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小林麻央さん死去 見送られた精密検査 早期発見の大切さ示す

 乳がんで亡くなった小林麻央さんが人間ドックで、「五分五分でがん」と指摘されたのは平成26年2月のことだった。

 しかし再検査の結果、経過観察となり、細胞の一部を取って調べる生検は見送られた。同年10月に麻央さん自身が左乳房のしこりに気づいた。痛みを和らげる処置などが施されたが、本格的な治療には至らなかった。2年後の昨年10月、がんは「ステージ4」に進行していた。

 「最初の段階で家族性の乳がんを疑うべきだった。そのときに精密検査も実施していれば…」。乳がん関連遺伝子「BRCA1」の発見者、東京医科歯科大学の三木義男教授(分子遺伝分野)がそう話すのは、麻央さんの母親も乳がんを経験しているからだ。

 麻央さんはブログで、治療の過程で遺伝子検査を受けたところ「陰性だった」と報告した。しかし、「検査で調べる関連遺伝子以外にも、未解明の遺伝子も残されている。現行の検査で陰性と出ても、遺伝性の可能性は完全に否定されたわけではない」(三木教授)というのだ。

 遺伝性を含めて家族性の乳がんの割合は全体の5~10%程度。決して多い比率ではない。それでも「40代以降に多発するなかで、30代で発症するケースはまず遺伝性を疑う」と別のがん研究者は話す。

 麻央さんにはいくつかの治療法が試されたが、すべて後手に回った。あっという間に手術が難しい段階に進行した。診断と治療の遅れに加え、このスピードも想定外だった。

 がん研有明病院乳腺外科の岩瀬拓士部長は「乳がんの大きさが2センチ以下で、リンパ節への転移がないステージ1で発見されれば、10年生存率は平均で90%前後にもなる。治療を怖がらないでほしい」と訴える。

 麻央さんが闘ったのは不治の難病ではない。ただ、早期発見のチャンスを逃してしまった。「あのとき、もうひとつ病院に行けばよかった。あのとき、信じなければよかった」。麻央さんは自身のブログで、膨大な量のメッセージを発信し、適切な診断と早期治療の大切さを身をもって示した。

ブラの中に携帯を入れておくと乳がんになる恐れがあると判明!

ちょっと外出するときでも持っていくものといえば、お財布に携帯電話、家のカギなどでしょう。そんな小物をどうしていますか? 日本の女性ならたいていは小さめのバッグを持って、その中に入れているでしょう。

でもアメリカの女性は、ブラジャーを小物入れ代わりに使っている人が多く、しかも携帯電話を入れていた人が乳がんになったという、ショッキングな事実がありました。

■アメリカ女性はブラが小物入れ?

アメリカの女性は、ブラジャーと胸の間に携帯電話を挟んでいる人が多くいるのです。理由は簡単に取り出しやすいから。中には、家のカギやクレジットカードも一緒に入れている人もいて、両手が空くし、ランニングなどのスポーツをするときにも便利、という方が多いのです。

胸に入れた携帯電話からイヤホンをつないで、音楽を聴いたり、電話で話をするという方も多いようです。携帯電話を入れるポケット付きのブラジャーも発売されています。

■携帯電話のせいで乳がんに?

健康情報を紹介するアメリカのテレビ番組で、携帯電話をブラジャーの中にいつも入れていたことで乳がんになった、21歳の女性が登場しました。乳がんは家系的なリスクが強い病気として知られていますが、彼女は乳がんの家族が誰もいないし、わずか21歳という若さでした。

携帯電話の電磁波が身体を通過し臓器にも影響を及ぼし、それによってがんが引き起こされてしまった可能性があるのです。番組の司会者で医師でもあるドクター・オズは、携帯電話をどこにいつも持ち歩くかが、がんに関わると番組内で話していました。

日本人の場合は、ブラに携帯電話を入れるという方はあまりいないと思いますが、海外旅行先で盗難防止のために、大切なものを胸元に入れるという方法をとる方はいるかもしれません。

でもそんなときでも、携帯電話だけは長時間肌に直接ふれる状態にはしないほうがいいようですね。

15人に1人なのに!? 乳がん検診を“受けない女子”の本音とは?

ここ10年ほどで、ずいぶんと知名度が上がった「ピンクリボン運動」。乳がんについて正しい知識を持ち、検診受診を促すための運動で、耳にしたことがある女性も多いのではないでしょうか。20-30代の女性会員の皆さんにとっても他人ごとではない話。働く女性の皆さんに、乳がん検診について聞いてみました!

Q.あなたは定期的に乳がん検診を受けていますか?

受けている 34.7%

受けていない 65.3%

なんと、6割以上の女性が受けていないと回答しました。若い女性に浸透しているとは言いにくい状況のようです。みんなが検診を受けない理由をチェックしてみましょう。

■まだ大丈夫?

・「乳がん検診が必要なのは40代以降なので、今は必要ではないと思うから」(26歳/食品・飲料/専門職)

・「年齢的にまだ受けなくて良いと医師に言われたから」(28歳/生保・損保/専門職)
確かに、日本人女性の乳がんリスクが高まるのは40代以降と言われています。しかし近年は、20代、30代の乳がん患者も増えているのです。「まだ若いから」と油断するのは禁物。体が元気であれば、がんの進行も早いもの。気づいたときには手遅れ、なんてことにならないためには、「自己防衛」の意識を持つことが重要です。

■セルフチェック

・「自分で毎月確認しているから」(27歳/電機/技術職)

・「胸が小さいから、検診しなくてもシコリが出来たらわかりそうだから」(33歳/金融・証券/秘書・アシスタント職)

セルフチェックが出来るから、検診を受けなくても大丈夫! という女性の意見。確かに、検診対象年齢に達するまでは、病院でもセルフチェックをオススメされますが、毎月の変化に注意するのは非常に重要なこと。年に一度の波検査で、より安心して生活できますよ。

■検査に不安が……

・「子宮がん検診は2年に一度の無料の分と実費を合わせて毎年受けているが、乳がんまで受けるとなると正直金銭的に厳しい」(28歳/アパレル・繊維/事務系専門職)

・「乳がん検診を受けるときに痛いと聞いてできれば受けたくないと思うから」(26歳/運輸・倉庫/事務系専門職)

検査にかかる費用や身体的な負担について、心配する声も……。「特別な不安を感じていないのに、わざわざ負担をかけにいくのも……」という意見ですね。ただ、乳がん初期には自覚症状はほとんどありません。特別な不安を感じていないからこそ、受けるべき検診です。

■なんとなく?

・「どうやって受けたらいいかわからないから」(30歳/その他/事務系専門職)

・「面倒くさいから。病気の心配がない気がするから」(24歳/小売店/販売職・サービス系)

大きな理由もなく、ただなんとなく他人ごとのように感じてしまっている女性の意見です。決して少なくありませんでした。なんとなく先延ばしにしているうちに、実際に病気に罹ってしまったら、悔やんでも悔やみきれないでしょう。

アンケートから、多くの女性が「自分にはまだ関係ない」と感じている実態が明らかになりました。しかし、生涯のうち乳がんを患う日本人女性は、およそ15人に1人。計算上、今回アンケートに協力してくれた300人のうち、およそ20人は乳がんに罹るという計算になるのです……。

低年齢化が指摘されている今、定期的な検診で自己防衛に努める必要があるでしょう。自分の将来を守るための費用をケチるのはオススメできません。大人の女性に欠かせない乳がん検診を、ぜひ毎年恒例儀式にしましょう!

私の胸を見て「小さいね~」と!? 乳がん検診の珍エピソード・8選!

大人の女性には欠かせない「乳がん検診」。早期発見をして、自分のカラダを守るために、重要な検診です。

今回は、定期的に乳がん検診を受けている働く女性の皆さんに、「乳がん検診でのびっくりエピソード」を聞いてみました! みんなの経験談から、ぜひ乳がん検診を身近に感じてみて!?

■小さいと!?

・「マンモグラフィーで元々小さいおっぱいがぺちゃんこになっていて笑えた」(27歳/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)

・「おじいちゃん先生の触診で、小さいね~と言われたこと」(28歳/人材派遣・人材紹介/事務系専門職)

胸の小ささが際立ってしまう、乳がん検診。自分で失笑するのは自由ですが、まさか先生からも指摘されるとは!? ある程度の大きさがあったほうが、検査しやすいのでしょうが、大きなお世話です!

■大きいと!?

・「毎年受けているが、胸が大きいせいもあるのか、わかりにくいらしく、毎年『来年も必ず受けてください』と言われる」(33歳/医薬品・化粧品/技術職)

・「胸を潰されるときは、垂れてしまうのではないかと心配になりました」(31歳/情報・IT/クリエイティブ職)

胸が小さ目の人とは、また違った苦労があるようです。痛みは少なくても、診断結果がわかりにくかったら、検診の意味は薄れてしまうような気が? かなりの勢いで潰されるので、日々「垂れないように!」と努力をしている女性にとっては、衝撃かもしれませんね。

■若い男性に!?

・「あります。マンモグラフィーで若い男性にやられてすごく恥ずかしかったです」(30歳/情報・IT/秘書・アシスタント職)

「さぁ検査しますね」と、やってきたのが若い男性だったら、思わず「ちょっと待って!」と言いたくなってしまいそう? 同じ男性でも、もう少しおじいちゃんだったら……感じ方も違うのですが。

■女医さんに!?

・「親が受けた際に女医さんが見てくれたが、思いっきり引っ張られて胸がもげるかと思ったと言っていた」(26歳/商社・卸/事務系専門職)

・「受けたことがあります。女医さんでしたが、乳輪をつままれた」(29歳/情報・IT/事務系専門職)

女医さんだからといって、検査の内容が変わるわけではありませんが、比較的リラックスして検査に臨めるのかもしれませんね。しかし、同性だからこそ、遠慮なくガシッと来ることも考えられますね!

■結果にびっくり!

・「ある。超音波や触診をしてもらい、そのときは何ともなかったが、結果を見たら乳腺がかなり多めという診断が出ていた。これは出産したらたっぷり出るのかな……と思った。

母から出過ぎて、あまり出ないお母さんに替わってあげてた……とかいうエピソードを聞いたことを思い出した」(27歳/団体・公益法人・官公庁/技術職)

検診結果が思わぬもので、びっくり! という意見も。自分の胸の中の状態を知る機会は、そう多くはありません。乳腺多めだと事前にわかっていれば、産前の準備や、授乳中のケアで、気を付けるべき点も分かるかも!?

様々なびっくりエピソードが集まりましたね。普段人に見せる所ではないからこそ、びっくりも付き物!? しかし、自分の身体の中のことを知っておくことは重要です。ぜひ積極的に、検診を体験してみては?

閉経後女性の乳がんリスク、抗ホルモン剤使用で半減

乳がんの家族歴がある閉経後の女性は「アナストロゾール」と呼ばれる抗ホルモン剤を服用することで、乳がんの発症リスクが50%以上減少するとの研究報告が12日、英医学専門誌ランセット(Lancet)に発表された。

 英ロンドン大学クイーンメアリー(Queen Mary University of London)の医師チームが行った実験には、乳がんについて高い遺伝リスクを持つと考えられる閉経後の女性3864人がボランティアで参加した。

乳がんの遺伝リスクが高いとされた条件は、血縁者に乳がんを発症した人が2人以上いるか、母親か姉妹が50歳になる前に乳がんを発症した、または母親か姉妹が両方の乳房に乳がんを発症した場合だ。

 この実験で、アナストロゾールを5年間服用した人は、無害な偽薬を服用した人に比べて乳がんの発症リスクが53%減少した。研究開始5年後の経過観察で乳がんを発症したのは、偽薬服用グループの85人に対し、アナストロゾール服用グループでは40人だった。

 また、アナストロゾールは乳がんの2種類の標準治療薬、タモキシフェン(tamoxifen)やラロキシフェン(raloxifen)よりも有効な上、副作用も少ないと研究チームは述べている。

 同大がん予防センターのジャック・キュジック(Jack Cuzick)所長は「この研究は、乳がん予防における胸躍る進歩だ。家族歴などのリスク因子を持つ閉経後の女性の乳がん発症リスクを抑えるために、アナストロゾールを第一選択薬にすべきであることがこれで分かった」と述べている。

副作用はまれで、大半は筋肉のうずきや痛み、ほてりやのぼせがわずかに増加する程度だという。同所長は「現在の優先事項は、できるだけ多くの女性が今回の新発見による恩恵を受けられるようにすることだ」と語った。

 アナストロゾールは「アリミデックス」という商標で販売されており、多くの乳がんの原因となる女性ホルモンのエストロゲン(Estrogen)が体内で生成されるのを抑制することで作用する。

アナストロゾールはこれまでに10年以上、いわゆる「エストロゲン受容体陽性乳がん」と診断された閉経後の女性の治療に使用されてきた。

 研究チームは今回確認された予防効果が持続するかどうかを確認し、さらに副作用についても変化が起こらないか監視するために「最低10年間、できればもっと長く」ボランティアの追跡調査を行う意向だとキュジック所長は述べている。

子宮内膜症を経験し2児産んだ穴井夕子 妊娠・出産経験し症状緩和

女性に特有の病気に子宮内膜症があるが、この病気は放置すると不妊の原因にもなるのだが、この病気を経験しつつも、2児を出産したのはタレントの穴井夕子さん(37)。穴井さんが子宮内膜症について語る。

 * * *

 私は高校生のころから生理がすごく重くて、生理が始まって2日間は痛み止めの薬がないと立っていられないほどでした。薬をのむのが間に合わなくて、激しい頭痛と吐き気で倒れてしまったこともあります。

 婦人科を受診したのは24才のときで、結婚が決まったのがきっかけでした。すぐにでも子供がほしかったので、ブライダルチェックコースで、排卵の状態などを全部検査してもらったんです。

 そのとき医師に、子宮内膜症であることと、同時に妊娠しにくい状態になっていることを告げられました。

 子宮内膜症って、生理が止まると子宮以外の所にできる内膜の増殖も止まるので、妊娠するとそれがそのまま治療になる。だけど、子宮内膜症だと妊娠しにくい、という悪循環。悩ましいですよね。

 薬で生理を止めて子宮内膜症を1回治療してから妊娠を目指すか、生理を止めずに不妊治療するか。どちらにしますかと聞かれましたが、そのときに先生が、ポツリと「同じ生理を止めるという意味でも、妊娠するのがいいんですよね」といったのが印象的だったんです。

 私も結婚してすぐに赤ちゃんがほしかったので、「不妊治療に向けて頑張りたい」と答えました。

 私の場合、ホルモンバランスが悪くて、高プロラクチン血症と視床下部性排卵傷害という妊娠しづらい症状もあったので、不妊外来に通ってホルモンバランスをよくする治療も受けました。

 体にあまり薬を入れたくなかったので、生理痛も限界まで我慢しました。でも、あまりにもつらくて、痛み止めをのんでも効かず、一晩中体の震えが止まらなくて……。痛みで朝まで転げ回っていたこともありました。

 そうして2年間、不妊治療に取り組み、人工授精に切り替えたときに妊娠することができました。

 実はあまりにも生理痛がひどかったので、「もう無理」と思って、妊娠より子宮内膜症の治療を先にしてもらおうと心に決めて病院に行こうとした矢先に、妊娠がわかったんです。すごく嬉しかったですね。

 いまも子宮内膜症は落ち着いてはいませんが、妊娠と出産を経験したことで、以前に比べればだいぶ症状は緩和されました。

 もっと早く結婚前にきちんと婦人科で診てもらっていたら、独身のときに排卵を薬で止めて治療し、もっといい状態で赤ちゃんを産むことができたかもしれません。だから、まわりの友人には、ちょっとでも不安があったら、すぐに婦人科に行くようにすすめているんです。

子宮内膜症 痛みがある場合は年齢を重ねるほど症状重くなる

女性特有の病気のなかでも発症する女性が多いといわれる子宮内膜症。まったく無症状の人もいるが、強い月経痛のあることが多く、痛みがある場合、年齢を重ねるほど症状が重くなるのが特徴。

月経時の症状以外では、性交時に痛みがあるほか、排便痛を伴う場合もある。

 子宮内膜症とは、本来、子宮の内側にしかない内膜とよく似た組織が、それ以外の場所にできてしまう病気だ。

「子宮内膜ではがれた組織や血は、月経とともに排出されますが、それ以外にできると排出されず、痛みなどが表れます」と成城松村クリニック院長・松村圭子さん。

 では、治療法はというと、妊娠・出産を望むかどうか、年齢などで治療法は変わってくる。子供をつくる予定がなく、月経痛が耐えきれないほど激しい場合や再発を繰り返すときは子宮と卵巣を摘出することも。

妊娠を望む場合は、子宮と卵巣を温存する手術を行うか、痛み止めやホルモン剤などで治療を行うことに。

「月経をコントロールして痛みを抑えるために鎮痛剤や低用量ピルを服用するなどの方法もありますので、気になる場合は受診を」(松村さん)

「グラマーだと乳がんになりやすい」は嘘?

