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老後破産しないために…年金生活で節約してはいけないあるお金とは 2 日


(画像=BBuilder/stock.adobe.com)© 老後破産しないために…年金生活で節約してはいけないあるお金とは

「仕事を退職して年金収入だけの生活に突入したら、お金のことが心配……。何から節約しよう」という方も多いかもしれません。年金生活では「ひたすら使わない」のが正解なのでしょうか?今回は、いまから節約すべき3つのお金と、節約すべきでないお金について、解説します。

節約するお金1:住居費

節約すべきお金の1つめは「住居費」です。住居費は住んでいるあいだずっとかかり続けるものですし、多くの世帯で支出額が最も大きい費目になっているので、節約できれば効果が大きいです。

  • 仕事を引退したら……家は職場や駅に近くなくてもいいかも
  • 子どもが独立したら……今ほど広い家でなくてもいいかも
  • コンパクトな家への引っ越し、それにともなう持ち家の売却や賃貸に出すことも選択肢の1つです。

    節約するお金2:保険料

    2つめは「保険料」です。特に、過去に加入した死亡保険や医療保険をあらためてチェックしてみましょう。

    • 死亡保険……子ども独立後は「遺族の今後に必要なお金」も少なくて済むため保険金額も減らしてOK
    • 医療保険……年齢と所得によっては健康保険で医療費が1~2割負担で済んだり、1ヵ月に負担する医療費の上限額が現役世代より低く抑えたりできるようになる

    老後は一般的に死亡や病気のリスクが上がる一方、生活資金が少なくて済む、社会保障で負担が軽減できる、退職金など貯金で全額まかなえる可能性があるなどの面もあります。

    節約するお金3:光熱費

    3つめは、電気やガスなど「光熱費」です。電気やガスの料金は、実際に使った量だけでなく、以下のような条件によっても変わります。

    • よく使う時間帯
    • 同時に使用できる量(電気の場合は「契約アンペア」をチェック)
    • 一緒に契約するサービス 生活スタイルが変わったら、契約プランの見直しどきです。サービスを提供している会社を乗り換える、電気とガスを同じ会社で契約する、などの工夫でさらに安くなる可能性もありますよ。

    節約してはいけないお金とは…?「使わない」より、「増やす」時代

    それでは、節約してはいけないお金とはどんなお金でしょうか?「節約は最大の資産」といいますが、減らした支出を貯金しておくだけではなく、運用で増やすことも考えてみてはいかがでしょうか?

    今、インフレにより目の前にあるお金の価値はどんどん下がっているのをご存じでしょうか。手元のお金を使わないことも大事ですが未来に価値が高くなる「資産」を増やすことも今後は視野に入れていきたいものです。

    特に主婦の方におすすめなのが新しくなったNISAのつみたて投資です。つみたて投資なら、月1,000円からでも始めることができます。非課税期間が無期限になったのでいつでも始められますが、早いほうが利益は大きくなるといわれます。

    日経平均は2024年2月に37,000円台となり、過去最高値に。ぜひ、節約で浮いた分のお金を上手に運用して、資産を増やすことも考えてみてくださいね。

    文・勝目麻希(ファイナンシャル・プランナー) 新卒で総合職としてメガバンクに入行し、法人融資・金融商品販売等を担当。転職・結婚・出産を経て一時は専業主婦になったが、自分の金融知識や実務経験を活かしたいと独学でライターの道へ。現在はファイナンシャルプランナーの知識を活かして金融系メディアを中心に執筆。

64歳女性・年金月14万円、資産1億3000万円「老後のために30代から徹底してきた」お金の備え方


金融庁の報告書に端を発して話題となった「老後2000万円問題」など、老後の心配事といえばやはりお金ではないでしょうか。もっと出世しておけばよかったと現役時代に後悔を持つ人もいるようです。

現役時代にいくら稼ぎ、貯蓄をしておけば安心した暮らしができるのか。All Aboutが実施したアンケート調査から、福島県在住64歳女性のケースをご紹介します。

回答者プロフィール

回答者本人:64歳女性

同居家族構成:本人、夫(67歳)

居住地:福島県

リタイア前の雇用形態:公務員

リタイア前の年収:700万円

現在の貯蓄額:預貯金3000万円、リスク資産1億円

現役時代に加入していた公的年金の種類と加入年数:教職員共済の厚生年金33年

現在受給している年金額(月額)

老齢基礎年金(国民年金):なし

老齢厚生年金(厚生年金):10万円(特別支給の老齢厚生年金)

障害基礎年金や障害厚生年金(障害年金):なし

遺族基礎年金や遺族厚生年金(遺族年金):なし

その他(企業年金や個人年金保険など):個人年金保険4万円

配偶者の年金や収入:年金220万円(年額)

「退職金で加入した個人年金で月の年金額をカバー」

現在の年金額について満足しているか、の問いに「どちらでもない」と回答した今回の投稿者。

その理由として「夫婦2人で教育公務員だったため、ほぼ同額の年金を受給している。私の方はまだ国民年金を受給していないが、特別支給の厚生年金を63歳から受け取れた。また、2人の年金だけではインフレに対応できないだろうと考えて、(50代で)早期退職した時の退職金で個人年金に加入し、終身でそれぞれ月に4万円プラスになるようにしたので、生活には困らない」と、老齢年金以外でも老後に備えていることを説明されています。

ひと月の支出は約「30万円」。年金だけで「毎月賄えている」と回答されています。

「子1人を都会に出すくらいの貯蓄を毎年続けてきた」

年金で足りない支出がある際も「変額保険に夫婦合わせて6000万円ほど入れているので上手に運用できれば、年間300万円以上の運用益がある。普段の生活以外の出費に対応できる」という投稿者。

ただし、十分な資産があるのも、元々30年前から老後を見据え準備をし続けてきたからだと言います。

まず、「子供を持たない選択をした」ことで、それにより「自分たちの老後はどうするかというビジョンがかなりはっきりした」そう。

その上で「老後資金は35歳から考えた。具体的には個人年金積立を始めたこと」、「早期退職は結婚した頃からの計画であった。実現のために個人年金だけでなく生活に無駄がないように心がけ、先取り貯蓄を行った。30代後半から『大学生1人、都会に出している分くらいの貯蓄』を続けてきた」とコメント。

貯蓄の結果、「40代後半から変額保険という投資に回す事ができた」ことで今の運用益にもつながっていると言います。

また当時から「『家計運営は会社経営と同じ』を合言葉に年度末には収支決算を夫婦2人で行っていた。当然財布は一緒。給料日に全額出し合って、そこから生活費や小遣い貯蓄と分けた」と、徹底して家計管理を行っていたと説明します。

「資産も体も守りながら前向きに暮らしている」

お住まいについては結婚して40年間ずっと賃貸だという投稿者。

「町営住宅なので生活を圧迫しない。小さな町ではあるが、交通の便がよく物価はさほど高くない。野菜の産直もあるし、年金生活になれば料理も手作りできるし外食がかなり減った。自然に節約になっている。町営住宅の入居条件は特になく、収入制限もありませんでした。今でもこの住宅は一般町民に向けて募集をかけています。しかし、少々古い設備のため、若い人は敬遠するでしょう。でもレトロで素敵です」と説明されます。

ここまで順調に来ているように思える投稿者ですが、実際のところは義実家とのあつれき、震災、借家の焼失、また「4年前に私、3年前に夫にがんが見つかり」波乱万丈で「とんでもない人生のように見える」と言います。

それでも前向きに退職後の生活を楽しんでいる様子で、「早期リタイアして音楽大学に行き、声楽の勉強をしなおした。年金生活になっても活動に変化はなく声が続く限り頑張りたいと思っている。また、夫婦共通の楽しみは旅行。混んでいない時期を見てどこにでも行けるのが一番楽しい。若い頃から『小さな炊飯器を持ってビジネスホテルに泊まる節約旅行』などという工夫をしてきたのでやたらと贅沢するのが幸せではないという思いがあり、どのポイントを工夫するのか、いいホテルにするか、交通手段は飛行機にするかなど考えるのがワクワクする」そう。

最後に「先手必勝で資産も体も守っています」とコメントを残されていました。

※カッコ内の回答者コメントは原文ママです

※エピソードは投稿者の当時のものです。現在とはサービスや金額などの情報が異なることがございます

※投稿エピソードのため、内容の正確性を保証するものではございません

年金生活に入りましたが、やはり働いた方がいいなと気づきました。高齢者でブランクありだと再就職は難しいでしょうか?


高年齢者雇用・就業対策の概要

高年齢者雇用・就業対策として、厚生労働省は以下の3つを柱とした施策を講じています。

__(1)企業における高年齢者雇用の拡大

(2)地域における多様な雇用・就業機会の確保

(3)企業や高年齢者を支えるための支援__

このことは、「企業への働きかけ」「地域への働きかけ」「企業(事業主)や高年齢者に対する支援」を意味します。

企業への働きかけとして、厚生労働省は、企業などの事業主に対し以下の義務・努力義務を課しています。

__・60歳以上定年の義務(定年年齢の下限)

・65歳までの雇用確保の義務(高年齢者雇用確保措置)

・70歳までの就業確保の努力義務(高年齢者就業確保措置)__

地域への働きかけとして、厚生労働省は以下の事業に取り組んでいます。

__・生涯現役地域づくり環境整備事業

・シルバー人材センター事業__

事業主に対する支援として、厚生労働省は以下の支援を行っています。

__・助成金

・相談・援助サービス__

高年齢者に対する支援については、次章で詳しくご紹介します。

高年齢者に対する支援の内容

高年齢者に対する支援には、以下のようなものがあります。

__・生涯現役支援窓口の再就職支援

・シルバー人材センターの生きがい就労支援__

「生涯現役支援窓口」とは、全国300か所のハローワークの窓口のことで、おおむね60歳以上の方を対象に、再就職に向けた支援などを行っています。この支援の特徴は、以下のとおりです。

__・シニア世代が活躍できる求人の新規開拓

・シニア世代の採用に意欲的な企業の求人情報の提供

・多様な就業ニーズなどに応じた情報(関係機関の相談窓口について)の提供

・シニア世代の方に適した、各種ガイダンス・職場見学などの実施__

「シルバー人材センター」は、入会をする(会員になる)ことで、臨時・短期的な仕事や軽易な仕事の就業機会を提供してくれます。

再就職でお悩みであれば、ハローワークに足を運んでみたり、シルバー人材センターへの入会を検討したりするのも良いでしょう。

その他、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構( JEED )では、セカンドキャリアに関する各種情報提供を行っています。また、お住まいの地域によっては、就職相談会が開催されていることもあります。まずは情報を集めたいという場合は、この辺りを足掛かりにするのも良いと思います。

まとめ

本記事では、厚生労働省が行っている高年齢者雇用・就業対策について解説をしました。「生涯現役社会」の実現に向けて、環境を整える方向に向かっているといえます。再就職をご希望の場合、以下のことを検討してみてはいかがでしょうか。

__・働いていた会社に再就職できるか相談する

・ハローワークの「生涯現役支援窓口」で相談する

・シルバー人材センターに入会する

・地域の就職相談会に足を運ぶ__

ブランクがあっても、働く意思があれば、再就職ができるような環境になってきています。まずは「どこかに相談する」ところから始めてみてはいかがでしょうか。

出典

厚生労働省 「高年齢者雇用・就業対策」

厚生労働省 「高齢者雇用の3つの柱」

厚生労働省 「事業主の方へ」

厚生労働省 「自治体の方へ」

厚生労働省 「高齢者の方へ」

独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構 「高齢者の方へ」

執筆者:中村将士

新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

定年退職後に備えて、50代から見直したい3つのポイント


定年退職後に備えた3つのポイントとは?

現在、企業には65歳まで何らかの雇用機会を確保する義務があります。令和4年の「高年齢者雇用状況等報告」(厚生労働省)によると各企業がとる対応は、継続雇用制度(70.6%)、定年の引き上げ(25.5%)、定年の廃止(3.9%)であり、定年制を廃止している企業は少ないのが現状です。

つまり多くの会社員にとって定年は必ず訪れるものであり、定年後を視野に入れたさまざまな活動を50代から行っておきたいものです。その中でもお金に関しては「支出」「収入」「資産」の3つのポイントで見直しをするとわかりやすいかと思います。

1. 定年退職後の「支出」を抑えるには

現役時代は少々の無駄な支出も気にならないでしょうが、定年時には無駄を省いた家計にしておきたいものです。

そのために50代になったら定期的な支出の見直しを行いましょう。毎月の支出の中で削れる項目はないでしょうか。ポイントは固定費として出ていく費用、例えば「保険」「住宅ローン」などです。

▼生命保険

50代でお子様も大きいのであれば、保険金額を見直すタイミングです。お子様の今後の学費と社会人になるまでの生活費、また残された配偶者の生活費を考えた場合、現在の生命保険は妥当な金額に設定されているでしょうか。生命保険の見直しは特に効果的ですので、今の保険金額が本当に必要な額なのか一度考えてみましょう。

▼医療保険

加入している医療保険は、現在の医療環境に沿った内容でしょうか。昔の保険の中には入院給付金の待機期間(その日数を超えないと支給されない期間)や入院給付日数が長いものも多く、日帰り入院や平均在院日数が減少している現状に合わせて見直しを行いたいところです。

また会社員は通常ならば公的な健康保険(協会けんぽ、健康保険組合)に加入しているため、収入に応じた月の自己負担上限が決められており、上限額を超えた金額は返ってきます(高額療養費制度)。あくまでも公的な健康保険でカバーできない額を保障するのが保険会社の医療保険だと、割り切って削れるものは削りましょう。

▼住宅ローン

金利の高い住宅ローンを金利の低いローンに借り換えるのも非常に有効です。例えばローン残高1000万円、残りの期間15年、金利3%(固定金利)ならば残りの返済総額は元利合計で約1243万円ですが、仮に1.5%(固定金利)に借り換えた場合の返済総額は約1117万円となり約126万円減額することができます。

借り換えにかかる諸費用は銀行によって約20万~40万円と異なりますが、それでも100万円近くの利息軽減効果が期待できます。銀行によってはWEBで借り換えのシミュレーションもできますので、試算してみてはいかがでしょうか。

2. 定年退職後に「収入」を得るには

50代になったら、定年退職後はどのように収入を得るか考えておきましょう。60歳定年の場合、年金の受給開始は通常65歳ですので、何もしなければ5年間は無収入となってしまいます。

会社での継続雇用を考えているのならば、肩書の変更、給与の減額に関しての覚悟が必要です。

また定年後に雇われない生き方を考えるのであれば、50代からは会社以外の立ち位置の確保、いわゆる「パラレルキャリア」の形成をしておきましょう。会社が副業を認めているのであれば何か始めるのもよいでしょうし、会社以外のコミュニケーションを深めておけば将来の収入につながるかもしれません。

定年後に自分らしく生き、収入を得るためにはどうするか、50代になったらいったん立ち止まって考えてみましょう。

3. 定年までに「資産」を形成しておくには

定年後に資産を増やすのは難しいため、安定した収入のある現役時代から資産を築いておきたいものです。そのために活用したいのがNISAとiDeCo(イデコ)です。
つみたてNISAとiDeCOは国の税制優遇制度です© All About, Inc.

どちらも税制面の優遇措置のある国の制度であり、「iDeCo(イデコ)」は税制面での優遇が多い一方で原則60歳までは引き出せないのに対し、「つみたてNISA」は税制優遇でやや劣るもののいつでも引き出せるなど、それぞれにメリット、デメリットがあります。

なお現行の「つみたてNISA」は年間40万円までしか投資できませんが、2024年からは新NISA制度が始まります。新NISA制度では「つみたて投資枠」となり年間120万円が上限です。より多額の投資が可能となります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回はお金に関し「支出」「収入」「資産」の3つのポイントで準備をしておくことを紹介しました。またお金以外にも家族や周囲との人間関係についても準備をしておく必要があるでしょう。特に配偶者とは過ごす時間が急に増えるわけですから、良好な関係を築いておかねばなりません。会社以外のコミュニケーションも築いておけば、家庭以外で自分を必要とする居場所も確保できます。

多くの会社員にとって、定年退職は避けられない大きなライフイベントです。その時に備えて50代になったら少しずつ準備をしておきたいものです。

文:川手 康義(ファイナンシャルプランナー)

CFP・1級FP技能士。製薬会社に勤務し、お金にも詳しいMR(医薬情報担当者)として活躍。日本FP協会に所属しており、協会会員向けの研修会や一般の方へのセミナーの企画・運営活動にもボランティアとしてかかわる。

定年退職時、退職金の受け取り率はどれくらい?使い道はどうしてる?


男女別「退職金の受取率」は?

初めに退職金の受取率についてみていきましょう。

一般社団法人投資信託協会「60歳代以上の投資信託等に関するアンケート調査 調査結果サマリー」によると、2022年、定年により退職金を受け取った人の割合は59.6%となっていました。この数字を見ると、退職金の受取率が約半数ほどであることが分かります。

男女別で退職金受取率を見てみると、男性は76.6%であるのに対して女性は45.8%と差があります。これは女性がパート・アルバイトなどの退職金のない勤務形態で雇用されている(いた)、もしくは、未就業の主婦が多いという現状があるためだと想定されます。

退職金の平均支給額はどのくらい?

続いて、退職金の平均支給額について見ていきましょう。職種や業務内容、学歴、退職理由などによって額は異なりますが、厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査の概況」によると結果は表1の通りです。

表1

※厚生労働省「令和5年就労条件総合調査 結果の概況」を基に筆者作成

上記より、一番退職金が高いのは大学・大学院卒の方であることが分かりました。高校卒業(現業職)の場合と比較すると713万円の差となりますが、勤務年数が長く、かつ定年まで勤務すれば、平均して1000万円以上の退職金が支給される可能性があるといえるでしょう。

退職金の使い道は?

