あなたの健康はお金で買えますか・・・? ■健康・・医療対策・医の常識非常識
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専門医に聞け! Q&A 寝たきりの原因“フレイル”対策

 Q:半年前に踵を骨折して以来、以前のようには外出する気がなくなりました。家の中にばかりいるので、妻に「いまにフレイルになるわよ。寝たきりになっても面倒みないからね」と言われています。フレイルって、どういうことですか。対策法と併せて教えてください。(67歳・無職) A:フレイルとは、高齢者の筋力や活動が低下した状態である要介護前段階のことです。高齢者人口が増えている現在、問題となってきました。

 もう1つ、サルコペニアという概念がありますが、これは高齢期に筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下している状態を示します。サルコペニアは、フレイルの過程の1つで、転倒・骨折、寝たきりなどの原因にもなります。高齢に達しつつあっても、多くの人はフレイルを自覚しません。老化と同じで、徐々に変化が起こるため自覚しにくいのです。フレイルに至るには、社会的、身体的、精神的な3つの条件があります。つまり、出かけるのが億劫で、人と会わなくなります。さらに食事がむせる、階段が上りにくい、転びそうになるなどの身体機能が低下。そして、やる気がなくなります。

 ご質問の方は、踵を骨折したのがきっかけで家の中に引っ込むようになったとのこと。筋肉量は40歳の頃から減少してきます。今のような生活になってからは、筋肉量の減少、筋力の低下に拍車がかかっているのは間違いないでしょう。今の生活を続けると、活動量も低下していき、食欲不振から食事量も低下、慢性的な低栄養に陥るリスクが大でしょう。すると、最後は認知症や寝たきりに陥ると思われます。

 まずは、そのことを認識することが求められます。用がなくても外に出ましょう。社会の刺激を受けると、心も脳も刺激を受けるし、歩くなど体を動かすと食欲もわきます。 なお、私のクリニックではフレイル外来を設けています。加齢の他、骨折、関節リウマチ、変形性膝関節症、脳卒中後遺症、脂質異常症・糖尿病などの生活習慣病などはフレイルの原因になります。それらの患者さんたちに医療機関だからできる筋トレを行い、成果を上げています。

今井一彰氏(みらいクリニック院長)
山口大学医学部卒業。東洋医学などさまざまな医療を駆使し、薬を使わずに体を治していくという独自の観点に立って治療を行う。日本初の靴下外来も設置。

タンパク質を摂り過ぎると起こる5つのこと

そう、良い物は摂り過ぎちゃうことがある。タンパク質は、頑張って鍛えた筋肉を元気に保ち、食後一時間でお腹が鳴るのを防ぎ、代謝を活発にしてくれる。でも、良い物は何だってそうであるように、タンパク質も多ければ多いほどいいとは限らない。その内容をアメリカ版「ウィメンズヘルス」からご紹介。

体重減におすすめのタンパク質16

タンパク質を狂ったように摂りはじめると体に起きる、5つの異常をチェックしよう。
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1.息が変な臭いになる

炭水化物を必要最低限まで減らすと (超高タンパク質な食生活をしていればこの可能性は高い)、体がケトーシスと呼ばれる状態に入り、通常の炭水化物の代わりに脂肪を燃料に使い始める。認定管理栄養士のジェシカ・コーディングによると、これはダイエットにはいい話でも、息にとってはそうでもないらしい。脂肪を燃やす際、体はケトンという化学物質を生成するのだが、これがマニキュアの除光液を飲んだかのような口臭を作り出す。この悪臭は体の内部から湧き起こるものなので、歯磨き、デンタルフロス、デンタルリンスではほとんど効果がないというから最悪。
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2.気分が急に落ち込む

ハルクのように巨大なボディビルダーがジムでブツブツと不満を言っているのは、ワークアウトが激しすぎるからか、単に気分が浮かないからか。脳がムードを調節するホルモンであるセロトニンの生成を促進するには、甘いデンプン質の食べ物に含まれる炭水化物が必要。それを食生活から除いてしまうと、機嫌が悪くなったり、怒りっぽくなったり、文句タラタラになったり。もちろん、科学もこれを裏付けている。過剰体重の成人を対象としたオーストラリアの研究によって、一年間にわたり厳格な低炭水化物ダイエットを行った人々は、高炭水化物・高脂質の食生活を送った人々よりも不機嫌度が高いのに、減らした体重は変わらないことが判明した。
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3.腎臓の調子が乱れるかもしれない

ちょっと科学的な話になるけど聞いてほしい。タンパク質をガンガン摂ると窒素副産物も一緒に摂り込まれ、腎臓がこれを血中からろ過することになる。タンパク質摂取量が正常であれば、窒素は尿と一緒に排出されるので問題ない。でも、大量のタンパク質が摂取されれば、余分な窒素を取り除くために腎臓が普段以上に働かざるを得なくなる。コーディングによると、長期的には、これが腎障害を引き起こす原因になる可能性があるという。

4.胃腸の問題に苦しめられるかもしれない

鶏むね肉とカッテージチーズは筋肉を作る優秀な食材だけど、消化管の調子を維持するために必要な食物繊維は一切含んでいない。つまり、全粒穀物、豆類、野菜、フルーツといった複合糖質を動物性タンパク質で置き替えすぎると、推奨される1日25~35gの食物繊維を摂るのが難しくなる。その結果、便秘になり、お腹が張って、ほぼ全身がむくんでくる。「たぶんこれが、低炭水化物ダイエットを行っているクライアントから最も頻繁に聞く不満」 とコーディングは打ち明ける。

5.体重が増える

高タンパク質の食生活は、短期的なダイエットには効果的。でも、他の物を減らさずに卵白とホエイプロテインだけで乗り切ろうとするなら、体重は減るどころか増えるだけ。事実、長期的に7,000人以上の成人を調査した研究では、タンパク質を大量に摂取した人々が太りすぎる確率は、タンパク質を控えめに摂取した人々に比べて90%も高い結果となった。言い換えれば、ミラクルフードなんて存在しないということ。がっかりさせてゴメンね!

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

「髪の分け方」も要因に 体調不良を引き起こす悪い生活習慣

今年の冬は特に寒いと感じている人は多いはず。外に出ると寒さに思わず身を縮めたり、背中を丸めながら歩いてしまうこの時期は、姿勢が崩れやすい時期でもあります。そして姿勢の悪化は、肩こりや腰痛をはじめとする体の不調や疲れやすさを感じる要因にも。

■知らないうちに姿勢が悪くなる こんなクセに要注意!

「世界一受けたい授業」(日本テレビ)や「ためしてガッテン」(NHK総合)などのテレビ出演でおなじみの医師・竹井仁氏は、著書『疲れない体になるには筋膜をほぐしなさい: たった2週間で姿勢が整い体質が変わる方法』(誠文堂新光社刊)で、姿勢の悪化が体調に与える悪影響を指摘しています。

たとえば日常でついやってしまうこんなクセ。
これらはどれも、体のゆがみを引き起こして、姿勢を悪化させてしまう可能性があります。

・横座りをする時に、いつも同じ側のお尻を下にする
左のお尻を床につけるのが楽なら、左股関節が外に開きやすくなり、右股関節は内側に閉じやすくなります。これがクセになっていると左膝はO脚気味になり、右膝はX脚気味になっているかも。逆の場合は右膝がO脚気味になり、左膝がX脚気味になりがちです。

・椅子から立つ時、両膝をつけたまま立ち上がる
このクセがあると内股になりがちで、立って足を伸ばすとO脚になることが多くなります。

・立っている時にどちらかの足に体重をかける
左足に体重をかけて右足を少し横か前に出して立つクセのある人は、左の骨盤が右よりも高くなりがち。結果的に左脚がO脚気味になり、左足首を捻挫しやすくなります。逆に、右膝は腸脛靭帯炎や鵞足炎、右足は偏平足や外反母趾になりやすくなります。

・ショルダーバッグやトートバッグをいつも同じ側の肩に掛ける
バッグを掛ける側の肩が上がり、反対側が下がりがちです(女性の場合、バッグを掛ける側が下がることも)。これによって肩こりが悪化しやすくなります。

・椅子に座って足を組む時、同じ足を上にする
足を持ち上げやすい側の骨盤は、反対側よりも後ろに傾いてくるそう。これは歩き方に影響してきます。

・デスクワークやスマホゲームをしている時、頭が体よりも前に出ている
いわゆる「猫背」です。本人は楽な姿勢をしているつもりですが、「楽な姿勢=いい姿勢」ではありません。猫背が悪化すると、首や肩のこりや頭痛、腰痛など様々な不調につながります。

・横向きに寝る時、いつも同じ側を下にする
いつも右側が下になる人は、右肩が前に出て「巻き込み肩」になりがち。体の大きな人は逆に上になった左肩の重みで、左が巻き込み肩になることもあります。これもまた肩などの不調の原因になります。

■子どもの頃の習慣が「悪い姿勢」の原因になる

また、竹井氏によると、姿勢を悪化させるのは日頃のクセだけではなく、子どもの頃の環境や習慣も影響するそう。

・赤ちゃんのときのベビーベッドが壁際にあった
ベッドが壁際にあると、親は決まった方向からしか子どもに接することができず、赤ちゃんは壁を背にして寝るクセがつきます。ひどい場合は、頭の下になる側だけが絶壁になることも。

・小さいときから髪を同じ側に分けている
机の蛍光灯の位置や食卓とテレビの位置で、子どもの頃の髪の分け方は決まってきます。左分けなら右側は髪が邪魔になるため、必然的に顔が左側を向きやすくなり、右側にいる人と話す時は身体ごと右を向くクセがつきやすくなります。これも姿勢の悪化につながってしまいます。

・座る時は「あぐら」か「割り座」か
小さい頃からあぐらをかく習慣がある人は股関節が外側に開くためO脚にやりやすく、割り座をする習慣がある人は、股関節が内側に閉じてX脚になりやすくなります。

日常生活の様々な習慣やクセによって、私たちは知らない間に姿勢を崩してしまいます。本書ではそれを正すために、竹井氏が提唱する「筋膜リリース」という手法を紹介。長い時間をかけて少しずつ崩れていった姿勢の改善と、疲れにくい体を目指していきます。「疲れがとれにくい」「体のあちこちが痛い」など慢性的な体の不調を感じている人は、まずは自分の姿勢から見直してみると、現状を変えるきっかけになるかもしれません。

ココで調べよう!「信頼できる医療情報」を手に入れる方法

◆信頼できる健康情報・医療情報とは?

みなさんは、医療に関する情報をどのようにして手に入れていますか? インターネットで検索する方も多いでしょうし、実際に病院や診療所にかかられているのであれば、医師や看護師からお話を聞くこともあるでしょう。昨今は多くの病院で「病院図書館」を設置するようになったので、こういったところで情報収集される方もいるかもしれません。

日常的には、雑誌やテレビで紹介された健康情報などを見て、「○○が××に効くんだ」と思うこともあるでしょう。身体によいものの情報を、お友達や家族から伝えられることもあるかもしれません。手に入る情報が多い現在、中には相反する情報に出くわすことも多く、何が本当なのかわからなくなって戸惑われることもあるかもしれません。

まずこの記事では、専門的な医療知識を持たない方もも、医療に関する正確な情報が手に入る情報源として知っておきたいサイトと、それがどれくらい信頼できると考えて良いのかを含めて解説します。
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◆世界の医療者が診療方針の確認で使用する『コクラン』

医療に関する情報で最も信頼されているサイトとして挙げられるのが、国際的な組織である『コクラン』によるコクランライブラリです。

■コクランライブラリ
http://www.cochrane.org/ja/evidence

コクランは、世界の医療者が自分の診療方針をまず確認するベースとなるものであり、逆にコクランで確立していないことは、医療者によって方針や考え方が異なるような確実とは言い切れない治療法・診療方針なのだと理解していただければよいと思います。

コクランは、信頼性の高い情報を医療者と患者市民に提供することで医療を変えていこうと1992年に設立された、医療者、研究者、市民の国際的な集まりです。

医療の世界では、一つ一つの診療行為が、効用に関しても安全性に関しても、命がかかわるため、慎重に検証が行われてきました。この慎重な検証のもっとも一般的な例が、「ランダム化比較試験」というものです。

ランダム化比較試験では、一定の状態や病気の患者さんをくじ引きの原理で「ランダム」に選び、治療を受けるグループと、治療を受けないグループに分けます。その結果を比較することで、この治療法の効果や安全性を検証します。

この「治療」が一般的な投薬の場合は、治療を受けない群は、その治療薬に似せて作られた無害の薬(偽薬といいます)の投与を受けることも多いです。

治療効果には、気持ちや思いが影響することも多いので、治療を受ける側の患者はもちろん、薬を提供する医療者側も、治療を受けているのがどちらのグループかわからない状態にして検証するこの方法が、最も「確かな」方法とされています。

コクランでは、一つの治療法や課題に関して、こういった「確かな」方法で行われた過去の研究を洗いざらい探してきて、一つ一つの研究で取られた方法などについて客観的かつ厳密に評価して、信頼に足るものだけをまとめるということをしています。これらのまとめを「コクランレビュー」といいます。

コクランレビューは、世界中の医師やその他の医療者が、診療方針を決めるときに参考にするだけではなく、平易な言葉によるまとめも同時に作成されますので、一般市民や患者さんも積極的に閲覧しています。

現在まで、7000以上の治療法や課題に関するコクランレビューが公開されています。もともとは英語で書かれていますが、各国語で翻訳もされていて、日本語に翻訳されているものも随分と増えていますので、上手に活用していただきたいサイトです。

◆コクランレビューの使い方

コクランレビューの実際の使い方について解説します。『エビデンス』ページで、知りたい病気や治療法の言葉を検索するだけです。

コクランレビューには、病気の治療法だけではなく、病気にかかっていない人がより健康になるための方法、病気にならないための予防法についての情報も掲載されています。

実際にいくつかの疑問に関して、見てみましょう。

■腰痛に対して実際にヨガは有効なのか
「ヨガ 腰痛」という言葉で検索すれば、複数のエビデンス記事が出てきます。検索の最初に表示される『非特異的な慢性腰痛に対するヨガ療法』という記事はこの疑問のわかりやすい回答になるでしょう。

■ヨガで生活習慣病を予防できるのか
「ヨガ 生活習慣病」と検索すれば、同様に複数の記事が出てきます。『心血管疾患予防のためのヨガ』などのまとめが、その回答になると思います。

■果物や野菜をたくさん摂れば、生活習慣病の予防になるのか
こちらも、「果物 野菜 生活習慣病」と検索をすると、トップに『果物や野菜の摂取量増加による心血管疾患予防』という記事が出てきます。これらの疑問に対する公正で信頼性の高い検証をされた情報を知ることができます。

また、このコクランの姉妹組織に『キャンベル』というグループもあります。健康医療情報からは少し逸れますが、こちらのグループでは、コクランと同じ方法で、教育や福祉や犯罪といった分野で信頼できる情報を提供しています。

キャンベルレビューでは、たとえば、学校でのいじめを減らすための方策について「School-based programs to reduce bullying and victimization(英語)」などのまとめが作られています。

これらのまとめは、関心のある研究者や医療者、市民が、国を超えてチームを作り、ボランティアで作成しています。ただ、作成するための方法が厳密で、きっちりと標準化されています。定期的に最新の情報にしています。

こういったこともあり、世界の医療者が自分の診療方針をまず確認するのが、コクランであり、逆にコクランで確立していないことは、医療者によって方針や考え方が異なるような治療法・診療方針なのだと理解していただいたらと思います。


◆標準的な日本の診療方針が確認できる『マインズ』

似たような活動で、「診療ガイドライン」というのも存在しています。

様々な医療分野ごとに学会がありますが、それぞれの専門の学会の先生方が上記のコクランレビューなどを参考にして、日本での診療方針について、まとめた文書です。

厚生労働省が積極的に支援し、日本医療機能評価機構という団体が、これらの学会のガイドラインで特にしっかりと作成したものを集めて公開しているサイトが『マインズ』です。

■マインズ
https://minds.jcqhc.or.jp/

『マインズ』では、日本語で、日本の状況に合わせて、それぞれの病気の標準的な診療方針を確認することができます。
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◆病気の体験談がデータベース化されている『ディペックス』

特に病気の診断をされた方にとって一番知りたいことは、一般的な健康情報・医療情報ではなく、その病気になることでどんな体験をするのか、これから患者としてどうなるのか、ということかもしれません。実際の患者さんの「闘病記」という形でブログや本なども多く見られます。

これらの病気の体験をデータベース化している活動があり、「ディペックス」といいます。

■ディペックス
http://www.dipex-j.org/

こちらも国際的な活動ですが、『ディペックス・ジャパン』として、日本でもさまざまな病気の体験をした患者さんの生のことばもデータベース化されています。

様々な健康情報、医療情報が最先端の研究として騒がれることもありますが、エビデンスが確かでないものや、まだ動物実験による研究段階で人の身体への実際の効果や影響が明らかでないものも多々あります。

まずは、これらの実際に医療者が利用しているサイトなども見る習慣をつけて、健康情報の信頼性を見る力をつけていくことも大切かと思います。 信頼できる情報源やその見分け方についてのコツに関しても、これから解説していきたいと思います。

疲れたときこそ!「休むより運動」が疲労回復のコツ

◆積極的休養(アクティブレスト)とは……疲労回復に効果

疲れている時に運動なんて面倒だと感じる人もいるかもしれませんが、適度な運動は疲労回復に効果的。「積極的休養(アクティブレスト)」によって血流を良くし、疲労回復を早めることについてアスレティックトレーナーが解説します。

スポーツ現場ではすでに多くのところで取り入れられている「アクティブレスト」。日本語では積極的休養と呼び、疲れた時にあえて体を適度に動かして血流を良くし、疲労回復を早める考え方です。

一般的によく知られているのは、運動の後に行うクールダウンでしょう。クールダウンを行う理由としては、運動中に発生した疲労物質をすばやく分解し、代謝を促すようにするため、ダメージを受けた筋肉の再生を促すため、一過性の脳貧血を予防するため、といったことが考えられます。メインの運動後に軽いジョギングやウオーキング、ストレッチなどを行って、急に血流が落ちないようにすることで、疲労状態から回復することを目的としています。
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◆体の疲れの種類……「肉体労働の疲労」「動かない疲労」

