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中高年の高タンパク食に癌リスク



FC2 Analyzer高タンパク食を好む中高年(50~65歳)は、癌(がん)で死亡するリスクが4倍、死亡率も75%高まるという研究結果が発表された。

 研究を率いた南カリフォルニア大学のバルター・ロンゴ(Valter Longo)氏は、高タンパク食のリスクは喫煙と同程度と警告している。

この衝撃的な研究結果の鍵は、インスリンと類似するアミノ酸分子、インスリン様成長因子(IGF-1)が果たす役割だ。成長ホルモン(GH)の関連物質で、子どもの成長など加齢変化に影響が認められている。

 ロンゴ氏がエクアドルの首都キトにある内分泌・代謝・生殖研究所(Institute of Endocrinology, Metabolism and Reproduction)のハイメ・ゲバラ・アギーレ(Jaime Guevara-Aguirre)氏らと共同執筆し、広く報道された3年前の研究論文でも、同じ分子が主役だった。

当時の研究対象は、エクアドル南部で孤立して暮らすラロン症候群の患者たちだ。彼らは珍しい遺伝子異常によってIGF-1の正常な機能を阻害され、成長するための経路を断たれている。その結果、成人の身長が1メートル前後で止まってしまう。

 ただし、この病気には意外な副作用があった。ロンゴ氏らによれば、患者は癌と無縁で、肥満が多いにも関わらず糖尿病にも罹患しないという。

 中高年に警告を発した最新の論文は、対象が高齢者になると別の展開を見せる。65歳以上は高タンパク食によって死亡率が下がるという、正反対の可能性を示しているからだ。

 つまり、中高年には低タンパク食が好ましいが、高齢者には悪影響を及ぼすかもしれないという。

 研究結果の謎解きとIGF-1の役割について、ロンゴ氏に話を聞いた。

◆新しい論文には驚くべき主張がいくつもあります。まず最も意外と思われる内容から始めましょう。中高年期の高タンパク食は、特に癌による死亡リスクを大幅に高めるという主張です。あなたは喫煙のリスクに例えていますね。高タンパク食と死亡リスクの関連性を説明してください。

 タンパク質の摂取量が多いほど、IGF-1の働きが高まります。あらゆる微量栄養素の組み合わせを調べた論文もありましたが、最も長生きできるのはやはり低タンパク質、高炭水化物の組み合わせでした。

◆参考のため、高タンパク食と低タンパク食の定義を教えてください。

 高タンパク食は、摂取カロリーの20%以上をタンパク質が占めている状態です。普通は10~20%、10%以下が低タンパクですね。

◆さらに、論文には“劇的な変化”という言葉が出てきます。好影響を及ぼす低タンパク食が悪影響に変わるターニングポイントを意味します。この変化をどのように発見したのですか? またその年齢層と、原因をどのようにお考えですか?

 50歳以上を対象にした調査の分析結果からは何も見えてきませんでした。ところが、マウスの場合、若年や中高年の個体を飢えさせても元気でしたが、年老いた個体は苦しみました。私はこの結果から、「少なくとも2つの段階に分けることができるのではないか」と考え始めました。

 そこで、分析を行った疫学者に、「データを再分析し、(65歳を境に)2つのグループに分けてほしい」と依頼しました。すると、案の定、「信じられない結果が出た」という報告が上がってきたのです。50歳以上を対象にした最初の分析では、高齢者の影響が中高年の影響を相殺していたのですね。65歳を過ぎると、低タンパク食が及ぼすリスクの方が大きくなってしまうようです。

◆あなたはマウスに高タンパク質、低タンパク質の食事を与えたり、遺伝子操作した酵母の寿命を延ばす補足的な研究を行っていますね。IGF-1の役割を示唆する研究でした。癌と全体的な死亡率に関して、IGF-1はどのような役割を果たしていると思いますか? 現在の仮説を教えてください。

 動物と人間どちらの場合も、低タンパク食がIGF-1の値を下げることは周知の事実です。人間の場合、タンパク質が多いグループと最も少ないグループでは(IGF-1の値に)かなり大きな差があります。

 では、どのように癌と結び付くのでしょう? ラロン症候群の患者を調べた3年前の論文に答えがあります。人間の細胞を患者の血液(基本的にIGF-1は含まれていない)にさらした後、細胞DNAに傷害を与えて前癌細胞に変えようとすると、IGF-1が存在しないことによって細胞は2つの方法で守られます。

まず、既に酵母で証明されているように、IGF-1を欠くためにDNAは損傷を受けません。次に、哺乳類の細胞はIGF-1が少ないほど、プログラムされた細胞死「アポトーシス」が起こりやすくなります。

◆この場面では、細胞の死は良いことなのですか?

 はい。細胞が癌細胞になろうとしているのですから。しかも、2重の防御効果です。まずDNA損傷の蓄積を阻止し、たとえ損傷を受けてしまっても、(前癌)細胞ははるかに高い確率で死を迎えます。

 今回の論文ではそうした役割をかなり明確に示しています。タンパク質が少ない食事を与えた(マウスの)癌は進行が緩やかになりました。今回の研究結果は、3月4日に「Cell Metabolism」誌に発表された。
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遺伝性がん対策の可能性 FC2 Analyzer



FC2 Analyzerがん早期発見の助けとなるのか。先ごろ、日本膵臓学会が、遺伝が大きく関係する家族性膵臓がんの予防に役立てるため、膵臓がん患者の家族を登録する制度を始めた。

 登録の対象となるのは患者の家族で、既往歴や喫煙の有無、体格などの情報を収集し、健康状態を追跡調査する。京都大をはじめ、東北大や九州大、国立がん研究センターなど、国内約10施設が年内に開始する。

 「人間は、体の細胞ががんになるのを抑制する働きを持つ、がん抑制遺伝子を持っています。この遺伝子には、一個一個の細胞に父親由来のものと母親由来のものが2個ずつ入っている。

例えれば、自転車のブレーキが前輪と後輪に2個あるようなもので、ある細胞で、たまたま二つあるブレーキの片方が壊れても、もうひとつのブレーキがきちんと機能していれば、その細胞はがんになりません。

しかし、残りのブレーキも壊れてしまうと、細胞はがん化に向けて暴走してしまうのです」

 これを、予め血縁者を調査し、未然に防ぐというわけだ。

 女優のアンジェリーナ・ジョリー(38)が乳がん予防のために乳房を切除し、日本でも一気に関心が高まっている遺伝性がん予防。

既に乳房切除手術を実施している聖路加国際病院でも、「遺伝性乳がんが、日本にも一定の割合で存在することが'06年ごろに臨床試験で明らかになり、対応する必要が出てきた」としているものの、ほとんどの病院で実施されていないのが現状。しかし世田谷井上病院・井上毅一理事長は言う。

 「どんながんでも、CT、超音波などの診断は半年に一度くらいは受けた方がいいと思います。リスクを自覚し、定期的に精密検査を受ければ早期発見につながるのです」

 がんへの概念が変わるのは近い将来なのか。

痛くも恥ずかしくもない! カプセルで大腸がんチェック


大腸がんは、全がんにおける死亡率が男性第3位、女性第1位だ。食生活の欧米化に伴い、大腸がんは増加している。

 これを検査するには、まず便潜血反応、次に大腸内視鏡。ところが、大腸内視鏡は肛門から内視鏡を突っ込む検査のため、「痛くて恥ずかしい」と嫌がる人が少なくない。便潜血反応で陽性が出ても、精密検査としての大腸内視鏡にきちんと進むのは55%というデータもある。

 ところが1月、痛くも恥ずかしくもない検査「大腸カプセル内視鏡」が保険適用になった。国立がん研究センター中央病院内視鏡科・角川康夫医長に話を聞いた。

 大腸カプセル内視鏡はその名の通り、カプセル型の内視鏡。31×11ミリのカプセルの“頭”と“お尻”にカメラが搭載されている。

「カプセルが肛門から出るまでだいたい4~5時間。この間、現在は病院で過ごしてもらっています。ゆくゆくは自宅に帰って好きに過ごしてもらえるように準備中です」

■感度は91%

 大腸はヒダが多いが、2つのカメラで死角も撮影できる。カプセルが速いスピードで進んでいる時は1秒間に35枚、ゆっくり進んでいる時は1秒間に4枚と、スピードに合わせて撮影枚数も自動的に調整される。

「カプセルが大腸の中を巡っている間は、バッグを肩から斜め掛けするように、データレコーダーを斜め掛けしてもらいます。

カプセルが撮影した写真はレコーダーに送信され、専用コンピューターで解析し、ポリープの有無や大きさを調べます。大腸カプセル内視鏡の感度は84~91%です」

 検査の流れは「朝、病院で下剤を飲む→大腸カプセル内視鏡をのむ→下剤を飲む→カプセルが肛門から出るのを待つ」。

カプセルが出るのが夕方以降なので、1日がかりの検査になる。検査前日は消化のいい食事を心掛ける程度で普段通りで構わない。検査当日はカプセルが出るまで絶食だ。

 従来の大腸内視鏡に比べると楽チンな検査だが、大腸カプセル内視鏡を受けた人が「これも改善されればなおいい」と口にすることがある。

「下剤の量です。大腸内視鏡でも必要ですが、それよりも多く飲まなくてはなりません。カプセルを飲む前に2リットル、カプセルを飲んでから1.8リットル。それ以上飲まないといけない方もいます」

 カプセルをのむ前の下剤は腸をきれいにするため、カプセルをのんだ後の下剤はカプセルを“後押し”するためだ。

「後押しの下剤を飲まないと、大腸カプセル内視鏡のバッテリー切れになり、大腸をくまなく調べられません」

 それでも、大腸カプセル内視鏡をいち早く臨床に取り入れた海外より、下剤の量は非常に少ない。海外では検査前日と当日の2日間絶食で、合計6リットルの下剤を飲む。最近は、日本の3.8リットルの下剤を見習い、少なくする傾向にあるという。