最後に退職金の使い道について調べていきましょう。一般社団法人投資信託協会「60歳代以上の投資信託等に関するアンケート調査報告書」に回答がまとめられており、退職金の使い道について、下記のような回答が見られました。

__●預貯金:59\.3%

●日常生活費への充当:25.6%

●旅行などの趣味:21.7%

●住宅ローンの返済:20.8%

●資産運用のための金融商品の購入:20.3%

●住宅のリフォーム:19.0%__

上記の通り、50%以上もの人が退職金を貯金に回しています。「日常生活費への充当」も25%の割合を占めており、定年後の生活で年金の不足分として補うために活用する人も多いことが分かります。

退職金の受取率は59.6%で、退職金の使い道は貯金に回す人が多い

退職金の受取率は59.6%で、使い道としては「預貯金」「日常生活費への充当」「旅行などの趣味」「住宅ローンの返済」「資産運用のための金融商品の購入」「住宅のリフォーム」などに使用している方が多いようです。退職金を効率的に使い、豊かな老後にしていきましょう。

出典

一般社団法人投資信託協会 60歳代以上の投資信託等に関するアンケート調査 調査結果サマリー2022年(令和4年)3月(22ページ)

厚生労働省 令和5年就労条件総合調査の概況(17ページ)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

65歳以上でも、雇用保険に加入するメリットとは?


わずかな保険料で保障される、雇用保険

高年齢被保険者とは、1週間の所定労働時間が20時間以上であり、31日以上の雇用見込みがある65歳以上の労働者のことをいい、平成29年1月1日以降、雇用保険の適用の対象となっています。

「人生100年時代」だからこそ、高齢者の活躍の環境が整えられたともいえますが、「老後2000万円問題」を解消するためには、働き続けなければならないといった、必要に迫られた結果にしかすぎないともいえます。

それはさておき、雇用保険に加入することには、わずかな保険料で、要件を満たせば、高年齢求職者給付金、育児休業給付金、介護休業給付金、教育訓練給付金の支給対象になるといった、メリットがあります。

令和5年度の雇用保険料の労働者負担分は、6/1000ないしは7/1000であるため、給与が20万円の場合、1200円や1400円といった保険料で、4つの給付金を受けることが可能となるのです。

そこで、この4つの給付金の内容について、確認していきましょう。

高年齢求職者給付金について

まず、高年齢求職者給付金を受けるためには、(1)失業の状態にあることと、(2)離職の日以前1年間に賃金支払基礎日数11日以上の月が「6カ月以上」あることが、要件となります。

65歳未満の失業等給付(基本手当)を受給するためには、離職前の2年間に被保険者期間が「12カ月以上」(倒産・解雇等の理由により離職した場合は離職前の1年間に被保険者期間が「6カ月以上」)必要になることと比較すると、要件が緩和されているといえます。

さらに、失業等給付(基本手当)とは異なり、高年齢求職者給付金の場合には、「年金と併給できる」ことが、最大のメリットといえます。

なお、支給を受けられる金額は、原則として、離職する直前6カ月間の賃金の総額を180で割った額(「賃金日額」といいます)の50~80%の額となり、被

保険者として雇用された期間に応じ、賃金日額の給付日数分が支給されます。被保険者であった期間が1年未満の場合は30日分、1年以上の場合は50日分となります。

そのほかの給付金について

さすがに「人生100年時代」といえども、高齢者にとって、育児休業給付金は無縁とも思えますが、育児休業給付金の対象となる範囲については、養子縁組里親、養育里親等も対象となっていることから、活用できるケースも考えられます。

同様に、介護休業給付金の対象家族も、以前は、祖父母、兄弟姉妹、孫は「同居かつ扶養」の場合のみ、対象とされていましたが、「同居かつ扶養」の要件を廃止することで、拡大されています。

「日々精進」という観点から、キャリアアップをするために教育訓練給付金を受けてもよいでしょう(ただし年齢制限があるものもあり)。

複数就業者等に関するセーフティネットの整備等

もっとも、以上の各種給付金のメリットを享受しようにも、週1、週2の働き方が基本となる65歳以上の方にとっては、1つの職場で「1週間20時間以上働く」という要件を満たすのは、難しいといった側面がありました。

つまり複数の職場をかけもちして1週間の合計で20時間以上働くという人は、雇用保険に入れなかったわけです。

この課題を解消するために、複数の事業主に雇用されている人も雇用保険に入れるようになり、令和4年4月以降は、「1週間の所定労働時間が20時間以上」の要件が、複数事業主に雇用される65歳以上の労働者(複数就業者)にも緩和されています。

つまり、2つ以上の雇用保険適用事業所で雇用される65歳以上の労働者で、1つの事業所において、要件を満たすことができない場合でも、2つ以上の事業所の合算で「1週間の所定労働時間が20時間以上」となれば、雇用保険の被保険者となるのです。

したがって、さらに多くの65歳以上の労働者が、各種給付金のメリットを享受できるようになったといえます。

ただし、複数就業者からの申し出がなければ、雇用保険が適用されないことには注意が必要です。自動的に、対象者全員が、雇用保険加入対象になるといった制度ではないことを知っておかなければならないでしょう。

「今日できることは今日のうちに」そんな生き方をしてきた人は定年後に大きな喪失感を味わうことになる


豊かな人生を送る秘訣は何か。浜松医科大学名誉教授の高田明和さんは「明日できることはあえて明日に回せばいい。『今日、とくにやることがない』というのは、言い方を変えれば、『今日一日、何をやってすごしてもいい』ということ。時間の空白は『時間がなくてできなかったこと』を自分に堂々と許可できる、最高の時間である。時間についての考え方を変えると、毎日の生活がどんどん幸せなものになっていく」という――。

※本稿は、高田明和『88歳医師の読むだけで気持ちがスッと軽くなる本 “年”を忘れるほど幸せな生き方』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

定年後に「今日やることがない」喪失感を抱かないために

・今日できることなら、今日のうちにやってしまおう

・今日できることでも、今日やる必要がないことなら、明日以降にやればいい

この二つの格言のうち、あなたはどちらを選ぶでしょうか?

会社勤めをしている日本人の多くは、前者を選ぶと思います。おそらくは上司からもそうするように指示されてきたし、多くのビジネスハウツー書でも、「それが効率的で正しい」と述べられてきたからです。

だから、早朝に出社してメールのチェックをすませたら、勢いよく仕事に取りかかる。通勤電車の中でも仕事に関わる情報をスマホでチェックし、ランチタイムやカフェで休息をとる際も、ノートパソコンを持ち込み、結局は、場所を変えて仕事の延長のようなことをしている……。

こうして、24時間の時間割に仕事を詰め込めるだけ詰め込んでいると、時間の余白、時間的な遊び」がなくなってしまいます。

時間的な遊びがなければ、ちょっとしたトラブルが起きただけでもパニックになり、残業続きになってしまいます。

そうやって、目いっぱい前倒しして明日からの仕事をラクにするのかと思いきや、またしても明後日の仕事やら、その先の新しい仕事やらを詰め込んでスケジュールを埋めていきますから、どれだけ前倒ししても仕事がラクになる日は一向にありません。

現役時代にそんな仕事人生を送ってきた人は、定年を迎えて仕事がなくなったとたんに、大きな喪失感を抱えてしまうでしょう。私もせっかちな性分ですから、「今日やることがない」となってしまったときの喪失感は理解できます。

空白の時間は素敵すぎる

でも、あるとき次のことに気づいたのです。

明日できることはあえて明日に回して、今日のスケジュールに空白を設け、「では、今日はどんなことをやってみようか」と考えられる余裕こそ、心を晴れやかにし、人生を豊かにする方法だと。

「今日、とくにやることがない」というのは、言い方を変えれば、「今日一日、何をやってすごしてもいい!」ということです。

スケジュールの入っていない空白の時間で、「今までできなかったこと」をなんでも実行することができる。

ずっと行ってみたいと思っていた店に行ったっていいし、本屋さんに行って分厚い本を買い、存分に読書をするのもいい。新しい趣味を始めるのも自由なのですから、要するに、時間の空白は、「時間がなくてできなかったこと」を自分に堂々と許可できる、最高の時間であるはずです。

ところが、そんな素敵な空白の時間を怖がるのは、これまでの人生で、「誰かの都合で何かをさせられる時間」ばかりを優先してきたからです。

会社の用事、人間関係の用事、生活する地域の用事、家族の用事……。そうした用事をこなすことで、私たちは役割を果たすという満足感を得てきました。

でも、これからの人生は、自分の満足のために時間をもっと使っていく練習をしましょう。時間についての考え方を変えると、毎日の生活がどんどん幸せなものになっていきます。

「明日のことを考えるのはやめなさい」

仏教には「時節因縁」という言葉があります。意味は、「何事かが生じるには、それぞれ定められた時がある」ということです。

たとえば、花が咲くのは毎年決まった時期です。その時が来れば自ずと花は咲きます。人間関係においても出会いや別れの時機は決まっていて、どんなに足搔いても別れの時はやって来ます。また、どんなに努力をしていても機が熟さないかぎり報われないし、逆にどんな障害があっても、その時がやって来れば願いは叶うのです。

これが「時節因縁」です。この考えを、ものすごく嚙み砕いて簡単に言えば、「明日のことを考えるのはやめなさい」ということにもなるでしょう。

でも、その前に、仏教でいう「因縁」という考えを理解する必要があるでしょう。

仏教の創始者である仏陀(ぶっだ)は、宇宙を貫く法則が3つあるとしています。これを三法印と称し、次の3つです。

1.諸行無常

2.諸法無我

3.一切皆苦

1の「諸行無常」は、『平家物語』の冒頭にも出てくる言葉ですから、ご存じの方も多いでしょう。「この世のすべてのことは常に移り変わっている、一瞬たりとも同じではない」という教えで、今は物理学でも証明されている概念です。

物質の最小単位の素粒子は絶え間なく変化しています。20~21世紀の現代科学がようやく証明したことを、仏教は、紀元前5世紀(諸説あります)の時点ですでに言い当てていたわけです。

3の「一切皆苦」は、「この世のすべては苦しみである」という法則です。

この苦には、「四苦八苦」という、生きること、老いること、病気になること、死ぬことの根本的な四苦に加えて、好きな人と別れなくてはならないこと、嫌いな人と一緒にいなくてはならないこと、努力してもいい結果が得られないこと、

そして、自分の能力が自分の思うようにならないことで苦しむことの四苦が含まれます(以上で「四苦八苦」)。

仏陀は、これが生きるということだ、として「一切皆苦」としました。

あらゆる未来は己の意思を超えたところに

「因縁」に関連するのが、2の「諸法無我」です。

その本来の意味は、「この世のすべての物事は因縁によって生じたもので『私』という実体もない」ということです。

たとえ自分の指であっても、切られればおしまいです。財産なども失えばおしまい、地位も裏切られればおしまい。だから、「わがものなぞないぞ」というわけです。そもそも自分というものがないのですから。

そして、地位を失ったり、財産を失ったりするのは、さまざまな因縁によると考えるので、すべてが因縁で得たり失ったりするけれども、「自分のもの」ではないということになります。

これをさらにつき詰めると、誰も自分の意思で何が起こるかを決めることはできない。あらゆる未来は己の意思を超えたところで、そうなるよう定められている、ということになります。

「因縁」というのは、あらゆる「関わり合い」です。

私たち一人ひとりに当てはめるなら、誰もが生まれてから現在まで、いろいろな人に出会い、いろいろなものを手にとり、いろいろな出来事に遭遇してきています。

こうした関わり合いのすべてが、私たちの過去の出来事を決め、今の境遇を決め、さらに未来をも決定しているわけです。

さまざまな因縁を持った人々が、それぞれの因縁の結果、それにふさわしい誰かと出会い、情報に出合い(本書を手にとり、読んでくださっているのも因縁によるものです)、その結果、「未来に何が起こるか」が決まると考えていたわけです。

いやいや、寿命・運命を変える道はある!

中国・明の時代の袁了凡という人物が書いた、『陰騭録』という有名な古典があります。その中にある逸話です。

あるとき、親孝行な了凡の家に旅の占い師が来て、言いました。

「お前はすばらしい。これから先、28歳のときに役人になるための科挙の試験を突破する、40歳のときに結婚し、この郡の郡長になり、これこれこんな人生を送る……」と、了凡の一生涯で起こることをことこまかに予言したのです。

そして実際、科挙の試験は、その老人が予言したとおりの点数で突破することができました。

そこで了凡は、「ああそうなんだ。人生は全部決まっているんだ」と思い込み、その話を有名な禅僧にしたのです。すると了凡は、禅僧に「お前はなんて馬鹿なことを言っているんだ」と一喝されます。

「昔から、積善の家には必ず余慶(祖先の善事の報いによって子孫が受ける吉事)あり。いいことをすれば必ずいいことが起こるというではないか。お前はこれから毎日いいことをして、『今日はこういう善事をした』と書き留めるようにしなさい」

了凡が言われたように実践したところ、彼は、かつて占い師が予言した地位よりも、もっと高い位の職に就くことができたのです。

そして「できない」と予言されていた子どももでき、予言された死の年齢よりもずっと長く生きることができました。

つまり、この話からいえることは、未来をよりよいものに変えたいと思うなら、よくないことの原因を過去に求め、ああすればよかった、こうすればよかったと後悔していても仕方がないということ。

それよりも、今からの「因縁」を変える必要があるのです。

明日やるべきことを前倒しして今日やる、ということを繰り返して予定をいっぱいにすることよりも、今まで実行してこなかった「今やるべきこと」や「誰かのためになる、いいこと」に取り組んでいけばいい、そうすれば、よりよい未来がやって来るということです。

嫌なことを大幸運に転換するしたたかな極意

因縁の中でも、人間関係の問題は、何歳になっても私たちを悩ませる大きな要素です。

この章の冒頭に掲げたように、「『今日できないことは明日考える』という心の余裕を持とう」というマーク・マイヤーズの言葉のあとは、「たとえ嫌なことがあっても、力のある人には一歩譲っておく」「仕事ができる人や力のある人にがっかりさせられても、腹を立てない」と続きます。

年をとると、この世は非常に不公平であると痛感することが増えます。

普段から大して健康に気を遣っていないのに、ずっと病気をせずに元気な人もいれば、摂生していてもなぜか大病から逃れられない人もいる。早くに家族と離れてしまって孤独な人もいれば、いつまでも周りに人が集まっている人もいる。

いくつになっても現役で仕事をしている人もいれば、さんざん会社に貢献してきたのに、部下や上司とちょっと折り合いが悪かったばかりに、早々に追い出されてしまう人もいます。

すると、うまくいっていない人は、「自分の何がいけなかったんだろう?」「どこで人生を間違ったんだろう」と、過去をくよくよ振り返り、今現在の諸問題に集中できない悪いパターンにはまります。

「そういう因縁だったんだな」と納得して放っておく

うまくいかなかったのは、必ずしもその人自身が悪かったわけではありません。

仏教の言葉を借りれば、それも「因縁」で、ただ単に人生における巡り合わせで、そうなってしまっただけ。

結果に差が出たとすれば、それもまた因縁であり、別に悪いくじを引いたわけではありません。それがのちの大幸運につながることもあるのですから、いちいち過去を詮索せず、ただ現状をありのままに受け入れ、マーク・マイヤーズの言うように「力のある人には一歩譲っておく」。

そして、仕事のできる人に馬鹿にされたり裏切られたりして、落ち込むことがあっても、いちいち腹を立てずに、「そういう因縁だったんだな」と納得して放っておけばいい――それが賢い方法だと思うのです。

---------- 高田 明和(たかだ・あきかず) 浜松医科大学名誉教授 医学博士 1935年、静岡県生まれ。慶應義塾大学医学部卒業、同大学院修了。米国ロズウェルパーク記念研究所、ニューヨーク州立大学助教授、浜松医科大学教授を経て、同大学名誉教授。専門は生理学、血液学、脳科学。また、禅の分野にも造詣が深い。主な著書に『HSPと家族関係 「一人にして!」と叫ぶ心、「一人にしないで!」と叫ぶ心』(廣済堂出版)、『魂をゆさぶる禅の名言』(双葉社)、『自己肯定感をとりもどす!』『敏感すぎて苦しい・HSPがたちまち解決』(ともに三笠書房≪知的生きかた文庫≫)など多数ある。 

【介護と仕事の両立】介護に「週4日以上」携わっている人は4割強…一方、「介護休業を知らなかった」3割強


3割強の人が「介護休業」について知らない… ※画像はイメージです(illustAC)

老人ホーム・介護施設検索サイト『LIFULL 介護』を運営する、株式会社LIFULL senior(ライフル シニア/東京都千代田区)は、このほど「介護と仕事の両立」に関するアンケート調査の結果を発表しました。同調査によると、働きながら介護を始めた人の4割強が「週4日以上介護に携わっている」と回答しました。その一方で、3割強の人が「介護休業」について知らないことが分かったそうです。

調査は、過去10年以内に家族や親族の介護に携わったことがあり、介護が始まる前に仕事をしていた1105人を対象として、2023年12月にインターネットで実施されました。

介護をしたことで仕事に影響したことはありますか?(提供画像)

仕事をしながら介護を始めた人のうち、「仕事の量を減らした」(18%)や「退職し介護に専念した」(9.4%)など、仕事に何らかの影響があった方は約55%となりました。

介護に携わる日数(提供画像)

続いて、「一週間に介護に携わる日数」を聞いたところ、「週7日」(26.4%)、「週1日」(24.0%)、「週2日」(16.2%)などが上位となったものの、「週4日以上」が45%を占める結果となりました。

1日に何時間介護に携わっていますか?(提供画像)

さらに、「1日のうち、何時間介護に携わっていますか」と聞いたところ、「3時間」(20.0%)、「1時間」(18.0%)、「2時間」(17.6%)などが上位となった一方で、「5時間以上」の回答が合計で30.5%と3割を超えました。

介護のどのような部分が負担だったか(提供画像)

また、「負担となる介護」を複数回答で答えてもらったところ、「食事や排せつ、入浴など日常の介助」(38.1%)、「介護される人の体調不良など突発的な対応」(30.6%)、「病院など外出の付き添い」(28.2%)といった回答が上位に並びました。