◆胸の大きさは関係ない? 乳がんリスクが高いのは「高身長」?

両親の身長が高いと、一般的に子供の身長も高くなります。身長は遺伝的要素だけでなく、成長期の栄養摂取状況も関係しています。多くの調査で明らかになっていることですが、体格に関して高身長だとがんになりやすい傾向があるようです。乳がんでもこの傾向は明らかです。

乳がんは女性ホルモンが関係するがんなので、更年期・閉経の前後で統計を分けるのが普通です。日本の調査では身長が160cm以上の人は閉経前でも閉経後でも乳がんになりやすいという結果が報告されています。
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◆グラマーだと乳がんになりやすいのは嘘? 本当?

乳がんに関しては、豊かな胸だと乳がんになりやすいという俗説があります。残念ながら胸の大きさ、すなわち乳房の大きさと乳がんの関係は明らかでありません。乳がんの発育には女性ホルモンが関係しています。閉経前では肥満と乳がんの関係は明らかになっていません。

閉経後の女性では女性ホルモンは副腎から分泌された男性ホルモンにある酵素が作用して作られています。この酵素は脂肪細胞で活性が高いのです。閉経後に脂肪細胞が多いと女性ホルモンが高くなる可能性があります。乳がんのうち、女性ホルモンに反応する型では閉経後は肥満、BMI(BODY MASS INDEX:体重kg/身長m/身長m)が大きいと発症が増加します。それでは、乳がん予防に効果があるとされている食生活にはどのようなものがあるのでしょうか?
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◆魚を食べて乳がん予防!

身長が高いからといって乳がんの危険性が極端に増加するわけでありませんが、食事で予防効果は得られるものを摂取するなど、できることで予防策をとるのは良いと思います。 日本の調査では1週間に魚(魚介類)を1~2回しか取らない人と比べて、毎日、魚を摂取する人では4割乳がんの発症が減るという報告があります。魚の摂取は脳卒中、特に脳梗塞の予防効果もあります。1日、1品は魚介類を食べるようにしましょう。
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◆オリーブオイルが乳がん予防によいという報告も

また、日本人の食生活が西欧化しても、量的にあまり摂取してされていない油がオリーブオイルです。地中海沿岸地域では油=オリーブオイルです。地中海沿岸地域と他の地域では明らかでオリーブオイルの摂取量が違います。オリーブオイルの摂取が多い地域では乳がんが少ないことがわかっています。実験では、ある型の乳がん細胞の培養液にオリーブオイルを加えるとがん細胞が死滅することも判明しています。

調理に使う油をオリーブオイルに変えてみましょう。オリーブオイルは大きく分けて絞ったままのバージンオイルと精製したものがあります。精製しておらず化学物質が使われていないバージンオイルがよいでしょう。がんリスクが高い要因なども、あくまでも傾向でしかありません。早期発見に関して検診や人間ドックも万能とはいえませんが、セルフチェックや定期的な検診など、できることから予防と早期発見に努めるのがよいといえるでしょう。

性交渉で感染するHPV原因の子宮頸がん 年間15000人発症

昨年末、プロ野球DeNA中畑清監督(59才)の愛妻・仁美さんが子宮頸がんのため59才で他界したニュースは、子宮頸がんを若い人の病気で、命を落とすことはないものだと思っていた多くの人に驚きをもって受けとめられた。

 子宮頸がんとは、性交渉で感染したヒトパピローマウイルス(HPV)が原因で、子宮の入り口である頸部にできるがん。HPVに感染しても体の免疫力によってほとんどが排除されるが、ウイルスが長らえた場合、まれにがんとなる。

20~30代の女性に多いが、年間に1万5000人もが発症しているというデータもあり、40代以降も油断は禁物だ。「こころとからだの元氣プラザ」の産婦人科医・小田瑞恵さんはこう説明する。

「初期段階では自覚症状がありませんが、早期発見ですぐに治療を始めれば、ほぼ100%治ります」

 ワクチンが開発され、子宮頸がんの予防は新たな時代に突入。日本では2009年に認可され、摂取が可能になった。

「ワクチンで予防できるのは子宮頸がんの約7割。必ず検診を受けるのが大切です」(小田さん)

乳がん検診は、超音波検査とマンモグラフィ検査、両方必要?

・年に1度はしたい乳がん検診、マンモグラフィ検査も必要?

「子宮頸がん検診などとともに毎年必要だと思います。乳がんは早期発見、早期治療が有効だからです。早く見つかれば、それだけ完治の可能性も高くなり、治療にかかるお金や時間の負担も軽くなります」と吉野院長。20~30代前半は超音波検査だけでもいいですが、

この世代でも出産授乳経験がある人、そしてそれ以上の年齢ならマンモグラフィと超音波の両方を年に1度は受けてほしいといいます。というのも、マンモグラフィでは見つからなくても超音波で見つかることもあり、また、その逆もあるから。詳しくいうと、乳がん検診は、医師による視触診と、マンモグラフィ(X線検査)と乳房エコー(超音波検査)があります。

マンモグラフィは触ってもわからないような乳房の奥にあるがんも、しこりになる前の早期のがんも発見できるのが特徴。乳房エコーは、超音波を乳房にあてて画像で見る検査で、マンモグラフィでは映し出せないしこりを見つけることも。逆にマンモグラフィで見える微細な石灰化の検出できないため、併用が重要とされているのです。

・子宮頸がんと子宮体がんの検診は同じじゃない

子宮がんは主に、子宮頸がんと子宮体がんがあり、この2つは異なるがんです。ところが、一般に、子宮がん検診というと子宮頸がん検診のことで、子宮体がんの検査は含まれていないため、少しわかりにくくなっているのが実状です。これは、頸がんの症例数が多かったこと、早期の頸がんは無症状の場合がほとんどで、頸がんの検診の必要性が高かったためといわれています。

一部の自治体では、子宮がん検診(子宮頸がん検診)の問診で最近6カ月以内に、不正出血、月経異常、褐色帯下(茶色いおりもの)のどれかの症状があれば、子宮体がんの疑いがあり、体がん検診を同時に行うことをすすめているところも。「でも、最近では子宮体がんも増えてきています。

年齢が上がるにつれリスクが高まるので、子宮頸がん検診の際に一緒に申し込んで検査をするのがおすすめです」(吉野院長)。

・子宮頸がんの新しい判定法「ベセスダシステム」って!?

子宮頸がんの検診は、問診後に、子宮頸部細胞診という、子宮頸部の表面から小さなブラシなどでこすりとった細胞を顕微鏡で調べる検査をします。細胞診を受けると、判定結果はクラスⅠ~Ⅴで行われていましたが、現在は国際的な分類法の「ベセスダシステム」に変わりつつあります。この判定で、明らかなに正常な場合を除いては、コルポ診や組織検査を受け、診断を待つことになります。

子宮体がんの細胞診の検査は、これとは異なり、子宮内に細い器具を入れて子宮内膜を軽くこすり、細胞を採取。この際、多少の痛みや出血を伴います。また、経腟超音波検査で子宮の状態を調べることも。子宮筋腫の有無、卵巣嚢腫などの発見にもつながります。子宮体がんの検査の結果、擬陽性や陽性と判断されると、子宮内膜組織診を行い、がんの有無を診断します。

・年齢とともにからだは変化することをお忘れなく!

女性ホルモン量は年齢とともに変化するもの。そして、それは乳がんや子宮がんなどの病気のリスクにつながるのはすでにお伝えしたとおり。同時に、女性ホルモンは、さまざまなリスクを抑えてくれています。たとえば、血圧。女性ホルモンには血管を拡張させる働きがありますが、分泌量の低下に伴い、血管の柔軟性が低下し、血圧も上がっていきます。50歳前後の閉経前後から、高血圧になったり、コレステロール値が急に上がったりするのは、女性ホルモンとかかわりがあるためです。

「更年期は、閉経前後の時期の体の変化で誰にも訪れるもの。今から更年期を恐れるのではなく、30代のうちにもっと自分のからだを知って健やかに保つ努力を。それが、更年期以降を楽しくラクに過ごすことにもつながります」(吉野院長)。

子宮頸がん 性経験が豊富なほどなりやすいってホント?

子宮頸がんの原因の95%以上は、おもに性交渉によって男性から感染するHPV(ヒトパピローマウイルス)によるものだ。

そのため性経験が豊富なほど、がんの発症リスクが高まりやすいと思われがちだが、筑波大学病院産婦人科教授の吉川裕之医師は「それはまったくの間違いだ」と憤る。

「確かに、1970年代にアメリカで実施された疫学研究において、子宮頸がんの重要な危険因子の中に『性行為の開始年齢が早い』と『セックスパートナーの数が多い』という二つが挙がったことはあります。

しかし、私が実施した研究では、子宮頸がんになる手前の状態(前がん病変)になった日本人女性の3分の1は、夫など一人の男性以外に性交渉の経験がない人でした」(吉川医師)

 女性が一生涯にHPVに感染する率は8割、そこから前がん病変に進行するのは1割程度、実際にがんと診断されるのは、全体の1%だ。

つまり、子宮頸がんになる1%を「性経験が豊富」というのであれば、女性の8割やそのパートナーすべてが経験豊富、というのに等しい。

 子宮頸がんがこのような誤解を招きやすいのは、「HPVに感染すること」と「感染が持続してがん化すること」を一緒くたにして考えてしまうことによる。

最近では、HPVに感染すると、ウイルスを排除しにくい体質を持つ人がいることなどもわかってきている。

「子宮頸がんになったことを周囲に話したことで誤解を受け、体だけでなく精神的にも苦痛を感じる人が少なくありません。こうした偏見は絶対にあってはなりません」(同)

がん患者の乳房再建、きれいに早く 切除前に型取り

がんで乳房を全摘した患者に対し、よりきれいに短時間で乳房を再建する方法を、国立がん研究センターの研究班が開発した。切除する前にシリコーン製の乳房の型を作っておくという方法だ。経験が浅い形成外科医でも簡単にでき、技術の標準化につながる。

 開発したのは、研究班のメンバーで、市立四日市病院(三重県)の武石明精形成外科部長。愛知県がんセンターや静岡がんセンターなどと一緒に、多施設共同研究を進めている。

 従来の再建法では、患者のおなかから脂肪を取り出し、医師が「勘」で乳房の形に整えてから挿入する。全身麻酔中の患者の上半身を起こしたり寝かしたりを繰り返しながら、膨らみや角度などを調整してきた。

乳がんと環境的要因の関連、複数の意外な発見 米研究

米国で乳がんの環境的要因を探る約10年に及ぶ研究により、乳がんの起源について新しい重要なヒントを示す、意外な発見が複数もたらされたという報告が今月、米小児科専門誌「ピディアトリクス(Pediatrics)」に発表された。

 よく知られている乳がんのリスク要因には、思春期早発症や高齢出産、遅発閉経、エストロゲン補充療法、アルコール摂取、放射線被ばくなどがある。乳がんリスクのある遺伝子変異も突き止められているが、遺伝性のものは乳がん全体では少ない。

 米政府が7000万ドル(約70億円)を出資し、2003年に立ち上げられた「乳がんと環境に関する研究プログラム(Breast Cancer and the Environment Research Program)」を率いる米国立環境衛生科学研究所(NIEHS)のレスリー・レインリブ(Leslie Reinlib)氏は「乳がんの80%は環境に起因するはずだというのが、われわれの立場だ」と述べる。

 同プログラムでは、乳がんにかかっていない米国の健康な少女1200人を対象に調査を行うチームと、実験マウスによって乳腺がんと乳がんの進行に発がん物質や汚染物質、食事が与える影響を観察するチームの二手に分かれて研究している。

 前者は04年に6~8歳だった米国の少女を対象に開始された。血液と尿の検査によって化学物質への暴露を測定し、環境暴露が思春期の始まりと、後には乳がんリスクにどのように影響するかを研究した。

 ただし、思春期前の少女を対象にしようとした当初の意図はすぐに崩された。少女たちの40%は、8歳までに思春期に達していることが研究初期に判明し、科学者たちを驚かせたのだ。後の研究により、思春期に達する時期は、1990年代に比べて6~8か月早まっていることが示された。

 最初の結果では「今回初めて、フタル酸類やビスフェノールA(BPA)、農薬が少女全員から検出された」という。研究チームは化学物質の広がりに驚いたが、意外なことに、一部のプラスチックは懸念されていたほど乳房の発達に影響がなさそうだというデータがもたらされた。

「ペットボトルやプラスチック容器から浸出する化学物質であるフタル酸類と思春期の関連はあまり発見されなかった」とレインリブ氏は説明する。

 また調査対象となった少女たちのうち、隣接するオハイオ(Ohio)州とケンタッキー(Kentucky)州の2グループは、どちらも産業廃棄物で汚染されたとみられる水を飲用していたが、血液中の化学物質について重要な発見があった。

フライパンの表面加工に使われるテフロンに含まれるペルフルオロオクタン酸(PFOA)の血中値が、ケンタッキー州北部の少女たちでは、最先端技術で浄水されたシンシナティ(Cincinnati)近郊のオハイオ川の水を飲用していたグループの3倍も高かったのだ。

この結果を受けて同州北部でも2012年に新しい粒状活性炭ろ過技術が導入され、また少女たちの保護者には検査結果が通知された。

 化学物質は体内に長年残留する。科学者たちは、健康上の理由から良いとされる母乳を与えられた期間が長かった少女ほど、粉ミルクで育った少女に比べPFOA値が高かったことにも落胆している。

■マウス実験では成熟後の食事変更に効果なし

 さらに研究室では実験用マウスを用いた研究が行われた。ある実験では高脂肪食を与えたマウスを、発がん性があるとされる物質に暴露させ、その相互作用を観察した。

すると、高脂肪食を与えられたグループでは、乳腺腫瘍がより速く発達したという。太ったマウスでは乳腺腫瘍内への血液供給がより多く、炎症度もより高く、免疫系の変化が示されていた。

 補足研究で、性成熟期に高脂肪食を与えたマウスの食事を、成体になってから低脂肪食に変えても、がんリスクは高いままであることも明らかになった。ミシガン州立大学(Michigan State University)微生物学・分子遺伝学研究室のリチャード・シュワルツ(Richard Schwartz)氏は「ダメージはすでに取り返しがつかない。

このことが、人間も同じリスクにさらされていることを示すのかどうかは、確かでない」と述べている。(c)AFP/Kerry SHERIDAN

「検診で性感染症と子宮筋腫を発見!?」 婦人科検診すべきと考えている女子は約85%!