 大腸カプセル内視鏡できちんと理解しなくてはならない点がもうひとつある。

「ポリープの有無は調べられますが、切除はできません。もし、治療が必要と思われるポリープが見つかったら、必ず大腸内視鏡を受けなくてはなりません」

 残念ながら健康保険の対象になるのは、「大腸内視鏡を受けたけど、内視鏡が大腸の奥まで入らなかった人」。

現段階では、「大腸内視鏡をやる前に大腸カプセル内視鏡」という人は自費になる(10万~11万円程度)。国立がん研究センター中央病院内視鏡科では、大腸カプセル内視鏡を無料で受けられる臨床研究を開始していた。

 大腸がん検診とは別に、大腸カプセル内視鏡の新たな役割として、潰瘍性大腸炎の患者の炎症の評価の手段としての研究もほかの医療機関で進められている。目が離せない検査法であることは確かだ。

 ちなみに、腸に狭窄(きようさく)がある人にはこの検査は向いていない。

朝食に色の濃い野菜・果物を キャベツ、大豆には癌予防効果 FC2 Analyzer


長寿研究で知られる順天堂大学の白澤卓二教授は、元気な100歳を数多く診察し、長寿の要因を研究してきた。その結果、「百寿」を目指す上で最も重要なのは「食事」だと気づいた。

何歳からでも遅くはない、今日から始められる、ボケないための食習慣を公開する。以下は【朝食編】だ。

【色の濃い野菜・果物を選べ】

 元気な百寿者の朝食を調査すると、血糖値をコントロールする役目を担うインスリンの効きを良くする緑黄色野菜をたくさんとっていることがわかった。緑黄色野菜の色の濃い部分は、紫外線でできる活性酸素から植物自身を守る働きがある。

つまり、ニンジンやかぼちゃなど色の濃い野菜には、がん予防に有効なカロテノイドなどフィトケミカルが含まれているということ。スーパーで同品種の野菜から選ぶ時も、なるべく色の濃いものを選ぶといいだろう。

【ニンニク・キャベツ・大豆ががん予防野菜トップ3】

 アメリカ国立がんセンターが、長年にわたってがん予防に効果のある野菜や果物を徹底調査し、「デザイナーフーズ」として発表した。

それによると、もっともがん予防効果が高いのはニンニク、キャベツ、大豆。続いて、甘草、ショウガ、ニンジン、セロリなどが挙げられている。これらを積極的にとるようにしたい。

あの商品にも発ガン性物質? 買ってはいけないアレやコレ…あらためて復習が必要かも



FC2 Analyzer商品のラベルを読むのが好きだ。幼い頃、本ばかり読んでいた私を心配した母が私から本を取り上げたところ、ジャムのラベルをずっと読んでいたと聞かされたが、不惑をとうに過ぎたいま、手元に本があってもラベルは必ず読む。

活字中毒のためではなく、何が入っているかわからない商品をつかまされないためである。

食品偽装や原発事故で、国も企業も消費者のほうを向いていないことが露呈した昨今、私にとってはラベルを読まずに買い物することはロシアンルーレットと同義語だ。

 『体を壊す13の医薬品・生活用品・化粧品』(渡辺雄二/幻冬舎)は、「買ってはいけない」シリーズ(金曜日)共著者の科学ジャーナリストによる、警鐘の書。全成分表示に切り替わったおかげで、かえって指定成分が見過ごされやすくなってしまった今日、あらためて発がん性が懸念される化学物質への注意を促している。

たとえば、歯磨き粉に含まれるサッカリン、入浴剤に含まれるタール色素など。厚生労働省がアメリカからの圧力に屈して認可してしまった発がん性物質もある。人工甘味料のアスパルテームなどがこれに当たる。

 コラーゲンに関する章など、危険性に関しては甘味料と重複していて取り上げる必要はなかったのではと思われる箇所もあり、風邪薬・湿布役・止瀉薬など「説明書を読まない消費者にも問題があるのでは…」と思える箇所もあるが、それ以外は非常に参考になる。

私は添加物を気にしていたほうだったのに、それでも気に入っていたシャンプーに界面活性剤が入っていたことを改めて知り、Amazonの定期購入を取りやめた。もしも添加物についてまったく危険性を感じていない人がいれば、即本書を購入し、買い物用バッグにいつも入れておくのがいい。

 添加物は人体にとって有害かもしれないが、害を押さえるべく微量にしてある、との反論もよく耳にする。

しかし、食品や日用品の添加物が怖いのは、長期にわたる使用や複合的使用についてのリスクが、実験では不明な点だ。著者が懸念する通り、国と企業が消費者を使って長期にわたる人体実験をしている可能性が、100%ないとはいえないのだ。
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おならが硫黄臭い・・・これって病気?大腸がんの可能性も?


おならをするたびに、ものすごく硫黄臭いという人はいませんか。実はおならは、食べたものや腸内環境の影響で、一時的に臭いがきつくなることはよくあります。しかし臭いおならが長く続く場合は注意が必要です。大腸がんなどの病気の症状であれば、すぐに治療が必要です。硫黄臭いおならについて、原因や改善方法を解説します。

硫黄臭いおならは何が原因?
おならをしたときに硫黄のような臭いが漂ってくると、本人も周りにいる人も不快に思うでしょう。なぜ、硫黄臭いおならが出るのでしょうか。その原因について解説します。

そもそもおならのにおいとは
おならとは、食べたり飲んだり、おしゃべりしたりしたときに飲み込んだ余分な空気と、食物を消化する過程で発生したガスです。おならは主に酸素、窒素、二酸化炭素、水素、メタンなど無臭のガスでできており、硫化水素やアンモニアなどの臭いガスは、全体のたった1%ほどしかありません。つまり、本来おならにはほとんど臭いがないのです。

ところが、体の中を通って外に出されるまでの間にさまざまな臭いが後付けされ、おならとして出たときに、硫黄のような臭いになっていることがあります。

硫黄臭いおならが出る原因
硫黄臭いおならが出る原因は、ほとんどの場合、食べ物や腸内環境の影響によるものです。

肉や魚など大量のたんぱく質を食べると消化しきれず、消化されなかったたんぱく質は悪玉菌によって分解されます。この時に、硫化水素など硫黄のような臭いのガスが生み出されるため、おならが臭くなります。

また、腸内細菌のバランスが崩れ、悪玉菌が多くなっている場合にも、おならが硫黄臭くなります。特に食生活の乱れやストレスは、腸内細菌のバランスに悪影響を及ぼします。ストレスが強いと過敏性大腸症候群になって下痢や便秘をしやすくなり、腸に便がたまっていることでもおならが臭くなります。

硫黄臭いおならの改善法は?
硫黄臭いおならは、食生活や生活習慣に気をつければ、改善することができます。具体的な改善方法をご紹介します。

乳酸菌を積極的にとる
乳酸菌は、腸内の善玉菌を増やし、腸内の細菌フローラをバランスのいい状態にしてくれます。善玉菌は、消化や吸収を助けて悪玉菌が増えるのを防ぎ、免疫機能を調整したり、便通を良くしてデトックスを促したり、腸内環境を整える働きがあります。腸内環境が整っていると、おならも臭いがほとんどしないものになります。

乳酸菌の多い食べ物としてよく知られているのが、ヨーグルトやチーズなどの乳製品です。他に、納豆、キムチ、ぬか漬けなどにもたくさんの乳酸菌が含まれています。乳酸菌を含む食べ物は、一度に大量に摂るのではなく、毎日継続して少しずつ摂ることが理想です。食事のたびに、意識して乳酸菌を含む食品を摂るようにしましょう。

食物繊維を積極的にとる
腸内に便がたまっているとおならが硫黄臭くなるので、臭いを改善するためには、便通をよくして、便をためないようにすることです。

便秘の解消に効果的な食物繊維は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類に分けられます。

りんごや昆布などの水溶性食物繊維は、便を柔らかくして出しやすくし、きのこや海藻などの不溶性食物繊維は便の嵩を増やします。積極的に食物繊維を摂ることで、便と一緒に不要なものが排出され、おならの硫黄臭さを軽減することができます。

おならのにおいがきつくなる食べ物を避ける
おならが硫黄臭くなるのは、食物の影響もあります。

肉や玉子などの動物性たんぱく質を過剰摂取すると、分解するときに臭いのあるガスが発生するため、おならが臭くなります。また、にんにくや玉ねぎは硫黄がたくさん含まれているため、これらを摂りすぎることも、おならの硫黄臭さの原因になります。

また意外にも、野菜がおならの硫黄臭さの原因になることもあります。キャベツやブロッコリーなどのアブラナ科の野菜は、炭水化物が含まれるため消化しにくく、おならが臭くなりやすいと言えるでしょう。

便意があったらトイレに行く
便意を我慢すると、本来排出されるはずの便が腸内に長くとどまることになり、おならが臭くなります。仕事中や授業中、トイレに行きたいというのが恥ずかしいという人は多いと思いますが、便意を我慢し続けて硫黄臭いおならが出たほうが、よっぽど恥ずかしい思いをすることになるでしょう。

便意を感じたときにはできるだけすぐにトイレに行き、スッキリ解消してください。

硫黄臭いおならは大腸がんの可能性もある?
硫黄臭いおならは、大腸がんの症状である場合があります。健康でただ硫黄臭いだけのおならと、大腸がんの可能性のあるおならを見分けるためは、どこに注目したらいいのでしょうか。

危険なおならのにおいとは
一時的におならのにおいが硫黄臭い場合は、それほど心配ありません。食べ物や体調が影響していることが多いため、長くても数日程度でおならの硫黄臭さは軽減するでしょう。

危険なのは、1週間以上など、長期間にわたって硫黄臭いおならが続いている場合です。腸内に腫瘍があったり、炎症があったりすると、おならがいつもより臭くなることがあります。

おなら以外の大腸がん初期症状
大腸がんの初期症状は、ほとんど自覚がありません。ただ、症状が進行してくると、おならが臭くなる以外にも、さまざまな症状が現れてきます。

