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【外食・コンビニ健康法】水分補給にココナツウオーター カリウム豊富な“飲む点滴”


秋めいてきたとはいえ、まだまだ日中は汗ばみます。運動の秋ですが、スポーツをした直後などは、積極的に水分を取るようにすることが大切です。

 体内から出ていく水分は、1日で約2・5リットル。私たちは、食品からの水分のほか、飲む水分を1・5リットル~2リットルほど摂る必要があります。

これだけの水分量を毎日、摂取しなくてはならないとしたら、どんなもので水分摂取をするか、健康に対してとても需要なポイントです。

 最近、米東海岸で、健康志向の消費者を中心に「天然のアイソトニックドリンク」(スポーツドリンク)として話題となっている飲み物があります。それがココナツウオーターです。

 これは、ヤシの実の中に入っている水分を飲料にしたものです。濃縮果汁還元ではない、天然のココナツウオーターをコンビニでも、みかけるようになりました。

 ココナツウオーターは、ヒトの体の水分バランスと似ているといわれ、電解質のバランスがよいのが最大の長所です。注目したいのは、ミネラルが豊富で、ビタミンはほとんど含まれていないこと。

 なかでもカリウムがとても豊富です。100ミリリットルあたり、レタス2分の1個(100グラム)相当のカリウムが含まれます。

 汗をかくことで、体内からミネラルも一緒に排泄されてしまいます。そこで、ココナツウオーターは天然の補給飲料といえるわけです。

日常の水分摂取でも、スポーツクラブなどで運動の前後に摂取する水分としても、カラダにやさしいドリンクといえます。栄養バランスがとても整っているので「飲む点滴」と呼ぶ人もいるほどです。

 また、豊富に含まれるカリウムは塩分の取りすぎを調節してくれます。加工食品の摂取量が増えると、自然とナトリウムの量(塩分量)が増加してしまいます。

そうなると、血圧上昇がおこりやすく、高血圧の可能性や高血圧から心臓に負担をかけてしまいます。ついつい、塩辛いものを好んでしまう人にはおすすめの飲料なのです。

 カリウムは、野菜にも多く含まれますので、野菜をきちんと食べていればいいのですが、そうでない人は、ナトリウムの取りすぎと、カリウム不足に同時に陥りがちです。

そこで、ココナツウオーターを飲むことで、水分摂取のほか、汗で失われがちな電解質バランスの改善効果も期待できます。

 南の国の飲み物なので、体を冷やす効果も高いといわれます。女性などで冷え性の人は、合わない人もいるようですが、体が火照る傾向のある中年男性には向いている飲料ともいわれます。

 朝起きて、最初に飲むことで、体内の水分補給がすばやくできるはずです。一度ぜひ、お試しください。

 ■浅野まみこ(あさの・まみこ) 1975年生まれ。管理栄養士。食と健康のコンサルティング会社「エビータ」代表取締役。1万8000件以上の栄養相談の経験を元に「『コンビニ食・外食』で健康になる方法」(草思社)を著し、企業のコンサルティング、テレビ出演、講演活動を行う。

ほんとにヘルシー?「コンビニ弁当」に含まれてるちょっとヤバいもの3つ



FC2 Analyzer「食事を作るのが面倒だな」という日や、「ご飯を支度する時間がない」という日に、コンビニの弁当で済ませてしまう人は少なくないでしょう。

ハンバーガーやポテトなどのファーストフードよりも、野菜や肉が豊富に入っているコンビニのお弁当のほうが栄養のバランスもとれて体によさそう……そう考えている人もいるのでは?

でもそのコンビニ弁当が、じつは美容や健康に悪影響を与える危険が大きいかもしれないというのです! 今回は南清貴氏の著書『じつは体に悪い19の食習慣』を参考に、コンビニ弁当がはらんでいる健康リスクについてお伝えします。

■1:高温による過酸化脂質の問題

コンビニのお弁当には、唐揚げやコロッケなど油で揚げた食品が入っていることがありますが、同書では、この油の温度に問題があると指摘されています。

冷凍食材を揚げる際には、低温の油よりも高温の油で揚げたほうが製造の効率が上がり、でき上がりもカラッと仕上がるものなのですが、この点に問題があるというのです。

<油は高温にすればするほど酸化が進んで、大量の過酸化脂質が発生します。過酸化脂質は体内にとり込まれるといろいろな悪さをし、体にとっては有害です。コンビニのお弁当を食べるということは、その過酸化脂質を食べているということになってしまうのです。>

■2:トランス脂肪酸の問題

さらには、コンビニのお弁当に含まれるトランス脂肪酸の問題も指摘されています。

揚げ物を揚げる際に油が劣化してくると、ショートニングを加える傾向があるのですが、このショートニングには大量のトランス脂肪酸が含まれているそうなのです。

トランス脂肪酸は様々な病気を引き起こす原因として、人体に有害だとされているものです。

■3:“無添加”といっても何も使っていないとは限らない

無添加と書かれているおにぎり等にも注意が必要だとされています。

保存料や合成着色料の無添加をうたっている食品であっても、酢酸ナトリウムなどのpH調整剤を用いることが可能なので、これを防腐剤としている場合があるとのことなのです。

<テレビのコマーシャルなどで無添加をうたっていますが、それはあくまでも保存料や着色料を使っていないということで、何も使っていないという意味ではありません。>

以上、コンビニ弁当がはらんでいる健康リスクについてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか?

自炊をするのが面倒な日や、「時間がない!」という日にコンビニのお弁当に頼る人も少なくないのですが、今回ご紹介したようなリスクがあることは、知っておいたほうがいいでしょう。

消費者としてひとりひとりが正しい知識を持って、その上で何を買うのか、何を口にするのかということを賢く選べるようにしておきたいですね。

【知らないと損!?】タンパク質が豊富な野菜8選と吸収率を上げる食べ方|管理栄養士が解説


タンパク質をたっぷり摂れる野菜8選

筋トレや美容、健康づくりに役立つタンパク質は、野菜からも意識して摂るようにすると効率的に摂取量を増やせます。トマトやきゅうりなどの水分が多い野菜には少ないのですが、下記の野菜にはタンパク質が豊富です。

▼タンパク質が豊富な野菜一覧

(※数字は100gあたりのタンパク質含有量)

・枝豆(冷凍)…13.0g

・そらまめ…10.9g

・グリンピース…6.9g

・ブロッコリー…5.4g

・モロヘイヤ…4.8g

・豆苗…3.8g

・大豆もやし…3.6g

・たけのこ(茹で)…3.5g

これらの野菜の特徴や、おすすめの取り入れ方を詳しく見てみましょう。

枝豆

枝豆は野菜の中でもタンパク質が豊富です。冷凍枝豆ならコンビニでも手に入るため、手軽に取り入れられます。鉄も豊富なため、貧血予防にもおすすめです。

そらまめ

そらまめもタンパク質をたっぷり摂りたいときにおすすめです。最近では冷凍そらまめを見かけることも増えたため、ぜひ取り入れてみてください。カリウムを含むため、むくみ解消にもぴったりです。

グリンピース

グリンピースは料理に「ちょい足し」しやすく、手軽にタンパク質を強化できます。亜鉛を含むため、健やかな肌や髪を作るのにも役立ちます。冷凍のものを常備しておき、炒め物やスープ、ピラフなどの彩りとして取り入れてみましょう。

ブロッコリー

ブロッコリーはタンパク質だけでなく、食物繊維も豊富で腸内環境を整えたいときにもよい野菜です。まとめて茹でて保存しておいたり、冷凍ブロッコリーを活用したりすると、毎日の食事に取り入れやすいでしょう。

モロヘイヤ

夏が旬のモロヘイヤは、タンパク質はもちろん、β-カロテン、ビタミンC、食物繊維などもたっぷり摂れ、美容にもうれしい働きがあります。旬の時期はぜひ手に取ってみて、炒め物やスープ、和え物などに活用してみてください。

豆苗

比較的安価で1年中手に入りやすい豆苗は、タンパク質はもちろんビタミンCも補給でき、美容面でもおすすめの野菜です。加熱するとたっぷり食べられてタンパク質補給ができるため、炒め物やスープにしてみましょう。

大豆もやし

もやしの中でも大豆から作られる「大豆もやし」は、大豆の栄養も一緒に摂れるため、栄養豊富な野菜です。カロリーが低い野菜なので、ダイエット中のタンパク質補給に取り入れるとよいでしょう。

たけのこ

たけのこはタンパク質の補給はもちろん、食物繊維も豊富なため、お通じ対策にもぴったりです。水煮たけのこは1年中手に入るため、ぜひ活用してみましょう。

野菜のタンパク質を効果的に摂るポイント

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野菜を食べるときは、動物性のタンパク質である肉や魚、卵と組み合わせるようにしましょう。理由は、野菜に含まれるタンパク質だけでは、体内で利用されにくいからです。

タンパク質の質を評価する「アミノ酸スコア」という数字がありますが、野菜は低いものがほとんど。動物性のタンパク質はアミノ酸スコアが高いものが多いため、一緒にとることで野菜のアミノ酸スコアも高めてくれます。

野菜だけではタンパク質補給に不向きなので、ちょっとした工夫を取り入れてみましょう!

【参考文献】

・文部科学省,日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

広田千尋

管理栄養士。病院や保健センターなどで幅広い年代の栄養サポートに携わった後、フリーランスとして活動を開始。現在はコラム執筆を中心に、レシピや献立の提案なども行っている。

食物繊維をもっと摂りたい! 栄養士がアドバイスする、手軽に摂取量を増やす方法


  • 食物繊維は必要不可欠な栄養素の1つではあるものの、1日に摂取したい目標量をクリアできている人は少ない。
  • ただ、全粒穀物に切り替えるといった小さな変更でも、大きな違いにつながることもある。
  • 食事で十分な食物繊維が取れていない人は、サプリメントを取り入れてみるのもいいと、栄養士はInsiderに語った。

食物繊維は消化管の健康に欠かせない「スーパースター」だ。食物繊維には血糖値の調整、大腸がんのリスク低減、コレステロール値の低減、脳卒中や心臓病、高血圧の予防につながるといったメリットがある。食物繊維を十分に摂ることで、お通じがラクになることもある。

ただ、実際に摂取したい目標量をクリアできている人は少ない。厚生労働省がとりまとめた『日本人の食事摂取基準(2020 年版)』では、食物繊維の目標量は1日あたり18~64歳の男性で21g以上、女性で18g以上、65歳以上の男性で20g以上、女性で17g以上とされているものの、『国民健康・栄養調査結果』(令和元年)によると、目標量に達しているのはごく一部だ。アメリカでも、目標量に達しているのは全体のわずか7%だという。

目標量に近づけるために、Insiderではミネソタ大学食糧・栄養学部の教授で栄養士のジョアン・スレイビン(Joanne Slavin)氏に、食物繊維を普段の食事に手軽にプラスする方法を聞いた。

全粒穀物を選ぶ

全粒穀物を食べるのは、食物繊維の摂取量を増やすとても良い方法だとスレイビン氏は話している。

「わたしたちは食物繊維の大半を穀物から摂っています。そして、全粒穀物は精製穀物よりも食物繊維が豊富です」

例えば、昼食のサンドイッチに精白パンでなく全粒小麦粉のパンを使うなど、ちょっとした変更で食物繊維の摂取量を数グラム増やすことができる。

実際、Insiderでも以前報じたように、全粒穀物 —— 特に全粒粉のパン、ふすま、オートミールのような食物繊維が豊富なシリアル —— から摂れる食物繊維は、果物や野菜から摂れる食物繊維よりも炎症や心臓病のリスクを減らすのに優れている可能性もある。

スープ、シチュー、炒め物を作る

野菜を食べるのは食物繊維の摂取量を増やす良い方法だが、スープやシチューにしたり、強火でさっと炒め物にするとなお良い。

「野菜や果物を調理すると、水分が失われ、食物繊維が増えます」とスレイビン氏は話している。

スープ、シチュー、炒め物は、食事を用意する手間という点でも優れている。週の頭にたくさん作っておいて、冷蔵庫または冷凍庫で保存しておけるからだ。

1日を通して食物繊維を摂る

サプリメントを使って、朝食で1日分の食物繊維を摂ってしまおうとする人もいるものの、スレイビン氏はできれば毎食、食物繊維を摂るようアドバイスしている。

1日あたり28g摂りたければ —— アメリカでは女性で約25g、男性で38gが1日の目標量とされている —— 、1食あたり10gの食物繊維を摂ることを目指すといいとスレイビン氏は話している。

野菜やナッツ、種、豆類をもっと食べるようにするとか、野菜の皮まで使うようにするといったちょっとした変更が、毎回の食事で食物繊維をしっかり摂るのに役立つだろう。美味しく食べるためにも、旬の果物や野菜を使うことをスレイビン氏は勧めている。

「選択肢があるたびに、より多くの食物繊維を含む方を選ぶことができれば、それがより良い選択になるということです」とスレイビン氏は語った。

サプリメントを使う —— ただし、少しずつ始めよう

スレイビン氏は、食べ物を通じて食物繊維を摂るのが一番だと考えている。ただ、1日の目標量をなかなかクリアできないなら、サプリメントを使ってもいいという。

「そのくらい食物繊維は重要だということです。食べ物から摂れないなら、それを補う方法を考えた方がいいでしょう」

これまで食物繊維をしっかり摂ってこなかった人が摂取量を増やし始めると、胃腸の調子が悪くなる人もいるだろうとスレイビン氏は話している。ただ、それであきらめてはいけない。

「『これを試してみたけど、自分には合わない』という人は、別のものを試してみましょう」とスレイビン氏は語った。身体を慣らすためにも、食物繊維の量はゆっくり増やしていくといいという。

食物繊維の摂取量を増やすのは良いことだ。「食物繊維が摂れる植物性の食物を多く食べている人ほど、良好な健康状態にあります」とスレイビン氏は話した。

【甘さひかえめ、強調表示の罠】


購入してきた食品のパッケージに、『カルシウムたっぷり』『カロリーひかえめ』『無糖』など、含まれている成分の度合いが表現されていることがあります。

専門用語で「強調表示」と呼ばれるのですが、これらは食品メーカーがキャッチコピーとして自由に書けるわけではなく、実はこれらの表記をするには厚生労働省が定めた含有量基準を満たしていなければ記載できません。

例えば、『カルシウムたっぷり』と表記するには、食品100gあたり210mg以上のカルシウムを含んでいないと表記できない規定となっています。

他にも以下のような表記があります。

●含有量が高い旨を表す表記●

『高~』『~豊富』『~たっぷり」など

●含有量が低い旨を表す表記●

『低~』『~ひかえめ』『ダイエット』『ライト』『オフ』など

●含有量が無い旨を表す表記●

『無~』『ゼロ』『ノン~』『レス』など

●その成分を含む旨を表す表記●

『~入り』『~使用』『~添加』など

このような強調表示が記載されている場合は、厚生労働省で定められたそれぞれの成分の含有量基準を満たしていないと記載できません。しかし食品パッケージの表記にはトラップもあります。

【『甘さひかえめ』という表現】

厚生労働省が定めた表記に類似しているけれど実は制定外の表記がされている場合があります。『甘さひかえめ』がひとつの例です。

例えば『糖分ひかえめ』だと食品100gあたり5g以下の糖分含有量を満たしていないと表記できませんが、『甘さひかえめ』というのは成分表記ではなく味覚の表現となるので、例え糖分が多く含まれていたとしてもメーカー側の意志で自由に記載できてしまいます。

【『無糖』と『砂糖無添加』『砂糖不使用』のワナ】

『無糖』は100gあたりの糖分含有量が0.5g未満と定められており、砂糖、ショ糖、果糖などの糖分全般が0.5gを越えていないことになります。しかし『砂糖無添加』『砂糖不使用』はただ「砂糖」を使っていないだけであって、砂糖以外の「糖分」は含まれていることがあります。

また、この表記は加工の段階で砂糖を使っていなければ表記できてしまいます。

ですから、加工段階で砂糖を使用していなくても、加工前にもともと砂糖が含まれている食品を使用していたとすれば、メーカーは『砂糖無添加』『砂糖不使用』と表記できてしまいます。

このように、もしも体重コントロールやダイエットの一貫として強調表示を参考にされている場合は、記載条件の“隙間”を見抜かないと、含まれていないと思いこんでいた糖分をじつは知らぬ間にたくさん摂ってしまっているということもあります。

食品に書かれている表記に皆さんもぜひ一度注目してみましょう。

ケチャップやマーマレード、マヨネーズ、本当に冷蔵保存が必要なの?


ジャムやケチャップなどの調味料、ほぼ全てのボトルには「開封後は冷蔵庫に」とのサインがありますよね。でもこうした調味料、ちょっと前まで、それこそ子供の頃には、普通に戸だなにしまっていたものもあったのでは?

実際のところ、こうした調味料の冷蔵は必要?そうした問いに、微生物学者のピーター・バラット氏が説明しています。

○トマトケチャップ→冷蔵がベスト
ハインツ社のトマトケチャップのボトルには、開封後は冷蔵、8週間以内の消費を求める記載が。

バラット氏:「10年前には誰もケチャップを冷蔵庫に入れなかったが、当時はより多くの塩分が含まれていたが、高血圧防止のため、現在は天然の防腐剤である塩が減らされている」と指摘。保存料である安息香酸ナトリウムも子供の健康のために除かれるように。

「トマトと酢の酸味がバクテリアの繁殖を遅らせるため、数週間は平気だろうが、やはり指示通り冷蔵庫に入れるのがベスト」とのこと。

○ピクルス→戸棚でもOK
英ピクルスブランド「ブランストン」のボトルには、開封後冷蔵、6週間以内に食べること、との指示。

バラット氏:「ピクルスの酢はバクテリアの繁殖を抑制するもの。これは2種の酢とレモン汁、塩などで二重の効果があり、冷蔵や6週間以内の消費の必要はないだろう」との見解を示しています。また「冷暗、常温の場所で6週間もしくはそれ以上の保存が可能。

密閉ガラス容器であればなおさら。冷蔵したら、最高12週間はもつだろう」とのこと。

○イチゴジャム→室温でOK、でも6カ月以内に消費を
一般的に、「開封後は冷蔵庫へ」の指示。

バラット氏:「果物のおかげで自然の酸味があり、バクテリアを抑制。しかし、カビは酸に比較的強いため、ジャムをボトルから出すときは使いかけのナイフなどでなく、清潔なスプーン、ナイフなどを利用しないとカビ発生の元に」と注意しています。

○しょうゆ→冷蔵庫がベター
一般に「賞味期限前、冷暗所に保存を」との記載有り。

バラット氏:「しょうゆにはしばしばソルビン酸カリウムが保存料として含まれており、酵母やカビの繁殖を防ぐ。含まれる乳酸もバクテリア繁殖を防ぐもの。しかしながら、一度開封したらぶどう球菌の繁殖の可能性があり、腹痛やアレルギー反応につながることもある」と説明。

常温なら3ヶ月、冷蔵なら6ヶ月くらいが良好な保存状況だとのこと。

○ピーナッツバター→常温で保存、3ヶ月以内に消費を
多くは「常温で保存を」との指示。

バラット氏:「ピーナッツに油、砂糖に塩と、多くの自然原料を使っており、多くの保存料が入っているものでないが、常温なら3ヶ月はOK」だそう。ただ、ジャムと同様に、清潔なスプーンなどで取り出さないと、雑菌混入の原因に。

○マスタード→冷蔵庫で3ヶ月間
イギリスの人気マスタードブランド「コールマン」の容器には「冷蔵保存、3ヶ月以内の消費」の指示。

バラット氏:「水、マスタード粉、砂糖、塩、小麦粉とスパイス、という単純な材料でできており、保存料としてクエン酸も加えられている。妥当な保存条件」との見解を示しています。ただ、やはり清潔な食器での取り扱いが必要。

ハンバーガーやステーキなどと食べる時、肉汁のついたナイフなどで容器に触れては、最悪の場合食中毒の可能性も。

○マヨネーズ→要冷蔵。開封後は3ヶ月以内に消費を
大手マヨネーズブランド「ヘルマンズ」のボトルには「開封後要冷蔵、3ヶ月以内の消費、冷凍不可」との表示。

バラット氏:「多くの原材料に加え、特に卵とクリームの使用から常温保存に向いていないことが分かる。レモン果汁の天下でバクテリアの成長を遅らせる働きはあるだろうが、製造元の指示に従うべき」と話しています。

○タバスコ→常温なら8週間、冷蔵であれば6ヶ月以内に消費を
多くは「冷暗所の保存」の指示のみ。

バラット氏:「原材料は酢と赤唐辛子と塩の三つ。酢と塩が保存料に」と説明。時が経つにつれてバクテリア繁殖の可能性も高まるため、常温なら8週間、冷蔵であれば6ヶ月以内の消費を薦めています。

メタボ改善から美肌まで!「青魚」がもたらす美容&健康効果8つ


みなさんは子どもの頃、「魚を食べると頭が良くなる」と聞いたことはありませんか? 確かに、青魚に多く含まれ、記憶学習機能をつかさどる部分に多くある必須脂肪酸“DHA(ドコサヘキサエン酸)”は有名なので、おおよそ理解をしている方も多いでしょう。

しかし、同じ必須脂肪酸である“EPA(エイコサペンタエン酸)”については、意外と知らない方が多いのでは? そんな一見地味な栄養素であるEPAですが、DHAと同様にいわし・さば・あじなどの青魚やまぐろの脂身(トロ)等に豊富に含まれている必須脂肪酸。

そこで、今回はEPAを摂ることで期待できる、幅広い美容・健康効果をピックアップしてみました。順に見ていきましょう。

■1:血液サラサラ効果

EPAが赤血球の膜をやわらかくすることで、毛細血管のような狭いところへも血液がスムーズに流れるようになる効果が見込めます。血管の老化が進むと、動脈硬化や血栓を引き起こしやすくなるため、心臓病や脳梗塞などのリスクが高まります。しかし、EPAを摂取することによる血液サラサラ効果で、これら病気のリスクを低減できると考えられています。

■2:血管のアンチエイジング効果

EPAには血管をやわらかくしなやかにする作用があり、血管年齢を若く保つ効果があることがわかってきました。

富山県氷見市の漁村部と農村部で血管を脈が伝わる速度を比較したところ、漁村部のほうが平均して7年も血管年齢が若いというデータも出ているのです。魚をどのくらい食べるかで、ハッキリした違いが見えてくるのですね。

■3:抗炎症&抗アレルギー効果

EPAには特定の酵素を抑制する働きがあり、アレルギー促進酵素を阻害することが期待されています。

また手術前に投与することで、術後の創傷の治癒を促進するという報告もあり、アメリカやカナダでは、手術後の抗炎症効果を目的としたEPA摂取が医療ガイドラインとして推奨されています。

■4:中性脂肪低下効果

中性脂肪数値の高い人がEPAを摂取することで、中性脂肪値が著しく低下することが分かっています。

■5:精神安定効果

EPAが、うつ状態を改善させる作用が示唆されたという結果が発表されました。シナプス間隔のセロトニンの濃度を上昇させることにより、うつ症状を改善させることが推定されています。

■6:眼精疲労抑制効果

「目の疲れ」、「目のかすみ」、「目の乾き」などの自覚症状が、EPAによって改善されることが分かりました。

■7:肌の潤い効果

美肌にも高い効果が見込めるEPA。抗炎症作用によりアトピー性皮膚炎やニキビの緩和が期待できるほか、細胞同士をつなげるのを助ける役割を持っているため、肌のターンオーバーの調整効果も。キメ細かな肌を保つためにも有効ですね。

■8:持久力の向上効果

さらにEPAは、スポーツをする人への効果も期待されています。EPAをトレーニング中に摂取することで、赤血球のサラサラ効果によって末梢への酸素供給能力が高められ、持久力の向上につながるよう。

また、運動の際にかかとが地面に着くときに破壊される赤血球も少なくなったり、スポーツ貧血の予防効果まで期待されています。

EPAを上手に摂取するには、鮮度の良いものを選ぶことはもちろん、旬の魚を食べることがおすすめ。旬の魚は美味しいだけでなく、いわゆる“脂がのっている”ため、EPAやDHAの含有量も多いとされています。

また、魚を毎日食べるのは難しいという場合は、ニッスイの『イマーク』というドリンクのように、効率的にEPAが摂れる特定保健用食品も販売されていますので、上手に活用してみてくださいね。

あまり知られていないEPAですが、トータルでの美容・健康効果がこんなに! あらためて注目してみてはいかがでしょうか?

