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働く女性は「確定拠出年金」を使うべき!?年収400万なら毎年約8万円を節約できる

 この記事をご覧になっている淑女の皆様の中には、お仕事を持って働いておられる方が少なくないのではないかと想像する。そうした方は、会社員であっても、フリーランスであっても、是非、確定拠出年金の利用を検討されるといい。

「カクテイキョシュツネンキン」という単語に、今一つ馴染みの無い方がいらっしゃるかも知れないが、個人が老後に使うお金を独自に貯めて、自分で運用方法を選択することができる仕組みだ。 この制度の最大のメリットは、自分の老後のために貯めるお金に対して、所得税や住民税がかからない、「所得控除」の仕組みにある。

 例えば、会社にお勤めの方は国の厚生年金に加入しているが、これ以外に加入している年金制度が無い場合、個人型の確定拠出年金に加入することができて、毎月2万3000円までの金額を自分の口座に積み立てることができる。年間で合計27万6000円になるが、このお金は所得税と住民税を差し引かれる前の所得から貯めることができるので、例えば、年収が400万円の方だと、税率が合計でおよそ30%、つまり、毎年約8万2000円の税金を節約できるのだ。

 これは、確定拠出年金を使うと、ほぼ確実に手にすることができるメリットなので、「使わないのはもったいない!」。

 読者がお勤めの会社に確定拠出年金制度があれば(これは「企業型確定拠出年金」と呼ばれる)、それを利用するといいが、無い場合には、ご自分で金融機関が提供している個人型確定拠出年金制度のどれかを選んで加入すると、先のような税制上のメリットを得ることが出来る。

 一方、確定拠出年金のデメリットは、原則として60歳まで自分の年金資産を引き出せないことだ。しかし、将来に備えて貯めておくことが必要な額のほうが、確定拠出年金で貯められる制度的な上限額よりもかなり大きいことがほとんどなので、先のデメリットは問題にならない場合が多い。

 確定拠出年金を提供する金融機関は、「運営管理機関」といういささかいかめしい名前で呼ばれるが、口座管理の手数料と、運用商品の手数料が安い所を選ぶといい。端的に言うなら、ネット証券がやっている運営管理機関は手数料が安く、運用商品の選択肢も豊富であり、総合的に得な場合が多い。

 確定拠出年金では、数多く用意された運用商品の選択肢の中から、自分で運用対象を選ばなければならないが、悩む必要はない。手数料が安くて(これが大事!)、シンプルな商品を選ぶといいだけなので簡単だ(年間の運用管理手数料が0.3%未満のものを選ぶのが正解)。

 国が確定拠出年金のような有利な仕組みを用意してくれているということは、将来、公的年金が今ほどにはアテにならないことと裏腹の関係にあるのだろうと筆者は推測している。とはいえ、有利な仕組みは最大限有効に使うといい。特に働いている女性は、確定拠出年金を使うほうがいい、と申し上げておく。

親の介護をきっかけに「介護の資格」を取得するメリットや注意すべき点とは

介護施設の入所待機中、自宅で両親の介護をするという方が年々増えています。施設入所の検討はせずに、自宅で無理のない範囲で介護をして行きたいという方も多くいらっしゃいます。その際に、良い介護ができるように介護の資格を取得したいという方も増えています。今回はこのようなケースについてのメリットや、注意すべき点をお話していきたいと思います。
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資格の取得方法

介護の資格をまず取得する場合、多くの方は「ホームヘルパー2級」を受けようと考えると思います。現在は、ホームヘルパー2級という資格は「介護職員初任者研修」という名前に変更されています。 研修時間は130時間でその内訳は、講義40時間、実技スクリーニング42時間、施設実習30時間となります。

介護職員初任者研修を終えたあとは、実際に介護現場で働き実務経験3年という経験か介護福祉士実務者研修を終えると国家資格である介護福祉士の受験資格を得ることができます。 資格をとるために仕事を辞めて専門学校へ、という方は少ないでしょう。仕事をしながら通信講座などで取得される方や、専業主婦で通信講座を受講する方が多いです。

スクールによっては土日や夜間の授業もありますので、自分の生活に合った方法で無理なく取得に向けて取り組みましょう。受講期間もスクールによって異なりますので、様々なスクールから資料を取り寄せて比べてみると良いでしょう。
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メリット

介護と老人に関する専門知識を学び身につけるのですから、在宅介護においても十二分に知識を生かす事ができるでしょう。自宅での介護での危険察知や危険予測に対する知識が身につきますし、誤嚥([ごえん]食べ物や異物を気管内に飲み込んでしまうこと)や身体状況の変化にも敏感になります。

学ぶことは身体介護の方法だけではなく、福祉サービスの理解や医療との連携、老化・認知症・障害への理解、こころとからだに関する事などですので、医師に状況説明する場合も正しい説明をし、的確な指示をもらう事ができるでしょう。通信講座などもあるので、自宅で空いている時間に自宅学習をする事も可能です。将来的に両親の介護が不要になった場合でも、資格を持っているので介護施設への就職等にも役立ちます。

注意すべきこと

資格を取得するにあたって、スクリーニングや施設実習は必ず受けなくてはいけません。 自宅での介護中ですと、同居家族や自分の代わりになる人間がおらず家を空けられないという方もいらっしゃいます。その場合は、通所介護や施設への短期入所などを上手く利用しなければなりません。
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まとめ超高齢化社会のいま、介護資格保有者は引く手数多です。ですが介護職員不足は中々解消されません。やむを得ず介護離職した場合も資格をとっておくと再就職に有利ですし、経験年数を重ねキャリアアップをする事も十分可能です。 例えば、最近ではデイサービスの送迎運転手のお仕事でも、有資格者優遇という事で無資格者よりも有利となることがあります。勿論、両親の介護に関しても取得して損のない資格といえるでしょう。(執筆者:佐々木 政子)

介護を見据えてVIO脱毛を「しておく」―VIO脱毛のQ&A 温泉で浮かない医師おすすめデザインは

読者の関心度が高いVIO脱毛。「痛いの?」「どれくらい通えばいいの?」「アソコを見せるのは恥ずかしいんだけど…」といった読者のギモンに、銀座ケイスキンクリニック院長の慶田朋子さんに答えていただきました。慶田さんおすすめのVIO脱毛の人気デザインも聞いてみました。

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 脱毛に関する読者アンケートでは、VIOラインの脱毛に興味を持っている読者がたくさんいました。

●おすすめデザイン Vは間引き、IOはツルツル

 脱毛未経験者からは「実際、ツルツルにするのは恥ずかしくないでしょうか…」という声も。確かに、日本には温泉文化があるので、完全にツルツルにするのは人目が気になる人もいますよね。

 慶田さんのおすすめは、「Vラインは毛量を減らし間引く感じにして、I・Oラインはツルツル」のデザインだそう。また、Vラインは下のようにトライアングル形と楕円形の人気が高いそうです。

●どのくらい通えばいいの?

 では、どれくらいの頻度でレーザー照射をすると、どの程度毛が減るのでしょうか?

 「脱毛する部分は照射前にあらかじめ剃毛しておきます。照射後、1カ月ほどするとまたジョリジョリと生えてきますが、生えてくる毛が細くなるのを実感されます。1カ月半に1度のペースで5回ほど照射すると、ぐんぐんと減っていく感覚があります。

 肌色や毛の太さ、毛の密度にもよりますが、VIOラインを完全にツルツルにするには、8回程度の照射が必要です。ただ、3回程度でも全体の毛がやわらかくなり、毛を剃ったあとのチクチク感が軽減されるのでオススメです」(慶田さん)

 毛量が多い人は、残す部分の毛もすべて一度照射して減らした後、生え具合を見ながら形を決めて整えて行く方法がおすすめだそうです。
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読者の素朴な疑問に回答

 VIO脱毛に興味はあっても、恥ずかしさや痛みの不安で踏み出せない人も多いのでは? 読者アンケートに寄せられた疑問・不安の声について、慶田さんに答えていただきました。

Q.デリケートゾーンを人に見られるのが恥ずかしいです…

A.皮膚科医は見慣れているので安心してください

 「恥ずかしいという気持ちは分かります。ですが、私たちは皮膚科医なので、老若男女さまざまなデリケートゾーンを診察しています。一般病院の皮膚科では、1日100人近くの患者さんを診察しますが、3割がプライベートパーツの診察を含みます。ナプキンかぶれなどの診察も、実は婦人科ではなく皮膚科医の担当です。みなさんが想像する以上に、私たち皮膚科医はデリケートゾーンを診察しているので、気軽に何でも相談してください」

●介護も見据えてVIO脱毛「しておく」

Q.VIOラインの脱毛をするのは、どの世代の人が多いですか?

A.30~40代の人が多いです

 「脱毛デビューの部位としてはワキが人気で、次に腕・脚と進める人が多く、これらは20~30代の人が多いですが、VIOラインは30~40代の人が多いです。経験者にすすめられて興味を持つ人が多いようです。

 『生理時に快適』『自信を持って水着を着られるようになった』という声が多いですね。

 将来的に、介護を受ける立場になったとき、デリケートゾーンの毛はない方が清潔を保てるので、そういった意味でもいくつになってからでもVIO脱毛はおすすめです。私自身も脱毛済ですが非常に快適に過ごしています」

Q.VIOは痛みがあると聞いたので心配です…

A.色素沈着が多くデリケートな部位なので他の部位に比べて痛みがあります

 「レーザーは黒い部分に反応するので色素沈着が多いデリケートゾーンは他の部位より痛みがあります。また、痛みに敏感な部位でもあります。クリニックでは照射前に塗るタイプの麻酔を行うことでかなり軽減できます。デリケートゾーンは皮膚が薄いので麻酔の浸透がいいこともあり、これまでに、痛くてギブアップした人はいません」

Q.クリニックの選び方の目安は?

A.皮膚科専門医かどうかで選ぶのもひとつの目安です

 「特にVIOはやけどのリスクが高いので、エステではなくクリニックで行ってほしいと思います。クリニックを選ぶ際は、日本皮膚科学会認定の皮膚科専門医であるかどうかも一つの判断基準だと思います。さらに、レーザー専門医の資格も取得していれば安心です」

Q.肌が弱いのでVIO脱毛を行うのが心配です…

A.肌が弱い人こそ皮膚を傷めないためにレーザー脱毛を

 「皮膚が弱い人やアトピー性皮膚炎の人こそ、医師の管理下でレーザー脱毛がいいでしょう。自己処理によってかみそり負けをしたり、肌を傷めたりしないためにもおすすめです」

 次回は、編集部員が初めてのVIO脱毛にチャレンジした体験記をお届けします。

文/中島夕子 イラスト/PIXTA

<この人に聞きました>
慶田朋子さん 銀座ケイスキンクリニック院長
東京女子医科大学医学部卒業。医学博士。日本皮膚科学会皮膚科専門医。日本レーザー医学会認定レーザー専門医。日本抗加齢美容医療学会会員。日本美容皮膚科学会会員。「切らないハッピーリバースエイジング(R)」をコンセプトに、皮膚科学全般の豊富な知識と経験に基づいた、安心・安全なオーダーメイドの美容医療を提供している。

保険会社で働く人の多くが「医療保険はバカバカしいので入らない」!? その理由とは

入院などに備えて医療保険に加入する人は多いが「私の知る限り、保険会社で働く人の多くは『医療保険に入るのはバカバカしい』と考えています」と、保険コンサルタントの後田亨氏。「入院時の費用など『お金の使途別』に対策をとらないことです。お金の問題を解決するのはお金ですから、自己資金で払うのが一番。医療保険に頼ると、数万円程度のお金のためにも保険料を払うことになる。健康保険の保障もあるのにもったいないということです」

 そもそも保険料が高すぎる――と、後田氏は語気を強める。

「保険数理の専門家によると、医療保険の保険料には保険会社の運営費が3割ほど含まれている。1万円入金すると3000円手数料がかかるATM機のイメージです」

 高額の保険料の背後には「経費の使いすぎ」という問題も。

「各社の保険料収入に占める事業費の割合を見ると、例えばアフラックで20%超。大手でも10%前後。大手の数十分の1の規模である埼玉県民共済が3%程度の事業費率で運営されていることを思うと、コストがかかり過ぎです」

 ちなみに「医療保険に入らない」保険会社の中の人たちは、どんな保険に加入しているのか?

「掛け捨ての死亡保険ですね。自分で出せない1000万円単位のお金は保険に頼る一方で、“貯蓄性”は保険でなくてもできることなので求めない。一般には販売されていない『団体保険』が彼らの間で人気なのは、販売手数料などのコストが低いからです」

 団体保険は大手企業などで導入されている。

生命保険に入る前に、国や職場の制度をチェックだ。

<知っ得! 新常識ベスト3>

1.「使い道」ではなく「金額の大きさ」で考える

知ってる…26%

知らない…74%

2.保険に「貯蓄性」は求めない

知ってる…31%

知らない…69%

3.こだわるべきは、保険料に含まれる「コスト」

知ってる…18%

知らない…82%

【後田亨氏】
保険コンサルタント。オフィス・バトン「保険相談室」代表。生保会社の営業職を経て独立。近著に『生命保険は「入るほど損?!」』(日本経済新聞出版社)

看取りのプロが教える 人生の最期が近い人との対話術

2025年、日本では高齢者が全人口の30%以上になると予想されており、人を看取る(みとる)ことが日常になる「多死社会」時代を迎えつつある。若い世代であっても、この社会の一員として、「看取り」を見つめ直すべきときに来ている。「今日が人生最期の日だと思って生きなさい」の著者・小沢竹俊さんは、2800人以上の看取りを経験してきた医師。そんな小沢さんに、人生の最期を見据えた人とともに穏やかに生きていくためのヒントを聞いた。今後来るであろう家族の最期を、温かく見守るために必要な知識が詰まっているはずだ。

■「なぜ私が命を落とさなければならないの?」と言われたら……

 人生の最期が近いことを知った人は、周囲に苦しい問いを投げかけることがある。 「なぜ私が、命を落とさなければならないの?」「どうせ長くはないのだから、生きていても仕方がないよね?」そんなとき、あなたなら何と答えるだろうか。苦しむ相手に対し、安易な励ましは通用しない。適切な言葉を見つけるのはかなり困難だ。

 「今日が人生最期の日だと思って生きなさい」の著者・小沢竹俊さんは、「人生の最期が近づくことは、究極の苦しみ。その苦しみをなくすことはできません。でも、そんな苦しみをもつ人でも、生きる支えを見つければ、少しだけ穏やかに日々を過ごせるのではないでしょうか」と話す。

■苦しみには解決できるものとできないものがある

 ここではまず「そもそも苦しみとは何なのか」をひもといてみよう。小沢さんは「苦しみとは、希望と現実とのギャップがある状態。例えば、昼寝していたいという希望に対し、起きなければならない現実があり、その開きを埋められないから苦しい。長く幸せに生きていたいという希望があるのに、現実ではかなわないから苦しいんです」と話す。

 そして苦しみの種類は、解決できるもの・できないものに二分される。「例えば、薬を飲んで解決できる苦しみであれば、薬をお渡しすればそれでいいでしょう。でも、あと1カ月しか生きられない人に『来年の孫の入学式まで生きたい』と苦しみを打ち明けられても、希望と現実の開きは埋められない。解決のしようがありません」

 死を前にした多くの人が向き合うのは、“私”を失っていく苦しみ。「孫の成長を見守る私、職場で頼りにされる働き者の私、友だちとの食事を楽しむ私…。それこそが私だったはずなのに、できないことがどんどん増えて、人の役にも立てなくなっていく。“私”を失った自分に、まだ価値はあるのだろうか。そう感じて、苦しくなるのです」

 時計は、正確な時刻を示しているからこそ役に立つ。壊れて止まれば存在意義を失ってしまう。役に立たなくなった私は、動かない時計のようなもの……。人生の最期が間近に迫っている人が、そんな理不尽な苦しみにとらわれ、無力感に襲われるのは無理もない。

■苦しみを抱えながら穏やかに生きるための“支え”

 小沢さんは、「解決できない苦しみがある人にこそ、その苦しみを抱えながら穏やかに生きられるような、支えが必要だ」と語る。
 人生の最期が近づくと、想像を越えた苦しみを抱えるかもしれない。しかし、たとえ苦しみの中にあっても、支えによって喜びや楽しみを見いだせば穏やかに生きられるはず、というわけだ。それは例えばスポーツ選手が、ハードなトレーニングに取り組む中で「試合に勝ちたい」という思いを支えに、苦しさをやわらげたり心の強さを保てたりすることに似ているという。
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■その人にとっての支えを見つけるには?

