あなたの健康はお金で買えますか・・・? ■がんへの備え・治療費など
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あなたの健康はお金で買えますか・・・?

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カテゴリー  [■がんへの備え・治療費など ]

もしかして…?医師が「がん」を疑う症状 

◆医師が「がん」を疑うのはどんなとき?

私は現在、患者さんのご自宅や施設へ出向く訪問診療と、街のクリニックでの外来診療を行っています。大学病院や公立病院で外科医として勤務していた時と比べると、比較的高齢の患者さんが多く、また、病状も安定している方がほとんどです。
「先生の顔を見ると、元気が出ます」という、医者冥利に尽きるような一言を聞くことは、医師を志した私の原点に響くことでもあり、外科医時代とはまた違った喜びがあります。薬の内容も、それほど特殊なものは多くなく、ちょっとした世間話をして、体調をお尋ねし、血圧測定や聴診を行います。そして、前回の処方をチェックして、お薬を新しく処方するという、比較的穏やかな診療風景です。

しかし、そんな穏やかな診療の中でも、「あれ?」と思うことがあります。詳しく調べてみて、がんが発見された方もいます。つまり、特別専門的な検査をしなくても、「がんでは?」と思う症状があるのです。医師である私たちが、どんな点を日常的にチェックしているのかを、お話ししましょう。
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◆体重減少

がんを疑わせる症状の代表である、体重減少。もちろん、「最近、食事には気をつけています」「頑張って運動しているんです」「ダイエット中です」という場合は別です。いつもと変わらない生活をしているのに体重が減っていく場合は、がんの可能性を考えたときに、少し気になる現象です。

特に、1~2カ月で10~15%以上の体重減少(60kgの方の場合、6~9kg)が見られる場合は、やはり注意が必要です。洋服のサイズが合わなくなったり、ズボンやスカートがぶかぶかになるなどの自覚があり、周囲の方も気づくような状態になります。がんが体の中にあると、エネルギー消費の増加に加え、がんのできた部位によっては、食欲が低下することもあり、いつも通りの生活をしているつもりでも、体重が減少してしまうのです。
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◆便の異常

日本では、消化器のがん、すなわち、胃がんや大腸がんが多いですが、これらのがんの症状の多くは、便の異常となって表れます。

■色調の異常

これは、がんからの出血によるものですが、胃や十二指腸のがんでは、便は黒色に、大腸のがんでは、暗赤色から暗紫色になってきます。肛門に近い直腸のがんでは、鮮血色の下血が見られることもありますが、これらは痔の症状として、見過ごされることもあります。もちろん、頻度としては痔が多いのですが、前述の体重減少の傾向がある場合は、詳しく調べる必要があります。

■便通の異常

長引く下痢や、頑固な便秘といった便通異常は、大腸のがんに関する注意信号です。もちろん、下痢や便秘も一般的な症状です。しかし、通常の下痢止めや便秘薬が効かない、もしくは、下痢や便秘を繰り返すといった症状の場合には、やはり注意が必要です。

◆進行する貧血

何となく体がだるい、息切れがする、めまい・ふらつきがあるといった症状は、通常の肉体疲労や、がん以外の疾患でも見られる症状です。貧血の症状としても多いです。ただし女性の場合は、多かれ少なかれ、貧血があることがほとんどなので、一回だけの血液検査や健康診断の結果だけで判断することはできません。

重要なのは、進行する貧血です。たとえば生活習慣病でかかっている医療機関の3カ月ごとの血液検査で、ヘモグロビン値が、13mg/dlから、10mg/dlに下がるなど、7~8割以上の低下が見られる場合は要注意。

出血の原因は、消化器系(胃がんや大腸がん)のこともあれば、泌尿器系(腎がんや膀胱がん)、婦人科系(子宮がんや卵巣がん)のこともあります。進行する貧血は、自覚症状のみではわかりづらいので、医療機関での血液検査が必要です。もし、貧血かな?と思っても自己判断せず、やはり採血して調べておくのがよいでしょう。
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◆虫の知らせも大切に……気になるときは健康診断・人間ドック

最後に紹介するのは少し非科学的な内容になってしまうのですが、虫の知らせを大切にしている医師も多いと思います。「何となく気になる……」というケースで、調べてみたら早期のがんが見つかったというケースは、医師の多くが経験していることではないかと思います。

これは患者さんも同じ。ここでご説明したような症状に加え、ちょっと心配だなぁと思われたときには、会社や自治体の健康診断をきちんと受ける、また、場合によっては、人間ドックを受けてみるといった行動を起こすことも大切です。自己判断での心配しすぎもよくありませんが、何か気になることがあれば、まずは、お近くの内科の先生の診察をお受けになってみて下さいね。





( 2018/08/18 15:34 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

がんへの備え】患者の“生の声”図書館で探しやすく! 病気別に分類  

病気になった患者が自らの体験をまとめた闘病記は、同じ病気に罹った人にとっては非常に価値の高い参考書だ。患者本人の“生の声”で、不安を解消してくれたり、勇気づけたりしてくれる。

 全国の公立図書館や大学図書館、病院の図書室などでは、闘病記だけをひとつのコーナーに集めた「闘病記文庫」を設けるところが増えている。疾患別では、がんの闘病記も数多く出版されているので、知りたいがんの情報収集にはきっと役立つはずだ。

 初めて闘病記文庫を開設した公立図書館は東京都立中央図書館。闘病記ライブラリーの設置を推進してきた市民グループ「健康情報棚プロジェクト」(代表・石井保志さん)からの働きかけで、931冊の闘病記が寄贈され、2005年6月にスタートした。

 現在、同館の闘病記文庫は1階、健康・医療情報コーナーの一角にあり、約1600冊の闘病記が263種の病気別に並んでいる。そのうち、“がん”が占めるのは79種(重複含む)、約670冊だ。

 同館・重点情報推進担当の平安名道江係長は、その利点をこう話す。

 「もともと闘病記は図書館のジャンルでは『文学』の中のひとつで『ルポルタージュ・記録』に分類されます。さらに著者が芸術家なら『芸術』、『伝記』に分類されるものもある。書名だけでは何の病気の闘病記なのか分からない本も多く、以前は漠然と病気別で探すのは大変だったのです」

 一般利用者なら、当然「健康・医療」棚に置かれていると思うはず。しかも、病気について調べたい人は、何を調べているのか他人に知られたくない場合が少なくない。

 その点に配慮して同館では、健康・医療コーナーを人通りの少ない一番奥のスペースに配置。職員に聞かなくても調べやすいように、病気・薬・病院の基本的な辞典類、統計書などを集めた「ここから調べるコーナー」も設置。さらに詳しく調べたい場合は、病院の診療科のように分類されている棚に、さまざまな病気に関する本が置かれている。

 同館所蔵の闘病記はHPから検索が可能。また、NPO法人連想出版の運営するネット上のサイト「闘病記ライブラリー」では、病気別に分類された闘病記約700冊の詳細情報が仮想書棚で閲覧できる。(新井貴)

《闘病記文庫のある主な図書館と蔵書数》
★東京都立中央図書館(約1600冊)
★首都大学東京図書館荒川館(約550冊)
★宇都宮市立中央図書館(約1000冊)
★大阪府立大学羽曳野図書センター「さくらんぼ」(約1200冊)
★奈良県立医科大学附属図書館(約700冊)
★鳥取県立図書館(約1300冊)
★広島市立中央図書館(約1400冊)





( 2018/08/06 20:51 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

【がんへの備え】胃を切除した人の「患者会」 体験談から学ぶ後遺症対策  



胃がんで胃を切ると、さまざまな後遺症に悩まされる。そんな患者のケアを目的に30年前に設立された、胃を切った人の患者会「アルファ・クラブ」。切除後に何が起こるのか、久本剛事務局長(70)に聞いた。

  ◇ 

 アルファ・クラブは個人会員3082人、病院会員3159院。会報誌の発行(月1回)や講演会などで後遺症対策の情報を発信している。

 「胃がん治療は“切って終わり”ではありません。その後の生活が大変。体験談などから知識を得て、自分なりの上手な後遺症対策を見つけてもらいたいと思います」

 久本さんも16年前に全摘した体験者。胃を切って激変するのは当然、食事。社会復帰には、まず“食事調整と体重管理”が重要という。

 「最初は一度にたくさん食べられないので、1日5-6回に分けて食べる。でも、たいてい1-2年で3食に戻れます」

 消化不良を防ぐために“よく噛む”“ゆっくり食べる”が鉄則。慣れてきても常に“腹7分目”が大切になる。

 「術後、最も起こりやすい後遺症が、食べ物が腸管に詰まる腸閉塞(へいそく)です。会員調査でも再入院の原因の第1位です」

 原因の9割以上は、早食いや食べ過ぎなどの食事の取り方。かみ切れないうちに飲み込んでしまう、海藻類、キノコ類、繊維の多い野菜、タコやイカ、肉類、ラーメンやソバなどは、腸に詰まりやすく要注意だ。

 消化・吸収が悪いので、体重減少がほとんどの人に起こる。術後5年以上たっても元の体重に戻らない。肥満だった人には好都合だが、“病的なやせ”では筋肉や骨の量まで減ってしまう。患者の約半数が悩んでいる。

 「体重が減ると、体力・気力も減退します。体重を増やすには、栄養を取り、運動をして筋肉をつけるのがいい。主治医に言えば、高カロリー流動栄養剤(医薬品)も処方してくれます」

 久本さんは、体重60キロが術後50キロに減少。カナヅチだった水泳を始めて3キロアップ。休日にはテニスを続け、体重をキープしている。

 「問い合わせてもらえれば、術後の食事や日常生活の相談には対応できます。また、顧問医師への健康相談(有料)も受け付けています」

 次回は、さらに詳しく後遺症を取り上げる。

《胃切除後の悩み相談》
「胃を切った人友の会・アルファ・クラブ」
◇住所=東京都港区新橋2の20の15 新橋駅前ビル1号館2F・協和企画内
◇(電)03・3569・9531
◇FAX03・3569・9532
◇Eメール alpha-cb@kk-kyowa.co.jp





( 2018/08/06 20:22 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

他人事じゃない!毎日の生活が「がん」リスクを変える  

がんは、普通の細胞から発生した異常な細胞のかたまりで、3,000~5,000は健常人でももっていると「昔より患者が増加?知らないとマズイ“がん”のリスク」でご紹介したように、誰しもががんのリスクがあるのです。絶対に風邪にならないことができないように、がんも絶対ならないという方法はないのです。ですので、今回は『WooRis』の過去記事の中から日常生活の中でできる“がんの予防法”をピックアップしてみました。

■日本人のためのがん予防

「昔より患者が増加?知らないとマズイ“がん”のリスク」でも紹介しました、すでにがん予防になる習慣のコツがあるのです。

(1)喫煙・・・たばこは吸わない。他人のたばこの煙をできるだけ避ける。

(2)飲酒・・・飲むなら、節度のある飲酒をする。

(3)食事・・・食事は偏らずバランスよくとる。

その他、塩蔵食品、食塩の摂取は最小限にすることや、野菜や果物不足にならないようにする、飲食物を熱い状態でとらないということが必要になってきます。

■日常生活でもがんリスクを予防

食生活以外でも根拠あるがん予防法があるのです。「当てはまると危険!“がん”リスクを高めるNG習慣4個」にも記載あるように、運動不足はがんリスクを高めます。できるだけ、日常生活を活動的に過ごすことはとても重要。

また、体重を適正な範囲に維持する、もちろん太りすぎもリスクを高めますが、やせすぎもリスクを高めます。身体が弱っていると、がん細胞に打ち勝てなくなるのです。

その他、ウイルス感染も要注意。肝炎ウイルス感染の有無を知り、感染している場合はその治療をしなくてはいけません。

■がんを予防のコツ

「雨上がり宮迫も必読!がん抑制効果が期待できる食品5つ」で紹介しているがんの抑制効果が期待できる食べもの、チンゲン菜、ヒラメ、加熱トマト、イチゴ、アーティチョークを積極的に毎日の食事に取り入れたり、「たった15分以下でできる!がんを防ぐ食品の調理法3つ」で紹介しているこれらの食材を使ったレシピを作ったりして、がん細胞の増殖を防ぐようにしていきたいですね。

“がん”は一見、特別な病気に思いますが、かかる危険性は誰にでもある事です。

これから新年度に向けて新しい生活が始まる方も多いと思いますので、生活習慣を変えるチャンスです。日頃からリスクを避け、予防法を取り入れていくと良いですね。

【参考】

※ 日本人のためのがん予防法 – 独立行政法人国立がん予防センター




( 2018/08/06 20:20 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

40代女性が肺がんで死亡 検診の見落としを防ぐには? 

