちらは特に、不正出血に気をつけたい。


「特に閉経後、おりものに血が混じっているなどの出血があれば、婦人科にかかった方がいい。生理と違ってわずかな出血が特徴で、下着にシミがつく程度でも疑いがある。特に、乳がんの治療や更年期障害でホルモン療法を受けている人、閉経が遅い人、出産未経験者などはリスクが高いので、おかしいと思ったらすぐに婦人科にかかってください」(亀谷さん)

 *
 兆候が頭に入っていても、いざ「もしかして…?」と思った時に行動が伴わなければ意味がない。その時に強い味方となるのが「定期検診」と「かかりつけ医」だ。

見落としやすい女性のがんの兆候と理由

 

しかし女性の検診率は依然として低く、特に乳がんや子宮頸がんの検診受診率はアメリカやイギリス、韓国などと比べてもかなり低い。「その理由の1つは、会社で検診を受ける機会のある男性に比べて、専業主婦やパート勤務も多い女性は受ける機会が少ないからでしょう。


1年に1回は人間ドックを受けるのが理想ですが、最低でも自治体のがん検診をきちんと受けること。がんは早期発見できれば、助かる可能性が充分にあります。また、普段から体の状態を相談できるかかりつけの医師がいればその病院で検診を受けられるだけでなく、先生が専門外であったとしても、いい病院を紹介してもらうことができます」(森山さん)


“血や熱に弱い”といわれる男性に比べて、女性はちょっとした不調を「いつものことだから」と見逃してしまいがち。兆候を感じたら万が一のことを考えて、早めに病院に行くように心がけたい。

抗がん剤避け放置療法を選んだ乳がん患者 その後、皮膚や筋肉にまで…「がん放置」と「がん患者放置」は違う

Dr.高野の「腫瘍内科医になんでも聞いてみよう」
 
抗がん剤はつらい副作用を伴うことが多く、世の中にネガティブなイメージも広まっていますので、「できればやらないで済ませたい」と思うのは自然なことです。

 医師の近藤誠さんは、手術や抗がん剤などの積極的治療を受けないで、がんを放置する「がん放置療法」を勧めています。「抗がん剤はやらなくてよい」とわかりやすく説明してくれる近藤さんの文章は、多くのがん患者さんの心にしみ込み、実際に、「抗がん剤は絶対にやらない」とおっしゃる患者さんは増えているように思います。

 抗がん剤によって期待される効果と、予測される副作用を十分に理解して、それでも抗がん剤をやらないという選択をするのであれば、その判断は尊重されるべきです。ただ、中には、深く考えることなく、最初から「抗がん剤はやらない」と決めてしまっているような方もおられます。「抗がん剤なんて命を縮めるだけ」「この本には、絶対にやってはいけないと書いてある」と言って、医師の話を聞いてくれないこともあります。

「もう悩まなくていい」…思考停止に陥る患者さん

 これまでも何度か書いたように、抗がん剤というのは、数ある道具の中の一つにすぎません。それが役に立つのかどうかは、それを使う目的、場面、考え方によって違ってきます。ある道具が、自分にとってプラスになると思えるなら使えばよいし、マイナスの方が大きいと思うなら使わなければよく、それは、その時々でよく考えながら決めていくものです。

 単なる道具である抗がん剤について、「絶対に使ってはいけない」とか、「絶対に使うべき」というように、一般論で論争すること自体、不毛なものです。この論争では、一人ひとりの患者さんの状況や、治療を行う目的が度外視されています。その道具がダメなものなのか、素晴らしいものなのかは、書籍や雑誌で言い争うものではなく、診察室で、状況に応じて判断されるべきものです。

 まず考えるべきは、「何のためにその道具を使うのか」「自分にとって大切なものは何か」「これからどのように過ごしていきたいか」という『治療目標』です。一つひとつの道具のプラス面とマイナス面を予測して、マイナスよりもプラスが上回る可能性が高い、すなわち、より目標に近づける道具があれば、それを選ぶことになります。

 がんという病気と向き合いながら、治療方針について悩み、考えていくのは簡単ではありません。「抗がん剤はやらなくてよい」というのは、「やるかどうかについて、これ以上悩む必要はない」というささやきにも聞こえ、思考停止に陥る患者さんもおられるようです。

でも、抗がん剤をやるかやらないかを先に決め、あとは何も考えないようにするのではなく、治療目標を先に決めた上で、抗がん剤を使うかどうかも含め、これからの生き方を考えていくのが、本来の順序です。悩むことも多いでしょうが、ともに悩みながらサポートするために医療者がいますので、うまく頼っていただければ、と思います。

「がん放置療法」で途方に暮れてしまったAさん
 静岡県在住のAさん(71)は、2016年1月、66歳のとき、左乳房とわきの下のしこりに気づきましたが、すぐには病院に行きませんでした。1年半後、しこりが大きくなって、左腕のむくみがひどくなったところで、近くの病院を受診し、進行乳がんと診断されましたが、「抗がん剤は受けたくない」と、病院から離れてしまいました。この頃、近藤さんの本をよく読んでいて、その影響を強く受けていたといいます。近藤さんのセカンドオピニオン外来も受診して相談しましたが、「がん放置療法で大丈夫」と言われたそうです。

 その後もがんは悪化し、しこりの痛みも強くなり、途方に暮れていたところで、私の書いた本に出会ったそうです。それまで信じていた近藤さんの考え方とは違うのに、すんなりと受け止められたということで、それをきっかけに、18年1月、私の外来を受診されました。検査をしてみると、左乳房のしこりは皮膚や筋肉まで広がり、反対側の乳房や全身のリンパ節、肝臓、骨などにも多数の転移が認められました。

 ご本人とよく相談し、症状を和らげて穏やかに過ごしていくことを目標に、それまで毛嫌いしていた抗がん剤を始めたところ、これがよく効いて、しこりもわからなくなり、痛みやむくみなどの症状も改善しました。特別なことをしたわけではなく、標準的な抗がん剤を使用しただけです。抗がん剤は4か月行い、それ以降、現在までの3年間、静岡から東京へ通院して、分子標的治療薬の投与を3週に1回受けています。病気は落ち着いていて、元気に過ごしながら、週2回はプールで楽しく泳いでいるそうです。「がん患者とは思えないって、みんなから言われるのよ。あのまま『がん放置療法』を続けていなくて本当によかった」と、診察のたびにたくさんお話をしてくれます。

「がん放置」と「がん患者放置」は違う
 かつてのAさんのように「がん放置療法」を信じて病院にかからず、でも、がんの症状に不安になりながら一人思い悩んでいる方は、結構、おられるのではないかと思います。かなり厳しい状態になって救急車で搬送されるような方も、ときどきいます。Aさんのように、何かのきっかけで病院にかかることができればよいのですが、きっかけをつかめないまま、引きこもってしまっている方もおられると思います。もし心当たりのある方がこのコラムを読んでいるとしたら、お近くの医療機関にご相談されることを強くお勧めします。

 がんに対する積極的な治療を行わずに経過を見ることを「がん放置療法」と呼ぶのであれば、私自身も、「がん放置療法」をよくやっています。でも、がんを放置することはあっても、がん患者さんを放置したり、患者さんを苦しめている症状を放置したりすることはありません。抗がん剤という道具を使っていても、使っていなくても、患者さんとともに目標に向かって進んでいることに変わりはなく、どんな場面でも、緩和ケアは必ず行います。

 病院にかかることや、緩和ケアを受けることについても否定するなら、それは、「がん放置療法」というよりも、「がん患者放置」です。がんの症状がつらくなったら、放置するのではなく、きちんと緩和ケアを受けた方がよいと思います。「

抗がん剤治療はやりたくない」というご希望をお持ちであれば、そのお考えは尊重しますので、お困りのことを一人で抱え込まずに、医療機関に頼りましょう。抗がん剤を使うかどうかはいったん置いておき、これからどのように過ごしていきたいかをまず考えましょう。それまでの考え方をとがめたりはしません。前を向いて、この先の道をともに進んでいきましょう。

高野 利実 (たかの・としみ)
がん研有明病院 乳腺内科部長
 1972年東京生まれ。98年、東京大学医学部卒業。腫瘍内科医を志し、同大付属病院で研修後、2000年より東京共済病院呼吸器科医員、02年より国立がんセンター中央病院内科レジデントとして経験を積んだ。05年に東京共済病院に戻り、「腫瘍内科」を開設。08年、帝京大学医学部付属病院腫瘍内科開設に伴い講師として赴任。10年、虎の門病院臨床腫瘍科に最年少部長として赴任し、「日本一の腫瘍内科」を目標に掲げた。10年間の虎の門時代は、様々ながんの薬物療法と緩和ケアを行い、幅広く臨床研究に取り組むとともに、多くの若手腫瘍内科医を育成した。20年には、がん研有明病院に乳腺内科部長として赴任し、新たなチャレンジを続けている。西日本がん研究機構(WJOG)乳腺委員長も務め、乳がんに関する全国規模の臨床試験や医師主導治験に取り組んでいる。著書に、かつてのヨミドクターの連載「がんと向き合う ~腫瘍内科医・高野利実の診察室~」をまとめた、「がんとともに、自分らしく生きる―希望をもって、がんと向き合う『HBM』のすすめ―」(きずな出版)がある。

マンモより「痛くない」 血液で乳がん発見、臨床試験

国立がん研究センターが12月下旬から、少量の血液で乳がんを見つけられるかどうかを調べる大規模な臨床試験を始める。乳がんはマンモグラフィー検診が実施されているが、痛みを感じる人も少なくない。負担の少ない採血により、早期がんを見つけられるかどうかを検証する。

 乳がんは、検診によって死亡率を下げられる数少ないがんの一つとされる。だが、欧米の乳がん検診の受診率は7~8割だが、日本は4割ほどにとどまる。受診率が低い理由の一つに挙げられるのが、マンモグラフィー検査は「痛い」というイメージだ。血液検査の一つとしてがんも調べられれば、患者の負担は減る。

 そこで国立がん研究センターを中心とする研究チームは、血液中にある「マイクロRNA」という分子に着目した。がん細胞が出すごく微量のマイクロRNAを見つけ、早期のがんでも見つけられるかどうかを検証している。

 今回の臨床試験の対象は、乳がん検診を受ける40~69歳で、3千人規模を目標とする。12月下旬から愛媛県、来年1月からは鹿児島県で始める。北海道と福井県でも準備が整い次第、始める。参加者は全員、マンモグラフィー検査や超音波検査も受け、血液検査の結果と比較する。

乳がんセルフチェックの「ススメ」2年 闘病の恩田アナら中京テレビの啓発に共感

 中京テレビ(名古屋市)が、乳がん治療を続けるアナウンサー、恩田千佐子さん(53)を先頭に、2018年10月から取り組んできた乳がん啓発活動「ススメ」プロジェクトがまる2年となった。絵文字を使った自己診断方法の動画など技術を生かした内容は、多くの自治体や医療機関が活用。テレビ局ならではの啓発活動が広がりをみせている。

