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離婚して「年金分割」したら、年金はどれくらいもらえるの?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による自粛生活は、家族の関係にも大きな変化をもたらしました。配偶者のよさを再認識した人がいる一方で、「定年退職後の生活が不安になってしまった」と感じている人もいるかもしれません。「年金を分けてもらえるなら離婚したい」と思っている人もいるのではないでしょうか。「年金分割とはどんな仕組みなのか」や「どのくらいのお金がもらえるのか」について、あらためておさらいしておきましょう。

年金分割ってどんなもの?
年金分割は、離婚する夫婦が厚生年金保険料の”納付記録”を分割する仕組みです。大変複雑な制度なので、ここではポイントだけをご紹介します。

対象となるのは、夫婦の一方か両方が会社員か公務員(厚生年金の第2号被保険者)だというケースのみです。2007年4月以降に離婚が成立した場合に利用できます。分割割合の上限は5割です。年金を分割する側を「第1号改定者」、分割を受ける側を「第2号改定者」と呼びます。

申請できるのは離婚から2年以内に限られます。2008年4月以降に専業主婦(夫)だった期間がある場合は、その期間の納付記録が2分割される決まりです。

どのくらいの人が年金分割制度を利用している?
厚生労働省の資料によると、2018年度に分割された納付記録の件数は2万9,000件で、前年度よりも3000件増加しています。もっとも利用の多い年代は45~49歳です。年金分割を利用すると、もらえる年金額はどう変わるのでしょうか。2018年度における分割改定前後の平均年金月額を以下でご紹介します。

 第1号改定者(主に夫)

 ・改定前の年金月額・・・14万3,208円
 ・改定後の年金月額・・・11万2,272円
 第2号改定者(主に妻)

 ・改定前の年金月額・・・5万1,436円
 ・改定後の年金月額・・・8万2,701円
いずれも変動額は約3万円となっています。離婚時に年金分割を要求しても、相手と同額の年金がもらえるわけではありません。

※注意:平均年金月額は、基礎年金が裁定されている場合は基礎年金月額を含みます。離婚分割かつ3号分割を行った場合には、3号分割に係る改定額を含みます。

離婚しなければ世帯の年金月額は約19万5,000円で、年額に換算すると約234万円です。一方、離婚後の年額は約135万円(第1号改定者)および約99万円(第2号改定者)となります。年金を分ける側も受ける側も、ほかに収入がない場合は非常に厳しい経済状態になることが予想されます。

おひとりさまの老後=生活苦?
厚生労働省の「平成30年(2018年)簡易生命表」によると、男性の平均寿命は81.25年、女性では87.32年です。一般的に女性のほうが長生きしやすく、その分多くの生活費が必要です。しかし、男女間には大きな賃金格差があり、十分な貯蓄ができていない女性も少なくありません。

内閣府の「平成29年度(2017年度)版高齢社会白書」によると、独身女性のうち、「家計にゆとりがなく、多少心配である」「家計が苦しく非常に心配である」と回答した人の割合は約4割を占めています。「おひとりさまで老後を送る女性の7割が苦しい生活を強いられている」とするデータもあります。

女性がひとりで老後を生きていくためには、「生活費をどうするのか」についてしっかり考えておく必要があるでしょう。

離婚を決めるのは冷静になってから
感情にまかせて離婚を決めてしまうことは望ましくありません。社会状況が変わって1人の時間が取れるようになると、気持ちが変わることもあります。結婚したまま、別々の生活スタイルを自由に楽しむ”卒婚”を選ぶのも一つの方法です。最終的には自分の価値観にもとづいて決めることではありますが、熟年離婚をするとどちらも貧困に陥る可能性があることは知っておきましょう。

ただし、DVや虐待がある場合は別です。1人で悩まないで、すぐに周囲に助けを求めてください。離婚が避けられない場合は、年金分割を賢く利用しましょう。

 参考

「Q4-2.離婚が成立した後の年金分割は可能か? <離婚に伴う年金分割>」知るぽると(金融広報中央委員会)
「厚生年金保険・国民年金事業年報」厚生労働省
「平成30年(2018年)簡易生命表」厚生労働省
「平成29年度(2017年度)版高齢社会白書」内閣府
「厚生年金や国民年金をみんな、いくらもらっているのか」LIMO
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葬儀の費用に「亡くなった家族本人の預金」を使えるようになったって本当? これで当座のお金は安心?

人が亡くなったら葬儀などの出費が発生します。相続人同士で誰がどのように負担すればいいのかもめてしまうケースもありますし、当座の現金が手元になくて困る場合もあるでしょう。こうした事態に対応できるよう、民法が改正されて「預貯金(預金)の仮払い」制度が作られました。今回は、預貯金の仮払い制度の内容や活用方法、出金できる金額の上限について解説します。

1.預貯金の仮払い制度が始まった理由
預貯金の仮払い制度とは、遺産分割が成立する前であっても、一定の金額であれば法定相続人が被相続人名義の預貯金を出金できる制度です。民法改正により2019年7月1日から適用が開始されています。

人が亡くなると、不正出金などを防ぐためにその人の名義の預金口座は「凍結」され、出金や振込など一切できなくなります。
従来は、遺産分割協議が整ったり遺産分割調停が成立したりしてきちんと「遺産分割」が済むまで凍結を解除できず、相続人たちは預金を下ろすことができませんでした。

すると、葬儀費用などで早急にお金が必要なとき、相続人たちがお金を用意できずに困るケースが発生しました。また被相続人に生活費を頼っていた相続人が、いきなり口座を凍結されて生活できなくなる、といった事態も起こりました。

そこで法律を改正し、一定限度までであれば遺産分割前でも出金できるようにしたのです。この制度を利用すれば、相続人たちは出金したお金で葬儀を出したり生活費を補ったりできます。以上が預貯金の仮払い制度の概要です。

2.2019年7月から新制度スタート
預貯金仮払い制度は2019年7月から開始されています。以下で出金の上限額など、詳しくみていきましょう。

2-1.出金できる金額の上限
出金できる金額の上限は、以下の「低い方の金額」です。
● 死亡時の預貯金残高×法定相続分×3分の1
● 150万円

上記は「金融機関ごと」に適用されるので、複数の預金口座があった場合にはその分出金可能な金額が増える可能性があります。

2-2.計算の具体例
どのくらいのお金を引き出せるのか、具体例をみて理解しましょう。
相続人は妻と2人の子どもとします。
A銀行に1,200万円の預金 
B銀行に300万円の預金

この場合、妻の法定相続分は2分の1、子ども達それぞれの法定相続分は4分の1ずつとなります。

A銀行で出金可能な金額
妻の場合は、預金残高×法定相続分×3分の1を計算すると、
1,200万円×2分の1×3分の1=200万円
150万円よりも多いので、出金可能額は150万円です。

子どもの場合は、預金残高×法定相続分×3分の1を計算すると、
1,200万円×4分の1×3分の1=100万円
150万円よりも少ないので、出金可能額は100万円です。

B銀行で出金可能な金額
妻の場合は、預金残高×法定相続分×3分の1の計算では、
300万円×2分の1×3分の1=50万円
150万円より少ないので、出金可能額は50万円です。

子どもの場合は、預金残高×法定相続分×3分の1の計算では、
300万円×4分の1×3分の1=25万円
150万円より少ないので、出金可能額は25万円です。

妻がA銀行とB銀行で出金可能な金額の合計
150万円+50万円=200万円出金可能です。

子どもがA銀行とB銀行で出金可能な金額
100万円+25万円=125万円出金可能です。

子どもは2人いるので、それぞれが125万円ずつ引き出せます。
総合計金額
妻と子どもの出金可能額を合計すると、200万円+125万円×2人=450万円となります。

一般的な葬儀費用は150万~200万円程度といわれているので、葬儀代の支払いには充分でしょう。

2-3.払戻しの必要書類
● 被相続人の生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本または法定相続情報一覧図
● 相続人の身分証明書、印鑑証明書
● 申請書
金融機関によって取扱いが異なる可能性もあるので、事前に確認しましょう。

2-4.家庭裁判所の仮処分が必要なケース
預貯金の仮払い制度を利用しても、出金額が制限されてお金が足りないケースも考えられます。

たとえば、預貯金が240万円のみで妻と子どもが相続する場合、1人が出金できる金額は40万円ずつです(240万円×2分の1×3分の1)。妻と子どもの分を合計しても80万円にしかならないので葬儀費用に不足する可能性があります。

このような場合には、家庭裁判所で「仮処分」という手続きを行いましょう。

仮処分とは緊急の必要性があるケースにおいて、家庭裁判所への申請によってさまざまな命令を出してもらえる手続きです。仮処分が認められれば、「法定相続分まで」の支払いを受けられます。

先のケースでは妻が120万円、子どもが120万円出金できるので、合計すれば葬儀費用も出せるでしょう。

ただし仮処分を認めてもらうには、権利保全の必要性などを裁判所へ説明しなければなりません。素人の方が1人で行うのはハードルが高い手続きなので、必ず弁護士に依頼しましょう。


3.預貯金の仮払い制度の注意点
3-1.活用する場面は
預貯金の仮払い制度の利用をお勧めするのは、以下のような場合です。
● 親が亡くなって葬儀費用が必要だが、手持ちのお金がない
● 誰が葬儀費用を出すかでもめてしまった、もめそう
● 親と同居して生活費を出してもらっていた相続人が生活に困ってしまった
● 被相続人が借金していて返済の必要がある
● 被相続人の借りていたアパートやマンションの家賃を払わないといけない

3-2.仮払い制度を使う注意点
相続放棄できなくなる可能性がある
預貯金の仮払い制度を利用すると「相続放棄」できなくなる可能性があります。「単純承認」が成立するからです。単純承認とは「資産も負債もすべて相続する」ことです。相続財産を処分したり使ったりすると自然に単純承認が成立するので、相続放棄は認められなくなります。

預貯金の仮払い制度を利用しても、全額を被相続人の葬儀や借金支払いに充てたのであれば単純承認は成立しません。一方、生活費など自分のために使ったら単純承認が成立します。自分の口座に移しただけでも単純承認となる可能性が高いので、将来相続放棄を考えているのであれば、安易に預金の仮払いを利用しない方が良いでしょう。

他の相続人とトラブルになる可能性がある
預貯金の仮払いを受けると、後に他の相続人とトラブルになるケースも考えられます。たとえば葬儀代に使った場合、領収証をとっていなければ他の相続人から「本当に葬儀代に使ったかどうかわからない」と言われて遺産分割協議の際に考慮してもらえない可能性があります。

預金の仮払い制度を利用するときには、もめごとにならないよう事前に他の相続人に連絡をしましょう。また葬儀代や被相続人の負債の返済に支払った場合には、必ず領収証を保管して、後にお金の使いみちを証明できるようにすべきです。

預貯金の仮払い制度は上手に使うととても有用ですが、相続放棄や他の相続人との関係では慎重な対応が必要です。迷ったときには弁護士に相談してみて下さい。

(記事は2020年5月1日時点の情報に基づいています)

ライター・福谷陽子プロフィール
弁護士時代には遺産相続案件に積極的に取り組んでおり、家庭裁判所での遺産分割調停や審判などを含め、積極的に相続案件の解決にあたっていた。


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厚生年金、みんなの受給額は?…「おひとりさまの老後」にどう備えるか

2019年6月、金融庁の「老後2000万円問題」が大きな話題となりました。夫65歳以上、妻60歳以上の無職の夫婦世帯を例にして老後の生活費を計算すると、約2000万円が不足するという内容です。

生活費が年金収入を上回るため、不足額は平均で毎月、約5万円。老後生活は20~30年ありますので、この赤字額からの単純計算で1,300万円~2,000万円もの金額が赤字になるという内容でした。

人生には健康が大切であると同時に、お金も重要な生活基盤です。老後の年金収入と、誰もが直面する可能性のある「老後の一人暮らし」について考えてみましょう。

男女で差のある厚生年金額
老後収入の柱である年金については、国民年金と厚生年金の併給、もしくは国民年金のみの受給があります。国民年金は加入月数のみが計算根拠となりますが、厚生年金については就労していた時の収入に応じて納税するため、給与が年金額に反映されています。

厚労省「厚生年金保険・国民年金事業年報」によると、2018年度末における厚生年金保険(第1号)の「受給権者」の数は約1609万人で、平均的な年金月額(老齢厚生年金と老齢基礎年金(国民年金)の合計額)は、14万6000円となっています。

この厚生年金保険(第1号)の受給額については、以下のような傾向があるようです。

・男子…受給額15~20万円が男子全体の40%を占め、18~19万円の範囲がピーク。
・女子…受給額5~10万円が44%を占め、9~10万円がピーク。

女性の年金受給額は、男性に比べて低い方に偏っています。国民年金については、女性の平均が5万3342円、男性の平均は5万8775円ですので大きな差はありません。つまり、給与差(納税額の差)が厚生年金受給額の差になります。これらの年金額の実状を踏まえて老後生活を考えていく必要があるといえるでしょう。

だれにでも起こりうる「おひとりさま」生活
「おひとりさま」は気楽な面もある一方、肩身が狭いといわれている面もあります。結婚をしたことのない未婚の一人世帯もあれば、夫婦どちらかとの死別により一人世帯になることもあります。つまり誰もが「おひとり様」になる可能性があるのです。とくに女性は長寿の傾向にあるため、一人世帯になる可能性が高いといえます。

2019年の総務省の「家計調査報告(家計収支編)」によれば、60歳以上の一人世帯・無職者の生活費は、1カ月で平均13万9,739円となっています。上記の年金受給額を振り返ると、男性の受給額で多いのが15~20万円、女性で多いのが5~10万円です。老後の収入は年金のみと仮定すると、きびしい生活になることがうかがえます。

一人世帯の老後を想定したときに必要になるもの
夫婦世帯・おひとり様世帯の収入を比較すると、おひとり様世帯、とくに女性の一人世帯において、より厳しい老後生活が想定されます。女性の人生は一般的に男性よりも長く、しかし収入面では男性より低い傾向にあります。長年、勤務してきた場合は退職金が見込めますが、退職金は一般的に給与額をベースとして算出されますので、給与面や雇用形態(正規雇用か非正規雇用であるか)が重要な要素となります。

早めに老後を見据えた住居の確保をしていくなど、真剣に計画していくべきだといえるでしょう。収入を増やせない場合は支出を抑える工夫の習慣化も大きな意味を持つはずです。

夫婦世帯で考えておくこと
生涯独身で過ごすおひとり様と比較して、夫婦世帯なら安心だといえるのでしょうか。子育てを経験してきた家庭では一般的に持ち家などの住居費がかかり、大学進学のために教育ローンや奨学金などの返済が続いている場合もあるでしょう。決して余裕があるとは言い切れないのかもしれません。

また、共働き夫婦の場合は世帯収入も多い傾向にあり、退職金も期待できますが、家計支出も多くなる傾向にあるといわれています。今後、住宅ローンや教育ローンの返済のために退職金が大きく目減りしてしまう可能性はないでしょうか。

社会人になった子どもの生活を支える必要のある高齢世帯もありますし、孫たちが誕生して人生に嬉しさが加わると同時に、「孫育て」や「孫支出」などの負担が増える可能性もあります。そして、夫婦世帯であっても死別という可能性もあります。やはり老後に備えて、生活費を抑えたり貯蓄を継続するなど、老後資金の対策もできるだけ早い時期から取りかかっていくことが大切だといえるでしょう。

さいごに
数十年続く老後生活に備えるには、男女を問わず、早くからの老後準備が大切です。とくにおひとりさまの場合は、健康管理・家計管理などの自己管理が重要になります。早くから老後に向けた貯蓄を計画していきましょう。

また、長期にわたる資産形成を支援する制度として、税制面で一定の優遇が行われている「つみたてNISA」や「iDeCo」もあります。NISAはライフイベントに応じて引出すことが可能な積立て方式であり、iDeCoは年金制度として所得控除が認められ、両方の併用も可能です。情報収集をしながら貯蓄を継続するなど、老後に向けて計画的に準備していきましょう。継続的な貯蓄や家計の管理はその人の生活力そのものとなります。賢く備えていくことが自信を持って老後を迎えるコツになりそうです。

 参考

「高齢社会における資産形成・管理」金融審議会市場ワーキング・グループ報告書
「厚生年金保険・国民年金事業年報」厚生労働省
「家計調査報告(家計収支編)2019年(令和元年)平均結果の概要」総務省

 【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。
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固定費の代表である「生命保険」みんなどれくらい払っている?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響で「収入が減るかもしれない」という不安はどのご家庭にもあると思います。収入が減った時にできることは、支出の見直しです。家計の固定費の代表である「生命保険」も見直し対象の一つです。みんなどれくらい生命保険料を払っているのか? 公益財団法人 生命保険文化センター「平成30年度生命保険に関する 全国実態調査 〈速報版〉」のデータをみてみましょう。


1. 全世帯の加入率は?

日本人は生命保険の加入率はどれくらいなのでしょう? 公益財団法人 生命保険文化センター「平成30年度生命保険に関する 全国実態調査 〈速報版〉」には、今回の調査では、生命保険の世帯加入率は全生保で88.7%(前回89.2%)と、わずかではありがなら前回を下回っていることがわかります。10人のうち約9人はなんらかの保険に加入していることになります。

この調査は、いつ頃からどれくらいの頻度で行われているのでしょか? 前出の資料に「昭和40年以来3年に1回の割合で行っているものである」とあります。過去の加入率は、平成6年には93.7%でしたが平成30年には88.7%になっており、24年間で5%下がっていることが分かります。


2. 一世帯で何件の保険に入っている?

