あなたの健康はお金で買えますか・・・? ■糖尿病・高血圧・血糖値・痛風・低血圧
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血糖値管理、採血いらずに 糖尿病患者の「痛み解放」

糖尿病のためインスリンを自己注射している患者が、血糖レベルを常時確認できる装置が2017年に登場、9月からは保険適用になった。指から血を採って血糖値を測る従来の方法と比べ、身体の負担が少ない上、数値の上がり下がりを連続的に見られるため、危険な低血糖になるリスクを減らせる。糖尿病治療の姿を大きく変える可能性を秘めている。

 「血糖値が下がりすぎたりしていないか、気になったときにいつでもさっと確認できる。長年のストレスから解放された」。華道家の假屋崎省吾さんはこう語りながら、シャツの左袖をまくって見せた。左上腕には五百円玉大の白いセンサーが貼り付けてある。
 そこにスマホを一回り小さくしたような読み取り装置を近づけると、約1秒で皮下のグルコース(ブドウ糖)値が、無線で読み取られてディスプレーに表示される。服やコートの上からでも、データの読み取りができる。

 假屋崎さんが装着しているのは、アボットジャパン(東京・港)が今年から国内で医療機関を通じて供給している「フリースタイル リブレ」という装置だ。センサーは微小な針が、皮膚のすぐ下にある間質液中のグルコース濃度を常時測っている。センサーは2週間ごとに取り換える。装着中に入浴や水泳・ランニングなどの運動も可能だ。

 假屋崎さんは約15年前にストレスによる過食が原因で糖尿病を発症。食事療法などに加え、血糖値をコントロールするためのインスリン注射を行っている。血糖値や注射のタイミングなどを知るため、指先に針をさして少量の血を採って血糖値を測ることを続けてきた。インスリンを使っている患者が最も気にしているのが、インスリンの効きすぎや過剰な運動によって低血糖状態になってしまうことだ。低血糖は発見が遅れると意識障害や意識不明になるリスクがある。このため患者は食事の前後や就寝前後など多い人は1日7~8回も採血を伴う測定を行っている。

 假屋崎さんが「痛みを伴う採血が苦痛だった」というように、この方法は患者の負担が大きかった。今回の装置は、連続測定をしているため、変動のパターンをたどることができるほか、血糖値が上昇中なのか下降中なのかの判断もできるメリットも大きい。
 西村理明・東京慈恵会医科大学准教授は日本に先行して「フリースタイル リブレ」を使っている海外の検証例をもとに「1日当たりの血糖値のチェック回数が増えるほど、低血糖になるリスクが下がる傾向がある」という。血糖値の変動パターンを見て、インスリン注射の回数やタイミングを工夫できるためだ。

 同様の装着型センサーを使って、最長14日間の計測を行い、患者がこれを医師に持ち込んでデータを見てもらう方法もある。これは昨年12月から保険適用になった。これまでに100件近い実施例がある松浦クリニック(東京・渋谷)の松浦憲一院長は「長期の連続データをもとに患者の血糖の変動パターンを見える化できるので、治療方針の見直しなど的確な指示ができるようになる」という。

 患者の負担額は、自分でチェックする装置を使う場合、3割負担で月額5000円ほどになる。現在は、インスリンなどを使っている患者だけが対象だが、西村准教授は「健診で血糖値が高めだと言われた人が、こうした装置でチェックして進行を予防するといった利用法も有望だ」と話す。

■糖尿病の疑い 1000万人 インスリン使用は130万人

 糖尿病は血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が異常に高くなる病気。血糖値を正常に保つホルモンであるインスリンが膵臓(すいぞう)の障害で全く分泌されなくなる1型糖尿病と、肥満や運動不足、ストレスなどをきっかけにインスリンの分泌が減ったり、効きが悪くなったりする2型糖尿病に大別される。血糖値が高いと血管が傷つき、網膜症や腎症などの合併症のほか、脳梗塞や心筋梗塞の原因になる。血流障害によって足が壊疽(えそ)を起こして切断を余儀なくされることもある。治療は食事制限や運動療法、血糖値をコントロールするインスリン療法などがとられる。1型の場合はインスリン使用が必須となる。

 厚生労働省が4~5年ごとに行っている国民健康・栄養調査によると、2016年に糖尿病が強く疑われる人は、全国で約1000万人に上ると推計された。高齢化を背景に、前回推計の12年調査から約50万人増えて、初めて1000万人の大台に乗った。インスリンの使用患者は130万人を超えるとみられている。

太っている人だけじゃない! 高血圧症のリスク

高血圧とは、文字どおり血圧が正常よりも高くなっている状態を指します。では、そもそも血圧とは何でしょうか?

 私たちの全身に張りめぐらされた血管には、心臓のポンプ作業によって血液が送り出されています。この心臓のポンプから送り出される血液が、動脈に与える圧力が「血圧」です。

心臓は収縮と拡張を繰り返すことで血液を送り出していますが、収縮している時には血液が勢いよく送り出されているので血圧が高くなり、拡張している時には勢いがないので血圧は低くなります。

血圧を測定した際の「上の血圧」とは心臓が圧縮したときの、「下の血圧」とは拡張したときの圧力というわけです。
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◆上と下、どちらの血圧が高いのかを知る

この「上の血圧」と「下の血圧」のいずれかが正常値より高いと、高血圧に分類されます。ただし、どちらの血圧が正常値よりも高いかによって、そこから生じ得るリスクなども異なります。

したがって、ただ「血圧が高い」だけでなく、上と下、どちらの血圧が高いのかを知っておいたほうが、治療をしたり日常生活で気をつける点を考えたりするうえで重要となります。
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◆自覚症状が出にくい高血圧

血圧が高くなっても、ほとんどの場合には自覚症状はなく、血圧を測定して初めて自分が高血圧だったことを知るという人も多いようです。

頭がぼーっとするなどの自覚症状が出るケースもあるようですが、多くの場合、自覚症状が出るほど重度になると、その時点で脳卒中や心筋梗塞などの発作を起こすリスクが相当高くなっている状態だと言われています。
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◆血圧が高いとどうなる?

血圧が高くなる、つまり心臓から送り出される血液の圧力が高くなりすぎると、血管がその勢いに耐えられなくなってしまいます。太くて丈夫な動脈と違って、静脈や毛細血管などはもともと作りがデリケートなのです。

血圧が高くなると、血管のカーブしている部分などに特に強い圧力がかかるため、静脈や毛細血管が破れることも考えられます。血管のダメージが心臓近くで起きれば心筋梗塞や狭心症、心不全につながりますし、脳の近くなら脳卒中や脳梗塞などのリスクが生じます。
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◆高血圧に対する治療法

高血圧の治療としては、それほど重度ではない場合には、生活習慣や食生活を見直す方法が選択されます。重

度の場合には、それらに加えて薬物治療によって血圧を下げる方法が適用されます。食生活としては、塩分を控える、カフェインなど神経を刺激するものを避ける、飲酒や喫煙などを控える──といったことが大切となります。

高血圧は肥満などの体型とは関係なく発症するものなので、自分はスリムだからといって安心はできません。家庭用の血圧測定器を使って、普段から血圧をチェックする習慣をつけることも効果的です。

糖尿病と食事の関係【糖尿病患者が食べていいもの・ダメなもの】

糖尿病を発症してしまった場合、一般的には運動療法や食事療法といった治療法がとられます。その中でも食事療法は、それまで好んで食べていた食材がNGになってしまうことも多く、慣れるまでに根気と時間がかかります。

特にお米やパンなどの炭水化物が大好きという人にとっては、食事を楽しめなくなってしまうかもしれません。

◆食事療法の基本

では、なぜ糖尿病の治療に食事療法が必要なのでしょう? 糖尿病は、血糖値を正常に保つインスリンが十分に分泌されず、血糖値が異常に上がってしまう病気です。これが長期にわたると、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症などの糖尿病慢性期合併症につながります。

そこで糖尿病の治療では、血糖値の上昇を防ぐためにバランスのとれた食事をし、さらに運動によって血液中の糖をエネルギーとして燃焼させるという方法をとります。
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◆血糖コントロール

糖尿病と診断されて食事療法を行う場合、どんな点に気をつければよいでしょうか? 食事療法の考え方にもいくつかありますが、肝心なのはまず、血糖のコントロールです。

糖質(炭水化物)を摂取する際も、血糖値の上がりやすい白米や食パン、うどんなどの精製された炭水化物ではなく、玄米や全粒粉の小麦粉などに代えることで血糖値の上昇を緩やかにすることができます。

また、タンパク質や脂質、ビタミン、ミネラルといった各栄養素をバランスよく摂取することでも、血糖値の上昇を抑えられます。さらに、毎日きちんと3食、決まった時間に食事をすることも、血糖コントロールをするうえでは重要です。
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◆総カロリーにも注意

また、1日の摂取カロリーも制限します。1日の適正カロリーはその人の体格や日々の運動強度にもよるので一概には言えませんが、「腹七分目」がひとつの目安となります。より正確な適性カロリーは、お医者さまと相談して決めましょう。

カロリーを抑えることで、太り気味の人は肥満の解消にもつながります。最近では糖尿病の人向けの食事メニューが書籍やウェブサイトなどで多数公開されているので、それらを参考にするのも手です。

若いうちから知っておきたい糖尿病についての基礎知識

生活習慣病の代表的存在として知られる糖尿病。その名称から、甘いものをたくさん食べるとかかってしまう病気と考えている人もいるかもしれません。しかし、その認識はいささか的外れです。

糖尿病をひと言で表現するなら、「炭水化物の代謝障害によって血糖値が以上に高くなる病気」です。

◆血糖値が異常を示す病気

お米やパンなどの主成分である炭水化物は、体内に入るとブドウ糖へと分解されます。ブドウ糖は体を動かすのに必要なエネルギー源として、血液に含まれます。

血中のブドウ糖の濃度(血糖値)は、通常、インスリンをはじめとするホルモンによって血液内で一定範囲内の濃度に保たれます。糖尿病はこの調節機能が正常に働かなくなり、血中のブドウ糖の濃度(血糖値)が異常に高くなる病気です。その結果、糖が尿と一緒に排出されるなどの症状が出ます。
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◆糖尿病に見られる諸症状

糖尿病は、初期段階では自覚症状がほとんどない疾患としても知られています。生活習慣病を意識せずに生活していると、気がついた時には重度の糖尿病になっていた、ということも珍しくありません。

糖尿病が進行すると、尿の頻度が増える、目がかすみやすくなる、また、口内が異常に乾く、などの症状が出るようになります。また、カラダがいつもだるくて何もする気が起こらないという自覚症状も多く見られます。
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◆糖尿病が疑われる時は?

糖尿病の診断には血液検査が行われます。血液中の血糖値やブドウ糖負荷試験など複数の検査が行われ、1つでも基準値を超えると糖尿病と診断されます。

ハッキリとした自覚症状が出ている重度の場合には、1度の検査ですぐに診断できることもありますが、血糖値は空腹時や時間帯、体調などによって変化するため、何度か検査を行ってから診断されることもあります。

何回も検査が必要だと言われからといって、病気が重度だったり、他の深刻な疾病を併発しているととは限らないので、むやみに心配する必要はありません。
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◆糖尿病と診断されたら

糖尿病と診断された人は、軽度の場合は食事療法と運動療法による治療を行います。

一方、重度の場合、体内でブドウ糖を分解するインスリンが十分に分泌されていない場合には、薬物療法としてインスリン注射による治療が適用されます。糖尿病は、進行するとインスリンの分泌能力が低下する場合があります。

そのため、日常生活を送るうえでは不自由がないような場合でも、薬物療法が必要と判断されることもあります。糖尿病には即効性のある治療法がないため、治療には長い期間がかかります。食生活や生活習慣を見直しつつ、根気よく病気とつき合っていきましょう。

【自宅で簡単】高血圧をチェックする正しいやり方

●血圧の自己測定をする

高血圧を管理するためには、自分の血圧を正しく把握することが欠かせません。そのためには、毎日、血圧の自己測定をすることが大切です。なぜなら、病院で血圧を測ると、「白衣高血圧」といって、緊張して一時的に血圧が上がってしまい、正確に計れないケースがあるからです。

家庭で血圧を測ると、毎日同じ時間、同じ条件のもと、リラックスした状態で測定できるので、より正確な血圧を把握することができます。また、日々の血圧を記録しておけば、医師の診断にも役立ちます。

【測定するタイミング】
・朝晩それぞれ1回以上計ります。
・朝は、起床後1時間以内、排尿後、薬の服用や朝食の前に、いつも自分が座る姿勢で、1~2分間安静にした後。
・夜は、就寝前に、いつも自分が座る姿勢で、1~2分間安静にした後。
・飲食、入浴、運動、おしゃべり、喫煙をしたときは、30分以上経ってから測定します。
・測定する5分前までに、トイレは済ましておきます。

【測り方】
・家庭用血圧計にはいろいろな種類のものがありますが、上腕に巻くタイプがもっとも正確に計れます。
・腕は机などに乗せ、心臓と同じ高さで血圧を計るようにします。

●早寝早起きを心がける

朝、時間がなくてバタバタしていると、慌ただしい動作や気持ちの焦りで、血圧が上昇してしまいます。ゆっくりと余裕を持って、朝の時間を過ごせるように、早起きをする習慣を身につけましょう。

また、眠っているときは血圧が下がるので、高血圧の人でも、睡眠中は血圧が正常になっていることが多いのです。このため睡眠中は、昼間の高い血圧によって傷ついた血管を、修復できる貴重な時間帯です。夜はなるべく早めに寝て、しっかりと睡眠時間を確保しましょう。

●寒さにも注意

冷たい冷気に触れると、体温を逃さないように交感神経が働いて、血管を収縮させるので、血圧が上がってしまいます。冬場に外出するときは、手袋やマフラー、帽子、マスクなどを着用して、肌が外気に触れないようにしましょう。衣類は、厚手のものを1枚だけ着用するよりも、重ね着したほうが、空気の層ができて温かくなります。

また、暖房の効いた室内から冷えきったトイレに移動する、冷えた寝室で暖かい布団から出たりするなど、寒暖の差が激しいと、一気に血圧が上昇してしまいます。

部屋を出るときは、上着を羽織る、目覚める前に寝室が暖かくなるように、暖房のタイマー設定をしておくなど、温度差をなくすように工夫しましょう。

妊娠中だけじゃない?「葉酸」には高血圧を防ぐ効果がある?

