あなたの健康はお金で買えますか・・・? ■健康長寿・デキる人の健康学・声

あなたの健康はお金で買えますか・・・?

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エッチな人ほど長生き/森田豊の健康連載 

<ドクター森田の「健康になりなさい!」(3)>

 1997年、イギリスで45歳から59歳までの918人の男性を10年間調べ続けた結果、「エッチなことを考えている男性ほど死亡率が低い」ことがわかりました。

 調査では、男性の「性的興奮の頻度」を3段階に分けました。1カ月に1度も性的興奮のないグループ、1週間に2度以上のグループ、そしてその間のグループです。

 すると、性的興奮がほとんどないグループの10年後の死亡率は、性的興奮が多いグループの約2倍ということがわかりました。週に2回はエッチな想像をする人のほうが長生きするということが、疫学的に証明されたわけです。つまり、適度な「下心」は体にいい影響を及ぼすのです。

 「性の健康」を専門に研究しているイギリスのゴーシュ教授は、日常的にセックスをしている高齢者は認知症になりにくい、という研究結果を発表しています。セックスによって脳への血流が増えるため、脳が活性化するというのがその理由で、そういう“枯れない”高齢者は認知症にもなりにくいとのこと。

 セックスは、有酸素運動をしながら、高次の脳を使い「相手を喜ばせたり、次に何をしてあげようか」ということを同時に行っています。これは、「デュアルタスク」(2つの仕事)といって、認知症予防にはとても効果があると考えられます。

 片や、女性が人生のうちで性的にもっとも感じる年齢は「34歳」だという報告があります。確かに壇蜜さんだって、30歳を超えているからこそのエロスがあるのでしょう。これは、女性の中の男性ホルモン量に関係があります。女性ホルモンが多ければ性欲は抑えられ、男性ホルモンが多ければ性欲は高まる。女性の場合、30歳を超えると女性ホルモンが若干減少、男性ホルモンは増加するので、20代より性欲が高まるのだとか。エッチの回数は減っても、行為への探究心と感度は増すそうです。男性の男性ホルモンのピークは15~25歳だといいますから、女性がエロスに目覚めた頃、男性は少々減退気味!?

 ◆森田豊(もりた・ゆたか)1963年(昭38)6月18日、東京都生まれ。秋田大医学部、東大大学院医学系研究科修了。米ハーバード大専任講師を歴任。現役医師として活躍すると同時に、テレビではコメンテーターのほか、「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)など人気番組の医療監修も数多く務める。著書は「今すぐ『それ』をやめなさい!」(すばる舎)「ダイエットはオーダーメイドしなさい!」(幻冬舎)「ねぎを首に巻くと風邪が治るか?」(角川SSC新書)など。気分転換は週2回のヨガ。




( 2018/05/23 21:46 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

はげは性欲が強いが…/森田豊の健康連載 

<ドクター森田の「健康になりなさい!」(2)>

 はげの原因の1つに、男性ホルモンが悪さをしている「男性型脱毛」というものがあります。生え際の脱毛、頭頂部の脱毛が特徴的です。それは、男性ホルモンが旺盛であることに変わりなく、性欲も旺盛であることは、間違いありません。性欲は強いのですが、女性にとっては、ビジュアル的に受け入れがたい? というのも事実で、もしかしたら、人間の繁殖力は、こうして制御されているのかもしれません。

 もちろん、男性ホルモンと関係のないはげ、たとえば、ストレスによる脱毛もあり、これは性欲とは無関係です。女性にも、女性の「男性型脱毛症」というのがあります。生え際のラインは変わらないのに、頭頂部を中心に脱毛や髪の毛が細くなる現象が起こります。女性も、男性ホルモンが旺盛になると性欲が高進することは分かっているので、脱毛の女性も“スケベ”といっていいかもしれません。

 また、見た目で男性の魅力が現れる例をもう1つ。イギリスのリバプール大学とスターリング大学の研究者によると、男性は顔に傷があった方が魅力的に見えることが分かったそうです。普通に考えると、傷のある顔よりもそれのないきれいな顔の方が魅力的に見えそうに考えてしまいがちですが、そうとは言えないようです。220人にさまざまな傷を持った人(傷がない人も含む)の顔写真を見せ、どの写真が魅力的かアンケートしたところ、顔に傷のある男性を好む女性が多いという結果になったそうです。

ただし、どのような傷でもいいというわけではなく、切り傷の跡やケガの跡のような傷痕が魅力的に見えるようで、ニキビや湿疹跡のようなものでは効果がなく、むしろ否定的に見られる可能性があるとのこと。一方、女性の傷に関しては、特に影響がなかったそうです。なぜ女性が男性の傷に魅力を感じるのか、正確に分かっていないようですが、傷を見せることによって個性や過去の経験といった情報を与え、ワイルドで男らしく見えるのも1つの要因のようです。2カ月連続交通事故に遭い顔に傷を負った知り合いがいますが、このアンケート結果を知り「傷が残っていればよかった」と嘆いていました。

 ◆森田豊(もりた・ゆたか)1963年(昭38)6月18日、東京都生まれ。秋田大医学部、東大大学院医学系研究科修了。米ハーバード大専任講師を歴任。現役医師として活躍すると同時に、テレビではコメンテーターのほか、「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)など人気番組の医療監修も数多く務める。著書は「今すぐ『それ』をやめなさい!」(すばる舎)「ダイエットはオーダーメイドしなさい!」(幻冬舎)「ねぎを首に巻くと風邪が治るか?」(角川SSC新書)など。気分転換は週2回のヨガ。






( 2018/05/23 10:47 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

出勤前にキス、それも20秒以上/森田豊の健康連載 

<ドクター森田の「健康になりなさい!」(1)>

 医師でジャーナリストの森田豊氏(54)が、「ドクター森田の『健康になりなさい!』」と銘打って健康への取り組みを指南します。世の中は体のために「やっていいこと」と「やってはいけないこと」の情報にあふれ、その中には意外な落とし穴も散見されます。ここでは食生活、アルコール摂取、性など生活習慣から心身の健康に至るまで、医学的根拠に基づいた最新情報で、確かな健康法に迫ります。さあ、これを読んであなたも「健康になりましょう!」。

 出勤前の「キス」が、寿命を延ばす!? カナダ、ローリエ大学のドイツ人研究者、アーサー・サズボ氏によると、出勤前にキスをしてから家を出るカップルのほうが、寿命は5年長いというデータが出ています。また交通事故に遭う確率も低く、さらに欠勤率が低く、収入も25%高いというのです。

 また、米国のケース・ウエスタン・リザーブ大学で行われた実験で、結婚している男性で「奥さんに愛されているか?」という質問にイエスと答えた人は、ノーの人に比べて狭心症を起こす確率が低くなることが報告されています。キスされることや、愛されていると自覚することで、人は健康を保てる可能性があるという結果です。

 少なくとも20秒以上の長めのキスをすると、ストレスレベルが劇的に低下するという調査結果が、米科学者たちから報告されています。「20秒以上なんて、忙しい朝には悠長すぎるでしょう」と言いたくなりますが、これはキスにより、脳内で分泌されたエンドルフィン、オキシトシンやドーパミンといった快感ホルモン(幸福ホルモン)が血流に放出され、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールを抑制するからです。

 フレンチキスなど舌を激しくからませたディープキスをすると、顔の39種類の筋肉を使い、仮に20分間続けるとすれば、120キロカロリーのエネルギーを消費するそうですから、これは約1時間分のウオーキングに匹敵する活動量です。

 キスの最中に分泌される「恋愛ホルモン」といわれているオキシトシンには、食欲を抑える効果もあります。12人の肥満気味の人を含めた25人の男性に対し、鼻スプレーとしてオキシトシンまたは何の成分も入っていない偽薬を投与し、食事をしてもらった研究があります。

 オキシトシンを投与されたグループでは、偽薬に比べ摂取量が122キロカロリー少ないという結果になりました。脂肪については平均で9グラム、80キロカロリーの摂取量も減っています(米ハーバード・メディカル・スクールのエリザベス・ローソン准教授らの研究)。

 このように、愛情表現としてだけではなく、健康面でもさまざまな効果があるキス。恋人やパートナーとの愛情表現をためらっている場合ではないのです。

 ◆森田豊(もりた・ゆたか)1963年(昭38)6月18日、東京都生まれ。秋田大医学部、東大大学院医学系研究科修了。米ハーバード大専任講師を歴任。現役医師として活躍すると同時に、テレビではコメンテーターのほか、「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)など人気番組の医療監修も数多く務める。著書は「今すぐ『それ』をやめなさい!」(すばる舎)「ダイエットはオーダーメイドしなさい!」(幻冬舎)「ねぎを首に巻くと風邪が治るか?」(角川SSC新書)など。気分転換は週2回のヨガ。




( 2018/05/23 10:34 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

人間は使命を帯びて生まれてくる/鎌田實の健康連載 

<鎌田實の人生100年時代をどう生きるか(32)>

 昨年12月の末、緩和ケア病棟に入院している74歳の男性を回診しました。胃がんでリンパ節と肺に転移があります。

 「物書きだ」と名乗りました。ぼくの回診を待っていたようです。話に花が咲きました。「どんなきっかけで本を書くようになったのですか」とぼくが聞きました。

★人生の疑問がきっかけ

 彼は大手電気メーカーに勤めていた。外国語のセンスが良く、ソ連(当時)支社の責任者を任せられていたといいます。

 49歳の時、自分の人生に疑問を持つようになった。このまま定年まで勤めて、ぬれ落ち葉のようになり、毎日何もすることがなくなることが恐怖だった。

 この時彼は、ソ連の生化学者オパーリンの言葉を思い出しました。

 「人間はさまざまな使命を帯びて生まれてくる。大事なことは、その使命に目覚めて生きるかどうかだ」

★一生に1回の人生を自由に生きる

 経済的には不安はあったが、彼は会社を辞めました。やりたいことをやろうと決め、一念発起して作品を書き始めたのです。

 「与えられた使命に気づくのは年齢に関係ない。早い者勝ちだ」

 「思い通りにはならなかったけど、何冊もの本を残すことができました。一生に1回だけの人生。自分のやりたいことをやれたので、すべて納得しています」

 彼はこの2週間後に亡くなりました。

 カナダのブリティッシュコロンビア大学が、興味深い心理学の研究を発表しています。「お金を持つこと」以上に「自由な時間を持つこと」に価値があると気づいた人は、人生の幸福度が高い。