コラム【Dr.中川のみんなで越えるがんの壁】

 相次ぐがんの見落とし報道に不安を感じている人は、少なくないでしょう。 今回発覚したのは東京・杉並区の河北健診クリニックで、40代の女性が胸部X線検査を受けたところ、肺がんを見落とされて、今年6月に死亡したといいます。

 一連の報道などによると、女性は2005~18年にクリニックの健診を計10回受けたそうで、そのうち14年と15年に企業健診として受けた分と、今年1月に区で実施した肺がん検診で、画像に腫瘤の影が映っていながら「異常なし」と診断されていました。

 この連載でも取り上げましたが、東京慈恵医大や千葉大などで相次いだがんの見落としは、CTなどの画像をチェックした放射線科医が、がんの可能性を指摘していながら、その報告書を受け取った主治医が報告書を十分確認せず、がんの診断情報が共有されないことによる見落としでした。今回の見落としは、これらの見落としとは、決定的に違います。

 河北健診クリニックでは、内科医と放射線科医が胸部X線検査の結果をダブルチェック。14年の企業健診では内科医が「要精密検査」と診断した一方、放射線科医は乳頭が写っていると「異常なし」に。判断が分かれたのに、より専門性が高いという理由で、放射線科医の意見が優先されたことに問題があります。

 私も会見で提示されたX線画像を見ましたが、肋骨2本が重なる場所でやや分かりにくい位置の腫瘤ではありますが、異常ありと判断すべきケースと思われます。

 大規模な病院なら10万件近い画像検査が行われるので、意見が割れるケースは決して珍しくありません。そういう時は、どちらかを優先するのではなく、リスクを考慮して念のため精密検査に回すべきでしょう。

 15年の企業健診では、別の内科医と同じ放射線科医が画像診断を担当しましたが、前年と変化がないということから「異常なし」。今年1月の区の肺がん検診では、いずれも別の内科医2人が担当し、腫瘤影が薄くなったような所見があり、「異常なし」と診断されたそうです。最初の診断が疑われることなく、引き継がれたように見えなくもありません。

 その後の調査で、14年9月以降にこのクリニックで検査を受けた9424人の画像を見直し、44人が「要精密検査」になっています。あってはならないことですが、検診結果が見落とされる可能性は残念ながらゼロではありません。

 車でたとえると、検診はシートベルトの役目です。シートベルトをしていても、事故で死亡するリスクをゼロにはできませんが、リスクを大きく減らすためには役立ちます。では、そのリスク低減効果をしっかり得るには、どうするか。

 たとえば、日本人間ドック学会は、健診施設を機能評価していますから、その認定を受けている施設で受けるといいでしょう。もうひとつは、千葉大などでの見落としの時にも触れましたが、検査結果のリポートを受け取り、診断に疑問点があれば積極的に質問すること。  それでも違和感があれば、セカンドオピニオンを求めることが大切です。

(中川恵一/東大医学部附属病院放射線科准教授)



( 2018/07/30 12:20 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

使っていた皆さん、ご愁傷さまです…この雑学はガセでした 『焦げはがんのもと』 

 世の中に広く知られる「焦げを食べたらがんになる」。これは「1日100以上の焦げを毎日食べる人間がいたら」の話である。

 1978年に国立がんセンターが発表した『がんを防ぐための12か条』に確かに入っていた「焦げた部分は避ける」という一文。ネズミで行った実験では、焦げに含まれる成分を与えた結果、発がん性が認められたものの、投与していた量を人間に換算すると、体重の4倍以上の焦げを1年間毎日食している計算になってしまう、かなり強引な説である。

 ただ、国から出された提言となれば、真面目な日本人はみんな信じてしまうもの。欧米人は日本のモーニングを食べるとき、ベーコンがカリカリではなく、しっとりと焼いてあることに戸惑ってしまうとか。





( 2018/07/23 11:44 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

【がんへの備え】TS-1で副作用減 生存率が高まる★胃がん編「術後補助化学療法」  

胃の進行がんでは、手術後に抗がん剤治療を続ける“術後補助化学療法”が標準治療になる。“抗がん剤”と聞くと、悪いイメージを抱く人もいる。“有効性と副作用”をがん研有明病院・消化器センターの山口俊晴センター長に聞いた。

 胃がんの多い日本の手術レベルは極めて高い。手術でがんを取り除いただけでも、再発率は欧米に比べて断トツに低い。

 それでも進行がんでは目に見えない微小のがんが残る可能性がある。それを抗がん剤でたたいて、再発を防ぐのが術後補助化学療法の目的だ。

 「使う抗がん剤は幅広いがんに使われている“TS-1”。かつて胃がんは、抗がん剤が効きにくいがんのひとつでした。しかし、この薬の登場によって術後補助化学療法が進行胃がんの標準治療になったのです」

 経口薬なので通院治療が原則で、入院する必要はない。1日2回、朝夕食後に服用。通常は28日間(4週)毎日続けて飲み、その後14日間(2週)の休薬期間をおく、基本、それを1年間繰り返す使い方をする。

 では、気になる有効性はどうか。

 「2001年から進められてきた国内の大規模臨床試験の結果では、手術単独の5年生存率は約60%、術後TS-1を1年間服用した場合には約70%。約10%生存率が高まる。この差は大きい」

 TS-1は、50年以上前に開発された抗がん剤“5-FU”の薬効を高め、副作用を少なくするために開発された薬。つらい副作用に苦しめられる昔のイメージと違って、だいぶ副作用の出現が抑えられているのも特徴だ。

 「副作用には、血液検査で分かる副作用と自分で分かる副作用がある。実は、白血球・ヘモグロビン・血小板の減少や肝機能障害といった自覚できない副作用の方が、感染症など重篤な合併症を引き起こすことがあるので怖い。服用中は2週間に1回は定期検査が必要になります」

 自覚できる副作用には、食欲不振、吐き気、下痢、皮膚や爪が黒くなる色素沈着、口内炎、発疹などがある(別項)。

 「休薬期間があるので、より副作用が少なくて飲みやすい。副作用もすべての症状がすべての患者さんに出るわけではない。場合によっては薬を減量し副作用を少なくする使い方もできます」 (新井貴)

《胃がん治療のTS-1服用で自覚できる主な副作用の出現率※( )は重い症状の場合》

★食欲不振30-40%(10%未満)
★吐き気20%
★下痢20%(10%未満)
★口内炎10-20%(10%未満)
★色素沈着20%
★発疹10%
★ドライアイ10-20%





( 2018/07/17 05:19 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

【がんへの備え】新たな3薬剤が光明に 前立腺がん編(6)「CRPC対策」  

体の他の場所に転移のある進行性前立腺がんに対しては、ホルモン(内分泌)療法が最も有効な治療法だ。最近のホルモン療法のトピックを東京医科歯科大学附属病院・泌尿器科の木原和徳教授に聞いた。

 「転移がんに対するホルモン療法は、大半の患者さんによく効くが、2~3年続けていると効かなくなることが多い。薬を変えていくが、次第に使える薬が乏しくなるのが通常の経過です。

そのホルモン療法が効かなくなった去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)に対して、新たに使える薬が今年中に3種類ほど増える。CRPCの治療における注目の出来事です」

 前立腺がんは、睾丸や副腎から分泌される男性ホルモン(アンドロゲン)の刺激で発がんおよび進行する性質がある。

ホルモン療法は「男性ホルモン遮断療法」とも呼ばれ、主に手術での睾丸摘除、男性ホルモンの産生を抑える製剤(注射)、男性ホルモンの作用を抑える抗アンドロゲン剤(内服)を使って治療が行われている。

 「日本では、注射に内服を併用するCAB療法(併用男性ホルモン遮断療法)が単剤治療よりも有効性が高いことが示唆されています。しかし、骨粗鬆(こつそしょう)症や糖尿病、心血管障害、肝機能障害などの副作用があります。

患者さんの年齢や全身状態などを考慮して、CAB療法か単剤治療、もしくは睾丸摘除という治療の選択をします」

 しかし、ホルモン療法を続けていると、がんの病状が再び悪くなる「再燃」が起こり、CRPCに移行する。

これまで国内で承認されているCRPCに対する治療薬は、抗がん剤のドセタキセルと骨転移に有効なゾレドロン酸やデノスマブなどしかなく、最後に副腎皮質ホルモンが残るという状況だった。

 「ドラッグ・ラグの緩和で、海外で承認されている薬が日本でも次々と使える状況になってきました。2年前に米国で承認された強力な経口抗アンドロゲン薬・エンザルタミドの国内販売がすぐに始まります。

夏には男性ホルモンの新合成阻害薬・アビラテロン、年内中には細胞分裂を阻害する新抗がん剤・カバジタキセルが使えるようになると思います」

 新たに加わる3種類とも生存期間の延長に効果が期待できる薬。やっと国内のCRPC対策にさらなる光が見えてきたところだ。




( 2018/07/17 05:18 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

医師が教える健康常識「がんになりやすい職業とは…」  

医学の常識は日々動いている。極端なケースでは、昨日までの常識が、今日から非常識になることも。

そこで、健康常識をアップデート。胃腸とアンチエイジングの第1人者、栃木市の江田クリニック院長・江田証先生に、最新の知見を解説してもらった。

【背の高い女性はがんになりやすい】

20歳くらいまでの成長ホルモンがたくさん出ていた人が高身長になるのだが、成長ホルモンは発がん性があり、がんを大きくしやすい。

また、背の高い人は低い人に比べてより多くの細胞をもっているので、それだけ細胞のがん化につながる遺伝子の突然変異を生じる機会が多いのだ。

背の高い女性は、大腸がん、乳がん、子宮がん、卵巣がん、腎臓がん、脳腫瘍、悪性リンパ腫、白血病には特に注意し、早めにがん検診を受けること。

がんの原因となる遺伝子の損傷を防ぐためには、抗酸化物質を多く含んだ食事(にんにく、ブロッコリーなど)を心がけるように。

【ナースやCAは乳がんになりやすい】

職業として、ナースやキャビンアテンダントは乳がんになりやすい、という報告がある。これはシフト勤務者に共通したこと。原因はメラトニンの減少だ。

メラトニンは夜間に多く分泌される「睡眠ホルモン」といわれるもので、乳がんを予防する効果がある。海外では乳がんの術後、メラトニンをサプリメントとして飲んでいる人が多いのはこのためだ。

しかし、生活リズムが半日ほどずれる勤務状態ではメラトニンが分泌されにくく、細胞に異常が起きて、がんが生じやすくなる。この対策として、メラトニンは光があると分泌しにくいため、寝るときは真っ暗にして眠ること。

メラトニンが豊富な牛乳、チーズ、バナナ、納豆を多くとること。そして、定期的に乳がん健診を受けることだ。




( 2018/07/17 05:17 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

加藤剛さん闘病の「胆のうがん」 検査や病院選びは、ここをチェック! 

日本などアジアで多い胆のうがん

映画「砂の器」や時代劇「大岡越前」などで知られた俳優の加藤剛さんが、「胆のうがん」のため亡くなりました。80歳でした。お酒も飲まず、タバコも吸わず、人一倍健康に気を遣っていた加藤さんが患った「胆のうがん」。 実は、消化器がんの中で治療が困難ながんの一つです。また、日本を含むアジアやチリで発生数が多いことが分かっています。とりわけ、日本は症例数が多いこともあり、「胆のうがん」の研究が非常に進んでいます。
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「ふくろ」状だから初期症状が出ない

胆のうは、肝臓の下にある、ナスのような形をした臓器で、胆汁という消化液をいったんためておく、「ふくろ」のような臓器です。
実はその形状のために、「胆のうがん」は、早期には無症状で経過するのです。ふくろ状の臓器であるため、中でポリープが大きくなっても直ちに症状が出ることはないからです。

このことが、「胆のうがん」をやっかいなものにしています。
症状が出るのは、がんが進行して胆管や肝臓にまで広がってからです。
主な症状は、腹痛・悪心嘔吐・黄疸・体重減少などです。
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早期なら手術でほぼ完治 病院選びのポイントは…?

「胆のうがん」では、手術が唯一、治癒の期待ができる治療です。
早期であれば、切除するだけの1時間程度の簡単な手術で済み、ほとんど完治します。

一方、進行している場合は、胆のうだけでなく周りの肝臓や胆管やリンパ節を切除しなければなりません。 長時間の大手術となるため、患者さんにとっては、想像以上に負担が大きくなります。だからこそ、「胆のうがん」の手術は、外科医とそのチームが、安全性と根治性を熟慮して、治療に慣れていることが重要です。

そうしたこともあって、症例数の多い施設の方が、治療成績が良い傾向があります。胆道がん(胆のうがん+胆管がん)の手術を、毎年20例~30例以上実施している病院で手術を受けたほうが良いでしょう。
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抗がん剤の効果は限定的

ただし、がんの形態や進行の度合いはさまざまなので、実際に手術で切除できる割合は60~70%です。
手術ができない場合は、抗がん剤治療や放射線治療を行います。

ただ、「胆のうがん」は非常に抗がん剤治療が効きにくいがんで、治療を行ったとしても、がんを縮小させる効果や長期の延命効果が得られることはそれほど多くありません。さらに、「胆のうがん」に対する放射線療法は、有効性は確立されていないといわれています。

エコー検査は新しい機材で!

「胆のうがん」は、早期に手術すればほぼ治完治するとはいえ、進行がんも含めた全体でみると予後の悪さ(完治せず亡くなってしまう割合)では、すい臓がんの次に難しいがんです。このことからも、「胆のうがん」は早期発見が非常に大切であることがわかります。

「胆のうがん」を早期に見つけるためには、人間ドックなどで広く一般的に行われている超音波(エコー)検査を積極的に受けることが大変有効です。 日本で「胆のうがん」の治療成績が高いのは、超音波検査が広く普及していることが大きいのです。40代になったら、年に一回は、腹部超音波検査による定期検診を心がけましょう。

ただ、エコーはその機材によって精度に大きな差が出ます。 率直に言って、高価な機材の方が精度が高い。ですから、新しいエコー機材を置いている医療機関で受診するほうが良いでしょう。 残念なことに、再検査や定期的な経過観察が必要とされても、再検査を受けずにそれっきりになってしまう方がかなり多いという現実があります。要再検査の結果が出た場合は、先延ばししないこと。また、再検査は同じ施設で受けて、前回と比較するということも非常に重要です。
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かなまち慈優クリニック 院長 高山 哲朗(医学博士)




( 2018/07/16 07:25 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

相次ぐ「がんリスク調査」 日本人は糖尿病と痩せ過ぎが危険 

コラム【Dr.中川のみんなで越えるがんの壁】

 食べっぷりがいい人は見ていて気持ちがいいものです。その点でいうと、乳がんを克服したタレントの北斗晶さんもスゴイ。

 ブログによると、今月24日の夕飯は、アジの干物、野菜と牛肉の甘味噌炒め、タケノコと厚揚げの煮物、キュウリとイクラのサラダにご飯と味噌汁という豪華版です。

「ダメダメな私」というタイトルで投稿した26日は、キャベツとニラ、モヤシを加えることで、夜中にラーメンを食べることの罪の意識を打ち消しています。その翌朝は、山芋と納豆、オクラに山盛りのシラスをプラスしたトリプルネバネバを中心に、トマト、タケノコと厚揚げの煮物をおかずにご飯と味噌汁です。

 タレントになられる前は体が資本のレスラーですから、お見事というほかない食欲でしょう。しかし、ことがんに関しては、ひょっとすると旺盛な食欲に伴う肥満が原因のひとつだったかもしれません。日本人を対象にした疫学研究で、肥満の人は乳がん、大腸がん、肝臓がんのリスクが高くなることが分かっているのです。

 そんな中、国立がん研究センターは子宮体がんと肥満度について調査。その結果、肥満度が27を超えると、子宮体がんのリスクが有意に上昇することが明らかになりました。肥満度は体重を身長で2回割った数値で、日本は22が標準、25未満が健康目標です。

 がんと肥満に密接な関係があるのは事実でしょう。昨年末に海外の研究チームが発表したデータによると、男性の肝臓がんは23・3%、子宮体がんは38・4%が肥満や糖尿病に起因すると推計。この割合は2035年にそれぞれ34・3%、47・9%に上昇すると予測しています。

 肥満ががんを助長することは明らかですが、特に強い関係が認められる肥満度30超は、欧米ならともかく日本人ではまれです。ネットで拾える数値で計算すると、北斗さんの肥満度は24・8。今回の子宮体がんの調査では、基準となる「肥満度23以上25未満」に含まれますから。

 そこで、注意したいのは糖尿病と痩せ過ぎのリスクです。世界的には、がんへの影響度は肥満が糖尿病の約2倍ですが、日本を含むアジア地域の解析では、男女とも逆転します。糖尿病が肥満を上回るのです。