 では、苦しんでいる人が支えを見つけるのを手伝うにはどうすればいいのだろうか。一つの方法として、苦しみの中にいる本人に直接尋ねてみるのもいい。ただし、単刀直入に尋ねてもスムーズに答えを引き出せるとは限らない。尋ね方のコツについて小沢さんは「支えは星と同じ。暗い夜空でこそ輝いてその存在が明らかになる。だからまずは、これまでの苦しさやつらさにフォーカスし、その中で輝いている支えについて教えてもらうんです」と説明する。

 例えば、「2年間の闘病生活、苦しいこともたくさんあったでしょうね」と問いかけてみると、「家族と一緒に自宅で過ごせないのが苦しかった」「抗がん剤を使った治療が大変だった」「体を動かせなくなって一人でトイレに行けないのがつらかった」といった思いを吐露されるかもしれない。そのうえでさらに、「そんな苦しみの中で、心の支えになっているものはありますか?」と尋ねてみるのだ。
 
そうすればきっと、元気で健康なときには気づけなかった、しかし確かに存在していた星のような支えの存在に目を向けられることだろう。「夫の優しさが支えになっている」「孫にランドセルを買いたいという願いが私の支え」といった答えが引き出されたなら、これこそが、苦しさを和らげ穏やかさをもたらす支えなのだ。さらに、支えの存在について語ってもらえたときは、「そんな支えがあったからこそ、苦しくても頑張ってこられたわけですね」「苦しい経験をされたからこそ、支えに気づかれたわけですね」と、支えの存在を強く意識してもらえるような言葉がけをするといい。支えの大切さを再認識することで、きっとこれまで以上に支えが支えとして効力を発揮することだろう。

■“支え”の存在が生きる力を湧き上がらせる

 支えによって守られる穏やかさ。その根底にあるのは「自分は大切な存在」「何もできない私でも価値がある」と思える自尊感情だ。小沢さんは、自身が大事にしている時計についてこう話す。「この時計は、壊れて動かなくなったとしても、私にとって価値があるものです。なぜなら、父の形見だから。父への思いが支えになっているんです」この時計と同じように、人もまた、たとえ何もできなくなっても尊くて価値がある。支えによってそのことに気づけば、苦しみの中にも穏やかさを取り戻して生きていけるのかもしれない。

■この人に聞きました小沢竹俊(おざわ・たけとし)さん ホスピス医。めぐみ在宅クリニック院長。救命救急センター、農村医療に従事した後、横浜甦生病院内科・ホスピス勤務、ホスピス病棟長を経て、06年にめぐみ在宅クリニックを開院。「ホスピスで学んだことを伝えたい」と、学校を中心に「いのちの授業」を展開。多死時代に向けた人材育成に取り組み、15年にエンドオブライフ・ケア協会を設立。著書「今日が人生最後の日だと思って生きなさい」(アスコム)は、25万部を突破するベストセラーに。新著は「2800人を看取った医師が教える人生の意味が見つかるノート」(アスコム)。

突然の介護。「お金が無くて介護ができない」そんな時にするべき事とは?

介護といっても様々ですが、どんな介護にも付き纏うのはお金の問題。

介護にかかる費用は一般的に、一人あたり平均するとおおよそ月6万円前後。年間で約60万円前後が必要になります。日々の生活が逼迫している経済状態だと、そこから介護にかかるお金を捻出するのは容易ではありません。では、余裕のある収入や年金がない場合、どのように介護にかかるお金をやりくりしたら良いでしょうか?

今回は確認するべき事と、少しでも金銭的な介護の負担をするためにどこに相談すればいいのかを紹介します。
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介護度の認定はされていますか?

自宅でうける介護サービスも、施設へ入所する介護サービスも介護度の認定を受けていないと利用出来ないものや、全額実費負担のサービスがほとんどです。

先ずは介護保険証を確認しましょう。

介護度が認定されていない場合は、早急に市区町村の介護保険窓口に相談して介護認定を受けましょう。

介護度が認定されると、例外もありますが様々な介護サービスが1割~2割程度の負担金額で利用する事が出来ます。
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年金と貯蓄の確認を!

たとえば突然親の介護が必要になった時、それまではどこの家庭もお財布は別々の事が多いです。

両親が年間でどのくらいの金額を受給しているか御存知ですか?

年金で介護にかかるお金をやりくりする場合は、まずは年金額の把握が大切です。

会話で確認が出来ない場合や、記憶が曖昧になってしまっている場合は、年金証書や年金事務所からの送られてくる「年金振込通知書」等、明確な金額が書かれた書類を探してみましょう。

ただし、お金の問題は非常にデリケートです。

介護の度合いによっては「子供にお金をとられる!」と認識してしまう事もあります。

お金に関する事は早めに相談をし、収入や貯蓄の把握、書類の保管場所の確認、「介護が必要になったらお金の管理を頼みたい」と言って貰えるような関係を日常的に作っておく事が大切です。

地域包括支援センターに相談する

各自治体に設置されている、介護のプロフェッショナルがあつまる相談窓口です。

看護師や保健師、ケアマネージャーや社会福祉士が、高齢者の日常生活から看護・介護、介護する側の家族からの相談まで幅広く対応してくれます。

世帯の年収や家庭事情などをふまえて相談すると、どのような介護サービスが利用でき、どのような介護制度が適用されるのか詳しく教えて貰う事ができます。

在宅介護サービスを利用する場合も、施設への入所を考えている場合も、まずは地域包括支援センターに相談をすると良いでしょう。

介護を受ける人間とその家族に合った、金銭的にも身体的にも無理のない最善の介護方法を助言してもらえます。

親族に相談をする

介護の問題もお金の問題も、1人で抱え込むべき事ではありません。

といっても、親族にお金の相談をするのは心苦しい事ですね。

様々な家庭の事情で相談出来ないケースも少なくはありません。ですが、まずは身近な兄弟に相談をしてみましょう。

現在どの程度の年金収入と蓄えがあり、どんなサービスを受けている(受けさせたい)のか、月々どの程度の介護費用がかかる(かかっている)のかを話し、たとえ金銭の助けが受けられないとしても現状を認識して貰う事が重要です。
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まとめ

超高齢社会の今、介護に関する問題は誰しもが他人事ではなくなっています。

お金の事なんてどこに相談したらいいのかわからない、お金が無いなんて思われたくない。そう考える人も多いです。

しかし悩んでいても解決しない事もあります。確認すべき事項をしっかりとおさえ、地域包括支援センターや親族に連絡をしてみましょう。

情報収集や不安を相談していうちに、きっと介護の悩みをいくつも解決してくれますよ。(執筆者:佐々木 政子)

新社会人なら知っておきたい「厚生年金」とは? 国民年金との違い

誰でも年を取ったり、重い障害を抱えたりすると働けなくなります。そんなときのために国(政府)が用意しているのが「公的年金制度」です。職をリタイアする年になったり、障害を負ったりしたときなどに「年金」を受け取れる仕組みですが、この「公的年金」には「厚生年金」と「国民年金」があるのを知っていますか?

■そもそも厚生年金とは?

どちらも公的年金の「国民年金」「厚生年金」ですが、国民年金は「基礎年金」といわれ、公的年金の土台に当たります。「20歳以上60歳未満の日本国民」が加入対象者となり、全ての日本人の最低ラインの保証となるものです。

「厚生年金」は、被雇用者・雇用者が加入対象者となります。ですので、大学を卒業して企業に勤め始めたみなさんは「厚生年金」に加入します。加入しないでおこう、というのはできません。全員加入が義務付けられています。また、この厚生年金は「国民年金を含み、追加分もある年金制度」です。給付されるお金は厚生年金の方がお得です(後述)。

被雇用者・雇用者が「厚生年金」に加入しますので、「国民年金」と「厚生年金」の加入者は大まかには以下のようになります。

●「国民年金」加入者:「第1号被保険者」と呼びます。自営業者、農業・漁業従事者、学生、無職の人
●「厚生年金」加入者:「第2号被保険者」と呼びます。サラリーマン(給与所得者)、会社の経営者、公務員

「第2号被保険者」に扶養される「20歳以上60歳未満の配偶者」は「第3号被保険者」と呼ばれます。この「第3号被保険者」は「国民年金」にのみ加入します。夫がサラリーマンで厚生年金加入という専業主婦のみなさんは別途国民年金の納付金を支払う必要はありません。国民年金に加入していることになります。ただし、夫が会社を辞め、国民年金に加入した場合には、奥さんも国民年金に加入して納付金を支払う必要があります。この場合は、夫・妻両方が「第1号被保険者」なのです。

■年金基金に支払うお金も「国民年金」「厚生年金」で違う

日本国民は全員、この公的年金制度に加入しなければなりません。そして月々年金保険料を納付しなければならないのです。この納付の仕方も「国民年金」と「厚生年金」では異なっています。

●「国民年金」の納付:保険料額は「1万6,260円」と定額。
 ※この金額は平成28年度(平成28年4月~平成29年3月)のものです。
●「厚生年金」の納付:納付金額は月ごとの給料に対して定率(18.182%/基金によって2.4-5.0%の免除保険料率あり)。納付金額は個人で違う。

厚生年金は上記のとおり、国民年金を含み、追加分もありますので、納付金額は国民年金よりも高いですが、「労使折半」しますので会社(事業主)が金額の半分を負担します。また、給料から天引きされますので、サラリーマンの場合には「厚生年金を支払わないでおこう」なんてことができません。

新社会人のみなさんは自分の給与明細をよく見てください。「厚生年金」という天引き項目があるはずです。「たくさん引かれているなぁ」と思うかもしれませんが、同額を会社が負担していますので、実際にはその倍額を支払っているのです。

■給付は「厚生年金」の方が手厚い

「国民年金」「厚生年金」の公的年金制度では、

●老齢年金
老後に給付される年金

●障害年金
高度な障害を負ってしまった場合に給付される年金

●遺族年金
残された家族が生活するために給付される年金

という3種の給付が受けられるようになっています。そのいずれでも国民年金よりも厚生年金の方が給付が手厚くなっています。上記のとおり、納付金額が土台となる国民年金よりも高く、追加分があるからです。そのため、厚生年金は「二階建て」なんていわれます。例えば、老後の生活費として大事な「老齢年金」ですが、国民年金の場合には基礎となる「老齢基礎年金」のみが給付されます。しかし、厚生年金の場合には、この上に「報酬比例部分」の給付が乗っかります。

厚生労働省のリリースによりますと(平成28年1月29日)、国民年金の「老齢基礎年金(満額・1人分)」の例は月額「6万5,008円」、厚生年金(報酬比例分を足したもの)の例では月額「22万1,504円(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)」となります。けっこう大きな差になりますね。

⇒厚生労働省 「平成28年度の年金額改定についてお知らせします」
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12502000-Nenkinkyoku-Nenkinka/0000110901.pdf

サラリーマンになると全員強制的に「厚生年金」を天引きされることになります(※事業者によって例外あり)。国民全員の助け合いで仕方のないことですが、結構な金額を引かれるので、初めて給与明細を見たときにはゲンナリするかもしれません。新社会人のみなさんは、入社前に厚生年金とは何かをしっかり理解しておきましょう。

介護保険を利用し、施設に入居すると毎月いくらぐらいかかるの?

高齢化社会を迎えた日本。 特に介護保険を利用しサービスを受けられる方が増えてきています。最近、テレビで取り上げられるようになってきた、老後にかかるお金。 特に介護が必要になってきた時に必要な金額を皆さんご存知でしょうか?
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介護保険利用負担費(長い名前)

まず、基本となるのが介護保険利用負担費です。 介護保険利用負担金は介護サービスを利用した場合の利用者負担になります。介護サービスにかかった費用の1割を利用料として支払います。(一定以上の所得者は2割)利用できるサービスの限度額は要介護度別に決まっています。もし、限度額を超えて利用してしまうと超えた分は全額自己負担になりますので注意が必要です。

今回は施設に入居したらどの位かかるのかを見ていきましょう。
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1. 特別養護老人ホーム(毎月5万~15万)

特別養護老人ホームの費用は入居者本人と扶養義務者が負担することになります。本人と扶養義務者の所得によって金額が変わりますが、5万~15万と格安で入居できます。(地域別で金額は変わります。) 格安のため待機者が多いのが長年続いている状況です。個室や多床室でも金額が違います。多床室は2~4人の相部屋というタイプになるので少しお安くなります。

月額利用費は、

介護保険利用者負担費+食費+居住費=合計になります。 食費・居住費は施設によって多少違います。食費は朝、昼、おやつ代、夕食と別れて料金設定がされていて、食べた分だけ実費負担になりますので、事前に確認しましょう。また、医療費・散髪費等の日常生活費も実費負担になります。

2. 介護老人保健施設(毎月8万~17万程)

介護老人保健施設の費用は世帯収入や課税状況によりますが、8万~17万程度と特別養護老人ホームより高く設定されています。ただ、こちらは終身の施設ではないので退居しなければならないこともあります。こちらも 月額利用料等は特別養護老人ホームと同じ計算方法になります。

3. 各種老人ホーム(毎月0~100万の所も)

一番費用がかかるかもしれませんし、計算方法が厄介です。まず、入居一時金が必要な場合があります。 金額もその施設で違うため、0~100万の所もあります。居室費や食費もそれぞれの施設で差があります。 

■介護付き有料老人ホーム

【月額利用費】
介護保険利用者負担費+食費+居住費

■住居型有料老人ホーム

【月額利用費】
居住費+食費等 
 介護サービスは外部の事業所を利用します。月額利用費以外に利用した介護サービスの事業所に介護保険利用者負担費を支払います。課税状況や世帯収入での月額利用費の減額は無いところが多いです。

4. グループホーム(毎月10~20万円程度)

1ユニット5人~9人で共同生活する介護福祉施設です。 地域密着型サービスになるため、施設と同じ地域に住民票がなければ入居できません。入居一時金については、設定している施設もありますが、一般的に有料老人ホームほど高額ではありません。 入居費用については利用する施設の地域や認定されている要介護度によって変わります。都心にあるほど若干高額にはなりますが、だいたい1か月10万円から20万円程度となっています。

また、利用できる付加サービスや設備の充実の違いでも利用料金がかわります。事前に利用できるサービスや料金についても詳しく確認しておきましょう。施設のスタッフも料金についての説明は慣れているものですから、遠慮はせず気になることは何でも確認する姿勢を心がけておきましょう。

【月額利用費】
介護保険利用者負担費+居住費+食費+オムツ代等
施設によっては 一時金や保証金が必要な場合有り。
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まとめ

今回は色々な施設サービスの月額利用費を見ていきました。安い所もありますが、ひと月に十万を超える所が多いのが現状です。 本人や家族だけで探してしまうと考えていたのと違う、予算オーバーになって生活が苦しくなってきた等のトラブルが起きることがあります。 介護保険を利用しているなら担当のケアマネージャーに相談しながら施設選びをする方がいいでしょう。施設は増えてきていますが、金額に対するトラブルも増えてきています。また、特別養護老人保健施設・介護老人保健施設・介護付き有料老人ホーム・グループホームは待機者が多く、すぐに入居出来なくなっています。

「育介法」が1月から改正へ…「介護休業」の何が変わることに?

ニュースなどでご存知の方も多いと思いますが、2017年1月から改正育児介護休業法(育介法)が施行されることになります。育児休業・介護休業を取得できる従業員の範囲が拡大したことも大きいですが、特にインパクトが強いのは介護休業の取得方法でしょう。改正前と改正後では介護休業の取得方法はどのように変わったのでしょうか?