スポーツを行う、肉体労働をするなど、体を使ってクタクタになるという疲れは、疲労物質が筋肉内にとどまり、うまく代謝できていない時に感じられます。また筋肉痛は筋肉が伸び縮みを繰り返すことで小さなキズができ、それを修復する過程で起こる生理現象です。そのため、先に挙げたクールダウンのように、血流を良くして疲労物質を分解・代謝させることが大事になります。

一方で体をあまり動かさないことによる疲れもあります。たとえば、仕事で同じ姿勢を長く続けていたり、接客などで長時間立ちっぱなしの状態が続いたりすると、血液循環が悪くなります。すると体のだるさや疲労感を感じ、筋肉が硬くなることによる肩こりや腰痛、冷え性、筋緊張性の頭痛などさまざまな症状も起こります。
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◆運動で血流を改善することは疲労回復のカギ

ここまででピンときた方も多いと思いますが、体を動かした疲労、動かさなかった疲労、どちらにも共通するポイントが「血流」です。血流が良くなると…

●筋肉内にたまった疲労物質を早く代謝することができる
●傷んだ筋肉の修復を早める
●筋肉が硬くなってしまうのを防ぐ
●むくみなどを解消する
●酸素と栄養素を体の隅々まで運び、二酸化炭素と老廃物を分解するサイクルが速まる

といったことが考えられます。血流を良くする適度な運動は、どちらの疲労にも大きな回復効果が期待できるのです。

また、運動によって酸素と二酸化炭素のガス交換も活発となり、脳にフレッシュな酸素がいきわたると頭がスッキリして気持ちもリフレッシュします。運動をするといいアイデアが思いついたり、気持ちが明るくなったりするのは、脳への酸素供給によって、より活性化されるからと考えられています。

◆疲れを解消する適度な運動とは……ウオーキング・プール等

疲れたなと感じたら積極的に体を動かすようにしてみましょう。近所を軽くウオーキングする、ゆっくりとストレッチを行うといったことでも構いませんし、近くにプールがあれば、泳ぐことも立派なアクティブレストの一つです。特に水中では浮力と水圧が体にかかり、心地よい運動でもかなりエネルギーを消費し、血流が促されます。

どの運動においても気をつけたいのは、息が切れるほどの運動ではなく、隣の人と楽しく会話できる程度の適度な運動であること。疲れをとるための運動が、さらなる肉体的な疲労度を増すことのないように、心地よい程度に体を動かすようにしましょう。

長時間のフライトの際に問題となるエコノミークラス症候群も、体を動かさないことによる血行不良が大きな要因となっています。体を動かさないことは、やはり健康には良くないのです。

疲れたからといって部屋でごろ寝をしてしまうのは、さらなる疲労の元。ほんの少し意識するだけでもずいぶん疲労感が変わってきますので、ぜひ積極的に適度な運動を心がけてみてくださいね。

慢性疲労症候群によくある7つの症状

あなたの疲労レベルは正常? その内容をオーストラリア版「ウィメンズヘルス」からご紹介。自分で自分を疲れさせているにせよ、健康状態に問題があるにせよ、たまに疲労を感じるのは自然なこと。でも、どんなに寝ても消えない原因不明の頑固な疲労を抱えているなら、筋痛性脳脊髄炎としても知られる慢性疲労症候群かもしれない。

原因が一つも特定されておらず、症状が他の病気と間違われやすいため、この消耗性疾患は診断が難しい。以下の症状がいくつか見られるなら、医師に相談してみよう。

1.疲労
慢性疲労症候群はよくある倦怠感ではない。慢性疲労症候群と診断されるには、疲労が深刻すぎて日常生活に支障をきたし、睡眠で改善されず、少なくとも6ヶ月は続く必要がある。

2.記憶喪失
記憶や集中力の喪失、視力障害、動作のぎこちなさは慢性疲労症候群のサインかもしれない。

3.睡眠障害
慢性疲労症候群を抱える人には、完全に疲れ切っているのに夜眠れない人が多い。

4.筋肉の痛み
筋肉痛、関節痛、頭痛は慢性疲労症候群の症状の一部。

5.風邪っぽい症状
慢性疲労症候群には、喉の痛みや押すと痛いリンパ節の腫れといった風邪っぽい症状が現れることもしばしば。

6.過敏さ
匂い、手触り、光、音、食べ物、化学物質に対して非常に神経質になっているのは、慢性疲労症候群の兆しかもしれない。

7.体を使った後の疲労
“立つ” といったちょっとした動作が動悸、蒼白、めまい、息切れなどを引き起こす。

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

肥満を防ぎ健康になれる「ベストな食事のタイミング」とは

「食事のタイミング」が注目を浴びています。というのも、近年の研究によって、食事のタイミングが人間の体に予想以上の大きな影響を与えていることが明らかになってきたからです(※1)。

さらに、食事のタイミングによって調整される“体内時計”が、がんや糖尿病の発症、人が死ぬ時間にまで影響を与えているとも考えられています(※2)。そして、この体内時計と栄養学とを融合させた「時間栄養学」という研究分野が、ここ数年で急速に発展しています。今回はその「時間栄養学」の研究から得られた新しい知見を、ご紹介します。

■日本発の学問「時間栄養学」とは
「時間栄養学(Chrono-nutrition)」は、体内時計に関する研究分野である「時間生物学(Chronobiology)」と、栄養素や代謝に関する学問の「栄養学(Nutrition)」とが重複する部分に着目した新しい学問領域です。2005年に日本で提唱されました。

その背景には、日本人の総カロリー摂取量が年々減っているにもかかわらず、糖尿病や肥満患者は増え続けているという矛盾にあります。これまでは脂肪摂取量の増加や運動不足が原因と考えられてきましたが、この「時間栄養学」の研究の進展により、“栄養効果は時刻によって変化する”ことが判明しました(※2)。

■食事が体内時計を調整する!
われわれの体内時計の周期は、約24.5時間であることが知られています。実際の1日は24時間ですから、毎日0.5時間のズレが生じることになりますが、近年の研究から、この体内時計のズレをリセットする要因の一つが食事にあるとわかりました(※3)。

じつは食事は、全身に存在する“時計遺伝子”のスイッチとして働いており、循環・呼吸・消化・生殖・体温調節など多くの身体機能のサイクルが「食事をいつ食べたのか」を目安にして決定されていたのです(※4)。

とくに活動期の開始時刻と認識される“朝食の摂取時刻”は重要です。そして不規則な食事パターンは、記憶力・集中力・思考のスピード・運動能力など、日々のパフォーマンスに悪影響を与えることが多く報告されています(※5)。

■時間帯によってカラダの働きは異なる
ホルモン分泌や胃腸の動きには、人間に元来備わっている一定のリズムがあります。それを下の図にまとめました。このリズムと合わせて食事をとることが、効率よく栄養を摂取する秘訣となります。

例えば、消化液の分泌や胃腸の活動は昼にピークを迎え、夜は落ちるため、夜は食事の量を減らすことが推奨されます。

個々にあった食べる時間、食べる量、食べる物を調整することで、確実に体重コントロールでき、長期にわたる病気の予防ができるのです。

■食事のタイミングがカラダに与える影響
興味深い実験結果をひとつ紹介します。ネズミを2群に分け、朝食と夕食で脂肪の比率を変えた食事を食べさせたところ、同じカロリーを摂取しているにもかかわらず、夕食に高脂肪食を食べたグループが肥満やインスリン抵抗性(インスリンの効きにくさ)が増えていました(※6)。

また、15時前に昼食をとるグループとそれ以降に昼食をとるグループが同じダイエットプログラムを行い、20週後の体重を比較する、という研究をご紹介します。同じ食事内容・エネルギー消費であるにも関わらず、20週後の体重減少の割合は、前者の方が後者より約2キロも多く体重が減っていました。つまり、遅い昼食はダイエット効果を弱めてしまうのです(※7)。

このように、たとえ同じ量の食事であっても、摂取時刻によってエネルギー代謝は大きく異なり、栄養効果が大きく異なるのです。

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以上、今回は近年の研究で明かになった「食事のタイミング」の重要性について説明しました。ホルモン分泌や胃腸の動きには人間に元来備わっている一定のリズムがあり、それをうまく利用できれば長期にわたる病気の予防ができます。一方で、このリズムに反する生活を続けると糖尿病や癌になりやすい体質となってしまうので注意が必要です。生活リズム、嗜好など個々人によって大きく異なるため、専門の医師のサポートを受けて実践されることを推奨します。

【参考文献】
※1 Knutsson. Occup Med. 2003; 53:103-108.
※2 Hiroaki Oda, et all. J Neu Sci Vitaminol. 2015
※3 Bradley v Vaughn, et al. ChronoPhysiology and Therapy. 2014: 4; 67-77.
※4 岡村, 他. 日消誌. 2005; 102:1259-66
※5 Goel N. Prog Mol Biol Transl Sci.2013; 119: 155-90.
※6 柴田重信. 解説 時間栄養学. 2012
※7 Garaulet, M., et al. International journal of obesity. 2013: 37; 604-11.

文/中村康宏
関西医科大学卒業。虎の門病院で勤務後New York University、St. John’s Universityへ留学。同公衆衛生修士課程(MPH:予防医学専攻)にて修学。同時にNORC New Yorkにて家庭医療、St. John’s Universityにて予防医学研究に従事。

大腸がんの予防にも!?風邪対策のための免疫力アップには「にんにく」が効果的!

 本格的に冷え込む季節が到来! 風邪を引かないためにも、免疫力をアップさせて、強くなるための体づくりが必要です。みなさんは、どんな風に体づくりに励んでいますか?免疫学者の藤田紘一郎さんの著書「腸内フローラ免疫力アップレシピ」(扶桑社刊)によると、9割の病気は「腸内フローラ(腸内細菌の様相)」が関係しているそうで、このバランスを整えることで、さまざまな症状が改善することがわかっているのだそう。

 ところで、病気といえば恐ろしいのはがんですよね。そのがんの中でも、大腸がんを予防するためには、腸内環境をよくすることが大切。そのためには、善玉菌を増やす食物繊維を摂ることがポイントになるそうです。ただ、最もがん予防効果が高い食材は、意外にも「にんにく」なんだそう。食物繊維を食べていればいい、というわけではないようです。

 にんにくをうまくメニューに取り入れるためには、他の調味料に漬け込んだり、タレに使ったりするのもオススメです。タレントの中川翔子さんが焼肉パーティーで作っていた「アボカドにんにく漬け」や、紺野あさ美さんが作った「ねぎ塩豚丼」のタレも参考になりますね。ちなみに、このタレは、塩、生姜、にんにく、ごま油、お酒、鶏ガラスープの素などを使って作ったそうですよ。

 疲労回復のためのスタミナ食としても知られているニンニク。モリモリ食べて免疫力をアップさせ、風邪だけでなく病気予防にも役立ててください。

脊柱管狭窄症は厄介な病気 自分に合った治療法を見つけるべき

 【Q】MRI画像により「脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)」と診断され、投薬治療を受けていますが、全く効果がなく、痛みとしびれが続いています。もっと有効な治療法はありますか?(60代・男性)

 【A】脊柱管狭窄症というのは非常に広義の病名で、その原因には、椎間板ヘルニアや椎体すべり症、黄色じん帯骨化症などの疾患があります。原因によっては、手術で有効に治療できることもありますが、身体にメスを入れることには、みなさん、なかなか抵抗があるようです。

 脊柱管狭窄症の痛みやしびれに対する治療は、いまや全ての整形外科医が頭を抱えている大きな課題で、漢方と血流改善剤だけで8割治せると豪語する先生もおられれば、プラセンタ(胎盤エキス)の注射だけで1日200人の患者さんを診ている先生も居られます。もちろん、全部手術で直すと張り切っておられる先生も。

 それで、私がどうしているかと言いますと、要はこれらの先生の良いトコ取りです。飲み薬、プラセンタ注射、そして月に2回、ペインクリニックの専門医に来ていただいて、腰椎硬膜外ブロック注射も行っています。

 ブロック注射は医者のスキルが結果を大きく左右しますので、当院では私が西日本一の腕前と信じる先生をお招きしています。ですが、それでも100%の人に効果があるとは言い切れません。

 脊柱管狭窄症はそれほどやっかいな病気なのです。治らないと嘆かずに、ドクター・ショッピングとまでは言いませんが、いろいろな先生の意見を聞いて、いろいろな治療を受けてみて、自分にあった治療法を見つけるのが、最善だと思います。

 ◆回答者プロフィール 松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、(社)日本臍帯・胎盤プラセンタ学会会長。

冬美肌の秘訣は「洗顔・保湿ケア・マッサージ」

東京ミッドタウン(東京・港区)で12月2日(金)~3日(日)に開催された「WOMAN EXPO TOKYO 2017 Winter」。12月3日には、2名の専門家を招き「冬の乾燥期をしっとり乗り切る最新スキンケア」が開催されました。年齢や環境による肌への影響、最新の肌動向に関する解説をまとめてご紹介します。

●肌からのSOS! 自分でできる乾燥チェック

 近年、都会の冬の乾燥が今までにないほど進んでいるといわれています。乾燥すると肌のバリア機能が落ちるというのはよく知られた話ですが、実はそこから侵入した物質が体内を巡り、あちらこちらで不調を起こしているという研究結果もあります。日経BP総研主席研究員の西沢邦浩によると、新生児期の湿疹がアトピー発症の原因の一つにもなっているとする研究もあるのだそう。

 「自分で上手に食べられない赤ちゃんが口元を汚してしまっている姿、よく見ますよね。『かわいい~』とつい笑顔で見守る親御さんもいるかもしれませんが、こうした汚れなどによって湿疹ができると、そこから入ったアレルゲンがアトピーを引き起こすケースがあることが分かってきました。肌はデリケート。赤ちゃんだけでなく、年齢を問わず、丁寧なスキンケアを心掛けたいものです」(西沢)

 乾燥による肌荒れを防ぐに当たり、まず知っておきたいのが自分の肌の乾燥度合い。津田クリニックで皮膚科医として数々の臨床経験を行い、美容のプロからも注目されている津田攝子さんに、その場で簡単にできる乾燥チェック方法を教えてもらいました。日ごろの生活を振り返り、以下の8項目をチェックしてみましょう。

1.女性である
2.40歳以上である
3.アレルギー(アトピー)体質である
4.ストレスが多い。イラッとすることが多い
5.寝不足気味である
6.ダイエットしている
7.エアコンの効いた環境にいる
8.ゴシゴシ洗顔する/キュキュッと洗うのが好き

 すべて当てはまる方は要注意。一部だけ当てはまる人も、年齢や状況によってさまざまな症例につながるようです。津田さんは肌の細胞を使ったテストを行い、年齢別に角質細胞の様子を調べました。

 「20代の患者さんはアレルギー体質の方でした。PM2.5や黄砂の飛散数値が高い日にはかゆみが増すため、症状悪化の原因として大気汚染の影響が疑われました。30代の患者さんは肌のきれいな方でしたが、冬になるととても乾燥するそうです。美肌に見えても、バリア機能のある肌でないと不具合が起きてしまいます」(津田さん)

 また、今まで保湿対策をしていなかった40代の方や、更年期を迎えた50代の方は、肌の変化が顕著に表れていました。

 「40代の患者さんはベタつく化粧品が苦手な方。Tゾーンが脂っぽく保湿ケアをしなかった結果、不安定な肌になってしまいました。50代の患者さんは更年期で急に化粧品が合わなくなってしまったとのこと。家庭内での心配事も重なり、角質細胞が厚く剝がれてしまうもろい肌になっていました」(津田さん)

 しかしどの患者さんも、皮膚の細胞配列を整えるケアをした結果、ツヤのある強い肌に変わったそう。津田さんによると、毛細血管から皮膚へ十分に栄養を運ぶことで細胞の形が整い、刺激に強く潤いが抜けにくい肌になるとのことです。では、私たちが日常的なケアを通してこのような肌を手に入れるには、どうすればよいのでしょうか?

乾燥肌撃退ケア 3つのポイント

 津田さんによると、普段のケアで気を付けるべきポイントは「洗顔」「保湿ケア」「マッサージ」の3つ。

 まず「洗顔」で心掛けたいのは、優しく洗うこと。汚れを落とすためゴシゴシ洗ってしまうのは肌に負荷がかかってしまいます。特にシミが気になっている人は無意識にシミの部分を強く入念に洗いがちですが、こすればこするほど刺激になります。頬骨の一番高くなっている部分も力を入れがちなので要注意です。

 続いて「保湿ケア」は、日中のお手入れが肝心。暖房の効いた部屋は空気が乾燥しているため、朝晩だけの保湿ケアでは足りないことも。40代以降の人は日中もファンデーションの上から保湿クリームを軽く塗るようにしましょう。指先にのせてとんとんと付けるイメージです。

 3つ目の「マッサージ」は、血行を促すためのもの。津田さんが開発した「津田攝子式静脈マッサージ」には、寒い冬に血行をよくして肌に栄養を行きわたらせるためのテクニックが含まれています。

 「血液の流れが滞りやすい性質がある静脈の位置をとらえて押し流せば、血行が改善されます。血管を道に例えると、太い静脈は交通量の多い幹線道路です。片道1車線の旧道を一生懸命に流すより、広い道路をとらえて流すほうが渋滞が解消されやすいように、主な静脈の道筋をとらえて流すと、効率よく血行を改善することができます」(津田さん)

 マッサージの核となるのが、顔の中心から外側に向けて静脈の流れに沿って促す動作です。津田さんは医療現場での考察をもとに、静脈が心臓に向かって血液を戻していく道筋を踏まえたマッサージを開発しました。

 「流れの目標地点を、太い静脈が流れている(1)耳珠(耳の穴の前)・(2)耳たぶのつけ根・(3)マンディブラーノッチ(顎の骨の角から1センチほど内側にある骨のくぼみ)に定めます。この3点をきちんと踏まえた上でマッサージを行うと、顔のむくみが解消されやすくなりますよ」(津田さん)

 このとき気を付けたいのが、摩擦しないようにマッサージをすること。力を入れ過ぎると肌に刺激を与えてしまいます。津田さんによると、血管はゴムホースのようなもの。表面をこするのではなく、圧をかけてしごくように手を動かしましょう。

今話題の「ヘパリン類似物質」とは?

