l.dtd"> あなたの健康はお金で買えますか・・・? ■大腸がん・胃がん・食道ガン・直腸がん


胸焼けがサイン 増える「食道・胃接合部がん」に要注意

逆流性食道炎(胃食道逆流症)の患者数が増え続けているが、もしこの病気があるなら、食道と胃の境目にある「食道・胃接合部がん」についても知っていた方がいい。逆流性食道炎がリスク要因になるからだ。

東京大学医学部付属病院胃食道外科の瀬戸泰之教授に聞いた。

 解剖学的には、喉と胃袋をつなぐ食道は胸の中にあり、胃はお腹の中にある。食道がある胸の中は陰圧で、胃があるお腹の中は圧が高め。食道の粘膜は扁平上皮と呼ばれ、胃は円柱上皮。食道は筒状だが、胃は袋状になっている。

「つまり、食道と胃は環境や組織の構造が全く違います。2つの臓器の境界線には、胃の内容物が逆流しないための“関所”の噴門があります。

噴門の辺りの組織は、食道でも胃でもなく、ここにできるがんは通常の食道がんや胃がんとは違うのではないかという議論が昔からありました。最近、境界領域のがんが増えてきて、あらためて脚光を浴びるようになったのです」

 これまでは、名称や治療法がバラバラだった。

食道を専門に診ている医師は、食道がんの一種とみなし、食道と胸部のリンパ節を切除する。一方、胃を専門に診ている医師は、胃がんの一種とみなし、胃を全摘する。近年、それらの統一化を目的とした動きが出てきている。

 まず、食道と胃の境界線から上下2センチのがんを「食道・胃接合部がん」と称することが定着しつつある。
 
次に、治療法が食道あるいは胃に偏らないように、日本食道学会と日本胃癌学会が全国調査を実施した。273施設で過去10年間に手術を受けた3000例以上を分析したのだ。

「その結果、食道・胃接合部がんでは、直径4センチまでの大きくないものであれば、胃全摘は必要ないとわかりました。

これまで胃全摘になっていたのは、がんが胃の一部であっても、“大きめに切除する”“リンパ節転移を防ぐためにリンパ節も切除する”ということが一般的だったからです。

しかし、今回の調査で、そこまでしなくても、転移は起こりにくいと判明したのです。昨年8月には、ガイドラインに暫定的に明記されています」

■肥満、早食い、深夜の飲食はリスク大

 食道に関しては、現在行っている“胸部のリンパ節切除”まで必要か、手術の範囲をどこまで小さくできるかなど、結果が出るところまで至っていない。研究結果が出るのは、まだ数年先だろうとみられている。

 この食道・胃接合部がんは、冒頭で触れたように、逆流性食道炎がリスクを高める。

「逆流性食道炎は胃酸の逆流を起こす病気です。食道と胃の境界線の粘膜が何度も胃酸にさらされ、粘膜が変性し、がんが起こしやすくなる。

もし、逆流性食道炎があるなら、その治療を受けると同時に、年1回は内視鏡検査を受けた方がいい。

逆流性食道炎と診断されていない人は、胸焼け・胃のむかつきに要注意です。市販薬で胸焼けを抑えていても、胃酸逆流が起こらなくなるわけではないので、安心してはいけません」

 肥満、早食い、深夜によく食べる、という人は逆流性食道炎を起こしやすい。特に気を付けよう。

【変わる大腸がん検診】肛門から内視鏡を入れるなんて、痛くて、つらくて、恥ずかしい…からカプセルを飲み込むだけに!?

大腸がんは早期発見、早期治療が大変有効ながんですが、40才以上の検診受診者は20%台という低い数字に留まっています。

肛門からの内視鏡検査が怖い、恥ずかしいというイメージを持つ方に朗報なのが、2014年、大腸カプセル型の内視鏡にも保険適応されるようになりました。

ここでは、大腸カプセルの内視鏡検査について、簡単に解説してみます。

◆女性のがんの死亡率1位の大腸がん
病気による死亡原因の第一位とされる癌の中でも、ワースト3に入る大腸がん。男性のがん死亡率では第3位、女性においては第1位を占めています。

大腸がん自体は進行が遅いため、早期発見さえできれば治療が可能であることから検診が強く勧められているにも関わらず、40才以上の検診受診者は20%台。

これには検診方法が痛くてつらい、恥ずかしい、というイメージであることが関係しているようです。

というのも、従来の大腸がん検診では肛門から内視鏡を入れる大腸内視鏡検査が取られていたため、身体的にも心理的にも負担の大きいものでした。

◆2014年、大腸カプセル内視鏡にも保険適用
そこで開発され、2014年より新たに健康保険が適用されるようになったのが、大腸カプセル内視鏡です。

すでに小腸用のカプセル内視鏡は2007年に保険適用が認められていましたが、今回、さらにがん死亡率に歯止めをかけるべく、大腸用が承認されたというわけです。

保険適用により、1割負担なら約1万円、3割負担なら約3万円程度で受診することができます。

◆大腸カプセル内視鏡ってどんなの?
大腸カプセル内視鏡は、その名の通りカプセル型の内視鏡で、大きさは長さ26mm、幅11mm。通常の錠剤と比べればどうしてもやや大きめにはなりますが、体験した人の意見を聞くと、意外に抵抗感なくすんなりと飲めると言います。

飲み込んだカプセルは消化管のぜん動運動を利用して体内を進んで行き、前後に付いている2つのカメラが360度周囲を撮影して、その画像を腹部に貼ったデータレコーダーに送信します。

送られる画像数は大腸の運動が遅いときで毎秒4枚、早いときで毎秒35枚。これらを医師が見て問題ないかどうかを判断するわけです。飲み込んだカプセルは約10時間後に便と共に排泄されます。

◆カプセル内視鏡のデメリットは?
このように痛い・恥ずかしいという従来の検査方法のデメリットを克服したのがカプセル内視鏡ですが、メリットばかりではありません。

例えば、臨床実験では、従来の内視鏡検査で大腸がんが見つかった人66人を対象にカプセル内視鏡による検査を試してみたところ、病巣を確認できたのは62人に留まったとのこと。

カメラの精度が従来のものと比べるとやや劣るため、6%程度病巣を発見できなかったということです。

また、従来の内視鏡検査の場合、病巣を発見するとその場で直ぐに切除に入ることができるのに対し、カプセル内視鏡は撮影するのみであるため、改めて肛門から内視鏡を入れる必要があります。

つまりカプセル内視鏡は、内視鏡というよりレントゲン検査に近いものというわけです。更に腸内を洗浄する機能がないため、洗浄も兼ねて下剤を4リットルも飲む必要があります。

これは従来の2倍ほどの量であり、下剤を飲むことの方に苦労してしまうとの意見も少なくありません。

【最新「死に方」事典】長野県の長寿の秘密はPPK運動 ココを学べ

 多くの方がご存じだと思うが、日本でいちばんの長寿県は、長野県である。

 長野県の平均寿命は、男性80.88歳(全国平均は79.59歳)、女性87.18歳(全国平均は86.35歳)で、男女とも1位。

これは、政府が5年置きに発表する「都道府県別生命表の概況」で、2013年に公表された数値だ。

かつて長生きといえば、南国の沖縄だったが、いまや長野県ということで、ここ十数年すっかり定着している。

 では、なぜ、長野県が長寿日本一なったのだろうか。

 こう書くと、その秘密はやはり食べ物にあると思われる方が多い。

たとえば、カスピ海と黒海にはさまれたカフカス地方は世界でも長寿の地域と知られるが、その秘密はカスピ海ヨーグルトとされているからだ。

また沖縄の場合も、海藻や豆腐などをよく食べることが原因とされた。つまり、長野県人も、他県の人に比べてなにか特別なものを多く食べているのでは。と思われるようだ。

 しかし、私は、長野県の長寿の秘密は、食べ物ではないと考えている。というのは、いまや日本人の食生活は全国どこでもほとんど変わらないからである。

 じつは、医者なら知っているが、長野県は医者が最ももうからない県の1つである。

長野県の1人当たり後期高齢者(老人)医療費は、全国の県のなかで下から4番目、脳卒中死亡率も低い。

現在、後期高齢者医療費の全国平均は90万4000円だが、長野県は77万3000円と13万1000円も低いのである。

 こうしたせいで、長野県の開業医は、次のようによくボヤく。「地域の人たちの健康意識がこんなに高いと、開業医はやっていけませんね。

公的病院は補助金があるからいいけど、われわれは患者が少ないと苦しい」

 それはさておき、長野県の長寿の秘密は、地域の健康増進.病気予防運動にある。地域の人と人がつながり、地域社会全体で、健康と長生きを目指したからだ。

 長野県では戦後間もなく、須坂市で「保健指導員」という地域住民による自主的な活動が始まっている。

この保健指導員を中心にして、長野県ではこれまで、県内全域で「栄養改善」「減塩活動」「ウオーキング」などに取り組んできた。

 こうした取り組みでとくに有名なのが、「PPK運動」(PPKはピンピンコロリ=元気に生きて病むことなくころりと死ぬこと)である。これが発展して「県民減塩運動」が行われた。

たとえば、「みそ汁は1日1杯」「そばやラーメンの汁は半分残す」「漬物は1日につき小皿1杯」などの食生活スタイルが徐々に広まっていった。

 こうして、長野県では医者がボヤくように、病人が減ったのである。また、食生活も変わり、たとえば、20歳以上の男女の野菜摂取量は全国トップである。

 長野県の保健補導員は基本的にボランティアで、任期は通常2年。現在、約1万人の保健補導員がいるという。

 人は1人では生きられない。長寿も1人では達成できない。長野県の例に、私たちが学ぶことは多い。

 ■富家孝(ふけたかし) 医師・ジャーナリスト。1947年大阪生まれ。1972年慈恵医大卒。著書「医者しか知らない危険な話」(文芸春秋)ほか60冊以上。

自覚症状がほとんどない!膵臓(すいぞう)がんの症状や糖尿病との関係は?

膵臓がんは発生率、死亡率とも高い方ではありませんが、それでも年間およそ28,000人の方が膵臓がんで亡くなっているという統計データがあります。ここでは、膵臓がんとはどのような病気なのかについて、簡単に解説してみます。

◆膵臓がんはどんな病気?
膵臓とは胃の裏側にある臓器で、膵臓から出る管(膵管)は、肝臓や胆のうから出て来る管と繋がっています。食事をするとその栄養分は分解され、たんぱく質・脂肪や炭水化物などから糖分が生成されます。

糖分は血液中を流れ全身の臓器を動かすエネルギー源となり、血液中を流れる糖分を血糖と呼びますが、人の体の中で唯一、この血糖を下げる働きを持つ“インスリン”というホルモンは、膵臓からしか分泌されません。

膵臓には身体の状態を保つとても重要な役割があるのです。膵臓がんはもっとも自覚症状が現れにくいがんの1つで、さらには周りの臓器への転移(がん細胞が他の臓器へ飛び、そこで増殖すること)を起こしやすいという特徴もあります。

つまり症状が出た時には、すでに治療法が限られてしまうことが多いがんでもあるのです。

◆膵臓がんになりやすい人は?
膵臓がんになりやすい因子としては、糖尿病である、肥満である、慢性的に膵炎(膵臓の炎症)を起こしている、喫煙歴がある、などです。しかしそれ以外の因子、例えば遺伝的なもの、食生活、生活習慣などいくつか考えられるものもありますが、これらについては、まだよく分かっていません。

実際の患者さんの統計データからは、発生率は高齢になるほど高くなり、死亡率は男性の方が女性より高い(およそ1.7倍)ことが分かっていますが、その要因については、まだ研究段階にあります。

◆膵臓がんの症状
膵臓がんは、自覚症状が最も現れにくいがんの1つです。実際に病院を受診した人の症状としては、胃のあたりや背中の重苦しさ、食欲がない(減った)、何となくおなかの調子が悪いなど、とても漠然としたものが多いようです。

これらの症状は膵臓がん以外でも起こりますし、これだけで膵臓がんを疑うことは非常に難しいといえます。

他にも膵臓がんと強い関連を持つ症状として、黄疸があります。黄疸は身体全体や白目が黄色くみえる症状で、黄疸が出ると、身体全体の痒みが出たり、尿の色が濃くなることがあります。

しかしこれも膵臓がんに限定されたものではなく、例えば肝臓がんや胆のうがんでも、黄疸が出ることがあります。

◆膵臓がんの調べ方
膵臓がんであることを調べるためには、問診や血液検査の他、腹部超音波検査(エコー)、腹部のCTやMRIといった画像検査が必要になります。

また超音波装置のついた内視鏡を胃へ挿入し、胃の中から超音波を当てることで膵臓を詳しく見る「超音波内視鏡検査」というものもありますが、これは装置がある病院でしか検査ができません。

他には、内視鏡を胃から十二指腸まで入れて、そこに細いチューブ(カテーテル)を入れて膵臓まで送り込み、そこから造影剤を入れてX線撮影を行う「内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)」という検査もあります。

比較的患者さんの負担が少ない「MRI胆管膵管造影」という検査も広く行われるようになってきました。

◆膵臓がんの治療方法
膵臓がんの治療には、手術療法、化学療法、放射線治療などがあります。比較的早いうちに発見され、がんが膵臓の中だけにとどまっている場合は、手術療法でがん細胞を切除するのが一般的です。

進行してくると、手術療法と化学療法を組み合わせて行ったり、さらに放射線療法を組み合わせて行うこともあります。がんが広い範囲まで拡がっている場合は、化学療法のみを行うこともあります。

膵臓がんは早期発見が難しく、見つかった時にはすでにかなり進行していることもあります。


胃がんや狭心症のサイン…「いつもの胸焼け」が命取りになる

吉田孝雄さん(仮名・55歳)は半年ほど前から胸焼けがひどく、食欲が落ちた。

仕事柄、酒席が多いので酒の飲み過ぎか、気の重い案件を仕事で抱えていることによるストレスか、そのどちらかだと考えていたが、心配した妻からせっつかれ病院を受診したところ、進行した胃がんが見つかった。もっと早く受診すべきだったと悔やんだが、時すでに遅しだった。

 胸焼けはよくある症状だ。「いつものこと」「そのうちよくなるだろう」などと考え、市販の胃薬を飲みながらも、積極的な手を打たない人が多い。しかし、吉田さんのように、それが最悪の結果につながることがある。胸焼けに潜む病気を、西崎クリニック・西崎統院長に聞いた。

「患者さんが胸焼けを訴えた場合、一般的に質問するのは(1)何歳か(2)いつ頃から始まったか(3)どういう時に胸焼けが起こるか(4)どういう食生活をしているか(5)どういう持病があるか――の項目です。

胸焼けで多いのは、胃液が逆流して食道の粘膜を刺激する胃食道逆流症(逆流性食道炎)です。若い頃からアルコールをよく飲み、肉類や脂っこいものが好き。どんぶりをかっこむなど早食いで、暴飲暴食をすることも多い。夜遅くに食事をしたりする。そんな場合は、真っ先に疑います」

 特に「早食い」はキーワードになる。ボリュームのある食事が一時に食道を通るので、広がりやすく、収縮力が弱まり、胃液が逆流する。

「50歳を越えている、肥満や大食い、または逆にやせ過ぎといった人には、まず食道裂孔ヘルニアを考えます。横隔膜には食道が通る穴があり、それが食道裂孔です。食べたものが通る時以外は食道裂孔で食道を締め付けています。

それがゆるんで胃の一部が飛び出したのが食道裂孔ヘルニア。加齢とともに起こりやすくなりますし、先に挙げたタイプの人は常に圧がかかっているので、食道の締め付けがゆるくなりがちなのです」

■心筋梗塞の自覚症状の場合も

 ストレスが強い、胸焼けとともに胃の痛みもしょっちゅう感じるといった場合は、慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍の可能性を思い浮かべる。

「慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍の場合、ピロリ菌の検査も必要です。胃がんの発症に関係しているので、ピロリ菌がいることがわかったら、除菌治療を受けるべきです」

 胸焼けが数週間を越えても続いている。その程度が強くなっている。食欲もなく、胃痛もある……。もしそうなら、胃がんをはじめとする消化器系のがんかもしれない。

 ほかにも狭心症や心筋梗塞の自覚症状として胸焼けが出てくることがある。胸痛がない人も少なくない。高齢者では、胸痛がたとえあっても気が付いていないこともある。

「胸焼けがよくあると訴えて来院した患者さんには、症状をよく聞いて、胃食道逆流症や食道裂孔ヘルニアなどが疑われたら、2週間ほど薬を飲んで様子を見ます」

 それでもよくならなければ、がんのリスクなども考え、上部消化管内視鏡をする。もちろん、狭心症など“心臓関連”が考えられる時は、心電図もチェックする。

「がんや狭心症など重大病が見つかることは、頻度としては多くありません。しかし、ゼロではない。“もっと早く検査していれば”とならないためにも胸焼けを甘く考えないで必ず一度は検査を」

 冒頭の吉田さんのようにならないために。

ドラマ『ママとパパが生きる理由。』に出てきた、男性の死亡者数第1位の「肺がん」とはどんな病気?

1月20日(木)よりTBS系の「木曜ドラマ劇場」枠でスタートしたドラマ『ママとパパが生きる理由。』。

2012年に乳がんと診断され、その後夫も肺がんの宣告を受けた女性が、闘病や家族のことについて書き綴ったブログが話題となりました。

その内容をまとめた原案をもとに今回ドラマ化され、幼い子どもを抱えながら闘病生活を送る夫婦という難しい役どころを吹石一恵さんと青木崇高さんが演じます。

今回夫役の青木崇高さんが患っているのは肺がん。肺がんは、近年患者数が増加しており、女性よりも男性がかかりやすいといわれています。

肺がんの日本における「患者数」は、男性では胃がんに次いで2位ですが、「死亡者数」で見た場合、男性では1位となっています。ここでは「肺がん」について簡単に説明します。
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◆肺がんになりやすい人は?

