あなたの健康はお金で買えますか・・・? ■乳がん・子宮頸がん・卵巣のう腫・子宮内膜症
1

乳がんや卵巣がんの発症高まる“HBOC”って何?

再発を繰り返す卵巣がんは、近年、複数の治療薬の研究が進行中だという。東京慈恵会医科大学病院産婦人科主任教授で、国際婦人科癌学会および日本婦人科腫瘍学会常務理事の岡本愛光(あいこう)医師に今後の展望を聞いた。

*  *  *

進行がんで見つかることが多い卵巣がんですが、初回の化学療法が奏効しやすいことから、治療薬の研究が進んでいます。
がん細胞の特異的な性質を分子レベルでとらえて標的とする分子標的薬では、現在導入されている、

がんがもつ血管をつくりだす作用をブロックするアバスチン(血管新生阻害薬)とは異なる作用をもつ「PARP阻害薬(パープ・インヒビター)」という薬が治験中で、遺伝性乳がん・卵巣がん(HBOC)の人の卵巣がんに効果が期待されています。

HBOCは、特定の遺伝子に変異があって高率に乳がんや卵巣がんを発症するもので、卵巣がん患者さんの約1割はHBOCと考えられています。女優のアンジェリーナ・ジョリーさんがHBOCで、予防的に乳房と卵巣を切除したことが知られています。

わが国でもHBOCの検査・遺伝カウンセリング・治療体制づくりが進行中です。

 最近、がん細胞がヒトの免疫機能をブロックする仕組みを壊して、がん細胞に対する免疫を十分に働かせるようにする「がん免疫療法」が注目されています。

卵巣がんでも免疫機能をブロックするPD―1、PD―L1に対する抗体の研究が進行中で、有効性が報告されています。近いうちに治験が開始されるでしょう。

 また、患者さんの卵巣がんの遺伝子変化を特定して、確実に効果が見込める薬剤だけを投与するといった、治療を個別化する時代になりつつあります。

 このように、さまざまな新しい薬物療法に期待が寄せられていますが、合併症などで手術ができない症例を除いては、やはり卵巣がんの治療は手術によるがんの完全切除を基本に考えるべきだと思います。残存するがん細胞の数がゼロに近いほど、予後がいいことがわかっているからです。

 なお、明細胞腺がんや類内膜腺がんは子宮内膜症が原因となって、比較的ゆっくりと進行することがあります。子宮内膜症がある人は定期検診を欠かさないようにしましょう。

 卵巣がんを疑われたら、婦人科腫瘍専門医のいる、症例を多く手がける施設を受診してください。

みそ汁で乳がんリスク40%低下!驚くべきみその健康パワー6つ

日本人のソウルフードともいえる「みそ汁」。江戸時代には「みそは医者要らず」といわれたほどで、昔の人は経験的にみそが体にいいことを知っていたようです。

大量の汗をかき、食欲も減退する夏にも、みそはおすすめ。汗で失われた塩分を上手に補給できるうえ、たくさんの栄養素を含んでいるため熱中症&夏バテ予防にぴったりなのです。

また、発酵食品なので、栄養素の消化吸収がよいというのもうれしいところです。

それでは、最近の研究でわかった、みその健康パワーをご紹介していきましょう。

■1:毎日みそ汁を飲むと乳がんにかかりにくくなる

2003年に厚生労働省の研究班が、「みそ汁の摂取が多い女性は、乳がんになりにくかった」という調査結果を発表しました。

4県14市町村に居住する40~59歳の女性2万1,852人を対象に、みそ汁や豆腐、納豆などの大豆製品の摂取量と乳がんの発生率の関係を1990年から10年間にわたって追跡調査したところ、「みそ汁1日1杯以下」の人を1とすると、「1日2杯」の人は0.74、「1日3杯以上」の人は0.6という結果になったのです。

つまり、毎日3杯みそ汁を飲むグループでは、乳がんの発生リスクが40%も低かったということ。

■2:胃がんの発生リスクもみそ汁が下げてくれる

「みそ汁の摂取頻度と胃がん死亡率との関係」を調べた疫学調査(1981年、当時、国立がんセンター研究所の疫学部長だった故・平山雄博士)によれば、男女ともにみそ汁を飲む頻度が高い人ほど、胃がんによる死亡率が低いことがわかりました。

とくに男性の場合、「毎日飲んでいる人」と、「まったく飲んでいない人」をくらべると、「まったく飲んでいない人」のほうが、胃がんによる死亡率が48%も高くなっていることが判明したのです。

■3:みそ自体にアンチエイジング効果がある

活性酸素の働きによって細胞の老化は早まるのですが、みそに含まれる「DDMPサポニン」という成分が、活性酸素を消去するという研究結果があります(東北大学、故大久保一良教授)。

まだ成分ははっきりしないようですが、みそが熟成する過程で抗酸化力を高める物質が生まれていることは明らかなようで、紫外線によるシワやシミの予防、美肌効果も期待できます。

■4:みそには30%も減塩できる効果がある

塩分の摂りすぎを気にするあまり、みそは敬遠されがちでした。しかし共立女子大学家政学部・上原誉士夫教授の研究により、「同じ食塩量でも、食塩から摂取したときと、みそから摂取したときでは、後者のほうが30%の減塩効果がある」ことがわかっています。

■5:みそには血圧を下げてくれる効果もある

また、高血圧の原因のひとつに塩分の摂りすぎがあると考えられていますが、じつは、みそには血圧を下げる働きがあることもわかってきました。

血圧を下げる「高血圧防止ペプチド」という成分が、みそにあることが発見されたほか、腎臓から食塩の排出を促す利尿作用や、血管の内側の細胞を保護する効果があることから血流をスムーズに流し、血圧を下げていることなどが解明されてきているのです。

■6:みそ汁1杯の塩分はたったの1.2gしかない

とはいえ、やっぱり塩分量は気になりますよね。お椀一杯のみそ汁で、だいたい1.2gといわれています。1日の塩分摂取目標量は、成人男性で9g未満、女性で7.5gなので、健康な人であれば、そんなに気にする必要はなさそうです。

ちなみに、カップラーメン1杯は約4.8g、かけうどんで約5.6gもあるのです。この数値を見ると、汁は残そうという気持ちになりますよね。

話は戻りますが、みそ汁のなかには、いろんな具を入れますよね。この具を工夫することで、塩分の体内吸収をブロックすることもできます。

ポイントは、カリウムや食物繊維が豊富な食材を選ぶこと。

たとえば、カリウムや食物繊維が豊富なホウレンソウ、春菊、いも類、わかめ、ごぼう、コンニャク、きのこ類など。

定食で出てきて、なぜかほっとする、ジャガイモとわかめのみそ汁は、まさに利にかなった料理といえそうです。

毎日のみそ汁で、この夏を元気に乗り切りましょう。

胸の大きさは乳がんのなりやすさと関係あるか 医師の見解は

日本人の3人に1人ががんで亡くなるという、もはや身近な病気となったがん。

がんは食生活や生活習慣が大きな影響を与えるといわれているが、意外と勘違いされている常識も。今回は女性の罹患率が最も高い乳がんについて、秋津医院院長秋津壽男さんと国立がん研究センター予防研究部部長の笹月静さんに疑問を聞いた。

【疑問】乳がんになりやすいのは胸の大きい人と小さい人、どっち?

【回答】関係ない。

 胸の大きい人は乳がんになりやすいというが、真偽はどうなのだろうか?

「胸の大小で乳がんの発生率に違いはありません。ただ、胸が大きい人は小さなしこりが見つかりにくく、大きくなってから発見され、手遅れに…というケースも少なくないので、定期的な健診をオススメします」(秋津さん)。

【疑問】出産経験のある人とない人、どっちが乳がんになりやすい?

【回答】ない人。

 乳がんが増加傾向にあるのは、女性1人当たりが生涯で出産する数が減っていることも関係している。

「妊娠、出産が多いと生理の回数も少なくなり、女性ホルモンにさらされることが少なくなるので、リスクも低下します。また、授乳期間が長い女性ほど乳がんになりにくいという研究結果もあります」(笹月さん)。

娘の身体が壊れていく…」 子宮頸がんワクチンの副反応と闘う少女と母親たちの姿とは

ただ事ではないことが、今起きている――。『子宮頸がんワクチン、副反応と闘う少女とその母たち』(黒川祥子/集英社)を読んでそう思った。そして、テレビで見たことがある水俣病やイタイイタイ病などの公害病で苦しむ患者たちの姿、周囲の無理解による偏見や差別を思い出した。

 東日本大震災直後、日々放送されたACジャパンのCM。そのひとつに、仁科亜季子・仁美親子が出演し、子宮頸がんの怖さを訴えるものがあった(よく誤解されているようだが、ワクチン接種ではなく、検診をすすめる内容)。

子宮頸がんは、「ヒトパピローマウイルス(HPV)」によって子宮の出口に発生するがんで、発症率が高いのは20~40代の女性。日本では毎年約1万人が罹患しているという。この予防のために、製薬会社によってワクチンが作られたのだ。

 日本では厚生労働省が2種類のワクチンの製造販売を承認。2010年11月には「ワクチン接種緊急促進臨時特例交付金」が成立し、ワクチン接種は公費負担となった。

そして、2013年3月にワクチンの定期接種化が決められると、女子中学生を対象に自治体や学校から接種をすすめる通知が配布されるようになった。母親たちは国がすすめるならばと思い、何より娘の将来を思って受けさせたのだろう。

もしかしたら、繰り返し流された子宮頸がんを警告するCMの影響もあったのかもしれない。しかし、ワクチンの接種にサインをした母親たちは、後悔し自分を責め苛むことになる。接種後、重篤な症状が表れだしたのだ。

 最近、子宮頸がんワクチンを問題視する本が次々に発売されている。『子宮頸がんワクチン事件』(斎藤貴男/集英社インターナショナル)、『新薬の罠 子宮頸がん、認知症…10兆円の闇』(鳥集 徹/文藝春秋)は、ビジネスのためにワクチンの危険性がスルーされていることを訴えたもの。

そして、『子宮頸がんワクチン、副反応と闘う少女とその母たち』では、フリーライターの黒川祥子さんが副作用に苦しむ6人の少女とその母親を数か月にわたり取材。その恐ろしい実態が浮き彫りにされた。

 少女たちの内の一人の母親は、「日に日に、娘の身体が壊れていくんです。身体にエイリアンが入って、娘をめちゃめちゃにしていく」とインタビューに答えている。本書に見られる彼女たちの症状は、いずれもまさにこの言葉の通りだ。

まず、「ハンマーでどかんどかんと殴られる」と表現される頭痛。

それから、手足がバタバタと勝手に暴れ出すといった不随意運動、突然意識を失う解離、しまいには母親のことさえわからなくなる記憶障害を引き起こす。

このほかにも、痙攣、硬直、視覚障害、眼振、味覚障害、化学物質過敏、歩行困難、呼吸困難、嚥下障害など、挙げだしたらキリがない。少女たちは「いたい、いたい」と涙ながらに繰り返し、寝たきりを余儀なくされている。もちろん、学校には行けない。

 激痛に見舞われながら、さらに日に日に深刻化する症状に少女たちはおびえている。それだけでも、生き地獄のはずなのに、彼女たちが置かれている状況はもっと深刻だ。

病院に行っても、まともな治療が受けられないばかりか、医者に相手にされず、ときには本人が演技をしているだけだと「詐病」を疑われることさえあるという。

なぜならば、血液検査、頭部MRI、髄液検査、脳波など、さまざまな検査を受けても異常が見つからないから。思春期女子特有の精神的なものが原因とされ、心因性だと片付けられてしまう。

 2013年3月に発足した「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」は、厚生労働省にワクチンの危険性を訴え、副作用が出ている人への経済的援助を求めているが、厚労省は「因果関係は証明されていない」とする。

だから、本書に登場する少女たちは多彩な症状におびえつつ、心の問題が原因ではないことを証明するために人一倍強くあろうと必死だ。

「ワクチンのことで今、心が鬱みたいになっているのに、もしこれで自殺とかして死んじゃったら、厚労省の人たちは(中略)症状そのものが心因的だったって思っちゃったら、その人たちの思うつぼだから、どんなに苦しくても生きるって決めた」

 6人の少女たちの言葉はいずれも大人びていて、強い。周囲に弱さを見せることは、彼女たちに許されないのだろう。国や病院、学校の先生、あまつさえ友達から、無理解による屈辱的な言葉を吐かれる悔しさを思うと、顔がゆがむの抑えられなかった。

 厚労省は現在、子宮頸がんワクチンへの積極的推奨を一時中止している。しかし、著者の黒川さんが厚労省に対して行った書面による質問に、彼らは次のように答えている。

「(厚生科学審議会の副反応検討部会において)子宮頸がんの予防という接種の有効性と比較衡量すれば、定期接種を中止するほどリスクが高いとは言えないと評価されています」
「審議会で引き続き検討し、積極的推奨再開の是非を判断することとしています」

 まずは、多くの人に彼女たちのような存在があることを知ってほしい。この現実を認めてほしい。それだけで、少女たちとその母親たちの精神的な負担を和らげることができるのではないだろうか。

さらに、理解されることによってはじめて決めつけや偏見を取り除いたまっさらな状態で研究が進み、治療の進展にも結び付くはず…。そうして、彼女たちが一日も早くその苦しみから救われることを祈らずにはいられない。

子宮頚がんワクチン被害 病院も学校も自治体も見殺しの実態

子宮頚がんワクチンは安全性に問題がある――。こう言うのは、「子宮頸がんワクチン、副反応と闘う少女とその母たち」を上梓したジャーナリスト、黒川祥子氏。子宮頚がんワクチンの被害者少女6人と家族の“現実”を目の当たりにし、黒川氏が感じたのは「なぜ、このようなワクチンが少女たちに打たれたのか」という不信感だ。

 北海道在住のあすかさん(仮名・14歳)は、黒川氏の本の出版を今か今かと心待ちにしていたという。

「自分の気持ちを大人たちに伝えたいと、一時は意識混濁にまで陥った体をおして、胸のうちを語ってくれたのですが……。本が届く2日前、記憶を一切失い、家族のことも、トイレや食事の仕方も分からない、まるで赤ちゃんのようになってしまったそうです」

 あすかさんが子宮頚がんワクチンを打ったのは2012年、中学校1年生の時。接種後すぐから失神や頭痛を起こすようになったが、本人を含め誰一人としてワクチン接種がきっかけだとは思わなかった。「国が認め、公費負担でみんなに勧めているもの」だからだ。

 重篤な異変が起こったのは14年。失神と脱力を頻発し、頭痛が激烈になったが、脳神経外科では「頭痛薬の乱用」と門前払い。そんな時、母親が知人から子宮頚がんワクチンの被害について聞き、ハッと思い至った。

 ワクチン副反応の拠点病院を受診。担当医は「ワクチンのせいなんて、とんでもない」と断定し、詐病とみなす発言後、「娘に振り回されている母親が病状を増長している」と言い放った。

「彼女たちだけではない。取材した被害者少女と家族はみな、医師に詐病や心因性と決めつけられ、副反応どころか苦しさを認めてもらえないことに、まず傷ついていました」

 これ以降、あすかさんの病状はより悪化。意識を失う解離と覚醒を数分単位で繰り返す。股関節が肉離れを起こすほどの激しい足のバタバタなど不随意運動も頻繁で、あすかさんをケガなどから守るため、母親が馬乗りで押さえ込まなければならないほどだった。

