あなたの健康はお金で買えますか・・・? ■子育て・発達障害・食中毒・夜尿症・RSウイルス
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幼少期の食生活が子供の人生を変える

 食生活の習慣は2歳までに決まる。これは、アメリカのルイジアナ州立医科大学で行われた調査によって明らかになったことである。

 調査によると、2歳ごろに脂肪分の多い食事をしていた子供の約7割が、4歳になっても同じような食事内容のままだった。そして、それは成人してもほぼ変わらなかったという。塩分や糖分に関しても同様で、当然ながら脂肪分、塩分、糖分を多く摂取すれば、糖尿病や高血圧などの成人病にかかる可能性が、格段に高くなる。

 だからといって、大人になってからやめるのではもう遅い。2歳ごろまでに、栄養バランスのとれた健康的な食事を食べることが、何よりの成人病予防になるというわけだ。

小さな子供のママ必見! お風呂に潜む菌はどうすべき?

◆お風呂の環境

お風呂は一般の部屋と異なり、浴室として床と浴槽に分かれ、床には排水溝、浴槽には追いだき用の配管があります。また、シャワー・蛇口などの水回りの設備もあり、湯気によって温度・湿度が高い環境です。部屋とは異なる環境であるために、戸を閉めると密閉度が高くなります。

最近では、浴室乾燥機などが設置されていることも増えてきました。これにより湿度を下げることができるため、お風呂の後もカラッとして清潔になったような気持ちになります。しかし、床と浴槽を乾燥させておくだけで、お風呂の衛生面は本当に安心できるのでしょうか?
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◆排水口や配管など、お風呂に潜む菌の種類

温度と湿度、さらに身体を洗うことで出てくる髪の毛や皮膚の垢などがあると、細菌・カビが増える環境が整ってしまいます。大腸菌が最もいい状態で増殖した場合、15~20分に1回分裂し、2つに分裂した細菌もまた分裂しますので、20分に1回とすれば1時間では8つになります。つまり、その状態で6時間経てば、理論的には2の12乗で4096個の大腸菌が発生することになります。

また、大腸菌以外にもブドウ球菌などが増殖しやすく、カビだとクロカビが多いです。特にクロカビは水の多い場所で繁殖し、低温、乾燥になっても生存力が強いのが特徴で、一旦生えるとなかなか除去ができません。
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◆抵抗力が弱い赤ちゃんは要注意! お風呂に潜む菌で起こる病気

生後5カ月までに起こす細菌性髄膜炎の原因として、B群連鎖球菌と大腸菌が報告されています(※)。生後5カ月までの赤ちゃんは抵抗力が成人と比較すると低いです。

大腸菌は新生児では髄膜炎を起こし、ブドウ球菌は皮膚に水疱などを作る伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん:とびひ)の原因になります。クロカビは胞子が気管支に侵入することで、喘息などのアレルギーや長引く咳を引き起こす可能性があります。特に子どもは皮膚も消化管も弱いので、湿疹や下痢、腹痛などの症状も出やすいと言えるでしょう。またこれらの細菌・カビは、いずれも胃腸炎の原因にもなります。

何かと直接口にしたり、触れたりするグッズや場所が多いお風呂では、さらにお湯が口から入ることもあります。こまめにお風呂を除菌をすることで衛生管理をしてあげまょう。

◆お風呂に潜む菌を増やさないために

お風呂で菌が繁殖する条件となるのは、温度と湿度です。細菌が最も増える温度は36℃前後ですが、60℃でも生きることができ、湿度が50%以上あると繁殖できます。一方、カビの最も繁殖しやすい条件としては、温度は25~28℃、湿度は80%以上です。お湯が40℃としても、冷めてくれば細菌もカビも繁殖しやすい環境になってしまいます。逆に言えば、細菌やカビを増やさない環境として、10℃以下もしくは湿度50%以下にすること、そして、すでに存在してしまっている細菌やカビを除去することが重要になります。

これらの菌を増やさないために
・温度を下げること…10℃以下が望ましいので、冬なら換気をしておきたい
・湿度を下げること…湿度50%以下にするために、浴室乾燥機があれば使用する

◆定期的な除菌を心がけましょう

また、細菌とカビの除去には、定期的に以下のことを行いたいものです。
・床や浴槽を洗剤を使って洗うこと
・お風呂の後もしっかりと洗い流して、乾燥させること
・浴槽の蓋をしっかりと洗うこと
・窓際など、目立たない所に気をつけること
・追いだき用の配管も掃除すること

床や浴槽などはもちろん、特に追いだき用の配管などは目に見えないので、普段から配管用の洗剤を使い、掃除をしておきましょう。※砂川慶介先生らの報告,「本邦における小児化膿性髄膜炎の動向(2003~2004)」,『日本感染症学雑誌』 2006年 一般社団法人 日本感染症学会 発行

治療の第一人者が警鐘 子供は1週間でネット依存状態に

子供がネットばかりやっていて成績が落ちた――。それはもしかしたら「ネット依存」かもしれない。2011年、日本で初めてネット依存治療を開始した久里浜医療センター・樋口進院長に話を聞いた。

 ネット依存の意味はなんとなく知っている人が多いだろう。しかし、「その危険性を十分に理解していない。医師、親、学校関係者も含めて、軽く捉えている人が大半」と、樋口院長は指摘する。

 久里浜医療センターでは新規、継続のネット依存患者が年間のべ2000人受診。身体的問題として、視力低下、頭痛、寝不足によるだるさ、肥満、腱鞘炎、栄養障害、体重減少、骨密度低下、心肺機能低下、体の発達障害が見られる。

「寝ない、動かない、食べない。ゲーム前は運動部に所属していたような子供でも、筋力、瞬発力、柔軟力、握力、持久力すべての項目で平均値よりずっと低い数値が出る。まだ10代なのに、肺機能は30~40代という子供も珍しくありません」

■治療の難しさは群を抜く

 同じ姿勢を続けるため血栓が固まりやすく、エコノミークラス症候群(肺血栓塞栓症)を起こしやすい。アルコール依存症や薬物依存症と同様の脳の前頭葉の働きが悪くなる、という報告もある。

 ネット依存に陥るスピードは想像以上だ。

「1カ月、早い子供では1週間前後で“依存”と言える状態になる。パソコンでのオンラインゲームがきっかけになる子供が多いが、SNS、インスタグラム、動画などさまざまなもので依存が生じます」

 オンラインゲームは自室にこもりっきりになるので、度が過ぎれば親も気付きやすい。一方、SNSやインスタグラムの“主戦場”は、歩きながらでも使えるスマートフォン。頻繁に画面を見ていても、若者にありがちな行動として見過ごされやすいが、依存の深刻さはオンラインゲームの場合と同等だ。

 樋口院長は、日本のアルコール依存症、ギャンブル依存症研究の第一人者であり、臨床医だ。しかし、子供のネット依存の治療の難しさは群を抜いているという。

「相手が子供ということが大きい。同じ依存でも大人はある程度自分をコントロールする力がついている。子供はそれが乏しく、欲情、感情に支配されやすい。さらに、子供は嫌だと思ったら絶対に治療を受けない」

 だからこそ、ネット依存の兆候を示したら、できるだけ早い時期に治療者へ結びつけることが非常に重要だ。それができるのは親しかいない。

 まだ依存とまで言えない状況、つまりは子供のネットの使い方がそれほどひどくなく、かつ、親がしっかり指導できる場合は、親子が話し合い、ネット使用のルールを決めていく。

「親が強制すれば子供は反発するだけです。子供の主張を取り入れつつ、『○時間まで』と決める。破った場合、どれくらいネットを取り上げるのか、どうすれば返すのかなど、条件は細かく具体的に決めます」

 ルールを破ってネットを取り上げようとすると大暴れする。親を殴る。自殺未遂をする。その状況であれば、親だけでなんとかできるレベルは超えている。ネット依存治療の知識がある第三者(医療者)の介入が求められる。

「知識がない第三者では『飽きるまでやらせればそのうち飽きる』など誤ったアドバイスをしかねません。オンラインゲームは、そもそも飽きないようにつくられている上、無限にほかのアプリがあるので、やり続ければやり続けるほど、はまる仕組みになっています」

 仕事が忙しい父親でも、正月休みは子供と過ごす時間が長かったはずだ。子供はネットにはまっていなかったか?

■子供のネット依存とは

 勉強や情報収集に必要なネット利用を除いて、ゲームやSNSなどに過剰にはまり、「朝起きられない」「学校に行けない」「食事をしない」「成績が落ちる」などさまざまな問題が生じること。

急な子どもの発熱!最適な対処法は?

◆発熱は身体に異常が起こっているサイン…対処法は?

休日や夜間の急な発熱……。特に子どもの発熱には慌ててしまうことも多いため、正しい知識や対処法をあらかじめ身につけておきたいものです。

発熱と一言で言っても、急激な高熱や、ずるずると長く続く微熱など、その重症度や期間はさまざま。いずれの場合も、発熱は身体に何かしらの異常が起こっているサインです。

まずは発熱は身体のどのような仕組みで起こるのか、子どもの急な発熱時に体温を下げる効果的な対処法はあるのか、小児科医が詳しく解説します。
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◆体温が1℃下がると免疫力が40%低下? 発熱の原因と仕組み

病原体が侵入すると、有害なものを排除しようと白血球が活発になり、白血球から「プロスタグランジンE2」という物質が放出されます。このプロスタグランジンE2が放出されたことにより身体は発熱するのです。

発熱によって体温が上がると、免疫機能が高まるため、病原体を速やかに排除することができます。体温が1℃下がると免疫力は30~40%も低下すると言われているため、基本的には発熱しても体温を下げないことが重要です。

その一方で、免疫を抑える薬を飲んでいる場合、発熱しにくいことがあります。病原体が身体に侵入してきているのにも関わらず、発熱が無い場合、逆に注意しなくてはなりません。そういった意味でも、発熱は重要な危険信号のひとつと言えます。

体温を下げないのはあくまでも「基本的に」であり、発熱によって水分や食事が取れず、睡眠もままならない状態になると、免疫以外の機能が低下してしまいます。そもそも、高熱で辛い思いをしている時には、誰だって少しでも楽になりたいものですし、熱が42℃以上になると、身体の成分であるタンパク質が機能しなくなってしまうため、インフルエンザ等でひどい高熱が出た場合には、速やかに解熱する必要があります。下記で、効果的に体温を下げる方法をご紹介します。
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◆汗が出ない場合の対処法・効果的な体温の下げ方

発熱時、身体を温めて、汗をかかせて体温を下げる方法を取る人も多いかもしれません。しかししっかりと汗がかけない状態で温めると、さらに体温が上がるだけになってしまいますので、適切に冷やすことを考えましょう。

血液は身体全体に流れているので、血液を冷やすことが体温を下げることにつながります。脇や首、足の付け根である鼠径部を冷却剤、氷嚢などで冷やします。

ちなみに、絵的に連想しがちな「おでこに冷たいタオルを乗せる」という方法には、残念ながら体温を下げる効果はありません。ひんやりとしたタオルを当てることで得られるのは、発熱による不快感の緩和という気分的な効果でしょう。

◆解熱剤を使う判断はどうすべき? 使用上の注意点

プロスタグランジンE2の生成を抑制するのが「解熱剤」です。解熱剤にはピリン系と非ピリン系がありますが、子どもにピリン系の解熱剤はお勧めできません。子どもがインフルエンザや水疱瘡にかかった時に、ピリン系の解熱剤を使用すると、脳症という脳の病気を起こす可能性が報告されているため、十分な注意が必要です。

解熱剤は発熱を抑えているだけで、感染症そのものを良くしているわけではありません。あくまで、発熱による不快感や倦怠感を緩和するためです。つまり、解熱剤の効果が切れてきた頃には、再び発熱してきてしまいます。人によって異なりますが、高熱が持続している時よりも体温が急に上がってくる時の方が辛いと感じる人もいるため、解熱剤の使用による再発熱には注意が必要です。

また、熱性けいれんをもっている子どもでは、体温が急に上がってくる時にけいれんしやすいと言われています。再発熱時のけいれんのリスクを考えると、解熱剤の使用は、熱が高すぎて水分が飲めない場合や、寝られないなどの症状緩和を目的とするときに限った方がよいかもしれません。

解熱剤には、内服薬・座薬・点滴があります。効果発現は、点滴>座薬>内服薬の順番ですが、使用しやすさや手軽さは、内服>座薬>点滴の順でしょう。それぞれの状況に合った解熱剤の使用が望まれます。

また、大事なイベント等の前には心因性の発熱を起こすこともあります。そのため、発熱した場合には対策前にまずは原因の把握が必要です。心因性の発熱については、「大事な用事のある時に限って発熱! なんでなの?」も併せてご覧下さい。
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◆平熱は36度?37度? 体温の個人差と測定方法

哺乳類であるヒトは、爬虫類や昆虫と違って、体温を一定に保つことができる恒温動物です。体温を一定に保つためには、筋肉を細かく収縮させてブルブル震えることで熱を産生したり、発汗や皮膚への血管を拡張させることによって、熱を放出したりします。

では、「平熱」とは何度のことでしょうか? 平熱は年齢や性別等によってさまざまで、当然個人差があります。また、個人でも1日のうちで変動するため、いつ測定するかによっても異なります。子どもだけでなく、大人も自分自身の平熱は把握しておきたいものです。自分の身体がきつくない体温がその人の平熱だとも言えます。しかし一定の基準があると便利なので、一般には37℃未満を平熱と考え、予防接種などでは、37.5℃以上の場合、ワクチン接種ができないことになっています。

また、体温はどこで測定するかによっても異なります。口や脇、直腸などが一般的ですが、体温計によっては耳に当てたり、おでこに当てて測定するものがあったりと、どの数字を信じるべきか判断に困ってしまいます。最も外気の影響が少ないのは直腸温ですが、毎回肛門に体温計を入れるのは抵抗があるかと思います。

大切なのは、最も計りやすい方法で体温測定を繰り返し、その平均を目安にすることです。子どもにしろ大人にしろ、発熱時に異常な値だとわかりやすくなります。普段の平温と発熱を知る意味では、日ごろから測定方法を決めておくことが大切なのです。

逆効果になる場合も…「子どもを伸ばすほめ方」って?

◆「子どもをほめて伸ばす本」は数あれど……

最近、「ほめて子どもを伸ばすしつけ」「子ども成績をアップさせるほめ方」といった内容の本がよく売れているようです。ところが、「うちの子は、ほめられると図に乗るのよね」「せっかくほめてあげたのに、ちっともうれしくなさそう」といったお母さんたちの本音も、よく聞かれます。

ほめてもらえば、誰だってうれしくなるもの。とはいえ、ただやみくもにほめ言葉をかければいい、というわけではありません。子どもにうれしく感じてもらうには、ほめ方のポイントがあるのです。

◆子どもがうれしくなるほめ方とは?

育児書などには、よく「子どもが何かを達成したら、その場でほめてあげましょう」と書いてあります。そのため、子どもが何かをするたびに、「すごいね~!」「えら~い!」とオーバーにほめたたえる親が増えました。

しかし、こんな風にほめられても、子どもはうれしく感じるでしょうか? 「このくらいでほめてもらえるの?」「ちょろいもんだ」と親が甘く見られたり、「なんでほめるんだ?」「ちょっとヘン」と冷めた目で見られるのがオチです。つまり、オーバーにほめられても、心のこもったほめ言葉とは受け取れないのです。

子どもの心にいちばん響くのは、素直に感じた「感動」のフィードバック。たとえば、自分が描いた絵に、「お! この表情、いいね」と反応してもらえたり、テーブルセッティングを手伝った後に、「わぁ! きれいに並べてくれてありがとう」と、喜びのこもった感謝の気持ちが伝えられること。こうした、心から漏れる一言を伝えられると、うれしくなるのです。

もう一つは、子ども自身が取り組んだ物事の「プロセス」や「クオリティ」がほめられること。たとえば、テストでいい点数をとれたとき、「この問題、苦戦してたのによくできるようになったね」「ここ、引っ掛け問題なのに解けたんだね」というように、中身(プロセスやクオリティ)をよく見てほめること。すると子どもは、「うちの親、分かってくれてるなぁ」という満足感を感じるのです。

◆子どもがさびしくなるほめ方とは?

ところで、親は何気なくほめているものですが、ほめ方を間違えると、子どもの心をさびしくさせてしまうことがあるので、要注意なのです。

さびしくなるほめ方の一つは、「何かをさせよう」という意図のあるほめ方をされたときです。たとえば、描いた絵を「上手ね~!」とほめられた後、「じゃあ、これもやってみよう」と問題プリントが渡される。お手伝いをして「えらいわね~!」とほめられた後、「これもできるよね」と新しい仕事を与えられる。このように、ほめ言葉がいつも要求と抱きあわせになっている場合、子どもはほめられて操作されるさびしさを感じるものです。

もう一つは、「結果」だけを見てほめられたときです。テストで100点をとったときに、「100点」という結果だけをほめられると、そのときはうれしく感じても、「次もパーフェクトじゃないと、ほめてもらえないかも」という不安を感じてしまいます。また、兄弟のなかで、いつも「よくできる子」の方だけがほめられていると、「親は結果だけしか見てくれない」「親の愛情を得るには、結果を出さければならない」というむなしさとプレッシャーを感じてしまいます。
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◆「言葉」より「気持ち」を受け取っている

人はほめられたときに、「言葉」そのものより「気持ち」の方を敏感に感じているものです。これは、大人も子どもも同じ。しかも、未熟な子どもにはシンプルな感情しか理解できないため、言葉と気持ちが矛盾したほめ方をされると、奇妙なものに感じてしまいます。

さらに、子どもにとって親との関係は、世界の中心。ほめられることで操作されたり、結果だけしか見ないほめ方をされたりすると、非常にさびしく、不安なものに感じてしまいます。

繰り返しますが、ほめることは素直に感じた「感動」のフィードバックです。「子どもをもっとほめなければ」「効果のあるほめ方は?」と考えすぎると、肝心な「感動」が後回しになってしまいます。頭でっかちにならず、「お! いいね」「それステキ!」というような、素直な感動を大事にしましょう。そして結果より、頑張って取り組んできた姿勢や、できたことの質の方に注目して、子どもの成長を見守っていきたいものです。

方法はあるの? メンタルに強い子どもの育て方

◆子どもの心を強くするカギは?

「三つ子の魂、百まで」と言います。人の気質は3歳までに決まるのか、それとも、生まれて3年も経てば元々の気質がはっきりしてくるということなのか――といった微妙な命題はさておき、できるだけ心の強い子、メンタルの丈夫な子になってほしいと願う親御さんは少なくないかもしれません。

大人になって社会に出れば、ツラいことやため息をついてしまうような出来事は多々あるもの。苦しい時代に頼りになるのは、何といっても自分自身の強い精神力だからでしょう。ここでは、あなたのお子さんをメンタルの強い子に育てるために、精神医学的にぜひ知っておいていただきたいことを詳しく解説します。
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◆結局、適度がよい? しつけは厳し過ぎも甘やかし過ぎもダメ

まずは精神医学的な話に入る前段として、しつけは厳しい方がよいのか、甘やかしてよいのか。結論からですが、これはいずれも過剰にならないことが大切かと思います。子どもが大人になった時、いわゆる立派な大人――「立派」の定義は意見が分かれるところでしょうが、礼儀正しく、ある程度周りの空気を読め、相手の気持ちを思いやれる、そして、頑張らなくてはいけない時は頑張ることができる――になるためには、やはり子ども時代に受けるしつけは大切です。

とは言え、厳し過ぎるしつけは、かえって子どもの成長には逆効果。厳しいしつけの極端な例として、生まれたばかりの子どもを千尋の谷につき落としてしまうライオンの話は有名ですが、もしも親のしつけが過剰に厳しくなってしまえば、人間の子どもの心にはトラウマができてしまう恐れもあります。実際のところ、ライオンだって、もしも子どもライオンが谷に落ちれば、すぐさま助けに向かうそうですよ……。

反対に行き過ぎた過保護も避けるべきです。お子さんの自立を妨げるほどの過保護の弊害は近年言われている通りですし、もし子どもが過剰にママにべったりに育ってしまったら、ある程度成長してから周りから、からかわれてしまったり、いわゆるマザコンの大人になってしまってからでは、お互いになかなか大変なのではないかと思います。

いずれにしても、しつけはほどほどに、行き過ぎた過保護の弊害にはぜひご留意ください。

◆子どもの頃に芽生えた劣等感は大人になってからも尾を引く?