はじめは、常にお腹が張っている感じがして、下痢や便秘を繰り返したり、便が細くなったり、便に異常が起こります。

大腸の粘膜にがんができると、血便や下血を起こすようになります。さらに進行すると、体重が減少していきます。これは、がん細胞が大きくなろうと、脂肪やたんぱく質などを分解して栄養にするからで、いつもと同じように食べているのに一向に体重が増えず、逆に減っていきます。

おならに異常が出るそのほかの病気
おならが出やすくなる病気には他に、大腸ポリープがあります。ポリープが大きいと便が通過しづらくなり、おならが出やすくなります。大腸ポリープは5mmを超えると癌化するリスクが出てくるため、注意が必要です。

また、ストレスが主な原因で起こる過敏性腸症候群や、食事などで空気を飲み込みすぎることで起こる呑気症(のんきしょう)でもおならが出やすくなります。

おならで病気を疑ったら何科を受診する?
おならが硫黄臭いとか、おならの回数が多すぎるときは、病院を受診して専門医に相談してみるといいでしょう。

おならで病気を疑ったときに受診するなら、消化器内科です。大腸がんは、早期に発見すれば治る可能性が高いため、毎年大腸がん検診を受けることもおすすめです。特に50歳以上になると大腸がんの発症数が多くなるので、毎年の健康診断や人間ドッグと合わせて、大腸がん検診も受けるようにしましょう。

まとめ
おならが硫黄臭いときは、ほとんどの場合、それほど心配はありません。しかし、硫黄臭いおならが長い間続いているとか、おならの硫黄臭さの他に下痢や便秘を繰り返したり、便に血が混じったりするようであれば、早急に病院を受診しましょう。

便の様子は、体の健康のバロメーターです。毎日自分の便の様子を観察することも大切です。

ガンとの闘いに新たな光:ワクチン臨床試験が成功


「期待の持てるデータ」

ここまで進んだ最新治療 甲状腺がんのα線核医学治療の治験とは? ヒトへの投与は世界初 大阪大学・渡部直史助教が解説



\のどぼとけに発生する「甲状腺がん」に対する新しい治療法の医師主導治験が大阪大学で進められている。放射線治療の一種で、「α(アルファ)線核医学治療」という。


甲状腺がんの放射線治療は、体の外から照射する「外照射」と、体の中から照射する「内照射」がある。これまで内照射は放射線ヨウ素の入ったカプセルを飲む「放射性ヨード内用療法」が行われてきた。甲状腺がんの多くはβ線を放出するヨウ素を取り込む性質があり、これによってがんを叩くのだ。

α線核医学治療は、ヨウ素によく似た性質のα線を放出する「アスタチン」を静脈注射して、これによってがんを叩く。大阪大学は2019年に治療薬としてのアスタチンの安定製造に成功している。ヨウ素が放出するβ線(電子)とアスタチンが放出するα線(原子核)には、どのような違いがあるのか。研究代表者の大阪大学放射線統合医学講座核医学の渡部直史助教が説明する。

「α線はβ線よりエネルギーの高い放射線を放出するので、より高い治療効果が期待できます。例えると、β線がパチンコ玉だとするとα線は砲丸が4つ集まっているほどの威力があります。それにα線の飛ぶ距離は短いので、周囲の正常組織への影響が少ないのも特徴です」

そのため従来の放射線ヨード内用療法で十分に効果が得られなかったケースや、数年後に転移して進行してしまうような難治性甲状腺がんの新たな治療法として期待されているのだ。分化型甲状腺がん(全体の9割以上を占める)のモデルマウスに投与した試験では、ヨウ素より明らかに腫瘍退縮効果が高いことが確認されている。

また、α線核医学治療はヨード内用療法と比べて、医療機関にとってコストや人事面から導入しやすい治療法といえる。

「放射線ヨウ素は周囲の被ばくを避けるために、専用病室に1人で入院する必要があります。ですから専用病室の維持が難しいという医療機関もありました。それに介護が必要な高齢な患者さんの場合、介護者が病室に入れないので治療することができませんでした。一方、アスタチンは体を通過する他の余計な放射線を出さないので、専用病棟の必要はなく、外来治療の実施も可能です」

放出する放射線量が半分になるまでの時間を「半減期」というが、アスタチンの半減期は7・2時間と短いので国内製造が必須(放射線ヨウ素の半減期は8日で、すべて輸入品)となる。現在、理化学研究所や大阪大学内の施設で製造しているという。

医師主導治験は、安全性、薬物動態、有効性を確認するための第Ⅰ相試験になり、アスタチンがヒトに投与されるのは世界初。21年11月~24年3月までに、最大16例の症例数を予定しているという。 (新井貴)

ここまで進んだ最新治療 がん患者に大きなメリット、受けやすくなった「粒子線治療」 4月から4年ぶりに保険適用が拡大


陽子線治療の装置© zakzak 提供 陽子線治療の装置

放射線治療の一種である「粒子線治療」。一般的なX線に比べ、エネルギーのピークをがんの深さや大きさに合わせて調節できるので、周囲の正常細胞へのダメージを軽減しながら、必要な場所に高い放射線量を照射できる特徴がある。

粒子線とは、放射線のうち電子より重いものの総称で、「陽子線」と「重粒子線」が治療で使われている。これまで陽子線治療は「小児がん」「前立腺がん」「頭頸部がん」「骨軟部腫瘍」が、重粒子治療は小児がんを除く同3疾患が保険診療で行われ、それ以外の疾患は先進医療で行われてきた。

そして、今年4月から4年ぶりに保険適用が拡大され、いっそう粒子線治療が受けやすくなった。新たに追加されたのは、陽子線治療は「肝細胞がん」「肝内胆管がん」「局所進行膵がん」「術後再発の局所大腸がん」、重粒子治療は同4疾患に加えて「子宮頸部腺がん」。いずれも根治的な切除不能の症例が対象となる。

これらの疾患に対して、どれくらいの治療効果が期待できるのか。年間約550例の陽子線治療を実施している「南東北がん陽子線治療センター」(福島県郡山市)の村上昌雄センター長が説明する。

「4センチ以上の大きな肝がんでは、腫瘍に栄養を送る血管を塞ぐ『塞栓療法』にX線治療を併用した治療との比較で、陽子線の方が予後が良いことが示されています。また、肝内胆管がんや膵がんもX線より予後が良好で、全身化学療法と陽子線を併用することで、増感作用による相乗効果が期待できます。ですから『手術できない』と言われても、十分外科治療に匹敵する成績が出されています。根治の可能性も期待できるのです」

2022年4月現在、全国で陽子線治療を行っている医療機関は19施設、重粒子線治療は7施設ある。しかし、すべての施設が保険適用の全疾患の治療を実施しているわけではないようだ。南東北がん陽子線治療センターの昨年までのおおまかな疾患比率は、前立腺がんと頭頸部がんがそれぞれ約20%、肺がんが20%弱、肝・胆管がん十数%、膵がん10%弱と幅広い患者を受け入れている。しかし、前立腺がんのみで過半数を占めている施設も多いという。
「当院が比較的まんべんなく多種のがん患者さんに対応できるのは、総合病院に併設のセンターであることと、外科との協力関係が良好であることだと思います。粒子線治療はがん周辺の臓器への影響を最小限に抑えられますが、消化管などに過剰に照射すると穴が開くなどの障害が起こりやすい。そのような場合には、外科と協議・連携して放射線を遮断するスペーサ(脂肪やシート)を手術で隣接臓器の間に留置して、その後に照射します。こういった技術で、困難な治療も可能になっています」

粒子線治療は先進医療では、約300万円の自費が必要になる。メジャーながん種が保険適用になるたびに、がん患者にとって大きなメリットになる。 (新井貴)

ここまで進んだ最新治療 尿路上皮がんの進行を遅らせる点滴薬「バベンチオ」 「維持療法」の治療薬として保険適用に



腎臓の中にある腎盂(じんう)から尿道の一部につながる尿の通り道の内側に発生するがんを総称して「尿路上皮がん」という。がんが発生する場所で「腎盂がん」「尿管がん」「膀胱(ぼうこう)がん」などに分けられる。中でも圧倒的に多いのが膀胱がんで全体の約90%を占める。

尿路上皮がんが転移した場合(Ⅳ期)、根治的な手術は望めないため、治療は薬物療法になる。1次治療として2種類の抗がん剤を使う「GC療法」を通常4~6コース行う。そして、再び悪化した場合には、2次治療として2017年に承認された免疫チェックポイント阻害薬の「(商品名)キイトルーダ」を使うのが標準治療になっている。

さらに、昨年2月には免疫チェック阻害薬の「(商品名)バベンチオ」が、1次治療後の「維持療法」の治療薬として保険適用になった。どんなタイミングで使う薬なのか。国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)泌尿器・後腹膜腫瘍科の松井喜之科長が説明する。

「GC療法を行うと初期では約50%にがんの縮小がみられ、非常に奏効率は高いです。しかし、その効果の持続は1年未満のことが多く、再び悪化して2次治療のキイトルーダを使うことになります。バベンチオは、1次治療(抗がん剤治療)でがんの進行が認められていない患者さんに投与して、その効果を維持する治療として使われます」

免疫チェック阻害薬は、がん細胞によって免疫細胞の働きにかかったブレーキを外し、免疫の働きを活発にしてがん細胞への攻撃を高める薬。バベンチオの日本人患者を含む700例を対象とした臨床試験では、維持療法を行うことで従来の治療よりも全生存期間が7カ月くらい延びることが認められている。従来の治療よりも2カ月くらいは、2次治療の導入を遅らせることができるという。維持療法では2週間に1回点滴で投与する。
また近年、キイトルーダが2次治療で使えるようになったことも、治療成績を向上させている。3週間に1回(場合によっては6週間に1回)点滴投与するが、効果があるうちは回数の制限はない。2次療法によって、がんがすべて消失する完全奏効率は10%くらいの患者にみられるという。

では、2次治療が効かなくなった場合、次なる治療選択肢はあるのか。

「抗がん剤と免疫チェックポイント阻害薬による治療歴のある患者さんに対して、3次治療として効果が期待されているのが昨年9月に承認された『(商品名)パドセブ』です。この点滴薬は、抗体医薬品と抗がん剤を結合させた『抗体薬物複合体(ADC)』という医薬品になります。尿路上皮がん細胞にある『ネクチン―4』というタンパク質に結合して、がん細胞の増殖を抑えます」

これまで少なかった切除不能の尿路上皮がんの治療選択肢が増えている。 (新井貴)

がん早期発見・治療技術の進歩。日本で世界に先駆けて承認された治療法も


「人生100年時代」が叫ばれるようになったのも束の間、研究者の間では、「人間が120歳まで生きる」というのはわりと現実的だと考えられているという。世界中で活発化する「老化研究」の最前線を探る——。

 日本人の死因第1位であるがん。厚生労働省によれば、年間30万人以上が亡くなっているという。早期発見・早期治療がカギとなる。

◆進む早期発見技術に治療法が追いつけばがんは怖くない!