血圧を予防するにはどうしたらいいでしょうか? 実は、同じ疾病に対する予防でも、その方法によって男性と女性で効果が異なるケースがあります。

男性には効果がある方法でも、女性に対してはあまり効果が期待できないということも珍しくありませんし、逆の場合も同様です。また、同じ女性でもホルモンバランスや妊娠・出産の回数など、さまざまな条件によって最適な方法が異なります。

したがって、万人にオススメできる予防策というのはなかなかないというのが実情なのです。しかし、そんな中で、多くの女性に一定の疾病予防効果が確認されている成分があります。それが「葉酸」

妊婦以外の女性にも効果あり

葉酸は、妊娠中の女性がサプリなどで摂取すると言われている成分の1つで、細胞の合成や修復を助ける、赤血球の合成を促すといった働きを持ちます。近年では胎児の正常な発育に必須の栄養素として、妊婦が摂取することが勧められている栄養素なので、ご存じの人も多いでしょう。

実は、この葉酸が有効なのは妊娠中に限ったことではなく、成人女性の高血圧に対する予防効果があることが確認されているのです。
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葉酸を多く含む食品とは?

葉酸は、レバーやウナギ、ウニ、モロヘイヤ、パセリなどの食物に多く含まれている成分ですが、普段の食生活で十分な量を摂取するのは簡単ではありません。

そのため、この成分を効率的に摂取したいときは、サプリメントを利用するといいでしょう。

サプリで葉酸を毎日摂取していると、高血圧になる確率を20%ほど抑えられると言われています。葉酸は人間の体には必須の成分の1つですが、高血圧の予防の面でも積極的に摂取したい栄養素と言えます。
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効率的な摂取にはサプリがオススメ

それでは、どのぐらいの量を摂取するのが理想的なのでしょうか? 

厚労省によれば、1日あたり0.4mgが目安とされています。一般的な食品でこの量を摂取するには、100%のオレンジジュースで1リットル。これを毎日続けるのは現実的ではありませんね。

また、レバーやウナギ、モロヘイヤといった上記の食品も、毎日食べ続けるのは困難です。

その意味でも、確実に必要な量を摂取するには長く続けやすいサプリを利用するのが効率的と言えます。価格的にもそれほど高価なサプリではないので、1か月あたり1000円以下で続けられるものを選ぶといいでしょう。

糖尿病にかかりやすい人ってどんな人?

俗に、大人になっても甘いものが大好きな人は糖尿病にかかりやすいと言われますが、この疾患は甘いものと直接的な関係があるわけではありません。実は、生活習慣病である糖尿病(2型)の発症する原因は、完全には明らかになっていません。

現在は、遺伝的に糖尿病になりやすい体質の人が、糖尿病になりやすいような生活習慣を送ることで発症するという見方が一般的です。

糖尿病にかかりやすい生活習慣とは

では、遺伝的に糖尿病にかかりやすい体質の人の場合、どんな生活を送っていると糖尿病を発症しやすいのでしょうか?

 ひとつは「肥満」です。肥満と糖尿病の直接的な関係は、まだ完全に解明されたわけではありませんが、血糖値を適切に保つためのホルモンであるインスリンの働きが、過剰な体脂肪によって妨げられるのではないかと考えられています。

つまり、肥満につながるような食生活を送っている人は要注意といえます。

ほかにも、運動不足や喫煙、ストレスなどがリスク要因として指摘されています。ただし、糖尿病はこれらのほかにも多くの要因が複合的に作用することで発症するものなので、これらをすべてクリアしたとしても発症する可能性はゼロではありません。

逆に、肥満だからといって必ず発症するわけでもありません。その前提をふまえたうえで、糖尿病になるリスクをできるだけ小さくするには、規則正しい生活やバランスのとれた食生活、適度なストレス発散といったことを心がけるとよいでしょう。
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糖尿病は自分で防げる?

糖尿病は世界中で見られる病気ですが、日本人の場合、9割以上は生活習慣が大きく影響する「2型糖尿病」と呼ばれるものです。つまり、日本人の糖尿病は、生活習慣や食生活に気をつけるだけで回避できる可能性が大いにあるのです。

糖尿病予備軍は「血糖値が低い」と安心するのは間違い

このところ過ごしやすい日が続いて体調がいいという人も多いはず。しかし、糖尿病予備群の人は油断してはいけない。たまたま測った血糖値が春の健康診断よりも良かったとしても、それで安心していると数カ月後に糖尿病を発症しているかもしれない。サラリーマンの病気に詳しい、「弘邦医院」(東京・葛西)の林雅之院長に聞いた。

■秋は低いのが当たり前

「血糖値の季節変動については国内外で複数の研究論文がありますが、いずれも一年中で夏から秋にかけて低く、冬から春にかけては高くなる傾向にあります」

 岐阜県高山市内の総合病院が2012年までの4年間に同院でHbA1cを測定した患者を調べたところ、年によって違いがあるもののHbA1cが最も高かったのは1月と3月で、最低月は8、10、11月だった。HbA1cの平均値が1年間で一番高かった月と低かった月の差は0.35~0.50%。富山、大分、福島などでも同様の報告が行われており、高低差はおおむね0.2%だった。

「こうした傾向の理由のひとつに運動不足が挙げられます。高山市は1、2月の平均気温が氷点下になる場所です。他の報告も同じように気候の厳しいところで行われていることから、夏は体を動かせるのに冬は寒くて運動不足になるのが原因ではないかと考えられているのです」

 冬はクリスマスやお正月などのイベントも多い。その際の過食もその理由のひとつという説もある。

「ならば、その時期に節制すればよいと考える人もいるかもしれません。しかし、HbA1cに対する食事の影響は1カ月前が50%、2カ月前は40%、3カ月前は10%程度に過ぎません。お正月やクリスマスの過食の影響だけが3月のHbA1cの高さの理由にはなりません」

 実はアラスカからフロリダまでを含めた米国の退役軍人を2年間追跡した結果でもHbA1cは冬から春に高く、夏から秋にかけて低いことが分かっている。

「つまり過食や運動不足以外の理由でいまはHbA1cが下がっている可能性があるのです」

■冬にかけて一気に上がる

 問題は、秋のこの時期にHbA1cが要経過観察・生活改善値となる6.0~6.4の人は、冬になると要治療となる6・5を簡単に超えてしまう可能性があること。

「それを知らずに、“オレは過食や運動不足を続けてもいずれ血糖値が元に戻る体質だ”などと思い込んでいる人は、寒くなると合併症予防の目標値の7.0も簡単に超えて、気がついたらインスリン注射のお世話になってしまいかねません」

 糖尿病の境界型の人はいま、どんなことに気をつければよいのか?

「内臓の脂肪の多い人はいまの体重から4~5%減らしましょう。糖尿病の発症率を抑えられるとの報告もあります」

 どうしても体重が減らない人は筋肉をつけることに専念するのも手だ。

「筋肉は糖分の保管場所で血糖値の調整も筋肉で行われます。筋肉量が減ると糖分の居場所がなくなり、血糖値が上昇するのです。加齢とともに太ももやお腹を中心に筋肉は減るので中高年は重点的に鍛えるのがよいでしょう。運動嫌いなら階段を下りる習慣をつけましょう。上りより下りの方が筋肉は鍛えられます」

 そのためにプロテインを朝食前に飲むのもいいかもしれない。

「プロテインは飲んで筋トレをすると筋肉がつきやすくなるだけではありません。牛乳成分からつくられ吸収が早いホエイプロテインを食前に飲むと血糖値を改善するといわれています。血糖値を下げるインスリンの分解を促進するホルモンを抑制する働きがあるからです」

 ただし、プロテインの過剰摂取は健康を損なう恐れがある。食事で取るタンパク質の量との調整をしつつ、腎臓や肝臓の悪い人は医師に相談する必要がある。

「果物は意外に血糖値を上げないといわれます。食物繊維のおかげで血糖値を抑える、腸管での吸収が遅いうえ多くはエネルギーに使われるからです。ただし、食べ過ぎれば血糖値は上がります」

 ちなみに糖尿病患者が1日で取ってよい果物の目安はりんごなら半分、みかんなら2個だ。

「お酒のアルコールは体内でブドウ糖にならないためにそれ自体が血糖値を上げることはありません。しかし、肝臓内のグリコーゲンをブドウ糖に変える働きを促進するため一時的に血糖値を上げます。おつまみの揚げ物は衣に使われている小麦粉が血糖を上げる一因となります。いずれも取り過ぎに注意が必要です」

ビールを美味しく飲むために… 知っておきたい痛風の仕組みと関連性(2)

 一方で、痛風の発症自体が必ずしも尿酸値の高い、低いで決定づけられるとは一概に言えないという説もある。そこで、痛風の発症メカニズムについて、もう少し詳しく触れておこう。「血液中の尿酸値が高い状態が続くと、関節などに尿酸が溜まって結晶化します。それが剥がれ落ちたとき、白血球が結晶を“異物”と認識して攻撃してしまい、その際に激しい痛みが発作として表れるのです」(同)

 一般的に尿酸の蓄積は健康診断でも示されるが、『日本痛風・核酸代謝学会』のガイドラインでは、血中尿酸濃度が7mg/dlを超えると、年齢・性別を問わず「高尿酸血症」と定義されている。つまり、痛風予備軍の仲間入りをするとしているのだ。「ただし、尿酸値が“7”を超えると尿酸が結晶化しやすいとはいえ、この数値はあくまで目安です。臨床の現場では、7未満でも痛風発作を起こす人がいる。そのため、“7”という数値で線引きするという考えは改めるべきです」(同学会関係者)

 また、東京都多摩総合医療センター内科担当医も、痛風の発作と尿酸値の関係について、こう説明する。「よく言われますが、尿酸値さえ下げれば痛風は起こらない、という考えは間違いです。複数の調査で、尿酸値が高い人は、もともと末期腎不全などの腎機能障害や心血管障害のリスクが高いことが分かっている。こうした患者は、痛風患者と違って命に関わる病気ですので、治療も人工透析が必要です。

しかし、『尿酸値が高いから腎機能障害や心血管障害が起きる』、あるいは『腎機能障害が起きているから尿酸値が高い』、『腎機能障害のせいで心血管障害を起こしやすい』については、まだはっきりと分からないところがあります。言えるのは、こうした機能障害を防ぐには、生活習慣を見直し、尿酸の“低値”を目標にすべきということです」つまり、痛風には未解明の部分があるものの、尿酸値が高いと言われたからといって、直ちに痛風に結び付けるのではなく、むしろ心血管障害などのリスクを負っていることも念頭に置くべきということだ。

 厚生労働省の国民生活基礎調査(2015年)では、痛風で通院している患者は全国で約96万人で、10年前に比べると4倍近く増加していることが分かる。そのうち男性が約9割を占め、発症は30代が最多で20代もまれではない。 生活習慣病の予防アドバイザーの健康管理士・長剛正氏は言う。

 「痛風の発症には、遺伝的な体質と食生活などの環境要因が絡んでいると思います。食事で注意すべきは、プリン体の摂り過ぎ。動物の内臓や魚の干し物、白子などに多く含まれます。もちろん、ビールもプリン体を含み、痛風の原因と言われますが、そもそもアルコールのすべてが、体内で尿酸を大量に作り、尿酸の排泄を妨げます。ビールに限らず飲み過ぎは避けることです」

 肝臓や腎臓は、尿酸を体外に排出する働きを持つが、ビールを毎日のように多量に飲んでいると疲弊し、尿酸の排出機能は低下する。ビールが痛風の“原因”と言われるのも、その状態で蓄積される上に排出が抑制されるという負の連鎖が起こりやすいためだ。豆腐や枝豆、鳥のささみなどのつまみを食べながら、適量でたしなむ…それが美味いビールを飲み続けられる秘訣だ。

ビールを美味しく飲むために… 知っておきたい痛風の仕組みと関連性(1)

 まだまだ続く猛暑。キンキンに冷えたビールを1杯やるのはまさに至福のひと時だ。しかしこのビール、健康面から見ると、かなり誤解されている点も多い。

 ビールを飲み過ぎると“太る”し、足の指がちぎれるほどの痛みに襲われる「痛風」の元凶と言われると、さすがに“ビール党”も黙ってしまう。中でも痛風に関しては、ビール自体が原因と思い込んでいる人が多く、そのために飲むことを避けようとする風潮さえある。

 しかし、医療関係者はこう言うのだ。
 「確かに、ビールにはプリン体という痛風を誘発する物質がありますが、それが痛風の発作を引き起こす“真犯人”のように決めつけてしまうことは誤解と言えます」

 ある大学の研究グループなどによれば、むしろビールは健康を促進する働きが多くあり、動脈硬化などを予防するといった研究結果がいくつも報告されているという。その一つに、ギリシャ・アテネのハロコピオ大学の研究チームが、20代後半から30代前半の非喫煙者17名を対象に行った実験結果がある。彼らに400ml(中ジョッキ1杯)のビールを飲んでもらい、2時間後に心臓や血管といった循環器系にどのような影響があるかを調べたのだ。

 「その結果、被験者たちのいずれも血流がよくなり、動脈の硬さもなくなっていることが分かった。また、ノンアルコールビールやウオッカでも実験したが、動脈の硬さに関してはどちらも一定の効果が見られたが、ビールほどの効果がないことも判明したというのです」(健康ライター)

 つまり、ビールは動脈硬化によって引き起こされる心筋梗塞や脳卒中などの予防にもつながるということだ。また、北海道大学大学院保健科学研究院でも、ビールの原料であるホップに含まれる「キサントフモール」に、動脈硬化を予防する効果があるという研究報告をしている。

 しかし、動脈硬化の予防や健康促進の働きがあることは理解できたとしても、肝心の痛風との関係はどうなのか 総合医療クリニックを運営する久富茂樹院長に聞いてみた。 「ビールにはプリン体が多く、尿酸値を上げるため、痛風の天敵と言われています。

他のお酒に比べてもプリン体が一番多く含まれていますが、実際の含有量を調べると、ビール1杯当たりのプリン体は、ご飯1膳分程度。ビール500ml程度までなら、痛風患者が飲んでも問題ありません。むしろステーキやエビ、納豆などの食品の方が遥かに多く、ビールはこれらに比べても数10分の1と、含有量は少ない。そんなに気にする必要はないのです」

 むしろビールには利尿効果があるし、適量でさえあれば尿酸値を下げる効果も期待できるという。

糖質制限すると糖尿病になる! 衝撃データを公開

糖質摂取量と糖尿病患者の関係について、衝撃のデータが存在する。2002年に1日平均で271.2グラムだった炭水化物(糖質+食物繊維)の摂取量は、2014年に255.8グラムまで減少した。その一方で糖尿病患者は同時期に228万人から317万人まで増加したというのだ。浜松医科大学名誉教授で内科医の高田明和氏が話す。

「この12年間における“糖質制限ブーム”や健康意識の高まりで、日本人の糖質摂取量が1日平均15グラム減ったにもかかわらず、糖尿病患者はおよそ100万人も増えました。もちろん高齢化の影響もあるのかもしれませんが、それにしても糖質制限との『負の相関』が際立っている。この矛盾は、“糖尿病のパラドックス”と呼ばれています」