 糖尿病の人とその予備群はそれぞれ約1000万人に上ります。そういう人は、血糖値を下げるインスリンが分泌されにくかったり、インスリンが効きにくかったりする「インスリン抵抗性」が背景にあるのです。

 インスリンはがん細胞の増殖を促す作用があって、インスリン抵抗性で血中にインスリンがたくさんある状態が続くと、がんのリスクが高くなると考えられます。ですから、糖尿病の人は高インスリン血症の有無を確認しておくことです。

 もうひとつ、痩せについては、「肥満度19未満」の痩せ過ぎが、男女ともがん死亡リスクが最も高く、男性の場合、「23以上25未満」に比べて約2倍です。最もよかったのが「25以上27未満」の小太りでした。

 小太りまでよしなら、気が楽でしょうが、糖尿病の治療は忘れずに。糖尿病が疑われる人でも、そのうち4割は治療を受けていませんから。

(中川恵一/東大医学部附属病院放射線科准教授)




( 2018/07/03 17:53 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

カサカサ声で喉が詰まる…年齢のせい? 喉頭がんも心配 

【Q】若い頃は美声が自慢でしたが、最近はカサカサ声で喉が詰まるような感じがします。年のせい? 歌手のつんく♂さんのケースもあり、喉頭がんも心配です。 (60代男性)

【A】加齢で声が衰えるのは、自然な老化現象です。声帯にある2枚の筋肉が徐々に弾力を失い、左右がピタッと閉じなくなり、息漏れしたり声が響かなくなったりするのです。

 問題なのは、急に声が変化した時です。喉を酷使したわけでもなく、風邪でもないのに、突然声がかすれてきた場合は、声帯をつかさどる「反回神経」が圧迫されているのかもしれません。

 反回神経を圧迫する可能性があるのは、胸部大動脈瘤、甲状腺・食道・肺の腫瘍。カサカサ声の原因が、実は肺がんだったというケースもあります。ご心配の喉頭がんなど声帯のがんは、“カサカサ”より“ガラガラ”の声になります。

 さらに、脳梗塞の前兆が声を変化させる場合もあります。以前、「急に喉が詰まる感じがして声を出しづらくなった」と訴える患者さんを診察したところ、内頚動脈(喉の奥を通る細い動脈)が口の中に湾曲して腫れて脈動していました。

 内頚動脈が湾曲しているとカーブ部分に血栓ができやすく、血栓が脳に運ばれて脳梗塞になる危険が大です。その患者さんも、間もなく脳梗塞で入院しました。

 私どもの研究班の調査では、明らかな危険因子がなく原因不明の65歳以上の脳梗塞患者の87・5%に、頚動脈の走行異常が見られました。高齢で頚動脈が曲がる理由は、首が前傾しやすく、かつ頚椎が短くなるからです。「65歳以上」「首が前傾している(猫背)」「若い頃より身長が3センチ縮んだ」という3点が、頚動脈走行異常、ひいては脳梗塞を起こしやすい条件です。

 突然の声の異変は、思いも寄らない病気のサインかもしれません。ぜひ専門医を受診してください。

(国立病院機構東京医療センター耳鼻咽喉科・角田晃一先生)





( 2018/06/15 10:59 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

がん難民コーディネーターに聞く うろたえないための知識 

2人に1人が、がんになるという時代。がん難民コーディネーターの藤野邦夫氏に「うろたえないがん治療」のための知識を聞いた。藤野氏は、まさに「うろたえないガン治療」がタイトルの本を2011年に出版。先日、同内容を漫画を用いて構成し、がん医療の最前線を加えた新刊を出版した。7年経ち、改めて出したのはなぜか? それは、世界中でがん治療が大きな変動を迎えているからだ。免疫チェックポイント阻害剤など画期的な効果の新薬や治療法が続々登場し、4期でも助かる時代になってきた。

「一方で、納得できる治療を受けられていない“がん難民”は減っていない。がんで死なないためにすべき対策は不変ですが、それを知らない人が多いのです」強調するのは、「がんの治療では最初の治療法が全てを決定する」ということだ。最初の治療に失敗すると、やり直しはほとんどきかない。 「がんと宣告されたら、治療法を医師任せにしてはいけない。『体に何が起こっているか』『どんな治療法が実施されているか』『主治医の最初の判断に誤りがないか』『自分の病気に合った、もっと負担の少ない有効な治療法はないか』などを探らなければなりません」

■「決して諦めないこと」

 まさに情報戦だ。中でも病院・医師選びは結果を大きく左右する。私たちはつい、名前の知れた病院がベストの病院と考えがち。しかし「全てのがんの治療に優れている病院はない」と藤野氏は指摘。前立腺がんの治療は優れていても、肝臓がんもそうとは限らない。「病院間の格差は大きい。優秀な医師が異動や転院になれば、病院のレベルが変わることもある」

 病院・医師選びで一つの確実な基準になるのが、自分のがんの治療例や手術例の数だ。国立がん研究センターの全国188の病院に関する発表(17年)では、肺がんの手術例の多い病院では5年生存率が70%近くだが、少ない病院では2・3%。肝臓がんでも手術例の多い病院の5年生存率は70%超、少ない病院は15・8%だった。年齢、進行度を考慮していない数値とはいえ、治療例や手術例の多い・少ないは治療成績に大きく関係すると考えるべきだ。

 これらの情報は各病院のホームページなどから得られる。インターネット上の情報は玉石混交だが、信頼できるサイトとして、国立がん研究センターや公益財団法人がん研究会などが発信しているものが挙げられる。 また、「海外がん医療情報リファレンス」では新着薬剤や海外の最新情報を、「『統合医療』情報発信サイト」は民間療法などの科学的根拠に基づいた情報を得られる。

「がんの情報は短期間で大きく変わる。2年以上経っているものは古い内容が含まれていることを考慮すべき」さらに情報収集で積極的に活用すべきは、患者の会だ。病院や医師に対する「本音の評価」や、当事者だからこそ分かる「本当に有効な治療情報」などを聞ける。自治体の役所の窓口や病院の看護師、地元のケアマネで、患者の会について教えてもらえる。

 藤野氏が一貫してがん患者やその家族に伝えているのは「がん治療を決して諦めない」こと。 「『治療法がない』と言う主治医より、新たな治療法を提示してくれる医師の方がいい。半年延命できれば、その間に新たな治療法が登場する可能性がある。そうやって、余命数カ月と言われたがん患者さんが何年も元気で過ごしてるケースを何度も見ています」

▽ふじの・くにお 海外の医学書の翻訳を機に、がん難民コーディネーターとして毎年300人前後の患者たちに無償で相談に乗っている。近著に「まんがでわかる賢い患者入門 がんで死なない」(小学館)。





( 2018/05/18 10:17 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

日本人の2人に1人は…「がん」になる人が多い理由 

最近「日本人の2人に1人はがん」なんて言葉、よく耳にしますよね。でもこれは決して、日本人が「がん」にかかりやすい民族・人種である、ということではありません。 がんとは細胞の突然変異です。がんの発生原因でいうと遺伝的要因は5%。喫煙が30%、肥満が30%、飲酒が3%、紫外線は2%と、生活環境因子が95%を占めているのです。つまり「がんにかかるのは偶然」なのです。

 ところでシエラレオネ共和国という国をご存知でしょうか?アフリカ北西部にある国ですが、国民の平均寿命が世界で最も短いことで有名です。年によって違いますが国民平均寿命は50歳前後。でもアフリカの北西部では、平均寿命50歳そこそこという国が他にもたくさんあります。昔の話ではありません。いま現実に、この瞬間、地球の裏側で起こっていることです。その原因は、たび重なる「内戦」「飢餓」そして「エイズ」の3つ。シエラレオネで生まれた子供の4人に1人は、5歳の誕生日を迎えることができません。

 かたや日本人の平均寿命ときたら、女性で89歳、男性で81歳。もうずっと世界トップ級の、とんでもない長寿の国です。今の日本の医療体制だと、心筋梗塞や脳卒中ではまず死にません。20年前だったらそのままあの世行きだった人が、すぐ退院して普通にバリバリ働いている。金持ちであろうがなかろうが、健康保険証さえ持っていれば、世界最高水準の医療を受けることができる。そんな国、日本以外ありません。つまり、日本人がとんでもない長寿だから、長生きすればするほど「がんにかかる」という「偶然」に当たる確率も増える。日本人の2人に1人はがん、というのは、ただそれだけのことなんですね。

 ◆筆者プロフィール 松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。





( 2018/05/16 11:09 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

「がんを生きる」佐々木常雄氏は1日7000歩以上を目標に 

日々の生活で心がけているのは1日の歩数です。一般的に65歳以下の男性の平均歩数は1日8000歩といわれているので、7000~8000歩は歩くことを目標にしています。いまは携帯電話にも機能がついていますので、歩数計を装着しなくても手軽に歩数を確認することができるようになりました。

 1日にこれくらい歩けばがんを予防できるといった厳密なデータはないのですが、男性の場合、歩数が多い(8500歩以上)人は、少ない人(6000歩未満)に比べてがん死亡のリスクが約3分の1に減るという報告があります。また、肥満はがんリスクをアップさせることがわかっているので意識して「歩く」ことは大切だと考えています。

 私は2010年に狭心症で冠動脈バイパス手術を受け、2016年にはカテーテルで血管内にステントを留置する治療を行いました。ウオーキングはコレステロール値改善に有効ですし、心臓疾患の再発予防にもなると思っています。

 クルマ移動やデスクワークが続くなど、目標の歩数をクリアできない日もありますが、だからといって無理に歩くことはしません。「今日は足りなかったな」という場合は、翌日に散歩する時間を設けています。

 食事では、なるべく野菜を取るように心がけています。以前、直近1~2カ月間の血糖値を反映するHbA1cが一度だけ7%になってしまいました。6%以上になると糖尿病が疑われます。そこで、食事で急激に血糖をアップさせないためにもまずは野菜から食べるように意識しています。

 日本糖尿病学会と日本癌学会は、糖尿病でない人のリスクを1とした場合、糖尿病患者はすべてのがんの罹患リスクが1・2倍高くなると報告しています。糖尿病だけでなく、がんを予防する意味でも野菜を最初に食べることを続けるようになりました。いまは5%台で推移しています。

 身体活動、適正体重の維持、食生活は、がんの予防にとって重要な生活習慣です。これからも続けていきます。

▽佐々木常雄(都立駒込病院名誉院長)
 専門はがん化学療法・腫瘍内科学。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、1975年から都立駒込病院化学療法科に勤務し、08年から12年まで同院長を務める。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、「癌と化学療法」編集顧問。著書に「がんを生きる」(講談社現代新書)がある。




( 2018/05/16 11:02 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

発がん性あり? 「アクリルアミド」のリスクと付き合い方 

◆発がん性物質「アクリルアミド」の健康への影響評価

2002年、スウェーデン国立食品局(NFA)の研究報告によって、ごく一般的な食品や家庭料理も含まれている「アクリルアミド」という成分に発がん性があることが指摘されました。

その報告では、高温で調理された炭水化物を多く含む食品に高濃度で検出されたとしており、特にフライドポテトやポテトチップスなどの検出率が高く、食品業界に大きな波紋を投げかけるものとなりました。

これにより世界中でアクリルアミドに対する関心が高まり、日本でも2011年に食品安全委員会において、「加熱時に生じるアクリルアミド」についての健康影響評価を行うことが発表され、2016年4月に食品安全委員会において健康への影響評価が取りまとめられました。

その評価によると、世界から敵視されたフライドポテトやポテトチップスは、実は日本人の場合は推定摂取量が意外に少ないのではないかとみられています。
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◆アクリルアミドの摂取は高温調理された野菜からが56%

食品安全委員会では、日本人のアクリルアミド摂取による影響を見るため、平均的な摂取量を調べました。

食品中のアクリルアミド濃度と食品摂取量、摂取頻度などから、推定平均摂取量を算出。その結果、日本人の平均的な摂取量は、0.240μg/kg体重/日でした。

食品中に含まれている割合は、次の通りです。

・高温調理した野菜……56%
(炒めたもやし、炒めた玉ねぎ、炒めた蓮こん、炒めたキャベツ、フライドポテトなど)

・飲料……17%
(コーヒー、緑茶、ウーロン茶、麦茶等)

・菓子類・糖類……16%
(ポテトスナック、小麦系菓子類、米菓類等)

・穀類……5%
(パン類等)

・その他……6%
(ルウ等)

意外なことに、ポテトチップスなどのスナック菓子類などよりも、炒めた野菜や、カレー用にじっくり炒めた玉ねぎなど高温調理した野菜からの方が断然に摂取量が多かったのです。

ポテトチップスやフライドポテトだけを避けていても、実は大して減らすことにはなっていなかった。あるいは野菜は健康に良いと思って(もちろん有効な栄養成分を含んでいます)、積極的に食べている人でも、調理によってはアクリルアミドを多く摂取していたかもしれないということです。

また食事以外でも、飲料水(浄水で最大0.013μg/日)、喫煙は食事よりも影響が大きいとする報告もあります。また確定されたわけではありませんが、喫煙されていない方の受動喫煙にも配慮が必要です。

日本人の総合的なアクリルアミド摂取量は、海外と比較して同程度、または低い数値でした。こうした結果から、食品安全委員会の評価としては、次のように判断されました。

「非発がん影響(神経や免疫に対する影響等)」については「極めてリスクは低い」。

「発がん影響」については、動物実験とヒト対象の摂取量とがんとの関連性の研究から、「ヒトにおける健康影響は明確ではないが、公衆衛生上の観点から懸念がないとは言えない」。

私たちが普段から接している食品に広く含まれていますし、栄養のバランスを図る食べ方をする上でも、ゼロにすることは難しく、できるだけ「減らすように努力することが望ましい」としています。

◆アクリルアミドが生成される仕組みと原因

そもそもアクリルアミドは、食品中のアスパラギンと果糖・ブドウ糖などの還元糖が、「揚げる」「焼く」「炙る」等の120℃以上の加熱調理をすることによって、食材に含まれる水分が減ることで生成されます。

毒キノコや河豚毒のように、なにか特定の食品ではなく、炭水化物を含むポテトフライやポテトチップスなどのスナック菓子、クッキー、トースト、シチュー、焼肉などの様々な加熱調理をする一般の料理に含まれています。

アクリルアミドは動物実験から「遺伝毒性のある発がん物質」と判断されていて、この「遺伝毒性」とは遺伝子(DNA)を傷つけて、細胞をがん化させる性質があるとされています。ただし「遺伝」とは言っても、必ずしも「子や孫などに遺伝するものではない」とされています。

アクリルアミドを食事から摂取することとがんとの関連調査が行われていますが、一貫した傾向は見られていません。がんには喫煙や飲酒など、その他の要因も関係しているためです。
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◆市販食品のアクリルアミドは企業努力で低減

アクリルアミドが話題になって以来、日本史の食品事業者も低減するための対策に取り組んできました。

農林水産省の調査では、ポテト製品のアクリルアミド濃度を平成18、19年度と25年度で比較したところ、アクリルアミドの濃度の平均値は、25年度では4割以上減っていました。
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◆家庭でできるアクリルアミド対策! 調理のコツは和食にあり?