栄養まるごと吸収!海外では常識「生で食べるとイイ」意外な食材



FC2 Analyzerキュウリとトマトは生、じゃがいもやかぼちゃは茹でたり、煮たり……。生のまま食べるか、それとも火を通して食べるか、食材によってその調理方法をこれまでの概念で決めつけていませんか? 

日本では火を通すのが当たり前の食材でも、海外に行けば生で食べているものが意外にあったりします。生で食べれば、アンチエイジングや美肌などにも効果的な、酵素やビタミンもたっぷり吸収可能。

ということで、今回は意外だけれど生でも食べられる野菜についてご紹介します。

■生で食べるメリットとは?

生野菜には、酵素がたっぷり含まれています。酵素は50度~60度程度で働きを失ってしまうので、茹でたり炒めたりといった調理ではなく、生で食べることで酵素をたくさん吸収することができます。

また、たくさん酵素を摂取すると、身体の細胞が元気になっていくのです。

同様にビタミンも高温になると量が減ってしまったり、茹でている間に、湯に流れてしまうこともあり、生食なら栄養素をそのまま摂ることができます。

では、生食もOKな食材を紹介しましょう。

■生食が実はおすすめな意外な食材4つ

(1)もやし

サラダなどに、もやしを生のままプラスして食べる方法があります。フォーなどのベトナム料理でも付け合わせに出てくるもやしは、生のことが多くありますよね。生だとよりシャキシャキとした触感を楽しむことができます。

(2)ブロッコリー

アメリカではブロッコリーは、生のままサラダとして出すことがポピュラー。小房にわけたブロッコリーにそのままドレッシングをかけて食べます。ポリポリとした触感で、にんじんやセロリのスティックサラダのような雰囲気です。

(3)マッシュルーム

生のまま、薄くスライスしたものをサラダに入れることが多くあります。フレッシュなものなら、その美味しさがよくわかります。ただマッシュルームは変色しやすいため、食べる直前に切るか、カットした後にレモン汁をかけると良いです。

(4)おくら

薄く切って、納豆に加えたり、そばやうどんの薬味として使ったりしてもOK。おかかと醤油をかけて、そのまま食べるのもおつまみにぴったりです。

一方、茹でたり炒めたりするとカサが減って、たくさんの野菜を食べられるという利点もあります。

また灰汁が強い野菜は、生よりも火を通す方が向いていることや、火を通すことで甘味やうまみが増すものもありますので、生食と火を通すものとを、両方バランス良く食生活に取り入れると良いでしょう。

また、生で野菜を食べるときに気になるのが農薬。生で食べるときは、できるだけ新鮮で安全なものを選ぶようにしましょう。

高野豆腐は生活習慣病リスク改善する可能性 1ヶ月15.5kg減も



FC2 Analyzer昨年2月に厚生労働省が発表した都道府県別の平均寿命で、はじめて男女とも1位となった長寿県・長野。その長野が全国総生産量の9割を誇るのが「こうや豆腐」だ。医療現場からも注目されている驚異の健康パワーとは?

 大豆100gから豆腐1~2丁(300~600g)が作られるのに対し、同量の大豆からできるこうや豆腐はたったの45g。大豆の栄養・植物性たんぱく質がギュッと凝縮されている。

「たんぱく質の消化吸収には、ビタミンB群を含むまぐろや鶏ささみといった食材を一緒に食べると効果的に摂取できます」(こうや豆腐普及委員会 技術部長・村澤久司さん)。

 さらに、こうや豆腐には優れた栄養素がぎっしり。

「たんぱく質やビタミンEは肌細胞などあらゆる細胞の原材料となるため、肌の調子も整いやすくなります。

 また、女性に不足しがちな鉄分や亜鉛も多く含まれているのです」(前出・村澤さん)

 生活習慣病が死因の過半数を占め、40~74才については男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボリックシンドロームの該当者または予備軍といわれている現代(「厚生労働省調べ」より)。こうや豆腐普及委員会は、生活習慣病のリスクを改善する食材としてこうや豆腐を使った試験を行い、今年5月にその成果を発表した。

「1か月の摂食により善玉コレステロール(HDL)が上昇し、それに伴う動脈硬化指数がダウン。

 さらに、試験前に中性脂肪が高かった被験者(40名中9名)も数値が低下するなど、一部生活習慣病が軽減しました」(前出・村澤さん)。

「わが社のメタボ社員が、1日1枚こうや豆腐を実施したところ、1年半で15.5kgの減量に成功。健康診断の数値も改善されました」(こうや豆腐普及委員会 会長・登内英雄さん)。

 今後も健康にかかわる研究が予定されているこうや豆腐。今や健康食材の最前線にあるのだ。

魚の皮に多く含まれるオメガ脂肪酸。どんな働きがあるの?


脂肪酸というと、なんとなく体に悪そうなイメージがありますが、オメガ脂肪酸というのは脂肪酸の中では体にマイナスの影響を与えるものではなく、プラスの作用を持つ脂肪酸です。

できるだけ摂取しないほうが良いと言われているのは常温で固まりやすい飽和脂肪酸のことで、肉や油などに含まれる成分です。逆に常温で固まりにくいものは不飽和脂肪酸であり、健康に必要な種類の脂肪酸です。

魚の皮などに含まれているため、魚油と呼ばれることもあります。
ここではオメガ脂肪酸の働きについて簡単に解説します。

◆オメガ脂肪酸は脳の働きを活性化する!

オメガ脂肪酸は不飽和脂肪酸で、脳の働きを活性化する働きがあります。オメガ脂肪酸にもいくつかの種類があり、DHAと呼ばれることも多いドコサヘキサエン酸、EPAと呼ばれているエイコサペンタエン酸、そしてARAと呼ばれているアラキドン酸などがあります。

サプリメントなどで名前を聞いたことがある人も多いこれらの成分は、全てオメガ脂肪酸に分類される成分です。
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◆オメガ脂肪酸は記憶力もアップする!

オメガ脂肪酸はもともと体内で生成されている成分ですが、年齢とともに作られにくくなり、減少してしまいます。

この成分は脳神経の働きを活性化する働きがあるため、減少すると脳の働きが鈍くなり、記憶力や学習能力にもマイナスの影響が出てしまいます。

受験中の子供にオメガ脂肪酸のサプリが良いと言われているのは、この成分の働きによって記憶力がアップする効果が期待できるからです。

◆オメガ脂肪酸は魚の皮に多く含まれる!

オメガ脂肪酸は、普段の食生活から摂取することも可能です。ただし、どんな食材にも含まれているという成分ではなく、マグロやイワシ、サバなどの魚に含まれている成分なので、食生活で十分な量を摂取するなら、魚を中心とした食事をする必要があります。

また、この成分は魚の身ではなく皮の部分に多く含まれているため、皮もしっかり食べることによって確実に摂取できるという特徴があります。

魚が嫌いな人や魚料理をあまり作らない家庭においては、普段の食生活の中で十分なオメガ脂肪酸を摂取することが難しいので、サプリメントを利用して確実に摂取する方法もおすすめです。
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◆オメガ脂肪酸は中高年にもプラスの効果!

脳神経を活性化してくれる働きを持つオメガ脂肪酸は、物忘れがひどくなりかけの中高年にもプラスの効果が期待できます。40代以降になると、誰でも物忘れをしやすくなってしまいます。

老化現象なので仕方ないと放置していても自然に回復するわけではありませんし、度合いがひどくなってしまうだけ。そのため、オメガ脂肪酸をサプリなどで摂取して、脳機能を少しでも活性化できるように努力すると良いでしょう。

秋が旬!恐るべし「すだち」の知られざる美容効果が注目の的


秋の味覚、すだち。しかし、すだちの使い道といえば、焼いたサンマに搾るくらいしか出番がないように思われがちでした。そんな名ワキ役であるすだちが、この時期旬を迎え脚光を浴びているのだとか。

そこで今回は、すだちが注目されている理由を探ってみたいと思います。

■すだちの知られざる美容健康効果

すだちには、残暑の夏バテ対策にも良い食欲増進効果があると言われており、まさにこの時期にピッタリの食材。しかも、意外と知られていませんが、すだちには部位によってそれぞれ、下記のような美容健康効果があるのです。

(1)果肉

ビタミンCが豊富で、リモネンという成分が醸し出す香味は心気を整える効果があります。

(2)果汁

ビタミンCとクエン酸、果糖が豊富に含まれ、胃腸を刺激して消化吸収を助けます。

(3)果実

クエン酸は利尿作用、浄血作用があり、疲労の原因となる物質を取り除き、細胞の新陳代謝を活発にします。そのため疲労回復に効果があります。

(4)皮

ビタミンAが豊富で、他にもたんぱく質、脂質、糖質、繊維、灰分など多種類の栄養素が多く含まれます。

まさに、捨てるところがないほど、美容健康効果の固まり! これはぜひ、食生活に取り入れない手はありません。

■『東京すだち遍路』が9月6日~スタート!

そんなすだちの産地は、ほぼ100%徳島県。中でも、日本一のすだちの産地は、徳島県神山町です。9月はそんな徳島県からの出荷量が最大になることから、価格も安く、消費者が手に入れやすいシーズン。

そこでこのタイミングに、神山町の農家さんたちが集結して、東京のラーメンやバーガーなどの12店舗とコラボする『東京すだち遍路』をスタートさせるのだそう。(2014年9月6日~21日まで)

すだちラーメン、すだちバーガー、すだちジェラート、すだち大福、すだちサンドウィッチ……など、何でもありのジャンルを超えたすだちメニューに注目が集まっています。

美味しくてキレイになれるすだちを、ぜひこの時期に取り入れてみてはいかがでしょうか? すだち遍路の詳しい情報はHPにも載っていますので、ぜひすだちを食べに出かけてみてくださいね。

体を冷やさない食べ方のポイント5つ


食べ方1つで体を温めることができるってご存知ですか?

そこで今回は、そんな冷えに効く美味しい食べ方を伝授したいと思います。

毎年、夏の冷えに悩まされている方はぜひご一読を!

■体温以上の食べ物を摂る

冷たい食べ物を体内に入れると、新陳代謝がうまくいかず、結果冷えやすい体になってしまいます。なので、基本は体温以上の食べ物を摂るようにすることが大事。食べるときに、このことを心がけるだけで、血の巡りや体の温度だって変わってきます。夏でも、アイスや冷たい物は避けるようにしてください。

■野菜はなるべく温野菜で

美容に、ダイエットに欠かせない野菜。でも、そんな野菜でも、生で食べれば体を冷やしてしまいます。なので、野菜を食べるときは温野菜で頂くようにしましょう。それに、温野菜にできる野菜となると、ニンジン、ゴボウ、カボチャなど体を温めてくれる作用のあるものばかり。蒸すだけでできるので、サラダ代わりに食べるといいですよ。

■サラダを食べたいときは酢をかける

それでも夏は冷たい生野菜のサラダが食べたくなりますよね。しかし、サラダの材料となるトマトやキュウリは体を冷やす食材。このまま食べれば体を冷やしてしまうかも?そんなときは、サラダに酢をかけて頂きましょう。酢は体を温める食材なので、生野菜にかけて食べることで冷えが緩和されます。オリーブオイルを混ぜて手作りのドレッシングをかけるのもオススメです。

■甘さが欲しくなったらハチミツを

飲食をしていて「もうちょっと甘みが欲しいなぁ…」と感じるときがあるかと思います。そんなときは、白砂糖を足さずに、ハチミツを使うようにしましょう。白砂糖は体を冷やしてしまう作用があり、冷えが気になる方にはオススメできません。ハチミツなら体も冷すこともなく、味にコクも出せるので甘さが欲しいときはぜひ使ってみてください。

■食べ過ぎない

腹八分目を心がけることも体を冷やさないためにできる食べ方の1つ。なぜかというと、ご飯を食べ過ぎてしまうことにより体に負担をかけ、血の流れがうまくいなかくなってしまうんです。食べ過ぎによる冷えが起こらないよう、食事の際はしっかり噛んで、過食を防止しましょう。

いかがでしたでしょうか?

今まで体を冷やす食べ方をしていたんだ…とハッされた方も多いのではないでしょうか?冷えを感じやすい方は、ぜひこれらの食べ方を実践してみてくださいね。

ブドウの種は食べていいの?悪いの? 実は強力な抗酸化作用など栄養豊富!


種にも栄養ぎっしり

食べやすいと人気の種なしブドウ。小粒のデラウェアも、もともとは種があるブドウですが、最近は、巨峰などの大粒なブドウでも、種なしが主流になってきています。

■種なしブドウの作り方

ブドウを種なしにするには、栽培の過程で「ジベレリン」などの植物ホルモンを複数回使用します。

ブドウ農園の人によると、「ジベレリン」はブドウの種自体からも分泌される物質で、使用され始めてから50年以上が経ちますが、その安全性に問題は報告されていないとのこと。また、“味が薄くなるのでは?”という点については、肥料などで工夫し、種ありと遜色ないように改良されているようです。

■種って害なの?

ブドウの種があると確かに食べにくいのですが、食べても害はありません。むしろビタミンEや抗酸化成分などの有用成分が入っています。

ブドウの種からは、グレープシードオイルというオイルが作られます。ブドウの種にはオレイン酸とリノール酸などが含まれており、血液中の中性脂肪を減らしたり、悪玉コレステロールを減少させ、善玉コレステロールを増やしたりする効果があります。

また血液循環を改善し、血管を保護する働きがあるため、体のすみずみまで栄養を行き渡らせるのに効果的で、育毛効果、むくみ対策としての効果が注目されています。

さらにブドウの種には、ポリフェノールの一種で強力な抗酸化作用があるプロアントシアニジンと呼ばれる成分が入っており、生活習慣病や老化防止などに役立つことが期待できます。

種や皮ごとミキサーにかけ、ジュースにするとブドウの栄養素をまるごと摂取できます。種ありのブドウを見つけたら、是非試してみましょう。

長生きの国に共通…和田秀樹「1週間に1回食べると脳梗塞・心筋梗塞リスクを約25%下げる"身近な食材"」【2023編集部セレクション】


2023年上半期(1月~6月)にプレジデントオンラインで配信した人気記事から、いま読み直したい「編集部セレクション」をお届けします――。(初公開日:2023年4月18日)健康で長生きするためには何を食べるべきか。

医師の和田秀樹さんは「高タンパクな大豆は、疲労回復に効果的なビタミンB群のほか、オレイン酸などを含む『健康食材』だ。約2万9000人の男女を対象にした栄養学の調査では、1週間に1パック以上の納豆を食べていた人は、ほとんど食べない人に比べて、

心筋梗塞と脳梗塞を患うリスクが約25%も低いという結果が出た」という――。

※本稿は、和田秀樹『80歳の壁[実践篇]幸齢者で生きぬく80の工夫』(幻冬舎新書)の一部を再編集したものです。

最も注意すべきは「ご飯やパンから食べはじめること」

本稿では、「いろいろな食材をどんな順番で食べるか」について、お話しします。年をとると、血糖値が乱高下しやすくなることもあって、若い頃以上に「何から食べはじめるか」という、「食べ順」が重要だからです。

最も注意したいのは、「炭水化物」系から、食べはじめることです。少なくとも、最初から、炭水化物系ばかりを口に運ぶのは避けましょう。

食べはじめから、炭水化物系ばかりを口にすると、血糖値が急上昇してしまいます。すると、膵臓(すいぞう)のランゲルハンス島がインシュリンを分泌し、血糖値を下げようとします。

すると、血糖値は下がるのですが、そうした血糖値の乱高下が体の負担になり、細胞の炎症を引き起こすのです。細胞の炎症は、ほぼイコールで「老化」を意味します。

むろん、炭水化物を多く含む食品の代表格は、ご飯とパンです。いきなり、白飯だけを食べるという人は少ないでしょうから、むしろ問題はパンにあります。

いきなり、ジャムをたっぷり塗った食パンにかじりついたり、菓子パンをパクつくと、血糖値が急上昇します。まずは、サラダなど、副食を胃に入れてから、パンをかじるのが、正しい「食べ順」です。

その意味で、フレンチやイタリアンのコース料理で、前菜を先に食べ、パンやパスタをその後で食べるのは、理にかなった「食べ順」といえます。それよりよいのは和食の懐石料理で、焼き物、煮物、向こう付けなどの料理のあとに、締めに白いご飯を食べるのも、理想的な「食べ順」といえるのです。

理想をいうと、やはり最初は「タンパク質」を口に入れたいものです。たとえば和風の朝食なら、まずは豆腐や玉子料理を食べてから、ご飯を口に運ぶといいでしょう。サラダ類など、野菜を先に食べるのも、いきなり炭水化物系をパクつくよりは、健康的です。

また、昼食には、麺類を食べる人も多いと思いますが、その場合も、豆腐の小鉢を用意するなど、「タンパク質」を食卓に添え、そちらから食べはじめるといいでしょう。

食欲が湧かないときは、おかずだけ食べればいい

高齢になると、食欲が湧かない日もあるものです。その原因は人それぞれで、「運動不足から、食欲がなくなる」人もいれば、「胃腸の消化力が落ちて、食べたものの消化に時間がかかるため、食欲が出ない」という人もいます。

あるいは、歯が悪くなって、噛みにくいため、食欲が湧かないという人も増えます。咀嚼(そしゃく)する力が落ちると、脳の食欲に関する中枢への刺激が乏しくなり、食欲が湧きにくくなるのです。

また、心理的な理由から、食欲が落ちるケースもあります。たとえば、配偶者を亡くし、一人暮らしになって、悲嘆や孤独感から食欲がなくなることがあります。また、夫に食事を用意する必要がなくなることで、食卓への関心が薄れ、結果的に食欲が失われることもあります。

さらには、薬物の副作用で食べる気がしないという人もいれば、味覚や嗅覚に障害が生じて、何を食べてもおいしくない、という人もいます。

では、そのような理由から、食欲がなく、料理を食べきれないときには、どうすればいいか――そういうときには、おかずを先に食べて、ご飯やパンを残すことです。おかずさえ何とか食べていれば、タンパク質やビタミン、ミネラルをある程度は摂取することができるからです。

1週間に1パックの納豆が心筋梗塞と脳梗塞リスクを約25%低減

「豆類」をよく食べる国は、おおむね長生きの国です。

たとえば、北欧のスウェーデンは、男性の平均寿命では、日本とほぼ肩を並べる長寿国ですが、この国には、エンドウ豆やブラウンビーンズをよく食べる習慣があります。

むろん、わが国の平均寿命が世界一長いのも、納豆や味噌など、大豆を原料とする食材を「国民食」としてきたことがその一因とみていいでしょう。

大豆は「畑の肉」と呼ばれるくらい高タンパクの食品であるうえ、疲労回復に効果的なビタミンB群をたっぷり含んでいます。他にも、オレイン酸など、健康に必要な各種の栄養素を含む「健康食材」です。

大豆食品のうち、納豆に関して、かつて「高山調査」と呼ばれる大規模調査が行われたことがあります。栄養学の世界では有名な調査で、現在の岐阜県高山市で、約2万9000人の男女を対象にして、16年間にもわたる追跡調査が行われたのです。

その結果、1週間に1パック以上の納豆を食べていた人は、ほとんど食べない人に比べて、心筋梗塞と脳梗塞を患うリスクが約25%も低いことがわかりました。

納豆1パックで、約5グラムのタンパク質を摂取できます。その「粘り強い」積み重ねが、心臓と脳の梗塞リスクを小さくするのです。

高齢者の「深酒」「大酒」は絶対ダメ

アルコール類は、高齢になっても、「適量」をたしなむ分には、何ら問題ありません。80代の人の肝臓も、適量のアルコールなら代謝できます。

ただし、「深酒」「大酒」は禁物です。

摂取するアルコール量は、若者・壮年世代でも、純アルコールにして「1日平均20グラム程度」にとどめることが推奨されています。これは、ビールなら中ビン1本、日本酒なら1合程度の量です。高齢者の場合、肝臓の分解能力が落ちていますから、それ以下の量をちびちび楽しむのが賢明です。

高齢者が毎日、酩酊するほどに飲み続けると、アルコール依存症への道まっしぐらとなります。年をとると、アルコールの代謝能力が落ちるため、短期間のうちにアルコール依存が進行するのです。実際、高齢者の約15%は、「飲酒に関係する健康問題」を抱え、約3%の人はアルコール依存症状態にあります。

また、高齢者が深酒すると、疲れがとれにくくなります。肝臓が、疲労回復に役立つタンパク質の合成よりも、アルコール分解を優先するからです。そのため、体内の隅々までタンパク質が行き渡りにくくなり、いつまでも疲労感が続くのです。

ともかく、若いころと同じような調子で、飲み続けないことです。足がふらつくまで飲んだりすると、ころんで、大ケガを負うリスクも高まります。一夜の酩酊が寝たきり生活を招きかねないのです。

老化した肝臓でもアルコールを分解して飲む方法

そこで、「それでも飲みたい」という左党には、「アルコール濃度をなるべく低くして飲む」ことをおすすめします。飲む液体量は多少多くとも、純アルコール量は増やさないという飲み方です。

たとえば、ウイスキーや焼酎など、アルコール濃度の高い酒を飲むときには、なるべく多めの水やお湯で割って、アルコール濃度を低くして飲みます。濃度を低くするほど、純アルコール量を減らせるとともに、老化した肝臓でも、アルコールを分解しやすくなります。

一方、日本酒など、割っては飲めない酒は、水と一緒に飲むといいでしょう。アルコールには利尿作用があるため、酒だけを飲み続けると、水分不足になります。水と一緒に飲むと、血中アルコール濃度の上昇を防げるうえ、水分不足に陥らず、悪酔いもしにくいのです。

と申し上げても、「水と一緒になんか、飲めるかい」という人には、せめて「水分多めの肴(さかな)」を食べながら、飲むことをおすすめします。そこまでの左党なら、野菜スティックを食べながら飲むと、酔いが回りにくいことは、経験的にご存じでしょう。

それは、野菜に含まれている水分を摂取しながら、飲んでいるからです。野菜スティックや豆腐を肴に飲めば、多少は血中アルコール濃度の急上昇を防ぐことができます。

---------- 和田 秀樹(わだ・ひでき) 精神科医 1960年、大阪市生まれ。精神科医。東京大学医学部卒。ルネクリニック東京院院長、一橋大学経済学部・東京医科歯科大学非常勤講師。2022年3月発売の『80歳の壁』が2022年トーハン・日販年間総合ベストセラー1位に。メルマガ 和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」

「寝たきりになりたくなければ海藻を食べなさい」医師が勧める筋肉をつける食事の新常識【2023編集部セレクション】



※写真はイメージです
※写真はイメージです© PRESIDENT Online
2023年上半期(1月~6月)にプレジデントオンラインで配信した人気記事から、いま読み直したい「編集部セレクション」をお届けします――。(初公開日:2023年6月14日)年をとっても元気でいるためにはどうすればいいのか。消化器内科医の江田証氏は「重要なのは筋肉を維持することだ。日本人独特の腸内細菌によって、海藻を食べることで筋肉の減少を防ぐことができる」という――。

※本稿は、江田証『超一流の腸活術 最高のパフォーマンスを生み出すための食事法と習慣』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

腸内細菌が乱れていると筋トレの効果が出づらくなる

みなさんのなかには「スポーツジムに通って筋トレをしている」という人も多いと思う。スポーツをしていて筋力をアップしたい、マッチョなボディに憧れている、ダイエットのため、ストレス解消できるから――理由はいろいろあるだろう。

それはともかく、適度な筋力、適切な筋肉量は健康長寿を達成する上で重要な要素である。実際、「太ももの筋肉が太い人ほど死亡率が減少する」という論文があるほどだ(※)。

※出典:Heitmann, Berit L., and Peder Frederiksen. “Thigh circumference and risk of heart disease and premature death: prospective cohort study.” Bmj 339 (2009).

