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老親が元気なうちに確認しておくべき事柄「保険の有無」「延命の意志」等


 父や母が高齢になると、病気、介護、そして葬儀など、さまざまなトラブルが生じる。だが、事前に親子で情報を共有し、書類や資料を用意しておくことで、問題を回避することができるだろう。

 たとえば、医療や介護についての備え。親が急に倒れた時のために、健康保険証・介護保険証の保管場所は知っておきたい。介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子氏が解説する。

「加えて、親が民間の医療保険、生命保険に入っているかを確認しましょう。せっかく保険料を払ってきたのに、いざという時に子が保険の存在自体を知らないと無駄になってしまいます。

 また、親に延命治療の意思表示カードを記入してもらっておくことも重要です。多くの人が、“その時が近づいてから確認すればいい”と後回しにしがちですが、親が弱ってからだと延命治療の希望なんて、なかなか聞けません。どこまで手を尽くすか、子供同士で意見が違ってトラブルになるケースも多いので、事前に親の意思を共有しておくのが望ましい。

 公正証書をつくって意思を明示する方法もありますが、自治体や病院が用意する意思表示のフォーマットを使ってもいいでしょう」

 親の認知症が進行した場合などは、家族だけで介護を担おうとすると、家族関係が崩壊しかねない。介護保険サービスを利用するために介護保険認定申請書を作成し、手続きする。夢相続代表で相続実務士の曽根恵子氏はこういう。

「親の判断能力が低下していれば自分で手続きができないため、子が申請することになります。地域包括支援センターや自治体の介護保険窓口に行って相談しましょう」

 親が弱る前に済ませておきたいのは、葬儀関連の備えだ。

「遺影や葬儀に呼ぶ人のリストなどを用意し、希望の葬儀社などを親が決めておくと、子にとっては非常にスムーズです。親から“どういうお葬式をやりたいか”の希望を聞いておくとよいでしょう。元気な時だから聞けるのです。事前に複数の葬儀社の見積もりを取ってもいい。また、葬儀費用を積み立てている口座や互助会があるのなら、その情報についても、忘れずに親子で共有しておきましょう」(太田氏)

苦労の末に義母を見送った50代男性 葬儀で親戚から責められ我慢の限界


父が亡くなった後、母が亡くなった後には、「おひとり」になった親に関する様々な問題が生じてくる。特に難しいのは介護の問題だが、それは「実の親」との間だけではない。むしろ、「義父母」のほうが、一筋縄ではいかないこともある。もし、妻の親が「おひとり」になったら、夫はどのように関わればいいのか。その距離感を見誤れば、たちまち悲劇が訪れる──。


【表】代理人カード、家族信託契約書…他、親子で「その時」のために準備しておく重要書類20


「妻の親の面倒を見ている夫は増えています。一人っ子だったり、きょうだいが少ない人が増え、長男・長女同士の結婚が増えたことが背景にあります」――シニア生活文化研究所・代表理事の小谷みどり氏はそう言う。


「おひとり」になった実父・実母との関わりの難しさはここまで見た通りだが、相手が「義父母」でひとり身となると、さらに複雑な問題が生じることがある。今年1月、82歳の義母を見送った神奈川県在住の男性(55)が、自身の身に降りかかったトラブルを打ち明ける。


「5年前に妻の父が亡くなり、ひとり残された義母の面倒を同じ県内に住む私たち夫婦が見ていました。義母は持ち家の戸建てを処分して有料老人ホームへの入居を希望。そこで義父の車や自宅の売却手続き、ホーム探しをする妻を私がフォローしたのです」


 しかし、それが間違いのもとだったのかもしれない。

「疎遠だった義母の兄弟から『財産を乗っ取ろうとしている』と陰口を叩かれるようになったんです。親切のつもりで手伝ったのに、なんでそんなことを言われなくてはいけないのか。


 しかも、ホームへの入居が決まった後、義母が飼っていた中型犬を我が家で引き取ったのですが、大学生のひとり娘は動物が苦手で、猛反発を食らってしまい……」


 その後、義母は末期がんの診断を受け入院。今年の1月に息を引き取った。

「葬儀では義母の兄弟から『私たちの了承を得ないで何もかも勝手に売られた。環境が変わらなければ静かな余生を送れたはずだ』と責められました。顔と名前が一致しないような親戚ですが、この5年のさまざまな我慢が頭をよぎり、怒りを抑えるのに必死でした」(同前)


 ファイナンシャルプランナーの井戸美枝氏はこう指摘する。

「財産の管理や処分に娘婿が関与すると、思わぬトラブルに繋がります。娘である妻は夫に頼りがちですが、婿は周りの親族から『娘婿が入れ知恵した』などと悪者にされるケースが少なくない。


 また、施設に入居する際に義親の『身元引受人』になると、支払いが滞った場合は責任を負わされる上、施設に居られなくなる状況になれば義親を引き取らなくてはならないことも。義理の親の問題に口出し・手出しをする際は慎重な判断が必要です」

“おひとりさま”の終活を考える 老後リスクと死後の手続き


おひとりさまの老後リスクとは

終活を始めたらやるべき7つのこと

死後の手続きを他人に頼む場合には

ファイナンシャル・プランナー 山田静江プロフィール

吉田拓郎が明かす夫婦の終活 妻・森下愛子は「1年前に引退」


「これからの老老人生、ふたりで協力して、できれば明るく、できれば平穏に、できればより長く、助け合って生きていこうと思っています」──4月9日、吉田拓郎(75才)は自身のラジオ番組で、1986年に再々婚した妻・森下愛子(63才)との“老後“を口にした。

 吉田は長きにわたり病と闘い続けてきた。2003年に肺がんが見つかり、肺の3分の1を切除。2007年にはブログで《更年期障害、ストレス、うつ病の入り口》と告白し、さらに2014年には、のどにがんが見つかった。そのたびに森下は、女優業をセーブするなどして吉田をサポートしてきた。結婚35年を迎えたおしどり夫婦は、最近よくこんな話をしているという。

「どちらかが寝たきりになったらどうするか、という話をしているんです。いざというときのために、いまから何をすべきか話し合っているようです」(吉田の知人)

 実際、ふたりはすでに“終活”を始めていた。

「森下さんのテレビ出演は、2017年のドラマ『監獄のお姫さま』(TBS系)が最後。そんななか久しぶりに彼女の出演が噂されたのが、先日放送されたドラマ『俺の家の話』(TBS系)です。脚本家の宮藤官九郎さん(50才)と主演の長瀬智也(42才)さんとは、何度も共演した仲。長瀬さんがジャニーズを退所する前の最後の作品なので、森下さんの出演も期待されていた。ですが、それはかなわなかった」(芸能関係者)

 その理由は冒頭のラジオで判明した。吉田が「森下愛子さんもね、1年前からすべてのドラマの撮影の世界からのリタイアを決断しておりまして」と、森下の“引退“とも取れる発言をしたのである。

「拓郎さんの闘病生活を支えるなか、新型コロナという社会の変化もあって決断したようです。森下さんだけじゃありません。近く、夫婦揃ってリタイアする意向のようです」(前出・吉田の知人)

 昨年7月、吉田は今夏のツアーをもってライブ活動に終止符を打つと発表した。しかし、新型コロナの感染が拡大する状況を鑑みて、開催の中止を決定。代わりに吉田が“人生の集大成“と位置づけているのが、ラストアルバムだ。

「このアルバムは、親交のあるKinKi Kidsの2人も、何らかの形で参加する予定になっています。リリース時期は未定ですが、拓郎さんは『解放されたい』とよく言っているので、そう遠くないタイミングで出すと思いますよ。すでにアルバム発売後は“完全なるリタイア“を宣言されています」(音楽関係者)

 夫婦は終活だけでなく、死後の話までしているという。

「ちょっと気が早い話ですが、拓郎さんは自分が死んだ後に、『追悼番組』が放送されることが嫌なんです。拓郎さんクラスになれば、各局が追悼番組を組むのは当然。その番組に友人や知人が出て、いろんな思い出話をされるのが嫌だそうで……(笑い)。

 拓郎さんは森下さんに『追悼番組の打診が来たら、絶対に断って!』とお願いしたそうです。すると森下さんが、『ベラベラしゃべりそうな人よりも、あなたが長生きすればいいじゃない』と返したとか」(前出・吉田の知人)

 吉田はこのエピソードをラジオ番組で披露し、「よ~し、長生きしなきゃな!」と、声を弾ませた。死後のことまで楽しく話せる吉田夫婦。この夫婦が芸能界の一線からリタイアするのは残念だが、晩年はふたりの時間を楽しんでほしい。

※女性セブン2021年4月29日号

老親の再婚で多発する「財産・介護・墓」トラブル防止法


もしも親が「再婚したい」と言いだしたら……。子どもとして複雑な気持ちに加え、老親の再婚には財産や介護などさまざまな問題が。トラブルを防ぐ方法を聞いたーー。

高齢者の再婚が増えている。国立社会保障・人口問題研究所によると、70歳以上の再婚数は’00年の1,718件から、’18年には3,955件と倍以上に急増中だ。

「60代から70代になると、外出が減り、一気に人と会う機会が少なくなります。そんな日々を過ごす70代の方が“あと10年、20年は生きられる”と思うと、一緒に食事をしたり、旅行したりと、人生を豊かに過ごせるパートナーを求める気持ちが生まれるんですね」

こう語るのは、中高年からシニアの婚活支援、結婚相談を行う「茜会」の後藤礼美さんだ。

「本当に元気なご高齢者は多く、茜会に登録されている最高齢の女性は82歳で、男性は86歳です。恋愛することは生きる活力と心の安らぎを与えるので、みなさん、とっても若々しくなります」

ただし、高齢の親の恋愛を素直に喜べない子どもも多いというのは、夫婦問題コンサルタントでファイナンシャルプランナーの寺門美和子さんだ。

「40代、50代の方からの、親の恋愛・再婚に関する相談は年々増加傾向にありますが『いい年して、はずかしい』『いきなりあらわれた再婚相手に、財産の半分も持っていかれるのは嫌だ』と、拒否反応を示す方が多いです。しかし、私たちも若いころ親から反対されて経験したように、恋愛は反対されればされるほど燃え上がるもの。思わぬトラブルに発展することもあります」

東京都在住の堀内美恵さん(56・仮名)も、その一人だ。

「11年前に母を亡くし、その1年後に父がまさかの再婚宣言。父とは母が亡くなってからずっと不仲だったので“もう他人だし、関係ない”と、音信不通状態でした」

ところが昨年、父が遺言も残さず、脳梗塞で急逝。ほとんど会話もしたことのない後妻と、相続の話を進めることになった。

「最初は大人同士だしなんとかなるだろうと思っていたのですが、いざ話し合いとなると、後妻は『金融資産はほとんどない』と言い張り、開示を拒否。私たち家族の思い出がつまった実家も、あっさり売却すると言いだし、大もめに。裁判をしようにも、裁判費用のほうが高くつくし、10年近く、父に寄り添ってくれたのは事実。結局、家の評価額2,000万円に対して、半分の1,000万円を現金で後妻に支払い、実家の権利を手にしました」

父親との音信不通状態を放置したために起きてしまったこのケース。生前、財産分与に関して話したり、遺言を書いてもらえていれば、このような事態は防げたはず。

こうした事例は、誰もが直面する可能性があるからこそ、寺門さんのアドバイスに耳を傾けたい。

「大前提は、ふだんからコミュニケーションをしっかりとること。親は自分の恋愛を積極的に話しません。『1人で寂しくない?』『いい人、いるの?』と聞いて、話しやすい雰囲気を作りましょう。急に身なりがきれいになるなど、変化を見抜くことも重要。交際相手がいることがわかっても、冷静に対応し、信頼してもらうことです」

話ができる状況なら、財産問題にステップアップできる。

「財産トラブルを防ぐためには、事実婚を選択してもらうのがシンプル。でも、好きな相手にはお金を残し、責任を果たしたいという思いがある可能性も。その先にあるのは入籍です」

たった1人でも婚姻関係があれば、配偶者は財産の半分を取得する権利を得る。当人だけの問題ではなくなるので、入籍前に、家族全員で話し合い、納得する答えを見つけなくてはならない。

「不動産や預貯金などの情報を共有して、誰が管理し、親の死後、どうやって分けるのか、道筋を決め、遺言を残してもらうことです。問題は財産だけではありません。介護は誰がして、高齢者施設に入る場合の資金や葬式代は誰が払うのか、親や配偶者の墓をどこにするのか、なども含めて話し合ってください。当然、交際相手の家族と話すことも必要。相続診断士などを交えて、話し合いを行うことがおすすめです」

老親の再婚前に確認しておきたいことを、次のチェックリストにまとめたので参考にしてほしい。

【老親の再婚で多発するトラブルを未然に防ぐチェックリスト】

□ 再婚相手に子どもはいるか、いる場合連絡はとれるか
□ 再婚相手が借金、酒やギャンブル問題などのトラブルを抱えていないか
□ 親、再婚相手ともに兄弟姉妹との関係性はどのような状態か
□ 再婚相手の介護は誰が行うのか、親が先立った場合はどうするのか
□ 再婚相手の介護費用は誰が負担するのか
□ 親、再婚相手はそれぞれどこの墓に入るのか
□ 再婚相手の葬式、墓の費用は誰が負担するのか
□ 今後墓を誰が管理するのか
□ それぞれの資産(負の遺産も)は何がどれくらいあるのか
□ 遺産分割はどのような分配にするのか(遺言書の作成まで行う)

親の思いに耳を傾け、財産・介護・墓・葬式などトラブルを未然に防ごう。

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夫が「全財産を妻に」と遺言 それでも義母と義姉に相続させる必要はあるか


 遺産相続のトラブルを回避するために「遺言」は重要な存在だ。しかし、条件によっては、遺言に従うだけでは、不十分なケースもあるという。たとえば夫が「全財産を妻に」と遺言を残していた場合でも、夫の母が“遺留分”を請求できるというのだ。実際の法律相談に回答する形で、弁護士の竹下正己氏が解説する。

【相談】
 夫が病気で亡くなりましたが、遺産相続のことでもめそうです。義父はすでに他界していますが、義母と義姉がいます。私と夫の間に子供はなく、義母と義姉とは同居していません。夫の遺言書では、「私に全財産を相続させる」となっていますが、法律的には義母と義姉にも相続させないといけないのでしょうか。教えてください。(大阪府・55才・会社員)

【回答】
 ご主人の相続人は、子供がいないので、配偶者であるあなたとお義母さんです。お義姉さんは相続人ではありません。

 相続人が複数だと、本来は遺産分割協議が必要です。分け方の基準としては、配偶者と親が相続人の場合、法定相続分で、配偶者が3分の2、親が3分の1の割合となります。

 しかし、ご主人は遺産全部をあなたに相続させる遺言を残しているので、遺産分割協議は不要で全部を取得できます。

 不動産があれば所有名義をあなたに変更できますし、預貯金の引き出しもできます。

 しかし、お義母さんには遺留分があります。遺留分とは、被相続人の配偶者・直系卑属・直系尊属(*)が持っている相続に関する固有の権利で、被相続人が遺言や生前贈与によっても奪えない遺産の範囲です。

【*直系卑属=子・孫など自分より後の世代で、直通する系統の親族のこと。直系尊属=父母・祖父母など自分より前の世代で、直通する系統の親族のこと】

 遺留分の権利は、直系尊属だけが相続人の場合は法定相続分の3分の1、それ以外の場合には2分の1です。今回の場合、直系尊属であるお義母さんの法定相続分が3分の1で、配偶者とともに相続人ですから、遺留分は、その2分の1、すなわち全体の6分の1です。

 遺留分の具体的な金額は、まず実際の遺産の額に、死亡の10年前以後に相続人が生計の資本として贈与された財産(特別受益)の金額を加算します。ご主人が、お義母さんのために住まいを買ってあげたり、大規模の修繕費用を負担するなどしていれば特別受益ですから加算されます。

 また、あなたがご主人から賃貸不動産などを購入してもらっていれば同様です。

 お義母さんの遺留分の額は、遺産に特別受益を加算した額から相続債務の額を控除した残額に、遺留分の割合6分の1をかけた金額です。この額からお義母さんの特別受益の額を差し引いた残額がプラスであれば、それが遺留分侵害額です。

 お義母さんはご主人の遺言を知ったときから1年以内であれば、あなたに侵害額の支払請求ができます。

 相続人ではないお義姉さんと話し合う必要はありませんが、お義母さんから遺留分の申し出があれば協議する必要があります。特別受益の有無を含めて相続財産の範囲を確認しあうことからスタートして、遺留分の額を確定し、支払い方法を相談することになります。

 遺留分の計算は素人には簡単ではありません。遺留分の請求があれば弁護士に相談してください。

【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。

※女性セブン2021年3月18日号

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「私が介護したのに!」長女の不満爆発 4きょうだい泥沼遺産争いは継続中


「母の介護をしてあげた」できょうだい間のドロ沼裁判に

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 遺産を巡り家族や親族が争う「争族」が増えている。特に、きょうだい間で揉めた場合は、ひとたび関係に亀裂が入ると深刻化するケースは少なくない。税理士法人アイエスティーパートナーズ代表の高野眞弓さんは、「きょうだい全員の生活レベルが同じ程度ならいいのですが、所得格差が大きいと、余裕のない方が“もっとよこせ”と主張して、揉めることになる」と話す。