肺がんの発症リスクとしては、女性よりも男性の方が、若年者よりも高齢者の方が患者数は多いという特徴があります。しかし最も重要なのは、喫煙歴です。喫煙者は非喫煙者と比べて、男性では4.5倍、女性でも3倍のリスクがあります。

また肺を汚してしまう原因としては、アスベストや排気ガスなどがあり、近年注目されているPM2.5も肺がんの原因になることが分かってきました。

◆肺がんはどんな病気?

肺の最も重要な働きは、外の空気から酸素を取り込み、炭酸ガス(二酸化炭素)を外へ送り出すことです。酸素は、気管を通り、左右の肺に分かれます。そのあとさらに気管支に入り、最後には肺胞にたどり着き、酸素と二酸化炭素の交換を行います。肺がんは、このような肺の気管、気管支、肺胞の一部の細胞などががん化したものです。
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◆肺がんの症状とは?

肺がんの症状は、千差万別です。初期症状は、肺の入り口である“肺門部”というところにがんが出来ると、咳や痰が増えます。しかしこれはどのような呼吸器の病気でもみられる症状ですので、これだけで肺がんに気付くことはまずありません。

この状態が進行すると、気管支(口から肺に続く空気の通り道)が狭くなり、喘息のようなヒューヒューという音が聞こえるようになります。

さらに進行すると、肺の一部が機能しなくなり(無気肺)、空気の入替が上手く行われなくなるため呼吸器や、いわゆる肺炎など肺へ感染症を起こしやすくなります。

20年間で約2倍に増えた大腸がん 知っておきたい男女差や生存率

がんの中で肺がんに次いで死亡者数が多い「大腸がん」。食生活の変化などで罹患者数が急増している。発売中の週刊朝日ムック「よくわかる! がん最新治療シリーズ2 大腸がんと診断されました」では、大腸がんの再発率などを専門医に聞いた。

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 大腸がんにかかる人の割合は40代から増え始め、高齢になるほど高くなっていく。実際には65歳以上でかかる人が多い。2012年に新たに大腸がんと診断された人は13万4575人。1990年には約6万人だったため、約20年間で2倍以上に増え、今後も増加することが予想されている。増加には主に結腸がんの増加が影響していて、日本人の食生活の欧米化や高齢化などがその原因と考えられている。

 大腸がんにかかる人は男性のほうが多く、女性の約1.3倍だ。男性は胃がんに次いで多く、女性は乳がんに次いで多い。死亡数は女性の場合、がんの中で最も多く、男性は肺がん、胃がんに続く。

 大腸がんは生存率が高く、大腸がんにかかっている人のうち、死亡する人は約3割で、ほかのがんより少ない。病期別の5年生存率を見ても、I期では99%近く、II期は約91%、III期でも80%を超える。胃がんはIII期だと約47%、肺がんは約22%であるのと比べると、がんの中でも生存率が高いことがわかる。

 大腸がんは手術後3年以内の再発が多く、5年以上経ってから再発するケースは1%以下だ。このため、手術後5年経っても再発しなければ治ったと考えることができる。ただし最近は薬物療法の進歩などにより、たとえ進行がんで見つかったとしても再発までの期間が長くなる傾向があり、5年以上経っても経過を見るようになってきた。
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 結腸がんと直腸がんで5年生存率に大きな差はないが、III期の場合、結腸がんは86.2%なのに対し、直腸がんは82%でやや下がる。これは直腸が骨盤に囲まれていて、がんの進展が結腸がんに比べ複雑で、手術の難度が高いことが影響していると考えられる。難度が高くなることによって切除しきれずにがんを取り残す可能性が結腸がんよりも高くなる。その証拠に直腸がんは結腸がんよりも、がんがあった周辺に再発(局所再発)する割合が多い傾向があり、直腸がんのうち約10%に局所再発が起こる。

 大腸がんの生存率の高さは、再発率の低さとも関係する。粘膜内にとどまっているがんであれば再発は起こらず、粘膜下層まで浸潤したがんだと再発率は約1%、固有筋層まで浸潤した場合でも約6%、II期では約13%、III期でも約30%だ。

 さらにたとえ再発、転移した場合でも手術によってがんを取りきれる可能性があることも大腸がんの大きな特徴だ。ほかのがんの場合、再発すると一般的には根治を目的とした手術をするのは難しく、薬物治療や放射線治療が中心となる。

 都立駒込病院で大腸外科部長を務める高橋慶一医師は次のように話す。

「大腸がんは肝臓と肺に再発する割合が高いのですが、これらの臓器に限局していて広がりにくいため、手術で完全に切除できれば治る可能性が高いのです」

死亡者数2位 大腸がんと診断されたら知っておきたいこと

がんの中で肺がんに次いで死亡者数が多い「大腸がん」だが、比較的、手術で治せる可能性が高いとされる。発売中の週刊朝日ムック「よくわかる! がん最新治療シリーズ2 大腸がんと診断されました」では、大腸がん発症のメカニズムを専門医に聞いた。

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 食べたものを消化・吸収し、排泄する役割がある消化管。その最後尾にあるのが、胃、小腸に続く大腸で、長さ1.5~2メートルの臓器だ。大きく分けると結腸と直腸があり、結腸は盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸からなり、直腸、肛門へとつながっていく。

 大腸がんには結腸がんと直腸がんがあり、日本人に多いのは直腸がんとS状結腸がんだ。S状結腸と直腸は便をためておく貯蔵タンクのような役割がある。このため便と接触している時間が長く、刺激を受け、がんが発生しやすいと考えられている。

 大腸は消化管の中でも特にポリープ(腺腫)ができやすい臓器だ。大腸がんが発生する経路には、この腺腫ががん化する場合と正常な粘膜から直接がんが発生する場合とがある。

 大腸がんの進行度を知るうえで重要なのは、がんの深さだ。大腸の壁は内側から順に粘膜、粘膜下層、固有筋層、漿膜(しょうまく)下層、漿膜の五つの層からなる。がんはまず粘膜の表面に発生し、壁の外側へと深く侵入(浸潤)していく。粘膜や粘膜下層にとどまっているがんであれば「早期がん」、それより深くまで侵入していると「進行がん」となる。

 また、大腸がんは進行し深く浸潤していくにつれて、最初にがんが発生した場所とは別の場所に転移して増殖していく。転移にはがんがリンパ管の中に入り込んでリンパ節で増殖する「リンパ行性転移」、血管に入り、血液の流れにのって肝臓、肺などの別の臓器に移る「血行性転移」、増大したがんが大腸の壁を突き破り、おなかの中にばらまかれて増殖する「腹膜播種(ふくまくはしゅ)」がある。がんの進行度は、どれくらい深くまで進んでいるか、リンパ節転移やほかの臓器への遠隔転移があるかどうかによって決まる。

 大腸がんは比較的治りやすく、早期がんであれば、5年生存率は90%を超える。直腸がんと結腸がんで生存率に大きな差はないが、手術をした場合、直腸がんのほうがその後の生活に影響が出やすい。都立駒込病院・大腸外科部長の高橋慶一医師はこう話す。「肛門に近い直腸がんの場合、位置や進行度によって肛門を切除しなければならないケースがあり、その場合は人工肛門となります。また、肛門を温存した場合でも、結腸がんに比べて術後しばらくは排便回数が多くなるなどの影響が出やすい傾向があります」

肺がん「ステージ4の生存率高い」全国がんセンターTOP3

「今回のデータでは、肺がんがもっとも生存率が低い。理由のひとつはがんに侵された肺を全摘することが困難だからです。いかに肺機能を残しながら取りきるか。高出力レーザーを日本でいち早く取り入れた『大阪府立成人病センター』を代表する存在・兒玉憲先生の功績は大きいです」

と語るのは、聖マリアンナ医科大学助教授をへて、現在は神経内科医および作家として活躍する米山公啓先生だ。

昨年10月、全国のがん診療の中核をなす31病院で作る『全国がん(成人病)センター協議会(全がん協)』が加盟する病院ごとの5年生存率を発表し話題を呼んでいる。

「日本の医療は地域格差がなく公平というのが大前提。数字が出ると、同じがんでも病院によってかなり生存率に差があることがわかってしまう。

また、それをランキング化すると、上位の病院に患者が殺到。収集がつかなくなると考えて、これまで病院ごとの生存率を発表してこなかったのだと思います」(米山先生)

今回のデータは調査方法その他に病院間でバラツキがあり、ランキングにできるものではないと名言している。だが、米山先生はこう続ける。

「たしかにがんの生存率を公平に見るのは難しい。しかし、ステージ4(より症状が進んだがん)でどれだけ成果をあげているかを見れば、医師のレベルを見るいちばんわかりやすい尺度になるでしょう。また外科というのは、とにかく経験がものを言います。今回は、3年間で計300例以上の手術数の病院を対象としました」

肺がんにおいてステージ4の生存率が高いがんセンターを調べてみたところ、TOP3は下記の通りとなった。

1.九州がんセンター(症例数537、ステージ4の生存率8.5%)

2.兵庫県立がんセンター(症例数848、ステージ4の生存率7.8%)

3.大阪府立成人病センター(症例数808、ステージ4の生存率7.6%)

「症例数が兵庫や大阪府立の半分近くなので、比較が難しいが、肺がんのステージ4はきわめて難しい手術。そこで全国トップの九州がんセンターは注目に値。兵庫と大阪府立は症例数、ステージ4生存率ともほとんど差がなく、ともに優秀と見ました」(米山先生)

大腸がん「ステージ4の生存率高い」全国がんセンターTOP3

「大腸がんは転移しやすいがん。それをすべて取りきる腕が大事なので、執刀経験が多いことが重要です。またステージ4(より症状の進んだがん)では広い範囲を徹底的に取るため根気も必要になります。

『埼玉県立がんセンター』の西村洋治先生、『がん研有明病院』の福永洋介先生がまさにその例といえるでしょう」

と語るのは、聖マリアンナ医科大学助教授をへて、現在は神経内科医および作家として活躍する米山公啓先生だ。

昨年10月、全国のがん診療の中核をなす31病院で作る『全国がん(成人病)センター協議会(全がん協)』が加盟する病院ごとの5年生存率を発表し話題を呼んでいる。

「日本の医療は地域格差がなく公平というのが大前提。数字が出ると、同じがんでも病院によってかなり生存率に差があることがわかってしまう。

また、それをランキング化すると、上位の病院に患者が殺到。収集がつかなくなると考えて、これまで病院ごとの生存率を発表してこなかったのだと思います」(米山先生)

今回のデータは調査方法その他に病院間でバラツキがあり、ランキングにできるものではないと名言している。だが、米山先生はこう続ける。

「たしかにがんの生存率を公平に見るのは難しい。しかし、ステージ4でどれだけ成果をあげているかを見れば、医師のレベルを見るいちばんわかりやすい尺度になるでしょう。また外科というのは、とにかく経験がものを言います。今回は、3年間で計300例以上の手術数の病院を対象としました」

子宮頸がんにおいてステージ4の生存率が高いがんセンターを調べてみたところ、TOP3は下記の通りとなった。

1.名古屋医療センター(症例数328、ステージ4の生存率21.2%)

2.埼玉県立がんセンター(症例数456、ステージ4の生存率20.3%)

3.がん研有明病院(症例数712、ステージ4の生存率19.4%)

「ステージ4で生存率20%を超えている名古屋医療センターと埼玉県立がんセンターは非常に立派。

ただ名古屋は症例数が少なく、実績を考慮すると埼玉のほうが実際は上位かもしれません。がん研有明病院は症例数で他を圧倒。数字以上の実力を感じます」(米山先生)

食道がん 飲酒後に顔が赤くなる人のリスク12倍との研究結果

食道がんは過度の飲酒、肥満などが発症リスクで、特に飲酒後、顔が赤くなる人の食道がんリスクはそうでない人の12倍という研究結果もある。

 初期は自覚症状が少なく食べ物がつかえる、飲み込みにくい(嚥下困難)、声が枯れるなどの自覚症状で、受診した時には6割が進行がんになっている。死者が毎年1万人以上に上るのは、早期に発見されにくい事情もある。

 食道がんは扁平上皮がんと腺がんがあり、日本人は圧倒的に扁平上皮がんが多い。発生場所は食道の頸部、胸部、腹部のうち、ほとんど胸部に発生する。川崎市立川崎病院外科の小柳和夫担当部長に話を聞いた。

「食道がんの治療は、内視鏡的治療、外科手術、化学療法、放射線療法、術前化学療法、化学放射線療法などがあり、ステージごとに大まかに治療方針が決まっています。

ごく早期では内視鏡的治療を、ステージ1~3では外科手術が第一選択となります。

 遠隔転移やリンパ節転移などの手術が難しい症例や再発、患者が手術を望まない場合は、化学放射線療法を選択することもあります」

 食道がんは胸部に発生することが多く、外科治療では胸部食道切除後、胃を引き上げて上部と繋ぐため、頸部切開と腹部切開も必要で手術時間も6~8時間かかる。

比較的高齢で他の合併症を持っている患者も多く、手術に耐えられず化学放射線療法が選択されることも多い。

胃がんの原因となるピロリ菌!検査費用は?治療法は?

ピロリ菌、という名前を聞いたことはありますか?何となく可愛らしいイメージのある名称とは裏腹に、胃の粘膜に住みついて悪影響を与えることで有名な細菌・ピロリ菌。胃や腸に関係した疾患の原因になるとして、良く知られるようになりました。

ここでは、胃がんの原因となるピロリ菌について、簡単に解説してみます。

◆ピロリ菌はどこで感染するの?

ピロリ菌は食べ物や水からの経口感染によるものとされていますが、未だ感染ルートがハッキリしておらず、感染予防に関してもまだ未確立のままですが、唯一ゴキブリがピロリ菌を運んできている可能性が高いとされているため、ゴキブリ駆除が予防法に挙げられています。

また、ピロリ菌が入り込んで感染するのは幼児期だけであるため、割合としては、上下水道などの衛生環境が十分に整っていなかった時代に生まれた50才以 上の世代に感染者が多く、50才以上の約80%の人がピロリ菌に感染しているものと思われます。

逆に、衛生環境の整った10~20代の若者たちに関しては、 感染者は20%程度とされており、今後は更に感染率は下がっていくと考えられます。
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◆ピロリ菌に感染するとどうなる?

しかしピロリ菌は、ただ胃に住み着いているだけであれば何の症状もありません。実際保有者の7割程度は無症状のまま何ら問題なく日常生活を送っています。

問題は、ピロリ菌によって何らかの疾患が発病した場合です。胃が炎症を起こすと激しい痛みを引き起こしますし、更に感染が進むと範囲が広がって慢性胃炎に なることもあります。

慢性胃炎が進むと胃潰瘍や萎縮性胃炎、十二指腸潰瘍、更には胃がんまで引き起こす可能性があるのです。

実際、胃がシクシクと痛む、あるいは慢性的に胃もたれを感じる、などの理由で検査を受けてはじめてピロリ菌に感染していることが発覚したというパターンは少なくありません。
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◆ピロリ菌検査の費用はどれくらい?

このように他の疾患の併発によってピロリ菌検査や治療を行う場合には保険が適用されますが、無症状の場合では自己負担となります。

検査方法には内視鏡を使って胃粘膜の一部を採取し、ピロリ菌の有無を調べる方法と、血液や尿、便、呼気などを採取して調べる方法とがあります。

検査だけなら全額自費でも3千円~5千円程度ですが、これに胃カメラなど他の検査が加われば高額になることもあります。

治療法も同様に、3種類の薬を一週間飲み続けるだけと簡単で、保 険が利かなくても1万円~1万5千円程度で済みます。

◆ピロリの除菌に効果的な食べ物って?

またピロリ菌の除菌にヨーグルトが効くと噂されていますが、全てのヨーグルトに除菌作用のある乳酸菌が含まれているわけではありません。効果が確かめられているのはLG21乳酸菌で、同名称のヨーグルトなら除菌効果が期待できるとされています。

LG21以外では、梅肉エキスやスプラウト、わさびの葉、海藻類などに含まれる成分にピロリ菌の抑制作用があるとされており、あるものはすでに健康食品として販売されているようです。

痛い内視鏡検査やらなくてもいい?飲むカプセルで大腸がんが分かるってホント?

大腸がんは早期発見、早期治療が大変有効ながんですが、40才以上の検診受診者は20%台という低い数字に留まっています。

肛門からの内視鏡検査が怖い、恥ずかしいというイメージを持つ方に朗報なのが、2014年、大腸カプセル型の内視鏡にも保険適応されるようになりました。ここでは、大腸カプセルの内視鏡検査について、簡単に解説してみます。

◆女性のがんの死亡率1位の大腸がん

病気による死亡原因の第一位とされる癌の中でも、ワースト3に入る大腸がん。男性のがん死亡率では第3位、女性においては第1位を占めています。

大腸がん自体は進行が遅いため、早期発見さえできれば治療が可能であることから検診が強く勧められているにも関わらず、40才以上の検診受診者は20%台。

これには検診方法が痛くてつらい、恥ずかしい、というイメージであることが関係しているようです。というのも、従来の大腸がん検診では肛門から内視鏡を入れる大腸内視鏡検査が取られていたため、身体的にも心理的にも負担の大きいものでした。
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◆2014年、大腸カプセル内視鏡にも保険適用

そこで開発され、2014年より新たに健康保険が適用されるようになったのが、大腸カプセル内視鏡です。すでに小腸用のカプセル内視鏡は2007年に保険適用が認められていましたが、今回、さらにがん死亡率に歯止めをかけるべく、大腸用が承認されたというわけです。

保険適用により、1割負担なら約1万円、3割負 担なら約3万円程度で受診することができます。
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◆大腸カプセル内視鏡ってどんなの?