お子さんには、お子さんの世界があります。周りの子どもたちと遊んだりしているうちに、子ども心に「負けている……」と、引け目を感じることは、よくあること。そして意外に、それは大人になった後まで尾を引くものです。それは自分自身の能力面だけでなく、例えば、「周りの子どもたちが皆、親に動物園へ連れて行ってもらっていたころ、自分だけはいくら言っても連れて行ってもらえなかった」といった記憶も、大人になった後も意外と覚えている人はいるものです。

劣等感は子ども心に自信を失わせますが、反対に、自分に自信を持てれば、劣等感は和らぎます。自信を持たせるために作りたいのが、何かしらの「得意分野」です。人間誰しも、得手不得手がありますが、得意なことは子どもの時分から、はっきりしていることが多いように思います。

例えば、ダンスの才能があるお子さんなら、無理に苦手なピアノを習わせて劣等感を感じる場面ばかりにするより、好きなダンスを好きなように楽しくやらせておくことで自信が持てるでしょう。やがてすごいダンスキッズになって、周りから一目置かれるようになればいうことはないかもしれませんが、本人が好きで自信を持てるようになれば、それだけでも十分です。

改めて言うまでもないことかもしれませんが、お子さんが得意な分野をぐんぐん伸ばしていけるように手助けするのがベスト、ともいえるかもしれません。
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◆性的発達段階とトラウマ

さて、ここから一段階深く精神医学的なお話になります。子育て中の親御さんには、子どもの性的発達段階はぜひ、意識していただきたいところです。性的発達段階とは、著名な精神医学者ジークムント・フロイト(1856~1939)が唱えた概念のひとつで、フロイトによれば、人は生まれてからいくつかの性的発達段階を経て大人へと成長していきます。

性的発達段階には、授乳期である「口唇期」(生後18ヵ月頃まで)、トイレ訓練の時期である「肛門期」(生後18ヵ月~3歳頃)、異性への関心が芽生える「エディプス期」(5歳~6歳頃)などがあります。フロイトによれば、もしも、子どもが性的発達段階のどこかで、つまづいてしまうと、大人になってから、心の病気のリスクが高まります。

例えば、口唇期で口唇の欲求が充分、満たされなかった場合、大人になってから他人に不信感を持ちやすくなるとされています。また、肛門期に欲求のまま、排泄がやりたい放題だった場合、大人になってから、いい加減な性格になりやすいといったことがフロイトの理論で言われていますので、親御さんは、お子さんが性的発達段階のテーマを問題なく、こなしているかどうか、目を光らせておいた方が良いかと思います。

また、子どもが大人になってから、心の病気のリスクが高まる代表的原因のひとつに、幼少期のトラウマがあります。「交通事故で入院していた時、長期間、家に帰れず寂しかった」「見知らぬ旅先で迷子になって、怖い思いをした」「遊び友達に不幸があった」など、時には、子どもの心が大きく傷つくような出来事が起きてしまうこともあります。小さなお子さんなら、心のつらさを上手く表現できないでしょうが、それでも、もしも、お子さんが何度も夢に出てくるような辛い体験を口にするようなことがあれば、親御さんはぜひ、お子さんの話を聞いてあげて、その体験を過去のこととして、お子さんの心の中で終わらせることができるように手伝ってあげてみてください。

◆最後に、子は親の鏡ということも、お忘れなく!

子育て中の親御さんに変にプレッシャーをかけるつもりはありませんが、子どもは小さいながらも親の言動を隅から隅まで実によく観察しているもの。お子さんが自分の言動を真似しているのに気付いて、思わず、ドキッとしたことはなかったですか?

実際、親のライフスタイルの影響で、子どもが大人になった時、心の病気のリスクが高まってしまう場合もあります。例えば、アルコール依存症などもそのひとつです。一般に、心の病気は遺伝的、心理的、社会環境的要因がネガティブに相互作用した結果、発症しますが、アルコール依存症の場合、お酒に飲まれてしまっている親の姿が子ども心に複雑な傷を作ってしまい、それが病気のリスクを高めてしまうと言われています。

昔から「子は親の鏡」という言葉もあります。お酒に関するような問題行動はもちろんですが、子どもに真似されたら困るような、ご自分の言動には充分、お気を付けください。

いい親にならないと…「完璧な母」への執着が子どもを追い込んでしまう訳

◆「いい母にならなくては」と頑張りすぎていませんか?

「子どもの可能性を最大限に伸ばし、成長を支えてあげたい」―これは子を持つ母なら、誰もが抱く思い。ところが、その思いが強すぎて「いい母にならなくては」と頑張りすぎる人も多いものです。そして、こうした「いい母」の努力が、逆に子どもの可能性を阻害してしまうことがあるのです。

たとえば、自分がやりたいことも我慢して、自己犠牲の精神で子どもに尽くしすぎるお母さん。自分自身はおしゃれ一つせずに家計を切り詰めて、子どもには習いこと三昧。家庭での会話は、学校のこと、勉強のこと、しつけのことなど、子どもを「いい子」にするための話ばかり。こうしたお母さんは、世間では「子育て熱心ないいお母さん」と言われますが、子ども本人にとってはどうでしょう?

お母さんが「いい母」になろうとすると、子どもにも「いい子」になってほしいと期待をかけるようになります。その期待を受けた子は、「お母さんが望む子」になろうと精一杯努力をします。勉強が得意な子は、一生懸命勉強して100点を目指すでしょうし、運動が得意な子は、一等賞を取るために練習に励むでしょう。勉強にも運動にも自信がない子は、きょうだいの面倒を見たり、家事を率先して手伝ったりして「お母さんの役に立つ子」になろうと努力をするでしょう。

そうした努力が、自分のやりたいこととマッチしていればいいのですが、親の期待に応えることが主目的になってしまうと、「自分は本当は何をしたいのか」「どうなりたいのか」という、内発的な動機が分からなくなってしまうのです。

その結果、頑張りすぎて燃えつきたり、お母さんの目をいつも気にして、情緒が不安定になってしまう子もいます。お母さんが敷いたレールを歩んできたものの、進路にも環境にもなじめず、無気力になっていく子もいますし、思春期になると過剰に反発し、親がいちばん嫌がる(さりとて、自分自身も本当に望んでいるわけではない)生き方を志向していく子もいます。

子どものために「いい母」になろうと努力してきたのに、逆にそれが子どもの道を阻んでしまう――こうした悲劇を起こす前に、なぜ「いい母にならなくては」と頑張りすぎてしまうのか、という自分自身の問題と向き合う必要がありそうです。

◆母親の中にもいろいろな「自分の顔」がある

母親なら、誰でも「いい母」になりたいと願うものですが、同時に、その人の中には「いいかげんな自分」や「なまけたい自分」、「わがままな自分」といった、さまざまな面もあるものです。それを「当たり前のこと」として受け止め、人前でもそんないろいろな自分の姿を見せていい、と思えるのが自然な状態です。そして、お互いのそうした姿を許しあっていくのが、「居心地のいい家族関係」ではないでしょうか?

ところが、「いい母にならなくては」と頑張りすぎるお母さんは、自分の中にある「いい顔」だけを認め、自分や周囲にネガティブな印象を与える顔を認めることができません。望ましくない顔は、「あってはならないこと」なのです。そのため、「いい顔」だけを発揮できるように、努力を続けていきますし、家族にもそれを要求するようになります。

そうした努力や要求を、家族はとても息苦しく感じてしまうものです。夫は、外に「はけ口」を求めて逃げ出すこともできますが、子どもには逃げ場がありません。四六時中「いい母」とつきあい、その期待に添うように努力しなければ、家庭の中で生きてはいけない――そうしたプレッシャーに押されて生活していくと、自分が何をしたいのか、どう生きたいのかも分からずに、生き抜くために「母親の望む自分になろう」と、頑張り続けてしまうものです。
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◆「グッド・イナフ・マザー」が子どもを伸ばす

イギリスの小児科医・精神分析医のウィニコットは、子育てには「グッド・イナフ・マザー」がよいと説きました。これは「ほどよい母」という意味です。つまり、完璧な「いい母」を目指すより、ほどほどに子育てをした方が子どものためになる、ということ。

いつでも「いい母」になって、先回りして問題を回避し、子どものために最善を考え、環境を整えてあげることは、一見子どものためになっているように思えます。しかし、実は子どもが自分の問題を自分で考え、その問題に直面化し、自分の力で解決していく力を奪っていることも多いのです。

お母さんが完璧を目指さず、かといってほったらかしにせず、ほどよく子育てをしていれば、子ども自身も、「ほどよい子ども」でいることができます。ときには、いいかげんだったり、なまけたり、わがままを言うことがあっても、「それも含めて自分なんだ」と認められ、いつでも自然体でいられます。

すると、子どもは「こうあらねばならない」という自分像に縛られることもなくなり、自由にやりたいこと、するべきことに取り組むことができます。自分で選んだ道で失敗して傷つくことがあっても、自分で努力して解決したり、責任をとることができるのです。

◆「グッド・イナフ・マザー」になるためのステップ

では、「グッド・イナフ・マザー」になるには、どうしたらいいのでしょう? まず「いい母」への執着を捨てることです。いつも夫や子どものことを優先させ、家族の幸せのために生きる母――こうした「聖母像」など、社会が作り出した幻想でしかありません。

母親だって、一人の人間。子どものために頑張る自分がいる一方で、ときには子育てなんて夫に任せて、自分のやりたいことを優先させたい。家事だってときにはサボるし、日がな一日、なまけることもある。こうした、けっして理想的とは言えない自分の姿を表出しながらも、いつも子どもの気持ちを受け止め、見守り、支えている――こんな「ほどよい母」がいちばん現実的であり、子どもにとっても、夫にとっても、実は「理想的」なのではないでしょうか?

「グッド・イナフ・マザー」になることは、難しいことではありません。ときには、「自分のため」に楽しむ時間を確保してみましょう。お母さん1人が子育てをするのではなく、周りの人に任せてみることも必要です。最初は不安かもしれませんが、いろいろな大人に接して、刺激を受けることは、子どものためにもなることです。

そして、ときには「いいかげんな自分」「なまけたい自分」「わがままな自分」も出してみましょう。食卓にお総菜ばかりが並ぶ日があっても、「よし」とする。家事をほったらかしてゴロゴロする日があっても、「よし」とする。たまには自分のためだけにごほうびを買う日があっても、「よし」とする――こんな風に、自分の中にいる「いろいろな自分」にOKを出していきましょう。

「お母さん」の自分でいながら、「ありのまま自分」も大切にする。そんな「グッド・イナフ・マザー」が子どもをのびのびと成長させ、家庭を楽しい場所にさせるのです。

子どもの弱視 見逃さないで 3歳児健診がカギ

斜視や強い遠視などによって視力が正常に育たない「弱視」の子どもは50人に1人の割合でみられる。外見からはよくわからず、親が発見するのは難しい。3歳児健診で見つけて治療すれば小学校に入る前に治せるが、健診の体制が十分ではないとの指摘がある。機器を使った簡易検査を受けられる診療所が出てきているほか、厚生労働省は3歳児健診の徹底を自治体に促している。

 「はい、こっち見てね」。北浜こどもクリニック(川崎市)の北浜直院長が取り出したのはカメラのような小型機器。小鳥のさえずりの擬音が流れ、視界の奥の方で光が点滅する。1歳の男児の視線が吸い寄せられた瞬間、検査は終わった。1月に導入した米国製の簡易スクリーナーだ。

 「弱視は近視と異なり、メガネで矯正しても視力が十分出ない」と東京医科歯科大の大野京子教授は説明する。見る力が発達する乳幼児期に治療することが重要で、3歳児健診の視力検査は大きな節目になる。小学校に進む前の就学時健診では、弱視を発見できても、その後の視力向上が見込めない恐れがあるからだ。

 スクリーナーは弱視のリスクを1秒で調べる。操作が簡単で、眼科医でなくても扱える。風邪の症状で北浜こどもクリニックに来た3歳の女児は、3歳児健診で適切な視力検査を受けられなかった。北浜院長がスクリーナーで検査すると、弱視のリスクが高いことが判明。紹介した眼科で片目が弱視であることがわかり、治療を始めた。

 3歳児健診は市区町村が実施する。視力についてはまず家庭で1次検査と問診をする。1次検査を通らなかった子どもに対し、健診会場で保健師らが2次検査を実施するのが一般的だ。「ランドルト環」と呼ぶ輪の1カ所が切れた指標や動物などの絵を使い、見えるかどうかを片目ずつ試す。 だが、子どもが検査を嫌がるなどして異常を見逃す可能性があるほか、子どもが親や保健師の言うことを理解できなかったり、うまく答えられなかったりする場合もある。

 2次検査を眼科医などの専門家が担うところは少ない。健診方法も各自治体に任され、転居を理由に受けないままの家庭もある。「3歳児健診で弱視が見逃されている例は多い」と国立成育医療研究センターの仁科幸子医師は指摘する。こうした実態を踏まえ、日本小児眼科学会は2016年8月、3歳児健診について提言をまとめた。3歳6カ月ごろの検査が効率的であることや保護者への啓発の必要性を指摘したほか、会場でスクリーナーなどの検査機器を導入するよう勧めている。

 厚労省は今春、全国の自治体に3歳児健診で視力検査を適切に実施するよう通知を出した。子どもの目は6歳までにほぼ完成するとしたうえで「3歳児健診で異常が見逃されると十分な視力が得られないことがあると周知すること」と注意喚起した。仁科医師は「通知により検査の精度が高まってほしい」と期待する。一方、家庭で気をつけられることもあるという。目を細めたり、首を曲げて見たりするのが目立つ子どもや、片目を隠すと嫌がるなどの反応が見られる場合、弱視の可能性がある。子どものこうした行動などは生後3カ月ごろからチェックできる。該当する項目が一つでもあれば、眼科に相談するなど対処が必要だ。

 特に注意したいのは片目だけ弱視の場合だ。片方の目が見えていると、もう一方の異常に気づきにくい。弱視は6歳までに治すことが望ましいが、就学時健診や小学校入学後にわかったとしても、治療できることもある。仁科医師は「あきらめずにできるだけ早く治療を」と呼びかける。

11/20(月) 7:47配信

NIKKEI STYLE

■小学生は近視に注意 外遊びに抑制効果

 小学生になってから気をつけたいのは近視だ。文部科学省の調査によると、裸眼視力が0.3未満の小学生の割合は16年に9%だった。調査を始めた1979年に比べ3倍に増えた。近視は遺伝因子と環境因子が複雑にからんで起こると考えられている。科学的な裏付けはないが、ゲームやスマートフォンの普及が影響している可能性がある。もともとアジア系人種は遺伝的に近視になりやすいという。「日本では一生メガネをかけないですむ人は少ない」と東京医科歯科大の大野教授は指摘する。

 近視を抑制する手段としては屋外活動が有効だ。1時間屋外活動が増えると近視を13%抑制できるという研究がある。国立成育医療研究センターの仁科医師は「近くでモノを見る作業も目に負担をかける。30分以上スマートフォンなどの画面を見続けないことや、本を読むときは30センチ以上目を離すことなども心がけるとよい」と話す。(天野由輝子)

睡眠不足の子に早過ぎる第2次性徴、低身長の恐れ

学校から帰宅しても宿題に追われ、塾に習い事にと、大人顔負けの忙しい日々を過ごしている、そんな小学生が多くなってきました。共働きの家庭では、ダブル学童や塾に通わせ、帰宅するのが夜の9時、10時になる子どもも珍しくありません。子どもの寝る時間が遅くなると、どのような影響があるのでしょうか。連載最終回では、今、日本の子どもたちの睡眠に何が起こっているかを、成田奈緒子さんにお話を聞きました。

●睡眠時間を削ると「おりこうさん脳」の土台が痩せ細る

 こんにちは。小児科医の成田奈緒子です。

 この連載で、私は何度も「理想の睡眠は大人も夜の11時にはベッドに入り、7時間の睡眠を確保することです」とお伝えしてきました。実行してみていかがでしょうか? とても無理という人も多いかもしれませんね。今はよほどの信念がない限り、早く寝ることが難しい社会になっています。それは子どもにおいても同様です。大人より早く寝るべき子どもたちがベッドに入る時間が、どんどん後ろ倒しになっています。これは、とても深刻な問題です。

 小学生の子どもは、夜8時に寝て、朝の6時までに起きるのが理想です。どの学年の子も10時間の睡眠が必要です。けれども塾や習い事、ダブル学童などで帰宅するのが夜の9時、10時になっては、既にその時点で理想の就寝時間を過ぎています。

 小学校で統計を取ってみると、多くの家庭では子どもたちの就寝時間の目標を夜10時にしています。学校のある日の起きる時間は6~7時ごろでしょうから、目標段階でも既に睡眠時間が2~3時間も削られていることになるわけですね。

 そもそも小学生の子どもが夜9時過ぎに帰宅する時点で、心身の健やかな成長に黄色信号が灯ります。睡眠時間を削ってまで塾などで英才教育を受けたとして、将来その子が大人になったとき、いい影響があると思いますか?