 人間が摂取した糖質は血液中に溶け込んで「血糖」となり、全身に運ばれて生命活動を維持するエネルギー源となる。血糖の量を示す「血糖値」は食事をすると増加し、通常は食後1~2時間をピークに減少する。

 このとき、一定の時間を超えても血糖値が下がらない状態が「糖尿病」だ。糖尿病になると血糖が血管を傷め、脳梗塞や心筋梗塞など命にかかわる合併症を招くこともある。

 糖尿病対策として重要なのが「血糖値を低くコントロールすること」だ。「糖質制限」によって血糖値を上げる原因となる糖質を減らす。これが近年、主流となっている糖尿病への対策であり、そのための食事法も関心を集めている。

 だが、先に挙げたデータは、糖質制限が糖尿病の対策にならない可能性を示唆している。それどころか「糖質制限が糖尿病の原因となっている可能性がある」(前出・高田医師)というのだ。

「糖質を制限すれば、体内から糖が無くなるわけではありません。体内の糖質が不足すると、脳が活動を維持できなくなるなど命にかかわる障害が出てしまう。それを防ぐために、筋肉を分解して糖を生み出す『糖新生』という反応が起こります」(同前)

 糖新生は、空腹とともにストレスを感じた際に脳から分泌されるホルモン「コルチゾール」によって引き起こされる。だが、筋肉を溶かしてまで糖を生成する「コルチゾール」が分泌されるほどの低血糖状態は、人体にとってかなりイレギュラーなことだという。

「低血糖状態から体を守るために、コルチゾールは糖新生と同時に、上げた血糖値を維持するために『インスリン』の効きを悪くして血糖値が下がるのを防ごうとしてしまいます。そうなると、今度はインスリンが効かなくなってしまう。その結果、血糖値を下げられなくなって、糖尿病になるという可能性が指摘されているのです」(同前)

 高齢者はそのリスクがより大きくなるという。

「高齢者は加齢にともなって筋肉繊維が細くなり、筋肉が衰えている。その状態で糖質制限により『糖新生』が起きると、筋肉がさらに衰えてしまいます。

 筋肉が衰えすぎてしまうと、L-システインというアミノ酸の血中濃度が増し、さらにインスリンの効きが悪くなって血糖値を低くコントロールできなくなることが研究でわかっています」(同前)

 糖質を制限するとインスリンが効きにくくなるうえに足腰が衰え、それがさらなる糖尿病リスクを生じさせる。「糖尿病パラドックス」は「負のスパイラル」に発展しかねない、という指摘である。

◆インスリンを作れない!

 糖質摂取を減らすことが健康法として注目される半面、「糖質制限で糖尿病になる」という説は近年、世界の研究機関が懸念するテーマとなっていた。

 豪メルボルン大学のラモント教授が2016年に科学雑誌『nature』オンライン版に発表した論文によると、「低炭水化物食」(糖質制限食)を与えたマウスは、インスリンを生成する「β細胞」の機能が減少していた。

「糖質制限を始めるとインスリンの分泌が減り、生成元である『β細胞』の活動が低下する。使わないと衰える筋肉と同じように、ある程度の期間、糖質制限を継続すると、休み過ぎでβ細胞の機能低下を招きます。そうなると、糖質を摂取した際に、インスリンを分泌できなくなり、高血糖状態になってしまう」(前出・高田氏)

「ペットボトル症候群」で知らないうちに糖尿病に

 糖尿病治療は、ここ10年で飛躍的な進化を遂げている。国内には多くの罹患(りかん)者がいるといわれているが、治療に対する抵抗などから、早期段階で病院へ行き治療を受ける人は少ないようだ。病気の進行を防ぐためにも、正しい知識を身につけたい。

 東京都に住む会社員の山本宏志さん(仮名・51歳)は、健康診断で血糖値が高いことを指摘された。太り気味ではあったが自覚症状はなく、病歴もない。念のため東京医科大学病院へ足を運び検査をしたところ、血糖値は380ミリグラム/デシリットルだということが判明した。正常値は、空腹時血糖が70~110ミリグラム/デシリットル、食後でも血糖は140ミリグラム/デシリットル未満である。

 山本さんを担当した、同病院の糖尿病・代謝・内分泌内科主任教授、小田原雅人(おだわら・まさと)医師は次のように語る。

「ここ数年で激増しているのが、ソフトドリンクの大量飲用による糖尿病の発症や悪化です。俗に『ペットボトル症候群』ともいわれています。清涼飲料水は大量の糖分が含まれていますが、冷たさのため甘みをあまり感じず、知らず知らずのうちに過剰摂取してしまいます。水分補給は大切ですが、糖分を含むものを必要以上に摂取しないことです。最近、高血糖による昏睡(こんすい)状態で病院へ運ばれる人も出てきているのです」

 診断時に聞いてみると、山本さんは清涼飲料水を好み、毎日欠かさず飲んでいたという。小田原医師は、この「ペットボトル症候群」の増加を憂えている。

 現在、国内の糖尿病患者は約890万人、予備軍を含めると約2210万人といわれている。

糖尿病の薬(3) 「GLP‐1受容体作動薬」

第4回 砂漠のトカゲから生まれたGLP‐1受容体作動薬

■ インクレチン作用のある注射薬
 前回は、インクレチン作用(食事をすると分泌されるインクレチンが、インスリンの分泌を促し、グルカゴンの分泌を抑えることで血糖値を下げる作用)を持続する飲み薬でしたが、今回はインクレチン作用のある注射薬のお話です。

 インクレチンには、GIPとGLP‐1の2種類があります。糖尿病がある場合、このうちのGLP-1によってインスリン分泌が促されることが研究で確認され、薬としての開発が始まりました。しかし、残念ながらGLP-1は体の中で速やかに分解されてしまうという問題がありました。

■ トカゲの唾液から
 1992年にアメリカドクトカゲの唾液からヒトのGLP‐1と50%以上同じ構造をした物質が発見されました。このトカゲは砂漠に生息し、食べ物に遭遇する確率が低いため、食べられるときに食べられるだけ食べ、体に蓄積します。そのため大量のインスリンを必要としますが、血糖値はほとんど上がることがないといいます。このことから、体内でインクレチンが多く作られているのではないかと考えられたようです。このトカゲの唾液から発見された物質によって人工的に合成、化合されたエキセナチドはGLP-1以上の効果があり、さらに体内で分解されにくく、持続性も兼ね備えていました。そして2005年にGLP‐1受容体作動薬として米国で認可され、使われ始めました。


■ 安全、効果的に使うために
 GLP‐1受容体作動薬はインクレチンを体外から補充するので、DPP-4阻害薬より、強いインクレチン作用が期待できます。また、インクレチン作用は血糖値が高くなりそうなときにだけ効くので、この薬を単独で使用した場合、低血糖が起こりにくいです。注意点としては使い始めに、気持ちわるさや嘔吐(おうと)などの消化器症状が出ることがありますが、継続して使うことで軽減されます。

 GLP-1受容体作動薬は10年に日本で認可され、現在5種類の注射薬があります。毎日注射をする必要がありましたが、近年GLP-1の持続性をさらに高める工夫がされ、週1回タイプも開発されました。週1回の注射器は、空打ちや針の着脱が不要な使いきりの注射です。便利ですがやり直しがきかないので、しっかり注射の手順をマスターし、決まった曜日に忘れずに注射してください。

最後に、GLP-1受容体作動薬はインスリン分泌作用がありますが、インスリンの代わりにはなりません。血糖コントロールにインスリンが必要な場合は中止することなく必ず続けましょう。

富山大学附属病院
薬剤部 格谷美奈子(かくたに・みなこ)

血圧を下げる方法

●ストレスを溜め込まない

血圧を下げるためには、食生活を改善したり、運動する習慣を持ったりすることも大切ですが、もう1つ忘れてはいけないのが、ストレスを溜め込まないようにすることです。

私たちの体はストレスを感じると、交感神経が刺激され、血管が収縮し、血圧が上昇してしまいます。

ストレスをまったく感じずに生活していくのは不可能ですが、マイナス思考に陥りそうになったら気分転換をする、不満があれば我慢しすぎずに相手に伝える、ときには無理せず休む、完璧でない自分を受け入れる、

没頭できる趣味を持つ、意識的に口角を上げて笑うようにする、ゆっくりと深呼吸する、リラックスタイムを持つなど、慢性的にストレスを溜め込まないような工夫をしましょう。

●ギャンブルはほどほどに

ストレスを発散するために、競馬や競艇、競輪、パチンコ、麻雀などをするという人も、少なくないかもしれません。

でも、こういった賭け事や勝負事は、やっている最中に白熱してくると血圧が上昇しますし、勝負に勝って大喜びしたとき、負けて悔しい思いをしたときなど、勝敗がついたときも血圧が上がるものです。賭け事や勝負事はほどほどにし、あまりのめり込まないようしましょう。

●車の運転にも注意

車の運転をすると、長時間緊張を強いられたり、興奮しやすくなったりするので、交感神経の働きが活発になり、血圧が上昇します。なんでも、血圧が正常な人が機嫌の良い状態で運転をしても、収縮期血圧が30~40 mmHgほど上昇するという研究報告があるそうです。

機嫌が良い人でも、これだけ血圧が上がるということは、渋滞に巻き込まれたときやマナーの悪い車、歩行者に出会ったときなどは、さらに血圧が上昇するということ。血圧の高い人は、マイカー通勤をやめて電車通勤にするなど、車の運転を控えめにしましょう。

ただし、満員電車に乗車するのも、血圧を上昇させる原因になります。通勤ラッシュの時間帯を避けたり、各駅停車を利用したりするなど、なるべく混雑を避けるようにしましょう。

高血圧のためのサプリ、トクホ食品

●特定保健用食品って何?

最近では、高血圧の予防・改善を期待できる「特定保健用食品」がたくさん市販されているので、こういったものを利用するのもオススメです。

特定保健用食品(トクホ)とは、体の生理学的機能などに影響を与える特定の成分を含んでいて、「血圧を正常に保つことを助ける」「お腹の調子を整える」なと、具体的な機能の表示が、消費者庁(以前は厚生労働省)によって認められた食品のことです。「トクホマーク」とも呼ばれる許可マークが記載されているのが目印になります。

錠剤や顆粒だけでなく、清涼飲料水や粉末スープ、菓子など、さまざまなタイプのものがあり、スーパーやコンビニやドラッグストア、インターネットの通信販売などで、誰でも手軽に購入することができます。

●高血圧に有効な関与成分は?

血圧を下げるのに有効とされる成分には、「ペプチド類」や「杜仲葉配糖体 (ゲニポシド酸)」などがあります。

ペプチド類高血圧への効果が期待できるペプチドには、かつお節オリゴペプチド、サーディンペプチド、カゼインドデカペプチド、わかめペプチドなどがあります。

これらのペプチド類には、血圧の上昇に関わっている「アンジオテンシンII 」というホルモンの生産に関わる「アンジオテンシン変換酵素」の作用を抑えることで、血圧を下げる効果があります。

杜仲葉配糖体 (ゲニポシド酸)杜仲の葉に含まれる天然成分です。副交感神経に働きかけて、動脈の筋肉(平滑筋)の緊張をやわらげ、血管を拡げて、血圧を下げる効果があります。

●特定保健用食品を利用するときの注意点

ただし、特定保健用食品は健康食品なので、「これさえとっておけば大丈夫」というものではありません。

高血圧の予防・改善は、「塩分摂取を控える」「コレステロールや脂肪の摂取を控える」「カリウムを多く含む野菜や果物を摂取する」「適正体重を維持する」「喫煙や過剰な飲酒をしない」「適度な運動をする」など、食生活や生活習慣を見直すことが基本です。こういったことを続けた上で、補助的に利用するようにしましょう。

また、たくさん摂取すれば効果が上がるというわけでもありません。パッケージに記載されている摂取量をきちんと守りましょう。

そして、降圧剤やほかの合併症の治療薬を利用している場合は、事前に担当医に相談してから、特定保健用食品を利用することが大切です。

目が見えなくなる!? 糖尿病の本当の怖さは合併症にある…!

糖尿病の合併症として発症する白内障を糖尿病白内障と言います。糖尿病白内障にも種類があり、それぞれ原因も異なります。

●糖尿病白内障ってどんな病気?

「糖尿病」は、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンが不足したり、作用が弱まったりすることで、血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)が慢性的に高くなる病気です。白内障の中には、この糖尿病の合併症として発症するものもあり、これを「糖尿病白内障」と言います。

糖尿病白内障には、高血糖そのものが原因で発症する「真性糖尿病白内障」と、老化現象のひとつである加齢性白内障が併発する「仮性糖尿病白内障」の2種類があり、大半の場合は、加齢性糖尿病白内障だと言われています。

糖尿病で水晶体が白濁するのは、血糖値のコントロールがうまくいかなくなることで「ソルビトール」という物質が水晶体の中に作られて蓄積することや、毒性が高く老化を促進する「終末糖化産物」が蓄積すること、酸化ストレスなどが原因ではないかと考えられています。

しかし、詳しいメカニズムは、まだはっきりとわかっていません。

●症状と対処法

糖尿病白内障になると、水晶体が白く濁ってくるので、視界がかすんで見えたり、濁った水晶体に光が散乱し、明るい場所でまぶしく感じたりするなどの初期症状があります。

この時点では、まだ異変に気づかない人も多いようですが、症状が進行すると、視力の低下も現れるので、視力障害を自覚するようになります。特に真性糖尿病白内障の場合は、症状の進行スピードが早いという特徴があります。

糖尿病白内障の発症・進行には、血糖コントロールや、糖尿病を患っている期間、年齢などが深く関係していると考えられます。特に血糖コントロールは、白内障の発症や進行スピードを遅らせる効果があると期待されています。

しかしいくら血糖コントロールがうまく作用していても、一旦白内障を発症してしまうと、進行を止めることはできません。日常生活に支障が出るほど白内障の症状が進行してしまった場合は、水晶体を人工の眼内レンズに交換する手術を検討した方が良いでしょう。

血糖値が高いなど、糖尿病の病状が安定しない状態で手術を受けると、他の合併症を引き起こす可能性があります。糖尿病のコントロールがうまくいっている状態で手術を受けることが大切です。

高血圧の【食事療法】【運動療法】【薬物療法】

●食事療法

高血圧は、それだけでは、とくにこれとった自覚症状がありませんが、放っておくと動脈硬化を促進させ、脳や心臓、腎臓などに深刻な合併症を引き起こします。

そのため、高血圧の治療は、血圧を下げることそのものではなく、将来的に合併症を予防することを目的として行われます。

高血圧には、食生活や生活習慣の乱れがなど大きく関わっているので、「食事療法」や「運動療法」で、生活改善していくことが治療の基本となります。

食事療法の中で、とくに重視されるのは、塩分の摂取量を減らすことです。日本高血圧学会が定めた「高血圧ガイドライン」では、高血圧の人が目標とする1日の塩分摂取量は、1日6g未満とされています。