では私たちは、家庭でどのようなことに気をつければよいのでしょうか。食品安全委員会では、次のように低減されています。

・野菜や芋類を揚げる・炒める・焼く・焙るなど、高温で長時間の調理は控える(焦がさないように、食材をよくかき混ぜる)

・野菜類、芋類は、切った後、加熱前に水でさらしたり、下ゆでする

・じゃがいもは冷蔵庫にいれて貯蔵せずに(冷蔵すると還元糖が増えるため)、6度以上を保つと、ある程度等の増加を抑えることができる

不思議なことに、「蒸す」「煮る」「茹でる」などの水を利用した調理ではアクリルアミドはほとんど含まれていませんでした。

こういうことから考えると、和食は、主食のごはんやめん類は炭水化物ですが、「炊く」「煮る」「茹でる」という調理が多いので、アクリルアミドについてはリスクの低い調理法といえるでしょう。

ただし、アクリルアミドを心配してフライドポテトをする場合に、加熱時間が十分に足りず生食すると食中毒の原因があることも指摘されていますから、適切な加熱調理は必要です。

◆極端な情報に振り回されないように

こういう話題が出ると、極端に怖がる人や、また不安を煽る人もいます。アクリルアミドが含まれる食品を一度摂取したから、すぐにガンになる、というお話でありません。

特に野菜や果物、海藻類、豆類、キノコ類などには、ビタミンやミネラル、ポリフェノールなどの健康に役立つ栄養成分も含まれています。不足しがちな人は、意識して食べるようにすることは健康を維持・増進するためにも必要なことでもあります。

アクリルアミドに限りませんが、古くから伝わる食養生で「五味五色五法」というように、様々な食材を様々な味付けや調理法で食すということが、バランスの良い食事になるということは理にかなっていると思います。多様なものを多様な食べ方が食べることがリスク回避にもなるのです。

日常的に炒め物や焼き物ばかりが食卓に並んでいる人は、炒め物の代わりにお浸しを置き換えるなど、ちょっと意識してみれば摂取量を減らすことにつながります。

また食事以外にも喫煙などの生活習慣などがんになるリスクが高い条件もあるのですから、幅広い食品から栄養のバランス良く食べ、また日頃の生活習慣も整えておくことが何より大切なことと言えるでしょう。

【参考】
・加熱時におけるアクリルアミドに関する情報(食品安全委員会)
・食品中のアクリルアミドの含有実態調査(農林水産省)
・家庭で消費者ができること(農林水産省)
・家庭調理でできること(農林水産省)




( 2018/04/14 14:43 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

医師が教える健康常識「癌になりにくい入浴法とは…」  

医学の常識は日々動いている。極端なケースでは、昨日までの常識が、今日から非常識になることも。

そこで、健康常識をアップデート。胃腸とアンチエイジングの第1人者、栃木市の江田クリニック院長・江田証先生に、最新の知見を解説してもらった。

湯船につかると、「ヒートショック・プロテイン」(HSP)というタンパク質が作られる。“熱い”というショック(ストレス)によって増えるタンパク質なので「Heat Shock Protein=熱ショックタンパク質」と名づけられている。

HSPは、いろいろなストレスによって細胞のタンパク質が傷ついたとき、修復したり、免疫力を高めたりする重要な役割を果たしている。

がんの温熱療法は局部を高熱にするもので、これは家庭ではできないが、お風呂の入り方で同じような予防効果が期待できる。そこで、がんになりにくい入浴法を紹介しよう。

〈1〉入浴前にコップ1杯の水を飲み、水分補給をする。

〈2〉40度の湯温に20分間程度つかる。

〈3〉高齢者や持病のある人は、半身浴で湯温40~42度、20~30分の入浴でOK。

〈4〉入浴後に、体温38度になることを目安にする(体温計を口に入れて測る)。

逆にいえば、シャワーだけで湯船につからない人はがんになりやすい、とも。あくまでも無理のない範囲で湯船につかって、しっかり体を温めたい。毎日が無理なら週2~3回でもOKだ。




( 2018/02/16 20:08 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

日焼けしてがん、本当になる? 「ほくろ」と「皮膚がん」の見分け方 

世界的人気俳優、ヒュー・ジャックマンが、昨年11月と今年5月の2度にわたり鼻にできた基底細胞がんを摘出。北京で行われた映画『X-MEN:フューチャー&パスト』のプレミアでは、将来的な再発の可能性と日焼けを予防することの大切さを語った。

しかし、よく聞く話ではあるが、本当に日焼けをしてがんになることがあるのだろうか。国立がん研究センター皮膚腫瘍科の高橋 聡医師に聞いてみた。

「紫外線を浴びて日焼けすると、皮膚細胞のDNAが傷つきます。本来、細胞にはそれらを正常に修復する機能がありますが、長年の蓄積で傷の“修復ミス”のようなことが起こり突然変異することがあるんです。

その変異が、たまたまがんの遺伝子とかがんに関係する遺伝子だった場合は、どんどん増殖を始めて皮膚がんを引き起こします」

皮膚がんのリスクが高い人は大きく3タイプ。【長く紫外線を浴びてきた高齢者】、紫外線の影響を受けやすいとされる【日焼けして肌が赤くなるタイプの人】、そして先天性異常などの【特殊な病気を持つ一部の人】。

このほか日焼けオイルや日焼けサロンを頻繁に利用したり、日焼け止めなしで過度に肌を焼いたりする行為も危険因子となりうるという。

「大人になってできた黒、茶、赤色のほくろのようなものが、徐々に大きくなったり、ジュクジュクしたり、出血するなどの症状が出てきた場合は皮膚がんの可能性があります。

皮膚がんの一種であるメラノーマ(悪性黒色腫)は、初期は良性のほくろやシミと見分けがつきづらいのですが、形がいびつであったり、境界が不明瞭だったり、色ムラがあったりするので大きくなるようなら注意が必要です」

突然できた黒い“できもの”が6~7mmの大きさになったら皮膚科で受診することが望ましい。たとえこれより小さくとも、気になる色素斑があれば遠慮せずに病院を訪れてほしいと高橋医師は強調する。

「早期発見が大事なので、気になることがあれば皮膚科専門医に相談してください。また、今は肌に異常がなくとも、将来的な皮膚がんのリスクを減らすためにはとにかく予防することが大切です。

夏はどうしても日に焼けてしまうので、毎日塗れとは言いませんが、少なくとも海水浴やアウトドアに出かける際には、男性でも日焼け止めを塗りましょう」

小麦色の肌が“健康的”な男性の証だったのは過去の話。屋外で活動する機会が増えるこれからの季節に、日焼け止めはマストアイテムといえそうだ。



( 2018/02/16 20:06 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

【がんへの備え】小切開生かす3D技術 前立腺がん編(4)「最先端手術」 

前立腺がんの全摘手術を行う場合、開腹、腹腔鏡下、腹腔鏡下小切開、ロボット手術と、いくつも方法がある。東京医科歯科大学附属病院・泌尿器科では、最先端の腹腔鏡下小切開手術を標準にしている。どんな術式なのか、木原和徳教授に聞いた。

 従来の腹腔鏡下手術はおなかに小さな孔(あな)を数カ所開け、そこから内視鏡や器具を挿入して、モニター画面を見ながら手術をする。

 それを3D内視鏡にし、自由自在に動く多関節の鉗子(かんし)の付いたロボットアームを遠隔操作して腹腔鏡下手術をするのがロボット手術だ。とにかく手術しやすく、米国では前立腺がんの8割がロボット手術で全摘手術が行われている。

 しかし、木原教授らが開発し、多数の例に行ってきた腹腔鏡下小切開手術は、ロボット手術にはない利点を持っている。

 「腹腔鏡下小切開の場合、開ける孔は摘出する前立腺サイズの4センチ前後、1カ所だけです。

それに腹腔鏡下やロボット手術は炭酸ガスでおなかを膨らませてスペースを作って手術をしますが、腹腔鏡下小切開は炭酸ガスを使いません。高齢で心臓や呼吸機能などに合併症を持っている人でも負担が少なく、リスクが低いと考えられます」

 また、腸を包む腹膜の外だけを操作して、腹膜に傷をつけないため、術後、腸の癒着による腸閉塞(へいそく)を起こす心配がないのも腹腔鏡下小切開のメリットだ。

 同科では現在、さらに「ロボサージャン」という最先端技術を用いた腹腔鏡下小切開手術を行っている。執刀医全員が、ヘッドマウントディスプレイという装置を頭にかぶり3D画像を見ながら手術をする。術者自身をロボット化するイメージだ。

 「ヘッドマウントディスプレイには、目の前に画面があり、立体視、拡大視ができ、超音波画像などを映すこともでき、多画面で見たり、画面のサイズも変えることができます。

そのまま視線を下に向ければ、手元のようすも俯瞰(ふかん)できます。その画面を見ながら、手持ちロボット様先端器具を使って手術します」

 この最先端技術で腹腔鏡下小切開手術をすることで、侵襲が少ないだけでなく、安全性がさらに向上し、緻密な手術ができることから、尿失禁の原因になる括約筋のダメージを極力抑えたり、勃起神経温存の成功率も高めることが期待できる。

 次回は、前立腺を摘出しない部分治療を解説してもらう。



( 2018/02/16 20:02 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

【がんへの備え】悪性度評価「グリーソン・スコア」 前立腺がん編(3)「治療の選択」 

 前立腺のPSA検査(採血)でがんの可能性があり、組織を取る針生検でがんが確定した場合、治療法はどのような選択肢があるのか。東京医科歯科大学附属病院・泌尿器科の木原和徳教授に聞いた。

 ◇ 

 前立腺がんは、小さく前立腺内にとどまっている「限局がん」、前立腺の被膜を破っている「局所進行がん」、リンパ節や骨など他の場所に転移している「転移がん」に分けられる。

 「すでに転移のあるがんでは、ホルモン(内分泌)療法が唯一、有効な治療法になります。皮下注射や内服で行われることが多く、睾丸摘除も選択肢です。非転移がんでは適応となる治療法がたくさんあるので、リスク分類を参考にしながら治療法を選択します」

 リスク分類で、病期のT1~2は限局がん、T3は局所進行がんを意味する。PSA値は診断されたときの数値だ。

 「グリーソン・スコアは重要で、顕微鏡で見たがんの悪性度を数字で示したものです。針生検で取った多数のがん組織を悪性度が高くなるにつれ1~5で評価し、原則として最も悪性度の高い場所と、最も面積の広い場所の2カ所の数字を足したものがグリーソン・スコアです」

 大まかにいえば、低リスク群は「おとなしいがん」、高リスク群は「タチの悪いがん」、中リスク群はその中間になる。一般に低リスク群は、無治療でPSA検査などによる経過観察が推奨され、中・高リスク群は手術による前立腺全摘や放射線治療が推奨される。

 手術には開腹、腹腔鏡下、腹腔鏡下小切開、ロボット手術などの方法がある。放射線治療では、体の外から照射する外照射、前立腺内に放射性物質を埋め込む小線源療法、粒子線治療(重粒子線や陽子線)がある。凍結療法や超音波を利用したHIFU(ハイフ)という治療法もある。

 「世界の基本的な考え方では、積極的な治療が必須となるのは、グリーソン・スコアが8以上の非高齢の高リスク群です」

 高リスク群の治療の選択肢には、前立腺全摘やホルモン療法と放射線治療の併用が推奨されている。また、ホルモン療法は状況により、すべてのリスク群で使われることがある。

 「5年生存率でいえば、前立腺がんの場合、転移がなければ9割以上は亡くなることはありません。治療法はそれぞれの副作用や合併症と、年齢や体の状態などを考慮しながら最終的に患者さんに選択してもらいます」 



( 2018/02/16 19:50 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

【がんへの備え】MRI画像併用で精度上げる★前立腺がん編(2)「標的生検」 

前立腺がんの検査では、採血によるPSA検査と直腸診を行う。疑いがあれば前立腺に針を刺して組織を取る針生検で確定診断をする。

東京医科歯科大学附属病院・泌尿器科では、MRIと超音波(エコー)の画像を融合した「ターゲット(標的)生検」を実施している。その最先端の生検法を木原和徳教授に説明してもらった。

 ◇ 

 針生検は、入院して局所麻酔で行う。肛門から棒状の超音波発振器を挿入し、前立腺の断層画像を見ながら針を刺して10~20カ所前後の組織を採取する。

針を刺すルートは、肛門と陰のうの間から刺す「経会陰生検」と、直腸面から刺す「経直腸生検」の2種類があるが、同科では現在、経会陰生検を行っている。

 「PSA検査でがんの可能性が増す4~10ng/mlのグレーゾーンの人に生検をして、実際、がんが見つかる確率は約30%。ですから、当院では疑いがあればすぐ針生検ではなく、可能な限りMRI画像を撮ります。

世界的にも不必要な針生検を防ぐことが課題になっているので、MRIでがんが疑われる場合に針生検を推奨し、なければ定期的にPSA測定やMRI検査でフォローアップしていきます」

 MRI画像があると、針生検に非常に役立つ。MRIとエコーの画像を融合させて、がんが疑われる部分1カ所につき集中して4本生検する。これがターゲット生検だ。

それ以外の正常に見える場所には10~18本の生検。すべて経会陰生検のみで採取する。従来のエコー画像だけで見当をつけて行う生検よりも、精度の高い診断ができるという。

 また、ターゲット生検だけでも豊富な情報が得られるという。

 「経会陰式で採取するのは、直腸から針を刺す生検では細菌による感染のリスクがあるからです。近年、世界的に問題となっていて、激しい前立腺炎から、まれに敗血症で命に関わることもあります。経会陰式だけで正確な診断が得られるのもターゲット生検のメリットです」

 針生検で分かるのは、がんの有無、悪性度、大きさ、前立腺内での広がり。これらの情報に検査時のPSA値や直腸診の所見を加えて、リスク分類を判定して、治療法を選ぶ指標にする。

 「前立腺がんは通常、進行が遅いので、発見された時点で急いで治療法を決める必要はありません。早期がんで低リスク群であれば、治療をせずにPSA値を見ながら経過観察をする待機療法も選択肢のひとつです」

