あなたの健康はお金で買えますか・・・? ■突然死:寿命・余命・・孤独死・遺書
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がんの余命”人間は3か月の目標求められると非日常を追求すると南雲医師

50代を超えても30代に見えるドクター・南雲吉則先生が“がんの余命”について解説します。南雲先生が探求、体現する“アンチエイジング”にとっていちばん必要なものとは?

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 ぼくは乳がんの専門医なので、がんの患者さんたちと余命についてお話ししなければならないこともあるんだけど、もしみなさんがあと3日の命と言われたら、何をしたい?

「おいしいものを食べたい」、「お酒をたくさん飲んで、とことん遊びたい」とか言うんじゃないかな。

 実は人間って、3日間くらいの短期間の目標を問われたときには、快楽を求めるんだ。現実から目を背けて、何もかも忘れて快楽に浸りたくなるんだよね。

 では次の質問。もし、あと3か月の命だと言われたら何をしたいと思う?

「海外旅行に行きたい」、「温泉に行きたい」、「しばらく会わなかった親戚や友達とも会ってみたい」…。

 人間は3か月くらいの中期の目標を求められると、非日常を追求するようになるんだ。日常から逃避して、行ったことのないところで、見たことのないものを見たいと思うんだね。

 じゃあ、3番目の質問。もし、あと3年の命と言われたらどうする? 3年間も毎日暴飲暴食したら飽きちゃうよね。3年間、温泉旅行や海外旅行も続かないよね。

 そういうのは、たまにあるからいいもので、長期間続けたい“真の目標”ではないんだ。

 ぼくが出会った患者さんたちの中で、余命3年と言われた人のほとんどが、こう答えた。

「家族との時間を大切にしたい」、「今の仕事をこのまま続けて、やり遂げたい」。

 もっときれいになりたいとか、肌のシミを消したいとかいう人はほとんどいなかったんだ。人間は3年くらいの長期の目標を聞かれると、日常に人生の目標を見いだすんだ。

 命が限りないものだと思っていたときには愚痴をこぼしていた家族や仕事が、実はかけがえのないものだったことに、気づくんだね。今のこの人生のためにあなたは今、生きているんだよ。

 そう考えたら、家族と一緒に過ごせることに幸せを感じるだろうし、働けることにも幸せを感じられるよね。

死の直前に思うこと

ロサンゼルスに住む写真家、アンドリュー・ジョージは彼の著書、『Right Before I Die 』で、死を目の前にする人々最期に語る人々を紹介しています。

若くして末期癌のサラは、病室のベッドでカメラに向かって微笑みながら、こう語ります。

「時間は重要なものです。人生は間違いなく無限ではない。先に何が起こるか分かり得ないし、危険と遭遇しなければならないかもしれない。私は『公平』というものが何なのか考えることができないのです。

公平なんて何の意味も持たない。物事は公平でも不公平でもなく、ただの事実なんです。」

死を恐れていないジョセフィーナ、「私は輪廻転生はないと思ってるの。人間は死んだら終わり。それだけよ。否定したくないけど、私は信じない。塵に変わるだけ」

ルネの最も後悔していることは、娘と絶縁状態にあり、最期に会うことができないことだと言います。

「私が彼女を拒絶してしまったんです。私たちが幸せと呼ぶものとは貢献のことなのではないでしょうか。

その瞬間与えられている現状、今持っているもの全てだと思うのです」

ジョーは筆談で、「私は自分がこの世で一番幸運な男だと思っています。家族に恵まれ、ひ孫にも会えた。これ以上のことを誰が望みますか」と。

自分の癌が進行しているとき、病気の兄と姉を看病していたサリーは、愛の中にいることは最大の幸せである、と述べています。

ジョージ氏は、このように彼らの最期の言葉と写真を集めることで、他の人への助言になるのではないかと考えています。

もし恋人が余命宣告を受けたら?『博士と彼女のセオリー』にみる、パートナーとの向き合い方とは?

もし突然、自分の恋人・パートナーが難病になったら?そして「余命2年」と宣告されたらどうしますか?

1963年、イギリスの名門、ケンブリッジ大学の大学院に通う2人の男女。理論物理学を研究する男子学生スティーブンと、スペイン詩を専攻するジェーンは学内のパーティで出会い恋に落ちます。

恋に研究に、順調だったスティーブンの身の上に大きな異変が。なんと、まだ治療法も解明されず難病である筋萎縮性側索硬化症(ALS)にかかっていることが判明。

そして余命は2年と宣告されます。打ちひしがれるスティーブンを見て、ジェーンがとった行動は…?

宇宙論の研究で知られる理論物理学者スティーブン・ホーキング博士と元・妻のジェーンさんとの愛を描いた映画「博士と彼女のセオリー」が今週末13日より公開されます。

◆パートナーと向き合うということ
ALS(筋萎縮性側索硬化症)を患い、余命2年と宣告を受けたスティーブンの残された時間を自分が彼を支えようと考え、ジェーンは結婚することを決意します。

その後、子どもにも恵まれ、スティーブンはジェーンの献身的な支えのもと、宇宙のブラックホールに関する画期的な研究で認められます。

余命宣告を乗り越え、生き延び続け、数々の功績を残していくスティーブン。そんなスティーブンを支えるジェーンにとっては、育ち盛りの子どもの育児、介護など、心身ともに疲弊していき、限界を迎えます。

その後、夫婦を支える第3者の存在により、物語は展開を迎えますが、この物語は決して、「難病を抱えながらも偉大な功績を残した博士とそれを支えた妻」という単純なストーリではありません。

パートナーとの恋愛関係や夫婦関係において、誰にでもおこりうる葛藤や苦悩がしっかり描かれています。

フィクションであれば、ハッピーエンドで終わることもできますが、この物語は実話を元にしています。

本作のモデルとなったホーキング博士と妻ジェーンさんの間には3人の子どもがいます。そして現在は離婚し、お互いに別の人と再婚をしています。

◆ホーキング博士がかかったALS(筋委縮性側索硬化症)とはどんな病気?
自分の思い通りに身体を動かす筋肉を「随意筋」、随意筋を動かす神経を「運動ニューロン(神経細胞)」といいます。運動ニューロンは、いろいろな動作をする場合、脳の命令を筋肉に伝える役目をしています。

ALS(筋委縮性側索硬化症)は、運動ニューロンが侵される難病です。

筋肉までの信号が伝わらず、筋肉を動かすことができなくなり、筋肉がやせ細っていきます。運動ニューロン以外の、感覚神経や自律神経、脳の高度な機能などは、ほとんど障害されません。

また、心臓、胃や腸は不随意筋で構成され、ALSで侵されることはありません。ただし、呼吸は、自律神経と随意筋の呼吸筋との両方が関係するので、呼吸筋が次第に弱くなって呼吸困難になっていきます。

原因はよくわかっていませんが、遺伝子異常が見つかっているケースもあります。

◆「生き方が問われる」難病ALS
2014年にはALS患者の実話をもとにしたドラマもありましたし、またはアメリカALS協会に寄付をする運動アイス・バケツ・チャレンジも話題になりました。72歳のホーキング博士にもアイスバケットチャレンジの依頼が舞い込み、3人の子どもさんが父親の代わりに氷水を頭からかぶったとのことです。

本人も多くの苦難があり、周囲の人たちも一生懸命支えている「生き方が問われる」難病でもあります。

そんな中、難病をかかえ、死と隣り合わせに生きるホーキング博士の「どんなに困難な人生でも命ある限り希望はある」という言葉は、深く心に刺さります。

日頃は忘れていまいがちな、限りある時間やパートナーとの関係。本当はどれだけ貴重なものかということを、今週末劇場で再確認してみてはいかがでしょうか。

配給:東宝東和
公式サイト「博士と彼女のセオリー」:http://hakase.link/

毎朝キスしている男性は、そうでない男性より5年も長生き

突然ですが、みなさんキス、してますか? マイナビニュースが既婚女性200人に対して行った調査では、夫とキスする人が64.5%。定番は「いってらっしゃい」「いってきます」のとき。

毎朝愛情を確認している人も多いとのことで、「正直面倒くさい」「習慣で」という声も一部であがっているようです。

ちなみに科学的には、キスで幸福感をもたらすエンドルフィンが増加、さらにリラックス効果のあるオキシトシンが増えるなどといわれています。

◆キスは男性の寿命も延ばす
舌を絡ませるディープキスは顔の30以上の筋肉を使うので、表情筋を鍛える効果もあります。小顔にあこがれる人にも朗報かも。毎朝キスしている男性は、そうでない男性より5年は長生きするということです。

キスは、手軽なスキンシップ。さりげなく誘ったり、サプライズでこちらからキスをするのもオススメ。

◆キスの癒し効果
キスによってオキシトシンやエンドルフィンが増えるだけでなく、唾液を交換することで愛情を高めるドーパミンも増加するそう。1日あたりのキスの回数という統計もあって、1位はインドの17.4回、2位はドイツの11.4回、3位がスウェーデンの8.8回です。

日本は0.5回で、調査対象の30カ国中最下位という結果になっています。気になるのは、夫婦の会話時間も短いこと。その時間なんと日本は53分で、50か国中48位。

もしかして、キスしないことがコミュニケーション不足につながっているのかも!?

参考:
マイナビニュース「夫婦でキスはしますか」
http://news.mynavi.jp/news/2014/12/09/043/

ミランダ・カーも実践中!働き女子を癒やす「朝のレモン水」スゴイ効果4つ

女性であれば誰しも、ダイエットと美肌は常に心がけているはず。さらに働き女子ともなれば、仕事の疲れをできるだけ早く取りたいものだ。

とはいえ、なかなか仕事を休むことができない働き女子にとっては、体調管理も一苦労だろう。そんな働き女子にぴったりなのが、じつは“レモン水”である。

日本でも大人気のモデル、ミランダ・カーが産後ダイエット中に毎朝レモン水を飲み続け、ダイエットに成功したということから話題になっている。そんなレモン水は、働き女子にとって嬉しい効果がたくさんあるのだ。

そこで今回は、英語圏のライフスタイル情報サイト『Lifehack』の記事を参考に、働き女子のわがままを叶えるレモン水の効果を4つご紹介しよう。

■1:ダイエット効果

レモン果汁には脂肪の吸収を抑制する効果があることがわかっているという。

また、含まれているクエン酸が代謝機能をアップしてくれるため、脂肪燃焼効果も期待できるのだ。とくに朝に摂ると、その日一日の消費カロリーを上げてくれるとのこと。

さらに利尿効果もあるレモン水は、血液中の老廃物や余分な水分も尿として排出してくれる。体の循環を良くすることで、内側からキレイになれるということだ。

■2:食欲抑制

レモン水を一度飲んでみると、食欲があまり湧かないことに気付くだろう。レモンの酸味と、食物繊維がお腹に満腹感を与え、食欲をセーブしてくれるのだ。

ダイエットといえば、食べたいものを我慢してイライラする……なんてことが当たり前のように思われてきたが、そもそも食欲が湧かなければイライラも少ない。

朝だけでなく、日中でも少しお腹が減ったなと思う時には、レモン水を飲むのがオススメだ。

■3:美肌効果

レモンといえば、ビタミンCが豊富なことで知られている。ビタミンCには吹き出物をおさえたり、たるみやシワなど、肌の老化を防いでくれる効果がある。

レモンの美肌効果はビタミンCだけではない。ぷるぷるに潤った肌に欠かせない、コラーゲンの生成を促す成分も含まれているため、肌にハリや弾力が生まれるのだ。

ローズヒップティーやアセロラなどにもビタミンCは含まれているが、肌細胞にコーラゲン生成を働きかけるこの成分は、レモンに最も多く含まれているといわれている。

■4:免疫力アップ

レモンに含まれるクエン酸には、疲労回復とともに、免疫力アップの効果がある。また、血液をサラサラにしてくれるレモンの成分は、心筋梗塞・脳梗塞などの予防にも繋がるという。

意外と知られていないが、レモンはカルシウムも多く含んでいるので、骨を強くし、骨粗しょう症の予防にも効果的なのだそうだ。

以上、今回はレモン水の効能4つをご紹介したが、いかがだっただろうか?

レモン水の作り方は、コップ一杯の水か白湯に、レモン半分の果汁を絞って入れるだけ。朝一杯のコーヒーを、明日からはレモン水に代えてみよう。爽やかなレモンの香りとともに、清々しく一日を過ごせるだろう。


余命半年宣告のがん患者が語る「元気に4年生きている理由」

日本生まれ日本育ちのシャムレッフェル・レックスさん(63)は4年前、ステージⅣの腎臓がんが見つかり、「余命半年」と宣告された。しかし、写真の通り、末期のがん患者とは到底思えないほど元気でイキイキした日々を送っている。「医師が知らない余命を延ばすがん養生生活」(三交社)をまとめたレックスさんに体験談を聞いた。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 ステージⅣの腎臓がんだと分かり、僕はウィキペディアで5年生存率を調べました。不思議なことに日本語では出てこなくて、英語にして初めて「4.6%」と知りました。「余命半年」というのは完全な死の宣告だと思っていたので、「4.6%は5年間生きている。そういう人は何をしたのか?」と思ったんです。

 しかし、亀田総合病院(千葉・鴨川)の担当医に聞くと、「データがありません」。そこで「先生の患者さんで5年生存の人は何人いますか?」と尋ね直すと、「一人もいません」とのことでした。その時、僕は、「医師の言う通りの治療を受けたら、5年はもたない」という結論を出しました。

 診断時、腎臓がんは7.5センチ。転移もあり、手術や放射線治療は適応ではなく、「すぐ抗がん剤を」と言われていました。しかし、その副作用は強烈で、わずか2週間で車イスに。副作用を止める薬も次々に処方される。

これでは、がんがよくなる前に肝機能がやられ死んでしまうと思いました。「医師の言う通りの治療だけを受けていたら……」という思いもあり、国内外からさまざまな情報を集め、実践することにしたのです。

 そのひとつが断食です。ある資料によれば、栄養がなくなると、からだは生きるために自分のからだを食べる。最初は脂肪、次に筋肉組織、その後は胃腸など組織や臓器など。そんな時、がんを食べ残すわけがないと考えたのです。

 断食は最初から実に快適で、体調がよくなった。断食期間を延ばすほどに、ますますよくなり、僕は断食に味をしめたのです。

 その時、断食道場の先生から「抗がん剤は少量なら免疫力を刺激して好ましい反応を引き起こす」と聞きました。少量とは、「難しいが、副作用が出ない程度が目安」。

■がん細胞が中から死滅

 それまで得た情報ではすべて、抗がん剤を続けなさいか、一切やめなさいでした。でも、僕は西洋医学も東洋医学もうまく活用してがんと闘いたい。そこで、抗がん剤を副作用が出ない程度に減らすことにしたんです。

 最終的に4分の1程度にしたら、副作用が出なくなった。検査では抗がん剤の効果が保たれている。本来、抗がん剤は4~5カ月で効かなくなってがんが大きくなるのに、僕の場合は2年半継続して効いています。

 この4年間、得た情報でよさそうだと思ったものはすべて試してきました。3カ月間集中して試し、合っていると思えば続け、そうじゃなければ別のことを取り入れる。

今は糖質を取らず、天然のタンパク質や脂肪を多く取る「ケトン食療法」で、効果を得ています。糖質ががんのエサになるので断つのです。これが非常にいい感触で、昨年秋の段階では、CTスキャンで見た腫瘍の内部は黒くなり、がん細胞が中から死に始めている状態でした。

 がんの内容は人それぞれ。僕に合うものがみんなに合うとは限らないし、逆も言えます。でも、この体験をいろんな人に伝えたい。そう思って学んで癒やせる健康ホテルを伊東に建てました。

毎月第2火曜日には「健康セミナー」、毎月第2土曜日には「がんセミナー」を行っています。「がん患者には見えない」とよく言われるんですよ。

米国女性の「尊厳死」が波紋ーー日本なら医師が「自殺幇助罪」になってしまう?