大腸カプセル内視鏡は、その名の通りカプセル型の内視鏡で、大きさは長さ26mm、幅11mm。通常の錠剤と比べればどうしてもやや大きめにはなりますが、体験した人の意見を聞くと、意外に抵抗感なくすんなりと飲めると言います。

飲み込んだカプセルは消化管のぜん動運動を利用して体内を進んで行き、前後に付いている2つのカメラが360 度周囲を撮影して、その画像を腹部に貼ったデータレコーダーに送信します。

送られる画像数は大腸の運動が遅いときで毎秒4枚、早いときで毎秒35枚。これ らを医師が見て問題ないかどうかを判断するわけです。飲み込んだカプセルは約10時間後に便と共に排泄されます。

◆カプセル内視鏡のデメリットは?

このように痛い・恥ずかしいという従来の検査方法のデメリットを克服したのがカプセル内視鏡ですが、メリットばかりではありません。

例えば、臨床実験では、 従来の内視鏡検査で大腸がんが見つかった人66人を対象にカプセル内視鏡による検査を試してみたところ、病巣を確認できたのは62人に留まったとのこと。

カメラの精度が従来のものと比べるとやや劣るため、6%程度病巣を発見できなかったということです。

また、従来の内視鏡検査の場合、病巣を発見するとその場で 直ぐに切除に入ることができるのに対し、カプセル内視鏡は撮影するのみであるため、改めて肛門から内視鏡を入れる必要があります。

つまりカプセル内視鏡 は、内視鏡というよりレントゲン検査に近いものというわけです。更に腸内を洗浄する機能がないため、洗浄も兼ねて下剤を4リットルも飲む必要があります。

これは従来の2倍ほどの量であり、下剤を飲むことの方に苦労してしまうとの意見も少なくありません。

禁煙で肺がん増加?「たばこ以外の要因を追究すべき」と識者

韓国で15年にもわたって続けられてきたひとつの裁判に終止符が打たれた。長年たばこを吸ったことで肺がんや咽頭がんになったとして、30人の元喫煙者が国とたばこメーカーKT&Gに損害賠償を求めた訴訟である。

 日本の最高裁にあたる大法院が下した判決は“原告敗訴”。このニュースを報じた朝鮮日報によれば、裁判官はこう判決理由を述べたという。

<肺がんは喫煙によってのみ引き起こされる疾患ではなく、物理的、化学的、生物学的な因子と生体の内的因子の複合作用によって発病する。喫煙のせいで肺がんにかかったという因果関係を立証するに足りる蓋然(がいぜん)性は証明されていない>

 日本でも禁煙運動の根拠となっている「たばこ=肺がん」という定説。年間8万5000人が罹患して、6万人以上が死亡する恐ろしいがん種ゆえに、「たばこを吸えば必ず肺がんになりますよ」と警告されれば、禁煙に励む人が増えるのも当然だろう。

 だが韓国同様、たばこと特定の疾病リスクとの因果関係を示す科学的な実証データは乏しく、単なる刷り込みで先入観に過ぎないとみる向きもある。中部大学教授の武田邦彦氏がいう。

「今や日本では“禁煙すると肺がんが増える”おかしな状況になっています。成人男性の平均喫煙率はピーク時の1966年が83.7%だったのに対し、2013年は32.2%と半数以下に減っています。

にもかかわらず、肺がんによる死亡率は1950年から1995年ごろにかけて顕著に増加し、がんの死因の1位を長らくキープしているのです」

 武田氏がこうした見解を述べる度に、禁煙団体や医師らは、

「肺がんの死亡率は1995年から減っている。喫煙の影響が現れるには20~30年のタイムラグを見る必要がある」

 と指摘してきた。だが、武田氏はさらにこう反論する。

「確かに死亡率は徐々に減少傾向にありますが、それは喫煙歴とは関係ありません。その証拠に、女性の喫煙率は過去50年間15%前後と横ばいなのに、死亡率グラフは男性と同じ曲線を描いているからです。

また、肺がんにかかる罹患率も、タイムラグを考慮しても喫煙者数の減少とは逆に増える傾向にあり、どう考えても説明がつきません」

 喫煙率と肺がんによる死亡率になんら相関関係がないことは、日本の都道府県、ならびに世界各国の調査を比較しても明らかだ。

「国立がん研究センターがん対策情報センターの調べでは、男性の肺がん死亡率が高いのは鳥取、和歌山、大阪、兵庫など西の地方が軒並みベスト10に入っています。

でも、喫煙率の低い上位5県をみると島根、奈良、福井、京都、鳥取。つまり、たばこを吸わない県の人たちが多く肺がんで死亡しているという結果が出ています。

 世界に目を向けても同じことがいえます。WHO(世界保健機関)が2002年にまとめた調査によると、男性の喫煙率が高い上位国はモンゴル、中国、韓国、トルコと続きます。

一方、肺がん死亡率のワースト国はハンガリー、オランダ、ルクセンブルク、ベルギー……とまったく違う顔ぶれとなっています」(武田氏)

 もちろん、こうしたデータだけで喫煙と肺がんの因果関係が完全に否定されたと言い切るのは乱暴だ。

しかし、いくら禁煙しても肺がんが減らない状況が続くならば、たばこ以外の要因も突き詰めなければならないのは自然な流れではないか。武田氏も同調する。

「たばこだけを悪者にする不合理なバッシングはそろそろやめたほうがいい。排ガスや粉じんなど有害な大気汚染、その他、食生活、ストレス、民族性や遺伝的要因など真なる原因を突き止めなければ、肺がん患者は減っていかないと思います」

 行き過ぎた禁煙運動が足かせとなって、がん予防の対策を遅らせているのだとしたら、その責任は一体誰が取ってくれるのだろうか。

「水を飲んだときだけみぞおちのあたりがしみる→食道ガン」―内科医が教える「恐ろしい病気のサイン」とは?

「甘党で甘い缶コーヒーが大好きで、1日に3~5缶は飲む」という友人(28歳/男性)。一日中のどが渇くので、次から次へと飲んではトイレに行っていたとか。水分の摂りすぎかな? と放っておいたら、「健康診断で重度の糖尿病だと判明した」と落ち込んでいます。

「のどの渇きやトイレの回数の急増は、糖尿病のサインです」と話すのは、大阪府内科医会副会長で泉岡医院院長・内科医の泉岡利於(いずおか・としお)医師。さまざまな病気のサインについて、事例を挙げて解説していただきました。

回答は、すべて泉岡医師によります。

■肩こりだと湿布を貼っていたら狭心症だった

ケース1.痔(じ)と思っていたら……大腸がんだった(35歳/男性)

便に血が混じっていると、痔(じ)と思われがちですが、血の色に違いがあります。痔は肛門近くで出血するため、採血をしたときのような鮮血になります。大腸がんなどでは内臓での出血のため、暗い赤色になります。

ただし、直腸付近にあるがんであれば、血の色は見た目では判断できなくなります。血液検査や、便に血液が混じっているかどうかを調べる便潜血検査で早期発見も可能です。

ケース2.食べ過ぎと思っていたら……胃がんだった(28歳/女性)

胃がんは、乳がんや子宮がんと並んで、20~40歳代の女性に多く見られるがんの一つです。初期段階では特別な自覚症状がありません。そのため、発見されたときには転移している場合も多く、手遅れというケースも珍しくありません。

「胃に痛みやもたれがあるけれど、単に食べ過ぎ、飲み過ぎだと思って市販の胃薬でやり過ごすものの、数日でまた胃の調子が悪化する」などを繰り返す場合は、がんの可能性があります。医療機関で、胃カメラなどの検査を受けてください。

ケース3.水を飲んだときだけ胸がしみる。気のせいだと思っていたら……食道がんだった(44歳/女性)

「食欲も体調も普段通り、食事のときは気にならないのに、水を飲んだときだけみぞおちのあたりがしみる」という症状の患者さんがいました。これは、食道がんや胃がんの初期段階で見られる症状です。食べ物を飲み込んだときに、胸の奥がチクチクと痛むケースもあります。

がんが少し大きくなるとこの感覚がなくなるので、放置したまま重篤(じゅうとく)な事態になることも少なくありません。

ケース4.軽い運動中に左の肩から腕、あごまで痛み、胸がぐっと苦しくなった。ひどい肩こりだな、と思っていたら……心筋梗塞(こうそく)だった(27歳/男性)

血管が完全に詰まって、その先にある心臓を動かす筋肉が壊死(えし)してしまうと心筋梗塞(こうそく)になります。

心筋梗塞の4~6割には、狭心症と呼ぶ前兆があります。突然、胸に苦しみや圧迫感、重いおもりが胸に乗っているような痛みを感じますが、軽度のときは、左の肩や腕、脇、みぞおち、あごまで痛みが広がる、また、のどが詰まるような違和感を覚えることがあります。

これらは一時的な症状、発作であることが多く、筋肉痛だと思って湿布を貼っておいたなどと放置されがちです。それが進行して心筋梗塞を起こすと、失神するような激しい胸の痛みに襲われ、最悪、死に至ることがあります。

50歳以上の中高年の病気と思われがちですが、20~40歳代で発症する人も珍しくありません。特に、喫煙者やメタボ体型、ストレス過多の人に多く見られます。

ケース5.一瞬の胸の痛み。疲れかなと思っていたら……自然気胸だった(23歳/男性)

自然気胸とは、肺の一部に穴が開いて空気がもれ、肺が縮む病気です。男性に多く見られますが、男女問わず、特にやせ型の人に多い傾向があります。

前触れもなく胸に痛みを感じますが、重症でなければ痛みは一時的なので、気付かない人も多いようです。突然の胸痛のあと、息を吸ったときに息苦しさを感じる、乾いたせきが出るときは、自然気胸の可能性があります。

ケース6.頻尿かな、と思っていたら……急性の糖尿病だった(32歳/男性)

スポーツドリンクやジュースなどの清涼飲料水には多量の糖分が含まれています。これらを大量に飲んで糖分を摂り過ぎると、血糖値(血液中の糖の濃度)が急激に上昇します。するとのどが渇くのでまた水分が欲しくなり、どんどん飲み続けるという悪循環に陥ります。

そうして常に血糖値が上がった状態になることで、急性の糖尿病になるケースが急増しています。「ペットボトル症候群」とも呼ばれ、30歳代に多い症状です。糖尿病を発症している血縁者がいる人やメタボ体型の人は特に気を付けましょう。

ケース7.風邪のせきで胸が痛い、と思っていたら……急性心筋炎だった(44歳/女性)

心筋炎とは、心臓を動かしている筋肉(心筋)にウイルスが感染して炎症を起こす病気です。最悪の場合は心不全を起こし、死に至るケースもあります。

子どもから高齢者まで、誰でもかかる可能性があります。息を大きく吸ったときに胸の痛みを強く感じたら要注意です。

「このような症状に少しでも心当たりがあるときは、早めに医師に相談しましょう」と泉岡医師。放っておくと危険な大病のサインは、想像以上に多種多様であることに驚きます。○○だろう、と自己診断することが最も危険なのかもしれません。

取材協力・監修
泉岡利於氏。医学博士。内科医、大阪府内科医会副会長。医療法人宏久会泉岡医院院長。
泉岡医院 大阪市都島区東野田町5-5-8 JR/京阪電鉄京橋駅中央出口から徒歩7分TEL:06-6922-0890
http://www.izuoka.com/

末期の胃がんと闘う「がん専門医」が描く“理想の医療”

金沢市の中心部、兼六園の近くにがん患者とその家族・友人などが集まり、専門家の支援を受ける開かれたスペース「元ちゃんハウス」がある。オープンして約5カ月で訪問者は延べ500人。足を運ぶと、陽光の差し込む室内で十数人がテーブルを囲み、抗がん剤の副作用や術後の経過などについて話していた。表情は皆、穏やかだ。

 人の輪の中で「うん、うん」と何度もうなずきながら話を聞いているのは「元ちゃん」。金沢赤十字病院副院長を務める大腸がんの専門医・西村元一さん(58)で、胃がんの患者でもある。同ハウスは、がんになったからこそ見えた「がん患者に必要な支援体制」を体現した場といえる。患者になった医師が思い描く理想の医療とは?
 
 西村さんは2015年3月26日、肝・リンパ節転移を伴う胃がんの診断を受けた。病期はステージIV。青天のへきれきである。気分が悪くなりトイレに駆け込むと、タール便が出て、吐き気がした。診断が出るまでの過程では、症状から冷静に分析を進める医師の視点を失っていなかった。

 6年間、胃がん検診を受けていなかったとのこと。医師として可能な限りの時間を割いて患者に向き合い、学会で全国を飛び回っていた。休日もがん予防に関する公開講座の講師を務めたり、医療・介護関係者の勉強会・交流会に参加したり……。理由はいろいろあるが、「結局、がんを人ごとだと考えていた」という。その末に受けたがん宣告だった。

「医者の不養生とは、このことだね……」(西村さん)

 乾いた笑いに、後悔がにじむ。とはいえ、どんなときにも喜怒哀楽の「喜」と「楽」を忘れない「元ちゃん」。がんになっても変わらない明るいキャラクターは健在である。

 西村さんと初めて会ったのは12年10月である。「金沢一日マギーの日」というがん患者の支援を進める催しだった。「マギー」とは、英国のがん患者支援施設「マギーズセンター」を指す。西村さんは13年3月に「金沢にマギーを」との目標を掲げて「がんとむきあう会」を創設した際の中心メンバーだった。「議員さんや行政に、どう働きかければいいか?」などと構想を巡らせ、活発に動き回る日々。当時、西村さんは次のような思いを力説していた。

「手術を担当した自分が、その後もじっくりと話を聞いて患者に寄り添っていければいいが、なかなか難しい。また、治療以外の部分では分からないことも多い。看護師、栄養士、カウンセラーなどさまざまな専門職が常駐し、多方面からがん患者の悩みにこたえられる相談の場が欲しい。患者や家族が自由に集まる所が必要であり、金沢らしさを備えた、ゆったりと過ごせる空間ならば、いうことはない」

14年10月に医療・介護関係者の勉強会で再会し、西村さんはその後の食事会にも顔を出した。短い時間だったが、「金沢マギー」の意義を熱く語り、合間にスマートフォンでメールチェック。ほとんど食事は口にせず、退席したと記憶している。思えば後ろ姿には、疲れ以上の重苦しさがあった気がする。その場にいた全員が「お忙しそうですね」と声を掛けて見送った。

 西村さんは15年3月にがん宣告を受けた後、抗がん剤、手術、放射線と主要な治療を経験し、免疫療法も受けて今に至っている。肝・リンパ節転移が疑われた後は、「手術をすべきかどうか?」と迷ったこともあったが、前のめりでがん治療を続けてきた。「自分が外科医だから手術をしたけれど、腫瘍内科医なら抗がん剤治療を選んだかも」という。医師としての人生を、患者として肯定していく重い選択である。この結果、初診では「余命半年」だったが、発症から2年以上が経過し、「元ちゃんハウス」の主として頑張ることができている。

 西村さんは治療を受けながら、基金を設立し、講演を行うなどして寄付金を募ってきた。「金沢にマギーを」という一心で奔走してきたところ、支援施設の名称案はいつの間にか「マギー」から「元ちゃん」になっていた。英国の女性がん患者の名前である「マギー」を冠したのがマギーズセンターだったのだから、「金沢なら『元ちゃんハウス』がいいだろう」と、支援者から自然に声が上がるようになっていった。皮肉だが、がんの発症が構想を後押しし、実現を早め、16年12月1日に「元ちゃんハウス」はオープンしたのである。

「元ちゃんハウス」は、がん患者や家族が自由に立ち寄り、医療者ら交流できる場所である。平日は午前11時から午後3時まで看護師ら専門職が1階で訪問者に対応する。また、第2・第4火曜日と第1土曜日は午後1時から4時まで3階でがん患者らが交流する。料理教室や勉強会なども随時開催している。

 ふと見ると、80代の女性が西村さんの手を取り、ソファに身を沈めて、がんが疑われる肉親について相談していた。親しみやすい「元ちゃん」は医師の顔に戻り、たまたま担当医が知り合いで患者自身から「聞いてきて!」と頼まれてきたとのことだったので、すぐに電話して病状を把握。女性へ簡単に状況を説明した後、「緊急性はないようだから、しばらく経過を見ればいいよ。安心してと伝えて」と話した。

 「元ちゃんハウス」ではスタッフ一同、できる範囲で「患者ファースト」のがん医療の手助けが実現するよう心を砕いている。

 西村さんが語る「病院や医師を選ぶ時のポイント」はこうだ。

●まずは最寄りのがん診療拠点病院に行くべきだが、遠慮せずセカンドオピニオンも受けてみよう。
●医師との相性が合わなければチェンジする勇気も。看護師、薬剤師との連携ができているかも重要。
●家族のサポートが得やすいよう、病院がどのエリアにあるかを考慮しよう。
●治療を受ける病院で困ったことがあれば医療相談室に聞いてみよう。

 これらは裏を返せば、がん患者と向き合う医師の心得ともなる。西村さんが北陸にある国立大学付属病院で現職の医師を前にした講演を聴いたことがある。そこには「元ちゃん」本来の陽気さよりは、医師としての厳しさが見て取れた。患者となった心境を赤裸々に語った後、時間をいっぱいに使い、パワーポイントで現在のがん医療を取り巻く現状やその問題点を次々と指摘していった。

 例えば、抗がん剤治療による味覚障害で甘さを強く感じた時に、甘みの強い薬を飲まされた不快感などを紹介した。

「自分も患者さんに何度も処方してきた薬だけど、飲めたものではなかった」(西村さん)

 このほか、体験しなければ分からない治療の苦しさや戸惑いを列挙した。言外には「患者の身になって考えよ。そうでなければ、患者の信頼は得られないぞ!チェンジされるぞ!」との思いをたっぷりと盛り込んだ提言である。後輩医師への叱咤激励、自身への反省を込めた苦言といえる内容だった。

「今の時代、ネット上にがんに関する情報があふれ、患者は玉石混交の内容に振り回されている。ネットから得た治療を要求する患者の声を医師が突っぱねたり、切り捨てたりしてはいけない。ちゃんと説明できるようにしなければいけない。また、患者も安易な情報をうのみにせず、病院や元ちゃんハウスのような場所を活用してがん経験者や専門家の助言から学ぶ必要がある」(西村さん)

 医師と患者、双方を生きる西村さんの姿に「天命」という言葉が浮かんだ。辞書によると、(1)生まれた時から定まっている運命。宿命。(2)天から授けられた寿命。天寿。(3)天の命令。天から与えられた使命……とある。がんという運命を受け止め、寿命が続く限り、使命を全うする……元ちゃんハウスで忙しく相談に応じる医師・患者である西村さんに、人生をかけてがんと向き合う覚悟を見た。(ライター・若林朋子)

大腸の精密検査は内視鏡がお勧めです

 【Q】健康診断で大腸の精密検査を受けないといけないと言われたのですが、どんなものになるのでしょう?