働いていると不規則な生活や仕事のストレスの影響なのか、カラダに不調を感じることもあるはず。そこで、20~30代をメインにした働く女性300名を対象にアンケートを実施! 婦人科の病気にかかったことある? 婦人科検診って受けたほうがいいと思う?

婦人科の病気にかかっているかどうかのアンケートでは「現在かかっている」、「以前かかったことがある」をあわせると10%強と約1割の女性がかかったことがあるという結果に。内容を見ると、カンジダ膣炎や生理不順、不正出血、多のう胞性卵巣症候群と答えている人が何人かいました。

それ以外では、性感染症、子宮内膜症、子宮筋腫という回答が多い結果に。クラミジアや子宮筋腫など自覚症状がない場合もあると言われる病気が上位に挙がっており、婦人科の病気にはそういったものもあるので、やはり定期的に検診をしておくのが安心なのかもしれません。

婦人科検診を受診したことがあるかどうかを質問したところ、「定期的に受けている」、「不定期で受けたことはある」と答えた人は約6割となり、1回以上は婦人科で検診した経験のある女子のほうが多い結果に。ちなみに婦人科検診を受診したほうがいいかどうか質問したところ、約15%の人は「受診しなくていい」と回答。

その理由として、「抵抗があるから」(生保・損保/営業職/29歳)、「面倒くさいから、時間がない」(商社・卸/営業職/28歳)、「不調が起きたら受診するだけでいいと思う」(通信/秘書・アシスタント職/31歳)という声が。

とはいえ大半の人は、「受診すべき」と考えており、その理由として「病気は早期発見が望ましいから」(金融・証券/事務系専門職/26歳)、「子どもが産めなくなったら困るから」(マスコミ・広告/事務系専門職/28歳)、「自覚症状がなくても病気になっていることも多いと聞いたので」(食品・飲料/技術職/29歳)、「検診で性感染症と筋腫(大きくはないですが)を発見できたから」(マスコミ・広告/事務系専門職/32歳)、「知人で、久々に検診したら、子宮頸がんが発見されたという話を聞いたため」(医薬品・化粧品/事務系専門職/25歳)といったものが挙がりました。

なので、特に自覚症状がなくても婦人科で自身のカラダを一度チェックしておくというのは、今後の健康を考えると重要なことかもしれません。

若い時期に飲酒をすると乳がんのリスクが高まる―米研究結果

女性が10代や20代前半で、飲酒を始めると乳がんにかかるリスクが34%も高まることがアメリカの研究でわかりました。

ワシントン大学の医学科が行った研究で、女性で思春期から飲酒を始めてから10年後に乳がんになるリスクが高いことを発見しました。

またワインやビール、スピリッツなどを日常的に飲むことでがんに発展する可能性のある良性の腫瘍になるリスクも15%高まることがわかりました。

以前の研究で飲酒と後々の乳がんになるリスクとの関連性がわかっていましたが、若い時期の飲酒に関するのはこれが始めての研究です。

またこの研究では、初潮が早かった女性や日常的な飲酒が女性特有の健康を悪化させるリスクが高いこともわかりました。

出産前に多く飲めば飲むほど乳がんになるリスクは高く、これはこの時期の乳房の組織はもっとも病気に冒されやすいからだと考えられます。

ですので、この時期の飲酒を減らすことはいい予防法になるでしょう、とこの研究のけん引者であるイン リウ医師は話します。

またがん協会のCEOであるイアンオルバー教授は飲酒は乳がんになる理由の1/5を占めていると言います。

飲酒によるがんのリスクは何をどう飲むかではなく、どれだけ飲むか、という量で決まります。またどれほどの期間飲酒を続けていたかも大きく影響します、とオリバー教授は言います。

まだ妊娠したことのない女性は、これを機会に、1日に多くて2杯ぐらいにとどめておく方が良さそうですね。

乳がんに対する噂9つの真相「乳がんは遺伝?→遺伝率は5~10%」―米研究

乳がんにまつわるうわさ、ありますよね。何が乳がんを引き起こすのか、予防策は?などどれを信じたらいいのかわかりません。ここでは乳がんの誤った認知を挙げていきます

1.乳がんは遺伝でなることが多い―米国癌協会によると遺伝で乳がんになる人はわずか5-10%にすぎません。

2.乳がんはしこりができる―乳がん患者の10%はしこりや痛み、その他の症状は全く現れません。80-85%のしこりは良性の腫瘍です。

3.胸の小さい人は乳がんになりにくい―胸の大きさに乳がんになりやすい、なりにくいは関係ありません。サイズにかかわらずガンになる細胞の数は同じだけあります。

4.マンモグラフィーは乳がんのリスクを高める―乳がんの早期発見の利点に比べればマンモグラフィーからの放射線の害などとても小さいものです。

5.経口避妊薬が乳がんのリスクを高める―乳がんのリスクを避けるために経口避妊薬を飲まない方がいいという十分な証拠はありません。

6.若い女性は乳がんにならない―閉経後の女性の乳がん率が高いものの、いかなる年齢の女性もなりえます。

7.制汗スプレーが乳がんを引き起こす―制汗スプレーの使用と乳がんの関係は立証されていません。

8.ブラジャーをすると乳がんになりやすい―普通のブラやワイヤー付きブラをすることで乳がんを引きおこしやすい、という根拠はありません。

9.ボトル水は乳がんを引きおこす―プラスチックは毒である、という主張ですが、プラスチックに熱い飲み物をいれるのは避けてください。

子宮頸(けい)癌を引き起こすパピローマウイルスに女性8割が感染している

日本でも増えてきている子宮頸癌。妊娠してから発症するケースも多いというから、これはきちんと知っておきたいもの。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)が発表した内容を紹介します。

●そもそもヒトパピローマウイルス(HPV)って何?
子宮頸癌を引き起こす要因はハッキリと判ってはいなかったのですが、長年の研究成果によって、ヒトパピローマウイルス(以下、HPV)が大きな要因となっていることが分かったそう。

実はこのHPV、性交渉のある女性の80%が一生で一度は感染していると言われており、とてもありふれたウイルスなのです。そしてなんと、100種類以上の型が存在することも分かっています。

●HPVに感染していたらどうするの?
たとえHPVに感染しているからといって子宮頸癌になるわけではないそうなので、まずはご安心を。しかし、HPVには大きく分けて「低リスク型」と「高リスク型」の2種類が存在しており、この「高リスク型」のウイルスが子宮頸癌を引き起こす犯人であると言われています。

「高リスク型」のウイルスにもさまざまな型が存在するそうなので、「高リスク型」のウイルスを持っていた場合にはどの型であるのかをきちんと調べ、その型に合った治療薬を服用することになるそう。ちょっと怖いけど…薬で治るって安心ですよね!

●とにかく検診を!
女性の身体はとても繊細で複雑。免疫力の低下が原因で「高リスク型」が発見される場合もあるそう。HPVを持った男性と性交渉を行って感染してしまうケースもあるそうなので、コンドームを使って感染経路を自ら防ぐことも大切。

最近では、ワクチンを接種することで予防が可能となっているそうだから、最寄りの産婦人科に聞いてみると良いかも。

妊娠してから子宮頸癌であることが判明した、というケースもあるそうなので、とにかく検診を受けに行くのが一番。HPVの認識が高まりつつあるも、いまだ知らない人が多いのが現状。勇気を出して、友達と一緒に産婦人科に足を運んでみては?

先進国で日本だけ増加する乳がん発症リスクを低減する食生活

がん登録推進法案がまもなく国会で成立する。この法案は、国内の全病院からがん患者の情報を登録し、種類ごとに発症率や生存率、治療方法などのデータベースを構築して有効な治療や検診方法を明らかにするのが目的だ。英国ではこの登録情報をもとに、罹患率が高い年齢層に検診を奨励して乳がんの死亡率が低下した。

先進国の中で唯一、乳がんの死亡率が上昇している日本だが、登録法の運用で対策が進むことが期待されている。

 国立がんセンターがん対策情報センターによれば、2008年度の推計で日本人女性の15人に1人が発症する乳がん。1975年と比べて患者数は約5倍に増え、とくに、40代後半から50代前半に発症のピークを迎えるという。

多くの女性にとって他人事ではない昨今の乳がん事情に、今年7月、新事実が判明して注目を集めた。

 科学雑誌「Current Nutrition and Food Science」誌9月号において、“ラクトバチルス カゼイ シロタ株”(以下、乳酸菌シロタ株)」と“大豆イソフラボン”を習慣的に摂り入れていた人に、乳がん発症のリスクが低減するという結果が発表されたのである。

 この研究を行った東京大学大学院医学系研究科教授の大橋靖雄さんは、次のように話す。

「女性の乳がん発症率が増えた原因は、主に3つあげられます。1つは、生理の長期化です。初潮が早まり、閉経が遅くなったうえ、出産率が低下したため、乳がん発生に関わるエストロゲンにさらされる期間が長くなったのです。

2つめは、不活発な生活習慣やそれによる肥満。そして意外に大切なのが、食生活なんです」

 乳がん予防についてはさまざまな研究が行われており、身体活動を増やすことや大豆製品の摂取が、乳がん予防に効果があるという科学的な根拠は、すでに挙げられてきた。さらに大橋さんは、膀胱がんや大腸がんの発生抑制効果がある乳酸菌シロタ株に注目。5年前から研究を始めた。

「私たちは、40~55歳の初期乳がん患者306人と、その患者と似た生活スタイルを持つ健康な女性662人に、若い頃からの食生活について面接調査を行いました。

まず調べたのは、乳酸菌シロタ株を含むヤクルトなどの乳酸菌飲料を、日常的に摂っていたかどうか。その結果、週4回以上摂っていた人は、それ以下の人に比べ、発症リスクが35%も低いことがわかりました。

 また、大豆イソフラボンについても調べたところ、乳酸菌シロタ株と一緒に摂ると、合わせた効果で乳がん発症率がさらに低くなることもわかりました」(大橋さん)

 ではこの、乳酸菌シロタ株とは、一体どんなものなのか。

「悪い菌を減らして腸内環境を改善する効果があります。また、がん細胞などを攻撃するナチュラルキラー細胞を活性化させることがマウスの実験で確認されています。一方大豆のイソフラボンは、腸内細菌で代謝され、乳がん予防効果が高いと考えられているエコールという物質に変わります。

乳酸菌シロタ株を一緒に摂ると、腸内環境のバランスがよくなり、大豆のがん予防効果が高まるようです」(大橋さん)

 どれだけ大豆イソフラボンを摂ればよいのかの線引きはできないが、今回の研究で上位4分の1の人の摂取量、1日40mg以上が目安になるという。これは、納豆1パックや、冷や奴3分の1丁程度だ。

「大豆や乳酸菌シロタ株を毎日しっかりと摂る食生活で、乳がんは予防が期待できます」(大橋さん)

 大豆イソフラボンを摂取しやすい食事といえば、やっぱり和食。豆腐の味噌汁や納豆、冷や奴と、乳酸菌シロタ株をあわせて摂る食事は、それほど構えずとも実践しやすい。無理がない食生活の延長で、乳がん発症リスクが低減できるのだから、少しだけ、毎日の食事に気を配るのが得策だろう。

夫の言葉に導かれ だいたひかるさん「乳がん闘病」を語る

 自分の知る限り、“がん家系”ではありませんでした。だから「乳がん」と診断されたときは、本当に自分の身に起こったことなのか、にわかには理解できませんでした。でも、後で「どんな人ががんになりやすいのか」と自分なりに調べたら腑に落ちることばかり。ジャンクフードに浸り、運動不足で、アルコール好き……。そのころは、毎日ワインを2本ぐらい飲んでいて、医師から「アルコールを抜かないと麻酔が効かない」と言われたほどでした。だから、手術前は肝臓を慎重に調べられたんです。変な話、「乳がんだけでした」と医師に言われたときはホッとしました(笑い)。

 乳がんがわかったのは、不妊治療を始めて2年が経過した2016年初頭です。38歳で結婚したので、妊娠を最優先に考えて結婚後すぐに不妊治療を始めました。でも、なかなか子供ができずにいよいよ体外受精をすることになったのです。16年1月2日は、受精卵を子宮に戻すという移殖の日の予定でした。数日休みをもらって万全の態勢だったのに、予定より早く生理が始まってしまい、移殖が中止になったのです。

 ぽっかりできた休みに、その年、唯一残っていた乳がん検診のクーポン券を使うことにしました。すぐに予約が取れて受診したら、触診でいきなり「右しこり」と言われたんです。「え?」と思っていると、次はマンモグラフィー検査で「乳がんの可能性が十分にある」と告げられました。さらに細胞を採って調べることになり、「検査結果はご主人と一緒に来てください」と言われ、完全にコーナーに追い詰められた感覚でした。

■医師に思わず「オススメはなんですか?」

 結果は「右乳房の乳がんステージⅡA」との診断。後にリンパ節にも転移していることがわかり、最終的には「ステージⅡB」でした。しこりは約3センチと大きかったものの、早期に近かったので乳房は3分の1温存できるとのことでした。ただ、「温存すれば再発のリスクが残る」とか、再建手術がうんぬんという説明も同時にされたため、それがまるでお経のように感じられて……。結局、私が主治医に言えたのは「オススメはなんですか?」という変な質問だけ。主治医は「(右乳房)全摘です」と言い、夫も賛成したのでオススメを選択しました。

 悩まなかったといえばウソですけれど、「命か胸か」と言われたら答えはおのずと出ていました。右胸がなくなるのは寂しかったですが、ものは考えようです。心が傷つかない方法をいろいろ考えて、そのときは「小学生に戻ったと思えばいいや」と自分を納得させました(笑い)。

 入院は2月下旬。手術を受けた夜、背中が痛くて何度もナースコールをしたときも、「もしここが野戦病院だったら、ナースコールなんてないんだ」と妄想して、自分の幸せを噛みしめました。翌日からは、もう歩いてレントゲン室に行ったり、数日後にはドレーン(排液管)を付けて仕事をしたり、家が近かったので毎日、夕飯を作りに帰ったりもしました。

 ただ、手術より悩んだのは、その後に始まる抗がん剤治療でした。医師から「抗がん剤は子宮にもダメージがあって、そのまま閉経してしまうかもしれない」と言われたので、本当は嫌だったんです。毛が抜けるのなんてどうでもいいけれど、子供を産みたいという思いが最後まで決断を鈍らせました。でも、「子供が生まれても、君がいなくなったら意味がない」と夫に言われ、4月から半年間の抗がん剤治療を受けました。