 セッションの最後に注目を集めたのは、ヘパリン類似物質でした。約70年前にドイツで発見されたこの物質は、細胞に浸透するため肌表面の保湿効果を高めるといわれています。長年研究に携わっていた小林製薬の亀井枝里子さんによると、ヘパリン類似物質はコラーゲンやコンドロイチンに近い構造をしているとのこと。現在医療現場では、乾燥肌の治療薬として最も多く処方されている成分だそうです。

 「研究を進めたところ、ヘパリン類似物質は肌の奥まで浸透し、他の物質よりも保湿効果が高いことが分かりました。個人差はありますが、乾燥肌の改善を実感しやすい物質だと思います」(亀井さん)

 早急な治療が必要な場合は病院でも処方されますが、美容目的で使用する場合はドラッグストアでの購入がおすすめです。医療用と同様にヘパリン類似物質が配合され、さらに化粧品技術が応用されているため使用感も良好だそう。

 「べたつく化粧品が苦手な方は、ドラッグストアで販売されている小林製薬の『Saiki』を試してみてください。ローションタイプ・乳液タイプ・クリームタイプがあるため、お好みや使用シーンに合わせて選ぶことができます」(亀井さん)

 亀井さんが特に愛用しているのはクリームタイプ。外出時、ポーチに入れて持ち運ぶことができ、津田さんの話にあったようにファンデーションの上から塗り込んでいるそうです。また日経BP総研の西沢によると、男性が使いやすいのはローションタイプではないかとのこと。保湿というと女性向けのケアだと思われがちですが、実はひげそりの後に使っている男性もいるようです。

 「大気汚染が進んでいる今、肌の保湿は紫外線予防と同じくらい重要視されています。まずは、洗顔・保湿ケア・マッサージという3つのポイントを忘れないこと。十分に栄養が行き届いた肌を保つためには、何よりも毎日のケアが大切です。細胞をしっかりつくることで外的な刺激から肌を守りましょう」(津田さん)

 乾燥しがちな冬、肌の保湿ケアには十分気を付けたいですね。

“亭主を早死させる10カ条”と、それに対抗する2つの習慣

“亭主を早死させる10カ条”をご存知でしょうか? 日頃、夫婦仲睦まじく暮らしている方も、微笑みの裏で妻が粛々とこれを実行しているかもしれません。恐ろしいことに、これをされると、誰もがひとたまりもなく生活習慣病になってしまうのです!そこで今回は、“亭主を早死させる10カ条”に対抗して、生活習慣病になりにくい体を作るための《食養生》の2つのポイントについて、『やすらぎ内科』院長の新谷卓弘先生に伺いました。

■『亭主を早死させる10カ条』とは
1970年、ハーバード大学の栄養学教授であったジーン・メイヤーが提唱したのが『亭主を早死にさせる10カ条~気楽な未亡人になりたい人のために』です。すなわち、次の10カ条です。

(1)夫を太らせなさい。
(2)酒をうんと飲ませなさい。
(3)夫を座らせたままにして運動をさせないようにしむけなさい。
(4)牛や豚などの飽和脂肪酸の多い肉や、エビ、カニ、卵などコレステロールの多いものをたくさん食べさせなさい。
(5)血圧が高くなるように塩分の濃い食餌に慣れさせなさい。
(6)濃い珈琲をたくさん飲ませて睡眠不足にさせなさい。
(7)タバコを勧めなさい。
(8)夜更かしを勧めて睡眠時間を短くさせなさい。
(9)休暇は取らせないようにしなさい。
(10)仕上げに、いつも文句を言って夫をいじめなさい。

この10カ条は、飽和脂肪酸やコレステロールの多い食材の過食、塩分摂取量の増加、運動不足、睡眠不足、喫煙、精神的ストレスを日々与えることで、肥満にさせ、高脂血症や高血圧、糖尿病、果ては癌になるように仕向けることができます。裏を返すと、健康寿命を伸ばすためには、このメイヤーの10カ条とは反対のことを実践すれば良いということになります。妻のもくろみに強力に対抗するには、以下の2つを実践すればよいのです。

■1:糖質を減らして太りすぎを防ぐ
日本人は、少し太っただけでも生活習慣病になりやすい体質の民族であり、それは遺伝的なものと考えられています。そのため、肥満を助長するような糖質の多い食材を摂りすぎないようにすることが重要です。具体的には、米やパン、うどん、そば、粉もの、こんにゃく以外の芋、大豆以外の豆、アボカド以外の果実などです。これらには糖質がたくさん含まれています。

実は肥満の根本的な原因はカロリーではなく、糖質の摂り過ぎによる血糖値の上昇にあるのです。最近発売された糖尿病の薬「SGLT2阻害薬」は、血中の糖を尿から排泄する働きを持っています。そのため、この薬を飲んで、かつ食事内容を変えなければ、糖尿病患者さんの血糖値は下がり、痩せることができるのです。つまり糖質を減らして高タンパクと良質の脂肪食(αリノレン酸、DHA、EPA、γリノレン酸、オレイン酸など)を摂ることで、運動量を増やさなくても体重を減らすことができます。運動療法と合わせるのが理想ですが、多忙な現代人が効率良く減量するには食事内容の見直しが必要です。

■2:体を温める食事で体温を上げる
診療をしていると、果物や酢の物、サラダ(青汁も含む)、砂糖(主に白砂糖)、乳製品をたくさん摂っている患者さんが多いと感じます。でもこれらの食品は、東洋医学では体を冷やす《陰性食品》といい、健康を保つ上で足を引っ張る大きな負の要因になります。体だけでなく、感動できない、関心が薄れるといった心の冷えまで生じると報告されています。

1957年に東京大学の田坂先生らが、10~50歳代の3,094名の日本人の体温を測定した時の平均体温は36.89℃でした。しかし約50年後(2008年)にテルモが1,000名を対象に測定した平均体温は、大人が36.14℃、子供が36.39℃だったのです。つまり、50年のうちに日本人の体温は下がってきているのです。 体温が下がるとリンパ球の働きが悪くなるため、免疫機能が低下し、基礎代謝も低下するために、太りやすくなります。また癌にとって都合のいい「低体温」「高血糖」「低酸素」という環境にもなりやすいのです。

つまり、生活習慣病を予防するには体温を上げることが肝要なのです。そのためには、体を冷やす食品を少なくして、大豆や生姜、ごぼう、にんにく、ニラなど体を温める食品を食べましょう。また、体を温める食品なのか冷やす食品なのか迷った時は、りんごは焼きりんごに、サラダは温野菜にするなど、食材を加熱もしくは天日干しにすると体に優しい食品になります。

以上が、生活習慣病になりにくい体を作るための《食養生》の2つのポイントです。妻の陰謀に対抗するためにも、ぜひ実践してみてくださいね!

談/新谷卓弘 先生
1983年 富山医科薬科大学医学部卒業後、飯塚病院漢方診療科医長、富山医科薬科大学。和漢診療学教室医局長、鐘紡記念病院和漢診療科医長、岡山大学医学部講師(東洋医学)、近畿大学東洋医学研究所教授、森ノ宮医療大学保健医療学部鍼灸学科教授を歴任し、2016年9月に埼玉県さいたま市にて「やすらぎ内科」を開院。2007年12月、富山大学医学部 和漢診療学講座同門会会長。『心に効く漢方~あなたの「不定愁訴」を解決する』(PHP研究所)、『最新情報 漢方』(NHK出版、共著)、『現代漢方を考える』(薬事日報社、共著)、『冷え症・むくみ。ホントなの ウソなの』(環健出版社)、『専門医のための漢方医学テキスト』(共著、社団法人日本東洋医学会)など執筆。

取材・文/わたなべあや
1964年、大阪生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。2015年からフリーランスライター。最新の医療情報からQOL(Quality of life)を高めるための予防医療情報まで幅広くお届けします。趣味と実益を兼ねて、お取り寄せ&手土産グルメも執筆。
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インフルエンザ患者数 薬局サーベイランス史上最多を記録 今週(1/22~28)は更に患者数増加と予想 厳重な警戒を

インフルエンザの流行が非常に大きくなっています。不要不急の外出を控えてください。発熱、咳、のどの痛みなどの症状みられた場合は、速やかに医療機関を受診してください。

 1/15~21(第3週)の推定患者数は約180万人と、薬局サーベイランスが始まって以来の最多数を更新し、今シーズンのインフルエンザは既に大きな流行となっていますが、今週1/22~28(第4週)は更に患者数が増加する事が予想されます。しばらくはインフルエンザの流行に厳重な警戒が必要です。

◆流行のようす
 1/15~21(第3週)の1週間当たりのインフルエンザの推定患者数は前週の値(1,003,935)を大幅に上回って1,775,796となり、2009年に薬局サーベイランスが開始して以来の最多数を更新しました。週明けの1/22(月)の推定患者数は404,925と今シーズンの1日当たりの推定患者数の最多数を上回っており、1/22~28(第4週)の患者数は更に増加する可能性が高いと思われます。

◆都道府県別情報
 都道府県別人口1万人当たりの1/15~21推定受診者数、多い順
 福井県
 大分県
 三重県
 熊本県
 鹿児島県
 静岡県
 宮崎県
 奈良県
 高知県
 福岡県
 岐阜県
 
 ※全国で増加が見られました。

 ※中部以西に全国平均値を上回っている地域が多くなっています。

◆累積患者数
 2017年9月4日~2018年1月21日までの累積の推定患者数は4,843,001でした。

 2017年10月1日現在の人口統計を元にした累積罹患率は3.82%でした。

◆年齢群別情報(累積罹患率)
 5~9歳(15.97%)
 10~14歳(11.12%)
 0~4歳(8.83%)
 15~19歳(5.49%)
 40~49歳(3.52%)
 30~39歳、(3.43%)
 20~29歳(3.09%)
 50~59歳(2.89%)
 60~69歳(1.88%)
 70歳以上(1.12%)
 
 ※特に14歳以下の年齢層の患者数の急増が目立ちます。

◆ウイルスの型
 国立感染症研究所感染症疫学センターの病原微生物情報によると、今シーズンこれまでのインフルエンザ患者由来検体から検出されたインフルエンザウイルス(1,625検体解析)の順
 A/H1pdm 51.4%、
 B型29.5%
 A/H3(A香港)亜型19.0%
 AH1pdmが約半数を占めていますが、B型(特に山形系統)の割合が増加してきています。

◆感染予防
 この時期にできる感染症対策は、咳エチケットです。

 マスクをつけて、人に飛沫を浴びせない、そして、人からも飛沫を吸い込まないようにすることです。

 正しいマスクのつけ方はできるだけ隙間をなくすということが重要です。 鼻を出してマスクをつけるのは、意味がありません。

<正しいマスクのつけ方>
(1)鼻を覆い、ノーズピースをしっかりと折り曲げ鼻にフィットさせる。
(2)プリーツをしっかり広げる。
(3)顎までしっかりと覆う。

※薬局サーベイランスとは、全国およそ1万箇所の薬局での調剤情報を集計することでインフルエンザ患者数を推計する調査(運用:公益社団法人日本医師会、公益社団法人日本薬剤師会、日本大学薬学部薬学研究科、株式会社EMシステムズ共同運用)

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

救命救急医が考える「老いても若々しさを保つ」3つの秘訣

「人間は生き物なので、必ず病気をします。健康に気をつけて生きるよりも、“より良く生きようとする”ほうが体にいいし、若さを保つ秘訣でもあります」

そう語るのは、長年、最先端の救急医療の現場で陣頭指揮を取っておられる大槻俊輔(おおつき・としほ)先生。

今回は大槻先生に、人が最期まで輝きながら生きるための心得について伺いました。

■「生きている」それだけで幸せ!
みなさんも、朝起きた時には「今日も元気でやっていこう」とか「仕事がつらいな」「学校に行きたくないな」などいろんなことを思うことでしょう。私もそうです。そして、夕方。私は、これまで多くの人が亡くなっていったことに思いを馳せるのです。

戦争で死にたくもないのに死んでいった人。震災で津波や火災で、何がなんだか分からないうちに亡くなっていった人。時代を遡れば、戦国時代には度重なる戦火で、平安時代には食糧不足で貴族ですら餓死していきました。海外では、いまなお戦争やテロで命を落とす人がいて、感染症で亡くなる新生児もたくさんいます。

そう考えると、私たちは「ただ生きている」だけで十分幸せなのです。そして、メタボにならないようにとかタバコや酒を慎むことも大事ですが、やはり「より良く生きる」ことが肝心で、それこそが若さを保つ秘訣なのです。

たとえば、病院の栄養士さん。患者さんに「これとこれ、あれを食べないでね」と患者さんに言いますが、実際にはその栄養士さんがメタボだったりします。健康に気をつけるというのは、それくらい難しいことなのです。私は、少しアドバイスしながらも、無理はしなくていいというようにお伝えしています。

■若々しさを保つための3つの心得
人間、元気でいることにこしたことはありませんが、たとえ半身不随になろうが、癌で余命宣告されようが、最期まで輝いて生きることが、すなわち幸せなのです。私達はそのお手伝いをいたしますが、若さを保つためにアドバイスしていることが3つあります。

■1:身なりに気を配る
年齢を重ね、特に病気をすると、寒い時などセーターや防寒着を着込みたくなります。しかし、大学病院に来る時ぐらいはスーツを来てこようよと言っているのです。女性ならばワンピースを着たり、帽子やハンドバッグを持ったり。そして、帰りには、カフェでも寄ってみようよと。

すると、たとえ診察や検査でいらしていても、腰が曲がっていても車椅子に乗っていても、気持ちがシャンとなります。周りの景色にも自然になじむのです。

■2:家族や友人を大切にする
夫や妻に先立たれたり、お子様が先に亡くなったりというケースもあります。地域社会が快適なエイジングをサポートすることはある程度できますが、やはり家族や友人は、あなたを支えてくれるかけがえのないものです。大切にしましょう。

■3:外の世界とつながりをもつ
患者さんにこれを言うと非常に嫌がられるのですが、「お金と仕事」も大切です。特に、現代は第三次産業(サービス業)の仕事が多くため、口達者で頭の回転が早くないと生きにくいのは事実です。

残念ながら、体が不自由になると会社を解雇されるケースもあります。しかし、60歳くらいではまだまだハナタレ小僧です。少しでも仕事ができるのであれば、仕事をしたほうがいいのです。

退職後は、地域の活動に参加したり、ボランティアや趣味に生きたりするのもいい。家に引きこもりがちになるのが一番いけないので、外に出て社会とつながりを持つことをおすすめします。

神奈川県の川崎市では既に実現しているのですが、車を使わなくても電車やバスで事足りる、コンビニや看護ステーションがたくさんあって、高齢者が安心して住めるコンパクトシティが今後増えていくでしょう。そして、日本では10年後にすさまじく高齢化が進みますが、IoTやAIによって電子化された社会では、身体が不自由な方や認知症の方も暮らしやすくなると思います。

悲観的なニュースが多い昨今ですが、何歳になっても目標を決めて、それを目指す。それが若々しく生きる一番の秘訣です。

談/大槻俊輔 先生
近畿大学医学部附属病院 脳卒中センター 教授。神戸大学医学部卒業初期研修後、大阪大学医学部、米国国立衛生研究所、国立循環器病センター、広島大学病院をへて現職。脳卒中やてんかんなどの神経救急を専門.救急の仕事の厳しさと登山と美術鑑賞、近代史からの学びとの間を逡巡しながら、日々の人生と仕事を精一杯全力かつ謙虚誠実に打ち込んでいる。

取材・文/わたなべあや
1964年、大阪生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。2015年からフリーランスライター。最新の医療情報からQOL(Quality of life)を高めるための予防医療情報まで幅広くお届けします。趣味と実益を兼ねて、お取り寄せ&手土産グルメも執筆。

「水を飲んだときだけみぞおちのあたりがしみる→食道ガン」―内科医が教える「恐ろしい病気のサイン」とは?