 【A】大腸の精密検査は1種類ではありません。肛門から大腸内にバリウムと空気を注入する注腸検査、肛門から炭酸ガスを注入してCTを利用して大腸を全体的に描出するCT コロノグラフィー、口から特殊なカプセルの飲んで腸管内を観察するカプセル内視鏡(多くの場合、保険適応にならない)、肛門から内視鏡を挿入して大腸全体を観察する大腸内視鏡検査の4種類です。

 ただ、カプセル内視鏡は、内視鏡検査ですべての観察ができなかった患者さんや、小腸に病変が疑われる場合に行う特殊検査なので、ここではそれ以上は触れません。

 さて、残った3種類の検査ですが、一長一短はあります。注腸検査とCTコロノグラフィーは、内視鏡検査と比較すると“楽”ではあります。大腸のヒダの裏に隠れているポリープの描出も内視鏡より優れています。しかし、術前に飲む下剤で腸管内の便がきれいに排出されていないと検査に支障が出る上に、ポリープなどがあった場合の切除は無理です。さらに被爆という問題があります。

 内視鏡検査は、それら2つの検査より苦痛を伴い、約2リットルもの下剤を飲まないといけないというデメリットがあります。苦手にされる人もいます。しかし、最近では大腸を膨らませるのに炭酸ガスを使用して術後の腹部膨満感のつらさを軽減するという施設も増えています。体内への吸収率も空気の130倍ほど速やかなんです。

 また、軽い鎮静剤(眠り薬)を使用すれば、ほとんど苦痛なく検査が受けられ、検査自体も早く終了します。当院では、肛門から大腸の終点に到達するまで多くの患者さんでだいたい5分以内。早ければ1分台で到達することもあります。

 早く終わるだけなく、内視鏡検査はポリープがあった場合、可能なら、その場で切除できますので、入院する必要もほぼありません。もちろん、患者さんの症状次第ではあるのですが、総合的に判断し、私は大腸の精密検査には、内視鏡をお勧めしています。

 ◆回答者プロフィール 谷光利昭(たにみつ・としあき)兵庫県伊丹市・たにみつ内科院長。診察は内科、外科、胃腸科、肛門科など。デイリースポーツHPで医療コラム「町医者の独り言」を連載中。

早期胃がん5年生存率95%以上だからこその問題点とは?

胃がんは日本人に発生しやすい代表的ながん。早期ならば負担が少なく、「完治」を前提とした手術が行われる。週刊朝日MOOK「新名医の最新治療2017」から詳しく紹介する。

*  *  *
 胃は食道からきた食べ物を消化し、十二指腸に送る重要な臓器だ。がんの発生には食習慣やピロリ菌がかかわるとされ、胃の下半分にできやすい。

 がんは胃袋の内側の粘膜から発生し、徐々に粘膜下層、筋層、漿膜へと深く入り込んでいく。初期の段階では典型的な症状はほとんどない。

「粘膜、粘膜下層にとどまっているものが早期がん、筋層より深く達したものが進行がんです。内視鏡検査の進歩で、日本で見つかる胃がんの約半数は早期がんです」

 こう話す金沢大学病院胃腸外科診療科長の伏田幸夫医師は続ける。

「がん治療で厄介なのは転移です。ただし、早期胃がんならば胃周囲のリンパ節に転移する割合も低く、他臓器への転移もまれです」

 がんが胃粘膜にとどまり、がん細胞が成長しきった分化型ならば、大きさに関係なく内視鏡治療で対応できる。胃切除の必要はない。

 しかし、早期がんでも粘膜下層に達している場合は外科手術が行われる。

「粘膜下層にはリンパ管がいくつもあり、がんが広がっていく危険性があります。そのため胃周囲のリンパ節を含め胃の3分の2を切除します。進行がんの場合は胃から少し離れたリンパ節まで切除します(D2胃切除)」(伏田医師)

 早期がんの5年生存率は95%以上と、ほぼ完治させることができる。ただし、「治るがん」だからこその問題点もある。手術後は胃が小さくなり、食事量が減る、胸やけがするなどの「胃切除後後遺症」に悩む患者が少なくないのだ。

 実は手術で切除したリンパ節を顕微鏡で詳しく調べると、転移があった割合は2割ほどに過ぎない。約8割の人のリンパ節は、万一の懸念から切除していることになる。

 中部地方に住む神田道子さん(仮名・58歳)は2012年、腹痛を訴えて近所の病院で内視鏡検査を受けた。胃の中央部分である体中部大弯の粘膜に陥凹している腫瘍があり、早期胃がんと診断された。粘膜下層にもがんは広がっていたが、早期がんとして内視鏡を使った粘膜下層剥離術(ESD)で治療。切除した組織の断端にはがん細胞は認められなかった。

 しかしリンパ管にはがん細胞の浸潤が認められ、手術が必要となり、金沢大学病院に移された。腹部に数カ所の穴を開け、腹腔鏡や鉗子を挿入する腹腔鏡下で胃とリンパ節を切除した。

 切除したリンパ節に転移はなかったが、がん細胞が漿膜まで達する進行がんであったことが、切除した胃の病理診断で明らかとなった。幸い神田さんは現在も再発はなく、元気だ。

 胃がんの手術では近年、切除後の胃機能の温存を考慮した縮小手術が行われるようになっている。

「発生部位や進行度に合わせて、術後に残る胃にできるだけ悪影響が出ない手術を行います。くわえて、高齢者や肥満の人に多い胃食道逆流症が併存する場合には、ルーワイ法など術後の障害を軽減する胃の再建を行います」(同)

 また同病院など一部の施設では、がん転移が最も起こりやすいセンチネルリンパ節への転移の有無を手術中に詳しく調べ、切除範囲を最小かつ適正にする取り組みが行われている。

 乳がんや悪性黒色腫の治療として定着しているこの手法は、胃がんにも有効と考えられている。腹腔鏡を利用した術中検査でセンチネルリンパ節への転移が陰性ならば、胃を温存して内視鏡でがんのみをとるという方法も将来的には可能となる。

「胃がんは早期ならば確実に治り、治療後も快適な生活が送れるようになっています。ピロリ菌除菌や定期的な内視鏡検査で予防、早期発見することも大切です」(同)

手術不可能な進行胃がん 抗がん剤の進化がもたらす希望

胃がんが死亡者数の上位を占める原因は進行がんの存在だ。進行がんの根治率は依然として低いが、抗がん剤の進化で延命が期待できるようになってきた。

 東京都の三田昭子さん(仮名・53歳)は、肝転移もある進行胃がんで、地元の病院の「手術の適応もない」という検査結果にふさぎこんでいた。

 三田さんの治療を担当することになった国立がん研究センター中央病院消化管内科科長の朴成和医師は当時を振り返る。

「手術ができないと知った際の落ち込みはひどく、これから始まる化学療法に精神的に耐えられるか、心配しながらのスタートでした」

 選ばれた治療はSP療法。毎日、朝夕食後にTS-1という経口の抗がん剤を服薬する。さらに5週間に一度入院し、シスプラチンという抗がん剤を点滴で投与する。

 入院治療後に食欲が落ちるという副作用もあるが、三田さんは数日で治まった。治療から1年以上たった今も、日常生活を送れている。

「がんが小さくなっているためでしょう。最近では体調もよくなり、笑顔もみられます」(朴医師)

 三田さんのようなケースは決して珍しくない。薬物療法が効きにくいとされていた胃がんの領域も、TS-1の開発を契機に状況は変わった。三田さんに実施されたSP療法は延命効果が期待できる一次化学療法の標準治療として、切除不能ながんに使われている。

 また14年9月にはオキサリプラチンも保険の対象となり、シスプラチンの代わりにオキサリプラチンを投与するSOX療法も標準治療の一つとなった。

 SPとSOXの治療効果はほぼ同等だが、シスプラチンに比べてオキサリプラチンは入院を要するような副作用が少ないため、外来通院が可能となる。高頻度に起こる、手足のしびれの副作用に気を付けながら使える薬剤だ。

「私の患者さんがデザイナーで、手がしびれては図面を描けないからと入院を要するSPを選択しました。効果は同等ですから、シスプラチンの入院とオキサリプラチンのしびれと、どちらが受け入れやすいかが選択の基準になります」(同)

 さらに切除不能な患者の一部に対しては、分子標的薬のトラスツズマブを投与すると副作用もほとんどなく、がんの増殖・進展を抑えることもできる。

 これらの一次治療を行ったにもかかわらず、(1)がんが大きくなった(2)明らかに副作用による不利益のほうが大きい(3)患者に治療を継続したくないという気持ちがある、のいずれかが該当した場合、一次治療を終了し、二次治療に移行することになる。ここに新規の薬剤が昨年承認された。

「ラムシルマブという血管新生阻害薬です。これを抗がん剤のパクリタキセルという薬と点滴投与することで、腫瘍の縮小効果は上がります。薬剤の性質上、脳梗塞などの既往がある人には使えません」(同)

 ラムシルマブはがん細胞の増殖に必要な栄養を断つ作用を持ち、切除不能の胃がん患者の延命効果をさらに延ばすことが期待されている。

 このような薬剤の選択肢が増えてきたことで、生存期間は確実に向上している。また、抗がん剤を使用した結果、がんが縮小し、手術で切除にいたった患者も少なくない。現在、リンパ節転移がある患者に術前抗がん剤治療を行う効果についても検討されている。

「抗がん剤の使用により何らかの副作用は起きるため、短期的にはQOL(生活の質)が落ちます。ただし、QOLを悪化させる最大の原因はがんの進行です。副作用の多くは一時的なもので、徐々に慣れる人も少なくありません。診察室で患者さんに縮小したがんを見せると、とても喜ばれます。希望を持ち続けてほしいです」(同)

腎臓がんでも保険適用となったロボット手術 その意義を600件を超える手術を執刀してきた名医が語る

腹腔鏡手術よりも、精密で安定した手術を可能にしたロボット手術──。前立腺がんに加えて、2016年4月には腎臓がんでも保険適用になった。患者にとってのメリットは大きい。(週刊朝日MOOK「新名医の最新治療2017」より)

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 治療によって得られる効果を落とすことなく、からだへのダメージを極力小さくすることが、いまの医療の大きな方向性となっている。外科手術の領域でもその傾向は顕著だ。従来のように皮膚を大きく切開する開腹手術から、腹腔鏡などの内視鏡を用いて、小さな傷で済む手術へとニーズは移行している。

 腹腔鏡手術とは、胸やおなかの皮膚に5~6カ所程度の小さな穴を開け、その一つに腹腔鏡と呼ばれるカメラを挿入。モニターに映し出されるおなかの中の映像を見ながら、別の穴から挿入した鉗子などの手術器具を操作しておこなう手術のこと。開腹手術に比べて術後の皮膚の痛みは小さく、回復も早い。

 術者にとっても、おなかの奥深くや臓器の裏側など、従来の手術では直接見ることが困難だった部位も、カメラさえ到達すればクリアに見られるメリットは大きい。現在、がんでは胃がん、大腸がんなどの消化器系や婦人科系、泌尿器系などを対象とした手術で利用されている。

 しかし、そんな腹腔鏡手術にも弱点はある。体内に挿入するカメラや鉗子などの手術器具はすべてまっすぐな「棒」のため、おなかの中での可動性はおのずと制限される。しかも、視野がカメラの映し出す範囲に限られるため、術者とカメラワークの高度な連携が求められるのだ。限界を感じた時には速やかに開腹手術に切り替える必要があるが、無理をして腹腔鏡手術にこだわりすぎると重大な医療事故につながりかねない。

■どんなに細かい作業でも安定した動きができる

 そんな中、近年、存在感を増しているのが「ロボット手術」だ。

 腹腔鏡手術を高度に進化させた手術支援システムで、操作をするのはあくまで外科医。ロボットは手術している部分を3D映像化し、それを見て執刀する外科医の手や足の動きを正確に手術器具に伝えてアシストをする──という技術だ。

 現在日本で導入されているロボット手術は「ダヴィンチ」と呼ばれる装置。前立腺がんと腎臓がんの手術で健康保険が承認されている。

 順天堂大学順天堂医院泌尿器科教授の堀江重郎医師は、これまで600件を超える手術をダヴィンチで執刀してきた。

「ダヴィンチは、開腹手術や従来の腹腔鏡手術と異なり、術者は患者の脇には立ちません。手術台から少し離れたコンソールと呼ばれるコックピットのような席に座り、目の前のモニターを見ながら遠隔操作で手術を進めます」

 手でコントローラを、足でフットスイッチを操作すると、その操作通りに患者の体内に挿入されたロボットの腕が動く。しかも、接続されたカメラや鉗子には「関節」があり、自由な角度に曲げられる。つまり、おなかの中で手首や指を自由に動かすような操作が可能なのだ。従来の「棒」の器具とは比較にならない柔軟な動きによって、「開腹手術に近い腹腔鏡手術」が実現したことになる。

 もう一つ、ダヴィンチの大きな特性として「拡大操作機能」がある。非常に繊細な作業をする時、術者の手の動きを縮尺してロボットに伝える機能のことで、ロボットの動きと術者の手の動きの比率を変えることができる。たとえば術者の指は野球のボールをつかむような動きでも、患者の体内にある器具の先端は「砂粒をつまむような」微妙な動きに変えられる。しかも「手ぶれ防止機能」によって、どんなに細かい作業でも、安定した動きで精密に進めることができるのだ。

■出血を最小限にとどめ開腹手術より安全性高い

「前立腺の表面にはサントリーニ静脈叢があり、ここを傷つけると数リットル単位の大出血を招くことになる。しかし、ダヴィンチでは静脈叢を安全に切り離すような難しい操作が確実にできるので、開腹手術よりもはるかに安全性が高まった。これまで当院でおこなった前立腺がんのロボット手術では、出血量は50~100ccと少量です」(堀江医師)

すでに触れた通り、ロボット手術は、これまで前立腺がんのみに健康保険が適用されてきたが、2016年4月、腎臓がんにも承認された。その意義を堀江医師はこう語る。

「全身の血液の5分の1にあたる大量の血液が集まる腎臓の手術は、ほんのわずかなミスが大出血につながる。これまでも腎臓の端にできたがんに腹腔鏡手術がおこなわれることはあったが、中心部や深部のがんには開腹手術しか手がなかった。しかし、そうした繊細な手術こそダヴィンチの得意とするところ。当院では、以前から自由診療で腎臓がんの手術にもダヴィンチを使用し、その効果と安全性の高さを証明してきただけに、今回の保険承認はうれしい」

 健康保険の適用により、3割負担の場合の自己負担額は、前立腺がんで約27万円、腎臓がんは21万円となる。ただし、いずれも高額療養費制度があるので、収入によって差はあるものの、窓口での支払金額はおおむね10万円程度になるという。

 すでに海外では、婦人科や呼吸器外科、心臓血管外科など、泌尿器科以外の診療科でもダヴィンチの導入が進んでおり、この波はいずれ日本にも伝播するだろう。

 ロボット手術は術者だけでなく、助手や看護師、技師などのストレスを大幅に減らした。手術スタッフのストレス軽減は医療ミスのリスクを下げ、患者にとっての安全性向上に直結する。こうした医療技術の進化は、手術をする側と、それを受ける患者の双方にとって、大きなメリットとなるのだ。

患者負担も軽減 大腸がん検査は“内視鏡よりCT先”の時代

「大腸がんは気になるが、事前に大量の下剤を飲むのが嫌」「お尻に内視鏡を突っ込まれたまま、検査を受けるなんて屈辱」。そんな理由から大腸内視鏡を敬遠する中高年は少なくない。しかし、大腸がんの死亡者数は男性3位、女性1位と高率。便潜血検査で陽性を告げられた人は詳細な検査を避けては通れない。ならば、負担の少ないCT検査を先に受けてはどうか? 100例以上の大腸がんCT検査を手掛ける「三井タワークリニック」(東京・日本橋)の斎藤達也院長に聞いた。

「大腸CT検査は内視鏡を使わない新しい大腸がん検査です。大腸を炭酸ガスによって膨らませて新型のマルチスライスCTを用いて撮影することで、大腸の3次元画像を得ることができます。別名、仮想(バーチャル)大腸内視鏡検査と呼ばれています」斎藤院長によると、CT検査は内視鏡検査に比べて、患者への負担がはるかに少ないという。

「検査当日は細いチューブを肛門から数センチ入れて炭酸ガスを注入し、大腸を膨らませます。その後、うつぶせとあおむけでCT撮影。チューブを抜いて終了です。検査室に入ってからおよそ10~15分程度で終了です」大腸内視鏡検査の最大の難点は検査前に2リットル近い液体の下剤や腸管洗浄剤を数時間かけて飲み、胃腸に残っている内容物を洗い流す必要があること。つらくて途中で吐く人もいて、下剤を飲めずに検査自体をあきらめてしまう人も少なくない。

「CT検査でも下剤は使いますが、その量はわずか。検査前日にレトルトパックの検査食を食べ、少量の造影剤と下剤を飲んでいただきますが、検査当日は下剤や造影剤は必要ありません」