「被害者少女を多数診ている中部地方の医師の検査で、前頭葉の髄膜の肥厚と、側頭葉の血流の低下が判明しました。効果があると思われる治療法を試そうとしましたが、いずれもあすかさんには向いていませんでした」

 その後、食事が困難になり、経管栄養で何とか命をつなぐという状態にまでなった。今また記憶を失い、母親に「お母さんを捜して下さい」と訴えているという。

「北海道の副反応の拠点病院は、いまだにあすかさんの症状を心因的なものと捉えている。むしろ家族はクレーマー扱いされています。中部地方の医師が障害者手帳を申請するための診断書を書いてくれたのですが、市から障害者認定が却下されました」

「ワクチン接種をした女子生徒への反響が大きい」という理由で、あすかさんの「現実」は学校でも非公表で、「頭痛で長期欠席」と説明されている。

 あすかさんのケースは、ほんの一例に過ぎない。子宮頚がんワクチンは340万人近くが接種し、今も継続して定期接種が行われている。一方、「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」への問い合わせは1300件超、被害者登録数は364人(2015年5月現在)。

「ワクチンはあれほど喧伝されましたが、子宮頚がんを予防する効果があることは証明されていないのです。このことは厚労省のリリースにも、小さい字ですが、ちゃんと書かれています」

 黒川氏は今後も被害者を支援する活動を続けていくという。

「この現状を知らない人は多い。“一生、子宮頚がんにならないワクチン”と思い込んでいる人もいます。ゲンダイ読者には娘を守れるのはあなただけ、とぜひ伝えたい」

子宮頸がんワクチン勧奨中止から2年 長引く「副作用」に泣き寝入り

子宮頸(けい)がんワクチンの接種後に全身の痛みやしびれを訴える報告が相次いだため、国が積極的に接種を勧めることを中断してから今月で丸2年が経過した。

副作用の追跡調査や健康被害への救済など国の対応が遅れる中、長引く「副作用」に苦しむ患者をどう支援するか、態勢の整備が急務となっている。

 北九州市の会社員梅本邦子さん(45)の長女(17)=当時高校2年=は昨年11月、朝、ベッドから起き上がってこなかった。めまいや頭痛、吐き気がするという。前日に風邪をひき、病院で注射を打っていた。

2、3日学校を休んでも、1週間過ぎても気分はよくならない。「いつまでもサボってないで、起きてきなさい」と娘を責める一方、次第に不安になっていった。

 子宮頸がんワクチンは3回接種しないと効果がないとされる。長女は中3の10月と12月に任意で、定期接種となった高1の5月に3回目を接種していた。3回目の接種から3日後に左足の付け根の痛みがあり病院に行ったが原因は分からなかった。

ワクチン接種後の健康被害を訴える患者や家族のブログを見ると、接種から時間が経過してから不調が起きることも多いことを知った。「もしかして…」。ワクチンの副作用を疑うようになった。

 これまで、内科、婦人科など複数の診療科を巡ってきた。大学病院も受診したが、体調不良の原因はいまだに分からない。

山口県内の病院に2週間に1回通院し、痛みを抑える薬を処方してもらっている。それでも長女の症状は回復せず、今春、通っていた県立高校を中退した。

 「将来への希望に満ちあふれるはずの時期に娘は苦しんでいる。体調不良とワクチン接種との因果関係を、専門家でない私たちが立証するなんて無理。このまま泣き寝入りするしかないんでしょうか」。この半年間、梅本さんの心が晴れることはない。

    §   §

 子宮頸がんワクチンの接種は、2010年秋ごろに各地で始まった自治体の公費助成で広がり、13年4月からは小学6年から高校1年相当の女子に対し、予防接種法に基づく定期接種になった。

しかし、副作用を訴える声が相次いだため、厚生労働省はわずか2カ月後の同年6月、全国の自治体に対し、ワクチン接種の「積極的な勧奨」を一時中止するよう勧告した。

積極的な勧奨とは、広報誌で呼び掛けたり、接種を促すはがきを各家庭に送ったりする行為だ。

 ただ、厚労省の有識者検討会は「定期接種を中止するほどのリスクは高くないが、安全性について国民に必要十分な説明ができる状態にない」として、リスクがあることを理解してもらって接種を受ける機会は残した。

希望者は今も接種している。厚生労働省によると、これまで約338万人が接種し、うち約2500人が全身のしびれなどの副作用を訴えている。

 厚労省は昨年10月から、副作用が疑われる約2500人の症例全ての追跡調査を実施中。結果がまとまれば再び接種を勧めるかどうかの議論を開始することにしているが「時期の見通しは立っていない」(結核感染症課)。

また、法に基づく定期接種で健康被害が出た場合は治療費などを補償する制度があり、これまで厚労省の認定審査会に14人が給付を申請したが、全員審査中で救済された例はない。

 国の対応が進まない中、独自に患者の支援に乗り出す自治体も出ている。患者の家族らでつくる「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」(東京)によると、横浜市や東京都武蔵野市、同杉並区、茨城県牛久市、北海道恵庭市、同美唄市が医療費の自己負担分助成などの支援制度を設けている。

同会の松藤美香代表は「国の勧めで接種したのに健康被害が救済されないのはおかしい。全国統一的な救済策を打ち出すべきだ」と訴えている。同会=042(594)1337。

23歳で子宮を全摘出…若い世代のがん患者支援を提言

阿南里恵(あなみ・りえ)さん 33

 子宮頸(けい)がんのため、23歳で子宮を全摘出した。厚生労働省がん対策推進協議会委員として2年前から、若い世代のがん患者支援を提言してきた。

 東京の不動産会社に勤めていた時に発病。死の恐怖と同時に「子どもを産めなくなって生きていく価値があるのか」と悩んだ。手術は成功したものの、体力の低下から復職はかなわなかった。

転職後も手術の後遺症による熱や足のむくみで残業はできず、欠勤することも。「本当に病気なの?」。同僚の心ない言葉に傷つき、「お荷物になっている」と転職を繰り返した。

 手術の5年後、経験を学校などで講演し始めた。涙を流しながら聞く学生らの姿に、「生きていいんだ」と自信が持てた。

 同窓会で子どもを連れた同級生の姿に寂しさも感じた。

昨年12月の協議会で、がん患者の生殖機能の温存と失った場合のケアに支援を求めた。がん患者や家族の体験談を伝えるラジオ番組のパーソナリティーも務め、治療で休業に追い込まれる自営業者の苦境を伝えている。

 18日で委員の任期を終える。「普通の社会人に戻ってもがんや生殖医療の啓発に関わっていきたい」(医療部 原隆也)

再発乳がん治療に光 ホルモン療法変えた“ポリフェノール”【追跡!医療新発見】

先頃、熊本大学発生医学研究所の中尾光善所長らが、ホルモン療法に抵抗性を持つ再発乳がんの仕組みを解明したと発表した。

乳がんの治療では、再発防止のため、経口薬によるホルモン療法が行われているが、数年たつと再発してしまうことがある。その仕組みを明らかにしただけでなく、新たな診断と治療の可能性も示された。

 【ESR1遺伝子を活性化するエレノア】

 多くの乳がんでは、女性ホルモンのエストロゲンと、その受け手のエストロゲン受容体が働き合うことで増殖している。ホルモン療法では、体内のエストロゲンを少なくすることで、乳がんの増殖を抑制。

ところが、エストロゲンが少ないはずの体内で、乳がん細胞が再び増え、治療抵抗性と呼ばれる再発乳がんになることがある。この仕組みが、今までわかっていなかった。

 「私たちが新たに発見したエレノアという分子(詳しくはRNA)が、体内でエストロゲンの少ない状態が続くと、ESR1遺伝子の近くから多量に作られることがわかりました。

エレノアがたくさん生じると、ESR1が強く活性化されて、乳がんでエストロゲン受容体をたくさん作るようになります。結果として、体内のエストロゲンが少なくても、乳がん細胞は増殖できるようになるのです」と、中尾所長は説明する。

 つまり、再発した乳がんは、体内の少ないエストロゲンを利用できるように、細胞の性質を変えていたのである。

 【ホルモン再投与で再発乳がん細胞死滅】

 今回の研究では、ポリフェノールの1種、レスベラトロールによって、エレノアやESR1の働きを阻害し、乳がん細胞の増殖を止めることも明らかにされた。

レスベラトロールは長寿遺伝子を活性化するなどといわれ、サプリメントとしても発売されている。

 「レスベラトロールの化学構造は、エストロゲンとよく似ています。そのため、エストロゲンのような作用をもっています。

レスベラトロールが、多量に生じたエストロゲン受容体に過剰に働きかけると、エレノアやESR1が抑制されるだけでなく、がん細胞が増殖停止し、死んでしまうのです」

 こう話す中尾所長によれば、ホルモン療法抵抗性の乳がんに対して、多量のエストロゲンを再投与する新しい治療法が、主な共同研究者である同大附属病院乳腺・内分泌外科(岩瀬弘敬教授)で行われているという。

長期のホルモン療法の後に再発した乳がんに対して、エストロゲンを急激に増やすと、がん細胞を封じ込めることが可能なのだ。

 「乳がんには、いくつもの異なるタイプがあり、性質も変わりやすい。この性質を見極めることが大切です。なぜエレノアがたくさん作られるのか。エレノアがESR1遺伝子をどう活性化するのか。

そのメカニズムの解明を現在進めているところです。それが、乳がんの基本的な性質、再発のしやすさ、早期発見や治療・予防法などにもつながるのではないかと思っています」と、中尾所長は話す。

 将来的に、乳がん診療では、エレノア検査とホルモン再投与が重要といわれる日が来るかもしれない。 (安達純子)

■乳がんのホルモン療法抵抗性とその治療の可能性
(1)ESR1遺伝子によりエストロゲン受容体が乳がんに作られる
(2)ホルモン療法で体内のエストロゲンを抑制
(3)エレノアが多量に生じ、多量のエストロゲン受容体が作られる
(4)がん細胞が再び増殖する(再発乳がん)
(5)レスベラトロールを大量に与えると、乳がん細胞は増殖停止や死滅する

約半数が“経験ナシ”と回答! 「乳がん検診」を受診しない理由とは?

年齢によっては自治体から検診費用の補助もあるほど女性のガンとしては珍しくはない「乳がん」。

ある程度の年齢からは、定期検査を受けたほうがいいとも言われていますが、実際に検診を受けたことのある人はどのくらいいるのでしょうか。働く女性のみなさんに聞いてみました。

Q.あなたは、乳がん検診を受けたことがありますか?
ある……54.4%
ない……45.6%

半数以上の人は受診経験があるようですが、まだ「受けたことがない」という人も少なくないよう。では、なぜ「乳がん検診」を受けないのか、くわしい理由を聞いてみました。

■費用が高い

・「高い。わざわざ時間とお金を割いて行こう、というタイミングがない」(27歳/農林・水産/事務系専門職)

・「全額負担がきついので」(29歳/小売店/販売職・サービス系)

・「まだ大丈夫だろうと思っている。市の無料検診の対象年齢になったら受けようと思っている」(30歳/機械・精密機器/事務系専門職)

・「無料検診が受けられる期間内に行くことができなかった」(22歳/不動産/営業職)

・「きっかけがないし、料金も高そう」(32歳/ホテル・旅行・アミューズメント/事務系専門職)

自費で検診を受けるには高いので、行っていないという女性は多いようです。自治体や職場で無料検診が受けられるなら行こうという気持ちはあるみたいですが、年齢的にまだという人もいるみたいですね。

■恥ずかしいし、痛そう

・「どうしたらいいかわかならいし、恥ずかしい感じがするから」(26歳/食品・飲料/営業職)

・「凄く挟まれて痛いと聞いてから勇気が出ないです」(31歳/その他)

・「マンモグラフィーが痛そうなのと、たぶんなってないだろうと思うから」(33歳/金融・証券/専門職)

マンモグラフィーにバストを挟まれて痛かったという経験談を聞いておじけづいてしまった人や、検診が恥ずかしいという人も。

■自分は乳がんにならないと思う

・「今のところ不安要素がないから。行くきっかけがないから」(27歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)

・「まだ自分には縁のない病気だと思っているので」(31歳/小売店/秘書・アシスタント職)

・「関係ないと思ってるし、面倒くさそう。お金もかかりそう」(33歳/アパレル・繊維/販売職・サービス系)

まだ自分は若いから乳がんの心配はないはずと思っている女性も少なくないようです。年齢が上がればリスクも上がるのは間違いありませんが、若いからといってならないわけではないので安心しすぎるのもよくありません。

乳がん検診を受診しない理由について、さまざまな意見が寄せられました。

国は40歳から乳がんの検診を推奨しているそうですが、遺伝的に乳がんのリスクがほかの人よりも高いという場合などは、早くから定期検診を考えたほうがいいことも。

また、若くても、月に1回は乳房のセルフチェックをすることはとても大切。乳がんは女性にとって決して他人事ではない病気なので、「私は大丈夫」とは思わず、しっかり考えていきたいですね。

「新しい病気」専門医も困惑する子宮頸がんワクチン被害

「がんを防ぐ夢のワクチン」として全国の女子中高生ら340万人が接種した子宮頸がんワクチン。

接種後の健康異常続出で国が「推奨中止」を打ち出してから丸2年が迫るが、国の被害者救済は進まない一方、実態解明に動く医師たちが現れ始めた。

 世界保健機関(WHO)は一貫して「ワクチンは有効」との見方だ。

昨年3月、日本の状況について触れるなかで「有効性と安全性を比べれば有効性が勝る」と評価し、「免疫反応などを引き起こしているという科学的エビデンスは存在しない」という声明を出した。

 これを受けて日本産科婦人科学会や日本産婦人科医会などは同年7月、国に接種の再開を要望した。「女性と家族の将来を守るための社会防衛上重要な手段」とし、ワクチン接種と子宮頸がん検診の二本柱で進めるべきだとの主張だ。

 だが、実際に患者を診る医師の中から真相解明の動きも出ている。

「なぜ最近こんなに10代が多いのか?」

 全身に激しい痛みが生じる難病「線維筋痛症」の患者に若い女性が増えていることに気づいたのは日本線維筋痛症学会理事長の西岡久寿樹・東京医科大学医学総合研究所長だ。

働き盛りの女性に多い病気のはずが、調べると、2009年以降に発症した10代の8割が、このワクチン接種後に痛みが始まっていることがわかった。

「線維筋痛症の診断基準は満たしているものの、それだけでは説明がつかない慢性疲労や失神、記憶障害や認知障害など、多様で多彩な症状が重層的に起きている」(西岡所長)

 原因を調べるために昨春、学会と難病治療研究振興財団で「病態究明チーム」を立ち上げた。

ワクチン接種を重要な引き金と見なし、接種するまでは健康だった人に表れたさまざまな症状はすべて「HPVワクチン関連神経免疫異常症候群(HANS症候群)」として治療法を探るという。

毎月のように医師たちが集まり、自ら診察した症例の紹介やデンマーク、フランスなどで公開された副反応情報を分析。国に副作用を報告した約2500人のデータを精査した結果、「重症者は国の発表した重篤数よりもっと多く、中枢神経関連の症状が最多を占める」などと学会で発表した。