「甘党で甘い缶コーヒーが大好きで、1日に3~5缶は飲む」という友人(28歳/男性)。一日中のどが渇くので、次から次へと飲んではトイレに行っていたとか。水分の摂りすぎかな? と放っておいたら、「健康診断で重度の糖尿病だと判明した」と落ち込んでいます。

「のどの渇きやトイレの回数の急増は、糖尿病のサインです」と話すのは、大阪府内科医会副会長で泉岡医院院長・内科医の泉岡利於(いずおか・としお)医師。さまざまな病気のサインについて、事例を挙げて解説していただきました。

回答は、すべて泉岡医師によります。

■肩こりだと湿布を貼っていたら狭心症だった

ケース1.痔(じ)と思っていたら……大腸がんだった(35歳/男性)

便に血が混じっていると、痔(じ)と思われがちですが、血の色に違いがあります。痔は肛門近くで出血するため、採血をしたときのような鮮血になります。大腸がんなどでは内臓での出血のため、暗い赤色になります。

ただし、直腸付近にあるがんであれば、血の色は見た目では判断できなくなります。血液検査や、便に血液が混じっているかどうかを調べる便潜血検査で早期発見も可能です。

ケース2.食べ過ぎと思っていたら……胃がんだった(28歳/女性)

胃がんは、乳がんや子宮がんと並んで、20~40歳代の女性に多く見られるがんの一つです。初期段階では特別な自覚症状がありません。そのため、発見されたときには転移している場合も多く、手遅れというケースも珍しくありません。

「胃に痛みやもたれがあるけれど、単に食べ過ぎ、飲み過ぎだと思って市販の胃薬でやり過ごすものの、数日でまた胃の調子が悪化する」などを繰り返す場合は、がんの可能性があります。医療機関で、胃カメラなどの検査を受けてください。

ケース3.水を飲んだときだけ胸がしみる。気のせいだと思っていたら……食道がんだった(44歳/女性)

「食欲も体調も普段通り、食事のときは気にならないのに、水を飲んだときだけみぞおちのあたりがしみる」という症状の患者さんがいました。これは、食道がんや胃がんの初期段階で見られる症状です。食べ物を飲み込んだときに、胸の奥がチクチクと痛むケースもあります。

がんが少し大きくなるとこの感覚がなくなるので、放置したまま重篤(じゅうとく)な事態になることも少なくありません。

ケース4.軽い運動中に左の肩から腕、あごまで痛み、胸がぐっと苦しくなった。ひどい肩こりだな、と思っていたら……心筋梗塞(こうそく)だった(27歳/男性)

血管が完全に詰まって、その先にある心臓を動かす筋肉が壊死(えし)してしまうと心筋梗塞(こうそく)になります。

心筋梗塞の4~6割には、狭心症と呼ぶ前兆があります。突然、胸に苦しみや圧迫感、重いおもりが胸に乗っているような痛みを感じますが、軽度のときは、左の肩や腕、脇、みぞおち、あごまで痛みが広がる、また、のどが詰まるような違和感を覚えることがあります。

これらは一時的な症状、発作であることが多く、筋肉痛だと思って湿布を貼っておいたなどと放置されがちです。それが進行して心筋梗塞を起こすと、失神するような激しい胸の痛みに襲われ、最悪、死に至ることがあります。

50歳以上の中高年の病気と思われがちですが、20~40歳代で発症する人も珍しくありません。特に、喫煙者やメタボ体型、ストレス過多の人に多く見られます。

ケース5.一瞬の胸の痛み。疲れかなと思っていたら……自然気胸だった(23歳/男性)

自然気胸とは、肺の一部に穴が開いて空気がもれ、肺が縮む病気です。男性に多く見られますが、男女問わず、特にやせ型の人に多い傾向があります。

前触れもなく胸に痛みを感じますが、重症でなければ痛みは一時的なので、気付かない人も多いようです。突然の胸痛のあと、息を吸ったときに息苦しさを感じる、乾いたせきが出るときは、自然気胸の可能性があります。

ケース6.頻尿かな、と思っていたら……急性の糖尿病だった(32歳/男性)

スポーツドリンクやジュースなどの清涼飲料水には多量の糖分が含まれています。これらを大量に飲んで糖分を摂り過ぎると、血糖値(血液中の糖の濃度)が急激に上昇します。するとのどが渇くのでまた水分が欲しくなり、どんどん飲み続けるという悪循環に陥ります。

そうして常に血糖値が上がった状態になることで、急性の糖尿病になるケースが急増しています。「ペットボトル症候群」とも呼ばれ、30歳代に多い症状です。糖尿病を発症している血縁者がいる人やメタボ体型の人は特に気を付けましょう。

ケース7.風邪のせきで胸が痛い、と思っていたら……急性心筋炎だった(44歳/女性)

心筋炎とは、心臓を動かしている筋肉(心筋)にウイルスが感染して炎症を起こす病気です。最悪の場合は心不全を起こし、死に至るケースもあります。

子どもから高齢者まで、誰でもかかる可能性があります。息を大きく吸ったときに胸の痛みを強く感じたら要注意です。

「このような症状に少しでも心当たりがあるときは、早めに医師に相談しましょう」と泉岡医師。放っておくと危険な大病のサインは、想像以上に多種多様であることに驚きます。○○だろう、と自己診断することが最も危険なのかもしれません。

取材協力・監修
泉岡利於氏。医学博士。内科医、大阪府内科医会副会長。医療法人宏久会泉岡医院院長。
泉岡医院 大阪市都島区東野田町5-5-8
JR/京阪電鉄京橋駅中央出口から徒歩7分TEL:06-6922-0890
http://www.izuoka.com/

あなたの胃腸が危険!「ガサガサ乾燥唇」は暴飲暴食のツケだった

まだまだ寒い日が続く今の季節。寒い時期は普段よりも、リップクリームやグロスを使う回数が増えてしまいますね。そんな唇の状態は、あなたの消化器官の健康状態を表しています。

もしかしたら、今のガサガサ唇は冷たい気候のせいではなくて、普段の暴飲暴食のせいかもしれませんよ。

■唇は胃腸の鏡

身体の一部の状態で、内臓などの内面の健康状態を推し量ることは、昔から人々の間で使われている手法です。

例えば漢方では、唇は胃腸などの消化器官と密接な関係を持っていると言われています。唇が乾燥して荒れてしまっているのは、胃腸が酷使されたり、疲れきっている状態を表しています。

それでは、唇のさらに細かい部分ごとに、内臓のどこに原因があるか見ていきましょう。

■唇の熱や荒れは消化器官の不調を表す

自分の唇の、特に上唇か下唇、どこが荒れているか注意して観察してみましょう。上唇は胃、下唇は腸を表しています。さらに唇の両端は十二指腸と言われています。

やたらと皮がむけてきたら、いずれかの消化器官が疲労している可能性があります。また唇がほてっていたり、すこし膨らんでいたら、その該当の消化器官も熱を持って腫れぼったくなっているかもしれません。

■唇が荒れてしまったらどうしたらいい?

唇が荒れてしまったら、リップクリームで保湿してあげることはもちろん大切ですが、それだけでなく内側から対処しなければ、本当の意味での解決にはなりません。

消化器官が疲れてしまう一番の理由は、食べ過ぎと飲み過ぎ。唇が荒れたと気づいたときは、まずここ数カ月の食生活を振り返ってみましょう。きっと脂っこい食事やアルコールの摂り過ぎなど、思い当たることがあるはずです。

それらを避けて、おかゆなど胃腸にやさしい食事を選んであげれば、少しずつ改善していくことでしょう。

このほか乾燥唇にならないために、普段の生活で気を付けるべきことは、「ほっとくと深刻化しちゃう!唇がボロボロになっちゃう悪習慣7つ 」などを参考にして、ぷるんとした潤い唇を目指しましょう。

専門医に聞け! Q&A 体が歪むカバンの持ち方

 Q:職場の同僚に、「後ろから見ると、かなり体が歪み右肩が下がっている。肩掛けカバンのせいでは?」と言われました。中学生の頃からカバンはショルダーで、いつも右肩にかけます。本当にカバンのせいで体が歪みますか。(28歳・広告制作会社勤務)

 A:私たちは、仕事など日常生活において、利き腕のほうを偏って使うものです。現代の日常生活に欠かせない物にカバンがありますが、これもまた、同じ側の手に持ったり肩にかけたりすることで、体が歪む原因となります。

 利き手の右側でカバンを持ったり、右の肩にかけるのを習慣にすると胸椎が右に湾曲します。背骨は、上から、頸椎、胸椎、腰椎が並んでおり、上半身の大半は胸椎です。

 胸椎が右に湾曲すると、右の肩が下がります。しかし、体は自然にバランスをとろうとするため、頸椎が左に曲がり、それにつれて右の肩が上がってきます。

 右の肩が上がる人もいれば、左の肩が上がる人もいます。左が利き手の人の場合、左手で持ったり、左の肩にかけますが、右手の人の場合とは逆の形に歪みます。利き手の側を使うのは自然なことですが、偏って使い過ぎると、体が歪むだけでなく、肩や首の凝りや腰痛など、不定愁訴の原因になります。

●左右交互に持ち替えることで改善

仕事などで極端に片方を偏って使う生活を何十年と続けると、体の歪みは容易には治らなくなります。日常に持つカバンの場合、それほど極端な身体への負担になるわけではありません。しかし、体の歪みは治したほうが良いですし、ご質問の方から、比較的簡単に解消できます。

 カバンは、できれば左右均等に力がかかるリュックがよいのですが、仕事の性格上、リュックはまずいという場合もあるでしょう。その場合、手提げカバンやショルダーバッグは、左右交互の手で持ったり、左右の肩に交互にかけるなど工夫しましょう。

 例えば、歩いている時には、5分ごとに持ち替えます。あるいは、信号ごとに替える手もあります。

 また、電車に乗っている場合は停車駅一駅ごとに左右を替えると良いでしょう。このように、自分で決まりを作って、習慣づけるようにすれば良いのです。これを実践すれば、早い人では1カ月で改善します。

今井一彰氏(みらいクリニック院長)
山口大学医学部卒業。東洋医学などさまざまな医療を駆使し、薬を使わずに体を治していくという独自の観点に立って治療を行う。日本初の靴下外来も設置。

世界でトップの医師、日本で診療…新制度導入へ

厚生労働省は、世界でトップクラスの外国人医師が、高度な医療技術を日本人医師に伝授したり、国際水準の臨床研究を共同で実施したりする場合に、日本人患者の診療ができるよう制度を改める。

 最先端の医療技術の国内導入を加速させ、成長戦略の柱の一つである日本発の医療産業の振興につなげるのが狙い。政府は通常国会に外国医師臨床修練特例法の改正案を提出し、今年10月にも新制度を導入したいとしている。

 国内での診療には日本の医師免許が必要で、これまで外国人医師の診療は、知識や技能を学ぶために来日した場合に限り、特例法に基づいて、最長2年間認められているだけだった。

 政府の日本経済再生本部は昨年10月、外国人医師の門戸を広げる方針を決定した。特例法の改正は、これを受け、卓越した技術を持つ医師が、国内で教えたり、共同研究を行ったりする場合についても、診療を行えるようにする。

専門分野で10年以上の診療経験がある医師が対象で、大学病院や国立の高度医療研究センターで受け入れる。滞在期間を最長4年に延長し、審査手続きも簡素化する。

専門医に聞け! Q&A 低酸素状態でさまざまな弊害

あなたは自分自身の顔を鏡で見て「左右で違う!」と思ったことはありませんか? 美しいと人が思う女性は、左右のバランスがよい、整った顔をしています。

では、左右の顔のゆがみが生まれるのは、どんな原因なのでしょうか。原因を知れば予防もできるし、日々の生活で気を付けていくことで、バランスのとれた顔立ちになれる日もやってきますよ。

■利きあごに頼る片噛みのクセ

食事の際に食べ物を、右または左のどちらか一方でばかり噛んでしまうクセを持つ人がいます。何か動作を行うときに右手を使ったほうがやりやすい、力が入れやすいといった利き手は誰にでもあります。

これと同じように、右か左かどちらか一方が噛みやすい、“利きあご”が人にはあるということ。その利きあごにばかり、ついつい無意識のうちに頼ってしまっているということなのです。

■片噛みを続けていると全身がゆがむ

いつも左右どちらか一方だけの歯で食べ物を噛み続けていると、どんな影響があるのでしょうか。片側だけで噛んでいるということは、片側だけの筋肉を使っており、もう一方はあまり使われていないということ。

すると、使っていない方の顔の筋肉が衰えてきて、たるんできてしまいます。どちらかの口角だけが下がっている、あるいは片方の法令線が深くなっているといった現象も、片噛みが引き起こしている可能性があります。

それにあごと首の筋肉は連動しているため、だんだんと首まで使っているほうの側に傾きはじめ、しまいには肩や腰のゆがみにもつながっていきます。

■今日からできる予防法は?

やはり顔の筋肉を左右で均等に使うことが第一。筋肉のバランスがとれていれば、顔もゆがみません。口のまわりの筋肉をよく動かす、毎日の食事シーンで、できるだけ左右で均等に噛むように意識するようにしましょう。

口内炎があるとか、歯が痛いなどの非常事態でもなければ、右か左かどちらで食べ物を噛んでいることなど、意識しないことかもしれません。

でも食事中のちょっとした意識で、顔のたるみやバランスまで影響があるというのですから、今日からやらない手はありませんね。

中国 PM2.5による大気汚染悪化で農作物にも深刻な被害の予測

中国では2月下旬、大量の微少粒子状物質(PM2.5)などが発生し、これまでで最悪の大気汚染を記録したが、より深刻なのが大気汚染による日照時間の減少により農作物が育たないことだ。

その被害も莫大な額に達するとみられ、食品関連業界では対策を急いでいる。

 中国農業大学の何東先教授によると、今回の北京などを襲った大気汚染の状態はこれまでで最悪レベルで、中国全土で、核攻撃で生じる大量の煤煙・粉塵で太陽光が遮られ、地表が氷点下の状態になるという「核の冬」のような状態となった。

 何教授の研究室で調査したところでは、温室栽培で、通常は20日程度で生育するトウガラシやトマトが、その3倍以上の2か月間もかかったという。それでも、収穫できるだけマシで、生育途中で枯れてしまうケースもみられたという。

 中国ではかつて100%を誇った食糧自給率が昨年は90%と落ち込んでおり、中国全体で昨年7000万トンもの食糧が輸入されている。

今後、大気汚染による農作物被害が大きくなれば、食糧の輸入量も一層増加し、国庫を圧迫する可能性も出てくることから、その影響は深刻だ。

 このため、中国農業省や中国の農産物関連の企業などでは代表が集まり、緊急会議を行っており、温室に人工の太陽光を発生させる人工採光装置の導入も検討されているが、装置そのものが高価なため、生産コストがかなり高くなりそうだという。

 最初は静観していた中国政府も最近ではさまざまな汚染対策を打ち出しているが、長期化を阻止する有効な解決策は見いだせていない。

共産党機関紙、人民日報系の環球時報は「汚染が一層深刻化すれば、人々の間でパニックを引き起こしかねない」と危機感を示すほどだ。

 北京市内の病院には呼吸器系疾患を訴える患者が殺到。今後、大気汚染が原因で、野菜価格が上昇すれば、庶民の財布を直撃することは必至。そうなれば、政府の無策に抗議するデモが発生するなど市民の怒りの矛先が政府に向くことは確実だ。

 事態を重く見た習近平国家主席も2月下旬、PM2.5が激しいなかにもかかわらず、マスクも付けずに北京市内を視察し、大気汚染について有効な防止対策をとると強調したほか、新たな法制定による環境保護を約束したほどだが、その道のりは険しく、思ったほどの成果が上げられなければ、市民による非難の嵐が待ち構えているのは間違いない。

感染してからじゃ遅すぎ!カキを食べる前に最低限知っておくべきこと

カキ(牡蠣)が美味しい季節ですね。カキ鍋やカキフライ、生ガキなどいろいろな食べ方で楽しめるカキですが、タレントの上沼恵美子さんがカキを食べて急性A型肝炎になり、緊急入院をしたというニュースがありました。

日本の市場に流通しているカキは基本的に安全なのですが、生で食べるとA型肝炎などのリスクが高まります。特に風邪が続いている、疲れがたまっているといった抵抗力の落ちている時は、念のため生ガキには手を出さないほうがいいかもしれません。

とはいえ、旬のカキは食べずにはいられない、という方も少なくないはず。そこで今回は、カキを食べる前に最低限知っておくべき健康リスクと、カキの安全な食べ方についてご紹介します。

■回復までに1~2カ月も必要

生ガキなどの二枚貝は、A型肝炎ウイルスに汚染されているケースがあります。生ガキを食べて菌が体内に入ると、胃や小腸で吸収され、菌が血液に乗って肝臓にたどり着きます。

そして、潜伏期間を経て炎症が起きると、発熱や全身の倦怠感、黄だん(眼球や皮膚が黄色くなる症状)、吐き気、嘔吐、腹痛などが生じます。

通常は自然と回復していくのですが、まれに重症化し、短期間のうちに肝臓の機能が正常に働かなくなります。最悪の場合は死亡するケースもあるほどです。

上述のように劇症化しない場合であっても、肝臓の機能が完全に回復するまでに、1~2カ月は必要になります。その間、お酒も飲めなくなりますし、職場へも出られなくなります。

生活に極めて不都合が出るので、十分注意したいところです。

■体調不良や疲れている時の生ガキは危険!

とはいえ、生ガキが好きな人からすれば、ウイルス感染など気にせずに食べたいという気持ちのほうが勝る方も多いかもしれません。しかし、実際に発症すれば、生活に大きな支障が出ます。そのリスクも考えなくてはなりません。

潜伏期間というタイムラグはありますが、体調不良や仕事の疲れが慢性的にたまっている、あるいは睡眠不足が続いているような時期であれば、体内に入ったウイルスが急激に増殖する恐れもあります。

ですから、どうしてもカキを食べたい場合は、生ガキは念のため避けて、85℃より高い温度で1分以上火を通して食べてください。カキ鍋は沸騰した汁で煮込むので、問題ありません。カキフライは表面に衣を付けるだけで、内部に火が通っていない場合もあるので、要注意です。

以上、カキを食べる前に最低限知っておくべきことについてご紹介しましたが、いかがでしたか?

体の抵抗力が弱っている時は食べるのを控え、もし食べる時はくれぐれも体調と相談しながら、安全な調理法を選びましょう。最低限のリスクに気をつけながら、旬の美味しいカキを堪能してください!