 ご多分に漏れず脱毛はしましたが、イメージしていたよりも吐き気は軽く、味覚障害もありません。薬はどんどん進化しているんですね。

■がんを経験して一つ個性が増した

 ツライとき、夫が「君はいま、人間の深みを増しているんだよ」と素敵なセリフで励ましてくれたので、私もその気になって「この際、がんがどんなものか見渡してやろう」と思いました。

 また、治療を共にする友達をたくさんつくって話を聞いてみると、乳がん患者は思った以上に多いし、早期で見つかれば世間がイメージしているほど大変じゃないし、治療をしながら仕事をしている人もたくさんいるんです。だから「がんは個性」で、私は一つ個性が増したと思っています。芸人として個性が薄かったから、ちょうどよかった(笑い)。

 他にも新しい発見がいっぱいありました。たとえば、抗がん剤治療中は化粧乗りが人生で一番よかったこと(笑い)。毛という毛が抜けたから、“薄付き”で最高でした。手術も抗がん剤も初めは怖いけれど、人ってだんだん慣れるんですね。そういうことも発見でした。

 いまさらですが、笑いの大切さを知ったのも病気のおかげです。苦しいからこそ笑いに救われる。「お笑い」ってすてきな仕事だなと改めて思いました。

▽1975年、埼玉県生まれ。美容学校を卒業して、美容師として数年間勤めた後、98年に深夜番組「ブレイクもの!」(フジテレビ系)で5週勝ち抜き、芸能界デビュー。02年にはピン芸人コンクール「R-1ぐらんぷり」の初代優勝者となる。乳がん治療を経て、16年12月に活動を再開した。

乳がん発見にもメリット 「ホルモン補充療法」最新事情

更年期障害の治療「ホルモン補充療法(HRT)」は、乳がんリスクを上げるのか? 湘南記念病院乳がんセンター長の土井卓子医師が調査した。

 更年期障害で苦しむ妻の姿に胸を痛めている男性も多いのではないか? 症状を和らげる効果の高い治療としてHRTがあるが、「乳がんのリスクを上げるのでは」という議論があり、治療をためらう人もいる。

 2008年に埼玉医大が初めて日本人女性を対象とした調査結果を発表。全国7施設の多施設共同研究として、乳がん患者とそうでない患者を比較(全対象者のうちHRT歴がある人は7.4%)したところ、「HRTは乳がんの発症リスクを高めない」との結果が出た。

 ただ、HRTの普及率は日本で2~3%(欧米では40%)と少なく、それ以外の研究が行われていないのが現状だ。

 一方、湘南記念病院では、「HRTを受ける場合、マンモグラフィー(マンモ)と超音波の乳がん検診が必須」としている提携クリニックがあるため、HRT歴のある女性受診者が多い。それが、今回の土井医師の調査につながった。ちなみに「必須」としている医療機関はごく少数だ。

 同病院で13年7月~16年11月に乳がん検診を受けた女性2229人のうち、「HRT歴がない」人は1058人しかいない。ドック型の乳がん検診は年齢制限がなく、HRTの対象ではない20~30代も含まれているうえ、一般的なHRTの普及率を考慮すると極めて少ない数字だ。

「7月の乳がん学会での発表に向けて解析を行っている最中ですので、これが結論にはなりませんが、乳がんの発見率を単純比較すると、HRT歴のある人が1.7%、ない人が0.57%でした」

 発見率は「対象者のうち、乳がん患者が何人いたか」を示しているだけなので、「HRTを受けると、乳がんの発症率が高くなる」という証明にはならない。しかし土井医師は、この結果からHRTが乳がんの発見・治療にとってメリットにつながると指摘する。

■更年期障害のつらさを抱えているなら

 まずは、早期発見のチャンスを得られる。提携クリニックが「HRTを受ける場合、マンモと超音波が必須」としているため、今回の調査対象者には、「HRTを受けなければ、乳がん検診も受けていなかった人」が含まれている。乳がんを早期発見するチャンスを逃していた可能性のある人もいたということだ。

「乳がんは早期発見すれば、予後が良くなります。HRTがそれに一役買っている」

 次に、マンモも超音波も受けることで、乳がんの見落としを避けられる。そもそも、日本では乳がん検診の普及率が低く、しかも一般的な乳がん検診には超音波はなく、マンモだけという場合がほとんど。最近はこれが問題視されている。マンモでは発見しづらいタイプの乳腺組織があるからだ。

「理想は、マンモと超音波の両方を毎年受ける。せめて、2年に1回は超音波を加える。HRTによって、マンモと超音波を受けるようになれば、乳がんの見落としのリスクも減るでしょう」

「マンモでは発見しづらいタイプの乳腺組織」とは、高濃度乳腺のこと。若年者では高濃度乳腺が多数を占め、加齢によってそうでなくなってくるが、HRTをしていると年を取っても高濃度乳腺に属する人がいる。より、マンモと超音波の検査が必要になる。

 研究の解析中ということもあり、はっきりした結論はまだ出せないものの、土井医師は言う。

「HRTによって、医学管理(定期的な検査など)の徹底と、乳がんの早期発見が期待できる。更年期障害のつらさを抱えているなら、前向きに検討すべきと考えます」

遺伝性が高い「乳がん」「卵巣がん」発症の可能性と予防策は?

がんは、日本人2人に1人が罹患します。
その中に、遺伝的要因が強く影響して発症するがんが存在するといいます。

「がんは遺伝する」は本当か?

よく「ガン体質は遺伝する」「家族にがん患者がいたら要注意」などといいますよね?がんは「遺伝要因」と「環境要因」の2つが複雑に関係して発症しますが、遺伝性が高いがんとしては「乳がん」「卵巣がん」「大腸がん」が知られています。では、「遺伝性」とは、具体的には何が遺伝するのでしょうか?誰もが、がん抑制遺伝子を持っていますが、遺伝性腫瘍のほとんどは、このがん抑制遺伝子の生まれつきの異常、変異が原因です。遺伝性乳がん・卵巣がんの8割は同じ原因遺伝子によるもので、BRCA1、BRCA2という2つです。

遺伝子変異があると、発症リスクは何倍に?

遺伝子変異は、親から子供へ、性別に関係なく50%の確率で遺伝します。では、実際にはどれくらいの発症リスクがあるのでしょうか?BRCA1、BRCA2に変異があると、乳がんは41~90%、卵巣がんは8~62%が発症します。これは一般のリスクのそれぞれ最大10倍、62倍になります。

また、乳がんの場合、家族歴があると、乳がんになる可能性は2~4倍。これは、母親が乳がんを発症した場合には、娘の発症リスクは一般のリスクの約2倍に、母親と姉が発症した場合には、妹の発症リスクは一般のリスクの約4倍になるとされていることを示します。また、卵巣がんに至っては、3~10倍となっています。

もう一方の乳房も、がんになるリスクが高い

遺伝性乳がんと、普通の乳がんとの違いはあるんでしょうか?
遺伝性乳がんの特徴としては、次のようなものがあります。

・20代後半~30代でも乳がんを発症
・片方に乳がんを発症後、もう一方の乳がんを発症する頻度が有意に高い
・同時に卵巣がんを発症or今後発症する可能性が高い
・ホルモン療法や分子標的薬が不適用となるケースが多い
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男性に遺伝した場合は?

では、BRCA1、BRCA2の変異が男性に遺伝した場合はどうなんでしょうか? 遺伝性乳がんは女性だけではなく、男性にも発症し、乳がんの発症は6%となり、前立腺がんやすい臓がんの発症リスクが一般におけるリスクよりも少し上昇します。

自分の遺伝子に変異があるか知る方法

自分に遺伝子変異があるかどうかはどうやってわかるんでしょうか?BRCA1、BRCA2の遺伝子の異常を調べる「遺伝子検査」というがあります。今では多くの大学病院等で受けられますが、日本では自費診療となります。費用は、医療施設によって違いますが、おおよそ20~30万円前後と思われます。検査は採取した血液約10~15mlを用いて行い、血液中の白血球細胞からDNAを抽出して調べます。
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遺伝情報の取り扱いは慎重に!

遺伝情報の取り扱いには特別な配慮が必要です。検査結果が陽性の場合、家系に共通の情報となり、親・兄弟、子供が同じ遺伝子変異を共有している可能性が50%あります。叔父や叔母、従姉妹なども共有している可能性があります。もちろん、遺伝子変異を受け継いでいたとしても、必ずがんを発症するわけではありません。あくまでも発症リスクが高くなるということです。とはいえ、結婚・出産等で悩むケースもあるので、検査後のフォローも含めた、遺伝カウンセリングの体制が整った施設で受けてください。

「予防的切除」で遺伝性乳がんに先手!

遺伝子検査の結果が陽性だった場合は、40歳以下であっても、その時点から乳腺科でマンモグラフィーやMRI検査を受けるとよいでしょう。

先手を打つやり方もあります。
アメリカの女優アンジェリーナ・ジョリーさんは、遺伝子検査の結果、BRCA1の異常が確認され、乳がんになる可能性は90%近くと診断されました。また彼女は、母親が56歳で乳がん・卵巣がんで、母方の祖母が40歳台で乳がんで亡くなっていました。そこで、2013年に両乳房および卵巣と卵管の「予防的切除術」に踏み切りました。

まだ発症していない健康な乳房を予防的切除するのは勇気がいりますが、乳房を切除することで、遺伝性乳がんの発症リスクを約90%低下させることができるとのアメリカのデータもあります。日本でも、慶応病院やがん有明病院をはじめ、予防的切除術が可能な病院はあります。

「予防的切除」のデメリット

将来、必ず乳がんになるとは限らない健康な体に、メスを入れることになりますので、精神的・身体的負担は小さいものではありません。また閉経前の女性が切除する場合が多いのですが、卵巣も切除する場合、人工的な閉経状態となるので、更年期障害に似た症状が出る可能性があります。
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「予防的切除」にかかる費用は?

では、遺伝子検査~予防的切除までにかかる費用はどれくらいでしょうか?乳房を予防的切除した場合、多くは乳房の再建手術も行います。日本で乳がん発症の予防を目的とする乳房切除と乳房再建は保険適用とはなっていません。 国内で予防切除している病院の1つでは、「両乳房で約75万円、シリコン製の人工乳房による再建手術も含めると約180万~200万円」となるそうです。

施設によっても異なりますが、遺伝子検査の費用も含めると、200~250万円程度だと思われます。決して安い費用ではありません。かし、がんになった場合にかかる医療費の総額も大きく、多くは社会保障費で賄われます。そうした観点から、今後は保険適用の検討もあってもいいのでは、と思います。

高山哲朗先生 監修
平成14年 慶應義塾大学医学部卒業。
慶應義塾大学病院、北里研究所病院、埼玉社会保険病院を経て、平成24年 わたクリニック副院長。
医学博士
日本内科学会認定医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本医師会認定産業医
東海大学医学部客員准教授
予測医学研究所所長

「豊胸手術後は乳がん検査できない」は「都市伝説」。専門医に聞く

「豊胸手術をしていると、乳がん検査ができない?」 宇多田ヒカルさんのツイートを発端に、豊胸手術とマンモグラフィー検査の関係が話題を呼んでいます。

<久しぶりにマンモグラフィー検査をすることにしたら、事前に「豊胸手術等はしていませんよね?」と確認された。豊胸してるとマンモ出来ないらしい。おっぱい大きくなっても乳がん検診出来なくなるとか代償がデカ過ぎる。そういう事情も了承の上で豊胸する人はするんだろうか。>

豊胸手術によって検査ができなくなることはあるのでしょうか。がん発見が遅れるリスクは。バストの専門医に詳しく聞きました。
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マンモグラフィーって?

マンモグラフィー検査とは、触診や超音波検査で見つけにくい早期の乳がんを発見するための検査。一般的には、乳房を2枚の板で挟み込み、上下から押しつぶすようにしておこなうため、乳房にシリコンバッグを入れている場合は破損の恐れがあります。 宇多田さんの投稿に対し、「全然知らなかった」「死を覚悟して美を選ぶなんて」などさまざまな反響が。実際に「豊胸をしている場合はお断りしています」と検診時に聞いた、という証言もありました。.

専門医は「都市伝説」

「豊胸後はマンモグラフィー検査はできない」。これは事実なのでしょうか? 「都市伝説です。豊胸後もマンモグラフィー検査はできますし、検診の精度が下がることもありません」バスト専門「ナグモクリニック」の南雲吉則総院長は、BuzzFeed Newsの取材にそう話します。マンモグラフィー検査には、豊胸手術などで胸にシリコンバッグを入れている人にも対応する手法が存在します。筋肉の上の方をはさみ、表面の乳腺を検査する「プッシュバッグ」と呼ばれるやり方です。

南雲医師は「昔から一般的に使われていますが、技師の技量や知識によるため、実施していないケースがあるのは事実」と現状を話します。「この手法でシリコンバッグに破損が生じることはほとんどありませんが、万が一、検査後に別の理由であっても破損があった場合、マンモグラフィーを要因にされる可能性がないとは言えません」

「検査する側として、リスクを回避すべく断っている病院はあるようです」実際、ナグモクリニックのWebサイトでは、乳がん検診やマンモグラフィー検査を案内するページがあります。同院には、豊胸手術を終え「他の病院には行きにくい」「何か言われたり、拒否されるのでは」と不安を覚えて検査にやってくる人も少なくないそうです。

乳がん治療は抗がん剤がベストとは限らない?「サブタイプ」で変わる治療法

小林麻央さん、最近ではだいたひかるさんと、今年は乳がんに関連するニュースを目にすることが多い年でした。「がん治療と言えば手術と薬物治療」「薬物治療と言えば抗がん剤」と、つい思いがちですよね。実は乳がんの場合、抗がん剤以外にも、その「サブタイプ」によって、副作用が少なく効果の高い薬物治療が適用出来ます!