Q.法改正によって何が変わった?
A.介護休暇を「3回」に分けて取得できるようになりました。

改正前の育介法では介護休業は1回きり(最大93日間)しか取得することしかできませんでした。ただ、介護を行うにあたっては急な対応を要するもの(直接的な介護だけでなく介護施設の申し込み手続きなど)が複数回発生するため、1回きりしか取得できない介護休業は使い勝手の悪い制度でした。

しかし、改正後は取得日数の上限こそ最大93日間と変わらないものの、1回きりではなく通算して93日間を3回に分けて取得できるようになりました。分散して介護休業を取得できるようになったことにより、93日という限られた日数をより効果的に活用してもらうことが期待されています。

とはいえ、仕事と介護を両立するためには取得日数が分散できるようになっただけではまだまだ不十分であると言えるでしょう。介護離職を減らすためにも今後の更なる制度改革に期待したいところです。

*取材・文:ライター 松永大輝(個人事務所Ad Libitum代表。早稲田大学教育学部卒。在学中に社労士試験に合格し、大手社労士法人に新卒入社。上場企業からベンチャー企業まで約10社ほどの顧問先を担当。その後、IT系のベンチャー企業にて、採用・労務など人事業務全般を担当。並行して、大手通信教育学校の社労士講座講師として講義サポートやテキスト執筆・校正などにも従事。現在は保有資格(社会保険労務士、AFP、産業カウンセラー)を活かしフリーランスの人事として複数の企業様のサポートをする傍ら、講師、Webライターなど幅広く活動中。

遺族年金に男女格差 妻を亡くした夫には支給されなかった

妻がやってくれていた家事や子育てを一手に背負いながら、働き続ける父子家庭は、母子家庭とはまた違うつらさがある。そのつらさのすべてはわからないが、お金がないと困ることは確実にわかる。誰にでも死は平等に訪れるが、遺族にとって死は平等ではない――このままでいいのか遺族年金制度。

この遺族年金には男女格差が存在する。まず、遺族基礎年金は、2014年3月までに妻を亡くした夫には支給されなかった。ファイナンシャルプランナーの平野泰嗣さんはこう語る。

「従来は夫が働いて、妻が専業主婦の家庭がほとんどでした。つまり、妻が亡くなっても、夫は金銭的に困らないものとされていたんです。ただ、共働き、専業主夫など多様な働き方がある現代で、疑問視される声が高まっていきました」(平野さん・以下「」内同)

2014年4月以降は、満18才未満の子供のいる夫にも遺族基礎年金が支給されるように制度が改定された。

「現在、専業主婦の妻が亡くなっても、夫に遺族基礎年金が出ます」

だが、2014年3月までに妻が亡くなった父子家庭には、遺族基礎年金が支給されないままだ。例えば、2011年に起きた東日本大震災で妻を失い、男手一つで子供を育てている父親は、遺族基礎年金を受けられない。また、遺族厚生年金に関しても、年齢制限という男女差が存在する。

「妻の死亡時に夫が55才以上でないと、夫は遺族年金を受け取れず、子供が受け取ることになります。それに対して妻が受給者の場合は年齢制限はありません。夫婦どちらでも実質的に支給はされますが、法的には55才未満の夫は受け取れません」

ちなみに、夫の死亡時に40才以上65才未満の妻で、生計を同じくする子がいない場合、遺族厚生年金に中高齢寡婦加算が加わる。金額は遺族基礎年金の4分の3と決まっていて、2016年は、年間58万5100円になる。この制度も妻を失った夫には支給されない。

※遺族年金の対象は、遺族が年収850万円未満の世帯。中高齢寡婦加算は、遺族厚生年金と遺族基礎年金を受け取っていた子のいる妻が、子供が満18才に達したため、遺族基礎年金を受け取れなくなった場合にも加算される。その他、詳細は日本年金機構のHPなどでご確認ください。

安い費用で入居できる「軽費老人ホーム」 自分に合わせて3つのタイプから選べます。

老人ホームや特別養護老人ホームなど高齢者向けの施設は様々です。ですが皆さんがご存知の高齢者向け施設は費用が高いと言うイメージではないですか?ご家族に限らず、ご自身の為にも知って損はない施設についてのお話です。

軽費老人ホームとは

60歳以上であること、またはご夫婦の場合にはどちらかが60歳以上である高齢者の方が対象になります。

身寄りがなくご自宅で暮らしていてもお一人では生活に不安があったり、ご家族がいても事情により同居が困難な方などの為に、安い費用で入所できるように自治体が助成を行っている老人ホームです。

「軽費老人ホームA型」、「軽費老人ホームB型」、「ケアハウスC型」の様に3つのタイプがあり、この総称を「軽費老人ホーム」と言います。

月額利用料は居室の設備や世帯収入、課税状況により差がありますが、有料老人ホームなどと比較すると費用は抑えられます。
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各タイプ別の特徴

軽費老人ホームA型・B型があります。

■共通点

・ 初期費用(目安)として0~30万程です。初期費用とは保証金と考えて下さい。施設によっては全く必要ない所もあります。これに月額費6~17万程掛かります。 

・ 原則、34万を超える所得がある場合は入所出来ません。(所得制限、金額に関しては地域により異なる場合があります)

・ 介護認定を受けている方、認知症の方は入所出来ません。

・ 入居の期間に制限は特にありませんが、施設によっては介護サービスが受けられないところもあります。

介護サービスが受けられない場合には要介護状態になると退去しなければならないところもあります。入居前に確認しておくべきポイントです。

・ 居室は個室または準個人です。準個人とは壁1枚で仕切った部屋の事です。夫婦での入居の際は同じ居室となります。

・ 軽費老人ホームで受けられるサービスは、見守りや外出時の支援、生活相談などです。食 事や入浴、排泄など介護サービスの提供及び機能回復や医療ケアはありません。介護ケアについては施設により異なります。

■相違点

□■A型■□

施設で食事が提供されます

□■B型■□

自炊が原則

共通点でお話した月額費の金額の差はB型の場合、自炊で食費がが掛からない点にあります。A型とB型の違いは食事面でしょう。
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軽費老人ホームC型(ケアハウスC型)とは

1990年から新しく登場したタイプの施設です。今までの軽費老人ホームA型と似ていますが、特徴としては、高齢者向けの献立を考えた1日3回の食事を提供するといったサービスがついていることです。

全室が個室になっており、施設内もバリアフリーの構造で車椅子利用者にも対応しています。

C型には一般型と介護型があり、介護型では一部認知症の方にも対応出来る面もあります。A型、B型との相違点はやはり費用面でしょう。稀に初期費用が1000万を超えるケースもあります。

A型やB型の様に所得による入所の制限がない点は大きく違うところです。

■入所条件と費用

□■介護型■□

施設により異なりますが数十万~数百万の初期費用に加え16万7,000円~20万程の月額費用が掛かります。入所条件は要介護1以上で65歳以上の高齢者です。

□■一般型■□

施設により初期費用が無料と言う施設もありますが、約30万程掛かります。月額費用は7~13万程です。入所条件はA、B型同様自立している高齢者となります。
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まとめ

有料老人ホームに比べ費用面の負担は軽くなりますが、その施設によって違う事もあります。入所の相談は各市区町村の窓口または地域包括支援センターへ、入所については各施設へ直接申込です。

出来れば相談後、候補となる施設から資料を取り寄せ検討された方が良いでしょう。ただし施設の資料は入居後の資料を渡される事も少なくありませんので、ご注意下さいね。(執筆者:佐々木 政子)

費用トラブル続出の介護施設 入居利用料の基本をおさえろ!

 大切な家族によりよい老後を送ってもらうためにも介護施設選びは重要だが、残念ながら入所後のサービス内容や費用にまつわるトラブルは年々増えているという。当初は月々の費用が15万円と聞いていたのに、実際には料金別途のサービスが大量に加算され1か月で30万円近い金額が請求されたなどのケースだ。『もう限界!! 施設介護を考えるときに読む本』(自由国民社)などの監修者でケアタウン総合研究所代表の高室成幸さんはこう話す。

「介護施設はさまざまな種類があり、費用やサービス内容などにもかなりの幅があるので、基礎知識を身につけることはもちろん、ホームに見学に行く、体験入居をするなどして慎重に選ぶ必要があります。介護のために捻出できる予算、必要なサービス、住むエリアを考えてみましょう」

 入居利用料に含まれる費用は特別養護老人ホームのように住居費、食費、家具代、介護保険の自己負担分などが含まれているものから、住居費以外は含まれない高齢者向け優良賃貸住宅など、施設によって内訳は異なる。すべての介護施設で、介護保険の支給限度基準額を超えた介護サービス費や医療費は、別途必要になっている。ちなみに、入居利用料に含まれる費用の内訳は以下の通りだ。

住居費:家賃、施設の共益費、管理事務費などの費用
食費:朝、昼、夜の食事代
家具費:ベッドやタンスなど入居時に必要な家財道具の費用
介護保険の自己負担額:介護保険制度で要介護度別に限度額が定められた自己負担額
入居一時金:入居時に支払う費用。退去時に返却される場合もある

 入居する施設では、上記のどの費用を支払う必要があるのか、しっかり知っておくことがトラブル防止の第一歩となるだろう。

老人ホームへの期待No.1は「食事」85% だが「満足」は18%

超高齢化社会の到来で、老人ホーム数が急増している。全国有料老人ホーム協会の調査によれば、2009年10月末時点のホーム数は4482。そのうち半数以上は2006年度以降に開設された新しい施設である。

そんななか、雑誌やムックなどでは「老人ホーム・ランキング」が定番企画、人気企画となっている。

よくあるランキングの基準は「経営の安定性」「介護体制の充実度」などだ。こうした指標は、これから入居する高齢者や入居予定の親を持つ世代が関心を寄せるチェックポイントだとされる。だが、事業経験が長く、職員数が多ければ、それだけで「残りの人生を幸せに暮らせる」というわけではない。こうしたランキングには、多くの場合、入居した人の声が反映されていない。

全国の老人ホームで講演や人材育成の指導を行なうケアタウン総合研究所の高室成幸所長が語る。

「特別養護老人ホームと違って、民間のホームの入居者は比較的、元気な人が多い。医療・介護体制も大事だが、実は入居者の不満は食事に関するものが圧倒的に多い。若い時と違って単調な生活が続きがちな高齢者にとって、日々の生活の最大の楽しみは三度の食事なんですね。だから、最近は『食事内容の充実』をアピールする施設が増えている」

実際、前出の調査によれば、老人ホームの生活支援サービスに期待されるものは、「食事提供」が85.7%と最も多い。ところが、「生活支援サービスの内容」に満足していると答えた入居者は17.6%、「生活支援サービスのメニューの多さ」の満足度は14.9%に過ぎなかった。「食事の献立はバラエティに富んだものにしてほしい」(入居者)という声は多く聞かれる。

「高齢者施設」の主な種類と概要 サ高住等5種の施設の違い

 高齢化社会を迎えた日本では、老人ホームにお世話にならずに老いてゆくのは難しい。ひと口に老人ホームと言っても、さまざまな種類が存在する、ここでは5種類の老人ホームを紹介しよう。

■介護付き老人ホーム
 要介護1以上の人を対象とした「介護専用」型と、認定を受けていない人でも入居できる「混合」型がある。施設に居住しながら食事や入浴などの介護サービスを受けることができる。民間企業などが運営しているので、特養と違い施設によって料金やサービスは異なる。

■住宅型有料老人ホーム
 65歳以上であれば、感染症など集団生活ができない場合を除いて入居することができる。バリアフリー設備が充実し、食事や清掃などのサービスは受けられる。スタッフによる直接の介護が必要となった場合は、入居者と外部事業者が直接契約し、訪問介護になる。

■サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
 60歳以上もしくは要介護認定を受けている人ならば入居できる。介護の資格を持つ管理人が常駐しており、安否確認・生活相談サービスが提供される。介護は外部と直接契約して利用する。賃貸契約のため、多くの施設で一時金は不要だが、敷金・礼金などはかかる。

■特別養護老人ホーム(特養)
 自力で生活することが困難で、在宅介護が受けられない人に、食事、入浴などの日常生活の介護や機能訓練などのサービスを行なう施設。社会福祉法人や自治体などが運営しており、低料金で利用できるが、待機者が多く、要介護3以上の認定がないと入所は困難。

■グループホーム
 65歳以上の要支援2、または要介護1以上の人で、施設の地域に住民票がある人が入所対象。認知症を患っている5人から9人の高齢者が常駐する介助スタッフの援助を受けながら共同生活を送る。入居金や利用料がかかるが、一般に有料老人ホームより低料金で利用できる。

年金の最低加入期間が25年から10年に短縮?注意しておきたい法的なポイントを解説

先月9月26日に実施された臨時閣議において、政府は年金制度の変更法案を閣議決定しました。注目されている点としては、これまで年金の受給資格を取得するために最低でも25年必要だった年金加入期間が、10年にまで短縮されることです。

これにより年金の受給資格者は大幅に増えることが見込まれ、約64万人が新たに受給者に加わる試算だと報道されています。

ではこの法改正案が実現した場合、法的にどのような点に気をつけなければいけないでしょうか。

■最低期間が短縮されるだけで年金額は増えない

法改正が成立すれば年金受給資格者は増えることとなりますが、当然のことながら、10年の最低加入期間しかない場合、25年以上納付した人よりも、年金額は大幅に減ります。

今までであれば受給資格がなく0円だった人でもいくらか年金を受給できるようになりますが、最低加入期間しかない場合は、年金だけで老後の必要な生活費を賄うことは困難となるでしょう。

最低加入期間が緩和されたとはいえ、最低加入期間分だけでは、生活していくために十分な年金額の確保ができないことは、従前と比べて変わりありません。

■収入が少ない人は、年金以外にも免除や猶予の制度活用を

今回の法改正によって新たに導入予定のものではありませんが、従来から、収入が少ない方のためには、若年者猶予や学生納付特例、保険料の一部免除といった制度が用意されています。

保険料の負担を一時的に軽くしつつ、年金の加入期間に算入することができますので、年金未納付のまま放置するのではなく、猶予等の手続きを申請した方が後々のためになります。

なお、年金財源には一部税金も投入されており、免除の場合は、税金充当部分が年金額に加算されます。

したがって、未納付のまま放置するよりも、税金充当部分の年金加算があることを念頭に入れ、自分がどの制度を利用できるか、今回の法改正を契機に、未納付の若い方も今一度確認してみましょう。

■新たな受給資格者は忘れずに申請を

また、最低加入期間の短縮が実現すると、受給資格者数は大幅に増えます。もっとも、年金の支給は自動で行われるわけではないため、申請が必要となります。今後、新たな受給資格者には申請書等の必要書類が届きますので、忘れずに受給の手続きをしてください。

また、住民票等を引っ越しなどで現住所に移していない方は、手続きが遅れる可能性もありますから、きちんと最新の届出をしておきましょう。

*著者:弁護士 星野宏明(星野法律事務所。顧問法務、不動産、太陽光自然エネルギー、中 国法務、農業、不貞による慰謝料、外国人の離婚事件等が専門。)

在宅看取りマニュアル 死の1週間前の家族の準備と心構え

在宅死を望む高齢者は5割もいるものの(内閣府調査)、家族は看取りの経験も知識も乏しく、不安を抱えている。そうしたこともあってか、病院で死ぬ患者の数は欧米諸国では約50~60%だが、日本は約80%近い。そんな家族のために、看取りの手順などをまとめた小冊子を用意する医療機関や介護施設が増えている。

 そこには分かりやすい言葉で、死の1週間前から現われる兆候や、臨終間際に見られる動作、そして他界直後に家族が取る行動などが記されている。そこで実際の資料と在宅専門医や看取り実績が豊富な老人ホームの協力をもとに作成した「お別れパンフレット」から「亡くなる1週間前に何が起こるか、どう対処すべきか」を紹介しよう。

──食事が摂れなくなっても、無理せず食べたいものだけ食べさせてください

 死の1週間前頃から食欲や咀嚼・嚥下機能は著しく低下し、食べ物をほとんど受け付けなくなる。これは人間の自然な衰えだという。在宅医療に力を入れるたんぽぽクリニック院長の永井康徳氏が説明する。

「食事や水分を口からほとんど摂取できなくなったら、“(亡くなるまで)およそ1週間です”と伝えています。この頃になると、水分は1日500ml以上は摂れなくなります。食事も無理に食べさせなくてもいい。食べたいものがあれば、それを食べさせればいいんです」

 無理強いすると消化不良や嘔吐を招き、不要な苦痛を与えかねない。この段階では家族から点滴の要望が増えるというが、これも身体がむくむなど本人にとって苦痛になることがあるので、注意する必要がある。

──眠っている時間が長くなりますが、無理に起こす必要はありません

 食欲低下とともに、一日中ウトウトと眠っている「傾眠状態」と呼ばれる時間が増える。この間は“天然の麻酔”が効いているのと同じで、本人にとっても心地良い状態。

「心配して揺り起こしたりせず、眠らせてあげるのがいいでしょう」(同前)

知って損は無い、「年金を払わず、将来は生活保護を受けた方が得」は本当か?