 ぼくの手を握りながら、「先生、思い残すことはありません」。彼の言葉が今も耳に残っています。




( 2018/05/21 11:12 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

好奇心を持ち続ける/鎌田實の健康連載 

<鎌田實の人生100年時代をどう生きるか(31)>

★認知症に負けない生き方

 若年性認知症と診断されて10年。病気に負けないで、1人暮らしを続けている友人がいます。彼は認知症を隠していません。どんどん外へ出て、できないことは、人に応援を頼むようにしています。

 彼はアイフォーンとパソコンを利用して、薬の飲み忘れ等を予防しています。外出するときも、降りる駅の前にアイフォーンのアラームがなるように設定しています。

★閉じこもってはダメ

 毎日出歩いて、好奇心を持ち続けることが、若年性認知症を進行させない大きな要因になっているように思います。

 この友人は、実名でブログを公表しています。彼が毎日どんなことを考え、どんな風に過ごしているのか、見ることができます。

 さらに彼はときどき、友人たちにメールを送ります。先日も彼からこんなメールが送られてきました。タイトルは「満ち足りた生活を送るには」。

★認知症患者にも満ち足りた生活がある

 (1)ない物ねだりはしない

 (2)小さな目標を立てて達成感にひたる

 (3)好きなこと、楽しいことを見つけて、実行する

 病気が彼の脳細胞の働きを低下させはしましたが、それは「まだら状」で、良好な脳細胞は、好奇心を持ったり、前向きに生きることによって、維持できているのです。

 道に迷って家に帰れなくなることもありますが、そんなときはSOSカードを取り出し、人に助けを求めます。カードには、彼の住所と、彼がアルツハイマー病であること等が書かれていて、大抵の人が、家に帰る手助けしてくれるといいます。

 彼の言葉には、ぼくたちが生きるヒントがあるように感じました。




( 2018/05/20 14:18 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

延命治療僕はいらない/鎌田實の健康連載 

<鎌田實の人生100年時代をどう生きるか(30)>

★日野原先生の自己決定

 日野原重明さんが105歳で昨年亡くなりました。彼とはその1年ほど前、佐賀で講演をご一緒にしました。亡くなる半年前まで、全国を飛び歩いていました。

 最後、転倒して肋骨(ろっこつ)を骨折し、誤嚥(ごえん)性肺炎をおこしました。初めは入院治療を行いましたが、自宅がいいと自分で決めました。延命治療を医師から勧められましたが、しっかりと拒否をしました。まさにPPK(ピンピンコロリ)です。

 ぼくも病院で死ぬのは嫌だなと思っています。旅の途中で亡くなったら最高。医師から胃ろうを置こうと言われても「お断りします」と書いてあります。

★おだやかであったかな死

 諏訪中央病院の緩和ケア病棟では、入院するがんの末期の患者さんに、かき氷が好評です。食事が全く取れなくなっても、かき氷なら食べられる。

 諏訪中央病院が運営している老人保健施設では、身寄りのない末期がんのおばあちゃんが、若い介護士にアイスクリームを口に入れてもらって、幸せそうに食べていました。死を受容するスロー・ハンド・フーディングなのです。

★望まない苦しい死

 1回だけの人生。1つだけの命。その命が終わるとき、何もしないというのはとてもつらいです。そこでついつい胃ろうを置いたり、人工呼吸器につないでしまったり、老衰なのに、心臓マッサージをしてしまったりするのです。

★最後まで自分らしく

 そんなとき家族が、亡くなる直前の大切な人に、スロー・ハンド・フーディングで、ひとさしひとさし、スプーンで若い頃好きだったものを食べていただく。

 あたたかな日だまりの中で、見守られて、穏やかに納得して人生を終える。そんな終(しま)い方ができたらいいなあと思っています。




( 2018/05/20 13:54 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

自分の命は自分で決める時代/鎌田實の健康連載 

<鎌田實の人生100年時代をどう生きるか(29)>

・「多死時代」がやってきた

 2025年には団塊の世代が後期高齢者に突入し、43万人の介護難民が出ると言われています。同時に「多死時代」がやってきます。国の推定によると、現在年間136万人の死者数は、2040年には168万人に達します。

 内閣府の調査では、5割を超える人が「自宅で最期を迎えたい」と答えていますが、現実には自宅13%、病院75%。希望と実態には大きな隔たりがあります。

・「死の哲学」を持とう

 自分なりの「死の哲学」を持つ必要があるように思います。

 「渡る世間は鬼ばかり」の橋田寿賀子さんと対談をしました。彼女は「認知症になったら安楽死がしたい」と望んでいました。日本では安楽死は認められていませんが、たくさんの賛同の声があがりました。

 思想家の西部邁(すすむ)さんが今年1月、自ら命を絶ちました。「自裁死」と言われています。病院で不本意な延命治療も受けたくないし、自宅療養では家族に迷惑がかかる。そんな中、西部さんらしい自己決定をされたのだと思います。

 安楽死も自裁死も、日本では勧められていません。

・延命治療はいるかいらないか自分で決めておこう

 食事が取れなくなって胃に穴を開けてそこから栄養を取っている人が26万人います。

 ぼくは食べられなくなったら無理な治療をしないようにと周りに伝えています。胃ろうや人工呼吸器が必要になったときに、そういう治療を受けるか拒否するか、最も自分らしい生き方を示すチャンスです。

 日本人は曖昧に決定を先延ばしして生きる傾向があるが、自分の死をどうしたいか、紙に書いておこう。人生100年時代には命のリテラシーが大切。自己決定をしましょう。



( 2018/05/20 13:34 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

「誰かのため」を/鎌田實の健康連載 

<鎌田實の人生100年時代をどう生きるか(28)>

・日本の幸福度は51位

 3月20日の国連幸福デーに合わせて、毎年、世界幸福度ランキングが発表されます。コロンビア大学が調査しているもので、世界155カ国のうち、日本の幸福度は51位(2017年)でした。

 日本はGDP世界3位の経済大国であり、世界トップの長寿国。もっと幸福度が高くてもいいはずなのに残念です。

・幸福はお金だけではない

 幸福度は、少なくとも経済的豊かさと正比例の関係にはないようです。

 年収と幸福度の関係についての研究では、ある一定の収入を超えると、収入の高さは幸福度と比例しなくなります。その境目は、内閣府の調査によると、年収1000万円。日本でこの年収に満たない人は約95%。でも、その人たちが幸福ではないなんてことはないでしょう。

・人生を楽しむ力が幸福につながる

 昨年秋、「人間の値打ち」(集英社新書)という本を出しました。資本主義社会に生きている以上お金は大切です。でも、経済的豊かささえあれば、人生の価値も高いというわけではない。それをこの本で言いたかったのです。

 人生の幸福度に影響を与えるのは、自由に、自分らしく、人生を楽しむ力があるかどうか。お金は、そのための道具にすぎない。

・人の役に立つ人生

 人生には、家族や友人を愛すること、愛されることを実感しながら、自分の能力を発揮できることが大切だ、とぼくは思っています。

 高齢になっても、お茶や食事を楽しめるような異性の友だちがいるのもいい。新しい趣味の世界を広げてもいい。最も大切なのは誰かのために役に立っていると実感できること。それが幸福な人生をつくるのではないでしょうか。





( 2018/05/18 09:54 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

意味ある検査や治療を/鎌田實の健康連載 

<鎌田實の人生100年時代をどう生きるか(27)>

★ムダなED治療がある

 アメリカの医学界では、男性には関心の高いED治療については「男性ホルモンのテストステロン値が正常な男性のED治療に、テストステロンを使用しても、性欲は上がるが勃起力は上がらない」と言う。つまり、ED患者さんに男性ホルモンを使えば必ず元気が出るというものではなく、原因をきちんと調べるべきだと言っています。

★ムダな血糖値測定

 糖尿病については、「インスリン不使用の糖尿病2型患者が家庭で血糖値測定するのはほとんど意味がない」としています。

 糖尿病の患者さんで、インスリンの自己注射をしている場合は、血糖値の微妙な変化を知るために血糖値測定が必要になりますが、インスリン注射をしていない場合は必要ないのです。

★ムダな検査が多すぎる

 「軽度のぜんそくや気管支炎の子どもにエックス線検査をするのは無駄」。不要な検査で、子どもに余分なエックス線を当てて被ばくさせてはいけないのです。

 「頭部を打ったからといってCT検査をするのはほとんど無意味」というのもあります。日本ではCT検査をやりすぎている。

★ウイルスに抗生物質は?

 「ウイルス性の副鼻腔(びくう)炎などに抗生物質を多用するのは無駄」。ウイルスに抗生物質は効きません。日本では抗生物質を出しすぎています。

 「頭痛の原因を調べるための脳波検査は無駄」これもその通りです。

 ぼくはこうした不要な検査、無駄な治療をやめて、必要な治療を受けてもらえるようにするために、「検査なんか嫌いだ」(集英社)「だまされない」(KADOKAWA)という本を書きました。

 健康や命を守るには、検査よりも身につけた生活習慣を少し良い方向へ変える行動変容が大事なのです。




( 2018/05/17 12:42 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

元気なうちに自己決定/鎌田實の健康連載 

<鎌田實の人生100年時代をどう生きるか(26)>

★がん検診で意味のあるものは3つだけ?