自分の家庭が何件の生命保険に入っているか、すぐに答えられますか? 生命保険の見直しをする際、何件の保険に入っているかも一つの目安になります。上述の生命保険文化センター調査によると「世帯加入件数は全生保で3.9件(前回3.8件)と横ばい」とあります。自分の家庭と比べて多いでしょうか? 少ないでしょうか? 


3. 一世帯当たり、保険料いくら払っている?

さあ、今度はいよいよ気になる、一世帯当たりいくら保険料を払っているか? の調査です。上述の生命保険文化センター調査によると「生命保険(個人年金保険を含む)の世帯年間払込保険料は、全生保で38.2万円」とあります。1ヵ月あたり約3.2万円です。多いと感じますか? 少ないと感じますか? 


4. 死亡保険金の平均は?


就職したての頃、会社に出入りしている生命保険のおばちゃんに話しかけられ「就職したんだから生命保険に入っておかないと」と促されるままに生命保険に加入した経験、ありませんか? 結婚や出産などの保険の見直しのタイミングで初めて「こんなにいっぱいの生命保険、必要なかったかも」と後悔した経験、ありませんか? そして、自分が死んだらいくら保険金が出るのか? 把握できていますか? 

上述の生命保険文化センター調査によると「世帯の普通死亡保険金額(全生保)の平均は2,255万円(前回2,423万円)と前回に比べ168万円減少した。」とあります。また「時系列でみると、民保は減少傾向が続いており、前回から256万円の減少となっている。」とあります。また、平成18年は3,344万円でしたので、12年で1,089万円の減少になっている という驚きの事実です。


5. 収入の何割が生命保険料?

収入に占める保険料の割合も気になるところです。上述の生命保険文化センター調査の「生命保険(個人年金保険を含む)加入世帯における年間払込保険料の世帯年収に占める割合」をみると「全生保では7.2%(前回7.4%)」とあります。年収が600万円の場合は43.2万円で月に3.6万円、400万円の場合28,8万円で月に2.4万円です。

生命保険に限らず、税金のこと、投資のこと、社会保険のこと、家計管理方法、ローンの仕組みなど。外出自粛中、お金のことについて勉強してみるのもいいかもしれません。

【参考】
公益財団法人 生命保険文化センター「平成30年度生命保険に関する 全国実態調査 〈速報版〉」


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保険は新幹線に当てはめると分かりやすい

私は仕事柄、新幹線に乗ることが多いです。新幹線に乗っていて、ふと考えることがあります。「新幹線の切符を買うときと生命保険を考えるときって似ているんじゃないか?」

これは私がお客さまに生命保険に関する話をするときに使っている例え話で、「イメージしやすい」「分かりやすい」とお客さまからも好評をいただいています。

生命保険の加入や見直しを考えている方、またはセールスの方にも使えるような考え方です。ぜひ参考にしていただければ嬉しいです。
新幹線と保険の考え方

「どれくらい生命保険が必要ですか?」生命保険の話は専門用語も多いので、難しいと考える方が多いです。しかし、身近なものに例えて考えてみると意外とスッと入ってきます。

Q:「あなたは新幹線で山形から東京へ行くことになりました。グリーン車、指定席、自由席、どの席の切符を買いますか?」

出発地、目的地は人によって異なります。最寄駅、行きたいところを入れてみてください。

各席種の特徴

まずは各席種の特徴です。

<グリーン車>
(メリット)
・確実に座れる
・座席、サービスなどクオリティが高い

(デメリット)
・値段が高い

<指定席>
(メリット)
・確実に座れる

(デメリット)
・自由席よりも値段が高い
・基本的に決まった列車の座席にしか座れないので融通が利かない

<自由席>
(メリット)
・値段が安い
・空いている限り移動は自由、どの時間帯の列車に乗ってもOK、と融通が利く

(デメリット)
・空いてない場合は立ち乗りを余儀なくされる

生命保険の基本的な考え方

次に生命保険の基本的な考え方です。

(1)生命保険の役割は「万が一の事があったときの経済的な不安を埋めること」<ニーズ>
(2)「経済的な不安とは何か?」を知ること。
(3)「経済的不安」の具体的な金額は、毎月支払っている「社会保険料」の対価というか効果である「公的保障」を知ることで具体化する。
(4)「公的保障 - 万が一の時に必要な金額 = 保険でカバーする金額」となる。

※万が一の時に必要な金額は人によって異なります。

生命保険を考えるときに特に考慮すべき公的保障は、「遺族年金」(死亡保険)、「高額療養費制度」(医療保険やがん保険)、「傷病手当金」(就業不能保険)が挙げられます。それぞれ職種、家族構成等によって受けられる公的保障、金額が異なります。

あくまで例え話なのでこれが全てではありませんが、潜在的なお客さま自身のニーズを把握するには最適です。


保険ではこう考える!


先ほどの「あなたは新幹線で山形から東京へ行くことになりました。グリーン車、指定席、自由席、どの席の切符を買いますか?」という心理テストを保険に当てはめるとこうなります。

<グリーン車を選んだ方>
新幹線:確実に座ることができる、かつ質の高いサービスや環境を求める。クオリティを下げたくない
<ニーズ>
保険:万が一のことやネガティブなことがあっても、今の生活レベルは崩さないことが大切。療養する場合もクオリティも下げたくないので、必要だと思われる以上に保障は確保したい。また、クオリティを重視するのでそれに対する支出はいとわない。

<指定席を選んだ方>
新幹線:多少料金が高くなっても確実に座りたい
<ニーズ>
保険:必要な部分は確実に埋めたい。必要保障額は埋める必要がある。それに対する支出は妥当と判断する。

<自由席を選んだ方>
新幹線:座れればOK、座れないのであれば仕方ない。とりあえず目的地まで移動できればOK<ニーズ>
保険:必要な部分が埋まれば良いが、多少足りなくても仕方ない。とりあえずいくらかでも保険でカバーできれば良い。保険料はできるだけ安くしたい。

ちなみに、私は自由席派です。時間的な融通が利く、かつ安い自由席を選んでいます。東京から山形までは3時間弱、もし座れなくても仕方ないかなと考えています。保険も手厚すぎず、保険料を抑えて、とりあえず必要だと思われる部分を最低限満たした形で加入しています。

身近なものに当てはめて考えていくと、意外と簡単に考えることができるのではないでしょうか?

執筆者:大場脩
ファイナンシャルプランナー


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年金受給開始は「75歳」!?新型コロナで運用損が心配…必要な老後資金額とは

先日、公的年金の受給開始時期を60~75歳に拡大することなどを盛り込んだ法案が閣議決定されました。しかし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による企業活動の停滞・株価の下落などをみると、年金の運用損なども大いに気になるところ。

ただでさえ「少子高齢化で年金制度は維持が厳しい」「人間の仕事をAIが奪う」などといわれるこのご時勢。将来年金をもらえるのか、この先も仕事があるのか、という漠然とした不安を感じる人も多いと思います。そこで今回は、多くの人にとって老後の主な収入源となる「年金」について、一緒に考えてみませんか? 


厚生年金や国民年金はいくらもらえる?

冒頭で述べた「公的年金の受給開始時期の拡大」についてちょっと補足しましょう。
これは具体的にいうと、現行60歳から「70歳」とされている受給開始時期を、「75歳」まで延長させるということです。

より長く働いて年金受給開始時期を遅らせた場合、従来よりも年金額を増やすことができる、という利点があるようです。

しかし、何歳まで働くかは、健康状態や価値観などによって人それぞれでしょう。老後に必要なお金も、家族構成や住居の形態によって大きく変わってきます。

そこで、まず、老後資金に必要な金額をざっくりと掴んでおきましょう。

 もらえる年金の金額をイメージする

厚生労働省が公表している「厚生年金保険・国民年金事業年報」(2017年度)から、民間企業の会社員が含まれる厚生年金保険(第1号)の受給権者数(1590万人、うち男性1062.9万人、女性527.0万人)のデータを見ていきましょう。

このカテゴリに該当する人の平均年金月額は、14万4903円となっています。男女別に見ると、男性が16万5668円、女性が10万3026円という結果でした。

また、国民年金・老齢年金の平均額は、男性が5万5923円、女性が5万200円となっています。夫婦それぞれがいくら年金をもらえるのかを試算しておき、老後の収入面を予測しておきましょう。

果たして年金だけで生活できるのか?


最近では、共働き世帯の増加傾向が続いています。そのため、「妻も厚生年金をもらえるから、年金だけで生活できるのでは」と考えている人もいるのではないでしょうか。

たしかに、厚生年金の加入期間が長くなるほど、受け取れる年金もアップします。しかし、平均寿命の伸びに伴い、必要となる老後資金が増加する可能性も視野に入れなければなりません。平均寿命より長生きできた場合、生活費が不足する事態も考えられますね。

そこで、老後に必要な生活費はどれくらいなのかをみてみましょう。

公益社団法人生命保険文化センターが行った「生活保障に関する調査」(2019年度)によると、「夫婦2人で老後生活を送る上で必要と考える最低日常生活費」の月額は平均22.1万円。その中でも「20~25万円未満」が、29.4%と最も多いという結果が出ています。

また、上記の生活費以外に、「旅行やレジャー」「趣味や教養」「日常生活費の充実」「身内とのつきあい」など、ゆとりある老後生活を送るための費用として必要と考える金額は平均14.0万円、とのこと。

その結果、「最低日常生活費」と「ゆとりのための上乗せ額」を合計した「ゆとりある老後生活費」は平均で36.1万円という結果が出ています。

いざリタイヤ生活を迎え、「現役の頃より生活費が増えた」「夫に先立たれてから生活が苦しくなった」「老親の介護が始まった」というケースも珍しくありません。

安心して老後の生活を送るためにも、公的年金だけに頼るのは避けておいた方がよさそうですね。

自分で作る年金「iDeCo」

公的年金だけに頼れないとなると、自分で資金を運用して老後に備える姿勢が求められます。そこで注目したいのがiDeCo(個人型確定拠出年金)です。

iDeCoは、毎月お金を積立てて資産運用を行い、老後に年金として受け取れるというもの。原則60歳までは引き出せないという原則がありますが、これは他の用途で貯金を使うのを防ぎ老後資金を確保できるという点は大きなメリットといえます。加えて、以下のような税制上の優遇があります。

 ・毎月の掛け金は全額所得控除の対象になる
 ・運用益は非課税となる


・年金として受け取る場合は「公的年金等控除」、一時金なら「退職所得控除」の対象になるつまり、「老後の備え」だけでなく「節税」の効果も期待できるというわけです。公的年金以外の収入源を用意しておきたいと思ったら、iDeCoを始めるという選択肢も視野に入れてみてはいかがでしょうか。また、引き出し自由なNISA(少額投資非課税制度)も、ぜひ頭に入れておきたい税制優遇制度です。


まとめ

 いかがでしたか。将来受け取れる予定の年金額と普段の生活費を照らし合わせると、老後に必要な金額がイメージできたかもしれません。ただし、現役の頃とリタイヤ後では生活スタイルがガラッと変わりますので、余裕を持った備えをしておくことが大切です。

でも、ただ漠然とお金を貯める、殖やす、だけではつまらないですよね。自由な時間ができたら行ってみたい場所、やりたいコトなど、ワクワクすることを思い浮かべながらマネープランを練っていくのもオススメです。

災害、病気、失業・・・、長い人生何が起こるかわかりません。「予想外の出費で貯蓄ができない」という時期もあり得ます。ゆとりあるライフプランを描くため、できるだけ早い時期に、ご自身に合った方法で老後資金の準備をスタートしましょう! 

【参考URL】
「厚生年金保険・国民年金事業年報」(2017年度)厚生労働省
「生活保障に関する調査」(2019年度)公益財団法人生命保険文化センター
「iDeCoってなに?」iDeCo公式サイト
「NISAとは?」金融庁


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50歳以上の夫婦は要チェック!年金にもある「配偶者手当」

毎年の誕生月前後にねんきん定期便が送られてきますが、50歳以上に届くねんきん定期便には老後に受け取る年金の概算額が記載されています。今回は、ねんきん定期便に記載されていない年金についてお話ししたいと思います。


公的年金にも配偶者手当がある?

ねんきん定期便に記載されている年金は、老齢基礎年金と老齢厚生年金、特別支給の老齢厚生年金になります。実はこの他に夫に配偶者手当として支給される公的な年金があることはご存じですか?わかりやすく配偶者手当と言いましたが、正式には「加給年金」と言い、ねんきん定期便には記載されていません。そして、夫婦であれば誰でも受け取れるという年金でもないのです。受け取るには以下の要件が必要となります。

<年金加入期間>
厚生年金の被保険者期間が合計で20年以上あること

<生計を維持している妻がいる>
65歳になり老齢厚生年金を受給するようになった時点で、生計を維持している妻がいること

<妻の年齢要件>
65歳未満であること

<妻の収入要件>
年収850万円(所得650万円)未満であること


 ちなみに加給年金は妻だけでなく配偶者(夫)や子供も受け取ることができるので別名で家族手当とも呼ばれています。子供の年齢要件については18歳到達年度の末日までの間の子、または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子であることを付け加えておきます。

ここまでをまとめると、加給年金を夫が受給するには会社員であったことが大前提で、妻が年上や高年収の場合には受け取ることができません。では、実際にどのくらいの金額を受け取ることができるのか見てみましょう(冒頭の図表を参照)

上記の通り、年間22万4500円の加給年金額に加えて、加給年金を受け取る夫本人の生年月日に応じて特別加算があります。夫が1943年4月2日以降生まれの場合は年間16万5600円の特別加算があり加給年金額は総額で39万100円になります。たとえば、妻が5歳年下の場合、妻が65歳になるまで、すなわち夫が65歳から70歳までの5年間に195万500円を受給することになります。かなりまとまった金額と言えるのではないでしょうか。


加給年金を受け取れない!?こんな場合には注意!

 前述の受給要件を満たしたとしても加給年金を受け取ることができないケースもあります。注意が必要ですので一緒に見てみましょう。

<夫が老齢厚生年金を繰り下げしたケース>
老齢厚生年金を65歳から受け取らずに繰り下げをすることで1ヶ月当たり0.7%の増額となります。年金繰り下げは長生きリスクへの有効な対策になるいっぽうで、加給年金は老齢厚生年金を受け取るまで支給停止となってしまいます。

支給になるのは老齢厚生年金を受け取る時点、しかも加給年金の増額は無しですからメリットがなくなると感じる人もいるかもしれません。そして、そもそも妻が65歳を超えてしまっていたら加給年金を受け取ることはできません。夫の老齢厚生年金の繰り下げをする際には注意が必要です。ちなみに、逆に繰上げをした場合、加給年金は繰上げにならず本来の加算時期からの支給になります。

<妻が20年以上の厚生年金被保険者期間がある厚生年金を受給できるケース>
このケースは、妻が65歳前に特別支給の老齢厚生年金を受給する場合に該当します。特別支給の老齢厚生年金を受給する年齢は生年月日により決められています。(昭和41年4月1日生まれ以降は受給できません。)たとえば、昭和36年生まれのAさんに12年間のOL時代があり、結婚して一時専業主婦となり、その後パートで厚生年金加入のケースを見てみましょう。(冒頭の図表を参照)

Aさんが8年以上働くと厚生年金の被保険者期間は20年を超えてしまいます。しかし、20年を超えただけでは加給年金の支給停止にはなりません。少しわかりにくいのですが、年金額の計算をするときに「退職時改定」というルールがあるため、ずっと同じ職場で働き続けている場合には年金額は更新されません。

仮にAさんが61歳で特別支給の老齢厚生年金を受給する時点で働き続けているとしましょう。この時に厚生年金の通算加入期間が19年であれば、特別支給の老齢厚生年金は加入期間19年に基づいて計算・支給されます。夫が65歳を過ぎていれば加給年金も支給されます。Aさんは65歳までとりあえずパートを続けたいと思っていますが、62歳になると厚生年金の加入期間が20年となってしまいます。

ここからがポイントです。同じ職場でパートを続けていれば加給年金を受け取ることができますが、退職して違う職場で働くと加給年金は支給停止となるのです。退職時改定というルールにより、退職後に厚生年金の加入期間が再計算されることでこのようなことが起きるのですが、ここは制度の話になりますので、とりあえず以下のポイントをチェックしておきましょう。

1. 生年月日が昭和41年4月1日以前か?
2. 1に該当する場合、特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢は?
3. 2の受給年齢になる前に厚生年金の通算加入期間を確認、その後の働き方を考える

加給年金を受給するつもりで厚生年金に加入してパートをしている人は、特別支給の老齢厚生年金を受給する前に最寄りの年金事務所に相談して今後の働き方を考えてみてはいかがでしょうか?

   

三原由紀(ファイナンシャルプランナー)


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がんの治療は長期間に及ぶ場合も。「がん保険」で備えるには何を基準に選ぶ?