またその他にも、塩分を排泄する作用がある「カリウム」を多く含む野菜や果物の積極的な摂取、適正体重の維持、アルコールの摂取制限などを医師の指導に従って行っていきます。

体重コントロールを考えると和食になりがちですが、和食は特に、お砂糖、塩分が多いので注意が必要です。食事がマンネリ化して、食事療法が長続きしない方も見られるので、おだし、スパイスなどを加えて、味にメリハリをつけてください。

●運動療法

運動療法では、メディカルチェックを受けた上で、医師の指導に基づいて、ウォーキングなどの有酸素運動を日々の生活の中に取り入れていきます。運動の量は、1週間にほぼ毎日、30分以上の運動を目標とします。

ただし、一度に続けて行わなくても、10分以上の運動であれば、合計して1日30分以上としてもかまいません。

運動をすると、余計に血圧が上がるのではないかと考える人もいるかもしれません。でも、うっすらと汗ばむ程度の適度の有酸素運動を続けていると、普段の血圧が下がっていきます。

ただし、瞬間的に筋肉を使い、息を止めて一気に力を出すような運動(無酸素運動)をすると、一気に血圧が上昇するので、高血圧の人には逆効果です。筋力トレーニングや短距離走などがこれにあたります。

●薬物療法

食事療法や運動療法を行っても、血圧のコントロールがうまくいかなかったり、重症の高血圧で、ほかの病気を合併していたりする場合は、薬物療法も合わせて行っていきます。高血圧の薬物療法では、「降圧剤」という血圧を下げる薬を用いて行われます。

食事療法・運動療法・薬物療法...糖尿病の具体的な治療方法

●食事療法

「糖尿病」は血糖値が高くなる病気なので、治療の目的は、血糖値を正常か、それに近い状態にコントロールし、維持していくことです。そのために、糖尿病の治療は、「食事療法」「運動療法」「薬物療法」という3つの方法を組み合わせて行います。

食事療法は、食べる量を適正にすることで、体内に入ってくるブドウ糖の量を制限し、インスリンを分泌するすい臓の負担を減らして、すい臓の機能を回復させる効果があります。

そのために重要になってくるのが、自分の適正な摂取エネルギー(カロリー)量を知るということ。1日の適正な摂取エネルギー量は、医師から指導してもらえますが、目安は以下の方法で計算することができます。

「総エネルギー量」=「標準体重」「仕事別消費カロリー」

標準体重(kg)は、身長(m)身長(m)22で求めることができます。また、仕事別消費カロリーは、仕事がデスクワークや主婦の人は25~30kcal、接客業などの立ち仕事が中心の人は30~35kcal、力仕事が多い人は35kcal以上となります。

これを踏まえた上で、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素をバランスよく、さらに朝・昼・夜の食事を均等の量でとれるようにしていきます。

●運動療法

運動療法には、エネルギー(ブドウ糖)を消費して血糖値を下げる、内臓脂肪を減らしてインスリンが作用しやすい体にし、インスリンの分泌量を節約する、筋肉を増やしてエネルギーを消費しやすい体にするという効果があります。

そこで、事前にメディカルチェックを受けた上で、医師の指導に従い、自分に合った運動メニューをつくっていきます。

●薬物療法

食事療法や運動療法を行っても、血糖コントロールがうまくいかなかったり、治療の開始が遅れて、合併症を発症する恐れが強かったりする場合は、薬物療法を行っていきます。薬物療法には、「血糖降下薬(飲み薬)」と「インスリン注射」があります。

血糖降下剤インスリンの分泌能力を高めたり、インスリンの効きを良くしたりすることで、血糖値の上昇を抑える飲み薬です。二型糖尿病の人に用いられます。

インスリン注射体内で不足しているインスリンを定期的に注射で補う治療法です。一型糖尿病の人に用いられますが、二型糖尿病の人でも、飲み薬で効果があまりなかったり、重症だったりする場合に用いられます。

高血圧には【野菜は生で】【塩分は6g以下】の食事を!

●塩分を控えめにする

血圧を正常に戻すためには、食生活を改善することが基本になります。中でももっとも重要とされているのが、塩分の摂取量を抑えることです。

日本人の1日の平均塩分摂取量は約11~12gですが、「日本高血圧学会」のガイドラインでは、1日の塩分摂取量は6g未満を目標としています。つまり、これまでの半分近くに減らす必要があるということなのです。

塩分を減らすには、塩気よりも酸味を効かせたり、わさびやしょうが、コショウ、唐辛子、山椒などの薬味や香辛料で、味にアクセントをつけたりするのがオススメです。

ただし、これまで味の濃い食べ物に慣れていた人が、いきなり薄味に挑戦すると、食事が味気なくなって、続かない可能性があります。1品だけは今までと同じ味付けにし、残りの料理を薄味にする、というように、少しずつ舌を慣らしていくと良いでしょう。

また、加工食品には、意外と塩分の多いものがたくさんあります。油断をすると、1日6g未満という目標値を軽く超えてしまうので、塩分含有量の表示をきちんと確認するようにしましょう。

●カリウムを積極的に摂る

「カリウム」には、塩分(ナトリウム)の排泄を促す作用があります。野菜や果物、豆類、海藻類などに豊富なので、これらの食品を積極的にとるようにしましょう。カリウムは、加熱調理に弱く、「煮る」と約30%が損失されてしまいます。このため野菜や果物は、できるだけ生で食べことをオススメします。

ただし、果物にはカリウムだけでなく、糖分も多く含まれています。糖尿病も合併している人や肥満の人は、果物は控えめにしましょう。また腎臓病を合併している人は、カリウムをうまく排泄できず、腎臓に負担をかける可能性があります。カリウムを控えたほうが良い場合もあるので、医師に相談するようにしましょう。

●動物性脂肪の摂り過ぎに注意

「脂質」は、私たちの体に必要な栄養素ですが、摂り過ぎるのは良くありません。特に、肉類や乳製品の脂肪には、「飽和脂肪酸」が多く含まれているので注意しましょう。飽和脂肪酸の特徴は、溶ける温度が高く、常温では固体になるということ。

そのため体内でも固まりやすく、血液をネバネバさせて、流れにくくしてしまうのです。また、中性脂肪やコレステロールを増加させる作用もあるので、血中に増えすぎると、動脈硬化を招く要因にもなります。

メタボリックな人たちへ~高血圧を抑える~

 健康診断で血圧が“少し”高かった人を見つけると、すぐ降圧剤を処方したがるのはヤブ医者です。本当に高い人なのかたまたま一時的に高かったのかを見極める必要があるからです。

 再検査に呼ばれて再度測定しても高い場合は、高血圧症の可能性がなきにしもあらずですが、まだ何ともわかりません。医師や保健師・看護師が測定するとその時だけ高い人がいます。

いわゆる白衣高血圧といわれるもので、日常は正常であることが多いと思われます。こんな人に降圧剤を飲ませると、血圧が下がり過ぎる可能性があります。

■年に1回の血圧側では不十分

 ところで、血圧の値とはどの程度の正確性があるものなのでしょうか?

 ヒトの1分間の脈拍を70回とすると1時間4200回、24時間に10万800回となり、人間は1日に約10万回の脈をうっている計算になります。実は、これらの血圧は心拍ひとつずつ異なるものなので、1日に10万とおりの血圧があるということになります。

従って1年に1回、健診などで測定した血圧は1年間の脈拍数3679万2000回の血圧のうちのある一瞬を捉えているにすぎません。この一回だけの値で治療方針を決定するのははなはだ乱暴といわざるを得ません。

 では常識的な内科医や産業医はどうしているのでしょうか?

■進行してからではなく兆候が見え始めたら治療

 常識的な内科医や産業医は、まず自宅や職場に血圧計があるかを聞き、理想的には毎日朝夕、それが無理なら週2~3回でも自己測定ができるのかを聞き取ります。その上で、可能なら集計表に記録してくるよう勧めます。

1カ月分くらいの記録が記入された頃に持参してもらい服薬開始の判断をすることになります。

 家庭にある医療機器は、昔は体温計程度でした。しかし最近では、体重計はもちろん、血圧計や体脂肪計まで備えている家庭も多くなりました。血圧を正確に把握するのにこの家庭血圧データーを活用しない手はありません。

有能な医師なら脂肪代謝や糖代謝、体重、遺伝的素因などの血圧以外のデーターも勘案して、さらに時系列の変化も加味して治療開始時期と使用薬剤を決めるはずです。

 また、最新の高血圧治療の考え方では、比較的軽い高血圧すなわち収縮期血圧(上の血圧)が常時140mmHgくらいになったら、特に糖尿病あれば治療を開始すべきというものです。

 これは動脈硬化が進行してどうにもならなくなってから治療を開始するのではなく、その兆候が見え始めたら治療を始めようという考えです。

■まずは塩分制限から始めよう

 血圧の治療は薬だけではありません。まず塩分制限。食塩のナトリウムは細胞に水分を貯留させます。このため、血管の細胞にも水分がたまって腫れあがり血管の内腔が狭くなって結果的に血圧を上昇させるからです。

 塩分の好みは幼少時に決まると言われています。親の好みの味付けで子供を育てると子供は親と同じ塩分濃度を好む体質に育ちます。一般に関東、東北の出身者は塩分が濃い味付けを好みます。

 「健康日本21」では成人1日の塩分摂取量を13.5g(平成9年国民栄養調査)から10g以下にする目標を掲げました。

東京近辺で軽度高血圧の人に24時間尿を貯めてもらって、その含有塩分から摂取した塩分を推測する方法で調べた結果をみたことがあります。それによると多い人では1日20gも摂取していた人もたくさんいました。

 その人たちに超薄味の食事をするように勧めて2~3カ月後にはそれぞれの年齢に応じた適正血圧になりました。人間の味覚は割りと鈍感で10日くらい我慢できるとその後は薄味に慣れて、それまでの濃い塩分の食事には戻れなくなるということです。

 塩分制限のほかには運動習慣、禁煙、ストレス排除、適正睡眠、体重コントロール、食事内容管理などなど薬物療法の前に、または薬物療法に並行して行うことはたくさんあります。しかも血圧は一生管理していく必要がありますので、あまりはりきってあれもこれもと手をつけると挫折しがちです。

【高血圧の方必見】降圧剤を利用するときの注意点

●降圧剤って何?

高血圧の薬物療法で使う「降圧剤」には、大きく分けると2つのタイプがあります。1つは、末梢血管を拡げて血管抵抗を少なくすることで血圧を下げるタイプ。そしてもう1つは、心臓から送り出される血液量を減らすことで血圧を下げるタイプです。

それぞれのタイプの降圧剤にも、いろいろな種類があり、効き方や副作用などが違います。そこで医師は、患者の年齢や高血圧の程度、合併症、生活習慣などに合わせて、使う薬の組み合わせなどを個別に判断します。

●血管抵抗を少なくする降圧剤

カルシウム拮抗薬血管の細胞内にカルシウムが多くなり過ぎると、血管が収縮して血圧が上がります。そこで、血管の細胞内にカルシウムが流れこむルートをブロックし、血管の収縮をやわらげて血圧を下げるのが「カルシウム拮抗薬」です。

ACE阻害薬強い血管収縮作用を持ち、血圧の上昇に大きく関わっているのは、「アンジオテンシン」という物質です。この物質は、「アンジオテンシンI」が「ACE」という酵素の作用を受けることで作られます。そこで「ACE阻害薬」は、ACEの働きを阻害して、アンジオテンシンが作られるのを防ぎ、血管を拡張して、血圧を下げる働きをします。

ARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬)アンジオテンシンの受容体の働きを封じて、血圧を下げる薬です。比較的に新しい降圧剤で、副作用が少ないという特徴があります。

遮断薬交感神経の受容体に作用して、血管を拡張させ、血圧を下げる薬です。

●心拍出量を減らす降圧剤

利尿薬体内の水分が多いと、血液量が増えて、血圧が上がります。利尿薬には、腎臓に働きかけて血液中の余分な水分とナトリウム(塩分)の排泄を促し、血液量を減らして血圧を下げる働きがあります。

遮断薬交感神経の受容体に作用して、心臓から送り出される血液量を減らし、血圧を下げる薬です。

●降圧剤を利用するときの注意点

降圧剤には、併用してはいけない薬があります。ほかの病気の治療で服用している薬はもちろん、市販の風邪薬などを利用するときも、必ず担当の医師に相談しましょう。

降圧剤の服用中には、副作用が起こることもあります。副作用と思われるような変調があった場合は、なるべく早めに担当医に伝えましょう。

降圧剤を飲んでいれば、血圧は安定してきますが、勝手に薬の量を減らしたり、服用を止めたりするのはやめましょう。服用をやめると、「リバウンド現象」と言って、血圧が急激に上昇することがあるので、大変危険です。

糖尿病のサインを見逃すな! 簡単セルフチェック

●糖尿病のサインとは?

次のような症状がある場合は、「糖尿病」のサインかもしれません。心当たりがある人は、すぐに病院を受診してみましょう。

・体がだるく、疲れやすくなった
・のどが渇き、大量に水分を飲むようになった
・トイレ(尿)に行く回数や量が増えた
・尿の臭いが気になる
・手足のしびれを感じるようになった
・足がむくんだり、重く感じたりするようになった
・ダイエットをしているわけでもないのに急に痩せた
・食欲が異常に増えた
・甘いものが急に食べたくなる
・傷の治りが遅くなった
・立ちくらみするようになった
・視力が落ちたような気がする
・便秘や下痢が続くようになった

●気づいたときには遅い?