 次回は、リスク分類と治療法を説明してもらう。




( 2018/02/16 19:48 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

がんでも長生きするには「余命宣告に惑わされない」 

がん患者を50年以上診て、著書『がん「余命宣告」でも諦めない』で複数の長期生存者を紹介している帯津良一医師は、生き続けるための大切な要素の一つを“朗らかさ”だと指摘する。

「どなたも物事にあまり動じず、長く悩まないという共通項があります。気持ちで負けず、その一方で『いつ死んでもいいぞ』と一日一日を攻め抜く姿勢。大事なことです」

 もう一つ、帯津医師は「余命宣告に惑わされないことも重要な秘訣」と訴える。たいていの医師は、細かく調べず経験から割り出しているに過ぎない。だから患者が数字にとらわれすぎないことが、免疫力低下を防ぐポイントになるという。

 その二つを実践しているのが東京都のオオタケンジさん(仮名・82歳)だ。9年前に結腸がんの末期と告げられた。肝臓や肺などに転移しながらも在宅で治療を続け、免疫力を高める代替医療も少しやっている。この9年間、ほぼまったく変わらない日常を淡々と送る。

 例えば一日をこんなふうに過ごす。

 午前8時に起床。NHKの朝ドラを見ながらパンやチーズの朝食をとるほか、妻の特製ニンジンジュースを飲む。正午にはヨーグルトに果物、麺類などでランチタイム。午後はテレビを見たり昼寝をしたり。合間に家から徒歩20分の図書館に行き、夕方は「50年来の日課」という近所のサウナへ。

 オオタさんは若いころから多趣味だったが、肝転移した75歳のときに初めて携帯を購入。メールのやりとりをマスターして、定期検査の結果を3人の子どもたちに「変化なし」などと送信できるようになった。

77歳でカルチャーセンターの太極拳や哲学を受講し、家族を驚かせた。好きな芝居にもまめに通い、今も美術館に足を運ぶ。

 昨夏、図書館帰りに熱中症で救急車で運ばれ、11月以降、抗がん剤はやめた。今年5月、右肺にがんが増え続けているにもかかわらず、腫瘍マーカーは下がっていた。主治医は「本人の免疫機能ががんを抑え込んでいるとしか思えない」と首をひねる。

 こうした長期生存者がなぜ現れるのか。

 癌研病院(当時)などで緩和ケア医として15年以上働いてきた行田泰明さん(53)は以前から「がんになっても長生きはできる」と唱えてきた。

「がん細胞には顔つきがあって、進行の速さや部位によって違う。まずは早期に正しく診断されることが大事なんです」

 そんな行田さんに今年2月、がんが見つかった。部位は消化器で、手術をした。合併症などを経て近々退院する。

「がんとわかって決めたことは三つ。私が看取ってきた千人以上の方々から学んだもので、自暴自棄にならない、八つ当たりしない、最後まで闘う。なのに自分は手術後は落ち込んで、笑えなかった。でも『頑張って』という言葉は、とてもうれしく感じました」

 行田さんには、当事者になって初めて気づいたことがある。“わらをもすがる”切実な思いが生きる力になっている。

「病も生の“一部”なんですよね」




( 2018/02/16 19:11 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

「7つのポイント」で選ぶ抗がん剤治療のいい病院 

手術や放射線治療と同じように、抗がん剤治療も患者が医療機関を選ぶ時代になってきた。

 ここでは、いい抗がん剤治療を受けられる病院選びのポイントを七つ示した。「(1)外来で抗がん剤治療が受けられる」「(2)がん薬物療法専門医(中略)チームワークがとれている」

「(3)患者の希望を聞き、適切な方法を提案してくれる」、とくに再発がんや進行がんでは重視したい項目だ。「(4)治療に腫瘍内科医がかかわる」ことも大事なポイントだ。腫

瘍内科医とはその名のとおり、がん治療に詳しい内科医だ。海外では抗がん剤治療のほか、全身管理や治療方針を決定するなど、がん治療のキーパーソンとなっている。また、その患者に合ったがん医療をコーディネートする役割も担う。

 そして、この腫瘍内科医の役割を主に担っているのが、日本臨床腫瘍学会が認定する「がん薬物療法専門医」だ。近畿大学病院腫瘍内科教授の中川和彦医師は言う。

「腫瘍内科ができたのは最近のことで、以前はその臓器を担当する外科医が抗がん剤治療も担当していました。

いまもその流れは続きますが、近年は抗がん剤治療の進歩などもあり、専門性が増したことから、腫瘍内科に任せる医療機関も出てきています」

 現在、抗がん剤治療を腫瘍内科医が担当する場合、「主治医としてかかわる」パターンと、「主治医はがんのある臓器を専門にする外科医や内科医で、腫瘍内科医が一緒にかかわる」パターンがある。

 理想は腫瘍内科医が主治医となり、必要に応じて臓器専門の外科医や内科医が一緒に治療をすることだが、腫瘍内科医の数は限られている。それがむずかしい場合でも、後者のように腫瘍内科医が抗がん剤治療にかかわっていたほうがよい。

「抗がん剤治療に詳しい医師がいる医療機関とそうでないところとでは、抗がん剤治療の質が大きく違ってきます。

抗がん剤治療は1回の通院で終わるものではなく、長期間付き合う必要のある医療です。そういうことも考えて、ご自身や家族でしっかり信頼できる医療機関を選んでください」(中川医師)

 手術と抗がん剤治療を別の医療機関で受けることは、めずらしいことではない。

遠方で手術を受けた場合は、自分の住む地域に条件を満たした医療機関があるか、手術を受けた施設の腫瘍内科医やソーシャルワーカーに聞いてみるのも手だ。別の医療機関にいる腫瘍内科医に、セカンドオピニオンをとってもよいだろう。

 では、外科医の考えはどうなのか。消化器外科医から腫瘍内科医になった県立広島病院(広島市)臨床腫瘍科主任部長の篠崎勝則医師は、外科医から腫瘍内科医への橋渡し的な役割も果たす。

自身はがん薬物療法専門医の資格を持つが、資格がないまま抗がん剤治療を実施する外科医を多く知る。

「実は“専門の臓器については手術も、抗がん剤治療も詳しくありたい”と思って、抗がん剤治療を学んでいる外科医もいます。

しかし、抗がん剤治療の質を上げたり、充実したチーム医療の体制を整えたりするための時間が、外科医にはありません。結果的に、そこまで気配りができないのが現状です」(篠崎医師)

 このほかには、治療が長期間にわたることを考えると、「(5)自宅との距離が近いなど、苦痛なく通院できる」「(6)スタッフが寄り添ってくれる」医療機関を選ぶことも大切だ。

「(7)治験をやっている」病院も、いい抗がん剤治療を受けるための参考になる。治療とは臨床試験のことで、新薬の有効性や副作用の状況を試験し、保険適用にするかを検討するためのものだ。

自分のがんに該当する治験があり、条件が当てはまっていたら、その治験に参加することができる。

 治験を実施するためには、施設環境やスタッフ数など、いくつかの基準を満たさなければならない。つまり、治験を受ける・受けないは別としても、抗がん剤治療を受ける施設としては、合格点をもらっていると考えていいだろう。





( 2018/02/16 19:10 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

がんを患った医師が語る「いい病院」の条件 

自ら胃がんと前立腺がんに侵された経験を持つ東京医療保健大学副学長、前NTT東日本関東病院副院長・外科部長の小西敏郎医師(66歳)に「いい病院」「いい医師」の条件を聞いた。

*  *  *

 医師の中には「不養生」を自慢する人もいますが、僕はNTTの社員でしたから、がん検診は欠かさず受けていました、60歳のときに受けた診察の後、1週間後に病理の医師から連絡が来ました。そ

のとき、「これはがんだ」とピンときましたね。と同時に、もし進行がんだったら、広範囲にがんがあったら……と、頭が真っ白になりました。

 担当の消化器内科医から病状の説明を受けると、直径4ミリほどの早期胃がん。内視鏡治療を受けました。治療を担当することになったのは、医師になって4年目のレジデント(研修医)。

「ええ!?」と思いましたが、聞くと当院でいちばん内視鏡治療の実績があるとのこと。僕は外科医の一人として、医師の年齢より腕や実績、それに症例数を信用する。だから全面的にその医師にお任せしました。

小さな早期の胃がんを見つけてくれたのも、彼でしたから。結果、治療はうまくいき、回復も順調。今まで再発もありません。

 前立腺がんが見つかったのは、その2年後です。こちらも検診で見つかりました。開腹手術を受けました。早期だったこともあり、がんは完全に取りきれた、と。再発は心配していません。

 どちらも自分が勤めていた病院で治療を受けましたが、主治医には、「患者さんにやっているのと同じ治療をしてほしい」とお願いしました。

僕は消化器外科医としてこれまで2500例以上の手術で執刀してきましたが、必ず「僕や家族だったら、この治療を受ける」というやり方で治療してきた。だから、それを主治医にもお願いしたのです。

 病気になって気づいたのは、医師にとっての「たいしたことはない」は、患者にとっては「たいしたこと」だということです。

 実は、前立腺がん手術を受けた翌日、熱が37.4度出ました。38〜39度の熱なら合併症の疑いがあるので、気をつけますが、37度程度なら順調に回復しても出るもの。

だから、それまで患者さんには「たいした熱ではないから、我慢して」と突っぱねていました。

 しかし、自分が37.4度になってみると微熱でもつらい。それがよくわかりました。我慢をさせてしまった患者さんには本当に申し訳なかったと思っています。

 僕がいい病院の条件に挙げたいのは、医師や看護師、薬剤師などの医療スタッフの質がいいか、チーム医療が成り立っているか、です。

先ほどの、術後に熱が出た件でも、ベッドサイドにいる看護師が患者のつらさをくみ取ってそれを担当医に伝えなければ、適切な対応もできません。

 チーム医療の質は外来でもわかります。「スタッフ同士のコミュニケーションが取れていない」とか、「看護師が医師に遠慮している」とか、そういう雰囲気があったらダメ。

いくら名医がいる病院でも、チーム医療は成り立たない。別の病院を受診することをお勧めします。

 もう一つ大事なのは、目の前の医師を信じること。がんの種類や進行度によっては、治療法が一つしかない場合もあれば、複数の中から選択できる場合もある。まさに後者の代表的なものが前立腺がんでしょう。

僕は医師として知識もあったし、専門医から意見を聞く機会もあった、しかし、やはり最終的には主治医を信頼し、開腹手術を受けることにしました。

 信頼できる医師に出会うのは簡単ではないかもしれません。しかし、かかりつけの医師に相談したり、セカンドオピニオンを取ったりして、自分で治療について理解して判断するための行動を起こすことが大事なのです。



( 2018/02/16 19:06 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

闘病経験者がまとめた「がんになってからの心得10カ条」 

がんを宣告され、しかも末期と言われ、絶望しない人はいないはずだ。しかし、そこから長く命をつないでいく人たちが、確かにいる。

 肺腺がんを患う青木晴海さん(58)だ。08年、咳が続くので総合病院を受診すると、肺からリンパ節への転移がわかった。専門病院で手術したが、がん細胞は大動脈と肺動脈に浸潤していて取れず、そのまま胸を閉じた。

 青木さんは情報学が専門の大学講師で、「アサーティブな考え方」を学生たちに教えてきた。それは自分の気持ちを大事にし、相手との関係をより良くするため、率直に「ことば」で伝えることだという。

「自分の研究テーマを、病床で実践した形になりました」(青木さん)

 手術の影響で、青木さんは声を出せなくなった。切開した場所が声帯の動きをつかさどる反回神経に近く、麻痺が起きたのだ。

「医師に『あきらめてください』と言われたけど、私にとって声がでないのは、がんになったことより重大事でした」

 入院しているにもかかわらず、声帯専門科がある別の病院を探し出し、「リハビリに通いたい」と、かすれ声で主治医に訴えた。了承を得てリハビリを続けた5カ月後、声を取り戻すことができた。

 放射線と抗がん剤治療を受けながら、09年2月、大学に復帰。その1年後、肝臓転移が見つかった。働きながら抗がん剤治療に通って5カ月後、肝臓のがんは縮小していた。

 その時、主治医から分子標的薬の治療を受けないか、と強くすすめられた。

「このまま穏やかな維持療法で仕事を続けていきたいと思っていたので戸惑いました」(青木さん)

 もはや完治は難しい。それなら、がん細胞の活動を抑えられるよう、全身を良い状態に保つことこそ大切ではないか。未知の薬を体内に入れればバランスを崩しかねない――どうしても折り合えず、11年3月、青木さんは転院した。

 新しい主治医は、青木さんと話し合いながら、抗がん剤を投与するペースを決め、昨年6月以降は治療を休止した。今は定期検査を受けながら働いている。幸いにも、がんは大きくなっていない。

「患者の願いは一日も長く生きること。その病院や主治医が、自分を長く生かしてくれるのかは、感覚でわかるものだと思います」

 青木さんは前の病院で2度カルテ開示を求め、自分の治療経過をつかんでいる。医師に任せっぱなしにしたくないからだ。下記の10カ条は、自身の闘病体験をまとめた『生きのびるためのがん患者術』(岩波書店)から抜粋した“患者の心得”だ。青木さんが言う。

「治療の主役は私たち、つまり患者なんです」

がんになってからの心得10カ条
・ 告知をしっかり受け止め、「自立心」を持つ
・ 自分の気持ちを言葉で医療スタッフに伝える
・ 検査や治療内容を日付順に記録、カルテや画像も入手する
・ 複数の医師に相談する
・ 抗がん剤の効果とリスクを確認する
・ 心置きなく頼める友人に支えてもらう
・ 重要な決定の時は友人や家族を「記録係」に
・ がんばる自分にご褒美をする
・ 病気のこと以外にも関心を持つ
・ がんの話題は情報源に気を付ける
※青木晴海さんの著書『生きのびるためのがん患者術』をもとに作成



( 2018/02/16 19:04 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

【がんへの備え】骨折に気配り コルセットや杖を使用 

前回、骨転移の対応には多くの診療科が関わって医療チームを作り、情報の共有が大切であることを順天堂大学病院・腫瘍整形外科医の高木辰哉准教授に説明してもらった。引き続き、治療とリハビリのポイントを聞いた。

 ◇ 

 骨転移は身体の中心部に近い骨に発生しやすく、特に脊椎(背骨)や骨盤、大腿(だいたい)骨は体重を支える部位なので痛みや骨折が起こりやすい。

 「治療目標は、第一に疼痛のコントロールによる日常生活動作(ADL)の維持と骨折や脊髄損傷を防ぐことです。それから退院後の患者さんのニーズやリスク管理を考えた装具装着やリハビリを行います」

 痛みの緩和には、鎮痛薬や麻薬の投与と同時に放射線治療が行われることが多い。放射線治療はがんの進行も抑えるので、骨折や脊髄圧迫による麻痺の予防にもなる。

 「薬による進行の抑制には、ビスホスホネートや抗RANKL抗体の投与(注射)を行います。ただし、この薬の副作用に顎骨の壊死(えし)があるので、虫歯などがないか事前に歯科医による口腔チェックが大切になります」

 薬による治療や放射線治療でも改善が難しい場合には、手術で骨を固定するなどの外科治療も検討される。全身の状態や骨転移の数、進行度などを考慮して治療法が選択される。

 「痛みや骨折の恐れがあれば、ADLに必要なリハビリもできません。骨転移は通常多発性で、脊椎にも四肢にも転移していることが多い。

どの部位が最も危険なのか、どんな動作や荷重に気をつけたらいいのかバランスを意識した判断が必要です。可能なら整形外科医が評価を行い、リハビリ医や理学療法士と相談しながらリハビリを進めていくのが理想です」

 治療の状況に合わせながら、ADLが楽にできるようにコルセットや杖を使用する。荷重制限や危険動作の回避など、実際の生活における動きのポイントを理学療法士から指導を受けながら、リハビリを通して習得していく。

 「車いすの移乗や歩行器などを使った歩行訓練をするにしても、その患者さんが実際に住んでいる家の構造や、どういった生活を送りたいかのニーズによってもリハビリ内容は変化します。

骨転移を完全に治すことはできませんが、退院後のQOL(生活の質)を高めるためにも多くの診療科が連携した医療チームで対応することが大切なのです」



( 2018/02/16 19:02 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

 





( 2018/02/16 19:01 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

がん予防に「和食信仰」の落とし穴 食生活気にする人ほど陥りやすい? 