「私は11月1日に死にます」。動画共有サイト「YouTube」に投稿した動画で、自ら死を選ぶと告白し、その通りに29歳で命を絶った米国人女性、ブリタニー・メイナードさん。彼女の行動は世界中で大きな議論を呼んだ。

メイナードさんは、今年1月に末期の悪性脳腫瘍と診断され、医師から余命半年と宣告された。治療法も無く、激しい頭痛に苦しめられるなかで、メイナードさんは「尊厳死」を決意。家族とともに、尊厳死が法律で認められているオレゴン州に引っ越した。

オレゴン州の法律では、余命6か月未満で責任能力のある末期患者が、医師から処方された薬を自分で投与することで死を選択することを認めている。メイナードさんは、予告していた11月1日に、自宅で家族に見守られる中、医師が処方した薬を服用して亡くなった。

メイナードさんの告白は、日本でも多くの議論を巻き起こした。日本でも不治の病に苦しむ人は、メイナードさんのような方法で、死を選ぶことが可能だろうか。終末医療の問題にくわしい佐々木泉顕弁護士に聞いた。

●医師は「自殺幇助罪」になる可能性がある

「医師が積極的安楽死に関与したケースの裁判として、日本では1995年3月28日に横浜地裁が下した『東海大安楽死事件』の判決があります。この判決では、死期を早める措置である安楽死を、『積極的安楽死』と『間接的安楽死』、『消極的安楽死』の3つに分類しています。

積極的安楽死は、耐え難い苦痛を伴う疾患の患者を、その要求に基づいて死に至らしめることです。

今回、メイナードさんの事例は、医師が死ぬために薬物を処方し、それを患者が使用したというケースですから、この『積極的安楽死』にあたるケースです」

日本でも、許されるのだろうか?

「もしこれが日本だったなら、薬物を処方した医師は『自殺を助けた』として、刑法202条の自殺幇助罪に問われることになるでしょう。

さきの判決によれば、医師の責任が否定されるためには、『患者に耐え難い肉体的苦痛が存在すること』や『患者の肉体的苦痛を除去・緩和するために方法を尽くしほかに代替手段がないこと』などが必要です。

もし、今回の事例が日本で実施されたとすれば、医師は間違いなく有罪となるでしょう」

日本では、安楽死は一切、認められないのだろうか?

「末期患者の延命治療を中止したり、または、治療をしないことで死期を早めるという『消極的安楽死』や、末期患者の苦痛を和らげる治療を行ったことによって、結果的に患者の死期を早めてしまう『間接的安楽死』については、積極的安楽死とは別だと考えられています。

なお日本では、一般に『消極的安楽死』のことを尊厳死と呼んでいます。アメリカとは言葉の定義が違います

これらの消極的・間接的安楽死については、厚労省が2007年に出した終末医療についてのガイドラインでも触れられており、日本でも行われていますが、いまのところ法的な見解は統一されていませんし、法制化もされていません」

●法制化がされていない、ということは・・・

「したがって、安楽死・尊厳死に関与した医師は、たとえガイドライン通りに対処したとしても、刑事責任を問われる可能性が否定できません。

たとえば、2009年に最高裁判決が出た『川崎協同病院事件』の医師のように、殺人罪等の刑事責任を問われる可能性があるのが現状です」

佐々木弁護士はこのように述べていた。

簡単に結論が出る問題ではないだろうが、しっかりと議論をして、法律の整備を進めていくべき問題だと言えそうだ。

【取材協力弁護士】佐々木 泉顕(ささき・もとあき)
平成元年弁護士登録、札幌市医師会、終末期医療に関する実績全国屈指の東札幌病院ほか多数の医療機関の顧問弁護士をつとめ、終末期医療に携わる医師の法的リスクについて警鐘を鳴らしている。
事務所URL:http://www.sasaki-law.jp/

男性が早死にするこれだけの理由。長生きの秘訣は●●を見つけること!?

男性と女性で、平均寿命に違いがあるのをご存知でしょうか?


国疾病予防管理センターのレポートによると、米国で2012年に生まれた女児の予想平均寿命は81.2歳であるのに対し、男児は76.4歳と5年も平均寿命に男女差異が出ています。

日本でも、平成21年の厚生労働省調査によると、平成20年の男性平均寿命は79.59年、女性は86.44年と7歳程度も男性の方が短命です。この寿命の男女差異はどうして起こるのかみてみましょう。

◆男性が早死する5つの理由

米国ABC社10月22日記事で、Columbia University College of Physicians and SurgeonsのLegato教授は、5つの理由を挙げています。

・男性は、出生前の成長が女性より遅いために、色々な病気にかかりやすい。

・リスクを処理する前頭葉の発達が、男性は、女性に比べて遅いので、不慮の事故に遭いやすい。(つまり男性は向う見ずな行動を取りやすい)

・主要な死因の一つである心臓病の発症年齢が女性の方が10年も遅い。
この発症年齢の違いは、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの分泌が血管を柔軟かつ強くすることに対して効果がある事に起因する。

・男性は色々なものを心に溜めこみやすい。
2010年のブリガムヤング大学の研究で、社会的なつながりを多く持っている人は、そうでない人より、死亡する可能性が低くなるとの結果がでているが、Legato教授によれば、男性は、悩みやストレスを胸の内に隠す傾向が強く、友達に話をしてストレスを解消する傾向が強い女性と比べると、短命になりがち。

・男性は、女性より病院に行く頻度が24%も少なく、コレステロール検査を避けようとする人は女性より22%も多い。
Legato教授が語るには、男性は、何か病気に罹っている事が見つかるのが嫌なため、病院に行きたくない。そこで、解決策として、病気の可能性自体を否定しようとする傾向が強い…とのこと。

◆こんなことも寿命に男女差が出る理由かも?

この記事では、指摘されていませんが、以下も寿命の男女差異の原因と考えられています。

・女性の方が基礎代謝量は少なく、省エネで生きていける効率が良いカラダをしている。(通常、代謝と寿命は反比例の関係)

・男性ホルモンには免疫力を抑制する作用がある。(去勢した動物は長生きするという研究結果がある)

・脳の容積は年齢が進むと小さくなるが、女性の方が萎縮は少ない。

・特に日本では、これまで「男は働いて妻子を養う」という風潮が強かったので、結果として、過労、ストレス、食生活の乱れでの生活習慣病に罹りやすい。
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◆長生きの秘訣は●●を見つけること!?

Legato教授は、こうまとめています。

「男性は、生物学的にみても、社会学的にみても女性と比較して不利である」

まさに男性にとっては、踏んだり蹴ったりの結果なのですが、もう一つ男性にとって、Legato教授から重要なコメントがありました。

「多くの研究結果が、結婚をしている男性は、より健康で、より長生き出来る事を示している」

長く生きる能力という点では、生まれながらに生物学的&社会学的ハンディキャップを背負っている男性の皆さん、長生きしたかったら、まずは良き人生の伴侶を見つけましょう!?

座る時間が長いと寿命を縮める?「座っている時間」と「寿命」の関係が初めて明らかに

 二足歩行の生物でありながら、一日に何時間も椅子に座り、デスクワークに追われることの多い現代人。肩こり、腰痛、運動不足など、座りっぱなしのデメリットは以前から言われているが、最近、座り続けること自体が人間の寿命を縮める可能性が示されてしまった。

 この発表をしたのは、スウェーデン・カロリンスカ医学大学のマイ・リス・ヘレニウス教授率いる研究チーム。最新の医学研究で「座って過ごす時間が短い人ほど、遺伝子のテロメアが長い」ことを発見したのだ。

 テロメアとは、染色体の一番端にある特殊な構造体。DNAの分解や修復から染色体を保護し、遺伝情報の異常な融合を防ぐストッパーのような役割を果たしているため、長いほど遺伝子が劣化しにくく、体の若さが保たれる。

生まれたばかりの赤ちゃんの時が一番長く、細胞が分裂するたびに短くなっていき、ある一定の長さ以下になると細胞分裂そのものが止まってしまう。

 これまでもテロメアの長さと長寿の関係は研究されてきたが、テロメアの短縮を遅らせるのに効果的な活動や、ライフスタイルについてはよくわかっていなかった。

●運動の量よりも立つことが肝心

 そこで教授の研究チームは、60代後半の肥満気味で座っていることの多い49人の被験者を、6カ月間運動するグループとしないグループに分け、血液細胞のテロメアの長さを測定。その間は、日記と歩数計によって被験者の運動レベルと「座っていた時間」も記録した。

 その結果、運動を続けたグループは、体重、体脂肪、血糖値などの健康レベルを示す数値が改善したものの、エクササイズのレベルとテロメアの長さに関係性は見つからなかった。

一方、被験者が座っていた時間を基準にデータを分析すると、明らかに短い人ほどテロメアが長くなるという関係性が見られたという。もっと大規模な調査で確かめる必要はあるが、この結果は、運動時間を増やすことよりも、座っている時間を減らすことが、テロメアの長さを伸ばすことを示唆している。

 現代は、適度な運動と健康との関係がすっかり認知され、いわゆる「エクササイズ」に時間を費やす人は、以前よりずっと増えているかもしれない。しかし依然として多くの人は毎日を座って過ごす。「この時代にあっては運動不足だけでなく、座りがちな生活こそ新たな健康への脅威だ」と、ヘレニウス教授は警告している。

 これを聞いてうろたえたデスクワーカーもいるかと思うが、でもちょっと発想を転換してみよう。一日のうちで少しでも立つ時間を増やす工夫をすることは、新たにジョギングを始めるよりもずっと簡単なのだ。

ときにノートパソコンをカウンターに置き、立って作業してみたり、スタンドのお店でお茶や食事をしたり、読書をしてもいい。まとまった時間をつくって運動をするより、少しずつでも席を立って体を動かすほうが、座りっぱなしの生活の弊害を緩和するのに効果的だという報告もいくつかある。

「座って過ごす時間を分割することが重要。30分ごとに1~2分の休憩を取って椅子を離れるようにしてみてください」と、先の論文にも掲載されている。テロメアを伸ばして長生きをしたいなら、まずはヘレニウス先生のアドバイスを実行してみてはどうだろうか。

健康寿命70代前半の時代に、70代をどう生きるか?

私たちの身の回りには常に健康にまつわる情報があふれている。

「○○は健康にいい」とか、「××は体に害だ」とか、「△△は健康に悪い」など、「本当なのか?」と疑う時間もないくらい次々と健康にまつわるコンテンツが繰り出され、踊らされている。健康欲は際限もなく膨らみ、程度を知らない。しかし、世界一の長寿国を達成した今、これ以上何を望むというのか?

 武蔵国分寺公園クリニックの院長である名郷直樹氏が執筆した『「健康第一」は間違っている』(筑摩書房/刊)は、そんな問いかけからはじまり、「健康」「長生き」ということを議論の俎上に乗せ、膨大なデータを噛み砕き医療のあり方を問い直していく一冊だ。

 今回、新刊JPは本書について名郷氏にインタビューを行い、本書に込めた意図をお話してもらった。その後編をお伝えする。

■健康寿命70代前半の時代に、70代をどう生きるか

――お聞きしたいことのもう一つは、健康と不健康の「境界」についてです。この本でもテーマの一つになっていますが、どこからどこまでが健康でどこからが不健康かというその境界がどこにあるのかは悩むところだと思います。

その一つの基準となるのが、健康診断で出てくるような数値だと思うのですが、名郷さんはこの「境界」についてどのように捉えていらっしゃいますか?

名郷:この本にも書いてあるように、実は境界というものはないように思います。例えば収縮期血圧が140を超えると高血圧だと言われていますよね。でも、140というのは平均値に近い値ですから、140付近の数値になる人って非常に多いんです。

そういった状態で、140以上と以下を比べても、あまり変わらないという結果になってしまう。もちろん収縮期血圧が180というような高い数値を境目すると、結果は変わってきます。これはつまり、多くの人の場合、血圧が基準値よりも少し上回るくらいならば慌てなくてもいいということです。

140以上だから薬を飲まないといけないというわけではなく、個人の生き方として、もっといろいろな選択肢を持つべきだと思うんですね。健康診断などの基準は個人と関係なく決められるものですから、極端な数値が出てしまったときを除けば、基準値周辺のわずかな異常で、基準に振り回されるのは、血圧自体よりも不安な気持ちが逆に負担になります。

また、血圧は変動しやすいもいのですから、例えば15分安静で計測したデータと、5分安静のデータでは異なります。さらに2回測って平均をとる、もしくは2回目のデータを採用するとか、どういうシチュエーションで血圧を測るかというタイミングによっても変わってきます。

定期診断の場合、流れ作業的にだいたい1回か2回計測して終わりだと思いますが、そのようにして計測されたデータはそもそも基準を当てはめることはできないのです。ちゃんと計測するのであれば、自宅で毎日5分以上の安静で同じ時間に血圧を測るとか、そういうことが必要になります。

――ただ、私たちが自分で健康か不健康か判断つかない以上、定期健診の基準値はある一つの大きな指標です。

名郷:おそらく、指標から外れてしまったその先に、不健康や病気になること、そして死ぬことが怖いという感情があるんですよね。お子さんや若い方、働き盛りの方は自分自身のこれからの人生であったり、家族の人生もあるわけで、そのために健康を追求するのが自然だと思います。その指標に対して一喜一憂するのは分かります。

ただ、一つ頭に入れておいてほしいのは、健康というのは年齢とともに少しずつ失われていくものです。生まれたときが一番余命は長い。体力も少しずつ衰えていきますし、年齢による死亡率も少しずつ高くなって、だいたい70歳を過ぎるころから急速に高くなり、80代でそのピークがきます。

ある病気を患っても、別の要因で亡くなることも多くなる。ならば、ある程度高齢になったらもういいじゃないか、と。

――先ほど、高齢者に向けて書かれたというお話でしたが、自分の生き方を見直そうというメッセージが込められています。

名郷:そういう意味では高齢者だけでなく、50代や60代の方々にこそ読んでほしい本ですね。これから70代をどう生きますか? と問いかけたいんです。健康ばかりに気を使いすぎていませんか?

と。もちろん若い世代の方にも読んでほしいです。自分がこれからどうなっていくのか、親世代のことについて想いを張り巡らせることもあるでしょう。

また、もう一つ重要なことがあって、これは医者側の問題なのですが、例えば高血圧になってしまったとき「血圧を下げる」ことは確かに重要です。でも、それは決して「血圧を下げればいい」というだけではありません。

本来は、脳卒中を減らすにはどうすべきか、心筋梗塞を減らすにはどうすべきかという課題の中で、高血圧が一つの要素として出てくるのですね。

糖尿や喫煙習慣、肥満など様々な要因が組み合わさっている中で脳卒中などの合併症が出てしまうものなので、本来はすごく複雑です。医者の中には「薬を出して血圧を下げればいい」とだけ思っている人もいるのは確かで、でも、薬で血圧を下げればいいというだけではありません。

――薬を処方しない医者や薬剤師というような方々がいらっしゃいますが、薬を処方しないでいたら病気が進行してしまったというケースもあると思うんですね。

名郷:もちろんその責任は負わないといけません。ただ、そこまで厳しくする必要がないと思われるような状況で、厳しいことを言われて不安になることに対しても責任を負わなければいけないはずです。

厳しく生活管理をされて、脳卒中や心筋梗塞が減ればいいのですが、実はデータを見ると本当にそれに見合った効果があるのか…ということもあります。

薬を出す場合にも出さない場合にも医師として一人ひとりの患者と向き合い、その患者の人生に対して責任を負う覚悟が必要なんです。薬を出していれば責任をとる必要がないというのは、実は無責任というほかありません。

――名郷さんが医者として大事にしていることはなんですか?

名郷:よく勉強し、その勉強の結果を説明し、個々の患者さんに合わせて実際に利用すること。それに尽きますね。

――少し話は逸れますが、名郷さんが以前ツイッターで「風邪の診療に必要なのは、風邪の特効薬ではなく、風邪で休める世の中だと思う」とつぶやかれていたのを拝見して、その通りだなと。「健康になりたい!」とみんなが望むわりには、社会が健康体でいられるような環境を提供してくれないように感じています。労働も、食事も含めて。

名郷:これは本当にそうなんですよね。健康を損なうことが、社会からの排除につながるのが一番の問題です。例えばもしがんになったとしても、仕事をやめないといけなくなったり、寛解したら復帰できたりするような環境ができないといけないように思います。

――では、最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。

名郷:生きる上で重要なことはたくさんありますが、健康が一番ではなく、重要なことの一つだと私は思っています。健康に気を使うあまり他の欲望を抑えつけすぎていては、楽しむことはできません。健康欲の支配から脱して、自分の生き方を考えてみるきっかけになれば幸いです。

余命や障害を告知されたら、あなたはどうしますか?