■高齢者・障害者でもラクに受けられる

 しかも、大腸内視鏡検査に欠かせない鎮痛剤や鎮静剤の注射は必要ない。お尻に炭酸ガス用のチューブを入れるが、大腸内視鏡検査のように大腸に穴が開くような事故もまずない。「腸が長くて内視鏡検査が向かない人、下剤や腸管洗浄剤を大量に服用できない高齢者や女性、知的障害者の方でもCT検査なら問題なく受けられます。なにより、内視鏡では観察しづらい大腸のひだや曲がり角の裏などの観察に優れていますし、腹部のCT画像を撮るので、肝臓がん、胆嚢がんなど、その他の臓器の病変も分かります」

 ちなみに、三井タワークリニックでは、これまでに大腸CTを100例以上行ってきたが、4例の大腸がんを見つけ、皆手術を終えたという。 「むろん、大腸CT検査には内視鏡より劣る点もあります。がんの疑いがあるときに、すぐに組織を採取したり、ポリープの切除ができず、改めて大腸内視鏡が必要になる点です。通常のCTより線量が少ないとはいえ、医療被曝も受ける。5ミリ以下のポリープや平らな病変を見つける能力は、内視鏡に比べてやや劣ります」

 とはいえ、被曝量は多くないし、大腸ポリープの8割は腺腫で、5ミリ以下の大腸ポリープはがんになる確率は極めて低い。大腸CT後に内視鏡検査が必要になるケースも1割に満たない。逆にいえば、多くの人はツラい内視鏡検査を受けずに済むのだ。 「造影剤でアレルギー症状が出る人、腎臓が弱っていて造影剤などを代謝できない人にCT検査はムリですが、そうでなければ先にCT検査を行い、それでも大腸がんの疑いが残れば、内視鏡検査を受けるのが良いでしょう」

 大腸がんCT検査は血便・便通異常などの自覚症状がある時は保険診療が適用され、約8000円程度(別途検査食代3000円)が必要となる。一方、健康な人が受ける健康診断や人間ドックでは、自由診療扱いだ。

末期大腸がんをいかに負担なく治療するか? その方法とは

原発の切除困難な大腸がんの腸狭窄には、従来人工肛門の造設が行なわれる。しかし、全身麻酔による開腹手術が必要なため、特に末期がんの患者には心身の負担が大きい。そこで狭窄部分を通すために、大腸にステントを留置する治療が導入された。開腹手術をしないので患者の負担が少なく、数日で食事ができるなど、QOL(生活の質)も改善できる緩和ケアの一つとして期待されている。
 
 大腸がんやその他のがんのため、大腸が圧迫され狭窄が起こると腹痛や圧迫感などで、身体的、精神的苦痛を感じる。狭窄の切除が不可能な場合、従来は人工肛門を造設することが多い。しかし、人工肛門は全身麻酔による開腹手術をする上に、使用に慣れる必要があるなど、特に末期がん患者にとっては心身ともに負担が大きい。そこで近年、大腸の中にステントを留置することで狭窄を改善する治療が実施されるようになっている。

 2005年から2010年までに大腸ステントを留置した治療結果を発表した、市立豊中病院(大阪府豊中市)下部消化管外科の畑泰司医師に話を聞いた。

「今回は根治術が不可能な、大腸に閉塞をきたしたがん患者(胃がんや子宮がんが原因の場合も含む)19名に対して、大腸ステントを留置しました。ステントは異物なので長期間置くと弊害もあるため、余命半年で狭窄解除の手術が困難、もしくは人工肛門よりステントを強く希望する患者を対象としています。留置すると狭窄が改善され、楽になるだけでなく、食事もできるようになり、退院して家で過ごせるようになった人もいます」

お酒で赤くなる? 鍛えて強くなった人に食道がんのリスク

「オレも昔は飲めなかったが、鍛えて強くなった。おまえも頑張れ!」

 赤ら顔の先輩が後輩の杯に、酒をなみなみとつぎ、大声を張り上げる。忘年会シーズンではよく見かける光景だが、近い将来、見られなくなるかもしれない。医学的に「下戸が無理してお酒を飲むと食道がんのリスクがアップする」ことがハッキリしてきたからだ。酒の無理強いはパワハラどころでは済まなくなる!?

■“飲める”日本人は半分

 商社に勤める中村健太郎さん(仮名・52歳)が胸に違和感を持ったのは2年前のこと。食べ物をのみこんだときに、胸が焼けるような感覚があった。「胃の酸が食道に逆流する逆流性食道炎ではないか」と疑ったが、医師の診断は初期の食道がんだった。

 日本消化器学会専門医で、鳥居内科クリニック(東京・成城)の鳥居明院長が言う。

「食道は太さ2~3センチ、長さ25センチほどの筒状の管で、厚さ3~4ミリの壁にできる悪性腫瘍が食道がんです。飲食時に胸に違和感を感じるのは、がんが食道の壁を浸潤するからです。進行すると通過障害を起こし、突然、食べ物がのどを通らなくなり、痩せていきます」

 幸い、中村さんは早期がんで内視鏡による治療だけで済んだが、食道がんは周囲のリンパ節に転移しやすい。発見が遅れたら、命すら失ったかもしれない。

 実際、日本では年間2万人が新たに食道がんと診断され、1.2万人が死亡する。50~60代に多く、がんと診断されてから5年後にどのくらいの人が生きているかを示す5年相対生存率は、胃がん6割強、大腸がん7割前後に対して、食道がんは男性3割、女性4割と悪性度が高いのだ。

 食道がんは飲酒・喫煙がリスク要因といわれるが、中村さんはたばこを吸わない。お酒も昔はまったく飲めなかったが、鍛えて飲めるようになった。それでもビール1杯で顔が赤くなるのは変わらず、自宅で晩酌するほどの酒好きではない。

「実は中村さんのような人が食道がんになりやすいのです。もともと日本人でお酒の強い人は半分しかいません。5%はまったく飲めない下戸で、残りは努力して飲めるようになるものの、飲まない時期があると再び飲めなくなる、お酒の弱い人です」(鳥居院長)

 お酒を飲むとアルコールが肝臓で代謝され、中間代謝産物として、アセトアルデヒドができる。その後、速やかに分解されて無害な酢酸になる。このシステムが正常に働かない人は、少量のお酒で顔が赤くなったり、悪酔いしたり、二日酔いがひどくなったりするのだ。

■危険なのは「飲めるが弱い人」

「結局、お酒が飲める、飲めないはアルコール脱水素酵素とアセトアルデヒド脱水素酵素がしっかり働くか否かにかかっています。この酵素を活性化する遺伝子と活性化しないものがあり、それは両親からひとつずつ受け継ぎます。(1)2つ共に活性化するタイプなら飲める人(2)ひとつだけなら飲めるが弱い人(3)両方とも活性化しないタイプなら下戸――となるのです」

 問題は、アルコールもアセトアルデヒドも毒性があり、がんになりやすいこと。とくにアセトアルデヒドはアルコールの10倍も毒性があり、体内にとどまる時間が長いとがん化しやすい。

「その意味では、(2)の飲めるが弱い人は一番危ないタイプと言えます。自分がどのタイプかは、お酒を飲み始めの時に『顔が赤くなったか』どうかで分かります」

 では、(2)のタイプの人はどうすればいいのか? まずは、禁酒・禁煙し、緑黄色野菜を積極的に摂取することだ。

「日本人の食道がんの9割を占める食道扁平上皮がんは、前がん病変とされる異型上皮から発生されると考えられています。京大医学部の武藤学教授の研究グループが、内視鏡治療した早期食道がん患者330人を調査したところ、異型上皮の発生には飲酒、喫煙、緑黄色野菜の不足、痩せが関係することが分かったからです。とくに食道に多発性の異型上皮がある患者さんは、治療後に禁酒すると食道内の別の場所にできるがんを77%減らせることが判明しました」(鳥居院長)

 お酒はあくまで無理せず、楽しめる範囲にとどめることが大切だ。

女性は死亡率1位 大腸がんで死なない「5つのポイント」

 男性がかかるがんのトップが大腸がんだ。「新宿内視鏡クリニック」の谷口将太郎院長に大腸がんで命を落とさないためのポイントを聞いた。

 大腸がんは早期発見できれば80%以上の高い確率で治るといわれている。しかし、死亡率を見ると全がんの2位。男性では3位、女性では1位だ。

 では、「治る」グループに入るには、何に注意すればいいのか?

 まず気になるのは自覚症状だ。

「残念ながら、大腸がんは早期では自覚症状に乏しい。なんらかの症状が出てきた時には、ステージ4まで進行していたり、遠隔転移があったりする場合が多いのです」

 それでも自覚症状を参考にするなら、「いつもと違う」に敏感になること。

 いつもと違ってお腹が張る。いつもと違って便が細い。いつもと違って便が残った感じがして何度もトイレに行きたくなる……。

 こうした段階で検査を受けたら、早期発見につながるかもしれない。

 谷口院長によれば、大腸がんの早期発見を本気で望むなら、検診以外にないという。ベストは大腸内視鏡検査で、40歳以上ならすべての人が受けるべきだ。谷口院長自身も、31歳の時から1~3年に1回は受けているという。

「痛いイメージが強いでしょうが、無痛の検査法もあります。大腸内視鏡は1回受ければ終わりではなく、数年ごとに受けたほうがいい。恐怖心から遠ざけようと思わないように、無痛の検査をしてくれる医療機関を探すことを勧めます」

 便潜血反応や、自費診療になるが検査の苦痛が少ないカプセル内視鏡、または大腸を調べるCTを利用するのも手だ。

■見つからなくても検診スパンには例外が

 検診で大腸がんが見つからなかった場合、その後の検査のスパンはどうすればいいか?

「ポリープが一つも見つからなければ、3年に1回でいいでしょう。ただし、例外があります」

 大腸が屈曲していたり、便が大腸内に少量でも残っていると、大腸内視鏡でくまなく調べられず、見逃しの確率が高まる。2年くらいで大腸内視鏡を再度受けたほうがいい。

 また、「大腸がんがなかった」という結果でも、「ポリープがいくつもある」「“顔つき”の悪いポリープがある」「ポリープができやすい因子を持っている」など、患者の状態に応じてスパンは「半年に1回」や「1年に1回」などに変わってくる。

「一番最初の大腸内視鏡の結果は非常に重要。その後の検査のスパンをはじめ、大腸がんのリスクが高いか低いかが分かります」

 だから、大腸内視鏡の結果を大いに生かし、的確な指導をしてくれる医師のもとで受けることが大切になる。判断材料になるのが、「腺腫発見率(ADR)」だ。

 腺腫は、良性だが将来的に大腸がんになる可能性が高いポリープのこと。

 腺腫発見率が高い大腸内視鏡医の方が、そうでない医師より大腸内視鏡の検査技術も高く、その後の指導もしっかりしていると考えられる。

 ADRの公表は義務ではないが、ホームページで紹介している医療機関もあるので受診前にチェックを。

 ポリープが見つかった後の対応も、医師によって違いがある。

「ガイドラインでは5ミリ以上が切除となっていますが、その根拠はありませんでした。米国では5ミリ未満でも腺腫であればすべて切除としており、日本でも追随する医師が出てきています」

 谷口院長も、腺腫なら5ミリ未満でも切除するべき、との考えだ。

 予後がいいがんだからこそ、助かるチャンスをみすみす逃さないようにしたい。

松岡良明賞 赤在義浩氏に聞く 大腸がん手術の第一人者

 大腸がん手術の第一人者として多くの患者を救ってきた岡山済生会総合病院(岡山市北区国体町)統括部長・消化器外科部長の赤在義浩氏が、がん撲滅に貢献した個人、団体を顕彰する山陽新聞社会事業団の第21回「松岡良明賞」を受賞した。「生涯外科医であり続けたい」と情熱を燃やす赤在氏は、「しっかりとした治療計画を立てれば、困難な症例にも立ち向かえる」とメスを手にする思いを口にした。

 ―大腸がんの患者数は増加傾向にあり、罹患(りかん)するのは年間約14万人と推計されている。医療技術の進歩に伴い、治療方針も変わってきているのか。

 「2000年ごろを境に変化があったように思う。根治を目指し、切除を重視していた時代から、化学療法や放射線治療を併用しながら手術するなど、患者一人一人に適した治療を選択する時代になっている」

 ―治療の際には何を最優先させるのか。

 「再発させない治療だ。研修医時代の上司に『大腸がんは素直な病気。その性質をよく勉強すれば、いい治療が行える』と言われた。心掛けているのは、医師と患者の双方が病気をよく理解した上で治療計画を立てること。1度の手術で難しいと判断すれば、抗がん剤や放射線治療を併用しながら数回に分けて手術することもある」

 ―1993年に岡山済生会総合病院へ赴任後、2千例を超える手術を行ってきた。

 「赴任して取り掛かったのは、過去23年分のカルテと病理解剖の記録に全て目を通すこと。医学的知識を得ただけでなく、看護記録に残された患者や家族の思いにも触れられ、貴重な経験となった。さらに自分自身が行った手術と照らし合わせることで、カルテの分析は実感に変わった。自分のやるべきことが決まったように思う」

 ―大腸がんの中でも難易度が高いとされる直腸がんの手術を多く手掛けている。

 「直腸は骨盤の深いところに位置し、前立腺やぼうこうといった臓器のほか神経も多くあり、それらを傷つけない手術は技術力が求められる。難しい手術とよく言われるが、私自身は『少し時間のかかる手術』としか考えていない。手術する上で性機能などを温存できれば、生活の質は格段に向上するが、一方で機能温存ばかりに目を向けないことも大切だ。術後の生活を考えると、人工肛門にした方が良いケースもあり、患者の生活スタイルや年齢などを考慮し、じっくりと話し合っている」

 ―今後の抱負は。

 「外科医としてこつこつと活動しながら、予防教育にも取り組みたい。大腸がんの要因としては食事の欧米化や喫煙、運動不足などが指摘される。病気にならないための正しい知識を若い頃から身に付けることが大切。子育て世代の母親や中学、高校生らを対象にした講演活動を通じて、そのお手伝いをしていきたいと思っている」

 あかざい・よしひろ 1983年岡山大医学部卒。同大第1外科入局後、研修医として岡山済生会総合病院へ赴任。医局での研究生活を経て府中市の民間病院に2年間勤務した後、93年再び岡山済生会総合病院へ。主任医長、診療部長を歴任し2011年から消化器外科部長、14年から現職。岡山大医学部臨床教授。日本外科学会専門医。岡山市北区幸町。60歳。

がん死亡率で2位に浮上! 突如の腹痛・めまいが襲う大腸の危険信号(2)

 人間の身体の仕組みとして、仮に肝硬変で血液の生産が抑制された場合、血液不足はゆっくり進行するので、めまいには結び付きにくい。ところが、大腸で起こるような出血はそれより早く、脳はめまいとして反応しやすい。しかし、痛みとしては感じにくく、気付かないことも多いという。

 東邦大学医療センター大森病院・消化器センターの外来担当医は言う。 「1980年代には、大腸がんで亡くなる男性は、米国の方がはるかに多かった。ところが2001年には、日本が米国を抜いてしまったのです。理由は、日本の食の欧米化と、米国での大腸内視鏡検査の普及が関係しています。

日本でも大腸内視鏡検査は行われていますが、米国では70年代から始まった、がん撲滅運動が浸透し、大腸がん検診の受検率が高くなっている。それが早期の発見、治療にもつながり、死亡率が日本と逆転したのです」

 日本では、便潜血検査で陽性反応が出ても、約半数の人は大腸がんを進行させてしまう。それが死亡率を高める要因になっていると考えられる。 「便潜血検査も万能ではありません。専門家たちも言うのですが、血が混じっていない部分を採取すれば、陰性になるからです。

そのため、40歳を過ぎたら一度は便潜血検査以外の大腸検査を受けることをお勧めします。やはり“めまい”などの貧血症状や、便通異常を感じている人は注意して欲しい」(医療ジャーナリスト)では、こうした大腸の病を防ぐには、どのような食生活を送ればいいのか。

 大手病院の栄養管理士で料理研究家・林康子氏に聞いた。「一般的に、便秘には植物繊維の多い野菜が効くと言われますが、それはNG。食物繊維は消化液で十分に消化されないからです。そのため便秘の人が食物繊維を多く摂ると、他の食品の成分の消化を妨げられ、結果、未消化内容物が増えて逆効果になってしまう。繊維質は、排便がスムーズになってから摂取してください」

 ただし、もちろん長期に渡って野菜を摂らないこともダメ。マンゴージュースやパパイアに含まれる糖は、消化されにくく軽い下剤作用があるため、お勧めだという。「成人女性が1日に必要なカロリーは1500~2000キロカロリーといわれていますが、それより極端に少ない人が非常に増えている。

一定の食事量がなければ便意を催さず、便秘になるのは当然です。いずれにしても、大腸の病気やがんの要因を取り除くには、腸の蠕動運動を促し、交感神経と副交感神経の活動バランスを整えながら、腸の働きを活発化させる必要があります」(同)定期的な検査と、食生活の改善で、大腸を労わる生活を心掛けよう。

がん死亡率で2位に浮上! 突如の腹痛・めまいが襲う大腸の危険信号(1)

 仕事のストレスで胃に穴が開きそう…。サラリーマンなどは、そう思うことが一度や二度はある。ところが最近は、この胃に穴が開く「穿孔」自体が減る傾向にあるという。それは、ピロリ菌除菌の普及や、不況で会食の機会が減って暴飲暴食が少なくなったことも影響している。

 しかし、代わって今注目を集めているのが、大腸の穿孔だ。食生活や生活スタイルが変わり便秘が激増していることや、大腸内視鏡検査の普及などによって、目立つようになったのだ。

 日本消化器病学会の評議員を務める、世田谷医療クリニックの村林康三院長はこう言う。 「消化管で穿孔が多いところといえば、胃や十二指腸。ただし、胃や十二指腸は、胃液の消毒作用もあって細菌が繁殖しづらく、穴が開いて内容物が漏れても、すぐには重症の腹膜炎を起こしにくい。ところが、大腸の穿孔は大変危険です。