【表】動画配信サービス、ゴルフ会員権…他、家族の死後に知らないでいると払い続けてしまうお金23

 兵庫県芦屋市に約200坪の土地を持つ資産家の長谷川さん(仮名)の兄と姉もそうだった。長男、長女、次男、次女(長谷川さん)の4人きょうだいのうち、唯一未婚だった長女が母の面倒を見てきたという。「母の死後、長女が長年の介護疲れもあって不満が爆発。すでに80代にさしかかろうとしていた長男を味方につけ、実の弟と妹を相手に“平等なのはおかしい。私が多くもらうべき”と裁判を起こしたのです。


 母の遺言書などもなかったため、裁判は5年近く続きました。皆高齢なので、裁判に疲弊してきて……そのうち、実家に関しては、“公示価格(国土交通省が定める地価)分のお金を長男と長女に全額渡す”ことを条件に裁判は取り下げられ、貯蓄などのほかの遺産は均等に分けることに。これで解決したかに見えました。


 しかし、今度は第三子である次男が、私に『姉さんたちを黙らせてやったんだから、お前の取り分の遺産はおれがもらっていいはずだ』と言い出したんです。実はその頃、長女が母と住んでいた家から出て、代わりに次男が住んでいました。それで家を売ることができず、次男はそこに住みながら借金をして上の2人に渡すお金を工面してくれました。ですが……」(長谷川さん)長谷川さんは、現在も兄である次男と“持久戦”になっている。このややこしいきょうだいげんかについて、相続終活専門協会理事の貞方大輔さんはこうみる。


「母親が生きているうちに自宅を長女のものにしておけば、こんなに揉めることはなかったでしょう。ただ、そのまま長女だけに自宅の名義を移しても、この家族ならおそらく後にまたトラブルになる。表面上は長女が買ったことにして、母親が自宅とは別にマンションを用意してあげるなどしておけば、ここまで大きな争いにならずにすんだのではないでしょうか」

※女性セブン2021年3月11日号

終活を意識した片づけ5つのルール 50代から始めれば定年後も快適


新型コロナウイルスに感染し、急死してしまうケースもある昨今。終わりはいつやってくるかわからないことを考えれば、残される者たちのために早くから「終活」をしておくことは重要である。

 終活といえば、財産やお墓に関する決め事だけでなく、身の回りの物の「片づけ」も忘れてはならない。でも、整理や片づけは億劫なもの。思い切って始めても、無理なスケジュールを立てると、途中で挫折するケースもあるだろう。そうならないための整理法を専門家に学びたい。

◆50代こそがベストなタイミング

 終活には手続きに時間がかかるものもあり、50代からコツコツと始めた方がいい。しかし、子供は学生で夫婦は働き盛りの年代だ。まだ早いと思う人いるかもしれないが、整理や片づけはこれからの人生を快適に安全に暮らすためのものなので、むしろ、早ければ早いほどよいと、整理の専門家で、「くらしかる」代表の坂岡洋子さんは言う。

 坂岡さんは、ケアマネジャーとして介護現場で働いてきた経験から、老いてしまう前の整理“老前整理”についての必要性を説いてきた。「整理には、気力、体力、判断力が必要です。60代を過ぎると、これらのパワーが低下してしまうので、整理を続けるのが難しくなるのです」(坂岡さん・以下同)

 高齢者の家がいつの間にかゴミ屋敷になってしまうのも、それが原因なのだろう。

「老前整理の目的は、モノを捨てることではありません。この先、自分はどんな環境でどのような暮らしがしたいのか──つまり老後のライフスタイルを考えながらモノを整理していくことにあります。夫や自分の定年後の暮らしを考えながら少しずつモノを整理していくには、50代こそがベストなタイミングなんです」

 下記5つのルールを守れば、老前整理はしやすいという。いずれも無理をしたり、途中で挫折したり、後で後悔したりしないためのルールだ。気負わずにできるところから始めてみよう。

【終活を意識した片づけ5つのルール】

一、一度に片づけようとするべからず

 老前整理は、これからの人生を考えて進めなければならないため、かなりのエネルギーを要する。一気にやろうとすると疲れて挫折する可能性が大きい。気負わずに始め、毎日の習慣になるよう、少しずつ続けるのが理想的だ。

二、完璧を目指すべからず

 最初からルールを決めて完璧を目指そうとすると、なかなか着手できなかったり、いざ始めても思うように進まなかったりする。好きな音楽を聴きながら整理するなど、ゆるく続けよう。いつの間にか家の中がすっきりしていたという具合に、ほどほどに行うのがベスト。

三、家族のモノを勝手に片づけるべからず

 夫婦といえども人のモノを勝手に処分するのはトラブルのもと。例えば夫の趣味のコレクション。妻には価値のないモノに見えるだろうが、夫にとっては宝物だ。独立した子供のモノについても本人の許可を得て処分すべし。

四、片づける前に収納用具を買うべからず

 収納スペースを増やすと、それに合わせてモノも増えてしまう。あくまで、いまある収納に収まる量を目指そう。

五、「使える」と「使う」は違うと、肝に銘じよ

「いつか使うかもしれないから捨てられない」というのは、片づけにありがちな悩みだ。身の回りにあるものを眺めてみて、「使える」「使えない」で判断したら、ほとんどのモノは「使える」だろう。問題は、実際に「使う」かどうか。過去何年も使っていないものは迷わず処分を。

◆整理しにくい服や写真などから始めよう

 とはいえ、具体的にまず何から取り掛かればいいのか迷うもの。坂岡さんのセミナー受講者約100人にアンケートを取ったところ、洋服、写真、思い出の品などが、片づけに着手しにくいものとして挙げられた。しかし、こういったものこそ先に手を打っておいた方がいい。

「50代は、まだまだモノが増えがちな年代。そこをあえて減らしていくのは難しいと思います。例えば洋服なら、1着買ったら1着捨ててみてはいかがでしょうか。それなら、減らないまでもこれ以上増えません」

 どうしても捨てられないなら、フリマアプリなどを利用して処分するのも手だ。しかし、モノを売ることを考えるなら、余計に早く手配した方がいいという。

「モノにも“消費期限”があるからです。売るのであれば、買う側にとって価値のあるものでなくてはなりません。そのためには、コレクション的なモノは別として、できるだけ流行遅れにならないうちに手放すのが賢明です」

 そのほかの捨てにくいものの整理・処分方法は次のページで詳述する。手の掛かるものから先に取り掛かった方が、後々どんどん楽になるし、暮らしもシンプルになるはずだ。

◆自分の性格に合った片づけ方を学ぼう

 続けやすい片づけ方として、坂岡さんに次の3つを提案してもらった。この中から自分に合ったやり方を選ぼう。

・時間を決める

 1日15分など、所要時間を決めて、毎日同じ時間帯に行うと長続きしやすい。

・片づける場所を決める

 例えば、「1日1段」と決めて洋服だんすを整理する。洋服だんすが終わったら、次は整理だんす、クローゼットという具合に進めていく。

・片づける数を決める

 例えば1日3個、不用品を処分する。インクの切れたボールペン、切れた電球、かけた皿など、考えずに処分できるものから始め、慣れたら、次はサイズの合わない服や読まなくなった本など、少し考えないと捨てられないモノに移行していく。

「モノが整理されると、心も晴れやかになるもの。また、人生の主役がモノではなく自分であったことにも気づかされます」(坂岡さん)

 整理後は、モノを増やしたくなくなるため、無駄なものは買わなくなるという。人生観やライフスタイルにまでよい影響を与える「終活」なら、すぐにでも習慣化したい。

取材・文/上村久留美
※女性セブン2021年1月28日号

子どもに家を残したいなら「賃貸」で家賃収入を得るべし


2,000万円必要といわれる“老後のお金”問題を解決するために、資産の切り札である「持ち家」を活用する手段を紹介。“老後の理想の暮らし”を思い描きながら、持ち家の活用術について考えてみようーー。「年をとったら家をバリアフリーにリフォームしたい」「将来は高齢者住宅に住み替えたい」などと、セカンドライフの希望はたくさんあるが、ネックとなるのが“お金”。特にコロナ禍の今、収入が減少して老後の資金計画が狂ったという人も少なくない。

「定年後、主な収入源は公的年金のみとなってしまいます。手元資金を使ってリフォームや建て替え、住み替えをするとその後の生活に支障をきたしてしまうことがあります。また、保有している資産は主にマイホームだけ、という人は意外と多く、“持ち家”を活用してセカンドライフの希望をかなえる方法に注目が集まっています」

そう語るのは、ファイナンシャルプランナーの菱田雅生さん。自宅を売却する意思はなく、子どもに家を残したいという人は、賃貸で家を貸して、家賃収入を得る方法がある。

【賃貸のしくみ】

(1)利用者が不動産会社、移住・住みかえ支援機構などに自宅の賃料査定を依頼
(2)不動産会社、移住・住みかえ支援機構などが入居者を募集する
(3)入居者が、不動産会社、移住・住みかえ支援機構などに家賃を支払う。または入居者が利用者に直接家賃を支払う
(4)不動産会社、移住・住みかえ支援機構などが、利用者に管理手数料を差し引いた賃料を支払う

【賃貸が向いている人】

・高齢者住宅に引っ越しても、自宅は手放したくない

【賃貸のメリット】

・持ち家を賃貸で貸すので、毎月賃料収入が得られる

【賃貸のデメリット】

・空き家になると賃料収入が得られなくなるリスクがある
・固定資産税を払い続ける
・メンテナンス費用がかかる

持ち家を活用した、セカンドライフの夢のかなえ方を菱田さんに教えてもらった。

【ケース】子どもに家を残したいC子さん(70代後半)

一軒家に一人で暮らすC子さんは、高齢者施設に移り住みたいと考えていた。「家は子どもに残したいので、できれば売りたくないのですが、高齢者施設に入るお金がどうしても足りない。入居一時金がいらない『サービス付き高齢者向け住宅』でも、月々の費用が、あと5万円ぐらい足りないので、いい方法はないか考えています」(C子さん)

自宅は子どもに残したい、でも自分は高齢者施設に移りたいという人には、自宅を賃貸で貸し出す方法を菱田さんはお勧めする。「C子さんの年金では、サービス付き高齢者向け住宅に毎月支払う費用が5〜10万円ほど足りません。自宅を賃貸として貸し出して、家賃収入をプラスすると、入居が可能になります。若い世代は不動産を持たない人が増えていますので、ファミリー向けに戸建てはニーズがあります」(菱田さん)

賃貸住宅には空き家になったときに、家賃収入が得られなくなる「空き家リスク」があるが、一般社団法人移住・住みかえ支援機構の「マイホーム借上げ制度」は、空室が発生しても家賃が保証される。利用の対象となる住宅は、住宅ローンが完済して、かつ耐震基準を満たしているなどの条件があるのでチェックしてみよう。

コロナで進む葬儀の価格破壊 「自分で直葬」なら実質1万円のケースも


 収束の兆しが見えない新型コロナウイルスは、葬儀の常識をも変えてしまうのかもしれない。

「これまでの葬儀といえば、70人や80人規模は普通。一般人でも大企業に勤めた人なら100人以上の参列者が集まることもよくありました。ところが、コロナ禍で30人程度の家族葬が主流になりつつあります。大掛かりな葬儀はなくなり、“シンプル、コンパクト、スピーディー”が求められるようになっています」(葬儀業界関係者)

 今後もこの流れが続いていくとみられている。実はいま、葬儀業界では小規模化が進むと同時に「価格破壊」も進んでいる。

「10月中旬、Amazonで棺がたったの2万円で買えると話題になりました。葬儀はたくさんお金がかかるものというイメージが強いので、注目が集まったのでしょう。同時に、葬儀業者を通さずに自分たちで準備すれば、格安で葬式ができるということも広まりました。手作りの葬儀なので出席できる人数は限られますが、いまは新型コロナの影響で従来のように大勢の人が集まる形式が敬遠されています。そうした背景も影響しているようです」(前出・葬儀業界関係者)

 実際にインターネットで検索してみると、手作りの葬儀に必要なアイテムを販売している複数の業者が確認できる。その中の1つ、棺や骨壺などを『DIY葬セット』として2万8380円(税込)で販売しているつばさ公益社の代表・篠原憲文さんは、意図をこう説明する。

「自分たちの手で行える“お葬式キット”を販売することで、中間マージンを排除して最安価格での葬儀を行えるようサポートしています。2018年から販売を始めましたが、販売数は徐々に増えていて、現在では毎月数名のかたが購入されています。セットではなく、棺や骨壺のみを単体で購入されるかたも増えていて、葬儀のカタチが多様化していることがうかがえます」

 葬儀にはいくつかの形式がある。家族や親族はもちろん、生前お世話になった多くの人が参列し、火葬前に通夜・告別式を行う「一般葬」、家族や限られた親族・友人らだけで通夜・告別式を営む「家族葬」、通夜や告別式を行わずに火葬場に直行する「直葬」などだ。

「一般葬」の場合、規模にもよるが費用は200万円程度。「家族葬」も親族の人数によって差があるが80万~150万円、直葬は10万~30万円が相場といわれている。自分たちで手作りの直葬を行えば、葬儀業者への支払いがない分、さらに費用を抑えることができる。

 今年8月に母(享年83)をがんで亡くした木村健司さん(仮名・50才)は、実際に自分で直葬を済ませている。

「5年前に80才で他界した父のときは、一般葬で送り出しました。棺や祭壇も葬儀業者に任せて、費用は220万円ほどかかりました。それを見ていた母は、日頃から“私が死んだときは、お金がかからない方法でやってほしい”と口にしていたんです。そこで母が闘病生活に入ったときにいろいろと調べ、自分でやれば10万円もかからないことがわかったんです。

 母に通夜も告別式もしないことを相談すると、母は“それで充分”と言って賛成してくれました。“そろそろかな”と覚悟したタイミングで、棺などをインターネットで購入しました。最終的にかかった費用は、火葬場の使用料なども入れて8万円ほどでした。それに自治体の補助金7万円を受け取ることができたので、実質は1万円ほどでした」

 木村さんの場合、一般葬の相場と比べ、約200万円も節約できたことになる。

 故人が国民健康保険や後期高齢者医療保険に加入していた場合、申請により「葬祭費」という補助金が支給される。自治体によって金額は異なるが、東京都23区の場合は一律7万円。しかし、「葬祭費」はあくまで「葬祭」に対する給付のため、葬祭を行わない火葬だけの直葬には、支給しない自治体もある。例えば杉並区のホームページには、《火葬のみで、葬儀を行っていない場合には支給されません》との注意が明記されている。事前の確認が必要だ。

◆シーツを使って遺体を搬送

 家族だけの手作り葬に、金銭面のほかにもメリットを感じた人もいる。10月に父を亡くした、近藤千春さん(仮名・63才)だ。

「父はボートレース場の近くに一戸建てを購入したほどの、ボートレース愛好家でした。入院中も“家に帰りたい”“レースの音が聞きたい”と口にしていたので、医師に“もう長くない”と告げられたときから、亡くなった後は自宅に安置してあげたいと考え始めました。コロナの影響で葬式をしっかりできる状況でもなかったので、通夜や告別式を行わない“直葬”でもいいのではないかと思ったんです。そのことを父に伝えると、父も“それがいい”“自分は読経も戒名もいらない”とのことでした。家族だけで葬儀の準備をすることに決めました」

 遠くに住む父のきょうだいたちも、「自分も年で葬儀には行けないから、全部任せる」と言ってくれたという。

 亡くなってからは、予定通り父の遺体を近藤さんの車で搬送して自宅に安置した。

「火葬までの間、父が大好きな自分の家で一緒に過ごすことができてよかったと思います。棺には父が大好きだったボートレースの予想紙や、孫やひ孫の写真、たくさんの花を一緒に入れました。“告別式もしないなんて、寂しすぎない?”という近所の人もいましたが、その一方で、“みんなで準備して、最後もゆっくり家族だけの時間がある。私もこういう送られ方がいいな”なんて言ってくれる人もいました。父も満足してくれたのではないかと思っています」(近藤さん)

「終活」大倒産時代へ 葬儀積立金消失、廃寺、納骨堂閉鎖のリスク


 収束の見通しが立たない新型コロナの影響は、医療・介護などの“終活業界”に暗い影を落としているが、葬儀にも、コロナ禍の影響が及んでいる。

 葬儀ブランド「小さなお葬式」を運営するユニクエストが4月に行なったアンケート(全国86の葬儀社が回答)では、9割の葬儀社で「緊急事態宣言に伴い葬儀の規模や内容が変化した」という。「通夜告別式をしない『直葬』が増えたと答えた葬儀社は5割、1日以上かかる葬儀が減ったと答えた葬儀社は4割弱でした」(ユニクエスト広報担当者)

◆葬儀の積立金が水の泡に

 縮小傾向にあった葬儀はコロナにより小規模化が加速している。利用者にとって深刻なのは、収益が悪化した葬儀社の倒産だ。たかほう葬祭(東京都)の浜島貴一社長は警鐘を鳴らす。

