l.dtd"> あなたの健康はお金で買えますか・・・? ■膝・腰・肩・首・手・足・腕・猫背・頭・こむら返り
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痛み悩みの相談室 胸がチクチク痛むのは病気?

胸がチクチク痛むときは、まずは内科を受診し、肺や心臓、食道、胃などに問題がないかどうか診てもらうのが大事です。内科で異常が認められない場合は肋間神経痛の可能性があるので、整形外科も受診しましょう。肋間神経痛は、肋骨に沿って走っている肋間神経が痛む症状のことをいいます。左右同時に肋間神経が痛むこともありますが、どこか片方の1点の部位だけがチクチクと痛むことがあります。他にも、胸が締めつけられるような症状に見舞われることもあります。

 肋骨や肋間筋のけがや炎症と違って、肋間神経痛は体を動かしたり、ひねったりして痛みが強くなるということは少なく、動きに関係なくチクチク、ズキズキと痛みます。肋骨に沿って痛みがあれば診断がつきやすいのですが、胸の1点だけが痛むとか胸が締めつけられるといった症状の場合は、医師でもこの病気を思いつかないことがあります。でも、案外この病気はあるものです。治療としては神経痛などの薬を飲むことで収まることがほとんどです。

 背骨の変形やヘルニアなどが原因の場合もあれば、原因不明のことも多々あります。また、胸がチクチク痛み、最初は皮膚に何もなくて、2~3日後に片方の肋間神経に沿って丘疹や水疱が出てくる場合は帯状疱疹です。この場合はなるべく早く皮膚科を受診。帯状疱疹には優れた治療薬があり、早ければ早いほど後遺症を残さず治癒できます。

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監修/井尻慎一郎先生
井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPはhttps://ijiri.jp

痛み悩みの相談室 「四十肩・五十肩」になるのはなぜ?

 一般的に「四十肩」や「五十肩」というのは、肩関節の骨や軟骨には異常がないのに、周囲の筋肉や骨と骨をつなぐじん帯、筋肉と骨をつなぐ腱、関節を包む関節包などに炎症や老化による変性、損傷、断裂などが単独か複合して起きる病気です。ひどくなると「凍結肩」といって、肩関節の拘縮をきたし、動きが悪くなります。

 正式な病名は「肩関節周囲炎」といい、中年での発症が多いことから「四十肩」「五十肩」とも呼ばれます。肩を上げたり、後ろに回したり、服の脱ぎ着で痛みが強くなり、肩の動きが制限されます。ひじの辺りまで、痛みが放散することもあります。

 治療法としては痛みの程度により適宜鎮痛薬や湿布などを使いつつ、肩を痛い方向に少しずつ動かしていくことが大切です。痛いからと安静にしていると関節が固まってしまうので、少しずつゆっくり動かす範囲を広げます。少し痛みを感じる程度に1日数回動かすことが大事です。

 両手の指を体の前で組んで手のひらを向こうに返して両手を組んだまま頭の上まで天井に向かって背伸びしてください。ついでに体を左右に動かしたり捻ると背伸び体操にもなります。これができなかったり、髪の毛を結う動作、帯を後ろで結ぶ動作ができないと、五十肩になっている可能性があります。たまに、関節の奥にある腱板が断裂していて手術をしたほうがよいこともあるので、長びく場合は整形外科を受診してください。

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監修/井尻慎一郎先生
井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPはhttps://ijiri.jp

なぜ、男に腰痛が多く、女に肩こりが多いのか

「痛みに効果がある」と続けている習慣や運動が、症状を悪化させているかもしれない。腰痛や関節痛について、10のテーマに応じて専門家に聞いた。第2回は「男と女」――。(全10回) 「国民生活基礎調査」(厚生労働省平成28年)によれば、病気やけがなどの自覚症状のうち男性にもっとも多いのは腰痛。女性では肩こりとなっている。その違いはどこから起こるのか。5万人以上の治療実績を誇る鍼灸師・福辻鋭記氏に話を聞いた。

■男性は腰痛、女性は肩こり

 私の治療院の患者さんでも、腰痛は男性に多く、肩こりは女性に多いのが特徴です。なぜこのような違いがうまれるのでしょうか。それを理解するには、男女の骨格の違いを知ることが大切です。

男女の骨格で、大きく違うのが骨盤です。男性は「バケツ型」といってやや縦長で広がりがなく、女性は「タライ型」で、横に広がったかたちをしています。上半身では、肋骨の前面下部で左右の弓状の部分(肋(ろっ)骨(こつ)弓(きゅう))がつくる角度において男女差があります。おおむね男性のほうが広く、女性では広がりがありません。そこで、男性はいかり肩、女性はなで肩の人が多いのです。 これらの骨格の違いから、痛みが出る部位も変わってきます。

 なで肩の人は、いかり肩の人よりも腕が下がった状態になるため、腕と手の重みが肩にかかり、肩こりになりやすいのです。そのため女性に肩こりが多い。また、女性は首が細く、頭を支える力が弱いというのも、女性に肩こりが多い原因だと考えられます。

■原因の特定できない慢性的な腰痛も多い

 もう1つの女性のウイークポイントは「膝」です。50代を過ぎると、変形性膝関節症に悩む女性はとても多い。もともと女性は骨盤が横に広いうえに、かかとの高いヒール靴を履く機会も多いわけです。ヒール靴を履いて直立姿勢を取るには、太ももの大腿四頭筋がしっかり働く必要があり、この筋力が弱い女性ほど膝に負担がかかり、年とともに膝を支えきれなくなります。

 足裏の「土踏まず」のやや後ろぐらいに体重がかかるような立ち方を心がけましょう。

 一方、男性の骨格にはどんな危険があるのでしょうか。

 腰椎椎間板ヘルニアは、20~40代の男性に多いといわれます。原因の特定できない慢性的な腰痛も男性に多い。これには男性の骨格がかかわっています。男性は女性よりも、おおむね肋骨弓がつくる角度が広く、骨盤は広がりがない骨格をしているため、肋骨の下から太鼓腹がせり出すような状態に脂肪がつきやすい。すると、「反り腰」といって背中が反り返った姿勢になり、慢性的な腰痛を招く原因となるのです。また、男性は骨盤まわりのじん帯に柔軟性がなく、筋肉が固くなりがちなので腰痛を助長してしまいます。

 人の体は骨盤を土台に背骨が立っていて、それを軸に肋骨があり、全身の骨格ができています。呼吸をすると肺を支えている横隔膜が動き、肋骨も少し閉じたり開いたりします。このとき、骨盤も動くような柔軟性があることが正常なのです。骨盤まわりのじん帯や筋肉が硬くなれば、腰痛を助長するだけでなく、背骨や肋骨も自由に動かなくなって内臓の働きを妨げる恐れまであるのです。

 【結論】骨盤と肋骨の前面下部の開き具合で、痛む部位が変わる

福辻 鋭記(ふくつじ・としき)
アスカ鍼灸治療院院長
日中治療医学研究会会員。施術歴30年以上で5万人以上の治療実績を誇り、「日本の名医50人」に選ばれた鍼灸師。カイロプラクティック、整体なども取り入れた独自の治療法が人気。

【医師に聞く】リウマチって若くてもなるの? 完治はできる?

関節に痛みや変形などが伴うリウマチ。一般には中高年に多く見受けられる病気だが、昭島リウマチ膠原病内科の吉岡先生によると、若年層でも発症することがあるそうだ。はたして治療は可能なのか。可能だとしたら、どのような症状によって自覚すればいいのか。思いもよらない若い人のリウマチについて、詳しく解説いただいた。

[この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]

【この記事の監修医師】
吉岡拓也先生(昭島リウマチ膠原病内科 院長)
聖マリアンナ医科大学 医学部医学科卒業、聖マリアンナ医科大学大学院 医学研究科修了。聖マリアンナ医科大学病院、同横浜市西部病院、町田市民病院勤務を経た2017年、東京都昭島市に「昭島リウマチ膠原病内科」開院。患者へ寄り添い、人生を楽しく前向きに送れるよう努めている。医学博士、聖マリアンナ医科大学リウマチ膠原病アレルギー内科非常勤講師。日本内科学会総合内科専門医、日本リウマチ学会リウマチ専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医。

リウマチは「自分で自分を破壊」してしまう怖い病気

編集部:
まず、一般的なリウマチについて、教えてください。

吉岡先生:
わかりました。リウマチとは、免疫システムの異常により、自分の体を破壊してしまう全身疾患です。具体的な症状は、指や手首などの「小さな関節」によく現れ、痛みやこわばりなどを起こします。

編集部:
リウマチは高齢者がかかる病気だと思っていました。

吉岡先生:
実は、そうでもありません。女性の場合、30代から50代が発症のピークで、患者数にすると男性の4倍前後になります。若年層では女性に顕著な病気といえるでしょう。やがて60歳を超えると、男女比はほぼ等しくなってきます。また、お子さんで発症する方もいらっしゃいます。

編集部:
やはり、子どもでもリウマチになるのですか?

吉岡先生:
はい。16歳未満で発症し、6週間以上持続する原因不明の慢性関節炎のことを、「若年性特発性関節炎(JIA)」と呼んでいます。原因不明とはいえ、免疫システムの異常が関係しているため、リウマチの一種と考えていいでしょう。

若年性特発性関節炎が疑われるケースについて

編集部:
若い人のリウマチについて詳しく教えてください。

吉岡先生:
わかりました。日本における「若年性特発性関節炎」の発症率は、1万人に1人といったところです。主な症状が関節に見受けられる「多関節型」と、さらに発熱や発疹などを伴う「全身型」にわけられます。

編集部:
遺伝は関係しているのですか?

吉岡先生:
遺伝要因が考えられる一方、そのお子さんにだけ現れるケースもあります。外的な環境要因として、受動喫煙や歯周病などとの関連性が報告されています。

編集部:
主な症状を教えてください。

吉岡先生:
「多関節型」と「全身型」いずれの場合でも、関節に痛みや腫れ、動かしにくさなどを感じます。放置していると関節の破壊が進み、隣接した骨の癒着を起こしかねません。「全身型」は、これに発熱や発疹などが加わります。

編集部:
突き指や捻挫に似ているような気がします、区別の仕方は?

吉岡先生:
痛みや違和感が長期間、続いているかどうかですね。あるいは、症状がほかの関節へ広がってくることも考えられます。突き指や捻挫の心当たりがないようでしたら、リウマチ専門クリニックを受診してみてください。検査のうえ、「若年性特発性関節炎」では“なかった”としても、そのこと自体が有益な情報になるはずです。

若年性特発性関節炎と診断されたら

編集部:
若年性特発性関節炎は治るのですか?

吉岡先生:
一般的なリウマチと一緒で、完全に治すことはできません。治療目的は、お薬の継続的な服用により、痛みや不具合を感じない「寛解(かんかい)」という状態を目指すことです。治療の開始時期が早期であればあるほど、「寛解」へ至りやすいでしょう。

編集部:
どのような治療をしていくのでしょう?

吉岡先生:
リウマチに有効とされている「メトトレキサート」という免疫抑制剤で様子を見るのが一般的です。効果の有無や副作用によっては、別の生物学的製剤などに切り替えていきます。筋力低下が懸念されるので、リハビリも必要になってきますよね。

編集部:
リハビリは、痛かったりつらかったりするのでしょうか?

吉岡先生:
そこまでの負担はありません。痛みを感じる少し手前のレベルで十分です。筋力低下を予防するためにも、少しずつでいいですから、動かしましょう。

編集部:
最後に、読者へのメッセージがあればお願いします。

吉岡先生:
18歳未満の患者さんで、「若年性特発性関節炎」と診断されれば、公的支援制度が受けられます。各自治体により、費用の助成や用具の給付などを用意していますので、前向きに検討してみましょう。

Medical DOC編集部まとめ
若い人ほど、「まさか自分がリウマチだ」とは考えないでしょう。ぜひ、リウマチに関する正しい知識を得て、症状の長期化や発熱などから、「怪しきを疑って」みてください。確信に至らずとも、「もしかしたら」という段階で受診することをお勧めします。

関節が痛むのに、運動したほうがいいの? 専門医の答えは?〈dot.〉

加齢とともに増えていくのが腰や股関節、ひざなど「運動器」の痛みです。運動器とは、骨や関節、筋肉など、からだを動かすための部位のこと。運動器の痛みの治療は、「保存療法」と「外科的療法(手術)」に大別され、多くの場合、まずは保存療法をおこないます。好評発売中の週刊朝日ムック『首腰ひざのいい病院2020』では、千葉大学病院痛みセンター・センター長の大鳥精司医師と愛知医科大学病院学際的痛みセンター長の牛田享宏医師に取材しました。

 運動器の痛みの保存療法には、「薬物療法」「運動療法」「物理療法」などの種類があります。痛みを完全になくそうとすることより、痛みとうまく付き合いつつ、動けるからだやQOL(生活の質)の維持を目指すことが大切になります。

 千葉大学病院痛みセンター・センター長の大鳥精司医師はこう話します。

「痛みがある場合、薬物療法で痛みを抑えることから始めます。痛みが落ち着き、動かせるようになったら運動療法を始めるのが一般的です。痛みが軽い場合は運動をするだけで改善することもあります」

 運動器の痛みの治療に用いられる薬にはいくつかの種類があります。現在は主に、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)、解熱鎮痛薬(アセトアミノフェン)、神経障害性疼痛治療薬(プレガバリン)、弱オピオイド系鎮痛薬、抗うつ薬、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)などが使用されます。

 そのなかでも、比較的鎮痛効果が高く、安全性も高いとされているNSAIDsとアセトアミノフェンが第一選択薬です。ただし、痛みの原因によっては別の薬を使用することもあり、第一選択薬で痛みが改善されない場合には、別の作用をもつ薬、強い作用の薬に切り替えることもあります。

 どの薬を選択するかは、痛みの原因や症状の強さ、炎症の有無などにより異なりますが、医師がさまざまな状況を考慮して判断します。薬物療法とならんで保存療法の要となるのが運動療法です。運動療法とは、骨や関節を支える筋肉を鍛えることで、関節への負担を軽くしたり、痛みを軽減したりする治療法のこと。運動には、筋力強化に加え、関節の動きをよくしたり、筋肉をほぐして血行を促進したりというメリットもあります。

 一般的におこなわれる運動療法には、関節の動きをよくするための「可動域訓練」、筋肉をほぐすための「ストレッチ」、筋力を強化するための「筋力訓練」などがあります。全身運動として、ウォーキングや水中歩行などの有酸素運動も有効です。

 愛知医科大学病院学際的痛みセンター長の牛田享宏医師はこう話します。

「例えば腰痛を改善したいとき、腰だけでなく土台となる足や上半身も強くなければ腰を支えることができません。また、心肺機能を維持することも重要です。いくら痛みがなくなっても、心臓や肺が働かなければ元気に動くことはできないからです。そのためにも全身運動は非常に大切と考えられます」

 では実際、どのような運動をどの程度したらいいのでしょうか。

「日常の身体活動と病気予防の関係についての調査研究では、一日平均8千歩程度歩き、中強度の運動を20分程度している人が最も成績がよいというデータがあります。中強度の運動とは、ちょっと脈が速くなり、手が汗ばむ程度の運動といえます。最も手軽な全身運動としておすすめなのは、歩くこと。一日20分、真面目に早足で一生懸命歩くという習慣をつけるといいでしょう」

 あわせて、筋肉をほぐすストレッチも有効で、筋力アップのためには「ゆっくり動かすことで筋肉に負荷をかけるスロー運動がおすすめ」と牛田医師は言います。慢性疼痛ガイドラインでも、太極拳やヨガなどは慢性腰痛に対して痛みを軽くし、身体機能を改善する効果が期待できるとされています。

「よくいるのが『運動したら痛くなったからやめた』という人。運動習慣のない人が運動をしたら、最初は筋肉痛が出るのが当たり前。そこでやめてしまっては筋肉がつきません。痛かったら1~2日は休んでもいいですが、また続けましょう」(同)

 運動器の疾患や運動のしかたによっては痛みが悪化してしまうこともあるため、不安な場合は早めに整形外科医や理学療法士に相談しましょう。

(文・出村真理子)

◯監修
千葉大学大学院医学研究院整形外科学教授
千葉大学病院痛みセンター・センター長
大鳥精司医師

愛知医科大学医学部教授
愛知医科大学病院学際的痛みセンター長
牛田享宏医師

※週刊朝日ムック『首腰ひざのいい病院2020』から

痛み悩みの相談室 「四十肩・五十肩」になるのはなぜ?

