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猫も高血圧は遺伝する? 猫の血圧の測り方は? 猫の血圧の疑問を獣医師に聞いた

人だけでなく、猫にもある高血圧症。年齢や肥満、猫種など、どのような特徴の猫がなりやすいのでしょうか? 今回はそんな高血圧症にまつわる疑問や、高血圧症の予防方法について、動物病院院長の野矢雅彦先生にお話を伺いました。

高血圧症になりやすい猫は?

    猫も高血圧は遺伝する? 猫の血圧の測り方は? 猫の血圧の疑問を獣医師に聞いた
猫も高血圧は遺伝する? 猫の血圧の測り方は? 猫の血圧の疑問を獣医師に聞いた© ねこのきもち

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Thomas Northcut/gettyimages

高血圧症は慢性腎臓病などが原因で発症することが多く、それと関連して10才以上のシニア猫は高血圧症になる確率が圧倒的に高い傾向に。

7才以上の猫も高血圧症の予備軍の可能性があるため気をつけましょう。

高血圧症は遺伝するの?

人にも親から子に遺伝する家族性の高血圧症があるように、猫の場合もその可能性はあると考えられます。

そのため、若い猫でも遺伝によって高血圧症になるおそれが。

なお、高血圧になりやすい猫種や性別は特定されていないものの、怒りやすい性格の猫は血圧が上がりやすい傾向にあります。

肥満の猫だと影響はあるの?

人や犬の場合だと、肥満による糖尿病が原因で高血圧症になることがあります。しかし猫の肥満の場合、糖尿病や高血圧の直接の原因にはならないというデータが。とはいえ猫の肥満はあらゆる病気のリスクにつながるため、気をつけてあげましょう。

血圧計は持っておくべき?

猫も高血圧は遺伝する? 猫の血圧の測り方は? 猫の血圧の疑問を獣医師に聞いた
猫も高血圧は遺伝する? 猫の血圧の測り方は? 猫の血圧の疑問を獣医師に聞いた© ねこのきもち

引用元:

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猫用の血圧計は高価ですが、自宅にあると朝と夜など決まった時間に計測できるため、猫の健康管理にもおすすめです。また、血圧計は動物病院で貸し出ししてくれる場合も。購入する場合は、かかりつけ医に相談してみてください。

猫の高血圧症を予防するためにできることは?

猫も高血圧は遺伝する? 猫の血圧の測り方は? 猫の血圧の疑問を獣医師に聞いた
猫も高血圧は遺伝する? 猫の血圧の測り方は? 猫の血圧の疑問を獣医師に聞いた© ねこのきもち

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rai/gettyimages

早期発見につなげるためにも、健康診断は定期的に受けましょう。その際に、健康診断の項目に血圧測定が含まれているかを確認し、ない場合は追加の依頼を。

定期的に猫の血圧を測っておくことで、血圧の変化に気づきやすくなり、高血圧症の早期発見に役立ちます。1才前後から血圧測定をして、血圧計に慣れさせておくといいでしょう。

猫のストレスをためない環境づくりを

ストレスも高血圧症を引き起こす要因になるため、猫にとってストレスフリーな環境づくりを心がけましょう。

複数飼いの場合は、個々が落ち着くスペースを各所につくり、広めのトイレを増やしましょう。水もこまめに取り換えるなどして、快適な生活環境を整えてください。

猫の食事管理に気を配ろう

高血圧症の予防には、塩分と脂肪分に気を配ることが大切です。そのため、人用の加工食品はNG。

基礎疾患がある場合は、獣医師と相談しながら食事内容を決めるなど、年齢や健康状態にあったフード選びを心がけて。

近年では血圧測定を実施する動物病院が増えてきています。愛猫の健康管理のためにも、飼い主さんは日ごろから猫の血圧を意識しておくといいでしょう。今回伺った内容も参考に、愛猫を高血圧症から守ってあげてくださいね。

お話を伺った先生/野矢雅彦先生(ノヤ動物病院院長)

参考/「ねこのきもち」2023年3月号『知られてないけど、じつは多い 猫の高血圧症って、どんな病気?』

文/田山郁

※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

じっと目を見つめながら犬の体をなでてはいけない…犬と接するプロが絶対にやらないこと

犬と接するときにはどんなことに気をつけるべきか。ドッグトレーナーの鹿野正顕さんは「とりわけ初対面の犬に対して、じっと凝視したり、いきなり体をさわったりするのは避けたほうがいい」という――。(第2回)
※写真はイメージです
※写真はイメージです© PRESIDENT Online

※本稿は、鹿野正顕『犬にウケる飼い方』(ワニブックスPLUS新書)の一部を再編集したものです。

散歩中のマーキングを好き放題させてはいけない

犬が他の個体と一定の距離を保とうとしたり、群れの中である定まった位置を占めようとする行動を「社会空間行動」といい、マーキング(匂い付け)はその行動の一つです。

マーキングは「ここは自分のなわばりだ」と主張する行動で、主に尿をかけて行います。この尿には、フェロモンや種・性別・発情状態など個体ごとの識別情報が含まれているとされます。

マーキングはオスに顕著にみられ(頻度はメスの約30倍)、性成熟の度合いによって頻度も高まります。ちなみに、電柱や街路樹などに片足を上げてなるべく高い位置に尿をかけようとするのは、自分の存在を少しでも大きく見せようとするため。「大きくて強い犬のなわばりだぞ」とアピールしているつもりなのです。

メスの場合は発情時にマーキングの頻度が増えます。いずれも去勢・避妊手術によってマーキングの頻度を減らすことができますが、完全にしなくなるわけではありません。

マーキングはほとんどが屋外でみられますが、室内でも、新しい家具を入れたり、他の動物を飼い始めたりすると、さかんにマーキングを行うことがあります。

ところで、一般の飼い主さんには、「犬の散歩中のマーキングは当たり前でしょ」という思い込みがあるようで、電柱や樹木への匂い嗅ぎとマーキングを、愛犬に好き放題にやらせている例が目立ちます。

しかし、公共の(とくに都市部での)マナーを考えると、匂いの強い尿をそこら中にかけて歩いていいはずがありません。マーキング後にペットボトルの水をかける程度では、匂いはほとんど消えません。

また都市部では同じエリアを多数の犬が散歩することが多く、匂い嗅ぎとマーキングが放置されてしまうと、“なわばりの主張しあい”でますますマーキングの度合いが増えたり、犬によっては散歩がストレスになってしまうケースもあるのです。

排泄はなるべく散歩前に済ませておき、散歩ではリードの操作で「匂い嗅ぎをさせ続けない」「マーキングを自由にさせない」などの管理をしながら、習慣化させないようにしましょう。

「奪われる」ことを犬は本能的に恐れる

野生の動物には、自分の獲物(食べ物)や交尾の相手、休息場所を獲得するための争いや、それを守るための行動がみられます。“生きていくための資源”を奪われないように、いざとなれば体を張って争う習性があるわけです。

そうしたさまざまな原因によって他の個体と争うことを「敵対行動」といい、威嚇、逃避、服従、攻撃といった行動が含まれます。

威嚇では、口を開き牙をむく、毛を逆立てる、相手をにらみつける、低い声で唸るなどの行動がみられます。

逃避は争いに至る前に相手から遠ざかり逃げること。

服従は、しっぽを股の間にはさんでその場で体を低くしたり(降参のポーズ)、寝転がってお腹を見せるなど、戦う意志のないことをポーズで相手に示します。

攻撃は実際には最後の手段で、犬同士の場合、一方の威嚇に対して他方が降参や服従の姿勢をとれば、それ以上の争いには発展しないのが普通です。

人に飼われる犬も、「奪われる」とか、居場所が「侵害される」という恐れを感じると、人に対して敵対行動をとることがあります。よくみられるのが、食事中に邪魔されたときや、お気に入りのおもちゃを取り上げられたとき、いつもの休息場所を誰かに占拠されそうになったときなどです。

犬は「奪われる」ことを本能的に恐れ、「なぜそんなことで?」と思うほど些細なことにも反応することがあります。たとえば、食事中にちょっと食器を動かそうとしただけなのに、愛犬に唸り声を上げられてびっくりした、という経験のある方もいるでしょう。

犬を飼う上で絶対にやってはいけないこと

敵対行動を招くのは、人が「食事や休息を邪魔しない」という原則を忘れて不適切な行為をしたり、何かを無理強いして犬に恐怖感を与えてしまった場合が多いです。

首輪を持って強引に引っ張ったり、体罰的な行為をしてしまうと、犬は恐怖から自己防衛の行動をとります。ふだんの管理としては、次のことに注意しましょう。

日常の管理の注意点

・食事中や休息中はいっさい干渉しないこと

・休息場所は人が邪魔しない専用の場所にすること

・食べ物をごほうびとして、手から食べ物を与えることに慣らすこと

・おもちゃやコング類を無理に取り上げないこと

・ふだんからスキンシップを多くし、体をさわられることに慣らすこと

・体罰や無理な拘束(強引に捕まえるなど)は絶対にしないこと

顔なめは習慣にしないほうがいい

犬が初めて別の個体と出会うと、視覚・嗅覚・聴覚をフルに使って相手が何者かを知ろうとします。挨拶の前段階として、相手がどんな個体か確認しあう行動を「社会探査行動」といいます。

危険はなさそうだと判断すると、接近し、互いを確認しあうためにまず匂いを嗅ぎあいます。初めはやや緊張したまま耳や鼻の匂いを嗅ぎあうことが多いです。鼻と鼻がくっつくようにすると、いわば「こんにちは」の挨拶が成立しますが、まだ緊張が抜けないので背中の毛が逆立ってしまう犬もいます。

相性が悪い犬同士では、目線を合わせただけで威嚇しあったり、最初の匂い嗅ぎのときに喧嘩腰になってしまうことがあります。

相性がよい場合は、目線や顔をそらすことで敵意がないことを相手に知らせ、さらに発展すると、お互いの陰部や肛門の匂いを嗅ぎあいながらぐるぐると回り始めます。陰部や肛門には臭腺が集中し、犬ごとに匂いは異なるため、相手がどんな犬なのかを知るにはお尻周辺の匂いを嗅ぐのがいちばんいいのです。

ひと通り互いの情報交換がすむと、遊びに誘う姿勢(上体を下げて腰を上げ、しっぽをさかんに振る)をとり、早速遊び始めることもあります。

犬同士が親しみあう行動は「親和行動」といい、互いに匂いを嗅ぎあったり、舌でグルーミングをしあったり、じゃれあうという行為がみられます。

もちろん飼い主に対しても積極的にみられ、体ごとじゃれついてきたり、飼い主の手や顔をペロペロなめるといった行動があります。

顔をなめるのはまさに親愛の行為なのですが、人の口までなめることが多いので、これは衛生面を考えると習慣にさせないほうがいいでしょう。

子育て中の母犬は、子犬が生後2〜3週齢になると、未消化の食事を吐き戻して離乳食として子犬に与えます。子犬はお腹が減ると、母犬の口元をさかんになめておねだりをするようになります。この行動が成長してからも残り、仲のいい犬や人への挨拶行動として顔や口をなめるようになるのです。

いきなり犬の体をなでてはいけない

初めて出会う人に対しても、犬は匂いを嗅いで確認します。

初対面でいきなり「かわいいねー」と犬の体をなでようとする人がいますが、これは禁物です。まず犬と対面したら姿勢を低くして、手の甲を下方に軽く差し出して、犬が匂いをチェックできるようにしてあげましょう。

飼い犬でも、すべての犬が人懐こいわけではないし、知らない人に体をさわられることに恐怖を覚える犬もいます。急に顔の前に手を突き出してしまうと、反射的にガブリとやられてしまうこともあるので注意が必要です。

散歩中などの初めての出会いという前提で、「愛犬と他の犬との挨拶」「愛犬と初対面の人との挨拶」「初対面の犬とあなたの挨拶」に分けて、対面時の一般的な注意点をあげておきます。

愛犬が他の犬と挨拶するとき

・必ず飼い主さんに挨拶の許可をとる

・リードから手を離さず、ゆっくり相手の犬に接近させる

・挨拶する間、犬の反応から目を離さない。威嚇や攻撃の気配・恐れやストレス反応が見えたらすぐリードを引いて相手から離し、落ち着かせる

・相手の犬が苦手そうな反応をしたり、相性の悪さが見てとれるときは、すぐ挨拶をやめて離れる

愛犬が初対面の人と挨拶するとき

・愛犬が人好きな場合、飛びつかせないようリードをしっかり持つ

・愛犬が人見知りしたり他人が苦手な場合、無理に挨拶はさせない。ごほうびのおやつをあげてもらうなどして、愛犬をまず安心させて様子を見る

あなたが初対面の犬に挨拶するとき

・必ず飼い主さんに挨拶の許可をとる

・犬の正面から急に近づかない

・犬の目を覗き込まない・目をじっと見ない

・低い姿勢でまず手の甲の匂いを嗅がせる

・急にさわらない・無理にさわらない

動物というのは凝視されるのが苦手で、じっと見つめ返してくるのは「敵対」と受け取ります。初めて犬と会うときは、目を凝視せず、目線はそらして接近するのが基本。あなたに安心感を持つようになれば、犬のほうからあなたの目を見てくるようになります。

挨拶前の「ひと言確認」が大事

愛犬には、犬に対しても人に対してもすぐ無防備に近づくのではなく、飼い主の指示で挨拶できるように練習させましょう。

人好きな犬の場合は、いちいち挨拶をしないで、そのまますれ違うこともできるように練習しましょう。いずれも、実地に何度か対面・挨拶の場を経験させながら、練習を重ねていくことが必要です。

「うちの犬は誰とでもフレンドリーなので、好きにさせている」という飼い主さんもいますが、相手がいることなので、あなたの愛犬がどのような受け止め方をされるかわかりません。挨拶前の「ひと言確認」は忘れないようにしてください。

都会の飼い主たちはまだ管理が足りない

街中での犬の散歩の様子を見ていて、よく感じるのは、飼い主さんにはしつけ以前の「管理」の意識をもっと高めてほしいということです。

たとえば、リードの持ち方。他にも歩行者がいるような公共の場所では、散歩中はリードを短く持つのが基本です。最近は伸縮式(フレキシブル)リードを利用する人が増えていますが、街中でもこれを長く伸ばして平気で犬を歩かせている人がいます。街路樹にマーキングしたり、植え込みに入って行ったりしてもそのままにさせています。

犬にとっては好きなように歩けるので気分がいいでしょう。でもこれでは、「飼い主の管理意識が低すぎる」と僕は思うのです。伸縮式のリードは、公共の場所では短くロックしておき、広くて誰もいない場所に来たらリードを伸ばしてあげる。それが正しい使い方です。

街中では、急に前方から大きな犬が道を曲がってやって来たり、愛犬がお年寄りに近づいていき、驚いたお年寄りが転んでケガをしてしまう可能性だってあります。公共の場では、人は犬をきちんと管理する責任があり、これはしつけ以前の問題なのです。

自分が見てきた限りでは、都会の飼い主さんたちはまだまだその意識が低く、愛犬の勝手なふるまいを容認しすぎる傾向があると感じます。

「いや、自分はなるべく犬にのびのび散歩させたいので、リードは短くしたくない」という方は、都会での飼育はやめて、広々とした郊外の、誰も住んでいないような土地で犬を飼うべきなのです。またこういう方に限って、散歩中の愛犬のおしっこやうんちの始末もおろそかだったりするのです。

「犬がやることだから大目に見てよ」は許されない

犬は行動のよしあしを自分では判断できませんから、求められるのは「人間のモラル」なのです。

何か他人に迷惑がかかるような問題が起きたとき、飼い主が「犬がやることだから大目に見てやってよ」などと言うのは、非常にずるい言い訳だし、社会で犬を飼うことの認識が甘すぎると思います。

犬好きの飼い主さん同士でも、何かあったときは「犬が悪いのではなく、飼い主のあなたの責任ですよ」とはっきり伝えることが大事です。

---------- 鹿野 正顕(しかの・まさあき) ドッグトレーナー、スタディ・ドッグ・スクール代表 1977年、千葉県生まれ。麻布大学入学後、主に犬の問題行動やトレーニング方法を研究。「人と犬の関係学」の分野で日本初の博士号を取得する。卒業後、人と動物のより良い共生を目指す専門家、ドッグトレーナーの育成を目指し、株式会社Animal Life Solutionsを設立。2009年には世界的なドッグトレーナーの資格であるCPDT-KAを取得。日本ペットドッグトレーナーズ協会理事長、動物介在教育療法学会理事も務める。プロのドッグトレーナーが教えを乞う「犬の行動学のスペシャリスト」として、メディアでも活躍中。

魚を丸ごと猫に与えるのはNGだった 注意喚起の投稿が話題、獣医師が明かすリスク

釣った魚を野良猫に与える動画にリプライを送る形で注意喚起

「猫に魚上げるときはなるべく処理したものをあげてくれぇ!」。SNS上で、野良猫に釣った魚を与える行為への注意喚起の投稿が話題を呼んでいる。なぜ釣った魚を猫に与えてはいけないのか。日本獣医師会に見解を聞いた。

話題の投稿は、釣った魚を野良猫に与える動画にリプライを送る形で、「ほんまごめんなさい!めちゃくちゃ優しいし動画もかわいい!けど猫に魚上げるときはなるべく処理したものをあげてくれぇ!