「北青山Dクリニック」院長の阿保義久氏© 日刊SPA! 「北青山Dクリニック」院長の阿保義久氏

 今、「リキッドバイオプシー」というがんの早期発見に繋がる検査方法が注目されている。「北青山Dクリニック」の阿保義久院長が話す。

「がん細胞が体内に発生した際に血液中に流れ出す微量物質を検出する検査です。これにより多くのがんの発生リスクが調べられます。採血だけで済み、X線・内視鏡など従来の検査のような負担がありません。診断が難しい膵臓がんの早期発見も期待されています。ただ、保険が適用されないので検査費用が高額になってしまう点や、検査結果でがんのリスクが高くても画像検査で特定できない際の対処法には課題が残ります」

リキッドバイオプシーで検査後に受け取る結果のサンプル。血液中の成分を調べ、がん患者をスクリーニングしたデータと照合して、さまざまながんのリスク具合を数値化する© 日刊SPA! リキッドバイオプシーで検査後に受け取る結果のサンプル。血液中の成分を調べ、がん患者をスクリーニングしたデータと照合して、さまざまながんのリスク具合を数値化する

© 日刊SPA! もっと手軽にがん検査ができるように研究を進めているという。

「リキッドバイオプシーの研究が進めば、健康診断とセットでがん検査ができるようになったり、体温を測るくらいの手軽さで検査ができるようになると思います。そうなれば、生活習慣改善の必要度がわかり、超早期での治療も可能となる。がんを生活習慣病のように管理していくことができるようになるかもしれません」

 現在は保険適用外の検査だが、今後さらに手軽に受けられる存在になってほしいものだ。

◆日本で始まった画期的な治療法「光免疫療法」

 また、世界に先駆けて’20年から日本で始まった画期的ながんの治療法がある。それが「光免疫療法」だ。どのようなものなのか。

医学博士の小林久隆氏© 日刊SPA! 医学博士の小林久隆氏

「光免疫療法とは、がん細胞のみに反応する薬を静脈注射で投与し、薬ががんに十分集まったところで近赤外線を照射してがん細胞を破壊する治療法です。条件つきですが’20年9月に世界に先駆けて日本で承認され、保険診療として治療を受けられます。副作用もほぼなく、病院の導入コストや治療費も従来の治療と比べると相当安く、患者に優しい治療法です」

 そう話すのは、光免疫療法を生み出したアメリカ国立がん研究所の主任研究員、小林久隆氏だ。目立ったリスクもなく、非常に優れた治療法に思えるが、解決すべき課題もあるという。

◆がんの3大治療法と並ぶ治療法になり得る

光免疫治療で使用する機器「近赤外線レーザー光発生装置」。免疫細胞を活性化させ、がん細胞を攻撃させる© 日刊SPA! 光免疫治療で使用する機器「近赤外線レーザー光発生装置」。免疫細胞を活性化させ、がん細胞を攻撃させる

「まだ発展途上の治療法であることは確かです。現在使っている薬品が反応する抗体はがん細胞全体の30%ほどしかなく、残りの70%は光免疫療法で治療ができません。そして、この療法によってがん細胞は相当数減少させられるものの、完全に取り除いて完治させられるのは全体の10%ほどです。もちろん、すべてのがん細胞を完全に破壊できるように世界中で研究と治験が進められています」

 現在、光免疫療法が認可されているのは日本のみ。しかも条件つきであるため、治療を受けられる患者も限られている。しかし、「この治療法はがん治療を大きく進歩させる」と小林氏は続ける。

「体への負担の軽さや治療費の安さ、そしてこれまでの治験と治療結果を見ても、光免疫療法はがんの3大治療法(外科・放射線・抗がん剤)と並ぶ治療法になるはずです。むしろ、すべてのがんを治療できるようになれば、『まずは光免疫療法を』という運びになると思いますよ」

 光免疫療法が文字通り、がん患者を照らす光になる日はそう遠くないのかもしれない。前出の阿保氏も「医療が進歩することでがんとの付き合い方は変わる」と話す。

「今後はリキッドバイオプシーや、小林先生の光免疫療法よりも優れた検査や治療が生まれる可能性だってあります。私たちも遺伝子治療というこれからのがん治療の臨床研究を進めています。治療法や確度の高い検査の研究が進むことで、がんそのものはなくせないにしても、がんと共存しながら一生をまっとうすることが可能になるかもしれません」

【「北青山Dクリニック」院長 阿保義久氏】

東京大学卒。がんの早期発見、遺伝子治療のほかに下肢静脈瘤や鼠径ヘルニアなどの日帰り手術、再生医療などにも取り組む最先端クリニックを運営する。メディア出演や著書も多数

【医学博士 小林久隆氏】

アメリカ国立がん研究所・主任研究員。大学時代から30年越しのがん研究を経て、光免疫療法を開発。著書に『がんを瞬時に破壊する光免疫療法』(光文社新書)などがある

<取材・文/週刊SPA!編集部>

アメリカ国立がん研究所・主任研究員。大学時代から30年越しのがん研究を経て、光免疫療法を開発。著書に『がんを瞬時に破壊する光免疫療法』(光文社新書)などがある

<取材・文/週刊SPA!編集部>

革新的がん医療実用化研究事業 岡山大が治験を進める「穿刺ロボット」


 医師がCT画像を見ながら、体表面から病変に針を刺して行う検査(生検)や治療のことを「CTガイド下IVR(画像下治療)」という。がんのラジオ波治療や凍結治療などの「アブレーション治療」が代表的な治療法として知られる。

 針の穿刺(せんし)のみで行えるので、患者の体への負担が少なく、短時間で終わることから、がん医療として需要が高まっている。しかし、CT装置の近くで穿刺を行う医師は防護衣を着けていても、CT撮影の放射線による被曝(ひばく)が避けられないという欠点がある。

 そこで岡山大学は医工・産学連携で、放射線の届かないCT装置から離れた位置から遠隔操作で針を穿刺できるロボット(Zerobot)を開発。2018年に人間の患者を対象とした臨床試験を実施。20年からは日本医療研究開発機構の「革新的がん医療実用化研究事業」として、薬事承認を目標とした医師主導治験を進めている。

 どのような仕組みのロボットなのか。代表研究者である岡山大学学術研究院医歯薬学域・放射線医学の平木隆夫教授が言う。

「ロボット本体をCT装置のすぐそば(本来、術者が穿刺する位置)に設置します。ロボットには自由に動かせるアームが付いていて、その先端に治療で使う針が取り付けてあります。そして、治験ではCT装置から4メートルくらい離れた場所で、術者は透明な遮蔽(しゃへい)板を挟んで椅子に座り、CT画像を見ながらコントローラーで操作するのです」

 18年の臨床試験では、10例の患者に対して生検を実施し、全例で腫瘍への穿刺に成功。また、術者への放射線被曝線量は、線量計による検出限界以下だったという。

 ロボットによる穿刺のメリットは、術者の被曝をゼロにできるだけではない。人の手による穿刺では、腫瘍に正確に穿刺できるよう、頻繁にCT撮影を行って穿刺角度などを確認しながら慎重に手技を進めることが多い。ロボットなら針が固定されているので、手ぶれのない高精度な穿刺が可能となる。

「術中のCTの撮影回数を減らせる可能性があるので、患者さんの被曝の軽減というメリットも期待できます。また、高精度の穿刺ができれば、治療時間が短縮できる上に、治療効果も高くなる可能性があります」

 現在進めている医師主導治験は、コロナ禍で若干遅れているが来年度中に終了予定。24年ごろの薬事承認、実用化を目指している。

がん攻撃に新たな武器! 変わる放射線治療 1・5TMRリニアック、がん治療期間の大幅短縮へ 1~2週間で完了する可能性 世界で37台しか稼働していない


日本初の「1・5T MRリニアック」によるがん治療が昨年12月からスタートした。患部の画像をリアルタイムに見ながら、高エネルギー直線加速のリニアックで放射線治療を行う。

「携帯電話からスマートフォンに変わったほど、MRリニアックの登場は大きな意味を持ちます。まさに、がんの放射線治療医が待ち望んだ装置ともいえるのです」

こう話すのは、千葉大学医学部附属病院放射線部の宇野隆部長。がん放射線治療を長年行う一方、放射線治療の発展に尽力している。

従来のリニアックも、CT(コンピューター画像診断)検査と組み合わせた装置の登場で、事前の検査画像で詳細に立てた計画に基づき、がんの形に沿って照射できる。ただし、リアルタイムにCT画像を見ながら照射はできない。臓器は、呼吸などで微妙に動くため一緒にがん細胞が動くことを考える必要がある。

「臓器の動きを想定し、がん細胞への照射範囲を1~2センチ程度は広めにプランニングするのが、今までの方法です。このズレをなくし、がん細胞だけに照射するメリットは大きい。その願いがMRリニアックで叶ったといえるのです」