 一般的に「四十肩」や「五十肩」というのは、肩関節の骨や軟骨には異常がないのに、周囲の筋肉や骨と骨をつなぐじん帯、筋肉と骨をつなぐ腱、関節を包む関節包などに炎症や老化による変性、損傷、断裂などが単独か複合して起きる病気です。ひどくなると「凍結肩」といって、肩関節の拘縮をきたし、動きが悪くなります。

 正式な病名は「肩関節周囲炎」といい、中年での発症が多いことから「四十肩」「五十肩」とも呼ばれます。肩を上げたり、後ろに回したり、服の脱ぎ着で痛みが強くなり、肩の動きが制限されます。ひじの辺りまで、痛みが放散することもあります。

 治療法としては痛みの程度により適宜鎮痛薬や湿布などを使いつつ、肩を痛い方向に少しずつ動かしていくことが大切です。痛いからと安静にしていると関節が固まってしまうので、少しずつゆっくり動かす範囲を広げます。少し痛みを感じる程度に1日数回動かすことが大事です。

 両手の指を体の前で組んで手のひらを向こうに返して両手を組んだまま頭の上まで天井に向かって背伸びしてください。ついでに体を左右に動かしたり捻ると背伸び体操にもなります。これができなかったり、髪の毛を結う動作、帯を後ろで結ぶ動作ができないと、五十肩になっている可能性があります。たまに、関節の奥にある腱板が断裂していて手術をしたほうがよいこともあるので、長びく場合は整形外科を受診してください。

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監修/井尻慎一郎先生
井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPはhttps://ijiri.jp

現代病「巻き肩」…「肩甲骨を寄せて治す」はやってはいけない

肩が胸より前に出ていませんか?

 パソコンやスマホに集中していると、どうしても画面を覗き込むような、悪い姿勢になってしまう。

 慢性的な肩こりや頭痛に悩まされていて、仕事のパフォーマンスが下がっている。

 姿勢が悪く、覇気のない見た目になってしまっている。

 このような姿勢と健康に関する悩みは多くのビジネスパーソンにとって他人事ではないと思います。 その中でも、近年注目されている「巻き肩」という症状をご存知でしょうか。 巻き肩とは、下記の画像のように、頭が前に出て、肩が胸より前に巻いてきてしまう状態のことを言います。

 パソコンやスマートフォンを多用する現代では、ついつい画面を覗き込むような姿勢になっていることが多く、それにつられて肩を身体の内側に巻き込んでしまうのです。この巻き肩は、見た目が悪いだけでなく、様々な身体の不調を招いてしまうのです。肩が本来の位置にないバランスの悪い姿勢は、首や肩、腰に負担をかけ、首こりや肩こり、腰痛、頭痛の原因にもなり、仕事のパフォーマンスを大きく下げています。

 こういった要因から、「姿勢を良くしたい」という願望は、ほとんどの人が一度は抱き、自分なりに取り組んでみたことがあるでしょう。

 ただ、そこでやってしまいがちなのが、「いい姿勢を意識する」ということです。

 例えば…

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・背筋を伸ばす
・胸を張る
・肩甲骨を寄せる
・あごを引く
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 一般的に、いい姿勢とはおおよそこんなイメージですよね。 しかし、実際にこれを意識し続けることが難しいとも感じているのではないでしょうか。 頑張っていい姿勢をとっても、すぐに疲れて元の悪い姿勢に戻ってしまいますよね。しかし意識していなければいつもの悪い姿勢のままになってしまう。

 では、どうすればいいのでしょうか。

「肩甲骨を寄せる」という過ち

 それにお答えするべく、巻き肩の根本の原因と、それに基づく改善方法を解説していきます。巻き肩を改善する一般的なアドバイスとして、「肩甲骨を寄せる」というものがあります。肩が前に巻いてきてしまうので、肩甲骨を寄せて肩を引っ込めればいい、という考え方です。

 ですが先ほども言ったように、これを意識していると、すぐに疲れてしまいます。 それでも、「頑張り続ければいつかいい姿勢が定着するはず、それができないのは自分のせいだ」と思っている方も多いのです。でもそれは間違った方向の努力と言わざるを得ません。前に巻いている肩を後ろに引っ張り返す、ということは、全く根本的な解決になっていないのです。根本からの改善を目指すのなら、 そもそもなぜ巻き肩になってしまうのかという原因を理解しなければなりません。

 巻き肩になってしまう原因は実はとても簡単です。それは、「胸の筋肉が硬直しているから」です。胸の筋肉が収縮して硬くなることで、肩や腕が前に引っ張られるから巻き肩になるのです。

 そして肩甲骨を寄せるという行為は、この前に引っ張られている肩を後ろに引っ張り返す行為です。つまり、前と後ろで引っ張り合いを起こしているのです。 引っ張り合いを続ければ、筋肉は当然疲弊します。肩を前に引っ張っている胸の筋肉はさらに硬くなり、後ろに引っ張っている首や肩の筋肉も硬直し、痛みやコリ感を引き起こします。

 これではいい姿勢が身につくどころか余計に姿勢が悪くなり、肩こりがひどくなるばかり。根本の原因から改善するべきですよね。 前から引っ張られているのを、後ろに引っ張り返すのではなく、前から引っ張っているのをやめさせればいいのです。 具体的には、肩を前に引っ張っている胸の筋肉をゆるめればいいのです。

 筋肉をゆるめるというと、マッサージやストレッチといった方法が一般的ですが、それはあまり推奨していません。 なぜかというと、筋肉には防御反応があるからです。 マッサージやストレッチとは硬くなった筋肉を無理やり押したり、揉みほぐしたり、引っ張ったりする行為です。

 これらを筋肉は「攻撃」だと捉えます。 すると筋肉は攻撃から身を守ろうと、余計に収縮して硬くなってしまいます。 その状態で押したり揉んだり引っ張ったりを続けると、筋肉は傷つき、ボロボロになります。 そしてその傷が回復するときに、また固い状態に戻ります。

 マッサージやストレッチをすると、その時は良くなった気がするけど、すぐにまた元の悪い状態に戻ってしまうという経験がある方もいると思いますが、それにはこういった理屈があるのです。

筋肉は実は簡単に緩められる

 では、どうすればいいのかというと、筋肉の防御反応が起こらない方法で刺激をすればいいのです。 筋肉は強く押されたり、引っ張られたりすると、それを攻撃と捉えますが、刺激が弱ければ、防御反応は起きません。

 具体的に言うと、1立方センチメートルあたり20グラム以下の圧力なら大丈夫です。理想は5グラム以下です。この強さでゆるめたい筋肉に触れながら、ゆらす。または、触れながら、深呼吸をする。こういった方法で、実は筋肉は簡単に緩んでしまうのです。

 私はこの手法を使って、お客様に施術をしているわけですが、とても簡単なので、ご自分でケアをしていただくこともできます。 その中から、道具を使わず1分でできる巻き肩セルフケアをご紹介します。

手順1
片側の手のひらを外側に向けて、もう片方の手で頰に優しく触れる

手順2
その状態のまま、深呼吸を2回行う。そして、外側に開いている手を4回振り、グーパーと手を握って離してを2回繰り返す

手順3
同様に首筋に優しく触れて、深呼吸を2回、手を4回振り、グーパーと握って離してを2回繰り返す

手順4
同様に胸に優しく触れて、深呼吸を2回、手を4回振り、グーパーと握って離してを2回繰り返す

手順5
同様に脇腹に優しく触れて、2回、手を4回振り、グーパーと握って離してを2回繰り返す

手順6
左右を入れ替えて、1から5までを行う

 頬から脇腹までの筋肉にアプローチするわけですが、優しく触れることで筋肉の防御反応は起こりません。そして手をグーパーする動きで触れている筋肉に揺れを伝えることで、筋肉が自然と緩んでいきます。

「血管をつぶさないくらい」の強さ

 言葉で説明すると、ややこしくて面倒に感じるかもしれませんが、やってみると1分もかかりません。どこでも簡単にできるケアなので、ぜひ一度試してみて下さい。 コツとしては、触れる時の強さを、5グラム以下を意識して、非常に優しくすること。

 5グラムがわかりにくい…という方。そんな場合は、手に浮き出ている血管を触ってみてください。その時、血管が潰れない程度の強さをイメージするといいでしょう。また、深呼吸は鼻から吸って、口から吐くと良いです。吐くときに力を抜いてリラックスすることを意識してください。

 上記のケアを行う前後で「肩を回した時の可動域」や「左右を向いた時の首の可動域」などが変わる、肩が自然と下がる、なにより前に巻いていた肩が後ろに引っ込むなどといった変化があると思います。まずは片側だけやってみて、左右の違いを感じてみてください。

 上の画像は、お客様にケアをやって頂いた時の様子です。このように胸まわりの筋肉をゆるめると、肩を前に引っ張る力はなくなるので、自然と本来の位置に収まるようになっていきます。

 もちろん一度のケアで効果がずっと続くわけではありません。しかし、悪い姿勢により負担をかけられ続け、マッサージやストレッチなどでいじめられてきた筋肉にとってきちんとゆるむ経験はとても貴重です。きちんとゆるんだ筋肉は本来の機能を取り戻し、周りの筋肉と連動して効率よく動くようになります。日々ケアを続けて体にその状態を覚えさせていくと、自然と姿勢もよくなり、バランスの良い体の使い方になっていきます。

 本当のいい姿勢とは、無理に意識して作るのではなく、筋肉をゆるめて、体のバランスを整えた結果、自然となるものなのです。 朝起きてすぐやれば、スッキリとしますし、日中に疲れやコリを感じた時にやればリフレッシュできますし、夜寝る前にやればリラックスして寝ることができます。 まずは1日1回から、お好きなタイミングで続けてみてください。

痛み悩みの相談室 布団よりベッドが腰にやさしい

 畳は日本の大切な伝統文化の1つですが、腰痛持ちだと、床から寝起きするときにベッドより上下の動きが大きく、腰に負荷がかかります。布団の上げ下げも大変です。床から30~50㎝の位置にあるベッドから寝起きしたほうが動きは少なく、腰の負担は軽くなります。和室でもベッドは置けます。畳の上で寝起きしている腰痛持ちの方は、購入を検討するとよいでしょう。

 最近は布団や寝具にこだわる方も増えていますが、何が腰痛に効果的なのかは一概に言えません。布団やマットの適切な柔らかさや材質は、腰痛の状態や年齢によって異なります。一般的には、上向きで寝るときに重い尻が沈み込むと腰が反ってしまい、腰痛が生じやすくなるので、硬い布団やマットが推奨されています。ただし、この通説も状況によります。

 そのため、私は「寝返りしやすい寝具」を勧めています。人間は動かずに寝ていると筋肉や関節がこわばるので寝返りを打ち、自然に体をほぐしています。寝返りは、じつはとても大切な運動なのです。朝、起きがけに腰やひざが痛む方がいますが、これは夜間に筋肉や関節が硬くなり、そこから急に体を動かすことで起きるものです。腰痛に悩まされている方は、寝ていても自然に寝返りが打ちやすい寝具を選びましょう。

 上向きにまっすぐ脚を伸ばして寝ると腰に負担がかかるので、腰痛のある方は、左右に、横向きに寝るのがお勧めです。

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監修/井尻慎一郎先生
井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPはhttps://ijiri.jp

痛み悩みの相談室 ★神経痛の原因は何?

 神経痛にはさまざまな原因があります。一般的には「炎症やケガや圧迫や血行障害が原因の場合」「神経そのものが傷んでしまって痛みが生じる神経障害性といわれる場合」「原因不明の場合」の3つに分類できます。ヘルニアによる「根性坐骨神経痛」やヘルペスウイルスによる「帯状疱疹後神経痛」のように原因がはっきりしている場合もあれば、まったく分からないこともあります。

 神経痛は、まず原因を取り除くことが大事です。そして、初期は炎症性と考えられ、治療薬はロキソニンやボルタレンといった非ステロイド性消炎鎮痛薬が用いられます。しかし、神経痛の診断と治療はこの10年で劇的に変わり、これらの鎮痛薬では痛みが取れない場合があることが分かってきました。先ほど説明したように神経そのものが傷ついてしまったり、変性してしまい、痛みが続くこともあるので、今は痛みの種類を見極め、それぞれに適した治療や薬剤を組み合わせて処方しています。

 現在は、神経障害性の痛みには専門的な効果がある「リリカ」や「タリージェ」という薬や抗うつ薬などが選ばれるようになっています。原因不明の神経痛には温めたりビタミンB12を服用したり、適度な体操などを行いますこのように、神経痛には3つの種類とさまざまな薬剤や治療法があります。医師から対処法をよく聞き、自分に適した治療を心がけましょう。

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監修/井尻真一朗先生
井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPはhttps://ijiri.jp

【今からトレーニング 】痛むのは膝でも…その原因は膝ではないことも!? 足のマッサージは「気持ちいい」程度でOK

★痛み軽減トレーニング/膝の痛み

 膝の痛みを自分でメンテナンスする方法を、脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患後遺症に特化したマンツーマン型のリハビリ施設「脳梗塞リハビリセンター」の理学療法士で心臓リハビリテーション指導士の村谷元気センター長と大平大地さんに聞く。前回は、膝に負担をかけずに膝周りの筋肉を鍛える方法を教わった。今回は、足のマッサージだ。

 「膝は足関節と股関節の中間の関節なのでストレスがかかりやすく、痛むのは膝でも、その原因は膝ではないこともあります。足のアライメント(骨格の並び)などが原因となることも多いのです。そのような場合、足の筋肉をほぐすことで機能的に働きやすくなる結果、膝の痛みが緩和することがあります」(大平さん)

 足のマッサージは、足部分と、ふくらはぎや太ももに分けて行う。

 <足部のマッサージ>

 (1)足の指と指の間をつまんでほぐす

 (2)硬まっている場合はけっこう痛むので、がまんをせずに心地よい程度の強さに抑えて柔らかくほぐしていく

 「自分の手でマッサージをしようとすると、膝や股関節を曲げないとできないので、曲げると痛みの出る人は難しいかもしれません。その場合は、椅子に座った状態で足の下にゴルフボールを入れて、少しずつ体重を乗せながら動かします。ゴルフボールが固くて痛いなら、サランラップの芯やタオルを丸めたものを使いましょう」(村谷さん)

 決して「痛む方が効果がある」と思わず、がまんをせずに気持ちいい程度で加減をすることが大切だ。

<下腿三頭筋(ふくらはぎ)、ハムストリング(太ももの裏側)のマッサージ>

 (1)ふくらはぎの下から上に向かって、つまむように軽く押してマッサージする

 (2)硬い部分があれば、そこを中心にほぐす

 (3)硬い部分は膝や腰の痛みの原因になることがあるので、硬さを少しでもほぐすように続ける

 「マッサージをすればするほど柔らかくなると思いますが、筋肉の特性上、圧迫しすぎると逆に硬くなる場合があります。痛みを感じるほど強く押すのはよくありません。『イタ気持ちいい』という状態はおすすめしません。ふくらはぎがガチガチで硬い人は、硬いからといって力を入れるのではなく、ふくらはぎ全体の筋肉を集め、筋肉が柔らかくなっているところで手を止めます。硬くてもグイグイ押す必要はありません。軽くマッサージして、もみほぐす程度にします。マッサージの後にふくらはぎや太ももの裏側をストレッチすることも有効です」(大平さん)