骨で体内を傷つけちゃったり、寄生虫がいる可能性があるから!猫好きとして頼むぅ!ほんとにごめんなさいかわいい!」とその危険性を説明。

この投稿には「知らなかったよ! 優しいし猫可愛いしありがとうー!」「誰も傷つけない素晴らしいリプありがとう」「なるほど、捌いた魚をあげる方が、より猫にやさしい…」と好意的な反応が多く寄せられている。

投稿者はENCOUNTの取材に「猫の食事は、人のように歯ですり潰すようにものを食べるという方法ではなく、小さく噛みちぎってから飲み込むという方法です、肉食動物はだいたいこれです。なので、小骨などをそのまま飲み込んでしまうことがあります。その小骨で喉や内蔵を傷つけてしまう可能性があります。あ

と、釣ったばかりの処理をしていない魚には当然寄生虫がいる可能性がありますので、これも害になります」と魚を丸ごと与える危険性について説明。「釣ったばかりの魚、正確には処理を施していない魚をあげるのは、猫を傷つけてしまう可能性があるので、できればあげないほうがいいですね」と見解を語った。

日本獣医師会小動物臨床担当理事の大林清幸医師も「骨がついたままの魚だと喉をけがする可能性は当然あります。昔みたいにペットフードがなかった時代は、よく骨を引っかけて病院に連れてくる飼い主さんもいた。

今の猫は食べ慣れてないのでなおさらでしょう。漁港に居ついている野良猫は慣れてるかもしれませんが、なるべく与えないに越したことはないでしょう」と解説する。

国民的アニメの主題歌でも歌われているように「猫に魚」は一般的なイメージだが、処理されていないものをむやみやたらと与えるのは控えたほうが良さそうだ。ENCOUNT編集部

イヌは人間の言葉を理解している?

犬の情報サイト『INUNABI(いぬなび)』が全国の10~60代の犬の飼い主さん672人に犬が苦手な言葉を調査したところ

【犬が嫌いな言葉ランキング】
1位 お風呂
2位 病院・先生・お医者さん
3位 お散歩
3位 ハウス・ケージ
5位 シャンプー
5位 歯磨き

という結果であったそうな。

犬は人間が話す単語をある程度わかるといわれている。その数およそ300語。なんだ300語と思うなかれ。『海外ドラマはたった350の単語でできている』(Cozy著 西東社)によると、海外ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』全94話の全台詞のうち、約 80%がわずか350語であったというのだ。

もちろん犬と人間とは大脳の違いがあり、どこまで理解できているかは不明だが、人間の会話の内、約80%が350の単語でかわされているとすれば、犬もかなりの部分、人間がしゃべる言葉がわかっているのかもしれない。

犬は約1万5千年前から人間との付き合いがあるようだが、人間と付き合うようになって、他の動物、例えば犬の祖先である狼との違いは「ワンワン」と吠えることや、目に黒目と白目があることがあげられる。

犬は人間とコミュニケーションをとるために吠えるのだ。犬を飼っている人なら、その鳴き声で犬の伝えたいことがわかると思う。また、白目と黒目だが、人間に近いチンパンジーに白目はない。人間は人間同士がアイ・コンタクトをするために白目を持つようになった。

白目と黒目があるのは人間だけと言われるが、犬にもわずかに白目が見えて、その豊かな表情から人間とアイ・コンタクトを取り合っている。

おそらく犬は人間の言葉をかなり理解しているのだろう。犬好きの人も、犬の鳴き声や表情から、気持ちを読み取ることができる。これはもう会話をしているのに等しいのではないだろうか?

プロフィール おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

犬を飼うと介護リスク半減、一方で猫は… 日本の高齢者1万人調査

ひろゆきが断言「この世からペットショップが消えたほうがいい」そのワケとは?

現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。

彼の代表作『1%の努力』では、「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、思考の原点をマジメに語っている。この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

そのペットはどこから来たの?

 みなさんはペットを飼っているでしょうか。

 そのペットは、どこからやってきたペットでしょうか。

 最初に僕の考えを述べておくと、ペットショップで犬や猫を売っていることは「反対」の立場です。それについて述べていきましょう。

果たして生き物は「商品」なのか?

 もちろん、ペットショップで購入して、ちゃんと立派に育てている人もいるでしょう。

 ただ、現実には、あまりに無責任な飼い主が多すぎるのと、ペットショップという仕組みで動物を売っている限り、「大人になったら商品価値がなくなる」ということは避けられないのです。

 子犬や子猫であれば、商品価値が高い状態で売れるのですが、歳をとると売れなくなってしまい、業者が引き取って狭いところに閉じ込められて病気になって死んでしまうのです。

 それでも、ペットショップは存在したほうがいいと思いますかね?

 僕は、無くなったほうがいいと思っていますし、法律で制限したほうがいいと考えています。それくらいの力で押さえつけないと、人はモラルで商売はやめられません。

「人間の都合」で捨てられる動物たち

 今のペットショップって、歓楽街とか商業施設の中にあることがほとんどです。

 酔った勢いとか、買い物のついでとかに、「わ~、かわいい~」とか言って衝動買いさせる店が多いんですよね。

 そうやって衝動買いしたペットは、時間がたてば、「飽きた」とか「かわいくなくなった」とか、人間の都合によって捨てられたりします。よくあるのは、引っ越しによって「ペット不可」のマンションに移るような場合です。

 ちゃんと新しい飼い主が現れればいいのですが、街中に捨てられるペットも少なくありません。

 そうやって捨てちゃうと、処罰の対象になるのですが、ほとんどは元の飼い主が見つかることは難しいようです。

「大切な人」から譲ってもらおう

 ということで、そもそもペットを飼いたいのなら、身近な友人や知り合いのペットから生まれた子犬や子猫を譲ってもらったり、ブリーダーから手に入れるようにすべきだと思います。

 そうすることで、簡単に捨ててしまうことの抑止力になりますし、大事に育てられるかどうかを見極めてもらえる確率が高まります。

 つい、身近にペットショップがあると、そこから手軽に買うことが当たり前のように思うかもしれませんが、あらためて常識が間違っていないかどうか考えたほうがいいのではないでしょうか。

ひろゆき

本名:西村博之

1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。著書に、44万部を突破したベストセラー『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。

意外と猫は身体が冷えている。「猫の体を温める」冷え取りマッサージ

猫の体はどこが冷えやすいの?

冷えとりマッサージの前にすべき事前準備

お腹を温めるマッサージ

腰~しっぽを温めるマッサージ

顔を温めるマッサージ

足を温めるマッサージ

「犬は犬好きの人がわかる」ってホント?わんちゃんの特性を徹底調査

犬は犬好きの人を見分けることができるらしい…!気になるわんちゃんの特性を徹底調査

道でわんちゃんに会うと思わず話しかけたくなりますよね! でもわんちゃんにたいしてもしっかりとしたマナーを守った上で接しないと嫌われてしまうかもしれません。そこで今回は、前回に引き続き、株式会社PLAN-Bが全国の犬の飼い主384人を対象に行った「愛犬の他人に対する態度」に関する調査結果をもとに、わんちゃんの特性を見ていきましょう!

わんちゃんは「犬が好きな人」がわかっているって本当?

わかると思う…76.5%

わからないと思う…23.5%

愛犬がわんちゃんを好きな人が「わかると思う」と回答した飼い主さんは76.5%でした。

以前からわんちゃんは「犬好きさんがわかる」と言われており、接し方で判断していると考えられています。しかし、初対面であっても接する前からわんちゃん自らが犬好きさんに近寄って行くこともあり、接し方だけではない「何か」があるのかもしれません。実際に、今回のアンケートでは愛犬は犬好きさんが「わかると思う」と回答した飼い主さんが7割以上という結果にっていますが、どうしてそう思ったのでしょうか。

■「わかると思う」と回答した飼い主のコメント
「少しオドオドしてる人には積極的に行こうとしないので、ちゃんとわかるんだなぁと思います」女性 / 20代(シーズー♀2歳)
「年数回 自宅でSHOPを開きます。犬も看板犬として居ます。犬が苦手そうなお客が来ると、何も言わなくても 近付いて行かないので」女性 / 50代(MIX犬♀15歳)
「犬が自分から寄っていくのは、聞くと犬を飼っている人か飼っていた人」男性 / 60代(ビーグル♂16歳)

「わかると思う」と回答した飼い主さんのコメントでは「犬好きさんは接し方をわかっているから」といったコメントも見られましたが、「一瞬で察知している」「勘が働く」と接する前からわんちゃんが見分けていると感じているようです。

■「わからないと思う」と回答した飼い主のコメント
「犬嫌いという態度をとれば分かると思うが、普通にしていると、自分から近寄って行ってしまう」女性 / 30代(パピヨン♂13歳)
「散歩中でも女性が近くを通ったら、なりふり構わずついていこうとするから」女性 / 20代(Mダックス♂不明)

「『自分(犬)に向かって歩いてくる人は全員、好意的に挨拶をしてくれる』と思い込んでいて、犬みずから尻尾を振って近づこうとするのですが、単にあちら(人)の進行方向だっただけで犬には用はなかった、というパターンが複数回ありました。なので犬好きかどうかは分かっていないと思います」女性 / 40代(ジャックラッセル♀4歳)

「わからないと思う」と回答した飼い主さんの多くが、「誰にでもしっぽを振って寄って行く」「いつもと態度が変わらない」とコメントしていました。わんちゃんによっては、犬好きさんであろうがなかろうが関係ないのかもしれません。

自分は愛犬の中で何番目だと思う?

■愛犬の中で自分は何番目だと思う?

・もちろん1番:41.8%(158人)

・2番目あたり:29.4%(111人)

・3番目あたり:14.3%(54人)

・1番であってほしいがおそらく違うと思う:10.1%(38人)

・1番下:4.5%(17人)

愛犬の中での自分の順番の最も多い回答は「もちろん1番」41.8%でした。わんちゃんの序列に関しては専門家の間でも「順位付けはない」「順位付けはある」と二分化しており、それぞれ研究もされていますがどちらが正しいのかは現在も解明されていません。

しかし、わんちゃん自身が「上」や家族の誰かを「リーダー」と思って行動することはないという見解は一致しており、家族の中で役割ごとの「位置付け」をしていると考えられています。
飼い主にしてみれば、愛犬にとって「自分が1番の存在」であってほしいと思う気持ちはやまやまですが、6割近い飼い主さんは自分が1番ではないと感じているようです。どうしてそう思ったのでしょうか。

■「もちろん自分が1番」と回答した飼い主のコメント

「ちょっと見えないところにいくと不安になるのか家中探し回る。私以外の人とは散歩に行きたがらない」女性 / 30代(MIX犬♀8歳)
「お世話の大半を私がしているから。信頼されていると感じます」女性 / 30代(ミニピン♀8歳)

確かに一番近くにいる時間が長いからこそ、少し離れるだけで追いかけてきてくれたり、出かけるとき寂しそうにしていたりすると、1番って感じますよね!

■「2番目あたり」と回答した飼い主のコメント

「好きな順番ということなら夫が1番、私は2番です。帰宅時のはしゃぎ方が、夫の時と私では夫の方がテンション高いので。序列のことなら、犬は家族を序列で見たりはしないので、どの選択肢も当てはまりません」女性 / 40代(ジャックラッセル♀4歳)

「母の言うことは比較的よく聞く。散歩に行くときも母がいないと家の方を何度も振り返ったり、立ち止まったりする。母が出かけると玄関で悲しそうに鳴き、帰ってくる時は玄関で出迎える。私の時はここまではしてくれない」女性 / 20代(Mダックス♂14歳)

いうことを聞く度合いや、帰宅時の反応などで2番目ぐらいと感じている方が多いようです。

■「3番目あたり」と回答した飼い主のコメント

「2番辺りに愛犬自身が入っていそうだからです」女性 / 30代(シェルティ♂15歳)
「母と姉には私よりしっぽをふりふりして喜んでいると思います。大差はないですが微妙に違います」女性 / 30代(柴犬♂11歳)

■「1番下」と回答した飼い主のコメント

「帰宅した時の反応の差が明らかに違うためです。家の中で一番好きな父に対しては寄り添い鳴きわめきますが、私が帰宅すると出迎えだけしてどこかに行ってしまうので」女性 / 20代(チワワ♀11歳)
「愛犬が座っている人間用の座布団に座ろうとしたら怒られる」女性 / 20代(MIX犬♂16歳)

■「1番であってほしいがおそらく違うと思う」と回答した飼い主のコメント

「寝るときに自分のベッドに連れていったけど途中で抜け出して母親のベッドで寝出したから」男性 / 20代(パグ♀12歳)
「言葉のとおりです。自分では一番だと思っていますが家族からすると一番下らしい・・」女性 / 30代(ポメラニアン♀4歳)

わんちゃんにとって1番の存在でありたいと思っていても、わんちゃんが何を考え、どう思っているかは誰にもわかりません。それは人間にも言えることですが、わからないからこそ相手を思いやりいたわる気持ちが育まれるのかもしれませんね。

「分離不安」になる猫が増えている!? 気になる猫の様子や対処法

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手術に寄り添う“病院勤務犬”の意義 「癒すだけではない」犬が患者にもたらす力

病院で手術に寄り添う一匹の大きな犬。患者のベッドに横たわったり、一緒にリハビリする写真が投稿されると、「いてくれるだけで癒される、人間にはなかなかできない」、「家族から離れてさみしい患者さんの拠り所になるだろうな」と多くの反響が寄せられた。Twitterで話題を集めたのは、聖マリアンナ医科大学病院で“勤務犬”(※)として働くスタンダードプードルの“モリス”だ。動物介在療法を通し、医師や看護師と共に治療にあたる勤務犬。導入までの高い壁を乗り越え、モリスが患者たちに与える大きな影響と新たな可能性とは。

【画像】2歳男の子と病院勤務犬・ミカの出会い、手術室まで付き添い「ミカがいたから乗り越えられた」

■苦痛の緩和から、リハビリの手助けまで 病院内に広がる笑顔の素に

 「勤務犬のモリス、めちゃめちゃお利口さんで涙が出そうになる」というコメントと共に投稿された4枚の写真。手術前、麻酔が効くまで子どもに寄り添う写真に「看護師のプロのような顔つき」、「日本でももっと勤務犬が普及するといいな」などのコメントが寄せられた。同病院では、2015年から勤務犬を導入。初代の勤務犬“ミカ”を経て、現在はミカの甥っ子にあたるスタンダードプードルの“モリス”が働いている。

「癒しを与えるだけではなく、動物介在療法を行っている犬なので、担当の医師や看護師さんからのご依頼を受けて、目的に合わせて勤務を決めています。なかなかリハビリが進まない患者様に意欲をつけていただいたり、もう治療ができないと言われた癌の患者様が苦痛と闘われるなか寄り添ったりと、様々な活動を行っています」(ハンドラー・竹田志津代さん)

 モリスが寄り添うことで実際にリハビリ室まで歩いて行けるようになったり、辛い苦痛と闘う患者がモリスといる時だけはリラックスできたりと大きな効果が。いつでも誰にでも素の姿を見せてくれるモリスの姿に、気分が落ちこみがちな患者から「自分も気を許してもいいんだと思えて楽になった」との声も多いと言う。医師と同じように頭に手術帽を被ったモリスの写真には、「毛はそこだけじゃないけど(笑)」、「思わず笑ってしまった」とのコメントが相次いだが、これも理由があってのこと。

「手術前のお子さんはやはりとても不安で、泣き出しそうな顔で向かうんです。そういう時に『モリスも一緒に頑張るよ!』って手術帽を被せると、その姿に思わず笑顔になってくれる。確かに実際には意味がないのですが、落ち込んだ気持ちをリセットするワンステップになっています」(ハンドラー・大泉奈々さん)

 元々は週に2回、患者一人につき30~40分ぐらいの時間をかけて活動を行っていたが、コロナ禍で勤務体制が変化。緊急事態宣言下は活動を中止し、現在は週1回に絞って感染予防を徹底している。

「介入が終わったらモリスを全身拭いて乾かし、ブラシをかけて十分な休憩を取ってから次の患者様へ向かいます。患者様にも手洗い消毒をしていただき、様々な方が訪れる外来との接触を避けるなど、感染予防にはかなり気を付けています。」(竹田さん)

 看護師兼モリスのリードを握るハンドラーの竹田さんと大泉さんも、もともとは交代で担当していたが、現在は常に二人体制での勤務に。ひとりがリードを握り、ひとりは他との接触がないよう声がけを担当するなど、感染予防対策を行い活動中だ。

■「犬は清潔ではない」という誤解 手術室でもチームの一員として見守る
 同病院が勤務犬を導入したきっかけは、2012年まで遡る。小児科に入院していた一人の女の子が、当時他の病院で勤務していた犬に、「会いに来て欲しい」と手紙を書いたことが始まりだった。実際にその犬の来訪が実現すると、女の子はもちろん、他の患者も喜び大きな笑顔の輪が広がったことから、本格的な導入を検討することに。しかし、その道のりは険しく困難なものだった。

「まずは、盲導犬協会と介助犬協会の協力を経て、毎月2頭ずつ来ていただいて病院内に犬のいる風景を作りました。その中にいたのが、初代勤務犬となったスタンダードプードルの“ミカ”です」(初代ハンドラー・佐野政子さん)

 何十人もの患者がいる中、自ら一人一人にあいさつに回るほど人が大好きなミカ。その姿を見て、佐野さんはミカの適性を確信したという。

「ミカはセラピー性をかわれて、スウェーデンから日本に譲渡された犬でした。プードルは毛が抜けず、匂いが少ないのが特徴。大型犬で頭がいいのに加え、ミカの性格は勤務犬に向いていると思いました」(佐野さん)

 勤務犬は訓練をしていい犬になるわけではないと言う。リードを引っぱって何かを指示するのではなく、楽しい遊びの延長線上で褒めて育てる。人間の言葉を理解できる力と、人が好きという性格を合わせ持つことが条件となるのだ。現在働くモリスも、患者の元にいる際「じっとしていなさい」などの指示はひと言も出さないそう。犬が患者を見て、自分で考えて近づいていくのをハンドラーが見守り、双方に危険がないようにサポートする形だ。

 適正の合ったミカを勤務犬として導入するため、感染予防などの安全対策や職員からの署名、ハンドラーの育成、資金面など2年以上をかけて準備。すべての条件をクリアし、2015年に初代勤務犬・ミカが誕生した。

「免疫が弱っていると感染するのではという声も多く、最初は限られた病棟にしか入れませんでした。実際には衛生面では問題がなく、口コミで効果が広がり、今では31の全診療科に加え手術室でもチームの一員として活躍しています」(佐野さん)