高エネルギーの放射線は、がん細胞を死滅させるが、正常な細胞に当たればダメージをもたらす。臓器の動きを想定した1~2センチのブレがあることから、なるべく正常の組織へのダメージを弱めるため、がんの位置によっては、放射線量を加減して治療を行うのが一般的だ。結果、治療時間が長くなる。がんの種類にもよるが、週5回で3週間から6週間通院というのは、根治を目指すときには珍しい話ではない。

「MRリニアックでリアルタイムにがんの位置を確認し、照射することができれば、1回の放射線量を上げることができます。以前は3週間以上かかった治療をたった5回で終わらせることも、理論上は可能です」

MRリニアックでがんと正常な組織の境目を確かめ、呼吸などの動きに合わせて照射を行えば、正常組織への照射を極力減らすことができる。がん細胞を死滅させるための放射線量も上げることで、治療期間の大幅な短縮につながると考えられているのだ。これまでは、1~2カ月毎日のように通院が必要だった放射線治療が、たった1~2週間で完了し、がん細胞を消滅させる可能性がある。

「『1・5T MRリニアック』は、世界で37台しか稼働していない(2020年時点)新しい装置です。治療を行っているうちに、さまざまなメリットが期待できますが、実績を重ねた上で新たな治療法の確立に貢献したいと思っています」

MRリニアックは、これまで治療が難しかった臓器のがんに対しても、適用が拡大できると考えられている。それについては、あす紹介する。 (取材・安達純子)

■宇野隆(うの・たかし) 千葉大学大学院医学研究院副研究院長、画像診断・放射線腫瘍学教授。日本放射線腫瘍学会専務理事。1988年千葉大学医学部卒。国立国際医療センター放射線科勤務を経て、2012年より現職。

■放射線がん治療の流れ

①紹介状持ち受診の予約を入れる

②放射線治療医の診察と治療方法の説明など

③CT画像をもとに放射線治療計画

④放射線治療は1回5~15分程度。治療期間は、がんの種類や部位、進行具合などで異なるが、3~7週間程度行うのが一般的

※千葉大学大学院医学研究院画像診断・放射線腫瘍学のホームページから抜粋

若者のがん生存率、成人より高く 医師「小児がんも治る時代に」


小児、AYA世代の主ながんの5年生存率© 毎日新聞 提供 小児、AYA世代の主ながんの5年生存率

 国立がん研究センターは23日、14歳以下の小児がんと、「AYA世代」と呼ばれる若者のがんに関する5年生存率を集計した。小児がんは成人に比べて生存率が高く、国立成育医療研究センターの松本公一・小児がんセンター長は「小児がんも治る時代になっていることを知ってほしい」と話す。

 国立がん研究センターが、小児がんとAYA世代の5年生存率を公表するのは初めて。若い世代に着目した生存率を示すことで、患者に生きる希望を持ってもらうとともに、今後のがん対策に活用してもらうのが目的だ。

 0~14歳のがんは一般的に「小児がん」と言われ、血液や骨、筋肉、神経にできるものが多い。2013~14年にがんと診断された小児がん患者の5年生存率はリンパ腫90・7%、白血病88・0%、脳腫瘍74・6%――など、11種全てのがんについて7~9割台で、患者全体(成人含む)の5年生存率(全部位、67・5%)よりも高かった。

 AYA世代は15~39歳のがん患者で、甲状腺など女性に特徴的ながんが多い。5年生存率は甲状腺がんで99・2%、乳がんで90・0%だった。

 小児がんで生存率が高い理由について、松本センター長は「小児がんは薬や放射線治療が効きやすいことが背景にある」と説明。一方、「小児がんといっても中身はさまざま。がん全体の生存率よりも、個々の疾患の状態を見なければならない」と指摘する。

 国立がん研究センターは、がん診断から一定期間生存している人(サバイバー)が、その後生存する確率を示す「サバイバー生存率」も初めて集計した。

 一般的な「生存率」は、同じ年に診断された人全員を対象にしており、早期に死亡した人も含まれているため診断から時間がたつほど低下する。サバイバー生存率は、診断から一定年数がたった時点を出発点に、その後の生存率を算出する仕組み。多くのがんで、診断後長く生きるほどその後の生存率が上がる傾向があり、サバイバー生存率は患者の生きる希望につながる。

 サバイバー生存率を非小細胞肺がんでみた場合、診断から1年後の生存率が74%だったのに対し、診断から4年後に生存しているサバイバーが、さらに1年生きる割合は94%となるなど、長く生きるほど生存率が上がった。

 また、同センターが全国281施設・約29万例を基に、09年にがんと診断された人の10年生存率を算出した結果、前立腺がん100・0%▽乳がん(女性)87・8%▽大腸がん67・5%▽胃がん66・8%▽非小細胞肺がん35・0%▽肝細胞がん22・8%――などで、がん全体では60・2%だった。生存率など今回のデータは、ウェブサイト(https://hbcr-survival.ganjoho.jp/)で閲覧できる。【中川友希】

最新の「がん検診」を実際に受診してみた、早期発見のための検査は何があって、いくらでできる?


© MONEY PLUS

日本人が一生のうちにがんと診断される確率は、男性が65.0%、女性は50.2%です。2人に1人はがんに罹ると言うことです(国立がん研究センター「最新がん統計」)。

では、日本人ががんで死亡する確率は、どのくらいかというと男性26.7%(4人に1人)、女性17.8%(6人に1人)です。

日本人の死亡原因の第1位は「がん」です。

しかし、がんの治療法は、日進月歩で進んでいます。がんにかかったとしても、5年相対生存率は上がっているので、「がん=死」ではなくなってきています。とはいうけれど、やはりがんは怖い……と思っている人も多いでしょう。

がんに備えるのは、がん保険も有効ですが、もっと有効なのが「がん検診」です。筆者は、がんに備えるには、「がん検診」がもっとも有効な方法だと考えています。実際に最新のがん検診も体験をしました。今回は最新の「がん検診」についてお話しをしましょう。

生命保険会社が提供しているがん検診のサービス

今年は、がん保険の新商品が続々と発売されました。その中で、特徴的だったのが、がんの予防に関してのサービスです。

太陽生命の「がん・重大疾病予防保険」は、アミノインデックス検査のサービスがあります(有料)。またSOMPOひまわり生命「健康をサポートするがん保険 勇気のお守り」には、「N-NOSE」や「サリバチェッカー」検査のサービスがあります(有料)。

これらは、がんのリスクを判定するスクリーニング検査です。また、保険の特約サービスとして、PET検査の紹介や予約サービスというのもあります。

がんに備える効果的な方法は「がん検診」

がんになったとき場合の治療費の負担は公的医療保険・高額療養費などがありますので、自己負担というのは、それほど多くはありません。しかし、がん治療のため、仕事をいままで通りに続けられなくなり、収入減になると言うことが多いのです。

収入減に備えるには、「がん保険」はとても有効です。そもそもがんに罹患しなければいいのですが、2人に1人が、がんにかかってしまうと言うことを考えると、それは難しいかも知れません。ならば、できるだけ早期発見をしたいものです。

早期発見ならば、命にかかわると言うことは、あまりありません。がん治療にかかる費用も少なくてすみます。仕事を休んで収入が減るというリスクも少ないはずです。

一般的に行われているがん検診を受けるのは、よいと思いますが、これはある程度、がんが進行しなくては見つけることができない検査です。できれば、できるだけ早期に発見できれば、身体の負担も少なくなると思います。

そこで、PET検査やスクリーニング検査があります。これは初期の段階で見つけることも可能です。ただ公的医療保険の対象外なので全額自己負担になります。

筆者は、何かあったら早く対処したいと思っています。臆病なので最新のがん検診には、つねに積極的に取り組んでいます。筆者が実際に受診した検査を紹介してみます。

どんな検査がある?

■PET検査

がん検診でもっとも有効なのが、PET検査だと言われています。PET検査は、放射性フッ素を付加したブドウ糖を注射して、がん細胞に取り込まれたブドウ糖の分布を見て、がん細胞を発見ことができます。一度の全身の撮影が可能なので、早期発見につながります。

筆者は過去に2回PET検査を受診しました。幸いがんは発見されませんでした。

PET検査では、ブドウ糖が集まりやすい部位では、がん診断が難しいことがあります。判断が難しい部位は、脳、心臓、胃・腸の消化器官、腎臓、膀胱などです。また、炎症を起こしているところです。CTやMRIと組み合わせるとより正確にわかります。ただ問題は、1回の費用が15万円ぐらいかかってしまいます。

■アミノインデックス検査

アミノインデックス検査は、血液中のアミノ酸濃度のバランスでがんのリスクを判定します。

アミノインデックス検査もしたことがあります。近所のアミノインデックス検査をしている病院に予約をとって、採血をして検査をしてももらいました。A、B、Cのランクに別れていてがんの可能性を判定してくれます。もし、がんの可能性が高い場合には、さらに病院で精密検査をしてもらいます。ちなみに私は大丈夫でした。

検査費用は病院によって違いますが、2〜3万円です。

アミノインデックス検査でわかる部位は、胃がん、肺がん、大腸がん、膵臓がん、前立腺がん、乳がん、子宮がん、卵巣がんのリスクを判定できます。

■「N-NOSE(エヌノーズ)」

「N-NOSE(エヌノーズ)」は、尿によるスクリーニング検査です。

筆者は、今年この検査をしました。

「N-NOSE(エヌノーズ)」は、尿で全身のがんがわかるそうです。なんと匂いに敏感な線虫ががんの匂いを検知するというもの。えっ、線虫に尿を嗅がせるの?!とちょっとたじろぎましたが、精度は86%で、自宅で検査ができるというのがいいですね。検査費用も1万2,500円でできるもお手軽です。