「生前から積み立てる互助会形式の大手葬儀社が潰れた場合、会員への影響が大きい。子供らに迷惑をかけたくないと、互助会に入ったにもかかわらず、倒産で積立金を失う恐れがあります」そうしたリスクを避けるために、事前にいくつかの葬儀社をリストアップしておきたい。「1社に絞らず、いくつか調べておくことが安心につながります」(同前)

◆住職不在で「廃寺」に

 全日本仏教会が4月に全国364か寺にアンケートを行なった結果、77%が前年に比べて収入減少と回答。約2割は「80%以上減収」とし、「葬儀」などと関係する寺院を取り巻く事態は深刻だ。「過疎地域ではコロナ禍の影響で月参りや法事の中止が相次いでいる。お寺の倒産にあたる『廃寺』の増加も懸念されています」(全日本仏教会関係者)

 廃寺が増えると、何が起きるのか。柳谷観音大阪別院・泰聖寺の純空壮宏住職はこう指摘する。「全国7万か寺のうち、住職のいない無住寺はおよそ1万か寺に上り、年々増えています。無住寺はいずれ廃寺として宗教法人を解散します」

 菩提寺がなくなれば、葬儀の際のお経の依頼にも困る。そうなった時に慌てないため、日頃から菩提寺の経営状況をチェックしたい。前出・純空住職はこういう。「寺院の経営は、会社で言う社長、つまり住職の手腕次第です。来訪者への対応などから住職の人柄、資質を見極めるともに、本堂や庭、墓地の手入れもチェックしたい。境内に線香の匂いがしていれば、参拝者が多いということがわかります」

◆納骨堂閉鎖でお骨だけ返送

 日本石材産業協会が墓石小売店99社に行なったアンケート(4月実施)によると、「前年同時期に比べて来店数が減った」との回答が78社(78.8%)に上った。その理由として71社が「新規建墓数の減少」と答えている。墓石店オーナーが語る。「昨年の消費税増税前の駆け込み需要の反動があるなか、コロナが追い打ちをかけた。墓石の購入や納骨がコロナで先送りになり、資金繰りとしては厳しくなっている」

 一方で墓石業者が関係しないのが建物内で遺骨を保管する「納骨堂」だ。「草むしりや掃除などのメンテナンスが不要。暑さや寒さ、風雨がしのげて、高齢者でも一年中お参りしやすいという点が人気です」(葬儀・お墓・終活コンサルタントの吉川美津子氏)

 ただし、納骨堂にも心配はある。

「納骨堂は都市部を中心に需要があるが、特に大型の納骨堂については地方では採算がとれず、倒産するケースも出ている。万が一倒産した場合、納骨したお骨は返ってくるが、購入費用や永代供養などで払ったお金は返ってこない。経営の実態をよく見定める必要があります」(前出・吉川氏)

「生前整理」は40、50代こそ始めどき 人生のやり残しに気づくメリットも


生きているうちに身辺や財産の整理をする「生前整理」。今や20、30代でもやっている人がいるそうです。亡くなった後に死後整理を行う人の負担が減るだけでなく、次世代への相続や引き継ぎに関して行っておくべき問題点に気づき、自分の人生の「やり残し」が回避できるという利点もあります。

生前整理とは
生前整理とは、生きているうちに自分の財産や持ち物などを整理して、不要なものや遺族が処分に困るものをあらかじめ処分しておくことです。ブームにもなっている「断捨離」という言葉が示すように、「もの」を捨てたり誰かに譲ったりして「減らすこと」が大きな目的となります。処分できなかったものについて、どれをどのように処分するかを誰かに依頼しておくことも、生前整理といえるでしょう。人生後半期に向けた身じまいです。

また、高齢になって子どもと同居したり、高齢者住宅や介護施設等に入居したりするときには、現在の家にあるものをすべて持っていくわけにはいきません。家の中がゴミ屋敷のようになってしまって、自分や家族が生活しづらい場合や、介護する人が困るという場面もあるでしょう。これらのように死後に備えるのではなく、生前に必要に迫られて荷物の処分を行うことを「生前整理」と呼ぶ場合もあります。こちらは時間との戦いです。深く考えずにバッサリと切り捨てる覚悟が必要です。

生前整理はある意味、長年の暮らしを変えることでもあります。死後の準備であるとともに、人生後半期の生活を考えるという点で、終活の中では、どんな人にも関係が深い分野です。生前整理には体力・気力が必要なので、高齢になってからではなく40、50代世代の人こそ、始めておくべきことといえるでしょう。

生前整理を行うにあたって
実際に生前整理を行うときの手順について見ていきましょう。

1.「もの」の整理
まずは片付けがしやすい「もの」から整理していくといいでしょう。死後整理という観点で処分に困るものとして、その人の想いがこもっているもの、例えばアルバムや写真、書籍・ビデオ・CD・DVD、趣味のもの、日記や手帳、衣類やカバン、食器類、などがあります。

それぞれを、次のように分けていきます。

(1)現在使っているもの ⇒ 原則として死後は処分
(2)手元に置いておきたいもの ⇒ 原則として死後は処分
(3)誰かに残したいもの・価値があるもの ⇒ 誰かに譲る
(4)すぐには決められないもの ⇒ 原則として死後は処分
(5)使っていないもの ⇒ すぐに処分

このように分けていくことで、ものに対する自分の愛着度を知ることができます。(5)は順次処分しましょう。家の中をすっきりさせることで、生前整理のメリットを感じられるからです。(4)は箱などに入れてしまいます。ものを減らすという目的であれば、(4)を随時見直して処分することが大切なので別にしておきます。(3)については、譲るのは「今」なのか「自分の死後」なのか、考えてみましょう。そして(1)(2)のうち、自分の死後に誰かに譲りたいものは、そのことを伝えておきましょう。

ものを片付ける中で、過去のこと未来のこと、そして現在の自分について考えることと思います。そういった想いや伝えたいことをエンディングノートなどに書いておきます。書くことにより、自分の想いをまとめることができます。

亡くなった後にはその人の考えていることが全くわからなくなるので、このようにものを仕分けして、自分の考えを家族等に伝えておくだけでも、家族や相続人の負担は減ります。処分するかどうか、迷うことが少なくなるからです。

人の寿命は予想することができません。高齢者だけでなく、40代50代の現役世代の方にも、生前整理を行う上では、遺された家族等の負担を減らすことを心掛けていただきたいと思います。

2.デジタル機器など
最近の相続、遺品整理で問題になっていることの1つに、「デジタル遺品」の処分があります。デジタル遺品とは、パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器と、デジタル機器内やインターネット上に保存されている情報やデータ、そしてプロバイダ・SNS・会員サイト・購入サイトの契約などです。中でも注意すべきは、情報やデータです。

こういった情報やデータは消したつもりでも簡単に復元できることがあります。完全に消去するには機器そのものを破壊し、場合によっては専門家の助けが必要となります。また、SNS等の解約には故人のIDやPWが必要なこともあります。

デジタル関係の生前整理としては、まず、所有しているデジタル機器や契約等を一覧にまとめておくといいでしょう。使っていない契約はできるだけ解約しておきます。重要な情報やデータがあるデジタル機器やサイトについては、確実に処分されるよう家族などに依頼しておくことが大切です。

IDやPWを託すときには、手書きでは間違えたり判別できなかったりすることもあります。できるだけ、パソコン等で入力したものを残しておくといいでしょう。IDやPWなどの情報は、生前は他人に知られない場所に保管し、死後には処分する人に伝わるようにしておくことが大切です。信頼できる人に託す、貸金庫などに保管しておく、専門の業者に委託するなどの方法が考えられます。

3.高齢者施設等への入居に伴う生前整理
この場合は、ものは最小限に減らさざるを得ません。これからの生活で実際に使うものや、どうしても手元に置いておきたいものだけをピックアップする作業が必要です。

そうは言っても、長年の暮らしでなじんできたものを、すべて処分するのは寂しいものです。「好きなものに囲まれて暮らしたい」という気持ちを尊重することも大切です。使っていないから、不要だからと何もかも処分させるというのは、その人のためになりません。

そういう時には、持っていけないもので処分したくないものは、トランクルームやレンタル倉庫などに保管しておくという選択肢もあります。たとえ、現実的には二度と見ることや使うことがないものでも、いざというときには取り戻せるという安心感につながります。

生前整理をプロに頼む場合の費用
高齢になると生前整理をすべて自分で行うのは大変です。高齢の親の生前整理の場合には、可能であれば家族が、それが難しい場合は生前整理の専門家や生前整理業者に頼む方法もあります。

生前整理を依頼者と一緒に行う専門家(整理収納アドバイザーなど)に頼む場合には、アドバイス料・コンサルタント料は、おおむね日額1万円程度からです。複数人の手助けが必要であれば人数分の金額がかかると考えてください。不用品の処分は自分でゴミ処理場に持ち込むなら無料あるいは少額の手数料で済みます。自治体によっては取りに来てくれる場合もあるので、確認してみてください。処分を業者に頼む場合には量によって数千円から数万円かかります。

自宅を処分して高齢者施設等へ入居するために、家具も含め室内のものをすべての処分を依頼する場合には、数万円~数十万円かかります。遺品整理業者が生前整理業務も行うことが多いので、遺品整理の費用とほぼ同じくらいと考えてください。

遺品整理の場合、それほど大きくない家でも、押し入れなどにものが詰まっているような状態であれば、20万~60万円くらいの費用はかかるのが現実です。生前整理で少しずつものを減らしておくことは、遺品整理にかかる費用を減らすことにもつながります。

プロに頼むには高額の費用がかかるので、事前に複数業者から見積もりを取り、どこまでやってくれるのか、しっかり確認しておきましょう。

生前整理をする中で見えてきた課題をどうするか
生前整理には、相続など自分が亡くなったあとのことを意識するようになるという効果もあります。生前整理を行ったことで見えてきた課題は、その分野の専門家に相談してみるといいでしょう。相続では勘違いが悲劇を生むこともあるので、遺言を書く、相続税対策を行う、などの相続対策の必要性を感じたら、弁護士や司法書士、税理士、その他相続の専門家などのプロのアドバイスを受けることをお勧めします。

親に相続の話を切り出すのは財産狙いかと思われるようで難しい、という声を聞きます。逆の立場で自分がお子さんから「相続の準備をして」とだけ言われたら、嫌な気持ちになるのではないでしょうか。

そういうときには、まず自分が生前整理を行い、その経験を活かして親の生前整理を手伝ってみてはいかがでしょうか。生前整理によってこれからの暮らしの見通しを立ててもらった後でなら、スムーズに相続のことも話し合うことができるかもしれません。

(記事は2020年10月1日時点の情報に基づいています)

ファイナンシャル・プランナー 山田静江プロフィール
大学卒業後、銀行や会計事務所、独立FP会社勤務を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立。得意分野は医療・介護、相続・エンディング・ノートなど。

墓参りは遠いし、お金も手間もかかって正直大変」 お盆に考える、”墓じまい”の進め方 持続可能な供養とは


少子高齢化や世帯構成の変化で、先祖代々の墓を守り続けることが難しくなっています。こうした背景から、近年増えているのが「墓じまい」です。今ある墓から先祖の遺骨を取り出して、別の墓に引っ越しをすることで「改葬」ともいわれますが、中には遺骨を自宅に置いたり散骨をして自然に還す人もいます。墓じまいのことを知っておきませんか。

「先祖の墓を守っていた親の死をきっかけに、墓じまいを考える人が多い。特に実家を離れて遠方で暮らす人にとっては切実な問題です」と話すのは、墓じまい代行「ミキワの墓じまい」(埼玉県)の代表・吉野操さんです。「親を見送った後、遺骨を遠い実家近くの墓に入れてしまうと、墓参りもままなりません。自分の代だけならともかく、将来こうした責任を子や孫に負わせることを想像した時、墓じまいを考え始める人が多いようです」(同)

先祖代々の墓を跡継ぎが守っていくという習慣は、子どもが実家を継いでその地域に住み続けるのが前提で成り立っていました。しかし現在は、単独世帯や夫婦のみの世帯が全体の過半数を占めるようになり、墓を守り続けることが難しくなっています。実際、厚生労働省の「平成30年度衛生行政報告例」によると、墓じまい(改葬)は11万5384件、10年前の調査から約1.6倍増加しています。

先祖代々の菩提寺とのやりとりでトラブルも
墓じまいをするには、現状の墓がある市区町村役場の許可が必要で、その際に墓の管理者である霊園や寺院の埋葬証明が求められます。具体的には、役場から取り寄せた「改葬許可申請書」の墓地管理者の証明欄に記入してもらうというもので、霊園であれば事務的に対応してもらえますが、菩提寺の場合、トラブルに発展する例が見られます。住職が記入を拒否したり、数百万円といった高額な「離檀料」を請求するケースがあるのです。

日本葬祭アカデミー教務研究室の二村祐輔さんは、その背景をこう解説します。「菩提寺にとっては墓じまいは檀家が離れることであり、護寺会費など収入が得られなくなることから、こうした対応に出てしまうと考えられます。本来、寺院に拒否する権利はありませんが、こじれると裁判に発展するケースもあります」

寺院の許可は必要ないとはいえ、申請書に記入してもらわなければ、原則として役場は許可を出しません。二村さんは「記入して当然という態度をとったり、感情的な言い争いをしてもいいことはありません。まずは長年の供養に感謝し、お墓の維持について困っていることを伝えましょう」とアドバイスします。

「話し合いがこじれて墓を放っておかれると最終的に困るのは寺ですから、高齢で体力的にも経済的にも難しくなったとか、老人ホームに入るとか納得できる事情を説明すれば、多くの場合は応じてもらえるはずです」(二村さん)

条件として離檀料を求められるケースもあり、その金額で折り合いがつかないこともあります。離檀料とは、これまでお世話になった寺に対しての感謝の意を表すものです。ただし、お墓を建てるときの契約書に離檀料についての取り決めがない限り支払義務はありません。寺によっては受けとらないところもあります。

前出の吉野さんは、「一般的な寺なら3~5万円程度が相場かと思いますが、格式の高い寺だと20~30万円というケースも多い」といいます。それを大きく超える額を求められた場合は交渉の余地がありますが、収入を失う寺側の事情も理解したいと二村さんは言います。「寺に支払っている護寺会費の10年分を目安に、交渉してはどうでしょうか。10年分という数字には、寺院側も納得せざるを得ない重みがあります」

檀家が毎年、寺に支払う護寺会費は、数千円~1万円程度が多く、高くても3万円を超えることは少ないと二村さんは言います。それでももめるようなら、行政書士などの第三者に依頼する手もあります。近年は墓じまいの手続きを代行してくれる業者もありますが、寺との交渉だけは自分でやるのが基本だと吉野さんは言います。

「寺と交渉するのが嫌なので代行してほしいという人も多いのですが、最初から第三者に任せると住職が感情的になって逆にこじれてしまうことも。まずは自分で話をすることをおすすめしています」

合葬や合祀なら次世代の負担が少ない
埋葬の証明欄にサインをもらったら、その申請書を役場に提出して、「改葬許可書」を発行してもらいます。この際、役場によっては、移転先の霊園や寺が発行する「受入証明書」を要求するケースもあります。事前に移転先からもらっておくとスムーズですが、散骨する場合や移転先を決めていない場合は必須ではありません。

「対応は担当者レベルで異なるのが実情。それでも本来は受入証明書がなくても許可書は出さなければいけないので、冷静に交渉しましょう」(二村さん)許可書が発行されたら、霊園や寺院側とお骨を取り出す日程を調整し、石材店などに原状回復工事を依頼します。原状回復と墓石の廃棄にかかる費用は区画の面積や工事車両の入りやすさなど、条件によって異なりますが、1平方メートルあたり10~20万円程度が相場だと吉野さんは言います。

取り出したお骨の移転先としては、墓参りをしやすい場所に別の墓地を購入するのが最も手厚い供養です。しかし、子や孫への継承を望まない人は、永代供養をしてくれる納骨堂や、他の人と一緒に埋葬・管理される合葬墓、定期的に供養もしてもらえる合祀墓を選ぶことが多いようです。合葬墓や合祀墓であってもお墓はあるので、いつでも墓参りはできます。樹木を墓標とする樹木葬の墓地でも、合祀に対応するところはあります。

また、遺骨を海に撒く海洋散骨を選ぶ人もいます。自分で海岸などに撒くのは自治体によっては条例で禁止されていたり、トラブルにつながることもあるので、専門業者に依頼するのが無難です。散骨する際は遺骨をパウダー化し、船で沖合まで出て適切な場所で散骨します。散骨は費用も比較的安く、その後の管理費用がかからないのがメリットですが、すべて散骨してしまうと手を合わせる対象がなくなる点には注意したいところです。

親や子、親類とも話し合い意見を聞くのが成功のポイント
墓じまいは、先祖代々の墓や菩提寺と別れるだけでなく、そのあとの供養にかかわる長い道のりです。二村さんは、子どもや孫など次世代の意見も聞いて検討することを勧めます。

「大切な家族のお墓や遺骨は、特別な存在です。子や孫に負担をかけないことを重視するあまり経済性や利便性を優先する中高年世代は多いのですが、意外と若い世代は大切に供養したいと考えていることも。数年に1度は旅行も兼ねて田舎に墓参りし、自分のルーツを確認する拠り所にもなるので、必ずしも墓じまいがベストな選択とは限りません。ふるさととの付き合い方も含めて、話し合ってはいかがでしょうか」