 当初懸念されたように「犬は清潔ではない」という感覚は、医療現場でも根強く残っているそうだ。しかし、定期的に抜き打ちで検査されるミカの身体は、毎回基準値をクリア。勤務中のスタッフより清潔な数値が出ると言う。動物アレルギーや犬が苦手な人には接触しないよう導線経路も徹底し、導入から現在まで事故や苦情は1件も起きていない。

■麻酔がかかるまで「ずっと側にいてね」度重なる手術をミカと乗り越えた男の子 保護者が流した涙
 初代勤務犬・ミカのハンドラーである佐野さんには、4歳の時に気管の病気と闘っていた男の子との忘れられないエピソードがある。

「毎月手術をしなければいけない状況でしたが、自我が芽生え始めた4歳の子にとってはどうしたって怖いし、痛いし、辛い。毎回、手術室に連れて行くのに大泣きだったのですが、『ミカを手術室まで連れて行ってね』とお願いすると、自分から向かってくれるようになったんです。“僕はお兄ちゃんなんだ”という感情が芽生え、手術は怖いけどミカとなら、と前向きになってくれた。自立性を高める勤務犬の本来の活動目的と一致した形です」

 麻酔がかかるまで「ずっと側にいてね」とリードを離さなかったという男の子。目が覚めた時もミカが寄り添い、痛みと熱でうなされている時も側にいて見守った。それまで手術の度に苦しむ我が子を見て「もう辛くて手術を受けさせたくない」とまで思い悩んだ親御さんも、「命が助かったのはミカがいてくれたおかげ」と涙を流したそうだ。治療を乗り越え、男の子は9歳に。今はもう引退したミカとこの4月に再会。男の子の姿を見ると尻尾を振りながら近づいて行ったミカ。時が流れても、ミカとの友情は続いている。

 人が大好きで穏やかな性格のミカは、産婦人科からの依頼も多かった。出産にも立ち会い、新生児室でも人気者だった。

「切迫早産でベッドから降りられず不安な妊婦さんや、新生児室で泣いている赤ちゃんに寄り添うことも多かったですね。赤ちゃんは温かさを感じたり、心臓の音を聴くとリラックスできるので、ミカのお腹に寄りかからせると泣き止むんです」(佐野さん)

■3代目育成も視野に「今後も取り組みを継続していくことが大切」
 勤務犬の導入により、患者やその家族だけでなく職員にも笑顔が。ミカを通してみんなが笑顔になれる輪が広がったことも、導入してよかったことの一つだ。3年の勤務を経て、2018年12月に8歳になったミカは引退。現在はハンドラーの佐野さんと暮らしている。ミカの後を引き継いだのは、モリス。ミカ同様、人が大好きで、一度会った人の顔は忘れないという。

「十分な散歩やブラッシングなど身体のケアをすることで信頼を深め、日頃からストレスをかけないように気を付けています。病院の先生方やスタッフともコミュニケーションを取っているので、モリスにとって病院は友だちがたくさんいる楽しい場所。病院に来ることがストレスにならないようにも心がけています」(竹田さん)
 
 現在は、モリスに続く3代目の育成も視野に入れ活動中。「今後も取り組みを継続していくことが大切」だと学長の北川博昭氏は語る。

「目指したのは、看護師にハンドラーをやってもらい、一体となって患者様を診ながら治療に結び付けていくこと。ビジネスとして、犬を5匹入れて、ハンドラーを5人つけるということではダメなんです。犬もハンドラーもきちんと育成して、治療に結びつけた介在療法をやっていきたいと考えています」

 同病院でのハンドラーの条件は、看護師経験5年以上で、同病院での勤務経験1年以上。通常の看護師業務を行いながらハンドラーになるため、負担がかかりすぎないようサポートしている状況だ。資金面でも苦労はあるが、本を出版したりぬいぐるみを作ったりと、様々なアプローチで継続のために奔走している。また、他院からも「見学させてほしい」との依頼も後を絶たず受け入れているそうだが、導入報告はまだない。それだけ、ハードルの高い取り組みであるということだ。

 最後に、日々モリスと共に患者に寄り添うハンドラーたちに、今思うことを聞いてみると、こんな答えが返ってきた。

「例えば交通外傷で手足を失って、ある日突然生活が一変された患者さんは、何もかも受け入れられずシャットアウトしてしまうことがあります。そんな時、何もなかったかのようにただ鼻を擦りつけて寄ってくるモリスを見て、今まで拒否していたものを自然と受け入れてくださることがあるんですよね。ここにだったら、自分の気持ちを見せていいんだと思っていただける。人間との関係ではできないことを可能にする場面に立ち会うと、いつも感動します」(大泉さん)

 生死の際で働く医療スタッフと共に、患者に寄り添う勤務犬。彼らが持つ力は計り知れないものがあり、今日もまた多くの人を助け、その心を救っている。
(取材・文/辻内史佳)

※勤務犬は、聖マリアンナ医科大学病院の登録商標

犬猫にマイクロチップ装着、日本の飼い主が抱く「体内に異物」への複雑な思い

2022年6月から、犬猫へのマイクロチップ装着が義務化されることをご存じだろうか。とは言ってもこれが販売業者の話で、一般の飼い主については努力義務。日本で犬猫へのマイクロチップ装着が標準化するためには何が必要か、猫好きの筆者が考えた。(フリーライター 武藤弘樹)

動物愛護法改正
ペットの取り扱いは向上するか
“ザル法”と悪評高かった動物愛護法が2019年に改正され、愛玩動物に対する取り組みが一歩前進した。改正法では虐待(ネグレクトなど)のあり方がより明確に定義され、これによって「これまで立件できなかったケースも立件できるようになる」とされている。

今、大きく注目されているのが「犬猫のマイクロチップ装着の義務化」で、施行が来年6月1日に決定した。義務を課されるのは販売業者で、一般の飼い主については「装着は努力義務」である。

そもそもマイクロチップとは、どのようなものなのか。これによって何が変わってどうなるのかについて、世間の反応に触れながら紹介していきたい。

マイクロチップとは何か
法改正で残る問題点
マイクロチップは長さ1センチ前後、直径約2ミリの細長いカプセルのような形状をしている。ここに15けたの固有の番号と、飼い主の情報が登録されていて、専用の読み取り機を使って情報を読み込むことができる。何割かの人が筆者と同様の思い違いをしているようだが、GPSのような機能は備わっていない。あくまで識別を助けるための電子タグであり、首輪につける名札の進化形がマイクロチップである。

これを専用の、少し針が太い注射器のような器具で犬や猫の首の後ろあたりに挿入する。施術は一瞬だが、飼い主の意向によっては麻酔を用いることもある。マイクロチップの表面は生体適合ガラスなどでできていて、投与後は皮下で定着するため健康面で問題はなく、また電磁波を発信する装置などでもない。

日本獣医師会によると、副作用についてショック症状などの報告はないとのことである。投与される個体への負担が少ないため、哺乳類、鳥類、爬虫(はちゅう)類、両生類、魚類などにも使用できる点も特徴のひとつであろう。

マイクロチップの寿命は約30年とされており、特に電池などを必要としてもいないため、犬や猫なら一度入れておけば生涯にわたって使用可能である。費用は個体の登録料と施術費用、合わせて約4000~7000円あたりが相場のようである。

販売業者にマイクロチップ装着が義務付けられたのは、主にペットの遺棄を減らすことが目的とされている。遺棄をする悪質な業者も、マイクロチップが入っていれば、そう悪さはできまい…というところだろう。

一方で、義務化によって起こりうるであろう問題もいくつか懸念されている。遺棄をするような悪質な業者は、そもそも義務化されてもマイクロチップを装着しないのではないか。海外では業者が皮下からチップを取り出す極めて悪質なケースもあった…などである。

法は万能ではないので、100%の環境を整えることはできない。当然抜け穴を狙う犯罪者は想定されるが、環境省の姿勢を見る限りでは今回の改正法も「これが結論!」というよりは、「随時アップデートしていく」と感じられるので、今後さらなる改正が施されると信じ、期待したいところである。

震災で高まった注目
先進国にどこまで追いつけるかが課題
マイクロチップへの注目がとみに高まってきたのは、東日本大震災以降であろう。

震災時に飼い主不明となって保護されたペットたちは、首輪などの所有者明示が行われていれば、比較的スムーズに飼い主との再会が果たせただろう。所有者明示がマイクロチップによって行われていれば脱落して失われる心配はゼロに近く、急な災害時に離れ離れになってしまっても心強い味方となってくれる。

諸外国ではペットに対するマイクロチップ装着が普及していて、スイスやフランスでは装着が義務付けられている。アメリカのペット関連番組を見ていても、「マイクロチップの装着」が当たり前のように語られている。

日本は愛玩動物をケアする仕組み作りが諸外国に比べるとかなり遅れていて、国内のマイクロチップ装着頭数が年々増加してきているとはいえ、まだ十分な普及率に達しているとは言い難い。

これには飼い主の意識の問題が、大きくかかわっているようである。

根深い抵抗感、世論の動向がカギ
日本でもマイクロチップ装着の義務化が決定したと報じられたとき、ネットでは好意的な意見が多く見られた。ペット後進国の日本にとっては、ペット先進国に近づく大きな進展であるに違いないからである。

またそうした機会に発言するのは、一般人とはいえその分野において識者たる風格を備えた人たちであり、言葉にもなんとなく説得力がある。その一群が「是」として称賛しているのだから、国内でもマイクロチップ装着が一気に加速するであろうと思わされた。

しかし、飼い主を対象にしたいくつかのアンケートに目を通してみてわかったのだが、個々人はマイクロチップ装着にそこまで積極的ではない。過半数以上が「装着の予定なし」と答えている調査(参照)もあった。

筆者は猫を飼っているが、ネットに見られた「マイクロチップ義務化賛成」という称賛と、「装着の予定なし」という本音、この両者に見られる乖離に、実は心当たりがある。

やはり動物がより大切にされているペット先進国に憧れ、彼らの中で当たり前になっている「マイクロチップに抵抗なし」という価値観を自分のものにもしたいので、公には「マイクロチップっていいよね」と発言したいところなのだが、いざ自分の猫にマイクロチップを装着する決断ができるかというと、ためらってしまう。マイクロチップの安全性がどれだけうたわれていたとしても、「体内に異物を混入する」というその一事が築くハードルが高い。

うちの猫は一度致命的な脱走をしたことがある。

11月の、冷え込みが厳しくなってきた折、雨が降る中、家でぬくぬくすることしか知らなかった我が猫が、どこかでおびえ震えてうずくまっているのかと思うと、文字通り居ても立ってもいられず、猫探偵(猫捜しのプロ)に助言などを仰ぎながら、ほぼ不眠不休で24時間捜し回って、ようやく工事現場の片隅でうずくまっているところを見つけ、無事保護できた。

幸運であったというほかないが、猫を捜し回っていた時の耐えがたき心痛は、今でも鮮明に胸に思い描くことができる。筆者にとってそれほど痛烈な体験であった。もちろん、あのような出来事は全力で回避したい。

それから脱走しない設備の充実と、万一脱走したときのためにベランダ外出時は音が鳴って捜せる首輪を装着するようにした。マイクロチップにGPS機能が備わっているならぜひと考えたのだが、現時点でのテクノロジーではなかなか難しいらしい。では、迷子札をマイクロチップにして体内に注入するのはどうか…というところで、抵抗感から思考がストップしてしまう。

おそらく国内には筆者のような感じ方をしている人が多くいるはずである。「いいもので、問題ないとわかっているはずなのだが、導入に踏み切れない」という人たちである。

環境省が発表している資料に、平成26年度の調査なので少し古いものにはなるのだが、非常に興味深い点があった。神奈川県と香川県を対象に調査が行われたのだが、マイクロチップを装着していない理由について「マイクロチップを知らなかった」と回答した世帯が、神奈川県が9.4%に対して、香川県は46.2%にのぼったのである。

首都圏と地方でこれだけ大きな開きがある。ネット社会とはいえ住んでいる地域によって日常で触れる情報量に差がある、という実態を示した数字である。そして人の価値観は触れる情報によって日々アップデートされていくものである。

今回の動物愛護法の改正は、国内のペットにとって決してゴールではないが、国内のペットに対する意識を変革していくきっかけとして、大きな一歩となっていくことを期待させてくれるものであった。マイクロチップ装着に関しても、この改正法を機に知識や捉え方が進展して世論の流れができれば、おそらく筆者のような「今一歩踏み切れない人たち」が、ごく自然な心持ちでマイクロチップ装着を行うようになるのかもしれない。

犬は足音で飼い主の帰宅を察知できる? 犬が飼い主を見つけられる理由

犬が飼い主さんを見つけられる理由

犬は「飼い主さんの変化」にも気が付く

犬が飼い主さんの帰宅を察知できる理由

帰宅後にニオイを嗅ぐのにも理由がある

まだまだたくさん! 犬にはこんなスゴイ能力も

犬は表情筋が発達しているから「笑顔」になる

犬は一緒に暮らした飼い主さんのことは忘れない

犬は「イイコトが起こりそうな言葉」をすぐに覚える

犬は優れた感覚器官をもつ

横浜アミメニシキヘビ脱走騒動で飼い主は処罰される? 消防だけで433人出動

横浜市戸塚区のアパートで飼育されていたアミメニシキヘビが逃走してから11日が経過した。全長3.5メートル、体重13キロ。神奈川県警や戸塚消防署、消防団などが捜索を続けているが、いまだに捕獲されず、「飼い主の責任はどうなるのか?」との声も上がっている。  現在、戸塚消防署の職員は187人。10日から16日まで延べ131人がヘビの捜索に当たった。

これとは別に地元の消防団が延べ302人出動している。消防署の職員は公務員のため給与以外の報酬はないが、特別職の消防団には横浜市の予算から1人あたり2400~3400円の日当が支払われ、1食数百円の弁当も支給される。  飼い主は、この捜索費用の負担を迫られることはないのか。

「災害報酬とみなされ、現行の規約による支給額は日当3400円です。ただ横浜市は現在、市議会でこの金額を7000円に引き上げる審議をしているため増額になるかもしれません。ただし、ヘビの飼い主に人件費を請求することはないと思われます」(広報担当者)  飼い主はアミメニシキヘビを飼う許可は得ていたが、ガラス製ケージから木製ケージに変更したことを届け出ていなかった。

刑事罰の可能性はあるのか。弁護士の落合洋司氏が言う。 「社会に大きな影響を与えた騒動ですから、ヘビが人間などに危害を加えなくても、管理を怠ったとして動物愛護法違反で書類送検される可能性があります。罰金30万~50万円でしょうか。ヘビの攻撃で人が亡くなったりケガをしたら重過失致死傷罪の公算が高く、5年以下の懲役か禁錮または50万円以下の罰金です。

今回のケースは違いますが、飼い主が誰かを傷つけるために意図的にヘビを放った場合は、業務妨害罪と殺人罪が適用されるでしょう」  民事訴訟も考えられる。ヘビを警戒して近隣の学習塾などが休業に追い込まれた場合、裁判で支払い命令が出ることもありえるという。

「もし愛犬をヘビに殺されたら、犬の財産的価値を評価した金額に飼い主の精神的苦痛への賠償金額が加算されると思われます」(落合洋司氏)  飼い主には、それなりのペナルティーがありそうだ。

ニシキヘビ逃走で大騒動に ペット飼い主が絶対やってはいけないこと【「表と裏」の法律知識】

 横浜市の20代の男性が飼育していた体長3.5メートル、体重13キロのアミメニシキヘビが逃走中で、騒動になっています。この大蛇は人に危害を加える恐れのある「特定動物」に指定され、ゆえに行政の許可を得てのみ飼育が許可されています。

 近隣の学校では生徒に集団登下校をさせるほど緊迫した状況となっていますが、もし人を傷つけるようなことがあったら、飼い主にはどんな責任があるでしょうか。

 民法上、ペットの飼い主は、そのペットが他人に加えた損害を賠償する義務を負います。アミメニシキヘビは毒がないとされていますが、人にかみついたり、体に巻き付いたりすることで、大けがを負う可能性があります。その場合、治療費や慰謝料、働けない期間の休業損害などを賠償する必要があるのです。

 これらの賠償は、ペットの性質に従い、相当の注意をもって管理した場合、つまり飼い主に過失がない場合には、飼い主が責任を負わないこととなっています。しかし、本件の場合は、許可のない飼育方法をしたことが逃走につながっているため、通常想定されるケガ――子どもが知らずに近づいてしまい攻撃されるなど――については飼い主の過失ありと判断されそうです。

 ただし、ここが重要ですが、ことさらにヘビを挑発し、その結果攻撃を受けた場合には挑発した方にも過失があり、飼い主の責任は軽減されます。

 ジャパン・スネークセンターのTwitter投稿によると、アミメニシキヘビは一般に餌を求める場合や、攻撃を受けた場合の自衛以外ではむやみに攻撃をしてこないそうですが、もし発見したとしても、くれぐれも自分で捕まえようとしないことです。あなたに過失が発生することも考えられます。すぐに警察に通報しましょう。

(髙橋裕樹/弁護士)

「ウチで看取ってあげよう」衰弱した老猫を保護 家族全員の給付金を医療費に充て懸命の緩和ケア

「お母さん、ガリガリの子猫がいるよ。エサをもって、早く来て」

神奈川県に住む堀和美さん(仮名)の家族は、夫と高校3年になる双子の娘、そしてペットとして犬(パグ、オス・9歳)、保護猫(生後9カ月、オス)を飼う動物好きの一家だった。長女から緊急の連絡を受けたのは、2020年7月24日のことだった。

学校の帰り道、ある一戸建ての駐車場から、「ニャーニャー」と鳴きながら出てきた猫。身体の模様からそれが三毛猫であることは辛うじてわかったが毛がべたべたと固まっていて、薄汚れていた。そして、何より気になったのが、首回りの毛だけを残して、身体中の毛が刈られていた。まるでライオンカット(サマーカット)をしたかのような見た目だった。