筋肉が少ないと、長期に入院するリスクが高まり、感染症にかかりやすくなり、死亡率が高まる。それに対し、筋肉が多いと、認知症にかかりづらくなり、がんにかかった時にも筋肉量が多い人ほどがん手術の予後が良く、抗がん剤や放射線療法が効きやすいことがわかっている。筋肉からは「イリシン」や「スパーク」といった「天然の抗がん剤」が分泌されているからだ。

ただ、筋トレをしている人なら「同じようなトレーニングをしていても、筋肉がつきやすい人とつきにくい人がいる」と感じることがあるだろう。

たしかに筋肉のつきやすさには、人によって違いがある。そして、その違いを生む要因のひとつに考えられているのが「腸内細菌の違い」なのだ。

意外かもしれないが「腸」と「筋肉」には非常に深い関係性があり、腸内細菌のバランスによって筋肉のつき方に違いが生まれる可能性が指摘されている。これを「腸筋相関(ちょうきんそうかん)」という。つまり、「腸内細菌が乱れていると十分に筋トレの効果が得られず、筋肉がつきにくくなる」といえるのである。

肉をほとんど食べずに肉体美を保つパプアニューギニア人

腸内細菌と筋肉の関係を語るときに、私はよく「パプアニューギニア高地人」の話を例に挙げる。

標高1500メートル超の高地に暮らすパプアニューギニア人たちはみな全身がみっちりとした筋肉で覆われており、日本人と比べてもはるかに筋肉質な体格をしている。

だが彼らの主食はサツマイモで、肉はほとんど口にしない(お祭りの際、年に2~3回ほど豚肉を焼いて食べることがあるようだが)。つまり、動物性たんぱく質をほとんど摂取していないのだ。彼らのたんぱく質摂取量は、私たち日本人の平均(1日あたり約80グラム)の半分ほどしかない。また「何か特別な筋トレをしている」というわけもない。

にもかかわらず、彼らは素晴らしい筋肉質の体をしている。ほぼサツマイモのでんぷん(糖質)だけで筋力や筋肉量を維持できているのだ。

その理由を探るためにパプアニューギニア高地人と日本人の腸内細菌を比較調査したところ、彼らの腸には日本人にはほとんど見られない特殊な腸内細菌が多く存在していることがわかった。そのひとつが「窒素固定菌(ちっそこていきん)」という細菌だ。

パプアニューギニア高地人がサツマイモを食べると、腸内で分解されて窒素が発生する。すると、窒素固定菌によってその窒素から筋肉の材料であるアミノ酸が生成される。そのアミノ酸から筋肉ができる――。そう考えられている。

彼らの筋肉は肉のたんぱく質ではなく、「腸内細菌が窒素からつくった独自のプロテイン」でできているというわけだ。

筋肉の多い日本人の長寿者には「酪酸菌」が多い

日本人がパプアニューギニア高地人の真似をして、同じようにサツマイモばかり食べても筋肉をつけることはできないだろう。たんぱく質不足になってガリガリにやせてしまうのがオチだ。日本人の腸内細菌は、彼らのそれと違って窒素固定菌がほぼ存在していないからだ。

だが日本の長寿地域での研究では、肉を食べなくても、たんぱく質の摂取量が多くなくても、筋力が衰えず、年齢を重ねても元気で活動的に暮らしている人が大勢いることが判明した。そこには、やはり、日本人独特の腸内細菌が関係しているのだ。

日本人の腸内細菌は世界的に見ても非常に特殊である。例えば日本人の約90パーセントに、海苔などの「海藻」を分解する酵素を持った腸内細菌の存在が認められている。こうした腸内細菌を持っているのは、隣国である中国を含む世界各国では約15パーセント程度しかいない。日本人と中国人の遺伝子は非常に似ているのに腸内細菌はまったく違うのだ。

この特有の腸内細菌のおかげで、日本人は海藻に含まれる「ポルフィラン」という炭水化物を分解して栄養源(エネルギー)に変えることができる。民族によって腸内細菌は異なるため、栄養学も十把一絡げに論ずることはできないのだ。

筋肉を増やすために有効な食材は肉だけではない

筋肉を増やすには、筋肉の材料となるたんぱく質をしっかり摂ることが重要だというのはよく知られている。たんぱく質を豊富に含む食品の代表格といえば、やはり「肉」だろう。とくに低カロリー&高たんぱくの「赤身肉」や「鶏のささみ」「鶏胸肉」などは筋トレ民たちの必須の“神食材”だ。

だがここで、原点に立ちかえってみる必要がある。筋肉を増やすために、肉だけを食べることが不可欠なのだろうか、と。

実際、日本の長寿地域での研究では、筋肉量と肉などのたんぱく質摂取量とは相関関係がなかった。筋肉量と相関したのは、腸内で「酪酸」を作る「酪酸菌」(ラクノスピラ、ロゼブリア、コプロコッカス)だった。そして、腸内に酪酸菌が多い人が食べているものを分析すると、「海藻」や「豆」、「野菜」、「味噌汁」などだったのだ。肉を食べているから筋肉が多いわけではない。肉などのたんぱく質を摂ることだけが筋力アップや筋量の増加につながるとは限らない。肉食も手段のひとつではあるが、絶対条件ではないのだ。

パプアニューギニア高地人がサツマイモで、日本人が海藻類などで筋肉を増やせるように、腸内細菌の違いによって効率的に筋肉を得るためのアプローチも異なることを理解しておく必要があるだろう。

日本人の死因第3位には筋肉量が深くかかわっている

「サルコペニア」と「フレイル」という言葉をご存知だろうか。

サルコペニアの「サルコ」は筋肉、「ぺニア」は喪失の意味で「加齢による筋量の減少」をいう。もう一方の「フレイル」には「加齢による心身の衰え、虚弱状態」の意味がある。どちらも高齢化が進む日本社会で深刻な健康問題となっている。

日本人の死因の第1位は「悪性新生物(がん)」、第2位は「心疾患」、そして第3位が「老衰」だ。日本人の多くは特定の病気ではなく、体の衰えによって亡くなっている。サルコペニアが進行してフレイルになり、そのまま亡くなる――これが日本の高齢者に多い“亡くなり方”なのだ。

そう考えれば、「筋肉」が日本人の寿命に大きな影響を与えるといえる。

京都府京丹後市の健康長寿の高齢者にはサルコペニアが少なく、寝たきりにもならずに“ピンピンコロリ”で天寿を全うする人が多いことがわかっている。

筋力と筋肉量を維持してサルコペニアを防ぐことが、健康長寿につながるのだ。

若い頃の過度なダイエットが老後の寝たきりリスクを招く

サルコペニア、フレイル、老衰、寿命――若い人にはまだピンと来ないかもしれない。

ただ、筋肉の衰えや筋肉量の低下は高齢者に限ったことではない。現代人はスリム志向が強く、多くの人が「ダイエットしてやせたい」「細くなりたい」と切望する人が非常に多くなっている。

やせたいがために短時間で急激な減量に挑み、体重は減ったけど同時に体力も筋力も落ちて体調を崩すケースも少なくない。

太りすぎが健康によくないのはいうまでもないが、筋力や筋肉量が著しく低下するようなダイエットや生活習慣もまた健康を害する要因になってしまう。

また、若いうちから筋肉を落としてしまうと、将来、年を重ねてからサルコペニアやフレイルに陥って寝たきりになるリスクが高くなる。「サルコペニア肥満」という言葉がある。加齢による筋肉量の減少であるサルコペニアと、体脂肪率が多い体型を掛け合わせた言葉だ。サルコペニア肥満は、通常の肥満よりも生活習慣病にかかりやすく、運動能力を低下させるため、結果として寝たきり生活になってしまう危険性がある。

若い頃に落ちてしまった筋力を高齢者になってから回復させるのは容易ではない。だからこそ、若いうちから意識して筋肉を減らさない生活を心がけるべきなのだ。「貯金」ならぬ「貯筋」をコツコツ続けるとよいだろう。

加齢で筋肉が萎縮するのを抑制する腸内細菌

前項では日本人はその独特な腸内細菌によって、あまり動物性たんぱく質を摂らなくても海藻類などで筋肉を増やすことができると述べた。ではなぜ海藻類が筋肉増加・維持をもたらしてくれるのだろうか。

そこには近年注目の「酪酸」がかかわっている。酪酸は「酪酸菌」と呼ばれる善玉の腸内細菌が腸内でつくり出す短鎖脂肪酸の一種である。この酪酸には筋肉を溶かしてしまう「HDAC(エイチダック/ヒストン脱アセチル化酵素)」という酵素の働きを阻止し、加齢で筋肉が萎縮するのを抑制する働きがあることがわかっている(※)。

※出典:Walsh, Michael E., et al. “The histone deacetylase inhibitor butyrate improves metabolism and reduces muscle atrophy during aging.” Aging cell 14.6 (2015): 957-970.

つまり、健康で長生きするためには筋肉を減らさないことが重要であり、筋肉を増やして萎縮・減少を防ぐためには、腸内に酪酸を増やすことが大事になる。日本人は酪酸が多い人ほど筋肉も多い。腸内の酪酸菌の量と筋肉量が比例しているのだ。

そして日本人にとって身近で簡単に手に入る酪酸を増やす食材(つまり酪酸をつくる酪酸菌を活性化する食材)が、「海藻」なのだ。

日本人特有の腸内環境に合わせた食事をする

日本人が先述した海藻などを食べると、海藻に含まれる水溶性食物繊維をエサとする酪酸菌が腸内で活発になって酪酸を産生する。酪酸が増えることで筋肉の減少を防ぐことができる――。こうしたメカニズムが日本人に長寿をもたらしてきたのだ。

時代とともに食文化も変わってきている。筋肉を増やすためには、もちろん肉や魚などでたんぱく質を摂ることも大切だ。ときにはプロテインの助けを借りるのもいい。戦後たんぱく質摂取量が増えたことで脳出血が減り、栄養学に基づいた食生活の改善が日本人を長寿にしてきたことは間違いない。ただ、長寿地域に住む、筋肉の保たれた高齢者がみな特殊な筋トレをして肉やプロテインをとっているのか、と言えば、間違いなくノーであろう。

やはり、まずは海藻、豆、野菜、味噌汁などをしっかり食べて腸に酪酸を増やすという“日本人の腸にふさわしい”アプローチに立ち返ることも重要である。海藻に含まれる「アルギン酸ナトリウム」は酪酸菌のエサとなる「プレバイオティクス」の働きをして酪酸菌を増やすが、海藻は良質なたんぱく源でもある。

海苔(のり)はなんと約40%のたんぱく質を含んでいる。たんぱく質の「質」は、「アミノ酸スコア」で判定されている。肉や卵、乳製品のアミノ酸スコアは100。しかし、これらの食品には脂質が多く、「高カロリー」である。これに対して、海藻は海苔=91、ワカメ=100、昆布=82と非常に高いアミノ酸スコアなのにもかかわらず、「低カロリー」である。

海藻にはヨウ素過剰摂取などのリスク要素も指摘されるものの、日本のように海藻を多く摂っている国でも、若年層ではヨウ素の不足が懸念されている。

筋肉から分泌されるホルモンが大腸がんの発生を抑える

覚えておいてほしいのは、筋肉はただ体を支え、体を動かすためだけのものではないということだ。筋肉もほかの臓器と同じように、生命活動に必要なホルモンを分泌する重要な「内分泌器官」なのである。

しかも筋肉は、がんの発生やがん細胞の増殖を防ぐ“天然の抗がん剤”とも呼べるホルモンをたくさん分泌しているのだ。

イギリスの超一流の医学雑誌『GUT』で発表された論文では、筋肉から分泌される「SPARC(スパーク)」というホルモンが血流にのって大腸まで届き、そこで大腸がんの発生を抑制する働きをしていることが報告されている。

つまり、「筋肉量が多い人ほど大腸がんになりにくい」可能性があるということだ。運動して筋肉量を維持することで、大腸がんのリスクを減らすことができるのである。

世界でもっとも権威のある内科系医学雑誌『The Lancet』にも、大腸がんや乳がんの10%は「不活動(運動不足)」が原因であるという報告が掲載されている。適度な運動に加え、酪酸菌を増やすことがわかった日本古来の食事で筋肉を維持し、常に増やすように心がける。酪酸菌を増やし、筋肉を増やすためにも今まさに必要なことなのだ。

---------- 江田 証(えだ・あかし) 医学博士、江田クリニック院長 自治医科大学大学院卒。日本消化器病学会奨励賞受賞。米国消化器病学会(AGA)インターナショナルメンバー。日本消化器病学会専門医。日本消化器内視鏡学会専門医。「世界一受けたい授業」(日本テレビ)などテレビやラジオ、雑誌などに多数出演。著書に『新しい腸の教科書』(池田書店)、『腸のトリセツ』(学研プラス)、『小腸を強くすれば病気にならない 今、日本人に忍び寄る「SIBO」(小腸内細菌増殖症)から身を守れ!』(インプレス)など多数。著書累計は90万部を突破し、そのうち5冊が中国や台湾、韓国など海外で翻訳されている。 ----

いよいよ立冬。身体を温めて、冷え対策に効く!冬の薬膳メソッドとは?


身体の調子を整える、薬膳。国際中医専門員・ライフアンドファッションスタイリストとして活躍する、やくぜんもとこさん。薬膳を気軽に楽しめるようにと、日々さまざまな提案をしています。

一気に涼しくなってきたと思ったら、中医学的には11月上旬から立冬。やくぜんもとこさんに、この時期のおすすめの食材や食事のポイントを教えていただきました。

中医学から見た「冬」の特徴
「冬は一年の中で最も寒く、自然の草木は枯れ、動物たちは冬眠する“貯蔵”の季節です。 生まれた時に両親から受け継ぐ生命エネルギーの源、「精」を貯蔵する『腎』の機能が活発となります 特徴は寒さで、冷えが身体の内側まで入ると悪寒・震え・下痢・冷えが、寒さで気血の流れが停滞すると頭痛・胃痛・腹痛・関節痛などの症状が起こります。中医学では冬に次の春からの1年間分のエネルギーを蓄える、とされています」

冬の食事作りのポイント
「立冬から立春までは身体を温めながら気・血・水を補う食事を心がけ、睡眠時間を長めにしてゆったりと身体を休ませることが大切となります。今月は身体の気・血・水分を補う食材を取り入れるようにしてください。」

1.気を補う
→もち米・米・かぼちゃ・いんげん・長芋・じゃがいも・キャベツ・カリフラワー・ブロッコリー・キノコ類・ 栗・鶏肉・牛肉・豚肉・鰻・鰯・鱈・鱸・鯖・蜂蜜・麦芽糖

2.血と水分を補う
→豚レバー・赤貝・イカ・にんじん・ほうれん草・タコ・落花生・ぶどう・小松菜・黒ごま・白ごま・松の実・クコの実・鴨肉・豚肉・卵・牡蠣・ホタテ・アワビ・ムール貝・スッポン・卵・乳製品

3.身体を温める
→唐辛子・山椒・ニラ・フェンネル・マス・鯵・黒砂糖・シナモン・クルミ・羊肉・鹿肉・海老・ナマコ

4.気血の巡りを促す
→そば・玉ねぎ・らっきょう・青梗菜・グリーンピース・みかん・金柑・オレンジ・酢・青梗菜・ターメリック

やくぜんもとこさん今月の暮らしのトピックス
「上野にある『水月ホテルおう外荘』が 10月15 日で閉館すると知り、 先日伺ってきました。

おう外荘は釘を一本も使わない伝統的な工法の木造建築で、戦時中の空襲も幾多の震災も乗り越えた貴重な建造物。おう外が「舞姫」を書き上げた場所としても有名です。繊細な細工の欄間や見事な調度品で、束の間のタイムトリップ。

また、帰り際にホテルで使用されていたという素敵な器をお譲りいただきました。これから大切に使い続けていきたいと思います」

【コンビニ健康法】ロカボ糖質量7・8グラムの日常菓子 ファミリーマート「カリッと香ばしいアーモンドチョコレート」


秋になってくるとコンビニやスーパーで増えてくるお菓子がチョコレート類です。温度管理が大切なチョコレートは、涼しくなる秋から春までが「旬」というわけです。たくさんの種類があるチョコレートの誘惑に負けてしまいがちですが、チョコレートもご存じの通り、高カロリー、高糖質、さらに高脂質のものが多く、好きなだけ食べてしまえば、「秋の味覚」とともに冬に向けてメタボまっしぐらになりかねません。

 そこで、お菓子類は「スペシャル」と「日常」で買い分けることがおすすめです。「スペシャル」とは、月数回、思いっきり自分を甘やかすためのお菓子のこと。カロリーや糖質、栄養など気にせずにそのとき食べたいものを食べます。

 「日常」は日々の中でちょっとつまみたい、甘いもの欲求を満たすためのお菓子です。食べる頻度が高い分、カロリーや糖質量が低いものや、栄養が摂れるものなどを考慮し、体にプラスになるものを選択することがおすすめです。

 ファミリーマートの新しいプライベートブランド「ファミマル」が発表され、「おいしい、うれしい、あんしん」をテーマに「ファミリークオリティ」をコンセプトにした商品が展開されています。その中で、ロカボチョコシリーズの「アーモンドチョコレート」もコンセプトに合わせて『カリッと香ばしいアーモンドチョコレート』(税込198円で購入)にリニューアルされていました。

 この商品には、適正糖質をコンセプトにしたロカボマークがついており、1日の間食が「一般社団法人 食・楽・健康協会の定めるロカボマーク基準で推奨されているロカボ糖質10グラム以下の基準」に収まるように設計されています。

 砂糖ではなく、カロリーが砂糖の半分のマルチトールを使用し、1袋40グラムのロカボ糖質量(利用可能炭水化物を元に算出したもの)は7・8グラムです。またアーモンドが入ることで、食物繊維も1袋3・7グラム摂取でき、アーモンドに多く含まれる抗酸化物質のビタミンEなども摂取できるので、「日常」のお菓子としてはぴったりです。

 ファミマルのコンセプトに合わせ、チョコレートは「サステナブル(持続可能)」をテーマに原材料が選ばれています。このチョコレートは、持続可能なカカオ生産実現するために、トレーサビリティが保証されたカカオを使用しているとホームページに解説がされていました。

 何気なく食べてしまいがちなお菓子類ですが、ブランドコンセプトに合わせて、「おいしい」だけでなく、どんな「うれしい」「あんしん」が、商品に込められているかを考えてみると、より価値を感じられていいですね。

 ■浅野まみこ(あさの・まみこ) 1975年生まれ。管理栄養士。食と健康のコンサルティング会社「エビータ」代表取締役。1万8000件以上の栄養相談の経験を元に「『コンビニ食・外食』で健康になる方法」(草思社)を著し、企業のコンサルティング、テレビ出演、講演活動を行う。

【管理栄養士に聞く】「エナジードリンクは体に悪い」これって実際どうなの?


エナジードリンクはテレビCMなどでもよく目にする機会が多く、コンビニやドラッグストアなどで手軽に手に入るようになりました。「エナジードリンクは体に悪い」というイメージを持つ方も多いと思いますが、実際はどうなのでしょうか? 今回はエナジードリンクについて、「管理栄養士」の広田さんに詳しく伺いました。

【この記事の監修医師】
広田 千尋 さん(管理栄養士)
病院や保健センター、保育園等に管理栄養士として13年間勤務。その後、2020年より独立。現在はフリーランスとしてコラム執筆やレシピ作成を中心に、栄養や食に関する正しい知識をわかりやすく伝えることをモットーに活動中。

カフェインと糖質の摂りすぎに注意
編集部:
エナジードリンクは体に悪いって本当でしょうか?

広田さん:
エナジードリンクとは、カフェインやアミノ酸、ビタミンB群などの成分を添加した飲料のことを指します。適度な摂取は特に問題ありませんが、大量に飲みすぎると、カフェインや糖質の摂りすぎにより体へ悪影響を及ぼすことが考えられます。

編集部:
カフェインを摂りすぎると体にどのような影響があるのでしょうか?

広田さん:
カフェインの過剰摂取は、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気等の症状の原因になることがあります。厚生労働省のホームページでも、エナジードリンクの飲みすぎによる健康被害の症例について注意喚起がなされています。適度な摂取は問題ありませんが、とくにエナジードリンクは短時間にたくさん飲みすぎてしまうこともあり、体への影響が心配されます。

編集部:
カフェインは1日にどのくらいなら摂っても大丈夫でしょうか?

広田さん:
カフェインに対する感受性は個人差が大きいため、健康に及ぼす影響を正確に評価することは難しく、日本には明確な推奨摂取量の基準はありません。海外の基準では1回あたりが200mg以下、または1日400mg以下を推奨摂取量としている国が多いようです。100mlあたりのカフェイン含有量は、コーヒーだと60mg、エナジードリンクは32~300mgと製品によって異なります。100mlあたりでみるとコーヒーより少ないものもありますが、エナジードリンクは1本あたりの量が多いものもあるので注意が必要です。

編集部:
糖質は摂りすぎるとなぜいけないのでしょうか?

広田さん:
糖質は体にとって必要な栄養素ですが、摂りすぎるとカロリーオーバーの原因になるだけでなく、血糖値が急激に上がる危険性があります。血糖値が急激に上昇すると、それを急激に下げようとする作用が働きます。この血糖値の乱高下は「グルコーススパイク」と呼ばれ、眠気や集中力の低下、いらいら、空腹感といった体の不調を起こしやすくなります。

編集部:
1日に必要な糖質の量はどのくらいでしょうか?