判定できるがんは胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮がん、膵臓がん、肝臓がん、前立腺がん、食道がん、卵巣がん、胆管がん、胆のうがん、膀胱がん、腎臓がん、口腔・咽頭がんです。

■「サリバチェッカー」

「サリバチェッカー」は、だ液による、がんのリスク検査です。がん細胞からしみ出す代謝液がだ液に含まれるので、それを分析・解析する検査です。肺がん、膵がん、胃がん、大腸がん、乳がん、口腔がんの6つのがんの判定ができます。

この検査は、まだやったことがありません。来年試してみようと思っている検査です。サリバチェッカーの費用は、医療機関によって違いますが、2〜3万円でできます。

がんに備えるもっとも効果的な方法は「がん検診」

紹介したスクリーニング検査は、がんの可能性を判定する検査です。精度は100%ではありませんが、目安になります。もし可能性が高い場合は、精密検査をすることになります。

PET検査とか人間ドックというのは、費用がかかりますが、がんのリスク判定のスクリーニング検査ですと費用もそれほど大きな負担にならずにできます。1年に1回ぐらいはがん検診を試してみてはいかがでしょうか。

最初に言った通り、がんに備える方法で有効なのは、早期発見です。なにより命の問題でもあります。早期発見のための「がん検診」、なってしまったときの「がん保険」。この二つでしっかりと備えておきたいものです。

線虫で膵臓がん判別=尿1滴から、来年実用化へ


 体長1ミリほどの線虫を使い、1滴の尿から早期のがんも検知する検査を実用化したベンチャー企業「HIROTSUバイオサイエンス」(東京)は16日、遺伝子改変した線虫を使い、早期発見が困難な膵臓(すいぞう)がんの判別に成功したと発表した。尿による簡便な検査で判別できれば、早期治療につながると期待される。同社は来年中の実用化を目指すとしている。

 がん患者の呼気や尿には、特有のにおいがあることが知られている。同社の広津崇亮社長は九州大助教だった2015年、嗅覚が発達している実験動物の線虫C・エレガンスを使い、高精度でがんを検知する手法を開発。同社を設立し検査サービスを始めたが、がんの種別までは判別できなかった。

 同社は、線虫の嗅覚受容体を詳しく解析し、膵臓がん患者の尿にのみ反応する遺伝子を特定。この遺伝子を働かなくした線虫は、胃がんや肺がんなど他のがん患者の尿には近づく一方、膵臓がん患者の尿にだけ近づかなかった。

 膵臓がん患者とその他のがん患者の尿を使った実験では、膵臓がんを正しく判別する割合(感度)は100%、その他のがんを正しく判別する割合(特異度)は91.3%だった。

 広津社長は「15年の発表当時から、がん種の特定を目指してきた。他のがん種についても、早期発見が難しい、ニーズの高いものから取り組みたい」と話している。 

最新の「がん検診」を実際に受診してみた、早期発見のための検査は何があって、いくらでできる?


© MONEY PLUS

日本人が一生のうちにがんと診断される確率は、男性が65.0%、女性は50.2%です。2人に1人はがんに罹ると言うことです(国立がん研究センター「最新がん統計」)。

では、日本人ががんで死亡する確率は、どのくらいかというと男性26.7%(4人に1人)、女性17.8%(6人に1人)です。

日本人の死亡原因の第1位は「がん」です。

しかし、がんの治療法は、日進月歩で進んでいます。がんにかかったとしても、5年相対生存率は上がっているので、「がん=死」ではなくなってきています。とはいうけれど、やはりがんは怖い……と思っている人も多いでしょう。

がんに備えるのは、がん保険も有効ですが、もっと有効なのが「がん検診」です。筆者は、がんに備えるには、「がん検診」がもっとも有効な方法だと考えています。実際に最新のがん検診も体験をしました。今回は最新の「がん検診」についてお話しをしましょう。

生命保険会社が提供しているがん検診のサービス

今年は、がん保険の新商品が続々と発売されました。その中で、特徴的だったのが、がんの予防に関してのサービスです。

太陽生命の「がん・重大疾病予防保険」は、アミノインデックス検査のサービスがあります(有料)。またSOMPOひまわり生命「健康をサポートするがん保険 勇気のお守り」には、「N-NOSE」や「サリバチェッカー」検査のサービスがあります(有料)。

これらは、がんのリスクを判定するスクリーニング検査です。また、保険の特約サービスとして、PET検査の紹介や予約サービスというのもあります。

がんに備える効果的な方法は「がん検診」

がんになったとき場合の治療費の負担は公的医療保険・高額療養費などがありますので、自己負担というのは、それほど多くはありません。しかし、がん治療のため、仕事をいままで通りに続けられなくなり、収入減になると言うことが多いのです。

収入減に備えるには、「がん保険」はとても有効です。そもそもがんに罹患しなければいいのですが、2人に1人が、がんにかかってしまうと言うことを考えると、それは難しいかも知れません。ならば、できるだけ早期発見をしたいものです。

早期発見ならば、命にかかわると言うことは、あまりありません。がん治療にかかる費用も少なくてすみます。仕事を休んで収入が減るというリスクも少ないはずです。

一般的に行われているがん検診を受けるのは、よいと思いますが、これはある程度、がんが進行しなくては見つけることができない検査です。できれば、できるだけ早期に発見できれば、身体の負担も少なくなると思います。

そこで、PET検査やスクリーニング検査があります。これは初期の段階で見つけることも可能です。ただ公的医療保険の対象外なので全額自己負担になります。

筆者は、何かあったら早く対処したいと思っています。臆病なので最新のがん検診には、つねに積極的に取り組んでいます。筆者が実際に受診した検査を紹介してみます。

どんな検査がある?

■PET検査

がん検診でもっとも有効なのが、PET検査だと言われています。PET検査は、放射性フッ素を付加したブドウ糖を注射して、がん細胞に取り込まれたブドウ糖の分布を見て、がん細胞を発見ことができます。一度の全身の撮影が可能なので、早期発見につながります。

筆者は過去に2回PET検査を受診しました。幸いがんは発見されませんでした。

PET検査では、ブドウ糖が集まりやすい部位では、がん診断が難しいことがあります。判断が難しい部位は、脳、心臓、胃・腸の消化器官、腎臓、膀胱などです。また、炎症を起こしているところです。CTやMRIと組み合わせるとより正確にわかります。ただ問題は、1回の費用が15万円ぐらいかかってしまいます。

■アミノインデックス検査

アミノインデックス検査は、血液中のアミノ酸濃度のバランスでがんのリスクを判定します。

アミノインデックス検査もしたことがあります。近所のアミノインデックス検査をしている病院に予約をとって、採血をして検査をしてももらいました。A、B、Cのランクに別れていてがんの可能性を判定してくれます。もし、がんの可能性が高い場合には、さらに病院で精密検査をしてもらいます。ちなみに私は大丈夫でした。

検査費用は病院によって違いますが、2〜3万円です。

アミノインデックス検査でわかる部位は、胃がん、肺がん、大腸がん、膵臓がん、前立腺がん、乳がん、子宮がん、卵巣がんのリスクを判定できます。

■「N-NOSE(エヌノーズ)」

「N-NOSE(エヌノーズ)」は、尿によるスクリーニング検査です。

筆者は、今年この検査をしました。

「N-NOSE(エヌノーズ)」は、尿で全身のがんがわかるそうです。なんと匂いに敏感な線虫ががんの匂いを検知するというもの。えっ、線虫に尿を嗅がせるの?!とちょっとたじろぎましたが、精度は86%で、自宅で検査ができるというのがいいですね。検査費用も1万2,500円でできるもお手軽です。

判定できるがんは胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮がん、膵臓がん、肝臓がん、前立腺がん、食道がん、卵巣がん、胆管がん、胆のうがん、膀胱がん、腎臓がん、口腔・咽頭がんです。

■「サリバチェッカー」

「サリバチェッカー」は、だ液による、がんのリスク検査です。がん細胞からしみ出す代謝液がだ液に含まれるので、それを分析・解析する検査です。肺がん、膵がん、胃がん、大腸がん、乳がん、口腔がんの6つのがんの判定ができます。

この検査は、まだやったことがありません。来年試してみようと思っている検査です。サリバチェッカーの費用は、医療機関によって違いますが、2〜3万円でできます。

がんに備えるもっとも効果的な方法は「がん検診」

紹介したスクリーニング検査は、がんの可能性を判定する検査です。精度は100%ではありませんが、目安になります。もし可能性が高い場合は、精密検査をすることになります。

PET検査とか人間ドックというのは、費用がかかりますが、がんのリスク判定のスクリーニング検査ですと費用もそれほど大きな負担にならずにできます。1年に1回ぐらいはがん検診を試してみてはいかがでしょうか。

最初に言った通り、がんに備える方法で有効なのは、早期発見です。なにより命の問題でもあります。早期発見のための「がん検診」、なってしまったときの「がん保険」。この二つでしっかりと備えておきたいものです。

肺がんで余命宣告され…俳優・御木裕さんが克服までを語る「目が覚めたら医者が3人深刻な顔を」


御木裕さん(俳優・61歳)=小細胞肺がん
 撮影現場でひどい腹痛に襲われて、スタッフが買ってきた市販の胃薬を飲んだら、一気に状態が悪化した。たぶん倒れたんだろうな。気付いたら病院だった。腹にヌルヌルしたものを塗られて検査されていたんだ。

 さらに「造影剤を入れて検査をするのでサインしてください」って言われたから、「なんで?」とたずねると、「腹痛とかのレベルじゃないです」と言う。「なんでもいいけど、眠たいから麻酔してくれ」ってお願いした後、目が覚めたら医者が3人、僕の肺の写真を見ながら深刻な顔をしていた。見ると、肺にこぶし大の白い影が写っていたから「これは大ごとだな」と思った。それが2017年11月だった。

 病名は「小細胞肺がん」という肺がんの一種。進行が速くて転移しやすいがんらしい。「すぐ入院です」と言うから、「いや、まだ撮影が3つあるから」と立ち上がると、3人の医者が「あなたが今、立っていることがわれわれの常識では信じられない」と。