子猫と思っていたら老猫だった
長女からのSOSを聞いてすぐに現場に駆け付けた和美さん。家で飼っている子猫用のドライフードを与えた。誰かが飼っている猫かもしれない、という考えが頭をよぎったが、その場を通りかかった近所の人がこう言った。「1週間ほど前からそこでずっと鳴いていたよ」。このままでは死んでしまう、そう思った堀さん親子はそのまま自宅に連れ帰った。

さっそく翌25日、動物病院で診てもらった。獣医師からノミがついている上に、口内炎でよだれがひどく、そして歯が1本もない、と指摘された。かなり状態が悪く「次の日には死んでいたかも」とも。そして子猫と思っていたその猫は推定18歳以上のメスの高齢猫で、人に慣れていることから飼い猫だったかもしれない、とういうことを聞き、驚いた。保護した猫は1週間の入院が必要となった。病室を出るときに「どうするか決めてくださいね」と言われた。

どうするか決める-つまり衰弱した老猫を引き取るかどうか。和美さんのなかでは葛藤があった。すでに家には犬と猫がいる。世話をするのはもっぱら和美さんになるのは目に見えている。家族の協力は得られるのか。そんなとき夫から「ウチで看取ってあげよう」と提案があった。家族会議を開いた後、和美さんの腹は決まった。「やっぱりこの子を見殺しにできない」。そうして堀家は新しい家族を迎えることになった。「つむぎ」と名前も決めて1週間後、病院に迎えにいった。

退院したものの、その後も闘病が続く
入院中に判明したことだが、伸びた爪が巻いて肉球に突き刺さっていた。退院後もしばらく肉球の消毒をした。退院して2週間後には、膀胱炎が判明。こちらも入院中の血液検査で腎臓の数値が悪いことが判明、そのせいで退院後、何度もトイレに行ったり来たりを繰り返していた。

糖尿病もあり、多臓器不全で獣医師から「長く生きられないかもしれないから、たくさん甘やかして好きなものを食べさせて」と助言を受けた。9月になるころには、食欲がなくなった。レントゲンを撮ったところ、上下のあごに腫瘍が見つかった。何とかつむぎちゃんの苦痛を和らげてあげたいという一心から、緩和ケアのための点滴を打つため、通院を続けた。

高額な医療費は家計に響いた。昨年、新型コロナウイルス感染症による経済的影響に対する緊急対策として、国⺠全員に1⼈当たり10万円の特別定額給付⾦が支給されたが、堀家に支給された4人分の給付金はすべてつむぎちゃんの医療費(身の回りの物、餌、通院のためのタクシー代含む)に充てた。しかし…。懸命な治療もかなわず、10月20日、天国に旅立った。ちょうどその日も病院に行く予定だった。当日朝ペットカメラ越しに大好きだった夫の部屋の前で力尽きているのを確認。しばらくベッドで横にさせていたが、病院に行こうと抱き上げたとき、そのまま息を引き取った。

学校にいた長女は、和美さんからのLINEでつむぎちゃんの死を知り、必死で涙をこらえた。友人にそのことを話すと「つむちゃんは幸せだったと思うよ」という言葉をかけられたという。帰宅後、最期の様子を聞くと、涙が止まらず号泣した。

老猫を家族として迎えた堀家、一緒に暮らした時間はあまりにも短いが、それでも後悔はない。つむぎちゃんが生前、前の飼い主が探しているかも知れないと思い、地域のボランティアに聞いたり、迷子猫サイトに登録したりもしたが、名乗りを挙げる人は出てこなかった。和美さんは言う。「もし、つむちゃんは、誰かが飼っていたペットだとしたら、その方に、我が家で保護したこと、そして看取ったことを伝えたいのです」。前の飼い主がこの記事を目にすることを願っている。

つむぎちゃんが息を引き取る前日のこと、病院帰りの車中で、「つむはパパのことが大好きだからね~」などと夫婦で会話をしていたという。その夜、歩くのもままらないはずのつむぎちゃんがヨタヨタと和美さんのところまで歩いてきて、膝の上に乗ってきた。「きっとママのことも好きだよっていう意味で乗ってくれたのかな」とつむぎちゃんの行動を今でも思い出すことがある。つむぎちゃんを学校帰りに発見した長女は今春、高校を卒業。そして動物の看護を学べる学校に進学したという。

(まいどなニュース・佐藤 利幸)

イヌは人間の言葉を理解している?

犬の情報サイト『INUNABI(いぬなび)』が全国の10~60代の犬の飼い主さん672人に犬が苦手な言葉を調査したところ

【犬が嫌いな言葉ランキング】
1位 お風呂
2位 病院・先生・お医者さん
3位 お散歩
3位 ハウス・ケージ
5位 シャンプー
5位 歯磨き

という結果であったそうな。

犬は人間が話す単語をある程度わかるといわれている。その数およそ300語。なんだ300語と思うなかれ。『海外ドラマはたった350の単語でできている』(Cozy著 西東社)によると、海外ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』全94話の全台詞のうち、約 80%がわずか350語であったというのだ。

もちろん犬と人間とは大脳の違いがあり、どこまで理解できているかは不明だが、人間の会話の内、約80%が350の単語でかわされているとすれば、犬もかなりの部分、人間がしゃべる言葉がわかっているのかもしれない。

犬は約1万5千年前から人間との付き合いがあるようだが、人間と付き合うようになって、他の動物、例えば犬の祖先である狼との違いは「ワンワン」と吠えることや、目に黒目と白目があることがあげられる。

犬は人間とコミュニケーションをとるために吠えるのだ。犬を飼っている人なら、その鳴き声で犬の伝えたいことがわかると思う。また、白目と黒目だが、人間に近いチンパンジーに白目はない。人間は人間同士がアイ・コンタクトをするために白目を持つようになった。

白目と黒目があるのは人間だけと言われるが、犬にもわずかに白目が見えて、その豊かな表情から人間とアイ・コンタクトを取り合っている。

おそらく犬は人間の言葉をかなり理解しているのだろう。犬好きの人も、犬の鳴き声や表情から、気持ちを読み取ることができる。これはもう会話をしているのに等しいのではないだろうか?

プロフィール おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

今ペットを飼って「後悔する人」「しない人」の差

コロナ禍で心の癒やしを求めて、ペットを飼う人が増えています。一般社団法人ペットフード協会の調べによると、2020年に新たに飼い主になった人は、前年度比で犬14%増(46万2千頭)、猫16%増(48万3千頭)。

また、ぺット保険会社のアニコム損害保険では2020年4~6月の新規契約者数は、前年度比で33%増(5万3456件)の契約があったと発表しています。

しかしながら飼う人が増える一方で、手放す人も増えています。驚くことに、道端に置き去りにする人もいます。いったい何が起こっているのでしょうか。

■ペットサロンに愛犬を捨てる飼い主も

以前記事でも紹介したように、昨年8月、千葉県習志野市のショッピングモールに、子猫2匹がキャリーバッグに入れられたまま置き去りにされました。犬や猫などの動物を捨てる行為は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられる犯罪です。

滋賀県大津市のペットサロンの従業員Aさんは、「生後6ヵ月のマルチーズのシャンプーを頼まれたのですが、飼い主さんが迎えに来なくて1週間が経ちます。電話も住所もデタラメで、飼い主さんと連絡がとれません。この子は捨てられたのだと思います」と話します。

最近はトリミングサロンやペットホテルを利用して、そのまま迎えに来ないということもあるそうです。

大抵が初めての利用客で、コロナ禍でマスクをしているので、飼い主の顔も認識できないそう。

この他にも、保健所や動物愛護団体に持ち込む人やペットの里親募集サイトで新しい飼い主を探している人も多く見受けられます。もちろん、生活が困窮したためにペットを手放す人もいます。

しかしコロナ禍以降、1歳未満の子犬や子猫、ウサギ、ハムスターなどの里親募集も増えています。募集をしていた生後3ヵ月のアメリカンショートヘアの子猫は「コロナ禍で寂しくてペットショップで猫を買ったのですが、思ったよりも世話が大変で、私には猫は向いてないので」との理由が書かれていました。

また、生後2ヵ月のハムスターは「夜中に玩具で遊んでうるさい」との理由で、飼って4日目で募集されていました。このように安易な理由で、短期間で手放すことを決めた飼い主が、あちらこちらにあふれているのが現状です。

犬や猫から人にうつる「共通感染症」、予防のために絶対に知っておくべきこと

昨年来、自宅で過ごす人が増加したことにより、ペットブームの勢いが止まらない。今年2月に発表された調査によると、国内における2020年のペット関連市場の規模は前年度に比べ3.4%増え、推計1兆6242億円に上るという。ブームに伴い、今後、心配されているのが、ペットから人にうつる病気だ。

人と動物の共通感染症(以下、共通感染症)の専門家である獣医師の兼島孝氏に、ペットを感染源とする病気の中でも特に注意が必要なものと、予防の心構えを教えてもらった。(清談社 山田剛志)

■「猫ひっかき病」はがんと間違われる可能性も

 動物と人との間でうつる病気のことを共通感染症といい、は英語で「zoonosis(ズーノシス)」と表記される。2000年代初頭に発生したBSE(牛海綿状脳症)、今年2月に鳥から人への感染が初確認された「高病原性鳥インフルエンザ(H5N8)」をはじめ、たびたび世間を震撼させてきた。

 現在世界では約800種類の共通感染症が確認されており、新型コロナウイルスも犬や猫への感染例が世界中で報告されている。中でも日本国内で心配されるのはおよそ40種類。兼島氏によると、近年は家畜や野生動物のみならず、ペットを感染源とする病気の被害も増えているという。

「国内で報告されている共通感染症において最も被害件数が多いのは、猫にひっかかれたり、咬まれることで感染する『猫ひっかき病』です。

猫の口腔粘膜やノミに宿ったバルトネラ菌が傷口から体内に侵入し、人が感染すると咬傷部位の近くにあるリンパ節がピンポン玉くらいに腫れ上がります。罹患(りかん)した猫からノミを介して犬にうつることもあります」(兼島氏、以下同)

「猫ひっかき病」はペット側には症状が一切なく、人が感染して症状が出るまでに1カ月ほどかかる。そのため、飼い主はペットから病気をうつされたと気づきにくく、外科医も初見では病因を特定するのが困難だという。

犬のオシッコの回数が増えた!「下部尿路疾患」かも

犬の頻尿……それって「下部尿路疾患」かも!?
散歩中も何度もオシッコ……家でも頻繁にトイレへ……。愛犬が一日に何度もトイレに行くようになったら、もしかするとそれは「下部尿路疾患」のせいかもしれません!

下部尿路疾患(Canine Lower Urinary Tract Disease)とは、犬の膀胱から尿道の出口までの下部尿路に生じる疾患のこと。犬がトイレへ行く様子やオシッコの異変から気づくことが多いようですが、犬によっては、我慢強い性格なのか、痛がる様子を見せないこともあるんです。ただ、何度もトイレに行くようになったら、下部尿路疾患のサインかもしれません。

下部尿路疾患を患った犬によく見られるサインを下記に挙げてみましたので、チェックしてみましょう!

下部尿路疾患のチェックリスト
ひとつでも当てはまることがあれば、下部尿路疾患の可能性があるかもしれません。動物病院に相談を。

・一日に何度もトイレに行く
・オシッコの大勢をとるが、オシッコが出ない
・トイレのまわりにオシッコをポタポタとこぼしたり、いつもと違う場所でオシッコをする(そそうをしてしまう)
・オシッコする際、痛そうな様子を見せる
・おなかを触られるのを嫌がったり、おなかに触れると痛そうな様子を見せる
・食欲がなくなった
・元気がなくなった
・血尿が出る
・嘔吐する
・尿の色がいつもと違う(いつもより濃い・薄いなど)
・尿のニオイがいつもと比べると臭い
・水をよく飲む

……など

気を付けたい犬は?メスのほうがオスよりなりやすい
メスはオスよりも尿道が短いため、細菌が外から侵入しやすく、細菌性膀胱炎になりやすい傾向にあります。また、メスの尿道はオスよりも太いため、尿石症に気づきにくく、気づいたときには大きな結石をためこんでいることが多いようです。オスは、尿道が細いので、小さな結石でも尿道閉塞になりやすいといえます。

小型犬がなりやすい
下記に挙げる犬種は、尿石症になりやすいと言われています。尿石症になりやすいということは、下部尿路疾患全般にもなりやすいといえるでしょう。

・ヨークシャー・テリア
・ミニチュア・ダックスフンド
・シー・ズー
・トイ・プードル
・ミニチュア・シュナウザー
・ビション・フリーゼ
・ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
・コッカー・スパニエル
・ペキニーズ
・マルチーズ
・シェットランド・シープドッグ

また、これらの犬種以外でも、一度下部尿路疾患になったことがある犬は再発しがちに。注意したほうがよいでしょう。

尿検査で尿中の結晶や細菌をチェックすると安心です
下部尿路疾患はなかなか気づきにくい病気です。なりやすい犬派、少なくとも半年に1回は尿検査をしましょう。尿検査では、試験紙でpHを調べるほか、尿中の沈殿物を顕微鏡で詳しく見ます。ここで、結晶、細菌、白血球などの有無がわかります。白血球と細菌の両方があれば、尿路に炎症や細菌感染がおこっています。尿検査をすることで、症状が重くならないうちに下部尿路疾患を発見できますよ!

参考/『いぬのきもち』2019年1月号「犬がかかりやすい下部尿路疾患」(監修:ノヤ動物病院院長 野矢雅彦先生)

老犬のトリミングは何歳まで必要? 飼い主が自宅でできる愛犬ケアとは

 愛犬が若いうちにしておいた方がいいことってあるの? 年をとってきた愛犬の変化に戸惑う、正しいケアができているか不安……など。意外に知らない犬のこと、多くありませんか? 快適な老犬ライフを送るために知っておきたい老年期について、毎月第3火曜日にお届けします。

 第6回テーマは「トリミング」について、苅谷動物病院グループ総院長の白井活光獣医師にお話を伺いました。

トリミングの目的は、清潔を保つことと健康維持

 トリミングとは、広い意味でスキンケアのことです。カットしてきれいに毛を整えるだけでなく、愛犬の清潔を保つため、また健康維持のためにもトリミングは欠かせません。また、室内で飼っている、屋外で飼っているかどうかは関係なく、『スキンケアをするにあたって、その子にとって何がベストなのか?』ということです。

 トリミングは、シャンプー、カット、爪切りのイメージが強いですが、歯磨きなどの口腔ケア、耳の掃除(目に見える範囲で十分)、目ヤニのケア、肛門(こうもん)腺絞り、老犬だとオムツかぶれや床ずれなどのケアも必要になってきますね。

年をとった子は、フケっぽくなったり肌がベタベタにならない程度に、シャンプーの回数を減らしても大丈夫です。肌がきちんとしていないとバイ菌が繁殖するかもしれませんので、肌の状態をよく見てあげましょう。
フケっぽくなったり肌がベタベタにならない程度に、シャンプーの回数を減らしても大丈夫


飼い主がトリミングをしてあげることのメリット

 サロンでトリマーにお任せする、自宅で飼い主が行う、動物病院で獣医師にお願いする等、トリミングはどんな方法であってもかまわないと思います。

 できれば、先ほど申し上げたような基本のケアを飼い主さんができるといいですよね。そういうことが自宅できると、早く愛犬の異常に気付いてあげることができます。

 ただ、愛犬が嫌がることを自宅で無理にやって、自宅が愛犬にとって嫌な環境になってしまうのもよくないので、もし飼い主がトリミングをして嫌がるのであれば、サロンや動物病院に任せるのもいいと思います。

サロンに預けるのに年齢制限はない、愛犬にストレスを与えない範囲で

 トリマーによるサロンに預けて行うトリミングでも、その子が落ち着いていてくれるなら、特に年齢制限はありません。

 もし、10歳過ぎてから突然サロンでのトリミングの習慣が始まってしまったらストレスになるかもしれませんが、小さいころからの習慣であれば、高齢になってもストレスにはならないと思います。健康維持のためにもトリミングは大事だとおもうので、年をとっても継続していいと思いますよ。

 体的には、心臓が悪くなってきたり、足腰が弱ってきたりしますから、長時間我慢してずっと立っているのは大変になってくるかもしれないですよね。

 我慢できなくなって急に興奮しだすこともあるかもしれないし、昔は大丈夫だったのに、顔など触られるのがいやになったりすることもあるかもしれません、若いころに比べてストレスを感じやすくなっている可能性もあるわけです。

 その子の状態をみながら、どのような方法がベストなのかを飼い主さんがきちんと考えましょう。

健康面で不安なら、動物病院でもトリミングをお願いできる

 動物病院でもトリミングを行っています。例えば脳の病気を持っていて、サロンで受け入れてもらえない子など、月1回や2カ月に1回など、マッサージしながらシャンプーして、ドライヤーをかけてふわふわにしてあげると気持ちよさそうに寝ていたりします。犬自身も臭いなどは自分で気になると思いますから、きれいにしてもらうとうれしいのではないでしょうか。

 病院でトリミングを行う場合は、健康チェックも同時にします。病気でなくても、それだけのために来院される方もいらっしゃいます。また、今は動物病院とサロンが一緒になっているところや、トリマーがいる動物病院などもありますので、愛犬の健康面が不安である場合はそういうところにお願いするのもよいかもしれませんね。

監修:白井活光苅谷動物病院グループ総院長。獣医学博士。1998年日本大学大学院卒業。同グループ「三ツ目通り病院」や「葛西橋通り病院」の院長を歴任。2015年から現職。日本臨床獣医学フォーラム専務理事。専門分野は総合臨床。

えっ、まさか「みかんにやられた!?」 猫はみかんを食べても大丈夫なのか?…獣医師の見解は

9月に入り、もうしばらく暑さを我慢すれば本格的な秋。みかんの美味しくなる季節だ。みかんは果物かごなどに入れて誰でも触れる状態で保存することが多いと思うが、そういう光景を見て僕はいつも気がかりなことがある。それは「猫がみかんを食べても大丈夫なのか」ということ。