 残念ながら、答えはノーです。

 この年代の子どもたちに必要とされる睡眠時間を10時間から8時間に短縮してしまうと、成長期の脳の発達に悪い影響を及ぼす可能性があります。そこで私は、小学生の親御さんに「せめて子どもたちを夜9時までに寝かせ、朝の6時に起きる9時間睡眠を心がけてください」とお願いしています。就寝時間の理想は夜8時ですが、子どもたちの今の生活スタイルを考えると、現実的には厳しいからです。

 以前、この連載で、睡眠をコントロールしているのは、脳幹とその上に乗っかる大脳辺縁系と小脳で、生命維持に必要最低限な機能を担っているとお話ししました。私はこれを「古い脳」と呼んでいます。

 「古い脳」に対して「新しい脳」と呼んでいる部分もあります。それは記憶や思考、言語など、人間が人間らしくあるための高度な心や情感を司る大脳皮質で、より進化した動物が獲得してきた部分です。私はこれを「おりこうさん脳」とも呼んでいます。

 勉強することは「おりこうさん脳」の働きになるので、小中学生のときにこれを鍛えることは大切です。ただし十分な睡眠をとっていないと、「おりこうさん脳」の土台になる部分がやせ細ってしまいます。つまり、睡眠時間を削って、勉強をすることは子どもの成長にとって、本末転倒なのです。

 「古い脳」の役割である土台というのは、人間が生きていくうえでの土台です。成長期の子どもたちの睡眠時間を削ってまで勉強をすることは、建物の土台になる1階部分をどんどん貧弱にして、その上に大きな2階をのせているようなもの。構造として非常にアンバランスです。

うまくいっているように見えても、思春期に土台が崩れることも

 小学生が夜の10時、11時まで起きている毎日を続けると、脳の土台部分はどんどんやせ細っていきます。ところが、アンバランスな構造になっても、低学年のころには影響は表れません。おりこうさん脳を鍛えていると、難しい計算がスイスイできたり、外国語を上手にしゃべったりして、見た目はとてもよく育っているように感じます。

 しかし、思春期くらいになると、ちょっとしたきっかけでやせ細った土台部分がぐらぐら揺れ、ある日柱がポキンと折れてしまう危険が出てきます。

 柱が折れて、土台が崩れてしまうとどうなるか。

 人間としての機能に不具合が起こり、様々なトラブルが発生します。例えば、万引きをする、人の悪口ばかり言う、人に暴力を振るうなどです。子どもが加害者となり、新聞をにぎわす事件が増えていますが、彼らの脳の1階部分は痩せ細っていたのではないかと私は考えています。

 子ども時代にしっかりと睡眠をとり、どっしりとした土台部分を築きながら、心身の成長を積み上げていれば、少々意に染まないことがあっても、いきなり刃物で人を刺したりしません。刺してはいけないことだと分かっているからです。

●危うい脳を育ててはいけない

 しかし、脳の成長期に睡眠が足りず、土台部分がもろい脳に育ってしまったら、その子はどんな大人になるでしょうか。全員がそうなるとは言いませんが、最近はちょっとしたことがきっかけでキレたり、人に暴力を振るったり、ネットで悪口を拡散したりするような人が増えているように思います。おりこうさん脳を優先させるがために、土台部分が危うい脳を育てるようなことはやってはいけないことだと思います。子どものうちは、外国語をしゃべれなくても、算数の応用問題が解けなくてもいいと思います。暗くなったら眠くなってパタンと寝てしまう。子どもの脳の成長にとってはそのほうがはるかに健全です。土台がしっかりとしていれば、親が教え込まなくても、語学も数学も自分から学ぶ意欲がある子に育ちます。

 脳の土台部分が大切というのは、大人になっても変わりません。ろくに寝ない生活を続けていたら、土台部分は痩せ細っていきます。すると、何かをきっかけに、不具合を起こして暴走を始めたらブレーキが効かなくなります。例えば、同僚に悪口を言われたとしましょう。すると、どんどん妄想が広がって、無性に腹が立ってくる。常にいら立たしく感じるようになり、しまいには何をしでかすか分からないということです。

 人としての枠から外れる思いもかけない行動や、理不尽な行動をする子どもは、脳の土台部分がもろく、人間として大事な部分がうまく育っていません。かつてのそういった子どもたちが今大人になり、ポキンと折れそうになりながらも、必死にがんばっている例もあるでしょう。それは、このコラムを読んでくれているママやパパかもしれません。何度も繰り返して言います。まずは、ママやパパが睡眠不足を解消してください。

睡眠不足の子どもは自尊心が低い

 睡眠時間が短く、睡眠の質が悪い人は自尊心が低くなります。夜型生活の人も自尊心が低くなる傾向があることが分かっています。

 自尊心というのは、人間の発達段階によって、上がったり下がったりするのが普通です。

 子どもは8歳、つまり小学校2年生ごろに、わけもなく自尊心が高まります。自分のことが大好きで、「僕はみんなに好かれているも~ん!」などと言ってのけます。大人はなんと無邪気な、とあきれるかもしれませんね。これは問題ありません。正常な発達です。

 その後、小学校5~6年生、中学生くらいになって思春期の入口にさしかかると、子どもは「自分ってなんて駄目な人間なんだ」と思いがちになり、自尊心は急降下します。しかし、そのあとまた、勉強や部活をがんばるなどして、だんだんと自尊心が高くなり、社会に出る年齢になるころには、社会の中でうまくやっていけるくらいの、ちょうどよい自尊心になります。

 このメカニズムでいくと、幼児期や低学年のときから睡眠不足が続き夜型生活をしている子は、大変危険なことになります。自尊心がとても高いはずの8歳のときでさえ自尊心が低いので、そこを起点にすると、思春期になったときには自尊心は地の底まで落ちてしまいます。これでは、思春期をうまく乗り越えられません。自分に自信がないまま成長していくことになり、痩せ細った土台はいつ崩れてもおかしくないでしょう。だから危険なのです。

●不定愁訴や睡眠障害を抱える子どもたち

 8歳くらいの子どもの尊大な自尊心の高さは、とりもなおさず、子どもらしさです。他人や大人の目など何も気にせず、「俺がいちばんえらいもんね~!」「友達を100人つくりたい!」と言える子どもらしさは、いったいどうすれば培えるのでしょう。

 それには、朝は元気に早起きをして、食欲旺盛で、朝ごはんをおいしく食べ、夜は9時になるとパタンと寝て、ぐっすり眠る生活を送ることです。これはもう、テッパンです。

 小学生の子どもが目の下にくまをつくり、疲れきった青白い顔でどよんとしているのはどう考えても好ましくありません。元気にはつらつとしているべきです。

 睡眠不足によって不定愁訴がある子どもたちも増えています。「頭が痛い」「肩が凝る」「腰が痛い」「膝が痛い」「動悸がする」「めまいがする」。残業続きのサラリーマンが言いそうなことですが、こんな症状を訴える小学生もいるのです。

 小学校2年生を対象に睡眠の調査をした際、「夜、布団に入ってもなかなか寝つけない」と答えた子どもは全体の49%に上りました。夜、なかなか寝つけないのは、睡眠障害の症状です。小学校2年生の2人に1人が睡眠障害を抱えている現状。子どもたちの心と体は悲鳴を上げていると言っても決して過言ではありません。

睡眠不足は第二次性徴を早めてしまう

 睡眠不足が及ぼす影響は他にもあります。それは子どもたちの第二次性徴を早めてしまうリスクが高まることです。

 睡眠ホルモンの一種であるメラトニンは、夕方になるとたっぷりと出て、眠気を誘うホルモンです。子どもはメラトニンがどっさり出ます。脳のしくみがそうなっているため子どもは夜早く眠くなり、大人よりたっぷり眠ります。

 メラトニンには眠りを誘うほか、もうひとつ重要な役割があります。それは第二次性徴の発来を抑えることです。8歳や9歳でお乳が大きくなったり、陰毛が生えたりすることがないのは、メラトニンの働きによってストップしているためなのです。

 そして、成長するにつれ、就寝時間が少しずつ遅くなり、メラトニンの分泌量も少しずつ減っていきます。するとお乳が膨らんできたり、陰毛が生えてきたりするなどの第二次性徴が始まり、女の子の場合はあるとき初潮がみられます。男子だと寝ている間に射精が起こる夢精が見られます。これが中学生あたりになります。

 怖いのは、小さいときから夜遅くまで起きていたり、睡眠不足を続けていたり、メラトニンの分泌量を減らすような生活を続けていると、第二次性徴を抑える働きが利かなくなり、初潮が早く来てしまうことです。

 メラトニンは目から光が入ると分泌が抑えられるので、テレビやパソコン、スマートフォン、ゲームなどの光刺激は大敵です。夜型生活はただでさえメラトニンの分泌を減らすのに、大人と一緒に夜遅くまでテレビを見たり、ゲームで遊んだりしているのは、もってのほかなのです。

●塾や習い事をさせるなら、週末の時間を使う

 近年は早発月経が増えており、なかには8歳で月経が始まってしまう子もいます。女子は月経が始まると成長が止まるので、最終身長が低くなる可能性があります。そして、排卵が早く始まると、様々な弊害を引き起こします。

 女性が生涯に排卵する卵の数は決まっているので、初潮が早ければ早いほど、閉経が早まります。更年期障害もひどくなりがちです。月経困難症のリスクが高まり、生理のたびにつらい思いをするかもしれません。

 そして何よりも8歳で月経が来てしまったら、その子自身がたいへんです。性教育が始まるのは通常10歳くらいからです。第二次性徴の発来は、13歳前後です。その前に月経が始まれば、子どもの心身に大きな負担がかかってしまうでしょう。

 睡眠不足が子どもに及ぼす影響は多種多様で多大です。

 昼間は元気に遊びまわり、夜になるとバタンと寝てしまうような子は、大人から見ると本当に大丈夫なの?と思うかもしれません。でも、子どもは子どもらしく、のほほんと楽しく笑顔でいることがいちばんなのです。

 勉強や習い事をさせるなとは言いません。塾に行かせたり、習い事をさせたりするなら、週末の時間を使うなどして、子どもたちの睡眠時間に影響がないよう工夫してあげてください。

 子どもの10年後、20年後を考えたら、睡眠時間を削って勉強させるよりも、夜9時に寝て、朝6時に起きる生活を守ることのほうが大事です。どうか、今日すぐに、家族そろって早寝、早起き生活に切り替えてください。

食中毒4つの盲点 刺し身より「半生ひき肉」に注意


タレントの渡辺直美さんや山里亮太さん、庄司智春さんもかかったことで話題になった、アニサキスによる食中毒。また、今年6月には、東京の焼き肉店で食事をした中学生がカンピロバクターによる集団食中毒を発症したことも記憶に新しい。夏本番のこの時期、注意が必要なのはどんな食材なのだろうか。

 食中毒を起こす病原体には、大きく分けて、細菌、寄生虫、ウイルスの3種類がある(表1)。アニサキスは寄生虫、カンピロバクターは細菌。それぞれ感染源となる食品や治療法が異なるが、「梅雨時から夏にかけては、湿度や気温が高く、細菌が増えやすい環境になるので、細菌性食中毒、特に病原性大腸菌に注意が必要です」と、鳥居内科クリニック(東京都世田谷区)院長の鳥居明氏は話す。

 病原性大腸菌は、人や動物の腸の中に生息している大腸菌のうち、病原性を持つものの総称。重症例の多いO-157が有名だが、ほかにもたくさん種類があり、主に、牛肉や豚肉、鶏肉などを生で食べることによって、人に感染する。

 「細菌が最も繁殖しやすいのは真夏ですが、実は、食中毒の発生件数は真夏よりも梅雨時の方が多くなっています。これは、この時期はまだ涼しい日と暑い日があって、食中毒に意識があまり向いておらず、生ものの調理や摂取に油断が生じがちなためです」(鳥居氏)

 以下に、梅雨から真夏にかけての時期、気になる食中毒とその対策について、意外な盲点をご紹介していこう。
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■盲点1 実は「ひき肉料理の半生」が危険!

 「外食ではお刺し身よりも、ハンバーグやメンチカツ、つくねといったひき肉を使った料理に注意しましょう」と鳥居氏は話す。

 家畜は腸の中に病原性大腸菌を持っていることが多いため、病原性大腸菌は肉の表面にくっつく。

 しかし、ひき肉は、肉をミンチにする段階で大腸菌が内部に入ってしまうため、中心まで十分に火が通っていないと、食中毒を起こす可能性がある。外でひき肉料理を食べる時は、中心部の色をよく確認し、自宅で調理する場合も、しっかり中まで加熱するようにしよう。

 なお、ステーキなど、もとの形状が維持されている牛肉の場合、表面を十分に加熱すれば中は生でも問題ない(レバーを除く)。ただし、寄生虫が潜んでいることがある豚肉や、カンピロバクター食中毒の多い鶏肉は、中まで火を通すことが大切だ。

 なお、カンピロバクターによる食中毒は、近年、報告件数が急増している。生の鶏肉によるものが多く、2016年の発生件数は339件、患者数は3272人と、細菌性食中毒の中では最多だった。「カンピロバクターによる食中毒の患者は、子どもや高齢者が多いのが特徴です。子どもや高齢者は抵抗力が弱く、重症化しやすいといわれています。いずれにせよ、加熱不十分のひき肉や生肉には注意が必要です」(鳥居氏)

■盲点2 刺し身はまず安全、ただしサバ、ヒラメには注意

 生の魚介類というと、真っ先に思い浮かべるのが刺し身。だが、実は「魚に大腸菌などの病原菌が付着する機会は少ないと考えられます。お刺し身を調理する人が手にけがをしていたり、手を洗わなかったりといった衛生上の問題がなければ、通常、お刺し身が細菌性食中毒の原因となることは少ないといわれています」と鳥居氏は話す。

 ただし、例外として、鳥居氏が注意を促すのが、「サバ」と「ヒラメ」だ。

 サバはアニサキス[注1]、ヒラメはクドア(正式名称クドア・セプテンプンクタータ)という寄生虫が寄生しやすく、最近、食中毒の報告が増えてきている。2016年の報告数は、アニサキスが124件126人、クドアが22件259人だった(クドアについては「ヒラメ刺し身で謎の食中毒 原因は『クドア』」をご覧ください)。

 サバなどの内臓に寄生するアニサキスは、魚が死んですぐに切り身にされないと、内臓から身(筋肉)へと移動する。クドアはヒラメの筋肉に寄生する。いずれも、多くの場合、加工・調理の段階で発見され取り除かれるが、気が付かずに食べてしまうと、嘔吐(おうと)や腹痛を生じる。

 これらの寄生虫は、十分な加熱処理や、-20度で24時間以上(クドアは4時間以上)冷凍することで死滅、または感染性を失わせることができる。生の魚介類は、以前は冷凍した状態で流通していたため、こうした寄生虫が食中毒を引き起こすことはなかったが、流通技術の発達により、低温(チルド)の状態で消費者の手元に届くようになったため、被害の報告が増えていると考えられる。なお、「サバを酢で締めてもアニサキスには効果はありません」(鳥居氏)とのこと。シメサバは冷凍処理されたものを選ぶ方が無難だろう。

 なお、魚介類による食中毒の発生件数でいえば、刺し身よりも注意が必要なのは、二枚貝だ。カキ、アサリ、ハマグリなどの二枚貝を生で食べると、ノロウイルスによる食中毒を引き起こすことがある(ノロウイルスではこのほか、感染した患者の嘔吐物などを介した二次感染も多い)。

 ノロウイルスは下水とともに海に運ばれた後、プランクトンと一緒に二枚貝の中に取り込まれ、蓄積されることで感染原因になる。「おいしい二枚貝は、栄養源となるプランクトンの豊富な場所で育っているため、『おいしい二枚貝ほど危険性が高い』ともいえます」(鳥居氏)というのは皮肉な話だ。ノロウイルスは、貝の中心部まで85~90度で90秒以上加熱処理すれば問題がない。夏場は生ガキを食べることはあまりないが、中が半生のカキフライや、さっと蒸しただけの貝料理などには注意したい。

■盲点3 卵は殻の取り扱いに注意!

 卵による食中毒の原因菌として有名な、サルモネラ菌。実は、サルモネラ菌に汚染されることがあるのは、卵の「中身」ではなく「殻の外側」の部分だ。サルモネラ菌はもともと家畜の腸管内に生息しているため、産卵時に卵の殻に付着して出てくる。卵の中まで入り込むことはない。

 このため、卵を使う料理のとき、卵の殻を触った手を洗わずにそのまま調理をすると、触った場所からサルモネラ菌が増殖する恐れがある。割ったらすぐに加熱し、火が十分に通っていれば問題ないが、生卵の場合は、殻の外側を触った手や調理器具が中身に接触しないよう、注意が必要だ。例えば、すき焼きに使う生卵を殻ごと皿に入れて食卓に出し、そのまま同じ皿に割り入れて食べるといった習慣は危険大。テーブルに出す際の容器と、割り入れる容器は必ず分けよう。

■盲点4 原因は直前に食べたものとは限らない!

 腹痛や吐き気、下痢など、食中毒が疑われる症状が出たとき、誰しもその日や前日に食べたものを思い起こすだろう。だが、細菌性の食中毒の場合、直近で食べたものに原因があることは少ない。
[注1] アニサキスが寄生する魚はほかにもアジ、イワシ、イカなどがあるが、なかでもサバは最も重要な感染源と考えられている。

 「今の時期に多く見られる病原性大腸菌による食中毒は、体内で原因菌が2~3日かけて増殖してから症状が出ます」(鳥居氏)。そのため、原因の食品は2~3日前に食べたものであることが多いという。一方、寄生虫による食中毒の場合は、すぐに症状が表れる。病原体の種類によって異なるため、詳しくは表1を参照してほしい。

 なお、世の中には同じものを食べていても、食中毒を起こす人とそうでない人がいる。これはなぜなのだろうか。「体に入った菌量が多ければ、たいていの人は食中毒を起こしますが、菌量がそれほど多くない場合は、体力のない子どもや高齢者、病気や睡眠不足、栄養不足などによって免疫力(抵抗力)が落ちている人の方が発症しやすくなります。これに加えて、最近の研究では、腸内細菌が関係していることがわかってきています」と鳥居氏。具体的にどんな腸内細菌がどの病原菌に特異的に働くかまではわかっていないものの、腸内細菌が食中毒の発症に関係しているというのは興味深い。

■自力で水分をとれなくなったらすぐに医療機関へ

 実際に食中毒と思われる症状が出たときには、まず十分な水分補給が大切だ。「下痢がまた起きるのでは……」という不安から水分を控える人もいるが、脱水症状を引き起こすため、危険だ。一回の下痢でおよそ200mLもの水分が排出されている。

 なお、下痢がひどいと一時的に血圧が下がり、排便時にショック状態になることもある。そのままトイレで倒れて意識を失ってしまうことも少なくないという。「ふらつきや発熱、血便・血尿が出る、水分をとることができなくなった、などの場合にはすぐに病院を受診してください。自力で移動できなければ、救急車を呼んでもいいでしょう」(鳥居氏)

 病院では、点滴などによる水分補給と同時に、問診から食中毒の原因が何か見当を付け、細菌性が疑われる場合は抗菌薬などが投与される。なお、受診の際、嘔吐したものや下痢をしたものを写真にとって持参すると、医師の診断の助けになるという。「状態や量、どんなものがその中に入っているか、出血の有無といったおおまかな情報が得られます」(鳥居氏)

 食中毒にかかってしまった場合、症状が悪化する前に病院を受診しよう。

【まとめ】

・刺し身は基本的に安全だが、サバやヒラメの刺し身には注意
・中まで火が通っていないひき肉料理にも注意
・食中毒かな?と思ったら、2~3日前に食べたものにも注目する
・下痢のときは必ず十分な水分を摂取する
・水分がとれなくなったり、血便・血尿が出たり、発熱したら危険なサイン。すぐ病院へ
鳥居明さん 鳥居内科クリニック(東京都世田谷区)院長。1955年生まれ。東京慈恵会医科大学医学部卒業。同大学院博士課程終了。神奈川県立厚木病院医長、東京慈恵会医科大学附属病院診療医長、東京慈恵会医科大学助教授を経て、鳥居内科クリニックを開設。現在東京慈恵会医科大学第三病院非常勤診療医長を兼任。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医。(ライター 加納さゆり)

夏の暑さを上手に乗り切る方法――子どもの体調管理

夏、海や山で子どもと思いっきり遊ぶのは楽しいですね。でも、「暑さで子どもが体調を崩したらどうしよう」という心配の声もよく耳にします。夏休みも後半に入りましたが、今回は夏の暑さを上手に乗り切る方法を、小児科医の金子光延(かねこ・みつのぶ)さんが紹介します。残りの夏も、暑さに負けずに存分に楽しんでくださいね。

* * *

■Q 「熱中症」ってどんなもの?
熱中症とは、暑さのために起こる身体の障害の総称です。暑さによって汗を大量にかいて脱水を起こすと、体内の水分、塩分などのミネラルのバランスが崩れてさまざまな症状が現れます。

軽症の場合、だるさ、吐き気、軽い失神、手足のけいれんなど。重症になると、脳が影響を受けて体温調節ができなくなり、体温が上昇する、意識がなくなる、などの症状が現れます。なお、「熱はあっても意識ははっきりしている」場合、熱中症ではなく、夏かぜによる発熱が考えられます。

■Q どうやって気付く?
夏の炎天下であっても、それまで元気に遊んでいる子どもが、重い熱中症をいきなり起こすことはまずありません。大切なのは、軽度の熱中症を見逃さないこと。「元気がなくなった」「気分が悪い」などの様子が見られたら、熱中症を起こしかけている可能性を考えましょう。

■Q 熱中症を起こしたら?
熱中症の治療では、安静、冷却、水分補給が大切です。少しでも熱中症が疑われたら、すぐに風通しのよい日陰や冷房の効いた室内などに移して横にし、たっぷり水分をとらせます(※)。ミネラルも必要なので、水やお茶よりイオン飲料のほうがよいでしょう。塩辛いものも効果的。自分で飲食物がとれるようなら、そのまま安静にして様子を見ていて問題ありません。

高熱や意識障害を伴い、口から水分をとれない場合は緊急事態。大至急、救急車を呼んで医療機関に運んでください。

※体が熱い場合は、「ぬれタオルで体を拭く」「うちわであおぐ」「冷たいタオルを首筋やわきの下などに当てる」などして、体を冷やしてあげましょう。

■Q 熱中症を予防するには?
基本は水分と塩分補給。水筒などを携帯し、こまめに水分と塩分をとらせましょう。また、寝不足、疲労などは熱中症を起こすリスクを高めます。十分な睡眠をとるなど、規則正しい生活を送ることが大切です。