ずっと信じきっていた、健康にまつわる間違った通説1位「焦げたものを食べると癌になる」

親に言われたり、人から聞いたりして、気をつけるようにしてきた健康上の注意点などは、誰もが思い当たるでしょう。しかしその中には、科学的、医学的には疑わしいものも多数あるようです。そんな「信じきっていた健康にまつわる間違った通説」について、読者665名に聞いてみました。

Q.ずっと信じきっていた、健康にまつわる間違った通説を教えてください(複数回答)
1位 焦げたものを食べると癌になる 40.8%
2位 年を取ると筋肉痛が遅れてやってくる 32.5%
3位 一度毛を剃ると、以前より濃くなってしまう 25.1%
4位 コラーゲンを多く摂取すると美肌効果がある 20.0%
5位 暗い場所で読書をすると近視になる 17.3%

■焦げたものを食べると癌になる
・「タンパク質が焦げると体に悪いと思って、ハンバーグの焦げた部分を捨てていた」(29歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
・「テレビであまり関係ないと言っていたときはかなり驚いた」(19歳男性/印刷・パルプ)
・「ずっと注意してきたけど、これを知ってから焦げてるものも普通に食べるようにしてます!」(27歳男性/運輸・倉庫)

■年を取ると筋肉痛が遅れてやってくる
・「ある程度、実感があるので信じてしまう」(30歳女性/自動車関連/事務系専門職)
・「これがうそだと聞いたときは信じられなかったし、現にいま年を重ねてくると事実のように思える」(47歳男性/アパレル・繊維/事務系専門職)
・「ずっと親などが言っていたので疑うこともしませんでしたが、最近になって科学的根拠はないと聞きました」(21歳女性/小売店/事務系専門職)

■一度毛を剃ると、以前より濃くなってしまう
・「ずっとそう思っていた。今これを見て初めて間違っていると知った」(25歳女性/団体・公益法人・官公庁/技術職)
・「母がそう言って、私の脱毛を阻止してきたから」(23歳女性/機会・精密機器/事務系専門職)
・「最近まで信じていてエステで笑われた」(27歳女性/電機/技術職)

■コラーゲンを多く摂取すると美肌効果がある
・「違うんですか? コラーゲンって、あんなに持ち上げられてたのに」(30歳女性/学校・教育関連/営業職)
・「コラーゲンブームの時は必死で口にしていたので、注ぎ込んだお金を返して欲しい」(31歳女性/情報・IT/クリエイティブ職)
・「コラーゲンは食事で取ってもたいして効果がないときいて驚きました」(30歳女性/人材派遣・人材紹介/事務系専門職)

■暗い場所で読書をすると近視になる
・「小さいころ親にさんざん言われてたので信じていた」(30歳女性/学校・教育関連/事務系専門職)
・「明るいところのほうがいいと思っていた」(25歳男性/医薬品・化粧品/技術職)
・「同じことをしていたのに、知人はいまだに視力Aです」(40歳女性/小売店/販売・サービス系)

■番外編:経験上、ウソとは思えない!
・酒が弱い人も訓練すれば人並みに飲めるようになる「実際に弱い友人が飲むことで強くなったのを見てきたから信じられません。ビール一杯で頭痛していたやつが焼酎まで飲めるようになったから」(29歳男性/運輸・倉庫/技術職)
・足裏のツボと内臓との相関関係(足裏反射区)「そのつぼを押したら調子がよくなったので」(28歳男性/自動車関連/技術職)
・熱が出たときは汗をかくとよい「汗をかけば熱が下がると信じていたから」(49歳女性/小売店/販売職・サービス系)

●総評
1位は「焦げたものを食べると癌になる」です。肉や魚などに含まれるアミノ酸の一種は、焦げると発ガン性物質に変化することがわかっています。しかし、体重60kgの人が、毎日1トン以上もの量を摂取してはじめて可能性が出てくるとのこと。

普通の食生活で摂取する分には、影響はないようです。炭水化物や野菜などの焦げには、発ガン性物質自体、含まれていないといわれています。

2位は「年を取ると筋肉痛が遅れてやってくる」。科学的に実証はされていないそうですが、実際に若い頃に比べ、筋肉痛が2日ほど遅れて発症するようになったという人も多いと思います。これは普段あまり使わない筋肉を急激に動かすと、1、2日後に筋肉痛がやってくることが多い模様。

つまり、年齢よりも運動不足が原因ということのようです。

3位「一度毛を剃ると、以前より濃くなってしまう」も、実際にそう感じる人が少なくありません。ところがこれも医学的根拠はなし。以前から生えていた毛は日光や摩擦によって色褪せているのに対し、新しく生えてきた毛は黒々としているので、色は濃くなったと言えるかもしれません。

しかし、毛の量や密度が増えるというわけではなさそうです。

4位は「コラーゲンによる美肌効果」。身体の皮膚を構成するタンパク質の一つですが、摂取したからといって、それがすべて皮膚を構成するタンパク質として活かされるわけではないそう。いったんアミノ酸に分解され、体内さまざまな用途に使われていきます。

その中の一部は、皮膚を構成するタンパク質にまわされるかもしれないので、絶対に間違っているとはいえなそうですね。

5位は「暗い場所で読書をすると近視になる」。これも医学的には「関係ない」とされています。これが真実なら、ロウソクの灯りのみだった時代に比べ、遥かに近視が減っているはず。しかし、現代の方が若くからメガネやコンタクトに頼っている人が多いそうです。

もちろん、暗いところで本などを読めば、目が疲れやすいのは事実ですが……。

「大人のADHD」片付けられない、不注意で失敗続き…どう対応すれば

「部屋を片付けられない」「不注意のための失敗が多く転職も頻繁」。発達障害の一つ、ADHD(注意欠陥・多動性障害)の症状に悩む大人の受診が増えている。大人のADHDとはどんな症状で、本人や周囲はどう対応したらよいのだろうか。 (安田奈緒美)

 「台所で洗い物をしていて、他の用事を思い出すと洗い物をほったらかしにする。ひどいときは水を出しっぱなしのときも」

 兵庫県芦屋市のキャリアカウンセラー、広野ゆいさん(41)はADHDの症状を持つ。子供のころは毎年通信簿に「忘れ物が多い」と書かれた。

大学教授の秘書として就職したが、論文整理や金銭管理がうまくできず、うつ症状が現れた。結婚を機に退職。しかし主婦になっても片付けができない。夫に文句を言われ続けた。

 どうして他の人にできることが、自分はうまくできないのか。「親のしつけが悪かったのでは」と恨みに思ったこともある。

 20代後半に、ADHDに関する本を読んだことがきっかけで病院へ。ADHDと診断され、カウンセリングを受けるなどした。今では症状を受け止め、「無理しすぎない」と自分に言い聞かせ、ADHDと上手につき合えるようになったという。

平成14年に当事者グループを立ち上げ、さらに20年にはNPO法人「発達障害をもつ大人の会」(大阪市中央区)を設立、代表として活動も続けている。

 教室でじっとできず、先生の話を聞くことが難しい、などの症状が出る学童期のADHDは、アメリカでは1970年代から活発に研究が行われてきた。日本でも90年代から注目されるようになったが「大人のADHD」は見過ごされてきた。

 「他人とうまくいかないのは、発達障害だから?」などの本がある「きょうこころのクリニック」(奈良市)院長で精神科医の姜(きょう)昌勲(まさのり)さんは「ここ数年、大人からの相談件数は増えています。その多くは企業の産業医を通じて紹介されたものです」と話す。

 ミスが多く批判にさらされて落ち込むことが増え、うつ症状になって受診したり、データなどの管理ができず仕事に支障が出たため上司が相談するケースも。

 姜さんは、物忘れを防ぐには、携帯電話のタイマー機能や、インターネット上のメモ機能を活用することを勧めている。また、「ADHDの同僚や部下にどう接したらいいかわからない」という企業側には、まず、疾患と理解するようアドバイス。

その上で「仕事の進捗(しんちょく)状況を細かくチェック」「指示は紙に書くなどして“見える化”する」「一度に複数の仕事を与えない」「こまめにほめる」といった対処法をアドバイスしている。

 「発達障害の人に対する対処の仕方は、すべての人に応用できる。このやり方で仕事を進めればモチベーションが向上し会社の生産性もあがるはずです」

 米製薬会社「イーライリリー」は一昨年、日米欧豪の18歳から64歳を対象にしたADHDに関する調査を行った。ADHDと診断された人のうち、うつ症状を合わせて持つ人は日本は諸外国に比べて約10ポイント多い61%。

「仕事において思うような評価がされなかった」と答えた人が日本では90%にものぼり、米に比べて1・5倍多かった。

 ADHD研究の第一人者で米サウスカロライナ医科大のラッセル・バークレー教授は「アメリカではADHD患者が有効な治療や支援を受けられずに生じる労働力損失や、患者の症状に起因した自動車事故などによる

経済損失が1000億ドルにものぼると考えられており、行政サポートや患者をサポートするコーチの育成が進んでいます」と話す。「日本でもADHDへの理解が深まってほしい」と期待している。

どうしても今だけはインフルエンザにかかりたくない! そんな時、抗インフルエンザ薬の予防投与は誰でも受けられる?


 みなさん、「カラダにいいこと、毎日プラス」していますか? このクイズでは今知っておきたい健康や医療のネタをQ&A形式でおさらいします。ぜひ、今日からのセルフケアにお役立てください。では、さっそくクイズを始めましょう。

●「抗インフルエンザ薬の予防投与」に関する問題

【問題】インフルエンザの治療に使われる抗インフルエンザ薬のうち、タミフル、リレンザ、イナビルの3種類は、一定の条件を満たせば発症予防にも使うことができます(予防投与)。この予防投与の対象となるのは、原則として次のうち2つの条件を満たす人とされています。それはどれでしょう?

(1)学校や職場でインフルエンザにかかった人と接触した人
(2)同居する家族などがインフルエンザにかかった人
(3)高齢者や、持病があるなど、インフルエンザにかかると重症化しやすい人
(4)入学試験など、人生の重要なイベントを控えている人
.
正解は、(2)同居する家族などがインフルエンザにかかった人、と(3)インフルエンザにかかると重症化しやすい人、の2つです。

●インフルエンザに「絶対かかりたくない」時の切り札

 この冬もインフルエンザが猛威を振るっています。インフルエンザの予防にはシーズン前のワクチン接種が第一ですが、残念ながら、ワクチンを打っていても発症を完全に防げるわけではありません。入学受験を間近に控えている、大事なプレゼンが迫っているなど、人生の中で「どうしても今だけはインフルエンザにかかりたくない!」という局面は訪れるもの。そんなときに同居する家族がインフルエンザにかかってしまったら、うつるリスクが極めて高くなります。

 そうした緊急事態に検討したいのが抗インフルエンザ薬の予防投与です。

 インフルエンザの治療に使われる抗インフルエンザ薬(ノイラミニダーゼ阻害薬)は4種類。そのうち、点滴薬のラピアクタ(一般名:ペラミビル)を除いた3種類、すなわち、経口薬のタミフル(一般名:オセルタミビル)、吸入薬のリレンザ(一般名:ザナミビル)、吸入薬のイナビル(一般名:ラニナミビル)は、インフルエンザの予防に使うことが認められています。

 抗インフルエンザ薬には、体の中でインフルエンザウイルスが増えるのを抑える作用があります。抗インフルエンザ薬を予防的に使っていると、インフルエンザウイルスに感染しても体の中でウイルスが増えにくくなるため、結果としてインフルエンザの発症を予防できるのです。

 タミフル、リレンザ、イナビルを予防に用いる場合は、いずれも原則として、治療に使う量の半分を、倍の期間使用します。使用期間は薬によって異なり、タミフルは7~10日間、リレンザは10日間、イナビルは1~2日間です(【関連画像】「表1 インフルエンザの予防に使える抗インフルエンザ薬と用法・用量、薬剤費」参照)。あくまで予防としての使用ですので、ワクチンと同様、公的医療保険は使えず自費診療の扱いとなります。発症を予防できるのは、服用している期間だけです(イナビルは服用開始から10日間)。

●受験生だからという理由で予防投与を受けられる?

 では、冒頭のクイズに戻りましょう。抗インフルエンザ薬の予防投与を受けるには、原則として、(1)家族など同居する人がインフルエンザにかかっていることに加えて、(2)かかった場合に重症になりやすい人であること、具体的には以下のいずれかの条件に当てはまる必要があります。

・65歳以上の高齢者
・気管支喘息など慢性の呼吸器疾患がある
・心不全など慢性の心臓病がある
・糖尿病などの代謝性疾患がある
・腎臓病がある

 では、高齢者ではなく、基礎疾患もないけれど、入試の直前に家族がインフルエンザにかかってしまった…など、上記の条件に当てはまらないケースの場合、予防投与は受けられないのでしょうか。この場合は、薬剤の添付文書に記載されていない使い方(適応外処方)となるため、万一、重い副作用が起こっても「医薬品副作用被害救済制度」の対象とはならず、補償が受けられないというデメリットがあります。また、抗インフルエンザ薬を使い過ぎると、薬への耐性を持ったウイルスが出現する恐れがあります。このため、個別の事情をどう受け止め、適応外処方の可否を判断するかについては、医師によって考えが異なります。まずはかかりつけの医師に、事情を説明し、相談してはいかがでしょうか。

 この記事は、「インフルエンザに『絶対かかりたくない』時の切り札」を基に作成しました。

あなたは「フレイル」? 体力、栄養…で今すぐチェック!


年をとるにつれ、体力は衰え、外出が億劫になる。まだ介護は受けていないが、健康とも言い難い。そんな心と体の虚弱状態として、最近注目されているのが「フレイル」だ。対策をとれば再び元気な状態に戻ることができ、健康寿命を延ばすことにもつながる。

 まず下記のチェックリストの質問に答え、点数をつけてほしい。4点以上だとフレイル。点数が高いほど、介護が近くなる要注意状態だ。
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【15のフレイルチェックリスト】(計4点以上ならばフレイル、選択肢の左側が各1点・右側が各0点)

■体力
1.この1年間に転んだことがありますか
□はい □いいえ
2.1kmぐらいの距離を不自由なく続けて歩けますか
□いいえ □はい
3.目は普通に見えますか(眼鏡を使った状態でも可)
□いいえ □はい
4.家の中でよくつまずいたり、滑ったりしますか
□はい □いいえ
5.転ぶことが怖くて外出を控えることがありますか
□はい □いいえ
6.この1年間に入院したことがありますか
□はい □いいえ

■栄養
7.最近食欲はありますか
□いいえ □はい
8.現在、たいていの物は噛んで食べられますか(入れ歯でも可)
□いいえ □はい
9.この6カ月間に、3kg以上の体重減少がありましたか
□はい □いいえ
10.この6カ月間に、体の筋肉や脂肪が以前より落ちたと思いますか
□はい □いいえ

■社会
11.一日中外出せず、家の中で過ごすことが多いですか
□はい □いいえ
12.普段、2~3日に1回程度は外出しますか(庭先のみやゴミ出し程度の外出は含まない)
□いいえ □はい
13.家の中や外で、趣味・楽しみ・好きでやっていることがありますか
□いいえ □はい
14.近所に親しくお話しできる人はいますか
□いいえ □はい
15.近所の人以外で、親しく行き来するような友達、別居家族、親戚はいますか
□いいえ □はい
(東京都健康長寿医療センター研究所の資料をもとに作成)

『死ぬまで介護いらずで人生を楽しむ食べ方』(草思社)の著者で、東京都健康長寿医療センター研究所副所長の新開省二さんはこう話す。

「フレイルの大きな原因の一つは筋肉の衰え。定期的に運動することで、衰えを遅らせることができます。自分のフレイルに気づいてしっかりと対策をとれば、日常生活を送る力を取り戻すこともできるのです」

 新開さんの言葉どおり、定期的な運動を介護予防につなげている地域がある。埼玉県鳩山町で、人口約1万4千人の4割が65歳以上の高齢者。埼玉県内で最も高齢化が進んだ自治体だ。

 平日朝9時半過ぎになると、町内の集会所には高齢者が続々と集まってくる。
♪それシャシャン、シャシャンと夢が湧く♪

 地元の盆踊り曲をアレンジした「新鳩山音頭健康体操」が流れると、約80人が一斉に体を動かし始めた。参加無料、申し込み不要の地域健康教室だ。

「1、2、3、4……」「4で脚に力を入れて!」

 インストラクターの声に合わせ、筋トレやストレッチをする。新幡愛子さん(71)は、大腿骨が変形して手術が必要となるかもしれない体だが、脚を鍛えて回避できているという。

「週1回来るのが楽しみで、元気をもらって帰るの。転ばないようにできるだけのことをしています」

 参加者の2割強は男性。3年前から通う島野羊三さん(75)は「体が柔らかくなり、疲れなくなった。最初は女性ばかりで溶け込むのが大変でしたが、最近は男性も増えた。仲間を増やしたいので、近所で『一緒にやろうよ』って声をかけています」と話す。

 15分間の休憩をはさんで約1時間半続ける。柔軟体操や、口の体操として合唱も組み込まれている。町内4カ所で毎週開かれ、のべ1万人が昨年度に参加した。開始当初の約10年前から徐々に増えてきた。

 町の要介護・要支援の認定率(2014年度末)は10.7%で、埼玉県平均は14.1%。県内市町村で2番目に低い。県が独自に算出する市町村別の健康寿命も1位。町は17年に「健康長寿のまち」を宣言した。介護予防に体操が功を奏しているとして、全国から注目されている。

 教室は、運動を通じて住民が社会参加する場にもなっている。講習を受けたボランティアが、健康づくりサポーターとして教室を支える。サポーターは地域の高齢者に参加を呼びかけるなど見守り役も果たしている。住民主導の運営が特長だ。

 年をとるにつれ、手術や入退院、身近な人との死別などを避けがたい。こうした出来事を機に、自宅に引きこもれば、要介護状態が近づく。教室には、伴侶に先立たれて元気のない人、脳梗塞や骨折の手術を受けた人らも参加する。元気を取り戻したり、半年後に杖なしで歩けるようになったりするケースがあるという。

「健康づくりサポーターの会」の佐藤初夫会長(74)は、定年後に近所の人の誘いで活動に加わった。「今年の冬は寒いが、体操しているから調子がいい。何年も風邪をひいていないし、生活習慣病もない。医者知らずだね。ワッハッハ……」と楽しそうだ。

 60代後半ともなれば、メタボよりフレイルに気をつけるとよい。進行すると、肺炎、心臓疾患、転倒骨折などを起こしやすい。

「健康な人が要介護になるまでには、大きく二つのケースがある。一つは60~70代に心筋梗塞や脳卒中で倒れるケース。中年期からの生活習慣病を悪化させた人が多い。もう一つはフレイルが70~80代に少しずつ進行するケース。大半は後者のパターンです。健康寿命を延ばすには、フレイルにならない対策を早くからとる必要があります」(前出の新開さん)

 体が元気なうちはジョギングや水泳などの有酸素運動も無理なくできるが、高齢期になると難しい。どんな対策がよいのだろうか。

「高齢者とひとくくりに言っても、前期高齢者と後期高齢者は体力が違います。60代のうちは、ジョギングやダンベル、腹筋運動もできます。ジョギングするほどの体力がない70代以降の人には、15分程度のウォーキングと自宅で簡単にできる筋トレを勧めています」(同)

 確かに、体力や運動能力は年とともに衰える。片足をあげたままで立ち続けられる平均時間は、65~69歳女性90秒に対し、75~79歳女性58秒。6分間で歩ける距離は、65~69歳男性629メートルに対し、75~79歳男性582メートル。今の体力をできるだけ維持するには、筋トレなどの運動習慣が欠かせない。