また、高齢の親が先祖の墓を守っているというケースなら、子のほうから墓に対する考え方を聞いたり、親亡き後のことを相談することも大切です。自分の代で先祖代々の墓を閉じる墓じまいの決断には罪悪感を伴うものですが、墓の将来を心配するのは親も同じ。生前に話し合っておくことで、こうした罪悪感や迷いも軽減されるでしょう。後になって親類から無責任な反対意見が出ることも防げるので、お盆など家族が集まるときに話題にしてみるのもよいでしょう。

(記事は2020年8月1日現在の情報に基づきます)
ファイナンシャル・プランナー 森田悦子プロフィール
地方新聞記者、編集プロダクションを経て独立。主な執筆分野は資産運用、年金、社会保障、金融経済、ビジネスなど。新聞、書籍、雑誌、ムック、ウェブメディア、企業広報誌などで取材記事やインタビュー、コラム、ルポルタージュを寄稿。日本FP協会会員。

野村克也さん一家、複雑な家族構成ゆえ相続も一筋縄ではいかない


「コロナの影響で、予定されていたお別れ会は延期されたまま。追悼試合の目処も立たず、おそらく今シーズンのプロ野球が終わってからになるでしょう」(球界関係者)

 今年2月、84年の生涯に幕を閉じた野村克也さん。日本球界を支える人材を多数育てたカリスマだけに、どれだけ延期してもお別れ会や追悼試合は必ず開催されるはずだ。ただ、それらは延期できたとしても「相続」の手続きは待ったなし。相続実務士の曽根恵子さんが話す。

「借金があるならば『相続放棄』は亡くなって3か月以内に行う必要があります。また、『相続税』の支払いは死後10か月までに済まさないと延滞税がかかる。それまでには相続人が話し合って、遺産分割を済ませないといけません」

 選手・監督時代の年俸や、解説者としての報酬などで野村さんの生涯収入は約50億円といわれている。終の棲家となった東京・田園調布の豪邸も遺した。

「2017年に急逝した妻の沙知代さん(享年85)が2001年に脱税容疑で逮捕された際、所得隠しは約6億円にのぼりました。沙知代さんが遺した財産も相当な金額だったと考えられます」(国税担当記者)

 野村夫妻の場合、大変なのは遺産の多さだけではない。その家族関係の複雑さから、相続は一筋縄ではいかなそうなのだ。

 沙知代さんとはお互いに再婚だった野村さんには、4人の息子がいる。まずは沙知代さんの連れ子の団野村氏(63才)とケニー野村氏(61才)。2人は野村さんと養子縁組をしている。さらに沙知代さんとの間の実子が、現在プロ野球のコーチを務める野村克則氏(47才)だ。

「野村さんと前妻との間にも息子さんがいます。ただ、前妻の死後、この息子さんが野村さんの自宅を訪れたところ、沙知代さんに追い返されたそうです。おそらく現在の野村家と接点はほとんどなかったのではないでしょうか。

 また、ケニー氏は沙知代さんや兄の団氏と絶縁状態だったようですが、野村さんの仲介によって和解したと聞きました」(前出・球界関係者)

 相続人となる4人は、同じ子ではあるが、血縁や立場、親との関係性が異なり、かなり複雑。とはいえ、3組に1組の夫婦が離婚する現代では、再婚に伴って「実子」「連れ子」「前妻の子」がいる家族も決して珍しくない。野村家の実例から学ぶことは多いはずだ。

遺言書の存在がトラブルに発展することも

 まずは約2億円の価値があるとされる田園調布の自宅だ。実子の克則氏は、同じ敷地内に自分たち家族が暮らす家を建て、半同居のような生活を送ってきた。

「沙知代さんが亡くなったとき、団氏が自宅の売却を望んだものの、克則氏が反対し、衝突したと一部で報じられました」(スポーツ紙記者)

 実は、この自宅は野村家が設立した会社名義になっていて、野村さんや沙知代さんの個人資産ではない。現在は克則氏がこの会社の代表を務めている。

「もしかしたら、野村夫妻は自分たちの死後、自分たちの面倒を近くで見てくれた克則氏一家がここに住み続けられるように、生前から手を打っていたのかもしれません。また、会社名義にすれば相続税もかからずに済みます」(前出・曽根さん)

 では、相当額があったと思われる現金や株などの金融資産はどうなるのだろうか。

「野村さんの場合、実子と養子、前妻の子の3系統の子供がいるわけですが、民法では血のつながりや生まれた時期にかかわらず、子の相続の権利は平等です。したがって、それぞれが野村さんの遺産の4分の1ずつを相続することになります」(司法書士法人ABC代表の椎葉基史さん)

 とはいえ、それは法律上の話。そうした場合は、関係性が複雑なだけにトラブルも多いという。

「問題は、親との関係性によって情報格差が生まれることです。たとえば野村家の場合、夫妻といちばん関係が深かったと思われる克則氏が細かい情報を知っていても、ほかの兄弟に共有されているとは限りません。話し合いの場では、情報を持つ人の立場が高くなります。ほかの兄弟から『相続財産は本当にそれだけなのか』『生前にお金を動かしていないのか』と疑念がわいても、立証するのはハードルが高く、わだかまりが残りやすい」(前出・椎葉さん)

 親が存命中に関係が深い子供に生前贈与をしたり、預貯金を子供名義の口座に動かすなど、いろいろと策を講じている例は実際に多い。

「そのようにして得た資産は、法律上は『特別受益』と呼ばれ、その分を差し引いて相続の配分をすべきです。しかし、贈与を受けた子が『何も受け取っていない』と説明し続ければ、ほかの相続人にはどうしようもないケースがほとんどです」(前出・椎葉さん)

 遺言書の存在がトラブルに発展することもあるそうだ。

「私が相談を受けた中では、ある前妻の子は父から『遺言書を書いてあるから大丈夫』と聞かされていたのに、実際に父の死後、現在の妻との子から『遺言書などない』と突っぱねられたという例が実際にありました。

 公正証書遺言であれば、公証役場で調べたらわかります。そのケースでは自筆のものだったようで、現在の妻との子が不利な内容の遺言書を見て破棄したようです。前妻の子はどうすることもできませんでした」(前出・椎葉さん)

子どもに迷惑をかけないために。今から考える「墓じまい」とは


現在の日本では、少子高齢化が深刻な問題となっています。また、ひとり暮らしや核家族世帯が増えるとともに、地方を離れて都心部に住まいを移すご家庭も増えているが現状です。そんななかで近年耳にする機会が増えた「墓じまい」とは?今回は墓じまいとはどういった意味か、どのような方法で行われるのか、ご紹介していきます。たまGoo!世代にはまだ先のことですが、両親や数十年後の自分のために参考にしてくださいね。

墓じまいっていったいどういうこと?

「墓じまい」という言葉はよく耳にするものの、どういったことなのかよくわからないという方も多いでしょう。ここでは、墓じまいとはどういったことか、注目される要因となった背景などについて見ていきましょう。

お墓を手放して墓地管理者へ土地を返却する

墓じまいとは、現在あるお墓の墓石などを片付けて更地の状態に戻し、お墓の敷地を管理する寺などに返却することです。そもそもお墓は地域や寺の敷地内、霊園など、墓地の敷地を借りる形でお墓を建てているもの。そのため、お墓を片付ければ土地は返却することになります。
その後、お墓に安置してあった遺骨を別の場所に移します。その移す先は、それぞれご家庭によってさまざまな選択肢が考えられます。

墓の管理が困難な家庭が増えている

現在では、高齢の両親が地方に住み、墓を守っているというご家庭も多いでしょう。なかには両親が他界し、墓の管理をしなければならないものの、ほとんど行けずに草が生い茂っているというご家庭も少なくありません。
仕事などの事情によって、地方を離れざるを得ないご家庭では、致し方ないのも現実です。罪悪感を抱きつつも、なかなか物理的に墓の管理がこまめに行えないご家庭など、墓じまいを選択するケースも増えているようです。

墓じまいの手順と費用

墓じまいは、個人で勝手に行うわけにもいきません。実際にはどのような流れで手続きを踏むといいのか、ここで具体的にご紹介していきましょう。

墓じまいの主な手順

まずは墓じまいをするにあたって親族などから同意を得たのち、お墓がある市町村役場で階層許可申請書をもらい、寺院や霊園から署名・捺印をもらいます。遺骨の移動先が永代供養簿などであれば、その寺院や霊園から納骨許可書をもらいましょう。
異動先の寺院・霊園で受け取った納骨許可書を市町村役場に提出すると、改葬許可証が発行されます。閉魂供養をしてお墓から魂抜きをしてもらい、遺骨を取り出します。事前に依頼した墓石業者などに墓石を撤去してもらい、更地にしてもらいます。その後、土地の管理者に永代供養権を返します。

墓じまいにはどんな費用がかかる?

墓じまいに関してかかる主な費用は、主に以下のようなものが考えられます。

お墓の解体・撤去費用(10万円程度~)

閉眼法要のお布施(1~5万円程度)

離壇料(5万~20万円など、お寺による)

各種書類申請費用(数百~数千円程度)

移転先での各種費用(永代供養料など)(お寺など安置方法による)

解体費用以外にも、お寺や施設などへ支払う費用がかかるとともに、移転先へももろもろの費用がかかります。移転先の費用がそれほどかからなかったとしても、50万円近くかかる可能性があるでしょう。

墓じまいの後はどこへ遺骨を移す?

墓じまいをしたのちに残った遺骨は、新しい別のお墓へ移動させたり、すでにあるお墓に一緒に納骨したりするなど、方法はさまざまです。お墓以外にも以下のような方法があり、現在ではそれぞれの考えに合わせた選択肢があります。

永代供養(合祀-ごうし-)

基本的に一代(個人や夫婦)に限り供養するものです。骨つぼをきれいにするか新しいものに変え、永代供養先の寺などに持参します。年間の維持管理費などほぼかからず、永代供養先で一定期間供養されたのち、他の遺骨とともに合祀(ごうし)されます。
合祀(ごうし)される場所は屋外に設置されたモニュメントなどで、他の遺骨と一緒なので寂しくない……という印象もあります。

納骨堂

寺などに隣接する形で納骨堂があります。大きな建物のなかにいくつもの納骨スペースがあり、それぞれ骨つぼで遺骨を納めるような形になっています。昭和初期などには、お墓を建てるまでの一時的な遺骨保管場所として使われていましたが、現在ではお墓代わりとして利用されているケースが多いようです。
現在ではお墓の承継問題もあり、納骨堂に安置したのち、三十三回忌までなど一定の期間を決めておいて、期間が過ぎれば合祀(ごうし)されるというシステムのところも増えているようです。

自宅に安置するなど手元で供養

墓じまいののち、また新たにお墓に移す場合、お寺などへ支払うもろもろの費用が発生することも考えられます。コストを考えるのであれば、自宅などの手元に置いて供養するという方法もあるでしょう。
手元供養は、故人のことを毎日身近に感じられることも良さのひとつ。ペンダントなどに遺骨の一部を入れ、毎日身につけるという人もいます。

散骨・樹木葬など

上記の他に、現在ではさまざまな方法で供養する方法があります。例えば生前に故人が大好きだった土地に散骨する、夫婦もペットも一緒に弔いができる樹木葬など、多様な選択肢があります。
ただし、散骨するには骨を細かくしなければならず、個人では難しいため専門業者に相談するといいでしょう。また、樹木葬についても、樹木葬を行っている霊園などを探して相談してみることがおすすめです。

おわりに

地方に墓だけが残り、都心部に住んでいるご家庭も決して少なくありません。現在もお盆・正月の年2回すらなかなか墓参りへ行けていないという話もよく聞かれます。現在ではライフスタイルの変化に伴い、将来的にも墓参りがしづらくなるご家庭も多いことでしょう。子どもたちの将来の負担を少なくするためにも、墓じまいについて一度検討する必要があるかもしれませんね。ただし、家族・親族の同意を得てから行うことが、トラブルを未然に防ぐことにつながります。

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。

相続改正で新設の「配偶者居住権」、二次相続で大きな節税効果も


 2020年、相続改正では4月1日に大きなルール変更がある。夫が亡くなった後、20年以上連れ添った妻が自宅に住み続けることができる「配偶者居住権」の新設だ。相続人が妻と子の2人の場合、法定相続なら遺産を半分ずつ相続する。

 親子仲が良くない場合、資産価値の高い自宅の不動産を妻が相続して住み、預金を子が相続すると、妻には生活費が残らない。子は「遺産分配が足りないから自宅を売って払ってくれ」と主張するかもしれない。

 そうしたトラブルが起きたときに妻の居住権を守るために作られた制度で、遺産分割の際、自宅の不動産の所有権は子が相続し、妻は自宅に住み続ける権利「居住権」を相続する。配偶者居住権は建物に登記する必要がある。「夢相続」代表で相続コーディネーターの曽根恵子氏が指摘する。

「この制度を使う場合は注意が必要です。妻は死ぬまで自宅に家賃なしで住む権利がありますが、居住権を売ることはできない。子は家の所有権はあっても、事実上、居住権付きの家は売れない。しかも、固定資産税や家の修繕費は子が支払わなければならない。親子関係が良くないとトラブルの種になりかねない」

 とはいえ、この配偶者居住権は使い方によって大きな節税効果がある。

 夫が1億円の家を遺産として遺した場合、自宅を「5000万円」の居住権と「5000万円」の所有権に分割し、妻が居住権、子は所有権を相続する。子には相続税がかかるが、妻は配偶者控除で非課税だ。

 節税効果が生まれるのは二次相続のときだ。妻が亡くなれば、「配偶者居住権」は消滅し、自宅は子の手に入る。しかも、妻が財産を遺していないから子には相続税がかからない。

 もし、1億円の自宅の所有権を「5000万円」ずつに分けて区分所有で相続していれば、母が亡くなったときに子に相続税が課せられるから、「配偶者居住権」を利用した節税効果は大きい。

オトクに見える「冠婚葬祭互助会」のリスク3つと、実体験から考えた回避法


互助会とは

冠婚葬祭の「互助会」は、互助会の加入者が、毎月一定額の掛金を前払金として払い込み、将来の結婚式や葬儀などでサービスが受けられるというシステムです。

時代や地域的な傾向もあると思いますが、わたしが若いころ、就職してしばらくしたら結婚式場の互助会に入るといいとよく耳にしました。

冠婚葬祭互助会が預かる前受金は、割賦販売法によって前受金の1/2を保全する事が義務づけられています。

また、互助会事業は、経済産業省より、報告徴収、立入検査、経営状況の指導などが行われます。
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互助会保証株式会社(前受金保全額が全互助会の半分以上)によると、冠婚葬祭互助会の2018年3月末時点のデータは次の通りです。

互助会数  全国で250社
加入契約数 推定2313万件
前受金額  2兆4592億円
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互助会のコース例

互助会は、葬儀などを行うセレモニー会館などで加入することができます。

たとえば、ある互助会では、毎月2,000円を120回(10年間)合計24万円を払い込むコースがあります。

祭壇
霊柩車
会葬礼状100枚
枕飾り
祭壇脇花
祭壇供物
受付用品
記録帖類
納棺用品
骨箱
遺影写真
写真額
焼香用品
進行お手伝い

ドライアイス(1回分)
忌中紙関係
以上のセット内容が一般価格より10万円も安い24万円で提供されるという魅力的なプランです。

また、冠婚葬祭互助会としては結婚式や成人式の互助会もあり、貸衣装や写真撮影の割引サービスが付くなど、やはり互助会ならではのオトク感があります。

葬儀にはけっこうお金がかかります。

準備のために貯金をしても利息はわずかだから、どうせなら互助会がいいのではないかと考える人も少なくないでしょう。

冠婚葬祭互助会に入っていれば、突然本人が亡くなっても、遺族は葬儀社をどこにするか悩んだり費用を心配したりという必要がありません。

人間誰でも必ず死ぬ時が来ますから、残された家族に手続きや金銭面で迷惑をかけないように「互助会」という方法を選択する方がいるのも納得できます。

互助会のリスク

契約するときには途中解約なんて絶対にしないと考えるものですが、先の状況や考え方の変化は予測がつきません。

もし途中で解約することになっても後悔しないかどうか、よく考える必要があります。

■リスク1:途中解約の手数料20%

よかれと思って加入した互助会であっても、葬儀の行い方の希望が変わったり、毎月の支払いがきびしくなったりなど、途中で解約したくなることもありえます。

もちろん満期まで支払っていなくても途中で解約はできますが、互助会によって違いはあるものの解約手数料がだいたい20%ほどかかります。

預かり金に利息はついていません。

■リスク2:手続きが煩雑
どんな契約にもいえることですが、加入の窓口は広く開放されているのに、解約の窓口は見つかりにくかったり電話がつながりにくかったり手続きが煩雑なこともあるようです。

■リスク3:互助会の存在を忘れる
支払いが終わってから何十年も長生きした場合、本人はかなり高齢になっているため互助会に入ったことすら忘れていることがあるかもしれません。