屋外で活動するときはできるだけ日陰を選び、長時間過ごすのは避けましょう。遊ぶときは帽子をかぶらせ、適度に休憩させることも大切です。

また、学校のクラブ活動などで運動をする場合も、熱中症対策は必須です。屋外、屋内にかかわらず、十分に休憩をとりながら、こまめに水分、塩分の補給を行いましょう。

■Q 「夏バテ」って何?
長く続く暑さによって、食欲がない、元気がない、など何となく体がだるく感じる状態を、一般に“夏バテ”といいます。暑さで疲れがたまると、睡眠不足や食欲不振に陥りやすくなります。加えて、水分やミネラルの不足などが重なると、これらが互いに作用し合って体調を崩し、夏バテを起こすと考えられます。

■Q 夏バテへの対策は?
「夏バテかな」と思ったら、まずはしっかり睡眠をとらせて、体を休ませることが一番です。食事については、水分ばかりとっていたり、食欲がないからと、(そうめんなど)さっぱりして食べやすいものばかり食べていたりすると、栄養が偏って消化する力も落ちてしまいます。栄養バランスのとれた食事を1日3食きちんととることが大切です。

また、暑さ対策に冷房は有効ですが、体が冷え過ぎると、かえって疲れの原因になります。軽く汗をかくぐらいの環境のほうが体にはいいのです。冷房は上手に使いましょう。

■Q 暑さに強くなるには?
熱中症や夏バテにならないためには、暑さに強い体をつくることが何よりも有効です。そのために大切なのが、暑いときにしっかりと汗をかくこと。汗をかくことで体温の上昇を防ぎ、暑さに順応できるのです。だから、一日中冷房の効いた部屋にいて汗をかかないのは、実は体にとってよくないことなんですよ。

暑い日中は避けつつ、朝夕など比較的涼しい時間帯には外に出て軽く汗をかき、体を暑さに慣らしていきます。もちろん、汗をかいた分の水分や塩分の補給、そしてバランスのよい食事も欠かせません。乳児なら、イオン飲料でなくても母乳やミルクをきちんととればよいでしょう。

■『NHKきょうの健康』 連載「こんなときどうする? 子どもの健康質問箱」より

昔も今も変わらない“いまの母親”に注がれる厳しい目

国土交通省は今年3月、交通機関などでベビーカーを利用しやすくするため「ベビーカーマーク」のデザインを決定した事を発表した。電車などでベビーカーを折り畳む呼びかけは混雑時も含め、“原則なし”とし、周囲の人へも使用者への配慮を呼びかけるという。  

電車やバスなどでベビーカーを折り畳まずに乗り込んでくる母親については、これまでたびたび議論の的になっていた。

混雑時に平気で乗り込んでくることについて配慮がないという意見がある一方、赤ちゃんとの外出時に必要な大荷物を持ちながら、ベビーカーに乗せた赤ちゃんをいったん抱き、それからベビーカーを畳むことの困難さ、

またそうした状態で電車に乗ったり歩いたりすることの赤ちゃんへの危険についての意見も出、議論は常に割れていたが、これで一応の決着がついたこととなる。

 そうはいってもやはりネット上では「電車でのベビーカー利用は迷惑」といった意見や母親に対して「すみません、の一言があるだけで印象が違う」と、低姿勢であることを望む意見は多い。

また、ベビーカーマークを発表した国交省への苦情は子育てを終えた年配の女性からのものが少なくなく、「若い女性を甘やかしすぎ」という意見がほとんどだという。Y

ahoo!知恵袋や発言小町といった投稿サイトには、年配女性とおぼしき投稿者らが「昔の母親のほうが大変だった」「昔は皆おんぶや抱っこで電車に乗っていた」といった書き込みをしているものがいくつも見受けられる。

 しかし、子育てを終えた年配の女性たちがかつて“新米ママ”だった頃は、それほどに“いまの若い母親”にもの申せるほどの立派な子育てをしていたのだろうか。

 『感じる世界 テレビ時代の子育て』(高橋克雄/女子パウロ会)は1983年6月に初版が発行されている。著者は映像作家で評論家、当時は大学の講師。第二次ベビーブーム時代に子育てをしていた、いまの団塊世代が若い母親だった頃の書籍だ。

これは当時テレビやラジオが一般家庭に普及したことから「まるで洪水のような激しい勢いで押し寄せてくる新しい情報文化をどう受け止めてよいのか、迷っておられるお母さんたち」のために書かれた本である。

いまでは一家に1台が当然で生活の一部となっているテレビ、またスマホで聴けるようにもなったラジオについて「青少年の思考の欠如や情緒の欠落は、今ではつぎからつぎにさまざまな形の社会問題を引き起こしています」と、

青少年における問題が情報化社会によるところが大きいと警鐘を鳴らしている。現代でも、スマホを子どもに長時間見せる事が問題とされたり、ゲームをすることについての是非が問われていたりするが、こうした“新しい文化”に対する拒否反応はいつの時代もあるようだ。

 9章「感じる世界と学校教育」には、小学校のPTAで見かける困った母親の例がいくつか挙げられている。 「ときどきPTAの会合に顔を出す機会がありますが、PTAを社交場と取り違えている、場違いな感じのお母さんがどんどん増えてきて、とても気になります。

右にも、左にも、ダイヤの指輪をキラキラさせて、さして寒くもないのに、毛皮のコートを着こんでみえるお母さんに出会うと、心が寒くなります」  PTAの会合に目立つ格好で来る母親を批判し「教師の仕事の場である学校でそうした身なりをするのは、恥ずかしいこと。知的なあなたがまとうのは、すてきなセンスだけにしてください」と地味ファッションを推奨している。

 また東京・山の手の、教育熱心な父母の多い地域の話として、小学校中学年から塾をハシゴする子どもが増えてきたことを例に挙げ「雨の日には校門に車の行列ができます。車の助手席には、ジュースとお三時が用意してあります。子どもは、ママが車を走らせる間にそれをほほばって(原文ママ)、つぎの戦場へはこばれていくのです。

教師が父母会でいくら加熱した塾戦争の話をして、自省を求めたり、危険ですと訴え、注意しても、親の方は、わが子のこととはまるで思わないらしいのです。

そして学校側と教師のほうに少しでも手落ちがあったり、他の学校に遅れをとりそうなことでもあれば、容赦ない攻撃をあびせ、なかには、教育委員会に直訴したりするのです」としている。昨今“モンスターペアレント”という言葉が流行ったが、当時からそうした親はいたようだ。

 もっともこの書籍は、小児科医が監修したわけでもなく、映像作家である著者が独自の子育て論を説いているものであり、その大部分はテレビやアニメの台頭によって思いやりと思考力のない子どもを育てる事になるということに割かれているので、トンデモ本である可能性も否めない。

「夫は家の外で社会と触れ合い、子どもも学校で膨大な量の学習を取り込んでいる。あなただけがのんびりとしていては、ついていくことがむずかしくなるでしょう」と専業主婦であることが前提となっていたり「動きやすい地味な服装でがんばりとおしてください」など女性の権利は完全無視なところも目につく。

 しかし、当時から母親の振る舞いに対しては厳しい目が注がれていた事が分かる書籍ではある。また、時代の流れによる新たな電化製品が家庭に浸透することへの拒否感、詰め込み教育への批判など、時代は変われど、心配の目が向けられるポイントも変わってはいない。

現在ベビーカーマークについて苦情を申し入れている世代の女性もかつては、当時の年配者に眉をひそめられていた時代があったのである。

 一昨年には漫画家のさかもと未明が飛行機に乗った際、同乗していた1歳ぐらいの赤ちゃんが泣き出した事についてコラムで触れ物議を醸した。

泣き止まない赤ちゃんの母親に「あなたのお子さんは、もう少し大きくなるまで、飛行機に乗せてはいけません」と告げ、着陸後も航空会社側へクレームを入れた、という内容である。

また今年1月、ホリエモンが新幹線で泣く子どもについて、ツイッターで「睡眠薬飲ませればいい」などと発言したことも話題となった。

このさいホリエモンは「なく子にイラつくんじゃなくて親の対応にイラつくんだよね」と子ども自身でなく親の態度についていらだちを感じるともつぶやいており、子育てを巡ってはいまも常に周囲からの厳しい目が注がれる。

ブログ炎上女王として名高いタレント・辻希美は、常に「料理のウインナー率高すぎ」といった声や「子連れでグリーン車に乗るなんて迷惑」など、子育てにおける一挙手一投足がネット上の燃料となり、燃え続けている。“いまどきの若いお母さん”としての批判が集中しているのが彼女だろう。

 2002年に文部科学省が発表した「今後の家庭教育支援の充実についての懇談会」報告によると、昔は三世代同居が多く、親以外に多くの大人が子どもと接し、子育てに関わってきたという。

また地域のつながりも今よりは密で、どの家の子どもたちも「地域の子ども」として見守り、育てていた。ところが現在は「急速な都市化の進展、職場と住居の分離などに伴い、家族の形態や生活様式は大きく変わり、

核家族化や地域のつながりの希薄化が進んだ結果、今日では多くの地域において、子育てを助けてくれる人や子育てについて相談できる人がそばにいないという状態」が見られるようだ。

“昔の方が大変だった”という意見は、確かにベビーカーや便利な抱っこ紐など、育児を助ける道具が格段に増えた事を見れば真だが、現在の社会状況を鑑みると必ずしもそうとはいえない。昔も今も何かしら大変なのである。

 もちろん中には批判されても仕方のないような態度の母親もいるだろうが、厳格すぎる周囲の目はまだ母親になっていない女性も萎縮させ、少子化を加速させる事にしかならないのではないだろうか。

自分を過大評価するイクメン「イタメン」がよくやる、子どもをお風呂に入れるときの「勘違い」

■「お風呂」「ゴミ出し」「男の料理」がイタメンの“3大勘違い”

 「イタメン」とは「痛いイクメン」のこと。どんな家事でも育児でも、少しでもやろうとするだけ偉いのですが、実際にやっている以上に自己を過大評価してしまうイクメンのことを、私は「イタメン」と読んでいます。惜しいんだけど、痛いんです。

 イタメンの“3大勘違い”というのがあります。「お風呂」「ゴミ出し」「男の料理」です。ここでは「お風呂」についてお話を進めます。

 「週3日は子どもをお風呂入れてるよ」と胸を張るパパはけっこういます。子どもとお風呂に入ると、温泉に浸かるよりも元気になりますからね。子どもだって、週3日とはいえ、パパとのお風呂を喜んでくれるはず。そのこと自体はいいことです。

 しかしそういうパパたちによくよく話を聞いてみると、彼らが言う「子どもと一緒にお風呂に入る」という行為は、およそ次のようなことをさしていることがわかります。

 まず背広を脱いで、下着類を洗濯カゴに入れ、お風呂に入る。1日の汗をシャワーで洗い流し、全身きれいさっぱりしてから湯船に浸かります。

しばらくリラックスしたら、「いいよー」と叫びます。するとすっぽんぽんになった赤ちゃんを、ママが連れてきてくれます。パパは赤ちゃんを受け取って、体を洗ってあげます。

そして一緒に湯船に浸かり、50ほど数えたところで、また「いいよー」と叫びます。するとまたママが赤ちゃんを引き取ってくれます。

■大変なのはお風呂の前後の支度

 いわずもがな。赤ちゃんとの入浴で大変なのは、お風呂場に入っているときではなく、むしろその前後ですよね。ママが一人で赤ちゃんと入浴させているとき、どうしているか、考えてみましょう。

 赤ちゃんの衣服を脱がせ、オムツを取り、そのとき汚れていれば拭いてあげて、赤ちゃんが寒い思いをしないように、自分の衣服はささっと脱いで、そそくさとお風呂場へ。自分の体はできるだけささっと洗い、赤ちゃんが寒くならないように気をつけます。

 湯船に浸かって50数えてお風呂場を出たら、自分の体にしたたる水はそのままで、まず赤ちゃんの体を拭きます。赤ちゃんをタオルでくるんで、自分の体をささっと拭いて、衣服を着て、赤ちゃんにオムツをしたり、体に湿疹などできていないか調べたり、寝間着を着せたりするわけです。

 お風呂場で、赤ちゃんの体を洗って50秒間湯船に浸かるだけなら、お風呂に入れるという行為全体からしてみれば、2割程度の負担でしかありません。

 仮に、1回お風呂に入れたら1点ゲットできることとしましょう。1週間あれば最大7点ゲットできるはずです。

しかし、50秒間湯船に浸かるだけのパパは、1回につき0.2点しかゲットできません。ということは、週3日間でも合計0.6点。1週間分のお風呂という行為の1割にも満たない働きしかしていないわけです。

 それなのに、「オレ、週の半分はお風呂に入れてるぜ」と胸を張ってしまうから痛いのです。自分がいないとき、ママがどんなに大変な思いをしてお風呂に入れているのかということへの想像力が足りないことが痛いのです。

■最初から最後まで通しでやってみよう!

 くり返しますが、やるだけ偉いんです。ママだって感謝はしてくれると思います。ママだって、たまにはゆっくり一人で湯船に浸かりたいですから。

でも、それで「半分はオレがお風呂に入れている」とパパが言っているのを聞いたら、やはりママも面白くはないでしょう。自分が担っている役割はごく一部であることを自覚する謙虚さを忘れてはなりません。

 せっかく週3回はお風呂に入れようというのなら、せめてそのうち1回くらいは、「今日はオレがお風呂入れておくから、キミは散歩でもしてきなよ」と、最初から最後まで完全に自分一人でやってみましょう。

多分最初のころは要領がつかめず、全裸でうちの中を右往左往という非常にかっこ悪い状態になるとは思いますが、それも乗り越えるべき試練です。すぐに慣れます。それでこそ、日ごろのママの苦労も実感できるというものです。

 ひとつでもそうやって、育児や家事に対する視野が広がると、そのほかの部分でも気づきが多くなります。その分、普段頑張ってくれているママへの感謝の念も強くなるというものです。それが夫婦円満の第一歩だったりします。

1歳児の育児がつらい…… どうすればいい?

1歳になったばかりの娘さんは、自分の思い通りにいかないとすぐ泣いてしまい、大きく泣き叫ぶときもあるそうです。そんなとき、トピ主さんはイライラして怒鳴ってしまい、後で自己嫌悪に陥ることがあるそうです。そんな悩みの中、トピ主さんは、育児が楽しくできる方法はないかどうか、アドバイスを求めていました。

■大変なのはみんな一緒!

同じくらいの年齢の子を持つママたちから、励ましのメッセージが。みんな苦労しているのは共通のようです。

『大変なのはみんな一緒ですよ。そう思えば気が楽になりませんか? 手がかからなくなっても、体力面では楽になるかもしれませんが、精神的に悩むことが多くなるかと思います。子どもがいると悩みは尽きませんよ。』

『私も毎日つらいよ。近所迷惑になるし困っちゃうよね。同じ気持ちの人たくさんいると思うよ。お互いなんとか乗り越えようね!』

『みんなイライラするよ。ずっと笑顔で対応できる人なんてそうそういないって。叱りすぎて寝顔見ながら自己嫌悪とかさ。』

■どう対策すればいい? ママたちからのアドバイスがためになる!

ママたちから寄せられたメッセージの中には、使えそうな対策も出ていましたよ!

『ちょうど知恵がつく頃だから、こっちもわからなくなるよね。うちは玩具よりキッチンのお玉やヘラみたいなの持たせると喜んだり、好きなぬいぐるみで腹話術みたいなことしたりして気をそらせたよ。何か泣き止む必殺技見つかるといいね。』

『1歳5ヶ月の次男、泣くときはいつも叫ぶように泣く。気に入らないことがあったり、私が見えなくなったりすると毎回泣き叫んでる。

泣き止まないときは何をしても泣き止まないから泣かせておくよ。私は怒らないなー。怒ると自分が余計にイライラしそうで。泣き疲れて寝るときもあれば、たくさん泣かせた後に抱っこしたら泣き止むときもあるし。』

『わかるよ。家事手抜きしたくないし、泣かせたくないよね。私も完璧にやり遂げたいと思うほうだから気持ちわかるなぁ。

家事は多少手抜きしても死にはしないからって言われて気が楽になったよ。家電や惣菜など上手に利用して、お子さんとの時間や自分1人の時間作れるといいですね。』

中には、紙をビリビリにやぶいて飛ばすと、子どもが楽しいと感じやすいという意見や、何かをぐちゃぐちゃにして渡せば、機嫌が直ったという体験談もありました。ぜひ色々と試して対策を取りたいものですね。

子供の頃の虐待経験が寿命を短くする デューク大研究で判明

白澤卓二氏は1958年生まれ。順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授。アンチエイジングの第一人者として著書やテレビ出演も多い白澤氏が、子供の頃の虐待と寿命の関係について解説する。

 * * *

 小児期に受けた虐待によるストレスが大人になってからの病気の発症や死亡率、寿命に影響を及ぼすことが知られているが、その発症や寿命短縮についてのメカニズムはこれまであまり理解されていなかった。

 米国デューク大学心理神経科学部門のシャレブ博士らの研究チームは236人の小児に対して家庭内暴力、学校でのいじめ、身体的虐待の有無を調査し、5歳時と10歳時におけるテロメア(細胞の核の中にある、染色体の末端にある「繰り返し構造」――すり減ると細胞が老化する)の長さの関係を比較・検討した。

 このテロメアが長い人は寿命が長い傾向が認められることから、長寿の指標と考えられている。

 調査の対象になった小児は1994~1995年に英国で生まれた環境リスク調査研究のコホート(集団)メンバー2232人から抽出された男児120人、女児116人の計236人の児童。

暴力を受けた経験は【1】家庭内暴力の有無、【2】学校でのいじめの有無、【3】身体的虐待の有無の3種類で評価された。

 5歳の時点で236人中128人(54%)が「暴力を受けた経験」が全くなく、69人(29%)が1種類の暴力、39人(17%)の児童が2種類以上の暴力を受けていた。

 興味深いことに1種類以上の暴力を受けた児童のテロメアは暴力を受けなかった児童に比べて5歳の時点で既にテロメアが短くなっていることが明らかとなった。

さらに10歳時の検査では、2種類以上の暴力を受けた児童は、暴力を受けていない児童や受けた暴力が1種類であった児童に比べテロメアの短縮が明らかに加速したのである。

 子供の頃の精神的トラウマは一生引きずることが知られていたが、実際にその細胞が傷つき、老化している実態が明らかとなった。

安藤美姫が子育てに関して言った“深い言葉”とは?

2013年12月に現役を引退したアイススケーターの安藤美姫さん。作家・林真理子さんと対談した。

*  *  *

林:いま、いちばん楽しいのは、やっぱりお嬢さんと過ごしているときですか?

安藤:仕事もすごく楽しいです。最初は娘と離れたくなくて、練習していても心細かったんですが、いまは娘もリンクの上の私の姿をちゃんと認識できているんです。アイスショーに連れていっても、指をさして「ママ!」と叫んでるみたいなんです。

林:まあ、かわいい。

安藤:スケートをやっててよかったなって思いますね。一緒にいる時間が短くて、たまに悩んだりもするんですけど、愛情をきちんと伝えていれば、子どもってお母さんと思ってくれるんだなと……。

林:私もそう思ってたんだけど、今は娘から「私が風邪のとき出かけてた」とか「『本読んで』って言ったら『眠いんだよ』って言われて、それで本が嫌いになった」とか言われてますよ。あんなに愛情をかけて育てたのに何なのって思いますよ。

安藤:それはお嬢さんが林さんを信頼してるから言えるんだと思うんです。何かわだかまりがあったら、そんなこと言えませんから。自分の気持ちを母親にも伝えられない子ってほんとに多いと思うので、お嬢さんがそうおっしゃるのは幸せなことだと私は思います。

林:深いお言葉ですね。安藤さんに教えられちゃった。

安藤:いえいえ、私がそうだったので。家事をしておうちをきちんと守るってすごいことですが、いまの私にはできないと思うんです。じゃあ何ができるのかと思ったときに、私自身は海外に行って違う文化に触れたことが、すごくためになったんですね。だから娘もいろんな国に連れていって、いろんな人に出会って愛情をもらって、幸せになってほしいと思うんです。それは自分がスケートをやっているからこそ可能だと思うんです。

林:素晴らしいことですね。

安藤:母やスケートの仲間、いろんな人にかわいがってもらって、あまり手のかからない子に育ってきてるんです。

林:いま、1歳と4カ月くらいですか。おしゃべりを始めたり、かわいい盛りですよね。

安藤 何言ってるかわからないですけど(笑)。

林:そろそろ歩きはじめたり?