自宅に猫を飼っている方ならうっすら「猫に柑橘類はNG」という知識はあると思う。しかし、どの程度有害なのかということについては専門的なサイトを見回しても意見がまちまちでわかりにくい。「ちょっと気を抜いてみかんを近づけたせいで愛猫が不調に陥ってしまった」なんてことは避けたいものだが、はたして我々はみかんや柑橘類が猫にあたえる有害性についてどのように捉えればいいのだろうか?滋賀県近江八幡市「キャットクリニック」の小宮みぎわ獣医師にお話をうかがった。

中将タカノリ:柑橘類が猫にあたえる有害性について専門的なサイトをいくつか確認したのですが、多少与えても良いとする意見もあれば一切与えてはいけないとする意見もあり、どれを信じていいのかわからなくなってしまいました。

小宮:全ての化学物質は一定の摂取量を超えると中毒になります。塩でも水でも大量に摂ると毒になります。

みかんの皮に含まれる芳香成分は文献を探すと中毒の報告があるので、人によって「みかんそのものが危険」と言ったり「みかんの皮の中の芳香成分濃度は薄いので大丈夫」と言ったりしているのだと思います。ただしみかんの皮から抽出してつくる精油はこの芳香成分が高濃度に入っているので危険度が高いでしょう。

中将:よほど大量に与えたり、高濃度に精製したものに触れなければ大丈夫ということですね。

小宮:猫は酸っぱい臭いが好きではない子が多いので、あまり食べたりすることは少ないのではないでしょうか?どのくらい…という数値は個体差によって異なるので明確には言えませんが、もし食べたとしても少量であれば問題ないと思います。ただしここで言う「少量」とは、猫(体重3~5キロ)にとっての少量です。猫にとっての5mlは、人間の感覚では50ml以上になります。その感覚でお考え下さい。

柑橘類にはいい匂いのする化学物質(芳香化合物と言います)が多く含まれています。この芳香化合物は複雑な構造の場合が多く、猫の肝臓では解毒出来ないために人間には何も症状が出なくても猫には中毒症状が現れることがあります。

中将:猫が柑橘類の成分を過剰摂取することで起こり得る症状をお聞かせください。

小宮:文献によるとよだれが大量に出て、沈鬱になり、体温が下がり、身体が思うように動かせなかったり、逆に全身が震えて発作のような動きをしたり…といったことが起こるようです。ですがこれらの報告は、柑橘類の中の芳香化合物だけを抽出濃縮したり、化学合成したものを配合したシャンプーや家庭用洗剤によるものです。柑橘類そのものの皮に少し触れたからと言って慌てることはありません。

猫の専門サイトで触れている方はあまりいらっしゃらないようですが、私としては皮についている農薬や防カビ剤などの化学物質の方が心配です。それらも芳香化合物同様に猫が解毒できない可能性があります。

中将:確かに農薬はそのままで動植物を殺傷する効果があるものなので恐ろしいですね。
小宮さんの身近でみかん、柑橘類を摂取したことで実際に猫が不調に陥ったという事例はありますか?

小宮:柑橘類を摂取して不調になった例は私の身近ではありません。柔軟剤を摂取したことによる突然死や肝炎、嘔吐下痢の消化器症状、神経症状はよくあります。ただし、化学的に明らかにそれが原因かを確かめることは困難です。最近は強い香りの人工香料を含んだ化粧品、家庭用洗剤などが多く、人間もアレルギーや喘息が増えているくらいなので、猫はもっと大きな影響を受けていると思われます。

小宮さんのお話を総合すると、猫の飼い主が真に気をつけなければならないのはみかん本体よりも、我々の身の回りにあふれている「柑橘系の香り(芳香化合物)」のようだ。また人工香料が大量に含まれる物質や、農薬が付着した野菜、果物なども不用意に猫に近づけないないほうが良さそうだ。猫を飼うなら、猫にとって最低限健康的な環境を提供したいものだとあらためて考えさせられた。

なお今回、記事のイメージモデルとしてご協力いただいた猫ちゃんはらび君(6歳)。飼い主のmiccöさんのデザイン事務所で"専務"として日々癒しを提供しているそうだ。Instagram「またたびデザイン事務所」ではその愛らしい姿が堪能できるので、猫好きの方はぜひチェックしていただきたい。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

犬の内臓に負担がかかる? 今すぐやめさせたい「犬のNG習慣」

飼い主を見ている犬

犬が習慣的にしている行動のなかには、健康に悪影響を与えてしまうものも、実は少なくありません。そこで今回は、「内臓」に悪影響を与える犬の“NG習慣”をご紹介します。当てはまるものがある場合は、今すぐやめさせましょう。

誤飲・誤食/拾い食いをする

誤飲・誤食や拾い食いは明らかに危険な習慣です。食べ物以外のものを飲み込んだのなら、手術で取り出さなければならないケースもありますし、中毒性のあるものを口にしてしまえば、処置が間に合わずに命の危険にさらされることも。 外で拾い食いをする犬の場合は、道に落ちているものに飼い主さんがすぐ気づけるよう、明るい時間帯に散歩をするようにしてください。どうしても心配な場合は、口輪をしてもいいでしょう。 また、家の中では、床や愛犬の届く位置にものを置かないよう徹底することが大切です。

ウンチを食べる

犬が食フンをするのには、「ウンチに栄養分が残っている」、「ヒマつぶし」、「飼い主さんの気を引きたい」、「ゴハンの量が足りていない」など、さまざまな理由が考えられます。食フンをする習慣を放置すれば、ほかの犬のウンチを口にしたときに、寄生虫がうつるおそれがあるので大変危険です。 愛犬の食フンをやめさせるときは、まずはなぜ食フンをするのか原因を探り、それにあった対策を取りましょう。また、胃腸機能に異常があるかもしれないので、一度動物病院を受診するようにしてください。

突然激しく吠える

健康な犬ならすぐに影響が出ることは考えにくいですが、すでに心臓の病気を患っている犬だと、吠えて興奮した際に不整脈が起きたり、急激な血流の変化によって体調が悪化したりすることがあります。 また、気管の悪い犬の場合も、吠えることでのどに負担をかけてしまうので注意が必要です。 犬が激しく吠える場面のひとつに来客時の「チャイム吠え」がありますが、来客にはチャイムを鳴らすのではなく、電話をかけてもらうようお願いする方法も。

こんな行動にも要注意!リードの引っ張りグセ

愛犬にリードを引っ張って歩く習慣があると、気管に負担がかかって気管虚脱(きかんきょだつ)などを誘発するおそれが。リードの引っ張りグセをやめさせるためには、散歩中に名前を呼んでおやつを与えましょう。これを繰り返すことで、名前を呼べばリードを引っ張らなくなりますよ。

食後の散歩/早食い

犬の食後すぐの運動は、ふくれた胃がねじれるおそれがあり、胃拡張や胃捻転(いねんてん)を起こしてしまうケースが考えられます。最悪の場合、死に至ることもあるので、散歩は食前に行くようにしましょう。 また、胃が急激にふくれる早食いも危険な習慣です。早食い防止の食器などを使って、愛犬がゆっくりゴハンを食べられるよう工夫してください。

屋外でのみ排泄する

外での排泄が愛犬の習慣になっていると、悪天候で外出できないときや、長時間の留守番のときなどに、オシッコを我慢してしまうことがあります。膀胱炎(ぼうこうえん)を招きやすくなるので、室内でも排泄できるよう習慣づけましょう。

“NG習慣”は今すぐ見直し、愛犬を病気から守ろう!

ちなみに、飼い主さんのなかには、生のキャベツを与える習慣があるかたも少なくないようです。しかし、生キャベツに含まれるビタミンCの摂取量が過剰になると、尿中のシュウ酸カルシウムが増えて、尿石症を誘発することがあるため注意しましょう。 キャベツを与えるときは「ゆでたキャベツ」を適量与えるのがおすすめ。電子レンジでの加熱ではビタミンCが溶け出しにくいので、必ずゆでるようにしましょう。 病気を招く悪習慣はこの機会に断ち切り、愛犬の健康を守ってあげてくださいね。 参考/「いぬのきもち」2020年4月号『あなたや愛犬が、なにげな~くしちゃっているいつものクセや習慣は大丈夫? 愛犬の病気・ケガを招くNG習慣ランキング』(監修:聖母坂どうぶつ病院副院長 田草川佳実先生) 文/ハセベサチコ ※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。 ※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

[コロナの疑問]ペットから人へ感染するの?…過度の接触は避けて

 新型コロナウイルスは動物にも感染します。米国で4月、飼い猫2匹が感染し軽い呼吸器症状があったことが報告されました。猫の感染は、ベルギーや香港でも確認されました。東京大のチームは、人から分離した新型コロナウイルスが猫同士で感染することを実験で確かめました。猫に目立った症状はありませんでした。ハムスターにも感染し、肺炎を起こすことも報告しました。

 オランダでは5月、農場のミンクから従業員に感染したとみられる事例が発表されました。世界保健機関(WHO)は「動物から人への感染が報告された初のケース」としています。中国のチームは様々な動物で実験した結果を、4月に米科学誌サイエンスで発表しています。猫とフェレットは感染しやすく、犬や豚、アヒルは感染しにくいという内容です。米国では動物園のトラも感染し飼育員からうつった可能性が高いとされています。

 そもそも新型コロナの起源は、コウモリに感染するコロナウイルスとされています。ただウイルスは、動物によってかかりやすさに大きな違いがあります。米ジョンズ・ホプキンス大の集計では世界でこれまで約1800万人が感染しましたが、ペットから人にうつったと断定できる確実な報告はまだありません。つまり現時点で、ペットから人に広がることをあまり心配する必要はありません。

 岡山理科大の森川茂教授(ウイルス学)は「新型コロナはペットから人より、人から人に感染するリスクの方が圧倒的に高いと言えます」と指摘しています。むしろペットにうつさない対策が大事で、ペットに顔をなめさせるなど過度の接触は避け、猫は外に出さず室内で飼うことなどをアドバイスしています。

 国内で今月3日、ペットの犬2匹がPCR検査で陽性になったと発表がありました。ただし飼い主のウイルスが犬についただけの可能性もあり、国立感染症研究所などが慎重に調べています。新型コロナは日々、研究結果が更新されます。ペットの情報で判断を急がないよう注意してください。

死にいたることも! 本当は恐ろしい「犬の歯周病」

菌が歯の骨を溶かしてしまう!?

実は、歯周病は、犬の口腔内の病気のなかでもっとも多く見られます。
 
口の中の数百もの細菌が歯に付着して歯垢となり、歯肉に炎症を起こすことが歯周病の始まりです。歯垢中の数百もの細菌のうち、歯周病を起こす歯周病原性細菌(歯周病菌)はわずか10種類程度。この歯周病菌が増えて炎症が広がると、歯と歯肉の間の溝が深くなって歯周ポケットとなり、歯の根元まで歯周病菌が入りこみます。その結果、歯周病菌が歯を支えるあごの骨を溶かすこともあります。
 
日本では3才以上の犬の80%が歯周病とその予備軍といわれ、歯周病をケアしないまま重症化するケースも増えています。また、歯周病菌が、心臓や肺などの病気の発症にかかわっていることもわかってきています。

口臭がキツイ、歯ぐきの腫れで気がつくことが多い

歯周病でもっとも気がつきやすい症状が、「愛犬の口がクサイ」こと。
歯についた歯垢が原因で、口の中から悪臭がするのです。また、歯垢が歯ぐきの炎症を引き起こし、「赤く腫れている」「出血している」「膿が出ている」などの歯肉の症状も出てきます。炎症が進んで痛みが出てくると、「かたいものを食べなくなる」「食欲はありそうなのにそれほど食べない」「片側だけで食べる」など食べ方に変化があらわれることも。
 
さらに病状が進行して歯を支えるあごの骨が溶けると、「くしゃみを繰り返す」「鼻血が出る」「目が開けにくくなる」など歯周病と関係なさそうな症状が出るのも特徴です。

悪化しやすい犬

小型犬
あごが小さく歯と歯の間が狭いため、歯垢がつきやすい状態です。1才以上の小型犬の約90%が歯周病にかかっているといわれています

短頭種
口腔内が狭く、多くの犬の場合、歯と歯が重なったように生えています。そのため、歯垢が付着しやすい口内の状態になっています

皮膚病の犬
患部をなめたり噛んだりしたときに、抜けて前歯にはさまった毛が細菌の温床になり、歯周病を引き起こすことも。また、病気により体の抵抗力が落ちて悪化しやすい傾向が

シニア犬
歯周病のケアをしていないと、加齢に伴い歯垢・歯石がどんどん蓄積し、歯周病菌が歯の根元まで広がることも。歯が抜ける、あごの骨が折れるなどの重症例も目立ちます

糖尿病の犬
糖尿病の犬は細菌への抵抗力が弱まり、歯周病にかかりやすく悪化しやすい傾向が。また、歯周病を治すと、糖尿病治療薬のインシュリンが効きやすいというメリットも

全身麻酔で歯ぐきの奥の歯垢・歯石を取り除く

歯周病は、炎症の原因である歯垢・歯石を取り除かなければ治すことはできません。
 
犬の歯周病治療も人と同じように超音波の振動を利用して、歯の表面や歯周ポケットの奥に蓄積された歯垢・歯石を取り除きます。犬の措置は全身麻酔で行い、重度の症状では抜歯が必要なケースも多くみられます。

歯垢・歯石を取り除き、場合によって抜歯をすることで歯肉の炎症や化膿がおさまり、健康な歯と歯肉に回復します。目の下に穴があいた重度のケースでも、抜歯をしてたまった膿を取り除くことで骨が再生し、2週間で穴がふさがります。

いかがでしたか。歯垢・歯石を除去して健康な歯になっても、ケアをしなければ再発してしまうのが歯周病。再発を防ぐには、歯磨きがもっとも効果的とされています。
1日1回の歯みがきが理想ですが、3日に1回でも歯垢の付着を軽減できます。かかりつけの獣医さんにやり方を教えてもらうなどして、歯みがきを取り入れてみて。

参考/「いぬのきもち」2020年1月号『犬の現代病ファイル 歯周病』(監修:埼玉県上尾市・フジタ動物病院院長 藤田桂一先生)
イラスト/フジマツミキ


獣医師がこっそり教えます! 動物病院を正しく選ぶ、5つのコツ

動物病院の正しい選び方、知っていますか?

犬の健康を守るための頼もしい味方となってくれるのが動物病院。そんな動物病院には、動物の健康について熟知し、専門の技術をもつプロがいます。いわば、犬の健康を守るため、飼い主さんとともに病気に立ち向かってくれる「もうひとりのパートナー」。犬の命を安心して預けるためには、飼い主さんが心から信頼できて、なんでも相談できる、ベストな動物病院を選ぶことが欠かせません。

でも、そんなベストな動物病院を探すにはどうしたらいいのでしょうか?  正しく選ぶためのコツを、獣医師にこっそり聞いてみました。獣医師目線だからこそわかるコツを、5つご紹介します。これから動物病院を選ぶ方はもちろん、今通っている動物病院が自分と犬に合っているのか判断するためにも、ひとつの参考にしてみてください。

そもそも、ベストな動物病院って?

「ベストな動物病院」の条件は飼い主さんによってさまざま。もちろん愛犬の命を安心して預けられる、信頼できる動物病院であることは欠かせませんが、それ以外にも

・通いやすさ
・待ち時間の長さ
・診療費

など、人それぞれ外せない条件があるはず。条件を総合的に判断して、自分と犬にとっての「ベスト」を探しましょう!

1.いぬ友などからの口コミがよい

いぬ友や、ドッグランや散歩中に出会った人などに「この辺でおすすめの動物病院はありませんか」と聞き、口コミがよかったところに行ってみてもよいでしょう。ただし「待ち時間が短くて済む」「診察費が安い」など、人によっておすすめの基準が異なるため、自分の価値観に近い人の意見を参考に検討してみましょう。

2.掃除が行き届いているなど、院内が清潔である

健康でいるためには、体を清潔に保つことが不可欠。待合室や診察室がきれいに掃除されているかもひとつのポイントです。清潔さはその動物病院の健康に対する意識の表れですから、施設が古くても、掃除が行き届いていれば安心してよいでしょう。

3.犬にストレスをかけないよう、診察に配慮がある

たとえ獣医学のプロであっても、慣れない人に体を触られるので、診察は犬にとってストレスになりがちな時間。「犬が落ち着くまで待ってくれる」「体の触り方がやさしい」など、犬にストレスをかけないアプローチができる獣医師は、犬にとっても信頼できるパートナーになるはず。

4.獣医師との相性がよい

獣医師との相性が悪いと、動物病院に通うこと自体がストレスになってしまいます。獣医師にも個性がありますので、飼い主さんや犬との相性がよい獣医師を選びましょう。「やさしい話し方をしてくれる」「どんな質問でも答えてくれる」など、自分と犬に合う人かを見極めて。

5.飼い主さんと犬の気持ちに寄り添ってくれる

「クシャミぐらいで」と突き放すより、「クシャミはつらいよね」と寄り添ってくれる獣医師に診てもらいたいものですよね。飼い主さんの不安な気持ちに共感してくれるなど、犬と飼い主さんにしっかり向き合ってくれる動物病院を選びたいものです。
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「このコの命を託せる」と思える動物病院を選んで

いかがでしたか?  そのほかにもさまざまな見極め方はありますが、ここでは5つにしぼってご紹介しました。飼い主さんと動物病院は、犬の命を守るためのパートナーであり、チームの一員です。ベストな動物病院の条件は飼い主さんそれぞれだと思いますが、犬に一生元気でいてもらうためにも、「この動物病院なら、このコの命を託せる」と思える動物病院を選んでくださいね。

参考/『はじめて飼い主さんのいぬのきもち』2019年5月号「ベストな動物病院の選び方GUIDE」(監修:ノヤ動物病院院長 野矢雅彦先生、東京動物医療センター副院長 南直秀先生)

米で死亡リスク2倍の報告 猫を飼うと肺がんになりやすい?/医者も知らない医学の新常識

 世界的なペットブームです。少子化の世の中では、ペットが家族の立派な一員ということも、多いと思います。

 ただ、動物は人間にはない病原体などを持っていることもあり、それが人間に感染することもあります。オウム病や猫ひっかき病、狂犬病など、動物の名前が付いている感染症が多いのは、そうした事実があるからです。原因の分かっている病気については、それに応じた対策を取ることが可能です。しかし、中には原因不明のものもあるのです。