ただし、こういった症状に気づいたときには、糖尿病が、ある程度進行してしまっている可能性があります。糖尿病とは、血糖値が慢性的に高くなる病気ですが、初期段階では、高血糖が続いても、ほとんど自覚症状はありません。

しかも、生活習慣病といわれる「二型糖尿病」の場合は、進行がゆるやかなのです。このため、「はっきりした自覚症状がなく、異変に気づきにくい」というのが、糖尿病の特徴です。

しかし、血糖値が高いということは、血液中に余分なブドウ糖がたくさんあるということ。その状態を長い間放っておくと、徐々に神経や血管がむしばまれていきます。そして「糖尿病神経障害」「糖尿病腎症」「糖尿病網膜症」など、さまざまな合併症を引き起こします。だからこそ糖尿病は、早めに気づき、適切な処置をすることが大切なのです。

●早期発見のために

糖尿病の早期発見には、定期的に検査を受けることが役立ちます。糖尿病の検査は、平成20年から実施されている「特定健診」に含まれており、医療保険に加入している40~75歳未満のすべて人が受けることができます。糖尿病かどうかを調べる血糖値の検査には、3つの方法があります。

随時血糖値空腹か食後かにかかわらず、ふだんの血糖値を測定する検査です。

空腹時血糖値夕食を食べてから10時間以上経った状態で採血し、血糖値を調べます。

ブドウ糖負荷後2時間値空腹時の血糖値を調べた上で、ブドウ糖75gを溶かした水を飲み、30分、1時間、2時間後の血糖値を調べます。

これらの3つの検査のうち、いずれかの血糖値に異常があれば「糖尿病型」と診断されます。そして、日を改めてもう一度検査をして、ふたたび血糖値に異常があった場合は、「糖尿病」と確定診断されます。

本当に怖い高血圧の原因、5つ

●遺伝や生活習慣によって起こる高血圧

「高血圧」には、原因が特定できない「本態性高血圧」と、原因がはっきりしている「二次性高血圧」の2種類があります。そのうち、日本の高血圧患者の9割以上を占めているのは、本態性高血圧です。

本態性高血圧で血圧が上昇するメカニズムは、まだはっきりとは解明されていませんが、遺伝な体質、食事・生活習慣などが、複雑に関係し合っていると考えられます。

遺伝的な体質高血圧の原因遺伝子は、20以上発見されており、これらの原因遺伝子を一定数以上持っていると、高血圧になりやすいと考えられています。ただし、原因遺伝子を持っている人が、必ず高血圧になるわけではありませんし、原因遺伝子を持っていなくても、生活習慣に問題があれば高血圧になります。

塩分のとり過ぎ塩分をとり過ぎると、血液中の塩分(ナトリウム)濃度が高くなります。すると、塩分濃度を調整するために、体内の水分が血液中に集まるので、血液の量が増えてしまうのです。その結果、心臓はたくさんの血液を送り出すことになり、血圧が上昇してしまいます。

肥満内臓脂肪が増えると、血糖値を下げる「インスリン」の働きが悪くなります。すると、すい臓から大量のインスリンが分泌されるようになりますが、インスリンには、腎臓からのナトリウムの排泄を妨げる作用があります。このため、血液中の塩分濃度が上昇し、血圧も上昇してしまいます。

ストレス精神的なストレスがかかると、血管を収縮させて心拍数を高くする交感神経が活発になり、血圧が上昇します。また、血圧を上昇させる「カテコラミン」というホルモンの分泌量も増えます。

タバコ・喫煙過度の飲酒や喫煙も高血圧の原因になると考えられています。

●ほかの病気の影響で起こる高血圧

二次性高血圧は、ほかの病気によって、高血圧が引き起こされるケースです。

腎性高血圧二次性高血圧の中でもっとも多いのが、腎臓の病気によるものです。腎臓は、ナトリウムや尿の排出によって、血圧をコントロールしている器官です。このため、その働きに支障があると、ナトリウムの排泄がうまくいかなくなり、血圧が上昇してしまうのです。

内分泌性高血圧ホルモンの分泌に関わる器官に、何らかの異常が起こり、過剰にホルモンが分泌されると、血圧が高くなることがあります。

血管性高血圧大動脈に炎症が起こったり、血管の一部が狭くなったりする病気によって血圧が高くなることもあります。

本当に知らないとダメ 高血圧のホントの基準値って

●血圧って何?

心臓は、休むことなく、ポンプのように収縮と拡張を繰り返すことで、血液を血管に送り出しています。心臓から送り出された血液は、まず動脈を通って、全身の細胞に栄養や酸素を届け、次に、静脈を通って、全身の老廃物を回収し、再び心臓に戻ってきます。

このように血管の中を血液が通るときに、流れる血液によって、血管の壁にかかる圧力を「血圧」といいます。

●血圧はどんなときに高くなるの?

血圧の高さを決める要因は2つあります。1つは、心臓から送り出される血液の量(心拍出量)。たとえば、激しい運動をしているときは、筋肉がたくさんの酸素を必要とするので、心臓から送り出される血液の量が増えて、血圧が高くなります。

もう1つは、血管の抵抗。気温が寒いときは、血管が収縮するので、血液が流れにくくなり、強い力が必要になって、血圧が上昇します。

このように血圧は、日常のちょっとしたことでも、すぐに高くなります。しかし、一時的な血圧の上昇は、高血圧ではありません。高血圧とは、安静状態での血圧が慢性的に正常値よりも高い状態になることをいうのです。

●血圧の上とか下って何?

血圧というと、「上がいくつで、下がいくつ」というような言い方をよくしますね。「上」というのは、心臓がギュッと収縮して、血液を大動脈に送り出すときの血圧のこと。これを「収縮期血圧(最高血圧)」といい、血圧は、このときに一番高くなります。

そして「下」というのは、収縮した後に心臓がひろがって(拡張して)、血液を吸い込むときの血圧のこと。これを「拡張期血圧(最低血圧)」といい、血圧は、このときに一番低くなります。

●どこからが高血圧?

日本では「日本高血圧学会(JSH)」によって、日本人の体やライフスタイルに合わせて定められた高血圧の診断基準があります。それによると、収縮期血圧が140mmHg以上、もしくは拡張期血圧が90 mmHg以上の場合を高血圧としています。

ただし、収縮期血圧が140mmHg以下、拡張期血圧が90 mmHg以下であれば、安心かというとそうではありません。正常といわれる血圧(正常血圧)は、収縮期血圧が120~129mmHg、拡張期血圧が80~84 mmHgです。

さらに理想とされる血圧(至適血圧)は、収縮期血圧が120mmHg未満、拡張期血圧が80 mmHg未満です。収縮期血圧が130mmHg以上、拡張期血圧が85 mmHg以上ある人は、油断しないようにしましょう。

気になる「血糖値」と「インスリン」の関係

●血糖値って何?

「糖尿病」とは、血糖値が高くなる病気のこと。「血糖」とは、血液中のブドウ糖の濃度のことです。私たちが食べ物から摂った糖質は、消化された後にブドウ糖になり、血液に取り込まれて体中の細胞に届けられます。

そして、ブドウ糖は、脳や筋肉が活動するための大切なエネルギー源になるのです。

通常は、食事をとった後にブドウ糖が増えて血糖値が上がり、食後しばらくすると、血糖値は下がります。これは、血糖値が常に、一定範囲で保たれる仕組みになっているからです。

しかし糖尿病になると、慢性的に血糖値が高い状態が続いてしまいます。その原因は、「インスリン」が不足していたり、うまく作用しないことが原因です。

●インスリンとは?

インスリンは、すい臓から分泌されるホルモンで、血糖値を下げられる唯一のホルモンです。私たちが食事をして、血液中にブドウ糖が増えると、エネルギーとしてすぐに使わないブドウ糖は、「グリコーゲン」に形を変え、肝臓や筋肉に蓄えられます。

そして、さらに余った分は、「中性脂肪」になって、脂肪細胞に蓄積されるのです。こうした仕組みを「糖代謝」といい、このときに作用しているのがインスリンです。

しかし、インスリンの分泌が不足したり、うまく作用しなくなったりすると、ほかに血糖値を下げるものがないので、血糖値が上昇した状態が続くようになります。

●糖尿病になるとどんなことが起こるの?

血糖値が上がったままになるということは、体に必要なエネルギーを細胞に取り込みにくくなるということ。このため糖尿病になると、疲れやすくなったり、痩せてきたり、食欲が異常に強くなったりします。

「なんだ。その程度のことなの?」と思う人もいるかもしれません。そうなのです。初期の糖尿病は、たいしたことがほとんど起こりません。だからこそ、糖尿病は怖いのです。

なぜなら、高血糖の状態をそのままにしておくと、血管や神経に障害がもたらされ、数年から10年程度で、さまざまな合併症が起こるからです。

合併症が重篤化すると、失明したり、人工透析が必要になったり、足を切断したりするような事態にも陥ります。このため糖尿病は、なるべく早めに気づき、適切な対処をしていくことが大切になります。

平成19年に行われた調査によると、「糖尿病が強く疑われる人」は890万人、「糖尿病の可能性を否定できない人」は1,320万人にのぼり、合計すると2,210万人いると推定されています。このため糖尿病は、「国民病」とも言われています。

血圧らくらく下げる14秘策 野菜優先 食後にバナナ効果大!

涼しくなり随分過ごしやすくなったが、こんな時期こそ高血圧に悩む中高年にとっては危険な季節。食欲が進むことでカロリー摂取量が急増、血液の粘度が高くなり、脳卒中や心筋梗塞(こうそく)のリスクが高まるためだ。

日本人間ドック学会の「新基準」が物議を醸すなど最近、何かと注目を集める血圧の数値だが、これを薬に頼らず簡単に下げるいい方法はないものか。そんな裏技なんてあるわけない? 実はある。

 脳卒中や心筋梗塞、腎臓病など生死に関わる合併症を引き起こす高血圧。自覚症状がないため、別名「サイレントキラー」とも呼ばれ、塩分のとり過ぎや運動不足、遺伝などが主な要因とされている。

 自覚がないのは血管の内側に知覚神経がないためで、「血栓ができたり、破裂しそうになってもまったく痛みが出ない」(医療関係者)というから恐ろしい。

 このリスクを回避するために血圧、血糖値、コレステロールなどの値を健康診断でチェックすることは大原則。特に血圧は正常範囲の上(収縮期)が139(mmHg)、下(拡張期)が89(同)を超えないように管理することが常識とされている。

 だが、わかっていてもなかなかできないのが現実で、現に日本人の約13人に1人が高血圧に悩み、降圧剤を服用し続けていることからみてもわかる。

 降圧剤も薬である以上、副作用はあり、費用もバカにならない。この現状を脱するために簡単、楽で効果てきめん、オマケにいますぐ始められる。そんな奥の手はないものか。

 「ありますよ」というのは、『ぐうたらでも血圧がグングン下がる50の方法』(主婦の友社)が話題の東京医科大学八王子医療センター病院長、高沢謙二氏だ。

「例えば、ラーメンのスープは残す。1杯平均で(塩分は)約7グラムと言われるだけに、半分は残したい。そばやうどんも同じです」

 高血圧を改善させるには減塩を避けては通れない。厚生労働省は、塩分の1日の摂取量を男性9グラム未満、女性7・5グラム未満と推奨し、日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2014」では、6グラム未満が目標にされている。

 厳しい目標値だが、「野菜優先」「1日1食は和食」を心掛けることでハードルは低くなるという。

 「『野菜を取りましょう』と言われますが、それだけで血圧は下げられません。大事なのは(食べる順位を肉や魚より)優先することです。空腹のときなら薄味でもおいしく感じられるので減塩につながる。

豊富な植物繊維により、血糖値の上昇が緩やかになり、血管が傷つけられることを防ぐ効果もあります」(高沢氏)

 食後の果物も効果は大きい。例えば、バナナに豊富に含まれるカリウムは、ナトリウム(塩分)のキレート作用(体の外に排出)があり、血管を開く酵素の働きを活性化してくれる。

 厚労省によれば、日本人はバナナ1本分ほどのカリウムの摂取量が不足がちというだけにリンゴやキウイフルーツだけではなく、デザートにバナナを組み込みたい。

 体を動かすのも重要でウオーキングや縄跳び程度の軽いものでよく、激しい運動は必要ないという。

 「運動すると血管は拡張し、血圧は下がってきます。ただし、激しい運動は逆効果。体内で大量に発生した活性酸素が、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)を酸化させて動脈硬化を進行させる。それによって血管の老化が進みます」(同)

 面白いのは「第2の心臓」と呼ばれる「ふくらはぎ」。意識して動かすと血液循環がよくなり、血圧は下がる。

 「心臓が血液を全身に送るポンプなら、ふくらはぎは足の方の血液を心臓に戻すポンプです。ちょっとした時間にかかとの上げ下げを10回繰り返すだけでいい。

朝起きたときや自宅のソファでくつろいでいるとき、あおむけになってつま先を前後に10回動かし、ふくらはぎを鍛えることもお勧めします」(同)

 高沢氏は、運動するにも「時間を気にしながらしない」、雨が降れば、ウオーキングも「しなくていい」ともアドバイスする。時計を見るだけで緊張から血管が縮み、雨で体がぬれれば、血管が収縮するからだ。

 「生活の中で常にリラックスすることを心掛ける。電話なら仕事中のようにすぐに取らない。『3回鳴ってから出る』くらいの余裕を持つことです。

タバコをやめられない人は『スパッとやめなくていい』。無理せず、本数を減らすことから始める。お風呂にしても、冷たくても熱くても血管は縮むので、自分にとって快適な温度で入ること。

ただ、熱いのが好きな方でも42度以上は避けたい。血小板の働きが活性化し、血液が固まりやすくなるので」(同)

 血液の循環をよくして心臓に負担をかけないようにすることが血圧を上げない何よりのコツ。万一、測ってみて上の数値が160と出ても「1回くらいなら心配はない。高い状態が続かないようにすることが大切です」と高沢氏。

 これなら腰の重い「ぐうたら」でも気楽に試せそうだ。

「低気圧」で血管がボロボロに?