生活保護の扶助は、継続的に支給される

「生活扶助」、「住宅扶助」、「教育扶助」、「医療扶助」、「介護扶助」と、一時的に支給される「出産扶助」、「生業扶助」、「葬祭扶助」の8種類があります。

この中の生活扶助は、生活保護の基本となる扶助で、食料費、被服費、水道高熱費など、生活に最低限必要な費用を満たすために、支給されているものです。

また住宅扶助は家賃代などを満たすため、医療扶助は診療代や薬代などの医療費を満たすために、支給されているものです。

国立社会保障・人口問題研究所のサイトの中にある、「扶助別保護費1人当たり月額の年次推移」を見てみると、生活扶助の1人当たりの平均受給額(平成25年度)は、1か月で5万2567円だとわかります。

またすべての扶助を併せた、1人当たりの平均受給額(平成25年度)は、1か月で13万9884円だとわかります。

それに対して国民年金は、20歳から60歳になるまでの40年間に渡り、1か月も欠かすことなく保険料を納付して、原則65歳から満額の老齢基礎年金を受給できても、その金額は78万100円(平成28年度額)です。

これを月当たりに換算すると6万5008円にしかならず、しかも生活保護と違って、住宅扶助や医療扶助がありませんから、この6万5008円の中から、家賃代や医療費などを捻出しなければなりません。

このように生活保護は国民年金と比較して、かなり恵まれているため、国民年金の保険料など納付する必要はなく、高齢になって働けなくなったら、生活保護を受ければ良いと、主張する方がおります。

しかし次のような理由により、安易に保険料の滞納を続けるのは、止めた方が良いと思うのです。

財産の差し押さえや延滞金の徴収が実施される

国民年金法を読むと厚生労働大臣は、国民年金の保険料を納付しない方に対して、期限を指定して督促状を送付し、その期限内に納付しない場合には、財産の差し押さえを実施すると記載されております。

また督促した時は保険料に加えて、年14.6%(納期限の翌日から3か月が経過するまでは年7.3%)の、延滞金を徴収すると記載されております。

従来からこういった規定はあったのですが、実際は厳しい取り立ては実施されておりませんでした。

しかし近年は政府の方針が変わり、特に収入があるのに保険料を納付しない悪質な滞納者に対しては、厳しい取り立てが実施されるようになっているので、督促状やその前段階である催告状を無視するのは、とても危険だと思います。

なお国民年金の保険料は、配偶者や世帯主が連帯して納付する義務を負うので、財産の差し押さえが実施されれば、家族にも迷惑をかけることになります。

消費税率の引き上げの恩恵を受けられない

政府は消費税率の10%への引き上げと同時に、「老齢基礎年金」、「障害基礎年金」、「遺族基礎年金」を受給できる、一定の低所得者を対象にして、月額5000円程度の「年金生活者支援給付金」を支給するとしております。

なぜ消費税率の引き上げと同時に実施するのかというと、その引き上げ分を財源にするつもりだからです。

そのため国民年金の保険料の納付を滞納して、「老齢基礎年金」、「障害基礎年金」、「遺族基礎年金」を受給できなくなった場合、買い物のたびに納付した消費税が、自分のところに返ってこなくなり、消費税率の引き上げの恩恵を受けられなくなります。
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市区町村などから管理された生活が待っている

生活保護を受けるには資産がないことが条件になるので、例えば山間僻地に住んでいるため、公共の交通機関が全く整備されていない場合などを除き、自動車を所有できません。

その他に預貯金、家や土地などの不動産、生命保険なども、上記の自動車と同じように例外的な場合を除き、原則的に所有できません。

こういった財産上のデメリットだけではなく、生活保護の申請をする際には親族に対して、経済面などの援助をお願いする「扶養照会」という通知書が届きますので、生活に困っていることが親族に伝わります。

また定期的に収入の申告をしたり、定期的にケースワーカーの訪問を受け、その指導に従ったりする必要があるので、生活全般が市区町村などから、管理されたものになるのです。
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生活保護を受ける世帯の増加により扶助の削減が続いている

国立社会保障・人口問題研究所のサイトの中にある、「被保護実世帯数・保護率の年次推移」を見てみると、生活保護を受ける世帯は、平成7年度くらいから増加を続けております。

具体的な数字を見てみると、平成7年度には1か月平均で60万1925 世帯だったものが、平成25年度には159万1846世帯にまで増えているのです。

ここまで生活保護を受ける世帯が増加すると、財政的にかなり厳しくなってくるので、平成25年8月から3段階に渡って、生活扶助の削減が実施され、また平成27年7月からは、住宅扶助の削減が実施されました。

このような事情があるため、国民年金より生活保護の方が有利という状況が、いつまで続くかはわからないのです。

受けてはいけない在宅医療 「救急車呼べ」と言われることも

内閣府の意識調査(2012年)によると、自宅で最期を迎えたい高齢者は54.6%にのぼる。しかし、実際に自宅で臨終を迎えるのはわずか12.8%だ(2014年)。この現実と理想のギャップを埋めるために政府は在宅医療を推進しているが、「自宅で最期を迎えたい」との切なる願いは簡単には叶わない。

 神奈川県に住む大島豊さん(仮名・61)の父親(享年89)は長年、肺がんで入退院を繰り返していた。昨夏、医師から「余命3か月」と告げられたのを機に、在宅医療に切り替えた。しかし、病院から紹介された在宅医は、大島さん一家を困惑させてばかりだったという。

「自宅に戻って1か月後、喉をゴボゴボと鳴らし、呼吸が苦しそうな父を見かねて在宅医に電話したところ、“痰が詰まっているだけ。心配ありません”との返事でした。

“診てないのに分かるんですか? 往診してくれませんか?”と懇願したら、渋々“明日の昼なら行けます”と言うんです。緊急時はすぐに駆けつけると聞いていたのに話が違うと抗議すると、“だったら救急車を呼んで病院で診てもらったほうが早いですよ”と言い放ったのです。

 父は搬送された病院で重症の急性肺炎と診断され、すぐに入院。救急処置で一命を取り留めましたが、何のための在宅医なのかと思いました」

 在宅医療とは主に高齢者が病院ではなく、自宅で医師や看護師の訪問による診療を受ける医療行為だ。

 往診は月に2~4回ほどで、容態悪化時には24時間態勢で診察し、看取りにも備える。「自宅で死にたい」と願う患者にとっては心強い制度だが、現場では混乱が生じるケースが少なくない。在宅医療専門医で「しんじょう医院」院長の新城拓也氏が話す。

「病院の勤務医は、循環器や心臓、がんなど各専門分野が分かれているのに対し、在宅医が診る病気は多岐にわたり、あらゆる症状に対応しなければなりません。しかし、患者をトータルで診ることのできる在宅医は少ないのが現状です。

 在宅医のニーズが高まる中、特に内科の経験が浅い医師が新規参入するケースもあり、経験不足によるトラブルも増えているようです」

【貧困と生活保護】人を死なせる福祉の対応(上)

生活に困って福祉の援助を受けられないと、やがて、その先に何が待っているか。最も悲しい結末は、命が失われることです。とりわけ、生存権を保障する生活保護が機能しないことによって、さまざまな悲劇が起きてきました。福祉事務所との接点がありながら、餓死、凍死、孤立死、自殺、心中、犯罪などに至った例も珍しくありません。
 この10年余りの間に起きた主な事例をたどってみます。筆者のコメントも添えます。掲載の順序は必ずしも時系列ではありません(原昌平・読売新聞大阪本社編集委員)
 (事実経過は新聞各紙の報道と参考文献などによる)。


◆桂川の河川敷で認知症の母親を殺害…京都市伏見区◆

 2006年2月1日、伏見区の桂川河川敷で、当時54歳の区内の男性が介護疲れと生活苦から、認知症の母親(当時86歳)の首を絞めて殺害した。自分も刃物で首を切って死のうとしたが、命を取りとめ、承諾殺人などの罪で起訴された。

 検察側の冒頭陳述などによると、男性は、父親が死亡してから母親と2人暮らしで、母親の認知症が05年4月ごろから悪化。昼夜が逆転し、 徘徊(はいかい)で警察に保護されるなどした。勤め先を休職してデイケアを利用したが介護負担は軽くならず、9月に退職して収入が途絶えた。生活保護を受けようと福祉事務所を3回訪れたが、失業給付があることなどを理由に認められなかった。介護と両立する仕事を探したが見つからず、12月に失業保険の給付がストップ。力ードローンの借り入れも限度額に達し、デイケアの費用やアパート代が払えなくなって、心中を決意した。前日には最後の親孝行として、新京極などの繁華街を、車いすに母親を乗せ、一緒にゆっくり行ったり来たりした。

 冷たい雨の降る早朝、桂川の遊歩道で「もう生きられへん。ここで終わりやで」と言うと、母親は「そうか、あかんか。おまえと一緒やで」と答えた。「すまんな」と謝ると、母親は「おまえはわしの子や。わしがやったる」。その言葉を聞いて、自分がやる、と母親の首をタオルで絞めたという。

 京都地裁は06年7月、懲役2年6月、執行猶予3年の判決を下した。裁判官は、献身的な介護を続けながら両立できる職を探していた経緯に触れ、「行政からの援助を受けられず、経済状態が窮迫し、心身ともに疲労 困憊(こんぱい)し、愛する母親をあやめた」「被告は、福祉事務所の対応を『死ねということか』と受け取った。それが本件の一因ともいえる」と指摘。判決言い渡しの後、「生活保護制度、介護制度のあり方が問われている。事件に発展した以上は、どう対応すべきだったかを考える余地がある」「自分をあやめず、母のためにも幸せに生きてください」と男性に語りかけた。

 しかし男性は14年8月になって大津市の琵琶湖に飛び込み、命を絶っていた。

  【コメント】 たいへん悲しいケースです。男性は、生活保護の申請には至っていませんでした。福祉事務所は、失業給付があるので適用にならないと判断。頑張って働いてくださいと言い、公的貸付金制度を紹介したものの、何の助言もしていませんでした。生活保護の受給には申請が必要なこと、いつでも申請できること、失業給付が切れて困った時に申請すればよいことなどの説明はなかったわけです。

 「あくまでも申請主義なので、要件が整った時に来てもらわないと、こちらから申請してくれとは言えない」と事件後に説明していた福祉事務所。その姿勢は、なるべく申請をさせずに追い返す「水際作戦」と言わざるをえません。当時の副市長は市議会で「生活保護の説明が結果として十分に理解していただけず,将来的にも生活保護が受けられないと思い込まれたことは心から残念に思っており, 真摯しんし に反省すべきであると考えております」と答弁しました。本人の理解不足ではなく、親身なアドバイスをせずに絶望させてしまう福祉事務所のスタンスが問題でしょう。

◆福祉事務所の前で抗議の練炭自殺…秋田市◆

 2006年7月24日、秋田市役所の駐車場に止めた自動車の中で、37歳の男性が練炭をたいて死んでいるのが見つかった。保護課(福祉事務所)などが入る市役所福祉棟の目の前だった。

 男性は以前、店員やトラック運転手をしていたが、5年ほど前、強い睡眠障害が原因で会社を解雇され、再就職していなかった。2年ほど前には住んでいたアパートを退去してホームレス状態になり、車で寝泊まりしていた。国民健康保険証はなく、所在不明の母親から振り込まれる月6~7万円の仕送りだけで暮らしていたという。

 5月2日と6月21日、生活保護を申請したが、いずれも「稼働能力を活用していない」として却下されていた。医師が「睡眠障害であるが就業可能」と診断したのが理由で、2回目は「ハローワークに行った回数が足りない」「就職の面接を受けていない」とされていた。保護課から就職活動をするように言われた男性は、運送会社など2社で面接を受けたが、採用されなかった。

 生活保護について男性は「長く面倒を見てくれということじゃない。調子を戻して働きたい。そうなれば保護はいらないんだ」と友人に話していたが、しばしば死を口にするようになった。

 自殺の前夜、男性は友人宅で「おれみたいな人がいっぱいいる。自分が犠牲になって福祉を良くしたい。おれが死んだら福祉も少しは心が痛むべ」などと語った。知人が市役所の駐車場まで送ると、車内に七輪などがあり、「どうしても死ぬ」などと話したため、やめるよう説得すると、男性が「きょうはあきらめる」と答えたため、知人は帰宅したという。

 秋田市は「本人の状況を審査した結果、保護の要件を満たさないと判断したため、申請は却下した」と説明。1回目の申請時に男性から相談を受けていた秋田生活と健康を守る会は、「福祉事務所の対応が命を奪った」と市に抗議文を提出し、県に特別監査を申し立てたが、県は、市の対応に問題はなかったとして特別監査はしなかった。

  【コメント】 この件では申請が2回行われており、問題は、却下した市の判断の当否です。医師が「軽労働可」といった診断書を出すと、福祉事務所の多くは、就労を求めます。しかし住まいがなく、強い睡眠障害を抱えた状態で、十分な求職活動ができるのか、現実に就職できるのか。稼働能力の活用は、たしかに保護の要件ですが、現に困窮していて最低限度を下回る生活なのだから、いったん保護を開始して生活基盤と治療の機会を確保した後に、稼働能力の活用を求めればよいことです。

 なお、申請が却下されても、不服があれば、知事への審査請求、大臣への再審査請求、行政訴訟で争えます。法律家を含めたサポートも重要です。現在は日弁連の法律援助事業で、お金がなくても弁護士による申請支援を受けられます。

◆刑務所に戻りたいとJRの駅に放火…山口県下関市◆

 2006年1月7日未明、下関市のJR下関駅が炎上した。人的被害はなかったが、駅はほぼ全焼し、被害額は5億円以上。付近の列車の運行は2日間、運休や間引き運転を強いられた。

火災後、近くにいた男(当時74歳)が放火を認め、現住建造物等放火の疑いで逮捕された。男には知的障害があり、放火や放火未遂で10回も服役していた。事件8日前の05年12月30日に福岡刑務所を満期出所したが、行き場がなく、所持金がなくなり、北九州市のJR小倉駅などで寝泊まりしていた。年明けの1月6日、同市内の区役所を訪れ、「刑務所を出たけれど、住む所がない」と、刑務所職員から教わった生活保護の相談をしたものの、「住所がないとダメ」と相手にされず、下関までの切符を渡されただけだった。その夜、下関駅構内にいたところ、警察官から退去を求められ、未明になって火をつけた。

 当初は警察官に「空腹でむしゃくしゃし、うっぷんを晴らすためにやった」と供述。接見した弁護士には、寒さと飢えから逃れるため、「もう一度刑務所に戻りたかった」と話した。山口地裁の裁判で検察側は「所持金を使い果たし、寒いのに警察官から駅を追い出されたことに腹を立て、再び刑務所に入るために火をつけた」と主張。08年3月の判決は、検察側の主張を採用しつつ、求刑の懲役18年を大幅に下回る懲役10年を言い渡した。裁判官は「出所後、格別の支援を受けることもなく、社会に適応できなかったことは酌むべき事情」と述べた。

  【コメント】 放火はもってのほかですが、空腹と寒さに苦しむ路上生活より、実際、刑務所のほうがましだったのでしょう。ホームレス状態の人が福祉事務所へ出向いて保護を求めたとき、「住所のない人は保護の対象外」と門前払いされることは、ひんぱんにありました。まったく違法で差別的な対応です。住む所がないほど困っているのです。住所のない人は現在地の自治体で保護することになっています。ただし、かつては旧厚生省の通知に「釈放後に帰住地がないか明らかでない場合は、刑務所または少年院の所在地を現在地とみなす」という例外規定があったのですが、11年4月に削除されました。

 近隣の自治体までの切符か交通費を渡すやり方は、今でもよくありますが、もし本人に保護を受けたいという意思があるのに切符を渡して済ませるなら、違法です。たとえ当時、例外規定の関係で北九州市に保護の責任がなかったと解釈しても、区役所の生活保護窓口が適切な対応と助言をしていたら、下関の駅舎は焼けなかったでしょう。

 このごろの刑務所には、知的障害のある受刑者、高齢の受刑者が大勢います。09年度以降、出所前から福祉的支援や住居確保の支援を行う地域生活定着支援センターの事業が始まり、一部の刑務所では社会福祉士や精神保健福祉士も採用しています。ただし刑務所によって取り組みの差が大きいうえ、保護観察所や保護司がかかわる仮釈放に比べ、満期出所後の支援は不十分です。

 刑務所や少年院を出て帰住先のない人に宿泊場所と食事を提供し、就労指導などを行う民間の更生保護施設は全国に103か所、2354人分あるものの、収容能力は足りず、11年度からはNPO法人などが運営する小規模の自立準備ホームも利用されています。更生保護施設の入所期間は通常2か月程度で、経済的自立が難しい場合は生活保護などにつなぎます。

 刑務所を出た人でも生活保護法上の扱いは変わらず、要件を満たせば保護を受けられます。生存権の観点からも、再犯防止の観点からも、支援は必要なことです。

社会保険料を「削減」すると出現する「4つの落とし穴」に気を付けよう

健康保険の料率は労使併せて10%前後、厚生年金の料率に至っては15%弱と、企業・労働者どちらにとっても社会保険料は大変な負担になっています。 昨今、社会保険料の削減がコスト削減の有効策になっていますが、落とし穴もあるので気をつけましょう。

削減の有効性と具体策

企業にとっては、社会保険料は法定福利費と呼ばれる人件費の一種ですので、固定費を小さくすることができます。

また社会保険料は標準報酬月額という、給与・賞与額に左右されますので、社会保険料の削減は天引きされる所得税・住民税の削減にも結びついてきます。

■具体的な削減方法

中小零細企業ですと、代表者が個人の持つお金を会社に貸し付けて運転資金にしていることがよくあります。

例えば代表者の報酬を月30万円から月20万円に減らし、残り10万円を代表者個人への返済に回すことで、代表者個人に対する社会保険料と所得税・住民税を削減できます。

一般従業員に対しては、選択制確定拠出年金の活用が考えられます。給与額面が月25万円として、月5万円を確定拠出年金に回すとすれば、差額20万円に社会保険料や税がかかってきますので、社会保険料や税を削減することができます。

削減の問題点

社会保険による手当金・給付金などの保障では、給与額に基づいているものがかなりあります。削減により下記のような弊害が生ずることにも気をつけないといけません。

■落とし穴1. 厚生年金

国民年金であれば、払うときは年度ごとに決まった保険料を支払い、もらう年金額は物価の状況・家族構成によって変わってきます。

ところが厚生年金は、給与額に応じて保険料を支払い、在職時の給与額に基づいた年金をもらうことになります。社会保険料を削減すれば、当然将来の年金に響いてきます。

■落とし穴2. 雇用保険(失業給付)

失業した際にもらえる雇用保険の基本手当の日額も、在職中の給与に基づいて金額が決まります。

あとは年齢や退職の仕方によって給付日数が変わってきますが、給与の一部を確定拠出年金に振り分けたりすると、失業給付をもらおうとした際に減額となることに気をつけないといけませんね。

育児休業中の給付金に関しても、給与が影響してきます。

■落とし穴3. 労災保険

仕事中の事故などにより労災認定してもらい、給付を受ける場合は、休業(補償)給付がもらえます。障害を負った時など場合によっては、傷病(補償)年金や障害(補償)給付などももらえます。

これらの給付の多くも、被災前3ヵ月間の給与に左右されます。

■落とし穴4. 健康保険

健康保険に関しては、医療費の自己負担割合が3割と決まっていることから、一見影響がないように見えるかもしれません。

しかし私傷病による休職の際にもらえる傷病手当金や、産前産後休業の際にもらえる出産手当金は、健康保険料を削減すると減ってしまいます。

なお、1か月間でみて多額の医療費がかかっている場合、金額によっては高額療養費が給付されることがあります。これに関しては給与が低いほうが給付額は増えますので、この点は社会保険料削減のメリットとも言えます。
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まとめ

社会保険料のような公的な保険料は、国等に納めるという点で税金と似たような性格がありますが、あくまでも「保険料」というのが重要です。民間の保険料を考えれば理解できると思いますが、保険料が安くなると保障が薄くなります。

休業中や失業中の生活保障をするための公的な保険が多く、もらうほうも払うほうも給与額に連動しているのですから、税金のように単にコストカットの面が先立つと思わぬ弊害が出てきます。

老後資金は「個人年金保険 or 個人型確定拠出年金」どっちで運用すべき?