介護についての知識で、知っておくと便利な事柄についての認知度(提供画像)

次に、介護についての知識で「知っておくと便利な事柄についての認知度」を調べたところ、36.4%の人が「介護休業」について知らないことが分かりました。また、介護が始まる前から頼りになる「地域包括支援センター」も、介護が始まる前から知っていた人は33.2%にとどまっています。

介護が始まる前に知っておきたかったこと(提供画像)

そこで、「介護が始まる前に知っておきたかったこと」を複数回答で答えてもらったところ、「介護保険サービスでできること」「介護の費用感」(いずれも31.3%)が最多となったほか、「介護保険サービスの利用方法」(26.9%)といった回答も挙げられました。

同サイトは、「介護保険サービスでできることは、ヘルパーによる介助だけでなく、福祉用具の貸し出しやリフォームなど多岐に渡ります。介護が始まる前に知っておくとスムーズに利用を開始できるでしょう」とコメントしています。

介護が始まる前に準備しておきたかったこと(提供画像)

さらに、「介護が始まる前に準備しておきたかったこと」についても複数回答で答えてもらったところ、「介護の相談先を知っておく」(28.5%)、「介護施設を探しておく」(27.1%)、「家族、親族で介護の役割などを話し合っておく」(24.5%)などに回答が集まりました。

   ◇  ◇

調査を実施した同サイトは、「介護を必要とする高齢者の人口が増加するなか、介護者の負担増はほぼ避けられません。そうしたなか、介護離職を回避するため、現代のビジネスパーソンには介護リテラシーの向上が求められています。地域が提供する社会資源や、『介護休業』など働く人のための支援制度を上手に介護に活用したいところです」と述べています。

相続税が非課税になる財産は保険金だけ!「保険金が増える」「全自動贈与」テクを専門家が伝授


 相続にまつわるトラブルや悩みは尽きないもの。なかでも「相続税」については、わかりづらいことも多い。実は、相続税が非課税になる財産は「保険金」だけなのだという。「保険金が増える」「全自動贈与」など、知ってためになるポイントを専門家が解説します。

保険が相続の“裏ワザ”になる?© 介護ポストセブン 提供

※図表・グラフは実際の保険商品をもとに本誌シミュレーション・作成したものです。

教えてくれた人

ファイナンシャルプランナー 牧野寿和さん

相続税が非課税になる財産は「保険金」だけ

 相続をめぐるルールがめまぐるしく変化している。年間110万円まで非課税になる「暦年贈与」は亡くなる3年前までの贈与は相続財産に持ち戻されて相続税の対象となっていたが、2024年以降はこれが「7年前」までに延長されることが決まっている。より早めの生前贈与で財産総額を減らしておくことが求められるなど、うかうかしていると損することもある。より確実な相続のために“使える”のが生命保険だ。むしろ、次の世代に残したいなら、現金よりも保険の方が圧倒的に有利だ。

 口座が凍結されればお金が引き出せなくなる一方、保険金は保険会社に請求すれば、すぐに受取人に支払われる。

さらに、現預金やほかの財産とは異なり、生命保険金には「法定相続人1人につき500万円まで」の非課税枠がある。ファイナンシャルプランナーの牧野寿和さんが解説する。

「例えば、相続人が妻と子供2人の場合、1500万円までは相続税の対象にはなりません。死亡保険金が2000万円だとすると、ここから1500万円を引いた500万円のみが、それ以外の財産に加算されることになります」(牧野さん)

 しかも、借金などの負の遺産が多い場合に相続放棄をするとほかのすべての財産も相続できなくなるが、保険金だけは受け取ることが可能だ。

◆早く払い込むほどグングン増やせる!

 1000万円の保険に加入し、最初の5年間で保険料をすべて払い終えた場合、その翌年に解約したとしても「保険金+配当金」の合計は1000万円を上回る。以降も長生きすればするほど受け取り金額は増えていく。

早く払い込むほどグングン増やせる!© 介護ポストセブン 提供

「早めの納入」で保険金が急増する!

 資金に余裕があるなら、頭金を増やして保険料を早めに払い込むとより有利になる。

 例えば、保険金1000万円の終身保険に50才で加入した場合、初年に912万円、2~5年目まで毎年21万円ずつ払って5年間で払い込みを終えると、払った保険料は総額996万円になる。この保険料にも「配当金」がつくため、払い込み終了の翌年に解約したとしても、受取金額は合計1038.6万円となり、保険料はもちろん、設定した保険金をも一気に上回る。

 さらに、そのまま持ち続けて80才で解約した場合は、1400万円近くまで増える計算だ。とはいえ、終身保険は保険料も高め。それなら「生存給付金付定期保険」もある。掛け捨てで返戻金はないが、保険料は安く、3年ごとに保険料の3%分が生存給付金としてもらえる。受取人を本人以外に指定することができるため、比較的安い保険料でも計画的に生前贈与ができる。受取人も受取日も指定できるうえ、通知が贈与契約書の代わりになるため手間もかからない。また遺留分に含まれないため、受取人を指定することで 遺言書の代わりにもなる。

 コツコツ増やしながら、自分や家族のために備えよう。

◆「生存給付金付定期保険」なら、元気なうちから「生前贈与」もできる!

 1~数年ごとに、保険金とは別に「生存給付金」が受け取れる。

「生存給付金付定期保険」なら、元気なうちから「生前贈与」もできる!© 介護ポストセブン 提供

取材/小山内麗香 イラスト/カツヤマケイコ

※女性セブン2024年1月4・11日号

高齢者の平均貯蓄額と負債。豊かな老後を過ごすためにはいくら必要?


高齢者世帯の貯蓄

まずは、高齢者世帯の平均貯蓄を確認していきます。厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、全世帯と高齢者世帯の貯蓄額は以下のとおりとなっています。

__全世帯 :1368万3000円

高齢者世帯 :1603万9000円__

貯蓄額について、高齢者世帯に限った場合は、全世帯に比べて平均値が高いことが分かります。高齢者世帯は、今まで働いて得られた収入や退職金などを貯蓄することによって、若い世代を含めた全世帯よりも貯蓄が多いと考えられます。

一方で、高齢者世帯のうち「貯蓄がない」と回答している世帯の割合は、全体の11.3 %です。年金収入などを収入源に、その日暮らしをしているであろう高齢者世帯は、およそ10世帯のうち1世帯はいることが分かります。

高齢者世帯の負債

次に、高齢者世帯の抱える負債についてチェックしていきます。同資料によると、全世帯と高齢者世帯の平均借入金額は以下のとおりとなっています。

__全世帯 :390万6000円

高齢者世帯 :52万9000円__

高齢者世帯の平均借入金額は、全世帯に比べて低くなっています。これは、現役時代に住宅ローンなどを完済している高齢者世帯が多いからだと考えられます。

また、高齢者世帯のうち「借入金がない」と回答している世帯は79.6%、「借入金がある」と回答している世帯は6.8%です(13.6%は借入金の有無不詳)。約8割の高齢者世帯は、借入金を計画的に返済し、負債のない状態で老後の生活を送っていることが分かります。

豊かな老後を過ごすためには?

老後には、十分な貯蓄など経済的な余裕があり、負債のない家計が理想的です。退職して老後の生活へ入る前に、貯蓄と負債の金額をコントロールしておくことが大切です。

貯蓄については、若い頃からコツコツとお金をためていくことがポイントとなります。「若い頃には余裕がなかった」「貯蓄する習慣がなかった」という50代や60代の人でも、貯蓄ペースを早めれば、退職するまでにある程度お金をためることができるでしょう。

一般的には、仕事を引退する65歳くらいまでに約2000万円の貯蓄があると安心だと言われています。もちろん、どんな老後の生活を送るかによって、必要となる金額は変わってきます。厚生労働省の「令和4年簡易生命表の概況」によると、日本人の男性の平均寿命は81.05歳、女性の平均寿命は87.09歳です。少なくとも80歳くらいまでは生きるとして、自分たちに必要となるお金を計算してみましょう。

また、負債については、なるべく早く完済することが重要です。支払わなければならない利子を少しでも減らすために、積極的に繰り上げ返済を行いましょう。50代や60代の人がお金を借りる場合は、仕事をしている間に完済できるのか、計画的に、そして慎重に考える必要があります。

まとめ

高齢者世帯の貯蓄と負債の金額を具体的にチェックすると、高齢者は老後どのような生活を送っているのか、イメージしやすくなります。今回紹介した内容を参考にしながら、自分の老後のために、貯蓄や負債を計画的に管理し、経済的にゆとりがある生活を送れるように準備していきましょう。

出典

厚生労働省 2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況

厚生労働省 令和4年簡易生命表の概況

執筆者:下中英恵

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

老後に注意したい3つの出費って? 見直しするには?


老後、特に気をつけておきたい支出とその見直し法は?

老後、年金生活になると現役世代と比べて収入が減少しますので、知らないうちに老後資金が少なくなっていたということにならないように、あらかじめ注意しておきたい出費について覚えておきましょう。

ここでは、私が家計を見てきた中で、老後、特に注意したい支出について解説します。

老後に注意したい3つの出費

老後に注意したい出費とは、以下の3つです。

(1)携帯料金などの通信費

(2)保険料

(3)何に使ったかわからない使途不明金

見直しの仕方は、以下になります。

▼(1)携帯電話料金などの通信費

一般的によくありがちなのは、「面倒だから」「よくわからないから」といって、昔からの高い携帯料金を支払っている高齢者がいらっしゃいます。

ひと月7000円~1万円近く支払っている人は、最寄りの携帯ショップや、お子様などに相談して、格安スマホなどを検討してみましょう。携帯料金が半分くらいに節約できたらうれしいですね。

格安スマホと聞くと、高齢者は抵抗があるかもしれませんが、利用しているときの不便さを感じることは少ないようです。

▼(2)保険料

例えば、人生100年時代といわれるなのに、70歳・80歳で保険期間が終了してしまう保険や、現役時代で受け取る保険金額は高額なのに、60歳で受け取ると半分になってしまう保険など、現在の状況に即していない保険に加入したままの高齢者もいらっしゃいます。

現在加入している保険代理店やスーパーなどに入っている来店型保険ショップ、ファイナンシャルプランナーに、現在の家族構成や健康状態などを伝えて、加入している保険が見合ったものであるか相談してみましょう。

▼(3)使途不明金

きちんと家計簿をつけている人や、あらかじめ予算を決めて家計を管理している人は、「老後資金が知らないうちになくなっていた」ということは起こらないと思います。

しかし、無頓着にお財布に入っているお金を使っている人は、後から何に使ったかわからなくなり、知らないうちにお金がなくなっていた、ということがあるかもしれません。何に使ったかわからないお金、つまり「使途不明金」は誰しもあるものですが、使途不明金が多いと場合は要注意です。

使途不明金がどれくらいあるのか確認するためには、家計簿をつけて、家計管理をするのがおすすめです。もちろん家計簿をつけなくても、スマートフォンの無料家計アプリを活用するなど、自分に見合った形で家計管理をしてみるといいでしょう。

以上、50代で気を付けたい3つの支出を紹介しました。家計を振り返って、ムダな支出がなくなるように気を付けてみてください。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。


「お金があるから大丈夫」とは限らない!老後に破産してしまう意外なワケ


定年後の蓄えが十分あるつもりでも、老後破産に陥らないとは限らない。日常のささいな行動が、自分の首を絞めることになるからだ。

また老後破産の原因の一つに「熟年離婚」などがあるが、実はそれだけではない。意外な原因があるようだ。

お金を貯め、増やすことだけでなく、そうした破産につながりがちな要因をあらかじめ知っておくことで、定年後にお金に困らないようにしよう。

■老後破産につながる意外な原因

老後破産はお金がない人が陥るものだと勘違いしがちだが、収入や貯蓄があっても破産する人はする。意外と身近なところにリスクが潜んでいるのだ。どのようなことが原因で老後破産になるのだろうか?

●晩婚・晩産は老後の生活を圧迫することがある

晩婚・晩産の夫婦は、老後破産のリスクがある。

晩婚の場合は、住宅ローンの借り入れ時期が遅くなって、定年後もローン返済が続くことがあり、老後の生活を圧迫するからだ。

晩産の場合は、親の年収がピークとなる40代後半〜50代前半くらいに幼少期が重なる。幼少期は教育費の貯めどきだが、暮らしにゆとりがあるとお金をかけすぎてしまうことが多い。

親の収入が減る定年前後の時期に、高校や大学などで本格的に教育費がかかる。幼少期にお金をかけすぎると、この時期に貯金が底をつくケースがある。

住宅ローンの返済期間や子どもにかけるお金は、慎重に検討しよう。

●熟年離婚で生活苦に陥る

熟年離婚も老後破産のリスクを高める。

離婚をした後に十分な収入が得られればいいが、それまで専業主婦(夫)だった場合は仕事探しに苦労し、貯金するどころか生活費の工面ができないかもしれない。

離婚した場合に厚生年金を分割できる「年金分割制度」を使えば、どうにかなると考える人もいるだろう。しかし、婚姻期間中の厚生年金しか分けられない。さらに、自営業などで国民年金しかもらえなければ、この制度は適用されない。

私的年金を利用するなど、計画的に資金を準備しておくことが大切だ。

■孫が原因で老後破産する人が「お金をかけすぎてる」こと

孫へ贈り物をしたり、お小遣いをあげたりしているうちに生活費が足りなくなり、老後破産に陥るリスクがある。ついやってしまいがちな行動や習慣を見直し、孫が原因の老後破産「孫破産」を防ごう。

●日常的にお金を出すことが多い

食事や旅行、プレゼント、お小遣いなど、孫のためにお金を出すことが多い人は要注意だ。1回あたりの金額が小さくても、積み重なると大きな出費になる。

1ヵ月単位、半年単位で、子や孫のためにどのくらいお金を出しているか計算してみよう。それが10年、20年と続くことを考えると、金額のインパクトが大きいことに気づくはずだろう。

わが子が孫の顔を見せに来てくれるのは、嬉しいものだ。だからといって、いつもお金を出していると「もらって当たり前」という感覚になり、ありがたみも薄れてしまう。

子や孫にお金を使うときは、メリハリが大切だ。お金を出す頻度を減らし、ここぞというときに上限を決めてお金を出すようにしたい。

●親子でお金の話をする習慣がない

孫の両親(自分の子供)とお金の話をする習慣がない場合、「少ないと思われたら嫌だ」と、ついあれもこれもとお金を出してしまいがちだ。

お金の話をタブー視せず、親子でざっくばらんに話すことも、今の時代には必要といえよう。

たとえば、マイホームの資金援助では「このくらいまでなら援助できる」とあらかじめ上限を伝えたり、こまごまとした出費については「自分たちの分は自分たちで負担してほしい」と伝えたりして、境界線を引こう。

最初は伝えにくいかもしれないが、かえってお金にまつわるトラブルを防ぐことにつながり、子ども世帯と長く良好な関係を続けられるはずだ。

子や孫がかわいいと思うのであれば、自分たちの将来の生活とも真剣に向き合い、節度のあるお金の使い方を心がけたい。

文/編集・dメニューマネー編集部

保険の営業マンにまんまと「カモられる」人の盲点 積立型は保険の本質・レバレッジがほぼ働かない


その年の世相を1字で表す「今年の漢字」が「税」に決まったり、開始間近と迫った新NISAへの注目が高まるなど、「お金」への興味関心が否応なしに高まっている昨今。しかし、正しいマネーリテラシーを身につけるのは容易ではありません。

例えば保険について。損をすることを嫌う人が多い日本では「積立型」の商品が好まれますが、しかし、お金が増えなかったり、損をするケースも少なくない現実があります。\

ライフネット生命保険株式会社の創業者で、現在は立命館アジア太平洋大学学長を務める出口治明さんの著書『働く君に伝えたい「お金」の教養』より一部抜粋してお届けします。

保険の大原則は「掛け捨て」

では、次に保険の原則について確認していきましょう。これは、たとえばの話です。ある50人学級のクラスに、「1年後、このクラスの誰かが、ものすごくお金のかかる難病にかかります」と神様からお告げがあったとします。しかし、それが誰かまでは教えてくれなかった。

【漫画】「いつも遅刻ギリギリ」になる子を変える凄いコツ

この場合、個々の生徒が最悪の事態に備えて治療費を貯めていってもいいのですが、1人で貯蓄できる額には限界があります。しかも、それぞれの生活もあるし、勉強も、スポーツも、恋だってしたい。50分の1の確率のために、すべてを我慢して貯蓄に集中するのはいやだな、とみんなが思っていました。

そのとき、A君が提案します。「誰が病気になるかわからないのだから、みんなで毎月5000円ずつ積み立てよう。そして、難病になる人が明らかになった時点で、積み立てた300万円(5000円×12カ月×50人)をその人にあげよう」

これが、保険の原則です。保険には、「世の中の誰が難病になるか(リスクが生じるか)はわからないから、社会のみんなで備える」という意味があるのですね。つまり、リスクヘッジの発想です。

こう考えると、保険の原則は、「大変な目にあった人以外、全員掛け捨て」だということがわかるでしょう。大変な目にあう人は、そうではない人に比べて、圧倒的に少ない。

少ないからこそ一極集中できる。だからこそ、いざというときにみんなから集めていたお金を潤沢に払うことができるのです。

つまり、保険の本質はレバレッジ(てこ)にあります。このことからも、保険は貯蓄のためではなく、貯蓄だけではなんともならない領域をカバーするものだということがわかるでしょう。

日本で積立型の保険が重宝されるようになった背景

──なるほど、保険の歴史や原則はよくわかりました。ここでちょっと話を戻したいのですが、どうして積立型保険はオススメではないのですか? 