 メンバーの一人で長年、小児の線維筋痛症患者を診てきた横田俊平・横浜市立大学名誉教授が言う。

「5人同じ病状の人が来たら一つの新しい病気を疑うのは臨床医の常識。川崎病もスモンもそれで見つかった。一臨床医の立場から、今まで見たことのない新しい病気が起きているとしか言いようがない」

 厚労省は現在、田村憲久・前厚労相の指示で、前出の副作用を訴える約2500人全員の追跡調査をまとめている最中だ。その厚労省の補助金で今年4月に新たな研究班が立ち上がった。

90人以上の重症者を診察してきた信州大学脳神経内科の池田修一教授を中心に、「HPVワクチン接種後の神経障害」を専門に研究・治療する。鹿児島大や愛媛大など8大学の神経内科がタッグを組む。

砂糖の量と間食を減らせば虫歯のリスクは劇的に下がる

虫歯を予防するためのポイントを理解しておこう。虫歯の発生に中心的な役割を果たすミュータンス菌は、砂糖からネバネバの物質(デキストラン)を生成して、歯垢(しこう)を形成する。この歯垢に集まったバイ菌が糖から酸を作り、歯の表面のエナメル質を溶かす。

現実的に砂糖を一切取らないことは難しいかもしれないが、コーヒーや紅茶に砂糖を入れない、砂糖を含む加工食品はできるだけ食べない、料理に使う砂糖の量を最小限にするなど、摂取量を減らすことはできるはず。それだけでも、虫歯のリスクは確実に減らせる。

 食べるタイミングも重要だ。特に注意すべきは間食。食事から一定時間が経過すると、酸性に傾いた口腔内が唾液の働きで中性に戻り、歯の補修(再石灰化)が行われる。しかし間食をすると、せっかく中性に戻った状態が再び酸性に傾き、再石灰化が進まなくなってしまうのだ。

 「どうしても甘いものを食べたいときは、食事と一緒に取ること。甘い飲み物やのど飴あめなど口の中に残るものは、ずっと間食しているようなものなので避けたい」と齋藤さんは助言する。


アドバイザー●木野孔司さん
東京医科歯科大学准教授

東京医科歯科大学歯学部口腔外科第一講座助手を経て、2000年から歯学部附属病院の顎関節治療部部長(准教授)。TCHに詳しい。近著に『自分で治せる! 顎関節症』(講談社)

アドバイザー●齋藤 博さん
サイトウ歯科院長

1976年、東京医科歯科大学歯学部卒業。77年、「自分の歯を生涯使用してもらう」をテーマに東京・新宿で歯科開業。木野さんとともに「次世代の顎関節症治療を考える会」を主宰

子宮頸がんワクチン被害 “置き去り”にされ自治体が救済へ

 筋肉のけいれんや脱力、嘔吐、過呼吸、呼吸困難、さらには記憶障害……。これらは、子宮頸がんワクチンを接種した若い女性たちにみられる症状だ。

子宮頸がんワクチンは、子宮頸がんを防げるワクチンとして、13年4月からは予防接種法の一部改正で「定期接種」となったが、接種後の健康異常続出。彼女らの健康被害の訴えは続くなか、国の救済が進まない。

 定期接種化されるまでこのワクチンは「任意接種」だったため、健康被害を受けた少女たちを救済するには、通常の医薬品の副作用に対応している「医薬品副作用被害救済制度」しかない。

運用しているのは厚労省所管の独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」(PMDA)。

 今回の被害では、PMDAに今年3月末までに計83人が申請した。ところが「ワクチンの副反応」として医療費の支給が認められたのはわずか18人。7割近くは「審査中」、8人は不支給とされた。

 その背景として国の副反応検討会が14年1月、「(接種後にさまざまな症状が出ることは)接種時の痛みや不安、恐怖などがきっかけで引き起こされた心身の反応で、ワクチンとは無関係」と結論づけたことを指摘する関係者は多い。

薬害を監視する民間団体「薬害オンブズパースン会議」のメンバーは「厚労省が心の問題と言ってるのに、国の別機関がワクチンの副反応としたらまずいとの判断が働いているのでは」と見る。

 そもそもPMDAへの申請手続きを完了するまでのハードルも高い。診断書類の提出が不可欠だが、ワクチンの影響と見なさない医師には診断書を出してもらえないのが実態だ。

 被害者が連帯して13年3月に発足した、「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」は現在、接種後に体調を崩した約350人が実名で登録している。少女たちはLINEでつながり、保護者同士が治療情報を共有しながら支え合う。

しかし医師から相手にされずに病院を転々とし、同会の院内集会で娘(18)の体調異常を涙ながらに訴えた北海道恵庭市の金澤千世(40)さんを含め、書類集めの段階で挫折するケースは少なくない。

 このように被害者が置き去りにされる状況を見かね、手を差し伸べる自治体が現れ始めた。

 恵庭市は今年1月、金澤さんへの医療費の支給に踏み切った。保険診療の自己負担分を全額支払う上、硬直した体のマッサージなどの保険外診療についても半額を、5万円を上限に出す。担当の武田憩一保健課長が言う。

「13年10月に金澤さんから『娘の症状はワクチンの副反応ではないか』という電話を受け、市長や保健師や担当部長らが自宅へ様子を見に行きました。

そこでこんなにひどいのかと驚いた。すぐに接種した病院に働きかけ、国に副反応報告を出してもらったんです」

 市を介して北海道へも障害者手帳を申請。現在審査中だ。美唄市も同じ時期に同じ条件で、1回目の接種直後から娘(17)が重い健康障害に苦しむ佐藤美也子さん(42)さんに支給を始めた。

 これより先に動いていたのは横浜市。14年6月から今年2月末までに15人に対して計725万円を支給した。担当者が説明する。

「接種したのは地元自治体。その結果、苦しんでいる人が目の前にいるなら、身近な私たちが動くのは当然ではないでしょうか」

 このほか医療費支給という独自支援に乗り出したのは東京都杉並区や武蔵野市に加え、茨城県牛久市は車椅子でも通えるよう中学の校舎を一部改修した。恵庭市へは自治体から問い合わせが殺到しているといい、今後も広がりそうだ。

乳がん検診、リスクよりも恩恵の方が大きい

乳がん予防検診を受けることで得られる恩恵は、その危険性(リスク)よりも大きいとする研究論文が、30日の英医学専門誌ランセット(The Lancet)に掲載された。論文は乳がん検診を受けることで、より多くの女性の命が救われると主張している。

 乳がん検診をめぐっては、生涯にわたって発症することはなかったり、検診を受けなければ乳がんと診断する必要はなかった例にまで手術や放射線治療などを行ってしまう過剰診断の危険性について、これまで多くの議論がなされてきた。

 今回の論文は、英国の政策立案者への提言を目的に、保健省のイングランドがん医療責任者、マイク・リチャーズ(Mike Richards)氏と英国がん研究所(Cancer Research UK)のハーパル・クマル(Harpal Kumar)最高経営責任者(CEO)が設立した独立専門家委員会がまとめたもの。論文は調査の結果、「乳がん検診により余命は伸びる」と結論づけている。

■「代償もあるが恩恵が上回る」

 英国では50~70歳の女性に3年に1度のマンモグラフィー(乳房X線撮影)検査を行っているが、研究チームが英国で長期間にわたって実施されてきた乳がん検診データを分析した結果、

乳がん検診は死亡率を20%低減させていたことが分かった。これは検診を受けた女性の180人に1人の死亡を予防したことを意味する。

 このことから、英国の乳がん検診プログラムは「毎年およそ1300人の乳がんによる死者を防いできたとみられる」と論文は述べている。

 その一方で検診による代償もあった。検診で乳がんと診断された例の20%近くは、何の症状も起きないものだった。

 この結果から、委員会は50代以降の英国人女性1万人が20年間にわたって乳がん検診を受け続けた場合、681人が乳がんと診断されると推計。そのうち129人は過剰診断の可能性があるが、43人の死亡を防ぐことができるという。

 ランセット誌も論説のなかで、「英国の乳がん検診プログラムは(女性たちの)延命に貢献しており、総合的には害よりも恩恵の方が大いことを研究は示した」とし

、「乳がん検診について『インフォームド・チョイス(情報公開に基づく治療の選択)』を行えるよう、この乳がん検診に関する最新の研究結果を女性たちに完全公開し、アクセス可能とする必要がある」と述べている。

 その一方で、今回分析したデータがすべて20年以上前のものであることから、研究チームは結果には限界もあると述べている。

■賛否両論の乳がん検診

 乳がん検診による恩恵が過剰診断による害を上回るか否かについては、がん専門家らの間で長年、議論が続いている。

 乳がん検診でがんと診断された場合、たいていは手術や放射線治療、化学療法などを受けることになる。これは、乳がんでは生涯にわたって増殖しないとの判断が不可能だからだ。

 今年8月には、50歳の女性が乳がんで10年以内に死亡する確率は、乳がん検診によっても0.53%から0.46%にしか低下しないと指摘した論文が、英国医学会会報「BMJ」に掲載された。

これによれば、乳がん検診を10年間にわたって毎年、受けていた女性の約半数が、少なくとも1回は偽陽性(確実ではないが陽性の可能性もある)と診断され生体検査を受けているという。

 2010年にも、マンモグラフィーによる乳がん死亡率の低減効果はほんの「わずか」にすぎないとする論文が、米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」に掲載されている。

30代~40代に多いと言われている子宮筋腫ってどんな病気?

子宮筋腫という病名を聞いたことがありますか?ここでは、子宮筋腫とはどの様な病気か、その最新事情もあわせてみてみます。

◆子宮筋腫とは?
子宮はそもそも、そのほとんどが筋肉でできた臓器です。骨盤内にありますが、膀胱と直腸の間にあり、太くて丈夫な靭帯で支えられています。

子宮は、外側から漿膜(しょうまく)という薄い膜、子宮筋層という筋肉でできた層、子宮内膜というビロードのような膜の、3層から出来ています。

子宮筋腫とは、この子宮筋層の部分にできる良性の腫瘍です。

腫瘍と聞くとがんではないか?と思うかもしれませんが、子宮筋腫は筋肉の一部がコブのような固まりになったもので、がんのようにどこかに転移したり、健康な他の細胞や組織を破壊することはありません。

また、子宮筋腫が子宮がんになることもありません。

問題になるのは、子宮筋腫の大きさや数により、生理の出血量が増えたり、尿が近くなるといった症状が現れた時です。子宮筋腫は1つだけのこともありますが、多くの場合は2~3個、多い人では小さなものでも100個以上できることもあります。

◆子宮筋腫は増えている?
子宮筋腫は女性特有の病気の中でも、最も患者数が多く、現在では30歳以上の女性の20~30%、40歳を超えると40~50%に子宮筋腫がある、といわれています。

しかしここ数年、20歳代での子宮筋腫の患者さんも増えており、理由としては初経年齢が早まっていること、がん健診などを受ける人が増えたこと、若い頃から婦人科を受診する人が増えたことなどが、その理由ではないかともいわれています。

◆子宮筋腫の最新事情あれこれ
子宮筋腫になる原因ははっきりしていませんが、人種による差があることが分かっています。白人女性にくらべて黒人女性の方が2~3倍の発生頻度があります。

また、肥満の人は子宮筋腫になりやすい傾向があり、動物性たんぱく質を多くとることが影響しているのではないかともいわれ、ハムを好んで食べる人は1.3倍、牛肉を好んで食べる人は1.7倍、子宮筋腫が多くみられるという報告があります。

他にも、ビールが好きな人は子宮筋腫が増加し、逆に喫煙者は発生の確立が低いのでは、という研究があります。

子宮筋腫は女性ホルモンと関係しています。

一度できた子宮筋腫が自然に無くなることはありませんが、ある程度の大きさから変わらないこともありますし、逆に小さくなることもあります。特に閉経後は大きくなることはなく、小さくなることが多いようです。

また妊娠中は大きくなっても、産後に小さくなることもあります。

子宮筋腫の治療法はいくつかありますが、状態によっては妊娠・出産も可能ですし、特に自覚症状が無い場合は、そのまま経過観察になることもよくあります。

症状が強くて日常生活が辛い場合を除いては、あまり心配し過ぎず、うまく付き合っていけば良い病気でもあるのです。

子宮内膜症はいくつか種類があるって知ってた?

子宮内膜症は、子宮内膜に似た細胞が増殖・出血する場所や、発生の仕方によっていくつかの種類があります。

子宮内膜症が発生しやすい場所は、骨盤の中に納まっている下腹部の内部です。

腹膜(お腹の内側や臓器を覆っている膜)や臓器の表面、例えば卵巣の内部や表面、子宮の表面、ダグラス窩(直腸と子宮の間の隙間)、腸や直腸などです。稀ですが、へそや肺にも発生することがあります。

子宮内膜症がどこにどのように出来ているかによって、いくつかの種類があります。

どこに何ができるの?「子宮内膜症」の症状

◆腹膜子宮内膜症(腹膜病変)
腹膜や、骨盤内の臓器の表面に発生します。腹膜病変ともいわれ、子宮内膜症であれば必ずといっていいほど見られる病変(病気によって起こる体の変化)です。

病変の大きさは数ミリメートルくらいのものがほとんどで、腹膜などの表面にバラバラと散らばっています。

子宮内膜症の中では軽い方で、これだけであれば自覚症状もなく、できては消えてまた別の場所にできる、ということをくり返しています。内診や超音波検査で見つけることが難しく、実際にお腹の中をみないとはっきりとは分かりません。

癒着しやすいといわれ、さらにできたばかりの腹膜病変が出すサイトカイン(化学物質)が骨盤内の環境を悪化させることで、不妊の原因になると考えられています。

◆卵巣のチョコレートのう腫
卵巣の中に子宮内膜症が発生した状態で、卵巣の中に不要な血液が溜まり、ドロドロに溶けたチョコレートのように見えることからこう呼ばれています。

超音波検査で見つかることが多く、子宮内膜症としてはかなり進行した状態にあるといえます。

チョコレートのう腫そのものが痛むことはありませんが、骨盤の壁に癒着していることが多いため、様々な痛みの原因となります。ある程度の大きさまでふくれると破裂し、激痛があります。こうなると緊急手術が必要になります。

また卵巣がチョコレート状の血液で埋まっていると、その卵巣からは正常な排卵ができません。さらに周囲の臓器との癒着により、排卵しても妊娠しにくい状態になり、不妊症の原因になります。

◆ダグラス窩深部病変
子宮の後ろ側(背中側)には直腸とそれを覆う腹膜がありますが、この間にある狭くて深い隙間をダグラス窩といい、ここにできる子宮内膜症をダグラス窩深部病変といいます。子宮内膜症の中でも、最も痛みが強く出るタイプです。

ダグラス窩は、座った時に骨盤の中で一番深い場所になり、子宮内膜症に伴う不要な血液が溜まりやすい場所です。ここで子宮と直腸が癒着して隙間が埋まってしまうと、排便時に引きつられて強い痛みが出ます。

また子宮が直腸側へ引っ張られて後屈(後ろ側へ曲がる)すると、性交時にも癒着したところが引きつられて強い痛みが出ます。この癒着は手術で剥がす必要がありますが、直腸や血管、近くにある尿管などを傷つける可能性があるため、難しい手術です。

超音波検査やMRIでも確定診断をするのが難しく、実際にお腹の中をみても分かりにくい場所であるため、最近まで見つかることが少なかったといわれています。

ただ、直腸を通じて可能性を探ることができるため、排便時や性交時の痛みがある場合は、内診でも直腸診が必要になります。

◆子宮腺筋症
子宮内膜症が子宮の筋層(筋肉でできた層)の中に入り込んで発生します。子宮の筋肉が部分的に盛り上がるものと、全体的に入り込んで子宮が大きくなるものがあります。また子宮の表面の大きさが変わらなくても、筋層内で病変が広がっているものがあります。

子宮腺筋症は子宮の筋層が厚く・硬くなるため、子宮が収縮する月経時に、強い痛みがある場合があります。また月経量も多くなることがあり、知らないうちに貧血となっていることもあります。

「羊毛とおはな」のはなさん死去、36歳。若い世代にも増えている「乳がん」とは?