 代表的な筋トレは、椅子を使いながら足腰を中心に鍛える体操。10回1セットとし、1日3セットが目安。体調に合わせて増減させるとよい。

 下半身の筋肉を鍛える効果的なエクササイズが、スクワット。女優の故森光子さんは舞台に立ち続けるため、スクワットを毎朝夕75回ずつしていたという。

 両足をやや開き、腰に手を当てて5秒かけてゆっくりと腰をかがめ、元に戻す。10回を1セット、1日3セット続けると、筋肉の萎縮を防げるという。

 フレイルは、日本老年医学会が14年に提唱した新しい概念。「老衰」と言うと、加齢に伴うもので避けられない印象を与えるが、フレイルは適切な対策で再び元に戻れる(可逆的な)状態という考え方だ。体力の衰えだけでなく、生きがい喪失など精神状態の悪化、地域とのかかわりなど社会参加の意欲を失うことも関係する。

尋常性白斑の治療法とは

【Q】数カ月前から顔や手背に白抜けが出現しました。皮膚科で尋常性白斑と言われ、ステロイド外用薬を処方されましたがよくなりません。他に治療法はないのでしょうか?(40代男性)

【A】尋常性白斑は原因不明の後天性の脱色素斑です。メラニンを作っているメラノサイトが消失することにより発症します。本症は、全身に多発する汎発型、神経分節に沿う分節型、汎発型か分節型の前段階である限局型に分類されます。

 汎発型では自己免疫機序が原因として考えられます。尋常性白斑は生命には全く影響しませんが、整容面で非常に問題となることが多く、QOL(生活の質)を大きく低下させる疾患です。

 当院でも小児から高齢者まで多くの方が受診されています。カネボウのロドデノールによる薬剤性脱色素斑は当初尋常性白斑と混同されていたことが記憶に新しく、また、尋常性白斑に移行したケースもあります。

 治療法は、ステロイド外用薬・タクロリムス外用薬・活性型ビタミンD3外用薬などの外用療法をベースとし、汎発型では第一選択として光線療法を行います。分節型でも光線療法は有効です。効果不十分な場合は植皮療法も検討します。一般的に言って、治療は難しい疾患です。

 ご相談の症状は、汎発型尋常性白斑ですから、光線療法を行うべきでしょう。光線療法とは、ナローバンドUVBやエキシマライトなど紫外線を患部に照射する方法です。週2回程度通院し、計50回程度の照射で効果判定を行います。頭頸部は色素の再生は比較的良好ですが、手指など末端部は治療に反応しづらい部位です。

 また、色素の再生は白斑部全体に起こるのではなく、周辺から少しずつ再生するパターンと、毛穴から徐々に再生するパターンとがあり、ぶち状・まだら状に再生してくるため、色素が再生したからと言って整容的に満足に至らないケースも多いのが、光線療法の問題点です。

 生物学的製剤やホルモン製剤外用薬なども研究中のようですので、今後治療法の選択肢が増えてくることを期待しています。

 ◆櫻井直樹(さくらい・なおき)02年、東大医学部卒。東大付属病院、関連病院に勤務後、美容外科クリニック勤務を経て千葉県松戸市にシャルムクリニック開設、他院皮膚科顧問も歴任。皮膚科専門医、レーザー専門医。

気になる「頻尿」 1日何回以上トイレに行くこと?

この記事では、今知っておきたい健康や医療の知識をQ&A形式で紹介します。ぜひ、今日からのセルフケアにお役立てください。  【問題】ミドル以上の男性の多くが気にする「頻尿」。1日何回以上トイレに行けば頻尿といえるのでしょうか?

(1)5回
(2)8回
(3)12回
 正解は、(2)8回 です。

ミドル以上の男性が悩むことの一つに、「最近トイレが近くなったこと」があります。長い会議やプレゼンで我慢したり、ドライブで渋滞にはまると不安になったりする人も少なくないと思います。

 こうした頻尿の悩みについて、日本大学板橋病院泌尿器科主任教授の高橋悟さんは「中高年以降の頻尿は、前立腺の肥大が関与していることが多い」と話します。

 前立腺は、膀胱(ぼうこう)の下で尿道を包むように存在する臓器です。若いうちは精液の構成成分である前立腺液を分泌するなどの働きをしています。加齢によりその役割を失うと、前立腺は萎縮か肥大の道をたどることになります。食生活の欧米化が進んだ日本では、ほとんどの人の前立腺が肥大するようになりました。

 高橋さんによると、「肥満になると、前立腺肥大症が発生、進行しやすくなることを示すデータがある」そうです。組織学的に調べた前立腺肥大は、30代から始まり、50代で30%、60代で60%、80代では90%に見られます。

■前立腺肥大を起こすと尿道が圧迫される

 前立腺は尿道を取り囲んでいるので、肥大すると尿道を圧迫して「おしっこが出るまでのいきみ時間が長い」「尿が細く、ちょろちょろ出る」といった症状が見られます。さらに、「残尿感」「排尿後に尿道に残っていた尿でズボンなどが濡れる(排尿後尿滴下、はいにょうごにょうてきか)」といった症状も見られるようにります。

 おしっこの回数も増えます。高橋さん「ごく簡単にいえば、前立腺肥大症のおしっこ問題とは、出が悪いのに、頻繁にトイレに行くような状態」と話します。1日に8回もおしっこに行くようになれば、前立腺肥大症の「頻尿」といっていいそうです。

■エコーで前立腺の大きさを調べる

 こうした頻尿で困っている場合は、泌尿器科で検査を受けてみるといいでしょう。前立腺が肥大しているかどうかは腹部超音波検査(エコー)で分かります。エコーで、前立腺の縦×横×高さを測定すれば前立腺の容積が分かります。15~20mLが正常、30~40mLになれば立派な前立腺肥大症というわけです。

 泌尿器科医は直腸診も行います。肛門から指を入れて前立腺の大きさを確認するとともに、「しこり」など組織の異常がないかを調べます。直腸診により前立腺がんなどが見つかることもあるそうです。前立腺がんの検査としてはPSA(前立腺特異抗原)血液検査も同時に行います。

 このほか、尿流量ウロフロメトリー検査といって、排尿障害の程度を知る検査を行ったり、おしっこした後の膀胱内の量を調べる残尿測定などを行います。「前立腺が大きくて、残尿があり、前立腺がんが否定されれば、多くの人が前立腺肥大症と診断されます」(高橋さん)

1分で冬太りを防止!白湯を飲んでゴロ寝で筋トレ!?

◆1分で太もも引き締め! 白湯ダイエットと合わせて

寒い時期は、運動するのが億劫になりがちです。そこで、まずは体を温めるためにゆっくりとお湯を飲む「白湯ダイエット」とおうちトレーニングを組み合わせてみてはいかがでしょうか。 白湯を飲むことは世界最古の健康法とも言われ、すべての東洋医学の基礎となっているアーユルヴェーダでも、「白湯は消化力を上げ、毒素を溶かす最高の飲み物」として、既に5000年も前から紹介されているのです。

やり方はとっても簡単! 沸騰させたお湯をカップ4杯程度、30分ごとに少しずつ飲みます。ただし、5杯以上は逆に体がむくむ場合があるので、飲みすぎには注意してください。お湯をゆっくりと飲むことで、自然と体が温められます。代謝が上がると同時に、消化機能も正常になり、健康維持にも役立ちます。「お湯を飲むだけなのに本当?」と思ったら、まずは実践して確かめてみてください。もし、人よりも体が温まりにくいと感じる人は、生姜をちょっと入れてみるのがオススメです。
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◆白湯と合わせてやりたい! 寝たままエクサで太もも引き締め

白湯を飲んで体が温まったら、簡単なエクササイズを組み合わせるのがおすすめです。この順番で体を動かすと、激しい運動をしなくても冬の寒い時期でも意外なほど汗が噴き出してきます。

■効果:太もも引き締め・体幹強化・脚のむくみ・冷え改善
■実践期間:1日1分×週4回×3週間でボディラインに変化が生じてきます。
■やり方
▼1. 仰向けのまま、手を頭の先に伸ばし、両ひざは90度

床に仰向けになり、両手を頭の先に伸ばし、ひざが90度曲がる位置まで両足を床から引き上げます。この時、腰はS字のカーブを描きますが、浮き過ぎないように注意。吐く息とともにお腹で腰を床に沈めるイメージで体幹を安定させましょう。

▼2. 息を吐きながら、左足を床ギリギリまで下げる

5カウントを目安に息を吐きながら、左足を床ギリギリまで下げます。このとき、右足が下がらないように注意しましょう。

▼3. 吸う息とともに左足を元の位置に戻し、吐く息で右足を床ギリギリまで下げる

反動を使わず、丁寧に左右ゆっくり各8回ずつを目安に動作を繰り返しましょう。慣れてきたら2セットを目安にチャレンジしてください。腰が痛い場合は、腰が浮きすぎていないか確認してください。ドローイング(お腹と腰を引き寄せる)がうまくできないと腰を痛める可能性があります。クッションなどを腰の下に敷くなどして工夫し、無理なくおこなってください。

突然ガクッと疲れを感じる「隠れ疲労」の解消法

◆ガクッとくる疲れ……

「あぁ、疲れたぁ……」と思わず口に出てしまうことはありませんか? ネガティブな疲れをつぶやくことに良い印象を持たない人も多いかもしれませんが、口に出して「疲れ」を表現し、グチることも、時には必要です。「自分の疲れを周りに伝えることと、不快な気分にさせてしまうかも……」と、周りを気付かうことも大切かもしれませんが、疲れを隠してため込み続けたり、疲れた自分に気付かないふりをしたりしていると、のちのち急な不調となって重大な影響を及ぼすことになりかねないのです。
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◆多忙な人は要注意! 見逃しやすい体からの緊急サイン

実は「疲れを隠してしまう」「疲れが隠れてしまう」という状態は意外と多いものです。仕事に追われて多忙極まりない人は、疲れを感じていても「やるしかない」という意識になりがちで、疲れから意識を逸らせ、やり過ごしてしまう……ということも少なくないでしょう。また、たとえ疲れていたとしても、疲れが表に出ないのは元気でパワーがみなぎっている証拠だと良いように解釈する方もいるかもしれません。

しかし、これはとても危険なことなのです。そもそも疲れを感じるということは、体からの危険を知らせるもの。「そろそろ体を休めないと、体調を崩しますよ」「それ以上頑張っても、集中力も途切れて、仕事の能率が低下しますよ」といったサインでもあるのです。
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◆小さな体調不良が続くのは「隠れ疲労」が原因かも

「疲れ」の感じ方には個人差があります。本当はとても疲れているのにさほど疲れを感じないということは、多少の無理がきく体として他人にも自慢できそうですね。しかし、「疲れ」の実感をぼやかしてしまうと、急激にガクッと体調を崩す可能性を高めてしまうのです。 疲れの感じ方には個人差がある理由には、心理的な作用がかかわっています。例えば、睡眠不足で仕事の疲れがなかなか抜けなくても、「明日は大好きなゴルフに行くんだ!」とワクワクしていると、早朝にも関わらず頭もスッキリ目覚めてしまうのではないでしょうか? このように好きなことに対しては、疲労をさほど感じなくなる、というケースは少なくありません。

しかし、この例でいえる危険なポイントは、「疲れを隠してしまった」ということ。もちろんリフレッシュも良いですが、本来であればゴルフに行かずゆっくり休息をとり、疲労回復にあてる時間を持つべきなのです。 好きなことができるといった楽しい気持ちは、疲労を感じる体からの危険シグナルを鈍らせてしまいます。疲労が回復しないまま、また1週間がスタートする……となると、体力や気力はキープできるのでしょうか?

連日の残業で寝不足が続いているような過酷な状態に直面しても、「気持ちを切り替えれば大丈夫!」と自分を今以上に頑張らせ、気合いで乗り越えてしまう人こそ「隠れ疲労」に陥りやすいのです。過酷な状況を乗り越えること自体を「楽しい!」と感じることができる人でも、そういった気持ちとは裏腹に、身体は「休みたい……寝かせてほしい」と疲労回復を要求しているかもしれません。

◆「隠れ疲労度」セルフチェック

以下の項目で当てはまるものが多いほど、隠れ疲労状態に陥りやすいタイプ。最悪の場合は、突然倒れてしまい過労死に……なんていうことにもなりかねません。いくつ当てはまるかチェックしてみましょう。

・多少疲れていても、楽しいイベントなどには参加すると疲れが消える
・人から頼られると、はりきって頑張るタイプだ
・大きな課題を成し終えたあとの達成感や充実感は、たまらなく好きだ
・自分へのご褒美があれば、つらいことでも乗り越えられる
・休日は、なるべく遊びや買い物など外出をするようにしている
・寝ている時間がもったいなく感じるので、眠くても起きて趣味などの時間に当てている
・責任感のある仕事を任されていて、今、まさにやる気に満ち溢れている

みなさんはいくつ当てはまりましたか? そのまま下に進んで、自分のライフスタイルや1カ月のスケジュールを客観的に見直してみましょう。
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◆大切なのは、のんびりする時間……心身の積極的な休養を

客観的に自分の行動を見てみないと、その頑張り過ぎの状態に気が付かないことが「隠れ疲労」によって倒れる人の問題点でもあるのです。下記のような傾向がみられる場合、空き時間があれば、積極的に「身も心も休ませる」に徹してください。

・睡眠不足になりがち
・ぼ~っとリラックスする時間が足りない
・食事をきちんととる時間が少ない
・心身を活動的に維持している時間が長い
・休息時間や疲労回復時間が少ない人で、健康のためと称して毎週スポーツに励んでいる

リフレッシュはもちろん大切ですが、ストレス解消のためにとあちこち遊び回るのもほどほどに。時には体の力を抜きながら、のんびりと過ごすことも大切なのです。

栄養素も食事時間も大切! 心の健康を守る食生活の役割

食事は私たちの元気の源。昔から「腹が減っては戦はできぬ」と言いますが、実際にお腹が空いていると、元気も無くなりがちです。一方、仲間同士で食卓を囲み、おいしい食事を楽しみながら会話が弾めば、少し疲れているときでも元気が出て来るもの。

 忙しさに追われやすい現代社会において、人によっては食を軽視してしまいがちですが、食生活は心の健康維持の大切な柱でもあるのです。食事と心の健康の関係について解説します。

■毎日の食べ物が、あなたそのものになっていきます

 私たちは生物である以上、体が必要とする物質を食べ物から体に摂り入れる必要があります。私たちが食べたものが、私たち自身になっていくと言えるでしょう。

 健康を維持していく上で食生活が重要であることは、皆さんもよくご存知の通り。たとえば、忙しくて食事がいい加減になると、風邪を引きやすくなったりしませんか? 食生活の内容と体の調子は連動するのです。

 メンタル面も同様です。「やる気が出ない」「集中力が続かない」といった精神的な不調も、いわゆるココロの問題ではなく、「脳」の活動状態が反映されたもの。脳が良好に機能するため必要な物質もまた、私たちは食べ物から摂取しています。

たとえば、脳内神経伝達物質は神経細胞間の情報伝達を行ないます。

その働きに不調が生じると、精神症状が現れやすくなります。たとえば、セロトニンは、うつ病に関連深い脳内神経伝達物質。セロトニンの原料は必須アミノ酸の一種、トリプトファンです。私たちが食べるタンパク質に含まれています。
 
 基本的に「一汁三菜」のしっかりした食生活を守っていれば、通常は何らかの深刻かつ不可逆的な症状が現われるような事は起こりません。

しかし、たとえば慢性アルコール依存症では、食生活の中心がアルコールになってしまい、ビタミンB1欠乏症が生じる可能性があります。

ビタミンB1は脳が良好に機能するために重要な栄養素。ビタミンB1が長期間欠乏すると、脳内の一部の神経細胞に変性が起こり、記憶障害などが出現するコルサコフ症候群になる可能性などもあります。

■心を健康にしてくれる、誰かと共にする食事時間

 食事には体が必要とする栄養を摂取する役割の他、食事を通じて誰かと時間を共にするという面もあります。もっとも、食事を一人で済まさなければならない場合もあるとは思いますが、誰かしら人と一緒に食卓を囲むことは大切です。

 家庭での一家だんらんの食事に限らず、たとえば、職場の食堂で他の同僚と一緒に昼食のテーブルを囲んだり、ときには仲間同士の食事会に出かけたりするのも良いものです。

皆と一緒においしい食事をする時間は、心も満たしてくれます。会話がはずみ、普段、口にしないような愚痴をこぼしてしまうこともあるかもしれませんが、心の内を言葉にして、口から出す事はストレス対策の基本でもあります。

たとえばママ友同士のランチ会では、時に夫の愚痴をこぼし合うこともあるかもしれませんが、それも必ずしも悪いことではなく、家庭円満のために日ごろのストレスを上手に解消していると見る事もできるのです。

■心にも体にも欠かせない! 医食同源としての食

 心身の調子が悪いとき、普段と違うものを食べて元気をつける事はよくあると思います。こういうときにはこれを食べる、これを飲むといった決まりがあるご家庭もあるでしょう。

たとえば、子どものころは風邪で寝込むと母親が温かいレモネードを出してくれた、といった事は、大人になってからも覚えているもの。

実際、レモネードの元となるレモンには免疫を強化する働きがあるビタミンCが豊富で、体内で白血球が風邪のウイルスと闘いやすくなるという効果もあります。

 また、疲れて集中力が落ちてしまったとき、チョコレートを一口、口にしたら頭がすっきり! また頑張る気が出てきた、といったことはありませんか? チョコレートのカロリーは脳のエネルギー源。

また、チョコレートには脳内でエンドルフィンと呼ばれる、気分が良くなる物質を分泌させる働きもあります。ただ、言わずもがなとは思いますが、食べ過ぎには注意が必要です。

 そして、食事の栄養素自体が心の病気の予防にもつながることがあります。たとえば、冬季うつ病は冬季の日照時間の短さが原因と考えられています。実際、冬季に日照時間が極端に短い、フィンランド、スウェーデンなど北欧諸国では冬季うつ病の発症率は高率。

しかし、例外的にアイスランドでは冬季うつ病の発症率は低率です。その原因は、アイスランドの食生活にあると考えられています。アイスランドの食生活は魚が中心。

魚の油脂、特に、アジやサバといった、いわゆる青魚にはDHA、EPAなど、抗うつ効果があるとされる物質が豊富。青魚はアレルギーがあるのでダメといった理由がなければ、食事のラインアップに入れてみるのはいかがでしょう?