満期になればお金を返してくれる積立型は、大変な目にあった人だけでなく、全員に支払いがあるということですよね? リスクに備えつつお金も貯まるのはお得な気がします。

先ほどのケースで考えてみましょう。もし大変な目にあわなかった49人にも300万円を返そうとすると、保険料はいくらになるでしょう。返す時点で、総額1億4700万円(300万円×49人)が必要ですね。

さて、これを50人で負担しようとすると、1人当たり294万円、つまり毎月24万5000円ずつ積み立てなければならない計算になります。そんな大金、ほとんどの人は払えないはずです。それに、294万円払って300万円返してもらう……

これ、「すべてを我慢して貯蓄に集中する」のとほとんど変わらないですよね。つまり、保険の本質であるレバレッジがほとんど働かない。これが積立型の特徴なのです。

では、なぜ日本では積立型の保険が重宝されるようになったのでしょう。それは、高度成長にともなう高金利が背景にあったからです。

資産運用の世界には「72のルール」というものがあります。これは「72÷金利=元本が倍になる年数」という法則で、かのアインシュタインも絶賛したというものです。

僕が日本生命で働いていた時代は、長期金利が8%を超えていました。「72÷8%=9年」ですから、9年で100万円が200万円になったのです。これが、積立型の保険がよく売れた根本の理由。保険の期間は20年と長いですから、金利が金利を生む複利効果が存分に発揮されたのです。

では、いまの日本の長期金利はどれくらいでしょう。0.4%として計算してみると、なんと「72÷0.4%=180年」! 倍になるのに180年かかります。つまり、ゼロ金利政策のもとでは複利効果が働かなくなるのです。

加えて、預金と積立型の保険にはもう1つ大きな違いがあります。毎月1万円を積み立てたとき、預金なら1年後には12万円が確実に貯まります。銀行の運営経費は利ざやでまかなっていますからね。

ところが、保険会社の運営経費は、みなさんの払う保険料から差し引かれます(付加保険料)。1万円のうち、運営経費が20%(2000円)だとしたら、1年経っても9万6000円(8000円×12カ月)しか貯まらないのです。

したがって、

①レバレッジが働かない

②ゼロ金利政策のもとでは複利効果が働かない

③付加保険料の分だけ預金よりも貯まる金額が少なくなる

この3つの理由から、僕はいまの金利情勢のもとでは積立型の保険をオススメしないことにしているのです。

さらに言えば、積立型の保険は途中解約のリスクが高いのも特徴です。携帯電話の「2年縛り」では、途中で解約すると違約金が発生しますよね。

同じように、積立型の場合、違約金こそ発生しないものの、満期になる前に解約すると返ってくるお金がそれまで払ってきた保険料よりもかなり少なくなってしまいます。

人生、いつ大きなお金が必要となって解約を余儀なくされるかわからないわけですから、これは大きなリスクです。

また、積立型の月々支払う保険料には、ケガをしたときや病気になったときの「保障」部分と、満期になったときに返してもらえる「積立」部分が含まれています。

貯蓄性は高いのですが、それゆえに、掛け捨て型の保険に比べると毎月の支払いが高額になります。

積立型を検討するときは、掛け捨て型+投資信託など、「保険は保険、貯蓄は貯蓄」の原則に則った場合と比較してみたほうがいいでしょう。

掛け捨て型の保険をオススメする2つの理由

──保険と貯蓄は分ける。積立型はほかの貯蓄手段などと比較したうえで検討する、それにゼロ金利のもとではそれほどうまみがない。ということは、出口さんは保険の原則どおり掛け捨て型をオススメするのですか?

「掛け捨て」はお金が戻ってこないから損。感覚的にはそうかもしれません。

しかし、保険がそもそも得をするためのものでないことは、保険が生まれた歴史的な背景からもおわかりいただけるでしょう。死んだり、ケガをしたりしたほうが得なんてこと、あるわけがないのですから。

政府の医療保険制度も同じです。企業に勤めていれば毎月の給与から健康保険料が天引きされます。健康なら1円も返ってきませんから、明らかな「掛け捨て」ですね。

でも、その代わりに、病気になったときに3割負担で済むから安心できる。これが保険の本質なのです。

「保険料の安さ」「見直しのしやすさ」

さて、僕が掛け捨て型をオススメする理由は大きく2つ。

①月々の保険料が安い

保険は、人生のなかでも最も高い買い物の1つ。「住宅ローンに次ぐ」と言う人もいるくらいです。月々の保険料は数千円から数万円ですが、契約自体は何十年にも及びますから、トータルで見たらかなりの高額商品となります。事実、日本の世帯は年間平均40万円前後の生命保険料を支払っています。

保険料は、水道やガスと同じく毎月払わなければならない固定費。1カ月3000円でも、1年で3万6000円、10年で36万円のコストになります。

けれど、保険が水道やガスと違うのは、自分で会社や商品を選べるということです。選択次第では大幅に固定費を削ることができます。

月々の保険料が半分になれば、先ほどのケースであれば10年で18万円もの節約になる。高い買い物なだけに、いろいろな会社の商品を比較検討し、納得いく商品を選ばなければ、それこそ大損です。

②「見直し」がしやすい

給与が上がる、結婚する、子どもが生まれる。人生に変化はつきものです。ときとして、思いも寄らない方向に進むことだってあるでしょう。

そんなとき、積立型のように解約リスクがあると、人生に大きな変化が生じても「何年か前の自分の計画」に沿って生きていかなければならなくなります。

一方で、掛け捨て型は解約リスクがないので、柔軟に保険を見直せます。子どもが生まれたから保険料を増やす、子どもが巣立ったから保険料を減らす。調整がきくのです。

50代で老後のために貯金を500万円増やす方法


  1. 50代のうちに、ある程度まとまったお金を準備したいと思っている人は多いと思います。目標金額は多い方がよいのですが、あまり多すぎると負担になるばかり。とはいえ、少なすぎてもやる気は出ませんよね。そこで思い切って500万円を目標に掲げてみましょう。

    家計を見直して支出を減らす

    収入がたくさんあれば簡単に500万円を貯めることができるかもしれませんが、50代になったからといって必ずしも収入が増えるわけではありません。そこで、まず取り組んでほしいのが家計の見直しです。

    家計の見直しは、年齢を重ねる、家族構成が変わることで支出の内容も変わってきます。ライフスタイルが変わったにも関わらず、そのままになってしまっている人も少なくないのです。いつも家計の見直しをしている人も、支出の内容に改めて注目してみてください。

    基本的には、毎月の支出に無駄がないのかを見直していきます。日々の支出の見直しとしては公共料金、食費などがあります。

    その他、定期的に出費しているものの中に不要なものがないか、チェックすることも大切です。一例をチェックリストにまとめましたので、確認してみてください。

    ▼チェックリスト

    ・通わないスポーツクラブ

    ・定期購読しているものの読まない新聞や雑誌

    ・価値を見出せないサブスクリプション

  2. ・やる気のないお稽古

    ・利用しないシェアオフィスや自習室

    ・複数ある有料のクレジットカード

    無駄だなと思うことがあったら、すぐに解約し、浮いたお金を貯蓄にまわしていきましょう。

    50代からのお金の貯め方

    50歳から500万円貯めるというと、大きな金額のように思われますよね。とはいえ10年に分けて考えれば、1年で50万円貯めれば、10年後には500万円貯まる計算です。

    1年で50万円を貯めるには、毎月約4万2000円貯めていけばOK。もし、ボーナスから年間で20万円あてることが可能なら、毎月2万5000円貯めていけばOKですので、貯めるのが難しい金額ではないでしょう。

    でも、このシミュレーションは、あくまでも50歳から始めた場合に限ります。

    5年後の55歳から500万円貯める場合、1年で100万円貯める必要があります。この場合は、毎月約8万4000円貯めていかなければなりません。たとえボーナスから年間で20万円あてることができたとしても、毎月約6万7000円貯めていく必要があります。

    このことからも分かるように、できるだけ早く貯蓄をスタートさせることが重要です。

    500万円なんて絶対に無理と思っている人もいるかもしれませんが、貯める習慣ができれば、自然と目標の貯金額は達成できます。たとえ1万円、5000円であっても、まずは貯めることを習慣化することが大切なのです。

    文:飯田 道子(ファイナンシャルプランナー)

    金融機関勤務を経てFP(CFP、1級FP技能士)を取得。独立系FPとして、各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などを行っている。金運アップやポジティブお金など、カラーセラピーと数秘術を取り入れたアドバイスも得意。

お金に困らない老後を送るため…定年前から備えたい5つのコトとは?


人生100年時代、お金に困らない老後を送るための5つの備え

人生100年時代といわれていますがとらえ方は人によってさまざま。「まだまだいろんなことを、見たり、聞いたり、体験したりできる!」と楽観的な方もいれば、「長生きすると家族やまわりの人に迷惑をかけるのではないか」「健康が心配」「お金が足りるのか不安」など悲観的な方もいます。

長生きには良いこと、悪いことの両面があります。長い人生を楽しく生きるには、両方のバランスがとれるよう、事前から準備が必要です。今回は、長い老後、お金に困らないための備えを紹介します。

人生100年時代を自分らしく乗り切るための5つの備えは次のとおりです。

1:家計のスリム化を徹底する

老後は、年金をベースに貯蓄を取り崩しながら生活する方が多いです。その場合の使えるお金は、現役時代の6~7割ほどが目安といえます。

現役時代の金銭感覚のまま、年金生活に入ると、毎月赤字になり、貯金からの持ち出しが多くなります。そうならないためにも、現役時代から家計をスリム化しておきましょう。

特にスリム化したいのは通信費、保険料、住宅費、水道光熱費、駐車場代、サブスク料金などのような固定費です。

固定費を変更する際、手続きが必要になるという場合が多く、見直しは面倒と思うかもしれません。しかし固定費は、一度見直すことで、節約の効果が継続します。年に1回は、現状把握を兼ね、毎月の固定費をチェックしましょう。

2:特別支出カレンダーを作成する

現役時代から考えておきたいこととは、老後の「特別支出」にどう対応するかについてです。支出には、毎月発生するものもありますが、突発的に発生する大きな支出もあり、これを「特別支出」といいます。例えば、家電の買換え、自動車保険や車検代、ペットの病院代、家の修繕代、慶弔費などで、数万円以上と大きな金額になりがちです。

老後は限られた年金収入でやりくりすることが多いため、特別支出が発生し毎月のやりくりの中から支払うと、生活費が足りなくなってしまいます。まずは現役時代から特別支出への対応をきちんと身に着けておきます。

特別支出への対応とは、今後どんな支出が発生しそうか予測しておくことです。家電は数年に一回買い替えている、ペットが10歳以降は、病院代がかかりそう、など思いついた支出を書き出してみましょう。できるだけ、どの時期にどの支出が必要になりそうなお金をざっくり試算しておきます。

特別支出の目安を計算できたら、毎月の貯蓄から一定額を特別支出用に貯めていきます。特別支出については他の貯蓄と一緒にせず、とり分けて管理しておくと安心です。

3:健康に過ごすため良質な睡眠をとる

老後になると多く必要になるのは病気の治療費や薬代です。高齢になったら仕方がないと諦めず、まずは現役時代から健康であることを目指しましょう。

健康を心がけた生活を送ることが大事です。適度な運動、栄養の高い食事はかかせません。さらに、しっかり身体を休める良質な睡眠をとることが大事です。早寝早起きの習慣を作れば光熱費の削減にもつながるのです。

4:孤独から抜け出す

年齢を重ねるにつれて、身近なところで別れを経験することも増えます。家族、友人、知人などが減り、孤独を感じることでしょう。

現役時代からお付き合いを限定的にせず、広く浅く、多世代の人々とのつながりを確保しましょう。そのためには、地域ボランティアに参加したり、趣味を充実させたりしてみましょう。共通した話題がモトでの交流が生まれます。

「年を取ると知った人がいない、頼る人がいない……」と思えば孤独に陥りますが、いくつになっても「自分のできることをアピールして、人の役に立ちたい!」「自分の楽しみを発信したい」という気持ちを持って行動すれば、その人柄に魅力を感じ、多くの人たちが引き寄せられるでしょう。

5:老後のお金対策をしっかりやっておく

老後資金が思うように貯まっていないため、長生きに不安を感じる方が多くいます。「お金がこれだけしかないから、老後が不安でしょうがない」と思っても、現状は変わりません。現状の不安をそのままにするのではなく、解決できる方向性を探しましょう。老後のお金対策としては、次の3つがありますので、ぜひ現役時代から知っておきましょう。

▼老後のお金対策1:年金の繰下げ受給を検討する

老後働き続けて生活費に困らない人であれば、公的年金の繰下げ受給で、年金を増額することを検討しましょう。

公的年金は、原則65歳から支給が開始されますが、繰下げ受給で支給開始のタイミングを遅らせると、1カ月あたり0.7%が増額となります。最長75歳まで年金を繰下げした場合「0.7%×120カ月=84%」も増額します。

とはいえ、老齢基礎年金・老齢厚生年金を繰下げすると、その間の年金はもらえません。中には「そんなの難しい……」という方もいるかもしれません。その場合は、どちらか一方だけ繰下げすることも可能です。無理のない範囲で検討しましょう。

▼老後のお金対策2:長期投資を続ける

現役時代に投資をしてきた人は、65歳より年金をもらいながら、それまでに貯めた資産を少しずつ取り崩す生活が始まるかもしれません。しかし、老後を迎えても運用を止めてしまわないようにしましょう。

例えば、老後の資金に1000万円を毎月5万円ずつを取り崩した場合、どのくらいの期間、対応できるのか、運用利回り別に見てみましょ

《資産1000万円を65歳から毎月5万円ずつ取り崩した場合の資産寿命》

・運用しない(0%)の場合:16年8か月→約82歳まで維持できる

・運用利回り年率2%の場合:20年4か月→約85歳まで維持できる

・運用利回り年率4%の場合:27年7か月→約93歳まで維持できる

投資には目減りするリスクもあり、実際のリターンがどの程度になるかは相場環境によって変わります。しかし、「人生100年時代」にお金の心配を減らすには、高齢になってもムリのない長期投資を心掛けることが大切です。

▼老後のお金対策3:働き続ける

今忙しく働いている人は、老後を仕事を辞めてゆっくり過ごしたいと思っている方も多いことでしょう。ところが、趣味や外出をするだけでは、老後の有り余る時間を持て余す場合もあります。

暇な時間、手持ち無沙汰で過ごしていると、金銭的な不安など、ネガティブなことをばかり考えてしまうケースもあります。その不安を解消するためにも、老後も働くことをおすすめします。現役時代のうちから、老後働くのであれば、どんな仕事をするのかを考えておきましょう。

週5日フルタイムはキツイですが、「週に4日働き、1日は趣味に使う」「週3回働き、趣味と地域ボランティアを1日ずつ入れる」など、ムリのない範囲の仕事をできる限り続けていけば、老後の金銭的な不安がやわらぎます。

まとめ

人生100年時代を生きるには、収支計画を立てること、健康を維持すること、周囲との交流を図ることが大事です。早いうちから老後を意識して準備するようにしましょう。

文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)

3匹の保護猫と暮らすファイナンシャルプランナー。会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方、心豊かに暮らすための情報を発信しています。

「老後の生活費2000万円」のためには、銀行預金も退職金もあてにならない「衝撃の事実」


老後の生活には、いくら必要になるのだろうか。

日本中に激震が走った「老後は2000万円が必要」という金融庁の報告書は、残念なから全くの現実である。そして若者や現役世代を中心に年金制度そのものに不信感が募っている。年金の支払額に世代間格差があるのは現前たる事実であり、その財源も20年から30年後には枯渇することが予測されている。

本記事では、減少傾向にある退職金についてくわしくみていく。

※本記事は島澤諭『年金「最終警告」』から抜粋・編集したものです。また本書は2019年に上梓された本であり、示されているデータは当時のものです。

退職金があてにならない時代

老後の資金源としては、銀行預金のほかに退職金もあります。

企業の大きさや、学歴の違いによる退職金の推移を見ますと、2003年には大卒以上と高卒(非現業職)で退職金が平均2000万円を超えていました。しかし、2018年では、どの学歴を見ても平均を下回っています(表1)(※外部配信でお読みの方は現代新書の本サイトでご覧ください)。

企業の大きさの違いで見ると、従業員が1000人以上の大企業の大卒以上と高卒(非現業職)だけが2000万円を超えています。でも、大企業でも現業職であったり、大卒以上でも中小企業の従業員だったりすると、やはり退職金は2000万円には達しません。

しかも、退職金を支給する企業の割合は、特に中小企業では減っています。

2010年には81.3%だったのが2018年では71.3%にまで減少しているのです(※1)。現状でも、退職金額が減額されるなか、退職金を支給する企業自体も減っているのですから、これからはもっと退職金があてにならない時代になることは間違いありません。

(※1)東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情」。

細る年金と増す自助努力

銀行預金も退職金も老後の生活費2000万円を工面するためには力不足でした。

年金を受給するまでに、老後の生活費を2000万円用意するというのは、案外ハードルが高いのです。 実は、金融庁の報告書では、こうした現実を踏まえて、老後資金不足を補う自助努力を促すため、通常の株式や投資信託などの売買益や配当金などが非課税になるNISA(株や投資信託などの運用益や配当金を非課税にする制度)や、自分で将来のために月々の積立金額を設定し積み立てるiDeCo(個人型確定拠出年金)を勧めていたのです。

この点に関して、「金融庁は、天下りのために、老後の備えになる金融商品を販売する業界団体に益を取らせているのだ」という利益誘導説も指摘されました。

実は、これは、金融庁と業界団体の癒着でもなんでもなく、アベノミクスによるマイナス金利政策と深い関係があるのです。

日本人は、自分で資産運用を行うよりも、銀行に預けておけば自動的に金利が付く貯蓄が大好きです。橋本龍太郎内閣で進められた金融ビッグバン以来、何度となく「貯蓄から投資へ」のスローガンが叫ばれていますが、全く変化はありません。この超低金利下にあっても貯蓄は増え続けています。まさに、笛吹けども踊らず。

だったら、貯蓄での資産運用を提案すればよいのにと思われる方もいるかもしれませ ん。しかし今の預金金利は、たったの0.010%です。この金利水準では元金が2倍になるまでにはなんと7000年もかかってしまうのです。