2019年12月にフリーアナウンサーの笠井信輔さんが、「悪性リンパ腫」であることを告白されました。2019年の9月にフリーになられたばかりでのことで、青天の霹靂を超える衝撃と語っておられました。治療は抗がん剤治療を4ヵ月間、行うそうです。国立がん研究センターのサイトによると、「悪性リンパ腫」は、10万人に10人程度発生するそうです。日本の成人に頻度の高い血液の腫瘍です。これは血液中のリンパ球ががん化するという病気です。

「悪性リンパ腫」の治療法は、化学療法(抗がん剤)と放射線療法が一般的です。血液の病気なので、手術をすることはできません。退院にした後は、通院での治療になるそうです。一般的な抗がん剤の治療というのは、投与の期間と休む期間の組み合わせでスケジュールを決めます。ですので、治療期間は長期になることが多く、その間、仕事が制限されたり、休業しないといけないということも出てきます。それが、がんという病気なのです。

今回は、「がん治療」と「がん保険」について考えてみたいと思います。
がんは、不治の病ではなく一生付き合う病気。昔のがんの治療法は、入院・手術というのが一般的でした。しかし、医学の進歩などにより、がんでの入院日数はどんどん短くなっています。1998年には平均入院日数が約46日だったのが、2014年には、平均入院日数が約20日になっています(患者調査の概況)。それに替わって通院治療が増えています。

以前は、がんは不治の病で「死」を覚悟する病気のイメージがありました。しかし今では、5年生存率も伸びてきています。がんは不治の病ではなくなり、一生付き合う病気に変わってきています。がん保険も20年以上前の保険は、入院や手術が中心の保障でしたが、今は一時金や治療給付金が中心に変わっています。がんは治る病気になりました。とはいえ2人に1人はがんにかかると言われている病気でもあります。そこで「がん保険」は、本当に必要なのか? 必要だとしたら何を基準に選べばよいかを解説しようと思います。その前にがん治療におけるお金について考えていきましょう。
ん保険とは治療費のためではなく、収入減を補てんする役目

 がんという病気について、勘違いをしている人が多いです。まず、がんは「死にいたる病気」ではなくなってきています。部位によって生存率は大きく違いますが、全がんの5年相対生存率は66.1%です(国立がん研究センター、2019年)。つまり、がんは、長く付き合う病気なのです。それにがんの治療には、お金がかかると思っている人がいます。これも間違いです。

がんは、他の病気と同じで治療費の負担は大きくありません。がんの治療費も健康保健がありますから自己負担は3割ですし、高額療養費があるので、一般的な収入の人は、どんなに高額な治療をしても月額9万円前後。ですので、あまり治療費を心配する必要はありません。

だったら、がん保険は必要ないのでは?ということになりますね。しかし、私はがん保険は必要性が高い保険だと考えています。なぜなら、がん保険は、治療費のためではなく、がん治療によって収入減になった生活費の補てんに役立つからです。


がんに罹患すると収入減に

がんの標準的な治療法は、主に手術・抗がん剤・放射線治療の3つです。抗がん剤治療の場合は、かなり副作用を抑えることができるようになりましたが、辛い副作用があります。たとえば、月曜日に抗がん剤治療を受けた場合、翌々日などに副作用がでることが多いのです。嘔吐・発熱・倦怠感などのさまざまな副作用が出ると仕事に大きな影響が出ます。

そうすると罹患以前と同じように働くというのは難しくなります。残業ができなくなり時短で働いたり、場合によっては、休職や退職を余儀なくされることもあります。つまり収入が大きく減ります。実際、ライフネット生命の調査によると罹患前と罹患後では収入が約2割、減少したというデータがあります。もし住宅ローンや教育費をかかえている家庭なら、この収入減というのは、生活に大きな影響を与えます。


一時金と治療給付金を中心にがん保険を選ぶ

がん保険において収入減に対応できる保障は、一時金と抗がん剤・放射線治療給付金などです。がん診断一時金は、だいたい100万円が多いです。この診断一時金の100万円は、治療費にも生活費の補てんにも使えます。何にでも使えるお金はとてもありがたいものです。がんと診断されて落ち込んでいるときに、お金の心配までしなくてもいいので、それだけでも心に余裕が出てきます。

手術は入院になりますが、退院してからは通院治療が中心になります。抗がん剤治療などの副作用で仕事に制限がでるので、収入減に繋がってきます。役に立つのが、抗がん剤・放射線治療給付金などです。月額10万円、20万円などの給付金が多いと思います(給付金額、給付金回数などは契約や保険会社により異なります)。毎月給付金が出れば生活費の補てんとして役に立ちます。がん保険を選ぶときには、「診断一時金」と「治療給付金」を中心に考えるようにしましょう。


がん保険以外の選択肢とは


がんになったときの収入減には、がん保険がとても役に立つます。しかし、がん保険以外にも収入減に対応している保険があります。それは「就業不能保険」です。この保険は、病気やケガで働けない期間が60日または180日以上続いた場合、毎月給料のように給付金を受け取れることができます。がん保険のように診断一時金はありませんが、就業不能保険は、がん以外の病気にも対応できるので幅広く使えます。こちらも検討してもいいと思います。


先進医療特約と自由診療保険の必要性

先進医療の重粒子線・陽子線治療では、200~300万円くらいの費用がかかるというテレビCMもあります。たしかに先進医療を選択した場合には、その費用は全額自己負担になります。しかし、重粒子線・陽子線治療ができる施設は限られていて、実際に治療を受けている数は約3000件ぐらいです。がん患者は毎年100万人が増えていくので、粒子線治療を受けられる人は少数です。そんなわけで結局、ほとんどの人が健康保険内での治療を行っています。先進医療特約の保険料が数百円と安いのは、それだけ利用する人が少ないと言うことでもあるのです。

もし、がんに本気で向き合うというのでしたら、先進医療だけでは対応できないことがあります。その場合には自由診療を選択することも考えられます。自由診療を選択すると、健康保険での治療も全額自己負担になり、月額100万円もの自己負担になることもあります。そうなると現実は自由診療を受けるのはなかなか難しいと思います。しかし、がん保険で自由診療に対応している保険も数少ないのですがあります。がん保険の選択肢として「自由診療」に対応した保険も検討してみてはいかがでしょうか。

私が考える「がん保険」とは、治療費のための保険ではなく、生活費のための保険だと思います。ですから、そのための選び方をするのがいいと思います。また自由診療を考えるのであれば、自由診療に対応した保険もお勧めです。あなたが「こうありたい」という考えに近い保険を選んでください。


長尾義弘(ファイナンシャルプランナー)



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年金を受け取っている夫が亡くなった。夫の年金はどうなるの? ~未支給年金とは~

年金受給中の夫が亡くなった場合、残された遺族が受け取ることができる年金として多くの人が頭に思い浮かぶのが遺族年金だと思いますが、それ以外にも未支給年金というものもあります。

今回はそうした事態になったときに(おそらく葬儀などいろいろなことで慌ただしく、年金のことなんて考えてられない状況だと思いますが)慌てないよう遺族年金との違いを含め、未支給年金のしくみを紹介します。なお、ここでは遺族年金の細かな説明については省略します。


未支給年金と遺族年金の違い

年金(ここではあえて「老齢年金」といいます)は、2ヶ月分が2ヶ月ごとに支給されます。通常は偶数月の15日(15日が土日祝の場合は前日)が支給日で、前々月、前月分が対象となります。例えば、2月、3月分の年金は4月15日に、4月、5月分の年金は6月15日に支給されます。

ここである老齢年金受給者が5月10日に亡くなったケースを見てみましょう。遺族が遺族年金の請求手続を行うと死亡した翌月分、つまり、ここでは6月分から遺族に対し遺族年金が支給されます※1。最初の支給日(遺族年金ですから遺族の銀行口座に振り込まれます)は8月15日で、6月、7月分が支給されます。そうなると、老齢年金と遺族年金が支給されない空白の期間が生じることになります。

つまり、5月10日に亡くなった受給者が最後に受給した年金というのは4月15日に支給された2月分、3月分であり、4月分と5月分(亡くなった月も老齢年金の対象になります)は当初支給されるはずだった6月15日には受給者死亡のため支給されないのです。

そこでこの空白の期間である4月分と5月分が未支給年金として遺族に支給されることになるのです。分かりやすいよう図にしてみます。

このように未支給年金というのは年金受給者が死亡した月までの老齢年金で、まだ本人に支給されていなかった分を支給する年金ということになります。


請求手続

年金受給者が死亡したら、遺族(家族)は年金事務所または加入する共済組合などに連絡し、死亡したことを伝えるとともにその後の手続について確認します。通常、請求手続は未支給年金と遺族年金の両方をまとめて1回で行います。手続に必要な書類については加入する年金によって多少異なるため、各保険者(日本年金機構、各共済組合、企業年金連合会など)にお問い合わせください。

提出書類のうち市町村役場で取得するものとして死亡者と遺族の関係を証明する戸籍謄本や住民票も必要となりますが、死亡したことが記載されたもの(戸籍謄本であれば除籍されたもの、住民票なら除票)が必要となるので、市町村役場への死亡届を先に行います。


死亡の届出が遅れると、後で返金を要請される場合も


受給者が死亡したことの届出は、未支給年金、遺族年金の請求手続の準備ができていなくても早めに行うようにしましょう。この届出は、年金受給権死亡届(報告書)に亡くなった方の年金証書、死亡の事実を明らかにできる書類を添付して年金事務所または年金相談センターに提出して行います。

夫の死亡となれば葬儀、遺品整理、生命保険や相続手続などであっという間に時間が経過してしまいますが、この死亡の届出は、年金受給権者の死亡後10日以内(国民年金は14日以内)とされており、うっかり年金事務所への通知が遅れると死亡後も本人への老齢年金が継続して支給されてしまい、その場合、後で返還を要請されることがありますので注意が必要です。
※1:他の受給資格要件を満たしていることが前提です。

執筆者:蓑田透
ライフメイツ社会保険労務士事務所代表



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結婚を諦めた40代男性、手取りが親の年金額より少なく嘆き節

自分なりに頑張ってきたつもりだったが…(イメージ)

自分なりに頑張ってきたつもりだったが…(イメージ)


 仕事のやりがいを給与だけに求めてはいけないが、あまりに給与が少なければ、情熱を失っても責められない。現在都内で塾講師をする40代男性のNさんは、30代の時に“ある事実”を知ったことをきっかけに、マジメに働く意欲を喪失。結婚などさらさら考えず、貯金も一切しない刹那的な生き方を貫くようになった。浪人も留年もせず、22歳で一流大学を卒業した彼に、いったい何が起きたのか?


 Nさんは東京の下町生まれ。両親の学歴は平凡で、教育熱心でもなかったが、ふとしたことで人生のレールは思わぬ方向に進む。Nさんが小学生時代を振り返る。「小学5年生の時、一番仲の良かった子から、『塾に通わなくちゃいけないから、もう遊べない』と言われました。彼とは毎日のように遊んでいたので、親に『ボクも○○君と同じ塾に行きたい』と言うと、あっさりOK。


その流れで難関私大の付属中学を受験すると、友達は落ちて僕だけ合格してしまいました。そしてエスカレーター式に高校、大学と進みました」(Nさん。以下同)結果的に、大学まではエリート街道を歩んだNさん。しかし時代の波が彼の人生を翻弄する。「大学4年生だった1999年は、就職市場が超氷河期で、思うような企業から内定がもらえませんでした。


そこで思い切って司法試験に挑戦することにしましたが、これが大失敗。6回連続で落ちて諦め、講師としてバイトをしていた塾に就職しました。職歴なし、履歴書が空白だらけの私には、選択の余地などなかったのです」 給料は安かったが、生徒や保護者からの評判はよく、自分では“天職に出会えた”と思っていたというNさん。しかし数年後、母親の愚痴を聞いていると、衝撃的な事実が明らかになった。


「父が定年を迎え、母が『これからは生活が大変だ』と言うので、年金をいくらもらえるのか聞いたところ、その金額に絶句してしまいました。父がもらう年金支給額は、私の手取りよりもずっと多かったのです。その瞬間、頭の中でポーンと何かが弾けて、すっかりすべてのことに対してやる気がなくなりました」Nさんの父は、輸送系企業の整備士。その会社は後に業績が傾き、企業年金の行方が世間の注目を浴びることになるが、その当時は羽振りよくOBに年金を払っていた。マジメに働いても、手取りが父の年金にも届かないという現実は、Nさんのプライドを酷く傷つけた。


「父は工業高校卒でしたが、色々なつてをたどって大手企業に潜り込みました。しかし、私の時代は大卒時に一流企業に入れなければ“おしまい”です。卒業する年の就職状況が良いか悪いかは、自分ではどうにもならないギャンブルのようなもの。競馬やカジノなら賭ける場所は自分で決められますから、ギャンブルの方がまだマシかもしれません。大学の同級生に話を聞くと、『バブル世代の上司に散々こき使われたのに、いざ自分が部下を抱える身になったら、何をやっても“パワハラ”になる』と嘆いています。本当に損な年代だと思います」


 かくしてNさんは、「自分で稼いだ金ぐらいは自分で使いたい」と、結婚する気はまるで無くなった。すべてを時代のせいにするのは後ろ向き過ぎる気もするが、両親はそのあたりの心境も理解してくれているのか、「結婚しろ」という類のことは一切言わないそうだ。




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年金改正案 在職定時改定の導入や75歳繰り上げ受給は得か?

 年金改正で65歳以降も「働きながら年金を増やしていく」ことができるようになる。厚労省は年金改正案で「在職定時改定」の導入を打ち出した。65歳から在職老齢年金を受給しながら厚生年金に加入して働いた場合、毎月納める保険料分が年金額に反映されるのが当然だ。


 これまでは70歳時点(あるいは退職時)で年金額が再計算され、5年分の保険料に相当する額が70歳以降に受け取る年金に上乗せされる仕組みだった。それを「定時改定」、つまり年金額の再計算を1年毎に行なうように改める。

 

実施されれば、65歳から1年間収めた保険料が66歳からの年金額に上乗せされるという具合に、年金をもらいながら毎年、年金額が増えていくことになる。さらに厚生年金の加入期間が現行の70歳から75歳に延長されることから、75歳まで働き続ければ10年間にわたって、毎年年金額がアップしていく。


75歳繰り下げなら年金は84%アップ

 さらに、年金改正で新しい選択肢も生まれる。政府は全世代型社会保障検討会議の中間報告案で雇用期間を65歳からさらに延長し、「70歳までの就業機会の確保」を掲げる。長く働いて稼ぐことができれば、年金受給を遅らせるかわりに、割増し年金をもらえる「繰り下げ受給」も選択肢になってくる。


 現在は70歳繰り下げを選べば年金額が42%割増しされるが、年金改正では繰り下げの上限を75歳まで引き上げ、84%割増しの年金を受給できる選択肢が加わる。夫婦の働き方やライフプランに合わせて、「年金をもらいながら働き、年金額を毎年増やしていく」方法を選ぶか、75歳まで年金を我慢し、一挙に2倍近い年金をもらって老後をリッチに生活する道も拓ける。



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年金改正で今の40~50代は繰り上げ受給を選びやすくなる

 働き方改革に合わせた年金の新制度には、「働きながら年金を増やせる」チャンスが多い。その目玉が、働きながら年金を受給する際、収入合計が一定額を超えると年金がカットされる「在職老齢年金制度」(在老)の見直しだ。


 政府は当初、経済財政の基本方針で「在老廃止」を掲げていたが、65歳以上は現行制度が据え置かれる。しかし、シニアにとってチャンスとも捉えられるのは、むしろ“65歳未満の”在職老齢年金が大きく変わることだ。65歳までの雇用延長が義務化され、60代前半男性の就業率は8割に迫っている。さらに、ちょうどこの世代は年金受給開始年齢の65歳より前に“得する年金”(厚生年金の特別支給)をもらえる世代(男性は1960年4月以前生まれ)でもある。


 本来なら、“得する年金”をもらいながら雇用延長で働き、給料と年金のダブルインカムで老後資産を増やせるチャンスのはずだ。ところが、現行の在職老齢年金制度では、65歳未満の人は月給と年金(厚生年金の報酬比例部分)の合計が「28万円」を超えると、超過分の半額が年金からカットされてしまう。特別支給の年金額が月10万円の人が月給38万円稼いでしまうと合計収入が48万円となり、年金は全額停止されて1円ももらえないのだ。


 そのため、この世代のサラリーマンは「“得する年金”を全額もらうために働き方を短時間勤務にセーブして安い給料で我慢する」か、「年金を捨ててでもバリバリ働いて給料を多く稼ぐか」という、実に“もったいない”二者択一を迫られ、せっかくのチャンスをつかめずにいた。


だが、2020年の年金改正で在職老齢年金制度が変わる。65歳未満は給料と年金の合計収入47万円まで年金カットされなくなる。現行制度では年金全額カットの前述のケースであれば、新制度になると年金と月給のダブルインカムで47.5万円(5000円減額)の現役時代並みの収入になる計算だ。


 それだけの収入があれば、退職金に加えて数年間で老後資金を積み上げることもできるだろう。

 制度改正のメリットを受けるのは“得する年金”世代だけではない。50代、40代は、「繰り上げ受給」が選びやすくなる。


 繰り上げ受給は年金を早く貰う代わりに支給額が減額される仕組みで、これまでは「60歳繰り上げ」を選ぶと年金額が30%減らされた。しかし、新制度では減額幅が縮小され、60歳繰り上げを選んだ場合の年金額が今より1万円程度増える。定年後の雇用延長期間に働きながら年金を繰り上げ受給し、ダブルインカムで現役時代並みの収入を得ることも十分可能だろう。




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2020年 年金、医療、介護、相続の常識が大きく変わる

2020年「老後4大マネー」の常識が変わる(イラスト/福島モンタ)

2020年「老後4大マネー」の常識が変わる(イラスト/福島モンタ)


 2020年は年金、医療、介護など日本の社会保障制度が大きく変わり、中高年世代にとって「受難の始まり」の年になる。政府が推進する「全世代型社会保障」への転換に伴うものだ。これまでの社会保障は「年金」「老人医療」「介護」に重点が置かれ、消費税の税収はすべて、この3つに使われていた。


 それが消費税率10%への引き上げに合わせて、税収を幼児教育と大学の無償化、女性の社会進出など幅広い世代に使うことになった。「全世代型」社会保障への転換とは、言い換えれば「高齢者向け」の社会保障を大幅に減らすことに他ならない。政府は社会保障審議会と首相直属の「全世代型社会保障検討会議」で大転換を次々に打ち出している。医療保険は後期高齢者の窓口負担が2倍に増え、介護保険は「貯金500万円以上」持つ高齢者の支払額がハネ上がる。適切な準備ができなければ、虎の子の老後資産が大きく毀損されるリスクがある。


 一方で、様々な制度変更のなかには、チャンスと捉えられるものもある。

 年金制度は「75歳まで働く」ことを前提に組み直しが進む。働き方や年金の受け取り方を工夫すれば、これまでより生涯収入を大きく増やせる可能性がある。時間とお金ばかりかかる印象の強い相続対策も、2020年には複数の制度が大きく変わる。新制度を活用すれば、資産を妻や子供によりスムーズに渡しやすくなる。


 しかし、「損するリスク」や「得するチャンス」の存在自体を知らないと、老後資産はどんどん失われていく。困難な時代を乗り切るには、制度がどう変わるかを先取りし、今すぐにでもライフスタイルを見直して老後の生活と資産を守る備えが欠かせない。



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妻に先立たれた夫、遺族年金がもらえないうえ自分の年金も減額に

配偶者に先立たれた時の「遺族年金」どうなる?