 アメリカでは健康診断のコストパフォーマンスを大事にしています。がん検診も意味のあるものは3つだけと言われています。

 乳がん検診と子宮がん検診、大腸がん検診です。

 大腸がん検診は、便潜血反応で行われます。検便は昔からある検査で、一見、非科学的に思えるかもしれませんが、この便潜血反応が大腸がんの早期発見に役に立ち、検診に使ったお金に比べて、死亡率を下げることが科学的に証明されています。

 がん検診はいろいろありますが、有効なのはこの3つだけというのがアメリカの考え方です。その代わり、この3つの受診率は日本と違ってとても高いです。

★余命10年以内の人に検診はいるか?

 予測される余命が10年以内の人ががん検診を受けるのはほぼ無意味とアメリカでは考えられています。

 なんだかシビアだなと思うかもしれませんが、高齢者のQOL(生活の質)という観点から見ると間違っていないと思います。

★命のリテラシー

 アメリカの医学界では、認知症の高齢者に胃ろうをしないとしています。少し乱暴な考えです。権力を持った者がこれを決めたら危険。あくまでも決めるのは自分。元気なうちに自分は胃ろうはいらないと決めるなら問題はありません。

 日本には約26万人の胃ろう患者さんがいます。

 本来ならば、本人の自己決定が大切であり、きちんと文書で意思を示していることが大切なのですが、あいまいな空気の中で胃ろうが選択されてきたようです。

 無駄な検査や治療は避けて、できるだけ自分らしく生ききるには、国民1人1人が医療について学び、自己決定できるようにすることが大切です。




( 2018/05/16 11:05 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

ヘルスリテラシー高めよう/鎌田實の健康連載 

<鎌田實の人生100年時代をどう生きるか(25)>

★テレビやネットに惑わされるな

 テレビやネットには、健康情報があふれています。怪しい情報にだまされてはいけません。今年「だまされない」(KADOKAWA)という本を出しました。

 少し前、朝バナナ健康法とか、リンゴダイエットとかが流行しました。もっと昔に話題になった紅茶キノコなどは、今ではもうほとんど信じている人はいないでしょう。

★命の教養と知識が大切

 怪しい情報に流されないためにはヘルスリテラシーが必要です。

 リテラシーとは「読み書き理解」に必要な能力のこと。実は、日本人はヘルスリテラシーが低いという調査結果が出ています。

 ボストン大学医学部の調査によると、どの生活習慣が自分の健康に関係しているか判断することについて、「難しい」と答えた人は日本では45・5%でしたが、オランダでは5・4%と大きな差がありました。

 オランダは、ヘルスリテラシーが高い国の1つです。

 病気になったとき専門家に相談するところを見つけることについて、「難しい」と答えた人は、日本では63・4%、オランダでは4・7%でした。

★治療の選択は生き方の選択

 いざ病気になったとき、正しい情報を、あなた自身の状況に置き換えて詳しく説明し、相談に乗ってくれるかかりつけ医のような存在が必要なのです。

 テレビ番組は、視聴率を上げるために作られたショー。おもしろければいいのです。しかし、自分の健康や命を支えていくには、正しい情報を理解して、生活習慣を変えていくことが大切です。

 治療の選択は、生き方の選択です。あなたらしい選択ができるように、ヘルスリテラシーを高めましょう。




( 2018/05/16 10:34 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

“声枯れ”は甲状腺がん等命に関わる病気が隠れていることも 

 人間は呼吸する際、声帯を開き、声を発するときには声帯を閉じて気管からの空気を声帯にあてることを無意識に行なっている。ところが、様々な原因で声が出にくかったり、枯れることがある。特に仕事で声を使う教師や歌手、政治家といったプロフェッショナルボイスユーザーにとって、その影響は計り知れない。

 診察は問診で年齢や性別、仕事、生活習慣、食習慣、服用中の薬、既往症などを詳しく聞く。また喉頭ファイバースコピー検査、喉頭ストロボスコピー検査、発声機能検査、CTやMRI検査も行なう。ストロボスコピーとは発声時の声帯間隙の有無や声帯粘膜の振動の大きさなどを検査するものだ。喉頭がんが疑われる場合は組織を取り、病理組織検査を行なう。

 山王病院・国際医療福祉大学東京ボイスセンター(東京都港区)の渡邊雄介センター長に話を聞いた。

「声が出にくい、声が枯れるといった症状で喉頭がんを疑い、受診される方がよくいらっしゃいます。喉頭がんは患者の97%が喫煙の男性で、年間約4000人が発症しますが、声枯れという自覚症状があるため、90%近くの患者さんがステージIかIIの早期で発見されます。ちょっとでも喉や声に違和感があったら、専門病院での検査が大切です」

 声帯結節や声帯ポリープの最初の治療は沈黙治療を行なう。1週間から1か月程度、声を出さずに声帯への無用な刺激を避け、同時に吸入で炎症を抑える。消炎鎮痛剤やステロイドなど症状に合わせた薬物治療を行なうこともある。これら保存療法で効果が出る場合もあるが、ある程度継続しても効果が得られにくい場合は手術をすることもある。




( 2018/05/15 09:17 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

快感ホルモンで幸せつかむ/鎌田實の健康連載 

<鎌田實の人生100年時代をどう生きるか(24)>

・依存症に注意

 日本は依存症大国といわれています。ギャンブルに依存している人は成人の4・8%で536万人。アメリカ1・58%、韓国0・8%と比べても、日本の高さがわかります。

 インターネット依存症は421万人、アルコール依存症は109万人といわれています。

・ドーパミンを利用して鎌田は9キロやせた

 では、なぜ人は依存症になるのでしょうか。カギは、神経伝達物質のドーパミンにあります。快感ホルモンと呼ばれ、快感を起こします。この快感に僕たちは操られているが、これを上手に利用することもできる。

 鎌田はスクワットとウオーキングでまず、体重が300グラム減った。わずか300グラムでも達成感を得た脳からは快感ホルモンが出る。この快感を得たいがために、運動をして、野菜を食べて、体重計に乗りたくなる。これが脳の報酬系というしくみです。これで9キロやせました。

 依存症の人は満たされない心を、手っ取り早くギャンブルやアルコールに走っているのです。

・報酬系を利用して出世し、ビジネスを成功させる

 依存症になるのもドーパミンですが、脱出するのもドーパミンがカギを握っています。

 アルコール依存症の人が回復を目指す断酒会では、お酒を止められたことを、仲間の前で発表します。飲まなかった自分を、自分でほめてあげることで快感のドーパミンを出し、これからも断酒を続けていこうという気持ちにつなげるのです。

 この報酬系を利用するとビジネスの成功や出世ができます。人生100年時代を生きぬくためには、この快感ホルモンが大切。まず小さな成功。そして、自分で自分をほめましょう。



( 2018/05/07 11:08 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

男性ホルモンは復活する/鎌田實の健康連載 

<鎌田實の人生100年時代をどう生きるか(23)>

★筋肉が大事

 高齢になってご隠居さんになってしまう人と、自由になってよりおもしろく生きる人の分かれ道は?

 それは、筋肉です。

・男性ホルモンは復活する

 男性の体を維持しているのは男性ホルモンです。加齢によって分泌は減りますが、男性ホルモンは1度減っても復活することができるといわれています。

 皮下脂肪を減らして筋肉を増やすと男性ホルモンが増加します。

★テストステロンマン

 ぼくは半年間で脂肪を4キロ減らし、筋肉に変えた。その結果、冬はスキーで3キロのダウンヒルを5本、ノンストップで滑れる体力がつきました。まるでテストステロンマンです。

 筋肉作動性物質のおかげで、ぼくには糖尿病の家族歴があるが糖尿病になっていません。血圧120-70で正常です。脂質異常も骨粗しょう症も無縁。

 筋肉を鍛えることで、うつも、認知症も、がんのリスクも減ることがわかっています。

 おすすめの運動は、鎌田式スクワット。やり方は第5回に詳しく述べました。

★人におごると男性ホルモンが増える

 高齢期を楽しくするにはもう1つ、自分らしさを発揮できる場所をつくることが大事です。

 マージャン仲間がいるとか、行きつけの居酒屋があるとか、気楽に行けるカラオケなども男性ホルモンを増やす。

 おもしろいことに、人におごってあげるだけで男性ホルモンの分泌量が増えるというデータもあります。

 食事やお酒をごちそうする人間関係をもつことは、自分の健康にもいいということなのです。

 人生100年時代を生き抜くためには、筋肉と楽しく過ごせる仲間が大事といえるでしょう。


( 2018/05/07 10:56 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

怒りをコントロール/鎌田實の健康連載 

<鎌田實の人生100年時代をどう生きるか(22)>

・強さの秘訣(ひけつ)は怒りのコントロール

 テニスのロジャー・フェデラー選手といえば、世界のトッププレーヤー。

 30代半ばになっても17年ウィンブルドンを制し、17、18年は全豪を連覇しています。無敵の強さです。

 しかし、かつて彼はカッカするタイプで、自分の怒りでゲームを台無しにしていた。ラケットを壊すなどマナーも悪く、人気もなかった。その彼がアンガーマネジメントをレクチャーされてから強くなった。

・怒りの強さ、回数が問題

 人はだれでも怒りにかられるものです。怒ってもいいのです。しかし、怒りの回数、強さ、時間、この3つに気を付けなければいけません。

 あまりにもしょっちゅう怒っていると、人から信用されません。怒りの強さが強すぎると人間関係が壊れてしまいます。怒っている時間が長すぎると、「いつまでも根にもつ人」などと言われてしまいます。