しかも「手術になるのか」と聞いたら、「手術はできません」と言うんだ。がん細胞が動脈や静脈に絡まっているからどんな名医でも手術はできない状態で、「ステージ4」「余命1カ月(何もしなければ)」「治療は化学療法」「根治はしない」と告げられた。

 3日間だけ猶予をもらって、その間に撮影を1つ済ませ、後は祈祷師のところに連れて行かれたりした。こう見えてPL教団創始者の孫だから、僕の周りは僧侶や宗教家だらけ。いざ入院となったときは、病院のカンファレンスルームにPL関係や弟の人道教団の連中が30人ぐらい集まって、僕に抗がん剤を「打たせる」vs「打たせない」で大ゲンカ。

主治医にまで「自分の家族にも同じ状況で抗がん剤を使うのか!」と突っかかっていた。言われた主治医も、負けじと「使いますよ! 根治はしないけど、僕は責任をもって御木さんの寿命を延ばしたいんだ!」と言い切った。僕はそれを見て「カッコいいなコイツ」と思って、任せることにしたんだ。

 後日、腹部に転移も見つかって、治療は抗がん剤と放射線を並行して行った。抗がん剤は「シスプラチン」など3種類。それを5クール続けた。一時は“ツルッパゲ”になったけど、副作用でつらかったことはひとつもなくて、嘔吐も一度もなかった。その病院には放射線設備がなかったので、毎回タクシーで設備のある別の病院を往復しながら5カ月間ほど入院したかな。

 その間、病室では教団関係者が毎日のように来ては祈っているし、全国からお見舞いの人が次々やって来るし、空手道場の若い子たちは「生きててよかった」と泣いてくれたりしていた。主治医は「御木さんの病室は濃くて奇々怪々ですね」と笑っていたな。

■主治医の言う通りの治療をしただけ

 思えば、自分よりも周りがアタフタしていた。自分はまるで死ぬ気がしなかったから割と平常心だった。でも何かあって周りに迷惑をかけちゃいけないから、余命宣告されてすぐに白金(港区)にある家やマンションを処分して、寄進させていただいた。弟には「葬儀だけは小さくやってくれ」と伝えてね。そこまで準備したのに、どんどんよくなっていくから周りは不思議がっていたよ。

 5回目の抗がん剤治療が終わった頃にはずいぶん元気になっていたので治療は終了。余命宣告をした主治医も事情があって病院を離れることになった。その去り際に、「祈りってあるんですかね」とつぶやいていたことが今でも印象に残っているよ。

 いろいろな高額医療を勧めてくれる人もいたけれど、大金をかけて治そうとはまったく思わなかった。だから僕は主治医の言う通りの治療をしただけ。周りがいろいろ言う中で僕がそれを選んだのは、昔から「医者と僧侶は大事にしろ」と言われてきたから。それだけは守ろうと思ったまでのことだよ。

 ただ一つ勧められた、はなびら茸のサプリメントは唯一、治療中から飲んだし、今も継続している。もちろん主治医も成分を調べてOKを出してくれた。なぜそれだけ受け入れたかというと、値段が1カ月分3万円ぐらいで手頃だったのと、そのはなびら茸を作っている人物の志に共感したから。

そして実際、僕が元気になったのはこれのおかげもあると思えた。宣伝するつもりはないけれど、今後は広めたいとも考えている。僕は命をいただいたから、人を救いたいと思っているんだ。

 僕は酒もたばこもやめていない。良くないと言われるけど、今何も問題ない。多くの知り合いが、がんになって酒やたばこをやめたけど、結局は余命より早くあの世に持っていかれるのを見てきたからね。医者の言うことはだいたい従うけど、酒とたばこはやめないと決めていたんだ。

 ただ安心できないのは、体重が元に戻らないこと。倒れるまでの1年で30キロぐらい痩せて、それからあまり太れない。今やっと55キロ前後まで戻ってきたけど、本当は70キロぐらいはほしい。これでも昔はムキムキだったんだから(笑い)。

(聞き手=松永詠美子)

▽御木裕(みき・ひろし) 1960年、大阪出身。PL教団創始者の一族として生まれ、近畿大学在学中に石原慎太郎と出会い、1980年にドラマ「西部警察」の刑事役で俳優デビュー。「あぶない刑事」など人気ドラマに出演するが、1996年に芸能界を引退し、実業家となる。2006年にVシネマで復帰し、現在はアキヤマ・オフィス所属。

がん治療で世界最先端の研究から周回遅れの日本は挽回できるのか?


進行の食道ガンステージ3を生き抜いたジャーナリストの金田信一郎氏が、病院と治療法を自ら選択して生き抜いた著書『ドキュメント がん治療選択』。本書で金田氏が東大病院(東京大学医学部附属病院)から逃亡し、メディアにも一切出ない“神の手”を頼って転院した先が国立がんセンター東病院でした。

東病院に転院後も、金田氏は外科手術を土壇場でやめて、放射線治療へと切り替えます。なぜそんなことができたのでしょうか。第2回はがんの治験が国際化する中で、日本の新薬開発が何周遅れにもなったそうです。どん底から、どのように日本勢が巻き返してきたのでしょうか。国立がんセンター東病院の病院長に聞きました。(聞き手は金田信一郎)

■がんセンター東病院長の「がん治療選択」01回目▶「がん治療で決定的な差! 国立がんセンター東病院に「診療科の壁」がない理由」

――前回のインタビューでは、ESD(内視鏡切除)を最初に実践したのも、この病院というお話しでした。最初の症例は胃でしたよね。

大津敦病院長(以下、大津) そうです。私が担当したわけではないんですけど、立ち会いました。放射線と抗がん剤の併用治療も、日本では草分けでした。

――それはいつ頃のことですか。

大津 開院して間もない頃です。新しい薬の治験もたくさんやっていました。(抗がん剤の)S-1もそうです。「こんな経口剤で効くの?」と思っていましたけれど、本当に驚くほど効きました。

 2000年頃に分子標的治療薬が台頭してきます。がんは遺伝子の異常が積み重なって発生進展しますが、遺伝子解析技術が進歩して、その遺伝子異常に適した薬を開発するようになりました。残念ながら、「国際共同治験」という枠組みになった時に、日本は遅れをとってしまいました。

――なんで遅れてしまったんですか。

大津 治験が国際化していく中で、日本の施設が参加できず、新薬開発が何周遅れにもなってしまった。今のコロナワクチンの開発のような感じでした。新しく開発された薬剤を患者さんに届けることもできず、研究もすべて遅れるわけです。

 2005~2006年頃に国際治験に参加し、私は海外で先端的な研究をする人たちと話をするようになって、考え方がかなり変わりました。それまでは承認された薬剤で治療するのが自分たちの研究(のやり方)でした。

でも、国際的な治験に最初から入っていないと決定的に遅れます。最初に治験をするには、臨床だけではなく、基礎研究の視点が重要だと頭を切り替えられました。

 日本は化合物の抗がん剤は強かったけど、分子標的薬の波が来て、さらに生物製剤的なものが開発の中心になった時、日本の研究は遅れてしまい、2005年ぐらいにはどん底に陥りました。そこから国際治験に積極的に入り出して、ようやく追いついてきましたが、10年はかかりましたね。

――それでも追いついてきたんですか。

大津 私はレジデントの時に少し基礎研究をやりましたが、その素養がないと、今の抗がん剤の開発研究にはついていけません。そこで、隣接する先端医療開発センターに優秀な基礎研究の先生たちが集まっているので、レジデントの先生が来ると、半年ぐらいそこを回らせています。

 その先端医療開発センターも、2008年に私がセンター長になりました。それから、臨床検体や免疫を解析する基盤などをつくっていきました。大きく進んだのは、2011年に国の事業で、早期・探索的臨床試験拠点整備事業に選定されてからです。全国5施設の一つに選ばれて、事業費を国からもらえるようになって、本格的に基盤をつくり始めることができました。

 それまで、この病院には本格的な臨床開発研究を実施する基盤がなかったのですが、今では企業との治験や共同研究を多数行っています。

 単に企業から治験を受託するだけではなくて、医師が自ら考えて新薬の開発治験をする「医師主導治験」をできる体制をつくっています。臨床研究中核病院が大学病院を中心に14施設ありますが、臨床研究筆頭著者論文数は東病院がトップです。病院のサイズは一番小さいですが。

――大津先生が気づいて、遅れを取り戻した。

大津 例えば、今、日本はワクチンの開発が遅れていますよね。でも、ファイザーやモデルナ、アストラゼネカなどの外資ではコロナワクチンは、ベンチャー企業やハーバード大学、オックスフォード大学などの研究成果をもとにワクチンを作っているわけです。今の米国製薬企業の新薬の6~7割は自社以外のアカデミアやベンチャー企業のシーズ(薬の種)を取り込んで製造しています。

――東病院でいえば、隣で東大がゲノム研究をやっています。

大津 それは大きいですね。日本で承認されるがんの薬の多くは、この病院で治験をしています。今度、京都大学のiPS細胞を使ったがんの免疫細胞の治療を始めます。光免疫療法も実施していますが、これはNCI(米国立がん研究所)の小林(久隆)先生が開発した技術に、楽天の三木谷(浩史)さんが投資をしました。

そこから光免疫療法が始まっている。日本での開発はこの病院で土井(俊彦)副院長と林(隆一)副院長が中心になってやりました。がんで発現している特定の分子に対して、抗体をくっつけて、近赤外線を当てて、がん細胞だけを消滅させる。

――頭頸部がんに使っている治療法ですね。

大津 はい。食道がんでも医師主導の治験を行っています。光免疫療法でも、別の抗体を開発している研究者もいます。

(2021年8月23日公開記事に続く)