安藤:もう走ってますね。

林:あと何年かすると、あんなにかわいかった子がなんでこんなに憎らしい子にと……。

安藤:それは私、まだ先のことなので(笑)。

林:そうでした(笑)。

胃がんの原因ピロリ菌は幼少期感染が主「子供を守るには」

胃がんの原因ともいわれるピロリ菌。通常、幼少期の経口感染が疑われるというが、子供を守るにはどうすればいいのだろう?

東京大学医科学研究所附属病院で消化器外科、消化器内視鏡を専門とする、釣田義一郎医師(48)に話を聞いた。

「子供の場合は胃酸が弱く、胃の中でも菌が生き続けてしまうからです。

ただ、公衆衛生環境の改善によって、若年層の保菌者は高齢者に比べ少ないとみられているし、そもそもピロリ菌自体は珍しいものではなく、日常生活のなかで触れる機会は防げません。神経質になる必要はまったくありません」

日本人の約半数が保菌者といわれているが、症状がなくても若いうちの検査、除菌はメリットが大きいと釣田医師はいう。

「若ければ若いほど、除菌して胃の環境を整えれば、荒れた胃壁の回復が期待できます。

胃がん予防という意味では、早い段階での除菌が必要。20歳くらいになれば薬に耐えられると思います。私見ですが”成人したら除菌”という制度ができるといいですね」


どうすればよい?止まらない子どもへのイライラ解決法

多くのママは、「子どもにイライラし、怒ってはいけない」と常に考えています。しかし頭で十分に分かっていても、つい怒ってしまいますよね。

この“怒る→後悔”の無限ループか逃れられない、と悩むママも多いのでは? ここから脱出する解決法を、元教師で現役子育てコーチの和久田ミカさんのサイトからご紹介します。

■心が頭についていかない

子育てをする時、私たちは頭で色々考えて行動しますよね。実は頭には、次のように考える癖があります。

<完全でなければいけない、一生懸命 努力しなければいけない、他人を喜ばせなければいけない、他人を満足させなければいけない、急がなければならない、早くしなければいけない、強くなければならない>

例えば“怒らずにきちんと説明し、聞き分けてもらわないといけない”と考えるママが多いでしょう。それでもつい怒ってしまうのは

<頭は納得させられても、心が納得していないからです>

心が頭についていかずに暴走してしまうのですね。心は自分の素直な感情ですから、頭より心が勝っても無理はありません。子育ては思い通りにいかないことがほとんどですから、このように頭と心の食い違いばかりが起こりがち。

その奥には

<「今のままではダメ」「このままの私ではダメ」という自己否定>

があり、余計イライラしてしまうのです。

■善悪の判断をやめよう

ではどうやったらこの状態を解決できるでしょうか? 多くのママは“イライラした→自分はダメ”という判断で終わってしまいます。

<根っこにあるのは、ものごとを「よい」「悪い」に分ける、という思考のくせ>

が問題だと和久田さんは指摘します。

普段から私たちは、何に対しても“善悪の判断”をつけがち。しかし特に子育ては人間対人間のものですから、本来一口に善悪の判断ができるものではありません。

また、善悪の判断だと“判断して終わり”になりがちなのも問題。頭が心を頭で判断し、結局心は取り残されたままになります。これでは、いつまで経っても負の無限ループを抜けることはできません。まずは善悪で判断する癖をやめましょう。

■解決の鍵は“心”にあった

次に和久田さんは、このようにアドバイスします。

<今を感じていくこと。今起きていることは ただの通過点なので、ただ眺めて受けとめる『だけ』が、いいんです。自分の本当の思いを 聞いて。自分の苦しさは ここからきてるんだな~って 理解すること。自分の心の声を聞いてあげること>

実は解決の鍵は、“心”にあります。「今、自分はどう感じ、何に苦しみ、どうなりたいのか?」自分の心とじっくり向き合いましょう。きちんと向き合えば、心は暴走せず冷静になれます。もちろんすぐに怒らないことはできませんが、気付いた時にこれを繰り返せば、自分の苦しみと希望が明確化されて希望の自分に近付きます。

根気のいることですが、子どものためにも自分のためにもこれが一番の近道。是非実践してみましょう。

もしも子どもがケガしたら…応急手当の基礎知識(やけど・虫刺され・傷)

子どもたちが楽しみにしている夏休み。屋内外で活動する機会も多くなり、ケガをしてしまうことも増えてしまいます。ケガをしたときの応急手当について、紹介します。

【やけど】
●応急手当
手や足などのやけどの場合は、バケツなどに水を入れて、水道水を流したまま冷やします。蛇口の水が直接やけどしたところに触ると、水ぶくれが破れるため注意。焼けた衣類などが皮ふについている場合は、はがさずに着たまま冷却します。

●ポイント
赤くなったやけどは痛みがあり、白くなったやけどは皮ふの深部に達し、痛みをあまり感じません。やけどは、痛みがないほど重症です。すぐに患部を冷やして医療機関で受診を。

【虫刺され】
●応急手当
ハチなどに刺されて毒針などが残っている場合は、取り除きます。感染症を防ぐため、刺されたところを水道水で洗い流し、清潔に保ちます。かいてしまうと炎症が広がるので、できるだけかかないように。

●ポイント
虫刺されは軽く考えられがちですが、アレルギー反応を引き起こし、重症化する可能性があります。体がかゆい、皮ふや粘膜の一部が炎症によって赤くなり充血する発赤(はっせき)がある、呼吸がしづらいなど症状があれば医療機関で受診を。


【擦り傷・切り傷】
【擦り傷】
皮ふの表面の浅い傷。水道の水など「流水」でよく洗い流し、清潔なガーゼなどを患部に当てる。

【切り傷】
ナイフやガラスなどで切った傷。皮ふの表面だけでなく、皮下組織まで傷つくことも。

●応急手当
<傷が浅い場合>
清潔なガーゼなどを傷口にあて、軽く押さえて止血します。軽い出血は2~3分で止まります。

<傷が深い場合>
切り傷が深い場合は、清潔なガーゼを傷口に当て、強く押さえて止血。傷口を押さえたまま、傷のあるところを心臓よりも高く上げます。出血がひどいときは、動脈にある止血点も圧迫します。

●ポイント
応急手当をする人は、感染を防止するため、ビニール袋などに手を入れて処置を行い、血液に触れないようにしましょう。

■救急車を呼ぶ時
1 緊急性があると判断した時は、119番に電話して救急車を呼びましょう。
2 消防指令センターに、現在地の住所を正確に伝えてください。
3 保険証、お薬手帳があれば◎。今までの病気や手術、治療中の病気などを把握しておきましょう。

■取材協力
救急救命士の江藤茂さん
(北九州市消防局救急ワークステーション 救急指導担当係長・消防司令)

食中毒4つの盲点、お刺身よりも“半生のひき肉料理”に注意!

タレントの渡辺直美さんや山里亮太さん、庄司智春さんもかかったことで話題になった、アニサキスによる食中毒。また、今年6月には、東京の焼き肉店で食事をした中学生がカンピロバクターによる集団食中毒を発症したことも記憶に新しい。真夏へと向かうこの時期、注意が必要なのはどんな食材なのだろうか。

 食中毒を起こす病原体には、大きく分けて、細菌、寄生虫、ウイルスの3種類がある(表1)。アニサキスは寄生虫、カンピロバクターは細菌。それぞれ感染源となる食品や治療法が異なるが、「梅雨時から夏にかけては、湿度や気温が高く、細菌が増えやすい環境になるので、細菌性食中毒、特に病原性大腸菌に注意が必要です」と、鳥居内科クリニック(東京都世田谷区)院長の鳥居明氏は話す。

 病原性大腸菌は、人や動物の腸の中に生息している大腸菌のうち、病原性を持つものの総称。重症例の多いO-157が有名だが、ほかにもたくさん種類があり、主に、牛肉や豚肉、鶏肉などを生で食べることによって、人に感染する。

 「細菌が最も繁殖しやすいのは真夏ですが、実は、食中毒の発生件数は真夏よりも梅雨時の方が多くなっています。これは、この時期はまだ涼しい日と暑い日があって、食中毒に意識があまり向いておらず、生ものの調理や摂取に油断が生じがちなためです」(鳥居氏)。

 以下に、気になる食中毒とその対策について、意外な盲点をご紹介していこう。
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盲点1 実は“ひき肉料理の半生”が危険!

 「外食ではお刺身よりも、ハンバーグやメンチカツ、つくねといったひき肉を使った料理に注意しましょう」と鳥居氏は話す。

 家畜は腸の中に病原性大腸菌を持っていることが多いため、病原性大腸菌は肉の表面にくっつく。

 しかし、ひき肉は、肉をミンチにする段階で大腸菌が内部に入ってしまうため、中心まで十分に火が通っていないと、食中毒を起こす可能性がある。外でひき肉料理を食べる時は、中心部の色をよく確認し、自宅で調理する場合も、しっかり中まで加熱するようにしよう。

 ステーキなど、もとの形状が維持されている(加工・成型されていない)牛肉の場合、表面を十分に加熱すれば中は生でも問題ない(レバーを除く)。ただし、寄生虫が潜んでいることがある豚肉や、カンピロバクター食中毒の多い鶏肉は、中まで火を通すことが大切だ。

 なお、カンピロバクターによる食中毒は、近年、報告件数が急増している。生の鶏肉によるものが多く、2016年の発生件数は339件、患者数は3272人と、細菌性食中毒の中では最多だった。「カンピロバクターによる食中毒の患者は、子どもや高齢者が多いのが特徴です。子どもや高齢者は抵抗力が弱く、重症化しやすいといわれています。いずれにせよ、加熱不十分のひき肉や生肉には注意が必要です」(鳥居氏)

●盲点2 お刺身はまず安全、ただしサバ、ヒラメには注意!

 生の魚介類というと、真っ先に思い浮かべるのがお刺身。だが、実は「魚に大腸菌などの病原菌が付着する機会は少ないと考えられます。お刺身を調理する人が手にけがをしていたり、手を洗わなかったりといった衛生上の問題がなければ、通常、お刺身が細菌性食中毒の原因となることは少ないといわれています」と鳥居氏は話す。

 ただし、例外として、鳥居氏が注意を促すのが、「サバ」と「ヒラメ」だ。サバはアニサキス(*1)、ヒラメはクドア(正式名称クドア・セプテンプンクタータ)という寄生虫が寄生しやすく、最近、食中毒の報告が増えてきている。2016年の報告数は、アニサキスが124件126人、クドアが22件259人だった。

 サバなどの内臓に寄生するアニサキスは、魚が死んですぐに切り身にされないと、内臓から身(筋肉)へと移動する。クドアはヒラメの筋肉に寄生する。いずれも、多くの場合、加工・調理の段階で発見され取り除かれるが、気が付かずに食べてしまうと、嘔吐や腹痛を生じる。

 これらの寄生虫は、十分な加熱処理や、-20度で24時間以上(クドアは4時間以上)冷凍することで死滅、または感染性を失わせることができる。生の魚介類は、以前は冷凍した状態で流通していたため、こうした寄生虫が食中毒を引き起こすことはなかったが、流通技術の発達により、低温(チルド)の状態で消費者の手元に届くようになったため、被害の報告が増えていると考えられる。なお、「サバを酢で締めてもアニサキスには効果はありません」(鳥居氏)とのこと。シメサバは冷凍処理されたものを選ぶ方が無難だろう。

*1 アニサキスが寄生する魚はほかにもアジ、イワシ、イカなどがあるが、なかでもサバは最も重要な感染源と考えられている。なお、魚介類による食中毒の発生件数でいえば、お刺身よりも注意が必要なのは、二枚貝だ。カキ、アサリ、ハマグリなどの二枚貝を生で食べると、ノロウイルスによる食中毒を引き起こすことがある(ノロウイルスではこのほか、感染した患者の嘔吐物などを介した二次感染も多い)。

 ノロウイルスは下水とともに海に運ばれた後、プランクトンと一緒に二枚貝の中に取り込まれ、蓄積されることで感染原因になる。「おいしい二枚貝は、栄養源となるプランクトンの豊富な場所で育っているため、『おいしい二枚貝ほど危険性が高い』ともいえます」(鳥居氏)というのは皮肉な話だ。ノロウイルスは、貝の中心部まで85~90度で90秒以上加熱処理すれば問題がない。夏場は生ガキを食べることはあまりないが、中が半生のカキフライや、さっと蒸しただけの貝料理などには注意したい。

●盲点3 卵は殻の取り扱いに注意!

 卵による食中毒の原因菌として有名な、サルモネラ菌。実は、サルモネラ菌に汚染されることがあるのは、卵の「中身」ではなく「殻の外側」の部分だ。サルモネラ菌はもともと家畜の腸管内に生息しているため、産卵時に卵の殻に付着して出てくる。卵の中まで入り込むことはない。

 このため、卵を使う料理のとき、卵の殻を触った手を洗わずにそのまま調理をすると、触った場所からサルモネラ菌が増殖する恐れがある。割ったらすぐに加熱し、火が十分に通っていれば問題ないが、生卵の場合は、殻の外側を触った手や調理器具が中身に接触しないよう、注意が必要だ。たとえば、すき焼きに使う生卵を殻ごと皿に入れて食卓に出し、そのまま同じ皿に割り入れて食べるといった習慣は危険大。テーブルに出す際の容器と、割り入れる容器は必ず分けよう。

●盲点4 原因は直前に食べたものとは限らない!

 腹痛や吐き気、下痢など、食中毒が疑われる症状が出たとき、誰しもその日や前日に食べたものを思い起こすだろう。だが、細菌性の食中毒の場合、直近で食べたものに原因があることは少ない。「今の時期に多く見られる病原性大腸菌による食中毒は、体内で原因菌が2~3日かけて増殖してから症状が出ます」(鳥居氏)。そのため、原因の食品は2~3日前に食べたものであることが多いという。一方、寄生虫による食中毒の場合は、すぐに症状が現れる。病原体の種類によって異なるため、詳しくは表1を参照してほしい。

 なお、世の中には同じものを食べていても、食中毒を起こす人とそうでない人がいる。これはなぜなのだろうか。「体に入った菌量が多ければ、たいていの人は食中毒を起こしますが、菌量がそれほど多くない場合は、体力のない子どもや高齢者、病気や睡眠不足、栄養不足などによって免疫力(抵抗力)が落ちている人の方が発症しやすくなります。これに加えて、最近の研究では、腸内細菌が関係していることがわかってきています」と鳥居氏。具体的にどんな腸内細菌がどの病原菌に特異的に働くかまではわかっていないものの、腸内細菌が食中毒の発症に関係しているというのは興味深い。

自力で水分をとれなくなったらすぐに医療機関へ

 実際に食中毒と思われる症状が出たときには、まず十分な水分補給が大切だ。「下痢がまた起きるのでは…」という不安から水分を控える人もいるが、脱水症状を引き起こすため、危険だ。一回の下痢でおよそ200mLもの水分が排出されている。

 なお、下痢がひどいと一時的に血圧が下がり、排便時にショック状態になることもある。そのままトイレで倒れて意識を失ってしまうということも少なくないという。「ふらつきや発熱、血便・血尿が出る、水分を摂ることができなくなった、などの場合にはすぐに病院を受診してください。自力で移動できなければ、救急車を呼んでもいいでしょう」(鳥居氏)。

 病院では、点滴などによる水分補給と同時に、問診から食中毒の原因が何か見当を付け、細菌性が疑われる場合は抗菌薬などが投与される。なお、受診の際、嘔吐したものや下痢をしたものを写真にとって持参すると、医師の診断の助けになるという。「状態や量、どんなものがその中に入っているか、出血の有無といったおおまかな情報が得られます」(鳥居氏)。

 食中毒にかかってしまった場合、症状が悪化する前に病院を受診しよう。

(加納さゆり=医療ライター)

小島慶子「子供が一人で生きる技術を伝えることが親の役割」

社会の変化に応じて親の役割も変わってきている。例えば、子供がアルバイトを始めるとき、親はどのようにサポートしたらよいのだろうか。

自身も小学校6年生と3年生の息子がおり、『解縛~しんどい親から自由になる』などの著書があるタレントでエッセイストの小島慶子さん(42才)に聞いた。

 * * *

 社会経験の少ない人が社会に出て行く時には、ミスをしがちですよね。その時に、どうしたら助けてあげられるか、社会経験のある自分には何ができるのか。それを考えて実行することが親の役割ではないでしょうか。

 アルバイト先を探すにしても、自分の子供だからどうこうではなくて、未経験の人が何か新しいことを始めるのを前に、「働いた分だけお金をくれないとか、事前の決まりと違ってひどく働かされるとか、

お店自体が法に触れている可能性があるとか、いろいろな危険があるけれど、それはチェックしましたか?

 対策を取ってますか? 取ってないなら私の知恵を貸してあげましょう」というのは、ごく自然なことですよね。

 もちろん親ですから子供のことは大事です。でも、「親なんだから」というよりも、経験の差がある人間同士の関係だと思った方がいいと思います。

すると、親が先回りしてなんでもやるのではなくて、子供本人を信用して、子供がひとりで生きていくための技術を身につけられるように適切な手助けができると思います。

子どもに効果的に注意するコツ

■注意する前に褒める

 まずは褒めましょう。最初に褒めることで子どもは心を開き、耳を傾けてくれます。最初に言われたことの印象が強くなるのです。これを心理学では「初頭効果」と言います。

 きちんとできていることを認めてあげると、親は自分を見てくれているんだと喜びを感じ、続いて注意されたことにも気を付けようという気持ちになるのです。

 例えば、「歯磨き粉、無くなりかけていたよね。新しいの、出しておいてくれたの、◯◯ちゃんだよね。ありがとう。あっ、それから……今朝、ドライヤー、出しっぱなしだったよ。使ったら片づけておこうね」みたいな感じに。注意の前に褒めるのは、関連のある事柄がいいですね。

 「お勉強頑張ってるね。洗面所のドライヤー、出しっぱなしだったよ。片づけておこうね」と言っても、これでは、褒め言葉が取ってつけたようになってしまいます。

■否定的ではなく肯定的に

 子どもにも理解しやすいよう、「~してはだめよ!」ではなく「~しようね!」と、肯定的な表現で伝えましょう。否定的な言葉は、言った方も言われた方も心が痛みます。

 例えば、「おもちゃの出しっぱなしはだめよ!」ではなく、「おもちゃを片付けようね!」、「電車の中で騒いだら、だめだよ!」ではなく、「電車の中では、静かにしようね!」。こちらの方がストレートで、どうすれば良いのかがわかりやすいですよね。

■感情的ではなく穏やかに落ち着いて話す

 子どもは感情的に言われるとうるさく思い、耳を貸さない場合があります。穏やかに話されると、子どもも穏やかな心で話を聞くことができ、心に浸透していきやすいのです。

■心に余裕のあるときに

 子どもが出かける前など忙しく落ち着かないときや、集中して勉強しているとき、テレビを見ているとき、遊んでいるときではなく、食後など、時間にも心にも余裕のあるときに話しましょう。また、子どもだって疲れていたり、機嫌が悪いときがありますので、それらも避けましょう。

 親の方も心に余裕がないと、乱暴な言い方になったり、言わなくていいことまで言ってしまう場合もありますので、お互いに心に余裕のあるときがいいですね。

■端的に伝える

 くどくどといつまでも言い続けると、子どもも嫌気がさし、話を聞きたくなくなります。親が伝えたい内容は心に残らず、口うるさいという印象だけが強く残ってしまうのです。端的に注意したいことを伝えましょう。

■わざと子どもに挑発的な言い方をし、やる気を起こさせる

 幼い子どもに効果的な方法です。「◯◯ちゃんには、無理かな?」と言ってみると、負けず嫌いの子どもは、いいところを見せようと頑張ります。

 例えば、「おもちゃを全部、元通りに片づけるのは、無理かな?」と。「おもちゃを片付けなさい」と言われるより、子どももやる気が出てきますよね。

3歳までが重要! 母親から子どもへの「むし歯」感染と予防法

日々の楽しみともいえる食事を味わうには、“むし歯”がない健康な歯を維持することが大切になってくる。しかしながら、「これまでに一度も、むし歯になったことがない」という人は、ほとんどいないのではないだろうか。

 できることなら、むし歯と無縁の生活を送りたいものだが、むし歯の原因となる「ミュータンス菌」は、乳幼児期における母親からの母子伝播(でんぱ)や他の家族からの感染が多いとされ、また、口の中から完全に死滅させることも不可能だといわれている。

 ミュータンス菌をゼロできないからこそ、乳幼児期から、菌の増殖を抑えたり、減らしたりする「むし歯の感染コントロール」が必要になるのはわかるが、いつから、何をすればよいのか、きちんと知らない人は意外と多いのかもしれない。

 そこで、日本フィンランドむし歯予防研究会理事であり、野中歯科の栄養士・歯科衛生士である野中奈佳氏に「母親から子どもへの感染予防」について、いろいろな視点からお話を伺った。

――親から子どもへの感染でむし歯になるという話がありますが、妊娠期にも赤ちゃんへの感染予防ができるとお聞きしましたが、本当でしょうか?