・怒りの「6秒ルール」

 怒りをコントロールする方法があります。ぼくは「6秒ルール」と呼んでいます。怒りに関係する神経伝達物質ノルアドレナリンの分泌は6秒でピークになる。6秒待つと、怒りはだいぶ穏やかになります。

 6秒たっても怒りをやり過ごせないなら、一服しましょう。コーヒーやお茶を飲んで気持ちを落ち着けて、自分の主張を相手に伝えればいいのです。

・ひと晩寝てから怒れ

 それでもダメなら最後の切り札は「ひと晩寝て待て」です。ひと晩寝ると、覚えておくべきものと忘れていいものなど、記憶の仕分け作業が行われ、感情の整理もできます。翌日は、建設的にふるまうことができる。人生100年時代を生き抜くためには、ストレスを爆発させない生き方を身に付ける必要があるのです。


( 2018/05/01 21:07 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

命を守る入浴の方法/鎌田實の健康連載 

<鎌田實の人生100年時代をどう生きるか(21)>

・高齢者の一番風呂はダメ

 高齢者は一番風呂に入らない方がいい。家族が入った後の方が、浴室や脱衣所が温まっているから。高齢者を尊重して一番風呂、というのは間違った風習です。

 「ヒートショック」という言葉を知らない人が多い。入浴に関係して、毎年1万9000人近くの人が亡くなっています。なぜだかお分かりでしょうか。

・ヒートショックに注意

 急激な温度差により、心臓や脳に極端な負荷が加わる現象を「ヒートショック」と言います。

 冬、お風呂に入るとき、温かい部屋から寒い脱衣所へ移動し、そこで血管が収縮し、血圧が急激に上昇します。湯船につかると、今度は血管が拡張し、血圧が急激に下降します。さらに、温まった体で寒い脱衣所へ戻ると、再び血管が収縮し、血圧の急激な上昇が起こります。これが、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞の原因となるのです。

・シャワーで湯を張る技

 冬、寒いとお風呂の温度を高く設定しがちですが、41度以下に抑えておいた方がいいでしょう。そして脱衣所はあらかじめ温かくしておきましょう。浴室に暖房がある家は、暖房を入れること。しかし日本では浴室に暖房がない家が多いので、そんなときはシャワーを使います。シャワーを使って高い位置から浴槽にお湯を張れば、浴室全体が温まります。

・運動前の入浴が効果大

 運動後の入浴は、実は運動の効果を低下させてしまいます。疲労の回復を促進するためにも、入浴は運動後30分以上空けてから入った方が効果的です。運動前に入浴すると代謝効果が促進し、体脂肪が燃えやすくなります。体を温めることで、ストレッチもしやすくなり、けがの予防にもなります。

 古くからの習慣に、だまされないことが大事です。


( 2018/04/29 01:29 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

「おっさん病」防ぐ入浴法/鎌田實の健康連載 

<鎌田實の人生100年時代をどう生きるか(20)>

 「風邪をひいたらお風呂はダメ」に、だまされてはいけません。40度以下なら、お風呂に入ってもいいよと患者さんには伝えています。

・風邪でも風呂に入りたいときは入っていい

 お風呂に入ると、体温が0・5~1度くらい上昇します。体温が上がると、血流や代謝がよくなり、免疫力がアップします。

 冬に風邪がはやるのは、体温が下がってウイルスが増殖しやすいからです。発熱した際、できるだけ解熱剤を使わないほうがいいというのは、体温が上がった方が病原体が増殖しにくくなるからなのです。これも健康を守るヘルスリテラシー。健康知識と教養です。

・湯冷めに気をつけろ

 風邪の時は体の冷えを防ぐためには、シャワーより、5~10分湯船につかる方がいい。そして体を洗ったりシャンプーしたりしないで、すぐに出るのがいいと思います。それ以上の長風呂は、体力を消耗させてしまうでしょう。

 注意しなければいけないのは、風呂上がりに水分補給をして脱水を避けることと、湯冷めをしないこと。

・加齢臭を防げ

 「チーズや古本のような臭い」などと表現される加齢臭。この加齢臭は、「ノネナール」という物質が原因と言われています。皮脂の酸化やバクテリアの発酵などによってノネナールが発生し、年寄り臭さ、メタボ臭、疲労臭等、さまざまな要因になっています。たばこやアルコールも加齢臭を増長させます。

 「おっさん病」の1つと言われていますが、女性も実際にはあり得ます。加齢臭が気になる人は、入浴時に皮脂をよく洗い流し、汗腺のつまりをとってあげることが大事です。夜寝ている間に汗をかくので、朝のシャワーが最適。もちろん時間に余裕があれば、朝風呂もいいですね。


( 2018/04/28 06:49 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

心の健康はよい睡眠から/鎌田實の健康連載 

<鎌田實の人生100年時代をどう生きるか(19)>

★寝不足はうつになりやすい

 今、うつ病で悩んでいる人は100万人。うつ病というほどではないものの、うつ傾向にある人は7人に1人といわれている。

 心の健康を守るためには、「睡眠」が大事です。内科外来で「何をするのも嫌になった」「何をしたらいいのかわからない」と訴える患者さんには、きちんと睡眠がとれているかフォローするようにしています。

 東大の佐々木司教授らのグループは、中学生と高校生に、睡眠時間とうつの関係をアンケートしました。

 その結果、7時間半以上寝ている子を1とすると、5時間半以下の子は3・5倍近くうつのリスクがあることがわかりました。

★寝る前に体を温める

 睡眠をしっかりとるためにはちょっとしたコツが必要です。

 その1つが夜、寝る前に体を温めること。

 (1)キムチ鍋など体を温めるものを夕飯に食べる。

 (2)夕飯後に軽い運動をし、ぬるめのお風呂にゆっくり入る。

 (3)寝る前にホットミルクを飲む。

 これらの方法で体を温めると、体温はいったん上がりますが、次第に下がっていきます。この下がっていくとき、自然に眠りに入りやすくなります。

★朝の太陽に当たろう

 でも、いちばん大切なのは朝の作法です。質のいい睡眠がとれないと、朝の目覚めもよくありませんが、ちょっとだけ眠さをこらえて太陽に当たり、できたら散歩をしてみましよう。

 さらに、スクワットをすると、筋肉作動性物質のマイオカインが分泌されます。マイオカインにはうつを防ぐ作用があると推測されています。人生の3分の1は睡眠。人生100年時代を生き抜くための大切な技術は快眠の作法です。



( 2018/04/27 19:24 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

男性は孤独に弱い/鎌田實の健康連載 

<鎌田實の人生100年時代をどう生きるか(17)>

◆孤食で死亡リスク上昇 65歳以上の人で、孤食をしている男性はだれかと一緒に食事をしている男性よりも、死亡リスクが1・2倍高い。そんな研究結果が、ぼくの母校・東京医科歯科大学から発表されています。

 高齢男性の孤食は、食事の内容に偏り、栄養不足が死亡リスクを上げている可能性があります。

◆多数の中の孤独がつらい 同じ調査で、家庭内孤食になっている男性は1・5倍も死亡リスクが高いという結果が出ています。

 孤独は、1人でいる状況より、複数の人のなかで強く感じる。同居人がいるのに一緒にご飯を食べていないというのは、単に、食事の時間帯が合わないだけかもしれません。しかし、「オレだけのけ者にされている」と感じるならば、その孤立感はつらいものでしょう。

◆パチンコよりも麻雀(マージャン) ぼくは内科外来で高齢男性の患者さんには、社会とのつながりを持とうと呼び掛けています。人のためにするボランティアは、自分の健康のためにもなるからです。

 まずは、趣味。麻雀相手や将棋相手を探すだけでもずいぶん違います。趣味をきっかけに雑談を楽しんだりできる。だからパチンコよりは麻雀の方がいいのです。

 写真を趣味にしたのをきっかけに、外出する機会が多くなり、がぜん、元気になった人もいます。競輪場、競馬場に出かけるのも、野球の応援に行くのもコンサートもいいと思う。

◆孤独でも楽しめばいい 男性は、心配事があってもだれかに相談することが苦手な人が多く、孤立感を深めてしまう人も多い。

 孤独をどうとらえるかが問題。1人の時間を「寂しい」ととらえるか。「何でもできる自由な時間」ととらえて楽しむか、意識の持ち方が大切なのです。


( 2018/04/23 13:32 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

男性更年期を乗り切ろう/鎌田實の健康連載 

<鎌田實の人生100年時代をどう生きるか(16)>

★うつ症状や高血圧に注意

 加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)。男性の更年期のことです。

 男性ホルモンのテストステロンの分泌が低下することで、肥満や糖尿病、高血圧などが起こりやすくなるといわれています。特に注意すべきことは、男性ホルモンが低下することで元気がなくなり、うつ病と誤診されること。

 男性ホルモンの分泌が減ったときのサインには次のようなものがあります。

 (1)太る(2)筋肉量が減る(3)仕事も趣味も楽しくない(4)集中力の低下(5)不眠がち

 うつ病でも、同様のサインが出ることがありますが、ひどい発汗、性的能力の低下、ひげの伸びが遅くなった、などが伴う場合はLOH症候群の可能性がある。

★リーダーシップやチームプレーに大切なホルモン

 テストステロンは、中高年の男性の悩みである脱毛や薄毛の原因にもなっていますが、チャレンジ精神や競争心、集中力などリーダーシップに関係する重要なホルモンといわれています。

 去勢した犬が電柱におしっこをする回数が減るのは、自分のテリトリーを主張する縄張り意識が低下するため。男性ホルモンは縄張り意識と関係しているのです。

 また、リーダーシップだけでなく、チームプレーにも、このテストステロンが関係しています。

★男性ホルモンは挑戦力

 女性も、男性の10分の1ほどの量ですが、男性ホルモンを持っています。社長としてバリバリと働く女性のなかには、この男性ホルモンがうまく作用しているのかもしれません。