配偶者に先立たれた時の「遺族年金」どうなる?


 夫婦のどちらが先立つかによって、残された人が受け取る「遺族年金」の額は違う。夫婦とも年金受給し始めたあと妻に先立たれた夫は、送られてきた年金通知を見て、「エッ、オレの年金が減っている」とショックを受けることも覚悟しておいたほうがいい。


 妻の年金がなくなるのは当然だが、夫の年金の手取り額まで減らされるケースが少なくないのだ「夫に先立たれた妻」と「妻に先立たれた夫」は税制上の有利不利が違う。「遺族年金」(遺族厚生年金、遺族基礎年金)は非課税だ。そのため、「夫に先立たれた妻」が自分の年金に加えて夫の遺族厚生年金を受給するようになると、年金受給額が増えるが、年金から天引きされる税金は増えない。遺族厚生年金はまるまるもらえる。


 一方、「妻に先立たれた夫」の場合、妻の遺族年金はもらえないケースがほとんどだが、不利はそれだけではない。妻が存命中は、年金所得に「配偶者控除」を受けることができるから税金が安くなっている。しかし、妻が亡くなった途端、配偶者控除がなくなって年金から天引きされる所得税・住民税が大きくなり、年金額はそれまでと同じでも、手取りが減ってしまうのである。


 配偶者控除は夫の課税所得から所得税38万円、住民税33万円(妻が70歳以上の場合は控除額が所得税48万円、住民税38万円)が差し引かれて課税されることから、控除がなくなれば夫の所得によって税額が年約5万~10万円ほど増える可能性がある。 とくに働きながら在職老齢年金をもらう夫ほど、収入が多い分、妻が死亡して配偶者控除がなくなるマイナスは大きい。これを知らないと、夫は“妻に先立たれた悲しみ”のうえに、“年金減額”という2重のダメージを受けることになる。



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夫に先立たれた妻、遺族年金はいくらもらえるか?

 遺族年金は夫と妻とでは制度が異なり、「夫に先立たれた妻」よりも、「妻に先立たれた夫」の方が受け取れる額が少なくなる。では実際、夫に先立たれた妻はいくらの年金をもらえるのか。


 夫の年金額が月16万円(基礎年金6万円+厚生年金10万円)で、専業主婦(3号被保険者)の妻の基礎年金が6万円のケースで試算すると、「妻が65歳まで」の受給額は月額約12万4000円(夫の「遺族厚生年金」月7万5000円+「中高齢寡婦加算」月約4万9000円)。


「妻が65歳以降」の受給額は月額約13万5000円(夫の「遺族厚生年金」月7万5000円+妻の「基礎年金」月6万円)になる。注意しなければならないのは「共稼ぎの妻」が遺族年金を受給するケースだ。妻が働いていても65歳までは前述の専業主婦のケースと同じ遺族年金を受給できるが、65歳になって年金受給が始まると、妻の厚生年金に夫の遺族年金が上乗せされるわけではない。


 妻は自分の基礎年金に上乗せされる2階部分について、(1)そのまま亡夫の遺族年金をもらうか、(2)遺族年金を捨てて自分の厚生年金をもらうか、(3)亡夫の厚生年金と自分の厚生年金を半分ずつもらうか、を選択しなければならない。


配偶者に先立たれた時の「遺族年金」どうなる?

配偶者に先立たれた時の「遺族年金」どうなる?


 亡夫の厚生年金部分が10万円で妻の厚生年金がその半額未満なら、妻は夫の遺族厚生年金(7万5000円)をもらい続けるほうが3つの選択肢の中で一番金額は多くなる。この場合、年金額は共稼ぎの妻も専業主婦(3号)も同じだ。遺族年金は専業主婦が不利にならないようになっている。


 妻の厚生年金が夫の遺族年金より多いなら、妻は65歳以降は夫の遺族年金をもらわずに自分の厚生年金だけを受給するほうがいい。 共稼ぎの妻に先立たれた夫も、65歳までは「妻の遺族厚生年金」を受給できる。しかし、妻の厚生年金が自分より多くない限り、多くは65歳以降は自分の年金だけを受給することになる。



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「認知症の親の年金」を子が管理するための3つの方法

親が認知症になった時のために「使える制度」

親が認知症になった時のために「使える制度」


 高齢の親が「年金貯金を持ちすぎている」ことの相続リスクは子の立場になったほうが大きい。親を特別養護老人ホームなどに入所させる状況になって、「親の貯金が1000万円以上あると費用がこんなに高くなるのか」と預貯金の残高で入居費の基準が変わることを初めて知る人がほとんどだ。というのも介護施設を利用する場合、介護保険で賄われる利用料の自己負担(1割)に加えて、居住費や食費を支払わなければならないが、そこには収入によって軽減措置があるからだ。


 そのうえ、親が認知症になると、本人も預金を引き出せなくなるし、委任状が書けないために子が「親の銀行口座」から預金を引き出すこともできない。金融機関は個人財産保護のため、口座の名義人が認知症と判断されると、家族などが勝手に引き出さないように口座凍結の対応を取るからだ。その結果、相続まで親の医療費、介護費用の一切を子が立て替えて面倒見なければならなくなるケースも少なくない。


 第一生命経済研究所の試算では、口座凍結対象の認知症高齢者の金融資産は2017年度の143兆円から2030年度には215兆円まで膨らむと予測されている。口座に親の金があるのに、親の介護費用に使えないという状況は、子が負うリスクそのものだ。親が負担すべき費用を子が負担してしまうと、親の資産が増え、亡くなった後に子に相続税がドーンとのしかかるという事態になってしまう。高齢の親を持つ世代は「親の年金」を管理する方法を知っておく必要がある。

親の預金を引き出せる

 方法は大きく3つある(別掲図参照)。「成年後見(任意後見)」「家族信託」「財産管理委任契約」だ。いずれも親が認知症になる前に、親と契約を結んでおく。「成年後見(任意後見)」は裁判所から認められた後見人が親の資産を管理する制度だが、親が認知症になったあとで申し立てると、裁判所が第三者の弁護士などを法定後見人に指名し、家族が親の資産を扱えなくなる。そこで、親の判断力がしっかりしているうちに子を後見人に指名してもらっておくのが任意後見だ。


「家族信託」は親が自分の資産の一部を子に信託して管理・運用してもらう制度だ。信託された資金は親の口座から子名義の信託口座に移転し、子(受託者)は信託された資産について広い裁量権を持つが、あらかじめ信託された財産しか管理できない。


「財産管理委任契約」は親の判断力はまだしっかりしているけれども、体力が衰えたり、体の自由がきかなくなってきたときなどに、不動産の管理や預金の出し入れなどを子に委任するものだ。家の権利証や親の実印・銀行印、預金通帳やキャッシュカードなどを子が預かっておく。公証人役場で作成した財産管理委任契約書を提示すれば、銀行窓口で親の預金を引き出すことができる。


 どの制度を使って親の資産を管理するかを親と話し合って正式な契約書を作る際に、これからの社会保険料の負担や、年金貯金の相続のことまで考えて、親の金融資産が1000万円を超えていれば、子や孫に生前贈与することまで決めるのが賢明だろう。では、どういう場合にどの制度を選ぶのが便利か。


親が認知症になった時のために「使える制度」

親が認知症になった時のために「使える制度」


 高齢の親が「年金貯金を持ちすぎている」ことの相続リスクは子の立場になったほうが大きい。親を特別養護老人ホームなどに入所させる状況になって、「親の貯金が1000万円以上あると費用がこんなに高くなるのか」と預貯金の残高で入居費の基準が変わることを初めて知る人がほとんどだ。というのも介護施設を利用する場合、介護保険で賄われる利用料の自己負担(1割)に加えて、居住費や食費を支払わなければならないが、そこには収入によって軽減措置があるからだ。


 そのうえ、親が認知症になると、本人も預金を引き出せなくなるし、委任状が書けないために子が「親の銀行口座」から預金を引き出すこともできない。金融機関は個人財産保護のため、口座の名義人が認知症と判断されると、家族などが勝手に引き出さないように口座凍結の対応を取るからだ。その結果、相続まで親の医療費、介護費用の一切を子が立て替えて面倒見なければならなくなるケースも少なくない。


 第一生命経済研究所の試算では、口座凍結対象の認知症高齢者の金融資産は2017年度の143兆円から2030年度には215兆円まで膨らむと予測されている。口座に親の金があるのに、親の介護費用に使えないという状況は、子が負うリスクそのものだ。 親が負担すべき費用を子が負担してしまうと、親の資産が増え、亡くなった後に子に相続税がドーンとのしかかるという事態になってしまう。高齢の親を持つ世代は「親の年金」を管理する方法を知っておく必要がある。


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年金繰り上げ受給と繰り下げ受給 それぞれの損益分岐点は何才か

何才でもらうかで大きく変わる国民年金の受給額

何才でもらうかで大きく変わる国民年金の受給額


 老後の“命綱”ともいえる年金。年金は現在、原則65才から受給できるが、65才より早く受け取ったり遅く受け取ったりすることでもらえる金額が変わる仕組みがある。はたして何才からもらうのが得なのか。 年金を早く受け取る「繰り上げ」受給は、早く受け取る代わりに年金額が減る仕組み。受給開始を1か月早めるごとに0.5%減額され、1年で6%減る。最大5年間早めることができ、60才から受け取りを開始すると30%も年金が減る計算だ。


 一方、遅く受け取る「繰り下げ」受給は、遅く受け取る代わりに年金額が増える。受給開始を1か月遅らせるごとに0.7%、1年で8.4%増え、最大で5年繰り下げられる。70才から受給すれば実に42%も増える仕組みだ。たとえば、国民年金を満額で受け取ると年78万100円もらえる。それを60才に繰り上げると54万6070円に減り、70才に繰り下げると110万7742円に増える。


 一見、大幅に年金額がアップする繰り下げがお得なように見える。だがそうとも限らないと“年金博士”ことブレインコンサルティングオフィス代表の北村庄吾さんは言う。


「たしかに繰り下げはお得に見えますが注意が必要です。70才で繰り下げ受給した場合、65才で受給開始した場合と比べ何才以上生きたら得かを表す『損益分岐点』は81才です。これより長く生きないと得しません。男性の平均寿命は81.25才で、自立して生活できる年齢を指す『健康寿命』も72.14才と、平均寿命と大きな開きがあります。元気なうちに年金を受け取って旅行に行くなど、老後を謳歌した方がよほど有意義でしょう」


繰り下げのデメリットは年齢だけではないという。

「繰り下げによって受け取る年金額が増えた分、税金や社会保険料が多く天引きされて、手取り金額が少なくなってしまう場合があります」(北村さん、以下「」内同)自治体によって異なるが、たとえば東京23区や大阪市、横浜市などの大都市では、65才以上で扶養家族が妻1人の場合、夫の年金収入が年間211万円(月額約17万6000円)以下なら住民税が非課税になるうえ、健康保険料や介護保険料などの社会保険料が大幅に減免される。また、1か月の医療費の自己負担額が一定額を超えると超過分が還付される健康保険の「高額療養費制度」の自己負担上限額も、70才以上なら2万4600円までと低く抑えられる。


「逆に年金額が211万円を1万円でも超えると高額療養費制度の上限額は月5万7600円と倍以上高くなり、社会保険料も跳ね上がり手取り額は大幅に減ります」これらの増えた社会保険料を考慮すると、繰り下げで得するのは実質81才よりもっと後になりそうだ。厚生年金の平均受給額は月額約14.7万円。ねんきん定期便を確認するなどして年間211万円以上受け取りそうかどうか確認しておいた方がよいだろう。


 一方、60才から繰り上げ受給した場合は、76.8才までに亡くなれば得だが、それより生きると損をする。「一般に、女性の平均寿命の方が男性よりも長いため、妻の年金は繰り下げて、夫は繰り上げるのがおすすめです」

 一度しか選べない受給開始年齢。損しないためにも慎重に選びたい。


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「夫に先立たれた妻」と「妻に先立たれた夫」、遺族年金の違いは

 年金という老後資金の「入金」の仕組みが変われば、相続という資金の「引き継ぎ」も見直す必要がある。年金をもらいながら長く働き、第2の人生を豊かにできたら、その先は妻や子供にどう渡すかが重要だ。「自分から妻へ」、「自分から子へ」、「親から自分へ」のそれぞれのパターンで、年金資産を受け継ぐ得するポイントを探った。「年金の受給権」は親から子には相続できないが、サラリーマンの夫に先立たれた妻には、「遺族厚生年金」が支給される。


厚労省の最新の簡易生命表によると、60歳時点の日本人の平均寿命は男性「83.84歳」、女性「89.04歳」だ。夫婦ともに60歳の場合、妻のほうが5~6歳長生きすることになる。遺族厚生年金は夫が年金受給前に亡くなっても、受給開始後に亡くなった場合も、妻の年齢にかかわらず、夫が亡くなった翌月から支給開始される。しかも、妻が再婚しない限り生涯支給が続く(夫の死亡時に妻が30歳未満の場合は5年間支給)。事実上、夫の年金受給権を妻が相続することになる。もちろん、「共稼ぎの妻(厚生年金加入)に先立たれた夫」も遺族厚生年金を受給可能だが、夫と妻とでは制度が違い、妻のほうがはるかに手厚くなっている。ざっと比較してみよう。


「夫に先立たれた妻」への遺族厚生年金

・受給条件 死亡した夫によって生計を維持されていた妻(妻の年収が850万円未満)
・受給期間 夫が死亡して1か月後から生涯受給
・受給金額 夫の厚生年金(報酬比例部分)の4分の3

 

さらに遺族厚生年金に加えて、18歳未満の子供を持つ妻には「遺族基礎年金」(年78万100円+子供1人につき22万4500円加算)が支給され、18歳未満の子供がいなくても、夫の死亡時に40~64歳の妻には、65歳になるまで「中高齢寡婦加算」(年58万5100円)が上乗せされる。


配偶者に先立たれた時の「遺族年金」どうなる?

配偶者に先立たれた時の「遺族年金」どうなる?