◆余命宣告をされたとき、人の気持ちはどうなる?

人生のあらゆる局面で「ショックなこと」は起こります。なかでも、一番ショックなこととは、「自分の命が残り少ない」と知るときでしょう。多くの人は死を忌み、普段はなるべく考えないようにして生きています。しかし、「死」は確実に誰にでも訪れます。その死が目前に迫ったとき、私たちはどんな行動をとるのでしょうか?

アメリカの精神科医師であるキューブラー・ロスは、著書『死ぬ瞬間』の中で、自らの臨床研究で余命を知った多くの患者たちが、次のような5つの心理的プロセスをたどったと伝えました。これは、後に『受容のプロセス』として呼ばれるようになりました。要約すると、次のような内容になります。

1.否認と隔離

死が近いと知ると非常に大きなショックを受け、「そんなことありえない!」「何かの間違いに決まっている」と否認する。また、孤立してコミュニケーションを避けるようになる。

2.怒り

「どうして私だけがこんな目にあわなければならないの!」「なぜあの人は元気なのに、私だけが!!」というように怒りの感情が噴出する。そして、見るもの聞くもの、あらゆるものに対して怒りを感じ、その感情を周囲にもぶつける。

3.取引

何かを条件にすることで、延命や回復の奇跡を期待する。神にすがったり、何かのよい行いをすることで奇跡を得ようとする。「もう一度だけ○○ができれば、運命を受け入れます」などと、期限を条件に願いをかけることもある。

4.抑うつ

死を避けることができないと知り、さらに病気の症状が悪化して衰弱してくると、絶望的になって非常に強く落ち込む。命とともに、築いてきたものをすべて失う喪失感が襲い、悲しみの底に沈む。

5.受容

体は衰弱しきり、感情はほとんどなくなる。誰かと話したいという気持ちもなくなり、自らの死の運命をそっと静かに受け入れ、最後のときを穏やかに過ごそうとする。迫りくる死の運命を知ると、衝撃、怒り、期待、絶望といった感情が噴き出します。しかし、最後のときにはそうした一切の激しい感情から解き放たれ、静かに自分の運命を受け入れる、とロスは説きました。

後年、こうした心理的プロセスは、「障害」の事実を知ったときにも現れると考えられるようになりました。それが、「障害受容のプロセス」と呼ばれるものです。

◆障害の事実を知ったとき、人の気持ちはどうなる?

自分自身や家族、パートナーなどが、病気や事故の後遺症によって、または生まれつき「障害」があると知ったとき、その事実を受け入れるまでには、次のような5つの心理的プロセスをたどると考えられています。社会福祉や障害者福祉に携わる人に知られる「障害受容のプロセス」です。 分かりやすくまとめると、次のような内容になります。

1. ショック期

事実を知ってショックを受け、なすすべもなく呆然とする。

2. 否認期

「そんなわけない!」などと強く否定し、認めたくないという気持ちになる。

3. 混乱期

否認できない事実と受け止め、怒りや悲しみで心が満たされ、強く落ち込む。

4. 解決への努力期

感情的になっても何も変わらないと知り、前向きな解決に向かって努力しようとする。

5. 受容期

価値観が変わり、障害を持って生きる自分自身を前向きに捉えるようになる。 「受容のプロセス」と同じように、事実を知った後はしばらくの間、複雑な感情が激しく噴出します。しかし、その感情を十分に経験した後に、冷静になって現状を受け入れるように変遷していきます。

もちろん、すべての人が同じような心理的プロセスを経験するわけではありません。しかし、多くの当事者にこうした心境の変遷が現れると考えられています。
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◆支える側の複雑な心情はどうしたらいいの?

では、「大切な人」がこうした事実に遭遇したときには、どう接したらいいのでしょう?当事者と同じように動揺し、特に初期には、同じような心理的プロセスをたどっていくことが多いと思われます。しかし、支える側には「当事者の感情を受け止める」という重要な役割があります。そのためには、気持ちを切り替えることが大切ですが、その難行を1人で行うのは、非常に困難です。

そこでまず、支える側が自分自身の複雑な心情を受け止めてもらうことが必要になります。病院や専門機関のソーシャルワーカーなどに、自分自身の不安な気持ち、やりきれない思いをすべて打ち明けましょう。専門家なら必ず気持ちを受け止め、支えになってくれるはずです。冷静さは、感情を吐露し、その感情をまるごと受け止めてもらうことで、取り戻すことができます。

余命や障害などの事実を知ったとき、当事者が支えを期待するのは、多くの場合、やはり当事者がいちばん愛し、信頼している人でしょう。その相手をしっかり支えられるように、当事者と同じように湧いてくる複雑な感情を、まずは専門家にしっかり受け止めてもらうことから始めていきましょう。そのうえで、よりよい支援の仕方を一緒に考えていくことです。

最新「死に方」事典】「主治医」選ぼう…医者は贈り物好き

前に述べたように、厚労省は今年度から「主治医」制度を推進する方針を明確に打ち出した。日本では保険証1枚で、どの医療機関にも自由にかかることができる。

この結果、軽症者も重症者も地域の中核になる大病院に集中する。これをなくさないと、高齢化で年々増える高齢者と医療費の増加は抑えられないと、厚労省は考えたのだ。

 端的に言うと、「ちょっとした症状では、大病院の外来には来るな」ということ。さらに言えば、「主治医を自分でつくり、普段はそこで面倒見てもらえ」ということである。

 この主治医制度促進のため、病床数が200床未満の病院や診療所の医師が、高血圧、糖尿病、脂質異常症、認知症のうち2つ以上の病気を抱える患者を継続して診た場合は、この4月から地域包括診療料として診療報酬を月1回あたり1503点(1万5030円)もらえることになった。

これで、町医者も患者を積極的に診るだろうというのだ。ただし、主治医の条件は厳しい。主治医のいる医療機関は、患者には24時間対応、在宅医療も行うことが義務づけられ、介護保険に関する相談などに応じるよう求められた。

 しかし、このような制度ができたからといって、一般の人は「主治医」と言われてもよくわからない。近所にかかりつけの町医者がある場合、あるいは長患いをしていて専門医に通院を続けている場合をのぞき、主治医など、いきなりつくれるものではない。

 しかも、こういう例もある。ある糖尿病患者は、10年にわたり専門病院に通院して、そこで担当医に診てもらっていた。ところが、不調を訴えたにもかかわらず、その担当医はなにもしてくれなかったので、大病院で検査を受けたところ、

末期の胃がんとの診断。すぐに手術を受けたが、半年で死んでしまった。遺族は「ずっと同じ医者にかかり主治医だと思っていたのに納得がいかない」と言う。

 この例が示すのは、単にかかりつけだけでは、主治医とはいえないということだ。病気にかかったときに診察してくれるだけでなく、日頃から健康相談に乗ってくれたり、なにかあれば迅速に専門医を紹介してくれたりしてくれなければ、主治医とは言い難い。

 つまり、高齢者は今後のことを考えると、積極的に主治医づくりをしないと、安心できないわけだ。そこで、私はまず近所の町医者に行ったら、その医者の人間性をチェックする。

そして、ある程度信頼できるとなったら、きちんと「私と私の家族の医療問題について、相談に乗ってくれますか?」と申し出ることを勧めている。この申し出に「はい」と答える医師を持つのと持たないのでは、リタイア後の人生は大きく変わる。

 さらに、医者を味方につけるには、なんでもいいから褒めまくることである。服装でも身につけているものでいいから褒めることだ。医者はプライドが高いので、もっともおだてに弱い人種である。

また、付け届けも有効だが、これを奨励するのは問題があるので、詳しくは書けない。ただ、医者は贈り物が大好きだということは知っておいたほうがいい。

 いずれにせよ、安心して死後へ旅立つための第一歩は、主治医をできる限り早くつくることだ。

 ■富家孝(ふけたかし) 医師・ジャーナリスト。1947年大阪生まれ。1972年慈恵医大卒。著書「医者しか知らない危険な話」(文芸春秋)ほか60冊以上。

「死ぬのが怖い!」と思っている人に読んでみてほしい一冊

 人は誰でも、いつかは必ず死ぬ。「そんなの当たり前でしょ」と頭ではわかっていても、いざ自分が死ぬことを想像すると、怖くなってしまったり、胃のあたりがキューッと締め付けられるようなストレスを感じたりしませんか?

 なぜ、死が怖いと思うのでしょう。「いま死んだら後悔することばかりだから」「この世から自分の存在が消えることが怖い」「死ぬような病気になるのが怖い」「“死後の世界”を想像するだけで怖い」などなど、理由はさまざまでしょうが、ではこの恐怖から逃れる方法はないのでしょうか。

 『医者が教える 人が死ぬときに後悔する34のリスト』(アスコム刊)の著者・川嶋朗さんは統合医療の第一人者で、これまで5000人以上の患者さんを診てきた医師です。そんな川嶋さんは、本書のなかで、こんなことを言っています。

 「人間は、いずれ死んでいきます。でもそれを意識することは、結果的に、自分の人生を豊かにすることにつながるのです」

 逆説的な言い方にも聞こえますが、意味するところはこうです。

 人生における生活の質や心の充実度を「クオリティ・オブ・ライフ(QOL)」といいますが、川嶋さんは対となる「クオリティ・オブ・デス(QOD=死の質)」という言葉を作り、このふたつこそが、人が死への恐怖心を持たないですむためのカギであると言っています。

 死を恐れるのではなく、逆に、生や死について普段から考えることで、人生でのやりたいことや、目標がはっきりしてきます。それを実現させるために日々を大切に送ることができていれば、死に直面するような時にも何の後悔もなく、実に穏やかに終幕を迎えることができる。

日頃から「いま」を大事にするように努めれば、死の恐怖からはおのずと抜け出せる、というわけです。QOLを高めることが、QODの向上にもつながるのです。

 川嶋さんは、多くの患者さんと向き合うなかで「死について真剣に考えることが、結果として、いま生きていることへの感謝の気持ちにつながり、かえっていきいきと生きることができるのではないか」と考えるようになったそうです。

 死への恐怖から逃れるには、まずそれについての自分の考えをめぐらせること。本書には、そのためのヒントがたくさん書かれています。「死ぬのが怖い」ならば、日ごろからそれに真正面から向き合ってみませんか?

死亡年齢の平均ではない? 平均寿命のウソ・ホント

人口統計のひとつに、「生命表(life table)」というものがあります。年齢は基本的要素の1つです。

意外かもしれませんが、皆さんがよく耳にする「平均寿命」というものは、この生命表の中で基本となる数値(関数)ではありません。100人の死亡した年齢を足して100で割った数値、というような単純なものではないからです。

 なぜ人口統計の生命表から切り離されて、平均寿命という用語が独り歩きするようになってしまったのでしょうか?

 まず、直感的に判った気分になれる言葉だからだと思います。「平均」は小学校の算数でも習いますし、「寿命」も電池の寿命というように普通の会話でも使われ、長い方が良いものだとパッとイメージできる単語です。

要するに難しい数式や統計学的なことを知らなくても、「平均寿命」と聞いただけで誰でも理解できていると思える言葉だからでしょう。その上、国際比較が可能な数値(関数)なので、「日本の平均寿命は長い」という報道を聞くのも、何となく嬉しかったりするものかもしれません。

 しかし、実際に多くの人が考えている「平均寿命」には、いくつかの誤解が見られます。単純そうな平均寿命ですが、実は数式を使わずに算出法を解説するのは、なかなか難しい複雑なものなのです。

 そもそも「平均」と言っているものの、多くの人が算数などで習う平均とは、まったく意味が違います。こちらの図をご覧ください。年齢がX軸、生存数という関数をY軸とします。

年齢が増えると、自然と生存数は減っていき、右下がりの曲線となります。ある年齢で垂線を引くと、垂線の左上側と右下側に図形ができます。平均寿命というのは、この2つの図形の面積が等しくなる年齢に相当します。

 生存数を表現する砂時計があるとすると、上の砂と下の砂の重さが同じとなる年齢が平均寿命ということです。この砂時計の場合、砂の落ちる速さは一定ではなく、最初は少なく、後半に急に多くなります。単純に足して割る、という平均ではないのです。

 それでは次は、平均寿命についてのよくある疑問や間違いについて解説しましょう。

■「平均寿命-自分の年齢」で大まかな余命がわかる→ウソ

 これはとても多い誤り。よく聞くのが、「女性の平均寿命が約85歳で、いま、私40歳だから、平均寿命まであと45年生きられるわ」といった表現です。

 平均寿命は、あくまでも「発表されたその年に誕生した人」の平均余命のこと。そもそも計算すること自体が間違いなので、この考え方は正しくありません。ただし、現在アラフォーの女性の平均余命が45歳より長いのは確かです。

■平均寿命を毎年報道するのは意味がない→ホント

 こちらは正論。平均寿命は、「生命表」という統計の指標のひとつ。国勢調査に基づくものを「完全生命表」と呼んでいますが、国勢調査は5年ごとに実施しています。平均寿命だけ取り上げて毎年大きく報道されるのはやや不自然な感じがします。

 前回の国勢調査は平成22年の第21回国勢調査。国勢調査の間の生命表は、「簡易生命表」と呼んでいます。

■平均寿命まで生きるのは50%?→ウソ

 誤り。生きるという表現に関係したのは平均余命ではなくて生命表の中で生存数という別の指標です。上の言い方に直接関係した指標があります。ただし、日本では平均寿命まで生きる確率は50%より大きくなっています。

■平均寿命は女性が長い→ホント

 こちらは正解。日本を含めて、世界的に見ても女性の方が寿命が長い傾向になるのは事実です。遺伝因子と環境因子の両方が関係していると考えられます。

しかし大事なのは平均寿命ではありません。平均寿命から介護が必要となる期間を差し引いた、自立した生活ができる期間である「健康寿命」が大切です。健康寿命は個人の生活習慣しだいで伸ばすことが可能です。

ASKAだけじゃない! 薬物回復施設の壮絶現場ルポ (2)GARDEN編

覚せい剤取締法違反の罪(所持、使用)で起訴されたASKA(本名・宮崎重明)や、ほかの危険ドラッガーたちは、薬物回復施設でどのような治療を受けているのかーー。

■元女優が語る、芸能人がクスリに手を出す理由

欧米に比べて日本の薬物依存対策は25年遅れているといわれるが、薬物治療プログラムに長(た)けた米国から回復治療法を取り入れた施設もある。奈良、大阪、沖縄、セブ島(フィリピン)に拠点を持つ「GARDEN(ガーデン)」だ。

ここでは、アルコール依存症治療で使われている教材(リカバリー・ダイナミクス・プログラム)を応用し、12の手順で依存症からの脱出を目指す。薬物依存者を説得して治療施設に連れてくるのは大変なケースが多い。そんなときは、専門の訓練を受けたインタベンショニスト(介入士)を派遣することもできるという。

8月中旬に奈良県大和高田市の施設を訪れると、13人の入寮者が輪ゴムを使ったワークを行なっていた。

ふたりひと組で輪ゴムを引っ張り合い、どちらかが手放すまで続ける。放されたほうは当然痛い思いをするが、そこから司会者がふたりの感情を引き出し始める。

「それぞれどんな感情で引っ張っていたか?」「ゴムに対する感情は?」「相手に対する感情は?」などと質問を重ね、現実社会のどういった場面で同じ感情を体験したことがあるかまでを考えてもらう。そして、ふたりとも痛い思いをしない方法について問いかける。

そこから「正当性を主張し続けることは争いしか生まない」ことを伝え、ゴム遊びを通して、依存者に自分でも気づかない感情の動きに気づいてもらうのが狙いだ。

笑い声とともに進み、全員が最後にハグをしてワークは終わる。一見、深刻な依存症患者が集まっているようには見えない。だが、スタッフの酢谷映人さん(24歳)は、静かに自分の過去を打ち明けてくれた。