 今春入局30年を迎えた恩田さんは、過去に自らの出産を題材にした番組を放送するなど、実体験に基づく情報を伝えてきた。17年10月に乳がんを告知された時も、「自分の経験を伝えることが共感を得られたり、お互いの励ましになるのでは」と考え、キャスターを務める情報番組で随時発信。早期発見につながるセルフチェックや定期検診の大切さはもとより、初期症状や乳房再建の選択など伝えたい情報は山のようにある。「がん就労に対する職場の理解も大切で、現場に立ち続けて多くのメッセージを伝えたい」と話す。

 国内では女性の9人に1人がかかる乳がん(17年データに基づく国立がん研究センター統計による)。まれに男性の発症もある上、家族や恋人が罹患(りかん)した場合は周囲の支援が欠かせない。

 「ススメ」プロジェクトリーダーを務める安部まみこ・コーポレートコミュニケーション部副部長(48)は、恩田さんの闘病を機に「女性だけの問題ではない」と会社の経営会議で訴え、プロジェクトを始動させた。今年7月には書籍「一歩先へススメ」(丸善出版)を出版。セルフチェックで乳がんを発見した元SKE48のタレント、矢方美紀さん(28)の事例や、がん治療と仕事の両立に注力する三井化学(東京)の取り組みなども紹介した。また、10月には、日本乳癌(にゅうがん)学会で「いち早く専門医につなぐため、何をどう伝えるか~テレビ局の挑戦~」と題し、活動報告をした。

 このほか、絵文字を使い、一目で分かる動画「乳がんセルフチェックの方法」を制作。これまでに名古屋市や津市、熊本市など約10の自治体や医療機関、企業で活用された。同社は「医療機関ではないという立場をわきまえ、テレビで培った製作力を生かしたい」と意欲的だ。

 医療監修に協力した藤田医科大の喜島祐子教授(乳腺外科学)は「医療者でも患者でもない第三者の立場での啓発活動は新鮮だ。押しつけにならない軽やかな表現で検診の必要性を一般の人たちが身近に感じられたのでは」と評価している。

恩田千佐子アナウンサーが伝えたい六つのこと

・40代以上の女性は1年に1度の検診を

・20代以上の女性は1カ月に1度のセルフチェックを

・がんは身近な病気。みんなにもっと知ってほしい

・身近な人が乳がんになったら、治療法は本人が納得する選択に

・がん告知されても、すぐに仕事をやめないで

・健康第一に(切なる願い)

子宮頸がん、ワクチンでリスク6割低下 167万人調査

子宮頸(けい)がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防するHPVワクチンについて、スウェーデンのカロリンスカ研究所などは、同国内の女性167万人で、ワクチンを接種した人はしない人に比べ子宮頸がんのリスクが6割以上下がるとする研究成果を発表した。論文が米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載された。

 HPVは、感染してもほとんどが2年以内に自然に消失する。ごく一部で持続的に感染し、数年から十数年かけてがんになる前段階をへて子宮頸がんになる。

 研究では、2006年から17年までに10~30歳になる同国内に住む女性167万人について、人口登録と予防接種登録などからHPVワクチン接種歴を調査。がん登録から、病歴を調べた。HPVの4種類の遺伝子型に対応したワクチンを少なくとも1回接種していれば、ワクチンを受けたと見なした。

 その結果、期間中にワクチンを受けた女性は約52万8千人。接種した19人と、接種していない538人が子宮頸がんと診断されていた。10万人当たりの発症率は接種した女性で47人、接種していない人では94人。居住地や母親のがん発症歴など子宮頸がんの発症に関連するとされる特徴を加味して調整すると、接種した人全体の子宮頸がんの発症リスクは、していない人に比べて0・37倍に低下していた。17歳以前に接種した人では0・12倍に下がっていた。

高橋メアリージュンさん 「安心買う」と受けた検査で子宮頸がん…克服し、検診呼びかけ「女性の夢守りたい」

病息災

 「高橋さん、もうすぐ29歳になられるんですね。子宮頸(けい)がん検診を受けたことはありますか」  2016年の秋、かゆみの治療のために通院していた産婦人科の医師に勧められ、軽い気持ちで検診を受けた。子宮頸がん検診は、20歳以上での受診が推奨されている。  

ファッション誌の専属モデルなどを務めた後、女優としてデビューし、ドラマに映画にと多忙な毎日を送っていた。ジムで体を鍛えるなど健康には人一倍気を使っていた自信もあり、「安心を買う」くらいのつもりだった。 ところが、予定の1週間後よりも早く、「病院に来てほしい」との電話。駆けつけると、「ちょっと結果が良くなかったので、大きな病院に行ってほしい」と言われた。  

その時点でも、まだ気持ちには余裕があった。周囲に、再検査を受けたが「結局は大丈夫だった」という友人が多かったためだ。数年前に、子宮頸がんワクチンの予防接種を受けていたのも理由だった。  

精密検査の結果は、「高度異形成」。がんではないものの、一歩手前の状態で、ほうっておくと、がんに進む可能性がある。  「がんになるのは嫌なので、手術を受けたいです」。子宮頸部をレーザーで切除する円錐(えんすい)切除を受けた。だが、心配はそれでは終わらなかった。

がん告知、驚きで涙も出ず

 切除した組織を検査したところ、がん細胞が見つかったと告げられた。  「えっ、がん? マジか」。まるで人ごとのようで、実感がわかなかった。  

「涙も出ず、『がんの告知って、こんなふうなんだ』と、第三者のような感じで聞いていました。驚きが大きすぎて、現実のものとして受け入れられなかったんですね」  リンパ節転移の可能性もあり、さらに詳しい検査を行うと説明された。結果によっては、抗がん剤治療や子宮の全摘出手術が必要になるかもしれないという。  

「一生、子どもを産めなくなるかもしれない」。円錐切除の手術を受ける前は、産婦人科で目にする小さな子どもたちの姿に、勇気をもらっていた。それが、がんの告知を受けた後は、子どもを見るのがつらくて仕方なくなった。  

4人きょうだいの一番上。父の事業の失敗で貧しい生活を送りながらも、家族仲良く暮らしていた。自分もいずれは、にぎやかな家庭を持ちたいとの思いは強かった。  詳しい検査結果が告げられたのは約1か月後。リンパ節転移はなく、追加の治療は必要ないと知らされた。張り詰めていた気持ちが、ほっと緩んだ。

「検診広めたい」

 子宮頸(けい)がんを公表したのは、手術から1年余りたった2018年。初の著書「わたしの『不幸』がひとつ欠けたとして」(今年5月に文庫化)の中で告白した。  

公表するまでには、葛藤があった。  親しい女性の友だちには、治療を終えた早い時期から、子宮頸がんになったことを打ち明けていた。自分はたまたま検診を受けたおかげで、早期発見でき、助かることができた。だから、友だちにも、ぜひ検診を受けてほしいとの思いからだった。  

ただし、女優やモデルとしての仕事への影響を考えると、簡単には公にできない事情もあった。13年には、難病の潰瘍性大腸炎を患っていることを公表していた。今では良くなって薬も飲んでいないが、再び病気を告白するとなれば、「病気がち」のイメージがついてしまいかねない。  

子宮頸がんを公表した後には「病気をウリにしているのでは」という心ない言葉を耳にしたこともある。「病気になりたくて、なっているわけではないんですけど」と、心の中で言い返した。  

それでも、子宮頸がんを公表したことに後悔は全くない。  「検診の大切さを伝えることで、子宮を失わずに済む人や、助かる命が絶対にあると思うので。自分はどう思われてもいいから、言おうと。女性の夢が守られるのなら、その方が大事だと思いました」

繰り返し検診呼びかけ

 「子宮頸がん検診に行ってきました。早期発見で守られる命がたくさんあります。実際私は偶然、検診に行けた事で守られた一人です。 そして、今どこも悪いところがなく、健康です。検診、行って下さいね! 守れる命を守りましょう。    

#子宮頸がん検診」  今年のある日のツイッターでのつぶやき。2016年11月に手術した子宮頸がんは、再発もなく経過は順調だ。定期検診に行くたびに、ツイッターやインスタグラムで、子宮頸がん検診の受診を呼びかけている。  

「繰り返し伝えることが、大切だと思っています」  健康を取り戻し、ドラマの撮影などに多忙な日々を送っていたが、今年の4、5月は新型コロナウイルスの感染拡大のせいで、撮影もことごとく中止になり、自粛生活を強いられた。オンラインでピラティスのレッスンを受けるなどして、体調の維持に努めたという。  

自粛期間を利用して取り組んだのが、オンラインでの英語の集中授業。母親がフィリピン人のため、見た目で誤解されがちだが、実は英語を話せないのが、コンプレックスだった。  「英語をもっと勉強して、海外の作品にも出たい。夢はレッドカーペットを歩くことです」(文・田村良彦)

【医師に聞く】卵巣がんは「ひっそりと」進行する…リスクを減らす意外な方法とは

毎年約8,000人が罹患し、約4,500人が死亡している卵巣がん。しかし、腫瘍が小さいうちは無症状のことも多く、気づいた時には大きくなっていることも稀ではありません。気になる初期症状や治療法、意外な予防法をホワイトレディースクリニックの白須宣彦医師に聞きました。

卵巣がんは、自覚症状がほとんどない

編集部:
本日は「卵巣がん」についてお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

白須先生:
よろしくお願いします。

編集部:
まずはじめに、卵巣がんでは、どのような症状が起きるのでしょうか?

白須先生:
実は、卵巣がんにはほとんど自覚症状がなく、気付いた時には進行している可能性が高いのです。腫瘍が大きくなってくると、お腹が張ってきたりといった症状で「なにか変だな」と気付かれる場合が多いですね。

編集部:
未然に防ぐ方法はないのでしょうか?

白須先生:
自覚症状はほとんどないので検査で発見するしかありません。子宮頸がん検診を受ける際に、内診と超音波検査もあわせて受けることをおすすめします。

卵巣腫瘍の約90%は「がん」ではない

編集部:
検査で卵巣がんが見つかったら、パニックになりそうです。

白須先生:
実は、検査で卵巣に腫瘍が見つかっても、約90%は卵巣がんではないのですよ。

編集部:
えっ? 「腫瘍=がん」ではないのですか?

白須先生:
実は違うんです。卵巣にできる腫瘍の90%程度は良性で、残りの10%程度が悪性といわれていて、もし悪性であれば、卵巣がんというケースが多いですね。

編集部:
では、摘出するのは悪性の場合と考えればいいですね。

白須先生:
悪性であれば手術による摘出、あるいは抗がん剤で治療することになります。良性であれば、とりあえずは経過観察ですね。良性であっても、大きくなってしまうようなら手術を受けることになります。

編集部:
良性の場合の経過観察はどれくらいの期間になりますか?

白須先生:
腫瘍が大きくなってしまうかどうかが問題ですから、経過観察の期間は人によってまったく違います。2~3ヶ月で倍ぐらいになってしまう人もいれば、2~3年たってもあまり変わらない人もいます。

良性の腫瘍には「卵巣腫瘍茎捻転」の危険性あり

編集部:
良性の場合でも、大きくなれば手術が必要ということですが、どのくらいの大きさになったら手術を受けることになるのでしょう?

白須先生:
だいたい6~7センチぐらいになってくると、手術を検討する時期に入ります。

編集部:
腫瘍が大きくなると、自分でもわかるようになりますか?