マイナス金利、英EU離脱、金融法改正…怒涛の変革期の中、生き残るには2択がある! 正しい選択をしないとカモにされる今、絶対に損をしない正しい道を伝授する。

◆老後資金はどっちで運用? 個人年金保険 or 個人型DC

「公的年金は将来、減額や支給開始が遅くなる可能性が高い。老後を安心して過ごすには自分年金の準備は必須といえます」

 そう話すのは、経済コラムニストの大江英樹氏だ。老後資金の形成手段としては、保険会社が販売する貯蓄型の個人年金保険のほか、個人型確定拠出年金(個人型DC)が有力だ。

「個人型DCは老後のため、自分で投資信託などにお金を積み立てる制度です。税制優遇が大きく現役時代からメリットがあります」

 個人型DCでは積み立てた全額が所得控除の対象で、払った税金が戻ってくる。たとえば、課税所得が500万円の人が毎月2万3000円を積み立てると、所得税と住民税合わせて8万2800円も軽減されるのだ。個人年金保険でも所得控除は受けられるが対象の保険料上限が年額6万8000円と低く、同じ例で軽減できる税額はグッと少ない。

「個人年金保険は利回りが低いうえ、満期まで変わらないのでインフレにも対応できない。個人型DCなら個人の裁量で自由に運用でき、満期の短い定期預金も選べます。しかも運用益は非課税です」

 個人年金保険は受け取り時に雑所得として課税されるが、個人型DCは一時金で受け取れば一定金額まで税制優遇が受けられる。

「個人年金保険は保険会社が破綻するリスクもあり、あえて選ぶ理由は見当たりません」

 現在、個人型DCを利用できる人は自営業者か企業年金のない会社員に限定されているが、年明けからほぼすべての現役世代に対象が拡大される見込みだ。

★老後資金は「個人型DC」が最強。現在対象外の人は年明けまで待とう

【比較してみれば個人型DCの圧勝】

1:軽減税額が桁違い

~会社員が限度額いっぱい(月2万3000円、年27万6000円)積み立てた場合~

190万円→4万1400円
300万円→5万5200円
500万円→8万2800円

所得控除の低い個人年金保険は軽減税率もグッと少ない

2:個人型DCの運用益は非課税

~毎月2万3000円を30年間、どちらも平均年利3%で運用できた場合~

・個人年金保険の元利合計額 1209万円

・個人型DCの元利合計額 1339万円

3:運用の自由度が違!

・個人年金保険は保険会社に運用をお任せ(運用内容もブラックボックス化)

・個人型DCは自由裁量で運用可能。定期預金などリスク回避も可能!

障害年金は「がん」でも受給できる!

一時期盛んに、民間保険のテレビコマーシャルで、「がんになったら、保険の効かない治療が300万円もかかる!」と喧伝したせいか、「がんの治療は健康保険が使えない」と誤解している人もいるようだ。

 だが、日本の医療制度では、有効性と安全性が科学的に証明された標準治療には健康保険が適用され、誰でも少ない自己負担で治療を受けられる。がんになって受ける手術や放射線治療、抗がん剤治療も例外なく、この制度にのっとり運用されている。

 もちろん、医療費そのものは100万~300万円など高額になることもあるが、健康保険には、医療費が患者の家計に過度な負担とならないように配慮した高額療養費があるので、実際に患者が病院の窓口で支払う医療費は低く抑えられている。

■がんで治療が長引くと医療費の累積で負担が増える

 全日本病院協会「疾患別の主な指標」(2013年1~3月)によると、胃がんの手術をした場合、医療費そのものは約97万円が目安だが、高額療養費が適用されたあとの患者負担は約9万円だ(70歳未満で一般的な所得の場合)。

 進行していない早期のがんで、1回の手術や放射線治療で区切りがつく場合は、自己負担する医療費は30万~50万円程度ですむことが多い。がんにならなければ支払わなくてもいいお金なので、うれしい出費ではないが、ある程度の貯蓄があれば、なんとか賄える金額ではないだろうか。

 がんになって治療費が高額化しやすいのは、がんのステージが進んでいたり、再発や転移をして治療が長引いた場合だ。

 進行しているがんは、手術や放射線治療といった局所療法だけでは治らず、抗がん剤を使った全身療法が行われるケースが多くなる。

 抗がん剤は、それぞれのがんの部位や進行度によって決まっている標準治療で、多くの人に効果が認められているものが第一候補として使われる。

 最初の薬でがんが消失すれば、1クールでいったん治療は終わり、様子を見ることになる。だが、治療結果の判定によっては、「症状が変わらず、悪くなっていない」なら同じ薬を使い続け、「がんが増殖して、悪化している」なら別の薬に変えられ、終わりの見えない治療が続くことになる。

 健康保険は適用されても、治療が続く限り、毎月、高額療養費の限度額までは支払わなければいけないので、累積した医療費が高額化してしまうのだ。

 こうなると、医療費がじわりじわりと負担となり始め、場合によっては仕事を休んだり、やめたりしなければならない可能性も出てくる。

 だが、がんの治療が長引いて働けなくなったときは、「障害年金」が利用できる可能性がある。

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老後のお金が不安……その「不安」の正体とは?

老後が不安なのはなぜか?

「老後破産」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。ショッキングな言葉ですが、日本の悲しい一面であり、現実に起きていることです。こんな言葉を聞くと、「自分の老後は大丈夫だろうか?」と誰もが不安になると思います。

では、65歳で現役を退くとして、貯金がいくらあれば、老後に破産することなく、つつがなく一生を終えることができるのでしょう。
3000万円でしょうか。「5000万円ぐらい」「1億円あれば」と答える人もいるかもしれません。でも、人によっては1億円でも足りないかもしれません。

たとえば、年間1000万円つかうような生活を現役時代におくっていたとします。生活を変えずにいたら、10年で1億円をつかいきってしまいます。そういう生活だと、年金が入ってきたとしても、たいした支えにはならないでしょう。生活をダウンサイジングできればいいのですが、それまでの生活を急に変えることは意外にできないものです。

「貯金がいくらあれば、老後に破産することなく、つつがなく一生を終えることができるのか?」この問いに対する答えは、人によって違うのです。生活が違えば、当たり前ですが必要な「生活費」も違います。

「私は、それほど贅沢はしていない」とみんな思っていますが、何を贅沢と思うかは人それぞれ。生活費は、人によってかなり高低差があります。「家族で外食」が贅沢だと思う人もいれば、毎週、家族で外食する人もいますよね。一年に何回も旅行に行く人もいれば、一回も行かない人もいるでしょう。

それが、いいとか悪いとかではなく、人によって満足できる「生活」は違うものなのです。旅行に行かなくても満足な人もいれば、温泉に入って、おいしいものを食べるのが生きがいという人もいます。ここで質問です。あなたの現在の生活費はいくらですか? 月間でも年間でもいいので答えられるでしょうか。収入からおおよそ逆算できますが、いくらですか?

この質問にすぐに答えられる人は、自分の生活レベルを自分できちんと理解している人です。しかし、意外に答えられない人が多いのではないでしょうか。では、何にいくら使っているかまで知っていなくても、総額いくら使っているか分かりますか。

自分の生活費がいくらか分からなければ、老後に備えて貯金がいくらあれば安心なのかも分かりません。人は、よく分からないものに対して不安を抱くものです。だから漠然と老後が不安になるのです。

逆に言えば、自分が楽しく暮らせる生活費が分かっていれば、それをもとに必要な金額を計算して、老後に備えることができます。自分が満足できる「普通の生活」をすると年間いくらかかるのか。まずはこの金額を知ることが、老後の不安を解消するはじめの一歩なのです。

高齢者は全員施設に入ることを嫌がると思ったほうがいい

2025年には65才以上の高齢者が約3600万人、認知症の患者が700万人を超えるといわれる超高齢化社会を生きる私たち。ほとんどの人が直面せざるを得ない介護が今、仕事だけではなく、当たり前の生活さえも奪っていく現実がそこにはある。

 7月3日に放送されたNHKスペシャル『私は家族を殺した“介護殺人”当事者たちの告白』は大きな反響を呼んだ。放送終了後には200通を超える視聴者からの声は共感が多く、実際に介護を担っている女性からで「他人事とは思えない」と切実な思いを語っていた。多くの経験者は「介護はジェットコースター」と口をそろえる。容体が急変して悪化する時もあれば、穏やかで落ち着く時期もあるからだ。

 ノンフィクション作家の久田恵さん(68才)の母は懸命のリハビリで、介助すればトイレに行けるまで回復していたが、介護5年目を迎えた年、年齢による衰えがリハビリによる回復を上回り、車椅子から立ち上がれなくなった。

 ベッドでは寝たきり状態で右半身がマヒし、寝返りもできない。失語症で言葉を発せられず、真夜中に悲鳴をあげることもあった。

 そんなある夜、事件が起きた。胸騒ぎのした久田さんが様子を見にいくと、母が寝間着の紐を首に回し、自死しようとしていたのだ。この時、久田さんは涙ながらにこう訴えた。

「気持ちはわかるけど、息子はまだ小さい。お母さんが死んじゃったら、心の傷から立ち直れない。私と息子を助けると思って、どうか死なないで」

 必死の呼びかけに母は紐から手を離した。しかし、この夜から久田さんは罪悪感に苛まれたと振り返る。

「母のストレスは相当なものだったと思います。私は自分の都合で母に生きることを強いてしまったのだろうかと苦しみました」(久田さん)

 先が見えないつらい介護が続く日々、久田さんは毎朝目覚めたら真っ先に庭のガーデニングを眺めた。芽が伸び、花を咲かす姿が、久田さんのわずかな「希望」になった。

 母が脳血栓で倒れてから10年。父は80才を超え、久田さんと2人でも母を車椅子から抱え上げられなくなった。在宅での介護の限界を感じ、取材で訪れ、お世話になっていた有料老人ホームに頼んで母を入所させることにした。

「母は本当はホームに行きたくなかったと思いますが、最後は納得してくれました。母の介護が生きがいになっていた父は母の入る施設の向かいの自立型ホームに一時入所し、私は両方に歩いていけるアパートに引っ越しました。家族はバラバラになりましたが、介護で追い詰められていた私たちにはベストといえる選択でした」(久田さん)

 2年半のホーム生活後、母は静かに息を引き取った。久田さんのように介護される親の状態が悪化した場合、たとえ24時間つきっきりでも在宅介護には限界がある。その場合、施設への入所も視野に入れなければならない。

 しかも現在は高齢者が高齢者を介護する「老老介護」が増加している。介護が必要な65才以上の高齢者がいる世帯のうち、介護する人も65才以上の世帯の割合は5割を超える。介護を担う人が高齢化すれば、在宅介護を続けることがますます難しくなる。

【基礎中の基礎】これだけは押さえたい障害年金の知識

病気やケガで働けなくなると、一番不安になるのはお金のことではないでしょうか。

いつまでも貯金を切り崩していくわけにもいかない、かといってすぐに働けない…そんなときは、思い切って障害年金を申請してみるのも一つの手段です。
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障害年金って何?

国民年金保険料、厚生(共済)年金保険料を納付している人が、病気やケガ(=傷病)で働けなくなって一定期間が過ぎた場合に支給される年金です。日常生活・就労において障害があるかどうかで支給されるかが判断されます。
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いくら支給されるの?

ここでは、障害基礎年金についてとりあげましょう。2016年現在、1級の場合は「78万100円 × 1.25+子の加算」、2級の場合は「78万100円 + 子の加算」と定められています。

なお、子の加算は第1・2子については22万4500円、第3子以降については7万4800円です。

また、子とは「18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子」または「20歳未満で障害等級1級または2級の障害者」を指します。障害厚生(共済)年金は、働いていたときの給料などにより決まると覚えておいてください。
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障害年金を受給するための条件は?

障害年金を受給するためには、次の4つの条件を満たしていなければいけません。

1)初診日に国民年金、厚生年金、共済年金のどれかに加入している:自営業・主婦であれば国民年金、会社員であれば厚生年金、公務員であれは共済年金が基本となります。

2)初診日までに一定以上の保険料を払っている:初診日前日の時点で3分の2以上の期間、公的年金を納めていなければいけません。

3)障害の程度が一定以上である:国が定めた基準以上の重い障害が残っているかで判断します。

4)初診日当時20歳以上65歳未満である:対象となる傷病で初めて医療機関にかかった日=初診日がいつがポイントです。

条件を満たさなくてもあきらめないで!

ここまで読んで、「自分は20歳になる前に病気やケガで働けなくなった」、「実は年金を納めていない」と落胆している方はいませんか? 次の救済措置が認められているので、併せて押さえておきましょう。

・初診日の前々月から遡って1年間に未納がない場合は請求できる。
・20歳未満であって、先天性の障害がある。
・20歳前に障害を発症した。

一番大事なのは、あきらめないで動いてみること。

「自分の状態なら障害年金を受給できる?」と思ったら、医師に確認してみましょう。社会保険労務士、病院のソーシャルワーカーなどに相談するのも一つの手段です。

【特別支給の老齢厚生年金】 長期加入者の特例 -60歳台前半の働き方の選択肢ー

「特別支給の老齢厚生年金」の受給開始年齢の引き上げ

60歳台前半の「特別支給の老齢厚生年金」の受給開始年齢の引き上げの表(表1)は多くの方がご覧になっていると思いますが、この表の上半分の生年月日の方は既に65歳を過ぎて本来支給の「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」を受給されています。

「特別支給の老齢厚生年金」のうちの「定額部分」を実際に受給している、あるいは今後受給できるのは現在62歳以上65歳未満の女性だけになっています。

しかし、現在60歳台前半の男性の方でも、この「定額部分」をある要件を充たせば「報酬比例部分」と同時に受給できる「長期加入者の特例」という制度があるのですが、該当者でも全くご存じない方も多いようです。

「長期加入者の特例」とは

厚生年金の被保険者期間が44年(528か月)以上あって退職している(正確には厚生年金の被保険者ではないという意味なのでアルバイトのような働き方をしていても該当します)ことが要件です。

該当の方は表1では1階部分のない2階だけのような「報酬比例部分」の受給に加えて「定額部分」を受給でき、65歳からと同じように2階建ての年金を受給できるという制度です。さらに要件に該当する65歳未満の配偶者がいれば「配偶者加給」も受給することができます。

年金額は「定額部分」が78万480円、「配偶者加給」が39万100円(平成28年度)になります。「報酬比例部分」は1人1人異なりますが、一般的な平均の120万円より多めの方がほとんどなので、合計で250万円~260万円受け取れることになります。

これは働き続けるか、退職するかを考える上で、重要な選択肢になると思われます。実際に44年になったら退職するつもりだから年金額を試算してと言われるケースもときどきあります。

具体的にはどういう方が該当するでしょうか

■大卒で就職された方

44年働いたら66歳になっていますから該当しません。

■中卒でずっと働いていた方

60歳前に44年になりますから必ず該当します。
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【特別支給の老齢厚生年金】 長期加入者の特例 -60歳台前半の働き方の選択肢ー

■高卒の方

高卒の場合は62歳の途中(多くは3月末)で44年になりますからそれ以降該当します。

高卒の男性の長期加入者が定額部分を受給できる部分を表2で示しています。高卒の女性の場合は表3で示したとおりですが、私が年金事務所でお客様とお話ししていて、女性でこの特例に該当するくらい長く勤めた方にお会いしたことはありません。

各注意点

よもや会社が間違えることはないと思いますが、ちょうど44年の3月末退職の場合、資格喪失を4月1日にしないと3月が被保険者期間に入らず527か月になってしまうので注意してください。

昨年10月から厚生年金と共済年金のいわゆる被用者年金の一元化がなされ、加入期間を通算して数えるものも増えましたが、「長期加入者の特例」は通算しないことになっています。

ですから、公務員期間と会社員期間を合わせて44年ではこの特例に該当しません。どちらか一方で44年必要です。

なお、共済年金の女性の場合、生年月日が表の男性のものと同じ扱いになりますのでご注意ください。
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自己判断せずに、まずは手続き

「特別支給の老齢厚生年金」の受給開始年齢になると年金請求書が送られますが、働いているからどうせ年金はもらえないと65歳になるまで手続をしない方が多くいらっしゃいます。

手続にいらっしゃればお勤めを続けられるかどうかをお訊きして、いつまで勤めたらこの「長期加入者の特例」に該当して年金額がこうなるとお知らせできますので、選択の幅も広がると思います。