 男性にとっても、女性にとっても、テストステロンは社会性を持ちながら、いきいきと過ごすために大事なホルモンなのです。


( 2018/04/23 13:19 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

スマホに支配されてはいけない/鎌田實の健康連載 

<鎌田實の人生100年時代をどう生きるか(14)>

 スマートフォンの世帯保有率は、2016年に71%を超しました。老いも若きもスマホに夢中。

・スマホの利用時間を短く

 カナダのオンタリオ大学が660人を対象に計算、語彙(ごい)力、論理的思考などさまざまなテストを行った研究では、スマートフォンの利用時間が短い人の方が、認知能力や分析的な考え方のスコアが高いことが判明しました。

 ベネッセ教育総合研究所の調査で、0歳児の20%がほぼ毎日スマートフォンを見ているとのこと。

 老いも若きも、スマートフォンを使っているうちに、スマートフォンに支配されている人たちが出てきているようです。

・スマートフォン奴隷になりやすいタイプ

 レバノン大学の688人の大学生を対象に分析した結果、心理学でいう「タイプA(ストレスを受けている自覚が薄く、攻撃的、機敏、せっかちなのが特徴で、心筋梗塞や脳梗塞になりやすいタイプといわれている)」の人たちが、スマホに依存しやすいことがわかりました。僕はタイプAに近い。だからぼくはスマホの時間を減らしている。

・デジタル認知症の恐怖

 この状態が続くと、次第に集中力・記憶力・思考力が低下し、認知症のような状態に陥る可能性がある。

 ドイツの精神科医、マンフレッド・シュピッツァが言い出しました。40代以降の働き盛りの世代に多くみられるといいます。

 スマホに頼り過ぎて、インターネット検索を繰り返しているうちに、記憶の中枢の海馬が衰える。デジタル認知症の14%が、本物の若年性認知症になっていくといいます。

・あえてメモ帳を使え

 あえてノートとペンを持ち、メモ帳を使い、計算や漢字を書くことが大事ということです。



( 2018/04/21 14:08 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

ウオーキング+計算で脳に刺激/鎌田實の健康連載 

<鎌田實の人生100年時代をどう生きるか(13)>

・野菜ジュースで認知機能障害が減る

 アメリカのベンタービルト医学校の研究では、野菜ジュースを週3回以上飲む人は1回以下の人よりも、アルツハイマー型認知症発症率が76%少ないという報告をしています。

 野菜に含まれる抗酸化物質のポリフェノールが、脳細胞を保護し、認知機能の低下を抑えているのではないかと推測されています。

 長野県が平均寿命日本一となった背景に、野菜摂取量日本一があります。野菜を効率よく摂取するには、野菜ジュースが最も手っ取り早い方法です。

・ノンアルコールビール

 ビールのホップの苦みの成分であるイソα酸が、アルツハイマー型認知症を予防するという研究があります。このイソα酸が、認知症を起こす物質であるβアミロイドを防いでくれるというのです。

・コグニサイズに注目

 「コグニサイズ」とは、認知を意味する「コグニション」と「エクササイズ」を合わせた造語です。

 ウオーキングをしながら、「100-7」等の計算を繰り返していきます。計算しながら歩くのです。同時に違った2つのことをすると、脳が刺激されます。

 生活の中でコグニサイズに近いのは、料理。できればいつも作り慣れているものでなく、新しいメニューを本や動画を見ながら作ってみるのは、認知症予防にとてもいいのです。

・1時間に2分動こう

 1時間座りっぱなしがよくないというデータがあります。1時間に2分でいいから、立ち上がって歩いたり、掃除したり、お茶を入れたり、体を動かすことによって、生活習慣病や認知症を防ぐことができます。

 テレビのCMの間に、立ち上がって軽いストレッチ。生活の中に上手に習慣化してみましょう。


( 2018/04/21 13:54 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

運動で脳内環境も整備/鎌田實の健康連載 

<鎌田實の人生100年時代をどう生きるか(11)>

 骨、関節、筋肉などの運動器の機能が低下するのを、ロコモティブシンドロームという。通称ロコモ。

 ロコモの恐れがある人は、40歳以上で4700万人もいる。変形性の膝関節症が2530万人、腰痛症が3790万人、骨粗しょう症が1710万人。運動器の障害のために、生活の自立度が下がり、要支援が要介護状態になることも多い。

★カルシウムが大切

 骨粗しょう症にならないことが大事です。骨が弱くならないだけではなく、骨太になるために鎌田がやっていること。

 大根おろしに小魚をかけるのはもちろん、野菜炒めにも、サラダにも、小魚を振りかけて食べるようにしています。カルシウムが大事です。

★日光とビタミンDが重要

 毎朝、野菜ジュースにヨーグルトか牛乳を入れるようにしています。そしてチーズを少し食べます。

 ビタミンDをとるためにはシイタケ。食べる前に2時間ほど日光に当てるとビタミンDが倍増します。ビタミンDが大切。

★かかと落としで骨太になる

 運動も大切です。スクワット、ウオーキング、さらに、かかと落としをしています。爪先は床につけたまま、かかとだけ上げてドンと落とす。これを10回。

 なんとこれを続けていたら、骨密度の測定で若い人の130%。

 週1、2回のジム通いで、レッグプレスという、太ももなどの筋肉を強化する機械で、120キロを押せるようになりました。若者にも負けない重量です。

 運動していると、腸内環境も整えられ、脳機能と代謝機能が改善すると米国のコロラド大学で発表されました。鎌田が元気なのは、運動をしているから。人生100年時代を生きるためには、運動が大事です。



( 2018/04/16 08:22 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

生活習慣改善で薬は止められる/鎌田實の健康連載 

<鎌田實の人生100年時代をどう生きるか(10)>

★減塩、野菜、運動が大切

 ぼくが内科医として働きはじめた43年前、長野県は脳卒中多発地域でした。1人1人が意識改革をして、血圧を測る習慣をつけ、食事や運動などの生活習慣を変えていったところ、平均寿命日本一になった。

 大事なのは<1>野菜<2>減塩<3>運動<4>減量です。これで多くの人が、血圧をコントロールできます。

 生活習慣の改善をしても血圧をコントロールできない場合は、慎重に薬を処方します。薬は、明らかに脳卒中や心筋梗塞のリスクを減らす効果があります。

★薬を止められる人もいる

 「降圧剤は一生飲み続けないといけないのでしょうか」。よく患者さんに質問されますが、それはまちがい。

 生活習慣を改善すると薬が必要なくなることがあります。ただし、自己判断で薬を止めるのは禁物です。薬を止めたときほど血圧測定をし、血圧が安定していることの確認が大切。

★睡眠時無呼吸症候群

 降圧剤を飲んでいても血圧をコントロールができない場合は、睡眠時無呼吸症候群などほかの病気のことも考えないといけません。診察室では基準値の血圧でも、早朝に血圧が高くなる人や夜間に血圧が高くなる人がいます。1日に何回か血圧を測り、自分のタイプを知っておきましょう。

★血圧サージに注意

 血圧が急上昇する血圧サージは脳卒中のリスクが高い。さらに血圧が日によって上がったり下がったりする変化も、認知症リスクが高いといわれ、注意が必要です。

 こういった血圧の変動が激しいタイプは、薬でコントロールするのが難しく、むしろ食事や運動、減量など本気で取り組むことで良くなることが多い。人生100年時代を生き抜くためには血圧の安定はとても大切です。



( 2018/04/16 08:07 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

私が半年で9キロ痩せた方法/鎌田實の健康連載 

<鎌田實の人生100年時代をどう生きるか(6)>

★夢の万能物質マイオカインを出す

 かつて黒柳徹子さんと2人で、1冊の本を出しました。「トットちゃんと鎌田先生のずっとやくそく」(新潮文庫)。「徹子の部屋」にも出演しました。彼女はヒンズースクワットをしていました。

 手を上げた姿勢から、手を下げながら、椅子に座るようにかがみ込み、ゆっくり手を上げながら、立ち上がる。ヒンズースクワットは、手の反動を利用するので、運動に慣れていない人でも簡単。黒柳さんの頭の回転の良さは、スクワットのせいかもしれません。

★鎌田式スクワット

 鎌田式のスクワットは、さらに太ももを強化します。認知症を減らす可能性のある、マイオカインをより多く分泌するためです。

 肩幅より少し広めに立つ。息を吸いながら、椅子にゆっくり腰を下ろすような姿勢で沈み込む。

 膝が爪先より前へ出て、和式トイレのような前傾姿勢にならないように。手の反動は使わないので、腕を前に組んでもいい。

 その姿勢で5秒維持し、お尻を5センチ上げる。またそのまま5秒維持、さらに5センチ上げて5秒、これを4段階。だんだんと立ち上がっていく。これを1日10回×2セット。

 この後ウオーキングを20分ほど。忙しいときは、外出前にスクワットをし、外出中はウオーキングをしているつもりで歩きます。

★ゴールデンタイム

 運動後30分以内は、成長ホルモンが出やすくなって、筋肉をつくりやすい。筋肉をつくるためには、タンパク質が必要。牛乳を飲むか、ゆで卵を食べるか、ドラッグストアで売っているプロテインも効果的です。

 筋肉が増え、基礎代謝率が上がり、太りにくくなりました。トンカツも焼き肉もおいしくいただいています。


( 2018/04/14 14:41 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

失敗を次に生かすのが名医/ハートで決まる健康長寿 

<心臓のスーパードクターが語る:東邦大学大橋病院・尾崎重之教授(88)>

<信頼できる心臓外科医とは(11)>

 「スーパードクター」「名医」という言葉はよく見聞きされると思います。やはり、信頼できる心臓外科医は手術の技量に優れ、患者さんを確実に救う医師のことを指していると思います。それが名医と呼ばれるのでしょう。では、そのような名医は手術で失敗を1度たりともしたことがないのでしょうか-。