痛むのは膝でも…その原因は膝ではないことも!? 足のマッサージは「気持ちいい」程度でOK

★痛み軽減トレーニング/膝の痛み

 膝の痛みを自分でメンテナンスする方法を、脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患後遺症に特化したマンツーマン型のリハビリ施設「脳梗塞リハビリセンター」の理学療法士で心臓リハビリテーション指導士の村谷元気センター長と大平大地さんに聞く。前回は、膝に負担をかけずに膝周りの筋肉を鍛える方法を教わった。今回は、足のマッサージだ。

 「膝は足関節と股関節の中間の関節なのでストレスがかかりやすく、痛むのは膝でも、その原因は膝ではないこともあります。足のアライメント(骨格の並び)などが原因となることも多いのです。そのような場合、足の筋肉をほぐすことで機能的に働きやすくなる結果、膝の痛みが緩和することがあります」(大平さん)

 足のマッサージは、足部分と、ふくらはぎや太ももに分けて行う。

 <足部のマッサージ>

 (1)足の指と指の間をつまんでほぐす

 (2)硬まっている場合はけっこう痛むので、がまんをせずに心地よい程度の強さに抑えて柔らかくほぐしていく

 「自分の手でマッサージをしようとすると、膝や股関節を曲げないとできないので、曲げると痛みの出る人は難しいかもしれません。その場合は、椅子に座った状態で足の下にゴルフボールを入れて、少しずつ体重を乗せながら動かします。ゴルフボールが固くて痛いなら、サランラップの芯やタオルを丸めたものを使いましょう」(村谷さん)

 決して「痛む方が効果がある」と思わず、がまんをせずに気持ちいい程度で加減をすることが大切だ。

<下腿三頭筋(ふくらはぎ)、ハムストリング(太ももの裏側)のマッサージ>

 (1)ふくらはぎの下から上に向かって、つまむように軽く押してマッサージする

 (2)硬い部分があれば、そこを中心にほぐす

 (3)硬い部分は膝や腰の痛みの原因になることがあるので、硬さを少しでもほぐすように続ける

 「マッサージをすればするほど柔らかくなると思いますが、筋肉の特性上、圧迫しすぎると逆に硬くなる場合があります。痛みを感じるほど強く押すのはよくありません。『イタ気持ちいい』という状態はおすすめしません。ふくらはぎがガチガチで硬い人は、硬いからといって力を入れるのではなく、ふくらはぎ全体の筋肉を集め、筋肉が柔らかくなっているところで手を止めます。硬くてもグイグイ押す必要はありません。軽くマッサージして、もみほぐす程度にします。マッサージの後にふくらはぎや太ももの裏側をストレッチすることも有効です」(大平さん)

 次回は、「目の疲れ」を軽減する方法を紹介する。(松本佳代子)

腰痛を2分で改善させる2つの方法 スポーツドクターが伝授

 腰痛は、病院に行ってもよくならない――。そう思っている人は多いのではないか。ある意味、それは正解だ。では、どうすればいいのか?

「腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など、レントゲンやMRIで原因を診断できる腰痛は整形外科で治療できる。しかし、画像検査で異常が見つからない腰痛には運動療法しかありません」

 こう言うのは、五輪のスポーツドクター経験があり、北島康介さんや寺川綾さんなど多くのトップアスリートの健康管理をしてきた早稲田大学スポーツ科学学術院の金岡恒治教授(整形外科医)。金岡教授が勧める2つの方法(具体的には後述)を慢性的な腰痛を抱える40~60代の男女が1日2分、毎日行ったところ、1カ月で痛みが平均5割減少、6カ月後には平均8割減少した。

 画像診断で原因を特定できない腰痛を「非特異的腰痛」という。

「ほとんどの人に見られるのが、股関節が伸びにくくなって体の重心が前に傾き、それを背中の筋肉で支えているのですが、加齢とともに体は前に傾くため背中の筋肉に負担がかかり、腰痛が悪化する――というもの。四足歩行だった動物が二足歩行になった結果、腰痛は避けられないことでもあります」

 非特異的腰痛では、「とりあえず薬(鎮痛剤)」「神経ブロック注射しますか?」となりがち。痛みは一時的に取れるかもしれないが、大本の原因が解決できていないので、腰痛は治らない。

 そこで腰痛と縁を切るために、今日から行うべきなのが次の方法だ。

■まずは股関節のストレッチで準備

 足を前後に大きく開き、前の膝を曲げ(膝が足のつま先より前に出ない)、股関節を伸ばす。足を入れ替え左右どちらの股関節も伸ばす。

 さらに、体幹を鍛える2つの方法も行う。これは腰に負担をかけにくい姿勢を維持するのに有効で、先に紹介した「1カ月で腰痛5割減少、6カ月で8割減少」の結果をもたらした方法だ。

「骨盤の位置が前に傾いても後ろに傾いても腰に負担がかかります。適切な位置を維持するには、体の重心を前に傾け過ぎないようにする腹横筋と、背中の筋肉である多裂筋の2つをうまく使わなければなりません」

【1 ドローイン】
 あおむけに寝て膝を立て、背中(特に腰の部分)を床に押し付けるようにする。息を吐きながら行うとよりいい。

【2 ハンドニー】
 四つん這いになり、右手と左足を上げ、体と水平になるように伸ばす。反対側もする。

 やってみると分かるが、ドローインはどうしても腰の部分が浮きがち。床にくっつくのが理想的であるものの、できる範囲でいい。ハンドニーは手と足を同時に上げられない場合、まずは手だけで。できるようになったら足も上げる。

 2つを同時にやる方法もある。タオルを両手に持ち、両手を上に。この時、両腕は耳の後ろになるようにする。息を吐きながらお腹をへこませ、両肘を曲げて、両手を背中側に下げる。

 腰痛に加えて肩凝りもひどい人は、肩甲骨にある菱形筋を動かす方法も取り入れるといい。手のひらを内側にして両手を上げ、肩甲骨が寄っているのを意識しながら両手を肩の位置まで下ろす。両手を下ろす時、手のひらをゆっくり外側に向けていく。スマホを日常的にいじっていると背中が丸まりがちなので、その改善にも役立つ。

 いずれもできれば毎日行う。自転車の練習と同じで、続ければ筋肉の動かし方が自然と身につく。3カ月、半年と続ければ、日常生活でも無意識に筋肉を動かせるようになる。つまり、腰痛になりにくい体の使い方をできるようになるのだ。

肩こりはもんでも治らない? 理学療法士が明かす驚きの解消法とは

 頭痛や眼精疲労をはじめ数々の不調を引き起こす、つらい肩こり。「スマホ首」という言葉が話題になりましたが、日々、スマートフォンが手放せない私たちにとって、首の痛みや肩こりはもはや"新・国民病"といっても過言ではないかもしれません。

 湿布や磁気ネックレスを使ったり、あるいは定期的にマッサージ店に通ったりと、自己流のケアで日々やり過ごしているという方も多いのではないでしょうか?

 しかし、本書『こりの原因は手首にあった 肩こりはもまずに治せる!』の著者、理学療法士の清水賢二さんによれば、これらは一時的な対症療法でしかなく、根本的な解決にはならないと言います。

 清水さんは本書の中で「肩こりの原因は肩そのものでなく、手首にあるのです」と述べ、肩を直接もんだり叩いたりするよりも、手首へのケアが肝心だと訴えます。

 本来、健康な手首は、親指と小指が向き合ってアーチ状にカーブしている状態。ところが、スマートフォンやパソコン作業などで手首を酷使し負荷をかけすぎると、このアーチが潰れ、平らになってしまうのだとか。そうなると手首の筋膜(筋肉をはじめ全身を覆う膜)がよれて血管や神経が圧迫され、腕全体の筋肉の動きが悪くなり、肩への負担が増加。その結果、肩こりがひどくなってしまいます。

 そこで清水さんが考案したのが、手首のアーチを整えて筋膜の不調をリセットする施術。本書では、肩もみよりも有効な、3つの「手首アーチ体操」をご紹介。頑固な肩こりに困っている方はぜひ、本書が提唱するエクササイズを取り入れてみてはいかがでしょうか。

肩こり、腰痛、眼精疲労…体の歪みに効く「ペットボトル温灸」

カラダのこわばりや疲れを解消したいが、行きつけの鍼灸院やマッサージ店はどこも休み。残念……。

そんな人におすすめなのがひとりでできるペットボトル温灸だ。「安心のペットボトル温灸」(夜間飛行)の著者で、「アシル治療室」院長の鍼灸師、若林理砂氏にやり方を聞いた。

「準備するのはオレンジ色のキャップのホット用のペットボトル(350ミリリットル)と、それに注ぐ70~80度のお湯だけ。温度がわからなければ水をペットボトルに3分の1ほど入れ、沸騰したお湯を注げば適温になります」

 あとはツボにペットボトルの底を数秒押し付ける。“熱い”と感じたら離す。1カ所に3~5回繰り返す。お湯が冷めても20~30分なら効果は続く。

「お灸というと固定式をイメージされるでしょうが、繰り返し刺激を与えるのがプロのやり方。

ペットボトル温灸はそれを真似ています。素人はツボを正確に探せませんが、教わればおおよその場所を指し示すことはできます。ペットボトル温灸ならそれで十分です」

■肩凝りは指から刺激

「“合谷”は親指と人さし指の間の水かき部分のツボ。肩凝りの人なら、そこを刺激した後で、ヒジを曲げたところにできたシワから合谷に向かって指3本分離れた“手三里”へ。

さらに、首を前に倒したときに飛び出す骨の真下と肩の先を結んだ中間点の“肩井”を温めましょう」

 最後は後頭部の下で、髪の毛の生え際の“風池”を狙う。

「お灸は遠いところから痛みのある場所に近づくことがコツです」

■世界が明るく見える

「手三里、肩井、風池を温めた後、眉毛と目尻を結んだラインのやや耳側のツボ(太陽)を刺激します。最後に目の周りのくぼんだところ全体をペットボトルの底で押し当てます」

 その効果は抜群で、温灸後、世界が明るく見える人もいるという。

■腰痛はへそ下を温める

「腰痛持ちはお腹が冷え、腹筋の柔軟性を失った人が多い。まずおへそと恥骨の真ん中辺りを温めましょう。次にペットボトルをひざ裏に置き“委中”に押し当て、痛む場所は最後に刺激します」

 これであなたもシャキッとする。

あなたの「肩こり」どのタイプ? 7つの原因セルフチェック

肩こりがひどくて、体がだるいし、頭痛まで......。日本人の痛みや辛さの自覚症状の調査では、女性は1位、男性は2位(1位は腰痛)と多くの人が悩まされている「肩こり」(厚生労働省 平成28年度国民生活基礎調査)。実は、肩こりには7つの原因があることを知っていますか?毎回さまざまな専門家がレギュラー出演中の生活情報番組「なないろ日和!」。今回は、“肩こり解消の達人“である理学療法士・医学博士の吉田一也先生に「肩こり」7つのタイプのセルフチェックと解消法についてうかがいました。

「肩こり」7タイプのセルフチェック

「肩こり」といっても原因や症状は同じではありません。「“肩こり“の原因は7つに分類できます。原因が分からないと、いくらマッサージしても改善できません。ご自身がどのタイプか、原因を見極めましょう」と吉田先生。まずは、以下のセルフチェックチェックで、自分が7つのどのタイプかを調べましょう。

【肩こりタイプ別セルフチェック】
【1】筋肉疲労タイプ
・デスクワークなどで長時間、同じ姿勢をしている。
・スポーツなどで筋肉をたくさん使った。
→肩こりの始まりはここから。1年、2年、3年と蓄積され、ひどい肩こりになることも。

【2】眼精疲労タイプ
・パソコンやスマホなどを長時間使用することが多い。
→体は全て繋がっているので、目の筋肉を酷使すると、首の筋肉が凝り、肩の筋肉も凝ってくるという悪循環に。

【3】運動不足タイプ
・体を動かすことが少なくなった。
・体は温まっても肩を触ると冷たい。
→運動量が低下することで血液やリンパが巡らなくなり、体を触ると冷たいなどの症状がでることも。
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【4】体液循環低下タイプ
・【1】と【3】を併せもっている。
→加齢や体力低下などにより、【3】と同様の状態に。

【5】ストレスタイプ
・精神的ストレスを抱えている。
・左肩を上げにくい。
→女性に多いタイプ。ストレスによる胃の不調が肩こりに繋がる。胃は左側にあるので、左肩が上げにくくなることも。

【6】内臓負担タイプ
・食べ過ぎ、飲みすぎ。
・偏食。
・右肩を上げにくい。
→男性に多いタイプ。肝臓などの内臓の不調が肩こりに繋がる。肝臓は右側なので、右肩が上げにくくなることも。

【7】女性ライフイベントタイプ
・生理不順。
・産前・産後のトラブル。
→女性は男性よりホルモンのバランスが崩れやすい。腹部にトラブルがあると、お腹が丸まり、肩こりの原因に。

自分のタイプが分かりましたか? 続いては、その解消法です!

7つのタイプ別「肩こり解消法」

マッサージなどで解消するのは、7つのタイプのうち最も軽度な【1】筋肉疲労タイプのみ。一時的には楽になっても、原因から改善しない限り根本的な解消にはなりません。

【1】筋肉疲労タイプ【2】眼精疲労タイプには、適度なストレッチ!
まずは姿勢を良くすること! パソコンやスマホなどを使うとき、首が前に出た姿勢になると首の前面の鎖骨に繋がる筋肉(胸鎖乳突筋)が縮み、顎がひけなくなります。改善のため、1時間に1回は姿勢を正す、首の前面の筋肉を伸ばすストレッチなどを心がけましょう。

【胸鎖乳突筋ストレッチの方法】
1.胸(鎖骨の下)を両手でしっかり下方向に押さえる。
2.顎を天井に突き出すように持ち上げる。同時に1の両手で皮膚を下に押さえる。
3.顎を天井に突き出しながら、少しだけ右を向き左の首を伸ばす。同様に少しだけ左を向き右の首を伸ばす。

【3】運動不足タイプ【4】体液循環低下タイプはウォーキング!
ウォーキングやジョギングが効果的。まずは普段の生活の中で階段を使ったり、一駅分歩いたりすることを心がけましょう。歩く・走るときは、姿勢を正し、腕を振ることも忘れずに!また、【4】体液循環低下タイプは、体温を上げる必要があるので、毎日きちんと入浴しましょう。

【5】ストレスタイプは、自分なりの発散方法を見つけよう!
ストレスの原因をなくすのが一番ですが、なかなか難しい。自分なりのストレス発散方法で、イライラやモヤモヤを解消しましょう。

【6】内臓負担タイプは生活習慣の改善!
食べ物、飲み物など生活習慣の改善が必要。お酒を飲む方は休肝日を作りましょう。また、急激に血圧が上がったり体重が増えたという場合は、医師の指導のもとダイエットに取り組むことも必要です。

【7】女性ライフイベントタイプは専門医に相談!
生理が近づくと肩こりになるなど、まずは自分の体のリズムを知ることで、「もうすぐ生理だからマッサージで癒やしてもらおう」など自分なりの対処法が見つかります。生理痛などひどいようなら、専門医で診断してもらいましょう。

快適な睡眠が肩こり解消につながる!
また、肩こりは毎日の睡眠と大きく関係があります。「睡眠時の副交感神経の働きにより体の不調の回復につながるので、寝ないと肩こりは治りません!」と吉田先生。質の高い眠りのためには、寝具や睡眠時の姿勢も重要になります。

睡眠時の姿勢は肩と頭の位置が大切。枕は、あお向けに寝た場合は、頭が前に出すぎないように、横向きの場合は背骨と頭が一直線になるよう高さを調整しましょう。また、寝たときに体が浮いている場所は、タオルやクッションで埋めます。あお向けの場合は、肩の下とひじの下にタオルを入れたり、タオルやクッションを脇ではさむ。横向きの場合は、抱き枕(タオルやクッションなどを丸めててもOK)を抱えるようにすると、寝やすくなります。

肩こりには、様々な原因があり、それに合った方法でしか解消できないことが分かりました。まずは、自分の肩こりの原因を知ることで、症状を改善していきましょう。

※この記事は吉田一也先生による見解に基づいて作成したものです。
取材協力:吉田一也先生。理学療法士。医学博士。人間総合科学大学保健医療学部 准教授。高田馬場にて肩専門コンディショニングサロン「APULA」を運営。著書「肩こり、首痛、頭痛は鎖骨を5秒ほぐすだけでなくなる!」(主婦の友社)にて「鎖骨ほぐし」を提唱している。

足の冷え・むくみの意外な原因、「骨盤の歪み」を解消するには?