4月8日、アコースティックデュオ「羊毛とおはな」のボーカル、千葉はなさんが厚生連高岡病院にてご逝去されました。

2004年インターネットのバンド募集で出会ったギターの市川和則氏と共に「羊毛とおはな」を結成され、2007年にデビュー。女性らしい柔らかな歌声で人気を集め、CMや映画音楽を手がけるなど幅広い活動をされていました。

報道によると死因は「内臓疾患」とのことですが、公式ブログによるとはなさんは平成24年の7月に「乳がん」と診断され、歌手活動を休養されながら闘病生活を送られていたそうです。

36歳という若さでこの世を去られたはなさん。最近では、若い世代の人にも急増している乳がんについて簡単に説明します。

◆12人に1人の割合!女性で一番多いがんは「乳がん」
乳がんとは、乳房の組織である「乳腺」から発生するがんです。 乳腺は母乳をつくる「小葉」と母乳が通る「乳管」から構成されており、およそ9割が乳管で発生します。

乳がんは大きく「浸潤がん」と「非浸潤がん」に分かれ、浸潤がんになってしまうとがん細胞が乳房内の血管やリンパ管に流れてしまい、乳房以外の他の臓器に転移してしまいます。

国立がん研究センターの調査によると、乳がんは女性で12人に1人の割合で罹患するリスクがあり、女性が一番かかりやすいがんなのです。

◆乳がんになりやすい人とは?
乳がんになりやすい年齢は、ピークとしては40歳代なのですが、現在では30歳代での発症も増えてきています。

乳がんの原因としては、初経が早かった人、妊娠・出産・授乳した経験がない人、出産回数が少ない人は、結果的に月経の経験回数が多く乳腺への刺激が多いため、乳がんになりやすいといわれています。

また、脂肪分の高い食事はエストロゲンの分泌を増やすので、食生活の欧米化やアルコール摂取量が増えたことなども、乳がんになりやすい要因です。

さらに、母親や姉妹などの家族に乳がんだった人がいる人は、遺伝的に乳がんになるリスクが高くなります。この他、過去にホルモン療法を行った経験がある人(現在治療中の人)、閉経後に太った人も、乳がんになりやすいといわれています。

◆早期治療が有効!検診とセルフチェックで異常を発見できる
がんは早期に発見して治療すれば、治癒する可能性が高いことも分かっています。早期発見ならば、乳房を温存するなど自分が希望する手術や治療法を医師と相談することもできます。

乳がん検診は少なくとも2年に1度は受けるようにしましょう。職場での健康診断でもできるほか、多くの自治体では住民健診として実施されています。

また、乳がんは自分で見つけられる数少ないがんのひとつです。鏡の前で両方の乳房に異常がないかを観察しましょう。

その後、仰向けに寝て腕を挙げた状態で指の腹で乳房と脇の下をまんべんなく触って、しこりなどの違和感がないか、乳頭をつまんで血のような分泌液が出ないか確かめてください。

セルフチェックは生理が終わって1週間前後に行うのがよいでしょう。月に1度セルフチェックを行えば、乳がんの早期発見につながります。

乳がんは早期発見、早期治療が非常に有効ながんだと言われています。また、近年では若年化がすすみ、20代、30代で発症も増えているがんです。

「まだ私は大丈夫」なんて思わずに、改めて自分のカラダを振り返ってみてはいかがでしょうか?

参考:
「羊毛とおはな」オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/youmoutoohana/

今すぐ確認したい!乳がん危険度をはかる8つの質問

■現代女性の14人に1人!?女性の罹患率ナンバーワン

女性であれば一度は気にしたことがあるであろう乳がん。実は現在日本人女性が患う癌の中で患者数が一番多いのが乳がんなのです。

その数はなんと、年間約6万人(2010年60,871人、国立がん研究センターがん対策情報センター統計より)。日本人女性の14人に1人が生涯で乳がんにかかる可能性があるといわれています。

1クラスに1人は乳がんにかかる可能性がある女性がいると思うと多いと思いませんか?

胸(バスト)の大きさとモテに相関関係はあるのか?

しかし、これほどかかる可能性が高い病気にもかかわらず、乳がん検診を受けたことがある人は日本人女性の3割ほどしかいないというのが現状。「年齢的にまだ早い」「癌家系ではないから関係ない」と思っている人が多いようです。

しかし、女性の癌患者のなかでは最も人数が多いのは乳がん。しかも年々患者数は増えており、決して他人事だと思って無視するべきではない病気です。

■今すぐ確認したい乳がん危険度をはかる8つの質問

ここでは、神奈川県のホームページで掲載している乳がん危険度をはかるチェック項目を紹介します。あなたの危険度はどのくらいでしょうか?

1)乳がん検診を受けたことがない
2)家族(祖母、母、姉妹)に乳がんになった人がいる。
3)乳腺症などの乳腺疾患になったことがある。
4)初潮が早く(11歳以下)、閉経が遅い(55歳以上)。
5)女性ホルモンを使用したことがある。
6)初産が30歳以上、または出産経験がない。
7)カロリーの高い食べ物が好きだ。または肥満である。
8)アルコールをよく飲む。

上記のチェック項目で該当する番号が多い人ほど、乳がんの危険度が高めです!今すぐ生活習慣を見直し、まずはがんにかかりにくい生活を送るよう心がけましょう。

また、もし質問1の乳がん検診をまだ受けたことがない、もしくは受診してから長い時間が経過してしまっている人は下記に記載するセルフチェックでチェックしてみるのもオススメです。

■今すぐできる!乳がんセルフチェックの方法

チェック方法1)鏡の前で乳房の形をチェック

鏡の前に手をおろした状態でリラックスして立ち、乳房に違和感がないかを確認します。次に両手を上下し、正面・側面・ななめと様々な角度からよく観察します。

この時、確認するポイントは以下3つです。

・乳房の形や大きさ、高さに左右で違いがあるか
・乳房の皮膚の一部や乳頭がくぼんでいたり、乳房が変な方向を向いていないか
・乳頭から変な分泌液がでていないか

※もしなにか違和感がある場合は乳腺科への受診をおすすめします。

チェック方法2)仰向けになって乳房にしこりがないかをチェック

仰向けになり、背中の下に低めの枕やバスタオルを折りたたんだものを入れ胸がきちんと張るようにします。このとき、左胸を調べるときは左手を頭の下に入れるようにするとより調べやすくなります。

まず、右手の指で左の乳房の中央から乳頭へ向かってやさしく滑らせ、しこりの有無を調べます。

内側半分をまんべんなく調べたら、次に左の外側から同じく乳頭へ向かって滑らせ、同様にしこりの有無を確認します。脇の下も指の腹でしこりがないかしっかり確認しましょう。

最後に乳頭を軽くつまんで、血のような分泌物がないかを確認します。

セルフチェック方法は以上です。なるべく、生理後の乳房のはりが少ない4日~5日目に毎月この方法でチェックすることをオススメします。もし、なんらかの異常や違和感を見つけた場合は早いうちに乳腺科で検診を受けましょう。

■罹患率は高いが、死亡率は低い乳がん

癌は血管やリンパ管を通り、他の体の部位へ転移するということはみなさんご存知かと思いますが、乳がんも例外ではありません。ですから、がんの早期発見は他へ転移させないという点でも非常に重要です。

また、幸いなことに、乳がんは他のがん細胞に比べて増殖がゆるやかだといわれています。ですから、早いうちに発見することで、他への転移を防ぐだけでなく、治癒率も高くなるのです。

最近のデータでは、2センチ以下のしこりで、リンパ節への転移がない状態であれば、約90%の人が10年生存している、つまりほぼ完治しているという結果が出ています。

また、乳がんの治療といえば、乳房の切除というイメージが強いのですが、がんが小さいうちに発見できれば、乳房をすべて切除しなくても一部分の世知所または、抗がん剤での治療が可能です。

自分の大切な体を守るためにも、定期的な検診と毎月のセルフチェックをきちんと行いましょう。

\

国の救済は? 子宮頸がんワクチン副作用問題

子宮頸がんワクチンは、2009年12月から一般の医療機関で予防接種が始まりました。他の国ではもっと早くからこのワクチンの接種が始まっていたので、日本ではまだ歴史の浅いものです。

そして、2013年4月には、小学校6年から高校1年の女子を対象に定期接種化されました。

しかし、同年6月になって、厚生労働省の厚生科学審議会専門部会が、複合性局所疼痛症候群という副作用との関連を指摘し、積極的に接種を薦めることは控えることになり、定期接種の対象としては外さないが、勧奨はしない、という何とも曖昧な状態になりました。

これまでの接種者は、338万人、その内2475人の副作用報告が上がっています。

◆子宮頸がんワクチン
子宮頸がん予防ワクチンは、ヒトパピローマウィルスワクチンで、HPVワクチンと呼ばれます。接種の方法は、半年以内に3回接種するよう定められています。

接種の時期は、性行為を経験する前に接種したほうが感染リスクは減るので、小学校6年から高校1年までが定められました。

日本では年間9000人が子宮頸がんを発症していて2700人が亡くなっています。ですから、予防接種で発症を防ぐためにと定期接種になったわけですが、深刻な副作用があるために、定められた期間内に無料で打つことはできますが、国は積極的には奨励しない、という矛盾した状況になっています。

◆ワクチンの副作用か?
副作用としては、HPVワクチンを接種して1年以上経ってから、全身の痛み、月経異常、身体の震え、歩行困難、下痢、記憶障害など、さまざまな症状が次々と起こってきました。

厚生労働省は当初、「心身の反応」「自然発症の紛れ込み」としていましたが、それでは説明がつかない事態になりました。

2014年3月末までに研究チームによって厚労省に報告された2475例を調査分析した結果、重い症状は617例、その内176例を「心身の反応による痛みや運動障害」としています。

副作用の発生時期が患者によって異なることや、リハビリである程度の症状が改善することなどから、副作用ではなく、「接種時の痛みや不安がきっかけとなって表れた」「心身の反応だった」という見解を出しました。

しかし、一方では、「より科学的な議論を慎重に行い、結論を出していく必要がある」とも言っています。

◆救済は未決定
予防接種による健康被害が起きた場合、入院費などを補償する国の救援制度があります。定期接種であるHPVワクチンは、13件の申請がありますが、現在のところ1件も結論がでていないとのこと。

また、定期接種について給付の可否を決める審査会は約2か月ごとに開かれていますが、同ワクチンについては諮問されたことはないそうです。厚生労働省の担当者は、「書類がそろわないなどの個別の事情で諮問できていない」と説明しています。

◆自治体が健康被害への支援
一方、国に代わって自治体が支援を進めるケースが広がっています。東京都杉並区、横浜市、北海道美唄市、恵庭市、茨城県牛久市、武蔵野市、などが治療費助成制度を設けています。

横浜市は、すでに15人に計約730万円を助成しているそうです。愛知県碧南市でも同様の動きがあります。

武蔵野市は「本来国が救済すべきだが、市内にも被害者がいることがわかり、『なにかやるべきだ』との声が高まった」と話しています。

ワクチンだけじゃない!「子宮頸がん」の予防効果が期待される機能性食品「AHCC」とは?

今や働く女性が珍しくない時代。仕事や子育て、プライベートに…そんな忙しい毎日を過ごしているうちに自分の身体に無関心になり、体調を崩したり、不調を訴える人も珍しくありません。

女性特有の病気についても他人事ではなく、年々増加傾向にあります。

株式会社アミノアップ化学は、女性特有の病気である「子宮頸がん」の予防効果が期待できる「AHCC」の最新研究結果を発表しました。

ここでは、「子宮頸がん」の基礎知識や予防方法へのアプローチ、予防効果があるという「AHCC」について、みてみましょう。
.
◆他人事じゃない「子宮頸がん」20代から30代で急増する罹患率!

子宮頸がんは、子宮頸がん患者の99%が感染しているHPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスが原因だと考えられています、HPVは女性の約80%は知らない間に感染し、 20~40代の若い年齢での感染者数が増加しているとも言われています。

しかし、HPVに感染したら必ずしも子宮頸がんになるわけではありません。

ほとんどの場合、感染しても免疫力によって体から自然に消滅します。しかし、体質によってはなかなかウイルスを体の外に追い出すことができないことがあります(これを持続感染といいいます)。

また、HPVの種類も様々であり、がん化の危険性の高い種類のHPVのウイルスに持続感染した場合、がん化のリスクが高まります。したがって、予防注射を接種する、がん検診をきちんと受けるなどで発症の危険性をへらすことができます。
.
◆子宮頸がんの予防効果が期待される機能性食品「AHCC」

2014年10月29日、「第11回アメリカ癌統合医療学会(米国・ヒューストン)」において、「ヒトパピローマウイルスに感染した女性にAHCCを投与するとウイルスが死滅する」という研究結果が発表され、学会賞を受賞しました。

先に述べたとおりHPVは子宮頸がん患者の99%が感染していることから、原因がウイルスであると考えられていますが、これを除去する医薬品はこれまでに開発されていません。

2013年10月にアメリカで開催された癌統合医療学会(SIO)及び、2014年3月開催の婦人科腫瘍学会(SGO)において“動物モデル実験”について発表された研究成果が世界中で注目を浴びましたが、今回の発表は、この結果を基に“ヒト”への応用を目指して実施した予備臨床試験です。

現在、本研究は更に大規模な試験を計画しており「AHCC」の作用とHPV死滅の因果関係解明についての研究が進められています。

今後の研究成果によっては、全世界で多くの女性の命を奪う子宮頸がんが、機能性食品を摂取することで予防できるようになるかもしれない、と期待が寄せられています。

◆機能性食品「AHCC」とは?

AHCC(Active Hexose Correlated Compound:活性化糖類関連化合物)とは、シイタケ(Lentinula edodes)属に属する担子菌の菌糸体培養液から抽出されたα-グルカンに富んだ植物性多糖体の混合物です。

これは、医薬品ではなくいわゆる健康食品・サプリメントとして、開発国の日本のみならずヨーロッパ、アメリカ、アジア、オセアニアなど広範囲で販売されており、現在では統合医療の一手段としても取り入れられています。
.
◆本発表をした教授・ジュディス・スミス氏

テキサス大学ヘルスサイエンスセンターの女性の健康のための統合医療研究チームのリーダー。女性の健康、がんに関連した薬理学的な手法を用い、栄養およびハーブ・サプリメントの安全かつ効果的な使い方に焦点を当てた研究を行っている。

参考:株式会社アミノアップ化学
http://www.aminoup.co.jp

いま若い世代に急増!「乳がん」「子宮がん」の基礎知識

女性特有のがんである「乳がん」と「子宮がん」。これらのがんは発生リスクが高まる、高齢になってからかかるものだと思われているかもしれません。

しかし近年は若年化がすすみ、20代や30代で罹患するケースが増えてきています。""まだ私は大丈夫""なんて言っていられません。改めて乳がんと子宮がんについて考えてみませんか?