大腸は下水道と同じで、体内の排せつ物が移動する。病原性の細菌も繁殖しやすいため、中のものが漏れ出すと、すぐに重症の腹膜炎を起こしかねないのです」 腹膜炎を起こすと、敗血症(感染症)からエンドトキシンショックとなり、死に至ることもある。では、大腸穿孔の原因となる病には、どのようなものがあるのか。

 前出の村林院長が続ける。 「潰瘍性大腸炎や虫垂炎(盲腸炎)など、腸に起こった炎症が悪化したケースが多いのですが、最近増えているのが動脈硬化の進んだ高齢者の大腸穿孔。動脈硬化が進むと大腸の血液循環が悪くなり、必要な酸素や栄養素が通わないため、大腸の粘膜に潰瘍ができる虚血性大腸炎になります。また、血管が詰まる腸間膜動脈閉塞性という病もある。そうなると、血液が通わなくなった腸が破れやすくなるのです」

 これに便秘が加わると、大腸穿孔のリスクはさらに高くなるという。「例えば突然の腹痛や下痢、血便、さらに発熱、腹部膨満があったら要注意です。ただでさえ高齢者は大腸の働きが悪いうえ、水分を取らない生活をしていると、便が出ないばかりか、石のようにカチカチになる。これが大腸を圧迫して傷つけ、穴が開くことがあるのです」

 とはいえ、こうした高齢者に浣腸をすることは注意が必要だ。たまたま大腸が弱っている部分が肛門に近い場合、浣腸で圧力が高まり、簡単に穴が開いてしまう恐れがあるためだ。また、大腸を襲う病としてやはり恐ろしいのは、がんだ。厚労省の『平成26年人口動態統計』のがん死因では、胃がんを抜いて大腸がんが2位となった。

 大腸がんで注意すべきは、突然襲う「めまい」。その要因に、腸の異変が関係している場合があるためだ。 「めまいの原因はいろいろあるが、腸に関係しているのは、突然クラッとする立ちくらみのような症状を言う。消化管で持続的に出血して貧血に陥ると、脳への血流不足となり、突如めまいを伴う症状が出ることがあるのです。人間ドックを受診された男性で、『貧血気味』と感じている人、便潜血検査が“陽性”と出た場合は要注意です」(血液関係に詳しい専門家)

ピロリ菌を除去したら胃がんに絶対ならない…そんな“誤解”に注意を

 ピロリ菌を除去したから、もう胃がんの心配はない。そのような会話をしたり、聞いたことありませんか?確かにピロリ菌の除去は大きな効果があるようですが…。兵庫県伊丹市の「たにみつ内科」で日々診察にあたっている谷光利昭医師はそんな“誤解”に注意を促しました。

 毎年多くの人が、癌(がん)で亡くなられ、闘病をされています。成人の約3分の1が癌になるのですから、結構な確率です。近年、増えているのが肺癌です。喫煙が重要因子ではありますが、それ以外にも大気汚染など様々な外的因子が関係しているようです。その中で、以前は胃癌大国であった日本で、胃癌の死亡率が低下しています。胃カメラ(上部消化管内視鏡)による健診が増えたのが理由の一つです。それに連動して、ヘリコバクターピロリ菌(以下ピロリ菌)の発見、そして除菌も広く行われるようになりました。

 ピロリ菌は胃がんと密接に関係しているとされています。かつて、その除菌は胃潰瘍、十二指腸潰瘍のある人にしか保険適応とされていませんでしたが、現在は慢性胃炎などの人にも保険治療が適応されます。様々なデータがありますが、除菌前と除菌後では、胃癌になる確率が3分の1程度まで下がるといわれています。ですから、ピロリ菌に感染している人は、必ず除菌をしてほしいのです。現在は、生涯で2回のみ保険適応となっています。

 気をつけてほしいのは、胃癌になる可能性が“3分の1”になっただけで、除菌=可能性ゼロになるわけではないということ。ここを勘違いしている人がたくさんいます。例えば、幼少期に感染したピロリ菌は、数十年かけて胃粘膜を委縮させ、さらには前癌状態とも言われている腸上皮化生という状態にまで正常胃粘膜を悪化させている可能性が高いのです。除菌しても、それまでに悪化した状態が劇的に改善するわけではないので、癌になる因子は残っているということです。また、ピロリ菌に再感染してしまうケースだってあります。

 ピロリ菌に感染している人は、胃カメラを受ける年齢が遅ければ遅いほど、既に状態が悪くなっているリスクは高まります。ですから、若いうちに胃カメラを受け、感染を認めれば、直ちに除菌をしてほしいのです。それにより、胃癌発症のリスクは一層軽減します。もちろん、その場合でも胃癌になるリスクが“3分の1以下”になっただけという認識は持つべきです。除菌後でも年に一度は胃カメラを受けて、癌の早期発見を心がけてほしいです。早期胃癌であれば、かなりの確率で内視鏡治療を施すことにより完全に治癒することが可能です。今は癌と言っても死刑宣告ではないのですから。

 胃癌の中にも、ピロリ菌の感染と関係なく、出現してくる怖い種類のものもあります。このタイプの癌も早期に見つけることは難しいのですが、胃カメラを受けて早期発見できれば、治癒する確率は高まります。胃癌になる因子としては、塩分の過剰摂取、喫煙なども挙げられています。遺伝的な要因はないとされていますが、親族内で胃癌が多発しているケースも時々みます。これについてはピロリ菌の感染が原因であったり、共通した望ましくない生活習慣が引き起こしたのかもしれません。

 いずれにしても癌の予防は簡単ではありません。けれど、防ぎようがないと考えてしまうではなく、積極的な検査受診や治療によりリスクの軽減を図れるということを知ってほしいと思います。

大腸がんを予防! 秋の旬食材“サンマ”の驚くべき健康効果

こんにちは。心理食育インストラクターのSAYURIです。

昔から旬の食材はおいしいだけでなく、その季節の人間の体調に合った栄養素がたくさん含まれていて、とても体に良いと言われています。ママが買い物に行ったときに、旬の果物は比較的手に取りやすいもの。しかし、魚はどうでしょう?

残念なことに、“魚食クライシス ”という言葉があるほど、日本人の魚離れは進んでいます。「調理が面倒」「ニオイが嫌」「骨があるから食べにくい」その理由はさまざまですが、もし魚を食べる習慣が大腸がんの予防に繋がるとしたらどうでしょう?

今回はイギリスの医学誌『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』の消化器病学専門誌『Gut』に発表された研究報告をもとに、魚を食べるメリットをご紹介したいと思います。

●日本人女性の死亡原因トップは大腸がん

報道では女性タレントや有名人の乳がんのニュースが多いため、つい乳がんばかりに意識が向きがちですが、実は女性の死亡原因のトップは大腸がん 。患者数こそ1位の乳がん(73,997人)に次いで2位(57,210人)となっていますが、それだけ死亡率が高いとも言えます。

●大腸がんの死亡リスクが41%も低い!

アメリカ人17万人以上のデータをもとに、大腸がんの発症について研究したところ、鮭やまぐろなどの魚に含まれるオメガ3脂肪酸を1日0.3g以上摂ると、1日の摂取量が0.1g未満の人と比べて死亡リスクが41%も低くなる ことが分かったと言うのです。この研究はアメリカで行われたため、さんまについては明記がありませんでした。

調べてみると、大腸がんの発症を抑えると言われるオメガ3脂肪酸の含有量は、鮭では100gあたり0.92g、まぐろ赤身で0.17g、まぐろ脂身で5.81g、さんまで3.78g。さんまはまぐろの脂身に次いで非常に多い含有量を誇っています。まぐろの大トロはお財布にちょっと厳しいかもしれませんが、旬のさんまはお財布にも優しい上に、栄養価も高いため積極的に摂って欲しいと思います。

もし、小骨が気になるなら圧力鍋で煮魚にすれば骨ごと食べられるので、カルシウムまでしっかり摂ることができます。値段が高いと言っても、1匹200円ほど。コンビニスイーツのことを思えばそんなに高くはないのではないでしょうか。オメガ3脂肪酸には大腸がんの予防だけでなく、女性に嬉しい脂肪燃焼促進効果 もあると言われているので、ぜひ積極的に食べてくださいね。

<大腸がん>左側にできた患者、右より長く生存…日・米研究

大腸の左側にがんができた患者の方が、右側にできた患者よりも生存期間が長いとの研究結果が、日米で出ている。

特に米国のデータは、左右差を調べたこれまでの研究の中でも最大規模となる計約1000人を対象にしており、左右で抗がん剤の効き方が異なる可能性も示された。今後、がんの位置による治療法の選択や開発に役立つ可能性がある。

 米カリフォルニア大などの研究チームは、手術できない大腸がんの患者を対象にした抗がん剤の臨床試験のデータを使い、右側にがんができた患者293人と、左側にがんができた患者732人を比較。その結果、平均的な生存期間は左側が33.3カ月、右側は19.4カ月で、左側が長かった。

 国内では、昭和大横浜市北部病院の砂川優講師(腫瘍内科)らが大腸がん患者110人を解析した結果、左側の患者の生存期間は36.2カ月で、右側の患者(12.6カ月)よりも約2年長かった。

 砂川講師によると、大腸の左側と右側は器官が作られる過程が異なるほか、発がんにかかわる遺伝子にも違いがあり、悪性度が高いがん関連遺伝子は右側に多いという。

目覚ましい進化! 大腸がんの薬物治療法とは

大腸がんのうち、とくに直腸がんの手術は難しい。日本の標準手術では、転移の可能性があるリンパ節も切除するが、この方法で再発するリスクを減らせることが米国の学会で発表された。

 大腸がんにかかる人は年間約13万人いる。大腸は、大きく「結腸」と「直腸」に分けられ、直腸がんは手術が難しく、結腸がんに比べ治療成績が悪い。

 大腸がんは、進行度により0~IVまでの5段階の病期に分けられる。病期0はがんが粘膜にあって大腸内視鏡で切除できる。病期Iは大腸の壁(固有筋層)までにとどまり、手術などでがんの切除がおこなわれる。

 病期IIはがんが大腸の壁の外にまで広がり、病期IIIはリンパ節にも転移がある。手術によるがん切除に加えて、転移の危険性があるリンパ節の切除(郭清[かくせい])も必要になる。病期IVは、肝臓や肺、腹膜などに遠隔転移があり、手術が困難な場合には抗がん剤などで治療がおこなわれる。

 直腸がんの手術が難しいのは、肛門のすぐ上、骨盤の奥に直腸が位置し、膀胱・前立腺・子宮などの臓器や重要な自律神経が隣接しているためだ。

 さらに、肛門からおよそ10センチ以内にがんがある下部直腸がんは、そのほかの大腸がんと違って、直腸から離れた骨盤の側壁にあるリンパ節(側方リンパ節)にもがんが転移しやすい。また、骨盤内に再発(局所再発)が起こりやすい。そのため、下部直腸がんは治療成績が悪い。

 欧米では局所再発を防止するため、がん切除に加えて放射線治療をおこなうのが主流だが、日本では側方リンパ節を切除する「自律神経温存側方郭清」が標準手術として実施されている。

 今年6月に、日本臨床腫瘍研究グループが実施した大規模な臨床研究(JCOG0212)の結果が米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表された。病期II、IIIの下部直腸がん手術において、側方郭清をおこなうと局所に再発せずに5年生存する割合が87.7%であったのに対し、側方郭清をおこなわない場合には82.4%と治療成績が悪かった。

 大阪府在住の会社員、田中重雄さん(仮名・54歳)は9年前、排便するたびに出血するようになった。だが、「重大な病気だと言われたら怖い」と、病院に行かずに放置していたところ、腸に便が詰まってパンパンになり、大阪府立成人病センターの消化器外科に駆け込んだ。

 大植雅之医師が診察すると、直腸の下部、肛門から6.5センチ離れたところに、8.4センチの大きながんが見つかった。がんは腸管をふさぎ、もう少しで破裂するところだった。リンパ節に59個もの転移が見つかったが(直腸周囲31個、大動脈周囲24個、側方4個)、他の臓器への転移はみられなかった(病期III)。

 大植医師は開腹手術により、排尿機能や性機能をつかさどる神経をできる限り温存しながら、がんがある部位の腸管と転移リンパ節をすべて切除した。手術後には、転移・再発を防ぐための抗がん剤治療(術後補助化学療法)をおこなった。

 田中さんは術後、排便回数の増加、下痢時に便が漏れやすいといった排便障害や、薬で治療できる程度の勃起機能低下が起こった。しかし、日常生活に大きな問題はなく、仕事を続けられた。手術した年の夏には子どもと泳ぎに行って真っ黒に日焼けし、現在も再発なく元気に過ごしている。

「田中さんはリンパ節転移の数が非常に多かったのですが、がんと一緒にそれらを完全に切除して一命を取り留めました。下部直腸がんの過半数が局所再発を起こすことから、しっかりとした手術で側方リンパ節を切除することが非常に重要です」(大植医師)

 術前の診断では精度の問題により正確にリンパ節転移を確認できないことも多いが、病期II、IIIの直腸がんのおよそ20%に側方リンパ節への転移が見つかることがわかっている。

「側方郭清には外科医の高い技術が必要とされるうえ、一つひとつのリンパ節をていねいに切除するには手間と時間がかかります。リンパ節転移の危険性が高い下部直腸がんの患者さんには、徹底した側方郭清をおこなっている専門病院で手術を受けることをおすすめします」(同)

 一方、最近ではがんの薬物治療の進歩も目覚ましい。大腸がんの抗がん剤による一次治療は、細胞の増殖を阻止して死滅させる(殺細胞性)薬物であるフッ化ピリミジン系薬、オキサリプラチン、イリノテカンを単剤または2剤組み合わせ、そこに近年登場したがん細胞の増殖に関わる因子だけを狙い撃ちする分子標的薬を追加することで、治療効果が著しく向上した。

 2014年には、フッ化ピリミジン系薬+オキサリプラチン+イリノテカンの3剤(FOLFOXIRI)に分子標的薬(ベバシズマブ)を加えた治療法の有効性が報告され、新たに標準治療の一つとなった。分子標的薬には、がん細胞に栄養を送る血管の新生を抑制するベバシズマブやラムシルマブ、がん細胞の成長を抑制する抗EGFR抗体(セツキシマブ、パニツムマブ)などがある。

 静岡市在住の主婦・岡田豊子さん(仮名・62歳)は、夫と2人暮らし。旅行が大好きで明るい性格だが、14年6月に急に食欲が落ち、みぞおちが痛くなったため、近くの病院を受診した。

 検査すると貧血がひどく、大腸内視鏡検査で結腸にがんが見つかった。がんはすでに肝臓にも5カ所転移していた(病期IV)。結腸がんは、腹腔鏡下手術で切除したが、肝臓の転移巣は大きいうえに数が多くて切除不能だったため、抗がん剤治療をすすめられて県立静岡がんセンター消化器内科・山崎健太郎医師を紹介された。抗がん剤で小さくなれば肝臓の転移も手術できると言われていた岡田さんは、治療にとても前向きだった。

 最近では、患者のがん組織の遺伝子やたんぱく質、血液中の遺伝子を調べると、抗がん剤の効果や副作用などを予測できるようになってきている(バイオマーカー)。

 治療開始前の検査により岡田さんは、細胞増殖に関わるたんぱく質の一つであるRASの遺伝子に変異があるため、抗EGFR抗体の効果が期待できないことがわかった。そのほか、イリノテカンの代謝に関連するUGT1A1遺伝子には異常がないためイリノテカンの副作用リスクが高くないことも判明していた。

 山崎医師は、岡田さんがもともと持病もなく元気であることも考慮し、この状況で最も効果が期待できるFOLFOXIRI+ベバシズマブによる治療を提案した。

 治療開始2週間後、副作用による血液中の好中球減少がみられたため、投与量を減量して治療を継続した。4週後に脱毛が起きたが、山崎医師のアドバイスで院内の美容室に相談し、かつらを用意していたので、変わらず活動的な日常生活を送ることができた。

 2カ月後、がんが縮小し、3カ月半後に手術可能と診断された。その後、岡田さんは無事肝臓の転移を手術ですべて切除することができた。現在は経過観察中で、ご主人との旅行を楽しんでいる。

医師も緊張する大腸カメラ受診 終わってみたら…早期発見&治療の大きな助けに

「要検査」と言われても、大腸カメラを受けるのを避けたいという人は多いのではないでしょうか。兵庫県伊丹市で地域のホームドクターとして日々治療にあたっている「たにみつ内科」の谷光利昭院長は、自身の経験も踏まえて内視鏡検査を勧めている。

 ◇   ◇

 近年、食の欧米化とともに大腸がんが増加して、女性のがん死亡原因の1位が大腸がんになりました。そのため検診などで便潜血を受けられる人も増加しています。大腸がんは比較的悪性度が低いがんと言われています。ですから、早期発見、早期治療で完治する可能性は高いのです。

 大腸の壁は、粘膜、粘膜下層、筋層、漿膜下層、漿膜と5層構造になっています。がんは必ず大腸壁の内側の粘膜から発生し、進行とともに深く浸潤していきリンパ節、多臓器転移などをきたすのです。発生には腺腫から次第にがん化するタイプと、いきなりがん化するタイプがあります。腺腫から発生するタイプは、内視鏡的ポリープを切除した際によく認められます。大腸がんでも粘膜内にとどまるがんに転移は認めず、内視鏡的切除で治療は終了です。

 粘膜下層に浸潤するとリンパ節転移は10%前後(浸潤の深さによる)で、内視鏡的切除で終了する場合と、追加で腸管切除とリンパ節郭清を施行する場合に分けられます。筋層以深の浸潤が疑われた場合は、最初から手術になります。近年、腹腔鏡の手術が進歩していて多くの場合、腹腔鏡で行われています。抗がん剤治療も著しく進歩しており、以前は諦めざるをえなかった症例でも完治することもあります。