「妻に先立たれた夫」への遺族厚生年金

・受給条件 妻が亡くなったとき55歳以上だった夫(夫の年収が850万円未満)
・受給期間 夫が60歳になってから生涯受給
・受給金額 妻の厚生年金の4分の3(夫のほうが収入が多ければもらえない)


 夫に先立たれた妻と比べると、「遺族基礎年金」の適用はあるが、「中高齢寡婦加算」はない。たとえば共稼ぎ夫婦の場合、夫に先立たれた妻は何歳であっても「夫の厚生年金受給権」を“相続”できるが、妻に先立たれた夫が55歳未満で、妻より収入が多い場合は「自分で稼げばいい」と妻の厚生年金受給権を“相続”できないわけである。


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年金改正 妻の働き方とライフスタイルで変わる受給パターン

「60歳繰り上げ」で変わる夫婦の年金額3パターン

「60歳繰り上げ」で変わる夫婦の年金額3パターン


 今回の年金改正によって、繰り上げ受給時の年金減額率の引き下げ、在職老齢年金の見直し(65歳未満の低所得者在職老齢年金の年金カットの基準を28万円から47万円に引き上げ)、さらには繰り下げ受給の年齢上限を75歳へと引き上げることが検討されている。「繰り上げ」と「繰り下げ」が年金受給のメリットを広げるのに有効な選択肢となるが、それを最大限生かすのが夫婦それぞれの「繰り上げ」「繰り下げ」の組み合わせだ。メリットを引き出せるかは、夫婦の働き方や人生プランによっても違う。夫婦のライフスタイル別に選択のポイントを見ていこう。


「早くリタイアして親の面倒を見たい」→夫婦とも繰り上げ

「年老いた親の面倒を見たい。定年後は早めに故郷に戻って実家で暮らそう」──そういうケースは「夫婦とも繰り上げ」を選ぶ方法がある。夫婦の年金額は「共稼ぎ」なら約22万円、「妻が専業主婦」なら約16.7万円と少なくなるが、60歳なら故郷での再就職も可能で、実家に住むのであれば、住んでいたマンションを賃貸に出すなど他の収入も見込める。


「定年後の住宅ローンの残債が苦しい」→妻だけ繰り上げ

 夫は定年後、再雇用で働いているが、給料は現役時代より大きく下がった。妻(3号被保険者)もパートに出ているが、住宅ローンの残債が残っており、生活費が足りない。しかし、老後の蓄えとして貯金している退職金は取り崩したくない。このタイプの夫婦はサラリーマンの夫の年金が老後の生活の柱になる。


 そこで、妻の基礎年金(約6万円)だけを60歳から繰り上げ受給(4.5万円に減額)し、生活費の足しにしながら夫の年金は温存するという方法が有効だ(別掲図のBさん夫婦)。このやり方であれば、65歳からは夫の年金を満額受給できるため、夫婦の合計年金額はそれほど減らさずに済む。実際に繰り上げを選んでいるケースで最も多いのが「妻の基礎年金(国民年金)繰り上げ」のパターンだ。


「75歳繰り下げ」で変わる夫婦の年金額3パターン

「75歳繰り下げ」で変わる夫婦の年金額3パターン


「まだ子供の教育費がかかる」→夫だけ繰り上げ

「近く定年を迎えるが、2人の子供はまだ大学生と高校生でこれから教育費がかかる。雇用延長である程度の稼ぎは見込めるものの、できれば現役時代並みの収入が欲しい」晩婚が進む時代、そんな切実な思いを抱いている夫婦は少なくないはずだ。ならば、働きながら「夫の60歳繰り上げ」を選びたい(別掲図のCさん夫婦)


 60歳からの雇用延長期間にフルタイムで稼ぎながら繰り上げ受給すれば、「給料+年金」が月47万円までは在職老齢年金を減らされずにダブル受給のメリットを最大限に得ることができる。まさに「現役並み」の収入も可能になる。夫だけ繰り上げであれば、妻が65歳になれば妻の年金は満額もらえる。

 次に夫婦の年金「繰り下げ」の選択だ。


老後の“セレブ生活”を目指したい→夫婦ともに繰り下げ

 共稼ぎでバリバリ働き、2人とも厚生年金という夫婦であれば、サラリーマンとしては標準的な年金額(1人16万円)でも「ともに75歳繰り上げ」を選ぶと合計の年金月額はなんと60万円近く(約59万円)に達する(別掲図のDさん夫婦)。毎月それだけの年金収入があれば、現役時代には考えられなかった“贅沢”な老後生活が可能だ。都心の介護サービス付きの高級な賃貸マンションに住み、家事はお手伝いさんに頼んで映画や美術館めぐりを楽しんでもいい。ちなみにこのタイプの夫婦は「ともに70歳繰り下げ」を選んでも毎月約45万円の年金をもらえる。毎月「夫婦旅行」ができる金額だ。


「65歳以上も夫はコツコツ働く」→妻だけ繰り下げ

「元気なうちはできるだけ長く働きたい」と考えている人は多いだろう。政府は高齢者の就労を奨励し、現在は65歳までの雇用延長期間を70歳に延長する議論が行なわれている。とはいえ、現実に65歳以上で再就職先をみつけるとなると仕事が限られるし、給料も多くは期待できない。それでも、75歳まで働くつもりで少しでも給料収入があれば、夫婦の年金の組み立てにも幅ができる。


 65歳以降に月給10万円程度を稼げるなら、夫の年金(約16万円)は受給し、妻(3号)の年金を75歳まで繰り下げる方法がある(別掲図のEさん夫婦)。そうすれば75歳までの世帯収入は約16万円、75歳で夫がリタイアした後も、夫の年金と妻の割増し年金(約11万円)を合わせた世帯収入は27万円になる。夫婦2人が年金だけで生活できる金額だ。


「夫婦が老人ホームと自宅に別れて暮らす」→夫だけ繰り下げ

 サラリーマンの夫と専業主婦(3号)の夫婦の標準的な年金額は約22万円。それに対して介護付き有料老人ホームの平均的な入居費用は月に18万~22万円程度とされる。「夫婦の年金を合わせても1人分しかない。自分か妻のどちらかがホームに入ることになれば、残された方は生活できなくなる」誰もが直面する可能性がある深刻な問題だ。年を取ってからの年金額をできるだけ増やしたい──その場合、夫婦とも働くことを前提に夫だけ75歳繰り下げを選ぶ(別掲図のFさん夫婦)。


 夫婦で75歳まで働き、2人で10万円ずつ稼ぐ。それに妻の国民年金(約6万円)を合わせると月収は26万円程になる。夫の年金受給を我慢してやりくりすれば、75歳からの夫の年金は約29.4万円にアップし、夫婦の年金額は約35.4万円だ。この金額であれば、どちらかがホームに入居したとき、その費用を払いながら、自宅での生活費もまかなえる。入居一時金を支払って毎月の費用が安いホームを探せば、2人で入居することも可能だろう。


 図ではわかりやすくするために同じ年の夫婦の年金額を試算したが、繰り下げを選ぶ場合、夫婦の「年齢差」や妻の働き方も選択のポイントになる。「妻が年上」の夫婦は、夫が稼いでいるうちに妻が年金をもらえる。このケースなら、「妻だけ繰り下げ」で家計に無理なく将来の夫婦の年金額を増やすことができる。逆に「妻が年下」の夫婦で、夫が65歳になった時に妻がフルタイムで稼いでいるなら、「夫だけ繰り下げ」を選ぶ。


 この場合、夫が厚生年金を繰り下げると、加給年金がもらえなくなるので注意が必要だ。そこで夫が「基礎年金だけ繰り下げ」を選べば、加給年金ももらえる。今回の年金大改正では「繰り上げ」と「繰り下げ」の選択の幅がこれだけ広がるのである。


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在職老齢年金改正 働きながら繰り上げ受給で月10万円年金増も

新制度では「60歳繰り上げ」でもらえる年金額がアップ

新制度では「60歳繰り上げ」でもらえる年金額がアップ


 現在、改正に向けて議論が進んでいる「在職老齢年金」の制度。働きながら年金をもらう同制度は年齢で2つに分かれている。65歳以上の「高在老」(高齢者在職老齢年金)は月給と年金の合計収入が47万円を超えると年金カットが行なわれる。基準が高いため、実際に、年金カットされているのは給料が比較的多い層で1.5%にとどまる。


 一方、65歳未満の「低在老」(低所得者在職老齢年金)は年金カットの基準が合計収入28万円と厳しいため、2割近い人が年金を減らされている。今回の厚生労働省の改正案では「高在老」の基準は据え置き、そのかわりに低在老の年金カットの基準を「47万円」に引き上げる方針となった。


 実は、この制度改正は、「年金のもらい方」の発想を転換させる強烈なインパクトを持つ。現在は65歳までの雇用延長期間に働きながら年金をもらう「繰り上げ受給」を選ぶと、給料が低くても年金を大きくカットされるが、その基準が緩和されることで、新制度では「60歳繰り上げ」を選んだ場合の65歳までの年金総額が現在より大きく増えるからだ。今回の年金改正では「繰り上げ」を選んだ場合に次の2つの“特典”が受けられるようになる。


■特典1:年金額が現在よりアップする
■特典2:働きながら受給しても年金カットされない


“特典1”について、現行制度では繰り上げ受給を選択すると、65歳より1か月早くもらうごとに年金額が0.5%ずつ減額されていく仕組みだ。だが、厚労省が社会保障審議会年金部会に提出した資料では、この繰り上げ時の年金減額率を引き下げる(1か月0.4%に縮小)ことを盛り込んでいる。実施されれば、厚労省の標準モデルケースで60歳繰り上げ受給を選んだ場合の年金額は現在の月額約11万円から、改正後は約12万円へと1万円アップする。5年間で約60万円もの増額だ。


 もっとメリットが大きいのは、働きながら受給しても年金カットされないという“特典2”が受けられるようになることだ。これにより、年金を繰り上げ受給するかどうか迷っている人には大きなチャンスが生まれる。現在58歳のX氏は何歳から年金をもらうべきか思案している。「ねんきん定期便」では65歳からの受給見込み額は約16万円だと記されていた。定年後も雇用延長で今の会社で働くつもりだが、先に雇用延長した先輩に聞くと、月給35万円ほど出るという。

 

しかし、現行の在職老齢年金制度では、60~65歳未満は「月給+年金」の合計額が基準の28万円を超えると、超過分の半額を年金からカットされる。X氏が60歳繰り上げを選んだ場合、まず年金額が30%減の約11万円に減らされる。そのうえ、給料(35万円)と年金(11万円)との合計額が基準を18万円上回るため、その半分の9万円を年金からさらにカットされる。二重の減額で年金はわずか2万円となり、月給を合わせた合計収入は37万円にとどまる。


 そんなに損をするなら「繰り上げ」を選ぶ気にはとてもなれないだろう。

 ざっくり言えば、雇用延長期間の月給が17万円を超えると、標準的な年金額16万円(60歳繰り上げは約11万円)を受給している人は、在職老齢年金との二重の年金減額の対象になってしまうのである。

「年金は早くもらいたい」と思っても、この在職老齢年金の年金カットの「壁」が繰り上げの大きなネックとなっていた。それが今回の年金改正で65歳未満の在職老齢年金の年金カットの基準が28万円から「47万円」に引き上げられる。新制度になれば、「繰り上げ」をぐんと選びやすくなる。


 X氏が「60歳繰り上げ」を選んでも、雇用延長後の月給(35万円)と年金額(約11万円)の合計額が基準未満だから今と違って在職老齢年金は1円もカットされない。しかも、実施されれば、モデルケースで60歳繰り上げ受給を選んだ場合の年金額は現在の月額約11万円から、改正後は約12万円へと1万円アップするため、総収入は47万円になる。現行制度で繰り上げるより月10万円(年間120万円)もの年金増だ。65歳までの5年間なら今より600万円も年金が多くもらえる計算になる。


働けば65歳で年金額上乗せ

「繰り上げ受給」を選べばそれ以降の年金額は減額されたまま一定とされている。 だが、それは受給後に働かない場合だ。繰り上げ受給しながら厚生年金に加入して働くと、長く働けば働くほど年金額も増えていくことになる。X氏が60歳受給を選べば65歳までの年金額は月約12万円だが、65歳からはその間に年金保険料を支払った分の年金額(報酬比例部分)が上乗せされて支給額は約13万円に増える。さらにその後も働き続けると新制度では「定時改定」が導入されて年金額は毎年段階的にあがり、70歳では約14万円、75歳なら約15万円になる(月給35万円で試算)。


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年上妻を持つ夫 3つのパターンで見る「年金を増やすポイント」

夫婦とものんびり型(パターンE)

夫婦とものんびり型(パターンE)


 夫婦で第2の人生のライフプランを考えるとき、重要な要素となるのが夫婦の年齢差だ。例えば「妻が年上」の夫婦であれば、“配偶者手当”にあたる「加給年金」(年額約39万円)がない。妻の年金受給が始まった時、夫はまだ現役(雇用延長を含む)で働いていて収入を見込めるからだ。夫と妻の年金受給が同時期に始まる「同い年」の夫婦にも加給年金はない。


 夫婦の働き方は多様化し、妻が3号被保険者か、妻も厚生年金加入の共稼ぎかなどで夫婦の年金額や「得する受給方法」の考え方のポイントが違ってくる。

「妻が年上」の夫婦の年金受給には思わぬ“落とし穴”があるから注意が必要になる。

 

夫がまだ現役や雇用延長で稼いでいる間に、妻の年金受給が始まる(パターンE)ため、「生活に余裕がある」と思い込んで年金を“お小遣い”代わりに使ってしまうことがよくある。現在50~60代の年上妻は、独身時代働いていても厚生年金に加入していないことが珍しくなかった時代だ。


 そのため、同じ3号被保険者(厚生年金加入期間なし)でも、年上の妻は「年下妻」より年金加入期間が短く、基礎年金額が5万円以下など比較的低いケースもある。いざ、夫の年金受給が始まって夫婦の年金額を知ったとき、「年金だけでは生活できそうにない」と愕然とすることになる。そうならないためには、老後の資金計画をしっかり立てておく必要がある。


夫婦ともがむしゃら型(パターンF)

夫婦ともがむしゃら型(パターンF)


 この場合、将来を考えて妻の厚生年金加入が有効だ。妻が5歳年上の場合、夫が働き盛りで給料が高い55歳の時に妻は60歳となって3号被保険者を外れることになる。夫の給料で生活は賄えるだろうが、それでも将来の年金を考えるとパートなどで65歳まで厚生年金に加入して働く。そうすれば年金受給開始までの2人の給料で蓄えができる。そのうえ、妻の年金加入期間が延びて65歳から上乗せ分がもらえることになる(パターンF)。妻が年上の夫婦は、加給年金がないだけに、現役のうちにどれだけ老後資金を蓄えておくかがより重要なのだ。


老人ホーム入居資金をつくるなら


妻の年金で夫は悠々自適型(パターンG)

妻の年金で夫は悠々自適型(パターンG)


一方、妻が年上でも、定年まで「共稼ぎ」の夫婦なら状況はまるで違う。夫が65歳になるまでの雇用延長期間に妻の年金は満額支給となり、「夫が65歳、妻70歳」の時の夫婦の年金額も高い(パターンG)。 パターンGは妻が60歳でリタイアすることを前提とした試算だが、妻が再雇用で65歳まで働けば、その間は夫の給料+妻の給料+妻の特別支給年金のトリプル収入を得ることも可能になる。


 このケースは何歳まで働くか、夫婦でリタイアして趣味に生きるか、第2の人生のライフプランの選択肢も多くなる。万が一の備えも心配はなさそうだ。「妻が年上だから、将来、妻をホームに入れるための資金を作っておきたい」という場合も、老後資金を蓄えるチャンスが豊富な「妻が年上」の共稼ぎ夫婦なら十分可能だろう。 夫にとってある意味、理想的な第2の人生が可能になる夫婦のかたちかもしれない。


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年金改正 厚生年金の加入拡大でパート妻に「3つの特典」

新制度でパート主婦がもらえる3つの“年金特典”

新制度でパート主婦がもらえる3つの“年金特典”


今回の改正の「在職老齢年金制度改正」と並ぶもうひとつの柱は「厚生年金の加入要件拡大」である。その影響が大きいのは、サラリーマンの夫に扶養されている「3号被保険者」のパート主婦だ。


 3号被保険者は自分で年金保険料を負担しなくても国民年金をもらえる。しかし、“特権”が適用されるのは60歳まで。現行制度では60歳以降にパートで働き続けても年金額は増えない。


 それが新制度ではパートのまま60歳から厚生年金に加入して働くことで、3つの“年金ボーナス”をもらうことができるようになる。


 第1のボーナスは65歳からの年金額アップ(図の【1】)。第2に「妻が年金をもらいながら65歳以降も働く」場合は在職老齢年金が毎年引き上げられる(図の【2】)。第3は世代によって「得する年金」(厚生年金の特別支給)の受給権資格が得られることだ(図の【3】)。


月額6万8000円に増える

 具体的に見ていこう。

【特典1】パート主婦が60歳から厚生年金に加入するメリット

現在、パート主婦(3号)で国民年金を満額受給(月額6万5000円)できるケースは多くない。「結婚前に年金未加入期間があったり、結婚後も3号制度(1986年創設)ができる以前に国民年金保険料を納付していなかった妻は、60歳までの年金加入期間が国民年金の満額受給に必要な40年に満たず、35年程度であることがほとんどです」(“年金博士”として知られる社会保険労務士の北村庄吾氏)


 そうなると年金額は月額5万7000円にとどまる。

 サラリーマンの夫は60歳以降も雇用延長で働くことで、自分の厚生年金を増やすことができる。しかし、パート主婦は厚生年金への加入制限があり、これまでは月給10万円程度で中小企業(従業員500人以下)に勤務の場合、原則、加入できなかった。


 パート主婦が国民年金を満額受給しようと思えば、60歳以降に国民年金保険料(月額1万6410円)を支払って加入期間を40年まで延ばすしかなかったのだ。 しかし今回の改正で厚生年金の加入要件が拡大され、パート主婦層の多くが厚生年金に加入できるようになる。月給10万円のパート主婦が60歳から5年間、新たに厚生年金に加入すれば、受け取る年金額は、国民年金の満額(加入期間40年。6万5000円)より多い月額6万8000円に増える。


【特典2】妻も毎年の年金額アップを狙える

 新制度では、65歳以降も在職老齢年金をもらいながら厚生年金に加入して働く場合、毎年、年金額を再計算して年金額を上乗せする「定時改定」制度の導入が検討されている。この制度は新たに厚生年金に加入できるようになるパート主婦にも適用されると見られ、妻が65歳以降も在職老齢年金をもらいながらパートを続ければ「毎年、年金額を増やす」ことが可能になる。


新制度でパート主婦がもらえる3つの“年金特典”

新制度でパート主婦がもらえる3つの“年金特典”


回の改正の「在職老齢年金制度改正」と並ぶもうひとつの柱は「厚生年金の加入要件拡大」である。その影響が大きいのは、サラリーマンの夫に扶養されている「3号被保険者」のパート主婦だ。3号被保険者は自分で年金保険料を負担しなくても国民年金をもらえる。しかし、“特権”が適用されるのは60歳まで。現行制度では60歳以降にパートで働き続けても年金額は増えない。


 それが新制度ではパートのまま60歳から厚生年金に加入して働くことで、3つの“年金ボーナス”をもらうことができるようになる。第1のボーナスは65歳からの年金額アップ(図の【1】)。第2に「妻が年金をもらいながら65歳以降も働く」場合は在職老齢年金が毎年引き上げられる(図の【2】)。第3は世代によって「得する年金」(厚生年金の特別支給)の受給権資格が得られることだ(図の【3】)。


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知っておきたい火災保険。「風災・ひょう災・雪災」って、どんな意味?