 失敗がない、ということは決してありません。「緊急手術で患者さんの状態があまりに悪く、手ごわいケースだった」とか、「心臓外科医としての自分自身がまだまだ未熟だった」などいろいろあると思います。しかし、名医となる心臓外科医は失敗を失敗では終わらせません。自分がうまくできなかった、満足する結果が得られなかったことをそのままにするのではなく、次に成功に変えることができるように努力します。“ここまで放っておいた患者が悪い”と口にする、思うような医師は絶対に名医にはなれません。

 なぜ患者さんを救えなかったのか、何が足りなかったのか、それを頭の中で常に無意識に考えていると、頭の中にたくさんの引き出しができます。すると、難しい症例に遭遇しても、手術中にポンと頭の中の必要な扉が開く。すると、失敗しない心臓外科医が誕生しているのです。

 そうなると、手術は自分の守備範囲の中に患者さんを引き寄せて行うことができます。こうなると絶対に失敗することはありません。ここはテニスと同じ。テニスもスーパースターほど相手がどんな球を打ってきても、自分の守備範囲の中で対応でき、勝利は初めから見えています。名医になる心臓外科医は経験を自分自身にフィードバックし、次のステップにする医師なのです。(取材・構成=医学ジャーナリスト松井宏夫)(おわり)



( 2018/04/02 10:05 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

ダビンチ理解しない医師/ハートで決まる健康長寿 

<心臓のスーパードクターが語る:東邦大学大橋病院・尾崎重之教授(87)>

<信頼できる心臓外科医とは(10)>

 新しい治療方法を考え、実際にそれが患者さんに広く行われるようになると、患者さんの喜びの声をたくさん受けとることができるようになりました。「自己心膜を使った大動脈弁形成術で、薬を服用することなく、元気に暮らしています」「この治療のおかげで、スポーツもできています」など。外国の病院に呼ばれて手術を教えに行くと、その手術を開発した医師ということで、心温かく迎えてくれます。

 新しい開発ができたのは、私自身、現状の治療に満足していないから。現状に満足していては、もっと多くの人が救えるようになるはずのはしごをおろしたのと同じです。

 多くの心臓外科医は心臓の大動脈弁の手術は「人工弁置換で良い」と思っています。それは、人間の身体の生理にあてはまった手術ではない。大動脈弁は左心室から血液が押し出されるその圧だけで開閉している、と思っている医師がほとんど。それは違います。左心室の拡張期は大動脈弁周囲の弁輪(ふたの役割をする弁尖=べんせん=の付着部)が縮小し、上行大動脈の基部にあるおわん型のバルサルバ洞が膨らみます。それにより乱流が起こって大動脈弁が閉じるのです。一方、収縮期はまず大動脈弁周囲の弁輪が広がり、大動脈弁の弁尖に隙間ができるので、左心室からの血液の流入がスムーズに行われます。

 つまり、弁輪自体も収縮・拡張しているのです。それを人工弁にすると、人工弁には収縮・拡張がないので自然の動きになっていません。そのため、心臓など身体に負担はかかります。実はこれは1500年ごろにレオナルド・ダビンチが言っているのです。ここを今日の心臓外科医は理解できていない。

 だから、新しいことを患者さんのために開発する医師は、信頼できる心臓外科医、と私は太鼓判を押します。(取材・構成=医学ジャーナリスト松井宏夫)



( 2018/04/01 15:38 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

手術明確なイメージあるか/ハートで決まる健康長寿 

<心臓のスーパードクターが語る:東邦大学大橋病院・尾崎重之教授(86)>

<信頼できる心臓外科医とは(9)>

 私が心臓外科医になることを決めたのは、大学を卒業して各診療科を3年間研修して回ってからです。消化器外科や脳神経外科でも研修し、学び続けました。そこで感じたのは、がんの手術では、食道にしても胃にしても、がん部分を切除すると、それで終わりです。もちろん、胃を切除すると小腸を食道につなぐことはします。しかし、取った胃に代わる臓器を作ることはできません。

 最もわかりやすいのは、肺-。肺は右が3つ、左が2つ、合わせて5つの肺葉に分かれています。肺がんの手術は、がんができている肺葉を切除すると終了です。膵臓(すいぞう)、肝臓、脳も同じです。

 ところが、心臓だけは違います。血管の大動脈瘤(りゅう)を切除すると、そこには人工血管が入ります。心臓弁膜症で大動脈弁なり僧帽弁なりに問題が生じると、人工弁なり私の開発した「自己心膜を使用した手術」なり、必ず代替えの物を作ります。だから、機能的には落ちません。すべてが再建、取るだけではないので、その手術に自分の考えを入れること、工夫することができると思って選択したのです。

 心臓をとっただけでは、人は死んでしまいます。しかし、的確な再建を行うと患者さんは手術前よりも劇的に良くなります。だから、患者さんをそのように劇的に良くして、常に喜びの声を残して退院してもらいたいと思ったのです。だから、優秀な外科医ほど手術の前に手術の明確なイメージができているので、患者さんに話した治療が、手術の際に大きく変更されることはありません。術前に手術の的確なイメージを持っていて、それを患者さんに話せる心臓外科医を選択すべきです。(取材・構成=医学ジャーナリスト松井宏夫)



( 2018/04/01 15:13 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

手術は「再現性」が重要/ハートで決まる健康長寿 

<心臓のスーパードクターが語る:東邦大学大橋病院・尾崎重之教授(85)>
<信頼できる心臓外科医とは(8)>

 心臓外科医に限らず、外科医は「この手術は、私でないとできない!」「誰もできない手術ができる私はすごい!」と思っている人が多い。しかし、私はそうは思いません。手術には「再現性」が重要と考えています。その再現性には2つの意味があります。

 第1は、治療の道具の必要性です。心臓弁膜症の1つである大動脈弁疾患にも、いろいろな疾患があります。ただ、私が開発した「自己心膜を使用した大動脈弁形成術」では、患者さんの心臓を覆っている心膜を使って弁尖(べんせん、弁のフタ)を作り、新しい弁として機能させます。その弁をきちっと同じようにサイジングし、それに基づいて弁尖を作ると、1つの手技で大動脈弁疾患の治療ができてしまいます。その補助道具として、いろんなサイズに対応できる「弁尖サイザー」を作りました。

 そして第2は、私が開発した弁尖サイザーを使えば、私と同じような弁尖が作れるのです。100%同じとはいかなくても、90~95%のものができると、これはすごい再現性です。誰が行っても同じようにできる、そういう手術を私は目指しているのです。

 つまり、私が開発した手術は、私以外の心臓外科医も同じように道具を使って行うと、ほぼ同じような手術を再現できるのです。私1人では、大動脈弁疾患の手術は年間100例くらいです。100人の患者さんしか救えないのです。しかし再現性がある道具などを使って、手術が同じようにできる心臓外科医が100人いれば、1人が100例ずつ手術を行った場合、1万人の患者さんを救えるのです。

 私でないとできない手術ではなく、どの心臓外科医も同じようにできるものでないといけない。それこそが「医療のあるべき姿」-。私はそのように思っています。(取材・構成=医学ジャーナリスト松井宏夫)



( 2018/04/01 14:49 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

手術データ解析し結果伝達/ハートで決まる健康長寿 

<心臓のスーパードクターが語る:東邦大学大橋病院・尾崎重之教授(84)>

<信頼できる心臓外科医とは(7)>

 信頼できる心臓外科医とは-。難しく考えることはありません。「話している時に誠実さがある」「きちっと目を見て話す」、つまり、医師としてではなく、人間として信頼できるかどうか、それが一番です。その後にくるのが、「自分の手術成績をきちっと話せる」ことです。手術を受ける患者さんはここを気にしますが、当然のことだと思います。

 心臓外科医の中には、手術成績を自分のデータではなく、発表されている文献を引き合いに出して話す人がいます。自分自身のデータがないから、文献を持ち出して話すのです。手術症例数が少ないから、かもしれません。

 また、手術数はそれなりにあっても、自分の手術成績をフォローしていないか、フィードバックしていない。やりっぱなしです。自分の手術を分析していない。それでは手術がうまくても、真実がありません。これだけの手術をして、死亡率は何%、再手術が何%などときちっと挙げ、解析したものを患者さんに伝えなくてはいけません。

 私の場合、大動脈弁疾患の手術での「自己心膜を使用した手術」は、データがきちっとしています。私が開発した手術なので、私のデータは世界のデータになります。だから、他の文献を出すなどといったことはありません。

 信頼できる心臓外科医は、まず「人間として誠実である」、次に「自分自身の手術成績をきちっと教えてくれる」ことがポイントです。自分自身の手術成績を尋ねられて「100%と答える医師」、また「答えてくれない医師」だった場合は、手術を受けるべきではなく、他の心臓外科医を探すべきです。(取材・構成=医学ジャーナリスト松井宏夫)


( 2018/03/29 09:24 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

チームワークの良さが重要/ハートで決まる健康長寿 

<心臓のスーパードクターが語る:東邦大学大橋病院・尾崎重之教授(83)>

<信頼できる心臓外科医とは(6)>

 心臓と上手に付き合っていくために、心臓の手術はタイミングよく受ける必要があります。循環器内科医が患者さんの状態を診ていて、心臓外科医に紹介します。その患者さんを手術すると、患者さんとその後ずっと付き合いが続くと思っている方が多いようです。-それは違います。同じ病院内の循環器内科、また、クリニックから紹介されると、患者さんは手術後に元の診療科にお戻しする決まりになっています。