「学生時代に大麻、MDMA、覚せい剤などに手を出しました。大麻所持で留置所に入れられたのをきっかけにやめようと決心しましたが、釈放されたその日に出所祝いだと仲間に勧められたマリフアナをつい吸ってしまったのです。

そこからは売人の家に住み着き、寝る時間も惜しんで覚せい剤を使い、そのうちクスリが切れると食事もできない体になりました」

GARDENとつながったのは2年前だ。

「初めは『ヤク中が集まって何してんねん』ぐらいに思っていて、施設につながってからも覚せい剤を使っていたほどです。ですが、同じ悩みを抱える仲間が関わり続けてくれ、今では2年半クリーン(薬物を使わないこと)な状態が続いてます」

依存症は一生続く病気だ。酢谷さんも、自分の内面に問題が起きると今でも薬物を使いたい気持ちが起きる。そんなときは、リカバリープログラムで身につけた回復の道具を使うことで衝動を抑えているという。

GARDENは6月に、奈良県橿原(かしはら)市に女性専用の依存症回復施設も開設した。男女共同の施設だと共依存を生んでしまい、回復の足かせになる場合が多いためだ。

取材に訪れたときには、8人の女性依存症の入寮者が、パラダデカホン(感情の瞬間棚卸しストップ)と呼ばれるワークをしながら、依存症からの回復治療を進めていた。

GARDENの運営法人には、精神保健福祉士の資格を持つ元女優の高部知子さんがスタッフとして関わっている。高部さんは芸能人が薬物に手を染める心理をこんなふうに解説してくれた。

「芸能界は、自分が特別視されなければ生き残れない特殊な場所のためプレッシャーが大きい。周りがつくり上げた虚像が大きすぎて、実像の自分に自信が持てない人がほとんど。経済的にも余裕があるから、つい薬物に手を出しやすいのです」

薬物依存者が増える一方で、ダルクやGARDENのような回復施設は圧倒的に足りない。昨年、法制定された、刑期の一部を猶予して出所させ、早期の社会復帰を促す「一部執行猶予制度」が2年後に施行されれば、その対象となる薬物依存者の受け入れ先がもっと不足することも予想される。

さらに、依存症からの回復者が社会復帰するまでの手助けをする施設となると、ほとんどない。薬物乱用防止協会では、障害者自立支援法に基づいて、回復者にコーヒーの移動販売業務を委託している。だが、こうした就労組織は全国に3ヵ所程度しかないという。

今の日本は、薬物依存症の受け皿が小さいなかで、依存患者だけがどんどん増えていく危機的状況だ。もはや、取り締まりをしていれば薬物問題が解決する次元ではない。薬物使用による悲惨な事件をこれ以上引き起こさないためにも、早急な対策が必要な時期に来ている。

<孤独死>大家さん向け保険広がる 修復費・家賃減補う

周囲の住民との関わりが薄い賃貸住宅での「孤独死」が社会問題化する中、大家向けの損害保険が広がりを見せている。

部屋の原状回復費や家賃の減額分など大家の負担を賄うもので、加入する大家からは「独居の高齢者の入居が増えており、リスクを軽減できるのはありがたい」との声が上がる。同種の保険を扱う業者が増えている。

 福岡市内にアパート3棟を持つ男性(50)は昨年7月、入居者の孤独死や室内での自殺に備える損害保険に加入した。保険料は家賃5万円以上10万円未満で1戸あたり月300円。1年契約の掛け捨てで大家が負担する。

 きっかけは4年前に起きた高齢入居者の孤独死だった。壁紙や床板の張り替えなど清掃・改装費用は約200万円。入居者に身寄りはなく、費用の大半を負担した。「事故物件」として敬遠され、家賃収入にも響いた。

 そんな時、入居者が死亡した場合に生じる空室期間の家賃や部屋の修復費用を補償する保険の存在を知り、「渡りに船」と加入した。その後、30代の1人暮らしの入居者が突然死亡し、保険が適用された。

大家の男性は言う。「悲しい話だが、単身の入居希望者を受け入れる際には保険は必要と感じた」

 入居者の孤独死に対応する保険は2011年ごろから本格的に商品化された。孤独死が社会問題化したことに加え、空き部屋の増加によって大家がこれまで入居を断ってきた高齢者を受け入れ始めたことが背景にある。

 一般社団法人・日本少額短期保険協会(東京都中央区)によると、同種の保険を扱う業者は年々増加し、現在は約10社。協会の担当者は「掛け金が安く保険期間が短いのも好評の理由」と説明する。

 福岡市の男性が入った保険「無縁社会のお守り」は、アイアル少額短期保険(東京都中央区)が11年8月に発売した。

現在の契約戸数は約4000で前年から倍増。エース損害保険(目黒区)は、入居者の自殺・孤独死で管理業者が大家に支払う見舞金を補償する。

一方、メモリード・ライフ(文京区)は60歳を超えた生活保護受給者らが入居する場合、本人の同意を得て入居者に生命保険を掛けている。一定の保険金が大家や管理業者に支払われる仕組みだ。

 遺品整理を専門とするキーパーズ(大田区)の吉田太一社長(48)は「整理の依頼を年1600件受けているが8割は賃貸住宅。高齢化や非婚化で賃貸のニーズが高まり、大家の経営上の危機管理として保険が求められているのでは」と話している。

「生きる喜びを伝えたい」 がんで“余命半年”と宣告された女子大生の言葉に反響

30日に放送したNHK総合『ニュースウォッチ9』で、肝臓がんで余命宣告を受けた大阪の大学生・山下弘子さん(21)が紹介され、反響を呼んでいる。

 山下さんは、一昨年の10月に肝臓がんが見つかり、切除手術を行った。しかし、肺にも転移したことから、医師からは「打つ手がない」との言葉が伝えられた。

 そうしたなかで、「『余命半年』宣告されるも、今を生きる。」と題したブログを開設。闘病の苦しみではなく、「生きることへの意志」をつづっている。

 山下さんは現在、母校をはじめ全国各地の学校で講演活動も行っている。そこでは、「限りある時間の中で悔いを残してほしくない」というメッセージを必ず伝えており、講演を聞いた生徒たちからは、生きることの大切さに心が動かされたと、数多くの感想文が送られている。

 「もし、普通の人よりちょっとでも説得力があるのなら、もしそれで誰かを元気づけて救うことが出来るんだったら、こんなに幸せな生き方ないと思いますし、こんなに幸せなこともないし、こんなに生きてる実感もないので、すごく幸せです、

いまは。がんによって教えられたことが本当にたくさんある」と、力強く語った山下さん。今後は、講演活動に加えて、がんに苦しむ人をサポートする組織を作りたいという。

 これに対してネット上では、「21歳で余命半年宣告ってつらいな…。」「あらためて生きる意味の大切さを、感じさせられた」「凄くキラキラしてて綺麗だなって素直に思った。生命を燃焼するってこういう事なんだろうな。

懸命に前を向く姿にただただ尊敬します」「悔いなく精一杯生きていかなきゃ」など、様々なコメントが寄せられている。

「脱法ドラッグをやると運転したくなる説」は本当か?

警察庁が「危険ドラッグ」という新呼称を発表するなど、大きな社会問題となっている脱法ドラッグ。そのきっかけとなった6月の東京都・池袋駅付近で発生した交通事故のように、脱法ドラッグを服用した運転手による事故が近年、急増している。

 警察庁の発表によると、摘発数は’09~’11年まではゼロだったが、‘12年に19人、昨年は40人となっている。一説では「脱法ドラッグをやると運転がしたくなる」とも言われるが、真相はどうなのか?

 ある使用者は、「アッパー系なら気持ちが高ぶるのはわかりますが、とてもじゃないが、まともに運転できないのは皆がわかっているはずなんですけどね」と否定する。

だが実際に事故を起こしたことのある飯塚正文さん(仮名・28歳)は「脱法ドラッグをやると、車に乗ってどこまでも行けてしまう気がするんですよね。

2時間くらいアクセルを踏み続けて“無我の境地”で高速をブッ飛ばすんですが、自分じゃ止められないんですよ」と証言してくれた。

 各事件の報道によると、途中で意識を失うケースも多いが……。

「運転中、眠気が襲ってきたときに覚醒作用のあるドラッグをやることは多い。クスリが切れたら元の状態に戻るので、意識が落ちるんだと思います」(飯塚氏)。

 同じく脱法ドラッグ経験者の田中康人さん(仮名・38歳)も語る。

「一度だけ、クルマで脱法ドラッグを買いに行った帰りに吸ってしまったんですが、あまりに運転が捗る(気がした)ので、途中で怖くなって路肩に車を止めて休んでいたんです。

すると職務質問されて警察署に連行、何時間も尋問されたうえに下着の中まで見られてしまいまして……もう二度としないと誓いましたね。そのときの気分? ワケがわからなかったです」

 ワケがわからないのは、田中さんのほうである。

 彼らの無責任な行為によって、無関係の通行人が犠牲になることは許しがたい。今後は罪状確定と同時に運転免許も剥奪するなど、法改正も含めた厳しい処置を望みたい。

福島市のHP騒動、「放射線に負けない体を作りましょう」はどう考えるべき?

福島市が突然「放射線に負けない体を作りましょう」というWebサイトを公表し、ネットを中心に大きな話題となりました。

その後、福島市では、誤解を生じたとして、「放射線の影響を受けにくい生活をしましょう」というタイトルに変更したのですが、基本的な内容は変わっていません。放射線に負けない体とはいったいどういうことなのでしょうか?

 Webサイトに掲載されている情報をまとめると、放射線の被曝量と発がんの関係、放射性物質を体内に取り込まないための食品選びや調理方法、内部被爆を最小限に抑えるための代謝促進、ヨウ素や鉄分など、放射性物質の取り込みを減少させる物質の摂取方法などが解説されています。

 このWebサイトで注目すべきなのは、放射性物質をある程度摂取する可能性があることを前提にしているという点です。福島原発があのような大事故を起こし、自然環境中に大量の放射性物質が放出されたことは紛れもない事実です。

健康への被害がどの程度になるのかという部分については様々な意見がありますが、周辺の住民は、自然に存在する放射性物質や放射線に加えて、原発事故で放出された放射性物質から出される放射線の影響を受ける可能性が出てくるわけです。

これを前提に議論を進めることは、科学的には正しいスタンスといってよいでしょう。

 ただ、記載されている発がんのリスクと被曝量の関係については、いろいろと波紋を呼ぶ可能性があります。例えば喫煙者の発がんリスクはそうでない人の1.6倍で、被曝量に換算すると2000ミリシーベルトという大量被爆に相当するレベルとしています。

この数値がどの程度正しいのかはともかくとして、一般公衆の年間線量限度が1ミリシーベルトとかなり低く設定されていることを考えると、本当に安心してよいのか疑問を持つ人がいても不思議ではありません。

 また食品の選定や調理方法、代謝促進などは、やらないよりはやった方が効果はあると思われますが、これを実行していれば大丈夫なのかという点について、完全に保証されているわけではありません。

 しかしながら、こうした事故後の対応において、もっとも望ましくないのは、話題そのものをタブーにしてフタをしてしまうことです。周

辺住民が今後、どのような生活を送るべきなのかという議論の土台を提供したという点では、今回のWebサイトには一定の意味があると考えられます。

自動車事故から一年半の千野志麻 夫が「放射線治療」の試練

大型台風も過ぎ去った7月中旬の平日の朝10時過ぎ。都心の一等地に建ち、30近い診療科目を持つ総合大学病院に、ひとりの男性が通院してきた。受

付を済ませ、険しい表情で「放射線治療科」の中へと消えて行った彼は、元フジテレビアナウンサーのチノパンこと千野志麻(36才)の夫・Aさん(46才)だった…。

 千野といえば、昨年1月2日、静岡県沼津市内のホテルの駐車場で、38才の男性を車でひいて死亡させてしまうという事故を起こした。

書類送検された千野が罰金100万円を支払うことで事件は決着したものの、しばらくは事故のショックからふさぎ込み、外出もままならない状態だったという。

「実家の母親が東京まで来て、つきっきりで家事や育児を手伝っていました。とても仕事どころではなく、千野さんは個人事務所を畳み、一切の芸能活動を休止したんです」(芸能関係者)

 そして、またしても千野を“試練”が襲う。それが、Aさんの“重篤な病気の発覚”だった。Aさんは、福田赳夫元総理の孫という生粋の御曹司で、現在は、有名外資系企業に勤める年収5000万円といわれるエリート社員。千野と結婚後は、2男1女をもうけ、件の事故後も落ち込む千野を献身的に支えてきた人物だ。

そんな理想的な夫に体調の異変が起きたのは、今年春先のことだった。

「体調不良を訴えていたAさんを千野さんも心配して、“大きな病院で早めに検査してもらおう”ということになったそうです」(Aさんの知人)

 そして5月中旬、Aさんは冒頭の病院に検査入院する。

「診察の結果、Aさんは深刻な病気を患っていることが判明しました。ほぼ毎日の通院治療を要する大変な病気のようです。突然、夫の病気を突きつけられた千野さんはショックのあまり呆然となったそうです」(前出・Aさんの知人)

 同病院のHPにある放射線治療科の説明には、こう記されている。

《放射線治療科は、主にがん(悪性腫瘍)に対する放射線治療を専門に行う部門です。放射線治療は、手術・抗がん剤に並ぶがん治療の柱の一つです。他の臨床各科との連携のもとに各種の悪性腫瘍の放射線による治療を行っています》

 Aさんは治療を終えると、その後、驚くべき行動を見せる。その足で会社に出社したのだった。

「“しばらく休んだ方がいいんじゃないか”と心配する声が社内からは上がったそうですが、彼は一切、弱音を吐かず、これまでと同じように、ハードな仕事を続けています」(前出・Aさんの知人)

 なぜAさんは、これほど大病を患いながらも、休まずに働き続けるのか? そこにはこんな“家庭の事情”があるという。

「千野さんには双子の息子(6才)と長女(4才)がいますが、その長女が今、お受験準備に大忙しなんです。

夫婦は娘さんを夫の母校でもある最難関といわれる有名私立小学校に入れたいようで、お受験の名門として知られる幼稚園に通わせるだけでなく、英才教育の塾にも通わせていて、幼稚園も含めて、その費用は年間200万円ほどかかるそうです。

 さらに、高級マンションの数十万円の家賃に加え、別荘のローンも残っています。一家は今、何かとお金が入り用で、千野さんが仕事をしていない以上、稼ぎ頭である夫は働かざるを得ないんです…」(千野の知人)

 一難去って、また一難。やっと笑顔を取り戻し始めた千野一家に降りかかった、新たな試練…。本誌はAさんの病気について、千野を直撃したが、「すみません…」と、ひと言残すだけで、硬い表情のまま、うつむきながら去って行った。


孤独死の急増で“事故物件”が増えている!