乳がんの3つの薬物治療法

乳がんの手術後、多少でも転移による再発の可能性が考えられる場合には、薬物療法を行います。がんの薬物治療というと、すぐに抗がん剤を連想しますが、乳がんの場合は抗がん剤以外にも、ホルモン療法薬、分子標的薬という治療薬があるのです。

ホルモン療法は、がんの増殖を促す女性ホルモンが働かないようにする治療法。
また分子標的薬は、がん細胞の増殖・転移等に関わる標的分子に作用します。
そしてどの治療法が適用となるかは、乳がんの「サブタイプ」で決まるのです。

治療方針を決定づける乳がんの「サブタイプ」

「サブタイプ」とは、手術前後に行われる病理検査で、がん細胞の表面にあるタンパク質を調べて分類したもの。このサブタイプ分類は、乳がんの治療方針を立てる上でとても重要です。
その分類には、 3つの指標が使われます。

1、ホルモン受容体の陽性・陰性
2、HER2タンパクの陽性・陰性
3、増殖のスピード

これらの組み合わせによって、大きく5つのサブタイプに分類できます。サブタイプによって、ホルモン療法や抗がン剤療法、分子標的療法などの薬物療法が選択されます。
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がんの“エサ”と取り込む“手”を封じる「ホルモン療法」

乳がん細胞の多くは女性ホルモンである「エストロゲン」を“エサ”にして増殖することがわかっています。がん細胞が“エサ”である「エストロゲン」を取り込むための「手」をホルモン受容体といいます。ホルモン受容体と、ホルモンは鍵穴と鍵のような関係で、鍵にあたるエストロゲンが受容体にくっつくと、乳がん細胞が分裂・増殖することがわかっています。そこで、“エサ”とそれを取り込む“手”を封じ込めようというのが、ホルモン療法です。

方法としては、卵巣からのエストロゲン分泌そのものを抑えるやり方と、「鍵穴」であるエストロゲン受容体に先回りして「鍵」であるエストロゲンがくっつけないよう「鍵穴」をブロックしてしまうやり方があります。

HER2タンパク陽性だと増殖・転移スピード早い

10~20%の乳がん患者さんのがん細胞では正常細胞に比べ「HER2」というタンパクが過剰発現、つまり陽性であることがわかっています。「HER2タンパク」は、がん細胞に「増殖しろ」という指令を出します。つまり、増殖スピード・悪性度が高く、転移や再発を起こしやすくなります。
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HER2たんぱく陽性ガンには「分子標的薬」

分子標的治療薬は、HER2タンパクだけを狙い撃ちします。代表的な分子標的薬はトラスツズマブ(商品名:ハーセプチン)で、HER2タンパクに結合することで増殖を抑えます。これまで、HER2陽性乳がんは予後不良でしたが、現在は分子標的薬の使用で、予後は改善が得られています。3番目の指標である増殖のスピードは、Ki-6という増殖能を表す値で示されます。Ki-6の値が高いと、乳癌の増殖スピードが速くなり、悪性度も高くなります。

「サブタイプ」によって薬物治療法が変わる

以上、3つの指標の陽性・陰性等によって、上記の一覧に従い、治療法が選択されるのです。ルミナールA型は、乳がん全体の60~70%を占める最も多いタイプです。副作用が最も少ないホルモン療法薬を中心とした治療を行うので、過剰な治療を回避することができます。HER2型に適用の分子標的薬も、発熱や悪寒、頭痛等の副作用が見られることがありますが、脱毛、骨髄抑制等はほとんど見られません。一方、乳がんの12~15%であるトリプルネガティブ型は、ホルモン療法も、分子標的治療薬も効果がありません。効果が期待できるのは、「抗がん剤」のみです。
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副作用は少なく、効果は高い

では、抗がん剤以外の薬物療法の効果はどうなんでしょうか?「ホルモン療法薬は、抗がん剤より治療効果が弱い」という誤解が一部にあるようです。しかし実際は、ホルモン受容体陽性の乳がんなら、一般に抗がん剤よりホルモン療法のほうが効果的だとされています。またHER2たんぱく陽性の乳がんに、分子標的薬トラスツズマブを抗がん剤と併用することで、死亡リスクが3割以上低減することが明らかになっています。
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治療期間は「ホルモン療法」では10年に及ぶことも

ホルモン療法の継続期間は少なくとも5年。10年程度継続する場合もあります。また、分子標的薬は通常、3週間に1回、1年間投与します。いずれも長期間の治療になります。治療にかかる費用ですが、例えばトラスツズマブは、1回当たりの費用が約11.5万円です。ただし、保険適用もあり、高額療養費制度もありますから、患者さんの負担はそこまで高いものにはなりません。

12月21日放送「ホウドウキョク×FLAG9 <ニュースなヤマイ>」より

子宮頸がんワクチン非接種でも、「副作用」と同じ症状が一定数

子宮頸(けい)がんワクチン接種後に体の痛みや歩行障害など原因不明の副作用疑い例が相次ぎ、国が定期接種の積極的な勧奨を中止した問題で、厚生労働省研究班(主任研究者=祖父江友孝・大阪大教授)は、接種歴がなくても同様の症状を訴える女子が10万人あたり20・4人と一定数いるとの推計をまとめた。

 26日に開かれる厚労省の有識者検討会に報告する。安全性を検証する基礎データが示されることで、同検討会で勧奨再開の是非をめぐる議論が本格化する。

 調査は、全国の200床以上の全病院と、199床以下の病院の約半数などを対象に実施。小児科や神経内科など計1万8302診療科を昨年7~12月に受診した12~18歳で、関節痛や歩行障害、疲労感など約20の症状の一つ以上が3か月以上続き、通学や就労に影響がある患者を調べた。詳細な情報を収集できた女子患者365人のうち、ワクチン接種歴ありは118人、なしは110人、不明は137人だった。

 こうした情報などから、原因不明の痛みなどの症状を持つ患者数を推計したところ、ワクチンを接種していない女子では10万人あたり20・4人、接種した女子では同27・8人だった。

 今回の調査は、勧奨再開の是非を議論する有識者検討会の「ワクチンを接種しない人で、同様の症状を訴える患者がどれだけいるのかデータが必要」との意見を受けて実施した。ただ、厚労省は「年齢によって接種率が大きく違うなどの制約があり、単純な比較はできない。ワクチンと症状の因果関係を示す調査ではない」としている。
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子宮頸がんワクチン

 2009年に発売されたグラクソ・スミスクライン社の「サーバリックス」と、11年発売のMSD社の「ガーダシル」がある。子宮頸がんの原因ウイルスの感染を防ぐ。定期接種の対象は小6~高1の女子で、3回接種が必要。国内ではこれまでに、約339万人が接種して、その効果で将来、子宮頸がんによる死亡が3600~5600人減ると推計されている。一方、国の追跡調査で、接種後に重い症状を訴えている患者が186人判明。患者が損害賠償を求めて、国と製薬会社を提訴した。

勧奨の是非、丁寧な議論を

 子宮頸がんワクチンの積極的勧奨中止から3年半。勧奨再開の是非の議論がようやく本格化する。

 ワクチンを接種していない人への調査は、副作用の検証として国際的に実施されている手法だ。今回の調査では、接種しない人にも症状を訴える人が一定数いることが分かったが、接種の有無で症状の出る割合に違いがあるかどうかまでは明確に示せなかった。

 「これが調査の限界」(厚労省幹部)という中、今後も、不十分なデータをもとに議論を行わざるを得ないのが現状だ。

 現実に、原因不明の痛みなどの症状に苦しむ患者がおり、勧奨の再開を議論するのであれば、科学的なデータを集めるだけでなく、患者の診療体制整備なども必要だ。

 世界保健機関(WHO)からは「弱い根拠で、安全で有効なワクチンを接種しないことは実害をもたらす」と日本を批判する声明も出ているが、国民の理解を得られるような丁寧で慎重な議論が求められる。

 (医療部 中島久美子)

がん死者20%減、国の目標ならず 乳がん・子宮頸がんは増加

 平成27年までの10年間にがんによる75歳未満の死亡率を20%減らすという国の目標が達成できなかったことが21日、厚生労働省の協議会で報告された。国立がん研究センターが人口動態統計を基に高齢化などの影響を取り除いた死亡率を計算。27年は人口10万人当たり78人と、10年前(17年)の92人から15・6%減にとどまった。

 がんセンターによると、75歳未満のがん死亡率は長期的に減少傾向で、肝臓がんによる死亡者は17年から半減、胃がんも3割ほど減った。一方、大腸がんや肺がんは減少率が鈍化しており、乳がんと子宮頸(けい)がんは逆に増加。特に子宮頸がんは増加が加速している。

 国は目標達成が困難との予測を受け昨年、がん対策加速化プランを策定。がん対策基本法が今月、改正されたことも踏まえ、29年度から始まる次期基本計画の見直しを進めている。

働く女性のがんへの不安 今これだけはしておきたい

乳がんであることを明かした、フリーアナウンサーの小林麻央さん(33歳)。闘病中の日々をつづったブログが日本中の関心を集めるなか「若くても乳がん検診を受けたほうがいい?」と感じている人も多いだろう。一方、自治体の乳がん検診は40歳以上が対象。40歳未満の人はどうすればいいのだろうか。

「焦る必要はありません」。こう話すのは、がん経験者の就労支援や復職に向けたコンサルティングを行うキャンサー・ソリューションズを立ち上げた桜井なおみさん。「不安になるのは分かります。しかし、一度検診を受けて『異常なし』と判断されたら安心し、その後はケアしない。それでは逆効果です」

 自治体の検診対象が40歳以上なのは、40歳未満は乳腺が発達しているため、マンモグラフィーによる検診では乳がんが見つかりにくいこと、40歳未満の乳がん発症率は全体の6%未満[注1]と低いことなどが理由だ。

 ただし、乳がんには遺伝性のものもある。50歳以下で乳がんを発症した近親者が複数いるなど、一定条件を満たした場合は、近くの乳腺外科医がいる病院へ相談するのがいいとされる。桜井さんもこの条件に当てはまったこと、職場の検診が当時は35歳からだったことから、35歳で初めて検診を受け、37歳で乳がんが見つかった。自身の経験から「大切なのは継続的に検診を受けること」と感じている。

桜井さんは“お金の準備”も必要と言う。「一般的にがんの治療は10年スパンで考える必要があります」。桜井さんの場合、乳がんが見つかった1カ月後に手術を受け、抗がん剤治療やホルモン療法と続き、トータルで7年かかった。診断から手術までの期間で、たまっていた有給休暇40日分を使いきり、その後、傷病手当金制度を利用して7カ月間の休職を経て、復職したものの、以前と同様に仕事を続けるのが難しく離職。無職となったときもあった。「高額療養費制度を使っても、治療の自己負担は月8万円強[注2]。働かないとすぐに貯金はなくなります」

 がんを経験した人の未婚率は一般平均と比べ2~3倍高い(グラフ参照)。「働き続け、収入を得ることが重要なのです」。桜井さんは別の企業へ再就職。その経験から、がん経験と就労との両立を支援するキャンサー・ソリューションズを開始した。「治療を続けながら仕事を辞めない方法がいくらでもある社会にしたい」

 まず会社の就業規則や国の社会保障制度を調べておくこと。もしがんに罹患し、治療にめどが立ったら「病状だけでなく、どんな仕事をどれだけできるかを伝えて。仕事をして社会とつながる価値は大きいから」とアドバイスしてくれた。 [注1]国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報サービスの統計データより算出 [注2]高額療養費制度の自己負担額は所得により異なる。

桜井さんが語る もしもの“がん”に備えるためのポイント

1.検診は会社や自治体のものを継続的に受ける
 「日本乳癌学会のガイドラインに沿った検診ができる専門医や認定施設で継続的に受けて」

2.就業規則を知る
 病気の際の休暇制度を調べる。「治療後、復職するためにもきちんと制度を理解しておきましょう」

3.がん保険などで、お金を準備する
 「手術や治療に必要なお金は、がん保険の保険金額がひとつの目安。保険加入も有効だと思います」

4.治療方針を即断・即決しない
 「がんと診断されたら、誰でもすぐに冷静な判断はできない。落ち着いて調べる時間をつくりましょう」

【自分が、身近な人ががんと言われたら】
国立がん研究センター「がん情報サービス」をチェック

 桜井さんがすすめるのが、「国立がん研究センターがん対策情報センター『がん情報サービス』」。「乳がんに限らず、がんに関する最新の情報や病院、治療方法の説明が、素人にも分かりやすくまとめられています。困ったらこのページを参照してから、医師に相談しましょう」http://ganjoho.jp/public/index.html

●桜井なおみさんキャンサー・ソリューションズ社長 社会福祉士/技術士
東京生まれ。大学で都市計画を学んだ後、卒業後はコンサルティング会社で、都市整備や環境学習などの業務に従事。2004年、37歳で乳がんに罹患。その後、働き盛りでがんに罹患した自らの経験も生かし、小児がんを含めた患者・家族の支援活動を開始し、現在に至る。NPO法人HOPEプロジェクト理事長、一般社団法人CSRプロジェクト代表理事、キャンサー・ソリューションズ代表取締役社長。

若い女性にも舌がんが増加! 子宮頸がんを上回る口腔がん・咽頭がんの死亡率


子宮頸(けい)がんに比べ、口の中にできる口腔(こうくう)がんの認知度はまだまだ低い。しかし近年、口腔がん(咽頭がん含む)の死亡者数は増加していて、死亡率は子宮頸がんを上回ったという。口腔がんの撲滅委員会を立ち上げ、12月17日開催の「オーラルケア・フォーラム2016」で講演する、東京歯科大学口腔顎顔面外科学講座の柴原孝彦教授は、警鐘を鳴らす。

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 柴原教授のもとに、アイミさん(当時29歳、仮名)が訪れたのは、2015年夏のことだった。

 その2週間前、アイミさんは舌の裏のできものが気になり、近所の歯科医院を受診していた。できものは小指の先に満たないほどの大きさで痛みはないが、こすれたりしてしゃべりづらさがあり、なかなか治らなかったという。近所の歯科医院に紹介され、柴原教授のもとで検査を受けたところ、初期の舌がんと診断された。たった2週間で、できものは親指の頭ほどの大きさになっていた。

 国立がん研究センターの統計によると、舌がんを含む口腔がん・咽頭がんの死亡者数は年々増加傾向にあり、2012年には7000人を超えた。2013年の統計では、舌がんを含む口腔がん・咽頭がんの死亡率は46.1%で、がんのなかでは10番目に高かった。これは、同年の子宮頸がんの死亡率24.7%(16位)、乳がん19.3%(19位)を上回る数字だ。「口腔がんの死亡率が増加しているのは、先進国では日本だけです」と、柴原教授は憂う。

 口腔がんはこれまで、喫煙率が高く飲酒量の多い、生活習慣がよくない中高年の男性に多いといわれてきた。、ところが、日本癌治療学会がんの診療ガイドラインによると、口腔がんの罹患(りかん)者の男女比は変化してきていて、近年は男女比3:2と、女性の比率が高まっているという。なかでも、若い女性に口腔がんが増えていると、柴原教授は指摘する。
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「口腔がんが若年化してきていることは間違いありません。私の患者さんでは男性で19歳、女性で22歳が最年少です。最近、16歳の女子高校生に舌がんが見つかったという報告もありました。数十年前では考えられないことです」(柴原教授)

 口腔がんが若い人たちに増えている理由は、まだ明らかになっていない。ただ、遺伝的な要因ではないと、柴原教授は考えている。後天的に“慢性的に”“物理的な”刺激を受けてがんが発生するというのだ。

 口腔がんは次のような原因で発生するとみられる。放置した虫歯のとがった部分や、歯並びの悪さ、合わない入れ歯で舌や頬の裏側が傷つく状態が続くと、赤や白の潰瘍やびらんができはじめる。これらの異変や初期の口腔がんは、一見すると口内炎のようにもみえるが、痛みがないことが多いため、放置されがちだという。進行してしこりになり、食事や発声に違和感が出て初めて、歯科医師の診察を受けることが少なくない。

 アイミさんは、手術で舌を約3分の1切り取った。手術は成功で、術後1週間ほどで食事も会話も問題ないところまで回復できた。しかし、手術5カ月後に頸部(けいぶ)リンパ節への転移が発覚。その後、がんは全身に転移し、亡くなった。

 柴原教授はいう。「口腔がんは胃がんなどとは違って、自分の目で確認できます。週に1回でもいいので、歯磨きのついでに自分の口の中を観察して、異変に気づいてください」

1.虫歯や入れ歯の不具合を放置しない
2.口の中のセルフチェックを習慣にする
3.異常(赤と白の色調変化、しこり)を見つけたらすぐに歯科医院で診察を受ける

「この3つを守って、初期のうちに口腔がんを発見、治療しましょう。わが国の全口腔がん5年生存率は56%と低いのですが、初期であれば5年生存率は90%を上回るという報告もあります」(柴原教授)