だからこそ、銀行にお金を預けて任せっきりにするのではなく、多少リスクがあっても高い利回りが期待できる投資性商品が勧められるのです。

「細る年金」と「自助努力の必要性」という「不都合な真実」を指摘した金融庁の報告書は高く評価されるべきです。というよりも、細る年金と自助努力は、政府の内部では共通認識になっているのです。問題は、「不都合な真実」をズバリと指摘した金融庁ではなく、国民の怒りの嵐が過ぎ去るまで首を引っ込めてじっと耐え、「不都合な真実」を隠蔽しようとする政府の態度ではないでしょうか。

さらに【つづき】〈日本人が絶対に知っておくべき「年金」の「嘘」と「本当」…このままでは確実に「破綻」へ〉では、さらにくわしく年金についてみていく。

老後貧乏にならないために心がけたい3つのこと


老後はお金だけでなく、人間関係も大切な財産になる

老後貧乏にならないため、どのようなことを心がけていけばよいのか、3つのポイントを解説していきます。

老後のお金を心配する人はとても多いのですが、お金と同時に大切な財産なのが「人」、人間関係なのではないでしょうか。

豊かな生活は、心地よい人間関係があってこそ成り立つもの。大切な財産をどのように築くのか、守っていくのか、心の貧乏にならないための人付き合いについて考えてみましょう。

心がけたいポイント1:家族との関係を再考する

老後を迎える頃に訪れる大きな問題となるのが、相続問題です。自分の財産をどのように引き継ぐのかも大切ですが、親の財産をどのように引き継ぐのかも重要なことです。

それぞれに思いはあると思いますが、基本的には法定相続分で分配することを心がけましょう。「法定相続分」というのは、各相続人の取り分として法律上定められた割合のことです。法律に則っているため揉める理由が少なくなるからです。

なかには、「揉めたくないから要らない」と相続を放棄する人もいますが、安易に決めず、自分の家族はどのように考えているのかも考慮して放棄するかを決めることが大切です。

また、自分の財産を引き継ぐときにも公平に法定相続分で引き継ぐように遺言書を残すなど、家族の誰かを特別な扱いをするのを避けるようにしましょう。そうすることで、トラブルの火種を抑えることにも役立ちます。

引き継ぐ方としては、より多く助けてくれた、その子が大変な状況にあるからと思いはさまざまなのですが、明確な理由なしに特定の家族に多くの財産を引き継ぐのは、自分が旅立った後の家族関係を壊しかねません。

持ち家か、賃貸か。多くの日本人が「持ち家」を選ぶ「当然の理由」 安心して老後を過ごすために


漠然とした不安を乗り越え、豊かで自由に生きるにはどうすればいいのか。豊富なデータと事例から見えてきたのは、「小さな仕事」に従事する人が増え、多くの人が仕事に満足しているという「幸せな定年後の生活」だった——。

ベストセラー『ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救う』では、統計データから意外と知らない「定年後の実態」を明らかにしている。

持ち家か、賃貸か

多くの人の家計において、気になるのは、持ち家か賃貸かというテーマがある。

データからは、年齢を重ねるごとに、持ち家比率が上がり、60代では9割が家を保有することがわかっている。

〈持ち家比率は年齢が上がるにつれて上昇する。

34歳以下の年齢階層で51.1%であったものが、40代後半で80%、60代前半で90%を超える。そして、最終的には大半の家庭で家を保有するという選択をしていることがわかる。

データからは、持ち家比率が住宅購入適齢期といわれる30代や40代を過ぎても年齢とともに緩やかに上昇する様子が見受けられる。

40代後半で80.8%だった持ち家比率が60代後半で92.3%まで上昇するように、住宅購入の判断が遅すぎるということはない。

こうした書き込みに対し、総務省は公式Xで「能登半島地震に関する偽情報がインターネット上で発信・拡散されている」と注意を呼びかけた。情報源や画像の真偽についてチェックするように求めている。

 地震の原因についても、「地震兵器が使われたのでは」「人工地震ではないか」とする投稿が相次いだ。気象庁は「地震兵器というものは存在していない。誤った情報に惑わされず、気象庁の発表する情報に留意してほしい」としている。

 岸田首相は2日、首相官邸で記者団の取材に応じ、偽情報が拡散していることに関連し、「被害状況などについての悪質な虚偽情報の流布は決して許されない。厳に慎んでもらいたい」と国民に呼びかけた。

50代の自営業ですが、年金も貯金も少なく「老後貧乏」になりそうです。老後の生活費はどうすればいいでしょうか?


老後に必要な資金はどれくらい?

実際に、老後の生活費はどのくらいかかるのでしょうか。生命保険文化センターの「2022年度(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、夫婦2人で老後生活を送るうえで必要と考えられている最低日常生活費の平均月額は23万2000円、ゆとりある老後生活費は37万9000円でした。

会社員であれば、厚生年金に加え退職金の受給が期待できますが、自営業者やフリーランスは原則そのようなものがないため、「将来の生活設計が安定しないのでは……」など不安を抱きやすい傾向です。そこで、効果的と考えられる、下記の対策を紹介します。

自営業者は国民年金にプラスの備えを

自営業者やフリーランスは、国民年金に加えて以下のような備えをすることが可能です。いくつか種類があるため、ライフプランに合ったものを探してみましょう。

厚生年金代わりの「国民年金基金」

国民年金基金は、厚生年金と同じく国民年金に上乗せされる年金制度です。加入できるのは、個人事業主やフリーランスなどの第1号被保険者のみです。最大のメリットは、掛金の全額が所得控除の対象になり節税対策できることです。

また、掛金は少額から始められ、加入後も掛金を増減できるほか、終身年金が基本なので亡くなるまで年金を受け取ることができます。国民年金基金の掛金は、加入時の年齢や加入口数などで決まるため、将来受け取る年金額も決まっており、老後の計画が立てやすいです。

しかしその一方で、将来インフレになった場合は、その価値も下がってしまうので注意が必要です。また、一度国民年金基金に加入すると、基本的に自己都合で辞めることはできません。

2年で元が取れる「付加年金」

付加年金は、国民年金に月400円をプラスして納めることで年金に上乗せすることで、「200円×付加保険料を納めた月数」の付加年金額(年額)が老齢基礎年金に加算されます。

仮に5年間でも加入すれば、付加保険料の総支払額は2万4000円(400円×60ヶ月)、65歳から毎年1万2000円(200円×60ヶ月)が支給され、支払い開始から2年で元が取れる計算です。ただし、国民年金基金との併用はできません。

運用次第で資金が増える「iDeCo(個人型確定拠出年金)」

iDeCoは、掛金を自分で積み立て、自分で選んだ金融商品を運用するタイプの年金です。毎月の掛金や運用する金融商品を自分で選べ、個人事業主やフリーランスの場合は毎月の積立額を5000~6万8000円まで1000円単位で選べます。

国民年金基金と同様に、確定申告の際に掛金全額を所得控除できるほか、運用期間中の運用益が非課税と税制面でのメリットがあります。ただし、iDeCoは金融商品の一種となるため、選んだ運用先によっては元本割れする可能性もあります。そのため、将来の給付額は運用実績によって変わる点には注意しましょう。

また、加入時の手数料や毎月の手数料のほか、口座管理手数料がかかる金融機関もあります。

自営業者の退職金制度「小規模企業共済」

自営業者の退職金制度としておすすめなのが、「小規模企業共済」です。小規模企業共済は、個人事業主が廃業したときなどに備えて資金を積み立てられる制度であり、加入に年齢制限はありません。

掛金を月額500円きざみで1000~7万円までで自由に設定し、掛金額と加入期間に応じて共済金を受け取ります。さらに、掛金は「小規模企業共済等掛金控除」の対象となり、節税対策としても有効です。

(例)50歳で加入して65歳で脱退した場合に受け取れる共済金額

※中小機構「小規模企業共済制度 加入シミュレーション」より

__納付月数:181ヶ月

掛金月額:3万円

掛金総額:543万円

課税所得金額:200万円

受け取れる共済金額

共済金A(事業廃止等):607万200円

共済金B(老齢給付等):585万6000円__

掛金額や加入期間、条件によって受け取れる共済金額は変動しますが、国民年金だけでは不安な場合は加入を検討してみてはいかがでしょうか。

年金や節税の知識を生かして老後に備えよう

自営業者やフリーランスは、会社員のような厚生年金ではないため、将来受け取れる金額も異なります。50歳の場合、年金受給までにあと15年しかないため、早めに老後資金の準備に取り掛かりたいところです。老後資金がどうしても不安な場合は、「国民年金基金」「付加年金」「iDeCo」「小規模企業共済」などへの加入を検討してみてはいかがでしょうか。

出典

[日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について

](https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2023/202304/0401.html)

公益財団法人生命保険文化センター 2022(令和4)年度 生活保障に関する調査

[国民年金基金

](https://www.zenkoku-kikin.or.jp/)

[日本年金機構 付加保険料の納付

](https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/fukanofu.html)

中小機構 小規模企業共済 加入をご検討の方

[中小機構 小規模企業共済制度 加入シミュレーション

](https://www.smrj.go.jp/skyosai1/simulator/index.php)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

「老後にお金を使えない…」亡くなった時が一番お金持ちにならないために、まず必要な資産の管理と生活設計のイメージ


人生100年時代と言われ、変化の激しい時代の中、自分の老後に「いくら」かかるのかイメージすることが難しい。

司法書士として住まいを中心に生活が立ち行かなくなった高齢者のサポートを20年以上してきた太田垣章子さんの著書『あなたが独りで倒れて困ること30 1億「総おひとりさま時代」と生き抜くヒント』(ポプラ社)。

おひとりさまを襲う「お金」「住まい」「健康」「家族」という4つのリスクからその対処法をまとめている。

今回は、「自分の老後にいくらかかるか分からない」場合、どのように考え、今を大切に生きていけば良いのか、について一部抜粋・再編集して紹介する。

まずは自分の使えるお金の管理から

高齢者の方とお話をしていると、「この先どれだけお金がかかるか分からないから、お金が好きなように使えないんだよね」と言います。

こういう方は、質素に生活をし、無駄なお金は使いません。

でも私からしたら、「じゃ、一体いつ使うんだ?」と思ってしまいます。

不安なのは、知識がないからです。分かっていないから、もやもやする。ちゃんと知識さえあれば、あとは具体的に考えられるので、不安はなくなるはずです。

つまり「分からないのは、生命保険や資産の管理、老後の生活設計をイメージしていないから」なのです。

こういう人に限って、自分の使えるお金の管理ができていません。

たとえばどこの銀行にいくらの預金があって、どのような保険をかけていて、自宅を売却するとどれくらいの資産になって、どのような治療を受けようと思っているか、何も決めていません。

もし人生100年時代に備えると言うなら、70代と90代で使う金額は違うはずです。

アクティブシニア世代と言われる今の70代には、海外旅行に行く人もいるでしょうし、おいしいものを食べたり、観劇やスポーツなど趣味にお金を使う人もいるでしょう。

でもいくら元気であったとしても、90代で海外旅行にたくさん行ける人は、少ないのではないでしょうか。

食べるものだって、個人差もあるでしょうが、70代とは食べられるものも好みもきっと変わってきますよね?

そして保険の見直しを

だから仮に10年単位で考えたとしても、必要なお金は各世代での均等割りではないはずです。

分からないから不安なので、可視化することが重要です。

まずは使っている金融機関を、できるだけコンパクトにまとめましょう。そして保険も一度見直します。

ただし、先進医療部分の費用は高額療養費制度では戻ってきません。その上、高齢になった時に、そのような最先端の治療を受けるだけの体力があるのでしょうか?

若い時は家族のためにも少しでも長生きしなければと思い、仮につらくても治る可能性がある治療にかけるという考え方もあるでしょう。

でも高齢の場合、そこまでの積極的な治療でどこまで回復するのでしょうか。

人それぞれの考え方もありますが、本当に自分のかけている保険が必要かどうか、改めて健康で元気なうちに一度検討することも必要だと思います。

そして受給できる年金の確認を

金融機関や保険を整理した上で、自身の受給できる年金額を確認してみましょう。

毎年誕生月に、「ねんきん定期便」が送られてきます。それには50歳以上の場合、今と同じ条件で60歳まで働いて年金を納付したと仮定した時の、65歳から受給できる金額が記されています。

受給年齢が後ろ倒しになればなるほど、受け取れる年金の額は割増されます。そこを加味しながら、いくつまで働くのか、年金で毎月いくら使えるのか把握していきましょう。

そこまで分かれば、自身の総資産と生活スタイルから、70代ではいくら、80代ではいくらと具体的にかけられる費用が明確になっていきます。

足りないと思えば、副業をして収入を増やすとか、働く期間を長くするとか、節約するとか、住まいを売却してコンパクトにするとか、いろいろと方法や工夫は見えてくるはずです。

分からないから不安なのです。

でも不安だからとお金に使わないことにばかり注力していると、「亡くなった時がいちばんお金持ち」になってしまう可能性もあります。

日本人は貯めることは上手だけれど、お金を使うことは下手だと言われています。

せっかく生きているのですから、楽しまないともったいない。

そのためにも、自分の周りのいろいろなことを明確にして、今の元気な自分が楽しめるように計画を立てていきましょう。

太田垣章子

OAG司法書士法人 代表司法書士。これまで延べ3000件近く家賃滞納者の明け渡し訴訟手続きを受託してきた賃貸トラブル解決のパイオニア的存在。著書に『2000人の大家さんを救った司法書士が教える 賃貸トラブルを防ぐ・解決する安心ガイド』(日本実業出版社)、『家賃滞納という貧困』『老後に住める家がない!』『不動産大異変』(すべてポプラ社新著)などがある

2024年「生前贈与」制度が大きく変わる! 損をしないためのポイントは?


定年前後の決断で、人生の手取りは2000万円以上変わる! マネージャーナリストでもある税理士の板倉京氏が著し、「わかりやすい」「本当に得をした!」と大人気になった書籍が、2024年の制度改正に合わせ改訂&パワーアップ!「知らないと大損する!定年前後のお金の正解 改訂版」として発売されました。本連載では、本書から抜粋して、定年前後に陥りがちな「落とし穴」や知っているだけでトクするポイントを紹介していきます。

「生前贈与」の制度変更を知っておこう

 定年前後世代の老後資金は、親からの遺産相続でも大きく左右されます。相続税の対策の一番人気である「生前贈与」に対する税金が、2024年から大きく変わります。変わるポイントは2つ。

①「暦年贈与」の相続税節税効果が少なくなる

②「相続時精算課税制度」の使い勝手がよくなる

 順番にご説明していきましょう。

①「暦年贈与」の相続税節税効果が少なくなる

 暦年贈与とは、1年間(1月1日~12月31日まで)の贈与額(もらう額)が110万円を超えた場合に贈与税がかかる贈与方法です。前項目でご説明したように、この110万円の非課税枠を使って贈与することで、相続税を節税することができます。

 これまでは、子どもや妻など相続で財産をもらう人への暦年贈与のうち、亡くなった日からさかのぼって3年以内のものは、110万円以下の贈与であってもすべて相続税の計算対象とされていました。これは、相続税の負担を軽くするための亡くなる直前の駆け込み贈与を防止するための措置です。これが2024年以降の贈与から、その期間が7年に延長されます。

つまり、亡くなる前7年間の贈与は、相続税対策としては基本意味がなくなるということ。相続税の節税効果が今よりも減少してしまいます。

②「相続時精算課税制度」の使い勝手がよくなる

 相続時精算課税制度とは、60歳以上の父母または祖父母などから、18歳以上の子・孫などに対し、財産を贈与した場合に選択できる制度です。

 贈与した時には、トータルで2500万円までは贈与税がかかりません。2500万円を超えた贈与については、一律20%の贈与税がかかります。2500万円の枠は1年で使い切ってもいいし、何年かにわたって使ってもいいことになっています。そのかわり、贈与をするたびに、110万円以下でも申告をする必要がありました。

「2500万円まで贈与税がタダなら、めちゃくちゃいいじゃん!」と思いそうですが、名前の通りこの贈与は「相続時に精算」されます。つまり、この制度を使った贈与はすべて相続税の計算対象となっていたのです。しかも、一度「相続時精算課税制度」を選択してしまうと、それ以降の贈与で「暦年贈与」を選択することはできません。そのため、相続税がかかる人たちにとっては、非課税枠のある「暦年贈与」と比べ、相続税の節税効果も低く、使い勝手のよくない制度として、利用している人も決して多くありませんでした。

 ところが、今回の改正でこの「相続時精算課税制度」に注目が集まっています。

 理由は、暦年贈与と同様110万円の非課税枠ができたことです。しかも、年間110万円以下の贈与財産は無期限で相続税の計算対象にしなくてよい(贈与税の申告もしなくてよい。ただし、初回年に、相続時精算課税選択届出書を提出)ということになったのです。

 暦年贈与制度のほうは、亡くなった日からさかのぼって7年以内の贈与はダメよと「改悪」になりましたが、こちらは逆に、「改良」です。

「どっちがおトクなのか」の考え方

 では令和6年以降、「暦年贈与」と「相続時精算課税制度」どっちがおトクなのかをパターンごとに見ていきたいと思います。大前提として、もともと相続税がかからない人は、手間などを考えると暦年贈与で非課税枠を超えない贈与をするということさえ心がけていれば、損もトクもありません。以下は相続税がかかる人を前提に説明します。

パターン① 110万円以下の贈与の場合

 仮に、毎年110万円の贈与を続けていた人が亡くなった場合、「暦年贈与」だと亡くなる前7年分の770万円が相続税の計算対象となりますが、「相続時精算課税制度」なら、贈与された財産は1円も相続税の計算対象となりません。つまり、非課税枠内での贈与であれば、「相続時精算課税制度」のほうが節税効果があるということになります。

パターン② 贈与税の非課税枠を超えて行う贈与

 では、非課税枠を超えて贈与した場合はどうなるのか。これは、いくら贈与するのか、何年贈与するのかで、答えが変わってきますので、非課税枠を超えての贈与をするような資産がある人は、税理士に相談をすることをおすすめします。

パターン③ 孫など相続で財産をもらわない人への贈与

 孫などで相続では財産をもらわない人には「暦年贈与」がおトクです。というのも、暦年贈与の7年以内の財産を相続税の対象にするというのは、相続で財産をもらう人だけの話。相続で財産をもらわない人は関係ありません。そんな人に「相続時精算課税制度」を使ってしまうと、相続で財産をもらわなくても年間110万円を超えた分が相続税の対象となってしまいます。しかも、相続人じゃない孫は相続税が2割増しです。ちなみに、相続時精算課税制度は18歳以上の子・孫に対する贈与にしか使えない制度なので、それ以外の人(配偶者や嫁婿・きょうだいなど)は「暦年贈与」一択です。

複雑になる生前贈与

 一度、相続時精算課税制度で贈与を始めてしまうとその後、暦年贈与をしたいと思っても戻すことができません。

 生前贈与を使って、相続税の節税をしようとお考えの場合は、税理士に相談することをおすすめします。

 非課税の枠を超えて贈与したほうがいいのか、誰に贈与したら一番効果的なのか、など、相続税のことも見据えて計画することで、より効果的で間違いのない贈与ができます。

 *本記事は「知らないと大損する!定年前後のお金の正解 改訂版」から、抜粋し新原稿を加えて編集したものです。

長生きする気はないので「貯金ゼロ」です。年金月額「10万円」の一人暮らしは、老後を乗り切れる!?