広田さん:
1日に必要なエネルギーが2000kcalだった場合、推奨される炭水化物の目標摂取量は250~325gほどです。これを米やパンなどの主食、野菜や果物などからバランスよく摂ることが大切です。エナジードリンクは1本に、約30~45gもの糖質が含まれるものもあります。飲みすぎるとあっという間に目標摂取量をオーバーしてしまうため注意が必要です。

エナジードリンクの頼りすぎは禁物
編集部:
エナジードリンクのよいところはないのでしょうか?

広田さん:
エナジードリンクに含まれるカフェインやビタミンB群は、適量であれば体によい働きをしてくれる面もあります。例えば、カフェインには眠気覚ましや頭をすっきりさせる効果がありますし、またビタミンB群は糖質、たんぱく質、脂質の代謝に必要な栄養素になります。

編集部:
1日1本程度なら飲んでも大丈夫でしょうか?

広田さん:
ほかにカフェインを含む飲料をとらない場合であれば1日1本程度であれば問題ないと考えます。しかし、糖質の摂りすぎにはなるため注意が必要です。また、妊娠中や授乳中の方、子どもはカフェインを控える必要があるため、エナジードリンクは避けましょう。

編集部:
エナジードリンクはどんなときに飲むのがいいのでしょうか?

広田さん:
眠気覚ましやエネルギーチャージなどのリフレッシュとして飲む方が多いようですが、清涼飲料水(ジュース)でもあるので、エナジードリンクに頼りすぎてしまうことはおすすめできません。エナジードリンクに含まれる栄養素は食材からも摂取できますので、食生活を見直してみることが大切です。

エナジードリンクに頼らない食生活とは
編集部:
エナジードリンク以外で眠気覚ましにおすすめの食品はありますか?

広田さん:
カフェインの効果を得たいなら、無糖のコーヒーや紅茶がおすすめです。また、コーヒーや紅茶に含まれるポリフェノールという成分には、抗酸化作用により動脈硬化、がん、老化、免疫機能低下の原因となる活性酸素を取り除く働きがあります。これはエナジードリンクには期待できない効果です。

編集部:
エナジードリンク以外で手軽にエネルギーチャージできるおすすめの食品はありますか?

広田さん:
糖分を摂ることでエネルギーチャージをしたいなら、バナナやおにぎりなどの手軽に食べられるものがおすすめです。バナナやおにぎりに含まれる糖質は、エナジードリンクに比べると消化吸収がゆるやかなため、血糖値の上昇が穏やかになります。ほかにも、不足することで疲労感の要因となるビタミンB1やビタミンCなどの栄養素を、普段の食生活で意識して積極的に摂ることも大切です。

編集部:
ビタミンB1、ビタミンCはどのような食品に含まれますか?

広田さん:
ビタミンB1は豚肉やうなぎ、鮭、ぶりといった魚類、あとは玄米や蕎麦などにも含まれます。ビタミンCは、主に野菜や果物に含まれ、野菜であればブロッコリーやピーマン、かぼちゃなど、果物であればキウイフルーツやいちご、オレンジなどに多く含まれます。肉や魚、また野菜や果物をバランスよく食べ、それぞれの栄養素が不足しない食生活を心がけましょう。

編集部:
最後に、読者へのメッセージがあれば。

広田さん:
エナジードリンクは手軽にエネルギーチャージができる飲み物ですが、飲み過ぎることで健康への悪影響や、体の不調を招いてしまう恐れがあります。また、毎日エナジードリンクに頼らなければいけない生活は、体が疲れて休息を求めていることがほとんどです。ときにはしっかりと休養して、体を休めてあげましょう。

編集部まとめ
エナジードリンクは、大量に飲みすぎると、カフェインや糖質の摂りすぎにより体に悪影響を及ぼすことがわかりました。1日に何本も飲んだり、コーヒーや紅茶などと一緒に飲んだりすることで、カフェインの過剰摂取の恐れがあります。また糖質の摂りすぎにも注意が必要です。エナジードリンクはここぞという時のためにとっておき、普段は頼らないでおく方が安心ですね。

効率よく栄養摂取する「ファスト食材」と「スロー食材」食べ合わせの考え方



 朝ご飯に和食よりもパンを好む家庭も多い。しかし、パンの原料である小麦を原因とする消化器系疾患のリスクを指摘する専門家もいる。さらに、「食べ合わせ」の観点から、パンを中心とした朝食に疑問を呈する専門家もいるのだ。


“腸活メソッド”で世界的に有名なフランク・ラポルト=アダムスキー氏の著書『腸がすべて』(東洋経済新報社刊)の監修者、澤田肝臓・消化器内科クリニックの澤田幸男院長が解説する。


「アダムスキー氏は25年かけて食材の摂取から排便までのスピードを測定し、胃から腸までの消化管を30分で通過するものを『ファスト』、胃で4~5時間、腸を通過するのに7~9時間かかるものを『スロー』に分類。そのどちらでもないものを『ニュートラル』とし、消化を助ける食材に位置づけました。


 同じ分類のものを食べれば消化スピードが同じなので効率よく栄養を取り込むことができる。逆に『ファスト』と『スロー』を組み合わせて食べると、腸内に混合物が生まれて流れが悪くなり、自浄に必要な休憩時間を取れなくなって、食べ物が腐敗した有害な汚れがこびりつく。それが万病のもとになるという考え方です」


 澤田氏によれば、消化の速い「ファスト」には、果物、ドライフルーツ、ハチミツ、ヨーグルト、トマト、レモン、緑茶、ジュースなどがあり、消化の遅い「スロー」にはパン、米、ジャガイモ、トウモロコシなどの穀類・野菜、肉、魚、チーズ、卵、豆腐などの動植物性タンパク質、ナッツ類などがあるという。


「パンを食べる時にジャムを使ったり、ジュースを一緒に飲んだりするのは『スロー』と『ファスト』の組み合わせになるのでNGです。ヨーグルトやハチミツもダメ。トマトをサンドイッチに挟んで食べるのもやめたほうがいい」(同前)


“朝はパン”という人は「スロー」と「ファスト」を組み合わせないというのはなかなか難しそうだ。それに対して和食では、ヨーグルトやハチミツ、果物、ジュースなど「ファスト」の食材との組み合わせはあまりない。


「和食に使う食材はほとんどが『スロー』に分類されます。たとえば焼き魚にレモン汁やカボス汁ではなく、大根おろしを組み合わせるなど、少し気をつければ『スロー』同士の理想的な食事に近くなります」(同前)もし原因不明の体調不良に悩まされているなら、一度、朝のパンをやめてみるのも手かもしれない。


体重管理や寿命を伸ばす助けになるとも! 食物繊維が豊富な食品 7選


腸が正常に働くために不可欠な食物繊維だけど、そのメリットはおなかを満たすだけではない。食物繊維の多い食品には、心臓病、脳卒中、2型糖尿病、腸がんなど、主要な疾患のリスクを低下させる働きもある。食物繊維の目標摂取量を毎日達成することは、体重管理に役立つだけでなく、寿命を伸ばす助けになるとも! 毎日の食生活を見直して、食物繊維たっぷりの食材を積極的に食べよう。

毎日の食事に、食物繊維は足りてる?
全粒粉パン、果物、野菜、豆類など、日常のさまざまな食品に含まれている食物繊維。でも実は、十分な量を摂取できていない人が多いという。たとえばイギリス人の食物繊維の平均摂取量は、1日あたり女性が17g、男性が20g。

これは国の機関である「栄養に関する諮問委員会(SACN)」が推奨する1日あたり30gという数字を、はるかに下回っている。
 
イギリスの国民保険サービス「NHS」で、ダイエットと健康のコンサルタントを務める外科医サリー・ノートン医師と、世界最大の営利医療機関「HCA(ホスピタル・コーポレーション・オブ・アメリカ)」の傘下にあるロンドンの「ザ・プリンセス・グレース病院」で、シニア・スペシャリスト・ダイエティシャンを務めるネハル・ケシュワラさんに、食物繊維が必要な理由、食物繊維がもつ健康上のメリット、食事でなるべく多くの食物繊維を摂取する方法について、話を聞いてみた。

食物繊維とは?
そもそも食物繊維とは、果物、野菜、豆類、穀物などの植物性食品に含まれる複合糖質を指す言葉。消化酵素によって分解され、ブドウ糖の形で燃料になるそのほかの炭水化物と違い、食物繊維はほとんど消化されない。そんな食物繊維にもさまざまな種類があり、それぞれ特有のキャラクターをもっている。
 
・水溶性食物繊維
腸内で水と混ざり合い、溶けてゲル状の物質に変化する水溶性食物繊維は、食物粒子の吸収を緩やかにする働きがある。その働きによって血糖値が安定し、コレステロール値を低く保つことができる。水溶性食物繊維は、オーツ麦、大麦、豆類、えんどう豆、全粒穀物、ナッツ類、シード類、果物、野菜などに含まれている。
 
・不溶性食物繊維
ほとんど水に溶けることなく水分を吸収する不溶性食物繊維は、便にかさと水分を与えてくれる。この天然の下剤作用は、便秘の症状を軽減し、腸の健康を改善する効果をもつ。不溶性食物繊維は、全粒小麦、とうもろこし(ポップコーンを含む)、オーツ麦、オートブラン、ナッツ類、果物、野菜(とくに皮の部分)に含まれている。
 
・発酵性食物繊維
発酵性(またはプレバイオティクス)食物繊維は、体にいい腸内細菌(善玉菌)のえさとなって発酵し、善玉菌の増殖を促進する。発酵過程で生成される短鎖脂肪酸は、腸の健康や病気と闘うための重要な役割を果たすことが、研究で分かっている。発酵性食物繊維はおもに水溶性だけど、一部の不溶性繊維も同じように機能する。

食物繊維が必要なのはなぜ?
医学雑誌『ランセット』に発表された研究いわく、毎日少なくとも25gの食物繊維を摂取することで、驚くべき健康メリットが得られるという。また食物繊維の摂取量が8g増えるごとに、心臓病、2型糖尿病、あらゆる原因による死亡リスクが最大27%減少し、脳卒中や乳がんの予防力も強化される。
 
毎日、25~29gの食物繊維を摂取すれば “十分” ではあるけれど、データによると、食物繊維の多い食品を積極的に摂取することで病気の予防につながるのだそう。
 
ちなみにイギリス人は1日30gの食物繊維を摂取するよう推奨されているけれど、この目標を達成しているのは成人のわずか9%だけ。もし十分な量を摂取できていないのなら、食物繊維を増やすべき6つの理由を読んでみて。
 
・腸の健康を守る
食物繊維の多い食品を定期的に摂取すると、腸がんを含む特定の胃腸がんの予防になる。逆に食物繊維の少ない食事だと、痔や憩室症の発症リスクが高まるという。
 
・腸の働きを正常に保つ
食物繊維によってかさが増え柔らかくなった便は、スムーズに消化管内を通過できるので、便秘になる可能性が減る。ゆるくて水っぽい便のときも、食物繊維を摂取すると、水分を吸収して便のかさが増える。
 
・心臓の健康をサポートする
水溶性食物繊維は、LDL(悪玉)コレステロールを低下させることが研究で分かっている。より一般的には、食物繊維の多い食品を摂取すると、「血中コレステロール値と血圧が改善して、心臓病のリスクが低下するだけでなく、健康的な体重の維持に役立ちます」とケシュワラさんは語る。
 
・血糖値を安定させる
ケシュワラさんいわく、食物繊維は糖質が血流に吸収される速度を緩やかにしてくれるという。「これにより、血糖値が急激に上昇するのを防げるうえ、より長く満腹感を感じることができます」とも。血糖値が急激に上昇し、そのあと急激に下降すると、空腹感や無気力感を感じることがある。
 
・健康的な体重維持に役立つ
食物繊維の多い食品はまた、ボリュームがあって、低カロリー、低糖、低脂肪なものが多い。「食物繊維は消化しにくいため、食べたあとに満腹になります。血糖値が急上昇したり、カロリーを追加することなしに、空腹を満たすことができるのです」とケシュワラさん。
 
・体にいい栄養素が含まれている
ラズベリーに含まれるビタミンCからビーツに含まれる硝酸塩まで、食物繊維の多い食品には、健康に良い化合物がたくさん含まれている。「食物繊維が豊富な食品は、栄養が豊富な場合が多く、私たちの健康に有益な各種ビタミンや抗酸化物質を、たくさん含んでいます」とケシュワラさん。

積極的に摂取したい食物繊維の多い食品
食物繊維の摂取量を増やす方法はとてもシンプルで、食事に食物繊維の多い食品を足すだけでOK。ただしこのとき重要なのは、さまざまな食品から摂取すること。
 
これから紹介する食べ物の栄養価はどれも高いけれど、健康でバランスの取れた食事のためには、さまざまな食品を食べることが不可欠。そこで、毎日の推奨摂取量を満たしてくれる、栄養たっぷりの23の食材をご紹介!
 
※これらのリストを見る前に、注意点が1つ。食物繊維の多い食生活を始める前に気を付けたいのが、腸が慣れるまでは、食物繊維の摂取量を徐々に増やすこと(これまで食物繊維の摂取量が少なかった人はとくに)。
 
「食物繊維の過剰摂取は、便秘、おなら、消化器系の障害を引き起こす可能性があります。便秘にならないよう、食物繊維の量を徐々に増やすようにして、同時に水分の摂取量も増やすようにしてください」とケシュワラさんは説明する。

1. チアシード
栄養価がとても高いチアシードをポリッジ、スムージー、ヨーグルトなどに振りかければ、腸を満たす食物繊維を、簡単に 摂取することができる。
 
チアシード30g(大さじ2杯分程度)には、食物繊維10gにくわえ、鉄とカルシウムが1日に必要な量の15%も含まれている。

2. キドニービーンズ(インゲン豆)
チリコンカンに欠かせないキドニービーンズ(インゲン豆)は、ほかの種類の豆と比べて脂肪分がわずかに少ない。40gあたりに含まれる食物繊維は12g、たんぱく質は13gと、そのほかの豆と同程度含まれている。

3. グリーンピース
一般的に野菜として販売されているグリーンピースだけど、実際にはマメ科植物で、栄養科学的にもそれが証明されている。
 
グリーンピース100gには、食物繊維がなんと22g、たんぱく質は23gも含まれている。さらに、抗酸化物質の一つであるポリフェノールも豊富。

4. アボカド
脂質の高い果物として知られるアボカドにも、食物繊維が含まれている。
 
平均サイズのアボカド(150g)には、脂質と食物繊維がそれぞれ約10g含まれていて、さらに食物を体内でエネルギーに変換するために不可欠なビタミンB群も、かなりの割合で含まれている。

5. ブロッコリ
150gあたり4gの食物繊維を含むブロッコリは、積極的に食べる価値のある野菜。そのほかのアブラナ科の野菜のように、炎症を和らげる生理活性物質が豊富で、150gで1日の推奨摂取量の150%のビタミンCを含んでいる。

6. オーツ麦
1日のスタートにボウル一杯のオーツ麦を食べることは、もっとも健康的な方法の一つ。40gあたりに含まれる食物繊維は驚異の40g。種類的には、水溶性食物繊維の一種であるβグルカンである場合が多いという。
 
またオーツ麦だけに豊富に含まれている、アベナンスラミドという抗酸化物質には、血圧を下げる効果があることが知られている。

7. じゃがいも
ベイクドポテトには食物繊維がたっぷり。というのも、平均的なじゃがいも170gには約4.2gの食物繊維が含まれている。
 
さらに腸内細菌の栄養となる、レジスタントスターチ(食物繊維に似た働きをする難消化性でんぷん)も豊富。冷蔵庫に一晩置いて冷やして食べることで、じゃがいもに含まれるレジスタントスターチの含有量を増やすことができる。

冷食や総菜を活用…高齢者は「脱力調理」で栄養しっかり 筋力低下防ぐ


食事はフレイル予防の柱の一つ。ただ、高齢になって体力が衰えると、買い物に行ったり、調理をしたりする負担が重くなり、毎日の食事がおろそかになりがちだ。北海道・名寄市立大学の中村育子准教授(臨床栄養)に、自宅で続けやすい料理のコツを聞いた。(沼尻知子)

ハードル下げる

冷凍食品など活用

中村さんのおすすめは、市販の冷凍食品や加工品、総菜を活用することだ。  例えば、市販の「冷凍ギョーザ」と「冷凍ほうれん草」を入れたスープを作れば、ギョーザでたんぱく質、冷凍ほうれん草でカルシウムと、両方の栄養素が摂取できる。  つぶした豆腐と練りごま、マヨネーズに、総菜として買ったひじきの煮物を加えれば、食物繊維やカルシウムとともにエネルギーも摂取できる。


たんぱく質を取れるサラダチキンは、コンビニなどでも購入でき、「もう一品」のおかずにおすすめだという。  また、調理のちょっとした工夫で食が進みやすくなる。食材を小さく切ったり、長めに煮たりすると、かむ力が弱くなった人でも食べやすい。高齢になると唾液が少なくなるため、豆腐やなめたけといったのみ込みを助ける食品を取り入れるのも効果的だ。  中村さんは「低栄養状態が続くと、日常生活にも支障が出てくる。『友人と会う』『散歩に出かける』など、希望する生活を続けるためにも、日々の食事に気を配ってほしい」と呼びかけている。


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手軽に作れる! 栄養士が薦める、健康的で美味しい朝ごはん 20


ことわざにもあるように、朝食は1日の中で最も重要な食事だ —— ただ、それも健康的なものであれば、だ。

「朝食はあなたの1日をジャンプスタートさせ、代謝を上げる燃料です」と管理栄養士のエレアナ・カイダニアン(Eleana Kaidanian)氏は言う。

正しい朝食を選ぶことは、朝食を取ることと同じくらい大切なことだ。例えば、2018年のある研究では、市販のパン製品といった質のあまり良くない朝食はからだと心の不健康につながるとされている。

では、健康的な朝食とは一体どんなものなのだろうか? カイダニアン氏はバランスの取れた朝食として、脂肪分の少ないタンパク質、食物繊維が豊富な炭水化物、健康的な脂肪が含まれる食べ物を選ぶようアドバイスしている。

手軽に作れて健康的な朝食をいくつか紹介しよう。.

1. ベリー類を入れたヨーグルトボウル

© bauhaus1000/ Getty Images

ヨーグルトにはカルシウム、タンパク質、プロバイオティクスが豊富に含まれている。ベリー類を添えることで、風味や食物繊維、抗酸化物質をプラスできる。組み合わせることで健康的で美味しい朝食の出来上がりだ。

作り方:カイダニアン氏はプレーンの低脂肪ギリシャヨーグルトの上に、ブルーベリーやラズベリーといったベリー類をひとつかみ乗せるよう薦めている。食感や食物繊維をプラスしたい場合は、麻の実か生のオーツ麦を振りかけてもいいという。

2. トマトとリコッタチーズのトースト

© Anshu Ajitsaria/Getty Images

さっぱり軽めのサンドイッチの気分なら、トマト・リコッタ・トーストを試してみよう。カイダニアン氏は食物繊維が豊富な100%全粒粉のパンを使うようアドバイスしている。

作り方:低脂肪のリコッタチーズを全粒粉トーストに塗る。その上にスライスしたトマト(焼いたものでも生でもOK)を乗せ、塩、こしょう、乾燥ハーブ(バジル、オレガノなど)で味を調える。

3.野菜と卵のマフィン

© Rachel Hosie

野菜と卵のマフィンは、タンパク質と食物繊維が両方取れるとカイダニアン氏は言う。卵にはタンパク質に加え、ビタミンAやビタミンB2、ビタミンB12、カルシウム、マグネシウム、リンといった栄養素が豊富に含まれている。

作り方:卵を溶いたら、自分の好きなトッピング(マッシュルーム、玉ねぎ、ハラペーニョ、ピーマン、パプリカなど)を加えようとカイダニアン氏は言う。カップケーキの型に入れたら、約180度で20分焼く。カイダニアン氏は、週末にまとめて作り置きし、毎朝必要な分だけ温めて食べることを薦めている。

4. フルーツにナッツバターを添えて

© Linh Moran Photography/Getty Images

朝、急いでいる時は果物をスライスして、天然のナッツバターにつけて食べることをカイダニアン氏は薦めている。ナッツバターにはタンパク質と健康的な脂質が含まれているし、果物には食物繊維やビタミン、ミネラルが含まれている。

作り方:バナナやりんご、いちごといった果物をスライスし、ピーナッツバターまたはアーモンドバターをつける。ナッツバターを選ぶ時は容器のラベルを見て、砂糖が追加されていないかどうか確認しよう。砂糖を大量に消費していると、時間とともに心疾患や糖尿病のリスクが高まる。

5. オートミール

© Arx0nt/Getty Images

オーツ麦には水溶性の食物繊維と不溶性の食物繊維の両方が含まれている。ゆっくりと消化されるため、腹持ちがいいとカイダニアン氏は言う。抗酸化物質も豊富だ。

作り方:カイダニアン氏は水か無脂肪乳、または甘味料無添加の植物由来のミルクを使うことを薦めている。栄養と風味をプラスするため、オートミールの上にブルーベリーや砕いたピーカンナッツ、シナモン(少量)を乗せてもいいという。

6. 甘くないポリッジ

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甘いよりしょっぱい方が好きな人は、塩味のポリッジ(オーツ麦のおかゆ)を試してみよう。ビタミンやミネラルをプラスするためにホウレンソウやトマトを加え、タンパク質をプラスするために卵を上に乗せるといい。

作り方:スティールカットオーツに塩とこしょうを加えて煮る。そこにホウレンソウとトマトを加え、オートミールが柔らかくなるまで約10~15分かき混ぜる。ポーチドエッグまたはゆで卵を上に乗せる。

7. アボカドトースト

© Westend61/Getty Images

アボカドには健康的な脂質、食物繊維、カリウム、マグネシウム、ビタミンA、ビタミンB6、ビタミンCが豊富に含まれている。

作り方:熟したアボカドをスライスまたはマッシュしたら、全粒粉トーストに乗せる。塩、こしょう、ライム、パプリカで味を調える。カイダニアン氏は、タンパク質をプラスするために固ゆで卵またはポーチドエッグをその上に乗せることを薦めている。

8. キヌアとフルーツのサラダ

© istetiana/Getty Images

キヌアはタンパク質が豊富で、グルテンフリーだ。調理もしやすい。フルーツと合わせることで、栄養たっぷりで満足感の得られる朝のサラダになる。

作り方:ベリー類と刻んだマンゴーに1カップのゆでたキヌアをあわせる。風味と栄養をプラスするため、蜂蜜、ライム、ミントの葉でシンプルなドレッシングを作ってかける。

9. 野菜オムレツ

© Westend61/Getty Images

スクランブルエッグからフライドエッグまで、卵の調理法は数多くある。ただ、オムレツにすれば、野菜と一緒に食べることができる。卵はコレステロール値を上げるとも言われていたが、研究によって、卵を食べることは悪いことではないと分かった。大半の健康な人なら、週に7つ食べても問題ない。