 口腔がん撲滅委員会では、年に1回の口腔がん検診を推奨している。検診を実施している医療機関は、委員会のホームページで検索できる。

マンモだけ? 次の乳がん検診は「乳腺濃度」も要チェック

 乳がん検診で「マンモグラフィー」(乳房エックス線撮影)を受けるなら、「乳腺濃度」もチェックしなければ意味がない。

「乳がん検診でマンモグラフィー(マンモ)を受けていたのに、進行した乳がんが見つかった」

 そんな話を聞いたことがある人は少なくないのでは? そういう時、「やっぱり乳がん検診は役に立たない→検診なんて受けなくていい」と考えがちだ。しかし、その“見落とし”は「乳腺濃度」をチェックしていなかったことが原因かもしれない。

■高濃度の人は見落とされている可能性も

 乳腺は、乳汁を分泌する器官と乳汁が通る器官で構成されており、一般的に若い間は発達して高濃度。30代後半以降、個人差はあるが徐々に脂肪に変わる。発達している順から、「高濃度」「不均一高濃度」「乳腺散在」「脂肪性」に分かれる。

「乳腺が高濃度、あるいは不均一高濃度の場合、マンモを受けても乳がんが見つかりにくい。進行がんであっても『異常なし』になることもあります」

 こう指摘するのは、日本乳癌学会乳腺専門医で、濱岡ブレストクリニック院長の濱岡剛医師。日本人は高濃度、あるいは不均一高濃度の乳腺が多く、その率は「10人いれば半数以上」(濱岡医師)だという。しかも、年齢を重ねても高濃度の人も珍しくないので、マンモしか受けていなければ、本当の意味での「異常なし」ではないかもしれないのだ。

 乳がんも他のがんと同様に、早期発見・早期治療が生存率に寄与することは言うまでもない。早期に発見できれば治療の選択肢は多く、胸にどこまでメスを入れるか、胸をどこまで取るかも変わってくる。

■年1回は超音波検査を

 濱岡医師は、「乳がん検診で理想的なのは、マンモに加え、乳がんの早期発見につながるもう一つの検査法である『超音波検査』を受けること」と言う。

 諸事情で両方が無理なら乳がんの早期発見に、よりつながりやすい超音波を毎年受け、マンモを2年に1回受ける。それも無理ならせめてマンモで乳腺濃度をチェックする。そして、高濃度や不均一高濃度と言われたら超音波を受ける。そうでないと、せっかく検診を受けているのに、乳がんが発見されないままに終わる可能性があるのだ。

「『高濃度』から『脂肪性』のどれに該当するかは、乳腺専門医であればマンモの写真から一目瞭然です」

 ところが、残念ながら、マンモを受けても乳腺濃度を知らされていない人が圧倒的に多い。乳がん検診の報告書に、乳腺濃度についての項目がないからだ。

 乳がんには腫瘍(しこり)で発見されるものや、石灰化で発見されるものなどがある。そのため、乳がん検診を受けた時の報告書には、「腫瘍」「石灰化」「随伴するその他の所見(局所的非対称性陰影、構築の乱れ~乳腺のゆがみ~など)」の項目がある。しかし、これらに問題がなければ、たいていは乳腺濃度の情報はもたらされず、「異常なし」と告げられる。本気で乳がんの早期発見を考えるなら、マンモを受けた時、自分から「乳腺濃度はどうですか」を聞く。必須ポイントだ。

■理想は「両方」

「乳がん検診で一番の誤解は、『マンモを受けていれば万全』という考え方です」(濱岡医師)

 マンモは国が推奨する乳がん検診。厚労省は「40歳以上の女性は原則としてマンモを2年に1度受ける」とガイドラインで提言しており、自治体で補助が出るのもそれに該当している場合だ。しかし、マンモは石灰化に起因する乳がんの発見を得意とし、超音波は腫瘍から生じる乳がんの発見が得意。腫瘍からの乳がんが圧倒的に多いので「どちらか1つ」なら超音波だが、それだけでは石灰化からの乳がんは見落としてしまう。「両方が理想」なのはそういう事情からだ。

祖母も、母も、乳がんになりました。私も乳がんになるのでしょうか?

今「がん」に関する情報があふれています。芸能人でもがんを公表する人がいるため、ある意味、よく聞く病気になりました。しかし、情報があふれているゆえに、本当に正しい情報はなんなのか……迷う人が多いのも事実です。そこで、がん患者さんに日々接している現役の国立病院の内野三菜子医師が、がんの主治医に聞きにくいようなことや、知っておいたほうがいいことなどを解説した本『身近な人ががんになったときに役立つ知識76』を発売。この連載では、その本の中から気になるところを紹介していきます。

がんは遺伝する?
それともしない?

Q 祖母も、母も、乳がんになりました。私も乳がんになるのでしょうか?

A がんの原因は、遺伝もありますが、生活習慣や食生活、その他の外的要素もあります。親ががんになったら、必ず、子どももがんになるわけではありません。ただし、がんによっては遺伝子の影響があるものがあり、その代表的なものが大腸がんや乳がんです。

女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが、がんのリスク回避のために乳腺切除と卵巣摘出をしたことが話題になりましたが、遺伝子が原因となるがんがあるということが広く知られたケースです。

 逆に、肺がんや前立腺がんなどは遺伝の影響があまりないといわれています。しかし、部位に関係なく、親兄弟の中で35歳より若い時点でがんになった人がいる場合には、早めに健診を受けてみましょう。

Q なぜ、人は、がんになるの?

 がんは、診断されたら最後、必ず死をもたらす不治の病から、治療の仕方によっては死の原因とはならずに済む、もしくは治る可能性もある病気になりました。

 とはいえ、がんの種類や進行度によっては、確実に効果が得られるとされる治療法がまだないものもあり、ご自身ががんと診断されたり、大切な家族や友人ががんになったりするのがショックなことであるのには変わりありません。

 では、なぜ人間の細胞はがんになっていくのでしょうか。

 がんは、遺伝子(DNA)の異常によって起こる病気です。DNAは細胞の設計図で、正常な働きを持つ細胞の作り方が書かれていますが、時に何らかの理由で設計図通りに正しく作られない細胞が生じます。例えてみれば工場で同じ製品をずっと作っていると、そのごく一部に規格外のものが出てしまうことがあるようなものです。

 大抵の場合、規格外の不良品は、出荷前の検品によってはじかれるので、世の中に出回ることはありません。ところが、一定の割合で規格外の製品が出てしまう以上は、作られた数に比例して規格外の製品の数は増えます。

 これと同じように、人間の細胞も長く生きれば長く生きるほど、細胞を作り変える数が多くなるので、ときどき、外部からの刺激などによって、設計図通りにコピーできず、DNAに傷がついてしまうことがあります。

規格外の細胞が増えていくことを
「がん化」という

 DNAの損傷そのものが大きかったり、傷を修復する働きをするDNAが十分に働かなかったりなどの不利な要件が重なったりすると、修復されないまま、DNAに傷ついた異常細胞が生き残ってしまうことがあります。

 その異常な細胞が異常なまま無秩序に増殖することを「がん化」といいます。しかも、がん化した細胞は、周囲の組織へと広がったり(浸潤)、違う臓器に飛んで行ったり(転移)します。

 このようにDNAに損傷を受けた細胞が無制限に増えたり、体のほかの場所に転移したりするなどの性質を持つようになり、そのような細胞が増えていくのが、がん(悪性腫瘍)です。

 こうした修復ミスは、どの細胞でも起こる可能性があるので、基本的にすべての臓器、組織にがんは発生する可能性があります。

がんになった細胞は
「打たれ弱い」面もある

 がんになった細胞は、体内で勢いよく増える性質はあるものの、一方で、「打たれ弱い」面もあります。がん細胞にダメージが加わった時に、それを修復する能力は正常細胞よりも弱いのです。細胞が増えるどの過程で、がんが発生するかというメカニズムはかなり解明されています。現在開発されている放射線や抗がん剤の治療はこれらの性質をうまく利用し、がんの細胞が増えるポイントを阻害して増殖を抑えるものがほとんどです。

 放射線と抗がん剤、あるいは抗がん剤の中でも薬の種類によって、細胞の増殖を抑えるポイントが異なるので、これらを組み合わせることによって、より確実にがん細胞を死滅させ、治療効果を上げることは広く行われています。

A がんは、DNAの異常によって起こる病気。誰でもがんになる可能性がある。

私が『身近な人ががんになったときに役立つ知識76』を
出版した理由

 はじめまして。「がん」の治療にあたっている内野と申します。

 現在、最も多い死因は「がん」となり、2人にひとりは生涯のうちに何らかのがんにかかるといわれています。

 日々、患者さんとお話しさせていただいている中で、女医で話やすいからか、治療そのものだけでなく、それにまつわるさまざまな悩みをおうかがいします。

 たとえば「治療の用語の意味がよくわからなかった」、「痛みや辛いことなど、正直に伝えたほうがいいのか」、さらに「仕事やお金の心配がある」などです。医師側もゆっくりと説明する時間が取れないこともあり、がん治療に対する知識を補うもの、そして「こんなこと先生に聞いていいのかな」と迷ったときに活用できるような本があれば…と思いからできたのがこの本です。

 通常、がん治療は、担当の医師が病気の症状を書いた「病状説明書」を渡して、それをもとにがんの進行具合、推奨される治療方法、治療のスケジュールなどを説明します。ですから、治療中の疑問や辛いことなど何でも、まずは担当の医師に相談して解決していただきたいのですが、それだけでは不安なときなどにはぜひ、この本をぜひ活用してほしいと思います。

内野三菜子(うちの みなこ)
東京都出身。国立国際医療研究センター国府台病院 放射線治療室長。聖マリアンナ医科大学放射線科、埼玉医科大学国際医療センター放射線腫瘍科を経て、カナダ・トロントのプリンセスマーガレット病院放射線腫瘍科にて、日本人初のクリニカルフェローとなる。並行してトロント大学オンタリオ教育研究所(大学院)医学教育学にて修士号取得。帰国後、国立国際医療研究センター病院を経て、現職。日本医学放射線学会専門医(放射線治療)、がん治療認定医

小林麻央さん服薬中止から考える 抗がんサプリメントの効果と注意点

2016年11月30日(水)に公開された乳がんで闘病中のフリーアナウンサー小林麻央さんのブログでは、体調不良の原因を特定するため少しの期間、薬とサプリメントの服薬を中止することが語られておりました。がん治療で服用するサプリメントとは一体どのようなものなのでしょうか。今回は抗がんサプリメントの概要から種類、使用上の注意点などを医師に解説していただきました。

抗がんサプリメントとは

がんの増殖を抑えたり、抗がん作用があるとうたっているサプリメントのことです。免疫増強作用や、抗酸化作用を売りにしているものなど、様々な種類があります。

抗がんサプリメントの種類

市販されているものの中には、以下のような成分が入っているものがあります。

◎ビタミンC,E
抗酸化作用のある代表的なビタミンです。

◎食物繊維
腸内環境を整えます。

◎マルチビタミンミネラル
栄養の補充になります。

◎ラクトフェリン
腸内環境をととのえ、免疫力のアップにつながります。

◎カロテノイド
抗酸化作用があると言われています。

抗がんサプリメントの効果

治療薬ではなくあくまでもサプリメントであるので、その効能ががんに対して本当にどこまであるのかは実際のところ明らかではない部分が多いです。インターネットの宣伝などは派手に行っていますが、あまりインターネットの記事などに惑わされないようにした方がよいでしょう。購入したい場合は製造しているメーカーに問いあわせたり、主治医に相談してみるなどで情報をとり、自分で判断していく必要があります。

抗がんサプリメントの副作用

サプリメントによる副作用はしばしば報告されていることです。サプリメントは薬ではないからといって安全とは限りません。サプリメントの成分も肝臓や腎臓で代謝されることが多く、その場合、過度に負担がかかると肝障害、腎障害に繋がる場合もあります。また、売りにしている成分以外にも様々な成分が含まれていることが多いため、例えば、脂溶性ビタミンなどの過剰摂取になってしまう場合もありえます。サプリメントを多用する場合には、含まれている成分を確認するようにしてください。

抗がんサプリメントの注意点

サプリメントを使いたいという場合、今行っている治療に影響がないかどうかを主治医に確認してください。また、どこまで有効であるかは不透明な部分もあるので注意しましょう。まずは病院で行っている治療が基本となりますので、治療を放棄してサプリメントのみに頼ったりなど、しないようにしてください。

最後に医師から一言

がんに効くとうたっているサプリメントは沢山ありますが、まずは病院の治療が基本となります。また、サプリメントで栄養素を補うという考え方も悪くはありませんが、食事がしっかりと摂れる方であれば食事からとる栄養が基本となりますので、バランスよく食べるようにしましょう。

薬で乳がん治療、英国で治験へ 手術なし、英国医師ら神戸の病院視察

過酸化水素(オキシドール)を用いて、手術なしでの乳がん放射線治療に取り組む神戸市中央区の神戸低侵襲がん医療センター(KMCC)で1日、英ロンドンの王立マースデン病院放射線科医のジョン・ヤーノルド氏(68)ら6人が治療風景を視察した。英国での公的保険適用に向けた臨床試験(治験)を準備中のヤーノルド氏は「乳房を守り大きな効果を出せる治療法。世界に広めたい」と話した。

 兵庫県立加古川医療センター(加古川市)の小川恭弘院長(64)が開発した「酵素標的・増感放射線療法(KORTUC)」。オキシドールから作った薬を患部に注射し、効果を妨げるがん細胞内の酵素を分解してから放射線治療を行う。

 小川院長が高知大教授だった2006年から治療を始めた。これまでにKMCCでの33人をはじめ、全国10カ所余りの病院で700人以上に実施。薬物治療と併用し、9・5センチ大のがんが消えた人がいるほか、肝臓やすい臓など別のがん治療でも利用されている。

 ヤーノルド氏らは薬の作製や、患者に注射する様子などを見学。英では来月にも治験を始め、5年後の公的保険適用を目指す。

 小川院長は「日本では研究費の問題などで治験は始まっていない。英国で効果を証明してもらい、日本、世界の患者に届けたい」と強調した。

乳がんとは違う良性のしこり“嚢胞” 怪しいと思ったら検査に行こう!