◆女性で一番多いがんは「乳がん」!
乳がんとは、乳房の組織である「乳腺」から発生するがんです。乳腺は母乳をつくる「小葉」と母乳が通る「乳管」から構成されており、およそ9割が乳管で発生します。

乳がんは大きく「浸潤がん」と「非浸潤がん」に分かれ、浸潤がんになってしまうとがん細胞が乳房内の血管やリンパ管に流れてしまい、乳房以外の他の臓器に転移してしまいます。

国立がん研究センターの調査によると、乳がんは女性で12人に1人の割合で罹患するリスクがあり、女性が一番かかりやすいがんなのです。

◆検診とセルフチェックが治癒の可能性を高める
がんは早期に発見して治療すれば、治癒する可能性が高いことも分かっています。早期発見ならば、乳房を温存するなど自分が希望する手術や治療法を医師と相談することもできるのです。

ですので、少なくとも2年に1度は医療機関での検診を受けることが望ましいでしょう。検診は職場での健康診断でもできるほか、多くの自治体では住民健診として実施されています。

また、乳がんは自分で見つけられる数少ないがんのひとつです。鏡の前で両方の乳房に異常がないかを観察しましょう。

その後、仰向けに寝て腕を挙げた状態で指の腹で乳房と脇の下をまんべんなく触って、しこりなどの違和感がないか、乳頭をつまんで血のような分泌液が出ないか確かめてください。

セルフチェックは生理が終わって1週間前後に行うのがよいでしょう。月に1度セルフチェックを行えば、乳がんの早期発見につながります。

◆日本で増えている「子宮体がん」と若い女性に急増する「子宮頸がん」
子宮がんには子宮の奥の子宮体部にできる「子宮体がん」と、子宮の入り口の頸部にできる「子宮頸がん」があります。

子宮体がんは子宮内膜に多く発生し、閉経後の年代に多いがんです。

しかし近年では、欧米型の食生活や妊娠・出産経験のない女性が増えていることから、若くても発症するケースが増えています。

子宮頸がんはヒトパピローマウイルスが関与しており、性交経験のある女性なら誰もがかかる可能性があります。20代~30代の女性が患うすべてのがんの中でトップです。

◆自覚症状がなくとも検診を受けるべき
子宮体がんは比較的早期に不正出血などの自覚症状が現われますが、子宮頸がんに関しては早期の自覚症状が少ないのも特徴だと言われています。

生理以外の出血、性交中の痛みや出血、おりものの異常、下腹部や腰の痛みなどの症状が現われたときにはすでに進行している場合が少なくありません。

早期発見のためには、定期検診が肝心。こちらも乳がん同様、少なくとも2年に1度の間隔で検診を受けるのが望ましいとされており、職場の健康診断や自治体での住民健診で検診を受けるよう心がけましょう。

ただし、自治体の子宮がん検診の多くは、主に子宮頸がん検診を行っています。子宮頸がん検診と子宮体がん検診は検査方法が異なるので、子宮体がん検診に関しては併せて希望してください。

40歳以上のリスクの高い年齢の人だけでなく、肥満、高血圧、糖尿病、出産を経験していない、生理不順の人は、30代でも受けた方がよさそうです。

婦人科検診は忙しさや面倒さなどを言い訳にして、つい後回しにしがちです。取り返しがつかないことになる前に、定期的な検診を受け、早期発見をすることが大切です。

初期症状を見逃しやすい? 網膜が傷ついた3つのサイン

強度近視の人は、年をとるにつれて目の病気を合併しやすくなる。おもな病気とその初期症状、早期発見するための注意点を、杏林大学病院眼科教授の平形明人医師に聞いた。

*  *  *

 網膜はものを見るための非常に重要な組織です。強度近視の人は、この網膜が傷つく危険性が高くなります。

「近視性牽引黄斑(けんいんおうはん)症」「視神経障害」と並ぶもう一つの合併症である「黄斑部出血」は、高齢者に多い「近視性脈絡膜(みゃくらくまく)新生血管」と20~40代に多い「単純出血」が原因になります。

 前者は、脈絡膜が引き伸ばされてもろい血管が新しくでき、網膜の下に伸びて増殖する病気です。物が歪んで見える「変視症」などが起こり、進行すると重篤(じゅうとく)な視力低下にいたります。

 長い間よい治療法がなかったのですが、14年、新生血管を作りにくくするVEGF阻害薬が、強度近視の治療にも保険承認されました。これを硝子体に注射する「抗VEGF療法」が始まり、進行を抑制できる可能性が出てきました。

 後者は脈絡膜が引っ張られて薄くなり、わずかに眼底に出血するものです。出血場所によっては、見たいところが見えない「暗点」や視力低下が見られます。

数カ月で自然に改善することが多いのですが、その後、脈絡膜新生血管を起こすこともあるので、経過観察がすすめられます。

 近視の人は眼球が大きいため網膜に薄い部分があることが多く、そこに小さな亀裂が生じる「網膜裂孔(れっこう)」を経て「網膜剥離(はくり)」を起こすことがあります。

そのサインは目の前に糸くずのようなものが見える「飛蚊症(ひぶんしょう)」の悪化、視野に稲妻様の光が走る「光視症」、それと視野欠損で、治療をしないと重篤な視力障害につながります。

網膜裂孔だけならレーザーによる光凝固、剥離なら手術が行われます。

 こうした障害は片目に起こりますが、普段は両目で見ていますし、近視の人はメガネをはずしたときなど見えにくい世界に慣れているので、初期症状を見逃しやすいものです。

 月1回は、将棋盤のようにはっきりした格子柄を片目ずつ見て、暗いところがないか、線が歪んでいないか、視野に欠損がないかなどをチェックし、見え方に変化や異常があったらすぐ眼科を受診してください。

“抜かずに”でトラブル急増 「子供の矯正」正しい歯科医選び

子供の歯の矯正を考えている人は、医師選びに気を付けるべきだ。不適切な矯正歯科治療によって顔の形が変わったり、歯が噛み合わないトラブルを抱えた子供は多いという。

「近年、不十分な検査や診断による安易な矯正歯科治療が増えているという危機感が、矯正歯科治療を専門に行う医師の間で高まってきました」

 日本臨床矯正歯科医会・前田眞琴副会長(前田矯正歯科クリニック院長)が警鐘を鳴らす。

 同会が会員診療所に対し、昨年1年間に転医の相談があった18歳までの子供517人の調査を行ったところ、半数以上が検査、診断、治療技術、診療態勢が不十分な「不適切な矯正歯科治療」を受けていたと判断されたという。

「治療内容そのものに不満やトラブルを抱えている」というケースも8割近くに上った。

 たとえばA子さんは噛み合わせが悪く、幼稚園のころから夜間マウスピースを使用。12歳の時、非常勤だった担当医が退職する際に「夜間のみ装置の使用」を指示して治療は終了した。

ところが、13歳のときに虫歯治療に訪れた診療所で「不正咬合」を指摘された。現在、A子さんの治療を行っている同会・稲毛滋自理事(いなげ矯正歯科医院院長)が言う。

「彼女を診断すると、下顎の骨が発達し、咬合時に下顎の前歯が上顎より異常に前にある骨格性下顎前突を起こしていました。12歳まで診ていた非常勤の担当医による資料はありませんでした」

 B子さんは、「抜かずに矯正歯科治療ができる」と主張する一般歯科医のクリニックで矯正歯科治療を受けていたが、よくならないので稲毛理事の医院を受診。診ると、上下の歯が噛み合わない「開咬」になっていた。転医前の資料はなし。

 やはり、「抜かずにできる」と主張する別の医師のもとで矯正歯科治療を受けていたC子さんは、稲毛理事の医院を受診してきた時、2本の歯が歯槽骨から脱落して歯髄死を起こし、保存不可能となっていた。

■検査、診断、分析の前に方針を決める

 稲毛理事が強調するのは、「適切な矯正歯科治療を行うためには、専門的なトレーニングを積まなくてはならない」ということだ。

「矯正歯科治療の専門家は、最初に治療計画を立てます。そのために顔のプロポーション、模型分析、頭部X線規格写真の分析、必要に応じて筋機能の検査、顎機能検査、咬合検査などを入念に行います。

それを経て、使用する装置や抜歯するかどうかを決める。

ところが、『抜かずに矯正ができる』『子供のうちは100%床矯正(取り外しのできる矯正装置)がいい』とうたい、検査、診断、分析の前に方針を決定する医師もいるのです」(稲毛理事)

 抜歯が必要な症例なのに、歯を抜かずに矯正する。手術が必要なのに取り外しのできる矯正装置を用いて矯正歯科治療を行う。そんな安易な歯科医がトラブルを生んでいるのだ。

「たとえば、下顎は一本の骨でできているので、手術で切れ目を入れないと顎が広がりません。全身麻酔が必要となり、慎重な検査、診断も必要ですが、それが省略されていたりします。

不適切な治療を行っている一般歯科医では、初診時の写真、模型や頭部X線規格写真などの資料がないことが度々あります」

「出来る限り負担の少ない治療を」と願う親の気持ちを巧みに利用しているケースも少なくない。矯正歯科治療は自費診療だ。歯科業界が不景気ということもあり、「誇大広告」で患者を呼び込もうとするクリニックもあるようだ。

12人に1人がなる「乳がん」、体質的な傾向はある?


◆乳がんには体質的な傾向や遺伝も関係している?

現在、女性に発生するがんの第1位は乳がんです。女性の12人に1人が一生のうちに乳がんになるともいわれており、死亡者数も増加傾向にあります。このように乳がんになる女性が増えたのは、どのような原因が考えられるのでしょうか。乳がんになりやすい体質や習慣などはあるのでしょうか。

まず考えられるのが、月経を経験する期間の長さです。乳がんの発症には、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンが大きく関係しており、エストロゲンが分泌されるほど、乳がんのリスクは高くなります。このエストロゲンの分泌は月経と連動していることから、初潮が早く、出産歴が少なく、閉経年齢が遅いほど、乳がんのリスクは高まるというわけです。

一方で、遺伝の影響も指摘されています。「がん家系」という言葉をよく耳にしますが、乳がんにおいても自分の身内、とくに母親など、より近親の家族に乳がん経験者がいると、発症リスクが高くなることがわかっています。具体的には、乳がんを発症した人の5~10%は、遺伝性であると考えられています。

もちろん、これらの体質的な条件をそろえていても、乳がんを発症するとは限りません。乳がんの発症には、さまざまな環境因子が複雑に絡み合って関与していると考えられています。仮に、上に挙げたような条件をそろえていても、乳がんにならないまま一生を終える人はたくさんいるのです。
.
◆喫煙者の乳がんリスクは約4倍

乳がんの発症に影響する環境因子の代表例が、「飲酒」と「喫煙」です。日本人女性を対象とした大規模調査では、飲酒量が多いグループと、飲んだことがないグループとで比較したところ、前者のほうが1.75倍も乳がんのリスクが高いことが示されています。具体的には、エタノール換算で週150g以上、すなわちビールなら大瓶7本、日本酒なら7合程度が相当します。

また、「喫煙」は、乳がんに限らず、さまざまな病気のリスクを高めることが知られています。厚生労働省の研究によると、閉経前の女性では、喫煙による乳がんの発症リスクは、吸わない人の約3.9倍にも増大することが示されています。加えて、周りの人が吸ったタバコの煙を吸い込む「受動喫煙」でも、乳がんのリスクは2.6倍にも膨らみます。

日本たばこ産業の調べによると、日本人の喫煙率は年々減少していますが、40~50代の女性は横ばいで推移しているようです。乳がんの発症年齢のピークが40代後半となっていることを考えると、この年代の女性喫煙者は、すぐに禁煙を実行してほしいものです。飲酒は適量を心がけ、タバコをやめることが、乳がん対策として重要なことだといえるでしょう。

◆不規則な生活と食生活の見直しも有効か

私たちの体には「体内時計」が備わっており、そのはたらきによって日中に活動し、夜間に休息するという1日のリズムが保たれています。ところが、不規則な生活によって体内時計が乱れると、睡眠障害をはじめとする体調不良が引き起こされ、ひいては乳がんをはじめとするさまざまな病気のリスクへとつながってしまうのです。

たとえば夜勤の多い看護師や、国際線の乗務員などは、それ以外の職業の人と比べて、乳がんの発症リスクが高いことがわかっています。職業柄、生活が不規則になりがちで、その結果として体内時計が乱れてしまうことが影響していると考えられます。

同時に重要なのは、食生活を見直すこと。そもそも、日本人女性の乳がん罹患率は、以前はそれほど多くはありませんでした。それが、女性のがん罹患率第1位にまで増加してしまった背景には、欧米型の食事が影響していることが指摘されています。動物性脂肪や乳製品を中心とする食事は、穀物と野菜が中心の食事に馴染んできた日本人の体には、合わないといわれます。和食を習慣にすることは、糖尿病などの生活習慣病だけでなく、乳がんの予防にもつながるといえるのです。

また、運動習慣の有無も乳がん発症リスクと関連があることが分かっています。運動習慣がない人は、まずは手軽に始められるウォーキングなどでもよいので、週2~3回定期的に運動する習慣を身につけるようにしましょう。

アンジェリーナ・ジョリーさん、がん予防のため卵巣摘出!遺伝との関連とは?

ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーさん(39)が、がんの予防として、卵巣と卵管の摘出手術を受けていたことがわかりました。
アンジェリーナ・ジョリーさんは、母親と祖母、おばをがんで亡くしており、以前にも乳がんの遺伝子検査を行い、がんの発症確率が高いことが分かった結果、予防のために両乳房を切除したというニュースが世界中を驚かせました。

アンジェリーナ・ジョリーさんの遺伝子変異による発症リスクは、乳がんが87%、卵巣がんが50%だといいます。ここでは、女性のがんである卵巣がん、遺伝との関連についてみてみましょう。

◆卵巣がんはどんな病気?
卵巣にできる悪性腫瘍(がん)です。卵巣がんは、卵巣のもつ性質から、人の体の中で最も大きな腫瘍を作りやすい、人の体の中で最も多くの種類の腫瘍が出来る、初期は無症状、という特徴があります。

腫瘍はふつう、悪性か良性かに分かれますが、卵巣に出来る腫瘍は、良性と悪性の中間の性質をもつ「境界悪性腫瘍」というものもあります。

◆卵巣がんの症状は?
卵巣がんは「サイレントキャンサー(静かながん)」とも呼ばれ、最初は全く自覚症状がないのが怖い病気です。気付かないうちにあっという間に周りの臓器まで拡がります。

気付いた時にはすでに深刻な状態だった、ということあります。また初期の段階で確定診断する方法が確立されていないため、卵巣がんと診断された時点でおよそ60%は進行がんとなっているといわれています。

◆卵巣がんになりやすい人って?
一般的には、40代以降の女性がなりやすいといわれています。元々、日本人には卵巣がんは少ないといわれてきました。しかし食生活の欧米化などの影響からか、最近では増加傾向にあります。

また、母親や姉妹などに卵巣がんにかかった人がいる場合もリスクが高いといえます。さらに最近、チョコレート嚢胞ががん化することが分かってきましたので、これがある人は注意が必要です。

◆最近よく耳にする【BRCA1/2遺伝子検査】とは?
【BRCA1/2遺伝子検査】は、遺伝性の乳がんや卵巣がんに関係する遺伝子に、がんの要因となる病的な異常(遺伝子異常)がないかを調べる検査です。

すでに乳がんや卵巣がんになった方を対象とした「スクリーニング検査」と、血縁者に乳がん患者がいる場合に同じ異常があるかどうかを調べる「血縁者向けの検査」があります。

生理前でもないのに乳房に痛み、まさか乳ガン?原因と治療法は?