白須先生:
それはわからないでしょう。よほど大きくなって、おなかがふくれてくればわかりますが、5~6センチ程度ではまったくわかりません。ただ、卵巣腫瘍が大きくなると、困ったことが起こる可能性があります。

編集部:
困ったこと? それは何でしょうか?

白須先生:
卵巣腫瘍(または嚢腫)茎捻転(けいねんてん)と言って、卵巣がおなかの中でクルッと回転してしまうのです。そうすると卵巣周囲の血管や組織がねじれてしまうので、卵巣に血液が行かなくなり、放置していると卵巣が壊死(組織が腐ってくる)しまいます。卵巣腫瘍(または嚢腫)茎捻転と確定されたら緊急手術をしなければいけなくなります。

編集部:
卵巣茎捻転を起こすと、どのような症状が表れますか?

白須先生:
激しい下腹痛に見舞われます。吐き気や嘔吐を伴うこともあります。そのような症状が表れたら、すぐに医師に連絡してください。嚢腫が小さいうちは回転してもすぐに元に戻るので、そこまでの症状は出ないのですが、大きくなると卵巣茎捻転の危険性が高まりますから、注意が必要です。

ピルの服用は卵巣がんの発症率を抑える

編集部:
卵巣がんの患者は年々増加していると聞きます。検査以外に卵巣がんを予防する方法はないのでしょうか?

白須先生:
卵巣がんを防ぐという点では、ピルが注目されています。5年間継続してピルを飲んでいると、飲んでいない人に比べ卵巣がんは2~3分の1ぐらいに減ってくるという研究結果が発表されています。

編集部:
そんなに減るんですか!? 凄いですね!

白須先生:
排卵時には卵巣の皮膜を破って卵子が飛び出すため、排卵のたび被膜に傷がついてしまいます。しかし、ピルを飲むと排卵しないので、傷ができず卵巣がんのリスクが少なくなるのではないかと考えられています。

編集部:
ピルで卵巣がんの発症率が下がるだなんて、とっても意外です。

白須先生:
そうですよね。ちなみに、ピルの服用によって子宮体がんの発症リスクも減るという研究結果もあります。とはいえ、必ず防げるわけではないので、定期的な検査は受けていただきたいですね。

Medical DOC編集部まとめ
50歳を過ぎると卵巣がんの罹患率が上がります。女性は油断できません。婦人科の受診は気が重いものですが、気づきにくい卵巣がんを見つけるためには、定期的に検査したほうがよさそうです。

【この記事の監修医師】白須宣彦先生(ホワイトレディースクリニック 院長)
1957年生まれ。杏林大学卒業後、山梨医科大学にて研修。インフォームド・コンセント(説明と同意)をモットーに、患者とのコミュニケーションを大切にした医療を提供している。所属学会は日本産科婦人科学会、女性のための抗加齢医学研究会。趣味はテニス、スキー、ゴルフ。

毎年1万人がなっている「子宮頸がん」。原因と症状、予防法と治療の最新情報をチェック

一度でもセックスの経験があれば、誰でも発症する可能性がある「子宮頸がん」。国内では毎年約1万人の女性が子宮頸がんにかかり、うち約3000人が死亡しています。しかし、早期に発見できれば、ほぼ確実に治る病気でもあります。子宮頸がんの原因から症状、治療法まで、東京大学医学部産婦人科学教室主任教授・藤井知行先生に聞きました。
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【監修医師】藤井 知行先生(東京大学医学部産婦人科学教室 主任教授)

1957年東京都生まれ。東京大学医学部医学科卒業。東京大学医学部附属病院産科婦人科研修医、米国フレッドハッチンソン癌研究所ヒト免疫遺伝学部門への留学を経て、東大医学部に戻り現在に至る。厚生労働省が行う「母子感染の実態把握及び検査・治療に関する研究班」の代表として、全国の医師・一般の妊婦さんへの啓発活動に尽力。日本産婦人科学会理事長を経て、現監事。『週数別妊婦健診マニュアル』『流産の医学』など著書多数

子宮がんの約7割が「子宮頸(しきゅうけい)がん」です

「子宮頸がん」は子宮の下部にある管状の部分「子宮頸部(しきゅうけいぶ)」に生じるがんのことで、子宮がんの約7割程度を占めます。原因のほとんどは「ヒトパピローマウイルス(以下、HPV)」というウイルスの感染であることがわかっています。HPVはセックスにより子宮頸部に感染します。

以前は発症のピークが30~40歳代でしたが、最近は若い女性に増えており、現在は30代がピークとなっています。 国内では毎年約1万人の女性が子宮頸がんにかかり、うち約3000人が死亡しています。2000年以後、患者数・死亡率ともに増加傾向にあります。かし、子宮頸がんは早期発見できれば、ほぼ確実に治る病気でもあります。それだけに、検査を定期的に受けてチェックすることがとても大切です。
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性的接触が原因だけど「性感染症」ではありません

HPVがセックスにより感染することから、子宮頸がんを性感染症の1つと考える方がいますが、それは間違いです。ましてや性病ではありません。HPVは男性にも女性にも感染するありふれたウイルスです。その種類は100以上あり、がんを引き起こしやすい危険なものから、心配のないウイルスまでさまざまです。セックス経験のある女性のほとんどが、一生に一度は感染すると言われています。

ただ、HPVに感染しても、90%の人は免疫の力でウイルスが自然に排除されます。ところが10%の人はHPV感染が長期間持続し、このうち自然治癒しない一部の人が「異形成(いけいせい)」と呼ばれる子宮頸がんの前段階を経て、数年以上かけて子宮頸がんに進行してしまうのです。

男性はなぜHPVに感染してもがんにならないの?

男性器(ペニスなど)は体の外に出ているため、HPVが付着しても洗うことができます。HPVは界面活性剤に弱い特性があり、石けん(界面活性剤)で洗い流すことができるのです。しかし、腟や子宮など女性器の多くは体内にあるため、石けんで洗うことができません。そのため、HPVによる感染が持続してしまうのです。
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主な症状はおりもの異常、不正出血、性行為時の出血、下腹部痛など

子宮頸がんは一般的に、早期にはほとんど自覚症状がありません。進行するに従って、異常なおりもの(茶色だったり悪臭を伴うなど)、月経以外の出血(不正出血)、性行為の際の出血、下腹部の痛みなどが現れます。腰痛や足にかけての痛み(下肢痛:かしつう)、血尿、血便、排尿障害が現れることもあります。

子宮頸がんを予防するには、20歳を過ぎたら2年に1回の子宮頸がん検診を受けることが基本です。もし、上記のような症状を少しでも感じたら、早めに婦人科を受診しましょう。

HPVが「尖圭(せんけい)コンジローマ」を引き起こすことも

一部のHPVに感染すると、「尖圭(せんけい)コンジローマ」という病気を発症することがあります。この病気は外性器、尿道口、肛門やのどなどに、乳頭状のイボができます。症状は軽いかゆみ程度で、自覚症状がほとんどないのが特徴です。多くは良性で自然治癒するケースもありますが、治療が必要になることもあります。

母親がこれに感染していると、赤ちゃんが産道を通る時に感染し、生後1~3年でのどにイボができる「咽頭乳頭腫(いんとうにゅうとうしゅ)」などを発症させてしまうことがあります。帝王切開で出産することにより、赤ちゃんへの感染を低減することができます。 「子宮頸がん」のみならず「尖圭コンジローマ」を防ぐためにも、検診を受けるようにしたいですね。
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検査は痛みはほとんどなく、当日の入浴もOK

検査は「細胞診(さいぼうしん)」と呼ばれる手法で行われます。子宮の入り口付近をブラシなどでこすって細胞を集め、顕微鏡でがん細胞などを見つける方法です。 細胞を採取する際に出血が伴うことがありますが、痛みはほとんどありません。検査後に注意する点も特にはなく、その日に入浴しても大丈夫です。

細胞診で子宮頸がんの前段階や子宮頸がんの疑いがあった場合は、専門の施設でさらに詳しい病理組織検査を行います。
子宮頸がんの病気の発生の過程は、がんの前の段階である「異形成」、子宮頸部の表面だけにがんがある「上皮内(じょうひない)がん」、そして周囲の組織に入り込む「浸潤(しんじゅん)がんに分類されます。病理組織検査でどの段階にあるのかも診断します。

子宮頸がんワクチンが最も効果があるのは10代、20代

検診は、子宮頸癌の重要な予防法ですが、あくまでも病気で死ぬことを予防するためのもので、病気になること自体を防ぐものではありません。子宮頸がんについては、病気になること自体を予防する方法があります。それが「子宮頸がんワクチン(以下、HPVワクチン)」を打つことです。現在、世界の70カ国以上で、国のプログラムとして接種が行われています。

日本で承認されているHPVワクチンは、発ガン率の高いHPV「16型」「18型」の感染を予防する「2価ワクチン」と、この2つに加えて「尖圭(せんけい)コンジローマ」の原因になる「6型」「11型」の感染も予防する「4価ワクチン」の2つがあります。どちらも子宮頸がんの予防効果は同じで、3回の摂取が必要です。

費用は医療機関によって異なりますが、3回で合計5万円前後です。年齢が限定されますが、後述する通り、公費助成も受けられます。効果は20年以上続くと予測されていますが、HPVワクチンを接種した方も、子宮頸がん検診を受けることがすすめられています。ただし、HPVワクチンは、すでにHPVに感染している細胞からHPVを排除する効果は認められません。したがって、初めてセックスを経験する前に接種することが最も有効です。セックスの経験があっても25 歳くらいまでは効果があると言われています。
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子どものワクチン定期接種についても考えておこう

日本ではHPVワクチンは2009年に承認され、2013年4月より定期接種となっています。しかし、接種後に慢性の痛みや関節痛など多様な症状が生じたとする報告があり、2013年6月より自治体による積極的勧奨は差し控えられています。とは言え、定期接種としての位置づけに変化はなく、中学1年~高校1年の女子を対象に無料接種が行われています。

多様な症状とワクチンとの因果関係について、科学的な証拠は示されておらず、またワクチンを打っていないお子さんにも同じ頻度で同様の症状がでていることがわかっていますが、症状に対する不安から、多くの親御さんが定期接種を受けさせていないのが現状です。その一方で、HPVワクチン摂取をしている国では、子宮頸がんの発症が減っているのも事実です。ワクチン接種が最も進んでいるオーストラリアでは、2028年には子宮頸がんが撲滅できる見込みがあると発表しています。

自分の子どもが中学生になった時、HPVワクチンの摂取を受けるのか受けないのか、各親の判断になるため、非常に迷っている人が多いのが現状です

子宮頸がんと診断されたら、どんな治療をするの?

子宮頸がんの治療方法は、「手術療法」「放射線療法」「化学療法(抗がん剤)」の3つを、単独もしくは組み合わせて行います。病気の進行状況や年齢、治療後の妊娠希望の有無、持病の有無などを総合的に考え、最適な治療法を選択します。がんになる前の「異形成」や、子宮頸部の表面だけにがんがある「上皮内がん」の段階で見つけることができれば、子宮を失うことなく完治することが可能です。

周囲の組織に入り込む「浸潤がん」の場合、以前は子宮を全摘出するしかありませんでしたが、今は技術の進歩により、がんがある場所や症状などによっては子宮の一部切除で済むケースもあります。いずれの場合でも、切除した場所によっては流産・早産の確率が高くなります。

先輩ママの体験談「私が子宮頸がんになって感じたこと」
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セックスで出血が続いたので受診したら…

「セックスをしたら出血し、数日後の2回目でも出血。不安になって、翌日に病院で子宮頸がん検診を受けました。2週間後、軽度異形成という通知が届きました。現在、生理中なので、生理が終わったらもう一度検診に行こうと思っていますが不安です」
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自覚症状なし。定期検診を受けてなかったら見逃してた!