\令和元年は、大雨や台風などの災害が目立つ年でした。

北九州で発生した「令和元年8月の前線に伴う大雨による災害」、千葉県を中心に大きな被害をもたらした「令和元年台風15号に伴う災害」、そして、東日本の広範囲に被害を及ぼした「令和元年台風19号に伴う災害」などが挙げられます。これらは全て、火災保険で補償される災害といえます。

風災・ひょう災・雪(せつ)災の具体例

火災保険では、火災、落雷、破裂・爆発といった火事などを想定した補償のほかに、風災やひょう災、雪災といった自然災害も補償の対象になっています。火災保険の補償内容として自然災害は、比較的イメージしやすいものかもしれません。具体的にどのようなことが補償されるのか確認してみましょう。

まず風災です。台風やつむじ風、竜巻、暴風などの強風に起因する災害を風災と呼びます。 例えば、「台風による強風で、住んでいる家の屋根瓦が飛ばされた」、「竜巻が発生し、飛んできた自転車が家の壁にぶつかって穴が開いた」といったものが補償対象になります。令和元年中に発生した台風被害では、テレビでこのような光景が映し出されていたため、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。

次にひょう災ですが、「ひょうが降ってきてベランダの床板が壊れた」といった事象が想定されます。 以前、大粒のひょうが突然降ってきて、カーポートに穴が開いたことがありますが、この場合もひょう災の補償の対象です。

最後に雪災。これは比較的豪雪地域で発生しやすい自然災害といえます。 火災保険における雪災の定義は「豪雪の場合におけるその雪の重み、落下などにおける事故または雪崩(なだれ)」となっています。 例えば、「大雪が降って、その重みで家の屋根が押しつぶされた」、「裏山からの雪崩に巻き込まれ、自宅が倒壊した」といった事象が該当します。

上記の例からも分かるように、雪下ろしをしていたときに転んでけがをしたり、雪解けの水が増水して床上浸水したりといったことは、雪災としての補償の対象とはいえません。そもそも火災保険は「物保険」であるため、建物や家財が対象物となっています。雪下ろしのけがは、「傷害保険」に加入していれば補償されます。

また、雪解けで床上浸水したケースは、雪災ではなく水災にあたります。水災も補償されるプランで火災保険に入っている場合にカバーされるようになっています。
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まとめ

火災保険でカバーされる風災やひょう災、雪災は、上記で説明した通りです。風災でけがをしたときの治療費のように、火災保険の補償内容ではないものもありますので、時折補償内容の確認をしておく必要があるといえるでしょう。

出典:
首相官邸HP「雪害では、どのような災害が起こるのか」

執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
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2020年 年金、医療、介護、相続の常識が大きく変わる

 2020年は年金、医療、介護など日本の社会保障制度が大きく変わり、中高年世代にとって「受難の始まり」の年になる。政府が推進する「全世代型社会保障」への転換に伴うものだ。

 これまでの社会保障は「年金」「老人医療」「介護」に重点が置かれ、消費税の税収はすべて、この3つに使われていた。

 それが消費税率10%への引き上げに合わせて、税収を幼児教育と大学の無償化、女性の社会進出など幅広い世代に使うことになった。「全世代型」社会保障への転換とは、言い換えれば「高齢者向け」の社会保障を大幅に減らすことに他ならない。

 政府は社会保障審議会と首相直属の「全世代型社会保障検討会議」で大転換を次々に打ち出している。医療保険は後期高齢者の窓口負担が2倍に増え、介護保険は「貯金500万円以上」持つ高齢者の支払額がハネ上がる。適切な準備ができなければ、虎の子の老後資産が大きく毀損されるリスクがある。

 一方で、様々な制度変更のなかには、チャンスと捉えられるものもある。

 年金制度は「75歳まで働く」ことを前提に組み直しが進む。働き方や年金の受け取り方を工夫すれば、これまでより生涯収入を大きく増やせる可能性がある。

 時間とお金ばかりかかる印象の強い相続対策も、2020年には複数の制度が大きく変わる。新制度を活用すれば、資産を妻や子供によりスムーズに渡しやすくなる。

 しかし、「損するリスク」や「得するチャンス」の存在自体を知らないと、老後資産はどんどん失われていく。

 困難な時代を乗り切るには、制度がどう変わるかを先取りし、今すぐにでもライフスタイルを見直して老後の生活と資産を守る備えが欠かせない。
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保険の見直し、「払い済み」の活用も。お金が自然と貯まる人の5つの特徴

家計を管理するうえで、毎月決まった額が支払われる項目があります。家賃・学校の授業料・習い事の月謝・車のローン・保険料などですね。どれも削りたいけれど、なかなか削ることのできない項目ばかりではないでしょうか。その中でも、生命保険の見直しは定期的に行うことでお得になることがあります。保険を見直してお得になった分を貯蓄に回せるよう、貯蓄が苦手な人が押さえるべき5つのポイントを紹介します。
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生命保険の見直し

生命保険は結婚や出産、教育など、人生のシーンによってカバーするべき範囲が変わってくるので、状況に合わせて見直しをすることが大切です。ただ、住宅を購入している人は少し違ってきます。住宅購入時に団体信用生命保険に加入していれば、返済中に万が一のことがあってもローンの返済は不要になるのです。そのためローン残金のために、余計な死亡保険に入る必要はありません。

また、新卒のときに入った保険にそのまま入り続けている人はいませんか? 保険の商品は日々進化していて、保障内容やコスト面でも良くなっています。例えば、同じ保険料でも保障の範囲が広がっていたり、以前と同じ内容でも保険料が安くなっていることも少なくありません。さらにネット型の保険は、同じ保障でも保険料が低い傾向があります。
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貯蓄型保険の見直し

貯蓄型の生命保険は、いわゆる「掛け捨て型保険」とは違い、保険に貯蓄の要素がセットになっている保険です。代表的な商品に、「養老保険」や「こども保険」、「終身保険」などがあります。たとえば、養老保険は保険期間は一定で、その保険期間内に死亡した場合には死亡保険金を受け取れます。これが保険と言える部分ですね。また、生存して満期を迎えると、満期保険金を受け取ることができます。これが貯蓄の側面です。

 貯蓄型保険のメリット

貯蓄型保険は掛け捨てではないので、最終的にはお金を受け取れることが最大のメリットです。貯蓄が苦手でなかなかできないという人でも、保険となれば毎月お金を出すことに抵抗がなくなるのではないでしょうか。

 貯蓄型保険のデメリット

逆にデメリットを考えてみましょう。貯蓄型保険では、保険加入後、一定期間を過ぎる前に解約すると、払込金額よりも少ない金額しか受け取ることができません。また、貯蓄型保険は、掛け捨ての保険よりも、払込金額が高額になります。このため、契約したときは問題がなくても、その後の家庭の事情により継続が困難になることもあるのです。無理をして保険金を払い続けると、「保険貧乏」になる危険性もあります。

「払済保険」も検討しよう

しかし、貯蓄型の生命保険を払済保険に変更することもできます。払済保険というのは、今契約している保険を解約することもなく、保障期間も変更しないで、保険料の支払いを済ませてしまうことです。払済保険に変更することによって、保障額は減ってしまうのですが、保険料の支払いがなくなります。どうしても払い続けるのが大変な場合は、解約する前に払済保険に変更することも検討しましょう。
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「貯蓄体質」の人の5つの特徴

保険を見直したら、確認しておきたいポイントが以下の5つです。貯蓄に慣れていない人でも、これを心がけていると「お金が貯まる体質」に近づけるはずですよ。

 (1) 支出ごとの「予算」を決めておく

大まかな支出の状況を家計簿に記入している人は少なくないでしょう。ここから、さらに一段上の意識で貯蓄を増やすには、それぞれの項目の「予算」をさらに細かく決めておくのがおすすめです。食費を例に挙げると、1カ月の予算を4万円と決めた場合、「1週間に1万円」を超えないようにするイメージです。

 (2) 貯金額を「先に」確保しておく

貯蓄が苦手なタイプの人は、できるだけ節約して残ったお金を貯めようと考えがちです。でも、あると思えば、使ってしまうのがお金ではないでしょうか。このような事態を防ぐためには、「先取り貯金」が有効です。給料が支払われたら、数日以内にあらかじめ決めておいた貯金額を、別の銀行口座に移してしまうのです。自分で移すのが手間だと感じるならば、自動積立を利用するのもいいですよね。会社で手続きができるケースもあるので、一度確認してみるといいでしょう。

 (3) 「健康的な生活」を意識する

「節約、節約」と思いながら食べたいものや欲しいものを我慢するのは、精神的にもストレスですよね。でも考え方を変えて見ると、ストレスが軽減されることも多々あります。「健康になろう」「綺麗になろう」といった目線で行動するほうが、ストレスを感じにくいのでおすすめです。

普段からお菓子やジュースを買うことが多い人は、「健康的な生活のため」と考えてセーブしたり、水筒にお茶を入れて持参することもできますよね。また、1駅分程度ならタクシーを使わずに歩いて移動するなどの工夫もできるでしょう。結果的に体調が良くなったり、生活習慣病を改善できたりすれば、薬代や医療費も減らすことができます。毎日の小さな工夫で、お金と健康な体を同時に手に入れましょう。

 (4) 「買い物リスト」を携帯する

とくに目的がないまま店内をウロウロしていると、たまたま目についた商品まで余計に買ってしまうことがありますよね。それを防ぐためにも、必要なものを事前にリストアップしてから買い物に行くようにしましょう。リストを持って出かける癖がつくと、思わぬ無駄遣いを回避できます。

 (5) こまめに部屋を片付ける

部屋が片付いていないと、どこに何があるのかわからなくなって、家にあるはずの物を新たに購入してしまうことがあります。そこで1日3分でいいので、部屋を片付ける習慣を身につけてみましょう。片付いた部屋になれば、物を見つけやすくなって無駄買いが減ります。また、居心地がよくなり、不要な外出機会を減らせる効果もあるのです。外出が減れば、必要以上の外食や衝動買いを防げる可能性もあるので、一石三鳥のメリットが期待できます。

まとめ

いくら「貯蓄」を目標に掲げても、具体的な行動を取らなければ貯蓄は増えていきませんよね。保険の見直しに加え、ここで紹介した毎日のちょっとした習慣から改善し、貯蓄額アップにつなげていきましょう! 

 【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

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親の施設介護には1000万円必要、費用抑えるための施設の選び方

 老親が介護を必要とする状態になったら、まず市区町村の地域包括支援センターに相談する。そこで介護保険制度の「要支援・要介護認定」に向けた手続きが始まり、認定(要支援1~要介護5までの7段階)されれば、介護サービスを受けられる(親が住民税非課税世帯なら自己負担1割)。

 しかし、実際にかかる費用は介護保険だけでカバーできないのが現実だ。在宅介護の場合、紙オムツや尿漏れシート代に月約2万円、嚥下しやすい流動食の費用、下の世話をする使い捨て手袋、ポータブルトイレの臭い消しなど、介護保険からは出ない費用がかさむ。

 介護施設への入所が必要となれば費用はさらに膨れあがる。『人生100年時代の医療・介護サバイバル』(築地書館)などの著書があるジャーナリスト・中澤まゆみ氏が語る。

「在宅介護なら、通常の生活費に利用した介護費用が上乗せされるだけですが、特養に入ると家賃(居住費)や食費などがかかる。有料老人ホームになると、入居一時金に加えて毎月の管理費、水道光熱費、買い物代行費、病院付き添い費なども上乗せされます」

 介護ジャーナリスト・末並俊司氏は、「施設介護」の総費用は1000万円と指摘する。

「親を介護施設に入所させる場合は月20万円程度かかると想定しておく必要があります。施設の在所期間は平均約4年なので、総額はざっと1000万円になる。金額だけを比べると在宅介護のほうが安いように見えますが、在宅の場合はその分を家族による介護労働で補っているわけですから、家族の精神的、肉体的負担がそれだけ重くなるといえます。親と離れて暮らす子供が遠距離介護の難しさから、費用がかかっても施設入所を選択せざるを得ないケースは多い」

 金融庁報告書が「年金だけでは不足する」と試算した老後資金は2000万円だった。そこにさらに1000万円の出費が加われば、自分の生活まで立ち行かなくなる。

 では、この施設介護の費用を抑えるにはどんな方法があるか。入所させる施設選びで介護費用は大きく減らせる。介護運営会社アイリスフレール取締役・田中健氏の試算をもとに算出した施設のタイプ別の費用の目安は、次のような具合だ。

■特別養護老人ホーム
 費用負担が最も少なくて済む施設で、住民税非課税世帯なら居住費や食費、水道光熱費と介護サービス費を合わせた費用の目安は月12万~14万円。ただし、「要介護3以上」が入所条件になる。

■認知症グループホーム
 軽度から中度までの認知症が対象。費用の目安は月20万~25万円。

■介護付き有料老人ホーム
 入居一時金(数十万円から数百万円まで様々)の他に、郊外の施設は月15万~20万円、東京23区内は月25万~30万円程度が目安。

 介護施設の費用は特養が一番安く、有料老人ホームのざっと半額程度だが、待機者が全国に約36万人いる“狭き門”だ。そのため、親を特養に入れたくても、有料老人ホームを選ばざるを得ない実態がある。

 しかし、特養のかわりに介護老人保健施設(老健施設)に入所させるという“裏技”がある。老健施設は要介護の高齢者がリハビリなどで在宅復帰をめざす施設で、要介護1から入ることができる。しかも、費用は特養と同じ水準だ。

「老健の入所期間は原則3か月程度ですが、病院の紹介があり、医師が『在宅復帰はまだ難しい』と判断すれば、1年以上見てもらえるケースは少なくありません」(前出・末並氏)

 そして介護費用の捻出で大きな“財源”となるのが、主(親)が不在となる実家の扱いだ。

 一戸建て住宅は、築年数が多くなると外壁の補修や屋根の葺き替えなど多くの費用がかかる。リフォームに金をかけても、親が住まなくなれば急速に老朽化して“危険な廃屋”となるリスクが高い。

 将来、実家に住むことを考えていなければ、売却して親の施設入居費用の足しにする判断もある。親が施設に入所して3年以内なら譲渡所得が非課税になる税制特例を受けることができる。

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年下妻夫婦は「夫の年金・加給年金・妻の収入」でトリプルインカムも可能

 定年後の生活で夫婦の年金を考えるとき、「妻との年齢差」によって年金受給方法の損得が分かれる。その一つが「年金75歳受給」だ。社会保障審議会では年金の受給開始を75歳まで繰り下げることができる制度改革を議論し、来年の国会で改正案が成立する見込みだ。

「75歳受給なら約2倍の割り増し年金をもらえます」。厚労省は早くもそう宣伝しているが、それに釣られて、夫の年金を75歳まで繰り下げるとどうなるか。

 夫の年金だけを計算すると、75歳から割り増し年金を受給する場合の手取り総額は繰り下げしないケースの総額を90歳で逆転する。

 だが、その場合、泣きを見るのは「妻が年下」の夫婦だ。妻が年下の場合、妻が65歳になるまで夫の厚生年金に「年額39万100円」の加給年金が上乗せされる。しかし、夫の年金を繰り下げると、その期間は加給年金も停止される。

 夫婦の年齢差が10歳であれば、本来なら夫の年金には65歳から75歳までの10年間で390万1000円の加給年金が加算されるはずなのに、10年繰り下げると1円ももらえない。「夫が90歳、妻が80歳」になっても年金総額は400万円近い損失になる。

 この加給年金の特徴は、妻が働いていても、妻の年収が850万円未満であれば夫の年金に加算されて支給されることだ。

 妻が年下の夫婦が老後資金を増やすためには、それを利用して、夫は65歳から年金を受給し、加給年金ももらい、年下の妻は65歳になるまで働いて収入を得る。「夫の年金」「加給年金」「妻の収入」のトリプルインカムをめざすのが賢い年金受給と妻の働き方の組み合わせといえそうだ。

 妻が年上の夫婦は、妻が65歳の時には夫はまだ現役で働き、生活費を賄っているケースが想定される。そうであれば、「妻の年金」は繰り下げを選び、夫が65歳になったときに一緒に年金を受給する選択がある。

 例えば妻が5歳年上であれば、「夫65歳、妻70歳」で受給する。そうすれば、妻の年金は42%割り増しされるから、夫婦の年金合計額は大きく増える。

 妻が専業主婦で夫婦の年金合計約22万円の標準モデルなら、妻の年金だけ5年繰り下げることで合計額は25万円近くにアップする計算だ。そうすれば年金生活に入ってからの家計に余裕ができる。

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約4割の世帯が台風被害に補償なし いま火災保険をどう見直すか

 10月12日に伊豆半島に上陸した台風19号は、東日本の各地に甚大な被害をもたらした。その台風19号の上陸を前に、首都圏では“騒動”が巻き起こった。

「台風がやってくる前日の金曜日は、飛来物で窓が割れた時に被害を軽減するとテレビで紹介された『養生テープ』がすぐに売り切れました。ライフラインが途絶した場合に備えての食料や水のほか、カセットコンロ、ガスボンベなどを買い求める人が殺到し、店内は半ばパニック状態になりました」(ホームセンター店員)

 毎年のように自然災害が続いていることもあり、備えが重要だと理解されてきた。その一環として考え直したいのが保険だ。住まいが浸水や屋根を吹き飛ばされるなどの被害を受けた場合に頼りになるのは火災保険だが、今はその見直し時だという。