こんにちは。ヨガインストラクターの高木沙織です。

「生理の悩みが増えた」「足の冷え・むくみがツラい」「姿勢が悪くなってきた」「イライラしたり落ち込んだりしやすくなった」。今、心当たりがあると思った方は、“骨盤の歪み”が関係しているかもしれません。

 ここ数年、骨盤への意識を高く持つ方は増えてきましたが、それでも日々の生活によって歪みを作ってしまうのが現状。

 特に、ここでお伝えする“無意識ルーティン”をおこなっている方は要注意ですよ!
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骨盤の歪みが引き起こす不調

 そもそも、骨盤が歪むとどのようなことが起こるのでしょうか。

内臓や婦人科系臓器の不調

 骨盤の中には腸や泌尿器、生殖器系があります。

足のむくみ・冷え

 骨盤の前を下肢に向かう太いリンパ管や静脈、動脈の流れに影響してきます。

姿勢の崩れ

 骨盤は背骨の土台であり、骨盤の位置によって姿勢が決まります。

気持ちの面での不調

 子宮の機能が低下すると自律神経のバランスが乱れ、精神的な揺らぎが起こりやすくなります。

 どれも悩ましいですよね。ちなみにみなさん、次のような習慣に心当たりはありませんか?

無意識の習慣が歪みを作る

 例えば足を組むとき。左右のどちらか決まった足が上になるとしっくりきませんか? ほかにも、決まった足から靴を履く、決まった足から歩き始める・階段を昇り降りするといった無意識の習慣がある方は多いです。

 このような習慣が少しずつ体の左右差を作り、骨盤を歪ませたり、極端な場合は全身のバランスを崩したりしかねません。

 そうならないためにも、日頃の何気ない無意識の習慣に意識を向ける必要があるのです。簡単なことだと、いつもと違う足の組み方をしたり、靴の履き方をしたりするなどして左右差を作らないようにするのも骨盤の歪みを作らせないために効果的だと言えるでしょう。

ヨガポーズで歪みケア

 すでに歪みに心当たりがある方も、歪みを作りたくない方も、ヨガのポーズを取り入れてケアしてあげることをオススメします。

<ゆりかごのポーズ>

1. 床に体育座りをして、両手はひざの裏で組む

2. 1のまま、背中が床につくまで上体をゆっくりとうしろに倒していく

3. ここで体を左右に倒し、あまり反動をつけずに1の姿勢に戻る×5回

 上記は自宅でできる歪みケアですが、もっと手軽な「骨盤まわりを緩める簡単ストレッチ」も紹介しますね。

 手順は 足を腰幅に開いて床に立ち、手を腰にあて、骨盤を前後傾や左右への動かすだけなので、ちょっとした隙間時間におすすめです。

 ちなみに、起床時や生理のときは骨盤が硬くなりやすいので、積極的に骨盤を緩めるようにしてみてください。

 無意識ルーティンの改善と合わせて歪みケアも取り入れ、よい状態を目指して行きましょう!

日本人の約7割が扁平足!? 10数年後、歩けなくなるケースも…

つい放っておきがちな足の悩み。まだ大丈夫、と過信していると思わぬ体の不調を引き起こすことに!?

その不調、足が原因かも?

「正常な足は本来、骨と骨がキレイにかみ合ってアーチができた状態。でも、日本人はそのアーチが崩れた人が多く、約7割が扁平足といわれています。アーチが少しでも崩れてしまうと、足のねじれが体全体に伝わり、膝や股関節、背骨にも歪みが生じてしまう。これが、体のあらゆる不調を引き起こすんです」

と話すのは、『足のクリニック 表参道』院長の桑原靖先生。20~30代の多くの女性は、足には無頓着と危惧する。

「外反母趾や扁平足とわかっていても、若い頃は我慢ができてしまう。でも、それを放っておくと10数年後には、膝や足が痛くて歩けない、なんてことも。さらに足の不調だけでなく、骨盤や背骨が歪むことで、腰痛なども招いてしまう可能性もあります」足の構造は親族の誰かからそっくり遺伝する傾向にあるとも。身近な人が足に悩むなら、自分も気をつけるべき。

「まずは、足にトラブルがないかチェックを。1つでも当てはまるなら、早めに予防することが大切。とにかく、土台を整えること。今からの予防で体が変わりますよ」

セルフチェック!

自分では気づかなくても、意外と隠れている不調のサイン。1つでも当てはまったら、足トラブルが潜んでいるかも…。

大股でゆっくり歩けない
フラット靴よりヒール靴がラク
夜寝ている間に足(ふくらはぎ)がつることがある
足の裏にタコ、ウオノメがある
家族や親戚に足に悩む人がいる
ズボンの裾上げをすると左右の長さが違う
靴の裏が左右非対称に削れている

足の重要性に気づいたライターの手記“足の声”

忘れもしない2年前のある日。腰の奥からピリリリと亀裂音がはじけ、まさに電流が突き抜けた。物を取ろうとして前かがみになったときだった。

3度目のぎっくり腰。慢性的な腰痛と肩こりにも悩まされていた。

筋膜リリース、カイロ、気功、鍼などあらゆる方法を試し、模索したが、どれも緩和はしても完治には至らなかった。そんな折、「足のトラブルが腰痛を招く」という記事を見かけ、本やサイトで情報を集めてみた。思い当たる節があった。デザイン重視で合わないハイヒールを履いていたのだ。

早速、専門のクリニックに行くと、開帳足、外反扁平足との診断結果に。インソールを作り、矯正力の高い5本指ソックスを履き、足指を強化する運動を取り入れて約1年。あんなに辛かった痛みが改善した。足は悲鳴をあげている。その声に気づけるかどうかに、あなたの未来の健康が大きく関わってくる。(ライター・岡井美絹子)

「歩くと痛い」は要注意 ~ふくらはぎの機能改善でスイスイと~

足のクリニック表参道院長 桑原靖

 駅から15分の距離なら歩きますか、バスに乗りますか。疲れるのではなく、足のどこかが痛くなってしまう場合、ひょっとしたら、足の機能が衰えている可能性が考えられます。

 足の機能が衰えると、それを補おうと、連鎖的に体のあちこちに負担がかかって、筋肉が硬くなり、すぐに疲れを感じ、時には足そのものが痛くなってしまうこともあります。

 機能の回復には、足に合った靴とインソールなどを使用して歩くことが大前提ですが、その他、ストレッチで体の柔軟性を高め、筋トレで筋肉を使いやすくしておくことが大切です。

◇1日1回はアキレス腱ストレッチ

 歩くと足が痛くなる。そんな方に1日1回、必ずやってほしいのが、アキレス腱(けん)のストレッチです。

 昔からアキレス腱を伸ばすという表現をしますが、実際に伸ばしているのは腓腹筋(ひふくきん)です。

 腓腹筋が硬いと、歩くときに足首が前に倒れず、かかとが早く地面から上がってしまうため、踏み返しの時間が長くなってしまい、スムーズに歩くことができません。

その結果、歩幅が小さくなってしまうだけでなく、1歩を踏み出すごとに、余分なエネルギーを必要とします。

 また、踏み返しの時間が長いと、指の付け根に大きな力がかかってしまい、痛みや変形の原因にもなります。

 ペタンコ靴よりハイヒールの方が楽という人は、アキレス腱が縮んで、伸びにくくなっている可能性が高いです。

 また、かかとや足の裏に痛みがある人は、硬いアキレス腱に引っ張られて、足裏の筋肉に負担がかかっている可能性が高いです。

 ストレッチで負担を軽減させておきましょう。

 ◇伸ばしながら息をゆっくり吐く

 壁や机などに両手をついた状態で、脚を前後にし、前脚をゆっくり曲げ、後ろ脚のふくらはぎが気持ちよく伸びる位置で1分間キープします。脚を入れ替えて反対も同じようにします。

 伸ばしながら、息をゆっくり吐くようにすると、さらに効果的。市販のストレッチボードや昔ながらの青竹を使うのもお勧めです。外出前とお風呂上りに必ず乗る習慣にするといいでしょう。

 アキレス腱につながるもう一つの筋肉、ヒラメ筋のストレッチも行いましょう。

 ヒラメ筋は、主に立っているときに使う筋肉なので、立ち仕事が多い人は、特にヒラメ筋のストレッチを入念に行うと疲れにくくなります。

 正座をした状態から片方の膝を立て、両手で抱えます。座っている方の膝の位置と立てた足の指先をそろえます。

 立てた膝に体重をかけながら、上半身を前に倒していきます。

 このとき、息をゆっくりと吐きます。ふくらはぎの筋肉が気持ちよく伸びた状態で1分間キープ。反対の足も同様に行います。

◇筋力アップも必要

 ストレッチで柔軟性を高めるのと同時に、筋力をアップするトレーニングも行いましょう。疲れにくい歩き方をするためには、最低限の筋力が必要です。

 壁に向かって両足を肩幅に開き、つま先と膝の向きを前にそろえて立ちます。

 壁に両手をつけて、サポートします。壁がなければ、椅子の背につかまっても構いませんが、姿勢が前かがみにならないよう、真っすぐに立つようにします。

 膝を伸ばしたまま、かかとを上げたり下ろしたりを繰り返します。重心が小指側にいかないよう、親指と人さし指の間くらいに重心がかかるのを意識します。

 まずは20回からスタートし、楽にできるようになったら30回、40回と回数を増やしていきます。

◇いきなり運動ではなく準備を

 健康のために医師からウオーキングやジョギングを勧められる人が多いようです。

 しかし、ずっと運動をしてこなかった人が、いきなり始めると、すぐに疲れて継続できなくなったり、足のトラブルを起こしたりして、かえって健康を害する結果になる場合もあります。

 運動は日常生活パターンの中に取り入れて、長く続けることが大切。準備運動として、以上のトレーニングを行い、足にも全身にもやさしい運動習慣が身に着くようにしましょう。(文・構成 ジャーナリスト・中山あゆみ)

 桑原 靖(くわはら・やすし)

 「足のクリニック表参道」院長。2004年埼玉医科大学医学部卒業。同大学病院形成外科で外来医長、フットケアの担当医として勤務。13年東京・表参道に日本では数少ない足専門クリニックを開業。専門医、専門メディカルスタッフによるチームで、足の総合的な治療とケアを行う。 日本下肢救済・足病学会評議員。著書に「元気足の作り方 ― 美と健康のためのセルフケア」(NHK出版)、「外反母趾もラクになる!『足アーチ』のつくり方」(セブン&アイ出版)など。

スマートフォン症候群って? 肩こりや腱鞘炎引き起こす

 「頸部痛と腰痛―スマートフォン症候群って?」について、岡山ろうさい病院(岡山市)の田中雅人副院長・整形外科部長が寄稿した。 今回は頸部(けいぶ)痛と腰痛についてお話しさせていただきます。

 頸部痛は働き盛りの年齢で2番目に多い症状とされています。その原因の一つに挙げられるのが、コンピューターやスマホの画面を常に見ながらキーボードを打つ作業が増えてきていることです。スマホの長時間使用によって、肩こりを中心として、腱鞘炎(けんしょうえん)、眼精疲労、視力低下などの多くの症状を来す病気は「スマートフォン症候群」と呼ばれます。

 日本のスマホ普及率はなんと50%を超え、2人に1人はスマホを持っていることになります。近年、スマートフォン症候群は社会現象にもなっているようです。

 主に女性の方ですが、掃除や洗濯などの家事で手を使うことが多く、なで肩に代表される頸部から肩回りの筋力がないことも、肩こりを起こす原因の一つです。五十肩に代表される肩関節の痛みは、肩の動きが痛みのために制限され、夜間に痛みが強くなるという特徴を持っています。

 腰痛の対処法の第一は、腰痛体操や散歩などで腰回りの筋肉を鍛えることです。もし適切な運動をしないまま極端な減量をしてしまうと、主として筋肉の量が減ってしまい、かえって腰痛が悪化してしまうことがあります。

 第二は、日常生活での姿勢に注意することです。中腰で重いものを持つことが腰に非常に大きな負担をかけます。第三は、残業や大掃除などにより腰に負担をかけたことが明らかな場合は、痛みが和らぐまで無理をしないようにすることです。

 病院での治療は、腰を温める温熱療法、腰椎牽引(けんいん)療法、腹筋や背筋を鍛える腰痛体操などがあります。さらに腰痛が長引く場合は、痛みを和らげる薬、腰を保護するコルセット、ブロック注射などがあります。最近ではヘルニコアという薬を注射し、腰椎椎間板ヘルニアを吸収して圧迫を取り除く治療が可能となっています。

 また、局所麻酔下で内視鏡を使用し、最小侵襲の方法(PED)でヘルニアを切除することも可能です。皮膚の傷は6ミリ程度で、数日の入院期間で済みます。

 さらには、Oアームという最新の機械で手術中にCT撮影し、コンピューターで制御された手術台や脊椎ナビゲーションを駆使することにより、傷んだ背骨をしっかりと固定する手術法もあります。傷はほんの数センチです。当院をはじめ限られた病院で行われています。

 岡山ろうさい病院(086―262―0131)。

外来OK 「体外衝撃波」でテニス肘・ゴルフ肘の痛みを消す

テニス肘やゴルフ肘でなかなか消えない痛みに効果があるのが、体の外から衝撃波を当てる体外衝撃波療法だ。もとは尿路結石の治療法だが、1990年代に関節の痛みの軽減にも効果があるという報告がヨーロッパであり、整形外科領域でも応用されるようになった。

 腱付着部は腱や靱帯が骨に結合する部位で、繰り返す外力により破綻が生じやすい。その部位に変性や外傷が加わることで生じる疾患を総称して、腱付着部症という。

「いわゆる使い過ぎ症候群(オーバーユース)が大きな要因のひとつです。当院整形外科では体外衝撃波の効果を以前より研究し、機械の認可が下りた2008年に取り入れました。腱付着部症のひとつ、足底腱膜炎に対しては12年から保険適用になりました」(千葉大学医学部付属病院整形外科・落合信靖助教)

 体外衝撃波療法は、腱付着部症では「痛みを感じる神経終末を破壊して痛みを取る短期的効果」と「腱を修復するようなサイトカインを産生し、腱の再生を促す長期的効果」が期待できる。

 タオル絞りなどの動作で肘の外側から前腕にかけて痛みが生じるテニス肘や、肘の内側に痛みが生じるゴルフ肘も腱付着部症の一種になり、体外衝撃波の治療が有効。ただし、この2つは保険適用になっていない。

■副作用はほとんどなし

 テニス肘やゴルフ肘、足底腱膜炎と診断されると、まず安静にし、湿布や外用薬、リハビリなどの保存療法が行われる。半年以上たっても痛みが消えない場合、体外衝撃波療法が検討される。

「たいていは体外衝撃波療法の直後から痛みが軽減します。回数は、テニス肘やゴルフ肘では患者さんの症状次第ですが、平均して月1回、合計7回程度で症状の改善をみて終了となります。

保険診療が可能な足底腱膜炎は、3カ月間は何回治療を受けても同一金額と保険で決められています」

 エネルギー量は、尿路結石の50分の1程度。強さは7段階で、患者の痛みの様子を見ながら調整する。1分間に240発の衝撃波が発せられ、10~20分ほど治療を行い、外来通院治療が可能だ。

「病変の適切な箇所に当たっているか、普段痛みを感じている部位に当たっているかを超音波で確認しながら治療します」

 治療中に多少の痛みがあるだけで、目立った副作用はない。一般的には、腱付着部症が保存療法で改善しない場合、内視鏡で腱のついているところを“掃除”したり、腱をはがして縫い直したりといった手術が必要になる。