がんになってもいたずらに恐れる必要はない時代が来ているのはわかった。それでも罹患しないに越したことはない。予防医学の最前線はどうなっているのだろう。「○○が、がん予防にいい」と聞けば、飛びつきたくなる気持ちもわかる。だが、そこには誤解も多い。正しい知識こそががんを防ぐというのは、国立がん研究センター社会と健康研究センター・センター長の津金昌一郎氏。

「がんは老化現象のひとつであり、長生きすればするほど発生しやすくなる、高齢者にとってはありふれた病気ともいえるのです。それでも、がんになる人とならない人がいるのは遺伝的要因より環境的な要因、つまり生活習慣の違いが大きい」

 1990年から現在まで、国立がん研究センターが中心となって、食生活や生活習慣、健康状態との関連を追跡調査した「多目的コホート研究」が行われてきた。さらにその他のデータも組み合わせて導き出されたのが、日本人ならではのがん予防法だ。

「がん予防として科学的根拠(エビデンス)をもって認められているのは、『非喫煙、節酒、塩蔵品を控えるなど食生活の見直し、活発な身体活動、適正なBMI』という五つの生活習慣です。仮に五つすべてを実践できなくても、一つ実践するごとに、男性では14%、女性では9%ずつ、がんの発生リスクが低下することがわかっています」(津金氏)
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 生活習慣の中でもっとも注意すべきなのはたばこ。40~69歳の男女9万人を対象に8年間追跡したコホート調査では、喫煙者は非喫煙者よりも肺がんリスクが4~5倍、何らかのがんにかかるリスクは1.5~1.6倍高いという結果が出た。一方で、禁煙した人を対象に、たばこをやめてからの年数で肺がんの発生率を調べてみたところ、やめてから時間が経つほどリスクは低くなり、20年以上になると、非喫煙者とほぼ同等になることがわかった。

「長年吸っているからいまさらやめてもムダ、ということはありません。一般的に、喫煙者は非喫煙者より寿命が約10年短いといわれていますが、禁煙すれば、寿命も延び、発がんリスクも下がる。喫煙者はなるべく早く禁煙に取り組むことです」(同)

 また、周囲の人々の発がんリスクも確実に高めてしまう「受動喫煙」も問題だ。日本では、受動喫煙と関連する病気の死亡者数が年約1万5千人。だが、屋内禁煙の法制化も含め、先進国の中で対策がかなり遅れていることを津金氏は懸念する。

「喫煙していない女性約3万人を13年間追跡したわれわれのコホート調査では、非喫煙者に多い肺腺がんを始め、すべてのタイプの肺がんのリスクは、夫が非喫煙者の場合と比較すると、夫が喫煙者の妻の発がんリスクは約1.3倍でした。喫煙者が多く集まる居酒屋や喫茶店などにいる人々、そこで働く人々も、リスクは高くなります」

 飲酒の影響はどうか。

 適量の飲酒は、心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞の予防効果が期待できる半面、食道がんや大腸がん、女性では乳がんのリスクを高めることは確かである。

 がん発生との関連が特に深いのは、お酒の種類ではなく、飲酒の「量」だ。アルコールを分解する過程で、アセトアルデヒドという物質が生成されるが、このアセトアルデヒドには発がん性があることが確認されている。欧米人に比べて、その処理能力が低い日本人は、飲酒によるダメージを受けやすいため、過剰飲酒をするとDNAの修復がうまくいかなくなり、がんになりやすいという説もある。

 とはいえ、日本人の喫煙率(量)や飲酒率(量)は減っており、健康志向の高まりから、運動習慣やBMI値などへの意識も変わってきた。昭和のころに比べ、がん予防法にのっとった生活習慣ができている人も増えている。だが、日本人の食生活には意外な落とし穴がある。

「イソフラボン含有量が多い豆腐や納豆などの大豆食品、食物繊維の多い野菜や根菜の煮物などは、がん予防効果が期待できる和食。食生活を気にしている人ほどそうした和食信仰に陥りがちですが、実は伝統的な日本食には塩分過多という欠点がある。たとえばファミレスでみそ汁や塩鮭、漬物などの朝定食を食べると摂取する塩分は約10グラム。これをハンバーグライスにすると3グラム程度になります」(津金氏)

 過剰な塩分摂取は胃がんや脳卒中のリスクを高めることが明らかになっている。ちなみにWHO(世界保健機関)が推奨する塩分量は1日5グラム未満だが、和食が根づいている日本人には難しい数字。減塩と食物繊維を意識して、バランスのいい食事を心がけることが大切だ。

 その中には、肉食も含まれる。

「食の欧米化、特に赤肉(牛肉、豚肉、羊肉)が大腸がん増加の要因と考える人もいますが、多くの日本人は欧米人ほど赤肉を食べていない。むしろ昔は少な過ぎて脳出血や感染症などで命を失っていたと考えられます。われわれのコホート研究からは、大腸がんや心筋梗塞のリスクを大きく上げずに、脳卒中のリスクを下げる飽和脂肪酸の摂取量の目安は、1日20グラム。これはコップ1杯の牛乳と2日に1回150グラム程度の赤肉で取れる量です。野菜や魚だけでなく、肉も食べる。理想の食事は、欧米化された日本食です」(同)

 また、一時期大々的にメディアに取り上げられた「コーヒーの抗がん作用」。津金氏は1日3~4杯のコーヒー摂取はベネフィット(利益)ありと見る。

「肝臓がんや子宮体がんのリスクを下げるというエビデンスはかなりそろってきました。インスタントコーヒーや缶コーヒーでも同様です。ただ、クリームや砂糖の量は控えめに」(同)



( 2018/02/13 18:43 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

がんの専門家の予防策 「休肝日はなし、つまみは発酵食品」 

誰もが予防したいがん。とはいえ、専門的な知識がないとどうにもならないのも事実。では、がんの専門家はどういう予防策をとっているのだろうか?

 『がんの嫌がる食事』(創英社/三省堂書店)などの著書がある日本薬科大学学長の丁宗鐵(てい・むねてつ)さんは、こんな予防策を実践している。

「ビタミンと発酵パワーが同時に摂れる漬物はがん予防の必須食。歯が悪くてもジュースにすれば摂取しやすいので、水で洗って塩分を1/3にした漬物に、100%果汁ジュースを合わせて飲みます。

ジュースを豆乳ヨーグルトにすると、ビシソワーズスープのような味わいになりますよ」

 また、お酒は飲み続けているという。

「酒も決まった時間に決まった量を飲み、消化吸収のリズムを一定にすることが大切なので、若い頃からお酒が好きな私は、今も毎晩嗜んでいます。

寝る1時間くらい前にブランデー、焼酎、泡盛などの蒸留酒を選びグラス1杯。つまみはクリームチーズの粕漬けなどの発酵食品ですね」



( 2018/02/10 01:23 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

日本人は4割 「酒で顔が真っ赤になる人」は癌になりやすい 

お酒を飲むと、顔が真っ赤になる人がいる。こういう人は、たとえ仕事の付き合いで酒を酌み交わした方がいい場であっても、極力避けるべきだ。重大病のリスクが高くなる。杏雲堂病院肝臓内科・小尾俊太郎科長に聞いた。

 体内に入ったアルコールは、アルコール脱水素酵素(ADH)によってアセトアルデヒドに分解され、さらにアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって酢酸に分解される。

「ところが、これらの酵素の活性度(働き)は遺伝で決まっていて、日本人は、酵素の活性度が低い人が多いのです」

 すると、アルコールやアセトアルデヒドの分解が遅く、体内に長くとどまる。少量のアルコールで顔が赤くなったり、悪酔いしたり、二日酔いがひどくなったりと、いわゆる“酒が弱い”のは、そのためだ。

■口腔、咽頭、食道が危ない

「問題は、アルコールとアセトアルデヒドは発がん性の物質なので、がんのリスクを高めること。ADHとALDHの活性度が低い人が飲酒習慣を持つと、口腔、咽頭、食道がんのリスクが高くなることが研究で明らかになっています」

 ところで、同じ酒が弱いケースでも、「ほんの少し飲んだだけで気分が悪くなる下戸」と、「飲めるけど弱い人」がいる。

「アセトアルデヒドを分解する酵素ALDHは6種類あり、お酒を飲んだ時に主に働くのはALDH2です。ALDH2の遺伝子には、活性型遺伝子『N型』と非活性型遺伝子『D型』があります。

人間は両親からひとつずつ遺伝子を受け継ぐので、N型とD型との組み合わせでアルコールの分解能力が変わります」

 N型+N型なら、お酒を普通に飲める。N型+D型なら、飲めるけど弱い。D型+D型なら、下戸だ。

「がんのリスクと関連付けて考えると、要注意なのはN型+D型の人。遺伝子のひとつが非活性型遺伝子であるD型なので、アルコールの分解能力が低い。

それなのに、最初から下戸であることを自覚しているD型+D型の人と違って、アルコールを摂取する機会を持ちやすい」

■今は平気な人が、将来NGのケースも

 N型+D型の中には、最初の頃は飲むとすぐに顔が真っ赤になったり、悪酔いしたりしていたのが、年月とともに次第に顔が赤くなりにくくなったり、飲める量が増えてきたりして、〈自分は飲めるタイプだ〉と勘違いしている人もいる。あなたはどうだろう?

 ALDH2の活性を調べる簡便な検査には、アルコールパッチテストがある。アルコールを皮膚に塗り、赤くなるかどうかを見る方法だ。しかし、わざわざ受けにいかなくても、自分がどのタイプかを知る方法がある。

「『飲酒開始から1~2年間』と『現在』のどちらかで、グラス1杯のビール程度で顔が赤くなるかどうか?

 現在は顔が赤くならなくても、飲酒開始から1~2年間で赤くなっていたら、アルコールやアセトアルデヒドを分解する酵素の活性が低い(N型+D型、あるいはD型+D型)と考えた方がいいでしょう」

“N型+D型とD型+D型”の人は、日本人の4割を占めるという。かなりの数だ。自分もその中に入っているかもしれない。



( 2018/02/10 01:20 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

がんの手術後は「リンパ浮腫」に注意しよう 

がんの手術後に起こりやすい「リンパ浮腫」は、一度発症すると完治しにくく、継続した治療が必要となる。国立がん研究センター中央病院 看護師の八多川淳子(はたがわ・じゅんこ)さんにリンパ浮腫について詳しく聞いた。

* * *

「リンパ管」に何らかの障害が起こり、リンパ液の流れが滞って、腕や脚などがむくんだ状態を「リンパ浮腫」といいます。

リンパ管は、血管と同じように私たちの体内に張り巡らされており、その中をリンパ液が、リンパ管の各所にあるリンパ節を経由しながら流れています。

リンパ液には、たんぱくや脂肪、水分のほか、ウイルスや細菌を攻撃するリンパ球なども含まれています。

リンパ管は、血管と同じように私たちの体内に張り巡らされており、その中をリンパ液が、リンパ管の各所にあるリンパ節を経由しながら流れています。

リンパ液には、たんぱくや脂肪、水分のほか、ウイルスや細菌を攻撃するリンパ球なども含まれています。

リンパ管やリンパ節が手術などによって損なわれると、リンパ節の脇にリンパ管の脇道ができて、代替して働くようになります。

しかし、その脇道は細く働きが弱いため、負担が大きくなり過ぎると、流れが滞ってリンパ液が皮膚の下にたまり、むくみが起こるようになるのです。

進行すると、腕の場合は「力を入れにくい」「重いものを持つのがつらい」「文字を書きにくい」など、脚の場合は「歩きにくい」「膝を曲げにくい」「階段の上り下りがつらい」など、日常生活に支障が出ることがあります。

起こりやすい部位

リンパ浮腫のほとんどが、がんの手術や放射線治療を受けたリンパ節の近くに起こります。

例えば、[1]乳がんの手術でわきの下のリンパ節を切除した場合には手術した側の腕や背中に、[2]子宮がん、卵巣がん、前立腺がん(※)などの手術で骨盤内のリンパ節を切除した場合には脚などに、起こりやすくなります。

同じような手術を受けても、リンパ浮腫が起こるかどうかや、その程度は人によって異なります。これは、リンパ管の脇道の発達の程度やリンパ液の量、生活習慣によって腕や脚にかかる負担などに個人差があるためと考えられます。

また、発症する時期にも個人差があります。最も多いのは治療後2〜3年たってから発症するケースですが、治療直後に発症したり、5〜10年後に発症するケースもあります。

リンパ節を切除したりした場合には、リンパ浮腫が起こる可能性は常にあることを知っておくことが大切です。

※ リンパ浮腫の患者さんの多くが女性だが、前立腺がん、皮膚がん、整形外科系のがんなどで、リンパ節を切除した場合は、男性にも起こることがある。

■『NHKきょうの健康』2013年11月号より




( 2018/02/10 01:19 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

【がんへの備え】誤嚥性肺炎を防ぐために 

食道がんはリンパ節に転移しやすく、手術でのどのリンパ節を取ることが多い。そのため、物を飲み込む嚥下(えんげ)機能に障害が起こりやすい。亀田総合病院・リハビリテーション科の宮越浩一部長に、術後の嚥下訓練を聞いた 食道がん手術で起こりやすいのは喉頭の障害。食べ物は食道へ、空気は気管へ導く交通整理をしている部分になる。