年金だけで暮らせるか? 老後に必要となるお金

年金不足が問題となるなか、老後の生活を年金だけでまかなうことが可能なのか疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)」によると、65歳以上の世帯にかかる生活費(月額)は、表1の通りです。

表1

※総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)」を基に筆者作成

表1によれば、毎月の支出が単身無職世帯で15万5495円、夫婦のみ無職世帯で26万8508円であることが分かります。非消費支出は、税金や保険料に当たるため大きく減らすことは難しいかもしれません。

しかし消費支出は食費や水道光熱費、娯楽費に当たるため、生活水準によって変動することが考えられます。

ライフスタイルによって支出はおさえられますが、平均値を見ると、年金10万円(月額)で生活費をまかなうことは厳しいといえるでしょう。

生活費以外にかかるもしものときのお金

節約を意識して毎月の生活費を切り詰めた場合、人によっては月10万円の年金のみで生活できる場合もあるでしょう。しかし高齢になると病気やけがのリスクが高まり、医療費や介護費が必要となる可能性があります。

医療費や介護費は、健康保険や介護保険、公的制度などによって経済的負担は軽減されますが、費用がゼロになるわけではありません。そのため万が一のときに備えて、ある程度余裕のある老後資金が必要です。

老後資金は早めに準備することが大切

老後には、ある程度の資金が必要であることが分かりましたが、お金はすぐに貯まるわけではありません。ゆとりある老後資金を準備するには、早いうちから資金計画を立てて計画的に進めることが大切です。

まずは現在の家計を見直して、無駄な出費はないか、毎月いくら貯金できるのかを明確にします。同時に将来もらえる年金を把握して、老後にいくらあれば安心できるのかを考えてみましょう。

すでに50代・60代の方は今から貯金を始めても、必要な資金が貯められない可能性もあります。その場合には、資産運用も選択肢の一つとして検討してみましょう。

年金月額10万円だと老後の生活は厳しい可能性が高い

老後の生活における月の平均支出は、単身無職世帯で約16万円、夫婦のみ無職世帯で約27万円です。年金月額10万円のみでは、生活費をまかなうのは厳しいことが分かります。ただし働き続けるならば、年金と合わせて収入が得られるためゆとりある生活が送れるかもしれません。

早いうちから老後資金の準備を進めてある程度の貯金を確保しておくと、病気やけがなど万が一の際にも安心です。

出典

[総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)結果の概要(18ページ)

](https://www.stat.go.jp/data/kakei/2022np/pdf/summary.pdf)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

生命保険、結局最も安い商品は?難しい保険商品選び、比較・検討時のコツとは?


「インターネット生命保険は保険料が安い」このように語られる機会は多い。

 それでは、「ネット生保の中で、どこの保険料が安いのか」について、ご存じだろうか。筆者は過去に何度か、ネット生保の保険料比較記事を書いているので、過去に調べた保険料を引き出しながら、現時点での保険料比較をしてみたい。

 今回ご紹介するのは、楽天生命保険、オリックス生命保険、アクサダイレクト生命保険、ライフネット生命保険の4社。比較するのはいずれも、定期保険に当たる商品である。オリックス生命をネット生保に含めることには異論があるかもしれないが、ネット生保と肩を並べるくらい通販型保険の保険料が安いので、ここでは含めて紹介している。

 保険料を比較する条件は、40歳男性で、死亡保険金額は2000万円、保険期間は10年のケースである。まずは、楽天生命が「楽天生命ラブ」を発売した2013年5月時点における月額保険料を見てみよう。

「楽天生命ラブ」は、それまで最安だったオリックス生命の「Bridge」を抜いて、いきなり第1位となった。

1位 楽天生命「楽天生命ラブ」…4580円
2位 オリックス生命「Bridge」…4601円
3位 アクサダイレクト生命「カチッと定期」…4740円
4位 ライフネット生命「かぞくへの保険」…4910円
(13年5月時点)

 その後、14年3月にアクサダイレクト生命が「カチッと定期」をリニューアルして、「カチッと定期2」を発売。新商品の登場により、「カチッと定期2」が第1位に躍り出る。

1位 アクサダイレクト生命「カチッと定期2」…4510円
2位 楽天生命「楽天生命ラブ」…4580円
3位 オリックス生命「Bridge」…4601円
4位 ライフネット生命「かぞくへの保険」…4910円
(14年3月時点)

 さらに、14年5月にライフネット生命が保険料の改定を行ったことで、最安ランキングは再び変動。5月以降現時点に至るまで「かぞくへの保険」が最安になっている。

1位 ライフネット生命「かぞくへの保険」…4498円
2位 アクサダイレクト生命「カチッと定期2」…4510円
3位 楽天生命「楽天生命ラブ」…4580円
4位 オリックス生命「Bridge」…4601円
(14年8月現在)

●掛け捨て保険は比較検討するべき

 ここまで見てきたように、13年5月から14年5月までのわずか1年間で、最安保険料ランキングは3回も変動している。そして、今後も変動は起こることが予想される。

 ネット生保の保険料引き下げ競争は、消費者にとっては好材料といえるだろう。そんな中で気になるのは、ネット生保以外の保険会社の保険料である。大手生保などは、定期保険を単体で販売していないのが一般的だし、同じ条件で保険料比較ができない商品も多い。そこで、商品としては販売していないが、定期保険部分の保険料だけを参考価格として教えてもらったところ、2倍くらいの差が出ている商品もあった。

 保険商品は「同じ条件で比較できる商品」が少ないため、消費者は「保険料単価」を比較して、保険を選べる機会は多くない。とはいえ、掛け捨ての保険こそ、掛け捨てる部分の保険料は安いほどよいはずだ。

 保険商品や保障プランを選ぶときは、ひとつの商品で保障内容を検討するだけでなく、他社のできるだけ似た条件の商品を探し出し、保険料を比較してみる習慣をつけることも大切だろう。

急増中の有料老人ホーム「住宅型」とは? FC2 Analyzer



FC2 Analyzer高齢者の住み替え先の一つである有料老人ホームのうち、ここ10年ほどで急増しているのが「住宅型」だ。

 全サービスが施設内で提供される「介護付き」と異なり、自宅にいるのと同様、介護は外部のサービスを自分で選んで利用する。系列の事業所を使うことが多いが、地域のデイサービスや、訪問リハビリなどを使えることもある。

介護サービスを利用した分だけ料金を払うため、介護の必要性が高くなると、費用は高額になりがちだ。

 もともと「宅老所」だったところが「住宅型」として届け出たケースも多く、居室数が9戸未満など、小規模な施設が多い。食事はほとんどの施設で提供され、掃除やゴミ出し、健康管理、通院付き添いなどの生活支援サービスも7~8割のところで提供されている。

 費用は、介護付きよりも安め。一時金ではなく、毎月支払う形式が多い。

 介護付きの場合は、入居者数に対する介護・看護職の配置基準があるが、住宅型にはないため、サービスの内容や質はまちまちだ。注意して選びたい。

介護費用の「平均額580万円」は目安にしかならない 「いくら必要か」ではなく「いくらまでならかけられるか」を重視すべき


値上げラッシュに先の見えない年金制度、ささやかれる増税計画と、あらゆる角度からあおられ続ける老後のお金の不安──。そんな老後資金のうち、残しておくべき「必要最低限のお金」として重視すべきなのが「介護費用」だ。

【表】老後の必要経費はいくら? リフォームや介護、葬儀でかかるお金の概算

 一般的に、介護費用は一人あたり平均総額580万円かかるといわれているが、介護費用の平均額は人によって大きく異なる。ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんは言う。

「生命保険文化センターのデータでは、月々の介護費用が8万3000円で、住宅改修や介護ベッドなどの一時的費用が74万円。これを介護期間の平均である5年間続けると合計580万円になるという計算です。

しかし、介護費用は“どこで介護されるか”で大きく異なる。介護期間は同じ5~6年程度でも、在宅介護の平均費用が358万円なのに対し、施設介護は平均853万円です。さらに、特養などの公的な介護施設なら平均773万円ですが、民間の介護つき有料老人ホームなら1000万円以上にもなります」

 あらゆるものが値上がりしているいま、介護施設も例外ではない。昨年に比べ管理費は7570円、食費は4810円アップしており、平均額はあくまでも目安にしかならない。

「在宅介護のつもりでいても、後からやっぱり施設に入りたいと感じたり、公的介護施設に入ろうと算段していても空きが出ず叶わないこともあります。介護に関してはいくら必要なのかではなくいくらまでならかけられるのかを重視して、元気なうちから情報収集をしておいてください。

 一般的に男性は70~75才、女性は75~80才から要介護状態が増えてきます。まだまだ元気だと思っていても、介護は突然やってくるものです」(黒田さん)

リフォームにお金をかけて施設入居費用がなくなる本末転倒

 施設の情報収集や入居前のシミュレーションが欠かせない一方で、在宅介護に備えた自宅のリフォームに大金をかけるのは賢明ではない。プレ定年専門ファイナンシャルプランナーの三原由紀さんが解説する。

「いくらリフォームにお金をかけても、健康状態が悪化して自宅が“終の棲家”ではなくなる可能性は充分に考えられます。リフォームにお金をかけすぎて、施設の入居費用がなくなっては本末転倒です」

 自宅のリフォームは、介護保険が適用される「最低限」の範囲内で充分。例えば、廊下や玄関、トイレ、浴室の手すりの取りつけなら、1本5000~1万円で済む(工事費用は別途)。

「段差解消のためのスロープの設置は5万~7万円、開き戸を引き戸にする工事は7万~10万円もかかります。介護ベッドなどもわざわざ購入する必要はありません。介護保険でレンタルできる上、レンタルの方が最新式を使うことができます」(黒田さん)

老後資金で「早めにお墓を買う」落とし穴

 介護やリフォームにかかるお金は早めに検討した上で老後資金から確保しておくべき一方で、お墓にかかるお金については、老後資金から捻出してはいけない。相続・終活コンサルタントで行政書士の明石久美さんはこう語る。

「早いうちにお墓を買っても、毎年管理料がかかるケースもあり、お墓そのものも経年劣化していきます。

 また“見晴らしのいいところで眠りたい”と高台や海のそばにお墓を買う人もいますが、供養するのは残された家族です。お墓参りに行きづらい場所に買っても、誰も来てくれなくて持て余してしまう場合も少なくありません。お墓は自分たちが亡くなってから、家族に買ってもらうのがいちばんです」

※女性セブン2023年11月30日・12月7日号

定年後に月謝2万円の「フラダンス」を始める予定です。年金は月額11万円なのですが、生活できますか?


月額11万円の年金だけで生活するのは厳しい

まず老後に、単身者が月額11万円の年金収入だけで、生活していくことはできるのかを考えていきましょう。

総務省統計局の「家計調査年報(令和4年)」によれば、65歳以上の単身無職世帯での1ヶ月当たりの平均収入は13万4915円です。対して、支出(消費支出と非消費支出の合計)は15万5495円となっており、毎月2万円程度の不足が生じています。月額11万円の年金収入だけの場合、不足分は4万5000円程度になります。

また消費支出だけに限れば、1ヶ月の平均は14万3139円となり、そのうち趣味にかけるお金に該当する「教養娯楽」が占める割合は全体の10.1%で、金額にすると1万4000円程度です。

そもそも、月額11万円の年金収入のみでは生活が厳しくなることが予想されるため、趣味の習い事に毎月2万円を使うことは、現実的ではないといえます。

ただし、配偶者や子どもが生計を維持しているケースなど、生活費について今すぐ心配をする必要がない場合は、2万円程度であれば、趣味に回しても大きな問題とはならないでしょう。

フラダンス教室の月謝で2万円は高い?

老後に習い事を始めること自体は悪くはありません。特に単身者の場合は、定年後は人と会う機会や外出の頻度が少なくなることもあり、社会とのつながりを保つだけでなく、体力を維持するための適度な運動としても、老後に始めるには、フラダンスはちょうどいい趣味といえます

とはいえ、月額11万円の年金からねん出することを考えると、やはり2万円の月謝は高いといわざるを得ないでしょう。フラダンス教室であれば、5000円から1万円以内の月謝で通える教室も、探せば見つかるはずです。

友人と一緒に通いたいとか、特定の先生に教わりたい、近場にほかに教室がないといった事情があれば別ですが、特にこだわりがなければ、なるべく月謝の安いところを探したほうが、少ない負担で長く通い続けることができます。

老後の生活を維持しながら2万円の月謝を払っていくには?

老後の趣味にかける支出として、毎月2万円がどうしても必要という場合は、老後資金について確認してみてください。年金収入だけでは生活が厳しくても、不足分を十分にカバーできるだけの老後資金があれば、問題はないからです。

不足する生活費をカバーして、さらに趣味などに使う分を上乗せするために、例えば毎月10万円を貯金から切り崩すという場合、必要な老後資金は年間で120万円となり、老後の生活を65歳から90歳までの25年間と仮定すると、総額では3000万円になります。

上記は一例ですが、もし老後資金が十分ではないという場合は、生活費の不足と趣味の支出をまかなうために、老後も就労を続けるほうが現実的です。

統計による平均的な支出を基にすると、月額11万円の年金収入だけでの生活では「教養娯楽」の支出を含めて毎月5万円近くが不足することになります。また、趣味の月謝が2万円であり、支出の割合としては多めになることを考えると、年金以外に毎月6万円程度の収入を、就労で得る必要があります。

まとめ

定年後、月額11万円の年金のみで生活する予定の場合、趣味の習い事の月謝で2万円は、大き過ぎる支出といえます。

統計上の平均的な支出を参考にする限り、不足分をまかなえるだけの老後資金が用意できていないときは、老後も就労して、まずは生活を安定させて、そのうえで余裕のある範囲で、趣味にお金をかけるべきでしょう。

出典

総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年) 家計の概要 図2 65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2022年- (18ページ)

執筆者:柘植輝

「老後貧乏」にならないために、50代で「1000万円」貯めていれば足りますか?みんなどれくらい貯蓄してるの?


50代の平均貯蓄額はいくら?

金融広報中央委員会が公表している調査結果の資料を基に、50代の平均貯蓄額を確認していきましょう。

まず、単身世帯の場合は表1の結果になっています。

表1

一方で、2人以上世帯の場合は表2のような結果となりました。

表2

(表1・表2ともに金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」を基に筆者作成)

単身世帯に比べて2人以上世帯の貯蓄額が多いのは、夫婦共働きの家庭だと貯蓄に回せる額が大きくなることが大きな理由として考えられます。

老後に必要な資金はどのくらい?

老後の生活に必要な資金はどのくらいなのかを確認し、今ある貯蓄で、老後資金として足りるのかを考えてみましょう。

今回は、総務省統計局が実施した家計調査(令和4年)を参考に、多くの方が定年を迎える65歳以上を例に挙げてご紹介します。資料によると、1ヶ月あたりの実収入は年金を含めて24万6237円です。

これに対して、1ヶ月の支出は食費や住居費・水道光熱費など生活に必要な消費支出と、税金・社会保険料などの非消費支出をあわせて26万8508円となっています。

実収入から支出を引くと1ヶ月に2万2271円が不足することになり、年間で26万7252円もの費用が足りなくなってしまいます。

例えば65歳で定年を迎えたのち、100歳まで35年間、生きると仮定すると、最低でも935万3820円が必要ということになります。

1000万円貯めておけば「老後貧乏」にはならずに済む?

上記の計算通りであれば、50代で1000万円の貯蓄があれば老後の備えとしては充分でしょう。

しかし、受けとれる年金の金額や、老後の生活に必要な資金には個人差があることはもちろん、急な病気やけがにより、出費がかさむリスクも考えると、必ずしも1000万円が安心できる金額とは限りません。

いずれにしろ、早いうちからしっかりそなえておくことで老後への不安を解消できるでしょう。

老後貧乏にならないための対策を考えておこう

年金や貯蓄だけでは足りず、老後の生活が苦しくなることを「老後貧乏」といいます。50代は子育てもひと段落して、老後のことを考え始める時期でもあるため、この機会に同世代の方々の平均貯蓄額や、老後に必要な資金について確認してみるのがおすすめです。

「老後貧乏」にならないためには、今後どのような対策が必要になるのかを考えてみるとよいでしょう。

出典

[金融広報中央委員会 「家計の金融行動に関する世論調査」 [単身世帯調査]

](https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/tanshin/2022/22bunruit001.html)

[金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」[二人以上世帯調査]

](https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/futari2021-/2022/22bunruif001.html)

[総務省統計局 家計調査年報(家計収支編) 2022年(令和4年)結果の概要 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支

](https://www.stat.go.jp/data/kakei/2022np/pdf/summary.pdf)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

急増中の有料老人ホーム「住宅型」とは?