「特別支給の老齢厚生年金」は手続を遅らせて年金が増えることはないので、早めの手続をお勧めします。

年金の受給資格期間が10年に短縮されて「得する人」と「損する人」


原則65歳から老齢基礎年金を受給するには、次のような3つの期間を併せた期間が「原則25年以上」は必要です。

この原則25年は、老齢基礎年金の受給資格を得るために必要な期間なので、「受給資格期間」と呼ばれております。

なお公的年金の加入期間は、1か月単位で計算しますので、「原則25年以上」ではなく「原則300月以上」の方が、より正確な表現です。

(1) 厚生年金保険や国民年金の保険料を納付した期間

例えば専業主婦の方は、国民年金の第3号被保険者になった場合、保険料を納付する必要がありません。

しかし第3号被保険者であった期間は、国民年金の保険料を納付した期間に含まれます。
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(2) 国民年金の保険料の納付を免除された期間

国民年金の保険料の免除には、法定免除、全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除、納付猶予、学生納付特例があります。

例えば全額免除は、保険料を全額納付した場合の2分の1として、年金額に反映されるのに対して、納付猶予は追納しない限り、年金額には反映されないというように、年金額に対する反映は、それぞれの免除によって違いがあります。

しかし受給資格期間に対する反映は、免除によって違いはないので、どの免除を受けたとしても、同じように1か月単位で受給資格期間に反映されるのです。
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(3) 合算対象期間(カラ期間)

これは受給資格期間には反映されるけれども、年金額には反映されない期間になります。

この合算対象期間(カラ期間)の例を挙げると、国民年金に加入しなければならないのは、日本国内に住所のある20歳以上60歳未満の方です。

そのため海外に居住している場合は日本人であっても、国民年金に加入する必要はありませんが、将来に老齢基礎年金を受給したい方は国民年金に任意加入できます。

もし任意加入しなかった場合、海外に居住していた期間のうち、20歳以上60歳未満の期間については、合算対象期間(カラ期間)になるのです。

以上のようになりますが、(3) の合算対象期間(カラ期間)は種類が多く、自分で調べるのは困難だと思いますので、気になる方は簡単な経歴書を持参して、年金事務所などで調べてもらいます。

なお受給資格期間を満たし、老齢基礎年金を受給できる方が、1か月でも厚生年金保険に加入していた場合には、原則65歳から老齢基礎年金に加えて、老齢厚生年金も受給できます。


消費税率と共に再延期されなかった受給資格期間の短縮

この受給資格期間を原則25年から、10年に短縮することが決定されたのは、民進党(旧民主党)の野田内閣の時代になります。

そんな昔に決定されたことが、まだ実施されていないのは、消費税率を8%から10%に引き上げることによって発生した税収を財源にするつもりだからです。

そのため平成29年4月から実施される予定だった、消費税率の8%から10%への引き上げが、平成31年10月に再延期されたことにより、受給資格期間の短縮も再延期されるかと思われました。

しかし参議院選挙後の記者会見で安倍総理は

「受給資格期間の短縮は平成29年4月からスタートできるように準備を進める」

と発言したのです。

もし安倍総理の発言通りに、平成29年4月から受給資格期間の短縮がスタートした場合、どのような人が得をして、逆にどのような人が、損をするのでしょうか?
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受給資格期間の短縮で「得をするケース」

受給資格期間の短縮により得をするのは、上記の3つの期間を併せた期間が10年以上あるけれども、25年に満たない方です。

こういった方は平成29年4月から、老齢基礎年金を受給できるようになり、また1か月でも厚生年金保険に加入していた場合には、老齢厚生年金も受給できます。

ただ受給資格期間の短縮により得をするのは、新たに年金を受給できるようになった本人だけではなく、その家族も含まれると思うのです。

その理由として老齢厚生年金を受給している方が死亡した場合、その者によって生計を維持されていた次のような遺族は、遺族厚生年金を受給できる可能性があるからです。

第1順位 配偶者、子
第2順位 父母
第3順位 孫
第4順位 祖父母

ただし子と孫については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか、20歳未満で障害等級の1級もしくは2級に該当する障害状態にあり、現に婚姻していないことが条件になります。

また夫、父母、祖父母については、老齢厚生年金を受給している方が死亡した当時に、55歳以上であることが条件になります。

遺族厚生年金の金額は大雑把にいうと、老齢厚生年金の4分の3なので、厚生年金保険の加入期間が短いとかなり少額になってしまいます。

しかしたとえ少額であったとしても、無年金の時には支給されなかったものが、新たに支給される可能性があるのですから、やはりお得だと思うのです。


受給資格期間の短縮で「損をするケース」

老齢基礎年金や老齢厚生年金を受給できない状態で、無職になってしまった方の中には生活保護を受給している方がいるかもしれません。

生活保護として支給される金額は、地域、世帯の人数、年齢などを基に決められた「最低生活費」から、現在の収入を差し引いて算出されます。

受給資格期間が短縮されて、老齢基礎年金などを受給できるようになっても、その金額が過大でない限り、生活保護を受給できなくなることはありません。

ただ次の計算式のように年金収入の分だけ、生活保護として支給される金額が少なくなってしまうのです。

生活保護の支給額 = 最低生活費 - 年金収入

また生活保護は毎月支給されますが、年金は偶数月(2月、4月、6月、8 月、10月、12月)の15日に、前2か月分がまとめて支給されるので、生活費のやりくりに気を付けないと、月の途中でお金がなくなる可能性が出てきます。
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受給資格期間が短縮されてもやるべきことは変わらない

20歳から60歳になるまでの40年間に渡り、1か月も欠かすことなく国民年金の保険料を納付して、満額の老齢基礎年金を受給できても、その金額は78万100円(平成28年度額)にしかなりません。

これでも少ないと思うのですが、10年しか保険料を納付しなかった場合には19万5025円と、更に少なくなってしまうのです。

これを月当たりに換算すると1万6252円程度ですから、とても生活できる金額ではありません。

ですから受給資格期間が原則25年から10年に短縮されても、現在と同じように保険料をきちんと納付し、保険料を納付するだけの収入がない場合には、免除申請の手続きを行います。

また免除を受けた期間については、収入のある時に保険料を追納して、できるだけ満額に近付けるのです。

受給資格期間が10年に短縮されたのだから、今後はその期間だけ保険料を納付すれば良い

と解釈して、実際にその通りに行動すると、後で後悔する日がやってくると思います。

重大病の“サイン”かも…高齢者の「むくみ」を甘く見るな

高齢になると足がむくみやすくなる。比較的ありがちな症状だが、甘く見ていると命にかかわる重大病を見逃してしまうかもしれない。高齢者の病気に詳しい「東京都健康長寿医療センター」(東京・板橋区)循環器内科の原田和昌副院長に話を聞いた。

 一般的に、高齢者は若い世代に比べて運動不足になるため、むくみが起きやすいという。

「血管には動脈と静脈があり、動脈は心臓から押し出される圧力で血液を全身に循環させています。一方の静脈は、全身に栄養を届け終わって心臓に戻っていく血液を循環させていて、足の筋肉の圧力をポンプとして利用します。

運動不足が続くと足の筋力が弱り、ポンプの力が衰えてしまう。すると、静脈の循環が滞り、余分な水分や老廃物が血管から染み出して、むくみが起こるのです」

 この静脈の滞りがさらにひどくなると、「深部静脈血栓症」(エコノミークラス症候群)を発症してしまう。震災時などの避難生活で車内での寝泊まりが続き、体を長時間動かさずにいると静脈が滞り、足がパンパンにむくむ。そして、静脈でできた血栓が肺などに飛んで、ショック死を引き起こすのだ。

 高齢者は血流が滞りやすいため、普段から6時間以上同じ姿勢でいることは避けたい。

 ある程度、体を動かしているのに足がむくんでいるという人は、他の病気の疑いがある。

■「よくあること」とは考えない

 まずは、心臓、腎臓、肝臓といった重要臓器の機能障害によるむくみに注意したい。

「最も危険なむくみは『心不全』によるものです。両足がむくんで、歩くと息切れ(労作時息切れ)が起こります。心臓に障害が起きて静脈全体の圧力が上昇し、静脈から筋肉やリンパに水分などが漏れ出してむくみが生じます。死に直結する病気なので、兆候が見られたらすぐに病院で診察を受けてください」

 腎障害によるむくみも深刻だ。これは両足だけでなく、体全体がむくむという。

「高血圧や糖尿病を長期間放置したり、過度の疲労などで腎臓に負担をかけ続けると、腎障害が起こります。すると、腎臓での水分排出のコントロールがうまくいかなくなり、体がむくむのです。

腎臓病自体は、一般的にはゆっくりと進行して最後に腎不全から透析に至るもので、直ちに死に直結することはありませんが、タンパク質を尿から大量に失ってむくみが起こる『腎症・ネフローゼ症候群』が突然発症した場合は注意が必要です。腫瘍随伴症候群の可能性が高く、とくに肺がんが疑われます」

 がん細胞に対抗するために、体内で生まれる抗体と抗原が結合した免疫複合体の作用で起こる膜性腎症が原因。腎臓に問題がなかったのに、突然、体全体のむくみが表れたら、すぐに医師の診察を受けるべきだ。

 また、高齢者には「肝硬変」によるむくみも多い。お腹や足にむくみが生じる。腹水がたまるため柔らかく、“カエル腹”とも呼ばれている。これも早めの治療が必要だ。

 臓器の機能障害ではなく、「低栄養」によるむくみも侮ってはいけない。高齢になって食事量が極端に低下したり、偏食が続くと、血清中にあるタンパク質の一種「アルブミン」が不足してしまう。

「アルブミンには血管内外の水分のバランスを調整する役割があるため、アルブミンが不足すると水分が血管内から外に染み出してむくみが出るのです」

 低栄養の人は心血管疾患で死亡しやすくなったり、免疫力が低下して感染症などさまざまな病気にかかりやすくなってしまう。放置してはいけない。

 高齢者のむくみは、体に何らかのトラブルがあることを訴えている“サイン”といえる。年を取ったらよくあることなどと軽く考えず、医師の診断を受けたい。

生命保険見直しで保険に頼ることをやめた「我が家の選択」


みなさんは、生命保険に入っていますか? よく分からないまま入って、何となく払い続けていませんか? しかも、その保険の内容が分かっていますか? 

保険て、難しいですよね。払っている金額も高いのか、安いのかよく分からない。我が家も、引き落とされる度に疑問が湧いていました。

「本当に必要なのかな? この分、貯蓄に回したほうがいいのでは…」

我が家では、8年間払い続けてきた保険をやめて、本当に必要な、足りない金額だけにして約600万円もの節約に成功しました。毎月でいえば2万3000円の保険料を3000円にまで、毎月2万円もの節約に成功しました。

しかも毎月3000円は家を購入する予定までの3年間のみなので、3年後は保険料は0円です。

ここまで保険料を節約できた理由は、我が家が以下の3点を行ったからです。
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1. きちんと生命保険のことを知り、保険に頼ることをやめた

まずは、生命保険のことを調べました。生命保険に関する本をたくさん読み、色々な知識がある人たちの意見などを参考にしました。

すると、生命保険はかなり損をする確率の高いものだと知りました。何百万という高額な支払いをしても、受取金額が0円の可能性が非常に高いもの。

保険は、そもそも万が一のときに役立てるものです。その為に、保険会社が皆から集めたお金を困っている人に支払うものです。ですから保険会社が、最初から儲かるように金額が設定されているんですね。

実際、生命保険を受け取る確率は、宝くじに当たる位というのも聞いたことがあり納得です。それならば、確実に貯蓄したほうがいいと、我が家は保険をやめてその分を貯蓄することにしました。
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2. 万が一のときに、本当に足りない金額をきちんと調べる

万が一のときに本当に困ることは何だろう? 現在の貯蓄を確認して、足りない金額を調べました。

万が一の時は、18歳までの子供がいれば国から手当が支給され、パートに出れば生活費は大丈夫、教育費は貯蓄で賄えます。

我が家は社宅なので万が一の時は出ていかなければならず、住むところに困ると思い、マイホームを購入するまでの間だけ、足りない金額だけを保険で賄おうと決めました。

色々調べ、主人の会社の掛け捨てのグループ保険を利用することにしました。

3. 医療保険に入ることをやめた

医療保険は入らないことに決めました。色々勉強するうちに、主人の健康保険が手厚く入らなくても大丈夫だと確信を得たからです。

例えば月100万の医療費が来ても自己負担は10万円以内で済みます(詳しくは厚労省のHPや加入されている保険組合などのHPを参考にしてください)。これくらいなら、貯金で賄えると判断しました。保険料を支払うことをやめて、貯蓄にまわし、入院費に備えようと思ったからです。

そして、我が家は毎年夫婦で人間ドッグに行っています。病気になる心配よりも、ならないように生活を整えたり、予防にお金を使ったほうがいいと考えました。

このようなことをして我が家では、現在の保険を解約し、足りない金額のみをグループ保険にし、医療保険に入らない選択をして、総支払額約620万を14万にまでおさえ、約600万の節約に成功できました。

本当に必要な金額を徹底的に調べ、足りない部分だけ保険で賄う。

また解約や医療保険に入らない、という大胆かつシンプルな決断ができたのは、保険のことを勉強し、自分と向き合い、生き方、家計、貯蓄に対する考えが整理され明確に分かったおかけです。

みなさんも生命保険を見直してみませんか?(執筆者:青山ひろこ)

健康な今だからこそ考えたい「生命保険」についての注意点2つ

皆さんは、夫や自分の生命保険、どうしていますか? 最近は、保険への積極的な加入よりも「保険の入り過ぎに気をつけたほうがいい」という意見の方をよく耳にします。実際、家計支出を抑えるために生命保険に入らない選択をする方もいらっしゃるかもしれませんね。

ただ、万一のときに、公的な制度による保障だけでは、残された家族が経済的に困窮することも考えられます。亡くなった人が生命保険に加入していなかったために、遺族が何かの夢をあきらめなければならない可能性もあるのです。

生命保険の検討を先延ばしにしている方もいらっしゃるかもしれませんが、何かあった後で「入っておけばよかった!」となっては後の祭りです。そこで今回は、ファイナンシャル・プランナーの筆者が、夫や自分の生命保険の加入を迷っている方が、早めに意識しておいたほうがいいことをお伝えします。

■1:健康状態や病歴次第では加入できなくなる
生命保険は、申し込めば誰でもいつでも加入できるというわけではない、ということを意識しておきましょう。保険金支払いリスクの高い方では審査に通らず、加入できないこともあります。たとえば、今の健康状態や過去の病歴次第で、審査が通らないことがあるのです。

健康状態に問題がなかった20代の頃なら生命保険に加入できる可能性があった方でも、30代や40代になってから病気に罹り、その病歴のために生命保険に加入できなくなってしまうことはあるので注意が必要です。

ですので、生命保険の加入については、健康状態に問題のない、若い時期から検討し始めるのがおすすめです。特に、配偶者や子どもを扶養する立場にある人は、万一の際に遺された家族の生活を守るために、加入を考えたほうがいいでしょう。

■2:将来住宅購入を考えるなら早めの検討が必要
結婚や子どもの誕生のときに、生命保険の加入や保障額見直しなどを考えるご夫婦は多いと思います。しかしそれ以外にも、将来ローンでの住宅購入を考え始めたら、ローンの借り手となる人の生命保険について検討してみるといいでしょう。

民間の住宅ローンを借りる場合、多くは“団信(団体信用生命保険)”への加入が条件となっています。“団信”とは、簡単にいうと住宅ローンの契約者が返済途中で死亡したり高度障害になったりしたときに、かわりに生命保険会社が住宅ローンの残りを支払うというものです。

ただ、この団信も生命保険ですので、ローンを借りる時期に健康状態に問題があったり、病歴があったりすれば、その内容次第で審査を通らないことがあります。団信への加入が任意で、団信に加入できなくても利用できる住宅ローンとしては、住宅金融支援機構の「フラット35」がありますので、病気をしたら住宅ローンが全く借りられないということはありません。

ただし、団信に加入しないとなると、住宅ローンを借りている間の、契約者の万一のときの保障が全くないことになってしまいます。
返済が長期間にわたる住宅ローンを借りるにあたって、契約者の万一のときの保障が全くないというのは、かなり不安でしょう。

このような場合でも、健康な時に生命保険に加入していて、万一のときに、そこからまとまった額の支払いがされる可能性があれば、住宅ローンの残額にもよりますが、ローンを一括で返済することができるかもしれません。これは安心要素になるでしょう。

将来、住宅ローンを借りることを考えている方は、そのときになって団信への加入ができない可能性があることも少し考えてみてください。その上で、ある程度の保障額の生命保険に加入しておくことを検討してみるといいでしょう。

いかがでしたか? 人から勧められるままに何種類もの保険に加入したり、保障額が高額過ぎたり、ということは、家計を圧迫する原因にもなってよくありません。しかし、「保険はムダ」という考え方だけをとり入れて、本当に必要な保障を何もかもカットしてしまうのも問題です。

生命保険などのさまざまな保険が、家族のピンチを救ってくれることもあります。健康に自信があるうちに、どのような保障が必要なのか、ぜひ夫婦で話し合ってみてくださいね。

怖い長寿の不幸、死ぬ前の介護地獄20年の例も

少子高齢化による西洋医学の医療費高騰は、深刻な問題である。2013年度の国民医療費は40兆610億円で、同年度の税収は約47兆円だった。このペースで医療費が拡大すれば、65歳以上の比率が30.3%になると試算されている25年には、国民医療費は56兆円に達することになるという。しかも国民医療費には介護費、生活保護費、救急車の出動費用などは含まれておらず、これを加えると税収をはるかに上回ってしまう。