 食生活は、ただ空腹を満たすため、体の機能維持のために何かを口に入れればよい、というものではありません。心の健康のためにも、食生活が大切であることを、ぜひ知っておいて下さい。

21人死亡のダニ媒介ウイルスは、どれほど危険なのか

マダニが媒介して人に感染するウイルスが、日本全国に広がっている。厚生労働省によると、北海道から九州まで、少なくとも30道府県でウイルスを確認。これまで国内で21人が死亡している。

春も近づき、野山に出かける機会の増える人には気になる情報だ。重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスと呼ばれるが、日本では昨年の1月に初めて感染者が見つかったばかり。それだけに、一般にはなじみが少ない。ウイルスの特徴や危険性をまとめた。

 同省結核感染症課などによると、SFTSは主にマダニが媒介する感染症。2011年に中国の研究者らが発表し、初めて知られるようになった。日本では、2013年1月に初めて感染者を確認。

このウイルスに感染すると、発熱や下痢、嘔吐、腹痛などの症状が表れる。さらには、頭痛、筋肉痛のほか、意識障害や失語などの神経症状などを引き起こすこともある。感染から発症するまで、6日~2週間の潜伏期間がある。

 では、このウイルスにかかると、どれほど危険なのか?中国のデータでは、致死率は6.3~30%と幅が広く、実はよく分かっていない。というのも、まだ新しいウイルスなので、調査事例の数そのものが少ないため、統計にばらつきが出るのだという。

 日本の場合、これまで感染が確認された人の数は53人。そのうち21人が亡くなっているだけに、つい身構えてしまう。ただ、同省の担当者は「症状の重い方の感染だけが確認されていて、表面化していない感染がけっこうあるのでは。なので、致死率が53分の21というほど、高くはないでしょう」と説明する。

 しかも、21人の死亡者も、この1年で発生したものではない。過去に「原因不明」のウイルスで亡くなった人の検体は保存されており、2011年にこのウイルスの存在が認められてから、過去にさかのぼって調べて判明したものも含まれている。

すると、日本でのSFTSウイルスによる死亡は、2005年から起きていたことが分かった。つまり、21人の死亡者は、過去10年の数字ということになる。なので、最近、急に危険性が高まったというわけではなさそうだ。

 ただ、今のところ有効な薬やワクチンはまだないだけに、注意をするに越したことはない。

 マダニから身を守るためには、どうしたら良いか?まずは、マダニが生息している場所を知っておくこと。日本には47種類のマダニが生息している。シカやイノシシ、野ウサギなど野生生物が生息しているエリアは注意が必要。また、民家の裏山や畑、あぜ道にも生息している可能性がある。

 こうした場所に行く際は、できるだけ肌の露出が少ない服装を心がけたい。例えば、首にはタオルを巻くか、ハイネックのシャツを着る。軍手などの手袋はしっかり着用し、シャツのそで口を手袋の中に入れる。

ズボンのすそも、手と同じように、靴下でかぶせるようにする。そして帰宅した際は、室内に入る前に、上着や作業着を脱ぐこと。ガムテープをペタペタ服にはりつけて、服に付いたダニを取り除くのも効果がある。

 厚生労働省の担当者は「ダニにかまれたからといって、必要以上に心配することはないが、もし熱が出たりすれば、病院を受診してほしい。SFTSウイルスの可能性があれば、自治体を通じて適切に対処する態勢ができているので、安心してほしい」と話している。

<『みんなの家庭の医学』おさらいニュース>若返り!? 善玉ホルモン「アディポネクチン」とは

になっても健康で、若々しくありたいと願うのは誰しも。そこで、今回のORICON STYLEと朝日放送『たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の学』(毎週火曜午後8時放送※)では、先ごろ放送された『血管&脳を若く保つ秘密を解明!老けない身体を作る新事実スペシャル』から、血管に関する新事実をピックアップ。血管を若い状態に保つ秘訣とは?

■健康長寿の重要な鍵となるアディポネクチン

 去年、5万4000人を超えた100歳以上の高齢者。日本の医学界では彼らのことを、敬意をこめて「百寿者」と呼ぶ。こうした「百寿者」の身体の研究を続けてきた、新井康通先生(慶應義塾大学医学部 内科学教室 老年内科)によると、

通常血管は加齢とともに老化が進み傷んでいくものだが、百寿者の場合は「アディポネクチン」と呼ばれる善玉ホルモンの値が平均の約2倍も高く、そのため血管を若い状態で保つことが出来ているという。

 アディポネクチンとは、1996年に日本人の研究者によって発見されたホルモン。一度傷ついた血管壁を修復するだけでなく、血糖値や血圧を下げることが解明されてきた。

血管を若く保ち、健康長寿の重要な鍵となるアディポネクチンだが、なぜ百寿者はこのホルモンを多く分泌できているのか?

■年齢を重ねても、体重の増加は5kg以内に!

 新井先生に伺うと、「太りすぎず、痩せ過ぎず、体型を維持していることが、アディポネクチンの値が高いことに関係していると思う」とのこと。通常、私たちは、お腹のまわりに脂肪細胞を巻きつけ、エネルギーとして蓄えている。

実はこの脂肪細胞から、血管を若く保つホルモン・アディポネクチンは分泌されているのだ。しかし食べ過ぎなどで肥満体型になると、脂肪細胞も同様に膨らんでいき、アディポネクチンを十分に分泌できなくなってしまうという。

 同番組が被験者としてピックアップした百寿者3名は、いずれも若い頃から適正な体重を維持しており、体重の増減は5kg以内。体型を維持することでアディポネクチンを多く分泌しているのではないかと、新井先生は推察する。

 また、太り過ぎて脂肪細胞が肥大化すると、アディポネクチンの分泌が減るだけでなく、血管を傷つける『悪玉ホルモン』が出るようになり、糖尿病や動脈硬化を引き起こす可能性もあるのだという。

規則正しい食生活で肥満を遠ざけ、いつまでも若々しい血管をキープし、健康な体作りを目指そう。

“最凶”寒波でこじらせる人急増 「しもやけ」の正しい対策

2月に入り、大雪に2度も襲われた関東だが、この記録的な寒さにより患者数が増えているのが「しもやけ」だ。いや、増えているだけじゃない。しもやけをこじらせている人も多いのだ。川端皮膚科クリニック・川端康浩院長に話を聞いた。

■潰瘍にまでなる人も…

「しもやけは、最低気温が5度を下回り、1日の気温差が10度以上になると、温度差によって血管の収縮時に障害が起こって発症しやすくなります。今年は最強寒波襲来の年。平均気温も大幅に平年を下回っている地域が多い。それが、しもやけが増えている原因です」

“たかがしもやけ”と侮ってはいけない。足や手の指がパンパンに腫れ、日常生活に支障が出たり、いつもの靴が履けなくなる。

耐え難いかゆみや痛みがある。ひどくなると、患部が赤く膨張し、水ぶくれになって崩れて潰瘍になることも……。ここまでいくと、完全に治るまで時間がかかる。

「しもやけが一般的だった時代は、軽症のうちに市販薬を塗るなど対策を講じる人がほとんどでした。しかし近年は、しもやけ自体を知らない人もいて、気付きにくく、重症化してしまうこともあるのです」

 Aさん(50)は、布団に入ると足がかゆいので水虫だと思っていた。

 水虫の市販薬を塗ったが、よくなるどころか、かえってかゆみと赤い腫れが増した。夜、寝ている時、無意識に患部をかきむしっているようで、皮膚もボロボロになった。

それでも塗り続けると、皮膚が裂けてウミが出てきた。皮膚科を受診すると、水虫ではなく、しもやけをかきむしって化膿(かのう)させてしまったものだと言われた。結局、症状が軽減するまで1カ月近くかかった。

「Aさんのように、しもやけを水虫と間違える人は少なくありません。かゆいからとかゆみ止め薬で何とかしようとする人もいます。

しかし、しもやけは血行不良によって起こっている病気なので、水虫薬やかゆみ止め薬では、よくなるどころか、悪化させてしまうこともあります」しもやけの正しい対策は2つだ。

 まず、血行をよくする生活習慣を心掛ける。

「夜は手足を伸ばしてゆっくり湯船に漬かり、風呂から上がったら、市販のビタミンE入りクリームを手足に塗る。さらに、マッサージをするとより効果的です」

 次に、温度差や濡れた状態、蒸れを減らす。

「屋外では、手袋や耳あてなどの防寒具をつけて、手、足、耳たぶなどの末梢(まっしょう)部分の露出を極力減らします。帰宅後は、暖房器具の近くで手足を温めようとすると、温度差が生じてかえってかゆくなってしまうので、お風呂に漬かるなどしてゆっくりと温めることがお勧めです」

 雨や雪で通勤時に靴下が湿った時は、そのまま放置せず、はき替える。
「保温機能の高い靴下は屋外ではいいですが、暖房の効いた屋内では汗をかき、蒸れやすくなります」

 しもやけになりやすい人、悪化しやすい人は、いくつかの共通点がある。(1)両親、祖父母など身内にしもやけになった人がいる(2)普段から手足が冷たい(3)冷たい風に当たると耳たぶがジンジンと痛くなる(4)手足に汗をかく――の4項目のうち、1つでも当てはまる人は、要注意だ。

にんにく臭についての誤解に注意!

にんにく臭対策 胃より口の中

餃子や焼肉をはじめ、にんにくを使った料理に目がないという人は多いだろう。でも、やっぱり気になるのが翌日のにおい。とくに平日であれば、職場や取引先で口からにんにく臭を漂わせることになる…。

そういえば、牛乳やコーヒーを飲めばにおいが収まるとのにんにく臭対策を耳にするが、これらは実際どこまで効果的なのだろう? 新宿ライフクリニックの須田隆興先生に聞いてみた。

「牛乳や緑茶、コーヒーなど、胃に入れることで消臭に効くといわれる飲み物は多々ありますが、口臭が発生する仕組みを踏まえれば、これらはいずれも効果的な対策とはいえません。

口臭に悪臭をともなう『口臭症』の事例を見ても、においの原因は基本的に胃腸ではなく口腔内にあるとされています。にんにく臭の場合は、アリシンという化合物がにおいの元になっていますが、これが口のなかに滞留していることで悪臭を発しているわけです。

つまり理論上、何かを飲むよりも、口腔内を完璧に洗浄することが一番の口臭対策になるんです」

多くの人は、胃腸内のにんにくやそのにおいが、食道をせり上がって口から悪臭を放つイメージを持っているかもしれないが、これは誤解だと須田先生。

「胃の入り口には“噴門”という扉があり、これが食道への逆流を防止しています。そのため胃の内容物はもちろん、そのにおいが口まで上がってくることはまずあり得ないんですよ」

そうでなければ、人は常に口から吐瀉物の悪臭を放っていることになってしまう。やはり原因は口の中にあり、これを洗浄するのが最善策というわけだ。

「ちなみに誤解されがちですが、こうしたにおいの原因物質は歯やその隙間よりも、舌に付着しやすいのです。つまり、歯磨きだけでなく、舌をブラッシングするのが有効でしょう」

牛乳やコーヒーが口臭対策に効果的と噂されるのは、液体として原因物質を洗い流す働きがあるためだろうと須田先生は解説する。それよりも大切なのは、口腔内ににおいの成分を残さないことなのだ。

自分の姿勢はいいの?悪いの? あなたの姿勢診断6カ条!

立ち姿勢、座り姿勢……あなたは自分の姿勢に自信がありますか? デスクワークが多いと、気づけば猫背がちだし、スマホに顔をくっつけてアゴを突き出していることも多いし、自信がないという人も多いのでは?

 そこでまずは、自分の姿勢をセルフチェックする方法を、医学博士(内科・外科)の深町幸代先生に聞きました。

(1)まずは、背中を壁に向けて立ってみましょう。

point! カカト、お尻、背中、後頭部が同時に壁についていますか?
つかない人は姿勢が猫背な状態になっています。対処法として、少しずつでよいので毎日試して改善していきましょう。

(2)床に足を投げ出して座ります。足を軽く開いてみましょう。両手を後ろについて力を抜き、足先を内側と外側に交互にブラブラ動かしたあと止めます。

point! 足の長さや足先の位置、膝の向きが左右対称になっていますか?
対称にならない人は体が歪んだ状態になっています。対処法としては、普段から足を組んだり、横座りをやめてみることです。

(3)(鏡の前で)気をつけの状態で目を閉じます。両手の平を前に向け、横から上へあげてから、目を開けましょう。

point! 両手の高さが同じになっていますか?
両手の高さが同じでなかった人は、体が歪んだ状態になっています。対処法としては、いろいろありますが、まずは日常生活で荷物をいつも片方だけで持たないようにしましょう。

(4)(鏡の前で)力を抜いて、気をつけの姿勢をしてみましょう。
point! 両手が体の側面にあり、手の甲が外側を向いていますか?
手が体の前にあり、手の甲が前を向いている人は、猫背と言えます。対処法は、両手をうしろに組んで上に上げて、胸を張りましょう。

(5)(鏡の前で)両方の鎖骨が、横にまっすぐ床と平行か見てみましょう。
point! 床と平行だと正しい状態です。ほとんどの方がV字になっていると思われますが、V字だと猫背です。対処法は、両肩を上げてうしろにまわして、しっかりと胸を張ります。

いかがですか? 猫背だったり、体に歪みがあったり、意外に正しい姿勢がとれていないもの。筆者も想いのほか前屈みなのがわかりました。姿勢からくるさまざまな不調を予防するためにも、まずは自分の姿勢をチェックしてみては?

監修:深町幸代(フカマチユキヨ)
医学博士、日本外科学会外科専門医。産業医科大学、東京女子医科大学に勤務後、現在は愛生会・北町病院院長として、内科、外科の診療にあたる。雑誌、ラジオ、テレビなどを通して、専門分野のみならず、幅広く健康について正しい知識や情報、実施法を伝える活動をしている。ジュエリーデザイナーというもうひとつの顔ももち、ボランティア活動も行う。150名の女性医師がボランティア活動を行うEn女医会所属。

取材協力:En女医会
En女医会は全国で150人以上の女性医師が参加している、女医が医師としての仕事をしながら、プライベートも社会貢献も楽しみながら活動しようという会です。定期的な会合で、会員同士の親睦を深めるとともに、ボランティア活動や、医療知識や経験を活かしてさまざまな企業との商品開発を行い、利益の一部を寄付したり、雑誌やテレビ、ラジオ等に出演して健康や美容についてよりよい情報を発信したりしております。

4月発売の糖尿病新薬 糖と尿を一緒に排出し血糖値低下

糖尿病は身体のエネルギー源であるブドウ糖が筋肉などに取り込まれにくくなり、血液中に糖が出て血糖値が上昇し様々な症状が出る病気だ。進行すると腎不全や糖尿病性網膜症、末梢神経障害など合併症が起こるので、血糖値のコントロールが欠かせない。

 既存の糖尿病薬は、血糖値を下げるインスリンに作用するものが多かったが、来年4月に認可されるSGLT2(グルコーストランスポーター2)阻害薬は、全く違う作用を有する。

 全身を巡っている血液が腎臓を通過する際、腎臓は血液中の不要なものをこし取って原尿を作る。その量は一日に約150リットルで、尿管を通って膀胱に蓄えられる。その過程で水分やアミノ酸、糖など身体に必要な物質が血液に再吸収される。昭和大学医学部糖尿病・代謝・内分泌内科の平野勉教授に話を聞いた。

「糖の再吸収は腎臓の近位尿細管で行なわれます。近位尿細管にはSGLT1とSGLT2という輸送体があり、尿中の糖を認識して血液に送り出しています。主に働いているのがSGLT2で、新薬はこのSGLT2の働きを阻害し、糖の再吸収を防ぎ、そのまま尿に出す作用をします」

 以前、実験用の注射薬でSGLT阻害薬はあったが、SGLT1とSGLT2の両方を阻害するため、小腸での糖の吸収に作用して胃腸障害などが起こった。今回の新薬はSGLT2だけに作用する。

 この薬は尿中に糖を出すので、従来のような糖尿病の尿検査では誤った結果が出やすいため、血液検査を行なう必要がある。インスリンに作用するのではなく、腎臓だけで糖の再吸収を阻害するので、低血糖などの副作用がほとんど起こらない。

 糖が体内に再吸収されず、体内のブドウ糖が減少するので、蓄積された脂肪を分解し、脂肪酸が代替エネルギーとして使われる。これにより体重減少も起こり、血圧や血清脂質 の低下など、副次的な作用も期待できる。

 副作用としては、尿に大量の糖が混入するので、尿が下着に付着すると細菌が繁殖し、膀胱炎や性器感染症を起こすこともある。特に高齢者は尿漏れなどもあり注意が必要だ。

「たいしたことない」が実は大病!? 見逃してはいけない7つのサイン

日常によく起こる頭痛や便秘などの症状は、「これくらいなら大丈夫」と市販の薬を飲んでオシマイにしがちですよね? ところが、もしかしたらその陰に、もっと深刻でオソロシイ病気がかくれているのかもしれないのです! 

どんな病気でも、早期発見と早期治療が快復のカギです。手遅れにならないためにも、知っておいた方がよい7つのサインを、英語圏の女性情報サイト『SHAPE MAGAZINE』を参考にお伝えいたしますね。

■1:頭痛

頭痛はいろいろな原因で起こりますが、ぜひ注意していただきたいのが、急に襲ってきたはげしい頭痛で、熱をともなったり、首が凝ったり、吐き気をともなうものです。

こういった頭痛は、もしかしたら、脳腫瘍や、髄膜炎の可能性があるので注意が必要です!