乳房を触ってみたら怪しいしこり…。しかも痛みがある…。でもそんな症状でも、
乳がんではないと診断される場合もあります。 それが「嚢胞(のうほう)」です。そもそも嚢胞とは? 乳がんとの違いは? さらに実は「嚢胞」の中に乳がんが隠れているケースも…。 意外と知らない「嚢胞」についてご紹介します。

要チェック項目
□嚢胞は、乳がんと見分けがつきにくい良性の「しこり」 □基本的には放置しても大丈夫 □ただし「嚢胞内乳がん」という恐ろしい病気もあるので注意が必要

乳腺の病気は乳がんだけではない
乳腺とは母乳を作る働きを持つ臓器のことです。その乳腺の内側もしくは外側に見られる変化や症状は、以下のように実はよく知られている乳がんだけではないのです。

嚢胞
女性ホルモンの分泌量が多すぎて乳腺から分泌物が出ていかないとそのままたまっていってしまいます。この乳腺に液体がたまった状態のことを「嚢胞」といいます。しこりや痛みが見られます。

乳管乳頭腫
乳頭から分泌液が出てくる症状です。 ほかにも細かく分類すると10種類以上あるといわれていますが、いずれにしても「嚢胞」はその中の1つです。しかし、一般では乳がんと見分けがつかないのが通常です。

嚢胞をもっと詳しく知ろう

手触り
良性の嚢胞の場合は、丸みを帯びて、比較的弾力があると言われています。

大きさ
ある程度大きくなると、触っても「しこり」として気づくことがあります。アズキの粒くらいになるともいわれています。


1個だけできるとは限りません。乳房に何か所もできる人もいます。その場合は「のう胞症」と呼ばれます。

嚢胞が見られる年齢
40代から50代前半から見られ始めると言われています。

痛み
生理の前後にかかわらず、痛みがあったり、時にはなくなったりします。また押したときに痛みを感じることもあります。

嚢胞の検査と治療

嚢胞は痛み、しこりといった乳がんにも見られる症状があるので、医師もまず乳がんを疑います。

問診から始まり、詳しい検査へ

最初の問診から始まり、視診などである程度の見当をつけ、疑わしい所見があればマンモグラフィー、レントゲン、エコー検査などを行います。 マンモグラフィーでは引っかかるものの、その後のエコー検査で「嚢胞」とわかる場合もありますが、細胞検査を行うこともまれにあります。

治療は
原則として経過観察になり、治療の必要はありません。ただし痛みが強い場合は、ホルモンを抑制する薬を処方することもあります。

さらに見分けがつきにくい「濃縮嚢胞」

嚢胞は時間経過とともにさらに分泌物が濃縮されていき、エコー検査でも「腫瘍」のように見えてしまうケースもあります。 これが「濃縮嚢胞」です。 場合によっては「カテゴリー3」といって、良性だが悪性も否定できないという診断をされ、さらに詳しい細胞診に回されてしまう場合があるのです。 しかし、本当の悪性腫瘍、つまり乳がんと濃縮嚢胞は、乳腺エコーの熟練検査技師であれば見分けがつきます。しかし、専門医ではなく、市や区が行っている乳がん検診にその精度の高さは求められません。

本当は怖い「嚢胞に隠された病気」

こうして比較的心配のいらない「嚢胞」は、どんなに分泌物が出ても、癌にはなりません。 また、必ずしも「嚢胞」ができやすいからといって乳がんになりやすいわけではないと言われています。 しかし、この「嚢胞」の中に、乳がんができているケースもあるのです。

しこりの中に血液が認められる場合

細胞診の結果、嚢胞の中に血が混じっていたりする場合は、のう胞の内部にがん組織がある可能性を考えなければなりません。 しかし、そのままの状態では治療できないので、のう胞を切除して中を調べることで「がん化」しているか確定することができます。 それが良性であれば特別問題はありませんが、万が一悪性だった場合は適宜、放射線治療などを受けることになります。

「嚢胞」と診断されたあとも気をつけたい

嚢胞と一度診断されたあとも健診は受けましょう。何度か「嚢胞」と診断されあと、しばらく検査の必要はないと決めつけ、セルフチェックも怠っていた挙げ句、実はその後、それとは別に乳がんを患っていたというケースも報告されています。 つまり医師から「嚢胞」と言われたとしても、今後、乳がんにならないと保証されたわけではありません。定期検診は引き続き行くようにしたほうが良いでしょう。

受け続けないとわからない、本当のこと

最近は女性の一生を通じてみると12人に1人程度が乳がんにかかる時代。 もし「嚢胞」と一度診断された方も、自己検診は続けてください。 中には、それによって再びクリニックを受診することで、結果、乳がんが見つかる場合もあります。 当然、早期治療も可能になり、命を落とさずに済むようになるのです。 もちろん、健診を「一度受けた」からもう大丈夫なのではなく、「受け続けて」いただくことが大切です。 (監修:Doctors Me 医師)

「乳がんステージ4」患者の現役新聞記者が小林麻央の生き方に共感するワケ

 今、「乳がん」は日本人女性の12人にひとりがかかると言われています。

 芸能人の公表も続き、とりわけ最近、小林麻央さんのブログに関心が集まっています。骨と肺に転移していることや、ステージ4であることが明かされた際は、メデイアも大きく反応しました。「がん」「転移」「ステージ4」。いずれも重く、深刻な響きです。

 かく言う私も「ステージ4」の乳がん患者です。

 告知された時は、すでにリンパ節と骨の多くに転移していました。胸の腫瘍は一度に計測できないほど大きく、転移で頭の骨も溶けかけている状態でした。「首の骨がいつ折れてもおかしくない」。医師にそう言われ、体を起こすことも歩くこともできませんでした。手術はできず、休職をして抗がん剤治療を受けました。

 それから8年。私は今、記者として普通に仕事をし、夜は好きなワインを飲み、休みには海外にも出かけます。病気が分かる前より心も体も元気かもしれません。決して奇跡が起きたわけではなく、また特別な治療を受けたわけでもありません。

「がんステージ4=末期=死」。ひと昔前はそれが常識だったでしょう。しかしがん医療は進歩し、そのおかげで今、私は元気に生きています。もちろん、抗がん剤は効果も副作用も人それぞれです。治療の効果が少なく、副作用が重い人も少なくありません。「100人のがん患者がいれば、100のがんがある」。まずはそのことを、多くの人に知っていただきたいと思います。

 女性が胸を失う。その悲しみは計り知れません。

 乳がんは、初期の段階で適切な治療を受ければ、治る可能性が高いがんです。多くの場合、胸を部分的に切除する「乳房温存術」も可能です。ところが、たとえ小さな腫瘍でも、広がり方や位置によっては、乳房を全て摘出しなければならない場合があります。

 昨年、ステージ3の乳がんが分かり、全摘手術を受けた北斗晶さんも、記者会見で「胸がないのを見るのは、何より勇気が必要だった」と正直な気持ちを明かしました。私が取材をした全摘後の患者さんは、「異形のものになり果てた」と、その悲しみの深さを語ってくれました。

 残念ながら、今のところ「胸を切らずに治す」という治療法は一般的ではありません。とはいえ「乳房再建術」の進歩は、ひとつの希望といえるでしょう。かつては、お腹や背中の組織を移植する「自家組織」による再建のみが保険適用だったのが、近年、シリコンを使う 「インプラント」による再建も適用になり、より自分に合った方法が選べるようになりました。

 もちろん、再建すれば全ての問題が解決するというわけではありません。外見も感覚も、完全には元に戻らないため、「性」の悩みなどを抱える人も少なくないようです。そして体の一部を失うのは乳がんだけではありません。咽頭がんなど、のどのがんでは「声」を失う可能性があります。大腸がんでは人工肛門(ストーマ)となる場合もあります。

がんと向き合うということ

 人は、ある日突然、がん患者になります。治療や暮らし、将来のこと。さまざまな場面で価値観や人生観が問われます。「自分にとって大切なものが何か」。それを教えてくれるのが、がんという病気なのかもしれません。

「乳がんステージ4」の5年生存率は33パーセント程度(2001年から05年に診断された症例)で、他のがんに較べて進行が遅く、抗がん剤も効きやすいと言われています。とはいえ初期で治療を終えても、10年以上経ってから転移再発する場合があります。

三輪さんが執筆した『乳がんと生きる』(毎日新聞生活報道部)*画像をクリックするとAmazonの購入ページに進みます

 ステージ4患者の私は今、胸とリンパ節からは画像上、がんが見えない状態です。でも、骨にはまだ腫瘍が残り、いつ肺や肝臓に転移しても不思議ではありません。あとどのくらい生きられるのか。それは神のみぞ知る、です。

 ひとつ言えるのは、残りの命の長さがどうであれ、その時間を大事にできるかどうかは本人次第ということです。まず必要なのは、誤った情報に惑わされず、医師と良い関係を保ちつつ、適切な治療を受けること。

 そのうえで「最善を期して最悪に備える」のがより良い道でしょう。言葉で言うのは簡単ですが、もちろん厳しく、険しい道のりです。

 それでも、生き生きと日々を重ねるがん患者はたくさんいます。私がお会いした中には、がんの中でも難治と言われるすい臓がんステージ4で、取材後ほどなく亡くなった女性がいます。「週末は、ひとりでバスツアーに行くの」。お会いした時、楽しそうにそう話してくれました。どれほどの葛藤を経たうえでの笑顔だったのだろう。同じ患者の私にも想像できません。

 でも言葉の端々に、最後まで自分らしく生きようという強い意志が感じられました。小林麻央さんのブログからも、自らの病から目をそらさず、これからの時間をより輝かせたいという気持ちが痛いほど伝わってきます。

 最後まで悔いなく生きるには。その問いは、がん患者はもちろん、全ての人に投げかけられています。

<著者プロフィール>三輪晴美(みわ・はるみ)◎1964年大阪府生まれ。1989年毎日新聞社に入社し、事業部に所属。1992年から出版局に勤務し雑誌や書籍の編集に携わる。2008年11月乳がんが見つかり、治療のために休職。2009年11月職場復帰。以後、2016年現在も治療を継続中。2014年4月から生活報道部記者。

若い女性に多い子宮頸がん「性交渉そのものが感染の原因。コンドームでは防げない」

 '98年に放送されたドラマ『GTO』。反町隆史演じる教師・鬼塚を下着姿で誘惑する生徒役でブレイクした希良梨。昨年、芸能界に復帰した際、19歳で子宮頸がんを発病したことを公表した。

19歳で子宮頸がんを発病したことを公表した希良梨

 そもそも、子宮がんには“子宮頸がん”と“子宮体がん”の2種類がある。子宮の入り口にあたる子宮頸部にできるのが子宮頸がん、子宮の奥の子宮体部にできるのが子宮体がんだ。

 一般的ながん年齢といえば40歳以上だが、菊池がんクリニックの菊池義公先生によると、

「子宮頸がんは20~30代の女性に多いです。50歳以上になると子宮体がんが増えてきます」

 年に1万人を超える女性がかかっているという子宮頸がん。乳がんなどとは違い、原因が明らかだ。

「ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスが原因です。HPVは性別を問わず、人が日常的に持っている日和見菌のようなもの。性交渉によって男女間を行き来していますが、感染しただけではがんにはなりません。半年から1年で自然とウイルスがいなくなることがほとんどです。何年も“感染し続けること”で、子宮頸部に異常が起こり、がん化します」

「検診さえ受ければすぐわかるのに」

 自覚症状はなく、数年前にワクチン接種が積極的に行われたが、重大な副反応もあり、現在、厚生労働省は推奨していない。初期段階で見つけるには?

「検診しかありません。

綿棒のようなもので子宮頸部の細胞を取るだけなので、痛みはほとんどありません」

 ところが、欧米の受診率が90%であるのに対し、日本ではたった20%。

「検診さえ受ければすぐわかるし、治る。なのに、恥ずかしがって受診しない。これが現実です。がんが子宮頸部の周囲に広がると全摘出になり、妊娠ができなくなります。最近では頸部切除という、子宮を残す手術も増えてはきましたが」

 早期発見であれば、子宮の入り口を円錐形に切除するだけですみ、妊娠も可能。希良梨も現在は、結婚して2人の子どもがいるという。

 がんが小さければ小さいほど手術にかかる入院の日数も少なくてすみ、費用も保険適用の範囲で行うことができる。

 予後は比較的よく、早期であれば9割の人が治るという。がんが広がった場合、子宮全摘出手術後の5年生存率は50%だ。

 性交渉経験がある女性なら、誰もが可能性のある子宮頸がん。コンドームを使ったら予防になる?

「なりません。性交渉そのものが感染の原因だからです。性交渉がなくなって10年以上経過しても子宮頸がんにならなければ、その後はかからないでしょう」

<この先生に聞きました>菊池義公先生
菊池がんクリニック院長。前・防衛医科大学校産科婦人科学講座主任教授。婦人科がんの治療と研究のスペシャリスト。特に、新しい分子標的薬による治療では、多くの成果を上げている。

■ 乳がん 遺伝子により84%罹患 約22万円のがん遺伝子検査は「想像以上にセンシティブ」

2013年にハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリー(41才)が、乳がん予防のために両乳房を切除したと公表した。アンジーが健康な乳房を切除・再建したことをきっかけに、米国で予防的切除をする女性が急増。日本にも大きな影響を与えた。

 ピンクリボンブレストケアクリニック表参道の院長・島田菜穂子さんが振り返る。

「『母が今、乳がんで治療中なのですが、私も検査をしたほうがいいのでしょうか?』などと、がんと遺伝に関する相談が一気に増えました」

 さらに2015年、アンジーは卵巣と卵管を摘出したと発表。“乳がんに加えて卵巣がんも遺伝する”――それは衝撃をもって、常識のように女性たちの胸に刻まれたのだ。

 実際のところ、がんは生まれつきの遺伝子や、たばこ、運動不足といった生活習慣・環境的要因、偶然が重なって、誰にでも発症しうる病気だ。しかし、特定の遺伝子に異常があると、高い確率で発症する。国立がん研究センター中央病院遺伝子診療部門の吉田輝彦さんが解説する。

「たとえば、乳がん・卵巣がんの中で遺伝が原因のものは罹患者全体の5~10%だといわれています。その中で誰もが持っているBRCA1遺伝子あるいはBRCA2遺伝子に異常がある『遺伝性乳がん・卵巣がん症候群』の人は、生涯で乳がんにかかる割合が56~84%、卵巣がんで40~60%と高確率になります」

 通常、乳がんになるのが11人に1人、卵巣がんは90人に1人といわれているので、それに比べると「遺伝性乳がん・卵巣がん症候群」の人はかなり罹患リスクが高い。アンジーは遺伝子検査の結果、BRCA1遺伝子異常が見つかった。実際、母親は乳がんと卵巣がんに罹り56才で死去。祖母と叔母もがんで亡くなっている。

 もし、自分がこのタイプのがんだったら、娘は? 姉妹は? と考えて悩んでしまうのは当然のこと。フリーアナウンサー・小林麻央(34)も悩んだ。彼女はブログにこう書いていた。ここで言う「姉」とはフリーアナウンサーの小林麻耶(37)のことである。

《乳がんを経験していた母は、ずっと胸のうちで『私のせいではないか』と自分を責めていました。そして、妹も乳がんとなると、姉は、相当不安があったと思います。私は、娘のことも、とても心配で、私のせいで将来もし、と苦しい気持ちになりました》

 そして、検査を受けることを決意する。しかし、麻央も受けた遺伝子検査は一般的ながん検診と違って、気軽に受けられる検査ではない。また、最近よく広告などでも見かけるようになった唾液を使った簡便なものとは全く別のもので、実際の検査までハードルが高く設定されている。

 検査を受ける場合、まずは専門機関でカウンセリングを受ける。血縁に乳がん罹患者が3人以上いるなど家族歴を確認して、遺伝子異常の可能性が低ければ検査の必要はないと判断されることもある。また、検査は成人であれば本人の同意でできるが、基本的な前提として、「遺伝子」というナイーブな問題になるため、家族の充分な理解が必要になる。

日本人要注意!乳がん検診「高濃度」通知を 「異常なし」でも安心できず

 自治体の乳がん検診で行われる「マンモグラフィー(乳房エックス線検査)」では日本人に多い高濃度乳房のがんを見落としやすいとして、全国32の患者団体や代表が、「乳がん検診の結果通知の方法を見直してほしい」との要望書を厚生労働省に提出した。患者団体による要望書の提出は初めて。

 NPO法人「乳がん画像診断ネットワーク」の増田美加副理事長によると、日本人は乳腺の密度が高い高濃度乳房の女性が多い。乳腺密度が高いとエックス線でがんが見えにくいため、超音波検査を組み合わせることで精度が高まる。しかし、多くの自治体では、受診者が高濃度乳房であるかを通知していないという。