 本当です。むし歯の主な原因となるミュータンス菌は、親などの口の中から唾液を通して赤ちゃんに感染すると言われます。

感染源となる親の口の中のミュータンス菌の数が多いと、赤ちゃんへの感染の機会を増やすことになりますが、妊娠中に親の口の中の環境を良くし、ミュータンス菌の数を減らしておけば、赤ちゃんへの感染の機会を減らしたり、遅らせたりすることができます。

――子どもの頃のむし歯予防が大切だと聞いたことがありますが、特に何歳までの予防が重要というのはありますか?

 永久歯が全部生えそろう目安は12~13歳頃です。生えたての歯はまだ柔らかく、歯の根も完成していないため、15歳くらいまでは特に注意が必要です。本人がしっかりした歯磨きを習得するまでは、仕上げ磨きも大切です。

また、スウェーデンでの調査によると、『2歳までにミュータンス菌に感染していない子どもは、4歳時のむし歯の数が0.3本。2歳までにミュータンス菌の感染が確認された子どもは4歳時のむし歯の数が5本になる』という研究もあります。

1.5歳から2.5歳の菌が移り住み易い時期に、母親の口の中をきれいにしておくことも、子どもの頃のむし歯予防では大切です。

――歯が生えていない乳児のむし歯を予防するには、具体的にどうすればよいでしょうか?

 歯が生えていない乳児の場合、指や歯ブラシなどでやさしく口の中や周囲に触れて慣れてさせておくと、いざ歯磨きがスタートした時に嫌がらず口を開けてくれることも多いです。

また、キシリトールを使用して、親の口の中のミュータンス菌の数を減らしておくと、歯が生えてきた時にミュータンス菌の感染を防ぎやすく、結果としてむし歯を予防できます。

――歯が生えている乳児のむし歯を予防する方法も教えてください。

 歯が生えている乳幼児の場合は、成人と同様に「歯磨き」「フッ素の使用」「歯科医院での定期健診」「食生活の改善」を大きな柱と考えてよいと思います。ただ成人とは違い、本人ではなく保護者が管理をすることになります。

むし歯予防先進国と言われるフィンランドでは、むし歯予防のために「乳歯へのキシリトール液の塗布」が実験的に行われているとも聞かれます。キシリトール製品を積極的に取り入れることも、むし歯予防には有効だと思われます。

――親から子どもへの感染でむし歯になることを「母子伝播」と呼ぶようですが、日本人の理解度はどの程度なのでしょうか?

 母子伝播について、雑誌やテレビなどで取り上げられることも多く、ネットでの情報も豊富です。そのため、一度くらい言葉を聞いたことはあるという方も多いのではないでしょうか。

最近の妊婦さんや小さな子どもを持つ保護者のむし歯予防への意識は高く、母子伝播について、正しい知識を持っている方も増えています。しかし、社会全体では詳しくはわからない、という程度の認識の方も多いと推測しています。

例えば、自宅では母子伝播に注意していたが、祖父母に子どもを預けた際にスプーンを使いまわしていた、なんていうことも聞かれます。

『むし歯菌が父親や母親の口から子どもの口へうつるらしい』ことは知っていても、母子伝播を防ぐように、正しく行動するにはまだ時間がかかりそうです。

――最後の質問になりますが、出産後に母子伝播について知る機会はあるのでしょうか?

 現在、母子手帳には『保護者が食べ物を口移しで与えることは、むし歯の原因菌がうつることがあるので避けましょう』と明記されています。

地域によって差はありますが、保健所でも『スプーンやコップの使い回しはやめましょう』など母子伝播に関する指導がされている自治体もあるようです。

また、母子伝播については、妊婦さん向けの雑誌に掲載されていたり、育児用品を取り扱う店舗にもキシリトール製品が陳列され手に取る機会が増えるなど、母子伝播についての説明書きが載っていることもあります。さまざまな場面で、情報を得る機会も増えています。

――母子伝播をはじめ、妊娠中の母親や乳幼児のむし歯予防に対する具体的な方法がよくわかりました。ありがとうございました。

【回答者プロフィール】
野中 奈佳(のなか なか)
野中歯科 栄養士・歯科衛生士/日本フィンランドむし歯予防研究会理事

【監修者プロフィール】
鈴木 彰(すずき あきら)
ベル歯科医院 歯科医師/日本フィンランドむし歯予防研究会会長

田北 ユキヒロ(たきた ゆきひろ)
日本歯学センター 歯科医師/日本フィンランドむし歯予防研究会理事

【初めての子育て】その3:赤ちゃんはどのくらい寝るの?睡眠リズムは?

新生児は2、3時間おきに起きて、おっぱいをほしがり、短い睡眠を繰り返します。1日の合計睡眠時間は15~20時間。昼・夜の区別もないため、ママは大変です。ここでは赤ちゃんの睡眠リズムについて簡単に解説します。

◆どのくらい寝るの?

赤ちゃんの睡眠リズムに合わせなければならない時期なので、家事は家族に協力してもらって、赤ちゃんと一緒に昼寝をしたりして小まめに休憩しましょう。

生後3か月頃には14時間以下に睡眠時間が減少。少しずつ睡眠時間に変化が生じてきます。やがて、1才を迎えるころには、昼寝も1回か2回程度となり、合計睡眠時間は12時間ほどになります。

睡眠時間はあくまでも目安です。「寝過ぎなのでは?」「ほかの子に比べて睡眠時間が少ないかも」など気になるママもいるでしょうが、ひとりひとりに合った睡眠時間があります。日によっても違いますので、自然な眠りを妨げないよう優しく見守ってあげましょう。

◆ベッド派?布団派?就寝スペース作り

ベッドか布団にするかは、家族の就寝スタイルに合わせて検討すればOK。どちらもスペース的には占める面積はほぼ同じです。直射日光やエアコンの風が直接当たらないように注意しましょう。

布団は添い寝ができるので、ママがわざわざ起き上がらなくても授乳ができたり、横になったまま赤ちゃんを寝かしつけられるので少しラクができるかもしれません。でも布団は床とほぼ同じ高さなので、ほこりを吸いやすいというのが難点。つねに清潔を心がけてあげましょう。

ベッドは立ったまま着替えやおむつ替えができます。床から高さがあるため、ほこりや湿気、またペットなどからも赤ちゃんを守ることもできます。

ただ、使わなくなったら場所をとってしまうため、レンタル品などを利用するママも多いようです。
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◆睡眠時間の変化が成長のあかし

赤ちゃんの睡眠時間は、少しずつ変化してきます。運動能力が向上するため、体をたくさん動かすとぐっすり眠れるようになります。

一度に飲めるおっぱいの量も増え、消化器官や膀胱が発達するため、授乳やおむつ替えの頻度も少なくなります。睡眠時間の変化は赤ちゃんが順調に成長しているあかしなのです。

赤ちゃんの睡眠には、家族の生活リズムが関わってきます。朝は決まった時間にカーテンを開けて光りを家の中に入れたり、日中は思いきり遊ばせる、夜はなるべく早く部屋の電気を消すなど、規則正しい生活を心がけることによって、赤ちゃんの体内リズムが作られます。

ママが意識して、昼夜の区別をつけてあげることが大切です。

【初めての子育て】その2:赤ちゃんが発熱したらどうすればいい?

赤ちゃんの急な発熱。赤ちゃんは体温が高いのが普通とわかっていても、ママは戸惑い、焦ってしまいがちです。でも、言葉が話せない赤ちゃんの代わりに、ママがしっかりと赤ちゃんの様子を伝えなければなりません。普段から平熱を計って

おいて、いざというときに慌てないよう、準備物も心得ておきましょう。ここでは赤ちゃんの急な発熱時の対応についてご紹介します。

◆高熱が出るのはなぜ?

赤ちゃんは大人よりも平熱が高いもの。平熱が37度以上の赤ちゃんもよくいます。体や顔が熱いだけなら、服の着せ過ぎや室温が原因かもしれません。

水分が足りない、眠いだけなんてことも。ただ、元気がなくてグッタリしている、ずっとわけもなくグズっている、食欲がないなど、普段と違った様子だったら、体に入った細菌をやっつけるために発熱している可能性があります。
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◆体温の測り方

普段から決まった時間(朝起きたとき、昼、夕方、夜就寝前の4回)に体温を測って、平熱を把握しておきましょう。授乳後や遊んだあとなどは体温が上がりやすいので、計測は寝ているときなどおとなしくしているときに測るのがおすすめです。

・わきの下で測る
水銀計や電子体温計で測ります。時間はかかりますが、ほぼ正確に測れます。わきの下の汗をよく拭きとり、体温計を赤ちゃんのわきの下にはさみ、腕を軽く押さえます。

・耳で測る
耳用の体温計で測ります。1秒で測れるので便利ですが、およその体温で慣れないと正確な計測ができません。赤ちゃんが寝ているとき、抱っこしてしっかりと頭を固定して測りましょう。
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◆病院へ行くとき用意するもの

普段から赤ちゃん連れの外出は荷物が多いもの。赤ちゃんが熱を出したときなどは、焦ってしまいがちなので、慌てずに対応できるようせめて必要最低限のお金と母子手帳、保険証だけは忘れないよう注意しましょう。

・必要なもの
母子手帳、健康保険証、診察券(受診したことがあれば)、医療費助成券(自治体発行のものがあれば)、おむつ、おしり拭き、着替え、湯冷ましなどの水分、ガーゼ、タオル

・病院で伝えること
【いつから発熱したか 】
【咳、鼻水、嘔吐や下痢などの他症状 】
【食欲や機嫌、おしっこ、うんちなど普段と違うこと 】
【けいれんがあったか(時間や回数、前後の様子も)】

・赤ちゃんの衣服
診察時に脱がせやすいよう、被り型の衣服、下着は避けましょう。

【初めての子育て】その1:お家に赤ちゃんがやってくる!迎える準備ってなにがある?

いよいよ出産が近づいたら、赤ちゃんグッズの準備も進めたいところ。哺乳瓶や着替えなどのグッズはもちろんですが、赤ちゃんがやってくるおうちのスペース作りと、家族の心の準備も一緒に考えてきましょう。

ここでは赤ちゃんを迎える準備についてご紹介します。

◆赤ちゃんを迎える準備

退院してからスムーズに赤ちゃんとの生活をスタートさせるためには、おうちの中も整理が必要です。項目別に必要なものをチェックしてきましょう。

・ねんねスペースの確保
まだ歩き回らないからと言っても、ベビーベッドなど赤ちゃんが寝る場所の周囲に落下の危険性のあるものなどはないかチェックしましょう。直射日光やエアコンの風が直接当たらないところで、つねにママの目が届く場所を選びましょう。

・授乳
授乳は2時間おきくらいが目安です。ミルクを使うママには、粉ミルクはもちろん、哺乳瓶、消毒に必要なセットなどが必要になってきます。また、授乳は肩こりや腰痛の原因にもなるので、授乳クッションなどを使いましょう。

・おむつ替え
新生児は一日に15~20回おしっこをします。おむつは新生児サイズ、そしておしり拭きを準備しておきます。汚れ防止にバスタオルやおむつ替えシートを準 備すれば、ベッドの上でも汚れを気にすることなくおむつ替えがスムーズに行えます。おむつとおしり拭き、おむつ替えシートをセットにしてまとめておくと、 持ち運べるので便利です。

・沐浴に必要なもの
ベビーバスは、バスルームだけでなく、洗面台やキッチンにセットできるサイズのものもあります。事前にどこで沐浴させるかを決めておきましょう。ボディー ソープは、片手でプッシュして泡で出てくるタイプが便利です。そのほか、洗い流し不要の沐浴剤なども市販されています。また湯加減をみる湯温計もあるとい いでしょう。寒い季節には、湯上りスペースの温度調整も注意しましょう。

・着替え
新生児の衣類は季節によって袖の短いタイプを選ぶか長袖かで変わりますが、室内温度を快適に保ってさえいれば、下着と室内ベビーウェアで十分。1か月検診までは外出は極力避けるべきなので、外出着などは必要ないでしょう。
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◆いざ退院!赤ちゃんの運び方

大切な赤ちゃんはおくるみか大きなバスタオルで包んで退院します。車で帰宅する場合、新生児用のベビーシート(チャイルドシード)が必要です。

法律上でも 義務付らけれていますので必ず着用しましょう。タクシーを使うなら、あらかじめ運転手さんに相談しましょう。
電車や徒歩で帰宅する場合は、新生児用のベ ビーカー、または横抱きができる抱っこ紐が必要です。赤ちゃんを寝かせられるカゴ上のベッドタイプ=クーハンは、家の中でも簡易ベッドとして使用できます。レンタルなどもあるのでチェックしてみましょう。

毎日褒められている子供は「友達が多い」!?お手伝いを習慣化させる秘訣はやっぱり褒めること

ライオンは、全国の小学生の子供を持つ母親669人とその子供448人を対象に、子育てと家庭でのお手伝いに関する意識・実態調査を実施した。

■褒められる子供は自己評価が高い!?
褒められる子供と褒められない子供に、それぞれの自己評価を聞いたところ、褒められる子供ほど「友達が多い」「授業でよく手をあげる」などポジティブな自己評価が高い傾向がみられた。「学校が楽しい」「学級委員をしたことがある」割合も高く、褒められるほど積極性や自主性が高くなることも伺える。

■現代ママの理想と現実には開きも
理想の子育てについて聞くと、“褒める子育て”を指す母親が半数以上となり、「厳しくしつけたい」と答えたのはわずか16.4%となった。しかし、現実には「毎日褒めている・よく褒めている」母親が全体の4割に留まり、「ほぼ毎日叱っている・よく叱っている」と答えた母親が6割以上にものぼった。

約9割が子供をもっと褒めてあげたいと考えており、理想と現実とのジレンマが表れる結果となった。

■長期休暇は叱ることが増える傾向も
夏休みなどの長期休暇中に子供を叱る頻度については、34.2%が「増える」と回答した。「一緒にいる時間が長いから」という理由が最も多く、だからこそ「ダラダラしている」など叱る面ばかり見えてしまうという様子が伺える。

■“褒める子育て”に毎日の「お手伝い」が役立つ
母親が子供を褒めるタイミングは「お手伝いをした時」が7割以上と、「お手伝い」がよい機会をもたらす傾向がわかった。一方子供に「お手伝いをして良かったと思う事」を聞いたところ、お小遣いやごほうびよりも「褒めてもらえる」が54.5%と半数以上を占め、大きなモチベーションとなっていることが分かった。

■「お手伝い」を習慣化させるための秘訣は?
お手伝いを習慣化させるために「簡単なことに取り組ませる」と答えた母親が71.4%と最も多く、次いで「感謝の気持ちを伝える」(68.4%)となった。一方、子供にお手伝いを毎日するようになった理由を聞くと、「自分からお手伝いをした」が59.2%と最多で、次いで「親にやるように言われた」(51.1%)だった。

『子育て』に関する調査「自分のことを教育熱心だと思う」は57.4%、教育で重視しているのは「礼儀、マナーを身につけること」

株式会社オウチーノは、12歳以下の子供がいる20~35歳の男女482名を対象に「『子育て』に関するアンケート調査」を実施し、その結果を公開した。調査は2014年7月3日(木)~7月10日(木)にかけ、インターネットによって行われた。

自分自身のことを教育熱心だと思うかという質問に対し、「とても教育熱心だと思う」と「まあまあ教育熱心だと思う」と回答した人は57.4%となり、半数以上の人が自分のことを『教育熱心』だと捉えていることが分かった。

また、配偶者のことを教育熱心だと思うかの問いに対し、夫から妻に対する回答では「とても教育熱心だと思う」が20.2%、「まあまあ教育熱心だと思う」が50.6%となり、合計70.8%が『教育熱心』だと思っているという結果に。

反対に、妻から夫に対する回答では「とても教育熱心だと思う」は10.1%、「まあまあ教育熱心だと思う」が31.0%となり、『教育熱心』だと思うという回答は半数以下となった。

続いて、子供の教育で重視してることについて質問すると、1位は「礼儀、マナーを身につけること」で56.6%だった。次いで「コミュニケーション力を高めること」が43.2%、「自分で考える力を身につけること」が40.2%となった。

年収別に結果をみると、年収1,000万円未満では全体の順位から変動は見られなかったが、年収1,000万円以上の順位では、第2位の「コミュニケーション力を身につけること」と同率で「良い学校へ進学すること」がランクインした。

子供に習い事をさせているかという問に対しては46.7%が「はい」、53.3%が「いいえ」と回答した。先の質問で、自分自身のことを『教育熱心』と回答した人の55.2%が習い事をさせているのに対し、「教育熱心ではない」と回答した人で習い事をさせているのは35.1%という結果に。

習い事の種類については第1位が「英会話・英語」、第2位が「スイミング」、第3位が「通信教育」となった。

さらに子供一人当たりの月謝金額については、「5,000円以上10,000円未満」が34.3%、「5,000円未満」が24.5%、「10,000円以上15,0000円未満」が13.4%となった。

年収別に「習い事をさせている」と回答した割合を見ると、「年収400万円未満」が31.0%、「年収400万円以上500万円未満」が46.9%、「年収500万円以上600万円未満」が50.9%、「年収600万円以上700万円未満」が41.9%、「年収700万円以上1,000万円未満」が58.8%、「年収1,000万円以上」が62.8%となった。

「年収300万円未満」と「年収1,000万円以上」の間には31.8%の差が見られ、一人当りの月謝に35,000円以上かけている割合は、「年収700万円未満」では0%だったが「年収700万円以上1,000万円未満」では3.8%存在した。

子育てで神経が崩壊する前に!「気持ちがラクになる」育児の考え方3つ

子育てで余裕がなくなると、「育児、子育てがツライ……」と思ったりしませんか?