 「食道を切除する再建手術では首、胸、腹部を切開し、いったん肺を潰すので呼吸機能が著しく低下します。その、せきが上手にできない状態に嚥下障害が加わると、食べ物が気管に入っても吐き出せない。嚥下リハビリの目的は、誤嚥性(ごえんせい)肺炎を防ぐことにあります」

 手術で喉頭のすぐ横に広がるリンパ節を取ると、炎症や癒着から、のどで交通整理している喉頭蓋(がい)というフタが動くスピードや可動域が低下する。さらに手術でリンパ節の近くを走る反回神経を触ることが嚥下障害の原因になる。

 「反回神経は、物を飲み込む時には閉じている声帯を動かしている神経で、手術で触ることで一時的にマヒを起こす。喉頭蓋と声帯という2つのバリアがうまく働かなくなるために誤嚥をしやすくなるのです」

 まず訓練の前に口腔ケアが大切になる。嚥下訓練には、いくつも方法があり、患者の状態に合わせて行われる。『頭部挙上訓練』は、仰向けに寝て肩を床につけたまま頭を足の指が見えるまで上げる動作を繰り返す。

首の筋肉を増強し、再建した食道の入口部の開大を改善する目的で行われる。

 「反回神経マヒがあると声枯れが現れます。声門の閉鎖が不十分の場合には、息を「ん」とこらえて唾液を飲み込み、開放と共に強く息を吐く『息こらえ嚥下』や、両手で壁などを押しながら強く発声する『プッシングエクササイズ』などの声門の閉鎖を促進させる訓練をします」

 『アイスマッサージ』という訓練もある。冷水に濡らした綿棒で舌やのどを刺激して嚥下を誘発する。食事前のウオーミングアップにも用いられている。

 「術後、2週間ぐらいからとろみをつけた食事ができる人が多くなりますが、早まらないことが大事です。適切な時期に食事を再開する見極めが重要で、喉頭内視鏡できちんと飲み込みができているかを確認してから食事を始めます。





( 2018/02/10 01:18 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

自覚症状のない膵臓(すいぞう)がん。症状や糖尿病との関係は? 


膵臓がんは発生率、死亡率とも高い方ではありませんが、それでも年間およそ28,000人の方が膵臓がんで亡くなっているという統計データがあります。
ここでは、膵臓がんとはどのような病気なのかについて、簡単に解説してみます。

◆膵臓がんはどんな病気?

膵臓とは胃の裏側にある臓器で、膵臓から出る管(膵管)は、肝臓や胆のうから出て来る管と繋がっています。食事をするとその栄養分は分解され、たんぱく質・脂肪や炭水化物などから糖分が生成されます。

糖分は血液中を流れ全身の臓器を動かすエネルギー源となり、血液中を流れる糖分を血糖と呼びますが、人の体の中で唯一、この血糖を下げる働きを持つ“インスリン”というホルモンは、膵臓からしか分泌されません。膵臓には身体の状態を保つとても重要な役割があるのです。

膵臓がんはもっとも自覚症状が現れにくいがんの1つで、さらには周りの臓器への転移(がん細胞が他の臓器へ飛び、そこで増殖すること)を起こしやすいという特徴もあります。つまり症状が出た時には、すでに治療法が限られてしまうことが多いがんでもあるのです。
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◆膵臓がんになりやすい人は?

膵臓がんになりやすい因子としては、糖尿病である、肥満である、慢性的に膵炎(膵臓の炎症)を起こしている、喫煙歴がある、などです。

しかしそれ以外の因子、例えば遺伝的なもの、食生活、生活習慣などいくつか考えられるものもありますが、これらについては、まだよく分かっていません。

実際の患者さんの統計データからは、発生率は高齢になるほど高くなり、死亡率は男性の方が女性より高い(およそ1.7倍)ことが分かっていますが、その要因 については、まだ研究段階にあります。
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◆膵臓がんの症状

膵臓がんは、自覚症状が最も現れにくいがんの1つです。実際に病院を受診した人の症状としては、胃のあたりや背中の重苦しさ、食欲がない(減った)、何となくおなかの調子が悪いなど、とても漠然としたものが多いようです。

これらの症状は膵臓がん以外でも起こりますし、これだけで膵臓がんを疑うことは非常に難しいといえます。

他にも膵臓がんと強い関連を持つ症状として、黄疸があります。黄疸は身体全体や白目が黄色くみえる症状で、黄疸が出ると、身体全体の痒みが出たり、尿の色が濃くなることがあります。

しかしこれも膵臓がんに限定されたものではなく、例えば肝臓がんや胆のうがんでも、黄疸が出ることがあります。

◆膵臓がんの調べ方

膵臓がんであることを調べるためには、問診や血液検査の他、腹部超音波検査(エコー)、腹部のCTやMRIといった画像検査が必要になります。

また超音波 装置のついた内視鏡を胃へ挿入し、胃の中から超音波を当てることで膵臓を詳しく見る「超音波内視鏡検査」というものもありますが、これは装置がある病院でしか検査ができません。

他には、内視鏡を胃から十二指腸まで入れて、そこに細いチューブ(カテーテル)を入れて膵臓まで送り込み、そこから造影剤を入れてX線撮影を行う「内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)」という検査もあります。

比較的患者さんの負担が少ない「MRI胆管膵管造影」という検査も広く行われるようになってきました。
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◆膵臓がんの治療方法

膵臓がんの治療には、手術療法、化学療法、放射線治療などがあります。
比較的早いうちに発見され、がんが膵臓の中だけにとどまっている場合は、手術療法でがん細胞を切除するのが一般的です。

進行してくると、手術療法と化学療法を組み合わせて行ったり、さらに放射線療法を組み合わせて行うこともあります。がんが広い範囲まで拡がっている場合は、化学療法のみを行うこともあります。

膵臓がんは早期発見が難しく、見つかった時にはすでにかなり進行していることもあります。




( 2018/02/10 01:16 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

【がんへの備え】ハフィングや体位ドレナージ リハビリ編(12)「排タン訓練」 

食道がんの再建手術は、首、胸(脇下)、腹部の3カ所を切開し、片肺を潰して食道を取り出すので術後の呼吸器合併症が起こりやすい。呼吸リハビリでは、前回取り上げた呼吸訓練と同時に、排タン訓練も大切になる。引き続き、亀田総合病院・リハビリテーション科の宮越浩一部長に説明してもらった。

 ◇ 

 食道がんの呼吸リハビリの目的は、潰れた肺(無気肺)の回復と肺にタンが溜まることで起こる肺炎の予防。タンが溜まりやすくなるのは、術後の呼吸機能の低下に加え、食道周囲のリンパ節切除も関係する。

 「食道がんのリンパ節郭清(かくせい)では、食道と気管に沿って走る縦隔リンパ節を切除するので、気管・気管支の血流障害が起こり、気管自体が異物を排出しようとする粘膜の繊毛運動が低下してしまうのです」

 呼吸リハビリでは、術前から機器を使って呼気量を増やす訓練や腹式呼吸を習得するなどの呼吸訓練を行う。さらに術後早期に自主的にタンが排出できるように排タン訓練も並行して行う。

 「普通にせきをすればタンが吐き出せると思われますが、術後は肋骨(ろっこつ)に沿って胸部を切開しているので、痛くてなかなかせきができない。それを我慢してできるように、排タン法のコツを事前に覚えてもらいます」

 せきを上手にしてタンを効率よく出すためには、まず胸の傷口を手やクッションで押さえて保護をする。最初に口を閉じてせき払いをし、それから口を開いてせきをする。

 「喉元にタンを上げるために『ハフィング』という排タン法がよく用いられます。最初に何回か深呼吸してから、鼻から大きく息を吸い込み止める。その後、口を開いて「はっ!」と声を出さずに強く速く息を吐き出します。2~3回やってタンが喉元にきたらせきをして排出します」

 術後、寝た姿勢で長くいるとタンが肺の背側に溜まって排出しにくくなる。できるだけ翌日には座位や立位で上体を起こし、可能であれば病棟内歩行を開始する。

 「術後の早期離床は、横隔膜が下がり、肺の拡張を助ける意味でも非常に重要になります。ベッドに横になっているときは、体を横向きにしたり、うつぶせに寝たりしてタンが排出されやすい体位に変換する『体位ドレナージ』も上手に排タンするポイントになります」

 次回は、食道がん手術後の誤嚥性(ごえんせい)肺炎を防ぐ、嚥下リハビリを取り上げる。




( 2018/02/10 01:15 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

男性1位、女性2位と死亡者数が多いがん肺がん。どんな病気か知っておこう! 


歌手の森進一さんが肺がんの切除手術を受けていたことを告白して話題となりました。現在の日本の死因の第1位は“がん”ですが、ここ数年は大腸がんとともに肺がんも急増しています。ここでは、肺がんとはどのような病気なのかについて、簡単に解説してみます。

◆肺がんはどんな病気?

肺の最も重要な働きは、外の空気から酸素を取り込み、炭酸ガス(二酸化炭素)を外へ送り出すことです。肺がんとは肺にがんが出来る病気で、“大腸がん“とともに、ここ最近の日本では患者数が急増しています。

肺がんになった人の数は、男性では胃がんに次いで2位、女性では乳がん、大腸がん、胃がんに次いで4位となっています。ところが”がんによる死亡者数“で見た場合、男性では1位、女性でも大腸がんに次いで2位になっています。患者数の割合に比べると、死亡者数が多いがんであることが分かります。

肺がんであっても、早期発見・早期治療を行うことで、およそ80%は治るといわれています。しかし発見が遅れるほど5年生存率(何らかの治療をしてから5 年間の間にどれだけ生存しているか)は急激に下がり、男性ではワースト1位、女性ではワースト2位、というデータもあります。
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◆肺がんはどんな病気?

肺の最も重要な働きは、外の空気から酸素を取り込み、炭酸ガス(二酸化炭素)を外へ送り出すことです。肺がんとは肺にがんが出来る病気で、“大腸がん“とともに、ここ最近の日本では患者数が急増しています。

肺がんになった人の数は、男性では胃がんに次いで2位、女性では乳がん、大腸がん、胃がんに次いで4位となっています。ところが”がんによる死亡者数“で見た場合、男性では1位、女性でも大腸がんに次いで2位になっています。患者数の割合に比べると、死亡者数が多いがんであることが分かります。

肺がんであっても、早期発見・早期治療を行うことで、およそ80%は治るといわれています。しかし発見が遅れるほど5年生存率(何らかの治療をしてから5 年間の間にどれだけ生存しているか)は急激に下がり、男性ではワースト1位、女性ではワースト2位、というデータもあります。

◆肺がんになりやすい人は?

肺がんの発症リスクとしては、女性よりも男性の方が、若年者よりも高齢者の方が患者数は多いという特徴があります。

しかし最も重要なのは、喫煙歴です。喫煙者は非喫煙者と比べて、男性では4.5倍、女性でも3倍のリスクがあります。もしタバコを吸わずにいたら、男性の肺がん患者さんのおよそ7割は、肺がんにならずに済んだかもしれないともいわれています。

喫煙者本人だけではなく、受動喫煙となってしまう家族なども肺がんのリスクは高くなります。喫煙は肺がんだけではなく、高血圧・動脈硬化・心臓疾患・歯周病との関連も深いものですので、今すぐ禁煙することをオススメします。

また肺を汚してしまう原因として、アスベストや排気ガスなどもあります。近年注目されているPM2.5も肺がんの原因になることが分かってきました。
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◆肺がんの症状

肺の入り口である“肺門部”というところにがんが出来ると、咳や痰が増えます。

しかしこれはどのような呼吸器の病気でもみられる症状ですので、これだけで肺がんに気付くことはまずありません。

この状態が進行すると、気管支(口から肺に続く空気の通り道)が狭くなり、喘息のようなヒューヒューという音が聞こえるようになります。

さらに進行すると、肺の一部が機能しなくなり(無気肺)、空気の入替が上手く行われなくなるため呼吸器、特に肺の感染症を起こしやすくなります。

その代表が肺炎です。 肺がんは他の臓器への転移もよく見られます。中でも肋骨や神経に転移すると強い痛みが出ますし、食道に転移すると食事がのどを通らなくなります。

声帯に転 移すれば声がかすれてきますし、上半身にある太い静脈に転移すると上半身のむくみ・息切れ・めまい・頭痛などが起こります。肺がんの症状は、千差万別なのです。

◆肺がんの調べ方

まずはスクリーニングといわれる「より精密な検査を受ける必要性のある人を見つけ出す検査」として、胸部単純X線撮影、喫煙歴のある人を対象にした喀痰細 胞診などがありま す。その他、希望すればヘリカルCTと呼ばれる、身体を断面だけではなくらせん状に切り取って撮影される検査もあります。

ここまでで肺がんが疑われた場合、気管支鏡検査(気管支鏡という器械を使って、気管支の内側から肺門周囲を直接観察する)、穿刺吸引細胞診(皮膚の上から 細長い針を刺して、異常が疑われる部分の組織を直接採取して行う)などが行われます。

◆肺がんの治療方法

肺がんの治療はその進行度やがんの出来方により違いがあります。
ごく初期でがんの拡がりが限定されている場合は、外科手術でがん細胞とその周りの組織を切除するのが一般的です。

少し進行度が高くなると、外科手術の他に化学療法や放射線療法といった別の治療方法を組み合わせて行うことになります。
さらに進行している場合は手術は行わず、化学療法と放射線療法を行う他、痛みや他の苦痛を軽減するような“生活の質の向上”を目的とした治療が優先されることもあります。
いずれにしても、肺がんは別の臓器への転移や、一度治ったように見えても再発することが多いがんです。

化学療法1つをとっても、2つ以上のお薬を組み合わせたり、いくつかの治療法を組み合わせて行うのが一般的です。

今の自分の状態がどうなのか、治療の目的は何か、治療を受けるとどうなるかなど、主治医と十分に相談しながら、治療方法を選択する必要があります。




( 2018/02/10 01:14 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

【がんへの備え】ハフィングや体位ドレナージ リハビリ編(12)「排タン訓練」 

食道がんの再建手術は、首、胸(脇下)、腹部の3カ所を切開し、片肺を潰して食道を取り出すので術後の呼吸器合併症が起こりやすい。

呼吸リハビリでは、前回取り上げた呼吸訓練と同時に、排タン訓練も大切になる。引き続き、亀田総合病院・リハビリテーション科の宮越浩一部長に説明してもらった。

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 食道がんの呼吸リハビリの目的は、潰れた肺(無気肺)の回復と肺にタンが溜まることで起こる肺炎の予防。タンが溜まりやすくなるのは、術後の呼吸機能の低下に加え、食道周囲のリンパ節切除も関係する。