・ 引っ越しなどで互助会からのお知らせが届かない

・ 積立金が振替されていた口座も年月が過ぎ通帳が繰り越しされて記録を確認できない

・ 加入者が亡くなったときに遺族が互助会の存在を知らない、忘れている

など、互助会加入の事実を知る機会がなくなることも考えられます。

存在を忘れて互助会を使用せず別の葬儀社で葬儀をしてしまったりする可能性もあります。

忘れ去られた積立金が、現在の前受総金額2兆4592億円のうち少なくない金額を占めている可能性もあります。

せっかく互助会に加入したのに損をすることがないように、加入したら必ず家族にそのことをくわしく知らせておきましょう。
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オトクそうな互助会でも熟慮が必要

前受金の1/2が保全されるとはいえ、加入した互助会が破綻するリスクもあります。

掛け金を払ってから実際に利用するまで長い期間があるので、その点は旅行会社の積立やデパートの友の会などより不安が大きいです。

■友人の実話1:両親が加入していた互助会が破綻
友人のご両親が加入していた互助会が破綻したことがあります。

新聞記事で倒産の事実を知った後、互助会へ電話してもつながらず、高齢のためネットは使えないので何も情報が入らず不安でたまらなかったそうです。

「情けなくて子どもには言えなかった」
と、かなり年月がたってからご両親は泣きながら子どもに打ち明けてくれたそうですが、胸がしめつけられる思いになりました。

大きな企業でも倒産することもあるのですから、ずっと先に利用するサービスに前払いをするというのは覚悟が必要です。

■友人の実話2:理想の結婚式と違う
結婚相手のおばあ様が孫のために入っていてくれたという結婚式の互助会を利用して、豪華な結婚式をあげました。

「自分たちでは出せない金額の式だからありがたいけど、本当は理想の結婚式や会場とはちがったのよね。言えないけど。」

結婚準備の段階から、友人はそう語っていました。

おばあ様の好意を思うと、ちょっと切なくなりました。

家族ともよく話し合うことが大切

このように、冠婚葬祭互助会はオトクな反面デメリットもあります。

葬儀や結婚式など、実際にそのサービスを利用するのが積立金を払う本人とは限らないため、入会するときや掛け金を支払っている期間中も家族とよく話し合うことが大切ではないかと思います。(執筆者:野原 あき)

お通夜・葬式での男性の服装を解説


お通夜・葬式での男性の服装を解説

お通夜・葬式。その服装は混同されがちですが、厳密には同じではありません。昼間の告別式を主とする葬式ではお通夜以上にフォーマルな服装が求められます。のべ4,000人以上のビジネスマンにアドバイスしてきた服のコンサルタントが葬儀における男性の服装について教えます。

男性の礼装の格式とは

そもそも、礼装とは冠婚葬祭などで威儀を正したり、敬意を表したりする場で正装することです。礼装のうち、お通夜や葬式に参列するために着る服装を「喪服」といいます。喪服の色は、黒が一般的で、できるだけ目立たない服装を心がけます。

礼装は決まりが多く、葬式で着る喪服についても黒を着ておけばよいわけではありません。最近は、通常2日間かけて行う葬儀を1日で済ませる「一日葬」や、親族や親しい友人だけで行う「家族葬」などのシンプルな葬儀スタイルが増えていますが、それでも葬儀は厳粛な場です。

死者をしのんで喪に服し、火葬場にも行きますから、喪服のマナーを踏まえて葬儀に出席しましょう。

男性が葬儀で着る洋装の格式

お通夜・葬式で着る服装は3種類に分かれます。参列者ではなく喪主など遺族側の代表者が着ることもある正式礼装と呼ばれるモーニングコートです。コートのように着丈が長いジャケットにグレーもしくは黒生地にストライプが入ったスラックスを合わせたスタイルです。

日常生活で見掛けることはありませんが、洋服におけるいちばんフォーマルな服装です。その名の通り、昼間に着用する装いだからこそ、お通夜では略礼服と呼ばれる黒いスーツを着ます。ただし、弔問者ではなく喪主が着る服です。

一方、略礼服と呼ばれる黒いスーツが準礼装で、これこそ葬式・告別式に参加するときの定番スタイルです。一般的な黒いビジネススーツとは、同じ黒でも糸の色が異なります。その印象は黒いビジネススーツより漆黒です。

また、お通夜では許される略礼装は、地味なダークスーツでいわゆる平服です。ただし、告別式のときには避けたほうがよいでしょう。お通夜は予期せぬ突然のタイミングだからこそ、平服でも構わないという暗黙のルールが許容されるからです。

このように葬儀の服装といってもお通夜・告別式というタイミングや立場によって変わります。

男性が葬儀で着る和装の格式

洋装と同じく和装にも格式があります。ここで重要なことはいずれにせよ、「弔問側が遺族側より格式高い服装では不自然」だということです。男性の正式礼装(和装)では、黒い紋付きの羽織と袴を合わせた紋付き羽織袴です。家紋は5カ所に入れます。また、足元は白い足袋に雪駄を合わせます。喪主や遺族側でしたらあり得ますが、弔問側が着る和服ではありません。

弔問者が和装をする場合、略礼装に位置する恰好が基本になります。地味な無地の着物に羽織を合わせます。袴である必要もありません。羽織は紋がないもので構いません。このとき、色は黒・紺・グレーなど地味色を選びましょう。

男性の喪服「ブラックスーツ」の基本スタイル

略礼服と呼ばれる黒いスーツがいわゆる喪服ですが、一般的なシングルに加え、ボタンが並列に並んだダブルがあります。スラックス裾の仕上げは折り返しのダブルはNGでシングルの一択です。

ちなみに黒いビジネススーツを喪服と混同するケースもありますが、これは別物です。というのも、糸の種類が違います。黒いスーツの場合、同じ黒でも光を反射し光沢がありますが、略礼服の黒は光を吸収するような漆黒です。黒いビジネススーツはお通夜のとき、平服として着る分には許容されています。

葬儀での男性の服装・持ち物マナーの注意点

ワイシャツは白を選びます。このとき、ボタンダウンや織り柄が強いものは避けたいところです。喪に服すと考えるならば、大人しくベーシックな白シャツを選びましょう。ネクタイを締めることを前提とするため、襟の開きが90度のレギュラーカラーが好ましいところです。

葬式のネクタイは黒を選びます。また、ネクタイピンはNG。光り物は故人をしのぶ上で邪魔になります。また、ネクタイの結び目の下にディンプルと呼ばれるくぼみをつくることも葬式においては避けましょう。また、ジャケット胸元のポケットチーフもこのときばかりは不要です。差別化するというより、喪に服することがテーマだからです。

バッグは黒が好ましいです、ただし、革製品は殺生を連想するためNGです。ショルダーバッグなどカジュアルなものは肩紐を使わず、手で持ちましょう。

また、場所柄ハンカチを使うこともあることでしょう。涙をぬぐうためのハンカチですが、ベーシックな白で柄がないものを選びましょう。数珠に関してはマストアイテムではありませんが、持参する場合は自身の宗派のもので構いません。数珠は宗派によって種類が異なります。

雨・雪の日もあります。こんなときは黒・紺などの地味な傘を選びたいところです。ビニール傘は便利ですが、可能な限り避けたいですね。アクセサリーは結婚指輪以外つけません。時計もベーシックなものはOKですが、派手なものは避けましょう。また、ネクタイピンやカフスも光り物は避けます。

足元は靴と靴下に気を付けます。どちらも黒が基本ですが、エナメルなどの光沢あるものやバックルが目立つものは避けましょう。王道ですが、紐タイプのストレートチップやプレーントゥであれば問題ありません。靴下も柄などなく無地を選びましょう。

コートはフォーマルなチェスターコートやステンカラーコートであっても黒が理想的です。カラフルな色は避けますし、殺生をイメージする革系のコートは避けましょう。焼香の邪魔にならないよう香水など避けたいところ。また、携帯の音などは気まずいですし、マナーモードの確認を忘れないよう注意しましょう。

いろいろと服装マナーが求められる葬式ですが、基本は「喪に服する」ということと「故人に対する哀悼の意をささげる」という2つの視点から服装を選べば以上の要件に収まるはずです。

著者プロフィール: 森井良行(もりい・よしゆき)/エレガントカジュアル 代表取締役
20代後半から40代の男性のファッションを「エレガントカジュアル」でワンランクアップさせる「服のコンサルタント」。 街のセレクトショップを歩き、顧客に試着を繰り返してもらいながら、その人に最も似合う服を探していく独自の「買い物同行」は9割以上の高い満足度を誇る。著書『毎朝、迷わない! ユニクロ&ツープライススーツの上手な使い方』 (WAVE出版)

相続法改正 「義父母の介護」で特別寄与料を請求する際の注意点


 1980年以来、40年ぶりとなる大規模な「相続のルールの見直し」が進んでいる。この7月までに、多くの新ルールが施行される。今回の法改正のポイントは、「妻が有利になる」ということだ。たとえば、夫の死後も妻が自宅に住み続けられるようになったり、夫の両親(義父母)の介護をした妻に遺産分割の権利が発生したりするようになる。

 長年、義父の介護をしてきた埼玉県在住・48才の主婦、川崎さん(仮名)。愚痴もこぼさず、毎日、献身的に世話をしてきた。

「家族は誰も私に感謝などしません。嫁いだ時から『やって当たり前』で、私もそう思って今までやってきました。でも、先日義父が亡くなって、家族の誰よりも自分の時間を犠牲にしてきた私が、遺産を1円も受け取れないのはひどいんじゃないか、と思ったんです」

 相続コーディネーターの曽根恵子さんが解説する。

「義理の親にどれだけ尽くしても、『嫁(子の配偶者)』は相続人にはならず、遺産相続時は法律上、蚊帳の外です。そこで、相続権のない嫁も介護への貢献度で“対価”を請求できるようになりました。これが『特別寄与料』です」

 川崎さんの場合、相続人である夫と義妹が相続した遺産から均等に差し引かれて、川崎さん本人に支払われるようになる。

「現時点では特別寄与料の算定方法は決まっていませんが、介護にかけた時間と都道府県が定めた最低賃金で計算されたり、ヘルパーを雇った場合の金額などが考慮されると考えられます。過去には『時給850円換算』で計算した例もありました。大体、100万~200万円程度は請求できるのではないでしょうか」(曽根さん)

 ただし、相続人に知らせずひっそりと介護を続け、義父母の死後に「介護していた」と主張するのは得策ではない。相続人にとっては自分たちが相続する財産が減ることになり、トラブルの原因になることは必至だ。

「特別寄与料の請求の証拠となるよう、日頃から介護日誌をつけておくなど、記録を残しておきましょう。今日は何時からどんな介護をし、何を買ったのかや、買い物や通院の際のタクシー代のレシートなども必ず保管しておいて。また、介護の状況を相続人と情報共有することも大切。スマホで動画や写真を撮って、定期的に報告したり、役割分担するといいでしょう」(曽根さん)

 そうした記録や情報共有がないと、相続人に「本当に介護したのか」「カネ目当てだろう」などと言いがかりをつけられかねないので要注意。

親の介護に苦労した子供 遺産分割協議で寄与分をどう主張するか



 親の遺産を相続するにあたり、同居、別居に限らず、親の介護を兄弟姉妹のうち1人だけで担っていたパターンは注意が必要だ。介護は心身とも激しく消耗するのに、「その負担が相続に反映されていない」との不満を招きがちだからだ。円満相続税理士法人代表で税理士の橘慶太氏が指摘する。

「民法上は『寄与』という概念がある。例えば長男が次男より親の介護をしっかりしていれば、相続額を多めに配分するという考え方です。しかし実際の遺産分割調停では、“少なくとも1年以上(介護をしていた)”など要件が厳しく、寄与は認められにくい」

 神奈川県在住のAさんは定年後、寝たきりの母親の介護のために再雇用を諦め、週4回コンビニでアルバイトを始めた。だが、介護生活は想像以上に負担が重く、妻の手を借りても追いつかない。結局、アルバイトを辞めてわずかな年金で暮らすことになり、母が亡くなるまでの2年間、貯金を取り崩す生活を強いられた。

 母親の死後、Aさんは次男、三男との遺産分割協議で寄与分を主張したが、2人の弟は「長男が親の介護をするのは当然。相続額を割り増すのはおかしい」と聞く耳を持たない。結局、家裁の調停でも「介護の実態を証明できない」と、寄与分は認められなかった。

親の死後に銀行口座を洗い出す方法をFP指南 まず郵便物から


 老親が自分や家族にために、預金を蓄えていたり生命保険に加入したりしていても、相続する側が把握していなければその努力は水泡に帰してしまう。どうすれば実家の金融資産を発見できるか。遺書や財産目録でわかるようになっていれば問題ないが、そうした準備をする被相続人は少ない。

「銀行口座」を確実に把握できれば、その他の資産を見つけるヒントになる。通帳には保険料の引き落としや有価証券取引などが記録され、他の金融資産の存在を知ることができるからだ。

 すべての通帳を発見できれば問題ないが、たとえば「へそくり用の口座」や「子供名義でつくった口座」などは、公共料金などを払うメインの口座とは別の場所にしまってあることも少なくない。

『もめない相続、後悔しない贈与』(綜合図書刊)の著書がある、ファイナンシャル・プランナーの相澤由佳氏がいう。

「まずは実家に保存してある郵便物や書類などを探すといいでしょう。メインバンクとは違う銀行からお知らせのハガキやダイレクトメールが届いていれば、そこに別の口座がある可能性は高い。クレジットカードや通信販売の明細にも口座情報が記載されている可能性がある。銀行名が記されたタオルやカレンダー、コップなどが手がかりとなることもあります」

 当たりがつけば、銀行に直接問い合わせる。相続人(一親等)であれば、請求者と故人の相続関係を証明する書類(戸籍謄本)や、本人確認のための身分証明書があれば、調べてもらうことが可能だ。

 金融機関によって対応は異なるが、たとえば三井住友銀行では、戸籍謄本のほか、除籍謄本(死亡事実の確認のため)、相続人全員分の印鑑証明書の3つが手続きに必要となる。手数料は1通800円となっている。

家族が死ぬ前に必ず把握しておきたい 契約解除しないと「支払い続けるお金」


 家族が認知症になってしまった場合や、親が亡くなった時など、お金のトラブルはつきもの。認知症になった、亡くなったといっても、自動的に「手続き」されないものはたくさんある。中には、もう使っていないのに知らぬ間に「支払い続けるお金」もある。

 生前故人が利用していたクレジットカードの年会費やフィットネスジムの会費、ケーブルテレビの受信料、ネットの動画配信サイトなどのさまざまなサービスの料金だ。1つ1つの金額は大きくないが、長年積み重なれば見過ごせない金額になる。

 そうしたお金は、本人名義の口座から引き落とされていれば、銀行に死亡届を提出して口座が凍結されれば、それ以上の引き落としはされない。

 しかし、ネット銀行など家族も知らない口座で決済していた場合、その口座から延々と引き落とされ続けることになる。解約手続きがされるまで会費の支払いが続き、知らない間に預金はどんどん減っていく。原則、返金もされないと考えた方がいい。

 多くの場合、親族がそのサービスの会社に電話すれば、解約手続きは可能だ。だが、クレジットカードの場合、リボ払いやキャッシングなどで残債があると、相続人はその負債も相続することになる。見つけ出すには、クレジットカードの明細や本人のメールの履歴を辿るしかない。

「そうしたトラブルを防ぐためには、生前に故人がどんな生活をし、何が趣味なのかを把握しておくとよいと思います。また、解約できるクレジットカードなどは元気なうちにどんどん解約し、身の回りをできるだけ整理しておくことが大切です」(社会保険労務士の井戸美枝さん)  解約できないものは、サービス名や会社名、ID、パスワードなどをきちんと紙に記録して残しておこう。

【最新「死に方」事典】食べ物にこだわりすぎ「健康オタク」は早死にする


最近の健康ブームが恐ろしいのは、私たちが毎日口にするものすべてを、「これは健康にいい」「これは健康に悪い」と、根拠もないのに信じ込むことである。

 たとえば、「長生きしたければ肉を食べるな」ということをそのまま実践して、はたして本当に長生きできるだろうか?