しかし、入院の必要のない体外衝撃波療法は、手術の前に受ける治療として、患者の負担が少なく有用な治療法だ。

 体外衝撃波には、「骨が癒合するのを促進する」という作用もあり、骨折した骨がくっつかない「偽関節」にも用いられている。効果は7~8割だ。

「動物実験の段階ですが、衝撃波が当たることで細胞膜に穴が開くので、その穴を使って、遺伝子導入をする研究も行われています。

今の遺伝子導入方法はウイルスを用いるのが一般的で、副作用の危険性がある。副作用の少ない体外衝撃波は良い方法と考えられます」

 この方法が可能となれば軟骨再生や、内因性オピオイド産生遺伝子を導入し痛みをもっと長期的に取るといった治療が今後行われるようになるかもしれない。

また、体外衝撃波の筋肉の緊張を緩める作用を利用し、脳卒中後の過剰な筋緊張を改善するのに用いることが可能かもしれないとも考えられている。

道具いらずで簡単!長時間正座しても足がしびれない裏技

長時間正座をすると、足がしびれて困ることがありますよね。著者も子どもの頃、親に連れられて和室での会合などに参加すると、よくしびれて困っていました。

当時から人に聞いた方法を自分なりに合うようにアレンジして、今も実践しています。そこで今回は著者が実際に行っている、長時間正座しても足がしびれない裏技をご紹介します。

■ 『足がしびれない正座』のやり方

◎ STEP1:片方の足の裏にもう一方の足を重ねる

普通の正座と同じように膝をつき、足の裏が上になるようにします。そのとき片方の足の裏にもう一方の足を重ねます。

◎ STEP2:座る

重ねた足の上に座ります。

◎ STEP3:時々足を入れ替える

上になっていた足を下に入れ替えます。こまめに入れ替えるほど楽に感じます。脚を重ねる深さで疲れやすさに個人差が出てくることもあるようです。自分に合った深さに調節してください。

■ この裏ワザの便利なポイント

全く道具がいらないので本当に簡単です。覚えていればいつでもどこでも実践できます。

■ おわりに

著者が実践している長時間の正座でもしびれない裏ワザをご紹介しました。ローテーブルでパソコンに向かうことの多い著者は、いつもこの方法で乗り切っています。ふらつくことなく立ち上がれると思いますので、一度試してみてくださいね。

道具いらずで簡単!長時間正座しても足がしびれない裏技

長時間正座をすると、足がしびれて困ることがありますよね。著者も子どもの頃、親に連れられて和室での会合などに参加すると、よくしびれて困っていました。

当時から人に聞いた方法を自分なりに合うようにアレンジして、今も実践しています。そこで今回は著者が実際に行っている、長時間正座しても足がしびれない裏技をご紹介します。

■ 『足がしびれない正座』のやり方

◎ STEP1:片方の足の裏にもう一方の足を重ねる

普通の正座と同じように膝をつき、足の裏が上になるようにします。そのとき片方の足の裏にもう一方の足を重ねます。

◎ STEP2:座る

重ねた足の上に座ります。

◎ STEP3:時々足を入れ替える

上になっていた足を下に入れ替えます。こまめに入れ替えるほど楽に感じます。脚を重ねる深さで疲れやすさに個人差が出てくることもあるようです。自分に合った深さに調節してください。

■ この裏ワザの便利なポイント

全く道具がいらないので本当に簡単です。覚えていればいつでもどこでも実践できます。

■ おわりに

著者が実践している長時間の正座でもしびれない裏ワザをご紹介しました。ローテーブルでパソコンに向かうことの多い著者は、いつもこの方法で乗り切っています。ふらつくことなく立ち上がれると思いますので、一度試してみてくださいね。

頭痛や肩こりは「○○癖」のせい?

慢性的に感じる、頭痛や肩こり、腰痛。いろんな対処法や治療法を試してみたのに、いっこうに改善されないという人は、もしかすると「ある癖」が原因かもしれません。

「それがTooth Contacting Habit(以下TCH)、『噛み続け癖』(歯列接触癖)です」

とお話しいただいたのはTCHを発見した東京医科歯科大学大学院の木野孔司先生。

「これは普段、無意識の時でも歯を噛みしめてしまう癖のこと。通常、体は『歯根膜咬筋反射』といって上下の歯が当たると離れるようにできています。それが何らかの理由で常に触れている状態になっているんです」 先生いわく、唇は閉じていても、歯は離れているのが正常な状態なのだとか。

ではTCHがなぜ体に悪影響をもたらすのでしょうか? 「強く噛みしめなくても、歯が軽く触れているだけで筋肉は動きます。つまり歯を噛み続けていると、常に筋肉は緊張状態であり、それが顎の痛み、頭痛、首こり、肩こり、腰痛などを引き起こす一因であると考えられます」

なるほど。筋緊張が招く交感神経緊張持続から、視力低下や耳鳴り、めまいなどをも引き起こす可能性もあるとか。

ちなみに、TCHを発見したきっかけは、来院患者向けに行ったアンケートだったという。2000年に、顎関節症の究明のため、様々な生活習慣を調べたところ、「片噛み」や「姿勢の悪さ」と並び、顎関節症患者には「噛み続け」をしている人が50%以上もいたのだそう。

「この結果を元にTCHを防ぐ治療を行ったら、相当数の患者の症状が短期間で改善されました。また、同時に頭痛や首こり、肩こりなどの諸症状も緩和されたんです。ちなみに、2003年の調査では顎関節症患者のうちTCHの生活習慣を持つ人が80%に増加していました。私見ですが、これはパソコンの普及が原因ではないかと思います」

でも、生活習慣だとなかなか直しにくい気もしますが、どうしたらいいのでしょう?

「簡単です。家中や職場のデスクまわりなど、あらゆる場所に『歯を離す』と書いたメモを貼るんです。これを見たら歯を離して、上半身の力を抜く。これを繰り返すと、やがてTCHの疲労感にも気づき、歯を離すことを無意識にできるようになりますよ」

騙されたと思って最低でも10枚はメモを用意するのがコツだとか。スマホやパソコンで10分ごとにアラームでお知らせしてもいいですね。TCHに心当たりがある方は試してみては?

捻挫をしたとき、するべき4つのこと【松本浩彦医師】

【Q】子供の運動会で親子リレーに参加、つい張り切ってしまい足首をひねってしまいました、対処法は?(30代男性)

 【A】捻挫というのは関節周囲にある靭帯の損傷のことで、ムチ打ち症やギックリ腰も捻挫の一種です。関節が有る場所の全てに起こり得ます。

 一番多いのは足首の捻挫です。大部分は足の裏を内側に向ける「内反」という動きによって起こり、足首の外側に付いている靭帯を痛めます。通常は靭帯が伸びただけの状態ですが、靭帯の一部が切れたり完全に断裂した場合には歩くこともできなくなります。

 治療の基本は「安静」です。とくに受傷直後が大切で、すぐに患部を冷却し4~5日のあいだ固定するのが一番です。

 レントゲンで骨折がないというと、患者さんはみな「良かったぁー」と安心します。しかし、通常の骨折は4週間で治りますが、捻挫はもっと時間のかかることが多いのです。

 骨折の場合は否応無しにギプスを巻かれますので、患部の安静は保たれますが、捻挫の場合は少々痛みがあっても皆さんギプスを嫌がり、無理をします。このため余計に治りが悪くなるのです。

 捻挫はストレッチ運動や柔軟体操をすることで予防できる確率が断然高くなります。準備運動をバカにしてはいけません。充分に行って下さい。

 さて、打撲にせよ捻挫にせよ、やってしまったら、72時間は「冷やす」ことです。そしてしっかり絆創膏や弾性包帯でテーピングして傷を「圧迫」しておきます。これで外傷後の内出血が防げるのです。

 さらに、ケガをした部位を心臓より高く上げておくこと。つまり「挙上」。ケガをした部位では出血が起こっていますし、さらに損傷した部位にめがけて、体中から白血球や免疫細胞などが集まってきます。それとともに水分も集まってきますので、ケガをするとその部位が腫れるのです。患部の出血、腫れ、痛みを防ぐ4つの方法が先に述べた、安静、冷却、圧迫、挙上なのです。

 皆さんからよく質問されることですが【ケガをしたらまず72時間は冷やす。その後は温める】これだけは憶えておいて下さい。

 ◆松本浩彦(まつもと・ひろひこ)兵庫県芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、(社)日本臍帯・胎盤研究会会長。

腰痛を治したければ「脳の錯覚」を自覚せよ 最新診療の効果

 厚生労働省の調査によれば、現在、日本では2800万人もの人が腰痛に悩まされている。そのうち85%は原因がわからず、長期にわたって痛みと付き合うことを余儀なくされている。だが、医療の発達が、そうした状況を過去のものにしてくれるかもしれない。最新の腰痛治療に迫った──。

 都内在住の内山隆史氏(仮名・59歳)は2年前の早朝、布団から起き上がろうとした際、突然激しいぎっくり腰に見舞われた。

「2、3時間は寝返りも打てず、同じ姿勢のまま布団の中で横たわっているだけ……妻の手を借りて近くの整形外科を訪れ、痛み止めの注射を打ってもらって初めて人心地がついた」

 この日を境に内山氏は“腰痛持ち”となった。内山氏の腰痛は、病院でX線写真やMRI(核磁気共鳴画像法)などの精密検査を受けても、特別な異常は認められなかった。それでも痛みが続くため、「痛み止め薬の服用が欠かせない」と内山氏は話す。

 ぎっくり腰などの急性腰痛は本来、「発症から4週間未満」で痛みは引くとされる。一方、3か月以上も続く慢性腰痛は原因が特定できない「非特異的腰痛」といわれ、有効な治療法もない「難治性疾患」の代表格とされてきた。

 だが、近年、慢性腰痛のメカニズム解明が急速に進みつつある。脊椎・脊髄外科が専門で、腰痛治療をライフワークとする福島県立医科大学理事長の菊地臣一氏の解説だ。

「慢性腰痛とは、痛みの原因となる損傷や異常はすでに治っているのに、痛みだけが残っている状態を指します。なぜ、そんなことが起こるのか? 実は慢性腰痛を訴える患者の多くが、腰ではなく、脳に機能障害を起こしている可能性が明らかになってきたのです」

 これは痛みのメカニズムとも密接に関係する。

 ケガをした時に「痛い!」と感じるのは、脳に「組織が損傷した」という情報が送られるためである。“痛み情報”が脳に伝わると、ドーパミンが放出され、脳内モルヒネやノルアドレナリンといった痛みを抑える神経伝達物質が生産される。慢性腰痛患者の多くは、この「鎮痛システム」が機能低下しているケースが多いという。

腰痛や肩こり 湿布は「温湿布」か「冷湿布」どちらが良い?

 腰痛や肩こりの症状を抑える湿布には、温かく感じるタイプと冷たく感じるタイプがある。はたしてどちらのタイプがよいのだろうか。秋津医院院長の秋津壽男医師が語る。

「両方とも同じ消炎鎮痛剤が含まれているので、基本的な効果は同じです。ただし温湿布には温かさを感じさせるため、唐辛子成分のカプサイシンが配合されています。

 皮膚が弱まっている高齢者が温湿布を使用すると、その成分の影響で肌がただれる可能性があり、冷湿布のほうが安心です」

 この時期の冷湿布は「冷たくてイヤ」という人にはこんな裏技がある。

「冷湿布が冷たくて貼れないという人は、こたつの中やストーブの前で温めてから貼ると冷たさを感じません。

 ただし湿布をあまり貼りすぎると皮膚障害などが生じるので、注意事項を守って利用してください」(秋津医師)

専門医に聞け! Q&A ★あぐらの生活と腰痛

Q:足腰の鍛錬になると思い、3カ月前から自宅兼仕事場で椅子をやめ、床に座る生活をしています。正座はきついので、主にあぐらです。ところが、仕事で何時間もあぐらを続けると腰がおかしくなります。やはり、あぐらはよくないのでしょうか。
(36歳・フリーランサー)

A:ご質問の方のおっしゃる通り、床に座る生活は足腰の鍛錬になります。しかし、姿勢が悪くなったり、腰痛になったりするリスクもあります。 座禅のあぐらのように正しい方法のあぐらなら、姿勢がよく、腰も立っており、体に悪いことはないでしょう。ところが、それではなく、普通のあぐらをかいて座っている時は、背中は曲がり、お尻が沈みます。股関節は広がり、骨盤も広がり、後ろに傾いているわけです。

 つまり、骨盤は不自然な形になっています。長時間この姿勢を続けると、その影響で腰の一部の筋肉が緊張します。そのため、腰が疲れてくるし、さらにこういう状態が続くと、痛みが生じることになります。ご質問の方は、以前はあぐらで座る生活の経験がなかったとのことですから、やはり腰に負担がかかりすぎたのでしょう。

●お尻の下にクッションを
 このように、骨盤に不自然な形をしいるあぐらを習慣にしていると、やがて骨盤は歪んできます。あぐらに比べ、正座は姿勢も腰もよい状態に保ちやすいのですが、ご質問の方は、正座はきついとのこと。ならば椅子に座る生活中心に切り換えたほうがよいでしょう。

 もし、あぐらで座るなら、お尻の下にクッションをあてるようお勧めします。こうすると、腰が立って姿勢がよくなり、骨盤が広がって後ろに傾いたりするのが防げます。正座や椅子の場合も同様です。付け加えると、骨盤の歪みを防止するためには、腰を締めることが役立ちます。そのための方法として、私は生ゴムのバンドを勧めています。座るときも巻いておくと、腰痛の防止になります。そして時々、巻いたまま腰を左右に回すと、なお効果的です。

*************************************
山田 晶氏(歯科医師)
骨盤療法(ペルピックセラピー)で著名。日本歯科大学卒業。歯科の領域から骨盤のゆがみに着目。骨盤のゆがみを自分で取る方法として、腰回しの普及に努めている。やまだ治療院顧問。

首の痛み 重い病気の場合も

首の痛みのほとんどは、筋肉の疲労などによるもので、心配はいらないが、なかには専門的な治療が必要な重い病気が隠れている場合もある。北里大学北里研究所病院 副院長の千葉一裕(ちば・かずひろ)さんに、首の痛みの原因となる要素を挙げていただいた。

* * *

「首の痛み」とは、肩甲骨周辺から後頭部の辺りまでを含めた痛みを指し、多くの人が日常的にこの痛みを経験しています。

一般に、首の痛みの約9割は原因がはっきりしていません。多くが筋肉の疲労や精神的なストレスが関係しているとされ、1、2週間で改善することが多く、あまり心配しなくてもよいものです。

しかし、残りの約1割は明らかな原因があるもので、原因として、骨に転移したがん、感染症(※)などの病気や、骨折・脱臼といった外傷のほか、「頚椎(けいつい)椎間板ヘルニア」「頚椎症」「後縦靱帯骨化症(こうじゅうじんたいこつかしょう)」などがあげられます。

これらは専門的な治療が必要となるため、痛みが長引くようであれば原因を調べ、原因に応じて適切な治療を受けることが大切です。

■首の構造

「頚椎」は、首の骨全体を指します。細かく見ると、「椎骨」が7つ積み重なっており、その間にクッションの役割を果たす「椎間板」があります。上から見ると、椎間板の断面はそら豆のような形をしています。椎骨の中央には、「脊柱管」というトンネル状の空間があり、そこを「脊髄」という神経の束が通っています。

椎骨と椎骨の隙間からは、脊髄から枝分かれした神経が出ています。その神経の根元を「神経根」といいます。椎間板の中心には、「髄核(ずいかく)」と呼ばれるゼリー状の組織があります。