近年、不動産業界では、殺人事件や自殺、火災などの事故死、孤独死などが発生してしまった“ワケあり”の部屋、いわゆる「事故物件」が増えているという。

その最大の理由は、「独居老人の孤独死」が増加傾向にあるからだ。特殊現場の清掃を請け負う業者のM氏に話を聞いた。

「孤独死は確実に増えている実感がありますね。発見に時間がかかる場合が多いのも事実です。

孤独死の第一発見者は、意外にも家族や友人、近所の人たちではなく、大家さんや不動産管理会社の場合が多いんです。

理由は家賃が滞納されて、何度連絡しても応答がないからマスターキーでドアを開けたら……ってパターンですね。従って家賃を前払いしていたり、自動引き落としの場合は発見が大幅に遅れます」

男性の未婚率に加え、熟年離婚も増加傾向。今後、独居老人が増え続けるのは確実で、都市部での近所づきあいの過疎化、親子関係の希薄化も加わり、いっそう孤独死の発生件数も増えていくことが予想される。

では、こうした事故物件の情報を、不動産業者はちゃんと借り手に告知しているのだろうか? 某大手不動産仲介業者の営業マン、T氏が明かす。

「不動産業界では、事故物件のことを『心理的瑕疵(かし)物件』と呼んでいます。『瑕疵』とは、品質や性能に欠陥や問題があることです。

『心理的瑕疵物件』とは、具体的な実害はないかもしれないけど、心理的な不安が予想される物件のこと。これには、暴力団事務所や悪名高い宗教団体、ゴミ屋敷が近隣にある場合なども含まれます。

ただ、例えば暴力団事務所の場合、表向きは普通の企業を装っている場合がほとんどですよね? そういう場合はお客さんに告知されないことも多いんです。

孤独死も同様です。確かにその部屋で人が死んだのは事実ですが、事件性がないとなると、死因自体はただの病死だったりするわけです。死後の状態がどんなに悲惨であろうと、告知するかどうかは微妙ですね。そこは業者によって、担当営業マンによって分かれると思います」

孤独死の場合、告知されるかどうかは担当営業マン次第ということ。では、殺人や自殺の場合は確実に告知されるのだろうか? T氏が続ける。

「基本的にはそうですが、法的な告知義務は直前に事件が発生した物件だけなので、ひとりでも誰かが借りたり買ったりしてくれれば、その次以降のお客さんに対しての告知義務はないんです。親切な業者は過去の情報も伝えるかもしれませんが、多くの場合は……。やはり契約を決めたいですから」

もちろん、「事故物件」であろうとまったく気にしない人もいるかもしれないが、住む前にその住宅に関する

覚せい剤の再犯率 20代は39%で乱用増加する50歳以上は79%

5月17日、「CHAGE and ASKA」のASKAが覚せい剤使用の容疑で逮捕された。今回、ASKA容疑者は、“愛人”と見られる女性とともに逮捕され、覚せい剤を使用したセックスに耽っていたのではないかとも報じられている。

今回のASKAに限らない。クスリとセックスの関係はあまりに密接である。現役の麻薬取締官が明かす。

「薬物乱用者のほとんどは覚せい剤を使ったセックスに溺れているといっていい。

芸能人であれば、いつ人気を失うかもしれないという恐怖感や、高いレベルのクリエイティブさを生み続けなければならないという苦しみから、ドラッグに手を出すことが多い。

 だが、それはきっかけに過ぎない。乱用者は次第に、“今さえよければいい”という刹那的な考えしかできなくなり、行き着く先は、ドラッグを用いたセックス。特に覚せい剤を用いた場合は感度が何十倍も上がるという。

取り調べをしていると“体の芯が痺れて動けなくなるほどの快感”と表現する被疑者もいた」

 男性にとっては、ドラッグの効果は快感を味わえるだけではない。性的興奮を高めてくれるのだ。

「硬さはそれほどでもないが、持続時間が長くなり、数時間以上、あるいは一晩中持続させることができる。

中年になり、男性器の機能が衰えてくると、まずはバイアグラのような勃起薬に頼り、それがエスカレートして覚せい剤に手を出すというケースも多い。実際、ASKAのように50代の乱用者が増えている」(同前)

 警察庁が発表した2013年度の覚せい剤事件の摘発件数を年代別で見ると、20~40代が前年に比べ減少する一方、50歳以上は約6%も増えている。中高年による覚せい剤汚染が広がりつつある実態がうかがえる。

また再犯率は20代が39%なのに対し、50歳以上は79%にものぼる。

 数年前、覚せい剤で逮捕された有名ミュージシャンAは、薬物に溺れた理由として、周囲に「表現者として、男女の性愛は絶対に必要だと考えていた。だから、男性としての性の能力の衰えに大きなショックを受けて耐えられなかった」と語っていた。

「美味しんぼ」“鼻血は被曝”を検証 漫画のような事実はあるのか

小学館『週刊ビッグコミックスピリッツ』の漫画「美味(おい)しんぼ」で、東京電力福島第1原発事故による放射線被曝(ひばく)が原因で、福島で鼻血が出た人がたくさんいるなどの描写があった。

放射線の体への影響は既に多くのことが分かっており、漫画に描かれたような事実はあるのか。被災地の復興のためにも合理的な判断と冷静な対応が求められている。

 ◆1000ミリシーベルト超で急性障害

 鼻血は、放射線による急性障害の場合に出ることが知られている。被曝で骨髄の造血能力が著しく抑制され、白血球や血小板が減少することで出血しやすくなるためだ。ただ、急性障害は一度に1千ミリシーベルト以上の放射線被曝をした場合に起こるとされる。

 東電によると、今回の事故以降に現場作業に携わった人でも一度に1千ミリシーベルト超の被曝をした人はおらず、これまでの累積被曝線量でも1千ミリシーベルト超の人はいない。廃炉作業にかかわる作業者に鼻血が多発するような事例もないという。

 福島県の調査では、放射性物質の降下量が多かった飯舘(いいたて)村や浪江町を含む相双地域の住民が事故後、約4カ月で受けた推定の外部被曝線量は10ミリシーベルト未満が99・8%、10ミリシーベルト超は127人いたが、最大で25ミリシーベルトだった。

 漫画では、登場人物が第1原発構内の見学後に鼻血を出し、疲れやすくなったとする描写がある。記者も今年2月、同様の見学をしたが、同行者で鼻血を出した人はいなかった。記者自身、疲れやすくなったということもない。

見学では構内に入る前に個人線量計をつけ、構内でどれだけの線量を浴びたかを調べる。記者の場合は0・01ミリシーベルトで、航空機旅行「東京-ニューヨーク」(片道)の10分の1の線量だ。

 もちろん、事故後に福島県内で鼻血が出た人はいただろう。鼻血は高血圧や動脈硬化など循環器系の病気や腎臓・肝臓病などでも出やすくなる。ワーファリンなどの抗凝固薬を服用している人や女性では生理中に出やすい。

また、知らないうちに鼻をぶつけたり、風邪などで鼻に炎症ができても鼻血は出る。

 ◆影響小さい低線量

 漫画ではまた、低線量被曝の健康影響を心配し、前双葉町長の「今の福島に住んではいけない」との言葉を紹介している。福島に住んでいる人や福島への旅行を計画している人の中には不安に思った人がいるかもしれない。

 ただ、100ミリシーベルト以下の低線量被曝の健康への影響については100年近くも研究されており、極めて小さいことが分かっている。現在、福島県で暮らす人々が原発事故によって余分に受ける放射線量は年間1ミリシーベルト程度で、健康への影響が心配される数値ではない。

 リスクコミュニケーション(リスコミ)を研究する「リテラジャパン」代表で、原発事故後、飯舘村のアドバイザーを務めた西沢真理子さんは「事故後、リスクを正確に伝えるリスコミが適切になされなかったことで、放射線のリスクを正しく認識できない人が今も多いのは残念」と指摘。

そのうえで、「放射線に発がん性があるのは確かだが、健康への影響は量で考える必要がある。低線量被曝の場合、喫煙や野菜不足よりもがんになるリスクが低く、現在の福島が心配されるような状況ではないことを理解してほしい」と話している。

 ■放射性物質は通常の食品にも

 今回の件で、福島県の農水産物への風評被害が心配される。しかし、農水産物は生産・出荷などの実態に応じて計画的に行うモニタリング(監視)検査が実施され、安全を確認したうえで出荷される仕組みとなっている。

 原発事故と関係なく、放射線を出す放射性物質は通常の食品にも含まれる。中でもカリウムに含まれるカリウム40からの放射線が一番多い。

食品1キロ当たりに含まれるカリウム40は、ホウレンソウ200ベクレル▽魚100ベクレル▽コメ30ベクレル▽ポテトチップス400ベクレル。カリウムは人間にとって必要な栄養素で、かつ、いずれ排泄され、健康なら体内で一定量以上にはならない。

余命半年の女性 家族に365日分のビデオレター残した

「涙にはストレス解消の効果がある」と、メンタルヘルスケアの専門家は指摘。とはいえ、泣ける“ツボ”は人それぞれ。今回は、57才の女性が余命半年と宣告された娘との秘話を語ります。

 * * *

 娘がすい臓がんに侵されたのは、30才の時。手術をしたものの、余命半年との診断。娘の子供はまだ5才なのに、神様はなんて残酷なのかと、私たちは絶望しました。

 ところが娘は、「小学校の入学式まであと1年。それまでは絶対生きるから!」と断言し、治療に挑むことに。とはいえ、抗がん剤治療は過酷です。激痛で動けない日はもちろん、口の中がただれて、会話すらできない日も。

 それでも娘は、弱音ひとつ吐かずに耐え、念願の入学式に。その日は、特別に退院許可をもらい、車いすで式に参列しました。新しいランドセルを背負った孫のはしゃぎっぷりは相当なものでした。しかし、その夜から容体が急変。娘は1週間後に亡くなりました。

 死後、病室を整理していると、家族にあてた365回分のビデオレターが出てきたんです。ビデオの中の娘はいつも笑顔で冗談を言い、見ている私たちも笑ってしまうほど。毎日1回ずつ見ていると、まだ娘がそばにいてくれるような気がします。


ASKAに処方「アンナカ」とは

医薬品として劇薬指定。しかし、医師の処方箋があれば入手可能

人気歌手ASKAさんの逮捕。日本中に衝撃が走りました。この報道で、最近よく聞く薬物が「安息香酸(あんそくこうさん)ナトリウムカフェイン」。「アンナカ」とも言われている薬物です。

医薬品としては劇薬指定をされているもので、その歴史は非常に古いです。現在では使用されることが少なく、特に単独で使用されることはほとんどなくなっています。しかし、医師の処方箋があれば、処方薬として入手は可能です。

アンナカの作用・効能と副作用

アンナカは、頭痛薬の鎮痛効果を補助したり、脳の神経に興奮的に作用して疲労感や眠気をとったり、頭の重い感じをスッキリとさせたりします。効能としては、「眠気・倦怠感・血管拡張及び脳圧亢進性頭痛」があります。

アンナカは、医薬品としての用法をきちんと守って服用すれば、決して危険な薬ではありません。少量での使用であれば問題ない薬ですが、大量に使用すれば当然、副作用も現れます。

おもな副作用としては「手の震え・動悸・不眠・吐き気・瞳孔散大・頻脈・不整脈」などです。

どんな医薬品も使い方を間違えると大きな事故につながる

どんな医薬品にも共通して言えることですが、本来の目的以外で使用することは大変危険です。化学薬品は、使用する量や用法などによって、薬にもなりますが毒にもなります。

本来は頭痛などの緩和に使用されることが多いアンナカを、覚せい剤の代替のように使用することは大きな間違いです。また、そのような薬を処方した医師の倫理観にも問題があると思います。

アンナカは古くは覚せい剤に混ぜられたりすることもあったようですので、今回の報道を通じて誤った使用法が広がるのではないかといった懸念はありますが、裏返すと、医薬品の適正使用を呼びかけるには良い機会かもしれません。

今回の事件をきっかけに、改めて医薬品の適正使用の大切さを痛感しました。普段何気なく服用している薬も、使い方を間違えると大きな事故につながるということを認識しておきましょう。

受診したら逮捕? 「麻薬専門病棟」で行われる治療の中身

薬物に溺れている人は逮捕されたASKA容疑者に限らず、日本中にあふれている。警察庁によると13年の覚醒剤の検挙件数は1万5232件(検挙人数は1万909人)。

薬物依存者数の統計はないが、国立精神・神経医療研究センターの推計では大麻は人口の1.4%、覚醒剤が0.3%。つまり、大麻は約180万人、覚醒剤は約38万人が経験ありという計算だ。

 ASKAに続いて、「次は自分も…」と怯えている人も相当多そうだが、適切な治療でクスリを断ち切れるケースもある。国内の麻薬専門病院では、一体どんな治療が行われているのか。

1963年、日本で最初に麻薬治療を始めた神奈川県立精神医療センター「せりがや病院」(横浜市港南区)の川副泰成院長がこう言う。

「まず最初に伝えたいのは、指名手配犯を除き、薬物依存から脱したい患者を当院が警察に通報することは一切ないということです。それは他の専門病院も同様です。また、治療費は一般病院と同じで健康保険が適用できます。

入院する場合は、基本的に1カ月ほどかけて依存症治療プログラムを行いますが、その後は週1回程度の頻度で通院してもらい、集団認知行動療法などを行います」

■薬物依存症に特効薬はない

 妄想や幻聴などの症状がある重篤者の場合は、救急治療室(隔離病棟)もある。もちろん、このケースでも患者のプライバシー保護の観点から通報されることはない。

 また、「警察に見張られている」という妄想や、「神様の声が聞こえる」といった幻聴も、適切な治療を行えば、3カ月以内で80%は消し去ることができるという。

 だが、薬物依存症の治療はここからが本番だ。

「精神疾患治療に使われる薬が処方されますが、薬物依存症に特効薬はありません。また、意志が強いだけでは、クスリを断ち切れないのが薬物の怖さ。治療中に覚醒剤を使ってしまう人もいます。

それでも怒らず、〈今度はどうしますか〉と根気よく諭す。渇望をどう抑えるのか、そのコントロールが最も大切です」(川副院長)

 ASKAも、シャバに戻って来たら真っ先に受診してもらいたい。

【デキる人の健康学】中性脂肪を下げる生活習慣とは

 年に一度の健康診断でコレステロールは正常値なのに中性脂肪が異常値でチェックされている中高年男性も多いと思う。コレステロール値が低くても中性脂肪が単独で高いだけで心筋梗塞のリスクになることが最近明らかとなり、中性脂肪はメタボリック症候群の診断基準の1つに取り入れられた。

 中性脂肪が多いと善玉コレステロールが減って悪玉コレステロールが増えやすくなるため動脈硬化を間接的に促進することもなる。中性脂肪と聞くと食事での油の摂り過ぎと考えがちだが、お酒を飲む機会の多い人や間食でケーキや甘いもの、果物をよく食べる人は中性脂肪が増えやすい傾向にある。

 アルコールや清涼飲料水に含まれている果糖や精製された糖質を摂取すればするほど、肝臓で合成される中性脂肪が多くなるためだ。

コレステロール値は生活習慣を改善してもなかなか下がらないのに対して、中性脂肪値は生活習慣の改善により値を下げることができる。だから、ある意味では中性脂肪はライフスタイルのバイオマーカーと考えられる。

■中性脂肪を下げる生活習慣改善7か条

 最近、米国心臓協会が「中性脂肪と心臓病に関する報告」をまとめたが、その声明のなかでも「生活習慣の改善の重要性と有効性」が強調されている。報告書をまとめた米国心臓協会理事で米国ボルチモア市メリーランド大学のマイケル・ミラー教授によると以下の9項目のライフスタイルを改善することにより、中性脂肪の値を20~50パーセント下げることができると提言している。

 その9項目とは、
(1)5~10パーセントの体重の減少で中性脂肪の値が20パーセント低下する。
(2)食品や飲料に添加されている砂糖の一日摂取量を総カロリーの5~10パーセント未満(女性で約100kcal/日、男性で約150kcal/日)に抑える。
(3)清涼飲料水や加工食品、果物に含まれる果糖の一日摂取量を100グラム未満におさえること。
(4)摂取カロリー1000kcalあたり食物繊維を10グラム/日以上摂取すること。更に摂取カロリー1000kcalあたり食物繊維を20グラム/日以上摂取すると中性脂肪の値が8パーセント低下する。
(5)低グリセミック・インデックス(低GI)食品の摂取により中性脂肪の値が6パーセント低下する。(6)総カロリーにしめる脂質の割合を中等度に抑える(カロリー比32.5~50パーセントの中脂肪食)。中脂肪食は低脂肪食(カロリー比18~30パーセント)に比べて、中性脂肪の値が9.4mg/dL低下する。

また、飽和脂肪酸の摂取量を総カロリーの7%未満、トランス脂肪酸の摂取量を1%未満に抑える。(7)オメガ?3脂肪酸の摂取。オメガ?3脂肪酸(EPA/DHA)1グラム/日の摂取あたり中性脂肪が5~10パーセント低下する。