 近くに親やサポートしてくれる人がいて、育児の大変さやツラサを話して発散できればいいですが、周囲にそういった人がおらず、子どもと2人きりで悶々としてしまうこともあるのではないでしょうか。

時には「もうイヤだー」とプツンと糸が切れそうになってしまうこともありますよね。そんなときに気持ちが楽になれる考え方を3つ、コーチングアカデミー東京校校長の橋本隆さんにうかがってきました。

■1: “心の栄養”をときどき意識する

「人は気持ちがギスギスした状態で物事に取り組むと、ちょっとしたことにもイライラしやすくなりますが、気持ちが満たされた状態だと、取り組みやすくなります」と橋本さんは言います。

「また、一杯のお茶でも、なんとなく飲むのと、“心の栄養を取る時間”と意識して飲むのとでは違いがあって、意識して飲むと、気持ちを満たす時間になります」

「そこで一つ質問です。 “子育てで、心の栄養と思える瞬間はいつですか?”」

子どもの笑顔を見るとき、食べ物を芸術的にこぼすとき、小さな手に触れるとき、大泣きするエネルギーってすごいなぁと思うとき……などなど、答えは人によって違ってOK。

今は、“そう思える瞬間なんか無い!”という答えも有りなのだそうです。ときどき“心の栄養”を意識するだけで気持ちに変化が生まれるとのことです。

■2:“自分が大切にしたいこと”を大切にする

「子育てというと、子どもの基準で、親としての責任感で夢中で頑張りますよね。寝る時間、食事の時間などの行動の予定も、子どもが中心になるので、子どもがいなかった時に比べると、振り回されていることがいっぱいです」

「そんな時に、一つ質問です。“あなたが大切にしたいことは何ですか?“」

「思い浮かぶことをあげてみましょう。“のんびり過ごす”、“海や山の空気に触れる”……など、おもに子どもが生まれる前のイメージが出てくるかもしれません。

引き続き、あげていくと“家族と一緒に笑う”、“子供と本を読む”など、子どもが生まれてからのことも出てくるかもしれません」

「ポイントは、日々の行動を、大切にしたいことを大切にできるかどうかで選んでみること。そうしていくうちに、今は慣れないことも、次第にできるようになっていきます。

例えば、“私は家族と一緒に笑う人”と思うと苦しくなります。そうできない時も人にはあるからです。“私は家族と一緒に笑うということを大切にする人”と思うと、確信を持って進めます。そうしたいと思っているのは確かだからです」

余裕がないときこそ、“自分が大切にしたいことは何だろう?”と少し立ち止まり、問いかけてみて、心の余裕を作りたいですね。“家族と一緒に笑う”ということを大切にできる選択をしていくと、そのためにはどうしたらいいのだろう?

 と考えて行動するようになり、結果的に“家族と一緒に笑う時間”が増えていくとのことです。

■3:“今の自分”をそのまま受けとめる

「大変な場面に出くわすと、“なんでこうなっちゃうのだろう?”、“いつまで続くの?”、“うちだけなのでは?”と、不安でいっぱいになってしまいます。他の人から“今だけだよ”と言われても、人から言われたくないくらい不安な時もあります」

「不安な時に不安を感じないようにするのは大変。ですので、“不安は感じよう”と伝えています。十分に感じていくうちに、“ああ、私はいま不安なんだなぁ”と思えてきたら、客観的になっている証拠。すると、視界や行動の選択の幅が広がっていきます」

「未来に目が向き始めるので、“不安=今”の状況も人生の1ページとして、子どもと一緒に進んで行こうと思えるようになります。親はそこにいるだけで子どもの最大の味方。スキルとして子育ての情報を得ることも大切ですが、自分に問いかけて、自分から浮かび上がる答えを何よりも大切に」

不安を感じたり、落ち込んだりしたときは、十分にその感情を味わうようにしたほうがいいのですね。

以上、子育てでプツンと糸が切れそうになった時に読むと楽になれる考え方を3つご紹介しましたが、いかがでしたか?

橋本さんは、子育てで大変な時期だからこそ、「せっかくだから、子どもに育ててもらおう」とアドバイスしています。子どもとともに成長する、人間力が深まると思って子育てに取り組むと、気持ちがちょっとラクになれたり、発想の転換が起きたりするのかもしれませんね。

親離れの子育てあるある! 手がかからなくなると、なんだか寂しい?

夜泣きに起こされ、ぐずりをあやし、好き嫌いのないように食事管理して……と、手のかかった子育て。いつのまにか1人でなんでもできるようになって親の助けを必要としなくなると、とたんに寂しくなるものなのでしょうか?

■あのころにもっと手をかけてあげてれば良かったな

ママスタにはこんな意見が寄せられています。「今6歳の長女と1歳の長男がいます。毎日毎日、ご飯用意、片付け、掃除洗濯、お風呂、寝かしつけ、子どもと遊んだり……。自分の気持ちに余裕がないことにイライラ。

今の時期をあとから懐かしく思い出せるようになりますか? 子どもが大きくなって楽になった話が聞きたいです」実際、どうなのでしょうか?

『好きで産んだけどキャパオーバーすることがあった。でも次男が幼稚園に通い始めた辺りから自分の時間ができてショッピングに行ったり色々してみたけど、なんだか寂しく感じて……。ないものねだりなんだけど、いつも一緒だと自分の時間が欲しくなり、いざ時間ができると寂しくなる。』

『わが家は一番上が18歳、二番目17歳、三番目15歳で、その下にもまだいますが、今、振り返ると子育てで大変な時期なんてあっという間。小さいころが可愛かった~って思います。たまに小さいころを思い出して「またギュッて抱っこしたいなぁ」って思います。』

『小2と年中の男の子がいます。子どもたちが小さいときはイライラして、「私って実家に頼れないし。

同居の人は遊び相手も豊富でいいなー」ってひがんでばっかりで、軽くうつだったと思う。主さんは前向きで偉いと思う。今は子どもたちに手がかからなくなって、もっとじっくり接してあげれば良かったなーとちょっと後悔してます。』

■子育ての悩みはつきない! その都度悩むのが当たり前

小さなときにもっと余裕をもって接することができていたら……と感じている人は多いようです。一方、子どもが成長すれば新たな問題が発生することも。子育てが本当に終わるのは、いつのことなのでしょうか?

『大きくなると言うこと聞かないし文句ばっかり。私の顔見れば「腹減った~」だの「お金~」だの本当イラッときます。泣いてついてきてたころが懐かしいです。』

『学年があがるにつれて労力は楽になるけど、また違う意味で大変に。高学年になると特に友達関係が複雑に。次は精神的に悩まされます。』

『上が9歳で一番下が4ヶ月だけど気持ちに余裕のある育児ができてる。兄弟で遊んでくれると余裕が出てくるんじゃないかな?』

子育ては一筋縄でいかないことが多いものです。そのときどきでママは一生懸命。余裕をもってとりくむことがいかに難しいことか……。けれど、がむしゃらでいいのではないでしょうか? その積み重ねが、ママの成長につながるはずです。

アホ男子母が贈る 男の子を楽しく育てる本ランキング

わが子の予想外の言動にハッとしたり、怒り心頭したり、時に笑わされたり…世のお母さん達にとって子育ては、毎日が戦いだ。

そこで今回は、自らも男児の母であり、『#アホ男子母死亡かるた』の編集に携わった熊本りかさんに“子育てを全力で楽しむための本”10冊をランキング形式で紹介してもらった。

■1位 『うんこ!』 サトシン/作 西村敏雄/絵 文溪堂 1300円(税別)
道端に落ちている犬のフンが、ねずみや蛇から嫌われ、仲間を探す旅へ出発。ある場所へたどりつき……という絵本。“うんこが主人公”という面白さが男の子の心をとらえる。

■2位『小学生男子(ダンスィ)のトリセツ』 まきりえこ 扶桑社 952円(税別)
イラストレーター・まきりえこが、自身の子育てブログで発表した4コママンガが一冊に。書き下ろし作も加えられ爆笑度がアップ。男の子の母親が共感できるエピソードが満載。

■3位『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』 スティーブン・R・コヴィー/著 フランクリン・コヴィー・ジャパン/訳 キングベアー出版 2200円(税別)
全世界で3000万部以上を売り上げたビジネス書。人生を豊かにする哲学書としての側面も。今回の10冊を選んだ熊本さんは「育児に応用できるヒントが満載です」とコメント。

■4位『妖怪ウォッチ』(1~3巻) 小西紀行 小学館コロコロC 400~429円(税別)
ゲーム、アニメ、マンガによるメディア展開で、子どもたちに大人気の作品。妖怪ウォッチを手に入れた主人公のケータが妖怪たちと仲よくなっていく様子が描かれる痛快な作品。

■5位『1日ひとつのことだけ日記』  宮川俊彦/著 塚本やすし/絵 ディスカヴァー・トゥエンティワン 1980円(税別)
作文指導教室を運営する著者が考案したユニークな日記帳。日替わりでテーマが掲げられ「何を書いていいのかわからない」という悩みと無縁に。子どもの作文力UPにつながる。

■6位『ママはテンパリスト』(全4巻) 東村アキコ 集英社 愛蔵版C 743円~762円(税別)
マンガ家・東村アキコが育児に奮闘する様子をつづった人気マンガ。息子・ごっちゃんの仰天行動の数々や、それに振り回される著者のテンパリ具合が笑いを生んでベストセラーに。

■7位『男の子を伸ばす母親は、ここが違う!』 松永暢史 扶桑社文庫 552円(税別)
教育環境設定コンサルタントとして活躍する著者による育児本。男の子のチョロチョロ動き回る能力を「オチンチン力」と名付けた上で、育児に必要な母親の姿勢を説いていく。

■8位『男の子の育て方』 諸富祥彦 WAVE出版 1300円(税別)
二十余年の教育カウンセラー歴を持つ著者が、男の子を育てるコツを解説。結婚できる大人、就職できる大人にするために、乳幼児期から小学校時代に親がすべきことが語られる。

■9位『天才は親が作る』 吉井妙子 文春文庫 543円(税別)
松坂大輔、杉山愛ら一流スポーツ選手の親たちが、いかに子育てしてきたのかを取材したノンフィクション。普通の親たちが、子どもたちの才能を伸ばしていった様子に唸らされる。

■10位『#アホ男子母死亡かるた』 #アホ男子母死亡かるた書籍化プロジェクト@ahodanshi88/編 まきりえこ/絵・マンガ アスペクト 1000円(税別)
「アホ男子母死亡かるた」というハッシュタグによって、ツイッター上で集められたフレーズを、イラストを添えて一冊に。男子の生態を知りたい、女の子のママにもおすすめ。

取材・文(ランキング部分)=澤井 一/ダ・ヴィンチ8月号 「その道のプロに聞く! ダ・ヴィンチなんでもランキング」

赤ちゃんの社会的能力向上には音楽やダンスが効果的

音楽に合わせて他の人たちと一緒に体を揺らすことは、赤ちゃんにとって思いやりを学ぶために効果的かもしれない。

カナダ・オンタリオ(Ontario)州にあるマクマスター大学(McMaster University)の研究チームは、こうした研究論文を「Developmental Science」の最新号に掲載した。

 ダンスからボート漕ぎに至るまで、人と人とが一緒に動く活動には、絆や連帯感を強める効果があることはすでに立証されているが、赤ちゃんに対する効果を研究したのは、同大学が初めてとみられる。

 論文の主著者で同大博士課程のローラ・チレリ(Laura Cirelli)氏は、「周りの人々に合わせて動くことは、音楽活動において重要な部分だ」とし、「音楽の基本的部分を形成する動きが、非常に低年齢のうちから社会的行動に影響を与えていることが示された」と述べた。

 研究チームは、2人1組となり、68人の赤ちゃんを対象に実験を行った。

 音楽が鳴り始めると、各組の1人は赤ちゃんを抱きかかえて一緒に体を上下に揺らし、もう一人は赤ちゃんと向き合って体を揺らした。こ

のときにテスト対象のグループの赤ちゃんを抱いた人物は向かい合った研究者と同じリズムで体を上下に揺らし、もう一つのグループは向かい合った研究者とは異なるリズムで体を揺らした。

 音楽が止むと、テスト対象の赤ちゃんたちには、子供の利他的行為に関する実験で一般的に使用されるテストを行った。テストでは、赤ちゃんと向かい合わせになっていた研究者がわざと物を落とし、赤ちゃんがそれを拾って助けてくれようとするかどうかを調べた。

 その結果、研究者と同時に体を動かした赤ちゃんは、異なるリズムで動いた赤ちゃんに比べて相手を助ける可能性が約20%高かった。

 チレリ氏は、今回の発見について、より協調性のある社会的風土の建設に大きく貢献するものだとし、音楽に合わせて歌い、手を叩き、踊ることは、発育過程の学習において不可欠な部分だろうとしている。

 同氏は現在、この研究をさらに前進させるため、体を動かすことで赤ちゃんが得た思いやりの心が、他人に対しても向けられるか、あるいは一緒に体を動かした相手に対してのみかを調べるプロジェクトを開始している。

脱・産後ママの不眠地獄! 赤ちゃんの睡眠を整えるのに最適な授乳リズムとは?

産後ママの最大の悩みといえば、睡眠不足。夜中でも頻繁に起きる赤ちゃんに振り回されて、ほとんど眠れずにひと晩過ごすなんていうことも。睡眠不足が続くと体力がなくなるだけではなく、夫にイライラをぶつけたり、赤ちゃんに十分な愛情を注げなかったり、精神的に追い込まれるケースもあります。

実は赤ちゃんのうちは母親が眠れないのは“仕方のないこと”とも言い切れないんです。

■睡眠リズムの確立が脳神経や免疫の発達を促す
生後2~4カ月の赤ちゃんは、体のリズムができあがっていないため、睡眠や覚醒のリズムがあやふやです。だからといって「赤ちゃんのうちはそれが当たり前」と放っておくと、なかなか睡眠リズムが確立しないことに。

「赤ちゃんの睡眠リズムを早く確立させることは、母親の心身の負担を減らすだけではなく、赤ちゃんの成長にとっても非常に効果的です。睡眠リズムの確立は、脳神経系や免疫系の発達を促すのです」

そう話すのは、医学博士で睡眠科学、脳生理学を専門とする白川修一郎さん。では赤ちゃんの睡眠リズムをできるだけ早く確立させるにはどうすればいいのでしょうか?

■3~4時間おきの授乳間隔が最適

白川さんは次のように指摘します。

「実は『赤ちゃんが泣いたらおっぱいをあげる』という授乳方法が、睡眠リズムの確立を遅らせる原因になります。赤ちゃんはお腹がすいたときだけではなく、さまざまな理由で泣いているのです。

それなのに泣いたらおっぱいをあげるという習慣をつけていると、赤ちゃんの体のリズムがなかなか整いません。とはいえ、特に初産婦の場合、赤ちゃんがなぜ泣いているのかを判断するのは難しいものです。そこで大切なのが、計画的な授乳です。

授乳リズムは3~4時間おきと決めて、それ以外のときはたとえ泣いても授乳しないようにすると、体のリズムが整うとの同時に、睡眠リズムも早く整うのです」

また、赤ちゃんは昼夜の区別がありませんが、日中はたとえ睡眠中であっても明るい環境の中で寝かせ、夜は暗く静かな環境で寝かせることも睡眠リズムの確立に役立つそうです。

■母親の規則正しい生活も赤ちゃんの睡眠を左右する!
さらに母親が、妊娠中から朝は決まった時間に起きて夜は早めに寝るといった規則正しい生活をしておくことも大切。同時に昼寝の習慣をつけておくことも有効なのだそう。

「授乳間隔をコントロールすることに加えて、昼寝をすることも母親の睡眠不足解消につながります。けれども昼寝の習慣がないと、いざ昼間に寝ようと思っても眠れません。そこで妊娠末期から昼寝の習慣をつけておくことがおすすめです。

特に妊娠末期は尿が近くなったり、お腹が大きくなって寝苦しくなったりして、不眠がちになるものです。妊娠末期になると働いていた人は産休に入って時間の余裕があると思うので、ぜひ昼寝を取り入れましょう」(白川さん)

昼寝は正午から15時くらいまでの間に、90分程度するのがいいそうです。

■赤ちゃんの眠りを誘うプラスのサイクルとは?
実は妊娠末期から産後の睡眠は、母乳の出にも影響を及ぼします。睡眠不足は母乳を生産するホルモン、プロラクチンの分泌を低下させることがわかっているのです。

夜間の母乳にはメラトニンという自然な睡眠を誘うメラトニンという物質が含まれています。つまり、母親がよく眠れていると母乳の出がよくなり、赤ちゃんも自然と眠りやすくなるという好循環が生まれるのです。

赤ちゃん誕生の喜びに、存分にひたる間もなく陥る産後の不眠地獄。そこから早く抜け出して、かけがえのない赤ちゃんとの時間を楽しむためにも、赤ちゃんの睡眠リズムを早めに確立しましょう!

夜10時以降に就寝する2歳児は35%! 子どもの遅寝は学習能力の低下を招く

寝苦しい日が続く夏の夜。特に子どもは体温が高いため、なかなか寝付けないという子も少なくないかもしれません。実は日本の子どもの睡眠事情は、悪化しているのです。

日本小児保健協会が実施した「平成22年度幼児健康度調査」によると、22時以降に就寝する2歳児は35%という結果でした。3人に1人は遅寝の習慣があるということになります。

就寝時刻が遅い子どもほど寝つきや朝の機嫌が悪く、昼間に情緒不安定になりやすいことがわかっています。さらに遅寝は、子供の将来をつぶしてしまう危険性があるのです。

■遅寝が知能の発達を遅らせる!?
米国睡眠財団が多くの論文の結果をまとめたところ、1~3歳までの幼児に必要な睡眠時間は昼寝も含めて12~14時間としています。しかし、夜遅く寝る子どもは睡眠不足の傾向があることがわかっています。保育園に通園しているとすると、朝7時ごろには起床しなければならず、夜10時に寝るとすると2時間昼寝をしたとしても1時間の睡眠不足となるわけです。

医学博士で睡眠科学、脳生理学を専門とする白川修一郎さんはこう話します。

「睡眠が不足すると朝の機嫌が悪い、朝食を食べられないといったことだけではなく、発達障害を引き起こす危険性があります。人間は3歳までに自律神経系の基盤が確立します。ここで自律神経系がしっかり確立されないと、汗をかきにくく体温調節ができない体質になる可能性があるのです。

さらに、この時期は前頭葉の神経ネットワークが急激につくられます。これがうまくいかないと、知能の発達が遅れる危険性もあるのです。自律神経系や脳神経系の発達には十分な睡眠が不可欠です」

前頭葉は学習に集中し、その状態を維持するほか、とり込んだ情報を記憶する働きを司っています。睡眠不足によって前頭葉の働きに影響が出ると、集中力や注意力が散漫になり、記憶力も低下してしまうのです。

そのほか骨や筋肉の発達に欠かせない成長ホルモンの分泌、運動能力、手先の器用さなども睡眠不足によって低下することがわかっています。

■子どもは母親の遅寝に引きずられる!
では、遅寝の習慣を断ち切るにはどうすればいいのでしょうか? 白川さんはこうアドバイスします。「18時までには夕食をすませるなど、夕食の時間を早めることが早寝に結びつきます。けれども母親が働いていると、現実的に難しいものです。

そこでまずしてほしいのは、母親が自分の睡眠を見直すことです。さまざまな調査により、母親の就寝時間が遅いほど、子どもの就寝時間が遅くなることがわかっていて、特に就学前の子どもはその傾向が顕著です。つまり、子どもを早く寝かせるためには、母親が早寝を心がける必要があるのです」(白川さん)

■眠れる環境になっているかチェックしよう
また早く寝かせようとしても、子どもがなかなか寝付けないという場合もあります。その場合は次のようなことが考えられます。

□日中、あまり体を動かしていない
□就寝する直前に食事をしている(夕食はできれば就寝3時間前までにすませる)
□就寝する直前に熱い風呂につかっている
□寝室が明るい
□寝室や隣の部屋でテレビなどの音がする
□3時間以上の昼寝をしている

上記のようなことはなるべく避けて、眠れる環境を整えましょう。 「たくさん食べて大きくなってほしい」「積極的に学ぶ意欲を持ってほしい」……親なら子どもにそうした期待を抱くものですが、これらは睡眠が整ってこそ実現するものです。まずは基本的生活習慣である、子どもの睡眠を見直しましょう。

子どもの湿疹治療に「濡れタオルセラピー」が効果ありとの研究結果

汗をかく季節となり、湿疹に悩む人も多いのではないだろうか。特に汗かきの子どもは関節部分や首回りなどに湿疹ができやすい。アトピーとダブルで悩むケースもあるだろう。

大人であれば多少のかゆみは我慢できるが、自制できない子どもはついかきむしって悪化させることも。そうした皮膚炎の対処法として、濡れたタオルや衣服で患部を覆う「濡れタオルラップセラピー」が有効との研究結果が発表された。

2週間で症状が大幅減

「濡れタオルラップセラピー」は1980年代から知られている。まずお湯をはった湯船に10-20分ほど浸かり、出たら体をふいて湿疹のある部分に薬やローションをぬる。それから濡れたタオルや衣服で患部を覆い、2時間ほどそのままにしておくというもの。

米国National Jewish Healthの研究では、ひどい皮膚炎に悩む子ども72人にこの療法を行った。症状に応じて1日に行う濡れタオル回数を変えながら2週間ほど続けた結果、症状の71%がなくなったという。また、子どもが自宅に戻ってからも、症状の軽減効果は続いた。

自己流では症状悪化も

非常にシンプルにみえる手法だが、研究者によると症状の程度によって頻度などを変えたりする必要があるため、親が自己流で実施するのは良くないらしい。間違えれば症状を悪化させてしまうこともあるとのこと。

研究結果は専門サイトJournal of Allergy and Clinical Immunologyに発表された。

気付いてますか?子どもが発している「心のSOS」サイン7つ

幼稚園や保育所や学校は子どもにとっての社会です。大人と同じように、辛いことや悲しいこと、悔しいことや腹の立つことなどが日々起こっています。

そういう出来事から、子どもは様々なことを学び、精神力を強くしていきます。

ただ、ほとんどがすぐに忘れてしまえるような小さな出来事だと思いますが、中には子どもを本当に傷つけてしまうような出来事もあります。

今では、小学校でも精神的ないじめだけではなく、暴行が起こったりしていますね。親思いの優しい子や、逆に親が子どもに無関心な場合は、自分がいじめに遭ったりしても、親に言わずに我慢してしまうことがあります。

でも、本当はどこかで、親に気付いてもらいたいと願ってSOSを出しているはず!