働く女性の間でも多いという「突発性難聴」。

その病気の概要や、症状が出た時にどうすればいいかについて、医師が24時間以内に答えてくれるQ&Aサイト「カラダメディカ」で活躍中の現役医師に、日経ウーマンオンラインのために特別にアドバイスをしてもらった。

Q 生理前でもないのに乳房に痛みがあるのは、まさか乳ガン?

 生理前に乳房が痛むという話はよく聞きますが、私は生理後も痛みが続きます。ひどい時は胸がちょっと揺れただけでも痛いです。昔から痛みはありましたが、ここ1年ぐらいで症状が重くなったように思います。

一時期胸にシコリがあったので「まさか乳ガンでは!?」と怖くなり、近々病院に行ってエコーと触診を受ける予定ですが、乳房に痛みがある場合どのような病気が考えられるのでしょうか。

A 乳ガンの可能性は低いが、検査だけはしっかり受けましょう

 乳房の痛みでご心配されているのですね。

 まずは、一般論として、乳房痛は良性の乳腺疾患であることが多いので、検査を控えた今の段階であまり心配なさらなくてよいでしょう。

 乳房痛の鑑別診断としましては、乳腺症、乳腺線維腺腫、乳管内乳頭腫、乳ガンなどが挙げられます。このなかで、最初の3つは良性疾患で、最後の乳ガンだけが悪性疾患です。

 まず、乳腺症は30歳から閉経期までに好発し、一般的には両方の胸に症状が起こり、月経前に症状が増強するのが特徴です。

つぎに、乳腺線維腺腫は20~35歳の性成熟期の女性に最も多い腫瘤で、一般的には片側の胸に症状が起こります。

 そして、乳管内乳頭腫は40~50歳に好発し、血液の混じった分泌物が乳頭から出る場合が多いです。最後に、乳ガンは35~60歳に好発し、しこり、皮膚のびらん、乳頭からの分泌物などが特徴です。
.

 ご質問で、「生理前に乳房が痛むという話はよく聞きますが、私は生理後も痛みが続きます」「一時期胸にシコリがあったので…」とありますので、乳腺症が最も考えられます。

 乳腺症による胸の痛みは、月経前に強くなり、月経が終わると次第に痛みは和らぎますが、痛みが和らぐまでの時間には個人差があります。

 質問者様が最も心配されているのは乳ガンだと思いますが、一般にガンは増殖する一方ですので、しこりがもう触れないとすれば、乳ガンの可能性は極めて低いと思われます。ただし、検査だけはしっかり受けておきましょう。

回答してくれた人=「カラダメディカ」吉良信彦先生

子宮や卵巣、正常な大きさは? - 初期の卵巣腫瘍では気づかないことも

エムティーアイはこのほど、「婦人科について」の調査結果を発表した。同調査は1月、同社が運営する健康情報サイト「ルナルナ」のユーザーを対象にインターネット上で実施し、1,289名から有効回答を得た。

はじめに「婦人科を受診した経験があるか」について質問。その結果、「過去に受診したことがある」(48.7%)と「現在、受診している」(22.6%)を合わせると、何らかの理由で婦人科を訪れた経験がある女性は71.3%にのぼった。

婦人科を受診する理由として、生理痛などの月経トラブルといったカラダの不調や、乳がん検診や子宮頸(けい)がん検診のように対象年齢になると自治体から送られてくる案内がきっかけで訪れる人が多い傾向となっている。

一方で、28.7%の人は「受診したことはない」と回答。その理由を聞いたところ、「必要性を感じない」が31.3%で最も多く、次いで「時間がない」(19.4%)、「病気が見つかるのが怖い」(11.3%)があがった。

また、「担当医が男性だと恥ずかしい」(6.6%)、「内診が恥ずかしい」(5.8%)という回答も見られ、婦人科の受診を「恥ずかしい」とためらってしてしまう人が1割以上いることがわかる。

そして「どのような婦人科系の悩みを抱えているのか」との質問では、1位が「PMS(月経前のイライラ)」(42.6%)、2位が「月経の悩み・痛み」(40.7%)、3位が「頭痛」(28.2%)という結果となった。

ほかにも「子宮の病気」(13.2%)、「妊娠」(13.2%)、「不妊」(11.4%)など一般的な婦人科系の悩みがあがる一方で、「頭痛」(28.2%)や「更年期」(9.9%)、「その他」の回答として「子育て不安」「拒食症・過食症」「骨粗しょう症」なども見られた。

続いて女性の「子宮」と「卵巣」について、「どれくらいの大きさだと思うか」を調査。子宮の大きさについて最も多かった回答は、「握りこぶしくらい」で53.8%、次いで「鶏の卵くらい」(35.2%)、「ピンポン玉くらい」(9.1%)、「野球のボールくらい」(2.0%)と続いた。

正解は、約4割の人が回答した「鶏の卵くらい」が正常な子宮のサイズとのこと。ただし子宮の筋肉は、人間のカラダの中でもっとも伸縮自在だといわれており、妊娠後期になると長さや幅が約6倍にも広がるという。

続いて卵巣の大きさについては、正解の「2~3cm」と回答した人が70.2%と最も多く、「0.5~1cm」が16.3%、「4~5cm」が13.5%という結果となった。

ソラマメくらいの小さな卵巣は、女性のカラダの中でもっとも腫瘍ができやすい部分ともいわれている。腫瘍ができても自覚症状があまりなく、大きくなって初めて診断されるケースも多いという。

「小さい腫瘍の時は分からないことも多いようですが、それでもおなかが少し痛くなったり張ったりして異変を感じたり、腰痛で気づくこともあるので、普段から注意し、いつもと違う症状がある場合は婦人科を受診するといいかもしれません」と同社。

次に「子宮頸がんについて知っていること」を聞いたところ、1位は「検診で発見できる」で73.1%を占めた。2位以下は「子宮頸がん予防ワクチンがある」(67.7%)、「1年に1回検診を受けたほうがいい」(62.5%)があがっている。

子宮頸がんは、子宮の入り口である子宮頸部という部分に発生するため、子宮の入り口付近にできやすく、検診で早期発見できるがんといわれている。

検診では、がんになる前の状態で発見できることもあるため、特に症状がなくても、20歳を過ぎたら2年に1回は検診を受けることが望ましいとのこと。

早期発見できれば比較的治療もしやすいようだが、進行すると子宮や卵巣を摘出する手術が必要となり、2013年には日本国内で約3,000人(出典: 2015年「女性の健康週間プレスセミナー」)の女性が亡くなっている。

また、37.9%の人が回答した「ヒトパピローマウイルス(以下「HPVウイルス」)」の感染も子宮頸がん発生の多くに関連しているという。性交経験のある女性の8割以上が一生に一度は感染するといわれており、多くの場合、症状がないうちに体内から自然に排出されると考えられている。

しかし数年~十数年にわたって感染が続くと、子宮頸がんの前がん病変や子宮頸がんになることもあるとのこと。同社は「そうならないためにも、定期的な検診で早期発見・早期治療することが重要です」と呼びかけている。

最後に、「子宮頸がん予防ワクチン接種は安全だと思うか」について質問。安全だと思っている人は20.8%、思っていない人は66.7%と、約7割の人が安全性について疑問を感じているという結果となった。

子宮頸がん予防ワクチンは、HPVウイルスの感染を予防する。予防接種として受けることができるようになった一方で、接種後にさまざまな副反応のリスクなどもみられることから、厚生労働省でも「現在、子宮頸がん予防ワクチンの接種を積極的にはお勧めしていません。接種に当たっては、有効性とリスクを理解した上で受けてください」という発表をしているという。

子宮頸がんは初期の頃は自覚症状がほとんどなく、気づかないことも多いため、早期に発見するには、ワクチン接種をしていても検診を定期的に受けることが大切とのこと。

女性として知っておきたい「子宮頸がん」の原因や予防法

2月23日、都内にて『子宮頸がん オンラインメディアラウンドテーブル』が行われた。

同イベントは、医療用医薬品やワクチンなどの開発・製造を行っている株式会社MSDが、子宮頸がんに関する情報を伝える目的で実施した、メディア関係者向けのセミナー。

 セミナーに登壇した、相模野病院婦人科腫瘍センター長の上坊敏子氏は、まず始めに、「子宮頸がんで苦しむのはもったいない!!」と伝えた。

 上坊医師によれば、子宮頸がんは原因や発がん過程が解明されている病気で、早期に発見すれば確実に治すことができるという。

また、検診手段が確立され、予防ワクチンもある予防可能ながんだが、子宮頸がんになる若い女性が増えており、高齢者では進行例が多く、死亡率が高いことにも触れた。

 続けて上坊医師は、子宮頸がんの原因が「ヒトパピローマウイルス(HPV)」で、性交渉の経験がある女性の80%程度が、1生に1度は感染するものだと説明。

感染しても1~2年で90%が自然に消失するが、感染が持続すると、5年以上かけてがんに進行することがあり、発がん性HPV感染者の約0.1%(1,000人に1人)が「浸潤がん」になるケースもあるらしい。

 上坊医師は「HPV感染を予防するワクチンの接種」と「検診を受けることで、がんになる前に発見する」ことが子宮頸がんの予防法だという。

 日本では、2013年4月にHPVワクチンが定期予防接種化したが、子宮頸がん予防ワクチンの接種による重い副反応が報告されたことで、現在、厚生労働省は、予防ワクチンの接種を積極的に勧めていない。

 この件について上坊医師は、厚生労働省が発表している、副反応報告数を紹介し、重篤な副反応件数は「10万人に3人」と話したあと、ワクチンの接種と検診によって防ぐことが可能な子宮頸がんの割合を伝えていた。

 上坊医師の講演後、特定非営利活動法人日本がん・生殖医療研究会で、患者ネットワークを担当している、阿南里恵氏が登壇。

阿南氏は、23歳のときに子宮頸がんが見つかり、抗がん剤、出術、放射線治療を行って、5年間の経過観察中に体験したことを語った。

シャワーだけでは子宮が冷えちゃう! 子宮を冷えから守る方法

子宮からの「冷えサイン」を無視しないで

・生理痛や生理不順に悩まされている
・お腹やお尻を触ると冷たい
・肌荒れやイライラなどのストレスがある

このような症状がみられたら要注意! もしかしたら、子宮が冷えているかもしれません。

女性にしかない大切な臓器の子宮。現代の人たちはお洒落のために薄着をしたり、ストレスや疲労の増加、冷房の効きすぎなどで子宮が冷えやすくなっています。

■子宮はなぜ、冷えたらいけないの?

毎月の生理があることからもわかるように、子宮はほかの臓器に比べて多くの血液が流れています。子宮が冷えてしまうと、この血液の流れが悪くなってしまうのです。

そうすると、栄養などが十分に行き渡らなくなり、子宮や卵巣の機能低下を引き起こします。そして、ホルモンバランスの崩れや、自律神経にも悪影響を与え、体中にさまざまな不調が生じてしまうのです。

子宮の調子やホルモンバランスは女性の精神にも深く関わっているので、子宮が冷えてしまうと、イライラしたり、なんとなく不安になったりといった精神面にもトラブルが……。また、婦人科系の病気や不妊のリスクも高くなってしまいます。

■子宮を冷えから守る5つのポイント

1:冬は薄着をせずに、特にお腹周りや足元は冷やさない
2:お腹には腹巻きを!  足は靴下の重ね履きが有効
3:シャワーだけではなく、半身浴や足浴を習慣に!
4:仙骨のマッサージ
5:日頃から骨盤まわりを動かすエクササイズを行う

最近は、湯船に浸からずにシャワーだけで済ませてしまう人が増えていますが、そのような習慣だと子宮だけではなく、体全体も冷えやすくなるので、半身浴、あるいは足浴を取り入れるようにしましょう。

また、仙骨といってちょうどお尻の下(尾てい骨のすぐ上)にある骨は、大事な神経や血管がたくさん通っている場所。ここをマッサージすると、子宮を温める効果が期待できます。

その他、骨盤まわりを動かす体操を日常的に行うことで、子宮まわりの筋肉の血流がよくなり、冷えを改善できるのでおすすめです。

(34歳女性医師/Doctors Me)

すべての女性に知ってほしい! 「子宮頸がん」のあれこれ

■「子宮頸がん」を知っていますか?

子宮頸がんは、女性の子宮の入口部分、つまり膣から直接つながる部分にできるがんです。がんとしては珍しいことに、原因はウイルス感染であることがはっきりしています。

【正しいセックスで、性病から身を守ろう! 医師が語る性感染症のいろいろ】

■原因となるウイルスの正体は……?

このウイルスはヒトパピローマウイルス(HPV)と呼ばれ、子宮頸がんの患者の90%以上にみられます。

HPVには非常に多くの型があり、特に子宮頸がんにかかわりが深い型として、約15種類が知られています。子宮頸がんは、このHPVに感染した状態が長期間続くことで発症すると考えられています。

■主な感染経路はズバリ、性交渉

“性交渉でうつる”と聞くとなんだかギョッとしてしまいますが、じつはHPVはとてもありふれたウイルスで、性交渉の経験のある女性の半数~80%がこのウイルスに感染したことがあると言われています。

しかし、ほとんどの場合、ウイルスは2年以内に自然に排出されてしまいます。年齢や体質など、何らかの理由でたまたま持続感染を起こした場合に子宮頸がんになることがあります。

性交渉のパートナーの数が多かったり、回数が多ければもちろんある程度感染の可能性は高くなりますが、たとえ生涯にひとりの相手であっても感染、子宮頸がんにかかる可能性はあります。

■定期検診で早期発見を!

子宮頸がんは早期に発見できれば、治療が奏功して完治する可能性の高いがんですが、放っておいて進行すると命にかかわることもありますので、性交渉の経験のある方は定期的に子宮がん検診を受けることが大切です。

検査自体は子宮内膜を軽くこするだけなので、多少の違和感はありますが特に強い痛みなどはともないません。

■がんを予防するワクチンがある!?