 早期発見、早期治療の大きな助けとなるのは、大腸カメラです。一般的には「大変」というイメージがありますね。当院で検査を受けられた患者さんは多くの場合「楽だった」と言って帰宅されます。しかし、受ける側からすると実際にしてみないと…ですよね。当院では、3日前から軽い食事制限をして当日に下剤を1・8リットル内服していただき、大腸内の便を完全になくしてから検査してもらいます。前処置の仕方は、医院、病院により違いはありますが、できるだけ大腸内を空っぽにして検査に臨んでもらった方が、検査を受ける患者さんの負担は少なくなるので、当院での前処置は他院よりも少し厳しく感じられる人もおられるようです。

 実際の検査時間は、肛門からカメラを挿入して大腸の一番奥(盲腸)に到達するまで5分以内で済むことが多いです。他院ではそれより長くかかることが多いとよく聞きます。もちろん、ケースバイではあるのでカメラを挿入しやすい人なら1分くらいで奥まで到達することもありますし、まれに挿入困難な患者さんなら10分以上かかることもあります。以前、大病院の看護師さんがうちで検査を受けました。ご自身の病院よりかなり短い時間で、楽に検査が終わったので「本当に最後まで見たのか?」とあらぬ誤解をされたこともあります。もちろん、ちゃんと説明して納得していただきましたが(笑)。

 当院では、胃カメラと同様に鎮静剤を使用して検査を行います。「楽だった」と言ってもらえる要因です。また可及的に切除出来るポリープは日帰りで切除するようにしています。多くの病院では、まず検査をしてポリープが見つかれば、別の日に入院してから切除をします。つまり短期入院です。これでは、患者さんの経済的かつ時間的負担が大きいので、私はできるだけその場で切除するようにしています。もちろん、症状により危険と判断すれば入院後の切除をお勧めすることもあります。

 このように患者さんに大腸カメラや胃カメラを勧めている私ですが、実は今年2月に初めて大腸カメラを受けたんです。日帰りでポリープ切除までしてもらいました。大好きなお酒が1週間飲めない辛さはありましたが、しっかり治療して安心した次第です。来年以降も代診をたてて受けようと決めました。大腸ポリープ切除を受けた患者さんには、患部の大きさ、形状、性状や年齢など様々なことを勘案して、次回に大腸カメラを受けるべき時期をお伝えしていますが、それが完全に正確なの?と言われてしまうと、正直言って“正解”がないのが実情です。例えばこちらが数年後でいいと判断しても、少しでも不安を感じる人は毎年受けられることをお勧めします。

 お尻からカメラを入れるわけですから、初めての患者さんは、不安で一杯だと思います。私も検査台に寝たときはかなり緊張しましたが(苦笑)、終わってしまうと受けて良かったと思ったし、晴れ晴れとした気持ちで帰路につきました。みなさんも臆せずに大腸カメラを受けてください。

日本人の2人に1人が感染?胃がんの原因にも…あなたのお腹の「ピロリ菌」をチェック

胃の中に棲みつき、悪影響を及ぼす「ピロリ菌」。胃十二指腸潰瘍の原因となるだけでなく、胃がんの原因となることがわかってきました。感染経路ははっきりしていませんが、症状からある程度はピロリ菌に感染しているかどうかがわかります。

そこで、Doctors Me編集部がピロリ菌の感染度をチェックできるコンテンツをご用意しました。診断の結果ピロリ菌感染が疑われる場合は、病院を受診して検査を受けるようにしてくださいね。

チェックスタート!
□ 今までに胃潰瘍や十二指腸潰瘍になったことがありますか?
□ 今までに慢性胃炎と言われたことがありますか?
□ 胃のバリウム検査や胃カメラ検査で胃が委縮していると言われたことがありますか?
□ 最近空腹時にみぞおちがシクシク痛んだことがありますか?
□ 食事をするとすぐにお腹が一杯になってしまいますか?
□ 食後に胃がもたれますか?
□ お腹が張ったり、胃が重かったりしますか?
□ お腹がすくと気持ちが悪くなることがありますか?
□ お腹がすくと気持ちが悪くなることがありますか?
□ 胃薬を飲んでも効果が一時的ですか?
□ よく胸がつまったり、胸やけをしますか?
□ ご家族に胃潰瘍や十二指腸潰瘍の人はいますか?
□ ご家族に胃癌の人はいますか?
□ ご家族にピロリ菌を持っている人はいますか?
□ 食事を取る時間は不規則ですか?
□ 毎日ストレスを感じていますか?

いくつ当てはまったでしょうか?
結果は…
当てはまった数が「0~4個」の人

ピロリ菌に感染している可能性は低いです。

ピロリ菌がいる可能性は低いと思います。
もし胃腸に不調な症状がある場合は、胃腸の動きがうまくいっていないためだと思われますので、規則正しい生活をして様子を見て下さい。
当てはまった数が「5~7個」の人

【注意】ピロリ菌に感染している可能性があります。

ピロリ菌がいる可能性はありますが、はっきりとは言えません。
胃腸の不調は食生活などをはじめとした生活習慣によるものである可能性もあります。まずは食生活を改善し、2~3週間後に再度同じ設問を行ってみて下さい。

当てはまった数が「8個以上」の人

【要注意】ピロリ菌に感染している可能性が高いです。

ピロリ菌がいる可能性が極めて高いです。早めに病院を受診してピロリ菌の検査と胃カメラ検査を受けて下さい。

ピロリ菌がいると、潰瘍や胃癌が起こり易くなることがわかっていますので、疑わしい場合はぜひ検査を受けるようにして下さい。
ピロリ菌の検査には血液検査、内視鏡を使った検査、呼気検査、便の検査がありますが、今までピロリ菌の治療を受けていなければ、血液検査で調べることができます。

この検査の結果が陽性で、胃カメラ検査で慢性胃炎が認められれば、1週間の内服治療によりピロリ菌を除くことができます。

胃がん特集<上>主犯のピロリ菌を見逃すな!

日本人がかかるがんで最も比率の高い胃がんは、死亡する確率が低いことでも知られる。俳優の渡辺謙さんが早期の胃がんを切除したというニュースも記憶に新しい。消化器系のがんの治療に40年以上携わる北海道医療大学学長の浅香正博さんがBS日テレ「深層NEWS」に出演し、胃がんのメカニズムを解説するとともに、胃がんで命を落とさないためにピロリ感染胃炎を疑って専門医療機関を受診する必要性を訴えた。

◆5年生存率が60%超の日本

 日本人の胃がんは、罹患(りかん)数は第1位であるのに対し、これによって死亡した人の数だと3位になります。日本での胃がんは「助かる病気」で、5年生存率は60%を超えています。つまり、かかりやすいけれども、治りやすいがんであると言えます。

 ただ、胃がんでも、とにかく早く見つけないと助かりません。日本以外の国ですと、5年生存率は10~20%であるということを見ても、早期診断が非常に大切だということが分かると思います。

 早期の胃がんとは、胃の粘膜と粘膜下層の間でがんの浸潤が止まっている状態です。このうち、内視鏡手術でがんを取ることができるのは、粘膜にとどまっているがんまでで、粘膜下層まで行ったがんに関しては、やはり手術をしなければなりません。内視鏡で取ってしまうことができれば、わずか数日で退院することも可能です。

 粘膜にとどまっている早期胃がんの場合、5年生存率は97.8%です。しかし、粘膜、粘膜下層を貫いて、固有筋層まで行ってしまった進行がんになると、この数字は50~70%に下がってしまいます。さらに漿膜(しょうまく)を越えてがんが浸潤してしまうと、周りに大網(たいもう)、大腸、膵臓(すいぞう)などがありますので、ステージ4となり、予後がきわめて悪くなってきます。

 日本は胃がん手術の技術も進んでいますから、進行胃がんでも他の国より予後はよいのですが、早期がんのように5年生存率が90%を優に超えるというわけにはいきません。

◆粘膜にとどまる段階は症状なし

 一方、スキルス性胃がんは、がんが表面に飛び出さず、粘膜内部に浸潤していくがんです。だから、外から見ても分かりにくく、気付いた時には固有筋層、漿膜を越えていて、手遅れになるという場合が多いのです。スキルス性胃がんは早期の段階では症状が非常に少なく、発見はとても難しいと言われています。

 がんが粘膜内にとどまっている早期がんでは、85%以上症状がないことに留意すべきです。吐き気、胃の痛みなどが早期の胃がんによって引き起こされることもありますが、こうした症状は、胃炎や胃潰瘍にも共通に出現しますので胃がんを診断する決め手にはなりません。進行胃がんになれば、痩せてくる、吐血をするなど特徴的な症状が出てきますが、早期胃がんには見られないのです。

 自覚症状のみで胃の病気を診断することは、ほとんど不可能と思って下さい。ですから、症状がなくても、定期的に胃がん検診を受けることが胃がんで亡くならないために必要なのです。

◆最大のリスク要因はピロリ菌

 WHO(世界保健機関)は、世界の胃がん患者の80%でピロリ菌が陽性だと推計しています。これは胃がん全体の数字で、さらに詳細に見ると、胃の入り口以外にできる「非噴門(ひふんもん)胃がん」の場合は、90%がピロリ菌によるものだと指摘しています。日本人は胃の入り口にできるがんが非常に少なく、大半が非噴門胃がんですから、胃がんの最大のリスク要因がピロリ菌であるということが、WHOによっても認められているのです。

 わが国では広島大学や北海道大学などが、ピロリ菌の抗体のほかに呼気試験などの検査もまじえて詳細に検討したところ、日本人の胃がん患者のほぼ99%がピロリ菌陽性なのです。ですから現在、ピロリ菌がいない日本人は、将来、胃がんになる可能性は限りなく小さいということが言えるのです。

 誤解していただきたくないのは、ピロリ菌を持っている人の99%が胃がんになるわけではないということです。ピロリ菌を持っている人に、別の要因が加わることによって、胃がんが発生しやすくなるのです。

 例えば、ピロリ菌を持っている人が塩分を取り過ぎると、胃がんになりやすくなります。ピロリ菌陽性者では、摂取塩分の濃度依存的にがんが発生してくるのですが、ピロリ菌がいないと、食塩をどれだけ摂取しても胃がんは発生しないで胃炎しか起こってこないのです。

 野菜や果物を摂取すると、胃がんになりにくいと言われています。これも、ピロリ菌と関連づけて考えることができます。緑黄色野菜や果物に含まれるビタミンCは、がんの発生を抑制する働きがありますが、ピロリ菌に感染していると、ビタミンCが胃の中に分泌されないのです。つまり、ピロリ菌があると、野菜や果物をとってもがんを防ぐ効果がなくなってしまうことが科学的に証明されています。

◆粘膜にとどまる段階は症状なし

 一方、スキルス性胃がんは、がんが表面に飛び出さず、粘膜内部に浸潤していくがんです。だから、外から見ても分かりにくく、気付いた時には固有筋層、漿膜を越えていて、手遅れになるという場合が多いのです。スキルス性胃がんは早期の段階では症状が非常に少なく、発見はとても難しいと言われています。

 がんが粘膜内にとどまっている早期がんでは、85%以上症状がないことに留意すべきです。吐き気、胃の痛みなどが早期の胃がんによって引き起こされることもありますが、こうした症状は、胃炎や胃潰瘍にも共通に出現しますので胃がんを診断する決め手にはなりません。進行胃がんになれば、痩せてくる、吐血をするなど特徴的な症状が出てきますが、早期胃がんには見られないのです。

 自覚症状のみで胃の病気を診断することは、ほとんど不可能と思って下さい。ですから、症状がなくても、定期的に胃がん検診を受けることが胃がんで亡くならないために必要なのです。

◆最大のリスク要因はピロリ菌

 WHO(世界保健機関)は、世界の胃がん患者の80%でピロリ菌が陽性だと推計しています。これは胃がん全体の数字で、さらに詳細に見ると、胃の入り口以外にできる「非噴門(ひふんもん)胃がん」の場合は、90%がピロリ菌によるものだと指摘しています。日本人は胃の入り口にできるがんが非常に少なく、大半が非噴門胃がんですから、胃がんの最大のリスク要因がピロリ菌であるということが、WHOによっても認められているのです。

 わが国では広島大学や北海道大学などが、ピロリ菌の抗体のほかに呼気試験などの検査もまじえて詳細に検討したところ、日本人の胃がん患者のほぼ99%がピロリ菌陽性なのです。ですから現在、ピロリ菌がいない日本人は、将来、胃がんになる可能性は限りなく小さいということが言えるのです。

 誤解していただきたくないのは、ピロリ菌を持っている人の99%が胃がんになるわけではないということです。ピロリ菌を持っている人に、別の要因が加わることによって、胃がんが発生しやすくなるのです。

 例えば、ピロリ菌を持っている人が塩分を取り過ぎると、胃がんになりやすくなります。ピロリ菌陽性者では、摂取塩分の濃度依存的にがんが発生してくるのですが、ピロリ菌がいないと、食塩をどれだけ摂取しても胃がんは発生しないで胃炎しか起こってこないのです。

 野菜や果物を摂取すると、胃がんになりにくいと言われています。これも、ピロリ菌と関連づけて考えることができます。緑黄色野菜や果物に含まれるビタミンCは、がんの発生を抑制する働きがありますが、ピロリ菌に感染していると、ビタミンCが胃の中に分泌されないのです。つまり、ピロリ菌があると、野菜や果物をとってもがんを防ぐ効果がなくなってしまうことが科学的に証明されています。

◆たばこ、お茶、飲酒との関係

 その他の生活習慣と胃がんの関係も、いろいろと誤解があるので、いくつか具体的に見ておきましょう。

 たばこは、WHOが「単一で最大の発がん物質」と規定し、たばこに関連するがんとして14種類を発表しています。そこには肺がんなどのほかに、胃がん、大腸がんも含まれています。ピロリ菌に感染していている人がたばこを吸えば、胃がんのリスクがより大きくなるということは、理解しやすいと思います。

 お茶を飲むと胃がん予防に効果があると言われています。これは、お茶の成分であるタンニンがピロリ菌に効果があるという理由のようです。しかし、お茶の産地である静岡県で胃がんが少ないわけでもありませんし、日本人がこれだけ お茶を飲んでいながら、世界で最も胃がんの多い国であることを考えると、お茶には胃がんを確実に抑制する作用はないことは事実と思われます。

 辛い食事と胃がんには、ほとんど関係はありません。辛い物の取り過ぎさえなければ、胃を荒らすことはほとんどありません。少量の摂取では適当に胃の粘膜を刺激して、カプサイシンという胃を守る物質を出しますので、むしろ胃の粘膜を保護すると言われています。

 飲酒と胃がんの因果関係もありません。もちろん、飲み過ぎは良くありません。ストレスも胃がんとは無関係です。動物実験で繰り返しストレスを加えても、胃炎しかできません。

 胃の病気の大半はピロリ菌に関連していますから、ピロリ菌が最初からいない人や、ピロリ菌を除菌した人は、胃の病気になる確立は著しく少ないと考えられます。(続く)

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日本人の2人に1人が感染?胃がんの原因にも…あなたのお腹の「ピロリ菌」をチェック

胃の中に棲みつき、悪影響を及ぼす「ピロリ菌」。胃十二指腸潰瘍の原因となるだけでなく、胃がんの原因となることがわかってきました。感染経路ははっきりしていませんが、症状からある程度はピロリ菌に感染しているかどうかがわかります。

そこで、Doctors Me編集部がピロリ菌の感染度をチェックできるコンテンツをご用意しました。診断の結果ピロリ菌感染が疑われる場合は、病院を受診して検査を受けるようにしてくださいね。

チェックスタート!

□ 今までに胃潰瘍や十二指腸潰瘍になったことがありますか?
□ 今までに慢性胃炎と言われたことがありますか?
□ 胃のバリウム検査や胃カメラ検査で胃が委縮していると言われたことがありますか?
□ 最近空腹時にみぞおちがシクシク痛んだことがありますか?
□ 食事をするとすぐにお腹が一杯になってしまいますか?
□ 食後に胃がもたれますか?
□ お腹が張ったり、胃が重かったりしますか?
□ お腹がすくと気持ちが悪くなることがありますか?
□ お腹がすくと気持ちが悪くなることがありますか?
□ 胃薬を飲んでも効果が一時的ですか?
□ よく胸がつまったり、胸やけをしますか?
□ ご家族に胃潰瘍や十二指腸潰瘍の人はいますか?
□ ご家族に胃癌の人はいますか?
□ ご家族にピロリ菌を持っている人はいますか?
□ 食事を取る時間は不規則ですか?
□ 毎日ストレスを感じていますか?

いくつ当てはまったでしょうか?
結果は…

当てはまった数が「0~4個」の人

ピロリ菌に感染している可能性は低いです。

ピロリ菌がいる可能性は低いと思います。
もし胃腸に不調な症状がある場合は、胃腸の動きがうまくいっていないためだと思われますので、規則正しい生活をして様子を見て下さい。

当てはまった数が「5~7個」の人

【注意】ピロリ菌に感染している可能性があります。

ピロリ菌がいる可能性はありますが、はっきりとは言えません。
胃腸の不調は食生活などをはじめとした生活習慣によるものである可能性もあります。まずは食生活を改善し、2〜3週間後に再度同じ設問を行ってみて下さい。

当てはまった数が「8個以上」の人

【要注意】ピロリ菌に感染している可能性が高いです。

ピロリ菌がいる可能性が極めて高いです。早めに病院を受診してピロリ菌の検査と胃カメラ検査を受けて下さい。

ピロリ菌がいると、潰瘍や胃癌が起こり易くなることがわかっていますので、疑わしい場合はぜひ検査を受けるようにして下さい。
ピロリ菌の検査には血液検査、内視鏡を使った検査、呼気検査、便の検査がありますが、今までピロリ菌の治療を受けていなければ、血液検査で調べることができます。

この検査の結果が陽性で、胃カメラ検査で慢性胃炎が認められれば、1週間の内服治療によりピロリ菌を除くことができます。

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大腸ポリープは男性のほうがかかりやすいって本当!?