最初はなんとなくからだがだるい、風邪のような症状だった。でも、少し我慢すれば数日でおさまるので病院に行くほどではないといつも思っていた。

 埼玉に住む主婦の吉野緑さん(仮名・35歳)は、ここ数年、季節の変わり目になると決まって体調を崩していた。

病院にかかることなくやり過ごしていたのだが、今年はからだのだるさに加え、頭痛や左耳が詰まって聞こえにくいなどの症状が起こった。さすがに心配に思った吉野さんは、近所の耳鼻科を受診した。

「耳に異常はない。たぶん低気圧のせいだろう」

 医師は気圧の変化による自律神経の乱れだと診断を下した。言われてみれば、不調を感じるのは、いつも台風が日本に近づいているときだったような気がする。

「台風が通過した翌朝には、耳の詰まり感も消えました」 

 と吉野さん。

 そもそも気圧とは何だろう。「情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)で天気を解説する蓬莱(ほうらい)大介気象予報士に聞いてみた。

「気圧というのは空気が地面を押す力のことで、ヘクトパスカル(hPa)という単位で示されます。周囲より気圧が高くなっている地域を高気圧、周囲より気圧の低いエリアを低気圧と呼んでいます。

一般的には高気圧だと晴れ、低気圧だと曇りや雨になることが多く、台風シーズンである9月や天気が周期的に変わる10月は特に気圧変化の大きい時期です」

 耳の疾患に詳しい茅ケ崎中央病院副院長の石田克紀医師によると、「風邪の症状を訴えて内科にかかった結果、自律神経の乱れだと診断され、その後に耳鼻科を訪れる患者も少なくないようです」とのこと。

 では、はたして気圧と自律神経にはどんな因果関係があるのだろうか。

「気圧が体調に影響することは珍しくありません。聞こえにくさなど耳の症状やめまい、鼻水などを訴える人もいます。そういう患者さんには検査をして耳に異常がないことを確認し、症状がつらい場合は、症状を和らげる薬を処方することもあります」(石田医師)

 気圧の変化で自律神経が乱れて不調が出ている場合、天気の回復とともに自然と治ってしまうことがほとんどだ。そのため、病院に行かず放置してしまうことも多い。

しかし「低気圧で不調が現れる」=「自律神経が乱れやすい状態にある」ということ。ほうっておくと胃炎、過敏性腸症候群、メニエール病やうつ病など重い病気を引き起こすリスクとなる。

 石田医師によると、人は気圧の変化を中耳、内耳で感じ取るのだという。

「飛行機で離陸、着陸する際に耳がキーンとするのは、急激な気圧変化があるためです。

低気圧のときは、急に気温が下がったり、強い風が吹いたりするので、気圧だけでなく、そうした気候の変化すべてが自律神経のバランスを乱す要因となるのでしょう」(同)

 自律神経は自分の意思とは関係なく、脳や外部からの刺激や情報に反応して、内臓や血管などの機能をコントロールする。そして正反対の働きをする、交感神経と副交感神経という二つの自律神経がバランスよく働くことで、人間の健康は維持されている。

「交感神経が優位になるとからだは活発になり、副交感神経が優位になるとリラックスした状態になります。しかし自律神経は非常にデリケートで、ほんのちょっとした変化やストレスで影響を受け、バランスが乱れてしまうのです」

 と自律神経に詳しい順天堂大学教授の小林弘幸医師は話す。

「最も心身の状態がいいのは、交感神経も副交感神経も活発に働いている状態です。

逆に最も悪いのが、両方の神経とも働きが悪い状態。低気圧になると自律神経の働きが乱れるのは、交感神経と副交感神経の両方の働きが悪くなる、もしくは交感神経が活発に働き副交感神経の働きが極端に悪くなるためです」

 交感神経は血管を縮め、副交感神経は血管を緩める作用がある。

自律神経のバランスが整っているときは、血管の縮みと緩みがリズミカルに繰り返されるため、血流がスムーズになる。しかし低気圧の影響を受けて、両者の働きが悪くなると、たちまち血流が悪くなってしまうというわけだ。

「血管の縮みが進みすぎて血流が悪くなるだけでなく、血管の内側にある細胞をも傷め、血管がボロボロになる心配があります」(小林医師)

ビール会社社員が実証、尿酸値↓の難度

痛風の原因となる高尿酸血症は、ビールなどに含まれるプリン体の摂取が関わる。ならばと、ビール会社の社員が、体を張って尿酸値を下げる取り組みにトライ。

そして、今年7月の社内健診の結果が出たのだが、予期せぬ落とし穴が待ち受けていた。

 【医師指導で奮闘】

 昨年末、サッポロビールでは、尿酸値の高い社員が集まり、尿酸値6mg/dl以下にする「プロジェクト アンダー6」を発足。Facebook上で運営するサイト「プリン隊がゆく。。。」で活動状況を公開してきた。

尿酸値7mg/dlになると痛風発症のリスクが高まるため、目標値を「6」以下に設定。医師や栄養士、運動トレーナーの指導を受けながら、尿酸値の高い社員5人が奮闘した。その模様は、大反響を呼んだ。

 プロジェクトリーダーで、全員を鼓舞し続けた通称「アンダーレッド」さんが振り返る。

 「全メンバーのがんばりには、頭が下がる思いです。家族、友人、先輩、後輩、上司まで巻き込んだ取り組みは、どれも印象深い」

 マラソンなどの運動にチャレンジし、野菜を食べ、水分補給をたっぷりとる。つき合いの席では、プリン体の低い飲料を好んで選択する。そんな取り組みをずっと続けてきた。

 【全員尿酸値アップ】

 医師などの指導の下、食生活を見直せば、尿酸値の改善もできるはず。メンバー5人は、必死に努力して、春の中間報告では誰もが尿酸値を下げ、中には、「アンダー6」を実現した人もいた。

ところが、7月の健診結果を見ると、なんと全員が尿酸値6以上。中には、8以上の人もいた。

 「恐るべきプリン体、無残、たいへんショックです」「一緒にがんばってきたプロジェクトメンバー、そして支えてくれた家族には、とっても申し訳ない気持ちです」と、メンバーは落胆を隠し切れない。

 旗振り役として尽力したアンダーレッドさんも、「尿酸値を下げるには、プリン体の摂取のみならず、水分の補給や適度な運動、ストレスコントロールなど、幅広いことに気を配る必要があり、相当、難易度が高いと痛感しました」と話す。

 プリン体を含む飲食は避けても、意識的な運動や水分補給は大変だ。仕事のストレスに加えて、「尿酸値を下げなければ」と強く思えば、それもまたストレスになって逆効果。「プリン隊」メンバーは、そんな難しさを教えてくれたのだ。

【前向きに楽しみながら】

 ただし、今回のプロジェクトについて、メンバー全員が「がんばってよかったと感じている」という。尿酸値は思うように改善しなくても、体重や腹囲は減り、中性脂肪の値が改善した人もいる。

生活習慣の改善によって、「前向きな気分になれた」「自分の身体と向き合える習慣ができた」そうだ。そのため、8月にプロジェクトが終了した後も、全員が「アンダー6」の取り組みを続けていくとの決意を新たにしていた。

 「極度の我慢や摂生は、長続きしません。楽しみながら取り組むことで、自分を肯定して、前向きな気持ちになれるのだと思います」と、アンダーレッドさん。

 我慢せず、楽しみつつも前向きに、長期的な視野を持って尿酸値の改善を目指す。それがビール会社の社員たちが教えてくれたことである。

糖尿病、本当に怖いのは合併症 自覚症状なく知らぬ間に病状深刻化 網膜症で失明

生活習慣病、あるいは遺伝的なものが深く関わる病気として知られる糖尿病。潜在患者、いわゆる予備軍も含めると国民の6人に1人が患っているというからひとごとではない。

この病気で怖いのが、合併症。とりわけビジネスマンに致命的な失明も引き起こすというから安穏としてはいられない。

 糖尿病とは血糖値が高くなる病気。原因は、糖を運ぶインスリンというホルモンの不足といわれている。エネルギー源である糖が身体に行き渡らないと立ちくらみや疲れやすくなるといった症状が出るというが、真に怖いのが合併症だ。

特に糖尿病神経障害、糖尿病腎症、糖尿病網膜症は患者数の多さから3大合併症といわれている。併発する原因をみさき眼科クリニックの石岡みさき院長が解説する。

 「それぞれ症状は違いますが、主な原因は、高血糖により細い血管が詰まることです。目の場合、血流が滞るとバイパスのような血管が新しく作られるのですが、新生血管はもろいので出血しやすいんです」

 この状態が糖尿病網膜症の初期症状だという。この疾患が怖いのは、出血していても痛みや目のかすみといった自覚症状がないこと。知らぬ間に病状が深刻になっているケースが少なくないという。

 「出血した個所に増殖膜というかさぶたのような膜ができます。これは伸縮する性質を持っていて、伸びたときに網膜にくっついて、縮んだときに網膜を引っ張ります。これにより網膜が剥がれ落ちると網膜剥離(はくり)となって失明してしまうんです」(石岡院長)

 治療法は主に2つ。レーザー照射によって新しい血管の発生を防ぐ方法か、網膜を元に戻す硝子(しょうし)体手術。

しかし、いずれも糖尿病網膜症の根治を目指すものではなく、対症療法でしかないという。さらに、一度落ちた視力はレーザー治療では戻らず、硝子体手術でも回復しないことがあるというから始末が悪い。

 この疾患には、早期発見による体質改善が最も有効だと石岡院長は力説する。

 「会社の定期健診や献血、ワンコイン検診などで血糖値を測って、高ければ内科に行ってください。糖尿病と診断されたら一度眼科にもかかったほうがいいでしょう」(同)

 眼科では、目薬で瞳を大きくして診察する散瞳検査をする。糖尿病と診断されていれば、保険がきくので3000円程度。約1時間で済むという。

 網膜症の初期段階であれば、食事療法や投薬、適度な運動といった糖尿病治療によって、改善も見込めるという。

 検査を受けないままに放っておいてたら視界に黒いものがちらつく、ものがぼやけて見えるといった症状が出始める。そうなると失明の一歩手前。もし、血糖値が高いといわれたことがあり、この紙面がかすんでいるようならすぐに眼科に行くべきだろう。

痛風発症リスク20倍以上 ビールより怖い遺伝子変異

「ビールの飲み過ぎが痛風のリスクを上げる」は半ば常識になっているが、そうとばかりはいえないことが明らかになった。

研究を行ったのは、東京薬科大学病態生理学教室・市田公美教授、防衛医科大学校分子生体制御学・松尾洋孝講師、東京大学医学部付属病院薬剤部・高田龍平講師ら。市田教授に話を聞いた。

 これまで尿酸値が高ければ、みな一律に生活習慣改善を指導されてきた。

「ところが今回、遺伝子『尿酸排泄輸送体ABCG2』に変異があると、尿酸の排泄機能が落ちて体内に蓄積し、高尿酸血症・痛風(以下、痛風)のリスクが著しく上がることが分かったのです」

 最初に、日本人の患者90人を対象に調べたところ、8割が尿酸排泄輸送体ABCG2の遺伝子変異を持っていた。遺伝子変異にはさまざまなタイプがあるが、そのうちQ126X、Q141Kの2タイプが尿酸の排泄機能を著しく下げ、しかも起こる頻度が高い(持っている人が多い)ことが明らかになった。

「Q126XはABCG2を介した尿酸排泄機能をほぼゼロに、Q141Kは半分にし、それぞれ日本人では約3%、30%の頻度で見られます」

 私たちは父と母から遺伝子を1つずつ受け継いでいる。その2つの遺伝子を、尿酸排泄輸送体ABCG2の「変異なし」「Q126X」「Q141K」で組み合わせていくと、尿酸排泄機能は100%、75%、50%、25%以下の4段階に分けられる。つまり、フルで尿酸排泄機能が働いている人に比べ、段階的に低くなる。

「痛風患者だけを対象に見ると、遺伝子によって尿酸排泄機能が低い人は、その数値が低いほど平均的な尿酸値が高く、痛風発作を早く起こしていました。特に20代、30代で発症した人は、ほとんどが遺伝子変異を持っていました。

次に、健康な男女739人に対しても研究を行いましたが、やはり排泄機能が低い人は、現在は痛風を発症していなくても、尿酸値が高めだと分かりました」

 痛風発症のリスクは、遺伝子が正常な人に対し、変異がある人は、最大20倍以上だという。

■肥満や飲酒よりリスキー

 肥満や飲酒と比べるとどうか? 5005人の男女を対象に「人口寄与危険度割合(PAR)」という指標で影響力を比較すると、肥満(肥満指数BMI25以上)の人は痛風発症への影響力が18.7%、1週間のアルコール摂取量が196グラム以上のヘビードリンカー(男性の場合)は15.4%であった。

「ところが、尿酸排泄輸送体ABCG2の変異遺伝子を持っている人は29.2%と、肥満やヘビードリンカーよりも高かった。痛風の発症リスクを高める生活習慣として指摘されてきた肥満、飲酒よりも、遺伝子の方が影響力が上だったのです」

 尿酸排泄輸送体ABCG2の変異により、尿酸排泄機能が4分の1だけ低下してしまっている人が一番多い。

 ABCG2の変異で排泄機能が4分の1だけ低下するのは、ウイスキーを1週間に1.7リットル飲むこと、あるいは身長170センチの男性が5・7キロ太ることと同程度の影響を、尿酸値を上昇させる方向に与える。

 まずは遺伝子の型を調べることだ。外注で行われるので、「ABCG2遺伝子多型解析を受けたい」と希望すればどの病院でも可能。1万5000円。

もし、自分が痛風を起こしやすい遺伝子を持っているなら、より一層の生活習慣改善が必要だ。

糖尿病でもケーキの楽しみ 「無糖」ケーキ、医院と洋菓子店が開発

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)と関連が深い糖尿病とその予備軍。食事療法が始まると、つらいのは好物の甘い菓子類を控えることだという。

そこで、制限するより、食の楽しみを重視しようと、糖尿病患者の食事指導を行う管理栄養士と洋菓子店が連携。砂糖ゼロで低カロリーのロールケーキを開発し、その成果が学会で発表された。味や食感を通常商品のレベルにすることに成功しており、患者らには朗報だ。

◆味・食感、ほぼ同じ

 開発したのは、にしかげ内科クリニック(神戸市垂水区、西影裕文院長)の管理栄養士、向山万為子さんのグループ。日頃の栄養指導で、患者が甘い菓子類を我慢できないとの声が多いため、そういう人たちでも食べられるスイーツを作りたいと無糖のケーキのレシピ作りを思い立った。

 複数の洋菓子店に声を掛け、神戸市内に本店を置く「パティスリー・ブルシェ」(吉田英三代表)が「ぜひ一緒にやりたい」と協力を申し出た。

 開発に当たっては砂糖に代わるものとして、「泡立ちなど卵に配合した際の相性が一番良かった」パルスイートという甘味料を選び、ケーキの生地に巻き込む生クリームは低脂肪の生乳を使用した。

 低カロリーでも普通のスイーツと同じような満足感を得られるようにするため、「生地やクリームに入れる甘味料の量を1グラム単位で調整し、試作を繰り返した」(向山さん)。

 構想から1年後、商品が完成。カロリーは厚さ約2・5センチの輪切りのサイズで121キロカロリーと、砂糖を使った場合のロールケーキに比べ、約40%のカロリーオフを実現した。

小麦粉を使い、米粉やふすま粉は使わなかった商品は画期的で、これにより、食感や味が通常商品とほぼ変わらないものに仕上がった。

 患者やその家族向けの試食会も実施。170人のうち9割が「おいしく、ちょうどよい甘さ」という回答だった。

今年から同店の商品に加わった。もちろん砂糖はゼロだから、血糖値の急激な上昇などの心配も少なく、「糖尿病患者やメタボの人、ダイエット中の人にも好評で、遠方の人には通信販売で応じている」(同店)という。

 ◆学会でも注目

 このケーキは、糖尿病患者と多く接し、その心情を熟知する専門医の西影院長の思いも反映されている。同クリニックが糖尿病患者にアンケート(53人回答)を行ったところ、7割以上が週に数回以上、甘い菓子類を食べてしまい、「ほぼ毎日」という人も17%いた。

 向山さんらの成果は5月の日本糖尿病学会年次学術集会で発表され、単なる菓子にとどまらず、食事療法の新たな方法として注目を集めた。向山さんは「味と低カロリーなどを重視した商品が増えれば、患者さんが生活の質(QOL)を下げずに、食事療法を続けられる」と話している。