 ファイナンシャルプランナーの鴇巣雅一さんはこう説く。

「大規模災害があると保険会社が払う保険金が増え、掛け金も上がりますが、被害が大きかった昨年の台風20号、21号や今年の15号、19号の被害はまだ保険料率に反映されていない。来年にもそれらを加味した値上げが行われるといわれています」

 内閣府の調べ(2015年)によれば、82%の持ち家世帯が火災保険や共済に入っている。ただし、水災補償ありの保険への加入率は66%に留まり、4割近くの世帯が台風被害に対しても「補償なし」の状態だという。

「最近は、地震や水災、風災などがセットになった、トータル的な火災保険に加入することが主流になりましたが、契約年が古いものだと、火災のみしか担保しないものもあります。家を建てた時から保険を見直していない人は、今一度チェックしていただきたい」(前出・鴇巣さん)

 誰しも、できるなら保険で手厚くカバーしたいが、そうもいえないのが保険料の問題だ。

「以前は35年分を一括で加入するようなことが広く行われていましたが、現在は年々自然災害のリスクが上がっており、最長でも契約期間は10年までです。

 例えば東京23区内の平均相場を見ると、築15年、木造戸建て住宅、建物2500万円、家財300万円の場合、火災保険のみは10年で約10万円。風災などをカバーできるオプションを追加すると25万円前後となり、浸水なども想定するなら水災保険への加入が必要で、約35万円になります。

 さらに飛来物による破損や、震災時の盗難などにも対応すると約45万円になる。地震保険と併せて加入する場合がほとんどなので、地震保険の年間2万円程度(10年で20万円)も加える必要があります」(前出・鴇巣さん)

 保険料は、建物の構造などのほか、立地する場所ごとにリスクが異なるため地域差が存在する。台風が多く襲来するエリアや雪害が多い地域は、その他の場所にくらべて高くなる。

 高額保険料が必要となるが、水災で住宅が大幅損傷、テレビや冷蔵庫や家具が壊れ…今後10年間でそんな事態が一度でもやってきたら、保険のありがたみを実感するのだろう。

 一方で、闇雲に保険に入ることが得策ではない人もいる。

「いわゆる“保険のムダ払い”です。例えば、家財の合計評価額が300万円しかないのに500万円の保険に加入し、保険料が満額受け取れないケースなどです。また、基本的にマンションの2階以上に住んでいる人は浸水などのリスクが少ないため、水災の補償は不要といえます」(防災アドバイザー)

 自分の住環境を理解したうえで、万全の対策をしたい。

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1位は外貨建て保険 生保社員200人「入りたくない死亡保険」ランキング‼

「生保会社がいちばん売りたい商品は、生保社員がいちばん入りたくない商品」──ブラックジョークみたいな話だが、実は的を射ている。生命保険のカラクリを知れば、保険会社が儲かる商品ほど、加入者が損をするのは自明なのだ。

 そこで、保険の表も裏も知り尽くした「匿名の生保社員200人」に「入りたくない死亡保険」をアンケートした。保険のデメリットを充分熟知した生命保険会社社員たちが「入りたくない」という商品は何か。

「入りたくない」保険として2位と倍近くの差をつけて1位にランクインしたのは、外資系の保険会社が主力商品とする「外貨建て」の保険だ。ファイナンシャルプランナーの長尾義弘さんがその理由を分析する。

「受け取る際に円安か円高によってもらえる額に変動があり、結局いくらになるかわからないという不安定さがあります。手数料が高いというのと仕組みが複雑だというところも避ける理由でしょう」

 回答者の中には、「同じ投機性のある商品なら株や投資信託を買う」と答えた人もいた。

「私たちもこういった商品を売る時に、『将来、増える可能性があります』『資産形成の一環として』とすすめますが、同じような商品であれば投資を専門にやっている証券会社の方が詳しいうえに、商品の幅が広い。実際、同僚でもお客さんに外貨建てをすすめながら、自分は別の投資信託にあずけているという人は確かにいる」(59才男性)

 実際、「外貨建て保険」をめぐる契約者からの苦情はここ6年で4倍に増えている。その多くは「元本割れのリスクをきちんと説明しなかった」という内容だ。金融庁もこうした営業活動を問題視し、生命保険会社各社に改善を要請している。

「定期保険特約付き終身保険」(2位)や「定期保険」(3位)は、満期を迎えると年齢とともに保険料も上がる。商品によっては1.5倍や2倍になるものもあり、入りたくないという声が目立った。ランキングの中で、長尾さんが「入るなら注意が必要」と語気を強めたのは「セットもの」(6位)の保険だ。

「国内の大手生命保険会社の商品には、主契約だけではなく『疾病入院特約』や『災害割増特約』などといった、『特約』がたくさんついているケースが多い」(長尾さん)

 また、さまざまな保障がセットになっているゆえ、回答したプロたちですら、「自分の契約内容がわからなくなるからなるべく避けたい」という。

「セットにすると自分が今どの特約をつけているのかわからなくなるうえ、最悪本来もらえるはずの保険金の請求をしそびれたり、必要ない保障分の保険料を支払い忘れたりする。営業する側としてはセットで契約してもらえたらそれだけペイが増えるからありがたいのですが、契約者に優しい内容とは思えない商品が多いです」(31才女性)

 プロたちの「ナイショ話」を参考に見直しをしてみるのもいいかもしれない──。

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仕事上でケガや病気になった時、知っておきたい公的制度

 働き盛りの会社員が病気・ケガをした時に利用できる公的制度にはどんなものがあるのか。知らないと損する制度とその仕組みを紹介しよう。

■休業補償給付+休業特別支給金
……仕事上のケガや病気は給料の8割を補償

 まず怖いのが働き盛りの稼ぎを奪うケガや病気だ。業務上の理由によるものであれば、働けなくなって(給料がもらえなくなって)4日目以降は労災保険から「休業補償給付」が平均賃金の6割、「休業特別給付金」が同じく2割、計8割が支給される。

 給付期間に定めはないが、療養開始から1年6か月が経ってもケガや病気が治っていない場合、症状の重さなどに応じて支給される傷病補償年金(労災保険)に切り替わる。

■傷病手当金
……最大1年6か月支給される休業手当

 プライベートでの病気やケガにも補償がある。働けない状況になって4日目以降、過去1年間の平均給与(基本給に残業代、諸手当を含めた額)の約3分の2が最長1年6か月支給される。

 過去1年間の平均月収が35万円の会社員であれば、1年6か月間で約425万円の給付を受けられる。

■高額療養費制度
……上限額を超えた医療費は取り戻せる

 収入を補填するだけでなく、支出を抑える術も必要だ。ケガや病気の際にかさむのが医療費。1か月間(同じ月の1日から月末まで)にかかった医療費が一定額(自己負担限度額)を超えた場合、上限との差額が健康保険から払い戻される。

 たとえば月収27万~51万5000円のサラリーマンが入院して30万円を病院に支払った場合、自己負担限度額は8万430円になり、20万円以上の払い戻しが受けられる。

「医療費が高額になるようであれば、あらかじめ健康保険の窓口で『限度額適用認定証』を取得しておくこと。保険証と併せて医療機関に提示すると、同じ月の医療費の窓口支払いが自己負担限度額までとなる。高額療養費の手続きが必要なくなります」(社会保険労務士の稲毛由佳氏)

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年金改革への主婦の対抗策は「60歳まで第3号、60歳過ぎたら厚生年金」

 これまでの年金改革では「パートの専業主婦」(第3号被保険者)が厚生労働省にとって有利な立場として標的にされてきた。

 現在、サラリーマンの妻は働いていても一定以下の収入で夫の扶養家族となっていれば、保険料負担なしで国民年金を受給できる。そこで国は厚生年金の加入義務を強化し、「厚生年金に入って年金を増やしましょう」と加入を誘い、専業主婦に保険料を負担させる方針を推進してきた。「年金博士」こと社会保険労務士の北村庄吾氏が語る。

「大前提として第3号被保険者の妻が厚生年金に加入するメリットはありません。厚生年金に加入すると、夫の扶養家族ではなくなるため厚生年金だけでなく、健康保険の保険料までも負担しなければならなくなる。年金が多少増えても支払う保険料で損をします」

 だが、今回の年金財政検証で示された年金改革で主婦を厚生年金に加入させるという国の方針を逆手にとって、妻が年金で得をする“秘策”がある。 厚労省は保険料収入を増やすために国民年金の加入期間を45年間(65歳まで)に延長する方針を検討している。ここに“鍵”がある。北村氏が語る。

「現行制度では妻は60歳になると3号の資格を失う。この制度のまま国民年金の加入期間が延長されると、サラリーマンの妻は60歳から5年間、月額1万6410円の国民年金保険料を払わなければならなくなる。

 どうせ保険料を払うのであれば、パートなどで働いている妻は60歳までは3号に残り、60歳以降はパート先の厚生年金に加入した方がいい。厚生年金の保険料は事業者が半分負担するため、妻は国民年金より少ない保険料で、多い年金をもらえることになります」

 例えば、月給8万8000円のパート勤めの妻が厚生年金に加入した場合、給料から天引きされる保険料は月額約8800円。国民年金の半額で、65歳からは報酬比例の年金を受け取ることができる計算だ。

「厚生年金に加入するなら、いっそ勤務時間を増やしてもっと稼ぐ働き方も選択できます。月給16万円で5年間加入すると、保険料は国民年金とほぼ同じですが、年金額はかなり増えます」(北村氏)妻が年下であれば、忘れてはならないのが加給年金の申請だ。夫が65歳になって年金を受給すると、妻の年金受給がはじまるまでの間、夫の年金に年間約39万円が加算される。

 これは妻が働いて厚生年金に加入していても、妻の年収が850万円未満であれば支給されるため、忘れずに申請したい。 妻はパートでバリバリ働いて給料を稼ぎ、夫は年金に“扶養家族手当”(加給年金)の加算をもらう――、これもダブルインカムの手法だ。

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65歳まで積み立て可能に iDeCo個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ))(改正を見逃すな

「年金は100年安心」はどこへ行ったか。今後の年金は「もらい始める前」と「もらい始めた後」の2段階で減らされていく。現役世代の保険料負担を減らすため、賃金・物価の上昇に対し、年金の上昇が抑制される。そのため実質的に年金額は目減りしていくことは避けられない。

 これから年金を受け取る現役世代は、この年金減額のあおりをまともに受ける。だが、老後資産を増やす選択肢は決して少なくない。「基本は『年金を増やす』『貯蓄を殖やす』『長く働く』です。とくに今の50代はまだ逃げ切りができる世代。妻の働き方を含めて厚生年金にはできるだけ加入し、国民年金も任意加入で満期の40年間払うようにする。それに加えて、これからは『自分年金』を作らなければならない」

 そう語るのは「年金博士」こと社会保険労務士の北村庄吾氏だ。

「自分年金」とは、公的年金ではなく、自分で掛け金を積み立てて運用するiDeCo(個人型確定拠出年金)などを指す。現在は60歳までしか積み立てできないが、厚労省は法改正で65歳まで延長する方針を打ち出している。「iDeCoは掛け金が全額所得から控除されるだけでなく、運用益も非課税で、受け取り時も退職所得控除などの対象になり、節税効果が非常に大きい。長期間運用できる現役世代に向いています」(同前)

 iDeCoは証券会社が出している厳選された投資信託商品から自分で選んで毎月一定額を積み立て(購入)して運用 会社員や専業主婦の掛け金の上限は毎月2万3000円と定められている。年収500万円の夫とパート勤めで年収120万円の妻(3号被保険者)が2万円ずつ10年間積み立てた場合、節税額は2人で年間7万8500円(夫4万8000円、妻3万500円)、10年で約80万円の節税となる。、60歳以降に年金や一時金で受け取る仕組みだ。「ハイリスク・ハイリターン型」や「ローリスク型」「バランス型」などが選べる。

 夫婦の積立金の480万円は、それぞれ一時金方式で受け取れば非課税のため、たとえば運用益がゼロだったとしても、50万円のマイナスであっても、節税による利益の方が大きい。現役時代に老後資産を増やすための「最強の節税年金」になり得るのだ。
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年金を増やすワザ 年下妻なら加給年金、国民年金はWで増やす

 今年6月、“年金だけでは老後資金は2000万円不足する”という金融庁の報告書が明らかになり、一気に年金不安が広がった。そんな不安に立ち向かうためには、自らなんとか年金を増やすしかない。そのために使える制度はしっかり活用しよう。

 妻が年下の場合は、「加給年金」という制度を活用したい。「年金博士」として知られる、ブレインコンサルティングオフィスの北村庄吾さん(社会保険労務士)が話す。

「年上の夫が65才になった時、夫より年下の妻がいれば、年間22万4500円が夫の年金に上乗せされます。これに加え、妻に対し年間16万5600円の『特別加算』もプラスされるため、合計約40万円も年金が増えます」(北村さん・以下同)

 さらに、高校を卒業していない子供がいると、1人につき年間22万4500円(3人目以降は1人につき7万4800円)が加算される。

「加給年金は、会社でいう“家族手当”や“扶養手当”のようなもの。妻が65才になるまでもらえます。男女が逆でも同じで、年下の配偶者には有利な制度です。ただし、厚生年金に20年以上加入していることが条件です」

 妻が年上の場合「振替加算」という制度が使える。妻が65才になると、生年月日など一定の条件を満たせば、妻が生涯受け取れるようになる。

 振替加算は、妻が高齢なほど金額が高くなる。たとえば、1953年4月2日~54年4月1日生まれなら月額5233円が年金に上乗せされ、若い世代になるにつれ段階的に減額される。また、振替加算は妻に直接支払われるため、離婚しても生涯受け取れるメリットもある。

◆国民年金の受給額を増やすテクニック

 国民年金しか加入できない人も、裏ワザはある。国民年金は20~60才までの40年間加入すると、満額の年間78万100円を受け取れる。だが、それに満たない人も多く、加入期間が短いと受給額も減ってしまう。

「本来は60才までしか加入できませんが、60才を過ぎても原則65才まで加入期間を延ばせる『任意加入』という制度があります」

 仮に60才から1年間、国民年金に任意加入した場合、年金保険料は年間約19万円(月額1万6410円)。女性の平均寿命である88才まで生きたとすると、年金受給額は約46万円増え、払った保険料に対し約27万円得する。

 任意加入と併せて加入したいのが「付加年金」だ。これは月400円の「付加保険料」を払うと、年金額を月額200円増やせるもの。

 たとえば、現在50才の人が10年間付加年金に加入した場合、支払う保険料総額4万8000円に対し、年金は毎年2万4000円ずつ増えるため、年金の受給開始から2年で元が取れ、3年目以降は得する一方なのだ。任意加入と付加年金は併用可能。ダブルのお得を活用しよう。

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働きながら年金もらう人は「3つの給付金」を見逃すな

 今年10月の消費税10%への引き上げは、年金生活者には大きなダメージだ。“年金博士”こと社会保険労務士の北村庄吾氏は、「物価が増税幅と同じ2%上昇すれば、夫婦で毎月の年金収入が22万円(夫16万円、妻6万円)のモデル世帯では、可処分所得が約5万2800円目減りします。だからこそ、7か月後に迫った増税に備え、年金だけで生活する人も、働きながら年金をもらう人も、今のうちから対策を打っておかなければなりません」と警鐘を鳴らす。

 だが、来たるその日に向けて怯えてばかりいる必要はない。給付金などの制度をフル活用すれば、増税で目減りする2%の年金を取り戻すどころか、家計をプラスに転じさせることさえできるのだ。

 働きながら年金をもらう人の場合、消費増税に対抗する“得する給付金”の種類は多い。

 60代前半に受給できるのが「高年齢雇用継続基本給付金」(以下、雇用継続給付金)と「高年齢再就職給付金」(以下、再就職給付金)だ。どちらも定年後も働く人への所得補填の性格を持ち、前者は失業保険を受けずに60歳以降も働く人、後者は失業保険を受けた後に再び働き始めた人に支払われる。

 給付金の金額の基準も同じだ。60歳時点の賃金から新賃金が75%未満になった場合に、最大で新賃金の15%が受け取れる。仮に、60歳時点の30万円から18万円(現役の60%)に下がると、新賃金の15%にあたる2万7000円が支給される。

 気をつけるべきは、似たような制度でも、支給期間に大きな差があることだ。同期入社のAさんとBさんは揃って定年を迎えた。Aさんは会社に残り、週3日の嘱託勤務で月給18万円。Bさんは一旦失業保険を受けたあと、こちらも週3日勤務、同じ給料で働き始めた。待遇、条件は変わらないように見えるが、Aさんの「雇用継続給付金」(月2万7000円)は65歳になるまで最長5年支給され、総額162万円受け取ることができる。

 一方、Bさんの「再就職給付金」(同額)は最長でも2年までで、総額64.8万円にとどまる。同じ“得する給付金”でも総額に100万円近い差がつくことは念頭に置いておくべきだろう。定年を迎えれば、今までの会社で雇用延長するか、転職で新天地を求めるかといった岐路に立たされるが、給料だけで損得は判断できない。前出のAさんとBさんの月給が違う場合を比べるとわかりやすい。

「月給21万円出します」

 Bさんはそんな申し出を受けて失業保険の受給後に転職の道を選んだ。会社に18万円で残ったAさんより3万円も多い。ところが、新賃金が高い分、「再就職給付金」は9807円で、給付金を合わせた収入はAさんの20万7000円に対し、Bさんは21万9807円と約1万円の差にまで縮小する。そのうえ、前述のようにBさんの給付金は最長2年で打ち切られるため、3年目からは収入の差はほぼなくなる。