「30歳以降、毎年子宮頸がん検診を受けていて、34歳で初めて検査に引っかかりました。検査の結果、軽度異形成でした。自覚症状がなく自分では気づかなかったので、検診を受けていて良かったと心から思います!子宮頸がんは20~30代も多いと聞いたことがあるので、定期検診は本当に大事だと実感しました」

円錐(えんすい)切除手術で出産も可能に

「30歳、出産経験ありです。市の子宮頸がん検診で引っかかり、中度異形成であることがわかりました。“様子見でいい”と言われたので、3ヶ月おきくらいに検査を2年ほど続けましたが、高度異形成に移行したので手術をしました。円錐(えんすい)切除という一部だけを取る手術で、あっという間に終わり、出産も大丈夫と言われました。ホッとしました」
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早期発見だったため、がんをぜんぶ取り切れました!

「18歳の頃に検査で引っかかり、軽度異形成と正常を行ったり来たりで、その歳から年に一度検査をしています。21歳で1人目、24歳で2人目を出産。28歳の時に高度異形成で円錐切除手術を受けました。詳しく調べたところがん細胞が見つかり、お医者様から “早く手術したからぜんぶ取り切れた。良かったね”と言われました。その後も定期検査を受けていて、今まで問題はありません。
大事なのはきちんと検査に行くこと。最低でも年に一度は行った方がいいと思います。そうすれば何かあっても早期発見できますし、その後の妊娠・出産も問題ないとお医者様もおっしゃっていました」

子宮頸がんは早期のうちに治療すれば治癒率も高く、子宮を温存できる可能性が十分ありますが、進行がんになると再発率・死亡率が高くなってしまいます。子宮頸がん検診で早期発見し、早期治療を受けることが何より重要です。気になる症状がある場合や、ワクチン・検診について尋ねたいことがある場合は、ためらわずに婦人科の専門医に相談してください。
(取材・文/かきの木のりみ)

乳がん検診 受けたら安心か…発見されるがん、されないがん、何が違う?

 きょうのテーマは「乳がん検診で安心できるのか」。乳がんは、女性がかかるがんの中で最も多く、かかった人の数は年々増え続け、2016年には10万人を突破(上皮内がんを含む)しました。(司会・右松健太キャスター) 津川浩一郎(つがわ・こういちろう)  聖マリアンナ医科大学病院乳腺・内分泌外科教授。乳腺外科が専門、乳がん治療のエキスパート。

戸崎光宏(とざき・みつひろ)  相良病院 放射線科部長。NPO法人乳がん画像診断ネットワーク理事長。国光あやの(くにみつ・あやの)  自民党衆院議員。医師。元厚労技官で医療政策など担当。本田麻由美(ほんだ・まゆみ)  読売新聞生活部次長。17年前に乳がんを治療した経験を持ち、読売新聞で闘病記を長期連載した。

乳がん、検診で安心できるのか?

右松 まずは、乳がんの発見状況をまとめたものです。自分でわかったというのが52.7%、検診の34.3%よりも高くなっているということなんです。なぜ検診よりも自分で発見する割合が高いんでしょうか。

津川 自分で触れて見つけることができるということが一番大きいと思いますね。もともと検診が始まる前は、9割方みんなしこりで乳がんが見つかるというのがほとんどだったんです。検診が普及してきて、少しずつ先ほどの検診発見という乳がんが増えてきています。そもそも自己発見で見つかった52.7%のうち、検診を受けていない方も結構いらっしゃるんだと思います。それがまず一つあると思います。

 それからもう一つ、きょうのテーマの一つである「検診の限界」ということですけれども、画像診断はどんな画像診断でも100%がんが見つけられるものはないですね。小さければ見つけられないですし、次に出てくる、陰に隠れて見えないということもあります。それからもう一つは、「中間期乳がん」と言いまして、検診と検診の間に見つかる非常に悪性度の高い早く成長するような乳がんもありますので、なかなか検診で100%見つけるというのは難しいということになろうかと思います。

がんを見つけにくい『高濃度乳房』

戸崎 私たちの中では「高濃度乳房」と言って、乳腺が白くて乳がんが隠れて見えなくなるという問題が今、議論されているんですけれども、それも大きな一因だとは思います。

 先ほど4人の方の写真が出ていたと思いますけれども、向かって右側の乳房を4人の方が写されているんですけれども、左は黒くて右は白くてということですね。これは体質なんですけれども、エックス線の検査では脂肪が黒っぽく見えますので、左の方は脂肪が比較的多くて、右のほうは脂肪が少なくて、4人の方のうち右のお二人を「高濃度乳房」と呼びます。

右松 マンモグラフィーで高濃度乳房という形で見ることもできるわけですけれども、そうしますと、そもそもマンモグラフィーのメリットという点ではどのようにお感じになっていますか。

マンモグラフィーの評価は?

戸崎 乳がん検診ですからマンモグラフィーでがんを見つけることが一番の目的なんですけれども、がんは、しこりをつくって白く塊として見える場合、こちらですね。左側の写真が腫瘍、しこりがある場合ですけれども、「石灰化」と言って、白い小さい粒が、右側に写っていると思うんですけれども、この石灰化をきっかけにマンモグラフィー、エックス線の検査で見つかることがあるんですね。この石灰化は乳腺の濃度、高濃度乳房であっても問題なく拾えてくるんですけれども、左のほうが重なって見えないこともある。ですから、石灰化を見つけるという意味では、マンモグラフィーはやはり非常に重要な検査ではあります。

右松 本田さんは34歳のときにこの乳がんがわかったということなんですけれども、これはどういった経緯で見つかったんでしょうか。

本田 私は自分で胸に違和感を感じて、気になって仕方なかったので病院に検査に行ったんです。初めは何でもないと、マンモグラフィーも受けましたし、そのほかの検査も受けたんですけれども、何でもないと言われて安心して帰っちゃったんです。3か月後ぐらいにちょっとしこりかなと思っていたところが、ごりっとしてきて、ちょっと膨らんだような気がしたもので慌てて病院に行ったという経緯です。それで乳がんだとわかったんです。

 もう17年にもなってしまいますから、高濃度乳房ということも当時は全然言われていませんでした。ただ、後で乳がんがわかってから、若くてなかなか見づらい画像だったという感じのことは言われました。

「高濃度乳房」見逃さないためには?

右松 乳がんの見落としの要因となる高濃度乳房なんですけれども、この高濃度乳房が原因ではっきりと検査結果として出てこなかった場合、実際マンモグラフィーを受けた患者さんにはどのような知らせが届くものなんでしょうか。

戸崎 検診の結果ですから、基本的には異常があるかないか、要精密検査なのか大丈夫なのか、そういった簡単なお知らせが行くことが一般的なんですけれども、異常がなかった、大丈夫だよという中に、本当に何もなかったというものと、こういった高濃度乳房で、もしかしたら隠れて見づらかったということで同じように異常がないほうに入っている方と両方いらっしゃるんですよね。

 今は国が行っている、自治体が行っている「対策型検診」と普通に人間ドックのような「任意型検診」、大きく二つに分かれると思いますけれども、国の行っている検診のほうでは一応今はまだ全員に一律にお知らせするという状況にはなっていないんです。

「高濃度」知らせる病院も

津川 全ての方に伝えるということは私は賛成なんですけれども、ただ、やはり検診という非常にたくさんの国民が受ける状況になりますと、知らされたときに次にどうするかというところが問題になります。例えば次に高濃度乳房と言われた人が超音波検査を受けに行くと行動するとしたら、その超音波検査は本当に次の検査として勧められるのかどうかということですね。

 実際、超音波検診とマンモグラフィー検診を両方やると乳がんがよく見つかるということはわかっているんですけれども、それが本当に検診として死亡率減少につながるかどうかということはまだわかっていないということ。

 もちろん地方自治体の判断、その地方自治体、あるいは人間ドックと検診をやっている病院、施設の判断で開示している施設もあります。ここに相良病院の例がございますけれども、戸崎先生の相良病院ではちゃんとここに「あなたは高濃度乳房ですよ」ということをお知らせする、こういう欄があるんです。私が属している団体は、対策型検診、川崎市ですけれども、川崎市もお伝えしています。少しずつそういうところは増えてきているんじゃないかなと私は思っています。

戸崎 高濃度乳房とはちょっと話がずれますけれども、一般的に1000人の方のマンモグラフィー検診を行うと、大体3人から5人ぐらいの方が乳がんが発見されるというデータは出ています。ちょっと偽陽性が多い、拾い過ぎてしまう傾向がある検査だという特徴もあります。

検査に心理的、肉体的ダメージ

国光 先ほど本田さんのお話にもありましたとおり、患者さんが一番不安になるというのはやはり見落とされているんじゃないかということなんだと思います。ただ、実際、精密検査ってどうやるかというと、乳房に針を刺したりして生検したりする。それはいわゆる「侵襲性」と言うんですけれども、結構心理的にも肉体的にも一定のダメージがあると思うんです。

本田 「偽陽性」と言われると心理的に、陽性かもしれない、違うかもしれない、その間がすごくつらいということもあって、そこがちょっと痛しかゆしだなというのはあります。ただ、やはり高濃度乳房なんだということを知っておくことで自分で気をつけるという意識づけにはなるんじゃないのかなと。

戸崎 ヨーロッパのほうは知らせるようなアナウンスはないんですけれども、アメリカに関しては今いろいろ高濃度を知らせないとペナルティーが発生するような法的な処置がとられているような州が今増えつつあります。

国光 先生方がおっしゃるとおり、海外でもかなり進んでいる、知る権利ということもありますし、やはり何か公的に検証をやった結果を十分知らせられないのはいかがなものかという点もあります。それから、一体どういう検診を受けたら私は乳がんにならない、あるいはなっても亡くなるリスクが減るのかというところの出口戦略がまだはっきりしないんですよね。だから、そこを並行して今研究で数年前からずっとやっておりまして、その結果を見てから全国一律にどうするかということは対策をアップデートしていかなきゃいけないのかなと思っています。

他の検診方法は?