 ■難しい食事療法継続

 日本人の糖尿病患者とその予備軍の合計は2050万人(平成24年国民健康・栄養調査)。治療の基本となるのが食事療法と運動療法で、食事療法は適正なカロリーと栄養バランスで血糖値上昇を抑え、症状悪化と合併症を防ぐ。

 だが、頭で理解できても実行は難しく、糖尿病研究・治療の権威で国立国際医療研究センター総長の春日雅人氏によると、糖尿病外来での診察経験から「指示された食事療法を1年間継続できる人は1割以下で、食事に少し気をつける、といった程度のことでも半数から7割くらいの継続率」という。

糖尿病患者の血糖値を下げすぎると死亡率増加するとの米研究

欧米では高血圧治療薬で血圧を無理に下げすぎると、心身へのダメージが大きく死亡率が高まるとの研究結果も存在しているが、薬で無理矢理に下げすぎると怖いのは、血圧だけではない。

 血糖値をむやみに下げることがいかに恐ろしいことかを世界中の医師に印象づけたのが、米国立衛生研究所(NIH)が中心となって行なった研究だ。

 心血管疾患リスクの高い糖尿病患者約1万人を対象に、厳しい血糖管理で血糖値を正常値に近づける集中治療の効果を調べるものだった。

 被験者は、血糖値の指標となるヘモグロビンA1cを7.5%まで下げる「標準治療グループ」と、6.4%まで下げる「強化治療グループ」に分類。

 当初、血糖値を大きく下げたほうが、死因の上位を占める心筋梗塞や脳卒中などの合併症が抑えられると見込まれていた。しかし、強化治療グループのほうが約22%も総死亡が増加するという想定外の結果が報告された。

 後の調査で、強化治療グループでは「重症低血糖」が頻繁に起こっていたことが判明。血糖値が下がりすぎてしまうことによって、皮肉にも心筋梗塞や脳卒中を誘発していた可能性が指摘されたのだ。

 高血圧や高脂血症、糖尿病などの予防治療を専門とする医学博士で新潟大学名誉教授の岡田正彦氏が解説する。

「血糖値というのは脳のエネルギー源ですから、低血糖症になると、脳の中枢神経の働きが低下し、意識消失や異常行動、昏睡状態に陥るケースがあります。

 血糖値の基準値は年齢に関係なく、100mg/dl未満。しかし最近のデータによれば高齢者であれば治療目標は160~180mg/dlとかなり高めに見積もられています。つまり、病気ではないのに血糖値を下げる薬を飲んでいる人が多い。

 高齢者が薬による急激な血糖値の低下で、立ちくらみや失神などを起こして生命にかかわる事態に至るケースが実際に頻発しています」

血圧を上げない職場処世術

嫌な仕事を最優先で

 現実社会においてストレス対策が重要です。ストレスがあるだけで、血圧は20~30上昇することなどしばしば起こります。労災認定される脳出血や心筋梗塞などが著増しているのも、このストレスが原因の一つになっています。

 嫌な仕事もしなければいけません。ついつい後回しにして、時間がなくなり、中途半端で終わってしまい、上司からお小言が、といったことにもなりかねません。

 その嫌な仕事は、逆に優先して取り組みましょう。早いうちにいろいろな問題点に気づくことができるので、その問題点に詳しい人に質問することもできます。嫌な仕事を積極的に取り組んでいるという好印象を周りにあたえることもできます。

 正面と向き合って考えていると、問題点がはっきりしてくるし、内容にも精通してくるので、その後の情報を仕事内容に生かすことも。見返す時間が取れることにより、ケアレスミスを未然に防ぐことも可能です。

その上、嫌な仕事をやらなければいけないという精神的なストレスを長時間抱え込まなくても済みます。

 このように考えると、やりやすい仕事や興味のある仕事は、後回ししたほうが良いでしょう。気がめいっているときや、仕事の能率が上がらないときには、やりやすい仕事をして、乗ってきたら、避けたい仕事を優先してみましょう。

上司がストレスの原因、対処法は?

 対人関係がストレスという場合もあるでしょう。特に直属の上司がストレスの原因であると悲惨です。

 自分のことを気に入ってくれて、かわいがってくれている人の元で仕事をすることは、楽しくもあり、やりがいもあります。特にミスしそうなときに何げなくフォローしてくれると非常にありがたいものです。

 当たり前の結果を出しても、満足せず、重箱の隅を突っついたような問題点を持ち上げて非難をするような上司もいます。

そのとき、「あいつに文句を言われたくない」、「あいつを見返してやりたい」という気持ちを強く持てば、現在の仕事の内容をより注意深く点検し、いろいろなあらさがしをされても、そのことが本番のプレゼンの際には役立つこともないとは言えません。

よりミスの少ない、完成度の高い仕事をするためには、口うるさい上司は必要不可欠だと思うことができれば、少しは感謝の念が…。

 そうは言っても、こちらに落ち度がないのに、文句を言われるのは嫌なものです。

 けれど、そこをあえて次のように言ってみてください。

 「いつも気づかない問題点をご指摘いただきありがとうございます。今後このようなミスをしないよう一生懸命がんばります。今回も厳しいご評価よろしくお願いします」

 自分が嫌いだと思っていれば、腹が立っていれば、その雰囲気に相手も敏感に反応し、より気まずい雰囲気や敵対する感情が生まれてくることも少なくありません。

 逆に、嫌みで言ったつもりが、感謝の言葉で返されると、相手の感情に変化が生まれ、今後の対応も変わってくるかもしれません。

川村 昌嗣(かわむら まさひで)
1960年高知県生まれ。3浪の末に慶應義塾大学医学部に入学し、1988年に同学部卒業。2001年から11年まで、横浜市のけいゆう病院健診科で健康指導などにあたる。2012年1月に横浜市西区に川村内科診療所を開業。日本老年医学会指導医、日本抗加齢医学会専門医、未病システム学会専門医、日本人間ドック学会専門医。「内科医が教えるお腹がどんどん痩せていく腹凹歩きダイエット」(永岡書店)、「医師がすすめる50歳からの肉体改造」(幻冬舎ルネッサンス新書)などの著書がある。
川村内科診療所のウェブサイト http://www.kawamuranaika.jp/

あなたを太らせる「塩、砂糖、脂肪」のワナ

・痛風患者は全米で800万人に

18歳以上のアメリカ国民の33パーセントが、BMI30以上の肥満体だという。本書によれば、陸軍幹部が公式発表で首都ワシントンの18歳以上の男女が太り過ぎで採用できないと表明。

また、カリフォルニア州ロサンゼルスでは、太り過ぎのため帝王切開が困難になり死亡する産婦が増えているという。また痛風患者は全米で800万人にも達するという。

なぜアメリカはかくも肥満大国になってしまったのか。本書はアメリカの加工食品産業の問題点について、原材料である塩、砂糖、脂肪という三点を軸にしながら追及する。

■塩、砂糖、脂肪の罪

この三つの材料は加工食品になくてはならない物である。なぜなら、製造工程において、苦味、金属味や渋味などの付着がおきてしまうのが通常だが、この三つの材料を加える事により、それらの不純な味を隠すことができるのだ。

糖分への渇望は人間が本能的に持っているものだ。生後間もない赤ちゃんに砂糖水を与えると微笑むという。また、糖分には「至福ポイント」と呼ばれるものがある。

至福ポイントとは食べ物や飲み物に糖分を加えた際、最も美味しいと感じる最大点の事だ。この至福ポイントを的確に狙う事で、より依存度の高い商品を開発できる。

だが、驚くことに脂肪分には至福ポイントが存在しない。多く投入すればするほど、脳は快楽を得て恍惚感に浸るのだ。

実は糖分や脂肪分を摂取したときに使用される脳の神経回路は麻薬などを摂取したときに使われる神経回路と同じである事が最近になって判明している。

30代の発症率最多!若くても発症する痛風対策法!

痛風はかつては「ぜいたく病」といわれ、リッチな生活をしている人がなるものでした。レオナルド・ダ・ヴィンチやアレクサンダー大王も痛風だったといわれています。

痛風だった著名人のリストを挙げるとキリがありませんが、やはり華麗な生活の王侯貴族、大酒飲みだった人の名前が並んでおり、「ぜいたく病」といわれるのもむべなるかなと思わされます。

しかし、昔よりも栄養状態が良くなった現代では、「痛風」は誰もが罹患(りかん)する可能性のある病気になっています。また「痛風」は気を付けなければとても危ない病気なのです。

■ある朝突然に!

ある朝起きると、足の親指の付け根が熱を持って赤く腫れ上がり、痛くてとても歩けない! 「あれっ、ねんざなのかな?」

「痛風」の最もポピュラーな発症はこんなふうです。「痛風発作」と呼ばれます。血中に尿酸の結晶ができ、これが関節などの結節でたまって炎症を引き起こすのです。その「痛み」は骨折の際に感じる「痛み」よりも大きく、とてもではないですが歩けるものではありません。

なぜ足の親指の付け根で炎症が起こるのが多いかといいますと、尿酸結晶が重力に引かれて足部に向かい、血流の屈曲した地点でたまるからです。

足の親指の付け根のほかの足関節、また膝関節で炎症を起こすこともあります。

■痛風発作が若年化している!

痛風は男性の病気です。東京女子医大の1992年の調査によれば、なんと98.5%が男性患者でした。しかもかつては年配の人に発症が多かったのです。

しかし、痛風の発症が若年化しています。かつては50歳代で発症する人が最多だったのですが、今では30歳代での発症が最多になっています。また、その患者数は激増しています(20年前の約3倍といわれます)。

これには食生活の変化が大きな影響を与えているといわれています。栄養価の高い食物をたくさん食べられるようになった結果、「痛風の素地」ができやすくなっているのです。特に気を付けなければいけないのはアルコールです。

アルコールを多量に摂取し、それが習慣化したりすると、アルコール分解のためのエネルギーを生成する結果、体内での尿酸合成が恒常的に起こり……これが痛風につながるのです。

*……『高尿酸血症・痛風の疫学と背景因子 ~高尿酸血症と痛風は増え続けているか~』より

■痛風は一生付き合う病気

痛風発作は1週間から10日ぐらいで治まります。お医者さんから処方された治療薬がよく効いた場合には数日で発作が治まることもあります。

痛風発作からあなたを守るために処方されるのは、主に次の2種類の薬です。

●尿酸合成阻害剤
●尿酸排出剤

尿酸合成阻害剤は体内で尿酸が作られるのを防ぐ薬。いわば、根幹でブロックするものです。尿酸排出剤は、体内で生成されてしまった尿酸を尿とともに排出するための薬です。いわば後処理用の薬ですね。

この2種類の薬はとてもよく効くもので、大きな効果を持ちます。ですが、発作がなくなったからといっても痛風が治ったということではありません。痛風はいわば生活習慣病ですから、一生付き合っていくものです。ですから、お医者さんからもらった薬は飲み続けていくようにしましょう。

■「治った」と思わないように!

薬を飲むのを止めて元の生活に戻ると、尿酸を合成しやすい体質は変わらず、いつまた次の「痛風発作」を起こすか分かりません。また、治療を行わないと、高尿酸血症からの腎不全、合併症などの重篤な事態に陥る可能性があります。

痛風発作を起こした際には、必ずすぐにお医者さんに行きましょう。

■痛風予防とは!?

痛風は発作が起こってから、泣く泣くお医者さんに行く人がほとんどです。お医者さんに「なぜもっと早く来なかったんですか」と言われても、「だって痛くなかったからです」と答える人ばかりでしょう。

痛風を注意すべきなのは、血液検査で尿酸値が7mg/dl(デシリットル)近辺の人。7mg/dlを超えていたらいつ「痛風発作」が出てもおかしくありません。

血液検査の結果を自分で確認して、要注意の人はとにかくアルコールを控えること、またプリン体を多量に含む食事をとらないように注意してください。プリン体が多いのは、レバー、青魚、エビ、カニなどです。

ドロドロ血液をサラサラにするには食べ物ではなくその食べ方にあった!?

皆さん、普段自分の血液がサラサラなのか…ドロドロなのか…見えるものではないので分かりませんよね。もちろん、サラサラのほうが、健康で良い血液です。ドロドロ血液の人の特徴は、不規則な食生活、インスタント食品、タバコ、ストレスなどが上げられます。

そのドロドロ血液を放置することで、病気になったり、血流も滞ってしまうので、肩こりや腰痛、冷え性、代謝低下などと悪影響を及ぼすのです。もちろん、これらが起こることで、むくみやすかったり、太りやすくなってしまったり…しまいにはたるみになったりと美容面にもかなりのデメリットも。

今回お伝えするのは、血液がサラサラになる食べ物ではありません、誰でも心がけてできるサラサラになる食べ方。毎日行う食事だからこそ、これを機に見直して、サラサラ血液にしましょう。

・食べ方を変えるだけで血液がサラサラに?
血液をサラサラにするには、納豆、大豆食品などのいろいろな食材を摂ると効果的と効きますが、毎日食べ続けるには続かない方もしばしば…。自分の血液がドロドロだという自覚がないならなおさら気にしなくなってしまいます。

しかし、血液をサラサラにする食べ方を覚えておけば自ら毎日の食事で心がけることはできますよね。

実は、血液をサラサラにする食べ方とは『新鮮な食べ物を食べること』。
新鮮な野菜には体の老化を防ぐ働きがあるのです。野菜や魚などで考えても分かるように、基本的に『素材は新鮮なほうが美味しい』と言われるのは、健康面から見ても理にかなったことなのです。

ここで言う『新鮮』とは、冷凍したり、熱したり、保存薬品が使われていないものを指します。新鮮な食べ物を食べるこそが、血液をサラサラにし、若々しい体でいられる秘訣なのです。

・新鮮な食べ物を食べると若くいられる!
では、なぜ新鮮な食べ物を食べると若々しくいられるのか疑問に思いますよね。実は『時間が経過した食べ物を食べると体の老化が進む』と言われています。

例えば、リンゴを剥いて時間が経つと茶色く変色します、お茶も湯飲み茶碗に注いだままにしておくと、茶色っぽく変色します。これは、リンゴやお茶が酸化をした証拠。空気に含まれる酸素の影響で食べ物自体が錆びてしまうのです。

ここで何を言いたいかというと、変色するしないに関わらず、どの食材にも言えることが時間が経つにつれて食べ物は錆びていくものなのです。

実はこの錆びた食べ物こそが、活性酸素の生みの親。錆びた食べ物を食べることによって、私たちの体の中には活性酸素が増えてしまうのです。

活性酸素はご存じの通り、老化を促進させたり、病気の原因になったりと、体内に悪影響を及ぼす物質なのです。そんな活性酸素に働きをかけてしまうのがその錆びた食べ物。『錆びた食べ物』はそっくりそのまま『錆びた体』を作り上げてしまうのです。

・錆びた食べ物には注意!
新鮮ではない食べ物=錆びた食べ物の代表的な例は、長く放置した食用油や古くなったインスタントラーメンなど。植物性の油は極めて酸化しやすく、大量に摂ってしまうことで体内に過酸化脂質を増やしてしまうのです。

過酸化脂質は、血液の粘度を上げる働きがあるため、『ドロドロの血液』を作り出してしまい、血流までも滞らせてしまうのです。まさに体にとっては大敵です!