 「食道がんのリンパ節郭清(かくせい)では、食道と気管に沿って走る縦隔リンパ節を切除するので、気管・気管支の血流障害が起こり、気管自体が異物を排出しようとする粘膜の繊毛運動が低下してしまうのです」

 呼吸リハビリでは、術前から機器を使って呼気量を増やす訓練や腹式呼吸を習得するなどの呼吸訓練を行う。さらに術後早期に自主的にタンが排出できるように排タン訓練も並行して行う。

 「普通にせきをすればタンが吐き出せると思われますが、術後は肋骨(ろっこつ)に沿って胸部を切開しているので、痛くてなかなかせきができない。それを我慢してできるように、排タン法のコツを事前に覚えてもらいます」

 せきを上手にしてタンを効率よく出すためには、まず胸の傷口を手やクッションで押さえて保護をする。最初に口を閉じてせき払いをし、それから口を開いてせきをする。

 「喉元にタンを上げるために『ハフィング』という排タン法がよく用いられます。最初に何回か深呼吸してから、鼻から大きく息を吸い込み止める。

その後、口を開いて「はっ!」と声を出さずに強く速く息を吐き出します。2~3回やってタンが喉元にきたらせきをして排出します」

 術後、寝た姿勢で長くいるとタンが肺の背側に溜まって排出しにくくなる。できるだけ翌日には座位や立位で上体を起こし、可能であれば病棟内歩行を開始する。

 「術後の早期離床は、横隔膜が下がり、肺の拡張を助ける意味でも非常に重要になります。

ベッドに横になっているときは、体を横向きにしたり、うつぶせに寝たりしてタンが排出されやすい体位に変換する『体位ドレナージ』も上手に排タンするポイントになります」

 次回は、食道がん手術後の誤嚥性(ごえんせい)肺炎を防ぐ、嚥下リハビリを取り上げる。





( 2018/02/10 01:13 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

突然ガンに…心の辛さを癒す3つ 

毎日、仕事に趣味にと多忙な生活を送っている私たち、体は丈夫だから病気とは無縁、なんて思っている人も多いでしょう。

でも、そんな日々の中で突然「がん」を宣告されたら......。

統計によるとがん罹患率は30代後半から急増するのです。そのアラサー、アラフォー世代の女性に一番多いのは乳がんで、実に14人に1人の割合で乳がんにかかっているのです。

周囲には公表しなかった......

乳がんに限らず、がんの初期は自覚症状があまりないので、調子が悪くなってからでは手遅れ、なんていうことも。

私は毎年乳がん検診をうけていますが、3年前の検診で、1.4cmの乳がんがみつかり、手術、化学療法、放射線療法をこなし、現在はホルモン剤による投薬治療(5年うち2年目)中です。

がんを宣告されたとき、会社を興したばかりだったので一瞬、目の前が真っ暗になりましたが、体はどこも痛くも痒くもないので、そのまま仕事は続行、手術入院の10日間(リンパ転移がなければ入院期間は4日間)のみおとなしくしていた、という次第でした。

その後の化学療法、放射線治療も今は通院治療なので、周囲の人に「がん宣告」をしないまま、治療を終えることができました。

がん治療というと、とんでもなく重篤なイメージですが、たとえば化学療法にしても、副作用対策が色々あって、よく言われる吐き気は感じることもなく、脱毛を最小限に食い止める対策もあるのです。

おかげで部分かつらのみで済みました。そんな副作用と仕事の日々を中心に、このたび私は朝湖ともこという筆名で『どうしよう? 私、がんになっちゃった』という本を電子出版いたしました。

傷ついた心を癒すには

なってしまったらどうするか、私の場合効果的だったのは、

1.普段から没頭できる趣味を持っておく
2.自分を病人と思わない
3.家族以外には内緒にして、できるかぎり平常通り働く

これらが、体以上に傷ついた心を支えてくれました。近年、がんを克服しての生存率は増加の傾向にあるそう。なので、がんにかかっても悲観的にならず、いつもどおり働きながら治療していきたいものです。

『どうしよう? 私、がんになっちゃった!』【Kindle版】
著者:朝湖ともこ
出版社:東洋出版
価格:267円

[資料参照:がん情報サービス]



( 2018/02/10 01:11 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

癌の初期症状?首筋や足の付け根にできるしこりの正体 

気になるしこりは癌の初期症状?

医師として仕事をしていると、診察室意外でもちょっとした健康上の相談をされることがよくあります。

その代表が、「先生、ここにしこりがあるように思うのですが、何でしょうか?」というもの。「ひょっとして、悪いできものでしょうか?」と不安げに聞いてこられます。

今回は、「もしかして癌の初期症状では……」と心配される人も多い、首筋やわきの下、足の付け根のしこりについて解説しましょう。

よくあるしこりはリンパ節の腫れ

日常生活の中で、ふとした時に触れるちょっとしたしこり。入浴中に体を洗っていて気づく人が多いようです。場所として多いのは、首筋や足の付け根。大きさは1~2cmのものが圧倒的に多いようです。

乳がんのセルフチェック法としても「しこり」の有無の確認が進められていますが、首筋や足の付け根にできるしこりの多くは、リンパ節が腫れているだけのものがほとんど。

「リンパ節」とは血液とともに全身を巡っているリンパ液の関所のようなところ。リンパ節そのものは全身にあるのですが、体表に近い部分にあるのが首筋や足の付け根なのです。

リンパ節が腫れても、通常は大きさも小さくほとんど触れませんが、これらの体表に近い部位のリンパ節が腫れると、首を傾けたり仰向けになったりしたときなどに触れやすくなります。

また、わきの下や顎の下側など、少し奥まったところのリンパ節の腫れに気づくケースもあるようで、「しこり=癌?」と心配される方も少なくありません。

リンパ節が腫れる原因

リンパ節は、もちろん癌との関連で腫れることもありますが、決して多くはありません。リンパ節の腫れの場合にまず考えられるのは、体内で起こっている炎症に対する私たちの体の正常な反応ということです。

リンパ液は、体内に菌が入ってきたときに免疫反応でこれらをやっつけるような働きをします。その結果炎症がおこります。

リンパ節はそのための司令塔的な役割も担いますが、活動しているときに腫れるので体表から触れるようになります。

風邪などでノドの粘膜が腫れている時には首筋のリンパ節が腫れますし、虫歯や歯周病で口の中に炎症が有るときには顎の下のリンパ節が腫れることがあります。また、足に怪我や炎症が有るときには足の付け根のリンパ節が腫れることがあります。

リンパ節の腫れの見分け方

リンパ節が腫れている場合には、私たちは「大きさの変化」と「硬さ」と「可動性」に着目して、悪性か心配ないものかを見分けます。

ただの炎症反応で腫れている場合は、炎症のピークを過ぎれば必ず小さくなっていきます。硬さは、比較的弾力性のある硬さで、外から触るとぐりぐり動くことが多いです。

逆に、大きさがだんだん大きくなっていく、弾力があまりない硬さである、そして外から触ってもあまり動かないという場合には、炎症以外の原因で腫れている場合もあり、その原因の一つとして癌も挙げられます。

また、同じ炎症でも、炎症の原因が癌にともなっておこる細菌感染などの場合もあることは、可能性としては考えておかなくてはなりません。

このように、リンパ節の腫れに気づいた場合でも基本的には心配することはありません。しかし、大きさが変わらない場合や硬さが気になる時には自己判断をせずに、一度医師の診察を受けることをお勧めします。




( 2018/02/10 01:10 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

もしかして「がん」? 医師が疑う初期症状とは 

■医師が「がん」を疑うのはどんなとき?

 私は現在、患者さんのご自宅や施設へ出向く訪問診療と、街のクリニックでの外来診療を行っています。大学病院や公立病院で外科医として勤務していた時と比べると、比較的高齢の患者さんが多く、また、病状も安定している方がほとんどです。

 「先生の顔を見ると、元気が出ます」という、医者冥利に尽きるような一言を聞くことは、医師を志した私の原点に響くことでもあり、外科医時代とはまた違った喜びがあります。

薬の内容も、それほど特殊なものは多くなく、ちょっとした世間話をして、体調をお尋ねし、血圧測定や聴診を行います。そして、前回の処方をチェックして、お薬を新しく処方するという、比較的穏やかな診療風景です。

 しかし、そんな穏やかな診療の中でも、「あれ?」と思うことがあります。詳しく調べてみて、がんが発見された方もいます。

つまり、特別専門的な検査をしなくても、「がんでは?」と思う症状があるのです。医師である私たちが、どんな点を日常的にチェックしているのかを、お話しましょう。

■体重減少

 がんを疑わせる症状の代表である、体重減少。もちろん、「最近、食事には気をつけています」「頑張って運動しているんです」「ダイエット中です」という場合は別です。

いつもと変わらない生活をしているのに体重が減っていく場合は、がんの可能性を考えたときに、少し気になる現象です。

 特に、1~2カ月で10~15%以上の体重減少(60kgの方の場合、6~9kg)が見られる場合は、やはり注意が必要です。洋服のサイズが合わなくなったり、ズボンやスカートがぶかぶかになるなどの自覚があり、周囲の方も気づくような状態になります。

 がんが体の中にあると、エネルギー消費の増加に加え、がんのできた部位によっては、食欲が低下することもあり、いつも通りの生活をしているつもりでも、体重が減少してしまうのです。

■便の異常

 日本では、消化器のがん、すなわち、胃がんや大腸がんが多いですが、これらのがんの症状の多くは、便の異常となって表れます。

□色調の異常

 これは、がんからの出血によるものですが、胃や十二指腸のがんでは、便は黒色に、大腸のがんでは、暗赤色から暗紫色になってきます。

肛門に近い直腸のがんでは、鮮血色の下血が見られることもありますが、これらは痔の症状として、見過ごされることもあります。もちろん、頻度としては痔が多いのですが、前述の体重減少の傾向がある場合は、詳しく調べる必要があります。

□便通の異常

 長引く下痢や、頑固な便秘といった便通異常は、大腸のがんに関する注意信号です。もちろん、下痢や便秘も一般的な症状です。しかし、通常の下痢止めや便秘薬が効かない、もしくは、下痢や便秘を繰り返すといった症状の場合には、やはり注意が必要です。

■進行する貧血

 何となく体がだるい、息切れがする、めまい・ふらつきがあるといった症状は、通常の肉体疲労や、がん以外の疾患でも見られる症状です。

貧血の症状としても多いです。ただし女性の場合は、多かれ少なかれ、貧血があることがほとんどなので、一回だけの血液検査や健康診断の結果だけで判断することはできません。

 重要なのは、進行する貧血です。たとえば生活習慣病でかかっている医療機関の3カ月ごとの血液検査で、ヘモグロビン値が、13mg/dlから、10mg/dlに下がるなど、7~8割以上の低下が見られる場合は要注意。

 出血の原因は、消化器系(胃がんや大腸がん)のこともあれば、泌尿器系(腎がんや膀胱がん)、婦人科系(子宮がんや卵巣がん)のこともあります。

 進行する貧血は、自覚症状のみではわかりづらいので、医療機関での血液検査が必要です。もし、貧血かな?と思っても自己判断せず、やはり採血して調べておくのがよいでしょう。

■虫の知らせも大切に 気になるときは健康診断・人間ドック

 最後に紹介するのは少し非科学的な内容になってしまうのですが、虫の知らせを大切にしている医師も多いと思います。「何となく気になる……」というケースで、調べてみたら早期のがんが見つかったというケースは、医師の多くが経験していることではないかと思います。

 これは患者さんも同じ。今回、ご説明したような症状に加え、ちょっと心配だなぁと思われたときには、会社や自治体の健康診断をきちんと受ける、また、場合によっては、人間ドックを受けてみるといった行動を起こすことも大切です。

 自己判断での心配しすぎもよくありませんが、何か気になることがあれば、まずは、お近くの内科の先生の診察をお受けになってみて下さいね。



( 2018/02/10 01:08 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)

「がんで死ぬのが最高の死にかた」なのはなぜか? パターナリズム医療の終焉 

 自分や家族に医療が必要になったとき、望ましい医療を受けるには、患者自身が賢くなるほかない。患者のニーズは多様になり、医師も多様化している。現役の医師であり、東京大学医科学研究所を経て医療ガバナンス研究所を主宰する上昌広氏は、著書『病院は東京から破綻する』で、終末期のニーズについて提言している。

 患者にも医療の知識が増え、自分で判断できることが増えてきました。特に終末期医療では、その傾向が強いように思います。

 どのような終末期を迎えるかは、先進国が抱える共通の課題です。

 2014年12月31日に英国医学誌(The BMJ)の元編集長であるリチャード・スミス氏が「がんで死ぬのが最高の死にかた」という文章を発表し、話題を集めました。BMJは世界的な医学雑誌で、その編集長であったスミス氏は、世界で最も影響力がある医師の一人です。

 スミス氏は自殺を除く死にかたを、突然死・がん・認知症・臓器不全に分類しました。最悪の死にかたと断じたのは「認知症を抱え、長い時間をかけてゆっくり死ぬ」ことです。

 日本でも同様に考える人が出始めています。当研究所に勤務する50代の女性は、独身で、80歳代の母親と二人住まいです。彼女は「今はがん検診を受けているが、母親を看取ったら止めるつもり」と言います。彼女はがんで死ぬメリットを「診断されてから死亡するまで時間的余裕があり、会うべき人に会い、遺言や遺産分けを準備することができる」と説明します。彼女にとって、がんは尊厳を維持しながら、一生を終える手段なのです。

 がんで死ぬことには問題もあります。それは痛みです。

 スミス氏への反論の大半は「膵臓がん患者の痛みに配慮したことはあるのか」など、痛みに関するものでした。

 日本はがんの疼痛対策後進国です。世界保健機関によると、日本は処方すべき医療用麻薬の約16%しか処方していません。多くのがん患者が痛みをこらえながら亡くなっているという状況は、早急に是正されるべきものです。

 どのような終末期を迎えるかは、どのように尊厳を持って生きるかです。医師が患者を導く「パターナリズム」の医療は終わり、患者中心の医療が求められています。医師には何ができるのか、我々医師も自らの価値観の変更が求められているのです。

※『病院は東京から破綻する』から抜粋




( 2018/02/09 14:03 ) Category ■がんへの備え・治療費など | トラックバック(-) | コメント(-)
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