© AERA dot. 提供 ※写真はイメージ(Getty Image) 連休中にゆっくり休んだはずが、なんだかスッキリしない。もしかしたらそれは頭のコリが原因かも。ならば「頭ほぐし」で気分をスッキリさせよう。気持ちも上がるし、見た目も変わって、より元気に過ごせること間違いなし。
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「頭がスッキリするだけでなく、よく眠れるようになりました」(60代男性)
「顔のたるみが小さくなったようで、なんだか若返ったみたい」(50代女性)
記者(男性、50代)のまわりで健康や美容のために頭をほぐすシニアが増えている。本当に効果があるのだろうか。ゴールデンウィークも終わった。膨大な仕事に悩まされる日常に戻り、なんだか心と体をスッキリさせたい気分だが……。
そこで『10秒で顔が引き上がる 奇跡の頭ほぐし』の著者で村木式頭ほぐしを開発した村木宏衣さんに、誰でも効果的にできる方法を聞いた。
「エステティシャンとして美容の仕事をしていましたが、乳がんの治療をして髪にダメージを受けて、それを改善するために試行錯誤して、メソッドを確立しました」
村木さん自身が頭ほぐしに救われ、今日があるという。現在も時間があれば頭ほぐしをし、精神的に肉体的に健康を保っているそうだ。
頭ほぐしをすると、顔がリフトアップしてシワが減る。目がスッキリする。個人の感想だが、視力が改善された例もあるようだ。髪質も改善され、夜よく眠れるようになったという声もあるという。
「精神的に明るくなったという人もいます。最近は中高年の男性のお客さんも増えました。集中力が上がり、仕事がさらに頑張れるようになったという人もいましたね」
いつでも、どこでも簡単にできるのもポイントだ。器具も必要ない。
しかしなぜシワやたるみが改善するのだろう。
頭は緊張してコリが発生すると前方に皮膚が引っ張られ、顔の部分に寄り集まることで顔にシワやたるみができる。そのコリをほぐすと頭頂部を覆う帽状腱膜や、額を覆う前頭筋がほぐれ、後ろに引っ張られる力が戻り、シワやたるみが改善するのだ。
では村木さん指導のもと、頭ほぐしを実践してみよう。まずは頭ほぐしの基本だ。
(1)指の先端ではなく、指の腹を使うこと。圧力が伝わり頭皮を傷つけることもないからだ。
(2)頭の骨をつかむイメージで指を垂直に入れ圧力をかける。
(3)指に圧力をかけつつ、細かくゆっくり動かす。このとき頭皮に指をすべらせながら圧力をかけるのはNG。
「リラックスするためにやっているので、力まないことです。息を吸ったり吐いたりしながら、気楽にやりましょう」
気になるポイント別にも教えてもらった。
▼頬のたるみ
ほうれい線は、頬のたるみによってできる。耳の上あたりにある側頭筋のコリをほぐし、弾力を取り戻せば、顔を引き上げ、たるみが解消される。
<手順>
(1)親指の腹をこめかみのへこんだ部分に置き、手首を返して残りの指で後頭部をつかむ。
(2)「あむあむ」と言いながら、親指で頭を押さえて斜め後ろに持ち上げ、両手で頭の下部をはさみ、持ち上げるようにする。
○ポイント あごを下げない。声を発するとき口を大きく開けること。
▼下まぶたのたるみ
側頭筋がこると目のまわりの筋肉も縮み、血流が悪くなり眼輪筋が下がり下まぶたがたるむ。縮んだ側頭筋をほぐし、目のまわりの血流をアップさせ、たるみを解消する。
<手順>
(1)こぶしを握り、こめかみの上あたりをはさみ込むように10杪押さえる。
(2)正面を向いたまま、生え際から耳の後ろまで、上下に細かくグリグリするように10杪動かす。
○ポイント こぶしを握ると力が入るが、奥歯を食いしばらないように。
■呼吸を止めずにリラックスして
▼眉間のシワ
側頭部から耳のまわりがこると、目のまわりの血流が悪くなり、眉間の筋肉も緊張する。耳の周囲の筋肉のコリをほぐし、血流を促進して眉間のシワをなくす。
<手順>
(1)人さし指の腹を耳の付け根の上に置き、前後にさするように10杪動かす。
(2)次に人さし指の腹で耳の付け根の前を上下にさするように10杪。
(2)人さし指の腹を耳の付け根後ろで上下にさするように10杪動かす。
○ポイント 人さし指を動かすときに力を入れすぎないように。
▼白髪・薄毛を防ぐ
頭のコリをほぐすことで血流がよくなり、健康的な頭皮が戻ることが期待できるという。
<手順>
(1)耳を手のひらで覆い、前から後ろへ引き上げるように10杪回す。
(2)指の腹を頭皮にあて、生え際から後頭部へジグザグに細かく10杪動かす。
(3)こぶしを握り、こめかみの上あたりをはさみ、小さく円を描くように後方に10杪動かす。
(4)耳の後ろの後頭部にこぶしの第一関節と第二関節の間の平らな面をあて、後頭部から首へと細かく押し動かす。
記者も実際にやってみた。短い時間ではあったが、頭のモヤモヤした感覚が軽減し、スッキリした。頭をほぐしただけなのに、頭だけでなく、身体が軽くなった。
ただ、あまりに簡単すぎるので、これでいいのだろうかと少し不安になるくらいだ。
頭ほぐしで注意すべきことはあるのだろうか。
「頭皮に傷があったり、頭痛や熱があったりするときは避けてください。実施するのは朝昼夜いつでもいいです。リラックスして行ってください」
頭がこっていては何もいいことはないという。
「頭ほぐしを毎日のルーティンにして、より爽やかで健やかな生活を手に入れてください。心もほぐせて、幸せな日々が待っていますよ」
これからもガッチリ仕事ができそうだ。(本誌・鮎川哲也)
※AERA 2022年5月20日号