作り方:卵を溶いて、塩とこしょうを加える。少量の油をひいたフライパンに流し込み、卵が固まり始めたら刻んだ野菜(ピーマン、マッシュルーム、玉ねぎなど)を加える。卵が固まったら半分に折って、火からおろす。

10. バナナとピーナッツバターのスムージー

© Arx0nt/Getty Images

朝食を作る時間がないなら、すぐにできるスムージーを作ってみよう。バナナを加えることで、クリーミーな仕上がりになるだけでなく、カリウムも取れる。ピーナッツバターからはタンパク質と健康的な脂質が取れる。

作り方:カイダニアン氏は凍らせたバナナ、粉末ピーナッツ、フラックスシードの粉末、プレーンのギリシャヨーグルト、無脂肪乳をブレンダーに入れて、氷を加えるよう薦めている。ビーガンにしたい場合は、ヨーグルトと無脂肪乳をアーモンドヨーグルトや豆乳といった植物由来のものに代えよう。

11. 豆腐スクランブル

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豆腐スクランブルはスクランブルエッグの代わりになる、タンパク質が豊富なビーガン料理だ。ターメリックやパプリカといった調味料もあう。

作り方:フォークなどを使って豆腐を崩したら、自分の好きな野菜と一緒に炒める。塩、ターメリック、パプリカで味を調える。

12. チアシードプリン

© vaaseenaa/Getty Images

チアシードは水分を吸収し、クリーミーなプリンのように膨らむ(最低でも20分はかかる)。タンパク質、食物繊維、オメガ3脂肪酸が豊富だ。

作り方:無脂肪乳や甘味料無添加の豆乳でプリンを作って、タンパク質をプラスしてもいいと、カイダニアン氏は言う。朝すぐに食べられるよう、前の日の夜にチアシードとミルクをメイソンジャーに入れ、冷蔵庫で冷やしておいてもいい。カイダニアン氏は食物繊維や栄養素をプラスするために、プリンの上にいちごまたはバナナを乗せ、少量のシナモンまたは甘くないココアパウダーを振りかけるよう薦めている。

13. 自家製グラノーラ

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市販のグラノーラには添加糖類がたっぷり入っていることが多いため、カロリーが高く、肥満や心疾患、虫歯のリスクが上がりかねない。店で購入する代わりに、冷蔵庫で日持ちもする、健康的で食物繊維が豊富な自分だけのグラノーラを作ってみよう。

作り方:生のロールドオーツに自分の好きなナッツ類、シード類、ドライフルーツをあわせる。ナッツバターや天然甘味料(蜂蜜、メープルシロップなど)を加えてもいい。きつね色になるまで約180度で20~25分焼く。そのまま食べても、ヨーグルトをかけて食べてもいい。

14. 朝のベジーボウル

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多くの人々が野菜を昼食や夕食で取ろうとするが、1日の始まりに健康的な炭水化物と食物繊維が豊富な野菜を取ることで良いスタートが切れるとカイダニアン氏は言う。

作り方:サツマイモ、ブロッコリー、ピーマン、トマトといった野菜と塩、こしょう、レモンをあえたら、約190度で20~30分焼く。バランスと腹持ちを良くするために、カイダニアン氏はキヌアやひよこ豆といったタンパク質をボウルに加えることを薦めている。

15. 朝のブリトー

© Philip Guerette Photography/Getty Images

毎朝コーヒーショップでお金を使う代わりに、安くて健康的な朝のブリトーを自分で作ってみよう。トルティーヤは100%全粒小麦のものを選び、豆腐や卵といったタンパク質、自分の好きな野菜を加えて食物繊維、ビタミン、ミネラルをプラスしよう。

作り方:トルティーヤに脂肪分の少ないタンパク質(スパイシーチキン、スクランブルエッグ、豆類など)、アボカド、ピーマン、サルサを乗せて包む。油をひいたスキレットでそれぞれの面を2、3分ずつ焼く。

16. ベイクド・ベリーボウル

© Shutterstock

ベリー類には食物繊維や抗酸化物質が含まれている。生で食べてもいいし、このベイクド・ベリーボウルを試してもいい。

作り方:ブルーベリー、いちご、ラズベリーのいずれか、もしくは複数を組み合わせて、深さのある耐熱皿に入れる。タンパク質と健康的な脂質をプラスするため、カイダニアン氏はそこにアーモンドプードル、砕いたクルミまたはフラックスシードの粉末を加えるようアドバイスしている。オーブンに入れたら、ベリー類から果汁が出るまで約180度で20分ほど焼く。

17. ホウレンソウとチーズのバイツ

© Nevena Zdravic / EyeEm/ Getty Images

食べる量にさえ気を付ければ、タンパク質とカルシウムが豊富なチーズは健康的な食事の一部になり得る。加えて、カッテージチーズは低脂肪だ。一方、ホウレンソウには鉄、カルシウム、カリウム、マグネシウム、リン、ビタミンA、B、C、Kが豊富に含まれている。

作り方:刻んだ玉ねぎ、にんにく、ホウレンソウを卵、低脂肪のカッテージチーズ、低脂肪のモッツァレラチーズと混ぜる。それを油を塗った小さめのマフィンの型に流し込み、きつね色になるまで約190度で20分ほど焼く。

18. ケフィアスムージー

ケフィアは、消化を助けたり、血糖を調整したり、血圧を下げるのに役立つプロバイオティクスを含む発酵乳だ。いろいろなものに使え、スムージーのベースにもぴったりだ。

作り方:プレーンの低脂肪ケフィアに、スプーン1杯強の甘くないココアとピーナッツの粉末、凍らせたバナナ半分、氷を加えましょうと、カイダニアン氏は言う。食物繊維と栄養素をプラスしたい場合は、ひとつかみのベビースピナッチ(ホウレンソウの幼葉)と小さじ1杯のフラックスシードの粉末を加えよう。

19. ビーンズトースト

ベイクドビーンズを乗せたトーストは、タンパク質と食物繊維がバランス良く取れる。ただ、缶詰の豆は避けよう。塩や砂糖、保存料などが大量に含まれている可能性がある。代わりに自宅で作ってみよう。

作り方:ハリコット豆や白インゲン豆といった豆をトマトピューレに加え、30分ほどレンジでコトコト煮込む。塩、こしょう、にんにく、スモークパプリカで味を調える。それを全粒粉のトーストに乗せる。

20. 全粒粉のワッフル

© Harald Walker / EyeEm/Getty Images

ちょっと贅沢をしたい気分なら、精製された小麦粉ではなく全粒粉で作られたワッフルを選ぼう。精製小麦粉は血糖値を急上昇させる。消化吸収が早い分、すぐにお腹が空く。

作り方:カイダニアン氏は、生地を全粒小麦粉とアーモンドプードルで作ることを薦めている。卵(2つ)、マッシュしたバナナ、甘味料を加えていないアップル・ソース(1カップ) —— 砂糖とバターの代わりに —— を加える。水を加えて混ぜるだけでOKなプロテインワッフルミックスを購入してもいい。

まとめ

健康的な朝食は、あなたの活力を高めたり、集中力を維持し、テキパキと活動するのに必要な栄養素を与えることで、あなたにやる気を起こさせてくれる。食物繊維が豊富な食べ物を選ぶことで、心臓の健康を向上させ、糖尿病を予防することにもつながる。

カイダニアン氏によると、健康的な朝食はその日1日の食べ物に関するより良い決断の助けにもなるという。

[原文:20 healthy, easy, and tasty breakfast ideas, recommended by dietitians]

(翻訳、編集:山口佳美)

「幸せホルモン」が増える食品4つ


最近怒りっぽくなった、何をしても気分が乗らない、など心の不調を抱えている方、それは五月病……ではなく、セロトニン不足かもしれません。

セロトニンとは、体内で特に重要な役割を果たしている三大神経伝達物質の一つで、人間の精神面に大きな影響を与え、心身の安定や心の安らぎにも関係することから“幸せホルモン”、“精神安定剤”などと言われています。

実際うつ病や不眠症の治療にも、このセロトニンが使われているのです。

セロトニンを作り出す材料となるのが、必須アミノ酸“トリプトファン”なのですが、残念ながらトリプトファンは人体内では作り出すことができません。では、どうすれば摂取できるのか?

 それは、トリプトファンを含む食品食べるとよいそうです!ということで、今回は『WooRis』の過去記事や海外の情報サイト『healthline』などの記事を参考に、幸せホルモン“セロトニン”を増やせる食べ物を4つ紹介します。

■1:卵
卵に含まれるたんぱく質は、トリプトファンの血漿(けっしょう)濃度をかなり押し上げると言われています。特に黄身の部分に豊富なトリプトファンとチロシンという抗酸化作用のあるアミノ酸が含まれているので決して残さず食べてください。
卵はどの家庭の冷蔵庫にも必ずある食品なので気軽に摂れるはずですよね。「最近、ちょっとイライラするなぁ……」と思ったら、積極的に摂るようにしましょう。

■2:チーズ
チーズも、トリプトファンの供給源としては優秀な食品です。チーズとミルクが入っているグラタンに、卵もトッピングすれば“トリプトファン”の宝庫ともいうべき食べ物になります。やっぱり昔からずっとみんなに愛される、“懐かしくホッとする”味には理由があったんですね。

■3:豆腐
実は、大豆製品にはたくさんのトリプトファンが含まれており、プロテイン代わりにもなるので積極的に摂りたい食品です。

お肉が大好きな人には物足りないかもしれませんが、しっかり水切りした木綿豆腐をさいの目に切り、野菜と交互に串に刺して焼き鳥のようにしてお好きなタレで食べてみてはいかがでしょうか?ヘルシーですが意外とお腹も満足しますし、何より、イライラが治ります!

■4:ナッツ
どのナッツにもトプトファンが豊富に含まれているので、あなたのお気に入りのナッツを選んでください。
さらにナッツには食物繊維、ビタミン、抗酸化物質が含まれており、女性ならナッツを食べない理由がない! 

というくらい素晴らしい栄養の詰まった食品なのです。しかも、“手のひらいっぱいのナッツでがんのリスクが減る”という研究結果もあるようですから、今日からオヤツにぜひ加えてみてはいかがでしょうか?

以上、幸せホルモン“セロトニン”を増やせる食べ物をお伝えしましたが、いかがだったでしょうか?トリプトファンは基本的にタンパク質を多く含む食物に含まれています。

ですから赤身の魚や肉類にも含まれているのですが、動物性たんぱく質よりも植物性たんぱく質の方が脳内でセロトニンとして消費されやすいそうです。

また、セロトニンの材料となるトリプトファンですが、炭水化物と一緒に摂ることで体内に吸収されやすくなるので、ご飯やパン、うどん、イモ類などと一緒にバランスよく食べることが大切です。美味しく食べてどんどん、幸せホルモン“セロトニン”を増やしちゃいましょう。

最近怒りっぽくなった、何をしても気分が乗らない、など心の不調を抱えている方、それは五月病……ではなく、セロトニン不足かもしれません。

セロトニンとは、体内で特に重要な役割を果たしている三大神経伝達物質の一つで、人間の精神面に大きな影響を与え、心身の安定や心の安らぎにも関係することから“幸せホルモン”、“精神安定剤”などと言われています。実際うつ病や不眠症の治療にも、このセロトニンが使われてい...

プロが伝授「バナナを綺麗なまま長期保存する方法」に感謝の声 やってみたら「夏もまとめ買いできる!」


暑くなってくると、バナナの軸が黒ずんで中身がドロドロになるのが予想外に早く「しまった!」と思うこともしばしば。ところが簡単な方法で、1週間たってもプリプリの綺麗なバナナが保てる方法がツイートされて話題になりました。

「バナナを綺麗なまま長期保存する方法。
①軸が青い打身のないバナナを買う
②バラす
③軸にラップをクルクル
④野菜室へポイッ
これだけで1週間以上シュガースポットなく綺麗なまま保存できます。
暑い時期は特に劣化が早いので、バナナよく食べる方は試してみて!」

 ツイートしたのは、スーパーで11年間働く、青果部マネージャーの「青髪のテツ|野菜のプロ(@tetsublogorg)」さん。ツイートには「この時期すぐ傷むのでまとめ買いできず困っていました。早速やってみます」と感謝の声が寄せられています。

 この方法について「バナナは軸からエチレンガス(追熟ガス)を放出し続けています。そのガスによってバナナ自身を追熟させ、シュガースポットがでてきて、劣化していきます。その軸を密閉し、エチレンガスの放出を止めて追熟しないようにするわけです」とリプライで解説するテツさん。

 さらに「野菜室がない場合はどうすればいいですか?」という質問には、「冷蔵室でいいかと思います! 野菜室より温度が低いので若干皮が黒っぽく変色する可能性がありますが、常温よりは劣化はしにくいと思いますよ」と答えています。



1週間たったバナナを比較してみた
 まずは、実際にどのくらいの差があるのか確認してみることに。4本で1房のバナナを購入し、帰ったらすぐにカットして、2本はそのままエアコンのきいた涼しい部屋に放置。残りの2本は軸にラップを巻いて、野菜室に放り込みました。

 3日後にいったん比較したところ、常温放置は少し小さくなって皮の張りがなくなっているみたい。皮をむいてみると、冷蔵庫に入れていた方はパキと折れて中身も買った日のままのようなきれいな状態です。一方、常温保存は皮が薄くなってしんなりして、皮の内側が少し黒ずんでいました。中身の方は、追熟が進んではいましたが傷みもなくおいしくいただきました。

 最初の計画では1週間後の状態を確認しようと考えていたのですが、猛暑で常温放置のバナナの軸が真っ黒になりあやしい状態に…食べられなくなる前にと6日目に確認しました。

 持ってみると常温放置のバナナは力を入れるとグニャッとつぶれてしまう状態で、皮をむくと茶色くなっているところがありました。そのまま食べるには熟れすぎということでジュースにすることに。冷蔵庫バナナは少し皮が茶色くなっていましたがしっかり。パリッとしていて中身もとってもきれいでした。

 結果、「バナナを長期保存する方法」なら暑い夏でも1週間以上バナナをきれいに保存できることがわかりました。

野菜のプロのテツさんに、詳しく聞きました
──バナナを冷蔵庫に入れると黒くなるから入れてはいけないのかと思っていました。

 この方法だと、中身はきれいですが4~5日で皮は茶色く変色してしまいます。これは、熟してシュガースポットで黒くなるのではなく、冷気による変色だと思われます。更に変色を防ぎたいなら、ヘタだけでなく全体をラップすると効果的です。

──なるほど。なぜ保存方法をツイートされたのでしょうか?

 お店は常温販売なので夏はすぐシュガースポットがでて割引シールを貼るんです。4~5本は入ってるのでお客様が買ったあとも劣化で困ってる方が多いだろうなと考えてツイートしました。

──バナナの違いはよくわからなくて、実は勘で買っていました。「スーパーに並んでるバナナは値段は違えど品種は一緒」に驚きました。どうやって選べばいいのでしょうか。

 バナナは大きい方が味がいいですよ。果物は大きいと大味なものも多いですが、バナナは全く別物。太くてしっかりしたものを選びましょう。また角ばってなく丸みのあるものがいいみたいです。濃厚な味がお好みの方はシュガースポットが少し出ているものを、スッキリした味がお好みの方は軸が青めのものを選ぶといいですよ。

──高地栽培のバナナはおいしいのですか?

 高い場所の方が、寒暖差が大きいので糖度が上がりやすくなります。他の果物や野菜も、寒暖差が大きいと糖度が高くなるものは多いですよ。

──フィリピン産とエクアドル産にはどんな違いが?

 口で説明するのは難しいですが、エクアドルの方がコクがあり甘みが濃いイメージです。

──今までとは違う選び方ができそうです! 情報に感謝する声が集まりました。

 おかげさまで好評いただいてます。他にも1万いいねを超えるツイートも複数あるので気になる方は、過去のタイムラインを遡って頂けたらと思います。

──野菜を美味しく食べるレシピやブロッコリーの洗い方などの下ごしらえ情報、野菜の相場予報など、ためになる情報がたくさんありますね。なぜこういった情報をツイートするように?

 スーパーで働いてるとお客様からいろんな質問を受けるんです。需要がある情報ということと、これをきっかけに野菜や果物にもっと興味を持って頂きたくて発信を始めました。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 浩子)

プロが伝授「バナナを綺麗なまま長期保存する方法」に感謝の声 やってみたら「夏もまとめ買いできる!」


 暑くなってくると、バナナの軸が黒ずんで中身がドロドロになるのが予想外に早く「しまった!」と思うこともしばしば。ところが簡単な方法で、1週間たってもプリプリの綺麗なバナナが保てる方法がツイートされて話題になりました。

【写真】軸にラップを巻いて冷蔵庫の野菜室へ入れると、長期保存できます

「バナナを綺麗なまま長期保存する方法。
①軸が青い打身のないバナナを買う
②バラす
③軸にラップをクルクル
④野菜室へポイッ
これだけで1週間以上シュガースポットなく綺麗なまま保存できます。
暑い時期は特に劣化が早いので、バナナよく食べる方は試してみて!」

 ツイートしたのは、スーパーで11年間働く、青果部マネージャーの「青髪のテツ|野菜のプロ(@tetsublogorg)」さん。ツイートには「この時期すぐ傷むのでまとめ買いできず困っていました。早速やってみます」と感謝の声が寄せられています。

 この方法について「バナナは軸からエチレンガス(追熟ガス)を放出し続けています。そのガスによってバナナ自身を追熟させ、シュガースポットがでてきて、劣化していきます。その軸を密閉し、エチレンガスの放出を止めて追熟しないようにするわけです」とリプライで解説するテツさん。

 さらに「野菜室がない場合はどうすればいいですか?」という質問には、「冷蔵室でいいかと思います! 野菜室より温度が低いので若干皮が黒っぽく変色する可能性がありますが、常温よりは劣化はしにくいと思いますよ」と答えています。

専門家がすすめる朝食は「みそ汁」 具沢山で不足しがちな栄養を補給


「慌ただしくて用意する時間がない」「朝はまだ食欲がわかない」──そんな理由で朝食を摂らない人に加え、近年の“プチ断食ブーム”により、意識的に朝食を抜く人も増えている。しかし、食と健康の専門家たちは一様に「朝食抜き」の弊害を口にする。

「文部科学省が全国の小・中学生を対象に行った調査によると、朝食を食べる生徒の方が学力テストの点数が高い傾向にあることがわかりました。スポーツ庁の調査でも、朝食を毎日食べる生徒の方が体力テストの総合点が高いと報告されています」(内科医の工藤孝文さん)

 朝食でエネルギーを補給しなければ、頭も体も働かないのは、大人も同じ。田中病院院長の田中優子さんも声をそろえる。

「朝食は体内時計をリセットし、その日一日を始めるスイッチを押してくれる大切なもの。  健康な体をつくるいちばんの近道は、朝食の質をよくすることです」

 それでは、どんな食品を取り入れれば質の高い朝食になるのか。最強の一品を取材した。

具だくさんみそ汁で不足しがちな栄養を摂る

「みそはたんぱく質、ビタミン、ミネラルが豊富な食材。そんな“スーパーフード”にさまざまな具を合わせることができるため、飽きずに毎朝楽しめることもメリットです」

 こう話す田中さんをはじめ、多くの専門家が「強の朝食」として真っ先に挙げたのが、みそ汁だった。管理栄養士の堀知佐子さんは「カリウム」に着目してその具材を選ぶという。

「わかめやじゃがいもなどに含まれるカリウムには、みそが含む塩分を排出する効能があります。“具だくさん”を意識してください」

 内科医の谷本哲也さんが推奨するのは、しじみのみそ汁だ。

「うつ病から便秘まで、不足するとさまざまな病気につながるビタミンB群や抗酸化作用のあるビタミンEを一度に摂ることができます。ミネラルも多く、女性が不足しがちな鉄分を補うのにもうってつけ。肝臓の働きを助けるアミノ酸の一種・オルニチンや疲労回復に役立つタウリンが含まれていることでも知られています。朝、みそ汁として飲めばその日一日、元気に過ごすことができるのです」

 具材の選び方に加え、「ちょい足し」でも健康効果を高めることができる。 

「毎朝飲むみそ汁には、オリーブオイルをたらすのがマイルール。乳酸菌と食物繊維をたっぷり含んだみそとオリーブオイルのオレイン酸の相乗効果で便秘知らずです」(女性医療専門医の関口由紀さん)

牛乳は冷凍できる! 正しい保存と解凍方法をおさらい


冷凍するときのポイントとは?

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ミルクの解凍方法

冷凍後にミルクは変化する!

朝の卵かけごはんで代謝が上がる理由は?トップアスリート専属管理栄養士が教えるダイエット朝ごはん


朝食のタンパク質不足は、卵で解決!

朝食のタンパク質不足は卵で解決© Interspace.Co.,Ltd. 朝食のタンパク質不足は卵で解決

近年、タンパク質摂取の重要性が広く知られるようになりましたが、

どうしても解決しづらいのが、朝食のタンパク質不足です。

朝は作る時間がない!食べる時間もない!

朝から肉料理を食べるのは重い!お腹が空いていない!

このような理由が、朝食のタンパク質不足につながっているようです。

そこで時間のない朝でもすぐに作れて、さっと食べられるのが卵料理です。

卵のタンパク質は、肉や魚と同じようにアミノ酸スコア100の良質なものですが、

消化性に優れているため、朝からお肉を食べるのがハードな方にもおすすめです。

また、ビタミンCと食物繊維以外の栄養素は揃っているため完全食とも言われています。

さらには、低糖質&高タンパク質な卵はダイエットにも最適です。

卵かけごはんで始める「頑張らない食トレ」

最も簡単な卵料理といえば、なんと言っても卵かけごはんです。

個人的には目玉焼きの白身をスプーンでガシガシとごはんに混ぜ込んで、

半熟の卵黄を崩しながらお醤油とからめて食べるのが好みです。

では、生卵、温泉卵、ゆで卵、オムレツ、スクランブルエッグ、卵焼き… 

無限にある卵料理の中で「キレイNo.1」はどの調理法なのでしょうか?

卵かけごはんのススメ© Interspace.Co.,Ltd. 卵かけごはんのススメ

キレイNo. 1の卵料理とは?

ポイントは、卵の栄養をどれだけ効率的に体内に取り入れられるかです。

体内への吸収率を比較すると生卵よりもゆで卵が優れていますが、

消化の面では固くゆでるほど消化に時間がかかり、胃腸に負担がかかります。

さらには卵白と卵黄は性質が違うため、生の状態で混ざると消化しづらくなります。

また油を使った料理はなおさら消化負担が増すため、オムレツや目玉焼きはキレイNo.1には選ばれません。

結論!