 肺がんはじん灰やたばこの煙など、環境との関連が強いがんとして知られています。そして、同じように肺がんになる危険性を高める要因として報告されているのが、ペットの飼育歴です。たとえば鳥を飼っている人は、その糞(ふん)の中にカビの毒素などが含まれていることがあり、それを吸引することで肺の炎症が起こって、肺がんになるという可能性が指摘されています。

 それでは、他の動物の飼育でも、がんとの関係はあるのでしょうか? 今年の環境科学の専門誌に、アメリカでの調査結果が報告されています。それによると、ペットを飼っているとその後肺がんによって死亡するリスクは2倍以上になり、猫を飼っていると3倍近くなる、という結果でした。意外にも、他の動物より猫の飼育のリスクが高かったのです。

 動物を飼っている人は、糞などから舞い上がるホコリを吸い込まないように、気を付けた方がいいようです。

石原藤樹:「北品川藤クリニック」院長
信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

愛犬が吠えるのをやめさせるには?犬目線でわかった犬が吠える理由

愛犬に頻繁に吠えられて困っている飼い主さんもいることでしょう。でも、ぜひ知ってほしいのは、犬が吠えるのには、それなりに理由があるということです。警戒心や恐怖心から、思わず吠えてしまうことがあるのです。そんなふうに犬を吠えさせるのは、犬にとっても、飼い主さんにとってもストレスフル。犬が吠えがちなシーンを犬の目線でながめてみると、犬が吠える理由がわかります。犬の気持ちを考えて、適切に対処していきましょう。

シーン1:掃除機に吠える

大きな音を立てて不思議な動きをする掃除機。なかには「おもしろそう」と血づいていく犬もいますが、とくに小型犬には掃除機自体が大きく見えるので、怖がって吠えることがあります。

小型犬には掃除機自体が大きく見える

掃除機を怖がって吠える犬なら、掃除が終わるまでの間、愛犬を別の部屋に避難させて。掃除機の音を極度に怖がる場合は、掃除機の音が聞こえない離れた部屋で休ませましょう。

シーン2:来客に吠える

信頼関係のある飼い主さんに頭をなでられるのは、犬にとってうれしいこと。ただ、基本的に犬は警戒心が強いため、頭をなでられるのはあまり好みません。とくにまだ信頼関係のない見知らぬ人、たとえば、飼い主さんの来客などに、急に頭上から手を出されると、「捕まえられる!」「襲われる!」という恐怖を犬に与えることに。恐怖のあまり、犬は吠えたり、噛みつこうとしたりすることがあります。

恐怖を犬に与える

来客に、愛犬の頭などを急に触らせるのは避けたほうがよいでしょう。犬の警戒心をとくために、来客には手のひらにおやつをのせて、犬が食べにくるまで待ってもらいましょう。


シーン3:散歩中に吠える

家の中だけでなく、散歩をするときも注意が必要です。人にとってはなんの変哲もない風景も犬の目線で見ると、思わず吠えたくなるシーンがあります。
たとえば公園や広場で、人々がジョギングをしたいたり、サッカーを楽しんでいたり、散歩道で人が台車で荷物を運んでいたり。そんなごく日常的な風景も犬にとっては「怖い」と感じることがあります。
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愛犬が吠えるのをやめさせるには?犬目線でわかった犬が吠える理由


犬には別の生き物に見える





愛犬が吠えるのをやめさせるには?犬目線でわかった犬が吠える理由








愛犬が吠えるのをやめさせるには?犬目線でわかった犬が吠える理由





犬には別の生き物に見える

散歩ですれ違う人の中でも、写真のジョギング中の人のように黒い服を着ている人を怖がる犬は多いようです。服と顔の明るさが違うため、犬には頭だけが浮いているように見えて「怖い」のかもしれません。
転がるサッカーボールは、犬には別の生き物に見え、捕まえようと突進する犬もいれば、怖がって吠える犬もいます。
大きな段ボールなどが載った台車も、体高の低い犬にとっては、巨大なかたまりが迫ってくるようで、思わず「あっちいけ!」と吠えてしまうのでしょう。

散歩中、愛犬が怖がるようなもの、吠えそうなものが近づいてきたときは、飼い主さんが早めに気づいて、そうしたものから離れるように誘導しましょう。場合によっては、抱っこをして、怖がるようなものが愛犬の視界に入らないようにしてもよいでしょう。

いかがでしたか。犬の目線で見ると、犬が吠えるのにも理由があること、犬に恐怖や警戒心を感じさせないように対処することで吠えを防げることがわかります。もしも犬が吠えたら、まずその理由を考えて、飼い主さんが適切にサポートしていきましょう。 参考/「いぬのきもち」2016年9月号『犬目線で過ごす一日』(監修:荒井隆嘉先生 犬のしつけ教室DOGLY代表)

犬が興奮でおもらしする「うれション」。防ぐ方法はあるの?

「うれしょん」とは、嬉しくて興奮したときにオシッコをもらしてしまう行為のこと。トイレトレーニングがうまくいっていなくて、トイレ以外の場所でそそうしてしまうのとは違って、その理由は「うれしい興奮」にあります。

一般にふだんから興奮しやすい犬はうれしょんをしやすいといえます。よくありがちなのが、飼い主さんが帰宅したときや来客があったときなどです。人好きな犬ほど、うれしょんをする傾向はあるでしょう。

また、子犬も、好奇心が旺盛で、さまざまなことに興奮しやすかったりするので、うれしょんをしがちです。膀胱の括約筋がまだ成長過程で、オシッコをがまんできないことも一因といわれており、成犬になるとおさまることも多いようです。

興奮させない習慣づけを

うれしょんを防ぐためには、興奮しやすい犬に対して興奮させない工夫をする必要があります。たとえば、下の写真のように、留守番前後に愛犬の名前を呼んだり、「行ってくるよ」「ただいまー」などおおげさな挨拶をして犬を興奮させるようなことは控えましょう。
 
飼い主さんの帰宅などに気づいて愛犬が興奮しても対応しないこと。また、出かけるときも愛犬におもちゃを与えるなどして、遊びに夢中になっているすきに出かけ、飼い主さんが家を出ていくことに意識が向かないようにしましょう。

来客がある時は

来客があるときも、愛犬はクレート内に待機させましょう。落ち着いたら対面させてもいいですが、最初はリードをつけてコントロールしやすい状態にして、来客とは距離をおいて会わせましょう。愛犬が落ち着いていれば、徐々に来客との距離を縮めていってもよいでしょう。 

リードをつけても

こうしたことを繰り返していくと、愛犬は「落ち着いていると、好きな人に会える、いいことがある」と覚えていきます。また、愛犬をクレートに入れると、愛犬は落ち着きやすくなります。もしくは犬が落ち着いていたら、リードをつけて来客と対面させてもOKです。

もし、うれションをしたら?

もし、愛犬がうれしょんをしてしまったとき、飼い主さんは慌てず、騒がず、なにごともなかったかのように掃除や後始末をしましょう。「オシッコしてダメでしょ」と叱ったり、「床が汚れちゃった」と騒いだりすると、愛犬はそれを「飼い主さんが相手をしてくれている」と勘違いしてしまいます。

愛犬が「うれしょんをしても、なにもよいことが起こらない」と学習させるためには、うれしょんに対して飼い主さんが見て見ぬふりを貫くことが大切です。いかがでしたか?  興奮してうれしょんをしがちな犬に対しては、「興奮していると、いいことが起きない」「落ち着いていると、いいことが起こる」ということを繰り返し体験させていくことが大切です。

参考/「いぬのきもち」2018年3月号『トイレのお悩みまるごと解決! しつけ編』(監修:井原 亮先生 SKYWAN! DOG SCHOOL代表) 

パーツごとに理由が違う!? 犬が飼い主さんをなめるワケ

「なめなくても愛情は伝わっているよ」と伝えることも大切

犬の飼い主さんをなめるという行動の根本には、飼い主さんに対する「信頼」や「愛情」という気持ちがあります。そして、それを表現している最中に、好きな味やニオイを感じると、それらを堪能する方へ気持ちがシフトすることがあるようです。

犬の愛情表現とはいえ「人畜共通感染症(ズーノーシス)」の観点からも、あまりになめられすぎるのはよくありません。
なめられて困っている場合は、さりげなく顔をそらしてやめさせるようにしましょう。そして、やめて静かになったらしっかりとほめて、「なめなくても愛情は伝わっているよ」と愛犬に伝えてみてください。

人と犬が健やかに暮らしていくためには、犬が伝えたい気持ちを理解し、上手にスキンシップをとって行くことが大切です。

参考/「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『なめる部位ごとに犬の気持ちは違う? 細菌感染の危険性も覚えておこう』(監修:いぬのきもち相談室獣医師)文/ハセベサチコ

飼い主さんが知らない… 愛犬を守る健康診断の意外と大事な検査項目

愛犬の定期的な健康診断を行なっていますか? 病気の早期発見や治療、生活習慣の見直しのためにも、犬にも健康診断は必要です。今回は、いぬのきもち相談室の獣医師に聞いた、犬の健康診断と検査項目の選び方についてご紹介します。

犬の健康診断とは?

犬の健康診断とは、人間と同じように、現在の愛犬の体の健康状態を検査して、異常がないかを調べることです。定期的な健康診断は、病気の早期発見につながる可能性があります。

犬の健康診断は年に1度は行うべき

犬の健康診断は、最低でも1年に1回は受けておくと安心です。特に病気が増えてくるシニア期(7歳くらい)に入ってからは、しっかりと健康診断を受けましょう。 若い頃から定期的に健康診断を行い、健康な状態のデータを蓄積しておくことで、異常がおきたときに、病気の発見に役立つことも大きなメリットです。

検査項目は獣医師と相談する

健康診断にはたくさんのコースがあって金額も異なるので、どのコースを選べばいいのか迷ってしまいますよね?  一般的な健康診断は、問診からはじまり、体重測定、視診、触診、聴診、尿検査、便検査、血液検査、心電図、レントゲン、超音波検査などの検査項目があり、眼科や心臓など専門的な検査を行うオプションもあります。動物病院によって検査項目やコースの種類があるので、獣医師と相談して愛犬に必要な検査項目を選びましょう。シニアになってからは、全身状態を確認できるように全ての検査をし、総合的に判断してもらった方が安心です。

日頃から犬の体をチェックする習慣をつけよう

日頃から犬の体を飼い主さんがチェックする習慣をつけておくことで、犬の異変や病気の発見に役立つことがあります。愛犬の健康診断を行う際に、心配なことや気になることを獣医師に伝えるとよいでしょう。

いぬのきもち相談室獣医師からのアドバイス

愛犬の体を触って見つけることができる皮膚表面の「しこり」や「尿や便の状態と回数」など、普段の生活の中でできることはチェックしておきましょう。もし、普段と違う異変や気になることがある場合は、メモをしたり、スマホのカメラなどで記録しておくと、獣医師に相談する際に役立ちます。また犬種によっては、なりやすい病気もあるので、犬種と病気のリスクをあらかじめ調べておくことも大切です。犬の定期的な健康診断は、愛犬の健康状態を確認でき、病気の発見にも役立ちます。愛犬のために、定期的に健康診断を行いましよう! 監修:いぬのきもち獣医師相談室

いざとなると困る猫への投薬 苦労しない投薬方法や注意点

愛猫が病気になったときは、自宅で薬を飲ませる必要が出てくるでしょう。しかし、薬が苦手な猫も多く、暴れて飲んでくれないケースも少なくありません。今回は、猫の薬の種類や特徴、薬の飲ませ方のコツや注意点、薬を嫌がる場合の対処法について解説します。

猫用の薬のタイプ(種類)とメリット・デメリット

猫用の薬は、「錠剤」「粉薬(散剤)」「シロップ(液体)」「カプセル」の4タイプに分けられます。まずは、それぞれの薬のメリット・デメリットを見ていきましょう。
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錠剤タイプ・カプセルタイプ

薬の基本剤型となる錠剤・カプセルタイプは、用量が分かりやすいので、慣れていない人でも正確に投薬ができるというメリットがあります。また、味やニオイを隠すためにコーティングされているものも多く、苦い薬でも飲ませやすいのもメリットのひとつでしょう。 一方で、固形な分吐き出しやすく、飲んだと思っても後から吐き出される可能性があり、フードに混ぜても隠れにくいため、薬だけよけて残されてしまうこともあります。
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粉薬(散剤)タイプ

錠剤を砕いて処方される場合もある粉薬(散剤)タイプは、錠剤と比べて水やフードに混ぜやすいので、見た目からは薬を混ぜたと気づかれにくいのがポイントです。しかし、ニオイや味が他の薬よりも強いため、食べる前や食べている最中に薬が入っていることに気づかれて、水やフードごと薬を残されてしまうことも。また、こぼしてしまうと正確な量を与えられなくなる恐れもあるので注意しましょう。混ぜるのはごく少量のフードにするか、指につけて上あごにすりつけるのがおすすめです。
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シロップ(液体薬)タイプ

シロップ(液体薬)タイプは液状なので、直接スポイトのようなもので口の横からゆっくり滴下して、飲ませるのが一般的です。また、シロップ自体に味がついているものもあるため、苦味で飲まなくなるということは少ないといわれています。デメリットとしては、粉薬と同じくこぼすと正確な量が与えられなくなる点が挙げられます。その他にも、液剤として流通している薬の種類が限られるため、病気や症状によっては、シロップタイプの薬を選択できない場合があります。 

それでは、薬の正しい飲ませ方と手順を見ていきましょう。

錠剤・カプセルタイプの飲ませ方

1. 利き手の親指と人差し指で錠剤をつまんで持ちます
2. 錠剤を持つ手とは反対の手で猫の頬骨を持ち、頭を75度くらいの角度になるように上に向けます
3. 頬骨にあてている指を口の中に入れ、口を大きく開けさせます
4. つまんで持っていた錠剤を、舌の付け根あたりに落とします
5. 薬を吐き出さないように頭を上げたまま口を閉じさせ、のどを上から下へ軽くさすって飲みこませてください

錠剤を口に入れるとき、舌の付け根ではなく手前に落としてしまうと、薬の苦味などでよだれがたくさん出てしまうことがあります。そうすると有効な成分が吸収できなくなることもあるので、なるべく下の付け根を狙って落とすようにしてください。また、投げ入れるように口に薬を入れると、猫が驚いて吐き出してしまうこともありますので、静かに落とすよう心がけてください。

粉薬(散剤)タイプの飲ませ方

人差し指を水で湿らせてそこに紛薬をつけます。前述した通り、両頬骨を持って口を開けさせ、薬の付いた指を上あごにすりつけます。そのあとは素早く口を閉じ、のどを軽くさすりましょう。少量水に溶いてシロップと同様、スポイトやシリンジで飲ませることもできます。
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シロップ(液体薬)タイプの飲ませ方

シロップなどの液体薬の場合は、スポイトやシリンジ(注射器)を使って飲ませます。粉薬(散剤)を水に溶いて飲ませる場合も、同様の方法で行います。

1. 薬を入れたスポイトやシリンジを利き手に持ちます
2. スポイトやシリンジを持っていない方の手で猫の頬骨あたりを持ち、75度の角度になるように頭を上に向かせます
3. 犬歯の後ろあたりにスポイトまたはシリンジの先端を差し込み、薬を少量ずつゆっくりと流し込みます
4. すべての薬を流し込み終えたら、猫が薬を飲みこむまで頭を上に向かせておきましょう

口の中にものを入れることに猫が慣れていないと、暴れて先端で歯肉を傷つける恐れがあります。投薬前に薬を入れていないスポイトなどを使って、口の中にものを入れることに慣らしておきましょう。 

薬嫌いな猫にもストレスなく薬を飲ませるコツとは

正しい薬の飲ませ方であっても、必ずしもその方法が愛猫に合うとは限りません。口を開けるのを嫌がって薬を飲ませるのに失敗するようであれば、愛猫がストレスなく薬を飲める方法を探して工夫しましょう。
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フードや好物に混ぜる

錠剤やカプセルタイプの場合でも、紛薬と同じようにいつも食べているフードに混ぜたり、牛肉やささみなど愛猫の好物に包んだりして与えると、一緒に薬を飲んでくれることがあります。シロップタイプの場合は、水やごはんの上から振りかけるとよいでしょう。
ただし、薬の中には、食べ物と混ぜると効能や作用が変化するものもあります。愛猫の薬はごはんなどに混ぜても問題ないか、まずは獣医師さんに相談してください。

細かく砕いて与える

1粒1粒が大きい錠剤タイプは、他の薬よりも飲ませるのに苦労します。フードや好物に混ぜても飲んでくれない場合は、獣医師さんに相談した上で、粉薬のように細かく砕いて与えるのもよいでしょう。

ゼリーやオブラートに包む

服薬ゼリーやオブラートで薬を包んで与えるのも、ひとつの手です。水やごはんに混ぜるよりもニオイや味が分かりづらくなるので、そのまま吐き出すことなく飲んでくれる可能性が高くなります。

投薬補助フードを活用する

投薬補助フードは、投薬ゼリーなどと同じように、薬を包み込んで飲ませることを目的に作られたフードです。ペーストタイプや粘土状タイプと種類が豊富で、ささみなど猫の好きなニオイや味がついているため、おやつ感覚で薬を飲むことができるでしょう。

猫が薬を嫌がる場合や困ったときの対処法

いろいろと工夫しても薬を飲んでくれなかったり、暴れたりして薬を飲ませるのに支障が出る場合は、以下の対処法を試してみてください。

1人で飲ませられない場合は協力者を見つける

1人で薬を飲ませようとすると、猫が暴れたり逃げ出そうとしたりするときに、抑えるのが難しくなります。猫が投薬を嫌がる場合は協力者を見つけて、逃げ出さないように猫の体を抑えてもらってください。
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暴れる場合は布や洗濯ネットで体を包む