よく「〇〇は男性(女性)のほうがなりやい」などといわれますが、果たして本当なのか、気になりますよね。

ところでみなさんは大腸ポリープは男性のほうがかかりやすいという話を聞いたことはないでしょうか?今回は男性が大腸ポリープになりやすいというのは本当なのか、医師に解説していただきました。

大腸ポリープが多いのは検査を受ける頻度だ高いから?

大腸ポリープは男性の方が女性より多いといわれていますが、実は医学的に根拠があるわけではありません。大腸がん、特に直腸がんは食事やストレス等との関係が示唆されていますので、男性の方が女性より多いといわれていますが、大腸ポリープは原因がわかっていませんので、なぜ男性の方が女性より多いのかの確かな理由ははっきりしていません。

あえていえば、男性の方が女性よりも大腸内視鏡検査を受ける頻度が高いので、その結果大腸ポリープを認める場合が多いことが理由ですが、男女とも同じ数の大腸内視鏡検査を行えば、大腸ポリープの男女差はなくなると推察されます。

女性のほうが発見されにくい大腸ポリープ!

また他の理由としては男性より女性の方が大腸が伸びやすく屈曲が多いので、小さな大腸ポリープを見逃す可能性があると考えられます。大腸内視鏡検査で大腸ポリープを100%見つけることができるわけではありませんし、どんなに上手に見落としがないように内視鏡を操作しても、2割前後のポリープを見落とす可能性があります。

ですから男性より女性の方が腸が伸びやすくて屈曲が多いから、男性の方が大腸ポリープを見つけやすく、大腸ポリープの頻度に男女差があるということが推察されますが、このことも医学的根拠が証明されているわけではないのです。

大腸ポリープになると大腸がんになりやすい!?

大腸ポリープと大腸がんとの関係は色々と報告されていますが、特殊なポリープを除いて、必ずしも大腸ポリープがあれば大腸がんができ易いというわけではありません。

しかし大腸ポリープが1つあると、2つ目のポリープができやすい可能性が示唆されていますし、大腸内視鏡検査で大腸ポリープを認めると、通常は1、2年毎の再検査をお勧めしていますので、当然大腸がんや次の大腸ポリープが見つかる頻度は上がります。この点も大腸ポリープの頻度に男女差がある理由になるかもしれません。

大腸ポリープができるとどんな症状が出る!?

大腸がんができて「がん」が大きくなると、がんと便が擦れて出血したり、便秘になったり下痢になったりする便通異常が起こることがありますが、大腸ポリープではよほど大きくならないと大腸がんのような症状は起きません。

大腸がん検診で繁用されている便の潜血検査も、大腸がんが大きくなって便が擦れて陽性となりますので、大腸ポリープがよほど大きくならないと陽性にはなりません。

以上から、大腸がんや大腸ポリープを手術しないで内視鏡的な治療だけで済ませたいと考えるのであれば、定期的に大腸内視鏡検査を受けるのが効果的です。

検査にはどんな種類がある?

近年カプセル内視鏡が使われるようになりましたが、まだ大腸には適応が広がっていません。またCTを使った大腸検査もあり、大腸が極端に長い場合は苦痛の軽減という点では有効ですが、前処置は大腸内視鏡検査とほぼ同じで、大腸ポリープの発見率は大腸内視鏡検査よりは低いです。

今後医学が進歩してさらに新しい内視鏡が開発されてきますが、便を取り除く前処置はこれ以上のものはなかなか出てきませんし、便が残ったままで大腸内視鏡検査を受けても検査が不完全になる可能性があります。

医師からのアドバイス

1回の検査で小さいポリープなどを100%みつけることは技術的に不可能なので、手間と費用はかかりますが、定期的に検査を受ける方が安全です。

ケース別・大検証!主婦でも「生命保険・医療保険」に入るべき?

決して安くはない“生命保険”や“医療保険”の保険料。だからこそ、「主婦の自分まで必要なのかな?」と悩んでいる人が多いはず。そこで今回は、ズバリ「主婦でも生命保険・医療保険に入るべきか?」について、家族構成のケースごとに検証していきたいと思います!

●ケース1:子どもなし、共働きの夫婦の家庭の場合
夫・妻両方に収入があるため、無理に「生命保険」に加入する必要はないでしょう。

よく「生命保険金をお葬式代に」と言いますが、一般的なお葬式はだいたい200万円前後、家族葬なら数十万円くらいで済むことが多いため、この程度の貯金があれば生命保険は要らないということになるからです。
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また、「医療保険」についてですが、入院する際に“個室~4人部屋”ではなく大部屋(たいていは5~6人部屋)を選べば、差額ベッド代はかからず健康保険でカバーできます。

そして、健康保険には高額な医療費を払った場合、一定の自己負担額限度額を超えた分があとで払い戻される「高額療養費」という制度があります。

一般的な収入(標準報酬月額28~50万円)の人なら自己負担は80100円+アルファで済みますし、病気やケガで4日以上会社を休み、かつ、お給料が出ない場合には、健康保険組合から「傷病手当金」(標準報酬日額の3分の2)が4日目から最高1年6ヶ月まで支給されます。このように、会社の健康保険が手厚いため医療保険も必要ないといえます。

●ケース2:子どもなし、会社員の夫と専業主婦(あるいはパート勤務の妻)の家庭の場合
このケースでも、ケース1と同様に、お葬式代くらいの貯蓄があれば妻に「生命保険」は必要ないでしょう。

また、夫の会社の健康保険に妻も加入しているため、「医療保険」も無理に加入することはありません。ただし、妻がパート勤めをしている場合は、妻が働けなくなったときにパート収入がとだえることになります。

病気やケガで働けなくなった場合に収入を保障する「所得補償保険」という保険はありますが、最初の何日間は保険金が出ない免責期間があることから、あまりオススメしません。医療保険や所得補償保険に払う保険料があるのなら、その分を貯金にまわし、予測外の支出に備えるべきです。

●ケース3:手がかかる小さな子どもがいる共働きの夫婦の家庭の場合
妻が入院したり、亡くなったりした場合、問題になるのは小さな子どもの世話ですよね。

けれど、妻がフルタイムで働いている場合には、子どもは保育園や学童保育に通っていたり、いざというときには両親(子どもにとっては祖父母)に世話をお願いしたりなどの基本的なサポート体制ができていることが多く、ケース1と同様に高額療養費制度があるため、医療費の心配はあまりありません。

さらに、妻が働けなくなり、お給料が出なくなっても「傷病手当金」が支給されるので、保育園への送迎や夫が帰宅するまでのベビーシッター代(または保育園の延長保育代)、学童保育時間後の子守り代などは「傷病手当金」などの社会保険でカバー可能です。なので、差額ベッド代がかからない大部屋に入院する場合、「医療保険」は必要ないといえます。
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もし妻が亡くなった場合、子どもがいる夫には、子どもが18歳になる年度末まで「遺族基礎年金」が支給されます。遺族基礎年金は、子ども1人の場合は年間約100万円、子ども2人の場合は年間約123万円、子ども3人の場合は年間約130万円です。

これらを見ると、子どもの数や年齢によっては、子どもの世話にかかる費用から「遺族基礎年金」を引いた金額分の生命保険に入る必要があるかもしれません。

ただし、子どもが育つにつれて世話にかかる費用も減っていくため、徐々に保険金の補償が下がる遁減型の生命保険や、1年ごとに保障金額を見直せる生命保険がいいでしょう。子どもに手がかからなくなるまでの保育費用が目的ですから、掛け捨ての保険でかまいません。

●ケース4:手がかかる小さな子どもがいる会社員の夫と専業主婦(あるいはパート勤務の妻)の家庭の場合
一番大変なのは、このケースです。妻が小さな子どもの世話をしているため、妻が亡くなったり、病気やケガで入院したりした場合、子どもの世話の手配をしなくてはなりません。

いざというときに子どもの世話をしてくれる両親などがいる場合は問題ありませんが、誰にも頼ることができない場合は、子どもを延長保育が可能な保育園に入れたり、学童保育に入れたり、学童保育時間後の子守りを頼んだりする必要があり、大変です。

また、「保育サービスを手配できなかった」「時間短縮勤務ができなかった」などの理由で父親が退職することになったり、時間短縮
勤務が可能な会社に転職したりすることがあります。そして収入が大幅ダウンし、生活苦に陥るケースが少なくありません。

ですので、父親が何とかして現在の勤務を続けられるようにすることが重要です。
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妻が自宅治療の場合は夫が介護休暇や介護休業(最長93日)を取ることが可能ですが、入院の場合は基本的には介護休暇や介護休業の対象外です。医療費は高額療養費制度でカバーできても、妻が入院中に子どもの世話にかかる費用はカバーできません。

子どもの世話にかかる費用を貯金でカバーできない場合は、「医療保険」に入っておくとよいでしょう。保障金額の目安は子どもの保育費用です!
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万が一、妻が亡くなった場合、子どもが18歳になる年度末まで「遺族基礎年金」が夫に支給されます。これは専業主婦であっても、パート勤務の主婦であっても同じです。なので、妻が死亡したときはケース3と同様です。

●ケース5:手がかからない大きな子どもがいる共働きの夫婦の家庭の場合/ケース6:手がかからない大きな子どもがいる会社員の夫と専業主婦(あるいはパート勤務の妻)の家庭の場合

特別な世話を必要としない子どもの場合(おおむね中学生以上)は、基本的に保育費用はかかりません。
ですので、ケース3やケース4のような保育費用を目的とした「生命保険」や「医療保険」は必要ないでしょう。
なお、このケースでも妻の死亡時には、子どもが18歳になる年度末まで「遺族基礎年金」が支給されます。

<プロフィール>
おおいみほ
ファイナンシャルプランナー(AFP)/二級ファイナンシャル・プランニング技能士
銀行にて、預金商品やローン商品、クレジットカード商品のマネジメント業務を経て、現在はウェブサイトなどのマネー関連記事の執筆、個人投資家として活動中。

北の湖理事長の死因となった「直腸がん」の再発について考える

11月20日、日本相撲協会・北の湖理事長が亡くなられました。「直腸がんによる多臓器不全のため」と報じられています。北の潮理事長は2012年に直腸がんの手術を受けています。死因が直腸がんであるということは、手術後に再発があったということでしょうか。ここでは、直腸がんを含む大腸がんの再発について見てみましょう。

◆「大腸がん」の再発リスク

大腸は長さ2mほどの臓器です。日本人の場合は肛門に近い直腸と、肛門から離れたS状結腸にがんができやすい傾向にあります。直腸にできるがんを直腸がんといいます。

大腸がんの再発率はステージによって異なります。

・ステージ1:再発率3.7%
・ステージ2:再発率12.5%
・ステージ3a:再発率24.1%
・ステージ3b:再発率40.8%

ステージ1はがんが大腸の内側の壁の浅い部分(筋肉の層)にとどまっている段階です。この段階で治療をしたときの再発率はかなり低いことがわかります。ステージ2は筋肉の層を超えてがんが広がっている段階で、再発率は1割以上となります。

さらに、3個以下のリンパ節に転移のあるステージ3aになると2割以上、4個以上のリンパ節に転移のあるステージ3bになると再発率は4割を超えてきます。

北の潮理事長は、直腸がんの手術を「内視鏡手術」で行ったと報道されています。内視鏡手術が適応となるのは、がんが大腸の壁の粘膜にとどまっているステージ0か、筋肉の層にとどまっているステージ1に限られます。

従って、最初に直腸がんが診断された時点では、まだ初期のがんであり、再発率も低かったはずです。手術後の3年間における体調の変化が大きかったのではないかと推測されます。

◆「大腸がん」の3つの再発

大腸がんの再発は次の3つに分類されます。

・局所再発:
もともとがんがあった場所に再びがんができることを局所再発といいます。広い範囲を切除する結腸がんに比べ、骨盤に取り囲まれた直腸がんに局所再発が起こりやすい傾向があります。

・遠隔移転:
大腸で発生したがんが、大腸以外の肺や骨、脳、肝臓などに飛び火してしまう再発です。他の臓器にがんができることを遠隔転移といいます。

・腹膜播種:
腸にできたがん細胞が腹膜にこぼれて、腹部のあらゆる場所へと広がっていくことを「腹膜播種」といいます。大腸がんの進行が進んでいるステージ3の場合は、再発率も高くなるので術後に化学療法が行われています。

再発率はあくまでも集団として見たときの確率です。個人の再発リスクを正確に予測するものではありません。特に個人差のある免疫力は、再発するかしないかを左右する要因になります。

免疫力を低下させないためには、食事や睡眠時間を見直し、生活習慣を改善することが大切です。ストレスが増えるハードな仕事は免疫力を低下させる心配があります。

また、冷え性や虚弱、血の巡りが悪い場合は、血液の流れを活性化させて代謝をよくすることも再発防止につながります。北の湖理事長は個人の利益よりも、公に尽くすことを大切にするお人柄だったと伝えられています。

無理を押して職務を優先されたことも多かったのでしょう。長年、大相撲のために尽力された北の湖理事長のご冥福をお祈りいたします。

監修:坂本忍(医師)

胃がんの8割は「ピロリ菌」の感染が原因 保険使える除菌療法とは?

2014年9月、国際がん研究機関は、「胃がんの8割はピロリ菌の感染が原因」と発表。胃がんの予防としてピロリ菌(正式名称は、ヘリコバクター・ピロリ)の除菌治療を検討するように勧告した。長年取りざたされてきたピロリ菌と胃がんの因果関係が、ついに「ある」と認められたわけだ。

 四谷メディカルキューブ内科診療部長の伊藤愼芳医師は言う。

「日本は世界的に見てもピロリ菌感染率が高いだけでなく、胃がんとの関係も強い地域です。日本人の胃がんのほとんどにピロリ菌感染があり、全く感染していないのは1%程度という報告もあります」

 治療法の詳細は後述することにし、まずピロリ菌について説明しよう。

 ピロリ菌は、胃粘膜の表面や粘膜の中にすむ細菌だ。胃の中は胃酸によって強い酸性になっているので、通常の菌は生きていけない。しかしピロリ菌は、ウレアーゼという酵素を出して自分の周囲だけ酸を中和し、すめる環境にしてしまう。

 感染経路ははっきりわかっていないが、口を介すと考えられている。

「長く、川の水や井戸水を飲んで感染するとされてきましたが、近年は母子感染が中心ではないかと言われています。離乳食が一般的でなかったころは、離乳期の子に親が食べ物をかみ砕いて与えていました。こうした口移しが原因である可能性は高いと思います」

 と東京医科大学病院内視鏡センター部長・教授の河合隆医師は言う。

 ピロリ菌の感染は6歳ごろまでに成立し、以後、その状態が続く。大人になってからは、下水道が完備していない国に行ったなどの場合を除き、感染することはほとんどないと考えてよい。

 ピロリ菌に感染してから胃がんの発症までには数十年かかる。その間に胃は次のように変化していく。

 ピロリ菌に感染すると、程度はさまざまだが「慢性胃炎」になる。すると、胃粘膜が薄くなる「萎縮性胃炎」に進む。さらには、胃の細胞が腸の形に似た細胞に置き換わる「腸上皮化生(ちょうじょうひかせい)」を起こすことが多く、こういった変化が胃がんを発症させると考えられている。

ピロリ菌感染がずっと続いた場合、生涯のうち10~15%の人が胃がんと診断されるという推定もある。

 日本のピロリ菌感染者は、推定3千万人以上。年齢が高いほど感染率が高い。

「15年に日本で新たに胃がんと診断される患者は約13万人で、約5万人が胃がんで死亡すると推定されています。胃がんを減らす確実な方法は、ピロリ菌感染者を減らすことです。ぜひ一度、ピロリ菌がいるかどうか調べてください。もしいるなら内視鏡などで胃をよく調べ、除菌することをお勧めします」

 と伊藤医師は話す。

 日本では13年に、ピロリ菌に感染した慢性胃炎を「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」とし、除菌療法に健康保険が使えるようになった。除菌療法は、酸の分泌を抑える薬と、2種類の抗菌薬(アモキシシリンとクラリスロマイシン)の合計3剤を、1日2回、7日間飲む(一次除菌)というものだ。おもな副作用には軟便や下痢がある。

薬を飲み終えて4週間以上経ったら、「尿素呼気試験」や「便中抗原測定」を実施して効果を判定する。このとき菌が退治されていなかったら、クラリスロマイシンをメトロニダゾールという抗菌薬に変えて二次除菌をおこなう。ここまでは健康保険が利く。

早期発見で100%近く完治する大腸がん 良い病院見分ける方法

胃がん同様、大腸がんも早期であれば、内視鏡による治療で100%近く完治するので、やはり注目する項目は「内視鏡」の割合だ。「内視鏡」の割合が高い病院は、早期発見のために検診体制を整え、内視鏡の専門医が充実している病院といえるからだ。

 初回治療症例数の7割近くを内視鏡が占める島根県立中央病院の医療局次長・今岡友紀医師はこういう。

「島根県は自治体やJAも連携して検診体制がしっかりと確立しているので、早期で見つかる患者さんが非常に多いのです。当院の特徴としては、1回目の内視鏡治療でポリープを切除すること。たいていの病院は1回目に検査をし、2回目で切る。

うちは1回で切除してしまうので、非常に多くの患者さんを診ることができる。患者さんにとっても、体の負担はもちろん、経済的な負担も軽くなります。

2007年に内視鏡を性能の高いものに総入れ替えして効率が上がったことも2008年の件数の多さに表われたと思います」

 福島県の慈山会医学研究所付属坪井病院も、同様にこういう。

「大腸がんの内視鏡の件数が多いのは、そもそも検査の数が多いから。早期がんは自覚症状がないので検査は重要です。当院には内視鏡室が6部屋あり、医師も内視鏡技術に優れています」(同院外科部長・湖山信篤医師)

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