高齢者の住み替え先の一つである有料老人ホームのうち、ここ10年ほどで急増しているのが「住宅型」だ。

 全サービスが施設内で提供される「介護付き」と異なり、自宅にいるのと同様、介護は外部のサービスを自分で選んで利用する。系列の事業所を使うことが多いが、地域のデイサービスや、訪問リハビリなどを使えることもある。

介護サービスを利用した分だけ料金を払うため、介護の必要性が高くなると、費用は高額になりがちだ。

 もともと「宅老所」だったところが「住宅型」として届け出たケースも多く、居室数が9戸未満など、小規模な施設が多い。食事はほとんどの施設で提供され、掃除やゴミ出し、健康管理、通院付き添いなどの生活支援サービスも7~8割のところで提供されている。

 費用は、介護付きよりも安め。一時金ではなく、毎月支払う形式が多い。

 介護付きの場合は、入居者数に対する介護・看護職の配置基準があるが、住宅型にはないため、サービスの内容や質はまちまちだ。注意して選びたい。

介護術ユマニチュードに注目


誰でもできる「ユマニチュード」 認知症の人に劇的変化

 ユマニチュードというフランス発の介護術が注目されている。認知症の人が劇的に変わるのだ。

 会場に女性の叫び声が響いた。

「なにをするの!?」

 今年5月、東京都内で開かれた第15回日本認知症ケア学会。スクリーンに映しだされた映像では、看護師2人が認知症の高齢女性の体をシャワーで洗おうとしていた。女性は水が冷たいと必死に訴え、助けを求めて声の限りに叫ぶ。お湯は温かい。もちろん乱暴にもしていない。

 ところが、フランス生まれのケアメソッド「ユマニチュード」を学んだ看護師が入浴介助をすると、女性は別人のように穏やかにシャワーチェアーに座り、お湯を浴びている。そして、「さっきはね、怖かったの」と看護師に心情を語った。

 認知症があって、攻撃的になっていた人が穏やかさを取り戻す。寝たきりで、話しかけてもほとんど反応しなかった人が問いかけに答え、笑顔も生まれる。

 ユマニチュードが奇跡のような変化を生むのは、根底に「人とは何か」「ケアする人とは何か」という哲学があるからだ。

 ユマニチュードの基本の柱は「見る」「触れる」「話す」「立つことを援助する」の四つ。

「見る」は、同じ目の高さで正面から、顔を近づけて長く(0.4秒以上)、見つめる。視野が狭まっていることもある認知症の人が、見つめられていることが分かるように。

「触れる」ときは、広い面積で触れる。手首をつかむなど狭い面積だと、痛みや驚きを与えてしまうからだ。優しく、ゆっくり、少し重みをかけるようにして安心感を与える。

「話す」ときは、やわらかな抑揚と低めの声で話す。嫌な気持ちにならないよう、ポジティブな言葉を選ぶ。入浴や着替えなどで触れるときは、反応がなくても黙って行わない。実況中継するように、次にすること、今していることなどを、溢れるほどの言葉で話しかけながら行う。

「立つことを援助する」のは、寝たきりでは筋力も認知機能もみるみる衰えてしまうからだ。

 暴言や暴力など、認知症の行動・心理症状と呼ばれるものは、認知機能が低下して状況の理解がスムーズにいかないために、恐怖や不安を感じて自分を守ろうとしている「表現」というのが、認知症ケアの考え方だ。

 ユマニチュードの柱は、ケアする人が認知症の人の恐怖や不安を取り除き、絆をつなぐコミュニケーションの基本ともいえる。だから、ケアする人が認知症の人を脅かす存在にならずに済む。しかも、習熟は必要だが、意識すれば誰でも実践できる。

40歳のおひとりさま女性、老後対策どうしたらいい?



40歳のおひとりさま女性、老後対策どうしたらいい?
40歳のおひとりさま女性、老後対策どうしたらいい?© ファイナンシャルフィールド

独身世帯の金融資産の平均保有額はどのくらい?

金融広報中央委員会 「家計の金融行動に関する世論調査 [単身世帯調査] (平成19年以降)」 によると、40歳代独身世帯 (単身世帯) の金融資産平均保有額は657万円、中央値53万円です。

保有額の割り合いをみると、図表1のように、金融資産非保有の人が35.8%ともっとも高く、次に100万円未満の人が14.8%という結果になっています。しかし、7.7%は1000〜1500万円未満、5.9%が3000万円以上となっているなど、40歳でも保有額に大きな違いがあることがわかります。

【図表1】

(金融広報中央委員会 「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成19年以降)」より筆者作成)

独身世帯の金融資産の平均保有額はどのくらい?

金融広報中央委員会 「家計の金融行動に関する世論調査 [単身世帯調査] (平成19年以降)」 によると、40歳代独身世帯 (単身世帯) の金融資産平均保有額は657万円、中央値53万円です。

保有額の割り合いをみると、図表1のように、金融資産非保有の人が35.8%ともっとも高く、次に100万円未満の人が14.8%という結果になっています。しかし、7.7%は1000〜1500万円未満、5.9%が3000万円以上となっているなど、40歳でも保有額に大きな違いがあることがわかります。

【図表1】

(金融広報中央委員会 「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成19年以降)」より筆者作成)

老後の独身女性の平均月額生活費は?

老後の独身女性の平均月額生活費について、総務省統計局 「家計調査 家計収支編 2人以上の世帯 年報 年次 2022年」 では図表2のように伝えています。

【図表2】

(総務省統計局 「家計調査 家計収支編 2人以上の世帯 年報 年次 2022年」 より筆者作成)

40歳独身女性が老後資金を貯める方法とは?

40歳独身女性が老後生活を迎えるまで、20年程度はあるため早いうちから資金を貯めておくとよいでしょう。老後資金を効率よく貯める方法は以下のとおりです。

__・そもそもの年金受給額を増やす

・個人年金保険を活用する

・年金を受けとる際は繰下げ受給を選ぶ__

それぞれの方法について解説します。

そもそもの年金受給額を増やす

老後生活の大きな収入源となる年金受給額を増やすことができれば、その分だけ余裕ができます。

例えば、60歳を過ぎても厚生年金に加入すれば、老齢基礎年金と合わせて受けとることができる老齢厚生年金を増やせます。老齢厚生年金は、厚生年金保険料を払い続けることで受給額を増やせる仕組みだからです。

また、第1号被保険者、または任意加入被保険者が定額保険料に月額400円の付加保険料を加算して納付すれば、付加年金 (200円×付加保険料納付月数) を受けとれます。

そのほかにも、年金の納付済期間が40年に満たないなど、老齢基礎年金の満額受給ができない場合は、60歳以降に国民年金へ任意加入して年金を納付すれば、老齢基礎年金の受給額を増やせます。

個人年金保険を活用する

生命保険会社などが取り扱っている個人年金保険を活用してみるのも、老後資金を貯めるための方法の1つです。60歳や65歳までの一定年齢まで保険料を積み立てて、契約時に決めた時期から積立金をもとにした年金、または一時金を受けとれます。

「確定年金」 「有期年金」 「終身年金」 の3種類あり、年金の受け取り期間や、死亡した際に遺族が受けとれるか、または受けとれないかといった点に違いがあります。

年金を受けとるときに繰下げ受給を選ぶ

通常、65歳から受けとりが可能な年金ですが、繰下げ受給によって66歳以降75歳までの間に遅らせて受けとれば、年金受給額を増額できます。年金の受け取り開始時期を1ヶ月遅らせた場合の増減率は0.7%です。70歳0ヶ月まで繰り下げれば42.0%、最大の75歳まで繰り下げれば84.0%の増額率が適用します。

また、老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方の受給権がある場合は、どちらか一方のみ繰り下げるという選択も可能です。

安心した老後生活を過ごすためには早いうちからの対策が重要

おひとりさま生活を楽しみながらも、老後生活で困らないためには、早いうちから資金を増やすための対策を検討しておきましょう。早ければ早いほど資金を貯める期間は長くなりますから、安心できる老後生活を迎えられる可能性が高いです。

老後生活にどのくらいのお金がかかるのかを把握したうえで、定年退職後も働く、または個人年金制度の利用や、繰下げ受給などの方法を検討してみてください。

出典

総務省 統計局 「家計調査 家計収支編 2人以上の世帯 年報 年次 2022年

日本年金機構 任意加入制度

日本年金機構 年金の繰下げ受給

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

独身者の「介護への備え」、どのくらいの額が必要か?


おひとりさまの老後には、現役時代には見えにくい落とし穴がある! それも踏まえた、お金&老後対策は必須です。

男性の3.5人に1人、女性は5.6人に1人が生涯未婚と、独身者は急増中ですが、税金や社会保険などの制度は結婚して子どもがいる人を中心に設計されており、知らずにいると独身者は損をする可能性も。

独身者と家族持ちとでは、本来お金についても老後対策についても「気を付けるべきポイント」が違います。独身者がひとりで楽しく自由に生きていくためにやっておくといい50のことを税理士の板倉京氏が著した「ひとりで楽しく生きるためのお金大全」から、一部を抜粋して紹介します。

独身者は家族持ちよりも介護費用が掛かる可能性

 要介護状態になってしまった時、独身者は家族持ちよりも多くの費用が掛かる可能性があります。理由は、介護をお願いできる身内が近くにいないから。

 その分、身の回りの世話をお願いしたり施設に入る可能性が高くなるからです。また、介護費用も家族をあてにできず、自分で用意しなくてはいけない、という問題もあります。

 とはいえ、要介護状態になると公的介護保険を使えるようになります。基本、かかった費用の1割負担(所得によっては2割・3割負担)で介護サービスを受けることができます。

 介護に必要なお金の目安は次の図表の通り。ただし、この金額は在宅介護を含めた平均です。介護施設に入居する場合には、1か月に9~15万円程度かかりますし、民間の有料老人ホームなどは毎月30万円程度かかることも。

民間の介護保険が不要な貯金額の目安は

 民間の介護保険に加入するかどうかは、貯蓄額や公的年金で自分が望む介護の費用が賄えるのかを考えて決めるといいでしょう。

 具体的には、介護費用に充てられる預貯金が300~500万円ある人や公的年金が月額20万円以上ある人、介護を頼める親族などがいる人は、民間介護保険に加入する必要性は低いといえるでしょう。

 介護保険は商品によって違いの大きい保険です。中には医療保険の特約としてつけられるタイプもあります。一概に保険料が安いといった理由で選ぶことなくどういった保障が必要なのかを見極めないと、「保険料の払い損」になってしまうことも。

 違いは様々ありますが、外したくない条件は「保障期間は一生涯保障が続く終身タイプ」であることと「支払基準が公的介護認定の要介護2、できれば1で支払われる」ことです。「掛け捨てか貯蓄型か」については、独身者であれば断然「掛け捨て」がおすすめです。「貯蓄型」とは、介護保険として支払いがなかった場合に、死亡保険や年金などの形で支払う保険をいいますが、介護の保障は一生涯必要ですから、年金として受け取る可能性は低く、死亡保険を残す必要のない独身者にとっては、ただ保険料が高いだけの保険になってしまうからです。

 *本記事は、独身者向けのお金&老後対策を書いた、板倉京著「ひとりで楽しく生きるためのお金大全」から、抜粋・編集して構成しています。

【自動車保険ガイド】事故時に頼れる「損保コールセンター」を見極める“3つのポイント


お盆休みが近付き、予定を楽しみにしているというドライバーも多いのでは? 

外出先で万が一、交通事故に遭ってしまった場合、保険加入者が最初に連絡するのは、基本的には加入中の保険会社のコールセンター(事故受付センター)となるが、その際に頼れるコールセンターの特長とは? 3つのポイントからみていこう。

ポイント1:事故受付での聞き取り力とアドバイス力がある

 損保コールセンターの役割には「事故受付」があり、事故の状況を正確に聞き、その後の対応をアドバイスする役割を担っている。

ここで、契約者の疑問や不安に感じていることをしっかりと聞き取り、警察への連絡や被害者へのケアなど、事故現場で必要となる対応方法まで、いかに的確に説明できるかどうかは、最重要視したいポイントだ。

ポイント2:代車の手配、医療機関への連絡…スムーズな初期対応を実施できる

 コールセンターでは、被害者への連絡や、自動車の搬送が必要であればレッカー車および代車の手配、医療機関・修理工場への連絡といった「初期対応」も実施する。

円滑に保険金の支払いに進むためには欠かせない業務とあり、これがスムーズに進むか進まないかは、コールセンターの信頼度につながるといっても過言ではないだろう。

ポイント3:ミスなく迅速に保険金の支払いにつなげるための多様なサービス提供

 ミスのない迅速な保険金の支払いは、保険加入者として損保に最も期待したいところだ。

たとえばチューリッヒ保険では、事故受付のコールセンターと、営業や契約の保全を担当しているコールセンター(カスタマーケアセンター)が同じ場所にあり、事故受付時に契約関連の手続きが必要な顧客に対して、ワンストップでサービスの提供が可能となっている。

 事故に遭った直後のドライバーは、経験のない出来事に気が動転し、どのように対応したら良いかわからない人がほとんど。

そのため、コールセンターの事故対応力とは、事故に遭った契約者のパニックと不安をいかにスムーズに解消し、迅速な保険金の支払いにつなげていくかに他ならない。加入中の保険会社が上記のポイントを備えているかどうか。

保険加入前には、各社のWebサイトやコールセンターに関する口コミをしっかりチェックしてから加入するのが賢明かもしれない。

「介護=長男の妻」は過去 泥沼「きょうだい介護」の現実


昨日まで仲睦まじかったきょうだいが、親の入院などを機に「誰が介護するか」で、むき出しの本音をぶつけ合う――。「きょうだい介護」は、時に、お金の問題のほか、なすりつけ合いや被害者意識などが火種になって、一触即発の“戦争”につながる。

 介護保険相談員をしている埼玉県在住のミヨ子さん(71・仮名)は16年前に、認知症の母を在宅で7年ほど介護した末、看取った。4姉妹の3番目。父の他界後、母に認知症の症状が表れ始めたころは、いちばん近くにいた次姉が世話していた。だが、母は萎縮していた。

その姉に少しでも大声を出されると、ぶたれないように構える姿勢をとるのだ。見かねたミヨ子さんが、姉が旅行に出かける際に「試しに預かるから」と申し出て、親や子どもを説得し、自宅に引き取った。

 ちょうど年末で、正月準備に忙しい時期だった。

「餅がつき上がると、母が『まだやわらかいね。もう一晩寝かせると、包丁できれいに切れるようになるね』と。認知症になっても何もできなくなるわけじゃない。母の残っている能力を引き出すよう、姉にも受容の心で向き合ってほしいと思いました」(ミヨ子さん)

 旅行から戻った姉が迎えに来ると、今度は母が「帰らない」と言いだし、そのままミヨ子さん一家と暮らすことに。母の年金や財産はすべて次姉が管理し、ミヨ子さんはわずかな金を渡されたが、母をデイサービスに通わせたり母の衣類を買ったりしているうちに半年後、夫の給料を支出が上回り、家計が赤字に陥った。

 母と同居を始めて以降、次姉とはぎくしゃくし、他の姉妹も含め、「お金がほしい」と訴えても難しいと思った。そこで、他人の介護体験談が書かれた本の内容の一部などを便箋30枚ほどにまとめ、姉妹全員に送った。すると次姉が毎月5万円を送金するようになった。ただ、これは母の年金から捻出されていた。

 母が残り少ない時間を自分らしく過ごせるよう、ミヨ子さんは部屋に仏壇を置いた。次姉と暮らしていたころは「線香の火でボヤ騒ぎになるのは困る」と撤去されていた。

「人は悲しくなると手を合わせたくなるけど、母もそうでした。そんな時間まで奪うのはかわいそうで」(同)

 焼き鳥に使う串を緑色に塗り、先を赤く染め「最近は便利なお線香があるのよ」と母に渡した。すると母は「あら、いいわね」と目を細め、亡き父の位牌を拝んだ。たまに訪れる次姉にも「仏壇に手を合わせてから帰りなさい」と促した。

 最近、遺産で両親の永代供養を済ませたが、姉妹の確執は今も続く。

「介護もせず、経済的な負担もしなかった姉や妹が少ない遺産の分け前をいまだ求めてくることに、憤りを感じています」(同)

 介護を巡り、きょうだいがもめる原因は何なのか。1996年設立の、遠距離介護をする人を支援するNPO法人「パオッコ」理事長で、『70歳すぎた親をささえる72の方法』(かんき出版)などの著書がある太田差恵子さんが分析する。

「もめるポイントは大きく分けて『誰が介護するのか』と『お金』の2点。昔なら『家を相続する子どもが親の介護もする』と暗黙のうちに決まっていましたが、長男の妻が面倒を見る風潮は薄れるなど、確実に変わってきている。だから、いざ介護に直面したときに『誰がやるのか』でトラブることが多いのです」

社内の制度使えずアルバイト…介護の現実


会社に制度があっても実際はなかなか使いづらい──。年間10万人が介護で離職するという現実がある。体験者の話を聞いた。

 日用品の同じものをどんどん買ってきたり、お風呂を沸かしすぎて熱湯にしたり。母の異変に気づいたのが4年前だった。長男の金井隆彦さん(26)は当時、金属加工会社に就職して1年目。毎日、まだ着なれない黒やグレーのスーツを着て出社していた。

 母の邦子さん(58)は、家を切り盛りし、家族に尽くし、父(59)に文句ひとつ言ったことがなかったような人。

それなのに、父に嫉妬の妄想のようなものをぶつけるようになった。総合病院を受診したところ、認知症の疑いを指摘され、追って検査入院をすることが決まっていた。そんな矢先、隆彦さんの勤務先に父から電話が入った。

「家が火事だ」

 邦子さんが日中、コンロの火をつけたまま外出し、自宅は全焼。その後に診断結果がわかった。邦子さんは、前頭側頭型認知症(ピック病)だった。

 家が丸焼けになってからは、一家で父の社宅に緊急避難した。隆彦さんと4歳年上の姉と父、母以外の家族3人がフルタイムで会社に勤務していたため、どうしても日中は、母ひとりになった。