(8)アルコールの摂取制限。アルコール非摂取群に比べて1オンス/日のアルコール摂取あたり中性脂肪が5~10パーセント増加する。(9)定期的な運動。中性脂肪の値が150mg/dL以上の人で、中等度の有酸素運動で中性脂肪が15~20パーセント減少するが、もともと中性脂肪の低い人では有酸素運動による中性脂肪の低下は認められない。

■ライフスタイルの改善により中性脂肪は50%以上下がる

 ミラー教授は体重を5~10パーセント減量するだけで中性脂肪の値を20パーセント下げることができるので、まず肥満傾向で中性脂肪の高い人は減量が大切であることを強調する。

次に食事での砂糖と果糖、飽和脂肪酸を減らして不飽和脂肪酸を増やすことにより中性脂肪の値を更に10~20パーセント下げることが可能であると考察している。

 トランス脂肪酸や飽和脂肪酸の制限、オメガ?3脂肪酸の摂取と定期的な有酸素運動を組み合わせることにより最終的にはライフスタイルの改善により中性脂肪の値を50パーセント以上下げることが可能であるとしている。

中性脂肪は我々の体に取っては重要なエネルギー源で欠かせない脂質成分であるが、生活習慣が乱れて必要以上に血液中に存在すると寿命を縮めてしまう可能性がある。

■白澤卓二(しらさわ・たくじ) 1958年神奈川県生まれ。1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大大学院医学研究科博士課程修了、医学博士。東京都老人総合研究所病理部門研究員、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て2007年より順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。日本テレビ系「世界一受けたい授業」など多数の番組に出演中。著書は「100歳までボケない101の方法」など100冊を超える。

最期を迎える人に「私」を取り戻してもらう方法

日本は今、人を看取る(みとる)ことが日常的な「多死社会」時代を迎えつつある。若い世代であっても、この社会の一員として、「看取り」を見つめ直すべきときに来ている。そこで、2800人以上の看取りを経験してきた医師・小沢竹俊さんに、最期を見据えた人とともに穏やかに生きていくためのヒントを聞いた。今回のテーマは、人生の最終段階を迎え、できないことが増えていく人にとっての自己肯定感の培い方。何もできない自分でも「これでよい」と思えたとき、人は自分を受け入れられるという。

■「何もできなくても自分は大切な存在だ」という自己肯定感の培い方

 人生の最終段階を迎え、できないことが増えていくのは苦しいものだろう。自分らしさを見失い、自身を大切に思えなくなったり、その存在価値を疑ったりすることもあるかもしれない。そんな苦しみの中にいるとき、どうすれば日々を穏やかに過ごせるのだろうか。ここではまず、自分の大切さを実感できる状況について考えてみよう。例えば、100点満点を取れたり人の役に立てたりしたとき。それから、「たいへんよくできました」と高評価をもらえたとき。自分で自分を認め、好きになれるのではないだろうか。

 しかし、外出できなくなったりトイレに行けなくなったりとできないことが増え、自分らしさが失われていく中で、100点満点をつけるのは難しいことだろう。周りの人と比較して自分の価値をはかり、高得点をつけられないこともあるはずだ。しかし果たして何点取れたなら、自分を好きになれるのだろう。どんな状況にあっても「たいへんよくできました」と自分を認め、大切にして生きていく方法はないのだろうか。

 「点数では価値を測れないそんなとき、自分を認めて穏やかに生きていくうえで、大切なキーワードがあります」と小沢さん。それは「これでよい(Good enough)」だ。「『これでよい』と思えるとき、自分の弱さや無力さも含めて認めることができます。これは、ありのままの自分を受け入れながらも前に進むために必要な気持ちであり、開き直りや責任放棄とは異なるものです」人は、誰かの役に立てるときには自己肯定感を持つことができる。「役に立つ、だから自分は大切な存在だ」というわけだ。しかし、「役に立てない、それでも自分は大切な存在だ」と思うには、どうすればいいのだろうか。

 自分だけではなく誰かが、点数にかかわらず「これでよい」と許してくれるなら……。ナンバーワンになれなくとも、オンリーワンとして認めてくれる人がいるのなら……。それは、苦しみの中にいる人にとって、きっと心強い支えとなるだろう。

■大切な支えの存在に気づく「ディグニティセラピー」

 そしてもう一つ、自分らしさが失われていく人生の最終段階において、有効なことがある。それは、尊厳を取り戻す「ディグニティセラピー」だ。「尊厳療法ともいわれるこの手法では、その人がこれまで大切にしてきたものを振り返りながら、周囲の人たちに伝えておきたいことを形にしていきます。具体的には、構造化されたいくつかの質問を中心にインタビューを行い、その内容を大切な人に宛てた手紙にします」と小沢さん。

 ディグニティセラピーでは、例えば、「あなたが人生で一番生き生きとしていたのは、いつですか?」というように尋ねる。自分自身の人生を写したアルバムを眺めていると仮定して、これまでの人生の中で、最も輝いていた時期について語ってもらうのだ。さらに、アルバムの中のその写真では、誰と何をしているのか。どのような表情をしているのか。どんな役割があって、どんなことを達成したのか。また、どんなことを誇りに感じているのか……を聞いていく。

 こうして記憶を引き出すうち、「自分にはもう何もない」と望みを失っていた人も、自分が持ち合わせている大切なものに気づき始める。過去を丁寧に振り返ることで、自分らしさを取り戻し、生きる意志が高まることも多い。 「ディグニティセラピーで行っているのは、“私”を取り戻し、後世に“私”を伝えるための準備。過去の振り返りを通して、大切な人に知っておいてほしいこと、覚えておいてほしいことなどを確認し、手紙という形で伝える。こうして“私”が生きた証しを世代を超えて伝えることは、尊厳を取り戻し、今後の人生を穏やかに過ごすうえで大きな支えとなり得るのです」(小沢さん).

■介護する側にも支えは必要

 そして最後に、介護を担う家族をはじめ、支える立場にある人こそが、支えを必要としているということも忘れてはならない。人生の最終段階は、美しく幸せなものとは限らない。本人のみならず周囲の人々も巻き込んで苦しみを味わうことも、無力感にさいなまれることもあるだろう。小沢さんは、このように話す。 「一生懸命に対応しても、うまくいかないこともある。そんなときに私たちにできるのは、誠実に関わり続けること。そのためにも、自分自身への支えも必要なのだと思います」

「今日が人生最後の日だと思って生きなさい」の著者に聞く第1回 看取りのプロが教える 人生の最期が近い人との対話術第2回 苦しむ人との接し方 相手が望む話の聞き方とは?

■この人に聞きました小沢竹俊(おざわ・たけとし)さん ホスピス医。めぐみ在宅クリニック院長。救命救急センター、農村医療に従事した後、横浜甦生病院内科・ホスピス勤務、ホスピス病棟長を経て、06年にめぐみ在宅クリニックを開院。「ホスピスで学んだことを伝えたい」と、学校を中心に「いのちの授業」を展開。多死時代に向けた人材育成に取り組み、15年にエンドオブライフ・ケア協会を設立。著書「今日が人生最後の日だと思って生きなさい」(アスコム)は、25万部を突破するベストセラーに。新著は「2800人を看取った医師が教える人生の意味が見つかるノート」(アスコム)。

【冬の突然死から身を守れ】ストレスの血管死を未然に防ぐ「レインボーダイエット

働き盛りの人に多い「突然死」は、血管の詰まりから起きる“血管死”だ。過度なストレスなどによって、血管が突然けいれんを起こし、強く収縮して詰まることが原因の多くを占める。どうすれば、未然に防ぐことができるのか。今回はその防止策を紹介する。

 すぎおかクリニック(千葉県船橋市)院長で循環器内科医の杉岡充爾医師は語る。「突然死が一番多いのは朝。睡眠時などストレスのかからない時間帯のリラックス度をいかに上げ、ストレスに負けない強い血管を作る健康習慣を取り入れるか、が肝です」

 今すぐできることのひとつに、「レインボーダイエット」という食事法がある。 トマトを食べたら、次の日はニンジン、その翌日はブロッコリー-という具合に、毎日違う色の野菜を順に食べるのだ。「若くても動脈硬化が起きるのは、身体が酸化するものを食べ続けているから。カラフルな野菜には“ファイトケミカル”といって、血管が酸化して錆びるのを防ぐ強い抗酸化作用があります」

 抗ストレスホルモンを作り、血管を強くするコラーゲンの材料にもなるビタミンCも、積極的に摂りたい栄養素のひとつ。 「レモン2分の1個分の果汁をコップ1杯分の水かお湯に入れて飲むだけでも、腸管のクレンジングができる」忘年会・新年会など、飲む機会が増える季節ならではの注意点もある。

 「大前提として、飲み過ぎは禁物。糖質の多いビールなどの醸造酒は1杯だけで切り上げ、焼酎やウイスキーの水割りかお湯割にシフトするといい。焼酎なら梅干しを入れると、これに含まれる有機酸が肝臓の解毒力を高めてくれます」あわせて試したいのが「ドローイング」という健康法。お腹をグーッと凹ませて30秒間キープして力を抜くだけの簡単な腹筋トレーニングだ。

 「内臓脂肪を減らす効果があり、それによって脂肪細胞の中から、血管にこびりついたプラークを直接掃除してくれる“アディポネクチン”という善玉ホルモンが放出されます」通勤中や横になってテレビを見ている時でも、手軽に取り入れられる習慣だ。次回も引き続き、突然死の防止策について紹介する。 

冬場に浴室で襲う突然死 「ヒートショック」を回避する心得(2)

 寒いからと急いで湯船に飛び込めば、今度は脈拍が高くなる。ましてや、湯の温度が42~43℃と熱い場合、心臓にかなりの負担がかかり、ますます事故を起こしやすくなるのだ。健常者でもそうなのだから、肥満、メタボリックシンドローム、高血圧や糖尿病、脂質異常などで動脈硬化が進んでいる人は、特に危険だ。

 「確かに、家の中に10℃以上の温度差のある部屋があると、心臓疾患や脳神経疾患を起こしやすい。人間の身体は急激に寒いところに行くと、針で肌を刺されたような感覚となり危険を知らせますが、ヒートショック対策といっても、家の中をすべて暖かくできる環境の人は限られている。

高齢者はまず、温度差が事故につながるということを認識して、トイレに行く際はダウンなどを1枚羽織るようにし、急に身体を冷やさないように心掛けることです」(医療ジャーナリスト)

 また、一番風呂や深夜に1人での入浴は避けた方がいい。風呂が一番目より二番目に入った方がいいのは、当然ながら浴室が温まっているからだ。また、かけ湯、半身浴をうまく掛け合わせて、少しずつ身体を温めていくこと。参考までに言えば、高い位置からのシャワーは15分間で浴室全体の温度を10℃上げることができる。

 「シャワーは、立って浴びるより座って浴びる方が、血圧の変動やめまいなどで倒れた時のリスクも減る。さらに入浴前、室温も大事ですが、コップ1杯の水を飲むことをお勧めします。湯船に浸かっているだけで血液は濃くなり、ドロドロ状になることもある。前もっての水分補給は、未然に脳疾患などの防止にもつながります」(同)

 さらに健康ライターは、ヒートショックの対策として“乾布摩擦”を推薦する。 「朝、全身を寒気にさらし、皮膚を擦ることで刺激を与えると、血行がよくなり自律神経の働きも活発になります。ドイツでは朝、窓を開けて身体に寒気を当てる習慣があり、身体を擦りあげる健康法が一般的だそうです」

 乾布摩擦の注意点は、天然素材(木綿)のタオルを使用すること。そして手足、胸、お腹、背中と、抹消神経から中枢神経を刺激しながら順番に10分くらい擦り上げる。ただし、アトピーの人は皮膚を傷つける恐れがあるので、やめた方がよい。また、体調の悪い場合も悪化させることがあるので控えよう。

 これらを踏まえ、毎日、乾布摩擦をしている人は、風邪を引きにくくなったというデータもある。 「日本では、山梨県内に上半身裸で子供を預かっている幼稚園もある。子供のうちからそうして鍛えておけば、自然に免疫力を高めることができる。結果、風邪を引く子はほとんどいないそうです」(同)

 ともあれ、すでに高齢者や高血圧、糖尿病などの病気を持っている人については、冬の入浴などが常に危険と隣り合わせであることを忘れてはならない。 「今は浴室の装置に“呼び出しボタン”がついている場合もありますが、本人が倒れた場合はどうにもならない。ご家族で、こうした人が同居している場合は、入浴中に『湯加減はどう?』といった定期的な“声掛け”をぜひ行ってください」(医療関係者)

 寒さはこれからが本番。ヒートショックには、くれぐれもご用心!

冬場に浴室で襲う突然死 「ヒートショック」を回避する心得(1)

 これからの季節、浴室やトイレなど、暖かい部屋から冷たい部屋に移動した際に、心臓突然死、脳神経疾患などを発生する人が急増する。いわゆる“ヒートショック”と呼ばれるものだ。 10月22日、俳優の平幹二朗さんが東京都内の自宅の浴槽で倒れているのを発見、死亡が確認された(享年82歳)。この死因も、ヒートショックによるものと見られている。

 冬になると、暖房が効いた居間と、脱衣所や浴室などの温度差が10℃以上になることはよくある。そんな中、鳥肌を立てながら浴槽へ急ぎ、さらに熱い湯船へと一気に浸かることもあるだろう。 

しかし、このごく短い移動、小さな動きで、急激な温度変化が身体を襲い、それが血圧の上昇や下降を引き起こす。それが“ヒートショック”だ。この症状は、人体に非常に大きな負担をかける。特に入浴中に起こる突然死の大きな要因だ。

 日本大学医学部附属板橋病院・脳神経科担当医は、こう注意を喚起する。 「熱い湯船に急に入ると、血圧が上昇した場合は脳出血や脳梗塞、心筋梗塞などで死亡する恐れがあります。

逆に、急激に血圧が低下した際は脳貧血を起こして浴槽でめまいを生じ、湯船で溺れる危険性もある。12月過ぎから1月は、1年のうちで入浴中の突然死が最も増えるので、特に注意が必要です」

 ヒートショックで亡くなる人は年間約1万人で、何と交通事故死の2倍にも上る。そのうち浴槽内での溺死者の8割は、65歳以上の高齢者。今年の冬はとりわけ厳しい寒さになるとされ、事故が増えそうな気配だ。 「ヒートショックという言葉は、医学事典を探しても載っていない用語。医療よりむしろ、建設業界で使われてきた言葉で、最近になって医療現場で使われるようになったのです。

ひと昔前の家の場合、暖かいのはコタツの中ぐらいで、部屋は均一に寒かった。つまり、温度差がないことからヒートショックなどというものは起きなかったのですが、やがて暖房器具の発達から、事故が話題になり始めたのです」

 冬場の一般的な住宅内の室温は13~18℃。しかし、ファンヒーターが入っている室内は23℃程度まで上昇する。そんな室内でくつろいでいた高齢者が、入浴やトイレに立って行くと、温度差に身体がついていけず“事故”を起こす。

 「最近の高気密の住宅はともかく、1980年以前に建てられた断熱性能の弱い木造家屋ほど、室温差が発生しやすいとされる。暖かい部屋では血圧、脈拍が安定していても、寒い浴室脱衣所で服を脱ぐと、急激に血管が収縮し、血圧が上昇する。さらに浴室も最初は温度が低いので、血圧は一層上がってしまう。加齢とともに血管がもろくなってくると尚更のことです」(医療ライター)

孤独死を起こしやすい“孤独死予備軍”の特徴

今、40代以降の孤独死が社会問題になっている。遺品整理をなりわいとする「あんしんネット」は数々の孤独死の現場を見てきたことから、孤独死の問題を深く受け止め、なんとかしようと啓蒙活動を続けている。

 東京都監察医務院によると、2015年に東京23区内で誰にも看取られずに自宅で死亡した一人暮らしの65歳以上の人は、前年よりも約230人多い3,116人となった。3,000人を超えたのは初めてで、統計を取り始めた2003年の2.1倍の人数に。男性は1,973人、女性は1,143人となり、孤独死する高齢者は女性よりも男性が多いこともわかる。

 では、孤独死を起こしやすい人の特徴はどういったものだろうか?