右松 10月はピンクリボン月間ということで、乳がんの早期発見や早期治療の大切さを伝える機会です。検査方法についてほかにどういうものがあるか、ご紹介いただけますでしょうか。

戸崎 まず一般的にマンモグラフィーを行った後に精密検査になると、皆さんやったことがあるかもしれませんけれども、ゼリーを塗って超音波検査ですね。よくエコーというものですけれども、被曝(ひばく)もありませんし、簡単にできますし、この真ん中ですか、こういった形で超音波検査をすることになります。それから一番右はうつ伏せになって大きなドーナツ状の装置に入っていますけれども、MRI(磁気共鳴画像)ですね。これは特殊なときに行う検査です。例えばアンジェリーナ・ジョリーさん、皆さんご存じだと思いますけれども、遺伝性の乳がんがあったりとかリスクが高い。一般の方よりもがんになるリスクが高いような方が最初にMRIというものを行うような形であります。

 一般的には左のマンモグラフィーが国の補助があって、次に、要精密検査だと超音波、それから日本ではこのMRIは乳がんの術前、手術の直前に精密検査として行っているのが一般的です。

国光 検診でも、人間ドックなど個人で受けられる、いわゆる任意型検診と言われているものは、例えばマンモグラフィーと超音波、あるいはMRIを自由に選択できたりするんですが、そのエビデンスがはっきりあるのは今マンモグラフィーだけだということになります。

 ただ、見落としの話、まさに本田さんが経験なさったようなことをなるべく減らすために超音波を併用したときの効果を数年前からずっと研究していまして、間もなくまた結果も出てまいりますので、一定の集団で死亡率が減りますよという効果があれば、マンモグラフィーと超音波を併用して、皆さんからいただく税金を投入して皆さんにやっていただくというふうに制度が変わっていくという形になります。

津川 検診というのは、まず一つ、先ほどからお話ししている対策型検診、いわゆる税金を使ってやるような市町村がやる、そういった検診はやはり先ほど言った死亡率減少効果とかそういったものがメーンになります。一方、個人で考えると、やはり早く見つけて、できるだけ負担の少ない治療で治りたい、早期発見、早期治療ですね。そういうことでいくと、これは先ほど言った任意型検診、要するに自分でお金を払ってやる人間ドックであるとか、勤めている会社とかが福利厚生でやっている検診、そういったものでは現在でもマンモグラフィーと超音波の検診、両方を受けることもできますし、マンモグラフィーと超音波を1年置きに交互にやることもできます。そういうのを組み合わせて受けられるといいんじゃないかと思います。

【がんと向き合い生きていく】朝食でパンを食べるとかつて乳がんと闘った患者を思い出す

 かつて乳がんと闘ったジャーナリストの千葉敦子さんは、「がんの告知=本人が真実を知る」ということに対する日本人のパイオニアであったと思います。

 千葉さんが乳がんの手術を受けた1980年ごろ、医師は患者本人にがんの病状など十分な説明はしませんでした。千葉さんが入院された時、私は担当ではありませんでしたが、確かこんなことがあったと記憶しています。

 千葉さんはパンを好まれたようで、「ごはんをパンに替えて欲しい」と希望しました。しかし次の食事の時、メニューが洋食に替わるのではなく、ごはんがパンに替わっただけで、おかずは納豆でした。このことを千葉さんは週刊誌に書かれ、私はその記事を読んで「自分が勤めている病院はなんと気が利かない対応なのだろう」とがっかりしました。

 もちろんその後は改められ、今の入院食は旬の食材や行事食などの他に、抗がん剤治療時も患者さんの病状に合わせてメニューを考える工夫がされています。

■サプリメントでのイソフラボン摂取はお勧めしない

 納豆のお話に戻ります。大豆は日本人の食生活を支えていて、摂取する量は欧米人よりも多いことで知られています。豆腐、納豆などの大豆食品に多く含まれる大豆イソフラボンは植物性ホルモンといわれ、化学構造が女性ホルモンに似ています。

 イソフラボンは女性ホルモンの作用を阻害することで「乳がんを予防する効果があるのではないか」と考えられ、味噌汁などでの大豆摂取により、乳がんリスクの低下を示す疫学的研究があります。また、乳がんを発症している患者に対するイソフラボンの影響を調べた研究では、乳がんの再発や死亡を減少させる可能性があるとも報告されています。

 これらの結果を支持しない報告もありますが、少なくとも食事としての大豆摂取による悪影響はないと考えられます。ただ、サプリメントでの高用量のイソフラボン摂取は安全性が確立しておらず、控えた方がよいと思います。

 私事で恐縮ですが、朝食は、食パンにひきわり納豆(たれや醤油は使わない)、釜揚げしらす、時に小さく刻んだ黒ニンニク(臭わない)、そして一番上にとろけるチーズをのせて焼いています。コーヒーによく合い、おいしく気に入って食べています(栄養学的にどうなのかは分かりません)。しかし、家族はだれも同じようにしては食べません。がんを意識してというわけでもありませんが、私は、パンと納豆という組み合わせに、時々、千葉さんのことを思い出しています。

 私はこのトーストを毎朝食べますが、少し焦げができます。近所のレストランに勤務しているAさん(50歳・女性)は、幼い頃におばあさんから「おこげはがんになるから食べない方がいい」と言われたそうです。3年前から今のレストランに勤務していますが、そこのメニューに「おこげ」があり、とてもおいしいのですが、このことが気になっているといいます。「おこげ」や魚や肉の焼け焦げには確かに発がん物質が含まれるようですが、その量は非常に少ないのです。ですから、日常食べている程度ではまったく気にしなくてもいいそうです。

 牛・豚・羊などの赤肉や加工肉は大腸がんのリスクを上げ、食物繊維を含む食品が大腸がんのリスクを下げる――そのため野菜と果物を多く取ることが推奨されています。また、塩蔵食品は「胃がんのリスクを上げる可能性が大きい」と報告されています。

 最近は免疫力を高めてがんを治すとうたった食事やサプリメントが宣伝されていますが、私は勧めません。食事はバランスよく食べるのが重要です。糖質、タンパク質、ビタミン、ミネラルが不足しないことが大切ですし、過剰な塩分摂取、多量のお酒、野菜・果物不足はがんのリスクを高めます。

 おいしく、楽しい気分で食事を取るのが一番だと思います。

(佐々木常雄/東京都立駒込病院名誉院長)

20~40代に増加中「子宮頸がん」早期発見でも喜べない理由

 子宮頚がんは年間約2900人が死亡し、20~40代の女性に増えているがんだ。子宮頚がんについて、NTT東日本関東病院産婦人科主任医長の近藤一成医師に聞いた。

 子宮頚がんのほとんどは、性交渉によるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因。非処女の50~80%は生涯で一度、感染機会があると考えられている。

「HPVに感染すると“異形成”という状態を経て、子宮頚がんになります。異形成は軽度、中等度、高度とあり、このうち高度が前がん病変であり、前がん病変の一部が進行して、子宮頚がんに至ります」

 検診などで異形成の段階で見つかった場合、3~6カ月ごとの定期検診で前がん病変に進行しないかチェックする。前がん病変またはごく早期のがんなら、子宮頚部を円錐状に切除する円錐切除術だ。進行がんであれば、子宮全摘や放射線治療・抗がん剤治療になる。

「円錐切除術は子宮温存も可能ですが、不正出血や将来の妊娠時の流産や早産のリスクを高めます。さらに進行がんでは予後は良くなく、排尿障害、下肢のリンパ浮腫などの術後の後遺症がある。産婦人科医の大半は、子宮頚がん対策には子宮頚がんワクチン接種が不可欠だと考えています」

■ワクチン接種は全世界で続々と導入されている

 日本では子宮頚がんワクチンは現在、定期接種であるものの、「積極的勧奨」はされていない。接種後に慢性疼痛や運動障害などの症状が報告されたからだ。そのため、自治体から個人への個別通知で予防接種を勧めておらず、子宮頚がんワクチンの存在自体を知らない人も多い。WHOが推奨し、全世界で予防接種プログラムを導入する国が相次いでいる一方で、日本は稀有な存在だ。

 検診で早期発見に努めればいいのでは……という声もある。

「しかし早期発見で円錐切除術がOKだとしても、前述の通り、リスクがある。初期の異形成ではがんになるかも分からないのに、定期検査を受け続けなければならない。より問題は、子宮頚がんには扁平上皮がんと腺がんがあり、近年増えている腺がんは、検診では早期発見が困難といわれている。子宮頚がんの検診には限界があると考えざるを得ないのです」

 検診での早期発見は2次予防であり、必ず治療を伴う。一方、子宮頚がんの1次予防は、HPVの感染を防ぐことだ。

「1次予防と2次予防を混同してはいけない。感染しなければ前がん病変ができず、子宮頚がんにもならない。ワクチン接種でHPV感染と前がん病変発生を予防できることは、大規模な臨床試験で証明されています。いち早く定期接種プログラムを開始した欧米では、HPV感染率、前がん病変発生率が大幅減少。感染から子宮頚がんになるまでは人によって大きく異なりますが、接種開始20年以降は、欧米では子宮頚がんは希少がんになる可能性が大きい」

 気になるのは、安全性だ。名古屋市の疫学調査では、ワクチン接種後に報告された多様な症状はワクチン接種とほとんどが関連していないという結果がはっきり出ている。厚労省の全国疫学調査でも、ワクチン接種歴がない方にも、接種歴のある方に報告されていたものと同様の症状が一定数見られた。

「つまり、ワクチン接種で報道されているような副反応があきらかに増えているとは、言えないと考えています」

 まずは正しい知識を。ネットで日本産科婦人科学会の解説を見ることができるし、区役所や市役所にはパンフレットが置いてある。若い女性の将来の健康のために。

 子宮頚がんワクチンは現在、小6~高1の女児は無料で接種できる定期接種。希望者は、各地区の保健センターでワクチン接種の問診票を請求する必要がある。無料の対象年齢以外も、有料だが接種が推奨される。

子宮頸がんワクチンの接種率激減… まさに「日本の常識は世界の非常識」だ

 昭和から平成にかけて活躍された評論家の竹村健一氏が亡くなりました。竹村氏を有名にした言葉に「日本の常識は世界の非常識」というものがあります。
がん

 医療の世界にも、「日本の常識」の非常識さを示すことはたくさんあります。なかでも、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防するワクチンは代表例といえるでしょう。

 日本では2013年4月1日から予防接種法に基づいて12歳から15歳の女の子を対象にHPVワクチンを無料で接種できるようになりました。厚生労働省がワクチンの接種を勧奨したこともあって接種率が70%を超えました。

 ところが、副作用問題が起きたため、厚労省は13年の6月14日にワクチン接種の勧奨を中断しました。その結果、ワクチンの接種率は1%未満に激減しました。

 世界をみると「世界の常識は日本の非常識」の状態にあります。世界での120以上の国々でHPVワクチンの接種が行われています。オーストラリアでは14歳から15歳の女の子の16年における接種率は78%です。

 WHO(世界保健機関)のワクチンの安全性に関する諮問委員会は、日本が中断を決めた1日前の6月13日、HPVワクチンの安全宣言をしていますし、国際産科婦人科連合も1億7500万回以上接種した結果としてHPVワクチンの安全性を表明しています。

 米国がん協会も13年6月、14~19歳女子のHPVの感染率が56%も減少したことを発表しています。日本でワクチン接種の勧奨が中断されなかったら、これまでに子宮頸がんで死亡した5000人の女性の命を救えたという推計もあります。まさに「世界の常識は日本の非常識」というわけです。(山野医療専門学校副校長・中原英臣)

【乳がん検診】マンモグラフィーとエコー、どっちを受ければいいの?