 栄養とはバランスであって、どれか1つだけ選んで、そればかり食べる、あるいは食べないようなことをしたほうが、健康を害すのは言うまでもない。

 「フードファディズム」という言葉がある。これは、特定の食べものや栄養が健康と病気に与えると過大に信じることを言う。人間は、メディアや周囲の人間から、「これは身体にいい」と言われると、つい信じてしまう傾向がある。

たとえそれが、科学的に立証されていなくとも、「私が健康なのは、〇〇のおかげ」と言われると、信じてしまう人は意外に多い。

 たとえば、テレビのワイドショーで紹介されただけで、スーパーから特定の食品が消えてしまったことがある。コンビニでは、さまざまな種類のサプリメントが棚に並べられている。

また、テレビや雑誌では健康食品の宣伝が洪水のようにあふれている。「がんの予防に効く」「肝機能を助ける」「コレステロールを抑える」などと。

 こうしたことが、フードファディズムを助長させている。

 しかし、特定の食品、特定のサプリ、特定の健康食品だけで健康になることはありえない。

 例えば、「健康食品」といっても明確な定義と規定がない。「特定保健用食品」という言葉はあるが、法的には「健康食品」という定義は存在しない。したがって、販売業者は「健康によい」というイメージと体験談だけで宣伝・販売している。

 薬には、心理上の効果によって治癒が起きる「プラシーボ反応」という現象が存在する。

つまり、ある人に効果があっても、別の人にも同じように効果があるとは言い切れないので、必ず偽薬を用いた「二重盲検法」という厳密な臨床試験が行われる。ところが、健康食品にはこうした試験がないので、単に食べても健康を害さないだけだ。

 ある特定の食べ物、栄養、サプリ、健康食品がどんなに優れた効果を持っていようと、それだけでは健康にはなれないのである。

 それにしても私が不思議なのは、健康志向の行き過ぎからか、食べ物を単に「健康にいい」だけで選ぶ人が増えたことだ。普通、食べ物は「おいしいかまずいか」で選ぶ。

もちろん、産地表示や成分表示は大事だが、自分にとっておいしいものを食べていたほうが健康にはいいと、私は思う。

 和田秀樹氏の著書『「現役年齢」をのばす技術』(PHP新書)に、非常に面白いデータが載っている。フィンランドの労働衛生研究所が調べたところ、健康に関心のない人より気を使っている人のほうが検査数値が悪いというのだ。

 1200人の被験者を600人ずつ、砂糖や塩分を控えたばこやアルコールを制限したグループと、特別な指示がなく気ままに生活したグループの2つに分けて15年後に健康調査を行った。すると、後者の方が検査数値が軒並みよかったという。

 これは、食べ物にこだわる「健康オタク」の方がむしろ早死にしてしまうということだ。

 ■富家孝(ふけたかし) 医師・ジャーナリスト。1947年大阪生まれ。1972年慈恵医大卒。著書「医者しか知らない危険な話」(文芸春秋)ほか60冊以上。

上手な遺言家族会議の開き方 発案者、タイミングと場所


兄「家はお前にやるから俺は預金をもらいたい」
妹「お父さんの介護をしたのは私なのに、なんで兄さんの方が多く相続するのよ!」

 そんな子供たちの遺産争いを避けるには「遺言書」が有効だが、“遺し方”がマズかったために、新たな火種を生むことも珍しくない。トラブルにならない上手な「遺言家族会議」の開き方、遺言書の適切な書き方にはどんな注意が大切か。

「遺言で家族間で揉める時、最も多いのが『親の死後、内容を初めて聞かされた』というケース。親も自分の死後、子供たちが遺産で争うことなど望まないはず。だから事前に家族会議の場を設けることは重要です」

 そう語るのは相続に詳しい、まこと法律事務所の代表弁護士・北村真一氏だ。まず遺言家族会議の招集の“発案者”に気を遣うことが大切だという。

「相続人の1人が発案者になると、“自分に有利に事を運ぼうとした”などの疑念を生じさせかねないため、『親が自分の意思で家族会議を開いた』という形式を取ることが大切です」

 次はタイミングと場所だ。

「兄弟姉妹が遠く離れて暮らしていれば、一堂に会する機会は盆正月や法事以外、なかなか見つからないのが現実。遺産分割は相続人が1人でも印鑑を捺さないとまとまらないので、“仲間外れ”は作らないようにすることを心掛けてください。公平さを担保する意味で、家族会議は親の家で開くのが無難です」(同前)

 遺言を決めるのはあくまで親だが、家族会議は、子供のうち誰が家や不動産を継ぎたいと考えているのか、資産ごとの分配について子供たちの考えを親に伝える場だと促したい。意見がまとまらなければ複数回開いてもいい。それを踏まえて遺言書を作成する。書き方にも注意がいる。

「相続分は曖昧な表現でなく、家と土地は登記簿記載の表示通りに書き、金額も『××には500万円』などと具体的に書くことが重要です。『遺産の2分の1』といった書き方では土地の評価を時価でみるか、固定資産税評価額で計算するかといった問題が起きる。

 お世話になった人など法定相続人以外に遺産を分配する場合は、金額に加えて『長年にわたって献身的に介護や世話をしてくれた』など、なぜ遺産を譲りたいのかという理由まで含めて、その遺志をきちんと書くことが大切です。遺志を貫徹したいなら、費用はかかりますが、遺言執行人を弁護士にしておくとよいでしょう」

 不動産などを「一任する」「任せる」という表現も、所有権移転登記の際に相続や遺贈と認められない。「相続させる」「遺贈する」とはっきり書いた方が良い。

 作成した遺言書は相続人全員に事前に見せておくのがベストだろう。

こうしたい「人生の最期」=患者が医師に相談


 超高齢化社会に入り、QOL(生活の質)とともに、患者やその家族らが望む人生の最期を迎えられるかという課題の重要性が増している。日本臨床内科医会が会員を対象に実施したアンケート調査によると、患者側から人生の最期について相談を受けたケースが9割を超えた。さらに、かかりつけ医が患者や家族と終末期を含めた治療方針を事前に話し合うことが必要とする回答が、100%近くに達した。

 アンケートではまず、「外来で、患者から『人生の最期をどうしたらよいか』相談されたことがあるか」を尋ねた。「よくある」17%、「時々ある」36%、「少しある」14%で合わせて91%に上った。「ない」は9%にとどまった。 かかりつけ医として患者から相談を受けたときにどう対応するか。「積極的に相談にのる」29%、「前向きに相談にのる」44%で両者の合計は73%。「相談にのる」19%、「消極的だが相談にのる」7%。「なるべく、のりたくない」は1%にすぎなかった。

◇事前に決める「ACP」

 超高齢化社会は「多死社会」だ。厚生労働省と日本医師会は人生の最終段階の医療を患者や家族と話し合うことを推奨しようとしている。カギとなるのは、患者や家族が医療、介護関係者らと共に終末期を含めた治療方針についてあらかじめ決めておく「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」だ。

 ACPという言葉を知っているかを聞いたところ、「聞いたことはある」も含め、88%が「知っている」と回答。「かかりつけ医としてACP活動は必要と思うか」という質問に関しては、「大いに思う」「思う」「少しは思う」を合計し、97%に達した。「あまり思わない」1%、「まったく思わない」は1%だった。

 こうした調査結果の背景には、臨床医にとって「避けられない問題」との思いがあるようだ。ACPに関する自由回答から幾つか意見を紹介すると―。 「かかりつけ医にとっては、患者といかに寄り添うか、その家族といかに寄り添うかが、大切だと思う。ACPは大いに必要だ」  「訪問診療をしていて、認知症などで本人の意思確認ができず、介護者間での意見がまとまらない。延命処置をどうするかでしばしば苦慮することがある。患者が元気なうちからのACPが必要だ」

 ◇国挙げて推進を

 今後、臨床内科医会がACP活動に取り組むことへの反応(自由回答)はどうか。「良いことだ」「賛成する」「どんどん進めてほしい」「素晴らしいこと」などの肯定的な意見が目立つ。

 「多死社会を迎えるときに国の押し付けではなく、国民全体としてACPが必要であるというコンセンサスづくりをすべきだ」「国を挙げてACP活動を精力的に行うべきだ。今も行われているが、一層の充実が急務だ」などと、積極的な推進を求める声があった。

 一方で、「末期がんや難病の患者以外に医師がACPに積極的に関与できるのか」「家族と話し合いの場を持つ時間が足りない」といった疑問や、「医師、看護師、医療ソーシャルワーカーに加え、場合によっては今まで確立していない弁護士との連携も必要になる」「分かりやすい患者向けのパンフレットや本があるとよい」などの意見も寄せられた。

妻・夫が亡くなった後に「葬儀をしたい」が82.9% - したくない理由は?


葬祭事業を展開するティアはこのほど、「葬儀に対する意識と実態」に関する調査の結果を公表した。

同社は、名古屋市内を中心に、関東、東海、関西地方で葬祭事業とフランチャイズ事業を展開。同調査は、全国の40代~70代の男女を対象に、12月1日~2日にインターネットを通じて実施。各年代250名(男女各125名)で、合計1,000名から有効回答を得た。

○男女間や夫婦間での意識の違いとは?

「自分の葬儀の準備をしているか」と聞いたところ、「している」人は約1割で、残りの約9割は「何も準備をしていない」という結果となった。また、準備をしている人の男女別の割合を見ると、男性が36.3%、女性が63.7%で、女性の方が高い関心を示していることがわかった。

準備内容については「エンディングノートの作成」(36.3%)が最も多く、次いで「葬儀会社への相談」(29.7%)、「生前見積り」と「菩提寺への相談」(共に12.1%)の順となった。

「自分が死んだ後に葬儀をしてもらいたいか」と質問したところ、「はい」が50.9%、「いいえ」が49.1%となった。

「配偶者が亡くなった後に配偶者の葬儀をしたいか」を尋ねた。

その結果、「はい」が82.9%、「いいえ」が17.1%となり、自分の葬儀よりも配偶者の葬儀をしたい人が多いことがわかった。男女別では、「いいえ」と回答した女性は男性よりも約21%多い結果となった。

「配偶者の葬儀をしたい理由」と「葬儀をしたくない理由」では、39.6%が「自分の気持ちに区切りをつけたいから」が1位となった。

また、「自分の葬儀」においては「配偶者に気持ちの区切りをつけてもらいたいから」が32.9%で1位となった。この結果から、"葬儀を気持ちに区切りをつける機会"としている人が多いことがわかった。

「親しい人物の葬儀に招かれなかったことがあるか」を尋ねたところ、27.1%が「ある」と回答した。男女別では、男性の方が女性よりも多いことがわかった。

「誰の葬式に招かれなかった」については、「友人」が15.3%で最も高く、次いで「親族」(10.5%)、「職場の同僚・上司・部下などの関係者」(6.4%)という順だった。

また、「必ず葬儀に参列したい人」については、「両親」(70.2%)、「兄弟・姉妹」(66.3%)、「配偶者」(64.8%)が上位を占め、次いで「友人」(42.4%)となった。

「必ず葬儀に参列したい人の葬儀に参列できなかった場合」について、「最期のお別れができなくて悲しい」という回答が47.3%に上り、次いで「仕方がない」(37.5%)となった。

「ダンナの実家の墓には入りたくない」年末年始の帰省で心に巣くう“女の本音”


「夫の家墓(いえはか)に入りたくない」。こんな声が、女性の間でしばしば聞かれる。「先祖代々の墓」「○○家の墓」に眠っているのは夫の先祖や祖父母でも、妻にとっては知らない人ばかり。

核家族化で「家」意識も希薄になっている。ところが、年末年始の帰省時にお参りをすると、家と向き合うことになり心の中に葛藤が生まれるようだ。夫には言えない妻の本音を探ってみると…。

■入っているのは知らない人ばかり

 東京都の会社員、上田幸子さん(43)=仮名=は毎年、正月に関西にある夫の実家に帰省したとき、墓参りに行くのが憂鬱だ。

 「ダンナが長男だからといって、関西に住んだこともない私が、何でこんな知らない人のお墓に入らないといけないのか。自分の実家の父にそう言ったら、『家族だろう』と叱られました」

 墓参り自体が面倒なわけではない。北関東にある自分の実家に帰ったときは墓参りを欠かさない。祖父母が眠っていると思えばこそ墓石を磨き、草をむしり、花も替えて祖父母を思い出しながら手を合わせる。

 一方、義父母とは確執はないものの、しばしば価値観の違いを感じるという。「ダンナの実家は郊外の閑静な住宅街に住み、子供は幼稚園から私立へ通わせるような家庭。私の実家は庶民なので、何となく合わない」と悩ましげだ。

 ■「家」意識が重い

 年末年始の墓参りが憂鬱なのは千葉県の会社員、山本洋子さん(47)=同=も同じだ。

 「ここに入るのかと思うと、漠然とした抵抗を感じます。入っているのは他人ばかり。お参りの作法も私の実家とは違う」

 隣の県にある夫の実家では、親族総出で先祖代々の墓にお参りする慣習がある。驚いたのは、墓石に水を掛けて掃除することだ。自分の実家では、「ご先祖さまの頭から水を掛けるようなもの」と戒められ、乾いた布で磨き上げている。

 「いわゆる嫁扱いをされたことはないし、義母とは仲良し。でも、お墓の話になると、自分は夫の家の人間になったと思い知らされるから、まだ話題にしたくない」

 戦後の昭和22年に民法が改正され、「家」制度が廃止されたものの、お墓は「○○家の墓」が一般的だ。

高度経済成長期に伴って核家族化が進み、長男といえども親世代と同居しない家庭が増えたが、長男が墓を継承する慣習は根強く残っている。

 上田さんも山本さんも「長男の嫁」ながら義父母と同居していないうえ、共働きで顔を合わせる機会が少ないためか義父母と軋轢(あつれき)はない。

お墓を大切にする気持ちはあるだけに、家墓を前にすると日頃は希薄な「家」意識と向き合わざるを得なくなるようだ。山本さんは「夫婦や個人の墓だったらよかった」と漏らす。

 東京都の会社員、木村恵子さん(46)=同=は、夫の実家の墓が東京から新幹線を使っても片道5時間かかる遠隔地にある。夫にとっても、ほとんど縁のない場所だ。

「知らない人ばかりの墓」に入ることに抵抗を感じる。そのうえ、墓を受け継ぐべき子供はいない。

 「子供でもいれば待っていられるかもしれないけど。自分の実家の墓に入るなんて言ったら、しゅうとめと確執があったと誤解されそう。でも今、死んだらダンナの手で田舎の墓に入れられてしまう。

でも、今のうちから嫌とはいえないし」と堂々巡り。

 お墓をめぐっては、内閣府(旧総理府)が平成2年に実施した調査で散骨を容認する人が少なくないことが判明し、話題になった。

大都市圏への人口流入が進んだうえ、少子高齢化の進展もあって、地方にある墓の継承者がいない問題もこの時期に顕在化してきた。

 それから四半世紀が過ぎた今、墓の継承は50歳前後となったバブル世代に身近な課題となっている。上の世代より、きょうだいの数が少ないだけに深刻化しているようだ。

 ■少子化で継承者なく

 東京都の会社員、山田優子さん(52)=同=が夫の実家の墓に入りたくないのは、両家の墓の継承問題があるからだ。義父母も自分の父母も、男の孫は山田さんの長男と次男だけ。

2人はそれぞれの墓の継承者として期待されており、山田さんが夫の方に入れば、自分の実家の墓を継承する方の息子だけが家族と離ればなれになる。

 いずれ息子たちがそれぞれの家庭を持つと理性で分かってはいるが、今は4人家族で一人だけ墓が別になるのは避けたい気持ちが強いという。

 「夫や子供たちと一緒に入るのは、女性の普遍的な願いでは。でも、事前に意思表示しないと私は夫と一緒に入れられてしまう。かといって、違う墓に入るといえばひと悶着(もんちゃく)ありそう」

 墓の継承者は今や貴重な存在だ。神奈川県の会社員、鈴木美香さん(47)=同=も、両家の孫世代は鈴木さんの一人息子だけ。

義父の本家は九州で、生前に義母が用意した墓も九州にある。往復するのに時間も交通費もかかるので、墓参りはもっぱら夫と息子だけが行く。

 「夫が長男なので、子供のいない親族たちの遺骨も引き受けています

。義父のお墓に手を合わせる息子の姿を見て、未婚の叔母が『男の子がいるからお参りしてくれる』といって一緒に入りたがりました。その場で『どうぞ』と答えましたが、息子一人に全てを背負わせたくないのが本音」

 ■先祖は「自分の近親者」

 墓の形態は家墓が主流でも、「家」をめぐる意識は変化した。

第一生命経済研究所が平成21年、35~79歳男女600人を対象に実施したアンケートによると、「先祖とは誰か」(複数回答)について、「自分の親や祖父母などの近親者」と答えた人が73・2%で最多。

「配偶者の親や祖父母などの近親者」(45・5%)を上回った。

 「誰とお墓に入りたいか」では、「先祖代々のお墓」(39%)が最も多かったものの、男女別にみると男性が48・6%いたのに対し、女性は29・9%にとどまり、男女間の意識の違いが鮮明に出た。

 次に多いのは「今の家族で一緒に入るお墓」(25%)で、男性の23・4%に対し女性は26・5%と比較的高かった。

 3番目の「お墓はいらない」(20・5%)は男性では14・7%と低かったが、女性では26・2%を占めた。同研究所は「女性では墓に対する意識が多様化している」と分析した。

 こうしたニーズに対応し、血縁や地縁に関係なく入れる共同墓や、記念樹の周りに合葬する樹木葬など、墓石を必要としない形態も増えている。

ただ、女性の社会進出が進み、ライフスタイルが変化する一方で、先祖供養と墓を大切にする気持ちを無碍(むげ)にもできず、口には出せないネガティブな感情が心に渦巻いているようだ

「ダンナの実家の墓には入りたくない」年末年始の帰省で心に巣くう“女の本音”


「夫の家墓(いえはか)に入りたくない」。こんな声が、女性の間でしばしば聞かれる。「先祖代々の墓」「○○家の墓」に眠っているのは夫の先祖や祖父母でも、妻にとっては知らない人ばかり。核家族化で「家」意識も希薄になっている。ところが、年末年始の帰省時にお参りをすると、家と向き合うことになり心の中に葛藤が生まれるようだ。夫には言えない妻の本音を探ってみると…。