 患者団体には「マンモを毎年受けていたのに、進行した乳がんと診断された」との声も届くという。増田さんは「高濃度乳房と知らされていれば、精密検査を受け早期発見につながったかもしれない」と訴える。

 国は40歳以上の女性に2年に1回のマンモ検診を受けるよう推奨。超音波検査はがんでないのにがんの疑いがあるとする「擬陽性」が多いとされており、死亡率を減らす効果もまだ認められていないため、自治体の標準的な乳がん検診としては推奨されていない。

 国立がん研究センターによると、乳がんは日本人女性に多いがんの1位で、患者も増加傾向だ。最近ではフリーアナウンサーの小林麻央さん(34)が乳がんで闘病中であることを公表するなど、若年層での罹患も珍しくない。

 自身も乳がんになった増田さんは「検診は100%ではなく、全部が見つけられるわけではない。だから定期的に受けてほしい」と語る。その上で、「マンモ健診で『異常なし』との結果が返ってきても、自分の乳房のタイプを聞いてほしい。もし高濃度だったら、擬陽性のリスクなどを理解したうえで、超音波検査を受けてほしい」と呼びかけた。

ピンクリボン「乳がん」男も知っておくべき基礎知識(2)

 遺伝以外の後天的要素としては、まず過度の飲酒や喫煙が問題となるのは他のがんや生活習慣病と同じ。他にも乳がんの要因としては巷間さまざまな言説が伝えられる。 「うちの嫁はどこで聞いてきたのか“小麦と乳製品は体に悪い”“大豆イソフラボンが予防になる”と、ここ数年で食卓に並ぶのは豆腐や納豆ばかり。

たまにはパンやうどんも食べたいんだけど…」(57歳・自営業)乳製品、小麦に砂糖の3食材は、乳がん発症リスクを高める“白い三悪”と呼ばれることがある。食生活が欧米風に変化するにつれて日本での乳がん発症が増加したことがその裏側にあるようだが、ただし、これらの因果関係は科学的に立証されていない。

 一方、大豆イソフラボンについては近年の研究で発症軽減に一定の効果が認められている。とはいえ、サプリメントなどで大量摂取すればさらに予防効果が高まるというわけでもないようで、「なるべく大豆食品の摂取を心掛けるという程度で十分」(医療ジャーナリスト)とのこと。

 「妻は“ブラジャーで締め付けるのがダメ”と言って50代にしてノーブラ生活。家の中ではともかく、外出時はちょっと考えてほしいんだけど」(55歳・会社員)ブラジャーで締め付けると血流が滞り、発症リスクが高まるのは確かなようだ。ただ、最近は締め付けない高機能ブラもあるので、そちらで対応することも一考すべきだろう。

 「アラサーの嫁はウソかホントか“若いうちの肥満は乳がん発症を抑える”と言って、ここ数年は食っちゃあ寝ての繰り返し。体重もかつてから20キロ増で、今では乳がんよりも生活習慣病が心配です」(36歳・サービス業) “閉経前の肥満はリスク低下、閉経後の肥満はリスク上昇”とする説は、閉経後の肥満が特にリスクを高めることからの誤解。閉経前の肥満であっても平均値の女性よりリスクは高いとの研究もある。

 他にも「子だくさんだと乳がんにならない」「巨乳よりも貧乳がなりやすい」「毎日揉まれているとならない」等々が聞かれるものの、いずれも俗説で科学的根拠は薄いようだ。また「乳がんのしこりは痛みがない」「硬いしこりは危ないが軟らかければ問題ない」等、症状に関してもさまざまに言われるが、これは個々人によって大きく異なるもの。俗説をうのみにすることなく、検診受診こそが一番のリスク軽減策であることを心得たい。

 しかし、その検診も万能ではない。 「乳房のしこりに気付いて受診したところ、結果は問題なし。それでも気になったので別のところで再検査をしたら、結局、初期の乳がんでした」(39歳・主婦)実は日本人女性の中には、体質的な原因から一般的なマンモグラフィー(乳部エックス線)検査だけでは、がんが発見しづらい人もいる。

特に若い人は乳腺が発達しており、発症個所によっては見落とされてしまう場合もある。小林麻央や北斗晶も、最初に同検査を受診した時点では問題なしとされていたという。マンモグラフィー以外でも、超音波検査や触診など別の有効な検査方法があるので、しこりや乳頭からの異常分泌などの具体的な兆候を感じたときには、不安が解消されるまでさまざまな検査を併用してみることが大切だ。

 検査の結果、単なる思い過ごしであったとしても何ら恥ずかしいことではない。またこのとき、一般的な産婦人科よりも乳腺専門医で受診する方が精度が高いことは知っておきたいポイントだ。

ピンクリボン「乳がん」男も知っておくべき基礎知識(1)

 歌舞伎俳優・市川海老蔵(38)の妻でフリーアナウンサーの小林麻央(34)が始めた乳がん闘病ブログが話題となっている。他にも著名人では北斗晶が現在闘病中。南果歩、生稲晃子、麻木久仁子らも過去に発症したことを公表している。
 
乳がん罹患数は年々増え続け、今では一生のうちにこれを患う日本人女性が12人に1人にも上るとの統計もある。また昨年度の同病による死亡者数は過去最高の1万3584人。1980年頃と比べると3倍以上も増えている。

 乳がんは早期発見と適切な治療によって大幅に治癒率が高くなり、このために重要なのが定期的な検診受診ということになる。
 だが現状、日本において成人女性の検診受診率は40%前後で、これは先進諸国の中でも極端に低い数字。80%以上の女性が受診するアメリカと比べて半分以下というのだから、いかに乳がんに対する認識が遅れているかが分かるだろう。

 乳がんの正しい知識を広める啓発キャンペーンとしては、世界規模で行われるピンクリボン運動がある。日本でもその一環として毎年10月1日を「ピンクリボンデー」と定め、この日には東京スカイツリーや姫路城など全国各地の名所旧跡がピンクにライトアップされる。

 「妻が具合悪そうにしていたのを知りながら、更年期の症状か何かだろうと高をくくっていたのが間違いでした。乳がんと分かったときにはすっかり病状が進行していて、そこからわずか半年足らず、46歳の若さで亡くなってしまったのです」(49歳・会社員)日々の仕事に追われて奥さんの体調にまで気が回らなかったというだけでなく、乳がんという病気自体への認識も不足していた。

 「普段、私や子どもたちの体調を気遣いながら自分のことは二の次で、きっと身体の不調も我慢していたのでしょう。私がそこに気付いて早い段階で検診を勧めていれば助かったかもしれないのに…」(同)月日とともに後悔の念は強まるばかりだという。
 女性特有の病気ということで、男性からするとどこか口にしづらい部分もあるかもしれない。

しかし、妻や恋人、あるいは娘がこれにかかったときには、そうも言ってはいられない。まさかのときに悔いることのないように、男性の側も乳がんについて知っておくことは大切だ。まず、どういう人が乳がんにかかりやすいのか。 「他のがんと比べて特徴的なのは“遺伝性乳がん”というものが存在する点です。血縁者に乳がん患者が複数いる場合、これを疑う必要があります」(がん専門医)

 乳がん患者全体のおよそ5~10%が遺伝性のものだといわれている。2013年、米女優アンジェリーナ・ジョリーが乳房切除したのも、遺伝的に乳がんリスクが高いと診断されたためだった。この手術により、以前に発症率87%とされたリスクが5%にまで低下したという。

 「がんにかかっていないうちに乳房切除するとなれば、保険が利かず金銭負担は多大になるため、一般の方がそこまでする必要はないでしょう。しかし、その代わりとして定期検診受診は絶対に怠るべきではありません」(同)

ステージIV明らかにした小林麻央 QOLのための手術内容

《娘も息子も、思いっきり楽しんで参加していて、本当に嬉しかったです。幼稚園のママとの再会には涙があふれてしまいました。》(ブログより。《 》内、以下同)

 連日の雨がようやくやみ、肌寒い曇り空となった10月10日、都内の私立幼稚園で運動会が行われた。黒いワンピースに細身のジーンズ、黒いスニーカーで現れたのは小林麻央(34才)だった。

 「姉の麻耶さん(37才)が前を歩き、その後ろを麻央さんと娘さんが手をつないで歩いていました。麻央さんの足は細く、長袖からのぞく手のひらも少し筋張っていましたが、顔は満面の笑みで、歩き方もしっかりしていた。運動会を本当に楽しみにしていたことが伝わってきました」(幼稚園関係者)

 乳がんとの厳しい闘いを続ける麻央にとって、この日は待ち望んだ一日だった。運動会の後には、麻耶や子供らと一緒に蕎麦店を訪れた。リラックスした表情の麻央は、「久しぶりにこんなに楽しい食事ができたね」と頬を緩めたという。

 その1週間前、麻央は重大な告白をしていた。

 《私は、一般的には、根治は難しい状態と言われるかもしれません。(略)私はステージ4だって治したいです!!》

 自らのがんが「ステージ4」であることを明かした発言の衝撃は大きく、多くの人々が言葉を失った。

 ステージとは「がんの進行度合」を表す。乳がんの場合、最も軽いステージ0、Iから最も重いステージIVまでの5段階がある。また、がんの治療を始めた人のなかで5年後、10年後に生存している人の割合を示す「5年生存率」「10年生存率」という数字も公表されている。

麻央のステージIVとは、乳がんが骨、肺、肝臓など他部位へと転移が広がった状態を指している。一般に「末期がん」「遠隔転移乳がん」と呼ばれる。事実、彼女はブログで骨と肺にがんが転移したと明かしている。

 グランドハイメディック倶楽部理事で、元国立がんセンターがん予防・検診研究センター・センター長の森山紀之さんが説明する。

 「転移とは、がん細胞が血流やリンパの流れに乗って移動し、骨や臓器に取りついて増殖することです。乳がんの場合、乳房から心臓が近いので、どこにでも転移しやすい。なかでも可能性が最も高いのは骨で、患者の3割は最初の転移が骨で見つかります。腰骨に転移すると腰痛、胸骨は背中、骨盤は腰の骨周辺が痛くなる。

 最初は軽い痛みですが、段々と強くなります。とはいえ、骨転移があっても命に別状はない。乳がんは肺への転移が多いのも特徴です。肺の転移が進行して胸の痛みや血痰、胸水などの症状が出て、呼吸機能が落ちれば、生存率は低くなります」

 治療法は、ステージIIIまでは手術が一般的だが、転移のあるステージIVでは手術の効果が限られる。そこで、抗がん剤治療やホルモン療法が中心となる。

 麻央は10月1日のブログで「QOL(生活の質)のための手術」を受けたことを明かしている。麻央の知人が語る。

 「麻央さんは、左乳がんと脇の下のリンパ節を取り除く手術を行ったそうです。がんをすべて除去する『根治手術』ではなく、痛みを軽減するための手術でした。2時間以上のオペでしたが、麻央さんの状態は良好で、その後、一時退院までできるようになりました。海老蔵さんと子供たちと久々に家族水入らずの時間を過ごせたそうです」

 術後、麻央はブログでこう心境を綴った。

 《先生方が大きな手術にチャレンジして下さったことは、大いに大いに喜んで、心からの感謝をしています。(略)奇跡はまだ先にあると信じています》

9月1日に「なりたい自分になる」と題してブログを開設してから、麻央はほぼ毎日更新を続けている。常に前向きに自らを語る彼女に多くの人が勇気づけられ、共感の輪が広がっている。彼女のブログは初日だけで3000万PVを記録した。

 「麻央さんの開設したアメブロはPVごとに広告料が発生します。コンスタントに1日1000万PVを超える麻央さんのブログの広告収入は、通常であれば月1000万円ほどになるはずです」(広告代理店関係者)

 がんとの闘いには経済的負担という現実がある。

 「今、麻央さんは都内の大学病院に入院していますが、セキュリティーなどを考慮して1泊数十万円するVIPルームを使っています」(前出・知人)

 高額な治療代を含め、多くのがん患者にとって家計の不安も大きいのである。

乳がんの自己検診は意味がない? 海外で推奨されない理由

■もしかして日本だけ? 乳がん早期発見のための検診
日本では乳がん予防法、早期発見の方法として自己検診が薦められており、筆者自身も2003年頃に自己検診法の記事を書いたこともあるのですが、実は現在、乳がんの自己検診法は海外では薦められていません。その理由について解説したいと思います。

■乳がんの自己検診には意味がない?
2016年現在、日本では多くの人がご存知の乳がんの自己検診については、

・死亡率を下げるという明らかな証拠がない
・乳がんの自己検診によって不必要な検査(良性の腫瘍の生検など)が増える

ということで、米国国立がん研究所(NCI:National Cancer Institute)、米国対がん協会(ACS:American Cancer Society)、米国予防医療専門委員会(U.S. Preventive Services Task Force)、コクランライブラリー(Cochrane library:イギリス)などの、医療関係者が信頼している団体は、こぞって「現在では推奨しない」というスタンスを取っています。

これは主に2つの大規模で(全部で388,535人の女性)、かつ質の高い調査の結果(ロシアと上海からの地域住民ベースの研究。2002年と2003年に相次いで論文が発表されました)、自己検診している人とそうでない人で乳がんの死亡率について比べた結果、死亡率は変わらないのに不必要な検査が増えた、という研究結果によるものです。つまりデメリットの方がメリットより多いので推奨しないということです。

ちなみに、ちょっとわかりにくいかもしれませんが、研究にも質の高いものとそうでないものがあります。質の高い研究で、かつ人数が多いものの結果は、なかなか覆しづらいと考えられています。上記の研究はそれにあたるため、多くの信頼性の極めて高い団体が「推奨しない」というスタンスをとっているのです。また、これも専門的な話になりますが、「検診の有効性」は「死亡率」のことになります。その他の指標(発見率など)は調べる集団によって動いたりするので、「検診の有効性」としては不十分と考えられています。

■自分の正常を知っておくことは大事
とはいえ、こういった団体も、自己検診は「死亡率の低下」というメリットは確認されていないものの、自分の「正常な状態」というものを知っておくのはよいことで、なにか普段と違ったことがあれば相談すること、というスタンスは変わりません。

実はこの「なんとなく変」という感覚、医療従事者としてはすごく大事だと思っています。例えば筆者が研修医のころ、腰痛で受診された患者さんを、先輩の先生が「なんか変だから」という理由で詳しい検査を行い、通常のよくある腰痛ではなく、「大動脈解離」という放っておくと死にいたることもある病気が発見されたことがあります。筆者が「なんでわかったんですか?」と聞くと、先輩は「なんとなく、痛がり方が普通じゃないから」と答えました。それくらい、「普通と違う」ということはそれだけで重要な情報なのです。

自分の体のことだとわかりにくいかもしれませんが、例えば自分の状態を自分ではっきり言葉で表せない小さいお子さんでも、毎日みているお母さんが、「何か違う」「元気がない」と思って病院に連れてゆくことはありますよね。その結果、実際に熱があったり病気だったりすることもままあります。そして、大抵小児科の先生も「いつもみてるお母さんがそういうなら、なにか違うんだね」と、その情報を重要視してくれますよね。それと同じです。

定期的な自己検診は、がんの死亡率といった意味では有効ではないとしても、乳がんにかぎらず、自分の体の「正常」を知っておくことは必要だと思います。
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