■2:便秘

便秘でお悩みの女性は多いものですが、数日まったく気配がなく、からだがむくみ始めた、などの症状がある場合には、何かの原因で腸が詰まっているのか、または腫瘍や脱腸の可能性もありますから、ご注意下さいね。

■3:不眠

夜、なかなか眠れなくて、あっちを向いたり、こっちを向いたりしている方、いらっしゃいませんか? でも、もしそのほかにも、日常的にいびきをかく、異常な疲労感がある、といった方は要注意! もしかしたら、糖尿病や、高血圧のサインかもしれませんよ。

■4:おりもの

健康な状態でも、おりものがあるのはふつうですが、それが異常に水っぽく、量が多いな、というときには、子宮がんの可能性があるそうです。いつもパンティーライナーを使用している方には、すぐ分かると思いますよ。

■5:歯や顔の痛み

虫歯もないのに、歯や顔に、急にものすごい痛みを感じたら、もしかしたらそれは歯の問題ではなく、水痘が原因で起こる、帯状疱疹が顔の神経をおかしているのかもしれません。

これは放っておくと、顔に神経症を残したり、最悪の場合には失明する可能性もありますから、ご注意下さいね。

■6:下痢

下痢は、つらいものですが、もし薬を飲んで、数日しても治らない場合には、なんと寄生虫がいる可能性がありますし、さらにすい臓や胆のうにガンなどの問題があるのかもしれません。

■7:胃酸の逆流

油っこいものを食べた後に、胃がムカムカしたり、胸やけが起こることはありますが、頻繁に起こる場合には、胃酸が原因で、歯牙浸食が起こることがあります。また、胃酸が肺に吸引されてしまうと、喘息のような症状も起こりますし、最悪の場合には、食道がんの可能性もあります。

以上、日常何とも思っていなかった症状の陰に隠れている、恐ろしい病気のサインについてお伝えしましたが、いかがでしたか? 

忙しくてつい見逃しがちな病気の兆候ですが、何事もちょっとヒドすぎるなと思ったら、やはり早めにお医者さまの診断を受ける方が、安心ですよね? 

みなさんもこれを参考に、サインを見逃さずに早期治療を行えるように、お気をつけ下さいね。

「ロングフライト症候群」の予防策 間違いはどれ?

この記事では、今知っておきたい健康や医療の知識をQ&A形式で紹介します。ぜひ、今日からのセルフケアにお役立てください。 【問題】年末年始に長時間のフライトを予定している人もいるでしょう。そんな方々に気をつけてほしいのが、ロングフライト症候群(エコノミークラス症候群、旅行者血栓症ともいわれます)。ロングフライト症候群には有効な予防策があることが分かっていますが、次の4つのうち予防策として間違っているものはどれでしょう?
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(1)つま先やかかとの上下運動をする
.(2)サポート機能のあるストッキングを履く
(3)水分摂取を控える
(4)腹式呼吸をする

 正解は、(3)水分摂取を控える です。
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「ロングフライト症候群」の予防策 間違いはどれ?

■長時間同じ姿勢でいると血液がうっ滞

 ロングフライト症候群は、飛行機などの狭い座席で、長時間同じ姿勢でじっとしていると発症しやすい病気で、エコノミークラス症候群、あるいは旅行者血栓症とも呼ばれます。下肢の深部静脈(足の筋肉より内側にある太い血管)に、血の塊(血栓)ができ、それが血流に乗って肺に飛んで、肺の動脈を詰まらせる病気で、血栓が大きい場合は、肺動脈を完全にふさいでしまい、死につながることもあります。

 もう少し詳しく説明しましょう。下肢の血液は、ふくらはぎなどの足の筋肉を動かすことで、それがポンプの役目を果たして、心臓に戻っていきます。ところが、長時間同じ姿勢で足を動かさないでいると、ポンプ機能が働かず、血流が悪くなって血が固まり、血栓ができてしまいます(この状態を「深部静脈血栓症」と呼びます)。血栓ができてしまうと、立ち上がって動いたときなどに、血栓が血流に乗って肺へ運ばれ、肺の動脈を詰まらせてしまうのです(この状態を「肺血栓塞栓症」と呼びます)。

 「とくに、座ったままの姿勢は、下腹部の腸骨静脈などを圧迫するので、血液がうっ滞して、より血栓ができやすくなります」と、心臓血管外科医で北青山Dクリニック院長の阿保義久医師は話します。肥満傾向のある人はロングフライト症候群のリスクが高いといわれますが、これは、座ったときに自身の重みで腸骨静脈が圧迫されやすいためです。そうした状態で水分が不足すると、血液が粘り気のある状態になり、ますます血流を悪化させ、血栓もさらにできやすくなってしまいます。飛行機に乗っている間は、トイレに行く回数を減らそうと、水分摂取を控えがちな人も少なくなく、血栓ができやすい環境になってしまっているのです。

 ロングフライト症候群を予防するには、水分をこまめに摂取し、長時間同じ姿勢でいないことが大切です。体を動かしにくい場合には、つま先やかかとの上下運動をしたり、足首を回したり、ふくらはぎや太ももを軽くもんでマッサージしたりするといいでしょう。足全体を締め付けて、ポンプ機能をサポートする弾性ストッキングを履くのも有効です。「医療用でなくても、ある程度の圧力がかかるものであれば予防効果はあります」(阿保医師)。

 また、阿保医師は「腹式呼吸」による深呼吸も勧めています。「深呼吸をしようとすると、背筋を伸ばすなど体勢を変えるきっかけになります。さらに、腹式呼吸では腹筋と横隔膜を使うため、大きな血栓ができやすい下腹部のあたりを刺激することになります。足の運動で運ばれてきた血液を、横隔膜の動きによってさらに引き上げ、血液循環を促すイメージですね」(阿保医師)

 海外旅行などで長時間のフライトを経験する人が増える季節です。ぜひ、上記の予防策に気を付けて、安全で楽しい旅を!

寄生虫卵のんで自己免疫疾患が改善 世界注目の療法とは?

 世界で注目を集めているのに対し、日本ではこれまで触れられてこなかったのが「寄生虫卵内服療法」だ。東京慈恵会医大熱帯医学講座・嘉糠洋陸教授に話を聞いた。

 嘉糠教授は、初めて日本人を対象にした寄生虫卵内服療法の臨床研究を今月から開始。被験者は、年齢がバラバラの成人男性12人だ。来年度を目安に安全性を評価し、疾患への効果、レスポンダー(効く人・効かない人の判別)などを今後研究する予定だという。

 本来は体を守る免疫が暴走し、さまざまな症状を引き起こすのが自己免疫疾患だ。炎症性腸疾患、乾癬、多発性硬化症などがあり(囲み参照)、完治が難しく、難治例も少なくない。これら自己免疫疾患に効果があるとみられているのが、寄生虫卵内服療法だ。

「寄生虫に感染すると、寄生虫を主に攻撃する特別な免疫反応が働きます。すると、暴走している免疫反応が抑制され、自己免疫疾患の症状が治まるのです」

■欧米では十数年前に安全性が証明

 免疫反応は、例えるなら遊具の「シーソー」のようだ。一方の免疫が働けば、もう一方の免疫が抑制される。寄生虫卵内服療法は、このメカニズムを利用している。

 欧米では動物実験から寄生虫感染と自己免疫疾患との関係が指摘され、早くも2000年代初頭には豚の便の中から採取した寄生虫「豚鞭虫」の卵を内服しても安全であることが臨床試験で証明されている。

「炎症性腸疾患、乾癬、多発性硬化症のほか、花粉症、喘息、自閉症に対しても寄生虫卵内服療法の臨床研究が実施されています。近年、自閉症も自己免疫反応が関係していると考えられています」

 現在、1瓶に2500個の寄生虫が入った製品がインターネット上で気軽に購入できるようになっているほど、世界では「安全性は確証されている」という見方。また、ドイツでは来年以降、機能性食品として薬局などで販売される見込み。アメリカでは、日本の厚労省にあたるFDAの認可を受けるため、複数の臨床試験が進行中だ。

「ようやく安全性評価の臨床試験を始めた日本は、海外に比べてすさまじく遅れている」

 こう指摘する嘉糠教授が寄生虫卵内服療法に期待するのは、安全性とともに、安価である点だ。 

 自己免疫疾患は前述の通り、完治が難しい。薬を飲みながら、上手に疾患と付き合っていかなくてはならない。ところが効き目の強い薬は非常に高価で、経済的な理由から治療継続を断念せざるを得ない患者もいる。さらに、高価な新薬を用いてもうまくコントロールできない患者もいる。

「一方、豚の寄生虫を用いた寄生虫卵内服療法は、1匹の豚から大量の寄生虫を採取でき、安定供給が可能。価格を低く抑えられるのです」

 今、用いられている寄生虫卵は日本円に換算して2万5000円ほど。たった1回の服用で2週間ほど効果が持続する。

 2週間で2万5000円というのは、自己免疫疾患の従来の治療薬と比べてはるかに安い。

「治療で寄生虫に感染すると他人にうつしてしまうのでは」と思うかもしれないが、豚の寄生虫なので人間の体の中で育たない。ただし、HIV患者など免疫機能が落ちている人は、そうとはいえない。過去に「免疫が落ちている子供で、内視鏡検査をしたら寄生虫が親虫に育っていた」という報告がある。

 下痢や腹痛が起こる場合があるが、「自己免疫疾患が良くなることを考えれば、大した問題ではないと思う患者は多いのではないでしょうか」と嘉糠教授は言う。

■炎症性腸疾患と多発性硬化症

 炎症性腸疾患は主に消化管に炎症を起こす慢性疾患の総称。乾癬は表皮が過剰に増殖し、フケのようなものが付着したり、それがボロボロはがれ落ちるなどの症状がある。多発性硬化症は、神経症状を繰り返す疾患。

中高年は要注意…お酒の飲み過ぎが招く思わぬ病気の数々

 仕事のメドも立ち、今週末は最後の忘年会やクリスマス会という人も多いはず。なかには「祝日前だから今年最後の深酒を楽しみにしている」というお酒好きもいるだろうが、楽しいはずのお酒が思わぬ病気を招くことがある。消化器学会専門医で「鳥居内科クリニック」(東京・成城)の鳥居明院長に聞いた。

 お酒好きの中高年がとくに気をつけたいのは膵臓の病気だ。

「膵臓は胃の後ろ側の背中の近い場所に帯状にある消化器です。腸に消化酵素を分泌して栄養分の吸収を補助する外分泌と呼ばれる働きと、血管内にインスリンやグルカゴンなどを提供して血液中の糖分を調整する内分泌の機能があります」

 膵臓の病気には急性膵炎と慢性膵炎があり、その原因は胆石や自己免疫疾患などだが、一番多い原因はお酒の飲み過ぎだ。

「急性膵炎は、本来は膵臓では活性化されない消化酵素が活性化され、膵臓を消化してしまう病気です。重症の場合は意識の喪失、血圧の低下、頻脈などが見られ死亡することもあります。慢性膵炎は慢性の炎症によって膵臓の固有の細胞が破壊され、線維化が起こって、膵臓の機能が低下した状態をいいます。この状態が続くと、内分泌機能の低下で糖尿病を発症したり、重症化することがあります」

 急性膵炎は上腹部に激しい痛みが出て次第にその痛みが強くなり、数時間後にピークとなる。背中の痛みを伴う場合が多い。吐き気や嘔吐が起こり、食欲不振、発熱、下痢などが表れる。

 一方、慢性膵炎は膵臓の線維化のほか、外分泌低下による体重減少、水面に油のように広がる脂肪便が出るのが特徴だ。飲酒中の吐血や下血も少なくない。どんな病気が考えられるのか?

「一番多いのはマロリーワイス症候群です。お酒を大量に飲んで血液中にアセトアルデヒドと呼ばれる毒性の強い代謝物が増えると脳の嘔吐中枢に信号が送られて、腹圧が高くなり嘔吐します。これが繰り返されると食道と胃の接合部の粘膜が破れて吐血することがあるのです」

 食道の壁は内側から外側に向かって粘膜、粘膜下層、固有筋層、外膜の4層に分かれる。マロリーワイス症候群では食道の粘膜下層までしか裂けないが、食道壁がすべて裂けることも。それが突発性食道破裂だ。その裂け目から空気が漏れる縦隔気腫となったり、食べ物や細菌が漏れて縦隔炎が起こる場合もある。

「マロリーワイス症候群なら絶食して安静にしていれば自然と治りますが、突発性食道破裂は緊急手術が必要です。症状の違いは後者には激しい胸痛があることです」

■“プチかっけ”にも要注意

 痔持ちの人がアルコールを摂取すると血液の鬱滞が起こり悪化しやすい。これに下痢が加わるなどして痔核が破れて下血することがあるが、中高年に目立つのは大腸憩室出血だ。

「大腸憩室とは、腸の中の圧が高まって大腸の壁の一部が外に袋状に飛び出す病気です。人によっては100以上あり、便が詰まったり細菌が感染して炎症を起こして腹痛や発熱する場合が多い。お酒が刺激となってそれが破れて出血や腹膜炎を起こすことがあります」

 絶食して1、2週間で軽快してそのまま治るケースもあるが、中には、数カ月後に腸管の癒着が生じて予後が悪くなるケースがある。

 お酒を飲んで吐血や下血するのは他に胃潰瘍や十二指腸潰瘍、食道静脈瘤破裂や急性胃粘膜病変などがある。

 さらにお酒で胃壁が荒れるなどして鉄やマグネシウムなど必要な栄養素が取れずに倦怠感や集中力を失うこともある。

「お酒で一番失われる栄養素はビタミンB1です。アルコールは、腸から吸収され、血管を通して肝臓に到着。そこで代謝され、毒性の強いアセトアルデヒドに変わります。このときにビタミンB1が必要となりますが、お酒を大量に飲んだ場合は通常以外の経路でも分解されるため、さらに多くが消費されます」

 アセトアルデヒドが細胞内で二酸化炭素と水に分解され、体外に排出される際もビタミンB1は必要となる。

「ビタミンB1が不足すると疲れやすくなり、イライラして、集中力を失う。カップ麺ばかり食べているような人がお酒を飲むと“プチかっけ”症状が出ることがあるのです」

 年末年始を病院や自宅で伏せて過ごすことのないよう、お酒は節度のある飲み方をすることだ。

歯科医が提唱!高齢者に多い「誤嚥性肺炎」は口腔ケアで予防できる

日本人の死因のワースト3は長らく、がん、心疾患、脳血管疾患が不動の地位を占めていた。それが2011年になって、それまで4位であった肺炎が、脳血管疾患と入れ替わって3位になり、以来その座をキープしている。

そんな肺炎には、亡くなる人の97%が65歳以上という特徴がある。実はそのほとんどが、飲食物が気道に入る誤嚥がもとによる「誤嚥性肺炎」によるものだ。

高齢になると、ものを飲み込んだ際にタイミングよく気管の入り口が閉じられ食道へと導くという、人体に備わった繊細なメカニズムが衰えてします。そのために誤嚥のリスクが高まり、肺炎のリスクも高まるのだ。

これを予防するために注目されているのが、喉の筋肉を鍛えて嚥下力をつけるという体操だ。何人かの専門医が、独自の体操を編み出しているので、バリエーションは豊富。しばしばメディアも取り上げているので、何かで見知っている方も多いだろう。

しかし、そうしたアプローチとは一線を画して、“口腔ケア”で肺炎を防ごうと提唱しているのが、米山歯科クリニック(横浜市)の院長・米山武義さんだ。米山医師は、嘱託で老人ホームの歯科医も務めており、高齢者の口腔ケアでは第一人者である。

今回は、米山さんの著書『肺炎は「口」で止められた!』(青春出版社)から、「誤嚥性肺炎」を予防する口腔ケアの方法をご紹介する。

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著者の米山医師の考えは、単純にして明快だ。そもそも誤嚥性肺炎とは、飲食物と一緒に入った細菌が悪さを起こして発症するのであるから、その元を断つ(つまり口腔ケアによって口内の細菌をあらかじめ減らしておく)ことで、万が一誤嚥しても肺炎につながりにくくなる、というもの。

米山医師が老人ホームの高齢者の口腔ケアを徹底したところ、それまではよくあった入所者の発熱(肺炎の兆候のことがある)が激減したことから、着想したという。

細菌にとって、口の中は温度、湿度、栄養が揃った絶好のすみか。そこに住み着いている細菌は、約600種類に及ぶという。その中には善玉菌もいれば、肺炎桿菌や黄色ブドウ球菌といった肺炎を引き起こす悪玉菌もいる。日常的な口腔ケアによって、悪玉菌を減らせれば、肺炎の予防になる。本書ではその具体策を次のように記している。

●就寝前、起床後の歯磨きは大事

唾液には、口中の細菌増殖を抑制する働きがあるが、眠ると唾液の分泌は半減し、細菌は大増殖するという。

そこで著者がすすめるのが、寝る前と起きた後の「歯磨き」。虫歯予防の観点からすれば、歯磨きは食後にするものだが、肺炎リスクを減らすには、さらにこれらの時間帯にも磨くと効果的なのだという。

これは磨くというより「口腔内の細菌を取り除く」ことのほうが目的で、そのためには軽く口をすすぐのだけでもよいのだそうだ。

●歯磨きの前に歯間ブラシ

著者の米山医師によれば、歯と歯の間は汚れやすくて歯ブラシの届かない「ハイリスク」部分だという。特に年齢とともに歯の歯の隙間が増えてリスクは上昇する。

そこで勧めているのが、歯を磨く前に歯間ブラシを隙間に入れ、「ハイリスク」部分をきれいにすること。歯磨きの後だと、歯磨き成分のフッ素も取り除いてしまうので、あくまでも歯磨きの前にすべきだという。

●歯のトラブルがなくとも歯医者に行く習慣をつける

継続的な口腔ケアによって、末永く自分で噛める歯を維持できれば、十分な栄養を摂取できて抵抗力も強められる。そうなれば、ちょっとやそっとでは肺炎にならない強い体となれる。この考えから、3~4か月に1度、歯科医に診てもらうことがとても大事と米山医師は力説している。

比較的若い世代であっても、誤嚥性肺炎は遠い未来の話ではなく、口腔ケアを通じた予防は40代から始めるべきだと米山さん。そして、口腔機能の衰えがはじまる60代が、有効な手を打てる最後のチャンスだとのこと。

口の健康が気になるサライ世代の方々は、本書を読まれて対策に着手するとよいだろう。

【今日の健康に良い1冊】
『肺炎は「口」で止められた!』
(米山武義著、本体1,000円+税、青春出版社)

文/鈴木拓也
2016年に札幌の翻訳会社役員を退任後、函館へ移住しフリーライター兼翻訳者となる。江戸時代の随筆と現代ミステリ小説をこよなく愛する、健康オタクにして旅好き。
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