油は使うたびに蓋をしっかり密封し、空気に触れないことで酸化するのを防いでくれます。例えば、油で揚げた揚げ物がいい例。若々しくいるためには、空気に触れる長時間経った揚げ物は避け、揚げたてをいただきましょう。

他にもよく、スーパーなどで賞味期限が近いものは割引をされていますが、野菜やお肉、お魚などのすべてにおける食材も、古いものよりも新しいもののほうが、栄養は変わらないにせよ、血液のことを考えると断然良いのです。

お財布にはやさしくてもサラサラの血液を目指すには新鮮なものを選ぶのも一つのコツです。また、食事の残り物もなるべく空気に触れないようにするため、ラップをしておくだけでも錆びなくするためには効果的です。

目に見えない血液の健康。だからこそ、サラサラな血液でいるために、新鮮な食材を食べ、若々しい体で日々を過ごしましょう。

“痛風”治療の最新事情 新薬登場で選択肢広がる

イタタ! ある日突然、激痛が襲う「痛風」。発病当初は治療により数週間で痛みが治まるため、病気であったことすら忘れてしまいがち。「痛風では死なない」と、たかをくくって放置すると腎疾患などに移行し、最悪の場合、命を落とす可能性もある。新薬が登場した今、根本的に治すチャンスだ。 

 ■腎不全のリスクも

 「激痛が起きてから、診察に来られる方が9割以上ですね」

 こう話すのは、両国東口クリニック(東京都墨田区)の理事長で痛風外来の大山博司医師。

 クリニックを受診する患者の大部分が男性。痛みを訴える部位は半数程度が足の親指の付け根だ。一部の人では足首やかかと、アキレスけん、膝、手指、手首、肘の関節などに痛みが出る。この場合、異なる病名がついてしまうことがあるので専門医の診察が望ましい。

 痛風で怖いのは、痛みが数週間で治まるため、治療を中断して放置してしまう点だ。その間も病はどんどん進行する。

 10年以上たち、関節が変形したり慢性腎臓病を引き起こしたりしてその重症度に気づく例も少なくない。最悪、腎不全などで命を落とすリスクもある。

 原因ははっきりしないが、遺伝と食べ物に含まれるプリン体が関係すると言われる。

 「過去に痛風と診断されなくても強い関節の痛みの経験があり、数年後、同じ部位に痛みを感じたら痛風を疑ってほしい」と大山医師。

 健康診断で、尿酸値が7・0以上あれば、痛みがなくてもまず、診察を受けるべきだ。

 ■1日1回で効果

 痛風には、「尿酸が過剰に生成されるタイプ」と「尿酸が排出されにくいタイプ」がある。患者の約1割が前者で、7割が後者。残り2割が両者の合わさったタイプだ。これまで、いずれのタイプか調べる検査は一般の外来では、手間がかかるため、それほど普及していなかった。

 薬は前者のタイプに対応する「アロプリノール」と、後者のタイプに対応する「ベンズブロマロン」などが使用されてきた。どちらかの薬で副作用が出てしまうと最適な処方ができなくなるといった問題があった。

 今は、新薬を選択する手段もある。

 「一昨年、両方のタイプの痛風に対応可能な『フェブリク』という薬が発売された。この薬は1日1回で高い効果を得られる。自分の病状がどちらかを知り、適切な薬を選んでもらい地道に続けて飲んでほしい」と大山医師は話す。

 ■認定の専門医に

 痛風では、薬を飲んでいる間にも、一時的に痛みが強くなる時がある。

 「不安になって薬をやめてしまう人もいるが、尿酸値が確実に下がり医師の指示があるまで薬を中止しないでほしい。また痛みが出ている間は、悪化させる可能性があるので絶対に薬を『開始しない』。関節に沈着した結晶が溶けるまでには3~5年かかります。食事療法も含めて、長い目でみて治療してください」と大山医師。

 日本痛風・核酸代謝学会では2012年から痛風認定医制度を設けている。多くの症例を手掛けたり、学会で痛風に関する研究発表を行うなど専門知識をクリアした医師が認定される。

 「日本痛風・核酸代謝学会」で検索すると、全国の認定痛風医名簿を見ることができる。

 ■尿酸値を上げやすいもの
 ●鳥や豚、牛のレバーなど内臓類
 ●ビール(飲むなら1日500ミリリットルが上限。他のアルコールも代謝で尿酸を増やすので、日本酒なら1日1合)
 ●魚介類
 ●ラーメンのスープ
 ●だしの素
 ●鍋料理のあとの雑炊

糖尿病治療薬 下痢や嘔吐が生じ意識不明で死に至る危険も

「その薬を飲むべきか否か」を判断する際に参考になる指針がある。日本老年医学会が定めた「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」だ。このガイドラインには、2000本を超える国内外の論文をもとに高齢者が「特に慎重な投与を要する薬物」として29種類の医薬品が掲載されている。

 その中でも注意すべきジャンルが「糖尿病治療薬」だ。糖尿病患者に最も多く使われる「スルホニル尿素(SU剤)」もリスト入りしている。北品川藤クリニック院長の石原藤樹医師が解説する。

「SU剤は膵臓に働きかけてインスリンの分泌を促し、血糖値をコントロールしますが、高齢者には低血糖リスクが大きい。意識障害を起こしたり、脳細胞へダメージを与えることもあります」

 リストでは使用を控えるか、DPP-4阻害薬という糖尿病治療薬への代替が勧められている。

「ただし、血糖コントロールは一生にわたることであり、安易に薬を替えるのが得策ではない場合がある。医師との相談が必須です」(同前)

 他にも注意すべき薬は多い。ピオグリタゾンなど「チアゾリジン薬」は、骨粗鬆症を招きやすいと指摘されているため、足腰が弱っている高齢者は要注意だ。

「α-グルコシダーゼ阻害薬」は「腸閉塞など重篤な副作用に注意する必要があり、下痢や便秘、腹満感などを招きやすい」、「SGLT2阻害薬」は「低血糖や脱水を招きやすい」とされ、夏場の老人の服用は可能な限り避けるべきだ。

 多くの糖尿病治療薬がリストに挙がる中、最も注意したいのはメトホルミンなど「ビグアナイド薬」だ。

「腎機能が衰えた高齢者がビグアナイド薬を服用すると血中の乳酸値が上がり、血液が酸性に傾く“乳酸アシドーシス”を発症するリスクが高まります。この状態になると下痢や嘔吐が生じ、放置すると意識不明に陥って死に至る危険がある」(石原医師)

 他にも高齢者にとって身近なところでは、「非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)」がある。NSAIDsは炎症性物質の働きを抑えて、痛みを和らげたり熱を下げたりする効果がある。イブプロフェン、ロキソプロフェンなど、医師の処方箋がなくとも薬局で気軽に買える薬だ。

「痛みや熱の症状に広く利用される一方、胃の粘膜を保護する炎症性物質の働きを抑えて、消化管出血や腎障害を起こすリスクがある。年を取るほど胃腸の働きが弱まるので、高齢者ほど要注意です。

 心筋梗塞や脳卒中など、心血管疾患を発症する怖れもあります。一時的な痛みならともかく、長期的に使用を継続するのは避けた方が賢明でしょう」(同前)

あなたのその血圧「仮面高血圧」かも!? ◯◯すると血圧200超え…

 病院で測っても、血圧は正常値。だからといって安心はできない。職場で働いているときや寝ている間に血圧が高くなる「仮面高血圧」の可能性があるからだ。週刊朝日MOOK「おいしい暮らしの相談室 糖尿病&高血圧」では取材記者が実際に24時間、血圧を測定。仮面高血圧の隠れたリスクがわかった。

*  *  *
 血圧は一日のさまざまな状況下で変動する。血圧が上がるのは主に起床時、興奮時、緊張時、ストレスがたまっているとき、激務時など。一方、血圧が下がるのは就寝時、リラックス時、入浴時、飲酒時など。

「病院で測る血圧だけでは、実は判断できません。普段は正常値なのに、病院では緊張して血圧が上がる『白衣高血圧』や、逆に、病院では正常値なのに、勤務中や夜間など特定の時間に血圧が高い『仮面高血圧』などがあるからです。病院で正常値と言われているので、血圧が高い時間があることに気づきにくいのです。そのまま放置すると、心筋梗塞や脳卒中などの命にかかわる血管病を発症する危険性が高まります」

 東京都健康長寿医療センター顧問の桑島巌医師は、そう指摘する。桑島医師によると、白衣高血圧と仮面高血圧はそれぞれ900万人前後いるとされている。ただ、白衣高血圧は検査時だけ上昇してしまうので、普段は正常に近い。

問題は仮面高血圧で、ポイントは「職場」と「夜間」だ。

「普段は正常値なのに、職場での血圧が高くなるのが職場高血圧。特に、上司と部下の板挟みになる中間管理職は血圧が高い傾向がみられます。以前、東京都の職員300人を対象に、仕事の合間に血圧を測ってもらったところ、病院では正常値だった職員の約23%が140を超える高血圧でした。仕事の合間の数値ですから、勤務中はもっと高いと推測されます。民間企業でも同じ調査をしたところ、33%が職場高血圧でした」

 病院では正常血圧(130~139/85~89mmHg)なので健診でわからず、職場高血圧が何年も見逃されてしまう。すると、数年後には持続性の高血圧になりかねないのだ。

もう一つの仮面高血圧である「夜間高血圧」は、どのようなものか。

「一般的に、夜眠っているときは日中より10~20%、血圧が下がります。ところが就寝中に血圧が下がらないタイプの人もいます。血管を道路にたとえると、就寝中もダンプカーが走り続けているようなものなので、血管が傷みやすい。夜間に上の血圧が150mmHg以上ある人は、脳卒中や心臓病を発症する確率が118mmHgの人の4倍という調査結果があるほどです」

 起きているときの血圧は自分でチェックできるが、寝ているときに測るのは難しい。

 自分も職場高血圧や夜間高血圧かもしれない――。そんな不安を抱える人におすすめなのが「24時間血圧計」だ。左手の上腕に腕帯を巻き、記録装置を首からかける。30分ごとに血圧計が自動で血圧を測って記録するため、利用者は何もしなくていい。記録装置をズボンのベルトにつけることもできる。保険が適用されるので、3割負担だと1日600円で利用できる。まずは病院で医師に相談してみるとよい。

 実は、筆者にも思い当たる節があった。

 50代ではあるが、毎年、健康診断を受けてもすべて「異常なし」。今年3月の健診時の血圧は上が110だった。数値だけなら問題はないはず。が、締め切りに追われ、ほぼ徹夜で原稿を書いていると、血圧が高いことがあった。仮面高血圧かもしれない――。

 そこで、筆者も24時間血圧計で測ってみた。

 締め切りが近い原稿を2本抱えていたせいか、全体的に高めだったが、上が200を超えるほど跳ね上がった時間帯があった。うたた寝していたときに本書の編集担当デスクから電話があった17時台と、翌11時に24時間血圧計を装着した状態で撮影していたときだ。カメラマンの指示に従って慣れないモデルを務めていたら、まさかの200超えを記録。楽しく執筆しているときは高くないが、仕事で緊張しているときは、高めに出ていることがあらためてわかった。

 一方、低かったのは、ジムで楽しく運動をしたあと、自宅に戻りリラックスしていた20時前後。上が120くらいだった。

 血圧計を借りた日に血液検査もしたが、すべての値が正常。どこも悪いところがなかっただけに、ストレスが大きく影響しての高血圧のようだ。

 病院での血圧測定では正常値なので降圧薬は飲んでいなかったが、今回の24時間血圧計の測定結果と異常がなかった血液検査の結果を見て、血管を広げる作用と利尿作用があるカルシウム拮抗薬(アムロジピン)と、血圧が高いときにストレスを鎮める精神安定剤を処方された。

 血圧が気になるようであれば、仮面高血圧かどうかもチェックしてほしい。(取材・文/庄村敦子)

痛風の原因、尿酸値 ビール断ちすれば問題なし?

この記事では、今知っておきたい健康や医療のネタをQ&A形式で紹介します。ぜひ、今日からのセルフケアにお役立てください。
【問題】痛風の原因になる「尿酸」は、ビールなどに含まれるプリン体という物質が体内で分解されてつくられます。尿酸値を下げたければ、ビールをすっぱりやめるのが一番効果的、というのはホント? ウソ?
.
(1)ホント
.
(2)ウソ

正解は、(2)ウソ です。

 尿酸は、体内で「プリン体」が分解されてつくられます。プリン体とは、あらゆる生物の細胞で遺伝子の主体として働く核酸(DNA、RNA)や、細胞のエネルギー源(ATP、GTP)を構成する物質のことです。プリン体が、細胞の新陳代謝やエネルギー消費の過程で分解されると、尿酸となるのです。

 尿酸値が高い人はビールを控えるほうがいい、とよく言われるのは、焼酎やウイスキーなどの蒸留酒よりもプリン体の含有量が多いためです。銘柄にもよりますが、ビール100mL当たり、およそ5~7mg程度のプリン体が含まれているとされています。

 しかし、プリン体を含むのはビールだけではありません。プリン体は生物の細胞に含まれるので、細胞の数が多いレバーやたらこ、乾燥によって細胞が凝縮される干物といった食品は、プリン体の含有量も多くなります。ビールだけをやめても、プリン体の多い食品をとっているならあまり意味はないでしょう。

 しかも、量の多い少ないはあるものの「プリン体はすべての食品に含まれていますし、食事の摂取量が多いと体内でつくられるプリン体が多くなり、尿酸も増えます」と、東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター所長の山中寿さんは指摘します。「ですから、個々の食品に含まれるプリン体の含有量を細かく気にするよりも、食事の総摂取量を見直すほうが、尿酸値の改善には有効です」(山中さん)

 ただし、食事の全体カロリー量を抑えるだけでは不十分で、アルコール飲料の摂取にはやはり注意が必要だそうです。これは、「アルコールには、プリン体の有無にかかわらず、代謝の過程で血液中の尿酸を増やす働きがある」(山中さん)ためです。

 日本痛風・核酸代謝学会の「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第2版」では、尿酸値への影響を最低限に保つ1日のアルコール摂取量の目安を、ビールなら500mL、日本酒なら1合、ウイスキーなら60mL程度としています。夏はビールがおいしい季節ですが、痛風や尿酸値が心配なら、ビールは中ジョッキ1杯までにしておくほうがよさそうです。

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