子宮頸がんといえば、最近ではワクチンの話題が記憶に新しいのではないでしょうか。がんを予防する画期的なワクチンとして脚光を浴びた一方で、重い副反応を経験する方がいることも注目されました。

現在副反応との関連については調査中であること、すべてのタイプの子宮頸がんを防ぐことはできないことを考慮に入れても、年間3000人もの方が命を落とされる子宮頸がんを未然に防ぐ方法が実用化されていることは、意味のあることですね。

(38歳女性精神科医/Doctors Me)

胸が大きいと乳がんになりやすいは嘘? 食生活で乳がん予防する方法

■高身長だと乳がんになりやすい?

 両親の身長が高いと子供身長も高くなることが多いですが、身長は遺伝的要素だけでなく、成長期の栄養摂取も関係しています。多くの調査で明らかになっていますが、高身長だとガンになりやすい傾向があります。

乳癌でもこの傾向は明らかです。乳癌は女性ホルモンが関係するガンなので、更年期(閉経)の前後で統計を分けるのが普通です。日本の調査では、身長が160cm以上の人は閉経前でも閉経後でも乳癌になりやすい結果が報告されています。

■グラマーだと乳がんになりやすいのは嘘? 本当?

 乳がんに関しては「豊かな胸だと乳癌になりやすい」という俗説があります。しかし、胸の大きさ、すなわち乳房の大きさと乳癌の関係は明らかでありません。

 乳がんの発育には女性ホルモンが関係しています。閉経前では肥満と乳がんの関係は明らかになっていません。閉経後の女性では、女性ホルモンは副腎から分泌された男性ホルモンにある酵素が作用して作られています。

この酵素は脂肪細胞で活性が高いのです。閉経後に脂肪細胞が多いと、女性ホルモンが高くなる可能性があります。乳がんのうち、女性ホルモンに反応する型では閉経後は肥満、BMIが大きいと発症が増加します。

■魚を食べて乳がん予防!

 日本の調査では、毎日魚を食べる人は、1週間に1~2回しか食べない人と比べて、4割ほど乳癌の発症が減るという報告があります。魚の摂取は脳卒中、特に脳梗塞の予防効果もあります。1日1品は魚介類を食べるようにしましょう。

■オリーブオイルで乳がん予防!

 日本人の食生活が西欧化しても、量的にあまり摂取していない油がオリーブオイルです。地中海沿岸地域では油といえば「オリーブオイル」。地中海沿岸地域と他の地域では明らかにオリーブオイルの摂取量が違います。

オリーブオイルの摂取が多い地域では、乳癌が少ないことがわかっています。実験では、ある型の乳がん細胞の培養液にオリーブオイルを加えると癌細胞が死滅することも判明しています。

 調理に使う油をオリーブオイルに変えてみましょう。オリーブオイルは大きく分けて絞ったままのバージンオイルと精製したものがあります。精製していない(化学物質を使ってない)バージンオイルがおすすめです。

女性は自分の胸に関心が薄い? 専門家に聞く「乳がん検診」の大切さ

「胸」は女性にとって大切なもの。そんな「胸」のこと、みなさんはどれだけ気にしていますか?

 実は日本人女性の16人に1人がかかると言われている「乳がん」について正しい知識を広め、検診の早期受診を推進する啓蒙活動が行われています。

そこで、先日行われた「ピンクリボンシンポジウム2012」で、乳がんの最新事情を聞いてきました。

がん研有明病院乳腺センター長の岩瀬拓士先生によると、乳がんは女性のがんのトップなのだとか。

がん患者全体の17.8%(2005年 がん研究振興財団調べ)もの割合を占め、これは日本人がかかりやすい胃がんよりも多い数字なのだそう。

岩瀬先生は「それなのに女性たちは自分の胸にあまり関心がないらしい」と語ります。というのも、日本ではいまだに24.3%(2010年 国民生活基礎調査調べ)の女性しか乳がん検診を受けていないからです。

アメリカでは多くの女性が乳がん検診を受けており、実際に乳がんでの死亡率が減少してきているのだそうです。

そもそも、乳がんはどのようにしてなるのでしょうか? 岩瀬先生によると、「乳腺のなかに通っている乳管の細胞ががん化して乳がんになります。

0.7mmの内視鏡でのぞくと、正常な乳管はなめらかで光沢がありますが、がんになると表面がデコボコとしています。がん細胞が増えるとさらに隆起してしこりを作るのです」とのこと。

とはいえ、乳がんの初期は触って分かるほどのしこりではないそう。

「初期段階では、がん細胞も直径1mm程度なので医者が触っても分かりません。乳管を破ってほかの乳管やリンパに転移しだすと触って分かる大きなしこりになるのです」(岩瀬先生)

そのため、転移前に発見するためにも、乳がん検診が有効だと言います。

「マンモグラフィを毎年撮っている人が、去年はただの影だと診断されたものが1年後に少し大きくなっていて、それでがんだと分かったという例もあります。本当の早期発見は無症状なのです」(岩瀬先生)

もし自分の胸にしこりを発見した場合は、「乳がん検診」ではなく病院での「検査」が必要になります。そのしこりが良性か悪性かを精密検査で判断しなければならないためです。

しこりがあっても適切な治療ができれば、乳房を残したまま治療をしたり、副作用がつらい抗がん剤を使わなくていいこともあるそうです。

シンポジウムの最後に岩瀬先生は、「乳がんはごく早期に発見すれば約90%が治ります。がんの治療は火事と一緒で、初期消火が大切です」と、乳がん検診の大切さを力説しました。

私たち女性が検診を受けさえすれば、乳がんでの死亡率は確実に減らすことができます。そのためには、まず日ごろからセルフチェックを心がけ、検診への意識を高めることが大切です。

受けるべきか、見送るべきか「子宮頸がん」ワクチン? 重要なのは定期的に検診を受けること!

がんを予防できる夢のワクチンとして注目されてきた子宮頸がんワクチン。

厚生労働省が2010年より「ワクチン接種緊急促進事業」として各自治体に助成し、ワクチンの効果があると言われる中学1年生から高校3年生までの女子に、原則として無料で接種できるよう強く推し進めてきたプロジェクトです。

しかし、接種後、ワクチンを受けた子供に深刻な健康被害が起きているとして2013年3月31日に、積極的な推奨を中止する異例の措置をとりました。子宮頸がんのワクチンは今、受けるべきものなのでしょうか?

 それとも見送るべきなのでしょうか?

◆「夢のワクチンから一転」重篤な副反応も
子宮頸がんの予防に有効として厚生労働省が承認をしているのが「サーバリックス」と「ガーダシル」の2種類のワクチンです。こ

れらのワクチンは、子宮頸がんの70%、肛門がんの80%、膣がんの60%、外陰がんの40%の原因となる2種の高リスク型のヒトパピローマウイルスを予防するのに有効だと言われています。

ワクチンが承認された当時は”がんを予防できる時代がとうとう来た”夢のワクチンとして脚光をあびました。

厚生労働省では、早速、2010年よりワクチンが有効だとされる性交渉前の若年層(中1~高3)を対象に、原則として無料で接種できるよう各自治体に呼び掛け、助成金を出しました。

それにより、ワクチンを接種した10代の女性が多かったと思います。

2種のワクチンのうち、どちらを接種するかは保護者の判断にゆだねられていますが、「サーバリックス」を接種した女児に副反応を発症した例は2013年3月までに1196件、うち重篤なケースは106件も報告されています。

◆ワクチン接種と副作用の因果関係は?
ワクチンを受けた人で副作用を訴える人たちの症状は、歩行障害、全身の不随意運動、慢性疼痛、計算障害、睡眠障害、脱毛など深刻なものばかりです。

この中で、厚生労働省の検討部会がとくに注目したのが、全身の痛みが長く続く「慢性疼痛」という症状です。ワクチンを承認する際に問題としてあがっていなかったうえ、ほかのワクチン接種の副反応にはあまり見られない症状だからです。

結局、厚生労働省の判断としては、ワクチンと慢性疼痛の因果関係を究明して、治療を受けられる体制を整備するということになりました。そして、ワクチンを接種するという選択肢は残したままになっています。

この措置に対し批判の声も多く聞こえましたが、「不安を感じる人は、副作用のリスクがはっきりするまで、接種はしないで」というメッセージにも受け取れます。

◆ワクチンより定期的な子宮がん検診が重要
極論を言うと、仮にヒトパピローマウイルスに感染しても、90%以上は自然に排出されるので、がんになるのはごく一部です。しかもがんになるまでに10年以上もの時間がかかると言われています。

その間に、こまめに検診を受けて、がんになる前に病変を発見し治療すれば、子供を産めなくなることも命を落とすこともありません。

子宮頸がんのワクチンを接種することで副反応が出る確率は20万人~40万人に1人と言われていますが、そもそも病気を防ごうと接種したワクチンで、重篤な身体の異変があるという本末転倒な結果が1例でもある以上、接種は見送るのが妥当なところといえるのかもしれません。

"予防接種発展途上国"と言われる日本のワクチン事情が、より安全で安心できるものに発展していくことを切に願いたいと思います。

目がショボショボ、目の奥がズーンと重い…そんなアナタにとっておきの●●

パソコンやスマートフォンなど、仕事でもプライベートでも目を酷使することが多い現代。年末の忙しい時期は特に、目の疲れを実感している人も多いのではないでしょうか。

ここでは、疲れ目と眼精疲労の違いと、目に効くツボ押しをご紹介しましょう。

◆「疲れ目」と「眼精疲労」は違う?
目薬のCMなどで「眼精疲労」という言葉を聞きますね。では、普通の「疲れ目」と眼精疲労は違う症状なのでしょうか? 

一般に目の疲れというと、「目の奥がズーンと重くなる」「目がショボショボする」「頭痛」「肩こり」──といった症状が挙げられます。

医学的には、これらの症状が、ひと晩眠るなどの十分な休息をとれば治まる程度なら「疲れ目」、症状が続いて慢性化しているような状態なら「眼精疲労」ということになります。疲れ目の症状が深刻ものを眼精疲労と呼ぶわけです。

眼精疲労が進行すると、吐き気やめまいなどの症状が起こったり、ドライアイになったりということもあります。慢性的な目の疲れを感じたら、早めに医師に相談しましょう。

◆「疲れ目」の原因
疲れ目・眼精疲労の原因は、「目の使い過ぎ」以外にも、近視・乱視からくるもの、緑内障・白内障などの病気からくるものなどさまざまです。中には、精神的なストレスによって眼精疲労を引き起こすケースもあります。

また、いくつかの要因を重ねて持っている方もいるでしょう。目の使い過ぎへの基本的な対策としては、パソコン作業の際は一定間隔で休息をとる、必要のないときは携帯電話やスマートフォンを見ない、などがあります。

また、作業の合間に10分ほど遠くを見る「遠方凝視」も疲れ目の回復に効果的です。近視・乱視などがある場合は、メガネやコンタクトがちゃんと合っているか定期的にチェックすることも大切。

目の痛みやかすみがひどい人は、白内障などの病気の可能性もあるので、眼科の受診が必要です。

◆疲れ目を軽くするツボ「承泣」
それでは、疲れ目に効くツボをご紹介しましょう。目や肩の周囲には、疲れ目や肩こりに効くというツボがたくさん存在します。今回はその中の「承泣」(しょうきゅう)というツボを押してみます。

承泣の位置は、目の下側にある骨のフチの真ん中あたり、正面を向いたときの瞳の真下です。ツ

ボの押し方は、まず承泣に中指を当て、それを人差し指と薬指で支えつつ承久を押し下げるようにします。

押すときは指の腹全体を使って、ジンワリと押すのがコツ。くれぐれも、指を目の方向に入れて眼球を圧迫したり、ツメで目を傷つけたりしないように気をつけてください。

ツボを押す際には、呼吸に合わせて行うと効果的です。鼻から深く息を吸っておいて、口からゆっくりと息を吐きながらツボを押すようにしましょう。

それでは、1分程度、このツボ押しをやってみてください。どうでしょう、なんとなく目がスーッと軽くなる感覚になりませんか?

子宮筋腫の内視鏡手術、がんが残っちゃう可能性があるってホント?

30代~40代の女性のうち、約20~30%もの人が持っていると言われ、女性にとっては身近な病気である子宮筋腫。
ここでは、子宮筋腫の内視鏡手術について、簡単に解説します。

◆子宮筋腫ってどんな病気?
子宮筋腫とはその名の通り、子宮の筋肉層から発生する良性の腫瘍です。

良性ですからがんとは違い命に別状はなく、実に30代~40代の女性の約20~30%もの人が筋腫を持っており、自分が子宮筋腫であることに気づかないまま閉経を迎える人も多いとされています。

ただし最初は小さな塊だったものが次第に大きくなっていくと月経痛や腰の痛み、出血などの症状が出てくる場合がありますし、妊娠を望んでいる女性であれば不妊や流産のリスクを下げる為にも治療が必要となってきます。

◆子宮筋腫の治療方法
子宮筋腫はできる部位や大きさ、数によっても症状が異なり、見つかったからといって必ずしも治療が必要になるわけではありません。中には閉経まで定期的に検査を受けるだけという人もいます。

治療が必要と判断された場合でも、薬物療法を取るか、手術療法を取るかは病状次第です。

子宮筋腫の場合の薬物療法とは女性ホルモンの分泌を薬物によって抑制し、無月経の状態にするもので、つまり偽閉経状態にすることで筋腫を縮小させるという方法です。

閉経の近い女性の場合、この薬物療法で実際の閉経まで繋いで手術せずに済ませてしまうことができます。

まだまだ閉経までに年月のある女性であれば、この薬物療法で筋腫を10?以下にしてから開腹の必要のない内視鏡による手術療法が取られます。

◆子宮筋腫の内視鏡手術って?
内視鏡手術は前述の通り開腹の必要がなく、へその下にあけた穴から内視鏡を入れて画像をモニターに映し、他の孔から入れた手術器具で患部を切り取ります。

傷が小さいため患者の負担も少なくて済み、数日で退院できるのがメリットですが、これは子宮筋腫の中でも粘膜下筋腫のみ可能な手術法となっています。

また、最近の発表によると、内視鏡による子宮筋腫手術の際に想定していなかった肉腫があった場合、筋腫を切除する装置によってがんを子宮以外の場所にまき散らしてしまう可能性があるとされています。

このため、この切除機器の販売は停止され、手術の前にはMRI検査で本当にがんがないかを確かめるようにとの通達がなされています。

男性のおっぱいにもしこり! 乳がんは女性だけの病気ではない!?