今日は、”子どもが発するSOSサイン”について、『グローバル社会に生きる子どものための-6歳までに身に付けさせたい-しつけと習慣』の著者・平川裕貴がお伝えします。

■1:目をそらす

これまで、ちゃんと目を見て挨拶をしたり、話してくれていたのに、親の目をあまり見ようとしなくなる。これは、もしかしたら自分が抱える問題を、親に気付かれることを恐れているのかもしれません。

■2:表情が暗くなり、笑わない

これまで、明るくよく笑う子だったのに、あまり笑わなくなったり、表情が暗くなったりしたら、何かに悩んでいるのかもしれません。

■3:やたら明るく振る舞う

逆に、急によくしゃべりだしたり、これまであまり言わなかったような冗談を言ったり、一生懸命作り笑いをしだしたら要注意。これも親に心配をかけないために、自分の心の内を知られまいとしているのかもしれません。

■4:体調不良を訴えてくる

幼稚園や学校に行く時間になると、「お腹が痛い!」とか「気分が悪い」とか言い出す。

そういうことが続くと、幼稚園や学校で何か嫌なことがあって、行きたくないための嘘か、精神的なストレスからくる体調不良かもしれません。

■5:態度が粗暴になる

ちょっとしたことですぐ腹を立てたり、怒鳴ったり、物にあたったり、いつもイライラし出す。自分で消化し切れない怒りの感情をためているのかもしれません。

■6:親に対して反抗的になる

やたら親につっかかってきて、反抗的な態度を取る。これは、(5)と同様、自分で処理しきれないような感情をため込んでいるか、親の注目を自分に向けさせ、自分が抱える問題をわかってほしいというサインかもしれません。

■7:家でジッとしていることが多くなる

子どもは本来活動的、ジッとしているのは苦手なものです。

でも、外に遊びに行かなくなったり、友達と遊ばなくなったり、家でジッとしていることが多くなれば、人との関わりを避けたくなるような出来事があったのかもしれません。

以上が、SOSかもしれないサインになります。これらの行動に思い当たることがあれば、子どもをよく観察しましょう。

1週間程度で、態度が元に戻って元気になったら、起こった出来事を自分なりに消化できたのでしょう。子どもが何も言わなければ、精神が鍛えられるような経験をしたのだと、そのまま温かく見守ればいいと思います。

ところが、上記のような態度が、一向に改善されないまま続くとしたら、子どもが抱えている問題の根が深い可能性があります。

幼稚園や学校の先生に「子どもに何か変わったことがなかったか」を聞いてみるなどの対応を取りましょう。子どもが素直に親に相談しないのは、理由があります。

ですから、パニックになって問い詰めたり、学校で先生を問い詰め大騒ぎしたりするのは逆効果ですから気をつけてくださいね。

ただ、子どもが困った時には、いつでもサポートするんだという姿勢を示してあげましょう。

【著者略歴】
※ 平川裕貴・・・日本航空国際線CA、外資系英語スクールを経て、1988年に子ども向け英会話教室を設立。
30年以上に亘り子ども英語教育に携わり、現在3歳から6歳までの子どもにバイリンガル教育を実施中。近著は『グローバル社会に生きる子どものための-6歳までに身に付けさせたい-しつけと習慣』。

親権は「子どもの希望」で決まるの?中山美穂さん「離婚」

ミュージシャンで作家の辻仁成さん(54)と女優の中山美穂さん(44)が7月8日、離婚した。辻さんはブログで「本日、離婚届けにサインをし、提出いたしました」と報告している。

2人の間には10歳の長男がいるが、「親権」は辻さんが持つことになったと報じられている。辻さんはブログで「今後は息子とふたりで生きていくことになります」と報告。「ぼくと生きたいと望んでくれた息子の気持ちにこたえられるよう、父親としても頑張りたいと思います」と綴っている。

未成年の子どもがいる夫婦が離婚する場合、どちらが親権をもつのか、争いになるケースも少なくない。今回、辻さんは、子どもが父親を選んだことを示唆しているが、親権は「子どもの希望」によって決まるのだろうか。離婚問題にくわしい佐々木未緒弁護士に聞いた。

●裁判所は「10歳くらい」から子どもの意思を尊重する

――子どもが「お父さんと一緒に暮らしたい」といえば、親権は父親になるのか?

「中山さんと辻さんのお子さんは10歳です。裁判所は親権を決める際、10歳くらいをめどに、子どもの意思を尊重するようになります。

10歳だと、意思が100パーセント尊重されるわけではありませんが、子どもの意見や養育環境などを総合的に考慮して、親権を決めることになるでしょう」

――10歳未満の子どもの意思は尊重されない?

「10歳未満の場合、子どもが『お母さんがいい』とか『お父さんと生きたい』と言ったとしても、必ずしも実現するとは限りません。

裁判所が重視するのは、夫婦と子どもの関わり方です。つまり、より長い時間を一緒に過ごしたほうに親権を与えるのが、子どもにとって、負担が少ないと考えるでしょう」

――10歳以上の場合はどうなるのか?

「高校生くらいになると、子どもの意思がかなり重視されるようになります。子どもに、どちらを望むのかを書面に記載してもらって、親権を決めることもあります。

小さな子どもの場合は、裁判所の調査官が家庭訪問したり、保育園などに聞き取りに行ったりしますが、高校生にもなると、調査官が直接会うことはほとんどないでしょう」

●経済状況の良し悪しは、ほとんど影響を与えない

――経済状況は、親権に影響を与えるか?

「裁判所は、ほとんどと言っていいほど、経済状況と関係なく、親権を決めます。たとえば、母親が専業主婦で、父親が経済的に余裕があるというケースがあったとしても、そのことが判断材料になることはありません」

――たとえば、母親が働いていて、父親が「主夫」をしているようなケースでは?

「子どもと多くの時間を過ごした父親が有利になると思います。基本的に、裁判所は子どもの目線で決めます。子どもの生活環境に悪影響を及ぼさないようにするでしょう」

――子どものためを思えば、離婚を思いとどまったほうがいいのか?

「子どものために自分の人生の犠牲するというのは、良くありません。お子さんのためにも、2人のためにも、悪化した夫婦関係をむりやり続けるよりも、いい意味で割り切って別れることが大事ではないかと思います」

【取材協力弁護士】
佐々木 未緒(ささき・みお)弁護士
札幌弁護士会所属。ココロもケアする離婚弁護士。離婚は次の新しい人生で幸せになるための第一歩。離婚はそのプロセス次第でたくさんのことを教えてくれる。そしてたくさんの新たなシアワセを運んでくれる。「シアワセな道に歩む第一歩を私と共に歩みましょう!」
事務所名:弁護士法人 未緒法律事務所
事務所URL:http://mio-law.com

目が合うと号泣! どうする? 赤ちゃんのパパ見知り

■これってパパ見知り?

 赤ちゃんが誕生し、育児に張り切っているパパも少なくないことと思います。そんなパパがショックを受けるのが、ある日突然始まる「パパ見知り」。

 誕生後から沐浴を担当したり、限られた時間でできる限り赤ちゃんと触れ合ってきたというパパの場合でも、ある時期から突然、パパが抱っこしたりお風呂に入れようとしたりすると、火がついたように号泣するようになってしまった、というケースがよくあります。

 パパとしては、育児への意欲が我が子によって否定されたような気持ちを感じてしまったり、ママとしては日常のお世話をパパに分担してもらえない状況だと、育児の負担感が増幅してしまったりするでしょう。

ママの職場復帰を控えているような場合には、これから夫婦で育児家事を分担して乗り切っていけるのだろうか? という不安にかられてしまうこともあるかもしれません。

■パパ見知りのタイプもいろいろ

 パパ見知りのタイプもさまざまです。とにかくどんなお世話でもママじゃなければダメになってしまったというケース。抱っこやお風呂、寝かしつけなど、特定の項目だけ、どうしてもパパだと絶叫して拒否してしまうというケース。

また、ママが一緒のときにパパがお世話をするのは大丈夫なのに、ママがいないと全くダメで、パパに赤ちゃんを数時間でも預けることが厳しいという子。逆に、普段パパだとダメなのに、パパに完全に預けてしまいママが用事で出かけたりすると、意外と大丈夫だったというケースもよく聞きます。

 パパ見知りの期間についても、0歳代の限られたときだけで落ち着く場合もあれば、1歳代まで続く場合もあります。

■パパがダメなのではなく……?

 初めてママになる妊娠中の女性、ママとなった産後の女性の多くが、「ママとパパではスタート地点が全く違う」ということを感じるようです。受精卵が子宮に着床する時点で、妊娠4週(妊娠2カ月)。

それから出産予定日で数えても8カ月超の期間に、赤ちゃんはママの体の中で劇的な成長を遂げます。そして、この世に誕生して一番最初にふれ合うのもママ。

 どんなに育児に一生懸命なパパでも、ママと赤ちゃんの密接度にはかなわないでしょう。自分にとって一番近い存在であるママと、それ以外の人を、成長につれてはっきり認識し出すことが、いろいろなタイプのパパ見知りとして現れてくるのかもしれません。

 でもそれは、「パパじゃダメ」ということとイコールではありません。「ママの方がいい」という気持ちが勝っているということです。ここが、まさにパパが赤ちゃんとの信頼関係を構築していく大きなスタート地点にもなるのです。

 しかし、「パパ見知りかな?」と思われる状況への捉え方次第で、パパの落ち込みもママの精神的負担も、少し和らぐかもしれません。

■ママと同じになれなくて大丈夫!

 目の前の赤ちゃんに泣かれてばかりでは、パパの気持ちがどんどん凹んでも不思議ではありません。

しかし、今、赤ちゃんに泣かれてしまうパパたちには「ママと同じになれなくて大丈夫!」とお伝えしたいです。パパのタイプ別に、長いスパンでのパパ見知りの捉え方をご紹介します。

□気にせずとことんお世話を頑張るタイプ

 泣かれてもとことん頑張るタイプのパパ。泣かれることでそれなりに落ち込んでも、淡々とお世話に取り組むパパがいます。ママは、子どもが泣いているのに無理やりお世話するなんてかわいそうなんて思わず、パパの思いを受け止めて具体的に言葉に出してエールを送りましょう。

 たとえば、赤ちゃんが大泣きしていても、お世話の仕方は新生児のころから比べたら、格段に上手になっているでしょう。

どうして赤ちゃんが泣いてしまうのかと、パパがいろいろ悩みながら試行錯誤することは、赤ちゃんとの信頼関係を築いていくしっかりとした土台になっていきます。

 そして、何といっても、赤ちゃんに泣かれながらも育児に取り組んだことは、パパにとっても、1年もたてば笑い話にできるほど貴重な体験になるでしょう。

□育児に自信をなくしてしまったタイプ

 我が子への思いを拒絶されてしまったかのように感じ、自信をなくしてお世話から遠ざかってしまうパパもいるかもしれません。

 そんなときは、無理に励ましてお世話をお願いするよりも、今はまだまだ育児の序盤で、これからの子どもの成長につれてパパの出番がたくさんあることを想像してみましょう。

赤ちゃんのころにあまりお世話をできなかったパパが、2~3歳になって体を使った遊びで大活躍するというケースはとても多いものです。

 私も、親子講座の講師活動や子育て仲間とのお話の中で、たくさんのパパ見知り体験談と同様、「赤ちゃんのころはパパだと泣いてしまっていた子が、(2~3歳の)今ではすっかりパパが大好き!」というお話を、しょっちゅう耳にします。

そして「この遊びは、ママではなくパパとやりたい!」というような子どもの好みが出てくるようです。実は、我が家の子どもたちみんな、同じような道を歩んできました。

■パパ・ママの役割分担は長いスパンでみればよい

 赤ちゃんのお世話真っ只中の毎日の中では、数年後のことをイメージするより、今のことで精いっぱいでしょう。

 しかし、「今のこの時点」で、ママ・パパ両方が同じように育児の主役格になれなくても、1年~2、3年、それ以上、というようなスパンで振り返ったときに、「我が家なりの分担」ができていると感じられるかどうか、それが長く続く子育ての中で家族全体の日常生活の中での支えとなってくることもあります。

 今、赤ちゃんに泣かれてしまうパパたちも、パパが活躍できるときを楽しみにし、そのときが来たら存分に力を発揮してください。

魔の4歳!? 親を悩ます「ちびっ子ギャングエイジ」との上手な関わり方

子どもが4~5歳になると「言うことを聞かない」「モノに当たる」「いつも不機嫌で困る」といった悩みを持ち始める親も多いのではないでしょうか? 

友達とうまく関われなかったり、それまでの子どもらしい態度とは裏腹に、気持ちと反対のことを言ったり、わざと不機嫌な態度をとったりと、親にとっては実に接しづらい時期です。

しかし実はこういった態度、子どもにとっては大切な成長過程でもあるようです。

そこで今回は、『WooRis』の過去記事「どんどん外で遊ばせて!”土遊び”が子どもに与える意外な効果」でもお話を聞いた、福岡県の学校法人『神愛学園わかば幼稚園』の副園長・川上尚子先生に、“ちびっ子ギャングエイジ”の関わり方について聞いてみました。

■4~5歳は不安定な時期

「この年齢の子どもは、自信のないことや未経験なことに慎重になったり、ちょっとしたことで悲しくなったりと、心が揺れ動き葛藤しています。不安から大人に甘えたり、友達に強い態度をとることもあります」

「子どもの、こうした変化に、大人は何かあったのでは、と心配します。しかし、じっくり子どもたちと向き合うと、葛藤を繰り返しながらも、一人ひとり少しずつ、これまでと違う部分で成長している姿に気づき、愛おしさを感じることがあります。

少しずつ周りとの協調性も出てきて、仲間意識も芽生えます。遊びに夢中になるとわんぱくぶりを発揮したり、自分たちだけの世界を楽しむ時期でもあります。また、学習意欲が芽生えると何にでも興味を示し、集中して遊ぶ姿も見られるようになります」

■ちびっ子ギャングエイジは大切な成長過程

「小学生の発達の節目が3~4年生で、ギャングエイジと呼ばれており、成長の過程で大切なプロセスですが、4~5歳のいわば“ちびっ子ギャングエイジ”というような時期も同じように大切です。どちらも親としては大変な時期だと思います。」

■子どもを信頼し不安を受け入れる

「この時期の子どもは、周りの大人から存在を認められ、信用されていると感じられることが大切です。子どもがいけないことをした時、行為を叱るのではなく、まず子どもの辛い気持ちや悲しい気持ちを受け入れ、共感して話を聞いてあげます。

“ママはあなたが大好きだけど、それは嫌だよ”と、悲しいという気持ちを言葉で相手に伝えることが、子どもの成長にとって大切です」

親の信頼と共感、そして自分の気持ちを言葉で伝えることの大切さを教えていくことが重要なのですね。実際、年長さんになると、自覚も出てきて、年下の子の面倒をみてくれたりと、落ち着いてくるようです。

以上、“ちびっ子ギャングエイジ”の関わり方でしたが、いかがだったでしょうか。ついつい、頭ごなしに叱ってしまいがちですが、この時期は大切な成長過程です。時期が来ると、この過程も卒業する、ということなので、我が子を信頼し、共感してあげながら成長を見守りましょう。

イオン飲料、子どもには注意 ビタミンB1の不足誘発

気温が高い季節は、熱中症や脱水を防ごうとスポーツドリンクなどのイオン飲料を選ぶ人が多い。飲み過ぎるとビタミンB1が不足し、特に子どもは身体の不調や深刻な症状に陥りやすい。注意点を探った。運動後や汗をかいたときの水分補給に、イオン飲料をとる人は多い。糖分と塩分を含む飲み物を指し、身近なのはスポーツドリンクだ。体に良い飲み物という印象から、子どもに日常的に与える親もいる。近年は飲み過ぎで「かっけ」になる子どもが、離乳期を中心に増えている。

 かっけは戦前に多かった病気だ。ビタミンB1欠乏症の一つで、手足のしびれやむくみが起き、歩きにくい、一人で座りづらいといった神経症状が出る。重症化すれば心不全を引き起こす。ビタミンB1が欠乏する原因は、スポーツドリンクの糖分だ。100ミリリットル当たり約5グラムの糖分を含む。 ビタミンB1は体内で糖を分解してエネルギーを作るために必要。豚肉やウナギなどに多く含まれ、現代の食生活では不足しづらい栄養素ではあるが、スポーツドリンクを1リットル飲むごとに体内のビタミンB1を約0.1ミリグラム消費する計算になる。

 イオン飲料と同様に糖質の多い即席麺類の場合、日本即席食品工業協会(東京・台東)は1993年、指針の下でビタミンB1の添加を始めた。一方で大半のイオン飲料はビタミンB1を含まないため、不足を防ぐには食事からの補給が必要になる。島根大学講師で小児科医の長谷川有紀さんは、全国5千件以上の子どもの尿検体の調査で、10人を「かっけによる心不全」と診断した。主治医への聞き取りで、離乳期の9人が十分な食事を取らず、代わりに1日1リットル以上のスポーツドリンクを飲んでいたと判明した。

 一般的なスポーツドリンクは本来、大人が運動時にエネルギーを補給するための飲み物だ。汗をかいて失った塩分と糖分を一緒に取ると、体への水分の吸収を促すため、下痢や発熱で脱水症状になったときに医師がスポーツドリンクを勧めることもある。
 ところが脱水状態でない子どもがイオン飲料を飲むと、塩分で喉が渇き、飲み続けてしまう。さらに「子どもは甘い味に慣れると、薄味の離乳食を欲しがらなくなる」と長谷川さん。小食を心配する親が、食事代わりにスポーツドリンクを与えてしまう例もあり「食事からビタミンB1を取らないことになり、ますます不足する」という。

 同様の理由で心不全を起こした子が、全国の救急現場に運び込まれている。長谷川さんは「安易にスポーツドリンクを与えるのは危険。脱水状態の子どもの水分補給には、糖分の少ない経口補水液が望ましい」と訴える。経口補水液は脱水時の水分補給を目的に、塩分と糖分の濃度を調整したイオン飲料だ。薬局やドラッグストアで手に入る。糖分が2%前後と、スポーツドリンク(約5%)より低いのが特徴で、脱水状態ではない人が飲むと、塩っぽく感じることがある。

発熱や下痢、嘔吐(おうと)などで脱水になったときの一時的な飲み物として活用したい。脱水症状が改善したら飲むのはやめよう。帝京大学医学部付属溝口病院(川崎市)の村川裕二教授は「ビタミン不足は様々な体の不調を引き起こし、疾患リスクを増やすことがある」と指摘する。熱中症対策や体調不良時など、状況によってイオン飲料は効果的な水分補給の助けになる。大切なビタミンを大きく減らす飲み方は本末転倒だ。子どもに限らず、大人も水代わりに飲まないように気を付けたい。
(ライター 塚崎朝子)[NIKKEIプラス1 2017年6月24日付]

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