「頚椎椎間板ヘルニア」や、「頚椎症」「後縦靱帯骨化症」などでは、脊髄や神経根が圧迫されることで症状が現れます。

※感染症:細菌の感染で起きる化膿(かのう)性脊髄炎
■『NHKきょうの健康』2013年11月号より

激変のリウマチ治療!関節破壊もゼロに  

関節リウマチの治療が根本的に変わりつつある。日本リウマチ学会が昨年、欧米の新しい診断基準を取り入れ、病気の早い段階から、リウマチ治療の切り札である「生物学的製剤」を使う方向にかじを切ったからだ。昔「10年で寝たきりになる」と言われた病気が、今や「関節破壊もなく、機能障害(日常生活への支障)も進行しない」という時代を迎えている。

 ■効果を実感

 「ベッドで薬を点滴した後、トイレに行き、戻って来るとき、もう体が軽くなったような気がした。同室の人たちから『もう歩き方が全然違う』って言われて」と振り返るのは北九州市の富久初美さん(68)。病室内で歓声が上がったという。

 リウマチを患ってから10年たち、産業医大病院(同市)で生物学的製剤アバタセプト(製品名オレンシア)を初めて点滴したときのことだ。

 一昨年10月の入院時、関節の痛み15カ所、腫れが4カ所もあったが、今はゼロになったという。

 昨年3月から同じ薬の点滴を始めた山口県下関市の熊谷史生さん(68)も「もう痛みは全くない。鮮やかな効果にびっくり」。入院時、関節の痛み12カ所、腫れは8カ所あったが、今は右手首の腫れがあるだけ。

 「全身が痛かったが、もう半年ぐらい前から痛みも何も感じない。月に2回はゴルフに行っている。幸せ」と喜ぶ。

 北九州市の永田武司さん(69)は約1年の点滴で体の痛みもなくなり、今年1月で点滴を中断、経過を見ている。良い状態は継続している。

 ■まず専門医

 3人は産業医大病院で診断を受け、アバタセプトの点滴で症状が見事に改善した。今は近くの病院で点滴を続けている。

 第一内科の田中良哉教授は「一番大事なことは、最初にリウマチ専門医にかかること。速やかに診断がつくので、すぐに効果的な治療が始められる。そうすれば関節破壊はゼロになるはず。まだ最初から専門医に行く患者さんがあまりに少ない」と指摘する。

 リウマチの診断が遅れ、治療が後手に回って、関節が破壊されてしまってからでは、生物学的製剤でも元に戻らない。

 新しい診断基準では、関節病変と血液検査、罹病期間、急性期反応の4領域を10点満点で評価し、6点以上で関節リウマチと診断する。

 「これだと発症して1~2週間でも診断可能。治療目標は、全身の関節の痛みや腫れがほぼ消失し、炎症反応も下がり、患者自身の自覚症状も改善して健康に近くなった『寛解』の状態」

 寛解をしっかり維持できれば、関節は壊れず、機能障害も進行しないことが、最近のデータで分かっているという。

 ■6種類使い分け

 リウマチと診断されたら、まず抗リウマチ薬「メトトレキサート」(MTX)を3カ月使う。十分な量を使えば、これだけでもかなり効果があることが分かってきた。

 効果が得られなかった場合、生物学的製剤の出番となる。現在、6種類発売されており、自己免疫疾患であるリウマチの原因となるリンパ球の作用や活動を抑える働きがある。寛解を得やすいだけでなく、寛解の維持に効果がある。

 しかし、生物学的製剤でも寛解が得られるのは3~4割、骨の破壊が防げるのは7割程度にとどまる。ただ、働き方が違うので、使う種類を変える選択肢があるという。

 田中教授は「関節が痛くて、一つでも腫れていれば、まず大学病院へと言っている。専門医で診断と薬の副作用チェックを行い、最初の寛解導入は責任を持つ。その後は地域の病院や診療所で寛解を維持するという方向になっていくのではないか」と話している。

猫背を改善!ストレッチ動画まとめ

「猫背を矯正したい!」「姿勢をよくしたい」「背筋を伸ばしたい」などと思っている、デスクワークの多いビジネスパーソンは多いと思います。

猫背とは、頭が前に移動し、背中が丸まった姿勢のことを指します。胸の筋肉の緊張し、背中の筋肉が伸びている状態です。この姿勢が長く続くと、肩こりやそれに伴う頭痛、肩の痛みなどの原因にもなりやすいため、意識するのが大事です。そこで、猫背を改善するためのストレッチ方法などを紹介します。

■ 猫背を矯正するストレッチ

◎ チェストオープンストレッチ

効用としては、

・胸のほぐし

・肩甲骨のほぐし

です。胸の位置をあげるためのストレッチです。肩甲骨から開いていくイメージでおこなってください。

◎ 脇の下ストレッチ

効用としては、

・体側のストレッチ

・肋骨のストレッチ

です。ひじを真上に引き上げて、背中と脇を気持ちよく伸ばしていきましょう。

◎ 骨盤ほぐしストレッチ

・骨盤のほぐし

・内臓をほぐし

の効果があります。骨盤まわりをほぐすストレッチです。肩が床から離れないように注意してください。

■ マッサージ

また、猫背に効果があるマッサージも紹介します。

◎ 腕のつまみひっぱりマッサージ

・二の腕の血液循環の促進・引き締め効果

二の腕をつまんでひっぱることで、肩コリを解消するマッサージです。指全体を使って面でつまむのがコツです。

・ 腰肩のタイ古式マッサージ

上半身の筋肉のほぐして、上体を柔らかくするマッサージです。リラックスし、力を入れないように注意します。疲労回復にも効果があります。

■ おわりに

猫背の人が姿勢を矯正したり、疲れをとるストレッチやマッサージを紹介しました。その他にもたくさんのトレーニング動画があるので、是非とも下記サイトを参考にしてください。

うちトレ - 109本の無料動画でおうちトレーニング -
http://uchi-training.com/

専門医に聞け! Q&A ★ジョギングと膝の痛み

Q:運動不足でメタボでもあるため、最近、ジョギングを始めました。走るのは好きです。ところが、3日目に右膝に違和感が出て、4日目には痛くなりました。今後も走り続けたいのですが、どうすればよいでしょうか。アドバイスをお願いします。_(46歳。金融業)

A:ジョギングをする人にとって、膝の痛みはつきものといってもよいでしょう。実は最近、膝の痛みに画期的な湿布薬(テープの貼り薬)が出ました。お笑い芸人のたむけんさんは、この湿布薬を膝に貼って神戸マラソンを完走したそうです。また、テレビでたまたま見ましたが、プロ野球某球団の選手寮には、この湿布が転がっていました。 私も膝に痛みが少しでも出たら、この湿布薬を貼ります。半日貼っていれば、また翌日には走れます。魔法のようによく効く湿布薬です。

●魔法の湿布テープ
 この湿布薬は『ロコアテープ』という商品名の、医師が健康保険適用で処方する薬です。適応は変形性関節症で、基本的には中年以降への処方ですが、アスリートでも骨に変化があるなら適応となるでしょう。

 この湿布を貼ったら、痛み止めは飲んではいけません。言い換えると、それほど効くということでしょう。 実際、ロキソニンなどの消炎鎮痛剤を併せて処方することはできず、一度に処方できる枚数も2週間で28枚までという制限があります。

 この湿布薬を使用したい場合は、近くの整形外科(スポーツ整形)にかかり、相談してください。

 ところで、私もいまだ適正体重に至らず、スロージョギングを継続中です。 ジョガーの先輩としてアドバイスをすると、まず、適正体重になるまでは絶対にスピードを上げないこと。早歩きの人を追い抜けないぐらいのスピードで構いません。それを格好悪いと思わないようにしましょう。

 そして、膝に違和感が出たら、走るのをやめ、すぐに歩きましょう。勇気をもってジョギングを中断することが肝心です。まずは振り出しに戻って、以上のことを心がけてください。

**************************************
牧 典彦氏(ほほえみクリニック院長)
自律神経免疫療法(刺絡)やオゾン療法など保険診療の枠に捕われずベストな治療を実践。ほほえみクリニック(大阪府枚方市)院長。牧老人保健施設(大阪市北区)顧問。いきいきクリニック(大阪市北区)でも診察。

長引く「痛み」が人間関係を壊す?注意すべき7つの行動

長引く痛みは、辛いものです。先の見えない痛みに悩み、痛みを我慢する生活に疲れ果て、生きる気力をも奪うことがあります。長引く痛みだからこそ、家族やパートナー、病院のスタッフなど周囲の協力と支えが必要なのに、ついストレスできつく当たってしまう、なんてことはありませんか?

ストレスのはけ口として痛みの矛先となった大切な人が、もし、あなたから離れていったら、最も困るのはあなたです。痛みのストレスを当たり散らすばかりでは、痛みはドンドン長引き、健康的な生活はますます遠ざかっていくことでしょう。ここでは、長引く痛みを抱えた人が痛みのストレスでとってしまいがちな、やってはいけない7つの行動パターンを紹介します。
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◆無口になる

話さない。会話をしない。無視する。自分に何が起きていて何が辛いのか説明しようとしない。言わなくても分かってくれるだろうと考えている。どのように助けてほしいかを言わない。

やってはいけない無口になる状態とは、ただだんまりを決め込むだけでなく、独りよがりな思考パターンを持ちながら黙っている状態です。長年連れ添ったパートナーだから分かってくれるはず、と考えるのは間違いです。

痛みは日によって症状に波があり、他人が外から見ただけでは理解しにくい症状です。手を差し伸べたい、と考えてくれる周りの人に分かってもらうためには、痛みの症状、重症度、こうして欲しい、反対にこうして欲しくない、など、細かなコミュニケーションを取ることが必要です.

◆説明せずにその場を去る

部屋を出る。スッとその場を離れ、寝室などに引きこもる。フラッと外に出てしまう。

あなたが痛みを訴えた時、それを理解し受けとめようとした協力者には、痛みだけ訴えられてその場を去られてしまったら、どうしたらいいか分からず失望感だけが残ってしまいます。痛みのストレスを訴えるだけの方法で発散しようとせず、都合の悪いことも面倒くさがらずに説明してみましょう。

「今日は腰痛がひどくて辛い。仕事を小分けにしてやってみるよ」「ジンジンしびれて集中できない。今はできないけど明日やってみよう」「台所の立ち仕事がしんどいから、手伝って欲しい」など、前向きにどう行動すべきかを考え対策を発言することが大切です。

◆痛いことを誇示する

顔をしかめる。顔面を手で覆う。強く痛みを訴える。痛みをオーバーなアクションで表現する。

痛みをオーバーに表現することは、相手にかまって欲しいことの表れのひとつですが、ずっと強く痛みをアピールされ続けると、周囲の人は疲れてしまいます。度を越した痛みのアピールは、それはすでに痛みの訴えではなく、自己中心的でわがままな訴えでしかありません。

周囲の人はやがてケアが辛くなるだけでなく、あなたという存在そのものを避けたい、と感じるきっかけとなるでしょう。
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◆自分の痛みを語る

どんなに痛いか。この痛みでどれほど苦しめられているか。毎晩シクシク痛くて眠れない。何をしていても痛みが襲ってくる。

一見痛みを説明しているように見えますが、これらの言葉を発信し続けることも誤った行動パターンです。痛い、辛い、どれほど苦しいか、必要以上にそればかり訴えるのは、痛みに心が囚われた状態です。一方的に愚痴を聞き続けることが苦痛なように、痛みの訴えを聞き続けることも、とてもストレスなのです。

自分の口ぐせをちょっと思い出してみましょう。痛い、辛い、苦しい。これらの言葉が目立つようなら、無意識のうちに痛みで頭がいっぱいになり、周囲への配慮が欠けているかもしれません。
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◆他の人に興味が無くなる

他人の言葉に耳を傾けなくなる。他人を意識しなくなる。周囲が心配していることに気付かない。

「良い先生がいるって聞いたから、相談してみない?」こう話しかけられても、無視したり、聞き流すようなパターンです。心配して話しかけたのに肝心のあなたが心を閉ざしたままでは、周囲はあなたから拒否されたと感じ、心が離れていってしまいます。

痛みに悩み、余裕のなさがそうさせてしまうのですが、せっかく手助けの意思を持った周囲とのかかわりを失うと、痛みから解放されることはとても難しくなります。

◆激しい気分の変動を周りにぶつけてしまう

イライラ。悲壮感。落胆。欲求不満。怒り。

気持ちが落ち着かず浮き沈みが激しい人は、腫れものを触るような扱いをされてしまうことは想像できますよね。痛みを抱えた人が本当に欲しいものは、恒常的で安定したケアです。そのためには、腫れ物に触るような必要最低限のかかわりではなく、つかず離れず適度な距離を保ったお互いに快適な関係が求められます。

自分で痛みをコントロールするためにも、心の平穏を保つように心がけましょう。万が一、痛みでキレてしまっても、相手が途方にくれないようにアフターケアを忘れないようにしましょう。

◆挑発的な発言をする

どうせ、どれほど痛いかわからないだろう。痛くて痛くて、そんなことはできない。君も私と同じ痛みがあったらわかるよ。

皮肉な表現で痛みを発信し、周囲を傷つけるパターンです。「どうせ君には痛みは理解できないだろう」と発現することは、痛みを理解し、少しでも痛みを和らげてあげたいと思ってくれている相手にとっては、拒絶に他なりません。挑発したところで、あなたの痛みは軽減しません。それどころか拒絶されたパートナーは、分かってあげられなかったと落ち込み、あなたの元を去っていくかもしれません。

他人の痛みを、全てを理解することはできません。分からないけど少しでも力になってあげたい、力になって欲しい、と考えるパートナー関係でいいのです。寄らず離れず、自立した関係を保つことが痛みを抱えても自分らしく生きる周囲とのかかわり合いです。

痛みを抱えている人が一番辛いことは理解しています。しかし、痛みが長引いてくると、自分の行動や口ぐせひとつで自分も周囲も元気にも不幸にもするのです。優しいひと言、感謝の言葉、なにげない日々のコミュニケーションを上手に取り続けることが、痛みからあなたを解放する一歩です。

参考文献:自分で「痛み」を管理しよう Dr Michael Nicholas ら 監訳 坂本篤裕 河原裕泰
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富永 喜代(医師)

似てるけど違う!! 「温シップ」と「冷シップ」どう使い分ければいいの?

歳を取ると、肩こりや腰痛といった、身体のガタが身にしみてくる。若い時ほど軽やかに動くこともできず、ちょっとした運動で捻挫をすることも……。なんとも悲しい現実だ。そうならないために、ふだんから適度な運動やストレッチを心がけたいものだが、痛めてしまったら仕方がない。……となれば、お世話になるのがシップだ。

昔は馬肉を貼ったり、生薬を身体に塗っていたこともあるようだが、最近は市販品も豊富。家に常備している人もいるだろう。だが、そこで気になるのは「温シップ」と「冷シップ」の2種類があるということ。文字通り、貼れば温かいのが前者、冷たいのが後者だが、気にせず使ってしまっている人も多いのではないだろうか? ここでは両者の違いや使いわけの豆知識をお届けしたい。

まずは、温シップと冷シップの違いについて。
実は、どちらも成分はあまり変わらず、両方に炎症作用がある「インドメタシン」や「フェルビナク」などが含まれている。異なるのは、温シップには温かさを感じる唐辛子成分の「カプサイシン」、冷シップには冷たさを感じる「メントール」が配合されているということ。要は、この違いが貼った時の温かさや冷たさになるのだ。

なら、どっちを使っても構わないと思うかもしれないが、用途は異なり、身体の症状ごとで使い分けるのがオススメだ。基本的な考え方は次のようになる。

温シップ:血行を改善させたい
冷シップ:炎症や痛みの抑制・治療

例えば、ぎっくり腰や捻挫といった急な痛み。炎症を起こして痛みを感じたり腫れがあるようなら、貼るのは冷シップ。手元にない場合は、氷のうやアイスノンで代用もきくだろう。炎症により患部が熱を持っているので温シップは適さない。よって、打ち身や打撲、筋肉痛といった熱を伴う症状には、冷シップが正解だということだ。

一方、肩こりや神経痛など、慢性的な痛みには温シップ。個人差はあるが、身体を温めることで血行が良くなり、症状改善が期待できる。なお、カプサイシン入りの温シップだと、皮膚が刺激にさらされる。使った後、すぐに入浴するとお湯が肌に刺さるような感覚に襲われることもあるので、ある程度時間をおいてから入浴すること。また、入浴後は血行がよくなっているため、そのタイミングで温シップを貼ると、さらに効果的だ。

このように、痛みや不快の種類によって使い分けるのがポイント。そうすることで、よりスムーズに快方に向かうことができるだろう。ぜひ、お試しを!