■入っているのは知らない人ばかり

 東京都の会社員、上田幸子さん(43)=仮名=は毎年、正月に関西にある夫の実家に帰省したとき、墓参りに行くのが憂鬱だ。  「ダンナが長男だからといって、関西に住んだこともない私が、何でこんな知らない人のお墓に入らないといけないのか。自分の実家の父にそう言ったら、『家族だろう』と叱られました」 墓参り自体が面倒なわけではない。北関東にある自分の実家に帰ったときは墓参りを欠かさない。祖父母が眠っていると思えばこそ墓石を磨き、草をむしり、花も替えて祖父母を思い出しながら手を合わせる。

 一方、義父母とは確執はないものの、しばしば価値観の違いを感じるという。「ダンナの実家は郊外の閑静な住宅街に住み、子供は幼稚園から私立へ通わせるような家庭。私の実家は庶民なので、何となく合わない」と悩ましげだ。

 ■「家」意識が重い

 年末年始の墓参りが憂鬱なのは千葉県の会社員、山本洋子さん(47)=同=も同じだ。  「ここに入るのかと思うと、漠然とした抵抗を感じます。入っているのは他人ばかり。お参りの作法も私の実家とは違う」 隣の県にある夫の実家では、親族総出で先祖代々の墓にお参りする慣習がある。驚いたのは、墓石に水を掛けて掃除することだ。自分の実家では、「ご先祖さまの頭から水を掛けるようなもの」と戒められ、乾いた布で磨き上げている。

 「いわゆる嫁扱いをされたことはないし、義母とは仲良し。でも、お墓の話になると、自分は夫の家の人間になったと思い知らされるから、まだ話題にしたくない」 戦後の昭和22年に民法が改正され、「家」制度が廃止されたものの、お墓は「○○家の墓」が一般的だ。高度経済成長期に伴って核家族化が進み、長男といえども親世代と同居しない家庭が増えたが、長男が墓を継承する慣習は根強く残っている。

 上田さんも山本さんも「長男の嫁」ながら義父母と同居していないうえ、共働きで顔を合わせる機会が少ないためか義父母と軋轢(あつれき)はない。お墓を大切にする気持ちはあるだけに、家墓を前にすると日頃は希薄な「家」意識と向き合わざるを得なくなるようだ。山本さんは「夫婦や個人の墓だったらよかった」と漏らす。

 東京都の会社員、木村恵子さん(46)=同=は、夫の実家の墓が東京から新幹線を使っても片道5時間かかる遠隔地にある。夫にとっても、ほとんど縁のない場所だ。「知らない人ばかりの墓」に入ることに抵抗を感じる。そのうえ、墓を受け継ぐべき子供はいない。 「子供でもいれば待っていられるかもしれないけど。自分の実家の墓に入るなんて言ったら、しゅうとめと確執があったと誤解されそう。でも今、死んだらダンナの手で田舎の墓に入れられてしまう。

でも、今のうちから嫌とはいえないし」と堂々巡り。  お墓をめぐっては、内閣府(旧総理府)が平成2年に実施した調査で散骨を容認する人が少なくないことが判明し、話題になった。大都市圏への人口流入が進んだうえ、少子高齢化の進展もあって、地方にある墓の継承者がいない問題もこの時期に顕在化してきた。それから四半世紀が過ぎた今、墓の継承は50歳前後となったバブル世代に身近な課題となっている。上の世代より、きょうだいの数が少ないだけに深刻化しているようだ。

 ■少子化で継承者なく

 東京都の会社員、山田優子さん(52)=同=が夫の実家の墓に入りたくないのは、両家の墓の継承問題があるからだ。義父母も自分の父母も、男の孫は山田さんの長男と次男だけ。2人はそれぞれの墓の継承者として期待されており、山田さんが夫の方に入れば、自分の実家の墓を継承する方の息子だけが家族と離ればなれになる。

 いずれ息子たちがそれぞれの家庭を持つと理性で分かってはいるが、今は4人家族で一人だけ墓が別になるのは避けたい気持ちが強いという。 「夫や子供たちと一緒に入るのは、女性の普遍的な願いでは。でも、事前に意思表示しないと私は夫と一緒に入れられてしまう。かといって、違う墓に入るといえばひと悶着(もんちゃく)ありそう」

 墓の継承者は今や貴重な存在だ。神奈川県の会社員、鈴木美香さん(47)=同=も、両家の孫世代は鈴木さんの一人息子だけ。義父の本家は九州で、生前に義母が用意した墓も九州にある。往復するのに時間も交通費もかかるので、墓参りはもっぱら夫と息子だけが行く。  「夫が長男なので、子供のいない親族たちの遺骨も引き受けています

。義父のお墓に手を合わせる息子の姿を見て、未婚の叔母が『男の子がいるからお参りしてくれる』といって一緒に入りたがりました。その場で『どうぞ』と答えましたが、息子一人に全てを背負わせたくないのが本音」

 ■先祖は「自分の近親者」

 墓の形態は家墓が主流でも、「家」をめぐる意識は変化した。第一生命経済研究所が平成21年、35~79歳男女600人を対象に実施したアンケートによると、「先祖とは誰か」(複数回答)について、「自分の親や祖父母などの近親者」と答えた人が73・2%で最多。「配偶者の親や祖父母などの近親者」(45・5%)を上回った。

 「誰とお墓に入りたいか」では、「先祖代々のお墓」(39%)が最も多かったものの、男女別にみると男性が48・6%いたのに対し、女性は29・9%にとどまり、男女間の意識の違いが鮮明に出た。 次に多いのは「今の家族で一緒に入るお墓」(25%)で、男性の23・4%に対し女性は26・5%と比較的高かった。

 3番目の「お墓はいらない」(20・5%)は男性では14・7%と低かったが、女性では26・2%を占めた。同研究所は「女性では墓に対する意識が多様化している」と分析した。こうしたニーズに対応し、血縁や地縁に関係なく入れる共同墓や、記念樹の周りに合葬する樹木葬など、墓石を必要としない形態も増えている。

ただ、女性の社会進出が進み、ライフスタイルが変化する一方で、先祖供養と墓を大切にする気持ちを無碍(むげ)にもできず、口には出せないネガティブな感情が心に渦巻いているようだ。

葬儀でありがち!5つのNGマナー


いつ見舞われるかわからないもののひとつが、不幸。大人になると、突然の訃報に際して焼香に出向く機会も増えるが、特に若い年代だと作法や礼儀を完璧に理解している人は意外と少ないのでは?

お焼香の列で前の人のやり方をみて、それにならって“それっぽく”済ませている人が大半だろう。

それだけに、なかにはとんでもないミスを犯してしまう例もあるとか。そこで、葬祭事情に詳しい埼玉県の某寺院住職に「葬儀のありがちNGマナー」を5つ挙げていただいた。

□NG1 通夜振る舞いの席で「乾杯」と発声
通夜振る舞いの席で「献杯!」という掛け声に、ひとりだけ「乾杯!」と重ねてしまい、気まずい空気になるなんてことも多いという。

またご遺族に「ご愁傷様です」と言葉をかける例が多いものの、いささか儀礼的で皮肉っぽく感じる人もいるという。声を掛ける場合は「お悔やみ申し上げます」という言い回しのほうが無難だ。

□NG2 通夜だからといって、平服で参列する
通夜は故人と親しい人が「急いで駆けつける場」という意味がある。それだけに「お通夜は普段着でいい」と思っている人も少なくない。だが、実際の会場では、ほとんどの参列者が喪服に身を包んでいる。

現実問題として、当日になるまで通夜があることを知らなかった、というケースはあまりないはず。本当にそうなら平服でも構わないが、そうでもないのに平服で参列するのは失礼。

悪意はないかもしれないが、厳しい言い方をすれば「取るものも取りあえず駆けつけた」ふりをしていることになってしまう。大人になったら、やはり黒の礼服を一揃え用意しておこう。

□NG3 気を遣わせるからといって、早々と帰る真夏や真冬は、通夜の焼香列に並ぶのはつらいもの。そのせいか、焼香を済ませた途端、すぐに帰ろうとする人がいる。

もちろん、仕事が忙しかったり、傷心の遺族に気を遣って…という人もいるだろうが、通夜振る舞いの料理に手をつけず早々に帰ることは、故人や遺族に対して失礼に当たる。時間が許せばなるべく断らず、口をつけて帰ろう。

□NG4 参列できないから、スルーする
一般的に通夜と葬儀を1日ずつ分けて行うのは、多くの人に来てもらうためという側面もある。どうしても参列できない場合は弔電を打ったり、ほかの参列者に香典を預けるようにしよう。後日あらためてお参りに伺うのでもいい。

遺族は後日「誰が参列したのか」をチェックすることになる。故人や遺族と付き合いがあったにもかかわらず、会葬者リスト名前がなければ、遺族が心証を害しても不思議ではない。参列できない場合も、必ず真心を尽くそう。

□NG5 焼香時に柏手(かしわで)を打つ
一般的な通夜や告別式では一列に並んで焼香を行うが、その際にまさかの“柏手”をする人が稀にいるという。

あまりの事態に読経中のお坊さんも動揺し、一瞬お経が止まってしまった例もあるとか。遺族の目の前で不慣れな行為を行うだけに緊張してしまうのかもしれないが、落ち着いて列の前の人たちの振る舞いを確認しよう。

そのほか、お焼香の列に並んでいる間に別の参列者と談笑したり携帯で通話したり、通夜振る舞いの席で酔って騒いだりしてはいけないのは言うまでもない。

葬儀は遺族に気を遣い、厳粛に執り行われるべきもの。“いい大人なのに失礼な人”のレッテルを貼られないよう細心の注意を払って臨みたい。

墓じまいの落とし穴 料金だけで決めたら取り返しのつかない事態も


 菩提寺が遠方の郷里にある場合、ついつい足が遠のいてしまう墓参り。自宅近くに墓があれば……と改葬を望む人が急増しているが、いざ田舎の「墓じまい」を決断しても、当事者には数多の難題が降りかかる。お寺から高額な離壇料(檀家を離れる時にこれまでの謝礼として支払うお金)を要求されたり、墓石撤去の際に石材店ともめたりするなどのトラブルも後を絶たない。

◆再改葬できなくなった

 さらに、墓じまいが終われば一安心、というわけにはいかない。墓じまいをした後も、トラブルは起きる。その筆頭が、改葬先の“仕様”に関するものだ。雑誌『宗教問題』編集長の小川寛大氏が語る。 「格安の共同墓地の中には、遺骨を粉状にして他者の骨と混ぜて保管する業者もある。この場合は個人の識別は不可能となり、新たに墓を購入して再改葬しようにも遺骨を取り出せません。料金だけを見て改葬先を選ぶと、後々取り返しのつかない事態になるかもしれない」

 昨今は夫婦両家の墓を一緒に墓じまいして、新たに一つの墓地に納骨する人も多いが、ここでも落とし穴がある。

「改葬先の墓地に骨壺が二つ入らない、というケースがあるんです。その場合は双方の遺骨を一部取り出して一つの骨壺に集約して納骨するのですが、残りの遺骨は別途、永代供養墓や共同墓地を購入して保管しなければならず、多額の費用が余分に発生する。改葬先の墓は微細な点まで確認するべきです」(ある葬儀業者)

 墓じまいを巡って頻発するこれらのトラブルを受けて、前出の小川氏は「代行業者」の利用も一考すべきだと提案する。「墓じまいは、必要書類を揃えるだけでも各地の市役所を駆けずり回らなければならない。遺骨取り出し、墓石撤去、開眼供養の手続きなども極めて煩雑です。代行業者は平均30万円ほどの費用がかかりますが、公的書類の整備から撤去業者選定、寺との事務手続や遺骨の移動まで、全てやってくれるところが多い」

 墓じまいは自分でやると手続きに1か月以上かかることも珍しくないが、代行業者なら2週間程度でできる。そのため依頼者は増加しているという。そもそもブームに乗って慌てて墓じまいして良いものか、今一度冷静になることが必要だ。お墓の事情に詳しい東洋大学ライフデザイン学部非常勤講師(エンディングデザイン研究所代表)の井上治代氏が語る。

「お墓に行って遺骨を拝むだけが親の供養ではない。自宅に写真を置いて、気持ちを込めてお祈りすれば、それもまた立派な供養です。家族や生活形態の変化が著しい現代社会で、伝統的な供養の仕方は絶対ではないはずです。自分にとって何が大切かを改めて考えてみることが必要なのではないでしょうか」

 泉下の先祖に余計な心配をかけないためにも、墓じまいには賢い選択が求められる。

【終活Q&A】喪中はがきで不幸を知った場合、どうすればいいか?


 Q.喪中はがきで不幸を知った どうすればいいか?

 A.寒中見舞いが基本だが、贈り物もあり

 年賀状の準備を始めようかという時期になると届く喪中はがき。縁の遠い人だと、そこで初めて不幸を知るというケースも少なくない。これはAさんの経験談。

 「友人のお母さんが6月に他界していたらしいのです。

ご飯をごちそうになるなど、何かと世話になりましたから、知っていれば葬儀に行ったんですが。今からでもできることはないものか」

 喪中はがきが届いた場合、正月明けに寒中見舞いを出すのが一般的なマナー。

もし、Aさんのように思い入れが強い人であればここで香典を送るといいだろう。

 もっとも、日がたってから現金を送っても気をつかわせてしまうとの懸念もある。

そこで2000~3000円程度の花束や線香を贈るのも1つの方法だ。

 50代、60代ともなると、友人知人が他界することも増えてくる。

その相手が遠距離となると盆や命日の墓参りも難しく、ともすれば縁がそれっきりになることも十分ありうる。

しかし、旧知の友との最後のやり取りが喪中はがきでは、いかにもさびしい。心にけじめをつける意味でも何らかのお印を送りたいところだ。

 遺族の迷惑にならない程度の大きさで、2人にゆかりのあったものを送るのもアイデア。

アクリルケースに入れて記念品のようにしてもおしゃれだ。また、故人の写真や動画なども遺族に喜ばれるだろう。

【終活Q&A】葬儀で流行の写真展示、私の時はやめ…


 Q.葬儀で流行の写真展示をしたくない

 A.使うものを自分で選ぶなど前向きに検討を

 先月、知人の葬儀に参加したAさんは、従来の葬儀とのギャップに驚いたという。

 「故人の幼少期からの写真がずらっと並び、スライドショーまで流れているんです。なかには10代の頃の際どい水着写真なんかもあって、私の時はやめてほしいと思っちゃいました」

 葬儀のスタイルにも、はやりすたりがある。昨今は芸能人よろしく、生前の写真や動画、思い出の品を展示して葬儀をドラマチックに演出するのが人気という。

 本人にその気がなくとも家族がそれを望むケースも考えられる。黄泉(よみ)の国に旅立ってからのことだけに取り返しがつかない。望まぬ写真を勝手に公開されては、いい気がしないというのもあるだろう。

まずは、自分の葬儀についての意向を家族にはっきり伝えておくことが大切になる。

 それでも、このスタイルは、弔問客同士の思い出話に花が咲き、湿っぽいムードをやわらげると評価する声も多い。かたくなに拒否せず「自分の葬儀を自分でプロデュースする」というくらい前向きに捉えてみてはどうだろう。

 そこで必要になるのが使っていい写真などのセレクトというわけだ。「いつ、何のとき」とひと言付けて1つのファイルにまとめるくらいで構わない。できれば自分の希望を伝え、家族の意見も反映しておくのがいいだろう。

【終活Q&A】抗がん剤治療か、緩和ケアか


Q.抗がん剤治療か緩和ケアか 

A.どう生きたいかが重要。希望をはっきりさせる

 半年前に末期がんを宣告され、72歳で亡くなったAさん。昨今は、抗がん剤治療と緩和ケアを並行して行うケースも増えており、緩和ケア=治療断念という図式は成り立たない。しかし、Aさんは緩和ケア1本に絞ったという。生前、そのいきさつをこう語っていた。

 「実は同じがんで娘を亡くしていまして。抗がん剤治療で弱り、ベッドにくぎ付けにされた姿は見ていられないほど強烈でしたから、自分が同じ状態になったら緩和ケア1本にしようと、妻とも話し合っていたんです」

 若ければなんとしてでも治療したいところだが、症状が末期ともなれば、延命しても仕方がないと考える年配者の思いも理解できる。Aさんは残された時間で、お世話になった人の所を訪ね歩いたという。亡くなる3日前に会った知人はこう語る。

 「薬が切れたら大変だなんて言っていましたが、普段と全く変わらない様子でした。突然の訃報に驚いたくらいです」

 緩和ケアなら「最後にやり残したことを」という可能性もあるということ。「残りの人生をどう生きるか」を真剣に考えるなら無視できない選択肢だ。

 語り合うには重いテーマだがテレビや新聞で話題が出たときなど、折を見て自分や家族の希望をはっきりさせておくべきだろう。

弁護士が考える「自分が死ぬ前にやるべき4つのこと」


少し前に「終活」という言葉が話題になったのをご存知でしょうか。

「人生の終わりのための活動」のことですが、実際に自分の死期が近くなってきた際、どのような活動すれば良いのか知っている方は少ないかもしれません。

自分が死んだ後、残された人たち、特に相続人がもめないために、生前にしておくべきことがあります。

本日は、主に法律的な観点から、死後、残された人たちがもめないために、自分が死ぬ前にしておくべきことを4つご紹介します。

●遺産の分配方法を決めておく

自分には全く財産がないという人は特に決めておく必要はないかと思いますが、多少なりとも財産を持っているのであれば、遺言を書いて、死後、自分の財産を配偶者や子どもたちにどのように分配するかを決めておくべきです。

なお、生前、自分の面倒を全くみなかった子どもに対しては、財産を一切あげたくない等特定の相続人だけに財産を相続させない、といったケースもあるでしょう。

しかしながら、相続人には、「遺留分」といって、遺言によって遺産を相続できない場合であっても、最低限遺産を確保することができる権利がありますので(配偶者は法定相続分の2分の1、子は4分の1)、死後、遺産をもらえなかった相続人が、他の相続人に対して遺留分の権利を行使することにより、相続人間で争いが起こる可能性があります。

そのため、もし、自分の相続人の中に財産を相続させたくない人がいる場合であっても、相続人の間に発生する将来の火種をなくすためには、最低限、相続させたくないと思っている人に対しても、遺言によって、その人の遺留分以上の財産を相続させるようにしておくべきでしょう。

●財産の所在を明らかにしておく

被相続人の死後、いざ財産を分けようにも、財産がどこにどのくらいあるのかが分からず、相続人による遺産の調査に手間や費用がかかるというケースが良くあります。

そのため、自分の死後、遺産が速やかに分配されるよう、生前に、自分の財産の所在(不動産であれば登記簿謄本や権利証、預貯金であれば通帳や銀行届出印、保険であれば保険証券等)について記したメモを残しておくべきでしょう。

●債務をなくしておく

被相続人が死亡した場合、プラスの遺産(財産)だけではなく、マイナスの遺産(債務)についても、相続人に相続されます。

そのため、死後、相続人間で債務の支払いについてもめないために、できれば、自分の財産を一部換価してでも、生前に自分の債務はなくしておくべきでしょう。

●喪主や葬儀費用の支払いについて決めておく

死後、誰が葬儀を主宰するのか、その費用は誰が負担するのかでもめるケースがかなりあります。

この点、葬儀費用については実際に葬儀を主宰した者(喪主)が負担すべきであり、相続財産から支出することは許されないとする裁判例もあります。

そのため、自分の死後、相続人間で喪主や葬儀費用の負担についてもめないために、生前、遺言によって、喪主や葬儀費用の支払方法について決めておくべきでしょう。

*著者:弁護士 理崎智英(高島総合法律事務所。離婚、男女問題、遺産相続、借金問題(破産、民事再生等)を多数取り扱っている。)

「人生の終わりの活動=終活」をサポートするプランナーってどんな仕事?