日本人の女性がかかるがんのなかで、最も多いがんは乳がんです。乳がんを早期に発見するためには乳がん検診を受けるのがいいでしょう。乳がん検診には問診・視触診以外にもマンモグラフィーや超音波検診(エコー)があります。ではその違いとは何なのでしょうか。

何が違う?マンモグラフィーとエコー

乳がん検診といえばマンモグラフィー検診のイメージが強いかと思いますが、それ以外にエコー(超音波)検診という方法もあります。二つの検診はどのように異なるのか、それぞれの特徴を見ていきましょう。

石灰化が見つけやすいマンモグラフィー

マンモグラフィー検査は、乳房専用のエックス線検査です。透明な板で乳房を挟んで薄く伸ばして撮影するため、検査時には個人差がありますが痛みが伴います。最小限の放射線量で安全に乳がんの検出ができ、石灰化(白い点のようなもので、がんの副産物の可能性がある)や乳腺の全体像が見やすいのが特徴です。特にしこりを作らない、早期の乳がんの発見に有効だとされています。
また、定期的に検診を受診することによって、乳がんの死亡率を下げることが統計学的にも証明されています。しかし、妊娠中・妊娠の可能性がある場合は検査を受けられないなどのデメリットもあります。

被ばくのリスクや痛みがないエコー

エコー(超音波)検査は、プローブという器具を直接乳房に当て、超音波の反射具合を見る検査です。被ばくがないので妊娠中でも受けることができ、マンモグラフィー検診のような痛みもないのがメリット。自治体のマンモグラフィー検診の対象外である20~30代の女性に行わることが多くなっています。

エコー検査では乳腺は白く、がんは黒く描出されるので小さなしこりも見つけやすいです。一方で、乳がん以外の治療が必要ない病変も見つけることができてしまうため、再検査になる可能性も高くなります。良性と悪性との区別が難しく、施行者の技量によっても結果が左右されるのがデメリットだといえるでしょう。また、検診での有効性の確認はまだ確立されていません。

マンモグラフィーとエコー、どっちを選ぶ?

マンモグラフィー検診とエコー(超音波)検診の違いはお分かりいただけたかと思います。でも実際にどちらを受けるべきか迷いますよね。どちらもメリット・デメリットがありますが、それも踏まえて、どちらを選んだらいいか考えてみたいと思います。

マンモグラフィーは40代以上に有効

自治体が行うマンモグラフィー検査は基本的に40歳以上が対象となっています。これは40歳未満では乳がんになる人が少ない、また40歳未満では乳腺が発達しており、マンモグラフィーでは異常が分かりにくいことが主な理由です。マンモグラフィー検診の結果精密検査が必要となった場合でも、その段階では必ずしも乳がんであるとはいえないので、心配しすぎはNG。確率的にはマンモグラフィー検診を受けた1000人のうち、50~100人ほどは精密検査が必要となりますが、実際に乳がんが見つかるのは3人程度とのこと。

20~30代はエコー、できればマンモグラフィーも

自治体のマンモグラフィー検査の対象が40歳以上であるため、40歳未満の方はエコー検査を受けることが多くなるでしょう。
若いと乳房の乳腺の割合が高く、張っているため、マンモグラフィーでは痛みを伴うことがほとんどです。「痛い」と聞くと受けたくなくなりますよね。しかし、エコーだけでは描出しきれないがんが隠れている可能性もあるため、マンモグラフィーも併用した方が安心だといえます。
マンモグラフィーは生理周期によっても乳房が受ける痛みは変わってきます。排卵後~生理直前は胸が硬くなり痛みも増すので、痛みをできるだけ最小限にしたいという方はこの時期は避けましょう。生理開始5~7日ごろであれば妊娠の可能性も低いので、妊活中の方も安心して受けられます。

乳がん検診はいつから受けた方がいい?

乳がんは40代以上に多い病気です。とはいえ、若くして罹患する方もいます。「まだ若いから大丈夫」と思ってはいても、油断は禁物。少しでも違和感があったら、すぐに医療機関を受診しましょう。

20代後半ごろから検診受診を検討しよう

日本乳癌学会の乳癌診療ガイドラインによると、年齢別の乳がん罹患率は30代から増え始め、40代後半でピークを迎えるとのこと。しかし年々30代以下での罹患も増えてきているため、20代後半ごろから検診受診を検討することをおすすめします。 先ほどもお伝えしたように、自治体の乳がん検診は40歳以上が対象となっています。しかし、自治体によっては40歳以下である場合も一部負担で受けられることも。まずは自治体に問い合わせてみるといいでしょう。

家族に乳がん罹患者がいたら早めの検診を

日本乳癌学会の乳癌診療ガイドラインによると、乳がんは以下のような要因で罹患のリスクが高まるとされています。

肥満である

出産・授乳経験がない

家族や親族に乳がんの患者がいる

アルコールをよく摂取する

タバコを吸う  など

これらの要因は一部ではありますが、乳がんのリスクと確実に関係するとのこと。どれかに当てはまる場合は、20代後半~30代ごろから乳房に異常がないかを定期的にセルフチェックしてみるようにしましょう。

おわりに

乳がんになる女性は年々増加傾向にあります。「まさか自分に限って」と思ってしまいがちですが、乳がんになる確率は誰にでもあると考えた方がいいといえます。まずは自分で自分の体をしっかりチェックして、不安に感じることがあったら早めに医療機関を受診しましょう。

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。

乳がんの兆候、3~4割はしこりに自分で気付く 揉むのは危険

 女性の11人に1人が罹患するとされる乳がん。南果歩(55才)や北斗晶(51才)ら、罹患した多くの女性芸能人がメディアを通じて検診や早期発見の重要性を訴えているため、関心の高い女性は多いだろう。

 東京ミッドタウンクリニックの森山紀之医師によれば、主な兆候はやはり「乳房のしこり」だという。

「しこりで乳がんに気づいたという患者さんは数多くいらっしゃいます。過去に国立がん研究センターで調査した際も3~4割の患者さんは、検診ではなく、自分でしこりに気づき病院を受診していた。わきの下を触ってしこりに気づいたというかたもいました。乳がんは、セルフチェックで発見できることもあります。片手の指4本をそろえて乳房にあて、硬いものがないか調べることを習慣にしてください」

 ポイントは、手のひら全体を使ってまんべんなく乳房を触り、チェックすること。

 詳しい方法は「日本乳がんピンクリボン運動」のホームページにも記載がある。

「その際に絶対にやってはいけないのは、硬いしこりをもみほぐしてしまうこと。しこりが良性の腫瘍である『のう胞』の可能性もありますが、もしがんなら全身に広がり、転移する可能性があります。もむのは危険です」(森山さん)

 しこり以外の兆候もある。医療ジャーナリストの村上和巳さんが言う。

「乳輪のあたりに湿疹ができることがあります。特に乳頭の真下にがんができると、よく表れる症状です」

 乳房そのものにもさまざまな変化が起きる。獨協医科大学総合診療科教授の志水太郎医師はこう解説する。

「左右の乳房の大きさが変わってきたり、胸が引きつったり、肋骨が痛んだりといった症状を訴えるかたもいます。赤い乳汁が出ることもある。心配になったら乳腺外科を受診して、専門医の検査を受けてください」

 もう一つ。女性のがんとして罹患者が多いのは子宮頸がんだ。大阪大学が2019年2月に発表した調査によれば2000年以降、子宮頸がんの罹患者数は年々増加しているという。

「子宮頸がんは他のがんと違って、若い女性でも罹患しやすい。20代後半から増加し、40代前半までの患者数が最も多くなります。だからこそ、若い人にも兆候に気を配ってほしい」(村上さん)

 早期発見のキーワードは「おりものと不正出血」だ。

「子宮頸がんに限らず、子宮体がんにも共通していえるのは、閉経後や生理と関係ないタイミングでの不正出血。異臭がするおりものが出てきたときも要注意です。特に子宮頸がんの不正出血は、性交後に起きることが多い。がんの腫瘍は触れると出血しやすいため、子宮の入り口にできる子宮頸がんは性交で出血しやすいのです」(森山さん)

 子宮頸がんは進行が早いため、検診で異常がなくても、おりものと不正出血が続いたら、一度婦人科に相談してみよう。

お酒を飲む量が多いほど乳がん発症リスクは上昇する

【お酒と健康 8つの疑問】

【Q】乳がんが急激に増えている背景に、女性の飲酒が関係していると聞きました。お酒を飲み過ぎると乳がんの発症リスクが高くなるって、ホントですか?

【A】残念ながら本当です。さまざまながんでアルコールが発症リスクを高めるといわれていますが、乳がんもそのひとつです。国立がん研究センターの2018年の乳がんの罹患者数予測は、8万6500人。一方、08年の乳がん罹患者数は5万9389人です。10年間で1.4倍に増えた計算です。目立つのは40歳以上で、特に閉経女性の乳がんです。

 世界がん研究基金、米国がん研究協会の見方もアルコールによる乳がんの発がんリスクは5段階のうち、上から2番目の「ほぼ確実」としています。国立がん研究センターの「多目的コホート研究」でもお酒を全く飲まない人と、週にアルコール150グラム(180㏄の度数14%の日本酒6合)より多く飲む人を乳がん発症率で比べた場合、後者の方が1.75倍多いという結果を報告しています。

 ただし、なぜ、お酒を飲むと乳がんになりやすいのか、ハッキリした理由は分かっていません。アルコールを体内で分解したときの中間代謝物であるアセトアルデヒドの毒性は体が男性より小さい女性に強く出るからではないか、アルコール代謝による酸化作用があるのではないかなど、さまざまな理由がいわれていますが、決め手になるような報告はありません。ですから、どのくらいの酒量なら安全かということも正直、分かってはいません。

 よく1日1合程度の日本酒、ビール中ビン1本、ワイン2杯が適量などといわれますが、それは疫学研究からはじき出された数字で、個々人に当てはまるものではありません。よほど過剰に飲まなければ大丈夫ともいえるのです。

 ただ、乳がんの増加は閉経後に目立つことから、お酒よりも肥満に注意が必要です。本来、女性ホルモンをエサにする乳がんは閉経後に減少するはずですが、逆の結果になっているのは乳腺の脂肪組織になる酵素が原因といわれています。この酵素が男性ホルモンの一種であるアンドロゲンを女性ホルモンに変換する働きがあり、太っている人はその働きが活発だからです。

 乳がんが気になる人は、太らない程度に、常識的な範囲で飲むことが大切ということでしょうか?