ペインクリニック医師が教える慢性的肩こりの治し方

慢性的なひどい肩こりを治すには、その原因を知り、適切な対策を取ることが必要です。年間1万人以上の肩こり患者さんを診ているペインクリニックの医師として、自分でできる肩こり対策法と解消法、さらにはペインクリニックの肩こり外来で行っている専門的な肩こり治療法について解説します

マッサージや整体も効果なし…慢性的な肩こりにお悩みの方へ

ひどい肩こりに悩まれている方は、自己流の対処方法をいろいろ試してきたことでしょう。肩こり体操、マッサージ、整体、ヨガ、岩盤浴、枕探しからハリ治療まで、「とにかく良いといわれることはやっている。でも、なかなかスッキリしない。ひどい肩こりを治す方法はないものか?」と、悩まれているのではないでしょうか?

今回は、年間1万人以上の肩こり患者さんを診ているペインクリニックの医師が考える、慢性的なひどい肩こりを治す方法についてお話します。

慢性的で治らない…ひどい肩こりの定義
通常の肩こりではない、ひどい肩こりには3つの定義があります。

1. 肩こりに悩まされている期間が長いこと
2. 痛みを伴う、つらい肩こりであること
3. マッサージ、枕、ヨガなど、いろいろ試したがよくならない肩こりであること

です。それでは、3つの状態について、詳しくご説明しましょう。

1. 肩こりに悩まされている期間が長いこと
たとえば小学校のころから肩こりである、肩こりに悩んできた期間が長く、すっきりした日がない状態が、何年も続いている方です。肩こりに悩んだ年数が長いということは、他の原因も絡み合っている可能性が高いもの。悩みによって、肩こりを超えて全身症状や不安、不眠など心にまで影響を及ぼしている場合もあります。肩こり症状を悪化させるストレスの原因対策や生活習慣の改善など、心と体のアプローチが必要になります。

2. 痛みを伴う、つらい肩こりであること
肩のハリだけではなく、筋肉が盛り上がってジンジン痛いとか、毎日続かなくとも、1回の痛みが強ければ、肩こりの悩みは深いものです。ひどい肩こり=1回の肩こりの重症度×悩んだ年数」で決まると言ってもよいでしょう。肩こりに悩んだ時間が長ければ長いほど、ひどい肩こりになるのですが、たとえ期間は短くても、痛みを伴う肩こりなら、不快な情報として神経に組み込まれていきます。やがて自律神経まで影響を残すようになって、ひどい肩こりがクセになります。

3.マッサージ、枕、ヨガなど、いろいろ試したが改善しない肩こりであること
他の方が、肩こりを解消したという方法は一通り試したが、改善したという実感が得られない……。努力したが期待したような効果が出ないこともあるでしょう。 「いろいろ試したけど、肩こりが治らなかった」という記憶が積み重なってくると、「私の肩こりは治らない」という失望感だけが残ることになります。やがて、肩こりが治ることを期待しなくなり、治療する前から「やっぱりダメなんじゃないだろうか?」と想像する悪い連鎖が出来上がり、ますます治療に抵抗する肩こりが出来上がっていくのです。

ひどい肩こりの原因は? タイプ別の肩こり対策法・解消法
ひどい肩こりの原因は、3つ挙げられます。

1. 筋肉・骨格性肩こり
2. 神経性肩こり
3. 心因性肩こり

1. 筋肉・骨格性肩こり
骨や筋肉が弱り、骨格の変化が原因でおこる肩こりです。医学的には、頚椎症、頚椎椎間板ヘルニア、むち打ち症、ストレートネック、五十肩などが代表的でしょう。長年の変化が原因となるので、中高年の肩こりの原因の多くがこれに相当します。筋肉骨格性の肩こりでは、長年、神経も肩こりを認識して記憶しています。そのため肩こりのクセが強く、お天気やちょっとした姿勢の悪さでも、ひどい肩こりを感じるように神経が敏感になっています。

2. 神経性肩こり
ひどい肩こりの時に、頭痛を伴う場合があります。これが神経性肩こりの原因の1つ、片頭痛に伴う肩こりです。 「肩こりから頭痛が起こる」と感じる方は、このタイプかもしれません。 

片頭痛の原因となる神経は、脳から伸びる三叉神経です。三叉神経は首の神経とつながっていて、三叉神経が興奮して片頭痛を起こす時には、頭部や目の奥に向かって興奮が伝わる情報経路と首から方に向かって情報が伝わる経路、この2つが興奮します。三叉神経から頭に向かう情報より先に首の神経の興奮が起こり、頭痛より前に肩こりを感じます。すなわち肩こりは、片頭痛が起こる前の予兆の1つです。

神経性肩こりは発症が早く、小学校から感じる肩こりの場合、神経性肩こりの可能性があります。頭痛より先に肩がこるので、首が悪いのではないだろうか?と考えて整形外科を受診される方も多いようです。しかし、いくら首を引っ張っても、電気を当てても、原因が脳神経なので、肩こりも改善しませんし、もちろん頭痛も治まりません。そこで、「やはり治らないんだ」と絶望して、痛み止めでごまかす生活に戻ってしまうのが、このパターンの肩こりです。

また、生まれつき神経の興奮性が高く、 まぶしい光や人ごみが苦手、乗り物に酔いやすい、においに敏感、勘がいい、生理のイライラや落ち込みが人より強い、若いときから肩こりがある、このような特徴をもつ方が多いようです。日本人男性の5%、女性の14%はこの体質です。子供のころから肩こりがある、とお悩みの場合、この体質にあった治療が必要でしょう。 

具体的には、 規則正しい生活を送る、ホコリっぽい場所に行かない、 サングラスをかける、人ごみを避ける、寝ダメをしない、朝食をきっちりとる、タバコや酒を控える、人に合わせない、長風呂は避ける、激しい運動を避ける、などがあげられます。

神経性肩こりの場合、肩こりが起こったから対処するのではなく、自分に合った生活習慣を選んでいくことで、肩こりを起こしにくい体質に改善することが大切です。早く治すには、やはり片頭痛専門の予防薬や治療薬を飲むことをオススメします。片頭痛は、脳梗塞の倍率が、片頭痛がない人に比べて 7~25倍です。脳出血、認知症の発症リスクも高く、ほうっておいていい病気ではありません。

3. 心因性肩こり
別名、ストレス性肩こりです。「ストレスの原因自体を取り除くことが最も重要」と言われますが、それが難しいからひどい肩こりになってしまうのです。

例えば、「ストレスの原因は親の介護だ」と、自分で認識できている場合はどうでしょうか? また、職場の人間関係が原因ならどうでしょうか? ストレスになるからといって、それぞれの問題がスッキリと解決するとは思えません。これらが、症状の長期化と重症化を招いているとわかっていても、ストレスの原因そのものは、取り除きにくいのが現実です。

それでは、肩こりの原因となるストレスがあっても、肩こりを治す方法はあるのでしょうか?

それは、自分自身の考えクセ、思考パターンを地道に変えていくしかありません。ストレスの原因は、なかなか解消しにくいでしょう。しかし、他人に治してもらうことに期待するのではなく、本気で自分で治すなら、自分の肩こりの感じ方を変えることに取り組んでみませんか?

今を一所懸命生きている自分を認めて、先が見えない不安に押しつぶされる前に、「こんなに頑張っている。できてるじゃない!」と自分をほめてみましょう。それでも最初は、「誰にも認めてもらえない。耐えるばかり。」と落ち込むことがあるかもしれません。でも、まずはただ独り、あなた自身があなたを認められる存在であることに気づいてください。自分を大切にしていつくしんでください。

それでもダメなら、「やってらんないのよ~~~!」と大声を出してみること。声を出すだけで効果なんてあるの?と思われるかもしれませんが、「声を出し、耳で聞き、脳に伝わる」という流れを侮ってはいけません。脳に伝わる刺激から、溜めこんでいるストレスを吐き出して、少しずつでも軽減していきましょう。

ひどい肩こりを治す方法は、まずは自分の原因を知り、的確な治療を受けることです。自分で治すストレッチ方法は、筋肉骨格性肩こりには効果的ですが、神経性や心因性には効果が不十分です。枕も、ヨガも完璧ではありません。まずは、自分に合ったさまざまな対策を地道に積み重ねてみましょう。

いろいろな対策を組み合わせてみて、自分にあった方法を宝探ししてみる、くらいの気持ちで、ひどい肩こりに取り組んでみましょう。

ペインクリニックの肩こり外来での治療法
ペインクリニックの肩こり外来では、正しい診断をつけるために肩こりの詳しい問診とエックス線検査などの検査を行います。そして、肩こり治療として、

1. ブロック注射
2. 点滴治療
3. 内服治療
4. 理学療法
5. 心理療法

などを組み合わせて行います。

肩こり外来を受診される方は、いろいろ試したけど肩こりが治らないタイプの、ひどい肩こりに悩まれる方が大半です。ですから肩こり外来では、体質に合ったいろいろな治療方法が求められます。ペインクリニックの肩こり外来で行われるブロック注射治療は、痛みを訴え肩こりの原因となる神経の情報を断ち切る働きがあります。ブロック注射治療は、痛みで興奮した神経を緊張状態からリラックスした状態へと導き、肩や首の血の巡りを良くして筋肉をほぐし、マッサージでは届かない深部のコリまでほぐします。肩こりをあきらめる前に、一度、試してみられてはいかがでしょうか?

このように、ひどい肩こりを治す方法は、一筋縄ではうまくいきません。肩こりを記憶した神経や筋肉を解きほぐし、根気よく改善していくことが大切です。

腰をピキッと痛めたとき、してはいけない腰痛対処法

【カイロプラクティック理学士が解説】腰にピキッと痛みが走り、突然腰痛に……。ぎっくり腰ともいわれる急逝腰痛で、慢性腰痛と同じように温めて対処するのは逆効果です。腰痛には温めた方がよいものと、冷やした方がよいものがあり、間違えると痛みが悪化することがあります。対処法の見極め方と正しい方法について解説します。

腰がピキッ! もしやぎっくり腰? 対処間違えで悪化も……

腰が痛くなった時、どう対処しますか? 初めて腰痛を経験した人は、なんとなく聞いたことがあるような知識でケアすることが多いようです。しかし、自分の腰の痛みにその対処法であっているのか、実はよくわからないという声も少なくありません。最初の対処が間違っていると腰痛緩和に効果がないだけでなく、腰痛が悪化したり長引いたりすることもあるので、注意が必要です。実際に伺った対処法の失敗談を例に、正しい対処法をご紹介します。

腰に違和感があるけれど動けてしまう例
3才児の母親でもある29才のA子さんは、健康に自信のあるパワフルで明るい印象の女性。毎朝子供を保育園に送り、事務のパートを4時間しています。仕事が終わると近所のスーパーで買い物をして帰宅し、掃除などの家事を済ませます。早く済めば、少しだけ自分の時間ができます。仕事が休みの週末も思う存分体を休めてリフレッシュする、ということは殆どありません。しかし、それでも特に疲労感は感じていなかったそうです。

腰痛経験も無かったA子さんですが、その日は少し体に変化を感じました。仕事の後、掃除を終えて、自転車で保育園へ子供を迎えに行きました。その時です。子供を自転車の子供用イスに座らせようと、抱きかかえ持ち上げた瞬間のことでした。右の腰にピキッと軽い痛みが走りました。初めての経験でしたが、少し違和感が残った程度で、動くことも出来たので、そのまま自転車に乗って帰りました。

対処法を間違えてしまうと翌朝ツライ
帰宅後も違和感はあったものの、いつも通り家事をして食事も済ませました。さて、お風呂に入る時間です。子供と一緒に入ったので、ゆっくりとしたバスタイムではありませんでした。そしてA子さんは、雑誌で読んだことのある情報を思い出しました。 「腰の調子が悪い時はマッサージでほぐして、あとはお風呂でゆっくり温めて血行を良くすればいいんだ。」

就寝の直前に、旦那さんに腰の筋肉がほぐれるように強めに押してもらいました。もう指が痛いからと、マッサージを切り上げたそうな旦那さんにかまわず、筋肉ほぐしは続きました。そして、お風呂へゆっくりと浸かり、体の芯まで温まり、その夜は体が温かいうちに布団へ入ったのです。

この後、A子さんはどうなったでしょう? 就寝前の努力の結果、筋肉の血流は良くなり、腰も軽快な朝を迎えた、と言いたいところですが、朝目が覚めて起き上がろうとした時、腰痛が悪化していることに気が付きました。昨日はできた動作が、今日は痛くてできないのです。A子さんの腰はどうなってしまったのでしょうか?

「腰痛は温めればいい」は間違い! 腰痛対処のポイント
「腰痛になったら、血行を良くしましょう」という話を聞いたことがある人は多いでしょう。その血行改善に役立つものとして、市販のマッサージグッズや入浴法、体操など、いろいろなものがあります。どうしてもツライ時は、家族や友達に頼んで、筋肉を押したり、さすったりしてもらうのもよいといわれます。

ここでポイントになるのは、今ツラい腰痛がこれらの「血行を改善させること」が効果的なタイプの腰痛かどうか、ということです。A子さんは、過去に今回のような腰痛の経験がなかったせいもあり、判断を間違えてしまったようです。

温めるべきか冷やすべきか……腰痛対処法を決める基準

自己判断はとても難しいところではあるのですが、おおまかな目安を知っておくと良いと思います。A子さんが、最初に腰に違和感を覚えたのは、子供を自転車に乗せようと抱きかかえた瞬間でした。このように、何かの動作をとった瞬間に痛みが出た場合は、「急性腰痛」の症状に繋がるケースが多いため、血液循環が良くなる対処法で悪化する可能性が高くなります。痛みがそれほど強くなく、体も動かすことが出来たとしても、その後に腰に負担をかけたり、ゆっくりお風呂で温まることで、翌朝に腰痛がひどくなってしまうケースも、今回の例のようにあります。腰の痛めた部分が少なからず炎症している場合が多いため、これを鎮めるためには、冷却するのが効果的です。ビニール袋に氷を入れ、少しだけ水を足した簡単なもので良いので、約10分間痛い部分を冷やしましょう。

温めると効果的なのは慢性的な腰痛
反対に、温めて血行を改善させる方法が有効的な腰痛は「慢性的な腰痛」です。「デスクワークで座っていると、腰が重くなって徐々に痛くなってくる」「同じような腰の痛みが、1年近くあり、運動をすると多少楽になる」といった「突然の痛み」では無いケースは、筋肉の血行不良によりこり固まった状態が原因のひとつとして考えられます。血行を改善させ、さらなる悪化を予防しなくてはなりません。

長引く腰痛を抱えている場合は受診も検討を
慢性腰痛でも症状に波があり、残業や肉体労働などで、体に無理をかけてしまった日から、痛みが強くなるケースもありますが、自己判断が難しい時は、専門の先生に診てもらい、適切な処置とアドバイスを受けましょう。慢性腰痛は、ある程度痛みの種類や部位が決まってくるのですが、その中でも、時々違う部位が痛くなったり、痛み方が違ったりすることがあります。そうなると、また別の問題が隠れているかもしれませんので、この場合も専門の先生を受診すると安心です。

温めるべきか冷やすべきか、判断に悩むと思いますが、間違った処置をしてしまった場合、すぐに気付くことができたという話もよく聞きます。炎症が強い状態で温めてしまい、途中で痛みが強くなったため、すぐに冷やしたら痛みが和らいだ、というような場合です。急性の腰痛では、なるべく早く冷やすことができると、治りが早いようです。上手に対処できると良いですね。