猫が薬を嫌がって暴れる場合は、猫の体に毛布などの布を巻いたり、洗濯ネットに入れたりして、動きを制限するとよいでしょう。おとなしくなったら布やネットは外してもかまいませんが、抵抗して逃げ出そうとする場合は、布などの端を膝などで固定してください。とはいえ、猫には拘束のストレスがかかるため、できるだけ短時間で終わらせてあげましょう。

何をしても飲んでくれない場合は薬を変えてみる

どうしても薬を飲んでくれない場合は、獣医師さんに相談して、同じ効き目の別の薬に変えてもらうのも手です。愛猫が飲みやすい形状の薬に変えてくれたり、薬の飲ませ方を獣医師さんたちが指導してくれたりすることもあるそうですよ。
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口を開けてくれない場合は投薬専用の道具を使う

口を開けさせようとすると、噛もうとする場合は、ピルガン(ピルポッパー)と呼ばれる投薬専用の道具を使うのがおすすめです。ピルガンは先端部分に錠剤を挟みこみ、そのまま猫の口の中に入れる道具なので、猫の口を開けるために触れる必要がなく、噛まれる心配もありません。猫のストレスも少ないので、口まわりを触られる猫にはぴったりです。

猫に薬を飲ませるときの注意点

最後に、猫に薬を飲ませる際の注意点や、守るべきルールをご紹介します。中には、愛猫の命にかかわる注意事項もあるので、猫に薬を与える機会がある飼い主の方は、しっかり確認しておいてくださいね!
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過去にもらった薬は与えない

過去にかかったことのある病気を再発してしまったときに、以前処方してもらった薬が残っているというケースもあるでしょう。しかし、古い処方薬を使うのはNG!同じ病気であってもその薬が使えるかどうかは診察を受けてみなければ分かりませんので、必ず動物病院を再診して、新しい薬を処方してもらってください。また、基本的に薬には有効期限(使用期限)があります。診察を受けて同じ薬が使えると分かっても、開封してから1年を経過している薬は廃棄してしまった方が良いでしょう。
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猫に人用の薬は与えない

人の病気と同じような症状が出ていたため、人用の薬を愛猫に与えたという飼い主さんは多いかもしれません。しかし、人の病気に効果がある薬が、猫にも効くとは断定できません。また、人用の薬の中には、猫の命を奪いかねないような危険な成分が含まれている場合もあります。最悪の場合、中毒死してしまうケースも考えられますので、飼い主さんの判断で人用の薬やサプリメントを与えるのは、絶対にしないでください。
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飲ませられない場合は無理をしない

薬の投薬量は守るのが大前提ですが、猫が暴れてしまって本来の量の薬を与えられない場合もあります。もしどうしても投薬に手こずるようであれば、同じ作用で少ない投薬量の薬がないか、獣医師さんに相談してみてください。また、与えられなかった分の薬を、別のタイミングに量を増やして与えるのもNGです!強い副作用を起こす危険性が高く、最悪の場合中毒死などを引き起こす恐れもあるので、量を増やして与えるのは絶対にやめましょう。

愛猫が病気になったときに少しでも早く治してあげたいと思うのは、飼い主さんの共通する思いですよね。しかし、猫に薬を飲ませるにはある程度テクニックが必要となり、投薬方法も薬の種類によって違いがあります。愛猫を早く健康な状態に戻してあげるためにも、獣医師さんと相談しながら、愛猫に合った投薬方法を見つけてくださいね。

参考/「ねこのきもち」WEB MAGAZINE『猫に薬を飲ませる方法|錠剤や粉薬、飲まない場合の対処法も!』
監修/ねこのきもち相談室獣医師

ペロッ! ゆるんだ表情がかわいい、犬が「舌出し」しちゃう理由

犬が舌をべろ~んと出している姿を見かけることがありますよね。犬はどんなときに舌を出し、どのような効果が得られるのでしょうか。今回は、犬が舌をべろ~んと出す理由について解説します。また、Instagramに投稿された、可愛い「#舌出し」画像もご紹介しますよ!

犬はどうして舌をべろ~んとさせるの?

犬は「顔まわりの筋肉が緩んでいる」「息が上がっている」「ストレスを感じている」など、さまざまな理由で舌を出します。愛犬がベッドでゆったり寝転んでいるときに舌をべろ~んと長く出している場合は、リラックスして、顔まわりの筋肉が緩んでいるのでしょう。また、飼い主さんのそばにいるときに嬉しさで口の筋肉が緩み、舌をべろ~んと出すこともあります。なかにはリラックスするあまり、舌を出したまま寝てしまう犬もいるようですよ。

おもちゃで遊んでいるときなどに舌を出す場合は、興奮して息が上がり、呼吸が荒くなっていることが考えられます。
また、舌を長く出しながら鼻をぺろぺろ舐めているときは、ストレスを感じているのかもしれません。
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体温調節のために舌を出す場合も

犬は人のように汗をかくことができないため、暑くなると舌を出して唾液を蒸発させることで体温調節をします。特に舌をべろ~んと出しながらハアハアと荒い呼吸をしている場合は、暑さを感じている可能性が高いです。長引くと体調を崩すこともあるので、ヒーターやエアコンなどを確認し、温度や湿度の設定に注意しましょう。

可愛い「#舌出し」画像をご紹介!

ここからは、「#舌出し」でInstagramに投稿された、可愛い画像をご紹介します♪お散歩中、お花の香りにうっとりしたような表情を見せるエースくん。舌をペロッと出して、小さなヨダレの風船ができていたそうです♪

桜の木の下で心地よさそうな、るるちゃん。お天気がよくてリラックスしているのでしょうか? ちらは柴のラナちゃん。飼い主さんがふと見たら、こんな表情をしていたそうです。ボーッとした感じが、何とも言えず可愛いですね♡カメラ目線のキュートな1枚。飼い主さんのそばにいるのが嬉しくて、思わず顔が緩んでしまったのかもしれませんね!

こちらのさくらちゃんは、お散歩をして暑くなったのでしょうか、それとも飼い主さんを見て口元が緩んでいるのでしょうか。どちらにしても、舌をべろ~んと伸ばした表情に癒されます♡

兄弟で飼い主さんを見つめるルークくんとマットくん。弟のマットくんは、リラックスしてお腹を見せながら舌を出しています♪犬が舌をべろ~んと出す理由は、顔の表情やシチュエーションによって違います。ストレスを感じて顔まわりを舐めたり、息が上がったりしていなければ、口元が緩んでいるか体温調節をしているだけなので、特に心配する必要はなさそうです。

参考/「いぬのきもち」2019年1月号『犬のオモシロ習性図鑑 VOL.20 舌べろ~ん』(監修:獣医師 獣医学博士 東京農業大学農学部動物科学科(動物行動学研究室)教授 増田宏司先生)

参照/Instagram
文/こさきはな

※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

★Instagram、Twitterで「#いぬのきもち#ねこのきもち」でご投稿いただいた素敵な写真・動画を紹介しています。

ペット猫のお悩み、トイレでない場所での排泄対処法は?

飼い猫が、「トイレではない場所で排泄する」問題について考える人も多いだろう。原因は、泌尿器系の病気など医学的なこともあるが、トイレ環境が問題なことも多い。獣医行動診療科認定医の藤井仁美さんは言う。

「トイレが汚れているなど、トイレ自体に問題があることが多いです。トイレが気に入らないと、不適切な場所で排泄したり、おしっこをがまんして膀胱炎になるケースも。猫が快適に排泄できる環境を整えてあげましょう」

 トイレの大きさは猫の体長の1.5倍を目安に、蓋のないタイプを用意する。その中に、粒子が細かくてやわらかい、無臭の砂をたっぷりと入れる。そして猫が排泄をしたら、なるべく早く汚れた箇所を取り除こう。

 トイレに入れる猫砂は、目の細かい固まるタイプがおすすめ。砂の全交換、トイレ本体の洗浄は、2週間に1回のペースで行うのが理想的。

「トイレは、猫の頭数プラス1個を用意。それを、静かな場所に置きます。戸建てで1階と2階を行き来する環境なら、各階に最低1個は用意してあげるとよいでしょう」(藤井さん)

 トイレ環境を改善しても治らない場合は、病気の問題、もしくは飼い主や同居猫・犬などとの関係が悪化している可能性があるという。

「多くの問題行動は、病気やストレスが原因なので、獣医師の診察を受けることも大切。その上で、猫が安心して過ごせる環境を用意してあげてください」(藤井さん)

 問題行動にはすべて意味がある。猫の習性や好みを理解して、対応してあげよう。

ただのしゃっくりが病気の可能性も!? 愛犬がしゃっくりをする原因とは?

犬のしゃっくりは頻繁にみられるものではありませんが、あまりに繰り返すようなら心配になりますよね。そんな方に向けて、犬はしゃっくりする理由や考えられる病気、しゃっくりを止める方法から嘔吐や逆くしゃみとの見分け方についてご紹介します。

犬はなぜしゃっくりをするの?

人がしゃっくりをするのと同じように、犬もしゃっくりをすることがありますよね。どちらも、横隔膜のけいれんによって引き起こされる症状です。横隔膜は様々な刺激によりけいれんを起こしますが、けいれんの原因となる横隔膜への刺激とは、どのようなものがあるのでしょうか。
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胃が広がったとき

一過性で食後などに多く見られたら次のような理由が考えられます。
横隔膜がけいれんする原因のひとつとして、「胃が広がる」ことが考えられます。たとえば犬がご飯を食べるとき、慌ててどんどん飲み込んでいくと、急激に広がった胃に横隔膜が刺激されてけいれんを起こすことがあります。もともと早食いをしてしまう性格の犬の場合、これを止めさせるのはなかなか難しいでしょう。

そういった場合の対策としては、一回の食事の量を減らして与える回数を増やしたり、フードの一部を知育おもちゃに入れたりして、早食い出来ないような仕組みにすることが効果的です。早食いの犬には、食べるときに空気も一緒に飲み込んでしまう犬も多いのですが、鼻の形状からどうしても空気を飲み込みやすい犬もいます。特に、鼻が短い短頭種などの鼻呼吸が苦手な犬は、口呼吸するときも同様に空気を一緒に飲み込んでしまいやすいと言われています。
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胃の不調やフード

胃の拡張は、上述したとおり早食いや空気を飲むことに起因しますが、他にも、胃の不調が原因となって胃を広げている場合もあります。食べたあとすぐ運動をしたり、胃の動きが良くなかったりすると、胃の中にある食べ物からガスが発生する場合があります。また、フードを切りかえてからしゃっくりを頻繁にするようになったら、新しいフードが何らかの影響を与えていることもあります。そういったときは、元のフードに戻して様子を見てみましょう。

胃が冷えたとき

冷たいものや熱いものが急激に胃に入ることで、横隔膜が刺激を受けてけいれんを起こす場合もあります。氷水などの冷たい飲み物は、暑い日でも与え過ぎることの無いように注意しましょう。

しゃっくりから考えられる病気

しゃっくりをすること自体は病気ではなく、生理現象のひとつとも言えます。特別な理由がなく出ることもあります。ただし、食後に出る場合は胃の状態やフードが関係していたり、頻繁に繰り返していたり、なかなか止まらなかったりするといった場合は、何かしらの病気が原因となっている可能性も。症状でしゃっくりが出ている場合、次のような理由が考えられます。

胸の中のトラブル

心膜炎や胸膜炎などが原因で横隔膜が刺激されると、しゃっくりが出ることがあります。どちらの病気も、呼吸のしづらさや咳、運動を嫌がるなどの症状が見られますが、こうした症状が目に見えて現れているときは、すでに症状が進行してしまっている可能性があります。心膜炎や胸膜炎は症状がはっきりせず、普段は気付きにくい病気でもあります。

脳神経の問題

神経や筋肉は、脳からの指令を受けて働きます。そのため脳に何らかの障害が起こると、その指令が上手く伝達されません。たとえば犬にてんかんや脳梗塞などがあると、指令が上手く届かないことがあります。誤った指令の伝達により横隔膜が収縮し、しゃっくりをする場合もあるのです。

そういった病気が原因と考えられる場合、しゃっくりが長時間続いたり、頻繁に繰り返したりする様子が見られます。そんなときは愛犬をそのままにせず、動物病院で獣医師に相談することをおすすめします。
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胃拡張や胃捻転

胃が極端に張る「胃拡張」や胃がねじれてしまう「胃捻転」が原因で、胃が横隔膜を押して刺激してしまい、しゃっくりをしていることもあります。胃拡張や胃捻転の場合、早食いなどの一時的なお腹の張りではなく、お腹の上部がパンパンに張って犬が苦しそうにしている様子が見られます。

犬のしゃっくりを止める方法はある?

犬のしゃっくりを、呼吸のパターンを変えることで止めることができるかも。

呼吸を変えるパターンのひとつとして、軽い運動をする、ひと口何か食べさせるなどの方法もあります。激しい運動は余計に呼吸が苦しくなってしまうので、あくまで軽い運動に留め、呼吸のパターンを変えるよう促しましょう。

しゃっくりと勘違いしやすい「逆くしゃみ」と「吐き気」

一見「しゃっくり」と思われるしぐさでも、本来は吐き気を催していたり、「逆くしゃみ」をしていたりする場合があります。

吐き気を催している場合

嘔吐をする前、犬は腹筋を数回収縮させます。その収縮させるお腹の動きがしゃっくりと似ているため、嘔吐をする直前の動きをしゃっくりと勘違いしてしまうことがあります。吐き気のためにお腹を収縮させる動きは大きく、さらに数回繰り返します。その後嘔吐すれば、吐き気からくる動きだったと判断できますが、なかには嘔吐するのを我慢してしまう犬もいます。

嘔吐しなくてもお腹を収縮させる動きが良くみられるようであれば、吐き気を催す何らかの病気の可能性もあります。続くようであれば動物病院へ連れて行きましょう。
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逆くしゃみとは

しゃっくりに似た症状のひとつに、「逆くしゃみ」というものがあります。通常、くしゃみは息を吐くことで出ますが、「逆くしゃみ」とは、その名の通り息を吸い込んだときに起こる発作性の呼吸です。

逆くしゃみは、特に小型犬や短頭種に多く見られます。その多くは病気が原因のものではなく、数分続いて止まることが多いでしょう。重度の場合や中高年から発症した場合は喉や鼻などに何らかの異常があることもあります。病的なものは少ないといわれる犬のしゃっくりですが、長引いていたり、いつもと様子が違ったりしたら注意が必要です。日々の観察を怠らず、愛犬のSOSサインに気付いてあげてくださいね。

監修/いぬのきもち相談室獣医師

不妊手術をしていてもムラムラ 学んでおきたい飼い猫の発情期事情

暖かな陽気に誘われて、気持ちが浮き立つ春。猫にとって浮き立つその気持ちの正体、それはいわゆる「恋」=「発情期」です。飼い主さんは「うちの猫は去勢・避妊手術をしているから大丈夫!」とと思うかもしれません。しかし、飼い猫にも発情期のようなものはあります。そのとき猫はどう変わるのか一緒に見ていきましょう!

発情期を迎えると「オス」はこう変わる!

① 外を気にして出たがるようになる
完全室内飼いの猫でも、帰宅した飼い主さんについているニオイや外から聞こえるメスのアピールする鳴き声に反応して、外に出ようとすることがあります。この時期は脱走防止の策を徹底しましょう。

② 室内でもマーキングしてしまうことが
飼い猫もこの時期になると、テリトリーである家の中にオシッコでマーキングしてしまうことが。去勢手術を受けていても外の猫の気配やニオイに反応してスプレーしてしまうことがあります。

③ 外の猫を見てナーバスになりやすい
飼い猫にとって外はテリトリー外。つまり外にいる猫はみんな敵です。発情の時期はとくにその敵に過敏になるので、猫を見つけると唸ることが。このときはむやみに触れようとすると攻撃されるので、そっとしておきましょう。

④ 同居猫や人の体に馬乗りする
オスは去勢手術をして繁殖能力がなくなっても、交尾欲求が高まると性別に関係なく同居猫や飼い主の足などにまたがって陰部をこすり付けることが。猫によっては、時期を問わず行います。

発情期を迎えると「メス」はこう変わる!

① 落ち着きがなくなり、人にすり寄ることが増える
発情期を迎え、落ち着きがなくなったメスは、あちこちに自分のニオイを付けようとします。すり寄るのは物にだけではなく、飼い主さんにも。顔周りやわき腹をスリスリとこすり付けるようになります。

② 食欲が減り、やせる猫も
おもにメスは、異性を求めることが最優先になるので、食欲が減ります。食べる量が減るのでやせることもありますが、性欲が高くなっているからか毛ヅヤはいいことは多いです。睡眠欲も減るので、活動時間が増えることも。

③ しっぽの付け根を叩いてとせがむ
メスのしっぽの付け根は、性的快感を得られる部位。発情すると腰を上げて足踏みをし、オスを受け入れる体制になって、その部位を「叩いて刺激して欲しい」と飼い主さんにおねだりすることがあります。

“恋”のシーズンに飼い主さんがしてあげられることは?