■乳がん発症者の約1%が男性

圧倒的に患者さんの数は少ないのですが、実は、男性でも乳がんになることはあります。というのも、乳がんとは、乳腺にできるがんで、男性にも乳腺があるからです。

乳がん発症者の約1%が男性とされています。男性は、女性に比べて皮下脂肪が少ないので、比較的簡単にしこりを発見することが可能です。

ただ、脂肪が少ないぶん、がん細胞は、皮膚や筋膜へと広がりやすいともいわれ、女性の乳がんよりもやや進行が早いとされています。

■乳房異常には、ほかの病気が隠れていることも……

とはいえ、乳房に異常があるからといって、すぐに乳がんを疑うのは時期尚早。男性で乳房が膨らんできた、ということですと、肝機能障害、内分泌・代謝異常、薬による異常も考えないといけません。

お酒を飲んでいて、乳房が大きくなってきたら、肝硬変を含む肝機能障害を疑います。内分泌異常によるものとしては、睾丸機能の低下、女性ホルモンの過剰生産などが原因となります。

特に、10代前半の第二次成長期にかけては、ホルモンバランスの崩れにより、女性ホルモンが過剰に分泌され、女性化乳房が起こることが多いです。薬ですと、ジギタリスという強心剤、降圧剤、胃潰瘍の薬、抗けいれん剤・抗精神病薬などが考えられます。

■男性の乳がん患者は60代が多い

男性の乳がんの発症年齢は、60代になってから、という人が多いです。胸のしこりを確認するためには、マンモグラフィーやエコーが利用されます。治療は、女性の乳がん同様、抗がん剤、放射線治療、手術が一般的です。

手術は、乳房温存手術が行われることもありますが、多くは、乳房すべてとともに、胸筋、やリンパ節を切除することになります。また、エストロゲンにより増殖が促進される性質を持つホルモン受容体陽性例が多いので、ホルモン治療も行います。

■まとめ

男性も乳がんになる、ということを念頭におきましょう。そして、もししこりに気づいたら、専門のお医者さん(乳腺外科)を受診しましょう。

(37歳女性内科医/Doctors Me)

おりものの量の多さや匂いに注意!「子宮頸がん」「子宮体がん」の検診をおさらい

子宮がんについては、著名人のがん告白などの影響もあり、予防法や検診の大切さが広く認知されるようになってきました。

がんのできる部位によって「頸がん」と「体がん」に分けられている「子宮がん」は、早期発見なら臓器温存の可能性も高いと言われています。自分自身を守るために2種類の検診方法について知り、定期的な検診を心がけましょう。

◆発症時期もできる部位も異なる「頸がん」と「体がん」

洋梨をさかさまにしたような形をした子宮は、骨盤に守られるようにして女性の下腹部に位置しています。膣につながる子宮の出口のあたりを頸部、赤ちゃんができると出産までとどまる子宮の上部を子宮体部と呼びます。

「子宮頸がん」が発症するのは、子宮頸部の入り口あたりの外子宮口周辺です。がん細胞の増殖はゆっくりで、正常な細胞が浸潤がんになるのに5~10年かかると言われています。定期的な検診を受けていれば、がんになる前の段階で見つけることが可能なのです。

「子宮体がん」は、別名「子宮内膜がん」と呼ばれています。主に、子宮の内膜に多く発症します。

内膜は、生理のときにはがれ落ちてしまうため、閉経前に子宮体がんを発症するケースは極めてまれだといわれています。年齢別の罹患率でも、40歳代後半から増加し、ピークは50~60歳で、その後減少していきます。

◆「頸がん」と「体がん」は検査方法が異なります

子宮頸がんの検診方法は、問診、視診、細胞診、内診、必要に応じてコルポスコープ検査が行われます。一般的には、問診のあと内診台にあがり、医師の視診による膣内部の出血の有無やびらん(ただれ)がないかどうかなどを調べていきます。

その後、医師が子宮頸部を綿棒などで軽くこすって細胞を採ります。少し痛みを伴う場合や、採取箇所にびらんがある場合は、軽い出血を起こすこともありますが、細胞診自体は2~3分で終わります。

この細胞診のときに、事前に希望を伝えておけば子宮体がんの検診を加えることもできます。

子宮体がんの検診は、子宮内に細い金属の器具を入れて子宮内膜を軽くこすり、細胞を採取します。子宮頸がんの細胞診に比べると、やや痛みと出血を伴う検査になります。検査を申し込む際に、検査の必要性の有無を医師に相談しておくとよいでしょう。

◆身体のサインを見逃さず、2、3年に一度は子宮全体の検診を!

今年43歳の誕生日を迎えた山下理恵さん(仮名)は、夏ごろの生理痛の重さとおりものの量の多さ、おりものの異臭に驚き、子宮がん検診の申し込みをしました。子宮頸がんの検診は昨年の夏にも受けており、結果はクラス?(異常な細胞はあるが良性の陰性)というものでした。

今回は、思い切って「子宮頸がん」の検査と「子宮体がん」の検診も受けてみようと思ったのです。医師に相談すると「必要ないかもしれないけど、念のために…」と言われたそうです。

検査結果は、理恵さんの妙な直観が当たり、「子宮体がん」のステージIB期でした。理恵さんには大学と高校に通う子供が2人おり、今後がんの再発が心配されないよう、子宮の全摘出手術を決意。1か月後に手術を行いました。

理恵さんのケースは閉経前というまれなケースですが、このようなこともありうるということを念頭におき、子宮全体の定期検診を、少なくとも2年、もしくは3年に一度は行いたいものです。

抗がん剤だけで乳がんを完治できる? 分子標的薬の効果とは

手術、放射線治療と並ぶがんの3大療法の一つである、抗がん剤治療。血液のがん以外では、薬だけでがんを完治できないと言われていたが、乳がん治療ではその可能性が高いという。

どういうことなのか、がん研有明病院血液腫瘍科部長畠清彦医師に解説してもらった。12月8日発売の週刊朝日ムック「新『名医』の最新治療2015」から紹介する。

*  *  *

 乳がんはほかのがんに比べると薬がたくさんあり、従来型の抗がん剤、分子標的薬に加えてホルモン剤も使われています。治療方針は、ホルモン感受性やHER2タンパクの発現量によって5つのタイプごとに決められています。

さらに、閉経前と後、初発か再発かによって薬を変えるなど、個別化医療が最も進歩しているがんです。

 乳がんでは、がん細胞の表面にHER2というタンパクが過剰に出現している人が患者の約20%います。このタイプには、以前は効果的な薬がなく予後が悪いとされてきましたが、2001年にハーセプチンという画期的な分子標的薬が登場しました。

HER2を狙ってがん細胞の増殖を抑えるので、進行がんや再発、転移した場合でも長く生きられるようになりました。術前、術後の補助化学療法にも使われています。

 その後、09年に内服薬のタイケルブ、13年にパージェタも発売されました。いずれもハーセプチンと同じHER2を標的にした薬ですが、異なる部位に結合して働くので、ハーセプチンが効かない人に次の一手として使用する、ハーセプチンと併用して効果を増強させるなど、治療の選択肢が広がっています。

 14年には新しいタイプの分子標的薬カドサイラが発売されました。ハーセプチンにDM1という抗がん剤を結合させた薬で、ハーセプチンががん細胞までDM1を運び、細胞内に入ったDM1が毒素を出してがん細胞を死滅させます。分子標的薬と従来型の抗がん剤双方の特徴を生かした効果の高い薬です。

 これまで、血液のがん以外は、薬だけでがんを完治させることはできないとされてきました。

しかし「がんを小さくする目的でカドサイラを投与したら、その後の手術でがんが消えているのを確認できた」というケースが増えてきているのです。「薬単独での固形がんの完治」の実現に一番近いのは、乳がんと言えるでしょう。

40代以上は2年に1度!マンモと併せて受けたい乳がん検診

乳がん検診というと、X線検査であるマンモグラフィをイメージする人が多いかもしれませんが、実際はそれだけではありません。マンモグラフィのほかに、視触診や超音波検診などを併用することもあれば、どれかひとつだけ検査を行う場合もあります。

どの検査方法を選択するかは、年齢や症状などによりますが、併用することで精度は上がるので、機会があれば併せて受けるのがいいでしょう。

2006年には、厚生労働省から「40歳以上の女性は2年に1度視触診とマンモグラフィの併用検診を行うべき」という指針が通知されました。これにともなって現在は多くの自治体で2年に1度の検診を補助しています。

視触診は医師によって行われるのが一般的ですが、慣れればある程度自分でもできますので、検診のときにやり方を教えてもらっておくとよいでしょう。

◆マンモグラフィのメリット・デメリット
乳がん検診で行われるマンモグラフィや超音波検査には、いずれもメリットやデメリットがあるため、自分に合った方法で検査を受けることが必要です。

まずマンモグラフィのメリットは、石灰化した組織を見つけることができるため、早期発見につながりやすく、画像を記録に残すことで、前回との比較などもスムーズに行えます。その一方で、若い女性の場合は乳腺と石灰化の区別がつきにくく、レントゲン画像での判断が難しいのがデメリットです。

また、マンモグラフィは、乳房を押しつぶすようにして撮影するため、痛みを感じる人もいます。痛みは年齢が高くなるほど感じにくくなるといわれ、痛みの点からも検査精度の点からも20代、30代の若い人よりは年齢が高い人に適した方法です。

生理前の1週間は乳房が張りやすくなるため、そのタイミングでマンモグラフィを受けるとかなり強い痛みがあります。マンモグラフィは生理後に受けられるように検診のタイミングを調整するとよいでしょう。

◆超音波検診のメリット・デメリット
超音波検診とは、妊婦さんのお腹の中を見るときに使うのと同様の、エコー検査のことです。医師や超音波技師が専用の機械を使い、画面に映った映像をいっしょに見ながら状態の説明を受けることもできます。

マンモグラフィではがんが見つかりにくい若い女性でも精度の高い検査が可能なのですが、微細な石灰化の段階で見つけるのは難しく、医師や検査技師の技量によっても検査精度は異なってきます。

20代~30代で、近親者に乳がんなどになった人がいる場合は、遺伝的なことも考えてマンモグラフィと一緒にこの超音波検診を受けておいたほうが安心です。

男女ともに知っておきたい子宮頸がんの防御法

ワクチン接種の開始や、女優など著名人の闘病告白の影響もあり、認知度がぐっと上がった「子宮頸がん」。おもな原因は、性交によるヒトパピローマ(HPV)というウイルスへの感染によって発症するものであることがわかっています。

性交経験者であれば、誰もが感染するリスクを持っている子宮頸がん。男女ともに、正しい知識を身に付け、「予防できるがん」であることを知りましょう。

◆女性の80%以上が感染ヒトピロマーウイルス
子宮頸がんの平均発症年齢は20代後半から30代と、1990年代に比べ若年化の傾向にあります。これは、性交年齢が低年齢化していることが関係しているとの見解もあります。

すべての人が、ヒトパピローマ(HPV)ウイルスが原因なわけではありませんが、子宮頸がんの組織中のヒトパピローマウイルスの検出結果などから、100種類以上あるといわれるウイルスのなかでも16型、18型という高リスク型の持続感染が、子宮頸がんの発症と深くかかわっていると言われています。

このウイルスは、ごくありふれたウイルスのため、性行為によって女性から男性へ、男性から女性へと感染していきます。男性も、ほとんどの女性も感染する機会が多い感染症なのです。

◆早い時期の性行為で感染と発症の脅威が倍増!
一般的には、ヒトパピローマウイルスに感染しても、2~3年の間にウイルスが自然消失します。ただ、一部の女性(10人に1人程度)は、ウイルスが消失せずに持続感染し、子宮頸部の上皮に異常増殖(異形成)が起こります。

その状態が続くと、軽度異形成から高度異形成へと進み、子宮頸がんの発症へと進んでしまうことになるわけです。

前述した一部の女性とは、ストレスや疲労で一時的に抵抗力がなくなっている場合や、思春期を迎えたばかりの若い女性の脆弱な子宮などを指します。特に、思春期あたりの若い女性の子宮は、ウイルスに弱く、子宮頸がんを発症しやすのではないかと言われています。

◆賛否はあるものの唯一の予防策はワクチン!
ヒトパピローマウイルスへの感染予防として、日本でも2013年4月より無料接種導入となったワクチン。性交渉の始まる前にワクチン接種をすることが有効なため、小学6年生から高校1年生までが対象となる取り組みです。ただ、接種後の副反応などについては、まだ議論が続いています。

◆子宮頸がんのセルフチェックは「おりものの変化に注目すること」
子宮頸がんの若年化が多くみられる背景には、病気への知識の低さや定期検診の習慣がないことがあげられています。重要なのは、身体の小さな変化を見逃さないこと。

子宮頸がんの発症のサインとして、おりものの変化があげられています。いつもより多かったり、色味が濃かったり、異臭がするなど。これらの症状があったときは、婦人科を受診し、子宮頸がんの検診を受けてみることをお薦めします。

また、喫煙や不規則な生活などもがんの発症を加速させてしまう恐れがあります。睡眠不足や偏食を避け、規則正しい生活で免疫力をあげ、がんになりにくい体作りを心がけましょう。

子宮頸がんは年をとってからも発症するもの!?

子宮頸がんは子宮の入り口(頸部)にできるがんです。1980年代と2000年代の発症者数を比較すると、20代と30代で、罹患者数が約2倍に増えています。罹患のピークも、50代前半から、30代後半に移っています。

子宮頸がんは、原因やがんになる過程がほぼ解明されているのも特徴です。「予防できるがん」であることを正しく理解しましょう。

◆子宮頸がんの原因はヒトパピローマウイルス!
子宮頸がんは、ほかのがんと違いその原因がほぼ解明されていることです。がんの原因となる犯人は、ヒトパピローマ(HPV)ウイルス。発がん性HPVは、粘膜の接触(多くの場合は性交渉)で感染すると考えられています。

発がん性HPVウイルスに感染すると、ある程度の潜伏期間を経て子宮頸がんを発症しますが、感染を繰り返すという性質をもつウイルスのため、潜伏期間の特定は難しいとされています。

近年の子宮頸がんの発症年齢が若年化している理由に、性行為の低年齢化が原因であることが指摘されています。

HPVのキャリア女性が、ある男性と性行為をし、その男性もHPVのキャリアになり、別の女性と性行為をすれば、その女性もHPVのキャリアとなり、数年の月日を経て子宮頸がんの発症をするというのが、子宮頸がんになるまでの経緯と考えられています。

◆20代、30代で感染し高齢になってからの発症も!
都内に住む神田スミさん(80歳/仮名)は、昨年の夏に子宮頸がんを発症しました。部分切除の手術をしましたが、今年になって再発し、子宮の全摘出手術を行いました。

担当した医師によると、スミさんのような場合、20代や30代の若い頃の性交渉でHPVウイルスに感染、長い潜伏期間を経て、免疫力を失った最近になって発症したのではないかということです。

このようなケースを考えると?最後の性行為から10数年が経っているから私は大丈夫!?などということは言いきれないということです。

◆子宮頸がん発症年齢が近年ますます若年化!
子宮頸がんの主な原因とされるヒトパピローマ(HPV)ウイルスは、性行為により感染すると言われていますが、感染しても多くの場合は、症状のないうちに自然に消えてしまうことがほとんどです。

まれに、排除されずに感染が続くと、一部で数年から十数年という月日をかけて子宮がんを発症します。埼玉県の総合病院に勤務する看護師の桃井さん(仮名)は、ナースステーションの掲示板にある手術スケジュールを見るたび驚きを隠せないといいます。

患者名の後にかかれた年齢が20代前半、20代後半、30代前半。若いほどに進行も早く、定期検診の習慣もない年代は、ステージが進み、子宮の全摘出となるケースも多いのだそうです。

とはいえ子宮頸がんは、正しい知識で定期的な検診を続けて早期に発見すれば、子宮が奪われることも、命が脅かされることもありません。

◆喫煙も子宮頸がんに影響するの!?
子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス感染のほかに、喫煙との因果関係も指摘されています。喫煙はできるだけ控え、免疫力を高める食の摂取や規則正しい生活、そしてやはり、早期発見のための定期検診をして、子宮がん予防を心がけましょう。
カテゴリ
QRコード
QR
最新記事
★★互助会推薦★★