鎮痛剤は必要?「腰痛」の最新対処法

◆最新のエビデンスに基づく腰痛対処法とは

2018年にThe Medical Journal of Australiaにて最新の腰痛(非特異的腰痛)のマネジメントの方法がまとめられました。これまでの報告から大きく変わった点はありませんが、最新の腰痛のマネジメント方法を、エビデンスに基づいて改めて解説します。

◆まず判断すべきは腰痛の種類

腰痛というのは幅広いものです。腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアなどが原因で足のしびれなどを伴う腰痛が生じることもあれば、圧迫骨折などによって腰痛が生じることもあります。

自分の腰痛が、何が原因で生じているか。まずはそれを正しく知る必要がありますが、一般の方がご自身で判断するのは難しいでしょう。そのためにも、まずはしっかりと医療機関を受診することが大切です。そこで、圧迫骨折や重度のヘルニアが見つかった場合は、専門医や理学療法士の指示に従って適切な治療を受ける必要があります。

しかしながら、腰痛の85%は原因不明と言われています。医療機関を受診してMRIやレントゲンを撮っても、原因がはっきりしない場合が多いのです。その場合でも、少なくとも腰痛の原因が骨折や神経の圧迫ではないとわかることは重要です。このような原因不明の腰痛を、専門用語では「非特異的腰痛」と言います。ここではわかりやすく「深刻ではない腰痛」と呼んで、解説を進めます。
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◆非特異的腰痛・深刻ではない腰痛の場合、安静は禁物

「深刻ではない腰痛」だった場合、最初にやるべきは正しい知識を知ることです。私は医療機関で実際に多くの腰痛患者さんと関わっていますが、腰痛になると、必要以上に痛みを恐れて仕事を休んだり、さらにベッド上で一週間以上寝たきりの生活を送ったりする人も少なくありません。

しかしながら、世界の腰痛のガイドラインや論文では、深刻ではない腰痛に対しての最初の治療(アドバイス)は、「Stay active=できる限り動くように」が常識です。まずはこのアドバイスも含め、正しい知識を知ることが重要です。 医療機関に行けばこのようなアドバイスをしてもらえると思いますが、ここでもぜひ頭に入れておいてください。深刻ではない腰痛に対して、必要以上の安静や休息を取ると、逆に状況を悪化させてしまう原因になります。

◆腰痛改善にマッサージ・ストレッチ・鍼治療が有効なことも

一方で、なるべく普通どおりに生活をしていても、腰痛が改善しない人たちも存在します。その場合は、より専門的な治療が必要でしょう。例えば、簡単なマッサージやストレッチ、鍼治療などが挙げられます。これらの治療により、固まっている筋肉がほぐれ、腰痛が軽減する場合があるからです。
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◆腰痛対処法としてロキソニンなどの鎮痛剤服薬は適切か

もしそれでも改善しなかった場合は、一時的にロキソニンに代表されるような鎮痛剤を飲むのも方法の一つです。必要以上に痛みを我慢すると不快な刺激が脳に残り、慢性的に痛みを感じるようになってしまうためです。重要なことは、「投薬」というのは腰痛において、第1の選択肢ではないこと。「stay active」を心がけてストレッチなども試してみて、それでも痛みが取れない場合に薬を選択するのが、エビデンスに基づいた世界の腰痛治療の常識だと言えます。

そしてこれらを行ってもなお痛みが改善しない場合、もう一度医療機関で詳細な検査を行うことも大切です。もし深刻な痛みが続いて、骨の変形や神経への負担などの原因が見つかれば、手術などの治療法も検討する必要がありますし、ストレスなどの心理的要因が大きく関わっていると考えられる場合は、臨床心理士などと協力して認知行動療法などの治療を行うことが有効なケースもあります。

◆まずは医療機関で正しい診断を

繰り返しになりますが、腰痛になった場合、まずは医療機関で正しい診断をしてもらうことが重要です。「骨にも異常がないので、普段どおりの生活をしていたら治りますよ」と言われる場合もあれば、「骨折しています」と言われる場合もあるでしょう。

一言で腰痛と言っても、その原因や種類、痛みの程度は千差万別。いずれの場合も、正しい知識をもって適切な正しい対応をすることが大切です。まずは最初に正しい診断をつけてもらえるよう、医療機関を受診してください。

参考文献:
Almeida, M., Saragiotto, B., Richards, B., & Maher, C. G. (2018). Primary care management of non-specific low back pain: Key messages from recent clinical guidelines. Medical Journal of Australia, 208(6), 272–275. http://doi.org/10.5694/mja17.01152
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三木 貴弘(理学療法士)

むくみ脚を退治する朝の習慣5つ

朝起きて脚がパンパンだとその日1日の気分も下がったままですよね。

仕事もプライベートも忙しい女性であれば、脚のむくみは何としても避けたいところ。

そこで今回は、そんな朝の緊急事態を解消してくれる習慣を、お教えしたいと思います。

1.温かいスープを飲む

冷えは下半身のむくみの大敵なので、朝だからといって油断は禁物。そこで、1日のエネルギーをチャージする朝食では、体が温まるスープ類を飲むのがオススメです。

汁物なら食欲がわかない朝でも胃に入れやすいですし、デトックス効果も抜群。食物繊維たっぷりのお野菜や海藻類、また血の巡りを良くしてくれる生姜を具材として入れてみましょう。

朝ならこの具だくさんスープだけでも、満腹感を得られますし、むくみ防止にも効果的。ただし、ここで塩分を摂り過ぎてしまうと、逆にむくみの原因となってしまうのでご注意を。

また、朝食を摂らないでいると痩せにくい体質になってしまうので、そちらも頭に入れておきましょう。

2.ストレッチ代わりに屈伸する

歯を磨いている時、何となくテレビを観ている時、ちょっと時間が空いた時…こんな風に朝を過ごしている時は、ついでに屈伸をしてみてください。

膝を曲げて伸ばすとても簡単な運動ですが、屈伸を行うことでふくらはぎの血流が良くなり、脚のむくみの解消にとても効果的なんです。

また、この動きは場所も取らずいつでもどこでもすぐに行うことが可能。そのため、デスクワークで長時間座りっぱなしの時、夕方下半身がパンパンだと感じた時にもササッとむくみを退治することができます。朝の時間帯以外でも、屈伸運動を取り入れてみてくださいね。

3.ふくらはぎをさする

ふくらはぎは血液を心臓に送りだす役目を果たしている部位。冷えはむくみの大敵と言われていますが、特にふくらはぎを冷やすのはNGです。

血流を良くしてあげるには様々な方法がありますが、1番お手軽なやり方としは、手でさすることが挙げられます。

下から上に向かって手でさすってあげるだけでも、血の流れは良くなるので、朝は忙しく時間がないという方は、せめて“さする”だけでもしてあげましょう。

これなら特別なテクニックや道具もいらないので、今日から実行可能。ふくらはぎに冷えを感じた時は、まず“さする”行動をとってあげましょうね。

4.足つぼを刺激

むくみに効果的な治療法として名高い足つぼですが、「素人がやるには難しそう…」と敬遠している方も多いと思います。しかし、そんな方でもゴルフボールを足裏で転がすだけ、で足つぼマッサージと同じ効果が得られるんです。

立ったままやるのであれば、転ばないようにしっかりと何かにつかまり、ゴルフボールの上に立ってバランスを保ってください。

座りながらであれば、ご自身で「痛い」と感じるところを中心に、ギューっとゴルフボールで足裏を刺激してください。こうやって刺激を与えることで血液循環も良くなり、むくみの解消へと繋がります。

5.脚を温める

むくみ解消には運動やマッサージ以外でも、脚そのものを温めてあげる努力も必要です。時間がある時はお風呂に浸かってみるのもいいですし、何かをしながら温めたいのであれば、フットバスや湯たんぽを使用してみるのもいいでしょう。

こうすることで脚のむくみが解消されると同時に、気持ちもスッキリと目覚めることができます。

もちろん、この温め作業を行った後で、先ほど説明した運動やマッサージに励めば、血流が良くなった後なので、より良いダイエット効果がられるはずです。

いかがでしょうか?

朝こそ絶好の美容タイム。美女を苦しめる嫌な脚のむくみとはこれでバイバイして、毎朝最高のコンディションをキープしましょう。

「猫背」の弊害&その改善法

日々、パソコンやスマートフォンに向き合うビジネスマン。つい仕事に没頭し過ぎて、背中が丸まっていないだろうか? 

これはいわゆる“猫背”だが、見た目への悪影響だけではなく、病気を引き起こす原因にもなるらしい。猫背の弊害について、『その痛み・不調は「座り方」を変えれば消える!』(PHP文庫)の著者、KIZUカイロプラクティックの木津院長に話を聞いてみた。

「猫背は、常に前かがみの姿勢を取り続けているので、臓器が圧迫され、胃や腸が下に押し出されてしまいます。これが内臓の機能的障害につながってしまうのです。また、猫背の人は呼吸の際、ろっ骨が広がりません。

だから、肩で息をして浅い呼吸しかできなくなり、体全体に十分な酸素を供給できなくなってしまう。その結果、新陳代謝が悪くなり、風邪をひきやすくなったり、アレルギーが出やすくなったり、太りやすくなったりします」

このほか、猫背が原因で、胃下垂や耳鳴り、頭痛なども起こるそうだ。そして、最悪の場合は急性の脳血管障害に至る危険性があると、木津さんは警鐘を鳴らす。

「猫背の人は、同時に首が斜め前方に向けて真っ直ぐ固まる『ストレートネック』になりがちです。

首には脳に栄養を運ぶ椎骨(ついこつ)動脈があるのですが、首が上を向いた状態を保っていると血栓ができてしまい、一時的に脳卒中状態に陥ることも。死には至りませんが、危険な状態です」

このほかにも、首の可動範囲が狭くなったり、寝違えることが多くなったりするのも、猫背が元凶だという。

とにかくカラダに悪いことだらけの猫背だが、これを改善する方法はあるのだろうか? 木津院長に、仕事中にでも簡単にできる予防策を聞いてみた。

「理想の姿勢は、カラダの側面から見て骨盤が反っておらず、かといって丸まってもいない状態で、耳と肩が一直線になるポジションです。

この姿勢を意図的に作るには、足を戦国武将のように思い切り開いて座ってみましょう。下腹部に力が入り、自然な状態で理想の姿勢になるはずです」

ちなみに、男性は女性に比べて骨格や臓器が丈夫なので、猫背による悪い症状が出ても気付きにくいそうだ。しかしその分、悪化してから病院に駆け込んでくる患者が多いという。

なんとなくダルいな…なんて自覚症状のある人は、まずは普段の姿勢をチェックしてみては?

陥入爪の治療はさまざま…手術でも日帰りは可能

【Q】足の親指の爪を深爪してから腫れてきて痛みがあります。巻き爪と診断されて1か月以上抗菌剤の内服薬と外用薬を処方されましたがよくならず、どんどん腫れて肉が盛り上がってきました。(40代、男性)

 【A】お困りの病態は陥入爪です。まず、巻き爪と陥入爪、この2疾患がよく混同されているので、それを整理しましょう。巻き爪とは、爪が巻いて変形している状態であり、痛みの有無は問いません。一方、陥入爪とは、深爪や外傷を契機に爪棘(とげ状に残存した爪)ができて皮膚に刺さって痛みを伴う状態です。 

つまり、陥入爪においては、爪棘が刺さっている状態をいかにして改善するか、ということが治療の主目的となります。こう考えますと、抗菌剤をいくら多用したところで、病態は改善していないことは明白です。それでは、治療はどのようにして行うのか。

 一般的には、軽症であれば、コットンパッキング法(コットンや抗菌剤ガーゼを爪の下に挿入して爪を浮かす方法)、テーピング法(テーピングにより爪の刺さりを浮かせて解除する方法)、中等症であれば、ワイヤー法(ワイヤーにより爪を矯正する方法・保険適応外)、ガター法(爪棘の部分にチューブを挿入し、刺さりを解除する方法)、重症であれば手術(主としてフェノール法)となります。ただし、医師によって治療の選択肢・優先順位が変わることもあります。

 今回のケースでは1カ月以上続く炎症性の肉芽を伴うケースですから重症と考えますので、手術の適応となります。手術とはいっても、ブロック麻酔(足趾の付け根に局所麻酔を注射)後、爪棘を除去し、その部位の爪母(爪を作る組織)をフェノールという薬品で破壊するだけであり、実際の手術操作時間は10分未満で日帰り手術で行えます。

 実際、私は外来中に当日初診で来られた陥入爪の患者さんのフェノール法をその場で行っております。まずは爪疾患治療に積極的な医療機関に受診をおすすめいたします。

 ◆回答者プロフィール 櫻井直樹(さくらい・なおき)02年、東大医学部卒。東大付属病院、関連病院に勤務後、美容外科クリニック勤務を経て千葉県松戸市にシャルムクリニック開設、他院皮膚科顧問も歴任。皮膚科専門医、レーザー専門医。

高齢者に多い「ふらつき」「腰が痛い」「背が縮む」への対処法

 高齢になると、いろいろな体の不調が出てくる。それらの症状に対しては、どう対処するとよいのだろうか。

◆ふらつく

◎脳や背骨、首の骨の病気
 急にふらつく、反応や手足の動きが普通でない場合は即、受診。また箸遣いなど手先の作業が徐々に難しくなってきた場合は、脊髄の疾患の可能性があるので受診を。

◎下肢筋力の衰え
 加齢や、病気やけがで長期間、動かなかった場合も転倒のリスクが高くなるので、日常的に筋肉トレーニングを。

◆腰が痛い

◎腰骨(腰椎)の病気
 背骨の円筒形の骨(椎体)の間にある椎間板が加齢により変形し、つぶれたりずれたりして痛む。変形性腰椎症、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎椎間板症など。強い痛みは受診を。また歩き始めは痛みがなく、一定時間・距離を歩くと痛みが強くなり、休憩や前かがみの姿勢で楽になるという特徴的な症状は脊柱管狭窄症。軽症なら見守ってもよいが、脚のしびれまで伴うようなら受診を。手術をはじめ投薬などの治療法も増えてきている。

◎加齢による衰え
 起床時に背中や腰に痛みがあり、動き出すと治るのは、就寝中に組織が固まったことによるこわばり。基本的に心配なし。

◆膝が痛い

◎膝関節の病気
 もっとも多いのは膝の軟骨がすり減ることによる変形性膝関節症。痛みが出たら3日~1週間は必要最低限の歩行にとどめて安静に。O脚が進んできたり、痛みで膝がまっすぐに伸び切らなかったりする場合は、放置すると悪化するので受診を。

 次いで多いのは関節リウマチ。リウマチの場合は手(指のつけ根と第2関節)の痛みが必発で、血液検査ですぐわかる。専門的な治療が必要。また、原因なく膝関節の痛みや腫れ、熱感が出る場合は、細菌感染や痛風、または偽痛風が疑われるため、必ず受診を。

◆転倒で強い腰痛

◎骨粗しょう症による骨折
 加齢により骨は弱くなり、骨折しやすくなる(骨粗しょう症)。転倒で腰や背骨に強い痛みが出た場合は、背骨の圧迫骨折が疑われるのですぐに整形外科を受診。また、長時間車に乗る、重いものを持つなどでも起こすことがあるので注意。

 高齢者が転んで股関節が強く痛む場合は大腿骨骨折が多い。動けない場合は救急車を。骨粗しょう症による骨折は、レントゲンでは診断が難しい場合がある。初診時で骨折がないと診断されても痛みが続くときはもう一度受診を。

◆背が縮んだ・背中が丸くなった

◎圧迫骨折
 骨粗しょう症では、原因がなくても徐々に骨がつぶれ、気づかないうちに圧迫骨折をすることがある。数か月の間に急に背中が丸くなったり、身長が縮んだりしたら、整形外科で検査を受けて、必要なら骨粗しょう症の治療を受ける。
自宅で簡単ケラチントリートメント
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