キレイNo.1の卵料理は、白身も黄身もかちこちに固まっておらず、生でもなく、油を使っていない料理! つまり、半熟のゆで卵や温泉卵、ポーチドエッグが最強というわけです。

とはいえ、そもそも栄養価が高く、消化吸収にも優れている「卵」料理で比較したものです。

食べすぎた翌朝には生卵を温泉卵に換えようかなというぐらいの考え方で十分です。

代謝アップ朝食!納豆の卵かけごはん

今回ご紹介するのは、卵かけごはんに納豆をトッピングするだけの代謝アップ食トレです。

手軽にタンパク質が摂れる組み合わせは、時間のない朝にも重宝します。

朝のしっかりタンパク質で、一日中燃やせるカラダを目指していきましょう。

卵と納豆の食べ合わせ© Interspace.Co.,Ltd. 卵と納豆の食べ合わせ

卵:温泉卵

栄光のキレイNo.1に選ばれた温泉卵は、卵黄が卵白よりも低い温度で固まる性質を利用して作られる半熟の卵です。卵白がとろりとしており、完全に固まっていないのが特徴的です。

トッピング:納豆

納豆と卵は一緒に食べてはいけないと聞いたことありませんか? これは、卵白に含まれる「アビシン」という成分が、納豆中の「ビオチン(脂肪酸代謝を助けるビタミンB群)」を吸収しにくくするためです。気になる方は温泉卵のように加熱すれば大丈夫ですが、普段の食生活でビオチン不足にはなりにくいため、卵と納豆の組み合わせを特に気にする必要はありません。それよりも卵に不足する「食物繊維」を補える納豆は積極的に代謝アップ朝食として取り入れていただきたいものです。

いかがでしたか? 代謝アップ卵かけごはんは、今日からすぐに始められる簡単な食トレです。頑張らずに続けられるタンパク質習慣は、キレイが目覚める朝を届けてくれます。

今日も素敵な1日になりますように。

石松佑梨

サッカー日本代表選手をはじめ、世界で活躍するトップアスリートたちの専属管理栄養士として従事。のべ2万人以上に提供してきた「頑張らない食トレ」を武器に、近年は企業の健康経営や地域創生も展開する。幼い頃から「おいしい」への執着心が人一倍強く、おいしく健康に食べるための「ずるい栄養学」で、誰もがおいしく食べて健康になれる社会を目指している。著書に『過去最高のコンディションが続く 最強のパーソナルカレー』(かんき出版)がある。

サンマとラッキョウで血流を改善し体臭をシャットアウト【秒速薬膳でアッという間に健康に】


サンマ蒲焼きとらっきょうごはん(提供写真)© 日刊ゲンダイ ヘルスケア サンマ蒲焼きとらっきょうごはん(提供写真)

【秒速薬膳でアッという間に健康に】

先週に引き続き、体臭ケアについて紹介します。薬膳における体臭対策はタイプ別の食養生が必要で、大きく4つのタイプに分かれます。

今回は「血巡り不良タイプ」の対策です。血の巡りが悪く、体の細部に栄養が行き渡らずに新陳代謝が低下し、老廃物がたまって体臭を放つタイプです。

臭いの原因は、体内のドロドロした「どぶ川のような血流」にあります。このタイプは普段から肩こりや頭痛といったトラブルに悩まされる人が多数。打ち身やアザができやすい、クマができやすいといった傾向もあり、顔色が暗く、唇や舌が紫がかった暗い色、足に静脈が浮いている、舌の裏に青い静脈がくっきり出ている……といった血巡り不良のサインがあれば、「濁った血液の異臭」を疑いましょう。

また見た目よりも体重があり、健康診断でコレステロール値や中性脂肪の数値が高い人も多く見られます。30代を越えてからなんだか太ってきた……というパターンも血の巡りの悪い人の特徴。「メタボで臭う」という最悪な事態を一刻も早く改善しましょう。

このタイプは、血の滞りを解消してくれる、薬膳において「活血」と呼ばれる効能がある食材を取り入れることが大切です。清流のようなサラサラな血液を目指し、臭いをシャットアウトしましょう。

おすすめの魚はサンマです。血行を促進し、老廃物を洗い流す働きに優れています。シーズン以外は缶詰を活用するとよいでしょう。

野菜では、ナスが血を全身に巡らせる効果大。ほかにも、ピーマン、パプリカ、チンゲンサイも改善に役立ちます。

手軽に取り入れるならラッキョウが便利です。ラッキョウは中国では「薤白」と呼ばれる生薬で、「散血」という効能があり、読んで字のごとく強い発散力で血行を促進してくれます。カレーの付け合わせだけではなく、「消臭サプリ」として積極的に取り入れることをおすすめします。

また、血巡り不良タイプは体を冷やす冷たい飲みものや食べものは控えめにすることも大切です。

さらに、長時間にわたって同じ姿勢を続けると全身の血流がいよいよ滞ってしまうので、デスクワークが多い人は小まめに動くことを心掛けましょう。1時間に1度は休憩して、軽いストレッチで「こりと体臭ケア」を。

■血巡り不良タイプの体臭改善薬膳レシピ

サンマ蒲焼きとラッキョウごはん

血行を促進する効果の高いサンマとラッキョウを組み合わせた活血消臭薬膳レシピ。サンマ蒲(かば)焼き缶を使えばスピーディーに完成。ラッキョウのさわやかな風味と食感で、さっぱりといただけます。

【材料】2人分

●サンマ蒲焼き缶 1缶

●ラッキョウ甘酢漬け 12粒

●刻みねぎ 適量

●もみのり 適量

●白すりゴマ 適量

●レモン汁 少々

●ごはん 茶わん2杯分

【作り方】

茶わんにごはんを盛り、缶汁をきって軽くほぐす。レモン汁をふったサンマ、粗く刻んだラッキョウをのせ、刻みねぎを散らし白すりゴマをふって、もみのりをまぶす。

(池田陽子/薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト)

1週間でだる~い体がラクになる!「ツナ缶・みそ汁・魚肉ソーセージ」の3大お手軽改善法って?


これと言った原因があるわけでもないのに体の不調が続く、なんとなくやる気がでない、睡眠がうまく取れない……。どれか1つでも当てはまるという方にぜひ知ってほしいのが「気血ごはん」。書籍『1週間で必ず体がラクになる お手軽気血ごはん』の著者である、国際中医薬膳師の瀬戸佳子さんにお話を聞きました。

メンタルにも響く「気血」の不足
――瀬戸さんが提案している「気血ごはん」の、「気血」というのは何を意味するのでしょうか。

「気血」というのは、東洋医学の言葉です。「気」は、いろいろなものを動かすパワー。何気なく使っている言葉の中にも「気」という言葉は多く存在します。「元気」や「やる気」など、気の役割というのはいろいろありますが、簡単に言うとエネルギー、モチベーションと考えてもらえばいいと思います。

「血」は、血液だと思ってくださっていいと思います。血液は体の隅々まで栄養を運んでくれるものなので、血液がしっかりあることが体力にも影響してきます。血液が足りていないと、栄養がしっかり運ばれないので、生理不順や頭がボーっとしてしまうといった不調が出てしまいます。血液は精神的な面にも大きく影響するので、ストレスが多い方は血液が減りやすく、メンタルの影響を受けているという方が多いです。

――貧血はメンタルにも影響があるんですか?

貧血の人は、思考や発言がネガティブで心配性の人が多いんです。寝る前に不安なことが頭を巡って不眠になりがちというのも、血液が少ない人の特徴です。血液が足りている人は精神も健全であるというのが東洋医学の考えなんです。

――エネルギーである「気」と、メンタルにも影響する「血」が不足すると、不調の原因になるんですね。

「気」と「血」の両方が不足していることを「気血両虚」と言います。この状態は、体調面の不調だけではなく、メンタル面にも大きな影響を与えます。原因としては、「気血」になるための原料が食事から十分にとれていないこと、消化・吸収がうまくいっていないこと、気血の消費量が多いということが挙げられます。

どこでも買えるものだから続けられる、お手軽な気血ごはん
――瀬戸さんは、気血両虚を改善する食事法に、ツナ缶・みそ汁・魚肉ソーセージを挙げられていますが、なぜこの3つだったのでしょうか。

一汁三菜、季節の食材を取り入れ、添加物が入っていない食事を心がけましょう! と言っても、元気がない、体力がない、モチベーションがない気血両虚の方にはハードルが高くなってしまいます。「これならできそう」ということからはじめて、少しずつ変化していってもらうほうが改善の近道になると考えました。最初から満点を目指すのではなく、まずは60点くらいを目指してもらおうと考えたんです。調理が面倒ではなくて、どこでも手に入るもので、いつからでもはじめられる、継続できるものという視点から選んだのが、ツナ缶・みそ汁・魚肉ソーセージの3つです。

――この3つをおすすめする理由や、効果的な食べ方を教えてください。

気血が弱っている人は、まず胃腸を強くしてあげることが大切。朝、7時から9時の間におみそ汁を飲んでください。この時間に温かい発酵食品を摂取することで、胃腸の機能が高まり1日を元気に過ごすことができます。また、頭が働く原動力にもなります。具材はなんでもいいです。これからの季節だと夏野菜。トマト、アスパラ、インゲンなんかもいいですよね。朝からしっかり食べることができないという方は、鰹節を一緒に入れた具なしのおみそ汁を飲むだけでいいです。 ポイントとしては、60℃くらいの温度で食べると胃腸の働きがよくなると思います。

ツナ缶は、動物性たんぱく質を摂取するために最も手軽なアイテムです。鉄分をしっかり摂るとなるとレバーをおすすめしたいのですが、今回は誰でも食べられて、ストックができる缶詰という便利さからツナ缶をおすすめしています。胃腸が弱い人は、脂分が多すぎるともたれてしまうので、油を切ってください。ただし、油を切りすぎると旨味もなくなってしまうので、適度に。

魚肉ソーセージは、おやつのかわりに食べてください。気血不足の人の多くは貧血で、甘いものが食べたくなる傾向が強いのですが、甘いものばかりを食べていると胃腸の機能が落ちてしまいます。そこで、甘いものを欲したときには、代わりに動物性たんぱく質である魚肉ソーセージを食べてください。甘いものだと食べてしまった後悔があるかもしれませんが、魚肉ソーセージであればポジティブなおやつタイムになると思います。

おすすめ気血ごはんレシピ
いずれも「トマトジュース」を使った、夏にぴったりな爽やかなレシピです。

【トマトジュースとポークの炊き込みご飯】

◎材料(作りやすい分量)
ランチョンミート(5mmの角切り)…1缶(180g)
コーン缶(無塩)…1/2缶(90g)
トマトジュース(無塩)…1缶(190ml)
白米…2合
塩…小さじ1(コーン缶、トマトジュースが有塩タイプの場合はなくてよい)

◎作り方
1.米は洗って、時間があれば30分ほど浸水させておく。
2.炊飯器の内釜に水気をきった1,トマトジュースを入れ、2合の線まで水を注ぐ。ランチョンミート、コーン缶、塩を加え、炊飯する。
*いんげん、グリーンピース、アスパラガス、玉ねぎなどを加えてもよい。

お米を食べることに抵抗がある人もいるかもしれませんが、お米は「気」を補うので、ぜひ食べてほしいです。白いご飯でも、炊き込みご飯でもお好みでいいのですが、炊き込みにして、一緒に動物性たんぱく質も一緒に補うのがおすすめです。

【ツナとトマトジュースのそうめん】

◎材料(2人分)
そうめん…2人分(約3束)
ツナ缶…1缶(70g)
トマトジュース…1本(190ml)
青じそ(せん切りにして水にさらし、水気を拭く)…3~4枚
かつお節…適量
塩…ひとつまみ

◎作り方
1.そうめんは袋の表示どおりに茹で、水でしめておく。
2.器にそうめん、ツナ、かつお節、青じそを盛り、塩をふってトマトジュースを注ぐ。

夏になるとそうめんだけを食べる人が多いですが、ぜひ具材を足して食べてほしいです。暑い季節は、豆腐、枝豆、そうめんで食事を終える人が激増しますが、それでは気血不足になってしまいます。暑さに体力を奪われて気血不足になりやすいので、この夏を元気に乗り切るためには、そうめんにもしっかり動物性たんぱく質をプラスして食べてください。

間違った健康法で、より気血不足に!?
――本の中では、よかれと思ってやっている健康法に間違ったものがあるという紹介があります。気血両虚の方が、やりがちな間違った健康法はなんですか?

例えば、水は2リットル飲んだほうがいいという話をよく聞きます。水は胃腸で吸収されますが、腎臓の代謝能力や体格年齢によって違ってくるので、何リットルが良いということは実は簡単に言えないんです。水分は摂りすぎればむくみますし、消化機能も落ちてしまいます。なので、喉の渇きがないのに水を大量に飲んでいるという方はやめたほうがいいですよ。

――そうなんですね! 一生懸命、お水を2リットル飲んでいる人が見たらびっくりしますね。

人それぞれ体質の差があるので、無理をしないことが一番です。自分がこれを飲むと体が冷えるとか、食べると気持ち悪くなるという感覚は大事にしたほうがいいと思います。夏場は、気温が高くなるので、つい一気に飲んだりすると思いますが、消化機能が落ちるのでよくないです。どんなに喉が渇いていてもガブガブ飲まないように気をつけてください。

また、食事中の水分摂取も控えましょう。胃酸が薄まり消化機能が落ちてしまいますし、唾液の働きを使わずに食べていることになるので、できるだけ控えたほうがいいと思います。食材から得る水分だけで十分なんです。

――本当に、よかれと思ってやっていたことが……ということがたくさんあるんですね。本でご紹介されている、冷え性対策のしょうが湯が落とし穴、というのも衝撃でした。

しょうが信仰はすごいですよね。確かに体を温めてくれますが、摂りすぎはよくありません。摂りすぎると胃が痛くなったり、結果的に体温を下げ、体を冷やすこともあるんです。また、貧血の人は肌が乾燥していることが多いのですが、生姜を摂ることでより乾燥してしまうこともあるんです。何事もほどほどがいいので、摂りすぎることがないように気をつけてください。

――間違った健康法で、気血両虚を悪化させている方もいそうですね。気血ごはんで改善するためにはどのくらい時間がかかりますか?

早い方だと、1週間で何かしらの変化が起きている方がいます。自然と甘いものを欲しなくなったとか、便秘が解消しましたという方、身体がなんとなくラクになった気がするという声もいただいています。 何年もメンタル系で悩んで薬を飲んでも効果を感じていなかった方が、気血ごはんを3週くらい続けて明らかな変化を感じた、という方もいて驚きました。

体調に関しては、大きい悩みから小さい悩みまでいろいろあると思うのですが、短期間でもそれなりに実感できるものをご紹介しています。あくまでも、この本は元気になるための導入として取り入れてほしいです。身体を変えたいと思ったときの1歩に、ちょっと試してみようかなという気持ちで活用してみてください。

(TEXT:上原かほり)

瀬戸佳子(せと・よしこ)
国際中医薬膳師。登録販売者。早稲田大学理工学部卒、同大学院理工学研究科修了。 北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)薬膳科卒業。会社員を経て、東京・青山の「源保堂鍼灸院」にて、「簡単、おいしい、体によい」をモットーに、東洋医学に基づいた食養生のアドバイス、レシピ提案を行う。鍼灸院併設の薬戸金堂で、漢方相談も行っている。

「梅干し」は夜に食べるといい?


この時期の手仕事といえば、梅しごと。梅干しづくりにトライしているという方もいらっしゃるかもしれません。

おなじみの「梅干し」は食中毒予防があることで有名ですが、あの酸っぱさであるクエン酸には、カルシウムの吸収を高めるという作用もあります。

たとえば、今の季節においしい定番料理に”イワシの梅煮”がありますよね。この組み合わせは、暑い時期にさっぱりといただけるということだけではありません。「梅干し」を入れて煮ることで、イワシの骨からカルシウムが溶けだしやすくなったり、カルシウムの腸での吸収が高まったりと、効率よくカルシウムがとれるというメリットもあるのです。

では「梅干し」は一日のうち、いつ食べるのがおすすめでしょうか? 

おすすめは夕食です。

カルシウムの体内への吸収は夜に高まるので、夕食に「梅干し」を取り入れると、夕食でとったカルシウムの吸収がより促されやすくなります。

ただ、「梅干し」を料理に使うのは少しハードルが高いかもしれません。そこで簡単な調理法としては、ご飯を炊くときに「梅干し」を入れて炊飯する方法です。炊き上がったら梅干しをくずして全体に混ぜればできあがり。

食中毒予防にはよく日の丸弁当が良いといわれますが、それよりも効果的なのは、ごはん全体に「梅干し」を散りばめること。ごはんにまんべんなく「梅干し」のクエン酸がいきわたったほうが、より防腐作用が高まります。

■おいしくカルシウム補給!梅とシラスの混ぜごはん
レシピ制作:管理栄養士 長 有里子

<材料 作りやすい量1回分>

お米 2合

梅干し 2個

シラス干し 40g

大葉(刻み:お好みで) 適量

<作り方>

1、お米を洗って浸水する。炊飯器に入れ、分量の水を入れる。

2、梅干しとシラス干しをのせて炊飯する。

3、炊き上がったら梅干しをほぐしながら混ぜ合わせ、器に盛る。お好みで刻んだ大葉をのせる。

カルシウムの多いシラス干しと梅干しを一緒に入れて炊飯すると、おいしくカルシウム補給ができますよ。

ジュースと違う? 妊婦も飲める? ノンアルコールドリンクの基礎知識


2009年に世界初のアルコール分0.00%のノンアルコール・ビールが日本で発売された。当初、ノンアルコールドリンクは“代替品”のイメージが強かったが、いまではお手頃価格のまま、味のクオリティーは格段にアップしている。さらに、テレワークの気分転換や運動の後などに手に取る人が増加しているという。ビール、サワー、ワインに梅酒と種類豊富で料理とも相性バッチリなノンアルコールドリンク。その基礎知識をQ&A方式で紹介する。

■市販のノンアルドリンクはジュースとどう違うの?

 日本の酒税法は、アルコールが含まれない、もしくは1%未満のアルコール分を含む飲料をノンアルコールと定義している。そのため、ノンアルコールドリンクもジュースも「清涼飲料水」に分類される。しかし各社、味わいを「アルコールに近いもの」とし、特有の香りや苦みを再現しているため、店頭などではジュース類と分けて陳列されている。

■ノンアルドリンクはなぜお酒売り場にあるの?

 20才未満の飲用を控えるようメーカーが推奨しているため、未成年者が手に取りにくいよう、酒類売り場に置くことを販売店にすすめている。だが、もともと飲酒する人が体調不良時や運転時などに酒類の代替品として飲むことが多かったため、酒類と並べて販売するようになった、という説もある。

■ノンアルドリンクって、アルコールはまったく入ってないの?

 アルコールが1%未満のものをノンアルドリンクとしているため、「アルコール0.00%」と表示されている場合は、まったく入っていない。ただ、「ノンアルコール」「アルコールゼロ」などと表記されている場合は、微量に含まれている可能性がある。特に車の運転時などは、パッケージの成分表示を確認した上で飲用しよう。

■ノンアルドリンクは20才未満の人や、妊婦も飲める? 車の運転前に飲んでも大丈夫?

 アルコール0.00%の表示がある商品に関しては、妊婦や車の運転者が飲んでも問題はない。ただ20才未満の飲用については、法的に問題はないとしながらも、国内メーカーのほとんどが20才以上を想定して開発しており、未成年者の飲酒誘引につながることを懸念し、飲用を控えるよう推奨しているのが実情だ。

■日本でノンアルドリンクが広まったのはいつ?

 2002年の道路交通法改正により強化された飲酒運転の罰則が、2007年・2009年に厳罰化、ノンアルドリンクのニーズが高まり、各社が開発に着手した。2009年に世界初のアルコール分0.00%のノンアルコール・ビール『キリン フリー 』(キリンビール)が発売され大ヒット。その後、各社が続いた。

タンパク質をおいしくたくさん取るなら鶏胸肉よりささみ肉


加齢とともに落ちるのが筋肉量だ。筋肉量が落ちると基礎代謝が落ち、安静時のエネルギー消費量が減る。つまり、太りやすい体になる。逆に言うと、高い基礎代謝を維持すれば、太りにくい体でいられるということ。そのためにアラフィフの記者が心掛けているのが、下半身を中心とした筋トレと、タンパク質摂取である。

高タンパクで低カロリーの食品の代表格として鶏胸肉があるが、適当に調理するとパサパサになってしまう。これを記者としてはネックに感じていた。そこで最近重宝しているのが、鶏ささみ肉。

100グラム当たりのタンパク質量はささみ肉23.9グラム、胸肉(皮なし=以下同)23.3グラムとささみ肉の方が若干上で、脂質量はささみ肉0.8グラム、胸肉1.9グラムとささみ肉の方が下。

ブロッコリーと和えるのがお勧め
何よりいいのが、ささみ肉は胸肉に比べて細く小さいので、解凍しきれていないものをそのままお湯に突っ込んでおいても中まで火が通り、パサパサにならずジューシー(胸肉もジューシーに仕上げられるが、半解凍をお湯に突っ込む方法では中まで火が通らず、あまりおいしくならない)。

胸肉は鶏の胸の部分で、ささみ肉は胸肉に近接した部位。牛肉でいうと「ヒレ」にあたる部位とのこと。形が笹の葉に似ていることから「ささみ」と呼ばれるようになったそうな。

そんなささみ肉は、ブロッコリーと和えるのがお勧め。以前のこの欄でも紹介したが、ブロッコリーのタンパク質量は、野菜の中でもトップクラス。タンパク質をおいしく、たくさん取りたいという希望にぴったり合致する。

高齢者におすすめのコンビニ食品|食事やおやつにプラスしたい“体を潤す”スープやオイル


 暑くなってきて、コロナ対策と熱中症対策のどちらからも気が抜けない日々が続くが、食が細くなってきたからこそ、少しの量でも栄養価の高いものを食べるようにしたい。

 美容や健康の知識に富んだ専門家に、高齢者にもおすすめのコンビニ食品を教えてもらうこの企画、今回は、女優で、インドの伝承医学であるアーユルヴェーダの講師としても活躍する高瀬媛子さんに教えてもらった。高瀬さんは、高齢者が利用するなら、ローソンやナチュラルローソンをおすすめしたいそう。理由は、保存料や着色料など添加物を使っていない、あるいは減らした商品などを多く取り扱っているからだと言う。

ローソンの有機栽培の干し芋スティックとセブンイレブンのアーモンドフィッシュともち麦ごはんとフラット・クラフトのギーイージー グラスフェッドギー200gとコスモス食品のNATURE FUTURe 生姜スープ 5食入り© 介護ポストセブン 提供 ローソンの有機栽培の干し芋スティックとセブンイレブンのアーモンドフィッシュともち麦ごはんとフラット・クラフトのギーイージー グラスフェッドギー200gとコスモス食品のNATURE FUTURe 生姜スープ 5食入り

体を“潤す”飲み物や汁物をプラスすることが大事

「体内外(骨や肌)、ともに組織の密度が下がり粗くなったり、乾燥が進む世代であることをふまえ、体に良質な潤いと必要な滋養が補充されるものを食べてもらいたいですね。選ぶものを単品で見ることも大切ですが、組み合わせや食べ方も重要です。なので、コンビニを利用するときにポイントにすべきことは、せんべい、ナッツなど乾いたお菓子を食べるときは温かい飲み物を一緒に摂ること。できるだけ砂糖が添加されていないお菓子や、肉を選ぶなら消化に軽い鶏肉がおすすめです。お弁当なら必ずスープなど汁物と合わせることも忘れずに」(高瀬さん・以下同)

『ギーイージー グラスフェッドギー200g』(フラット・クラフト)