隆彦さんは、邦子さんが社宅からどこかに出かけたと職場で報告を受けた時、「もう、家族の誰かが母につきっきりでみるしかないんじゃないか」と思った。

 家族それぞれが、変わりゆく邦子さんとどう向き合うか、試行錯誤の連続だった。突然怒り出す邦子さんに、父は声を荒らげた。騒ぎながら玄関の鍵を開け出ていく母の後を、隆彦さんは追いかけ、本人の気の済むまでいっしょに歩いた。

そんなことを続けるうちに、隆彦さんが精神的不調に陥った。会社を一日、二日と休むうちに、もう会社に足が向かなくなった。隆彦さんがうつ病と診断されたのは火事から2カ月後。2011年1月、「自分の体調不良」を理由に傷病休暇をとることになった。

 隆彦さんは休暇中も、母につきっきりで介護した。月に1度は出社するように言われていたため、久々に職場を訪れると、対面でこう告げられた。

「入社間もないのに、お金(傷病手当金)をもらって休んでいるのはおかしいよね」

 何も言えなかった。その後、父が隆彦さんの会社に呼ばれ、「戻る見込みがないのなら、この先のことも考えて、自己都合で辞めたほうがよいのでは」と会社側から切り出された。

障害のある子の年金保険料、納付猶予の対象年齢は拡大


■親と同居の40代低所得者に対応

 障害のある子供を抱える親の将来への不安は強い。障害年金を受けられるかどうか、年金保険料を納めるかどうか-。将来を見通せないため、思い悩む。子供になるべく多くの財産を残してやりたい親心に解はない。読者のお便りから2つのケースをお伝えする。

 東京都内に住む林祥子さん(70)=仮名=には障害のある20代の娘がいる。生まれて間もなく障害が分かり、医者から「20歳まで生きるかどうか」と言われた。

だが、運良く合併症は起こさず、地域の小学校に通い、特殊学校に通った。決まったルートなら1人で目的地へ行けるから近所の散歩はできるし、通学もできる。しかし、普段と違うことが起きると対応できない。状態が比較的良かった分、障害年金の受給対象にはならなかった。

 娘が20歳になったとき、林さんの元に国民年金保険料の支払いを求める用紙が届いた。放置しておいたら担当者がやってきて、本人が支払えない場合は代わりに納めてほしい旨を伝えられた。林さんには年に400万円のアパート収入と月に6万円の年金収入があり、一定以上の所得があるからだ。

 年金制度では、本人に収入がなければ保険料が免除される。全額免除から保険料の一部を納める部分免除まで、所得によって段階がある。手続きをすれば未納や未加入にはならず、年金額にも一部反映される。だが、同居の親(世帯主)の所得が多いと対象にならない。

 林さんは、娘が保険料を納めなければならないことに納得がいかない。「病気の平均寿命から考えても、老齢年金を受け取れるはずがない。この先、1人暮らしは無理だから、私の収入は娘の将来の生活費として貯蓄したい。それでも、年金保険料を払わなければならないのでしょうか」

 だが、障害年金を受けられなかった時点で、林さんの娘は「年金制度上の障害者」には当たらない。

 林さんは結局、娘のために「若年者納付猶予」の手続きをした。この仕組みはもともと、景気低迷の中で就職できず、低所得のまま親と同居する若者が増えたことからつくられた。このため、親に所得があっても保険料納付が猶予される。

 ただ、免除と違って、将来の年金額には反映されない。年金を得ようと思う場合は納付が必要。未納と違って、10年までさかのぼって保険料を納められる。

 現在の対象者は20代。しかし、景気が上向いても正規雇用につながらず、30代に入るケースも多い。中高年の非正規雇用も増加しており、先の国会で年齢の拡大が決まった。平成28年7月からは対象範囲が「50歳未満」になる。

 ■法定免除、納付申し出には不利益も

 埼玉県に住む石川和夫さん(78)=仮名=には、障害年金を受ける息子がいる。

 息子が適応障害と診断されたのは19歳のとき。息子が20歳になってからは、石川さんが代わりに国民年金保険料を欠かさず納めてきた。将来、少しでも多く年金が受け取れるように保険料に上乗せする「付加年金保険料」も納めた。

 その後、状態が悪化した息子は年金の障害認定を受け、障害基礎年金を受け始めた。同時に、保険料を納めないで済む「法定免除」になった。障害基礎年金を受け続けるなら、保険料を納めても老後の年金額は増えないからだ。

 だが、石川さんは障害基礎年金を受けながら、納付申し出をして保険料を納めようかと悩む。「将来、障害が良くなれば、障害年金は止まってしまう。その場合は、保険料を納めていた方が年金を多く受け取れる。だが、障害年金を受け続けるなら、保険料は払い損になる。納めずに息子の生活費として貯金した方がいいだろうか…」

 病状の見通しは医師によって異なる。石川さんは「障害年金を受け取れなくなるほど改善するとは思えない。だが、良くなると思って暮らしていくもの。生きていくというのは、そういうことだと思う」と言う。

 公的年金は万が一の対応が手厚い。事故や病気に備えては遺族年金や障害年金がある。全額免除や法定免除なら、保険料を納めなくても老後の基礎年金の半額分が受け取れる。手厚いだけに、それを満額にするために、保険料を納めることが見合うかどうかは微妙だ。

 一方で、法定免除の対象者が納付の申し出をすると、不利益もある。申し出をしたのに納付が滞ると、未納扱いになってしまう。

 障害の度合いが良くなるかどうかは分からないし、医療技術がどう進歩するかも分からない。だが、免除なら、納めなかった保険料を過去10年にさかのぼって追納できる。

 ある社会保険労務士は「納めるか納めないかは治る可能性次第だから、どちらがいいとも言えない。だが、法定免除は10年の追納が可能だから、当面は貯蓄し、障害が改善して障害年金が止まった時点で追納する方法もある」と話している。

入り損? がん保険で給付金が出ない4つのケース


■せっかくがん保険に入っていたのに……!

 がん保険に加入していれば、がんになったときには「確実に」まとまった額の給付金が受け取れると思ったら大間違いです。がんになっても給付金がもらえないこともあるのです。

 どのようなケースだと受け取れない可能性が高いのか、一般的ながん保険の注意点についてまとめてみました。

■1. がん保険の保障内容が現在の治療方法と合っていない

 がん保険に加入していれば、がんになって治療したときには、治療費等の経済的負担を回避したり軽減したりすることができます。しかし、がんの治療方法は時代とともに変わってきており、ひと昔前のがん保険と今の治療方法にズレが生じてきています。

 がんの治療方法には主に「外科的療養」「放射線療養」「化学療養」があり、昨今は入院しない通院による治療が増えています。もし、治療方法が通院による抗がん剤治療だけだったら、がん入院給付金もがん手術給付金も受け取れません。

 また、がん保険には、がんと診断されたら給付金を受け取れる「がん診断給付金」という保障がありますが、ひと昔前のがん保険では、がんと診断されても入院を開始しないと給付金を受け取れないものがあります。つまり、通院による治療だけだったら、がん診断給付金は受け取れないのです。

 がん保険の保障内容は、多様化した治療方法のいずれにも対応できるようなものにしておきたいところです。

■2. 先進医療保障が付いていない

 先進医療にはがん治療に関する医療技術が多く含まれています。がん保険のパンフレット等でよく目にする「陽子線治療」と「重粒子線治療」は、治療費が自己負担分で300万円前後もしますが、実施件数は年々増えています。

 最近のがん保険にはがん先進医療保障が付いていて、治療費の大部分をカバーできますが、ひと昔前のがん保険には付いていない可能性があります。給付金を受け取れないことで治療方法の選択肢が狭まってしまうのは避けたいところです。

■3. がん保険に入った直後の一定期間は保障されない

 がん保険の基本的なことですが、保険期間の始期から90日間の「不担保期間」があります。この間は、契約手続きが完了していても保障されません。

 保険期間の始期とは、がん保険の申込書に必要事項を不備なく記入・捺印し、健康状態の告知書を記入し、さらに第1回目の保険料支払いまで全て完了したタイミングです。ここから約3カ月間は、保険料は支払うものの、がんになっても保障されないのです。

■4. 健康状態についてウソの告知をすると保障の対象外に

 がん保険に限ったことではありませんが、申込時には健康状態についてありのままに告知しなければなりません。告知をせずに加入してがんになった場合、給付金を請求しても受け取れない可能性があります。

 がん保険の場合、医師による診査ではなく、告知書への記入が一般的です。告知書で質問される項目は、過去がんになったことがあるか、もしくは健康診断結果について等です。たとえば、直近の健康診断で医師から胃ポリープを指摘された場合、良性で治療の必要がなくても記入は必要です。

 がん保険に加入するだけで安心せず、ときどき保障の内容も確認を。上記のケースにあてはまるようであれば、保険を見直すなど改善しておきましょう!

年金 60才からの任意加入が得


年金 60才からの任意加入や繰り下げ受給で老後マネー防衛を

ここ最近、年金に関するニュースが増えている。というのも、厚生労働省が6月、5年に1度行う公的年金の『財政検証』の最新版を発表したためだ。この『財政検証』は年金の“健康診断”ともいわれ、将来もらえる年金額が世代別に詳しく記されている。ただ、その複雑さゆえに誤解も多く、正しい知識を知らずにいると、損をしてしまうことも。

 ではすでに年金を受けとっている60代以降の年金は、いつから、いくら減るのか。

「年金を一律で減額調整する『マクロ経済スライド』は来年4月から毎年1回行われます。経済状況に左右されますが、だいたい毎年1%ずつ減ると思っていいでしょう」

 と話すのはニッセイ基礎研究所年金総合リサーチセンター・中嶋邦夫主任研究員。つまり、単純計算すると月額20万円の年金を受け取っている人は月2000円、年間では2万円強が減る計算に。

「減額調整は、おそらく28年後の2043年まで続く見通し。この間、ずっと1%程度ずつ減るわけです。10年後には年間20万円程度の目減りが待っています」(中嶋さん)

 現在65才の夫婦が受け取っている月22万円の年金は、75才になるころには月20万円になる試算。今ギリギリの生活をしている家庭の場合は、完全に赤字に転落してしまう。

 そして、『マクロ経済スライド』には、もうひとつややこしい点がある。年金額は毎年1%程度ずつ減っていくのだが、見た目の金額は変わらない、むしろわずかながら上がることもあるというのだ。これはいったいどういうことか。

「これまでの年金は、たとえば、物価が2%上がると、受給額も2%増える形で調整されてきました。しかし、来年4月からは、1%の減額調整が行われます。つまり、物価が2%上がるとき、年金額は物価に対して約1%減るので、言い換えれば見た目の金額は約1%上がるのです」(中嶋さん)

 国の社会保障審議会委員で年金問題に詳しいファイナンシャルプランナーの井戸美枝さんは、まさにここが落とし穴だと言う。

 年金は、保険料を払った期間が長いほど、もらえる年金額が高くなる。通常、年金は20才から60才までの40年間保険料を納めるが、40年間に達していない場合は、60才以降も5年間だけ追加で納めることができるのだ。

「たとえば、国民年金に5年間任意加入した場合、保険料の総額はおよそ91万5000円。これに対して、年金は月額8050円増やすことができます。年間では9万6600円の年金アップ。75才まで10年間年金を受け取れば、約96万円の増額になる計算で、支払った保険料よりもお得になるのです」(井戸さん)

 井戸さんがすすめるのが、年金の『繰り下げ受給』だ。年金は、受給開始を65才から66才に1年遅らせる(=繰り下げる)と、受給額を8.4%増やすことができる。最大で70才まで受給開始を遅らせることができ、受け取る年金額は43%もアップする。

「女性は、男性より平均寿命が長い。夫が先立った後を考え、妻の年金を繰り下げで増額しておくのがおすすめ」(井戸さん)

 ちなみに、受給開始を早める『繰り上げ受給』は損になることが多い。60才から受給すると、65才から受け取る場合と比べて年金額が30%も減ってしまうのだ。

パート主婦の驚きの年金保険料試算


パート1200万人が対象 月5万8000円以上稼ぐと手取りが減る

現在の制度では、厚生年金に加入している夫を持つ主婦(パート含む)は『第三号被保険者』となり、年収が130万円以上にならない限り、自分で年金保険料を納めなくても、老後は年金を受け取ることができる。

 だが、この"優遇"があるために、年収130万円を超えて働くことをセーブする女性も少なくない。そこで国は、年金の"支え手"を少しでも増やすため、パート主婦にも保険料を負担してもらおうと計画している。

「年金博士」こと社会保険労務士の北村庄吾さんはこう語る。

「今回の財政検証では、月5万8000円以上の収入があるパート主婦に厚生年金に加入してもらおうという試算が出ています。対象は1200万人におよびます」

 もし、実現した場合、パート主婦が払う保険料はいくらになるのか。ファイナンシャルプランナーの井戸美枝さんが計算してくれた。

「仮に、月8万円をパートで稼いでいた場合、給与から天引きされる年金保険料はおよそ月6850円。年間では約8万2000円の負担になります」

 一方、保険料を払う分だけ、年金額は増える。 「15年間払い続けた場合、年金は年間7万8900円増やすことができます」(井戸さん)

 一見、もらえる年金額(年間7万8900円)より負担額(年間8万2000円を15年)のほうが多そうだが、受給が16年目以降になると、元はとれる計算に。

 だが、夫の扶養を外れることになるので、年金保険料以外に健康保険料も自分で払う必要があり、月8万円の収入ならば手取りは1万円近く減ってしまう。家計のために働きに出ているのに、約2日分の給料が飛ぶのはつらい。

かといって、5万円以下に抑えて働けば、貯蓄に回せる部分はなくなる…と、悩ましいが、「老後の備えができる」と前向きにとらえ、働く時間を増やして手取り減収分をカバーするのが得策といえそう。

認知症の人のケア さまざまな介護の工夫


・プロの経験と勘に学べ

 認知症ケアの良い事例を集め、本人も家族も少しでも楽になれる方法を探ろうと、介護の「エキスパート」らが2月、都内でケアの工夫を話し合った。認知症はちょっとした工夫や声の掛け方で穏やかに暮らせる面もある。画期的な解決方法はないが、ケアのヒントをお伝えする。(佐藤好美)

 2日間の会議に参加したのは、高齢者施設や病院、グループホームなどで日々、認知症の人の介護にあたる専門職ら約20人。認知症の人の生活の支障を挙げ、その対応策を出し、良いケアを共有する試みだ。この日は軽度~中等度の認知症の人が対象。

 「衣類の整理ができなくなって部屋が乱雑になって…」

 「たんすを半透明のクリアケースに変えて、引き出しに『パンツ』『靴下』と書いたら、うまくできるようになったケースがありました」

 「あ、なるほど」

 「中が見えると、あることが分かって安心する。物盗られ妄想もなくなりましたね」

 主催したのは、筑波大学医学医療系精神医学教授の朝田隆氏らのグループで、厚生労働省の研究事業の一環。朝田教授は「認知症の人は洋服の着方、脱ぎ方が分からなくなったり、ドアの開け閉めができなかったりと、生活上、さまざまな支障が生じる。今まではプロの経験と勘でケアがされてきたが、誰がやってもうまくいく介護フォーマット(型)のようなものができないかと考えてきた」と言う。

きっかけは、朝田教授が診察に当たる中で家族から「どんな介護がいいのか、誰も教えてくれない」と言われたこと。「優れたケア方法をマニュアルとして整備し、そこに脳科学としても何ができるか工夫をこらしたい」

 会議では、さまざまな工夫が出された。どれも経験によるアイデアだから、誰にでも有効かどうかは分からない。しかし、難しい技術は不要で、試してみられるものばかりだ。

 ケアの工夫以外に、専門職からは「周囲の人が片目をつぶって見逃してくれれば」という声も出た。服を脱いだ後が多少乱雑でも、食器の使い方が奇妙でも、たいしたことではないと思えれば、ぶつからずに済む。

 許容範囲は人によるし、積年のしがらみもあれば、ゆったりした対応は難しいかもしれない。しかし、リストを見ても、できなくなったことを、できるようにさせる方法はない。周囲の環境を本人の状態に合わせる工夫ばかりだ。

 朝田教授は今後、こうした工夫や手法をまとめ、全国的に1千人規模で試行して有効性を確かめる。「どのレベルの認知症の人にどのようなケアが有効かを調べ、確実性を詰めていきたい」と話している。

 □財布を持たせる おやつ真っ先に出す

家族も生活に工夫を凝らして 「やってみないと分からない」

 過去に本紙生活面「ゆうゆうLife」に登場した家族も生活に工夫を凝らしている。

 千葉県に住む原幸子さん(66)=仮名=は以前、認知症の母親(90)に怒鳴ったり怒ったりしかできなかった。「同じ話を何度も聞かされ、『さっきも聞いたよ』と言うと、本人も顔が引きつるし、私も引きつる。少し気持ちに余裕ができたとき、『そうなの?』って、初めて話を聞くみたいにしたら、お互いに落ち着いて話せるようになりました」

 「お金がない」「あいつが盗った」などの「物盗られ妄想」もあったので、以来、10万円の入った財布を持ってもらった。家計を支えていた母が生活苦を忘れられないのではないかと思ったからだ。同時に小遣い帳に使途や残額を書かせ、時折、「この間、美容院に行ったね」などと確認することにした。以来、「お金がない」と言わなくなった。

 「これだけあれば大丈夫と思うみたいで、うれしそうに数えています。逆に、使ってなくなる額だと、不安になったのかもしれません」

 おやつは真っ先に母に出す。好きでなさそうな物も、「どう?」と勧める。言わずに食べると、「自分たちだけでこっそり食べた」となりかねないからだ。「対応を変えたら、気持ちよく暮らせるようになった。でも、何がいいかは、やってみないと分からない。あの手この手です」と話している。
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