 たとえば、私の場合を紹介します。患者さんは紹介状を持って受診されます。私は初診の患者さんを診て、手術が必要であれば、手術に向けた対応、準備をしていきます。手術に対する質問には真摯(しんし)にお答えし、十分納得いただいたうえで手術となります。

 ただ、術後はなかなか患者さんに会う時間がないのが現状。私が開発した大動脈弁の手術を「教えて欲しい」と、欧米諸国の病院に呼ばれることが多いのです。欧米の場合は、出張すると少なくても1週間は戻れません。それでも、病室に顔を出せるときは必ず顔を出すようにしています。

 「尾崎先生に手術してもらって良かった」「先生の顔を見てほっとした」「先生の顔を見るのが何より薬になります」などと声をかけていただくと、うれしい。私は患者さんと向き合う時は、常に患者さんの立場に立って話を聞いています。患者さんからの言葉は、患者さんに真摯に向き合えている証拠です。また、患者さんへの心臓外科チームのコミュニケーションがきちっととれているからです。チームワークの良さは大きいと思います。

 患者さんの退院後は、半年に1度の定期検査を受けてもらっています。そのときは、私は患者さんにお会いできませんが、担当医からすべて状態は聞いて認識しています。「チームとして患者さんのQOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)にはしっかり対応できている」。これが患者さんから信頼される重要なポイントです。(取材・構成=医学ジャーナリスト松井宏夫)


( 2018/03/29 09:08 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

アスリート級の自己管理/ハートで決まる健康長寿 

<心臓のスーパードクターが語る:東邦大学大橋病院・尾崎重之教授(82)>

<信頼できる心臓外科医とは(5)>

 心臓外科医はベストな体調で手術をするために、自己管理をしっかり行っているのだろうか-。「手術をするというのは、それを行う外科医の身体にとって良いことではない」と、私は思っています。手術をしている時に立っている時間は長く4~5時間は当たり前です。その上、姿勢は前かがみで首をかなり前に曲げています。この姿勢をずっと維持し続けます。頸(けい)、肩、腰にかかる負担は大きい。

 それでも、若いときは若さで突っ走っているものです。しかし、50代になると、やはり身体が思うように動かなくなります。だから、心臓外科医には自己管理が必要なのです。患者さんから信頼される「腕の良い心臓外科医」は、しっかりそれが出来ています。いつまでも最前線で手術をするには不可欠なことです。極端なことを言うと、“心臓外科医はアスリート”と私は思っています。

 マッサージに行く外科医もいますが、私はスポーツジムに週に2回程度通っています。ストレッチをした後、これまでは時速9キロで30分くらい走っていましたが、今は時速10・5キロで60分くらい走っています。

 そして、手術室ではより良い手術をするために、私は手術ベッドを自分にあった高さ、自分の方に多少患者さんが向くように麻酔医に頼み、少し動かしています。多少なりとも身体に負担のかからない状態にして、より良い手術を行います。自己管理をして体力を維持していないと良い心臓外科医にはなれないし、続けることができません。できれば、身だしなみもきちっとして、患者さんに不安を与えることのないようにするべきでしょう。それが、患者さんにとって“信頼できる心臓外科医”でしょう。(取材・構成=医学ジャーナリスト松井宏夫)



( 2018/03/29 08:46 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

手術成績話し患者に安心感/ハートで決まる健康長寿 

<心臓のスーパードクターが語る:東邦大学大橋病院・尾崎重之教授(81)>

<信頼できる心臓外科医とは(4)>

 心臓外科医のもとを訪れる患者さんは、心臓の手術を考える状況に置かれた方々です。やはり、手術のことになると、心配して当然です。いろいろ知りたいことを紙に書いて、持参して来る方もいます。「先生はどれくらい手術をされ、患者さんの死亡率はどれくらいですか?」といった質問もあります。私はきちっと話します。

 手術成績を話すことができるのは、きちっと自分の手術を整理しているからです。ところが、そのような質問をされると、患者さんの前であっても、嫌な顔をする心臓外科医もいます。それでは、患者さんの気持ちを理解できていません。地域で知られる心臓外科医であっても、患者さんはそのような心臓外科医に自分の生命を託すべきではありません。きちっと成績が分かると、患者さんには安心感が出てくるのです。

 また、患者さんから「心臓を止めている時間はどれくらいですか」と質問されることもあります。心臓弁膜症の大動脈弁の手術で、私が行っている自己心膜を使用したものでは、心臓を80~90分程度止めます。

 一方、人工弁に替える人工弁置換術であれば、先生によって違いはありますが、早いと60分程度です。私の手術の方が20~30分程度、心臓を止めている時間が長くなります。しかし、それによる心臓への問題はありません、ときちっと話します。そうすることで、患者さんは疑問なく、納得して手術を受けることができるのです。

 患者さんは「先生、これで安心して手術が受けられます」と言ってくださいます。うれしい言葉です。この言葉を聞くことができる心臓外科医であることが、重要です。(取材・構成=医学ジャーナリスト松井宏夫)


( 2018/03/25 16:47 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

患者が最適治療選択可能に/ハートで決まる健康長寿 

<心臓のスーパードクターが語る:東邦大学大橋病院・尾崎重之教授(80)>

<信頼できる心臓外科医とは(3)>

 患者さんが「信頼できる心臓外科医とは」-。それは、「手術前にどのような手術を行うのか、患者さんに不安を抱かせることなく、納得できるように話してくれる心臓外科医」です。この患者さんとの話し合いで、患者さんはいくつかある手術の中で、どの手術を選択すべきかを考え、自分に最も適した手術を選ぶことができるのです。

 中には、自分が得意な手術だけを説明する心臓外科医もいますが、それは問題外です。それでは、手術後に「こんなはずではなかった」と、患者さんが思ってしまうことも起きかねません。信頼できる心臓外科医は、そのようなことは決してしません。だから、手術のことを患者さんに話す時は、どのような手術があるかをすべて話します。

 例えば、私が数多く行っている心臓弁膜症の大動脈弁の手術でも、「自己心膜を使った手術しかないですよ。この手術を受けるべきです」といった手術説明は決してしません。

 大動脈弁の手術には、大動脈弁を人工の弁にする「人工弁置換術(機械弁&生体弁)」「自己心膜を使用した大動脈弁形成術」「TAVI(タビ=経カテーテル大動脈弁留置術)」が行われています。患者さんの状態によって、適応しない手術もあります。また、それぞれの手術にはメリット、デメリットがあります。それをきちっと話して、患者さんが自分自身に最も適した治療を選択できるようにするのが、信頼できる心臓外科医です。

 最近目立っているのは、「狭心症・心筋梗塞」の患者さんに対する循環器内科医の説明です。最初から「カテーテル治療をしましょう」と、患者さんに選択の余地を与えないのです。これは、患者さんの信頼を得られなくなる始まりだと思います。(取材・構成=医学ジャーナリスト松井宏夫)


( 2018/03/25 15:19 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

「失敗しないので」言わず/ハートで決まる健康長寿 

<心臓のスーパードクターが語る:東邦大学大橋病院・尾崎重之教授(78)>

<信頼できる心臓外科医とは(1)>

 「私、失敗しないので」-。テレビドラマ「ドクターX」の主人公・大門未知子の有名な決めゼリフ。これから手術を受けようとする患者さんに、この言葉を口にする心臓外科医は、まずいません。私自身は“失敗しない”と思っていますが、口には出しません。ある程度のレベルに達した心臓外科医は誰もがそう思っているでしょう。

 ただ、手術といってもどこまでを手術というかで、成績は多少違ってきます。<1>「手術室での終了時点まで」、<2>「集中治療室を出るまで」、<3>「退院まで」、で考えてみます。私は<1>のようなケース、手術中に手術台の上で患者さんが亡くなったという経験はありません。<2>、<3>となると、高齢の患者さんであれば肺炎を起こす、脳梗塞を起こす、リハビリ中に転んで骨を折るなどはありますので、リスクは少しアップします。

 つまり、手術は問題なく終わっても、その後に合併症などが起こるリスクはあります。この点は、患者さんと患者さんの家族にきちんと“正直に話して”理解してもらうことを必ず行います。正直にきちっと話せる心臓外科医が信頼できる医師。なかには自分の手術成績を誇張して話す心臓外科医がいます。そんな心臓外科医は信用すべきではありません。正直に話せる心臓外科医は自分の手術成績を客観的にみることができ、信頼できる心臓外科医です。

 手術室を出てからのリスクを減らすために、心臓外科だけではなく病院全体でリスク減少に取り組んでいる病院は信頼できます。手術前に歯科衛生士が患者さんの口の中をチェックし、虫歯があれば治してから手術に。また、糖尿病患者さんの場合などは、内科医がしっかり血糖コントロールをしてから手術に。最近ではたばこを吸っている患者さんに対して、3カ月禁煙してから手術に、という病院も出てきました。心臓外科医のみならず、病院全体がリスクマネジメントに取り組んでいるのが大事です。(取材・構成=医学ジャーナリスト松井宏夫)



( 2018/03/21 14:53 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

睡眠時無呼吸を放置するな/ハートで決まる健康長寿 

<心臓のスーパードクターが語る:東邦大学大橋病院・尾崎重之教授(77)>

<心臓・血管を若々しく保つコツ(16)>

【 心臓・血管病を予防して健康に過ごすには、「規則正しく栄養バランスの取れた食生活」「適度な運動」「上手にストレス解消」「禁煙」「適量飲酒」などと共に、「健康睡眠」が重要です。7~8時間睡眠が最も健康に良いことは、科学的に裏付けられています。しかし、その十分な睡眠を確保するのは難しいようです。睡眠不足が続くと、ホルモンの分泌や新陳代謝に少しずつ悪影響を与え、「高血圧」「心筋梗塞」「狭心症」「脳梗塞」「糖尿病」など、多くの生活習慣病を招いてしまいます。