「もっとも多いのが糖尿病を代表とする成人病疾患を患っている人です。そこからの合併症で亡くなっている方が目立ちます。なぜならインスリン注射の残骸が残っているからです。このパターンが一番多いですね」(あんしんネットの従業員) 我々が老人になる時代は、もっと成人病疾患を患う人数は増えている可能性が高い。そのとき、何か対策を国はやっているのだろうか。

「今、なんとかするのが精一杯で、私たち民間にどうしたらいいかを聞いてくるくらいだから、十分に対策をしているとは言い難いと思います」

 そして、孤独死第二予備軍と言われる層がいる。

「次に多いのが独居で認知症を発症した高齢者。これはもう、自分で認識していないので、特徴的なのですが、ゴミ出ししなくなります。だから、ゴミ屋敷になってしまうことが多いんです。でもこれはコミュニティや親族がいれば解決できる問題です」 これは現代に特徴的なものだ。地域のコミュニティがなくなってしまった都会では、死んでも誰も気づかないということが実際によくある。

「もうひとつが生活保護自給者。200万人以上いますから、バカにできない数字です。年間8,000人孤独死していると言われていますが、男性が5,000人、女性が3,000人と推測されています。これはコミュニケーションが女性のほうがうまいからだと言われています」

 このまま放置すると、年金の不安や、独身の増加もあいまって、これから20代、30代が40代を迎え、老人になるころには、本格的な社会問題になっているだろう。

【上手な死に方を考える】どこで最期を迎えるか 緩和ケア病棟の現実

がんが進行、もしくは転移し、終末期を迎えた時、人生の最期をどこで迎えるか-という選択を迫られる。住み慣れた自宅か、設備の整った病院か。その判断には家庭の事情だけでなく、患者自身の死生観も大きく関係してくる。今回は「病院」を選んだ場合について考える。

 人生終焉の場を病院に求めた時に、受け皿となる「緩和ケア病棟」。ここには「がんを治すための治療」は存在しない。残された時間を苦痛なく、有意義に過ごすことに特化したケアが行われる。

 東京都品川区にある東芝病院緩和ケア部長の茅根義和医師が解説する。

 「自宅ではなく病院を選ぶ理由としては、家族に迷惑をかけたくないという“気遣い”と、何かあった時にすぐに医療スタッフが駆けつけられるという“安心感”が挙げられます。ただ、近年は在宅医療の技術が進化したことと、緩和ケア病棟もなるべく自宅に近い療養環境を整える努力していることもあり、その差は小さくなっています」

 一方、医療者の判断で入院を勧めることもある。その基準は次の3つだ。

 (1)足腰が弱り、歩いたり動いたりする体力がなくなったとき

 (2)嚥下(えんげ=飲み下す)機能が落ちて、食事や薬が飲み込めなくなったとき

 (3)痛みや呼吸苦、吐き気、意識障害などが強く出たとき

 このうち、(3)以外は十分な介護力があれば在宅療養も可能だが、患者だけでなく、家族の負担や不安を考慮して、入院を選ぶケースも少なくない。

 特に認知症患者などの場合、痛みや苦痛を正確に伝えることが難しいこともあり、そうした対応にも熟知したスタッフのそろう緩和ケア病棟なら安心感も大きい。

 「治療を目的とした病院を退院し、緩和ケアの外来に通院するようになってから亡くなるまでの期間は、平均すると半年ほど。もちろん個人差があるので、数年にわたって通院している方もいます。ただ、最後の入院では残された期間は1カ月ほど。苦痛のコントロール以外の医療行為は最小限にとどめ、看護と精神的ケアに力を入れます」(茅根医師)

 家族への支援も重要だ。

 「患者さんが亡くなっていく過程の情報をあらかじめきちんと伝え、気持ちの上で準備ができていれば、最後に『ありがとう』とあいさつができる。ただ、無理をして理性的に見送る必要もない。人生の最後に“パターン”はありませんから」

 終末期医療は死をもって終了する。しかし、死がゴールなのではない。「生ききること」がゴールなのだ。

 次回は「在宅での看取り」について考える。 

怖い細動、突然死… 不整脈ってどんな病気?

 運動もしていないのに脈が急に速くなったり、遅くなったり、一瞬飛んだようになったり――。こんな症状があれば「不整脈」かもしれない。多くは命に関わるものではないが、重症化すれば突然死や脳梗塞のリスクを高めるものもある。異常は感じていなくても、年に一度は心電図検査を受けて早期発見を心掛けたい。

 正常な心臓は安静時に1分間に60~100回拍動している。規則正しい拍動を生み出しているのは、心臓の上部にある「洞房結節」という部分から出る電気刺激だ。この刺激で心房や心室などの心臓の各部位がタイミングよく収縮し、全身に血液を送り出している。

 ところが「この回路に不具合が起きると不整脈が出る」と小田原循環器病院(神奈川県小田原市)の杉薫病院長。1分間に60~100回より速い場合を「頻脈性不整脈」、逆に拍動のリズムがゆっくりになったり、間隔が空いたりして、1分間に50回未満になるのが「徐脈性不整脈」だ。また、脈が飛んだように感じる「期外収縮」もある。

■大半は治療不要

 杉病院長は「検査で不整脈が見つかっても、ほとんどは特に治療しなくてもよい」と話す。例えば症状を訴える人が一番多い期外収縮。拍動が本来のタイミングより早く起こり、心室に十分な血液がたまる前に心臓が収縮してしまう。「脈が飛んだように感じて心臓が止まるのでは」と不安を覚えて受診する人も多い。実は健康な人でも、1日に年齢の数ぐらい起きているのだという。

 では、気をつけたい不整脈とはどのようなものか。特に注意したいのが脈が速くなる頻脈性不整脈が重症化した「心室細動」。心臓が細かく震えるようにけいれんし、突然死を起こすリスクのある不整脈だ。心臓のポンプ機能が働かず、全身に血液を送り出せなくなる状態が長く続けば命にかかわる。

 心室細動が起こりやすいのは、心筋梗塞や心筋症など、もともと心臓の病気がある人のことが多い。しかし、なかには心臓病がなくても突然起こることがある。これを特発性心室細動といい、30~40代の突然死の原因の一つだ。これまでの研究で、特発性心室細動を起こしやすい人では、ブルガダ症候群と呼ばれる特有の心電図を示す病気があることが分かってきた。心電図検査で心室細動のリスクが高まっていないか見極めるとともに、睡眠不足や過労、ストレスなどを避ける。心室細動のリスクが高いと判断された場合、自動的に電気ショックで細動を止める植え込み型除細動器を使って治療することもある。

■60歳以上に多く

 同じく脈が速くなる不整脈の一つに「心房細動」がある。加齢に伴い増える危険な不整脈の代表で60歳以上に多い。東邦大学医療センター大森病院(東京・大田)の循環器センター、池田隆徳教授は「心房内のあちこちで電気的興奮が発生し、心房が細かく震えるように動く状態」と話す。胸がモヤモヤするように感じることがあるという。

 心室細動のように心停止を起こすわけではないが、心臓に大きな負担がかかって疲弊し、心臓の機能が低下すれば心不全につながることもある。心房内の血液がよどめば血栓ができやすくなる。血栓が脳の血管に詰まり、脳梗塞(心原性脳塞栓症)の原因ともなる。心房細動の治療は、血栓ができにくくする抗凝固薬や抗不整脈薬を用いた薬物療法が中心。完全に治すには、カテーテルという細い管を血管から入れて、異常な電気的興奮の発生源を焼き切るという治療法もある。

 脈が遅くなる徐脈性不整脈で気をつけたいのが、拍動のリズムが遅くなったり、一時的に止まったりしたときに起こる失神だ。杉病院長は「3、4秒拍動が止まるとめまいを感じ、9秒以上では失神する」と話す。「後ろに引きずり込まれるように意識が遠くなる感じ」だという。

 不整脈そのもので突然死することはまれだが、失神が起こると転倒によるけがや事故の原因となる。車などの運転中の場合には、命にかかわる重大な事故を引き起こす危険もある。リスクの高い人では、体にペースメーカーを埋め込んで治療する。不整脈は、危険なものもあるが、適切な処置をすれば、命にかかわる事態を最小限に食い止めることができる。池田教授は「定期的に心電図検査を受けることが大事」と話す。脈に異常を感じたときのほか、症状はなくても、年に一度は検査を受けたい。

■心電図、24時間連続や数週間記録も

 心電図検査には、目的に応じていくつかのタイプがある。病院の外来で行うのは、横になって心電図を記録する安静時心電図検査だ。健康診断などでも広く使われている。検査時間は短くてすむが、検査中に不整脈の発作が出ないと記録できないという難点がある。
 
そんな場合に使われるのがホルター心電図。携帯型の心電計を装着、24時間連続して取る。医師はデータをコンピューターで解析し、不整脈が起こっている場所をチェックする。このほか運動時の心電図を調べる運動負荷心電図や、数日~数週間にわたって心電図を取るイベント心電計などもあり、症状に応じて使いわけられている。

「孤独死は独居老人より独身40代のほうが多い」特殊清掃人が断言

2035年には50歳男性の3人に1人が未婚者になると言われる「生涯未婚」時代。10/25発売の週刊SPA!に掲載されている特集『[40歳独身]の危機』でのアンケートでも独身男性の実に50.4%の人が「生涯独身」を受け入れている。しかし、自由気ままな生活は突如思わぬ弊害を発生させるのも事実。ここでは、40代独身者の最期の瞬間について取り上げたい。

◆人知れずに死んでいく……。独居老人よりも多い中年孤独死

 真夏のある日、東京都大田区にあるマンションの一室のドアを開けると、視界を完全に塞ぐほどの黒い虫の大群が襲いかかってきた。よく見ると、コバエだ。そして、部屋の奥から漂う強烈な死臭が防臭マスク越しの鼻をつんざく。

 部屋で亡くなっていたのは、某上場企業の中間管理職だった42歳の独身男性(写真参照)。すでに死後1か月が経過し、腐乱した遺体から流れ出た体液は、畳裏の板張りにまで達していた。死因は糖尿病による合併症。糖尿病や精神疾患を患った男性は、長期療養のため会社を休んでいた。そのため、死後1か月が経っても、誰にも発見されることはなかったという。

 孤独死の現場は凄惨だ。特殊清掃人として長年、孤独死現場を見てきた石見良教氏は、散乱するゴミの中から糖尿病の患者に配布されるマニュアルを拾い上げ「またか」と思ったという。

「孤独死=独居老人のイメージは、間違い。実は40~50代の独身中年にこそ多い。

糖尿病など病気による離職や休職、リストラをきっかけに、唯一の社会との接点だった会社での人間関係が断たれ、孤独死へと向かうのです」(石見氏)

 部屋の中は足の踏み場もないほど荒れ果て、おそらく亡くなっていたであろう黒ずんだシミの場所だけがぽっかり空いている。遺品整理の立ち会い人は、亡くなった男性の会社の同僚だ。高齢の両親は地方に住んでおり、付き合いのある親族や友人もいなかった。

 特殊清掃人として孤独死の最前線に立つ石見氏によれば、中年の孤独死には共通する特徴があるという。50代の独身男性が都内自宅で孤独死していたケースでは、遺体発見時には死後3か月が経過。メーカー系プログラマーとして活躍していたが、糖尿病で療養中だった。この男性の部屋も例に漏れず大量のゴミが床を埋め尽くしていたが、整理収納に関する書籍が複数発見されたという。自身の生活に危機意識を持ちながらも抜け出せなかったようだ。

「ほかにも『健康は精神の安定から』などといった自戒メモが大量に残されていることも、中壮年男性の孤独死現場にはよくあります。また、アニメのDVDやフィギュア、ワインなどの収集品が大量に残されていることが多いのも特徴。アウトドアな人よりは、インドアな人が孤独死に陥りやすい」

 厚生労働省が発表した平成27年版「厚生労働白書」によると、日本人男性の生涯未婚率(50歳までに一度も結婚したことがない人の割合)は22.8%。

さらに、’35年には約3人に1人の29%に上ると推計され、現役世代の孤独死予備軍は今後も増加の一途を辿る。淑徳大学教授で孤独死に詳しい結城康博氏もこう指摘する。

「ここ数年は現役世代の孤独死が増加傾向にあり、20~25%を40代、50代が占めています。そんななか、女性よりも社交性に乏しい男性は、さらに孤独死の可能性が高い。例えばマンションの廊下などで隣人と会っても挨拶もしないような独身男性は、立派な孤独死予備軍と言っていい。地方出身で周りに親族もいなければなおさら。また、独身男性は食生活が乱れやすく、脳梗塞などで突然死するリスクも高いでしょうね」

 同特集では、孤独死だけでなく、健康不安や地方左遷など「生涯未婚予備軍」を取り巻くヤバすぎる日常に密着。「仕事面」「健康面」「恋愛面」において、どんな危機的状況が彼らを待ち構えているのか徹底取材している。彼らのクライシスな日々を目撃し、独身者なら今後の人生を考え直すきっかけになるかもしれず、また既婚者ならば「結婚してるだけマシだった」と溜飲を下げられるかも!? <取材・文/週刊SPA!編集部 写真提供/あんしんネット>

【特殊清掃人・石見良教氏】

アールキューブあんしんネット事業部長。孤立死問題や高齢者のゴミ問題など講演も各地で実施 http://www.r-anshin.net

【社会福祉学者・結城康博氏】

地域包括支援センターでの社会福祉士勤務を経て、現在は淑徳大学教授。著書に『孤独死のリアル』(講談社現代新書)など

朝の突然死リスクを抑える! 日内変動の整え方

■突然死に至ることも……朝に発症しやすい病気とは
朝に発症しやすい病気として、心筋梗塞、脳卒中、不整脈などが挙げられます。これらはいずれも突然死につながることもある怖い病気です。これらの病気が朝に起きやすいのは、朝、自律神経が大きく変動することで、血管の状態が変化するためと考えられています。

朝になると一般的に血圧は上昇します。心臓への栄養血管である冠動脈の内腔は狭くなり、様々なホルモンが産生されます。血液凝固に関わる因子も変動し、血の塊である血栓も作られやすくなります。結果として、朝は高血圧による脳出血やくも膜下出血、血栓による心筋梗塞や脳梗塞、ホルモン異常による不整脈が起こりやすい時間帯になってしまうのです。

例として、2001年に阪神地区における急性心筋梗塞の患者の研究からされた報告によると、心筋梗塞の発症時間帯は、朝と夜の2つの時間帯にピークがみられました。朝の発症者には女性および65歳以上の高齢者が多く、夜の発症者には男性および65歳未満の人、飲酒者、喫煙者および就業者が多い傾向がみられました。夜に死亡リスクが上がる原因は、血圧等の変化だけでなく、アルコール、タバコ、労働などの影響があるのではないかと考えられています(Kinjo K 他 Jpn Circ J. 2001; 65: 617-620.)。

また、気温の変動や自律神経の変動は呼吸にも影響します。そのため気管支喘息がある場合は、明け方に喘息発作が起こりやすくなる傾向があります。

■自律神経はなぜ朝変動するのか
自律神経には、起きているときに活動する交感神経、リラックスしているときに活動する副交感神経の2種類があります。1日を通じて、朝、昼、夕、夜と一方が優位になっては、時間ととともに他方が優位になるリズムがあります。大雑把にみると、起きているときは交感神経優位、寝ているときは副交感神経優位です。早朝の起床時はちょうど、副交感神経優位から交感神経優位に変わる時間になることがイメージできると思います。

2つの自律神経の変動は「日内変動」といわれ、1日の活動に必要なタンパク質やホルモンなどが作られることにも関わります。作られたタンパク質やホルモンは体内で細胞と細胞、臓器と臓器の連絡に関与し、自律神経にも作用します。無意識のうちに起こっている「日内変動」ですが、これをコントロールしているのが「体内時計」です。

■体内時計の乱れを整えることが健康につながる?
一般的にも馴染みのある「体内時計」は、実は遺伝子によって制御されています。遺伝子によって作られるタンパク質が細胞同士の連絡に使われ、「日内変動」を起こしているのです。そのため、遺伝子の異常がある場合、体内時計が正しく働かなくなってしまうこともあります。