(国際医療福祉大学病院内科学・一石英一郎教授)

乳がん“ステージ4”の妻を支える家族の絆。不安を払拭するために夫が率先してやったこととは…

妊娠中に乳がん発覚。生まれた息子はダウン症

今年で結婚11年目を迎えた夫婦がいる。
結婚11年目は「鋼鉄婚式」。
ということで、毎年恒例の夫からのプレゼントは、ペアのステンレス製のタンブラーとアイスキューブだった。

妻は3年前に最初の乳がんを患った。
「pumiy」と名乗るブログで、日々の闘病生活を赤裸々に発信する「アメーバブログ」の人気ブロガーの一人。pumiyさんは、1976年生まれの2児の母。2014年に長女を出産後、1回目の乳がんが発覚し左右両胸を全摘、再建手術を行った。

その後は順調に回復し、待望の第2子を妊娠、仕事にも復帰した。

しかし、全摘手術からわずか1年半後の2017年8月、再び胸骨にシコリを発見。検査の結果、新たな乳がんが見付かり、さらに肝臓にも転移。まさかの乳がんステージ4の宣告を受けた。

すでに妊娠8か月。
胎児に影響が及ばない抗がん剤治療をすぐに開始した。そして、10月には無事長男を出産したが、生後間もなくダウン症とわかった。ちょうど小林麻央さんのこともあったし…涙が溢れた

最初のがんが発覚してから丸3年…
pumiyさんのブログにたびたび登場する、前向きに妻と家族をサポートする『夫ちゃん』に話を聞いた。「去年の夏ごろかな、口に出しては言わなかったけど、死んじゃう可能性もあるのかなと漠然と思って、一人で道歩いていて気付いたら涙が溢れてきた。ちょうど小林麻央さんのこともあったし…」


pumiyさんが乳がんを再発し、闘病生活が始まってからは、何かと理由をつくって早くに帰宅、今年3月からは時短勤務で娘の保育園の送り迎えをほとんど担当しているという夫ちゃん。

「会社で憔悴していたつもりはないけれど、ぼーっとしていたのかな。本当に会社にも迷惑をかけました。時短はそれを見かねた会社からの提案でした。時短で給料は減ったけど、少しでも妻の助けになりたい、一緒にいたい、そんな気持ちでした」

その結果、毎日家族全員で晩ご飯を食べ、子供が保育園での出来事などたわいもない話をしてくれることで、病気を忘れさせてくれたこともあったという。子供を寝かしつけた後に持ち帰った仕事をすることも多かったが、起きている間はずっと子供と一緒。妻へのサポートとは別に、幼少期の子供と毎日向き合えるという特別な時間となった。病気のおかげというと大げさですが、家族一緒の時間が増えたのは『キャンサーズギフトだね』と妻とは話していました」

こう語る夫にpumiyさんは、
「時短にしてくれて気持ちも家族もハッピーになった。変化に対応できる人で良かった」と話す。さらに、pumiyさんを勇気づけてくれたことがあった。

抗がん剤治療を始めれば、髪が抜ける。
母親の変化に娘はどう反応するか…
心配するpumiyさんの様子を見て夫ちゃんはある日、先手を打った。

僕が先行して坊主に

「先に僕が坊主にしちゃおうかと思った。娘のことを心配していたので、僕が先行して切ってしまえば3歳児はそう言うものだと思うのかなと思って」

pumiyさんは当時のブログでこう綴っている。

『8月の再発確認から毛がなくなる前に、ある日突然夫ちゃんが坊主にして美容院から帰ってきました。私の髪の毛がなくなる前に、坊主に慣れさせるために、夫ちゃんが先に坊主になってくれたのです。涙娘は始め「パパ怖ーい」と言っていましたが、いつのまにか慣れた頃に、私も坊主に。それもあったからか、私の坊主を怖いと思わなかったのかもしれません。ほんとに感謝です。』
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すべての縁がつながって今この状態なのでは

病気と闘う妻をどう支えるか。

「妻はがんの再発がわかったとき自分自身をとても責めた。ちょっとしたシコリがあることに気づいたときに、僕はすぐに診てもらいなさいと言ったけど、定期検診が2~3か月後にあるからと行かなかった。それを悔やんでいた。僕は、なってしまったものの要因を探しても意味がないと思っていて、なってしまった以上これから何ができるかを考えよう。あの時すぐに検査に行ったとしてもわからなかったかもしれないし、逆にわかっていたらお腹にいた長男を諦めようという結論に至ってしまったかもしれない。

わかったときは妊娠後期だったので子供も生む。並行してできる治療もやるという状況だった。すべての縁がつながって今この状態なのではないかと思う」
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長男はダウン症…生まれて3日後ぐらいに示唆された

治療開始から2か月弱が経ち、長男が生まれた。
体が小さく、筋肉も柔らかく、検査の結果、ダウン症候群とわかった。

「僕がまず示唆された。生まれて3日後ぐらいに検査受けませんか?と先生から言われた。
僕はダウンちゃんのことはあまり分かってなくて、治るものなんですか?と聞いて、『いいえ治りません』と言われた。

『抗がん剤が影響したことは当然ありません』という話だったが、万が一、妻がそれを気にしたら本当につらいなと思った。

ちょうど友達が病室に来てお祝いしてもらっている最中だったので、この話はしばらくできないと思い、検査を受ける予定日のギリギリまで待って『可能性があるから検査を受けなくちゃいけない』と伝えた」

お腹の中にいる胎児が病気をもっているかどうかを詳しく予測、もしくは診断する「出生前診断」については、長女妊娠の際に夫婦で話し合ったという。

「今回はバタバタしていて記憶にないが、長女の時はそう言う話があった。
初めて意見の食い違いがあって『検査を受けない』と決めた。

検査を受ける受けないという争点よりも、『分かったときどうする?』という話で、彼女は分かっても生みたい、僕は検査受けて分かったのなら諦めようと言った。彼女は僕の反応が意外だったようだ。ハンディを持って生まれてきて順番的に僕たちのほうが先に死んだとして、その子供はどうなる。それを考えると出産前であれば諦めざるを得ないという考えだった。人それぞれの考えがあると思うが。

だから逆にわからないで良い、もしそうだったら全力で育てようと思った。だから検査も受けなかった」

4人家族が僕らの家族。誰一人ピースとして欠けてはいけない

「長男がいてくれているおかげで妻も生かされていると思うし、家族が成り立っていると思う。今の4人家族が僕らの家族なんだなと。誰一人ピースとして欠けてはいけない。娘は太陽のような明るい子。妻は病気に負けていないし、息子は少し個性のある子だけど最強です!」

4人で挑んだがんとの闘い。
願いは叶い、肝臓への転移は消え、12月14日に原発のがんを無事摘出した。

「ステージ4と聞いたときは、子供をどう育てようという発想よりも、妻の居ない寂しさ、妻の居ない僕の人生ってつまらないなと思った。常に空がどんよりしていた。ここ1年半ぐらいは常に怖さとの表裏一体だったけど、どこかで大丈夫という気持ちもあって、自分に言い聞かせていたのかもしれない。

医学的には『根治、完治』という言葉は使わないと先生から言われたけど、我が家では一旦『完治』で良いんじゃないかな。油断しちゃいけないけど、お疲れ様、おめでとう、乾杯!でいいんじゃないかと、妻には伝えたい」

今後はホルモン治療を続けるというpumiyさん。
ブログに綴ることで多くの人から応援メッセージを受け取り、それが心の支えとなり、家族は勇気付けられたという。これからもその感謝の気持ちを込めて、育児に奮闘する様子などを発信し続け、『夫ちゃん』との結婚記念日をたくさん重ねていきたい、と笑顔で語った。

進行・再発乳がん…副作用少なく“安定期間”延ばす薬が登場

 増加の一途にある乳がんだが、①進行・再発乳がんで②ホルモン受容体陽性かつHER2陰性のタイプに対しての新薬が登場する。最新治療はどうなっているのか? 国立がん研究センター中央病院乳腺・腫瘍内科長の田村研治医師に話を聞いた。

 乳がんはタイプによって治療法が異なる。カギのひとつが、女性ホルモンとHER2というタンパク質だ。

 乳がんには女性ホルモンで増殖するものがあり、女性ホルモンの作用を抑える内分泌治療が効く。このタイプはホルモン受容体が陽性か陰性で分かる。また、HER2を多く含む乳がんには、HER2阻害剤という薬が効く。HER2が陽性ならHER2阻害剤と抗がん剤、陰性なら抗がん剤だけの治療を行う。

「今回の新薬が対象とするのは、手術が不能な進行・再発乳がんの中でも、内分泌治療と抗がん剤治療を行うタイプです。内分泌治療を先に行い、効かなくなったら抗がん剤治療に移行します」(田村医師=以下同)

 内分泌治療は1次から3次まであり、“前の内分泌治療が効かなくなったら次”となる。患者によって、ひとつの内分泌治療が効いている期間も違えば、1次だけで終わる人、2次あるいは3次まで進める人もいる。内分泌治療をしている余裕がなく、いきなり抗がん剤治療に入る人もいる。

「脱毛や薬の副作用で日常生活を送りづらくなる抗がん剤治療に対し、内分泌治療はこれまで通りの生活を送りながら治療ができます。だから、内分泌治療を延長し、抗がん剤治療開始を遅らせる治療の研究が進められてきました。そういった意味で、新薬は非常に画期的なものです」

■日常生活を送りながら治療できる

 新薬は、乳がんの増殖や転移に関係する酵素、CDK4とCDK6の働きを抑制するメカニズムを持ち、「CDK4/6阻害剤」という。これを内分泌治療に併用して投与すれば、無増悪生存期間(がんが進行せず安定した期間)が約2倍延長するという結果が出た。

 CDK4/6阻害剤には、2017年9月に承認された「イブランス(一般名パルボシクリブ)」と18年9月に製造承認された「ベージニオ(同アベマシクリブ)」がある。“約2倍延長”というのは、後者の臨床試験の成績だ。

「化学構造式は異なりますが、どちらもメカニズムは同じですので、臨床試験の無増悪生存期間は、先に承認されたCDK4/6阻害剤も同等です。また、先の薬パルボシクリブの全生存期間は、プラセボ(偽薬)より約7~10カ月延長。しかし、有意差では『ない』との結果でした。後のアベマシクリブについても、解析が済んでいないものの、全生存期間の結果は同等だとみています」

 つまり、CDK4/6阻害剤によって内分泌治療の期間は延びる。一方で、抗がん剤治療も含めた“何年生きられるか(全生存期間)”になると、CDK4/6阻害薬では有意に延びない。しかし前述の通り、これまで通りの生活を送りながらできる内分泌治療が延びる意味は大きい。

「今回のCDK4/6阻害剤は、いわば第1世代。今後はより副作用が少なく、より効果が高い第2世代、第3世代の薬が出てくるでしょう。治療の選択肢が増えることは確かです」

 CDK4/6阻害剤は下痢や白血球減少などの有害事象が指摘されているが、対処可能な範囲内だ。3割負担で約30万円。高額療養費が適用されるが、負担は大きい。

 なお、冒頭の①と②に該当しても、全てにCDK4/6阻害剤が必要とは限らない。内分泌治療が非常によく効くタイプなら、この薬を使わなくても、5年、10年の延命が期待できる人もいる。

12人に1人がかかる乳がん 進行度、悪性度で治療法異なる

 今や日本人女性の12人に1人がかかるといわれている乳がん。いつ自分に降りかかるともわからない。

 昨年9月24日に右乳房の全摘手術を受けた北斗晶(48才)。約6か月、計9回にわたる抗がん剤治療がようやく終わった。薬の影響でパンパンにむくみ、結婚指輪はまだはめられずにいる。全身の毛が脱け、しばらくは帽子が手放せない生活。「これが本当に最後でありますように…」──北斗は夫で元プロレスラーの佐々木健介(49才)ら家族とともに祈っている。

 そしてもう1人、南果歩(52才)は2月に早期の胃がんと診断された、夫で俳優の渡辺謙(56才)の手術に付き添い、病院に泊まり込んでいる際に人間ドックを受診して、乳がんが見つかった。