 だからこそ、できることはキチッと行うことが重要。一時的に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」は、まさに治療ができる疾患なので、これは放置してはいけません。

 睡眠時無呼吸症候群の患者数は、200万~300万人と推計されています。眠っている間に呼吸が弱くなる状態を「低呼吸」、呼吸が止まった状態を「無呼吸」といい、医学的には10秒以上と定義しています。低呼吸や無呼吸が1時間に5回以上あると、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。これを放置していると、多くの生活習慣病のみならず、最悪のケースでは突然死を招いてしまいます。

 「目覚めた時にスッキリ感がない」「眠っても疲れが取れない」「目覚めた時に頭痛がする」「日中の強い眠気」などの症状のある人は、睡眠外来でしっかり検査を。そして、睡眠時無呼吸症候群と診断されたら、治療を受けましょう。

 治療は状態に応じて行われ、重症の場合は「CPAP(シーパップ)」で対応。鼻にマスクをつけて、機械から鼻を通して空気を送り込み、気道の閉塞(へいそく)を防ぐ方法です。これで効果が得られない時は、「あご切り手術」を行って気道を広げます。このように睡眠を改善できることがあれば、しっかり行って、心臓・血管病を予防しましょう。(取材・構成=医学ジャーナリスト松井宏夫)



( 2018/03/21 14:28 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

攻撃的性格で仮面高血圧/ハートで決まる健康長寿 

<心臓のスーパードクターが語る:東邦大学大橋病院・尾崎重之教授(76)>

<心臓・血管を若々しく保つコツ(15)>

 「仮面高血圧」をご存じでしょうか。診察室や検診で血圧を測ると正常。ところが、普段自宅で測ると高血圧を示す。この人々を、正常血圧にマスクされていることから、仮面高血圧と呼んでいます。仮面高血圧には「ストレス高血圧」「夜間高血圧」「早朝高血圧」などがあります。また、狭心症の中には「冠攣縮性(かんれんしゅくせい)狭心症」といって、日本人には多い狭心症があり、冠動脈がけいれんを起こし、突然死にいたることもあります。

 これらの疾患はストレスが大きく関係していると考えられ、そして、ストレスの受けとめ方は「性格」と関係します。つまり、心臓病と性格には大きな関係があるのです。

 1959年、アメリカの心臓専門医のフリードマンとローゼンマンが、性格と心臓病との関係について調査を行い、研究発表を行いました。そこで、心臓病になりやすいタイプを「タイプA型」と名付けました。タイプA型は「競争心が強い」「仕事をパワフルにこなす」「攻撃性が強い」「責任感が強い」「出世欲が強い」「自信家」などの特徴があります。これとは逆の「のんびり屋さん」「仕事もマイペース」「くよくよしない」性格の人は「タイプB型」です。タイプA型はタイプB型の人に比べ2倍も狭心症や心筋梗塞を発症しやすかったのです。

 だからこそ、ストレスを上手に解消することが重要。「性格は変えられない」「性格を変えることがよりストレスになる」などと反論する人もいます。大酒のみ、ヘビースモーカーであっても禁酒・禁煙ができています。「よく笑う」「もっと休む」「無理はしない」「趣味を持つ」などを生活の中に取り入れると、ゆとりある性格に変化するはずです。すると、ストレスは上手に解消できるようになっているはずです。(取材・構成=医学ジャーナリスト松井宏夫)


( 2018/03/21 09:35 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

1キロ10~12分で歩く/ハートで決まる健康長寿 

<心臓のスーパードクターが語る:東邦大学大橋病院・尾崎重之教授(74)>

<心臓・血管を若々しく保つコツ(13)>

 日本動脈硬化学会が推奨しているウオーキングの運動量は「1日30分以上、週180分以上」。海外でも同じ程度の推奨になっています。これを習慣にするのは、決して難しいことではありません。ウオーキングのためにわざわざ時間をつくろうとするから、ウオーキングの30分がつらく思えてしまうのです。

 通勤時の自宅から駅までの往復、駅から会社までの往復、ここをしっかりウオーキングに生かす。20分の往復が2回あるとしたら、もうそれだけで1日40分のウオーキングを行っているのです。

 ただ、健康面で本当にクリアしているかとなると、疑問は残ります。それはウオーキングの速度です。どんどん人に追い越されるような速度では、健康のためのウオーキングとはいえません。ベストは時速6キロといわれていますが、5~6キロで問題ありません。1キロを10~12分で歩く速度。これだと、通勤時に追い越されることはありません。

 「より健康に」と考えるのであれば、このウオーキングを、60分程度まで増やしても良いでしょう。10分の往復が2回ではなく、3回になります。3回目は昼食時の往復に。食事をした後に10分歩くことになり、糖尿病の人にも効果があるのでお勧めです。

 これで60分が、効果的にウオーキングに生かされています。ただ、3回目の往復は社内食堂で、という人の場合は、階段を積極的に利用しましょう。香港の長寿世界1位の理由として、「坂道が多いから」とも指摘されています。階段を利用することで、香港流の健康メリットが生まれるのです。(取材・構成=医学ジャーナリスト松井宏夫)


( 2018/03/20 15:00 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

【デキる人の健康学】楽しみながら運動するのが健康増進のコツ 

先日、『食べるのを我慢できないのは、あなたの意志が弱いからではありません。』(角川マガジンズ)というタイトルの本を出版した。

 よく食後のデザートは別腹というが、デザートはカロリーも高いので、この別腹の食欲をいかにコントロールするかがダイエットの鍵を握っている。

 そんな中、運動のやり方がこの食後のデザートの質と量に影響を与えているという研究が話題になっている。

米国コーネル大学食品ブランド研究所のブライアン・ワンシンク博士らの研究チームは運動を楽しみながら行うのと、エクササイズなどの課題として運動するのでは、食後のデザートの選択嗜好と摂取カロリーに大きな違いがでることを明らかとした。

研究チームは米国ノースイースタン大学に勤務する56名の女性管理職を「楽しく散歩する」群と「課題を与えて歩く」群に分け、いずれの群も同一の1マイル(1.6Km)の散歩コースを歩いた。

 楽しく散歩するグループは景色など楽しみながら散歩するように言われたが、課題を与えられた方のグループはMP3プレーヤーを渡され、歩きながら音楽を聴くように指示され、コース途中の6カ所で聴いた曲に対する評価を求められた。

 いずれの群も散歩の後に同じランチを与えられたが、食後のデザートには健康的なデザートとしてアップル・ソース、快楽的なデザートしてチョコレートプリン、健康的飲み物として水、快楽的飲み物としてコーラが選択できるように試験がデザインされた。

 試験の結果、課題を与えられて歩いた群の女性はチョコレートプリンやコーラを選択する傾向が強く、デザートで35%も余計にカロリーを摂取することが明らかとなった。

研究チームは運動に課題やノルマを与えるとその報酬として過食に走る傾向が証明されたと考察。健康のためにはリラックスして運動を楽しんだ方がよさそうだ。

■白澤卓二(しらさわ・たくじ) 1958年神奈川県生まれ。1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。
1990年同大大学院医学研究科博士課程修了、医学博士。東京都老人総合研究所病理部門研究員、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て2007年より順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。日本テレビ系「世界一受けたい授業」など多数の番組に出演中。著書は「100歳までボケない101の方法」など100冊を超える。


( 2018/02/21 19:54 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)

【デキる人の健康学】カカオでボケ予防…チョコレートに認知機能維持の秘密 

人口の高齢化に伴い認知症が急増している。誰もが、いつ発症しても不思議ではない病気で、「もし、自分がなったら」と考えたことのある人も多いことだろう。

 厚生労働省の報告によれば、2012年時点の認知症患者は、軽度者を含め約462万人に上る。予備軍とされる「軽度認知障害」の約400万人を加えれば、65歳以上の4人に1人が該当する計算だ。

 認知症の中でもアルツハイマー病は原因不明の神経変性疾患で治療法が確立されていない。最後は寝たきりで介護が必要になるので、大きな社会問題になっている。

 ココナツオイルが認知症の症状を改善させる効果があることを本コラムでも紹介したが、アルツハイマー病を予防する食材が話題を呼んでいる。

そんな中、カカオ豆から抽出したココアにアルツハイマー病を予防する効果があることがネズミを用いた実験で証明され話題を呼んでいる。

 米国ニューヨーク市のマウントサイナイ医科大学アイカーン医学部のジュリオ・マリア・パシネッティ教授はカカオ豆にはポリフェノールが豊富に含まれることに注目した。

 ラバードという製法でカカオ豆を精製して得られるココアパウダーはプロシアニジンというポリフェノールが豊富に含まれ強力な抗酸化能を示す。

 アルツハイマー病ではアミロイドaタンパク質が異常蓄積しシナプス機能を障害することにより記憶力が低下することが知られているが、博士がネズミの脳のスライス標本にココアパウダーを添加すると、シナプス障害が緩和されることが分かった。

 実際、ココアパウダーには試験管の中でアミロイドaタンパク質の異常凝集を抑制する効果が認められた。

世界で最も長生きしたフランス人、カルマンさんも120歳まで認知機能が保たれていたが、カルマンさんの好物だったチョコレートに認知機能維持の秘密があったのかも知れない。

■白澤卓二(しらさわ・たくじ) 1958年神奈川県生まれ。1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。
1990年同大大学院医学研究科博士課程修了、医学博士。東京都老人総合研究所病理部門研究員、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て2007年より順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。日本テレビ系「世界一受けたい授業」など多数の番組に出演中。著書は「100歳までボケない101の方法」など100冊を超える。


( 2018/02/21 19:49 ) Category ■健康長寿・デキる人の健康学・声 | トラックバック(-) | コメント(-)
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