飼い猫は異性との交尾ができず、ストレスがたまりやすいもの。発情に伴う行動での発散も限度があります。猫がソワソワし始めたら、飼い主さんは飼い猫の気を紛らわしストレスを解消するために

・毎日少しずつ遊んであげる
・爪とぎ環境を充実させる
・ふだんは入れない場所を開放する
・外が見やすい場所に行けないようにする

マーキング対策のためには、スプレー先をトイレに誘導する、などの対策をとって、愛猫のストレスを発散させてあげましょう。飼い猫であっても、発情期が訪れると行動に何らかの変化が起きやすくなります。変化にいち早く気付き、この時期特有のムラムラを解消してあげたいですね。

参考/「ねこのきもち」2018年4月号『春は猫もソワソワ、ワクワク猫の恋劇場』(監修:哺乳類学者 今泉忠明先生、獣医師 菊池亜都子先生)
撮影/尾崎たまき、小森正孝
※この記事で使用している画像は2018年4月号「春は猫もソワソワ、ワクワク猫の恋劇場」に掲載されているものです。

猫が喜ぶのは、家の中が「自分のニオイでいっぱいになる」とき

嗅覚が敏感な猫は、自分のニオイを付けて自分の存在をアピールしたり、甘えたり安心したりと、「自分のニオイ」をさまざまなシチュエーションで使います。今回は、猫との暮らしを楽しむためにぜひ飼い主さんに知っておいてほしい、「ニオイ」についてまとめました。

縄張りを自分のニオイで満たしたい

猫の頭や頬の部分にはニオイの分泌腺があります。その部分から出るニオイを、自分の縄張りに擦り付けることで安心するのです。新しいおもちゃを与えたときも、最初はクンクンと嗅いで確認しますが、そのあと自分のニオイを付けるように顔まわりをスリスリします。

そうやって室内が自分のニオイで満たされると、猫は安心感につつまれて嬉しい気持ちになるのです。そのため、室内では猫が安心できるように、香りの強いものや猫が苦手と感じる柑橘系のニオイの香水・芳香剤などを置いたり付けたりするのは避けましょう。

じつは全身に臭腺があるんです

ニオイを分泌する臭腺の多くは顔まわりに集中していますが、顔まわりだけではなく全身に臭腺があります。足先は爪とぎのときに、お尻は排泄するときによく使われるんですよ。

飼い主さんにニオイを付けて安心したい

飼い主さんにスリスリするのも、自分のニオイで満たしたいからです。とくに外から帰ってきた飼い主さんにはいろいろなニオイが付いています。嗅ぎなれないニオイを楽しみつつも、自分のニオイを付けることで、ニオイの交換をして安心したいのです。これは、留守番をすることが多い猫によく見られるしぐさです。

飼い主さんの気を引きたい

複数飼いの場合、ほかの同居猫との関係性もあり、積極的に飼い主さんにニオイを付けられない猫もいます。そんなときは、少し離れたものにニオイを擦り付けることがあります。これは、飼い主さんに対して直接アピールする猫とは程度は違いますが、大好きな飼い主さんの気を引きたいときにするしぐさでもあるんですよ。室内の家具や柱にスリスリしたり、飼い主さんにスリスリしてニオイを付けたりすることで「これは自分のもの」と主張しているのですね。もちろん、飼い主さんへの愛情表現のひとつでもあり、安心していられるための行動でもあります。そのため、飼い主さんは室内の猫のニオイを消しすぎないようにしてあげられるといいですね。

参考/「ねこのきもち」『ねことのキョリが縮まる本』(監修:獣医師 ペット行動カウンセラー 藤井仁美先生)
「ねこのきもち」2018年6月号『愛情表現のしぐさが丸わかり 毎日は猫からのNyamore(ニャモーレ)に溢れてる!』(監修:獣医師 獣医行動診療科認定医 ペット行動カウンセラー 藤井仁美先生)

気になる犬の涙やけ 主な原因5つと飼い主さんができるコト

涙やけを起こして目の周りが変色してしまうと、せっかくのかわいい愛犬の顔が台無しになってしまいますよね。今回は、犬の涙やけの原因や予防法、自宅や動物病院で行う治療・予防法に加え、なりやすい犬種、フードの見直し方ご紹介します。

犬の涙やけとは?

涙やけはなぜ起こる?

犬の涙やけは「流涙症(りゅうるいしょう)」や「眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)」、逆さまつ毛、目と鼻をつなぐ鼻涙管の閉塞などが原因で、目から涙があふれてしまうことによって起こります。これら目の病気のなかでも特に多いのが流涙症で、本来涙腺から涙管を通り鼻へと排出される涙が、何らかの原因によって大量にあふれ出してしまいます。

涙が出ること自体はごく自然な現象ですが、それが過剰分泌になると目頭の毛に付着し、バクテリアを繁殖させてしまいます。また涙のなかのタンパク質が酸化して変色を起こすことで、涙やけが発生することもあります。

涙やけの症状とは?

目頭の下が赤茶色に変色するのが、涙やけの最大の特徴です。またその部分に炎症が起こることで、皮膚炎を患うケースやかゆみを伴うケースもあります。

犬の涙やけが起こる主な原因5つ

1)目にゴミや毛が入ってしまった

毛やまつ毛が目に入ってしまうことで涙が止まらなくなり、涙やけを引き起こすパターンがあります。これは長毛種の犬や逆さまつ毛の犬に多く見られる現象で、異物を取り除いてあげることで症状が緩和しやすくなります。しかし、急激に涙の量が増えてしまったときには、目に傷がついていないかを確認し、迅速に獣医師の診察を受けることも大切です。
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2)器官のトラブル

子犬時代から継続して涙が多く出る犬の場合は、先天性の「鼻涙管(びるいかん)」トラブルが考えられます。犬にも人と同様に鼻涙管と呼ばれる、目と鼻をつなぐ管があります。この器官が詰まることで涙が鼻から抜けず外にあふれ出し、涙やけを起こしてしまうのです。
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3)犬の体質的な問題

春先などある一定の季節にのみ涙が大量に出てしまったり、目元だけでなく全身の毛が変色したり、発疹等が見られたりするときは、アレルギー症状を引き起こしている可能性が高いです。花粉症や食べ物アレルギーが疑われる際は、早めに動物病院を受診することをおすすめします。

4)体内の水分不足

愛犬が濃い黄色のおしっこをするようなら、水分が足りていない可能性があります。体内の水分が不足すると老廃物がおしっこではなく、汗や涙として排出されるようになります。涙が過剰に出てくる理由には、水分不足も含まれるのです。
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5)ドックフードやおやつが体質的に合っていない?

普段愛犬に食べさせているフードやおやつが原因で、涙やけが発生するという説もあります。フード自体の品質が悪かったり、保存状態が悪く酸化したフードを食べたり、原料や添加物に対してアレルギー反応が出たりすることが考えられます。

添加物や体質にそぐわないたんぱく質は、涙管等に悪影響を及ぼす可能性もありますので、獣医師に相談しましょう。
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涙やけしやすい犬種

目が大きい犬や鼻が短い短頭種と呼ばれる犬は、涙やけを起こしやすいといわれています。プードルやチワワ、ポメラニアンやシーズー、パピヨン、マルチーズ、パグ、ブルドッグなどが挙げられます。

犬の涙やけの治療法

外部の刺激によって涙やけが発生しているときは

ゴミや毛、逆さまつ毛などの異物によって涙やけの症状が出ている際は、それらをしっかりと取り除くことが何よりも重要です。愛犬の体に異常が起こっていないかを確かめるためにも、涙やけが気になったら一度動物病院を受診するのがよいでしょう。

病院では花粉などによるアレルギーが疑われるときは、定期的な点眼や点眼薬の処方を行います。逆さまつ毛によってまつ毛が目に入りやすくなっているときは、その場で抜いてくれることも。
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目の病気によって涙やけが発生しているときは

さまざまな目の疾患によって涙やけの症状がみられる場合は、各病気の原因に合わせた治療を行っていきます。なかでも多いのは抗生剤や消炎剤、保護剤の処方です。また鼻涙管のトラブルによって症状が出ている際は、麻酔を伴う処置を行うこともあります。
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涙やけを取り除く方法

比較的症状が軽く自宅で涙やけを取り除く場合は、ぬるま湯で湿らせたティッシュやガーゼで優しく拭うのがよいでしょう。涙やけが見られない状態でも、毛が長時間湿っているとそこから雑菌などが繁殖しやすくなりますので、乾いたティッシュなどでこまめにふき取ってあげてください。

このとき目に指やティッシュが入ってしまうと眼球を傷つける恐れがあるので、お手入れの際は十分注意しましょう。また涙やけを取り除くのは、あくまでも「一時的な対処法」でしかないことを、忘れないようにしてください。

犬の涙やけの予防法

涙やけによって変色してしまった被毛は、カットするしかありません。そうならないためにも、日頃からしっかりと予防をするのが大切。ここでは3つの予防法を紹介します。

ストレスを減らす環境づくりの徹底

運動量が不足すると新陳代謝が悪くなり、体内に老廃物がたまって涙やけを引き起こしやすくなります。散歩などの適度な運動によって愛犬のストレスを緩和し、涙やけを発症しにくい体質をつくってあげることが大切です。

生活環境の改善

花粉やハウスダストによって起こる涙やけを予防するためには、定期的な掃除や空気の循環が効果的です。
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食事を見直す

おやつやフードに含まれるたんぱく質の量や種類をコントロールすることで、涙やけを引き起こしにくくなるケースもあります。低アレルゲンのフードに変えてあげることで症状が改善されることもあるため、涙やけが気になるときは愛犬の健康状態をチェックしながら、食事を見直してみるのも一つの手です。

症状がひどいときは迷わず動物病院へ

症状の違いや原因、犬の体質によって涙やけの対策法や治療法は異なります。ただの涙やけだと思っていたら実は大きな疾患が隠れていたということがないよう、症状が気になるときは早めに動物病院を受診するようにしてください。病気の早期発見・早期治療が、大切な愛犬の体や目元の可愛さを救うのです。

出典元/『いぬのきもち』2015年11月号「犬の病気別なりやすい年齢ランキング」(監修:野矢雅彦先生)
監修/いぬのきもち相談室獣医師

料金様々な「老犬ホーム」 ひと月数万円から一括100万円も

わたしたちと同じように、愛犬にも必ず老いは訪れる。食事や排泄の世話が必要になったり、一晩中吠え続けたり、その時、飼い主には大きな負担がのしかかる。

家族の一員であるワンちゃんと最期まで一緒に暮らしたい。でも──そんな飼い主たちの悩みに応える施設「老犬ホーム」が今、急増している。

 今、老犬ホームが注目を集めているのは、愛犬の「老後」が飼い主にとって大きな問題になっているからだ。ペットフード協会の調査(2013年)によると、国内の飼育犬の平均寿命は、2010年に13.9才だったのが、2013年には、14.2才に延びているという。

 犬が衰えながらも長生きする間に、自らが健康を損うなどして世話ができなくなった飼い主が、老犬ホームを利用している。

 飼い主が先に亡くなり、遺族が犬を預けるケースもある。健康に問題はないが、仕事や家庭の都合などで充分にケアできない飼い主の利用もある。核家族化が進み、犬を引き継ぐ子や孫が身近にいないことも背景にあるのだろう。

 さらに、社会がペットの命を尊重する方向に動いていることも、老犬ホームのニーズを高めている。

 かつては、世話が大変だからと、飼い主が老犬を保健所に引き渡すケースもあったが、2年前の動物愛護管理法の改正により、保健所はそうした引き取りを拒めるようになった。

昨年9月に改正された「動物の愛護に関する法律」では、飼い主が最期までペットの面倒を見る責任が明記された。

 環境省によると、「譲受飼養」(飼い主から動物を譲り受けて、その飼養を行うこと)の登録業者は、昨年4月時点で全国20業者。これらが老犬(猫)ホームに当たる。

 ただ、ペットホテルやペットシッターなどが該当する「保管」業者にも、老犬ホームの機能を有するところはあり、実際には20をゆうに超える業者が存在しているとみられる。

 広々とした高原に立つ施設があれば、都会の住宅地に作られたものも。動物病院やドッグランを併設しているところもある。食事や散歩の内容は、犬の状態をみて決めているところが多い。

 料金も千差万別だ。ひと月数万円というホームがある一方で、終生世話をする契約を結んで、一括して100万円以上を支払う施設も。入所金が数十万円かかるところもある。

 ただ、すべてがホームの裁量ではない。施設や管理方法については、環境省が定める基準をクリアしていなければならない。主な項目は以下の通りだ。

●清潔を保つ
●日常の動作をするのに充分な広さを確保する
●運動時間を取る
●必要に応じて獣医師に診療を受けさせる

「老犬ホーム」に愛犬を預けることは必ずしも無責任なことではない。自分や家族にとって、また愛犬にとっても大きなひとつの選択肢となりうる施設なのだ。

獣医師が解説 ペットから人にうつる病気で知っておきたいこと

【人生100年時代を支える注目医療】

 国内の15歳未満の子供の人口は1571万人(2017年)。一方、ペットとして飼われている犬猫の飼育頭数は1844万頭(同)。少子高齢化や核家族化が進み、いまやペットは家族の一員として大事な存在となっている。しかも、ほとんどのペットがいまは室内で飼われていて、人と動物との関係はより濃密になっている。

 そこで知っておかなくてはいけないのが、ペットから人にうつる病気の知識だ。「人獣共通感染症(ズーノーシス)」に詳しい獣医師で、みずほ台動物病院(埼玉・富士見市)兼島孝院長が言う。

「ペットを飼っている人は、動物を『恋人』のように思っている人が非常に多い。しかし、ペットとは『友達』と同じような距離感で接することが大切です。そして、過度な心配は無用ですが、何か体調が悪くなって医療機関を受診するときは、必ずペットを飼っていることを医師に伝えることが重要です」

 ペットとの距離感は、具体的にはこうだ。〈寝室を一緒にしない〉〈口移しや同じはしで食べ物を与えない〉〈キスをしたり、顔をなめられたりしない〉〈ペットに触ったり、一緒に遊んだあとは必ず手を洗う〉〈かまれたり、ひっかかれたりしないようにしつけをする(爪を短く切る)〉などだ。

■就寝中になめられて副鼻腔炎に感染した例も

 ペットの飼育を医師に伝えることが重要なのは、動物には無害の病原体が人の病気の原因になっている場合があるからだ。では、ペットからうつる代表的な感染症には、どんなものがあるのか。

「犬猫で多いのはかまれたり、ひっかかれて感染する『パスツレラ症』です。病原体は口の中にいる常在菌で、猫はほぼ100%、犬は約75%がもちます。高齢者や糖尿病患者など免疫力の低下した人に発症しやすく、傷口が30分くらいすると、激しい腫れと痛みが出て化膿するのです。また、寝ている間に犬に顔をなめられて、鼻から菌が入って副鼻腔炎を起こした症例もあります」

「ネコひっかき病」も多い。原因菌を媒介するのはノミで、感染した犬猫にかまれたり、ひっかかれて発症する。犬猫は無症状だが、人に感染すると2~3週間後に、傷の近くのリンパ節が大きく腫れる症状が表れる。

 犬猫、ウサギ、ハムスターなど哺乳類との接触で皮膚に感染するのはカビが原因の「皮膚糸状菌症」。人では肌に円形の発疹ができ、頭部では毛が抜けたりする。動物も円形に毛が抜ける症状が表れるという。

「セキセイインコなどの小鳥ではフンに含まれる病原菌を吸い込んで、かぜ症状を発症する『オウム病』、ミドリガメでは食中毒症状を起こす『サルモネラ症』などがあります。飼育ケージを掃除するときは、台所での洗浄はやめましょう」

 また、怖い感染症では犬猫から感染する「カプノサイトファーガ感染症」は敗血症を起こした場合の致死率は3割を超える。昨年、国内ではマダニが媒介する「重症熱性血小板減少症候群」に感染した野良猫にかまれた50代女性が死亡した事例もある。

 ただし、これらの感染症がペットからうつるケースは非常にまれと思っていい。

「ほとんどのペット由来感染症は、決して怖い病気ではなく、適切に治療すればすべて治ります。唯一、怖いのは狂犬病ですが、ワクチン接種があるので安心です」

 ペットは人生の伴侶。上手に付き合おう。

見つけるとお座り…がん探知犬はなぜ早期発見できるのか

 まさにお犬様。山形県金山町で、がん探知犬を使った健康診断が、40歳以上の町民を対象に、2017年、18年度の2年間にわたり行われた。

 がん探知犬とは、人間の尿のニオイなどから早期がんを発見する技術を身に付けた犬のこと。金山町の健康福祉課長によれば、昨年度は921人が尿を検体として提出。このうち、陽性と判定されたのは18人で、精密検査の結果、1人に早期がんが見つかった。

「今年は、検体を集める最終日の12月3日時点で、361人の尿が集まりました。陽性・陰性の判定が出ているのが302検体で、陽性あるいは陽性の疑いありと判定されたのは22人。このうち2人にがんが見つかりました。昨年のがんが見つかった人も含め、“早く見つかってよかった”と、掛け値なしに喜ばれました。お犬様と表現される方もいましたよ」(前出の健康福祉課長)

 金山町を含む最上地域1市4町3村は胃がんの死亡率が高く、女性の胃がん死亡率は全国ワースト。この状況を何とかしたいと考えていた町長が、日本医科大千葉北総病院外科・消化器外科の宮下正夫教授の講演を聞き、「胃がんの死亡率を下げるいい手は?」と相談したところ、がん探知犬を勧められた。宮下教授が言う。

「尿を提出するだけなので、健診を受ける人の負担が非常に少ない。今回の試みは研究の一環として行ったわけですが、1年目は想像より陽性が見つかる数が少なかった。そこで2年目は尿の量を増やし、容器も大きくするなどして、犬がもっと慎重にニオイをかげるような工夫をしました」

■センサーの開発にみ取り組む

 なぜ、がん探知犬は早期がんを発見できるのか? それは、がん患者には特殊なニオイがあるからだ。

「病院でがん患者の尿のニオイをかがせると、犬はお座りするなどの反応を必ずします。どれだけ早期のがんでも、必ずです。結果が分かった上でやっているので、当たっているかどうか、私たちもはっきり分かります。しかし健診ではがんの有無が分からない状態でニオイをかぎ分けるため、犬の反応が本当に正しいのかわからない。実際、昨年の金山町の健診では、陰性とした6人に通常の検査でがんが見つかりました。今後どうやって正確性を高めるかが課題です」

 こう話す宮下教授は、がん探知犬の研究とは別に、ニオイでがんの種類を判別するセンサーの開発にも取り組んでいる。 残念ながら、諸事情により金山町でのがん探知犬の健診は今年度で終了。12月5日に開かれた議会でも質問が寄せられるなど注目を集めた。

 なお、金山町は、白壁と切り妻屋根の「金山住宅」が街並みの基本となっている。美しい街並み散策を楽しみたい“大人”にイチ押しの場所だ。
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