「本当にびっくりしました。でも病気って突然やってくるものなので、こういうことかなと思いましたね」──3月11日の手術から1か月あまり。まだ本調子ではないものの、仕事に復帰した女優の南果歩は、病巣が発見されたときの心境をそう振り返った。

 しかし、乳がんといってもそのタイプ、進行度、悪性度によって治療内容は違ってくる。南の場合は「ステージI」。当時撮影中だったドラマのクランクアップを待って告知から約1か月後に手術を受けた。濱岡ブレストクリニック院長の濱岡剛さんが説明する。

「乳がんは大きく分けて、極めて早期の非浸潤がんと、血液やリンパ液を通じて全身にがんが転移する可能性のある浸潤がんの2種類に分けられます。治療法としては、患部のみの摘出手術から全摘手術、さらに抗がん剤治療やホルモン剤治療などさまざまありますが、どの治療をどう組み合わせるかは乳がんのタイプ、進行度、悪性度によって決まります」

 乳がんの告知は、視触診、超音波(エコー)、マンモグラフィー(乳房エックス線検査)で異常が見つかった後、乳房に直接針を刺し、異常部の組織を採取してその結果をもとに行われる。ただしこの時点では、治療方針は定まらない。

「組織診の結果がステージ0でも、手術で切除した細胞を調べたらステージIやIIだとわかり、全身治療が必要になることがあります。最初の告知で“手術だけの可能性が高い”といわれても、その後、抗がん剤治療やホルモン剤治療が新たに必要になることも珍しくありません」(濱岡院長)

近年の乳がん治療 全摘出乳房再建が主流で精神的苦痛も減少

 現在、日本女性の12人に1人がなるという乳がん。その乳がんが見つかった場合、どんな治療を受けるのか。他人事ではない、乳がん治療について紹介する。

 乳がんのタイプや病状に応じて、手術、放射線治療、抗がん剤治療などがある。女性ホルモンが影響しているタイプのがんでは、乳がん細胞に対する女性ホルモンの作用をブロックするホルモン治療を5~10年間行って再発を防止するなど、治療法はさまざまだ。濱岡ブレストクリニックの濱岡剛院長はこう語る。

「早期でしこりが小さい場合は、乳房を部分切除して温存するケースが多いです。温存した場合は、術後に放射線治療をすることが多く、がんのタイプによっては手術前後に抗がん剤治療も併用します」

 手術をするにあたって、決断を迫られるのが、乳房の「部分切除」か「全摘出」かだ。2007年に乳がんに罹ったアグネス・チャン(60才)は部分切除し、2012年に乳がんだと診断された麻木久仁子(53才)は乳頭を温存して、左右両乳房を部分摘出した。

 北斗晶(48才)の場合は全摘手術をしたが、全摘出でも不安になることはない。昔は全摘出といえば乳頭を含めてすべて切除するので、傷跡は残り、文字通り“乳房がなくなって”いた。女性には抵抗がある手術のため、可能な限り部分切除をして乳房を温存するのがこれまでの主流だった。しかし、近年では全摘出乳房再建が主流になりつつある。

「近年、乳房再建技術が格段に進歩し、乳房の皮膚や乳頭といった外側はそのまま残し、内側を全て切除すると同時に人工パックに入れ替えて再建することができるようになりました。1回の手術で初期の再建まで行うので、精神的なダメージも少なく、外見からは傷がほとんどわかりません。

 乳腺は全部切除するので乳房内再発の可能性も極めて低くなります。乳房を温存するときは放射線治療が必要ですが、すべて摘出した上で再建すれば、それも必要ない場合もあります。なおかつ、2014年から乳房再建手術は自費負担ではなく、保険適用になりました」(濱岡院長)

 乳房の再建は、摘出手術と同時に行うことも、時間をおいてから行うこともできる。治療に際して不安なのは、副作用だろう。北斗も抗がん剤の影響で微熱や吐き気の症状が出たことや、わきに転移していた腫瘍を取った影響で右腕のリハビリが必要なことを告白している。

乳がん専門医 「告知されたら思い切り悲しんでよい」

 昨年乳がんを告白したタレントの北斗晶(48才)が《言葉だけでは理解し難く、告知された瞬間は 他人事のような感覚だった気がします》とブログに綴ったように、がんとわかった直後は大きな衝撃を受ける。

 そして、女性にとって乳がんという病は特別。命あってこそ、と頭ではわかっていても、乳房を失うことになるかもしれない現実は、女性としての機能も生き方も大きく変わることを意味するからだ。濱岡ブレストクリニック院長の濱岡剛さんは、こう話す。

「がんに限らず、人が大きな問題点にぶつかったときは、最初は“そんなこと私にあるわけない”“乳がんなんて夢に違いない”と一度は現実逃避します。でも時間の経過とともに“乳がんになったのは本当らしい”と現実を受け入れ始めます。すると、大きな悲しみがどんどん膨らんでくる。そして“私の人生はどうなるんだろう”といった不安や悩みが生じてきます。

 患者さんには、“告知されたらまずは思い切り悲しんでよい”と伝えています。治療と向き合うのはそのあとです」(濱岡院長)

 絶望、不安、怒り、否定…。告知後は言葉にできないさまざまな感情が患者を襲う。日頃冷静な人であっても不眠や食欲不振などから日常生活に支障をきたすほどのうつ状態になることも少なくない。なかには病院に来なくなったり、自殺する人もいるため、治療を始めるまでの期間はまさに『魔の2週間』ともいえる。

 それゆえ心のケアが必要なときは、がん患者やその家族の心のケアを専門にする精神腫瘍科を受診することもできる。

「乳がんはがんのなかでは比較的治癒しやすいがんです。乳がんと診断されても“患者さんの価値”は変わりません。ステージにもよりますが、告知のときは病状、治療方針、治る確率などを説明し、治療は必ず克服できると信じて、元通りの人生が戻ってくることを思い出してほしいと話しています」(濱岡院長)

乳がん、子宮頸がんなど、R40女性が受けるべき6つの診断

「自分は健康だから検診は不要」というのは大間違いだ。検診とは、自覚症状がないうちに病気を見つけることが目的。さらに、R40の女性特有のかかりやすい病気というものもあるのだ。

 まず、『健診』と『検診』の違いがわかりにくいが、『健診』とは単に健康か否かを調べるもので、『検診』は特定の病気を早期に発見し治療することが目的。代表的な検診はがん検診で、国が推奨する『対策型検診』と、人間ドックなどの『任意型検診』がある。

NPO法人乳がん画像診断ネットワーク副理事長としても活動する、女性医療ジャーナリストの増田美加さんはこう説明する。

「対策型検診は自治体や企業の補助が付くため無料または安価で受けられますし、エビデンス(科学的根拠)も高い検査です。『特定健診(メタボ健診)』や『企業健診』と併せて受ければ高額な人間ドックを優先的に受ける必要はありません。

R40に必ず受けて欲しいのは、胃がん・大腸がん・肺がん・乳がん・子宮がん検診。閉経後は骨粗しょう症にもなりやすいので骨密度検診も受けておくといいでしょう」

 とはいえ、年齢や生活習慣、家族の病気歴などから、病気のリスクが高ければ定期的に精密検査を受けたほうがいい。健診会 東京メディカルクリニック副院長を務める守慶さんはこう話す。

「今年は腹部エコー、来年は大腸内視鏡など、部位ごとに受ければ、費用の負担も少なくなります。複数の検査をまとめて受けられる人間ドックも、リスクに合う検査が含まれているか確認して選択を」

 乳がん検診で行われるマンモグラフィは、機器に乳房を挟んでX線を照射する検査で、乳がんや乳腺組織は白く、脂肪は黒く写る。乳腺が『高濃度』の人はがんが見えにくいので、乳房超音波検査を受ける場合も。

「私はハイリスクなので、定期的に自費で乳腺専門医のクリニックに行き、医師の指示に従ってMRIなどの精密検査を受けています」(増田さん)

 子宮頸がん検診では、医師が視診・触診したあと、綿棒で子宮頚部を軽くこすり、粘膜を採取。子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルスに感染している細胞の有無を調べる。

「この検査は日本人女性の約3割しか受けていません。しかし、早期発見につながるので、ぜひ、受診を」(守さん)

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年間1万人罹患の子宮頸がん 初体験が16歳以下だとなり易い

 女性特有の病気である子宮頸がんをめぐって深刻な問題が起きている。この4月より小学6年生から高校1年生の女子を対象にワクチンの接種が無料化されたのだが、ワクチンによる副作用を示す人が続出した。

厚労省の専門家検討部会が出した結論は、「定期接種は中止しないが積極的には勧めない」。じゃあ、どうすればいいの? 名前はよく耳にするがよく知らないこの病気について、専門家の最新知見をもとに解説していこう。

●子宮頸がんと子宮がんは違う?

 ひところは「子宮がん」という言い方がされていたが、ファルメディコ株式会社代表取締役社長で、医師の狭間研至氏はこう解説する。

「子宮は頸部と体部のふたつの部分に分けられます。このうちの膣側、子宮頸部にできるがんを子宮頸がんといいます」

 体部側にできるのは子宮体がんと呼んで区別する。

●どれくらい危険ながん?

 日本では年間約1万人が罹患し、2700人が子宮頸がんで亡くなっている。その全てが女性ということで、女性が罹患するがんの中では死亡数は7位(子宮体がんなどを含め)である。

●発症年齢が若年化している

 子宮頸がんは、若い世代が罹患しやすいことでも知られる。

「20~30代の若い女性に多い病気です。がんは通常、高齢になってからかかる病気ですが、子宮頸がんは性行為の経験があれば誰でも罹患の可能性がある。若い女性の場合、乳がんについでかかりやすいのがこのがんです」(狭間氏)

 発症のピークは35歳というが、最近は発症年齢の若年化がみられるという。

 ある調査では初体験が16歳以下の女性の場合、19歳以上の女性に比べて16倍、初潮から1年以内に初体験した女性の場合、10年以上に比べて26倍も子宮頸がんになりやすいことが報告されている。

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性交渉で感染するHPV原因の子宮頸がん 年間15000人発症

昨年末、プロ野球DeNA中畑清監督(59才)の愛妻・仁美さんが子宮頸がんのため59才で他界したニュースは、子宮頸がんを若い人の病気で、命を落とすことはないものだと思っていた多くの人に驚きをもって受けとめられた。

 子宮頸がんとは、性交渉で感染したヒトパピローマウイルス(HPV)が原因で、子宮の入り口である頸部にできるがん。HPVに感染しても体の免疫力によってほとんどが排除されるが、ウイルスが長らえた場合、まれにがんとなる。

20~30代の女性に多いが、年間に1万5000人もが発症しているというデータもあり、40代以降も油断は禁物だ。「こころとからだの元氣プラザ」の産婦人科医・小田瑞恵さんはこう説明する。

「初期段階では自覚症状がありませんが、早期発見ですぐに治療を始めれば、ほぼ100%治ります」

 ワクチンが開発され、子宮頸がんの予防は新たな時代に突入。日本では2009年に認可され、摂取が可能になった。

「ワクチンで予防できるのは子宮頸がんの約7割。必ず検診を受けるのが大切です」(小田さん)

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