 税収を医療関係費が上回っている以上、その他の国家の必要経費はすべて赤字国債などでまかなうことになる。つまり、現状では財政再建など夢物語でしかない。赤字国債が日本人の貯蓄額を超えると、借金を我が国だけで抱えることができなくなり海外に借金をすることになる。そうなればギリシャの二の舞いである。今や、医療は国を滅ぼしかねないものになりつつある。

 メタボリック症候群に着目して生活習慣病や関連疾患を予防、減らすことで国の健康保険制度の医療費負担を大幅に抑えて、本当に必要で予防できない病気に医療費を回し、高齢者の医療を確保することを目的として、2008年4月から特定健診、特定保健指導が実施されている。対象になるのは40~74歳の健康保険加入者で、組合健保、共済組合、国民健康保険など医療保険者(市区町村や企業)が、特定健診を実施する義務と生活指導する責任を負うことになる。

 この制度は医療費の軽減を謳ったが、その後も医療費は毎年増大している。当初の目的からすればこの制度は失敗ということになるが、国会などで取り上げられることもない。

 そもそもこの制度では、肥満の方に生活習慣病が加われば加わるほど心血管疾患による死亡の危険が増すということから、まずは肥満の方を対象に指導をすることになっている。しかしながら、生活習慣病を伴わないケースではやや肥満のほうが逆に死亡率が低くなることがわかっている。つまり、はじめに肥満ありきではなく、生活習慣病を抱えているケースからスタートすべきなのである。

●お任せ主義の医療

 我々日本人は健康保険制度に慣らされてしまったせいか、こと医療に関してはお任せ主義である。車や家の購入を人任せにする人はまずいないのに、体のこととなると人任せになってしまう。このお任せの弊害が、米国と日本の100歳以上の寝たきりの比率(米国35%、日本65%)にも現れているのだ。

 これまで皆保険制度がなかった米国では、高額な医療費がかかるため簡単には医療機関を受診できない。これに対し日本は、皆保険制度のおかげで簡単に医師を受診し、受診すればなんでも治るかのように思い込んでいる。多くの患者が死にたくないと言って医療機関を受診する。人間は100%死ぬものであるにもかかわらず、近年、死を受け入れない傾向が高まってきているのである。

 老衰を理想的な死だと思い込む節があるが、先日、老衰で祖母を亡くした若者が「老衰では死にたくない」と言う。理由は、年単位で襲ってくる機能不全(肢体不自由、食べられないなど)で、医師に相談しても改善が得られず、亡くなる前の20年間は本人も家族も地獄だったからだそうである。

●健康寿命と平均寿命の差

「世界保健統計2011」では日本人の平均寿命は83歳で、193カ国中、第1位であり、これは日本が世界に誇る国民皆保険制度によるところが大きいだろう。しかし、単純に喜んでよいかというとそうでもない。04年のWHO(世界保健機関)の健康レポートでは、日本人の健康寿命は75歳で、これも世界一なのだが、平均寿命と比較すると7~9年の開きがある。言い方を変えれば、7~9年は健康でないまま生きるということになるのだ。

 医師は「死は敗北」「命を救うのが使命」と教えられ、それを実践してきた。その結果、寿命は延びたが、決して健康に延びたとはいえない。寿命を延ばすために医療費が膨れ上がり、財政を圧迫し我々の生活を脅かしかねないものになりつつある事実は、大きな問題である。しかも自立できないで生きる期間が7~9年にも及ぶのだ。

 日本医師会は、日本の国民医療費は先進諸国に比較して決して高いものではない、という見解を示している。確かにGDP比で見ればそうかもしれない。しかしながら、日本の医療費は国民皆保険で支えられている。つまり、その多くが公費でまかなわれているのである。それが税収を上回ってしまうことが問題なのだ。医療費の削減は待ったなしである。医療の質を落とさずに医療費を縮小するには、一人ひとりが疾病予防に努め、医者への需要を少なくすることである。

 今こそ日本人の意識改革が必要なのである。

大山のぶ代を施設に入れた夫 苦渋の決断は他人事ではない

 認知症を患っていた人気アニメ『ドラえもん』(テレビ朝日系)の声優・大山のぶ代さん(82)を、夫で俳優の砂川啓介氏(79)が「老人ホームに入居させた」と告白し、議論を呼んでいる。

 2人は「おしどり夫婦」として知られ、昨年10月には砂川氏が『娘になった妻、のぶ代へ 大山のぶ代「認知症」介護日記』(双葉社刊)という本も執筆していただけに、反応は複雑だった。

 だが、この入所には大きなきっかけがあった。今年4月、砂川氏は尿管がんを患って入院することになったのだ。「1人で家に残すわけにはいかない」という「苦渋の決断」だった。

 介護を「する側」も「される側」も65歳以上の高齢者の「老老介護」世帯は増加の一途をたどっており、要介護高齢者がいる世帯の51.2%を占める(2013年『厚労省 国民生活基礎調査』)。団塊世代が65歳を超えたいま、その割合が今後ますます増加するのは確実だ。

 介護する側の約7割が女性という現状から、「妻を介護する」ことにピンとこない夫も少なくないだろう。だが、パートナーを介護する側に回った時に苦労するのは男性の方が多いという。介護ジャーナリストの太田差惠子氏が説明する。

「介護には当然、家事が伴いますが、男性は家事の経験が少ない人が多いので、両方を担うのは大変です。また、女性と違って地域コミュニティのネットワークが弱いので、介護に関する地域の情報も得られにくい。そのため、男性は自分ですべてを抱え込み、孤立しやすいのです」

 そこで介護の専門家に託すという選択肢が出てくるが、ここでも男性は悩む人が多いと日本ケアサポートセンター理事長の高室成幸氏はいう。

「妻を老人ホームに入れることには親族や世間の目もあります。何より男性は、これまで『奥さんに支えて貰った』という意識が強いので、後ろめたさを感じて葛藤する人が多い」

 もし同じ状況になったら、あなたは妻を老人ホームに入れられるだろうか。砂川氏が迫られた苦渋の選択は、他人事ではない問題なのだ。

「地震保険に入っても、いざという時に家を建て直せるほどの保険金はもらえない…入る意味あるの?」に保険のプロが回答


はじめまして。代理店あおば総合保険株式会社の高倉です。

熊本の震災から約1か月が経ちました。今、現場で実際はどうなっているのか詳細は分かりませんが、私の住んでいる千葉県から見ると、徐々にですが被災者の方の新たな住居の確保など復興について見えてくる部分もあります。

その一方では、現在でもテント生活や避難所での暮らしを余儀なくされてしまっている人や、車上を中心とした生活をしている人も少なくないように見受けられます。

熊本の地震は少し落ち着きを取り戻した様子がありますのでご自宅に戻って生活をはじめている人がいます。

しかしマンション等の高層建物にお住まいだった方は、建物倒壊の恐れから元に戻って生活することができずに困っている人もいるようです。大規模震災は人々の生活の基盤を根底から崩す恐れがあるのです。

平成28年4月14日に起きた熊本地震は、熊本県、大分県を中心とした大きな震災ですが、このような地震はあなたの住む町にくるかもしれません。

大きな地震がきても生活の基礎となる「衣、食、住」の確保はどんな状況でも必要です。復興までは時間がかかりますので復興までの間には、仮すまいから住宅再建の道まで様々なお金が必要になることが考えられます。
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地震保険の加入率と付帯率

2014年日本全国の地震保険世帯加入率は28,8%およそ3世帯中約1世帯も加入していないということになり、これは、決して高い数値ではないように思われます。

2014年日本全国の地震保険付帯率は59,3%となっていますので、新たに住宅を購入して火災保険を加入された人は、地震保険に対する意識が高いと言えます。

※「付帯率」とは、当該年度中に契約された火災保険契約(住宅物件)に地震保険契約が付帯されている割合。

出典:日本損害保険協会

■地震保険の加入率が低い理由

・ 地震保険で受取れる保険金が実損払いでなく、全損、半損、一部損と限定的

・ 地震保険で掛けられるのは火災保険の50%までしかないから

・ 保険料が高いと思うから

・ 今まで地震がきたことがないから

・ 賃貸住まいだから必要ないと思っている

・ 地震保険の加入をすすめてくれなかった

など様々なお客様の考え方や理由があります。


地震保険は政府による再保険です

東日本大震災や熊本地震よりも大きな地震が来たら保険会社が危なくなるのでは? という事を気にされる人も少なくないと思われますが、地震保険は政府による再保険となっています。

1回の地震等により支払われる保険金の総額には、あらかじめ限度額が定められており、これを保険金総支払限度額といいます。限度額は徐々に上がり続け、平成28年3月までは7兆円だったものが、平成28年4月から11兆3000億円に引き上げられました。

これは、関東大震災規模の地震が再来した場合においても保険金の支払いに支障がないように設定されている(出典:財務省)とされています。
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地震保険が必要な人とそうでない人は?

基本的に私の考えでは地震保険は全てのお客様に必要と考えていますので、「地震保険が必要なのはこんな人」、「必要でないのはこんな人」と分けて考える概念はありませんが、下記のような人に地震保険は特に必要と私は考えます。

・ 被災しても生活再建が出来るほどの貯蓄の蓄えが充分とは言えない人

・ ローンの返済がある方(特に住宅ローン)

・ 家族がいる方(独立していないお子様がいる)

一方、地震で被災しても生活再建が出来るだけの預貯金や蓄えが充分な人は地震保険の加入は不要と判断されてもよいかも知れません。
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~震災に備えて~そして復興を目指すために

「地震保険は、実際に受取れる金額は地震保険金額までなのだから、建物が全損して地震保険金額を受取ったとしても、同程度の住宅再購入は難しい。」

「地震保険は保険料が高く、その割に受け取れる金額は少ないのでは?」

「賃貸住まいに地震保険って必要なの?」

我々のように保険を売る現場では、そんなお客様の言葉が多くあります。

確かに地震で建物が全損となったときに、地震保険の給付金だけでは建物の再取得を期待できません。

なぜならば、火災保険の保険金額に対して地震保険は最高でも50%しか掛けられないからです。

「火災保険の保険金額の半分まででは、住宅の再建には程遠い。」といえます。その理由から地震保険を敬遠される人も少なくありません。

ですが、地震保険金は生活再建の為に必要なお金なのです。つまり、地震保険は、住宅の完全復旧を目的とした保険と考えるのではなく、被災したときの生活再建の為に必要な保険なのだと考えるべきでしょう。

熊本地震では倒壊する可能性のある住宅には戻れないため、一時的な避難場所として車の中を利用される人も目立ちました。地震保険の保険金は使用用途を限定していません。

被災された際の生活再建に向けての優先順位が車両の購入であれば、地震保険はその為に使用することもできます。「車がなくては生活が不自由」そんな人にも地震保険は役に立つかもしれません。

今回の熊本地震のように「まさかの震災は日本にいつ来てもおかしくない」と、学者や地質学の専門家の意見は同様のように思われます。今日、明日、あなたの住む町に熊本地震のように大きな地震がくるかもしれません。

震災に備えて地震保険に加入している人は、再度保険金額の確認を。今現在、地震保険に加入していない人は加入の検討をしてみてはいかがでしょうか。
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保険のプロから見た地震保険の必要性まとめ

地震保険に加入をしていたとしても受けられる補償は限定的です。しかし、地震保険の補償がなく、あなたの住宅が被災してしまったら、生活再建のための勤労意欲さえ失えかねません。

繰り返しになりますが、地震保険の考え方は被災者物件の完全復旧ではなく被災者の生活の安定に寄与することを目的としています。

地震保険は復興までの生活資金に充てられる唯一の保険です。地震保険で震災のリスクをカバーする自助努力が必要であると私は考えています。

老人ホーム「紹介業者」との賢い付き合い方とは

「老人ホームの選び方、入り方」は、経験したことがないと具体的にイメージしにくい。そこで注目されているのが、利用者と施設の「橋渡し役」といえる紹介業者だ。施設への入居を希望する本人や家族から要望を聞き取り、相性がいいと思われる老人ホームを紹介する仕事をする。彼らは多くのホームを訪問し、優秀な業者は有益な情報を持っている。

 だが、紹介業者ビジネスに詳しい高齢者住宅コンサルタントの濱田孝一氏はこんな注意を促す。

「老人ホーム紹介業は歴史が浅く、相談員になるための資格などもありません。そのため、非常に熱心な業者がいる一方、そうとはいえないケースもある。成約した際の手数料も含め、紹介業者と施設がどういう関係にあるのかも、利用者にはわかりづらい。これから環境やルールは整備されてくるでしょうが、現時点では玉石混淆です」

 そこで、濱田氏に紹介業者選びのポイントを挙げてもらった。

●相談員が施設の「ソフト面」に詳しいか

 紹介業者が頼りになるのは、相談員が施設に足繁く通っているからこそ。しかし、中にはそれをやらない業者もある。

「施設の広さや個室の間取り、スタッフと入居者の比率といった『数字』をスラスラと説明されると、つい“この相談員は詳しそう”と思ってしまいがちですが、そういったハード面のデータは、施設に行ったことがなくても資料からいくらでも説明できます。

 相談員自身が施設に行って見聞きしたことを説明してくれるかがポイントです。こちらから『食事の味は?』『施設長はどんな人なの?』といったソフト面についての質問をしてみて、口ごもるようなら注意が必要です」(以下、「」内は濱田氏)

●施設見学前に本人、家族の話を相談員がよく聞くか

「相談員が施設について詳しいのは当たり前です。マッチングが仕事である以上、施設だけでなく入居希望者にも詳しくなろうとするのがいい相談員です。熱心な相談員は既往症、持病にとどまらず、趣味やこれまでの職歴なども聞いて、少しでも入居希望者のことを知ろうとする。そこまでやる相談員なら信頼できるでしょう」

●見学に必ず同行するか

 いざ老人ホームを見学するという時に、普通は何に注意して見ればいいのかよくわからない。

「見学の際にはスタッフの服装や挨拶、言葉遣いなどちょっとしたところに施設の善し悪しが現われます。“素人”がなかなか気付きにくいところですから、相談員が同行して解説してくれることに意味があります。ところが紹介業者の中にはネット上で資料請求し、それを渡して終わり、というところもあります」

●施設の「マイナス面」を提示するか

“いいところばかり説明されると不安になる”というちょっと天邪鬼な感覚も、老人ホーム選びでは大事になる。

「どんな施設だっていいところばかりではありません。『施設長はちょっとぶっきらぼうで話しづらいところがあるけど、利用者目線に立った熱心な人』といったように、マイナスに取られるかもしれない部分まで説明して、入居希望者の判断に委ねる。そういう相談員のほうが誠実といえます。

 そもそも、『いい/悪い』は人によって異なるものです。段差の多い家に住み慣れた人が突然バリアフリーの施設に入ると、逆に転倒してしまうこともあるくらいですから」

 利用者側は老人ホーム紹介業者に手数料を支払う必要はない。電話の問い合わせでさえ、フリーダイヤルに設定している業者が多い。だからこそ、紹介業者とやり取りして不安な点があれば、別の業者に依頼しなおせばいいだけのこと。信頼できる紹介業者と出会うことが、良いホーム探しの近道となる。

「その程度では障害年金はもらえないよ」と言われても(3)覆る決定、珍しくない

 相談員、医師に続き、最後は国・日本年金機構です。患者の障害年金の請求に対し、「あなたの病気の程度では、障害年金はもらえません」と不支給の決定がなされることがあります。これにはさすがに、ダメか、と思うでしょう。

 「医療ルネサンス 患者学・病気と年金」の3回目では、いったん「ダメ」の決定書を受け取ってから、国に不服申し立てをして、ほどなく「支給します」という通知を受け取ったという多発性硬化症の男性の話を紹介しました。

 こうした決定が覆るケースは珍しくなく、不服申し立て後に患者側の訴えを認めるケースは、国の社会保険審査会が2014年度に関係した分だけで、推計300件起こっていました。審査をせずに誤認がわかった段階で「変えるから不服申し立てを取り下げてほしい」ということも国・地方の双方でよく行われています。取り下げは十分なデータがないので件数は不明です。

 社会保険労務士からは、障害年金の担当者に電話で間違いと思われる点を指摘しただけで、決定が変わったという話もあったと聞きました。

 とにかく「年金を支給しない」という決定が患者側の訴えで覆るケースは相当の数になるように思います。国・年金機構の決定も 鵜呑うの みにせず、障害の程度が国の要件に当てはまると思うならば、訴えることが必要です。自信がないなら、詳しい社労士に相談するとよいと思います。

 2015年1月に厚生労働省は「障害基礎年金の障害認定の地域差に関する調査」という資料を発表しました。ネットでみることができます。それによると2010~2012年度に障害基礎年金の請求を受けて支給か不支給かを決めた件数のうち、大分県で「支給しない」と決めた割合は24%(1058件のうち258件が不支給)。一方、山形県は不支給の割合は6%(944件のうち60件が不支給)と、都道府県間で4倍差がありました。ある県で不支給になったケースが、他の県にいくと障害年金がもらえるという不公平な状況になっていた可能性があります。