一方、私たちがある程度コントロールできる「環境」も、体内時計に影響を与えます。「規則正しい生活が大切」とよく言われますが、最も関係があるものが睡眠です。体内時計は、光の影響を受け、2500ルクス以上の光によってヒトの体内時計はリセットされます。脳にあり眠気を起こすメラトニンというホルモンは、網膜に強い光を浴びることで産生が抑えられ、メラトニンが低下すると眠気が取れます。そして、光を浴びてから14~16時間後に再びメラトニンが増えることで眠気が生じるわけです。毎日なるべくリズムを崩さずに睡眠をとり、朝目覚めて光を浴びるようにすることで、体内時計が整い、結果的に日内変動も正常に整えることができるのです。

■自律神経のバランスが悪いと体内変動も乱れる
自律神経の副交感神経から交感神経へのスムーズな橋渡しができないと、血圧が上昇したり、血栓が作られるようになり、心筋梗塞になるリスクが上がります。特に、休日のリラックスした状態から緊張感をもって仕事が始まる月曜日には、橋渡しが悪くなるためか、週全体で見ても心筋梗塞が起こりやすい傾向があると報告されています。これに冬や春の寒さや、気圧の変動、風の強い不安定な天気などが加わった場合、さらにリスクがあがるようです。

■命に関わる突然死リスクを抑えるために
「魔の月曜日」を含めて朝に起きやすい心筋梗塞などを防ぐためには、自律神経のバランスを整える生活が大切です。

朝の自律神経の変調をできるだけ小さくする理想的な方法は、自然光による起床で、ゆっくりと起きることで血圧の急な上昇が防ぐことが有効です。余裕をもって起きて、しっかりと朝食をとりましょう。心筋梗塞や脳梗塞、脳出血などを防ぐために、普段から高血圧や動脈を硬化を防ぎ、食事は、塩分を1日6g未満にして、酸化された脂質を減らしておきたいものです。

そしてできれば午後にかけて運動をして、心機能を高めておく習慣が作れるとベストです。散歩などの運動は筋力維持と骨を丈夫にする効果があり、転倒しにくくなり、骨折予防にもなります。

厚生労働省の健康日本21では、1日当たり1500歩(歩行距離にして1km、消費カロリーは100kcal)増加していき、1週間で3000~3500kcalを消費する運動が望ましいとされています。できれば、継続的な運動が大切になります。

帰宅時には、エレベーターやエスカレーターを使用せず、電車なら出口に遠い車両に乗ることで歩く距離が長くなります。

タバコは心血管系の病気及び呼吸器系の病気の危険因子ですから、もともと喫煙しないか、喫煙していたら、禁煙が望ましいです。アルコールは、高血圧、脂質異常、脳出血、乳がんに関しては消費量とともにリスクが上昇します。肝硬変はある程度の量が増えるとリスクが増えますので、適度な量、または飲みすぎない方がよさそうです。

自律神経などの日内変動や体内時計は、自分の意志でコントロールできるものではありませんが、その特性と変動の特徴を知ったうえで、上手につきあっていける身体づくりをしていきましょう。

あなたの“理想の死に方”は? 現役医師と考える終末期医療のあり方

「元気で長生きして、死ぬ時はコロッと逝きたい」「たくさんの孫に囲まれて、眠るように最期を迎えたい」――。そんな“理想の死に方”を考えたことはないだろうか。とはいえ、そう思い通りにならないのが現実。病気や老化により体の自由が利かなくなれば、入退院を繰り返すことになるだろう。認知症になれば、大切な人のことさえわからなくなってしまうかもしれない。誰にでも訪れる終末期をどう過ごすか、若い人にとっても文字通り他人事ではない問題だ。

 そんな終末期医療にフォーカスしたのが、連作長編『サイレント・ブレス』(南杏子/幻冬舎)だ。著者の南さんは現役の医師。多くの患者に向き合い、その生死を見つめてきたからこそ、デビュー作にして心を深く揺さぶる作品が書けたのだろう。

 主人公の水戸倫子は、大学病院から訪問診療クリニックへの“左遷”を命じられた37歳の医師。在宅で最期を迎える患者が穏やかな日々を送れるよう、彼らの家を訪ねて診察するのが彼女の仕事だ。命を助けるために医師になったにもかかわらず、死を待つだけの患者と向き合うことに最初は無力感を覚えた倫子。しかし、さまざまな患者に対峙するうち、終末期医療の意義、その大切さに気づいてゆく。

 倫子が向き合うのは、6人の患者たち。抗がん剤治療をあえて行わない45歳の知守綾子、「無理に生かされたくない」と胃瘻(腹部にチューブを入れて直接栄養を流し込む処置)を拒む84歳の古賀芙美江、時には言葉を話さない身元不明の少女を診ることもある。誰もが小さな謎を秘めており、彼らの診察を続けるうちに真実が紐解かれていく。終末期医療を描きつつも、ミステリー仕立てになっているのが面白い。

 こうした患者に触れるうち、倫子の心にも徐々に変化が生じていく。中でも、第5章「ロングターム・サバイバー」は、倫子の転機となるエピソードだ。この章の患者は、消化器がんの権威である権藤名誉教授。現役時代は「治る可能性があれば徹底的に治す」というポリシーで、治療に取り組んできた名医だ。しかし終末期を迎えた時、彼が選んだのは自然死。かたくなに治療を拒む姿は、自身がかつて行ってきた医療行為を否定してい

るようにも見える。確かに医師の役割は、患者を治療することだ。しかしその思いが昂じて、死を“負け”と捉える医師も少なくない。権藤も倫子も長らくこうした哲学で治療を行ってきたが、それは正しかったのか。信念を揺さぶられた倫子に対し、彼女の恩師・大河内教授は言う。「死ぬ患者も、愛してあげてよ」と。

 現代の医療をもってしても、治せない病気は存在する。老化による衰弱は、防ぐことはできない。だからこそ、治らないとわかってからの終末期医療にも、もっと目を向けるべきではないだろうか。残された人生をどう過ごすか、自分はどのような終末期を望むのか、家族とも話し合う必要があるだろう。

最終章を迎えた時、倫子は施設で寝たきり生活を送る父を看取るため、ある決断を下す。それは、読者によって賛否の分かれる決断かもしれない。しかし、「こういう終末期もあるのか」と目を開かせてくれる選択でもある。

 誰のもとにも死は等しく訪れる。この本をきっかけに、“理想の死”について今一度考えてみてはいかがだろうか。

「痛い死に方」と「穏やかな死に方」分ける要因は何か

最も痛くない、苦しまない死に方として、医療関係者がこぞって挙げたのが老衰死だ。老衰死とは、直接の死因となる病気を持たず、老いによる体の機能低下で死を迎える死を指す。4年前に95歳で母親を看取った前屋庄吉氏(70・仮名)の述懐だ。

「母は生前、大病を患ったことがありませんでした。亡くなる約1か月前から食事量が徐々に減っていき、日にお粥を1~2杯食べる程度。老衰死に至るまでの最後の数日は水を少し飲むくらいでした。最期は自宅の布団の上で微笑みを浮かべたまま眠るように亡くなりました。老衰死とはこんなに安らかに死ねるのかと家族全員、驚いたものです」

 老衰死はなぜ安らかに逝けるのか。その理由を江別すずらん病院認知症疾患医療センター長の宮本礼子氏が解説する。

「老衰になり死が近づくと、私たちは食欲がなくなり、飲み込む力も衰えます。体が栄養を必要としていないのです。飢えているわけではありません。その時、点滴や経管栄養を行なわず、食べられるだけ飲めるだけの自然な経過に任せることで老衰死を迎えられる。

 最近の研究では、動物を脱水や飢餓状態にすると脳内麻薬の一種である『β-エンドルフィン』や、肝臓で生成され脳の栄養源となる『ケトン体』という脂肪酸の代謝産物が増えることがわかっています。これらには鎮痛・鎮静作用があります。そのため、眠るように死に至ると考えられています」

 つまり痛みがないどころか、この脳内麻薬によって快楽さえ感じながら、絶命すると考えられているのだ。

 では、「痛い死に方」と、「穏やかな死に方」を分ける要因は何なのか。医学博士の中原英臣氏は、生活習慣や食生活を挙げる。

「くも膜下出血や心筋梗塞、大動脈解離は、高血圧や肥満などによって、血管に過度の負担が掛かることで発症します。高カロリーな食事を摂り続ける人は、生活習慣病になりやすく特に注意が必要です。

 痛い死に方をしたくなければ、日常生活にウォーキングなど15~30分程度の有酸素運動を取り入れ、塩分や脂っこいものは控える食生活に改めることが肝要です。未病を心掛ければ、必然的に安らかな死を迎えることができるでしょう」

 逆説的に言えば、苦しまないで死ぬためには、健康に生き続けなければならないということだ。

 実は近年、この老衰死で逝く人が増えているという。老衰死による死者数は、1938年の9万8450人をピークに減り続けていた。しかし、2000年に2万1213人で底を打ち、その後、大幅に増加している。2014年には7万5000人を超え、戦後最高を記録した(厚労省・人口動態調査より)。前出の中原氏はこう分析する。

「高齢者の絶対数が増え、老衰による死亡者数を押し上げたと言えます。さらに昨今は、延命治療を断わり、自然な形での死を求める人も、少しずつですが増えてきています。日本人の死に方に対する考えの変化が、老衰死の増加に表われているのかもしれません」

死後に財産を寄付、「遺贈」希望増加

公益団体などが窓口設置

 自分の死後、財産を公益団体などに寄付したいと考える人が増えている。少子高齢化や終活への関心の高まりを背景に、今後も増加が見込まれる。団体側も専門の相談窓口を設けるなど受け入れ態勢の整備に動き出した。

 神奈川県に住む元教師の男性(68)は、死んだ後に残る預金などの財産を、貧しくて大学に行けない子どもたちの学資にしてもらおうと決めている。

 しかし、きょうだいや子どもはおらず妻も亡くなっている。死後に寄付の手続きを託せる人がいない。日本財団の「遺贈寄付サポートセンター」に相談し、6月下旬、寄付の意思を盛り込んだ遺言書を作成した。

 遺言書により、財産を特定の人や団体に譲ることを遺贈という。

 男性は奨学金を得て大学に進学した経験から「大学で学べたことが私の人生を変えた。たいした金額は残せないかもしれないが、少しでも多くの子どもを進学させてあげたい」と話す。

 同センターでは遺言書作成のアドバイスや寄付先の紹介をしている。寄付先が日本財団の場合は、手続きをする「遺言執行者」も引き受ける。

 今年4月の開設から3か月余りで300件以上の相談が寄せられ、現在も約10人と遺贈に向けた具体的な話し合いを進めている。

 日本財団によると、ある女性からの遺贈約1億5000万円を元に昨年秋、ミャンマーに障害者のためのトレーニングセンターが完成した事例もある。

 相談者は、配偶者や子どもがいないケースが大半だ。相続人が全くいない場合、遺言書がなければ遺産は国庫に入る。同センターの長谷川隆治さんは「遺産の行き先を自分で決めたいと考える人が増えているようだ」と話す。日本ユニセフ協会や国境なき医師団日本などにも、遺贈に関する相談が増えているという。

 民法では、配偶者や子らに相続を受ける最低限の権利「遺留分」を認めている。遺言書に公益団体に寄付すると書き残しても、子や配偶者がそれを知らなかったり、納得していなかったりする場合があり、後になって、遺族から遺留分の返金を求められたケースがあるという。

 また、借金の担保になっている不動産や売れる見込みのない山林などを寄付すれば、その処理を巡って面倒を掛けることになる。ある団体の担当者は「遺贈を受け入れるのは、現金化したものに限定している」と話す。

 寄付文化の普及を目指す「日本ファンドレイジング協会」代表理事の鵜尾雅隆さんは「トラブルになるのを恐れ、遺贈そのものを受け付けていない団体もある」と明かす。遺贈を決断する際には、自分の財産状況がどうなっているのか、しっかりと把握しておく必要がありそうだ。

 団体側も、希望者に適切なアドバイスができる態勢を整えているケースはまだ一部で、弁護士や税理士でも遺贈による寄付の実務を扱った経験がある人は少ない。このため、同協会は3月に団体向けの「遺贈寄付ハンドブック」を作成。法務、税務の担当者らを対象にした研修を開き始めた。

 鵜尾さんは「約50兆円ともいわれる年間相続額のごく一部でも寄付に回れば、様々な社会問題の解決につながる。遺贈が人生の集大成となる新たな寄付文化として根付いてほしい」と話している。

公正証書遺言の作成を

■遺贈に詳しい弁護士の鈴木大輔さんの話

 遺言書を自筆作成する場合は日付、署名、印鑑が必要というように形式が決まっている。遺贈によって団体に寄付をする際も同様だ。間違えると遺言書として認められず、善意の寄付をしたくても無駄になってしまう。

 形式が整っていても、内容の意味するところが不明確なケースも見受けられる。親族らとのトラブルを避けるためにも、専門家に意見を求めながら作成した方がいい。

 時間とともに気持ちが変わることもあるので、内容は定期的に見直すようにしたい。最終的には、公正証書遺言を作ることをお薦めする。第三者の立ち会いのもと公証人が作成し、公証役場が原本を保管する。間違えたり紛失したりする心配がない。

 日本財団が今年3月、40歳以上の男女約2500人に行った調査によると「遺贈による寄付をしたい」が5%、「関心がある」と答えた人が26%いた。一方、親が財産を団体に寄付すると希望したら賛成できるか尋ねたところ、「賛成」が47%、「反対」が53%とほぼ半々に割れた。

■生きている間は無理でも

 ◎取材を終えて 被災地の窮状や貧困問題などに触れる度、寄付をしようと思いつつ、行動に移せないことも多かった。ついつい、日々の生活に必要なものや、子どもの教育費、将来の老後資金のことなどが頭をよぎってしまうのだ。先行き不透明な時代、生きている間にそう簡単に多額の寄付はできない。遺贈のことを知り、せめて自分の死後、まとまった額が寄付できるくらいのものが残せればいいなと思った。

突然死の6割超「心臓病」の予兆が表れる意外な部位

 著名人の死などをきっかけにこの数ヵ月「突然死」への注目度が高まった。その死因とされた「虚血性心疾患」といういささか聞き慣れない症状も関心を集めているようだ。

 突然死とは「予期していない突然の病死」のことで、医学的定義は「発症から24時間以内に死亡に至る」ものである。病院に運ばれ翌日に亡くなるといったケースも突然死ということになる。その原因は、急性心筋梗塞、狭心症、心不全など心臓病によるものが6割以上とされ、他の原因も脳血管障害、消化器疾患などというから、突然死のほとんどは循環器系のトラブルによるものと考えてよさそうだ。

 虚血性心疾患とは心臓に血液が供給されないことによって起こる疾患のこと。狭義では狭心症や心筋梗塞など、心臓の冠状動脈の硬化性変化による狭窄や閉塞で起こるものを指し、広義では致死性の不整脈や心肥大などを含む心筋に虚血を起こす疾患の総称だという。心臓病のほとんどが虚血性心疾患を引き起こすといっても過言ではない。

 症状は心臓の動きが悪くなると、それを防ぐために交感神経が作動して闘争的な生理状態となることから引き起こされる。具体的には胸痛や胸部の苦しさ、肩から上腕にかけての痛み、嘔吐、下顎痛、歯痛、腹痛や腹部不快感などがある。

 これらの症状は程度の差こそあれ心理的ストレスへの反応にも似ているし、ここ数日まさに「肩から上腕にかけてが痛む」うえに「気分もよくない」人はビジネスパーソンには珍しくないだろう。

おそらく単なる四十肩、五十肩や心身の疲労によるものだろが、心疾患の症状は「胸」にだけ表れるわけではないことは気に留めておいたほうがよいだろう。

 なお虚血性心疾患から突然死に至る場合は、仕事中、歩行中、乗車中、テレビを観ているときなどの平常時や、用便中あるいはその直後、就眠中に突然倒れて意識を失い、反応が無い状態となるという。まさに突然意識を失うわけだ。救急搬送が必要だが、短時間で心肺停止に陥った場合には蘇生は困難という。

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