「終活」という言葉を聞いたことはありますか?「人生の終わりのための活動」の略で、「人生の終わり」つまり「死」に向けての事前準備をする活動ということを意味しています。

葬儀やお墓の準備はもちろん、最近では実際に棺おけに入る入棺体験や、模擬葬儀を体験する高齢者も増えているそうです。実際に体験した方々によると、こうした体験を通してますます「生きたい」という気持ちが増してくるのだと言います。

「死ぬ」ということを具体的に考えることで、あらためて「生きる」ことの大切さを考えるよい機会になっているのかもしれません。そんな「終活」をサポートする「終活ライフケアプランナー」という資格があるのをご存知でしょうか?

◆そもそも「終活」とは?
「終活」とは2009年に週刊誌が発表した言葉といわれています。当初は、相続や遺言、葬儀など現実的な問題に直面したときに、生前の本人の希望を尊重し、家族が困らないように計画を立てる事前準備という意味で使われていました。

現在では「人生の終わりに向けての事前準備をしながら、これまでの人生を見つめなおし、残りの人生を自分らしく生き、自分らしいエンディングを迎えるための活動」を意味するようになっています。

◆「終活ライフケアプランナー」が必要とされる理由
ひと昔前までは、死への事前準備を本人がするなどという考え方はありませんでしたが、現代は残された家族に迷惑をかけたくない、自分のことは自分で決めたいという風潮が強く、自分の死についても自分で考える時代となっています。

そういった高齢者たちのニーズに応え、介護や葬儀などの知識はもちろん、終末期ケアや死生観など、死に直面した相談者の気持ちをケア・理解する専門的な知識を持つ「終活ライフケアプランナー」の養成が急務となっています。

そこで、通信教育事業を展開する株式会社キャリアカレッジジャパン(本社:広島県広島市、代表取締役:横田正隆)が、終活の第一人者を講師に招き、初心者でもプロの「終活ライフケアプランナー」を目指すことができる講座を開発しました。

◆「終活ライフケアプランナー」講座とは?
「終活ライフケアプランナー」講座は、スピリチュアルケアや終末期ケアについて大学で教鞭をとる井上ウィマラ講師と、終活に関する多数のセミナーや講演実績を持つ高橋佳良子講師が監修を担当し、プロの終活ライフケアプランナーを目指すことができる通信講座です。

終活に伴う“医療・介護・葬儀・お墓・相続”などの学習はもちろん、“終末期ケアや死生観”など、死に直面した相談者の気持ちをケア・理解する専門的な知識を身につけることができ、はじめて終活を学ぶ方でもプロとしてのスキルをわずか3か月で習得することができます。

◆終活ブームはいつまで続くのか
日本はいまや、4人に一人が65歳以上という典型的な高齢化社会です。65歳以上の人口が総人口の何割を占めているかによって、高齢化社会は3種類に分類されていますが、日本はその中でも最も高齢者人口率の高い超高齢社会(高齢化率21%以上)に認定されています。

単身世帯の高齢者や老々介護も多く、自分の死に際して葬儀やお墓、相続のことで他人に迷惑をかけたくない、または家族に迷惑をかけたくないという人が増加していることも、終活ブームの一因となっているようです。

2055年には高齢化率が約40%にまで増加するとも推測され、引き続き高齢化社会が激化し、今後もますます「終活」のニーズは多様化していくと言われています。

これからもより必要とされる「終活」の知識。葬儀の関係者や保険の仕事をされている方、法律家の方だけでなく、ご自身や大切なご家族のために「終活」を学んでみてはいかがでしょうか。

夫が突然死んだ場合にすぐにでも行うべき5つの重要な手続き


夫が突然死んだ場合、葬儀のことをまずは考えなくてはいけないが、葬儀のあとは、法要を進めながら、亡き夫の身の回りの整理をしていくことに。とりわけ夫が死んだあと、すぐにでも行うべき重要な手続きは、この5点だ。

1.世帯主変更届
 住民登録をしている市区町村役場に届け出る。14日以内の届け出が義務。本人確認書類・印鑑を持参すること。

2.公共料金などの名義・口座変更
 電気、ガス、水道、電話など各契約会社に提出。というのも、夫の口座は死後、凍結され、引き落としができなくなるから。

3.年金・保険金の届け出

 社会保険事務所、または自治体の国民年金課に届け出る。手続きをしないと遺族年金が受け取れない。

4.葬祭費の申請
 加入している健康保険の窓口に申請。3万~7万円程度給付。2年以内に請求しないと時効になる。

5.クレジットカードなどの解約
 カード会社に解約を申請する。そうしないと年・月会費がずっと引き落としになる。

 ここで関係する書類が見つからない、契約先がわからないなどのトラブルが生じるケースも多い。特に、遺族年金や保険の手続きは収入に直結するだけに、見つからない事態は避けたいもの。

 ファイナンシャルプランナーの豊田眞弓さんは、こうした手続きに必要な各種書類の所在を、生前に明確にしておくことが重要と話す。

「市販のエンディングノートなどを使い、引き継ぎノートをつくっておきましょう。控えておくべき内容は、『所有している預貯金口座』『各口座の自動引き落とし内容、およびその契約先』『持っているクレジットカード』『加入している保険』『年金・健康保険の番号』など。それぞれ収納場所も明記しておくことも忘れずに」(豊田さん)

 各種名義変更などは、問い合わせ先やサポートセンターの一覧を引き継ぎノートにメモしておけば、手の空いた時間に順にかけていくだけですむ。ときどき見直し、追加・変更になったものは随時更新を。

 他にも必要な手続きをあと3つ紹介する。死亡届は死後7日以内に。なお、このとき提出する死亡診断書(医師に書いてもらうもの)は、保険などの請求に必要になることが多いので、1部はコピーをとって手元においておく。

 もう一つは、免許証や保険証は該当機関に返却する。そして治療費や入院費が多額(概ね8万円以上)だった場合は、加入する健康保険の高額療養費制度を利用すれば、払いすぎた分を取り戻せる。

葬儀費用の目安は約200万 無料の生前見積もり活用を推奨


日本消費者協会の調べによると、葬儀代は全国平均で199.9万円。これだけ高額な支払をする相手を、夫の死後24時間でエイッと決めてしまうのは、実は賭けのようなものである。

 葬儀をどの業者にまかせるかは、夫の生前に話し合っておき、故人の遺志をしっかり反映するための準備をしておきたい。

「葬儀の生前準備をするときは、夫に『どちらが先に死ぬかわからないから、お互いに備えておかない?』と言うと、切り出しやすいはず」(柴田さん)

 葬儀社を選ぶ際は、まず、葬儀に呼ぶ人(呼びたくない人も)をリストアップすると、規模の予測がつき、連絡先も確認できる。

さらに、遺影はどれにするか、棺に入れてほしいものはないかなどを聞き、おおよそのイメージができたら、地元の葬儀業者を中心に最低3社にたずねてみよう。無料で生前見積もりをとることができる。

「祭壇や棺のランクはすべて“真ん中で”とお願いしましょう。この際、会葬者の人数などはすべて同じ条件で依頼することが重要です」(柴田さん)

 葬儀社の心ない対応に傷つき、不満が残ったという声もよく聞く。事務所や会場を訪れて、葬儀社の対応や姿勢もチェックできるのが、生前準備のメリットだ。

「事務所が汚いと、遺体安置所も掃除されていない可能性が。また、担当者の人柄はよくても、当日その人が担当してくれるとは限りません。ほかのスタッフの対応もみておきましょう」(柴田さん)

 見積もりがコロコロ変わる業者や、高価格のオプションを押し売りしてくる業者ももちろんNG。

 最近は、一般の会葬者を呼ばず、遺族やごく親しい人だけで葬儀を行う“家族葬”を選ぶ人も増えている。

例えば、スーパー大手のイオンが展開する50名程度の家族葬向けプランなら、病院への迎えから納棺、通夜、告別式、火葬、初七日までで50万円弱(料理・返礼品代は別)とかなり割安。

 また、よりコンパクトにと、通夜や告別式も行わない、火葬だけの“直葬”もある。これは火葬前に、近親者のみでお別れをするというもので、20万円ほどの予算。だが、こうしたシンプル葬では、注意も必要と柴田さんは言う。

「葬儀に呼ばれなかった人が悲しみ、後々まで自宅に弔問に訪れることも。家族葬でも告知はし、そのうえで会葬、香典は辞退する旨を伝えることが大切です」(柴田さん)

お葬式にふさわしくない女性の装いは?【今さら聞けない社会人のマナー】


今さら聞けない社会人のマナーをクイズ方式でお届けします。覚えておけば役に立つことウケアイですよ。

Q:お葬式にふさわしくない女性の装いは次のどれでしょうか?

A:黒いストッキング

B:黒無地で光沢のないバッグ

C:二重の真珠のネックレス

(答えは矢印の下です!)



































解答:

C:二重の真珠のネックレス

解説:

二重になったものは不幸が「重なる」ことを連想させるので、ふさわしくありません。

「孤独死」は怖くない 「老後破産」も気にならなくなる幸せな生き方とは?


この数年、「老後破産」とか「下流老人」ということがメディアで取り上げられるようになりましたが、わたしは常々その取り上げられ方に違和感を覚えます。より正確に言えば、「老後破産しないためには何歳までに何千万の貯蓄が要る」というような論じ方に違和感を覚えます。

 「なぜ、今の生活レベルを維持することを前提にして、貯蓄に励めというのだろう? なぜ、収入が減ったなりのつつましい暮らしの中での満足を得るよう気持ちを切り替えよう、とは言わないだろう?」という違和感です。

 これまで2回の連載で死に方について書きました。最後に死ぬまでの生き方についても書いておきます。ここでのキーワードは、前回にも出てきた「シンプル・ライフ」に加えて「足るを知る」です。
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「あれ」「これ」はほんとうに必要なものなのか?

 今の60代あるいはそれ以上の世代は、高度成長前の貧しかった時代を実体験しているはずですし、あの時代、貧しければ貧しいなりに、生活の中でささやかな喜びや幸せを見つけていたはずなのに、何をそんなに恐れなければならないのでしょう? 老後の収入が今より減るとして、それは子どもの頃に返るだけのことではないでしょうか、と腹をくくればずっと気楽に生きられるのに……。この種の議論を目にすると、わたしはいつもそう思います。

 一歩身を引いて、落ち着いて考えてみませんか?

 「あれがほしい」、「これがほしい」と思っている「あれ」や「これ」は、ほんとうに必要なものなのでしょうか? 「あれ」がなくても、「これ」がなくても人は生きていけるのではないでしょうか?

 「あれがほしい」、「これがほしい」と思う欲求は、本当の自分の自然な欲求ではなくて、マーケティングによって操られ、吹き込まれた偽りの欲望ではないのでしょうか?

 マーケティングの手練手管に操られ、「あれも欲しい、これも欲しい」という欲望に身を任せ、毎月何十万もの生活費が要ると信じ込んだあげくに、老後の生活資金が足りないと不安におびえるのは、冷静に振り返ると滑稽なことではないでしょうか。人はもっとシンプルに生きていけるのです。

 これはわたしのオリジナルな意見でも何でもありません。2000年以上も前から、エピクロスやブッダや老子、荘子といった人たちが語ってきたことです。

残されたさほど長くない年月を「好きなように生きる」知恵とは?

 「禍(わざわい)の最たるは足るを知らざるなり」……。最大の不幸は「これでいい」と満足できないこと。逆から言えば、「足るを知る」、「これでいい」と満足できることが幸せの基本なのです。

 そんなシンプル・ライフにあっても、日々の暮らしのいろいろな場面で、ささやかな喜びは感じられます。たとえば、あかね色に染まる夕焼け空を眺めるとき、家のそばの路地で野良猫と遊ぶとき、道路の舗装のすきまから「雑草」と十把一絡げにされる草が名も知れない可憐な花を咲かせているのに気付くとき、喫茶店やファミレスの窓から桜の花が咲いて、やがては散り、若葉が芽生え濃緑に移りゆくさまを眺めているとき、内容の深い本に出合ったとき、部屋でお茶を飲みながら聴き慣れた音楽を聴いているときなど……。人生の幸せはこんなささやかなものの積み重ねかもしれない、「足るを知る」とはこういう心境かもしれない。こんなふうに思えるのも年を取ったからこそであるなら、老いるのも悪くはありません。

 「足るを知る」とは、何もかもじっと我慢する生き方ではありません。むしろ逆に、人生に残されたさほど長くない年月を「好きなように生きる」ための知恵でもあります。

 たとえば、事業の発展のため、収入を増やすために、好きでもない人とにこやかに付き合い、無理して人脈を広げる必要はないのです。付き合って楽しい人とだけ付き合えばいい。

 スキルアップのため、出世のため、知名度を上げるために、好きでもない仕事に打ち込む必要もないのです。心からやりがいのある仕事だけすればいいのです。

 社会の反応を気にして、世間の空気を読んで、言いたいことも言わずに我慢する必要もありません。正しいと思うことは正しいと、間違っていると思うことは間違っていると、心おきなく発言していいのです。

 こんなふうに好きなように生きて、そのために収入が減ったなら、減った収入の中の「足るを知る」工夫をすればいいのです。まして、孤独死を意識するほどの年齢になれば、未来への投資のために現在を犠牲にする必要はないのです。

 あるいはまた、孤独死を意識するほどの年齢になってまで、健康のために好きなことを我慢する必要もありません。

 人生の楽しみの中には、健康に良くないものもたくさんあります。タバコ、酒、美食などがその代表でしょうか。しかし、今さら健康に気を配る必要はないでしょう。好きなことをして寿命が1年くらい縮むか、好きなことを我慢して寿命が1年くらい伸びるか、どちらを選んでもいいのです。ましてや孤独死予備軍である一人暮らしの身であれば、「そんなこと、体に毒よ」とお節介なことを言う家族もいないのですから。

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 3回にわたり孤独死について、そして老後の一人暮らしについて語りました。いかがでしょう? 孤独死も少しばかりは良いものだと分かっていただけたでしょうか?……いや、人が死ぬ話だから「良い」とは言えませんね。それでも孤独死もけっして悪くはない、と思えたのではないかと思います。

(心療内科医師・松田ゆたか)

お葬式にふさわしくない女性の装いは?【今さら聞けない社会人のマナー】


今さら聞けない社会人のマナーをクイズ方式でお届けします。覚えておけば役に立つことウケアイですよ。

Q:お葬式にふさわしくない女性の装いは次のどれでしょうか?

A:黒いストッキング

B:黒無地で光沢のないバッグ

C:二重の真珠のネックレス

(答えは矢印の下です!)



































解答:

C:二重の真珠のネックレス

解説:

二重になったものは不幸が「重なる」ことを連想させるので、ふさわしくありません。

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