 さすがにこの地域差はまずいと国も考えたのか都道府県ごとに行われていた審査を中央の1つの組織で行うことにしました。しかし審査を行う認定医によって、あるケースは認定されるのに、同じような別のケースは「ダメ」ということがあるといわれています。

 障害年金に関しては、こうした問題を検証するのに公表データが非常に少ないと思います。

 近年、障害年金の審査が厳しくなっているという声をよく聞きます。確かめるために国に障害年金の請求件数と受給が決まった件数を問い合わせました。新規受給を認める割合が年々低くなっていれば、厳しくなっているのが分かると思ったからです。

 驚いたことに、国では全国から何件の請求が寄せられているかデータを持っていませんでした。先に紹介した「地域差に関する調査」は10年度から3年分、基礎年金に限り集計したデータで、厚生年金はデータなしです。病気ごとの細かいデータなどは全くありません。国から年金機構に聞いてもらいましたが、結果は同じ。「請求件数の経過が分からないと将来予測ができないのではないですか」との質問に、国の障害年金の担当者は「受給件数が分かればいい」と答えました。

 このような基礎的なデータも持たない組織に、障害年金の受給が必要な人に今後もお金を届けられるか不安です。ルールに基づき、障害の程度に応じた障害年金の受給が認められているかどうか、外部から全体的なデータで分かるように国・年金機構は体制を整えたほうがいいと思いますが、いかがでしょうか。

(終わり)

老人ホームの「紹介業者」は最適な施設をどう探しているか

「老人ホームの選び方、入り方」は、経験したことがないと具体的にイメージしにくい。そこで注目されているのが、利用者と施設の「橋渡し役」といえる紹介業者だ。施設への入居を希望する本人や家族から要望を聞き取り、相性がいいと思われる老人ホームを紹介する。

 では、入居者と施設の間に立つ「相談員」は、最適と考えられる施設をどうやって探してくるのか。

 東京都と神奈川県に相談室を置く紹介業者・ケアミックスの柴田彰社長によれば、「多くの紹介業者では、相談員ごとに担当するエリアが決まっていて、新しい施設ができたら必ず見学に行く」のだという。

「実際に見ていない施設は責任もって紹介できないですからね。見学する際は、施設長やスタッフの方とよく話すように心がけています。老人ホームは施設長の人柄によって雰囲気やケアの質が大きく変わってきます。魅力的だった施設が、施設長が代わった途端にだらしない施設になることは少なくありません。

 定期的に足を運んでケアの質がキープされているのかも確認しますし、入居者の方と同じ食事を食べたりもします。ベテラン相談員になると1年で数百のホームを訪問している人もいます」

 見学を繰り返すことで、入居希望者に合った施設が紹介できるという説明である。興味深いのは、それだけの労力をかけながら、「相談・仲介手数料ゼロ」というビジネスモデルだ。入居が決まった際、紹介業者は入居者ではなく施設から手数料を得るシステムになっている。

「施設の規模や入居金によって様々だが、入居一時金が1000万円以上の場合はその3~5%、1000万円より少ない場合は30万~50万円を紹介業者が受け取る、というのが相場です」(関東に本社を置く紹介業者相談員)

 紹介業者を利用する際にはそうした仕組みを知っておくことも重要だ。

「施設によっては“今月中に成約すれば手数料は1.5倍”といったキャンペーンを定期的に打つところもあります。施設側も空き部屋を作りたくないから必死なんです。紹介業者が、報酬の上乗せになびくケースもあるでしょう。だから入居を妙に急かすように感じたら、注意したほうがいいかもしれません」(同前)

 紹介業者ビジネスに詳しい高齢者住宅コンサルタントの濱田孝一氏が解説する。

「老人ホーム紹介業は歴史が浅く、相談員になるための資格などもありません。そのため、非常に熱心な業者がいる一方、そうとはいえないケースもある。成約した際の手数料も含め、紹介業者と施設がどういう関係にあるのかも、利用者にはわかりづらい。これから環境やルールは整備されてくるでしょうが、現時点では玉石混淆です」

老人ホーム「紹介業者」の相談員はどんな仕事をする人?

『週刊ポスト』(5月6・13日合併号で特集した〈この「老人ホーム」がすごい! 厳選ランキング250〉は読者から大反響を呼んだ。

 ランキング企画のポイントは「施設選びのプロが選んだ」という点にあった。本誌は、関東・関西・東海地方の老人ホーム紹介業者の相談員による史上初めてのガチンコ投票を行ない、各地の施設を順位づけした。

 そのため、発売後には「相談員というのはどんな人たちなのか?」「紹介業者についてもっと知りたい」といった声も寄せられた。たしかに、経験したことがないと、「老人ホームの選び方、入り方」は具体的にイメージしにくい。都内に住む50代男性はこんな悩みを語る。

「一人暮らしをしていた母が転倒骨折して入院しました。退院しても元の暮らしに戻るのは難しそうなのでいいホームを探してあげたいのですが、数が多い上に、何を基準に選べばいいのかわからない。見学に行くにも時間は限られているし、病院に聞いても詳しいことをあまり知らない」

 そうしたニーズに応える存在として注目されているのが、利用者と施設の「橋渡し役」といえる紹介業者だ。施設への入居を希望する本人や家族から要望を聞き取り、相性がいいと思われる老人ホームを紹介する。

 もともとは行政や病院のケースワーカーが利用する「プロが頼るプロ」というビジネスだったが、近年は個人でも気軽に相談できる環境が整ってきている。東京都と神奈川県に相談室を置く紹介業者・ケアミックスの柴田彰社長が説明する。

「相談にいらっしゃる方の多くは、ネット検索で弊社サイト(お探し介護)を見つけて電話をくださいます。『老人ホーム紹介』といったキーワードにお住まいのエリアを加えて検索すると、都市部なら複数の業者が見つかるはずです。

 また、弊社を含めた紹介業者の多くは、地域の病院とも密に連携を取っているので、“病院に所属するケースワーカーに教えてもらった”という方も多いです。

 連絡をいただいたらすぐに日取りを決めて、直接お会いします。病院やご自宅にうかがうこともあれば、近所のファミレスや喫茶店でお話をすることもあります。どんな施設がいいのか、予算はどのくらいか、何が希望で何が不安か、といったことを聞いていきます」

 入居希望者のニーズは様々であるため、“マッチング”を成功させるには本人や家族から幅広い情報を聞き取る必要があるのだ。

「たとえば糖尿病を患っていてインスリン注射が必要な方の場合、認知症が進んで自己注射ができなくなるかもしれないので、看護師が24時間常駐する施設を優先して紹介したほうがいい。

 認知症の方には専門的なケアの教育を受けた職員のいる施設を、がんを患っている方なら、先のことを考えて緩和ケアに優れた施設をご提案することもあります。現時点のご要望をうかがうのはもちろん、将来のことも考えて、一緒に施設を絞り込んでいきます」(同前)

 東京都にある紹介業者・長寿の窓口の近藤一郎代表は、「ご家族の希望も大切」と語る。

「やはり、“お見舞いに行きやすい場所の施設がいい”というリクエストが多いので、エリアを限定して複数の候補を挙げ、同行見学をしながら絞り込んでいきます。

 入居後も仕事は終わりません。こちらから連絡して、困り事がないか確認しています。施設の方に直接伝えにくい要望も、我々紹介業者には気軽に話していただけることがある。それを適切に施設側に伝えたりして、入居後も橋渡し役を続けられるのが理想の相談員の姿と考えています」

もし家族がバスで事故に遭ったら損害賠償金はいくら請求できる?

旅行代理店には、色とりどりの観光ツアーのチラシが置いてありますよね。なかでもバスツアーは、食べ放題やお土産もついてお手ごろな料金なので人気です。

しかし、今年2016年1月15日、そんな楽しいはずのツアーで、スキー客を乗せたバスが軽井沢付近を走行中に崖から転落。乗客・乗員合わせて15名死亡、26名負傷という大事故になりました。ニュースでも連日大きく取り上げられていたので、ご存知の方も多いと思います。

もしバスツアーで死亡事故が発生した場合、被害者一人あたりの損害賠償金はどれくらいになるのでしょうか?

■誰が「事故の責任」を問われるのか?

罪に問われるのは、運転手とバス運行会社です。それぞれに、民事上・刑事上の責任を負う可能性があります。

(1)民事上の責任とは

まず民事上としては、運転手に過失がある場合、民法709条の不法行為(他人に損害を与える行為)にあたるとして被害者や遺族に対して損害賠償責任を負うことになります。

また、民法715条の使用者責任や商法590条の旅客に対する責任に基づき、バス運行会社も使用者として損害賠償責任を負う可能性も十分に考えられます。会社が車両を所有していて、従業員が業務時間中に事故を起こしたからです。

会社側が運行管理に相当な注意をしていたと認められれば責任を免れることもできますが、会社側がそのことを客観的に証明しなくてはならず、一般的には責任を免れることは困難です。

また、バス運行会社が保険に入っていれば、その保険会社が損害賠償金を支払うこととなります。

(2)刑事上の責任とは

次に刑事上の責任ですが、運転手は自動車運転死傷行為処罰法上の「過失運転致死傷罪」に問われる可能性があります。過失運転致死傷罪が適用されると、7年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が科されることとなります。

もし、日ごろから時間外勤務が続いていて運転手に疲労がたまっていたとすれば、道路交通法66条の「過労運転の禁止」にあたる可能性も出てきます。

■損害賠償金はいくら請求できるのか?

死亡事故の場合、おもに治療費、葬儀関係費、慰謝料、死亡遺失利益の4つのお金を請求できます。

(1)治療費

入院・通院費など、かかった実費を請求できます。

(2)葬儀関係費

葬儀にかかる費用やお墓・仏壇の購入費用のこと。裁判基準では150万円と認定されることが多いようです。

(3)慰謝料

被害者本人と遺族の分を合わせると、本人が一家の家計を支えている大黒柱の場合は2,800万円、母親・配偶者であれば2,400万円、独身者は2,000~2,200万円が裁判上の相場となります。

ただし、運転手が悪質な運転をしていた、バス運行会社の運行管理がずさんだったなどが原因だった場合は、さらに1割程度上乗せされる可能性があります。

(4)死亡遺失利益

生きていれば受け取れたであろう収入のこと。具体的には、以下の数式で算出します。

[基礎収入×(1-生活費控除率)×就労可能年数によるライプニッツ係数]

※基礎収入・・・その人の年収のことを指します。幼児~学生や専業主婦(夫)の場合は現実に収入があるわけではありませんが、大卒の平均賃金額をもとに計算します。

※生活費控除率・・・扶養家族のいるような一家の大黒柱であれば30~40%、それ以外の場合は男性が50%、女性が30%となっています。

※ライプニッツ係数・・・将来受け取れるはずだった損失利益を計算するときに使う指数のこと。就労可能年数は67歳までの残りの年数で計算します。

たとえば、被害者が妻と子ども2人を扶養している45歳男性、という場合、裁判上の死亡遺失利益は、45歳男性の平均年収を640万円とすると、640万×(1-0.3)×13,163=5,897万240円、となります。

したがって、上記(1)~(4)の金額を合計すると、裁判上請求できる損害賠償金はおよそ8,847万円にものぼります。

あまり想像したくないかもしれませんが、自分にとって大事な人を突然事故で失ってしまうということは誰にでも起こりうることです。

加害者側は、上記よりもっと少ない金額を提示してくるかもしれません。もし被害者や遺族という立場になったときに備えて、どのくらいお金がもらえるのかの知識を身につけておいてみては? いざというときに、きっと役に立つはずです。

「その程度では障害年金はもらえないよ」と言われても……

病気で仕事や生活に支障が出ると、通常の年金をもらえる年になる前に、障害年金という公的年金がもらえる可能性があります。民間保険に入ったり、貯蓄をしたりして、働けなくなることに備えている人も多いと思いますが、障害年金の請求をして受給が認められれば、収入減の一部を年金でカバーできます。

病気で短時間勤務になり収入が減った、ほとんど働けなくなり生活に困ったという人は障害年金が受給できないか考えてみてください。(読売新聞医療部・渡辺理雄)

 障害年金が受給するには、3つの要件を満たす必要があります(参考図書『障害年金というチャンス!』三五館)

(1)初診日要件 病気やケガで初めて医療機関を受診した初診日を証明できる。

(2)保険料納付要件 初診日前の一定期間、年金保険料を納めている。

(3)障害状態要件 病気や仕事・生活上の支障が、国が定めた目安にあてはまる。

 具体的な障害年金の請求について大筋で説明します。

 まず年金事務所などに相談に行きます。そうすると、年金保険料の納付状況がだいたいわかります。初診の医療機関に行き、「受診状況等証明書」を書いてもらいます。また主治医に「診断書」も書いてもらいます。診断書は、障害年金用の診断書が用意されています。「病歴・就労状況等申立書」は、初診から現在にいたる仕事と生活状況を記します。

 これら3枚の書類に、住民票などを加えて年金事務所などに提出します。早ければ3か月くらいで決定通知書が届きます。

 こう書くと、簡単そうですが、実際の請求は細かいルールを知っていないとできない作業で、個々の患者さんには、大変な負担です。

 そもそも障害年金を請求しようというような患者さんは、病気で体調が悪いわけです。年金事務所、初診の病院、主治医がいる病院などを回り、書類作成のお願いをして歩かなくてはなりません。これだけでも挫折する人がいるように思います。

 取材で話を聞いた障害年金を受給している患者さんの中には、年金事務所に相談にいった当時、応対された相談員に「あなたの状態では受給は無理」などといわれ、あきらめかけたという人もいました。

障害の状態をみて受給の可否を審査するのは、相談員ではなく、日本年金機構に任された認定医です。現在の年金事務所では、そのような門前払いのような応対はないでしょうが、請求する患者側は、相談員の言うことを 鵜呑(うの)みにする必要はないということは頭に入れておいてもいいのではないでしょうか。

(続く)

知って納得 「健康保険」と「厚生年金保険」 保険料の計算方法

会社などで働いている方は、「健康保険」と「厚生年金保険」に加入している人がたくさんいらっしゃると思います。保険料は給与天引きされ、給与明細書に記載されているだけ。こんな方もたくさんいらっしゃるもではないでしょうか。

知っているようであまり知られてない「健康保険」と「厚生年金保険」の保険料の計算方法をみてみましょう。
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「健康保険」と「厚生年金保険」の保険料の計算方法は似ている

「健康保険」と「厚生年金保険」では、個々の給与などに応じて保険料の算定を行います。

しかし、給与体系は様々であり、1円単位で保険料を算定し給付金の支給の基礎とすることは事務処理的に大変困難です。

そこで、事務処理を簡潔にするために「標準報酬月額」制度を設けています。
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「標準報酬月額」とは

「標準報酬月額」とはいくつかの等級に区分した仮定の報酬を定めたものです。

下記の表をご参照ください。これは平成28年4月分からの東京都の全国健康保険協会と厚生年金保険の保険料額表となります。

この表は、日本年金機構のホームページや全国健康保険協会(pdf)のホームページで確認することができます。

■等級の出し方

それでは、例として会社から支給されている給与が21万5千円の時はどのように標準報酬月額と等級を出すか確認したいと思います。

下記表の「報酬月額」という欄を見て、そこで21万5千円がどこに当てはまるか確認をします。

この21万5千円は、21万~23万円という部分に入ります。そのことから、標準報酬月額は22万ということになります。

なお、等級は18等級(14等級)となっていますが、健康保険と厚生年金では始まる報酬額の違いから等級に差があるため、

・ 健康保険 → 18等級
・ 厚生年金保険 → 14等級

となります。.

保険料はどうやってみるのか

次に保険料はどのように見るのか、先ほどの「標準報酬月額22万円」で確認したいと思います。

■(1) 健康保険の保険料(全国健康保険協会の場合)

「標準報酬月額22万円」の横列と健康保険料の縦列の交わる部分が保険料となります。

しかし、「介護保険第2号被保険者」の該当する場合と該当しない場合があります。

「介護保険第2号被保険者」とは40歳以上の被保険者の方のことを指しますが、ご自身が40歳以上か40歳未満かで保険料は変わります。(介護保険料の保険料も一緒に徴収されるため)

そして、「全額」と「折半」とありますが、「折半」部分が皆様ご自身が給与明細に記載されている皆様ご自身が納めている保険料となります。(給与天引きされている部分)

それでは、「全額」とは何かというと、会社が国に納めている保険料となります。このことから

「折半金額」×2 = 「全額」

ということですから、会社も皆様ご自身の納めている保険料(給与天引きされている部分)と同額を更に負担して支払っていることになります。

※全国健康保険協会以外に加入されている場合は、健康保険組合が独自に保険料等は決めている場合がありますので、加入されている健康保険組合に確認が必要となります。

■(2) 厚生年金保険の保険料

厚生年金保険の保険料も「(1) 健康保険の保険料」と同様です。基本的には「一般の被保険者」の欄をご覧いただければ保険料額を出すことができます。

このように、保険料額表によってご自身がどの標準報酬月額でいくら保険料を納めないといけないか確認することができます。

なお、健康保険の保険料(全国健康保険協会の場合)は、都道府県ごとに保険料は違いますのでそれぞれの都道府県ごとの保険料額表によって確認するとよいでしょう。(執筆者:高橋 豊)
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