 そういうときは、満額の給付金と給料をダブルで狙う方法を検討したい。北村氏が語る。

「定年後の給料が60歳時点の75%以上あれば給付金はもらえませんが、中小企業の場合、会社と掛け合って月給を現役時代の60%に下げてもらえないか交渉するのも手です。給付金を目一杯受け取り、かつもらえるはずだった給料との差額は65歳でリタイアするときに退職金でもらうようにする。退職金は勤続1年につき40万円まで所得控除があるため、5年間で200万円分の退職金が非課税になる」

 Bさんの場合なら給料を18万円に下げて毎月給付金を2万7000円もらい、本来の給料との差額3万円(年36万円)は退職金として後でしっかり受け取るというやり方だ。

 今年10月の消費税10%への引き上げは、年金生活者には大きなダメージだ。“年金博士”こと社会保険労務士の北村庄吾氏は、「物価が増税幅と同じ2%上昇すれば、夫婦で毎月の年金収入が22万円(夫16万円、妻6万円)のモデル世帯では、可処分所得が約5万2800円目減りします。だからこそ、7か月後に迫った増税に備え、年金だけで生活する人も、働きながら年金をもらう人も、今のうちから対策を打っておかなければなりません」と警鐘を鳴らす。

 だが、来たるその日に向けて怯えてばかりいる必要はない。給付金などの制度をフル活用すれば、増税で目減りする2%の年金を取り戻すどころか、家計をプラスに転じさせることさえできるのだ。

 働きながら年金をもらう人の場合、消費増税に対抗する“得する給付金”の種類は多い。

 60代前半に受給できるのが「高年齢雇用継続基本給付金」(以下、雇用継続給付金)と「高年齢再就職給付金」(以下、再就職給付金)だ。どちらも定年後も働く人への所得補填の性格を持ち、前者は失業保険を受けずに60歳以降も働く人、後者は失業保険を受けた後に再び働き始めた人に支払われる。

 給付金の金額の基準も同じだ。60歳時点の賃金から新賃金が75%未満になった場合に、最大で新賃金の15%が受け取れる。仮に、60歳時点の30万円から18万円(現役の60%)に下がると、新賃金の15%にあたる2万7000円が支給される。

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定年後の手厚すぎる生命保険、見直せば「5年で300万円」の節約に

 現役時代には「万が一のために」と計上していた生命保険の保険料。だが、子供も自立した50~60代の世帯では見直したほうがいいという。ファイナンシャルプランナーの鴇巣(とうのす)雅一氏が指摘する。

「20年ほど前に生命保険各社の主力商品だった『定期付終身保険』は加入者の期待と内容にズレが生じることがある設計でもあった。加入者の現状にそぐわない場合は見直しを検討してもらっています」

「定期付終身保険」とは、その名の通り貯蓄型の終身保険に掛け捨ての定期保険特約を組み合わせた保険商品だ。よくある商品の一例でいうと、死亡保障5000万円のうち、保障が一生涯続く終身(貯蓄型)の部分が200万円、65歳など一定の年齢までに亡くなった場合に受け取れる定期(掛け捨て)の部分が4800万円といった内訳になっていて、これに医療特約などが加わる。

「特徴として、数年ごとに保険料が段階的に上がります。たとえば45歳で加入したときが月額3万円だとしても55歳の更新で月額6万円近くになるケースだと、多くの人が払い込み満了時に設定している65歳までの20年間で約1080万円もの保険料を支払うことになります。

 仮に65歳までに亡くなれば、5000万円の死亡保障を受けられるので保険料を払う価値があったという話になりますが、65歳以降の死亡保障は200万円の終身保険の部分だけになる。65歳で解約しても、払い戻しは終身部分の200万円だけです」(鴇巣氏)

 子供が独立して妻と2人暮らしなら、手厚い死亡保障は不要だ。そこで65歳を待たずに解約・見直しをすることで、保険料の出費を圧縮するという考え方をしてみる。

「たとえば60歳で定年・再就職したことを機に、200万円の終身保険を残しつつ定期特約を再検討することで月々の支払いを1万円ほどに圧縮することが可能です。心配なら病気や手術については別途、1万円前後の医療保険やがん保険に加入して補います」(鴇巣氏)

 これで月4万~5万円、5年間で300万円も保険料を抑えられる。

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1位は外貨建て保険 生保社員200人「入りたくない死亡保険」ランキング‼

「生保会社がいちばん売りたい商品は、生保社員がいちばん入りたくない商品」──ブラックジョークみたいな話だが、実は的を射ている。生命保険のカラクリを知れば、保険会社が儲かる商品ほど、加入者が損をするのは自明なのだ。

 そこで、保険の表も裏も知り尽くした「匿名の生保社員200人」に「入りたくない死亡保険」をアンケートした。保険のデメリットを充分熟知した生命保険会社社員たちが「入りたくない」という商品は何か。

「入りたくない」保険として2位と倍近くの差をつけて1位にランクインしたのは、外資系の保険会社が主力商品とする「外貨建て」の保険だ。ファイナンシャルプランナーの長尾義弘さんがその理由を分析する。

「受け取る際に円安か円高によってもらえる額に変動があり、結局いくらになるかわからないという不安定さがあります。手数料が高いというのと仕組みが複雑だというところも避ける理由でしょう」

 回答者の中には、「同じ投機性のある商品なら株や投資信託を買う」と答えた人もいた。

「私たちもこういった商品を売る時に、『将来、増える可能性があります』『資産形成の一環として』とすすめますが、同じような商品であれば投資を専門にやっている証券会社の方が詳しいうえに、商品の幅が広い。実際、同僚でもお客さんに外貨建てをすすめながら、自分は別の投資信託にあずけているという人は確かにいる」(59才男性)

 実際、「外貨建て保険」をめぐる契約者からの苦情はここ6年で4倍に増えている。その多くは「元本割れのリスクをきちんと説明しなかった」という内容だ。金融庁もこうした営業活動を問題視し、生命保険会社各社に改善を要請している。

「定期保険特約付き終身保険」(2位)や「定期保険」(3位)は、満期を迎えると年齢とともに保険料も上がる。商品によっては1.5倍や2倍になるものもあり、入りたくないという声が目立った。ランキングの中で、長尾さんが「入るなら注意が必要」と語気を強めたのは「セットもの」(6位)の保険だ。

「国内の大手生命保険会社の商品には、主契約だけではなく『疾病入院特約』や『災害割増特約』などといった、『特約』がたくさんついているケースが多い」(長尾さん)

 また、さまざまな保障がセットになっているゆえ、回答したプロたちですら、「自分の契約内容がわからなくなるからなるべく避けたい」という。

「セットにすると自分が今どの特約をつけているのかわからなくなるうえ、最悪本来もらえるはずの保険金の請求をしそびれたり、必要ない保障分の保険料を支払い忘れたりする。営業する側としてはセットで契約してもらえたらそれだけペイが増えるからありがたいのですが、契約者に優しい内容とは思えない商品が多いです」(31才女性)

 プロたちの「ナイショ話」を参考に見直しをしてみるのもいいかもしれない──。

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本当に「がん保険」に入るべき? がん罹患率と医療費の誤解

 生命保険に支払う保険料は世帯平均で年38万2000円。1か月分の給料がまるまる飛んでいくほど高額で、“保険貧乏”に陥る家庭も少なくない。近年は「生きている間のリスク」に備えるものとして「医療・がん保険」の新規契約数が増加しているが、はたしてどこまで必要なのか。

 がん保険のCMでよく耳にするのが「日本人の2人に1人はがんになる」という言葉。間違いではないが、50才以下の人ががんになる確率は極めて低い。

 女性の場合、50才までにがんと診断される確率はわずか5%。60才までなら11%で、80才まででも29%程度にとどまる。男性の場合も、50才までのがん罹患率はたったの2%。60才までの場合も8%で、80才を超えてようやく2人に1人の5割に達する。

 後期高齢者(75才以上)になれば治療費は1割負担となり、さらに安くなるはずだ。50代までにがん保険に入る必要がどれだけあるだろうか。

 また、がん治療の医療費についても誤解が多い。ある大手生保ががん未経験者を対象に実施した調査によると、がん治療全体にかかる費用の予想について、半数以上が「300万円程度」または「300万円以上」と回答した。

 しかし、実際にがん治療を経験した人に費用を聞くと、約7割が「50万円程度」または「100万円程度」と答えた。つまり、がんだからといって、治療費に300万円などという大金は不要で、「医療保険に入らないと払えない」ということはないのだ。

治療費が高額な「先進医療」への特約は、入っておくべきと思うだろう。しかし、これもまた注意が必要だ。保険に関する多数の著書がある保険アドバイザーの後田亨さんは、こう話す。

「そもそも先進医療というのは“実験医療”とほぼ同義です。『この病気が治る』という効果が証明されていないから、健康保険の対象になっていないだけ。効果があるかもわからない治療に数百万円も払う必要があるでしょうか」

 しかも、先進医療を実際に利用しているのはほんのわずかだ。ファイナンシャルプランナーの長尾義弘さんが語る。

「がん患者は1年間に100万人ほどいますが、先進医療を受ける人はそのうちの0.2%ほど。治療を受けられる施設も日本には非常に少なく、ほとんどの患者は保険適用の標準医療を受けています」先進医療特約の保険料は100円程度と安価ではあるが、先進医療特約目当ての加入が果たしてよい選択か、考えた方がいい。

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125万人が忘れている「申請しないともらえない年金」をご存知ですか

もらい忘れる人、多数

年金は、繰り上げるか、繰り下げるかで将来もらえる額が大きく変わってくる。この時にカギとなるのが、特別支給の老齢厚生年金や加給年金、振替加算などの耳慣れない年金であった。

年金にはこうした細かい制度が無数に存在する。しかし、多くの人がこうした年金の申請を忘れがちだ。社会保険労務士の北村庄吾氏が語る。

「年金制度は申請主義です。自ら申請しなければいつまでたっても受け取ることはできません」

国はもらい忘れの年金について、積極的には教えてくれないのだ。そこでここでは、多くの人がもらい忘れがちな年金を紹介していこう。

都内在住の飯野守さん(63歳・仮名)は昨年春、日本年金機構から「年金の請求手続きのご案内」という書類を受け取った。

「年金の支給は65歳からのはず」

そう考えた飯野さんは書類をしばらく放置した。

しかし、これが飯野さんの勘違いだった。飯野さんが受け取ったのは特別支給の老齢厚生年金についての案内だったのだ。

「繰り上げ受給と勘違いして申請をしない人がいます。特別支給をもらっても65歳からの年金額が減ることはありません。また特別支給は繰り下げ受給もできません」(社会保険労務士・奥野文夫氏)

「特別支給は絶対に請求する」と覚えておこう。



もらい忘れが多いのは公的年金だけではない。近年問題となっているのが、企業が独自に公的年金に上乗せしている企業年金だ。経済ジャーナリストの荻原博子氏が語る。

「企業年金は加入期間が1ヵ月でも生涯もらえる年金です。厚労省の調査によると、これをもらい忘れている人が現時点で125万人もいるのです」

多いのが、結婚まで企業年金のある会社に勤めていた専業主婦が請求を忘れているケースだ。

「結婚して名字が変わってしまうと本人の特定が難しくなり、本人が申し出ない限り、支給されません」(荻原氏)

思い当たる人は、企業年金コールセンター(0570-02-2666)に問い合わせてみるべきだ。

5年で権利がパーに

65歳で厚生年金を受給する際に、年下の妻がいるともらえる加給年金だが、これも申請を忘れる人が多い。

「夫が年金を申請する際に、年金請求書に、妻の生年月日やマイナンバーなど必要事項を記入し、同時に手続きしなければいけません」(社会保険労務士・大神令子氏)

加給年金は妻の年収が850万円未満であれば受給できるが、妻が働いているという理由で、誤って申請をしないケースも多発している。

妻が65歳になると加給年金は打ち切られるが、代わりに振替加算が妻の老齢基礎年金に上乗せされる。年下の妻であれば、手続きなく受給できるが、注意すべきは、妻が年上だった場合だ。

「夫が65歳になったときに、妻が自ら老齢基礎年金額加算開始事由該当届を提出しなければなりません」(ファイナンシャルプランナー・横川由理氏)

自分が年金を受給する時と、夫が年金を受給する時の2回手続きをしなければならないため、これを忘れる人があとを絶たないのだ。



このように年金の申請を忘れてしまった場合、どうすればよいのか。実は5年前までなら遡って請求することができる。

例えば、67歳で特別支給の老齢厚生年金を受け取り忘れたことに気づいた場合、5年前の62歳から65歳までの3年分の支給は取り戻すことができるのだ。

とはいえ、5年を過ぎれば一切受け取れなくなってしまうため、65歳になる前に一度は年金事務所を訪れておこう。

遺族がもらえる年金など、ここで紹介しきれなかったものはページ末の表にまとめた。もらえそうな年金があれば、是非、本誌を持って年金事務所に相談してみてほしい。




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年下妻は加給年金の受給漏れに注意、年上妻は年金を2度請求せよ

 送られてくる年金通知をチェックすれば、“もらい忘れ年金”があるケースは意外に多い。もらい忘れを見つけたら、受給開始後でも手続きをする。そうすれば、遡って取り戻せるのだ。

 例えば、「年下の妻」が65歳になった時、あなたの年金額が減っていなければ、「加給年金」をもらい損ねている可能性がある。

 加給年金はいわば年金の配偶者手当にあたり、「夫(厚生年金加入期間が20年以上)によって生計を維持している年下の妻」がいる場合、夫が申請することで、妻が65歳になって自分の年金を受給するまで、夫の老齢厚生年金に年額38万9800円が上乗せされる。

 この加給年金は妻が65歳で年金受給開始すると打ち切られ、夫の年金額は減る。かわりに妻の年金の方に「振替加算」という増額がある。妻が65歳になっても夫の年金額が減らなければ、「年金の配偶者手当」(加給年金)をもらっていなかった可能性が高いのだ。

 確認するには、毎年6月に届く夫の『年金額改定通知書』を見ればわかる。厚生年金の欄に、「加給年金額」として38万9800円が記載されていれば受給中だが、なければ受給漏れを疑っていい。

 年金事務所で申請すれば、5年前まで遡って未支給額が一括で支払われる。ただし、時効は5年だ。

振替加算の受給漏れが起こるケース

 妻が年上の場合、「加給年金」は支給されないが、そのかわりに夫が65歳になると妻の年金に前述の「振替加算」が増額される。金額は妻の年齢が高いほど多く、現在75歳の妻なら年間約12万円となる。

 注意が必要なのは、年上妻の振替加算は、「夫が65歳」になった時、妻が年金事務所で振替加算の受給手続きをしなければならないことだ。妻が何年も前から年金をもらっていると、“2度目の年金請求”という手続きを忘れるケースが多い。

「夫の歳を忘れていた」ということだってある。これも受給漏れがあるかどうかは妻の『年金通知書』で確認できる。振替加算の記入がなければ、年金事務所で申請し、過去5年分を取り戻すことができる。

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年金改革への主婦の対抗策は「60歳まで第3号、60歳過ぎたら厚生年金」

これまでの年金改革では「パートの専業主婦」(第3号被保険者)が厚生労働省にとって有利な立場として標的にされてきた。

 現在、サラリーマンの妻は働いていても一定以下の収入で夫の扶養家族となっていれば、保険料負担なしで国民年金を受給できる。そこで国は厚生年金の加入義務を強化し、「厚生年金に入って年金を増やしましょう」と加入を誘い、専業主婦に保険料を負担させる方針を推進してきた。「年金博士」こと社会保険労務士の北村庄吾氏が語る。

「大前提として第3号被保険者の妻が厚生年金に加入するメリットはありません。厚生年金に加入すると、夫の扶養家族ではなくなるため厚生年金だけでなく、健康保険の保険料までも負担しなければならなくなる。年金が多少増えても支払う保険料で損をします」

 だが、今回の年金財政検証で示された年金改革で主婦を厚生年金に加入させるという国の方針を逆手にとって、妻が年金で得をする“秘策”がある。

 厚労省は保険料収入を増やすために国民年金の加入期間を45年間(65歳まで)に延長する方針を検討している。ここに“鍵”がある。北村氏が語る。

「現行制度では妻は60歳になると3号の資格を失う。この制度のまま国民年金の加入期間が延長されると、サラリーマンの妻は60歳から5年間、月額1万6410円の国民年金保険料を払わなければならなくなる。

 どうせ保険料を払うのであれば、パートなどで働いている妻は60歳までは3号に残り、60歳以降はパート先の厚生年金に加入した方がいい。厚生年金の保険料は事業者が半分負担するため、妻は国民年金より少ない保険料で、多い年金をもらえることになります」

 例えば、月給8万8000円のパート勤めの妻が厚生年金に加入した場合、給料から天引きされる保険料は月額約8800円。国民年金の半額で、65歳からは報酬比例の年金を受け取ることができる計算だ。

「厚生年金に加入するなら、いっそ勤務時間を増やしてもっと稼ぐ働き方も選択できます。月給16万円で5年間加入すると、保険料は国民年金とほぼ同じですが、年金額はかなり増えます」(北村氏)

 妻が年下であれば、忘れてはならないのが加給年金の申請だ。夫が65歳になって年金を受給すると、妻の年金受給がはじまるまでの間、夫の年金に年間約39万円が加算される。

 これは妻が働いて厚生年金に加入していても、妻の年収が850万円未満であれば支給されるため、忘れずに申請したい。

 妻はパートでバリバリ働いて給料を稼ぎ、夫は年金に“扶養家族手当”(加給年金)の加算をもらう――、これもダブルインカムの手法だ。

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