『ギーイージー グラスフェッドギー200g』(フラット・クラフト)2463円(税込・編集部調べ)© 介護ポストセブン 提供 『ギーイージー グラスフェッドギー200g』(フラット・クラフト)2463円(税込・編集部調べ)

●健康にいいと世界的に注目されるオイル

 EU産グラスフェッドバターから作ったギー。ヨーロッパの牧場で、天然の牧草を食べながら放牧されている牛の乳から作ったグラスフェッドバター100%を原料としている。高い香りと味わいを持つため、ソテーやスープ、トースト、ステーキ、お菓子など、バター代わりに幅広く使える。

「アメリカのニュース雑誌であるTIME誌で『最も健康な食品ベスト50』に選ばれたこともあるスーパーオイル。ギーとは、バターからたんぱく質や乳糖、水分や不純物を取り除き純粋な乳脂肪を取り出したもので、体脂肪になりにくい中鎖脂肪酸が豊富、酸化しにくいこと、胃腸の調子を整えるなど、嬉しい効果が盛りだくさん。体内外が乾き密度が下がる世代にはぜひ摂って欲しいもの。乾燥した肌はもとより、関節に必要な潤滑液や軟骨の痩せをサポートしてくれる良質な油です。焼き芋やトーストに塗る、オムレツや目玉焼き、カレーやシチューの炒め油として使えばコクがアップして料理を格上げしてくれます。入眠障害や眠りの浅さの改善には、寝る前の空腹時にカップ1杯のホットミルク+お砂糖とギーをひと匙ずつ溶かして飲んでください」

『NATURE FUTURe 生姜スープ 5食入り』(コスモス食品)

『NATURE FUTURe 生姜スープ 5食入り』(コスモス食品)756円(税込・編集部調べ)© 介護ポストセブン 提供 『NATURE FUTURe 生姜スープ 5食入り』(コスモス食品)756円(税込・編集部調べ)

●消化促進&冷え対策のスープ

 高知県産の千切りとペーストの2種類の生姜、国産白ねぎ、九州産銘柄鶏「華味鳥」を使用。これらをさっと炒めることで香りとうま味が引き出され、お湯を注いだ瞬間食欲をそそる香りが広がる。生姜がたっぷり入っているので、冷え対策にも。

「消化力を促進し、体を温める生姜は、緊張を和らげたり、慢性的な関節の痛みにも効果が期待できます。消化に負担の少ない鶏肉と高知県産の生姜をあわせ、うま味もたっぷり。生姜スープ1~2個にさっと湯がいた素麺をお湯ごと入れたら煮麺にもなりますし、ごはんを入れてスープかけ飯など手間のいらない食事として活躍します。肥満が気になる方は、朝食はこのスープだけにしても。お弁当など固形物ばかりの時に1杯添えれば、胃腸の負担をグッと減らすことができると思います」

『有機栽培の干し芋スティック 80g』(ローソン)

『有機栽培の干し芋スティック 80g』(ローソン)198円(税込)© 介護ポストセブン 提供 『有機栽培の干し芋スティック 80g』(ローソン)198円(税込)

●自然な甘みでお茶との相性も抜群

 こだわりの有機栽培でさつまいも本来のすっきりとした自然の甘みが詰まった干し芋。スティックタイプで食べやすい。1袋80gあたり227kcal。食物繊維は4.2g含まれる。

「砂糖や油分たっぷりの食事やお菓子は、体に余分な粘液を増やし、心身の重怠さや花粉症などのアレルギーの元になるとも言われています。甘いものが欲しいときは、素材の甘みが活かされたおやつ選びを心がけてください。干し芋などをおすすめします。この商品は有機JAS規格認定のオーガニックさつまいもだけを使用したもの。添加物や保存料はもちろん、砂糖も一切使用していない自然食品です。温かいお茶と一緒に食べればお腹にガスも溜まりにくく、ナチュラルな甘みに心の緊張も和らぎます」

『7プレミアム もち麦ご飯』(セブンイレブン)

『7プレミアム もち麦ご飯』(セブンイレブン)149円(税込)© 介護ポストセブン 提供 『7プレミアム もち麦ご飯』(セブンイレブン)149円(税込)

●食感を楽しめ咀嚼も自然と増えるヘルシーごはん

 独自の低温製法で精米した「宮城県産つや姫」を使用し、国産もち麦を30%ブレンドし、もちもちとした食感を味わえるもち麦ごはん。1パック150gあたり204kcal。たんぱく質は3.9g、糖質は43.8g、食物繊維は2.6g摂れる。

「米に混ぜて炊くことで独特の食感が楽しいもち麦とは、もち性の大麦のことです。大麦は普通のお米よりも性質が軽いため、糖質や脂質を多く摂りすぎる方、肥満や食べ過ぎが気になる方に特におすすめしたい食材です」

『7プレミアム アーモンドフィッシュ』(セブンイレブン)

『7プレミアム アーモンドフィッシュ』(セブンイレブン)108円(税込)© 介護ポストセブン 提供 『7プレミアム アーモンドフィッシュ』(セブンイレブン)108円(税込)

●脳細胞を活性化するアーモンドを手軽に

 素材を活かしたカルシウム豊富なアーモンドフィッシュ。1袋20gあたり107kcal。たんぱく質は7.2g摂れる。

「脳細胞を活性化し、脳を滋養するアーモンド。脳に必要な脂質を含み、コレステロール値を下げることが期待できる嬉しい食材です。カルシウム豊富な片口いわしとの組み合わせ、シンプルな調味料による味付け、アーモンドの皮(渋み)が取り除かれていることも良いところ。物忘れの改善や予防に、毎日20g程度食べることをおすすめします。こちらもぜひ温かいお茶や白湯と食べてほしいです」

女優:高瀬媛子さん

女優の高瀬媛子さん© 介護ポストセブン 提供 女優の高瀬媛子さん

女優、スパイス料理研究家、アーユルヴェーダ講師。インド伝承医学「アーユルヴェーダ」を日本で実践できるライフスタイルとして提案。料理教室の講師やレシピ執筆など食を通し、内からきれいになれる日常のケアを紹介。2020年秋より愛媛県西条市に拠点を移し、「地産地消×スパイス」で整えるカレーショップ「やまのカレー」店主としても活動を開始。

撮影・取材・文/竹腰奈生

有害なの!?「牛乳はカラダに悪い」説はデマなのか真実なのか?【管理栄養士が解説】


古い食習慣にはなかった? 日本の食文化と牛乳の歴史
牛乳は飛鳥時代に仏教と共に日本に渡ってきたといわれています。当初は天皇家で薬として飲まれ、そこから平安貴族に伝わり、当時は高貴な人々の飲み物であったようです。ところが平安時代末期になると、貴族に代わって武家が台頭し始めます。武家は大豆を使った味噌や納豆を好んでおり、牛乳はこのタイミングでは日本の日常的な食習慣として根付くことはありませんでした。

再び、牛乳文化が日本に流れ込んだのは、幕末のこと。日本に移住してきた外国人がきっかけとも、明治天皇が牛乳を飲んでいることが新聞記事で報道されたからともいわれていますが、いずれにしても、日本人が日常的に牛乳を口にするようになったのは、この時代以降。日本の食文化の中に牛乳が根付いてから、まだ日が浅いのです。

このように古くは高貴な人々しか飲めないほど、健康によい飲み物と考えられてきた牛乳ですが、近年になって「身体に悪い」という説がしばしば言われ、心配されている方も少なからずいるようです。

この情報の出所・原因は諸説あるようですが、その一つには2005年にヒット本となった『病気にならない生き方』なども挙げられるでしょう。当時注目を集めた本でしたが、牛乳は身体に悪いと考える意見がセンセーショナルに謳われており、これが一部の方に強く信じられ広まっていったという説が有力のようです。

また、上述のように日本人の日常的な食生活の歴史に、牛乳が登場してから日が浅いこともあり、わざわざ飲まなくても生きていけるのではないかという考えも背景にあるのかもしれません。


乳糖不耐症・乳アレルギーなどがなければ心配は不要
上記書籍に書かれた内容については、牛乳業者も黙ってはおらず、異議を唱えています。公開質問状とその回答についての記者会見を開いたり、疑義についてのQ&Aサイトを公開するなどの対応が見られます(「公開質問状」とその回答の記者発表(平成19年12月18日)等)。

他にも、Jミルクによる「牛乳の気になるウワサをスッキリ解決!」なども、牛乳に関する気になる情報について、Q&A方式でわかりやすくまとめられているサイトです。

これらで詳しく解説されている内容を簡単にまとめると、牛乳に含まれる「乳糖」を上手に消化できない「乳糖不耐症」や乳アレルギーなどの体質的な問題がない限り、適量を飲む分には牛乳が健康に害を与えることはなく、むしろ健康に有益であるということが分かります。


カルシウム不足の日本人に、牛乳は秀逸なカルシウム源
冒頭で、日本人の伝統的な食文化には牛乳がなかったことをご紹介しましたが、それでは牛乳は日本人には不要なものなのでしょうか?

日本人の健康に関する課題の一つとして、「カルシウム摂取量の不足」が挙げられます。「日本人の食事摂取基準 2020年版」によると30~49歳は男女とも目標量が650mgとされています。一方で、「令和元年国民健康・栄養調査」の30歳代男性の平均摂取量は395mg、40歳代男性は442mg。30歳代女性は406mg、40歳代女性は441mgですから、まったく足りていないのです。

成長期の子供たちや、中高年女性に多い骨粗しょう症予防のためにもカルシウム不足の解消は大切で、カルシウムのより積極的な摂取が望ましいと考えられます。

そして、牛乳や乳製品はカルシウムの吸収率がよいと考えられており、日本人にとってもカルシウム源として非常に秀逸なのです。


学校給食での牛乳の必要性・意義
さらに昨今では、学校給食に牛乳は必要かという議論も活発に行われていました。

実は、学校給食で「ミルク」を提供することは、文部科学省による「学校給食法施行規則」で定められています。学校給食の提供方法には「完全給食」「補食給食」「ミルク給食」があり、いずれの提供方法でも「ミルク」を提供することが決められているのです。

学校給食は、各年齢の子供たちの1日に必要とされる平均的な栄養量の1/3以上を含むメニューで提供されますが、不足しやすい栄養素であるカルシウム・ビタミンB1・ビタミンB2・マグネシウムは多めに設定されています。このうち、カルシウムに関しては、ミルクで補うのが最も効率がよいことから、ミルクを提供するように定められたのではないかと考えられます。

終戦後、パンと脱脂粉乳で支えられていた学校給食は、牛乳の提供が必須でも不自然ではありませんでしたが、学校給食のメニューがバラエティに富むようになり「米飯」による給食を推進する機運が高まると、「米飯」に「牛乳」という一見、不思議なメニューが出来上がってしまいました。

これに対して、保護者らから「メニューとして合わないのではないか 」「そこまでして飲まなければならないのか」と反対の声が上がってしまったこともあったようです。

これらの意見を受けて、牛乳を給食メニューから外す試みをした地域もあります(※)。しかし、成長期には乳製品でカルシウムを摂取することが望ましいことは間違いないことから、給食とは別の時間に牛乳を提供することにしたようです。

(※:今後の学校給食のあり方について・三条市)


結論:牛乳有害説はデマ! 牛乳は飲んだ方が健康にいい
牛乳は牛の赤ちゃんが飲むべきものを横取りしていると悪評されることもあるようですが、乳牛の乳は赤ちゃんに必要な量以上に出ます。余った分を食用に利用していますので、牛乳の生産に関しては、生態系にゆがみを与えるなどの問題はないといってよいでしょう。

なお、搾乳したミルクの成分を調整していないものだけを「牛乳」と呼び、成分を調整したものは「加工乳」に分類されますが、日本では成分無調整の「牛乳」が好まれます。それも「3.6牛乳」「3.8牛乳」「4.2牛乳」など、乳脂肪の多いものを好む傾向があるといわれています。

一方で、アメリカなど諸外国では「Low Fat」すなわち、「低脂肪乳」がスタンダードであり、日本人が好む無調整で乳脂肪の濃い牛乳は「濃くてまずい」と感じる人が多いともいわれています。

日本人が平均的に飲んでいる1日コップ1杯程度の量であれば、そこまで目くじらを立てるほどの大きな差にはならないかもしれませんが、それでも毎日のことと考えて、カロリーが気になる人、飽和脂肪酸の摂取量が気になる人は、低脂肪の商品を選ぶのも一案かもしれません。

牛乳が身体に悪いというのは、まったくのデマです。安心しておいしく飲んで、元気な骨を育て、健康でいきいきとした毎日を送りましょう。

■参考

・らくれん

・Jミルク

・学校給食法施行規則(文部科学省)

・新潟県三条市今後の学校給食のあり方について

▼平井 千里プロフィールメタボ研究を行いエビデンスに則ったダイエットを教える管理栄養士。小田原短期大学 食物栄養学科 准教授。女子栄養大学大学院(博士課程)修了。前職の病院での栄養科責任者、栄養相談業務の経験を活かし、現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養の基礎を発信している。

“安すぎる”野菜・食材は危険?値段と「食品リスク」、買う・買わないの見極め方【管理栄養士が解説】


安すぎる食材は怖い? 高い食材なら安心?

昔から「安かろう悪かろう」などと、安いものは粗悪なものと相場が決まっているように言われます。しかし、安い野菜や冷凍食品、高級な国産品では難しい安さを実現している中国産うなぎなど、廉価な食品、輸入食品は庶民の味方です。高価なものの方がよいかもしれないけれど、毎日の食費や家計を考えると、安いものを選びたい……。

食品の安全性とおさいふ事情を天秤にかけなければならないとき、どう考えて食品を選ぶべきなのでしょうか。

中国産の食品は危険? 食の安全性の違反状況は
厚生労働省の「平成30年度輸入食品監視統計(令和元年8月発行)」によると、「違反状況をみると、中華人民共和国の171 件(22.9%:総違反件数に対する割合)が最も多く、次いでアメリカ合衆国の133 件(17.1%)、タイ王国53 件(6.8%)、ベトナム社会主義共和国52 件(6.7%)、フランス共和国32 件(4.1%)、イタリア共和国29 件(3.7%)、の順であった。」とありますから、違反状況の総数の中では中国は違反件数が多いのは間違いありません。

しかし、「中国産の食品を食べたら命にかかわりますか?」については、「No」であると回答します。

今回、前述の統計から、食品の輸入件数に対する違反件数の国別の割合を計算してみました。すると、中国0.022%、アメリカ0.059%、タイ0.032%、ベトナム0.059%、フランス0.015%、イタリア0.024%という結果になりました。

ここで、中国に特化して考えてみます。0.022%といえば、約4500件に1件。これを多いとみるか少ないと見るか、ここが分かれ目になるでしょう。私個人としては「このくらいの割合は人間だもの」と考えていいと思っています。

いくら機械化がすすんだといっても、細かい作業のすべてを機械化することはできません。人の手に頼る作業が皆無になったわけではないのです。自らを振り返ってみても分かるように、完璧な人間などいません。どんなに手馴れた人でもミスは起こります。

また、人件費の安い諸外国の労働力に頼るというのも、悪いことばかりではありません。労働者たちは、その仕事があるから食べていけるという側面もあります。賃金は日本と比べて安くても物価の兼ね合いで、生活には困らない場合もあるでしょう。

そう考えると、食事は毎日のことです。たまにご褒美として買う靴や洋服、映画のチケットと違って、毎日贅沢できるわけでもありません。こうした我々の生活を鑑みても、輸入食材を使うメリットはデメリットを大きく上回ると思います。

安い冷凍食品は体に悪い? 栄養面のデメリットや健康リスクはないのか
冷凍食品は体に悪いのか、という質問に対しても、答えは「No」です。

冷凍食品が安い理由は、小売業者の思惑が1つ。冷凍食品を「目玉商品」として特売にかけ、お客様を呼び込みたいのです。なぜなら、冷凍食品は冷凍庫で保存ができるので買いだめが可能です。そうなると、安いときに買っておきたいと考えるのが消費者心理です。

実は、冷凍食品を目当てに来店したとしても、他のものも一緒に購入していくお客様がほとんど。仮に冷凍食品だけでは赤字であったとしても、冷凍食品と一緒に通常の値段のものを購入してもらうことで小売業者は黒字を出すことができます。

一方で、メーカー側も新商品などは値引きをして味見をしてもらうことで、当該商品のリピート客を欲しているときもあります。ここで小売業者とメーカー側の思惑が合致して、冷凍食品の特売が行われることがあります。

もう1つの理由として、生産者側のコストダウンが可能なことがあげられます。土地と人件費が安価な場所(中国、タイ、ベトナムなど)で旬の時期に大量に生産し、安い人件費で一気に加工することができるため、冷凍野菜や冷凍果物などは市場に安く出回ります。

ここでよく考えてほしいのは冷凍野菜や冷凍果実を「旬の時期に大量に生産し」というところです。旬の野菜や果物は時期はずれのハウス栽培のものよりも栄養価が高いのです。そのため、冷凍食品を使えば、栄養価の高い旬の野菜を高い栄養価を保ったまま季節はずれにも食べることができるようになる、ともいえます。

野菜や果物は旬の時期に旬のものを食べるのが一番美味しいのは言うまでもありません。夏には体を冷やし、冬に体を温めるのは旬の野菜です。とはいえ、旬の野菜ばかりでは目が変わらず飽きてしまいます。一人暮らしや少人数の家庭でも使う分だけを小出しにして使うことができるのもメリットのひとつ。いろいろな食材を楽しむ知恵として、冷凍食品をうまく利用するのも悪くない選択だといえます。

次に、野菜・果物などの残留農薬や、食品添加物のリスクについて考えていきます。

残留農薬や添加物はどう考えればいいのでしょうか?
消費者にとって一番の心配事は残留農薬や添加物でしょうか。

残留農薬は、農薬や育てる過程で与えたお薬などが出荷後の食材に残ってしまったものです。むろん、残らないに越したことはありませんが、食材はもともと「生き物」です。病気になることもありますし、病気にならないように予防することも必要です。残留しないような農薬を使い、出荷時には限りなく残らないように配慮していても、どうしても残ってしまうことがあるのです。

添加物は食品を加工する際に食味や色合いを整えたり、保存性を高めたりするために使用します。しばらく前に、天然着色料の「コチニール色素」は昆虫から採取された色素なのに、それを消費者は知らされていなかった、といったニュースもありました。また、それ以前から、合成着色料は体に悪いといわれており、添加物も食品には入っていないほうがいいものと考えられてきた歴史があります。

しかし、残留農薬や添加物によって、農業や酪農などの「生産性」が上がり、採れた食材を長期保存できるようになったからこそ、人々は餓えから逃れることができるようになりました。農薬を使うことや添加物を使うことは、人間が食品を安定して手に入れるためにどうしても必要なことだったのです。

もちろん、有毒なものを「生産性のため」とはいえ、許可しているのは許せないと考える人もいると思います。この点については、厚生労働省や消費者庁で、どの成分なら使ってもよいのか、どのくらいの量までであれば一生食べ続けても命に別状はないのか等の検討を行い、厳しく管理しています。

また、市販されている食材も、さまざまな店舗におかれた食材から抜き打ち検査を行って基準を超えていないか厳しく管理を行っています。

日本のスーパーで手に入る食材は「概ね安全」
以上のように、日本のスーパーや商店街等で手に入る食材は概ね安全といえます。ただ、概ね安全といっても、時々ニュースに上がるように「食品事故」はいつ起こるとも限りません。どんなに注意を払っても「食品事故」は一定の割合で起こります。

輸入食材だから事故が起こる、冷凍食品が安いから事故が起こるのではありません。食の安全にこだわっている国内産の食材であっても、人の手がかかわっている以上、100%安全であるとは言い切れません。国産品でもミスは起こりえます。

そんな現状を踏まえて、高くても国産のものがいいというのもひとつの考え方ですし、安価な輸入食材を使うというのもまたひとつの考え方です。

日本の食材は厳密な管理を受けています。基本的にはどれを選んでも安全と考えていいでしょう。あとは、それぞれのおさいふ事情や考え方に応じて、食材を選んでいけばよいと思います。

食品リスクを上手に考えて、体にもお財布にも優しい生活を
リスクには「実行するリスク」と「実行しないリスク」の2つがあります。やる・やらないのように、白黒はっきりできれば気持ちもいいのでしょうが、日常生活は白黒はっきりするものばかりではありません。また、誰しもが「白」のみを目指すといったことも現実的ではありません。

「時間もお金もあるから輸入食材も冷凍食品も使わない」という人がいれば、「時間もお金もないので輸入食材も冷凍食材も使う」という人がいてもいいのです。給料日前と給料日後で考え方を変えるというのも「アリ」でしょう。考え方はその家庭ごとに(または個人ごとに)違っていいのです。

ぜひ、自分にとって有益な技術を上手に取り入れながら、からだにも心にもそしておさいふにも優しい生活を送りましょう。

▼平井 千里プロフィールメタボ研究を行いエビデンスに則ったダイエットを教える管理栄養士。小田原短期大学 食物栄養学科 准教授。女子栄養大学大学院(博士課程)修了。前職の病院での栄養科責任者、栄養相談業務の経験を活かし、現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養の基礎を発信している。

梅雨にハトムギを食べるのがおすすめな理由|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん


皆さん、こんにちは。さあ、今日から七月です。夏至を迎え、梅の実も黄色く色づき、そして菖蒲が咲きました。夏至は、毎年7月7日の七夕頃までつづきます。今は梅雨の最中なので中々意識しにくいですが、夏至とはずばり、太陽のエネルギーが一年を通してもっとも強い期間。つまり、陰と陽の「陽エネルギー」が最大限に満ちている時です。「陽」というエネルギーは、拡散する力である「陰」に対して、ぎゅっと収縮する力。2021年の上半期で得た経験や学びがいちど何かしらの形として実を結び、次なるステージである下半期へ向けてゆるやかにバトンタッチしていくような人も多いのではないでしょうか。

今回は、「梅雨のあいだはどんな食養生をすると良いの?」というお話。毎年梅雨の時期がくると、なんだか頭や体がだるくて重い、つられて心もだる重い、という人が多いですよね。東洋医学では、「気・血・水」の三つの要素が体を構成しており、この三つがうまく循環しバランスが取れた状態を「健康」と考えます。ところが梅雨のあいだはこのうちの「水」が不調を起こしやすく、これを「水毒」と呼んだりします。体に余分な水分が溜まってしまい、それがうまく体の外へ出てくれない状態のことですね。頭痛や体の重さも水毒によって起こってきやすいのだとか。ですので、今大切なのは、この水分をうまく外へ出してあげられる、水はけの良い体を作ってあげることです。

梅雨にハトムギを食べるのがおすすめな理由

photo by Megumi Sekine© photo by Megumi Sekine photo by Megumi Sekine

たとえばウォーキングなどの軽く汗をかく運動をしたり、シャワーではなくお湯にちゃんとつかってじんわり汗を流すことで、体内の余分な水分を逃してあげる。そうすると水の巡りがだんだん改善されていきますが、まず日々の食事でできるアプローチとして、簡単に取り入れられる食材をご紹介します。余分な水分を排出して水分循環を良くし、むくみにも効く三つの食材が、ハトムギ、小豆、そして緑豆からできた春雨です(春雨は緑豆からできているものと、馬鈴薯などからできているものとありますので、裏面の成分表示をチェックして緑豆のものを選ぶようにしてみてくださいね)。

今日はハトムギにフォーカスしてみましょう。ハトムギは利尿(デトックス)作用がすぐれており、体の要らない水分をおしっことしてしっかり出してくれますし、体内の水の巡りを良くしてくれるのでこの時期にむくみがちな手足をスッキリとさせてくれます。また新陳代謝を促して皮膚の炎症トラブルを和らげてくれるので、肌荒れが改善されていくことも期待できます。日本では古くから肌荒れ改善ややイボ取りの食材として愛されてきたそう。

ハトムギのいちばん手軽な摂取方法は、いつものお米に混ぜて炊くことです。量はお好みですが、全体の1割から2割ほどでやってみると良いのではないでしょうか。ハトムギと一緒に小豆を入れて炊いてあげても尚良いですね。私のおすすめは、時間のあるときにハトムギを炊いておいて、小分けに冷凍しておくこと。味にくせのないハトムギは、サラダや和物にぱっとちらすだけで良いので、いつでも簡単に取り入れられます。

調理に手間を感じる方は、まずはハトムギ茶として日常的に取り入れてみるのもおすすめですよ。さらっとしていて香ばしく、飲んで重たい感じがないので非常に飲みやすいのが特徴です。ハトムギを上手に使って、ぜひ梅雨のあいだの疲れやすい体と心をケアしてあげてくださいね。

関根愛

俳優を始めた十数年前よりアトピーなどさまざまな心身の不調を感じてきたことで、薬に頼るのをやめて自分の体の声を聴きながら養生していくために自然食を始める。「じぶんらしく生きるための食養生」をテーマにInstagramやnote、Youtubeで日々発信をつづける。マクロビオティックマイスター。映画制作者、ライター、翻訳者としても活動。座右の銘は「山動く」。

疲労回復に効果的な栄養素とは? 夏の疲労を改善する「和風ドライカレー」


これから夏本番。

暑さや湿気などの気候の影響などから疲れが溜まりやすく、夏バテにも注意が必要です。

外に出る機会が少ない在宅ワークがメインの方も、一日中冷房の効いた部屋にいることで体調を崩したり、冷えや疲れが溜まります。

今回は疲労回復に効果的な栄養素と、効率よく補うレシピをご紹介します。

ビタミンB群を中心にエネルギー補給を

疲労回復のために重要なことは、体力を落とさないためにエネルギー源である主食をしっかりと摂ることです。

またじょうぶな体を作るために不可欠なたんぱく質も重要です。

しかしこれらをしっかり補っていても、体内でうまく活用されていない場合もあります。

それぞれのはたらきを助けるビタミンB群などを一緒に補うことが重要です。

・ビタミンB1

豚肉やうなぎなどに含まれているビタミンB1は、糖質をエネルギーに変換する際に重要なビタミンです。

さらに筋肉中に疲労物質として溜まった乳酸を分解するはたらきもあり、疲労回復に欠かせない栄養素です。

ビタミンB1はにんにくや玉ねぎ、にらなどに含まれるアリシンと組み合わせることで吸収力がアップします。

・ビタミンB2

レバーや卵に含まれるビタミンB2は、脂質をエネルギーに変換する際にはたらくビタミンです。

そのまま食べられる納豆や牛乳、ヨーグルトにも含まれており、栄養損失がなく効率よく補うことができます。

ここからは上記栄養素が効率よく補える、食欲のないときでもぴったりのカレーレシピをご紹介します。

和風ドライカレー

© SHOGAKUKAN Inc.

【材料】(2人分)

豚ひき肉 100g

玉ねぎ 1/4個

人参 1/4本

ピーマン 1個

にんにくみじん切り 小さじ1/2

生姜みじん切り 小さじ1/2

だしパック(無塩・粉末状) 1個

★醤油 大さじ1/2

★味噌 大さじ1/2

★カレー粉 小さじ2

★水 大さじ4

塩・胡椒 少々

オリーブオイル 小さじ1

ご飯 2人分

【作り方】

1.玉ねぎ、人参、ピーマンは粗めのみじん切りにする。

2.フライパンににんにく、生姜、オリーブオイルを入れ、弱火で加熱する。香りが出たら豚ひき肉を入れ炒める。

© SHOGAKUKAN Inc.

3.豚肉に火が通ったら1を加え塩・胡椒をして、野菜がしんなりするまで炒める。

© SHOGAKUKAN Inc.

4.だしパックを破き、中身の粉末を小さじ2加える。

5.★の調味料を加え、水分が飛ぶまで炒め、火を止める。

6.うつわにご飯を盛り、4をのせ完成。

暑い時期、無性に食べたくなるカレーですが、今回は煮込み時間がなく短時間で作れるドライカレーをご紹介しました。

ポイントは醤油、味噌に加え、だしパックの中身の粉末を加えること。

粉末状のかつお節や煮干し、椎茸などが入っている、旨味の詰まった調味料です。

だしパックの中身は、ほかにもドレッシングや和え物に活用できます。

ビタミンB1を含む豚ひき肉に、にんにく、玉ねぎを組み合わせることで、吸収率アップが期待できます。

たんぱく質、脂質、炭水化物もバランスよく補えます。

またカレーやにんにくの風味で、食欲がわく一品です。

エネルギー:477kcal

ビタミンB1:0.43mg(1日の推奨量のうち約1/3量)

食塩相当量:1.3g

© SHOGAKUKAN Inc.

おすすめのトッピングは納豆+青のりです。

カレーに納豆?と思う方もいるかと思いますが、ドライカレーとの相性はぴったり。

納豆をプラスすることでビタミンB2も補うことができます。

* * *

食事以外に十分な休息や睡眠も大切です。

一時的に疲れた、集中力が続かない、と感じるときは一度手を止めて、温かい飲み物や甘い物でリラックスするのも効果的ですよ。

文/矢崎海里(やざき・かいり)

管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。

疲れが取れる飲み物は? 切羽詰まったときの「カンフル剤」と「癒し」の一杯【管理栄養士が解説】


疲れた時の飲み物は? 疲れが取れる飲み物が飲みたい!

在宅ワークや長期間にわたる外出自粛などで疲れがたまっていませんか? 一言で「疲労回復」といっても、感じている疲れの種類や疲れのたまり方によって、解決法は異なります。しかしちょっとした疲れなら、飲み物で手軽に解消することも可能です。
そこで今回は、疲労回復効果が期待できる飲み物をご紹介したいと思います。

疲労回復効果が期待できる飲み物……即効性の高い栄養素を含むのは?
疲れたけれど、まだ仕事が残っていて、もうひと踏ん張りしたい……。そんなときにおすすめの即効性の高い疲労回復効果が期待できる飲み物として、以下のようなものが挙げられます。
・甘酒

・オレンジジュース

・ココア

・牛乳

・ミルクや砂糖の入ったカフェオレ

・はちみつレモンのソーダ割

・紅茶などにはちみつを混ぜても◎

これらはいずれも「糖質」を適度に含んでいて、血糖値をあげることができる飲み物です。脳のエネルギー源は9割以上がグルコースですので、脳にエネルギーを送り込むことで脳を元気にすることが目的です。

これらの糖質を含んだ飲み物が、カンフル剤(あるいは起爆剤)として働くために、「疲れが取れた!」と感じる状態を作ることができます。

ただし、飲み物でも糖質を脳にだけ送り込むことはできません。糖質は体全体に送り込まれてしまうため、血糖値も上昇します。疲れを感じても、上記のような飲み物を飲んで一時的に頑張る方法は、肥満やメタボ、生活習慣病などのリスクと背中合わせです。

「もう22時だけど明日の9時までにプレゼンの資料を仕上げなければならない!」といった本当に困ったときのみに限定して活用することをおすすめします。

軽い休憩・リフレッシュにおすすめ! 疲労をためない飲み物
前述の飲み物は、切羽詰まった時に頼ると効果的な飲み物ですが、「ちょっと疲れた」「気分転換をして気持ちをすっきりさせたい」というときにおすすめの飲み物もあわせてご紹介します。
・抹茶

・緑茶

・ジャスミン茶

・玄米茶

・ブラックコーヒー

・ウーロン茶

・紅茶

・ほうじ茶

・ハーブティー(カモミール、ラベンダー、ローズなど)

これらの飲み物はカロリーが少ないので、飲みすぎても太ってしまう心配がありません。ほどよく眠気を覚まして気分転換し、軽い休憩をとりたいときにはこれらの飲み物がおすすめです。

特に紅茶のリラックス効果は有名です。紅茶用カップに飲み口が広くて深さの浅いティーカップが選ばれるのは、紅茶の香りが気分を落ち着かせ、疲労回復や集中力アップ、リラックス効果、ストレス解消効果があることが知られているからだといわれています。

また、これらの飲み物は、大体カフェインの多い順に掲載していますが、あくまでも目安として考えてください。特に、ジャスミン茶はジャスミンの花と緑茶を混ぜたもの、玄米茶は玄米と緑茶を混ぜたものなので、製品によってカフェイン含量が異なります。

軽い休憩・リフレッシュ時の飲み物、2つの注意点
上記に挙げた飲み物はいずれも疲労回復効果やリフレッシュ効果が期待できるものですが、注意点が2つあります。少し無理をしてでも頑張りたいときは別ですが、日常的な軽いリフレッシュに利用する場合は、特に以下の2点に気をつけましょう。

▼1. カフェインを多く含む飲み物はできれば午前中までにするカフェインを多く含む飲み物は、午前中からお昼頃までに飲むと脳を目覚めさせる効果が高いといわれています。脳が目覚めてしまうため、カフェインの多い飲み物は、遅くとも寝る前2時間までに。眠れなくなるのが心配な方や不眠で悩まれている方は、できれば午前中までにしましょう。

寝る前に適しているのは、カフェインが少ないほうじ茶や、カモミール、ラベンダーなどのリラックス効果の高い香りを持つハーブティーがおすすめです。余談ですが、病院で患者様に提供しているお茶は「ほうじ茶」であることが多いです。カフェインが少なく、リラックス効果の高い香りを持ち、胃腸にも優しくすっきりとした味わいであることが選ばれる理由だと思います。

▼2. 軽いリフレッシュのときは一緒にお菓子を食べないこれらの飲み物は甘い菓子類との相性がバツグンです。しかしお菓子を一緒に食べてしまうと、お菓子の糖質が「カンフル剤」としてはたらき、血糖値も上昇してしまいます。いざというとき、またはお客様やお友達との歓談の場以外では、なるべくお菓子のお供はナシにすることをおすすめします。

コーン茶、黒豆茶、はと麦茶など……健康茶もリフレッシュしながら楽しんで
その他にも、いわゆる「健康茶」として販売されている商品はたくさんあります。梅雨時期は、余計な水分を体の外へ排泄してくれる役割を持つ「コーン茶」や「黒豆茶」、「はと麦茶」などがおすすめといわれています。

美肌効果を期待する方は、「ダマスクローズ」「ローズヒップ」「ルイボスティ」などのハーブティーをチョイス。風邪が気になる季節には、ショウガを入れた紅茶である「ジンジャーティー」、シナモンやカルダモンの入った「スパイスティー」、また、「エルダーフラワー」「煎茶」などもよいでしょう。

その他、薬局の健康茶の棚や、お茶の専門店などを覗いてみると効能書がついているお茶も多々見られます。これらはあくまでも「食品」であり、誰にでもはっきりとした効果があるというわけではないと思いますが、気分的なリフレッシュ効果も得ながら少量ずつ試し、ご自身に合ったものを探してみるのも面白いかと思います。

■参考文献

・大石 正子:クッキングルーム お茶をたのしむ,日本調理科学会誌 53 巻 (2020) 3 号,p. 223-226

・岩間 眞知子:お茶と養生,日本健康学会誌 85 巻 (2019) 1 号,p. 30-42

▼平井 千里プロフィールメタボ研究を行いエビデンスに則ったダイエットを教える管理栄養士。小田原短期大学 食物栄養学科 准教授。女子栄養大学大学院(博士課程)修了。前職の病院での栄養科責任者、栄養相談業務の経験を活かし、現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養の基礎を発信している。

玄米、大豆、ナッツなど“健康食”にもある注意すべきデメリット


 玄米にみそ汁、納豆で朝ご飯。ランチはパンとフルーツたっぷりのスムージー。おやつはヘルシーにヨーグルト。一見、理想の食生活に思えるがこれらの食品はすべて専門家たちが「NG」を突きつけたものだった──。いったいどういうことなのだろうか?

 食べたもので体は作られる、とはよく言ったもの。一時ブームになった「黒豆ココア」や「朝バナナ」、最近でも「がんに効くスープ」や「腸活ヨーグルトレシピ」など、食べ物によって体調を整え、病気を撃退しようというムーブメントは続いている。しかし、ハタイクリニック院長で食事療法に詳しい医師の西脇俊二さんは、この風潮に警鐘を鳴らす。

「誰しも体にいいものを食べようと考えますが、皮肉にもかえって逆効果であることも少なくありません。たとえば、“健康のため”にと積極的に摂っていたバナナなどの果物が生活習慣病の原因だったというケースがありました。つまり、体にとって必要なのは“何を食べるか”よりも“何を避けるべきか”だといえます」

 そこで『女性セブン』は食と健康の専門家32人に「実は体に悪い食べ物」をアンケート取材。その結果が以下の通りだ。

・1位 15点 玄米、大豆
・3位 14点 まぐろ
・4位 11点 果汁100%ジュース
・5位 10点 マーガリン
・6位 9点 果物全般、ひじき
・8位 8点 カロリーオフ飲料、お茶、白米
・11位 6点 赤身肉、ヨーグルト
・13位 5点 パン、ナッツ類、植物油、柑橘類、カット野菜、根菜類全般、お酢、にんにく、プロテインパウダー、ハム、スポーツドリンク、レバー、アルコール、オートミール、さば

※以下、32人の「食と健康の専門家」に「意外と知られていないが実は体に悪い食品」を挙げてもらい、1位を5点、2位を4点、3位を3点、4位を2点、5位を1点として集計。5点以上を獲得した食品を掲載した。

赤澤純代さん(金沢医科大学女性総合医療センター長)、秋津壽男さん(医師/秋津医院院長)、麻生れいみさん(管理栄養士)、岡田正彦さん(医師/新潟大学名誉教授)、岡野匡雄さん(糖尿病・代謝専門医)、小倉朋子さん(トータルフードプロデューサー/フードコーディネーター)、金丸絵里加さん(管理栄養士)、近藤千種さん(医師/ちくさ病院内科医)、済陽高穂さん(医師/西台クリニック院長)、佐々木欧さん(医師/秋葉原駅クリニック)、左藤桂子さん(肥満外来医)、柴亜伊子さん(皮膚科医)、白澤卓二さん(医師)、清水加奈子さん(管理栄養士)、菅原道仁さん(菅原脳神経外科クリニック院長)、関口由紀さん(医師)、田中優子さん(医師)、伊達友美さん(ダイエットカウンセラー/管理栄養士)、高橋怜奈さん(医師/東邦大学医療センター大橋病院・婦人科医)、中沢るみさん(管理栄養士)、中村幹雄さん(薬学博士)、中村康宏さん(医師/虎ノ門中村クリニック院長)、成田亜希子さん(医師)、西脇俊二さん(精神科医)、浜本千恵さん(管理栄養士)、藤岡智子さん(フードライター/栄養士)、牧田善二さん(糖尿病専門医)、丸岡悠さん(医師)、宮田俊男さん(医師/みいクリニック代々木理事長)、山本佳奈さん(内科医)、山田豊文さん(杏林予防医学研究所所長)、渡辺信幸さん(医師)

 2013年には「無形文化遺産」に登録され、国内のみならず世界中で「健康食」の代名詞として称賛されてきた和食。ところが、今回のランキングのトップに名を連ねたのは豆腐や納豆、みその原料となる「大豆」と、白米よりも栄養素が豊富で“健康的な食事”の代表格とされてきた「玄米」だった。こくらクリニック院長の渡辺信幸さんは“大豆礼賛”に疑いの目を向ける。

「そもそも大豆の大部分を占める栄養素の『イソフラボン』は、人間にとって必須の栄養素ではない。さらに、動物実験では胎児に悪影響が出るという結果もあります。海外では、乳幼児やがんなどの病歴がある人には摂取量を制限するケースも。体にいいからと、むやみに普段の食生活に“上乗せ”して摂ることは推奨できません」

 フードコーディネーターの小倉朋子さんも手厳しい。

「大豆は、カルシウムや鉄、亜鉛などのミネラルを一緒に摂ったとき、それらの吸収率を下げてしまう可能性があります」

 玄米にも、吸収阻害を挙げる声が相次いだ。

「たしかに玄米は白米よりもミネラルや食物繊維が豊富ですが、一方でふんだんに含まれる『フィチン酸』という成分が鉄や亜鉛と結合し、ミネラルの吸収を妨げてしまいます」(管理栄養士の清水加奈子さん)

 玄米そのものの消化の悪さを懸念する声もある。

「栄養素が豊富な半面、白米よりも硬く、それなりに咀嚼回数が必要で消化しづらい。高齢者や胃が弱っている人には特に推奨できません」(管理栄養士の中沢るみさん)

 食生活は“継続”こそが力になるが、6位の「ひじき」や、“だし”として日本食に欠かせない「昆布」ではそれが逆効果になる。管理栄養士の金丸絵里加さんが解説する。

「ひじきには有害物質である『無機ヒ素』が含まれており、継続して大量に摂取するとがん発症など、病気のリスクが高まります。体重50kgの人なら1日当たり5g程度(乾燥重量)が適量。週に3回以上食べるのは要注意です。昆布も同様で、含有する『ヨウ素』は体に欠かせないミネラルですが、必要なのはほんのわずか。過剰に摂ると、甲状腺機能障害になることがあります。昆布の適量は1日40〜60mg相当です」

 和食のお供でカテキンが豊富な「緑茶」も8位にランクイン。脳神経外科医の菅原道仁さんは、頭痛の悪化を懸念する。

「緑茶には意外とカフェインが多く含まれています。少量なら血流をよくして片頭痛にも効果がありますが、飲みすぎるとカフェインの離脱症状でかえって頭痛が悪化することもあります」

 内科医の佐々木欧さんが注意を促すのが、お茶を飲むときの温度だ。

「イランのテヘラン医科大学が行った研究によれば、60℃以上のお茶を1日に700ml以上飲むと、食道がんのリスクが1・9倍になるとも。やけどを繰り返すことがリスクにつながるので、適温・適量を心がけましょう」

魚の「良質な油」は3~4割だけ

“朝のフルーツは金”とうたわれるのに反して、4位には「果汁100%ジュース」が、6位には「果物全般」がそれぞれランクイン。内科医の山本佳奈さんはフルーツジュースと糖尿病の関連を指摘する。

「果物をジュースに加工する過程で食物繊維が取り除かれているため、糖分の体内への吸収が速くなる恐れがあり、血糖値が上がりやすい。実際、フルーツジュースを毎日1杯以上飲む人は、新鮮な果物を食べている人より糖尿病のリスクが増加していたという報告もあります」

 果物そのものの弊害を強調するのは、西脇さんだ。

「生活習慣病やがん、認知症などあらゆる病気の原因となるのが、糖質の摂りすぎによる慢性炎症です。果物に多く含まれる果糖は、糖質の中でも最も慢性炎症を起こしやすいといわれています」

 実際、カリフォルニア大学の研究によれば、果糖を多く摂取すると、記憶力が低下するというデータもある、女性医療専門医の関口由紀さんは、特に柑橘類の食べすぎに注意を促す。

「ビタミンCが豊富で体にいいとされていますが、漢方では“体を冷やす”とされ、冷え症の人には推奨できない。また、果汁によってのどや腸内の粘膜が刺激されるため、西洋医学では喘息やアトピーなどのアレルギーの症状が悪化するケースがあるともいわれています」

 良質なたんぱく質として食卓に取り入れることを推奨される魚についても、疑問視する専門家は少なくなかった。

「血液サラサラ効果があるとされるEPAやDHAなど魚が含有する良質な油は3〜4割程度。残りの油分は肉と一緒の成分です。つまり、“体にいいから”と脂の多い魚や部位を必要以上に食べてしまえば脂質を過剰摂取することにつながり、むしろ動脈硬化のリスクが高まります」(佐々木さん)

 特に3位の「まぐろ」には多くの票が集まっている。医師の成田亜希子さんは「メチル水銀」の危険性を指摘する。

「まぐろが含有するメチル水銀を一定以上摂取すると、脳や脊髄などの中枢神経にダメージを与えることが明らかになっています。特に妊娠中は胎児に影響がないよう、注意が必要とされています。ほかの魚にも同様の危険性はありますが、特に大型魚のまぐろは、メチル水銀が体内に蓄積しやすいのです」

 骨を丈夫にするために毎日牛乳を飲み、腸活のためにヨーグルトも欠かさないという人も少なくないが、杏林予防医学研究所所長の山田豊文さんが、こんなショッキングなデータを示す。

「よく“骨太な体を作るため”と乳製品を積極的に摂る人がいますが、実際には牛乳や乳製品の摂取量が多い国ほど、大腿骨頸部骨折の発生率が高いことが示されている。つまり、乳製品が骨を強くするというのは完全なる誤りです。

 乳製品にはカルシウムは多いがマグネシウムは少なく、ミネラルバランスも悪い。さらに含有するたんぱく質の『カゼイン』は、乳がんや前立腺がんなど生殖系のがんのリスクを高めるともいわれています」

古くなったナッツが招く病気

 煮るか焼くか、揚げるか蒸すか—食品そのものの成分を知ることと同じくらい重要なのが、調理法によって体に与えるリスクや影響が大きく変動することだ。AGE牧田クリニック院長の牧田善二さんが解説する。

「がんや老化、血管病などの原因となる有害物質である『AGE』はたんぱく質と糖を同時に加熱することで生成されます。つまり、同じ食品でも火が入ったり、衣をつけて揚げたりすれば有害物質が増えるということ。体にいい食材も、一気にジャンクフードになってしまうのです。

 たとえば鶏肉のAGE値は蒸し焼きなら769ku、水炊きならば957kuですが、から揚げにすれば9732ku、バーベキューで丸焼きにしたときは1万8520kuまで跳ね上がる。調理法にも注目して食事内容を考えてほしい」

 生産過程や精度にも気を配りたい。医師の済陽高穂さんは手軽さが人気の「カット野菜」の落とし穴を指摘する。

「小さくカットされた野菜は表面が変色するため、最低3回以上水洗いされており、その過程で栄養成分が相当失われています。しかも洗浄水には衣類の漂白剤にも使われる次亜塩素酸ナトリウムが使われることもあり、健康的とは言いがたい状況です」 

 フレッシュさが大切なのは、野菜だけではない。総合内科医の赤澤純代さんが特に鮮度を気にするのは、「ナッツ類」だ。

「ピーナッツは、古くなると天然物の中で最も強力な発がん物質といわれるアフラトキシンを発生させることがある。海外ではアフラトキシンによる死亡例も報告されています。生鮮食品ではないため見落とされがちですが、賞味期限は必ず守り、カビないように高温多湿を避けて保管してほしい」

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