がん細胞光らせ早期発見 弘前大、診断法を実用化へ


がん患者の膵臓(すいぞう)から取り出した腫瘍細胞の塊を顕微鏡で観察した悪性腫瘍(上)と良性腫瘍。染色しただけの左の画像では見分けが付きにくいが、悪性腫瘍が「蛍光L―グルコース」を取り込んで光る右の画像では、良性腫瘍はほとんど反応しない(山田勝也・弘前大大学院特任教授提供)© KYODONEWS がん患者の膵臓(すいぞう)から取り出した腫瘍細胞の塊を顕微鏡で観察した悪性腫瘍(上)と良性腫瘍。染色しただけの左の画像では見分けが付きにくいが、悪性腫瘍が「蛍光L―グルコース」を取り込んで光る右の画像では、良性腫瘍はほとんど反応しない(山田勝也・弘前大大学院特任教授提供)

 弘前大(青森県弘前市)と医療ベンチャー企業オルバイオ(京都市)は、がん細胞に入って光る合成物質「蛍光L―グルコース」を活用し、がんを早期発見する新たな診断法の実用化に乗り出した。弘前大大学院を拠点に共同研究を進めており、副作用の少ないがん治療薬の開発も目指す。

 大学院の山田勝也特任教授らは、がん細胞がブドウ糖の一種「L―グルコース」を取り込む性質に着目。この糖に蛍光色を加えた蛍光L―グルコースを開発し、がん細胞だけを光らせる技術を確立、特許を取得した。実用化に向け、現在は人体に投与する場合の影響を調べている。

「線虫」が匂いかぎ分け…1滴の尿で15種類のがんリスクを86%判定 注目の検査法とは【愛媛発】


線虫の「鼻」嗅覚受容体の数は犬の1.5倍

ネットから申し込めば自宅で検査可能

従来のがん検査よりも手頃な価格で

完全寛解率約28%。がん新治療は「ある栄養素」の劇的制御から


がん細胞が主な栄養源としているのは、炭水化物から合成されるブドウ糖。一方、正常細胞は、ブドウ糖の供給が途絶えても、「ケトン体」という緊急用のエネルギーを作りだすことができる。ならば、がん患者の体質をケトン体依存に変えれば、がんが治療できることになる。その具体例を、『ケトン食ががんを消す』(光文社新書)を上梓したばかりの古川健司氏が解説する。

糖質を極限まで減らす

私たち人間が生きていくためには、炭水化物(糖質+食物繊維)、タンパク質、脂質という三大栄養素が、必要だと言われています。

厚生労働省が作成した「日本人の食事摂取基準2015年版」には、エネルギーを得るために推奨する三大栄養素の摂取割合は、炭水化物50~65%、タンパク質13~20%、脂質20~30%と明記されています。

炭水化物の割合が高いのは、そのなかに多く含まれる糖質が、脳や肉体の生命活動を維持するための主要なエネルギー源と考えられているからです。

さて、ここで質問です。あなたが「日本人の食事摂取基準」を遵守し、総エネルギーの60%を糖質でまかなっているとします。

その糖質を全エネルギーの10%以下、それも0%へと可能な限り引き下げてみたらどうでしょうか。

「冗談じゃない」という声が、どこからか聞こえてきそうです。「そんなに極端な糖質カットをしたら、頭の働きは鈍るし、第一体力が持つはずがない。これでは、仕事どころか、日常生活にも支障をきたすじゃないか」と。はたして、本当にそうなのでしょうか。

実は、私が目下、がん治療に取り入れている「免疫栄養ケトン食」は、まさにこの極端な糖質制限を拠り所としているのです。もちろん、血液データその他を吟味しつつですが、なかには「糖質95%カット」を実施している患者さんもいるほどです。

ケトン食とは?

免疫栄養ケトン食とは、私が臨床栄養学に基づいて作り上げ、2015年の臨床研究の成果をもって本格的にスタートさせた、がん治療に特化した栄養療法です。

2014年、抗がん剤効果が期待できなくなったステージ4の乳がんの患者さんに、炭水化物の摂取を極端に控えた糖質制限食を指導したところ、まもなく3センチ大の腫瘍がほぼ消失。肺転移と皮膚転移の一部も消失し、QOL(生活の質)が大きく改善されました

免疫栄養ケトン食の3カ月以上の実施者は、この乳がん患者さんを含めて18人。その治療成績を見ると、がんの完全寛解(消失)が5人、がんが30%以上消失した部分奏効が2人、がんの進行制御が8人にも上り、増悪(悪化)はわずか3人にすぎません。

完全寛解が部分奏効よりも多いのは、がんの顕著な縮小や転移巣の消失によって、手術に持ち込めた症例が多いためです。

完全寛解率は約28%。完全寛解も含めた奏効率(がんが消失、もしくは縮小した患者さんの割合)は約39%。進行制御を加えた病勢コントロール率に至っては、実に83%にも上っています。

しかも、実施者の多くは、ステージ4のがん患者さんです。ステージ4と言えば、いわば末期と呼ばれる状態で、この時点で医師の多くは「もはや打つ手なし」と、治療の匙を投げてしまいます。

それを考えると、奏効率39%、病勢コントロール率83%という数字は、まさに驚異的であり、これまでの医学界の常識を覆したと言っても過言ではありません。

私の免疫栄養ケトン食では、炭水化物を極端にカットする代わりに、健常者の約2倍のタンパク質を摂取するようにしています。

ごはん、うどん、パン、パスタなど主食となる炭水化物は、一日3食すべてでNG。かわりに、良質なタンパク質と脂質をメインにした食事に切り替えます。タンパク質を豊富に含んだ食べ物には、魚介類や肉、大豆、卵などがあります。タンパク質が豊富でも、炭水化物も豊富に含まれている食べ物は、基本的にNGです。

青魚など魚介類の刺身は積極的に摂取する必要があります。

肉は、飽和脂肪酸の少ない鶏肉(皮はNG)や牛・豚のヒレ、モモ肉を選び、脂身の部分をできるだけカットして食べます。

鶏肉に関しては、羽を動かす胸肉を推奨しています。なかでも、何万キロも休みなく飛び続ける渡り鳥の胸肉には、イミダゾールジペプチドという抗疲労成分が豊富に含まれており、これが驚異のスタミナの源泉になっています──

ガンのmRNAワクチン、フェーズ2臨床試験に突入。新型コロナワクチン開発のビオンテック社が実施


ドイツのビオンテック社は、ファイザー社とともに新型コロナウイルスの発症と重症化を防ぐmRNAワクチンの開発を行っている。そんなビオンテック社が次に目指しているのは、ガンのmRNAワクチンだ。

mRNAワクチンは、体内の特定のウイルスを攻撃する抗体を作るよう人体に指示を出すものだが、ビオンテック社はその技術を応用し、悪性腫瘍(ガン)に対する抗体を作るワクチンの開発を進めている。

今年3月に、ビオンテック社共同創業者にしてチーフメディカルオフィサーのオズレム・トゥレシ氏が、数年以内に開発すると明かしたことで、大きな話題を呼んだ。そんな全世界が期待するガンのmRNAワクチンに新たな進展があった。

「良好な結果」とトゥレシ氏も前向き
ビオンテック社は6月18日発表のリリースの中で、皮膚ガンの一つであるメラノーマを対象としたフェーズ2臨床試験を実施したと発表した。メラノーマ患者120人に、mRNAワクチン「BNT111」を投与。

ガン治療で用いられている免疫チェックポイント阻害薬の「セミプリマブ」と併用し、全奏効率(効果のあった患者の割合)、治療期間、安全性を評価する。フェーズ1で有望な結果が出たことで、効果への期待が寄せられているという。

トゥレシ氏はリリースの中で、「ガンは現在起きているパンデミックよりも、さらに深刻な人類の脅威であることを忘れてはいけません」「このワクチンはすでに初期の臨床評価において、良好な安全性と有望な暫定的結果を示しています。

今回のフェーズ2においてガン患者への治療が開始されたことで、mRNAワクチンの有効性を証明していくことへの自信につながりました」と、前向きな見解を示した。

前立腺ガン、頭頸部ガンのmRNAワクチン開発も
ビオンテック社では「BNT111」の他に、去勢抵抗性前立腺ガン(CRPC)のワクチンとなる「BNT112」、や頭頸部ガンのワクチンとなる「BNT113」の開発も進めており、現在どちらもフェーズ1臨床試験にあるとのことだ。

世界中で年間およそ1000万人もの人が、ガンによって亡くなっている。もし人類が完全にガンを克服できれば、その影響は計り知れないものになるだろう。引き続き注視していきたい。

広がるがんゲノム医療…遺伝子変異を徹底検査 対応する分子標的薬探す


分子標的薬

8・1%

ウイルスでがん破壊、治療薬承認へ 脳腫瘍の一種に効果


がんウイルス療法の仕組みのイメージ


久光製薬、がん鎮痛貼り薬発売 皮膚から成分吸収


 久光製薬(本社・鳥栖市、中冨一榮社長)は19日、新薬承認された、各種がんの痛みを和らげる貼り薬「ジクトルテープ75ミリグラム」を21日から発売すると発表した。

 非ステロイド性抗炎症薬を含んだ、皮膚から成分を吸収するタイプの薬剤としては日本初となる。19日付で厚生労働省が薬価基準を収載した。新薬は7センチ×10センチで、薬価は1枚当たり156円50銭。

 医師の処方が必要な医療用医薬品で、成人に対し1日1回2枚を胸、腹、上腕、背中、腰、太ももに貼ることで、薬が消化管を経ずに直接全身の血液に行き渡る。持続的な効果が期待でき、飲み薬の服薬が難しい患者にも投与できる。

 同社は「がんの痛みの治療における新たな選択肢を提供することで、患者さんの生活の質向上に貢献したい」と話す。(大橋諒)

葛城ユキさんはステージ4 腹膜がんは卵巣がんと同じ治療で克服(中川恵一)


【Dr.中川 がんサバイバーの知恵】

パワフルなハスキーボイスでおなじみの歌手の葛城ユキさんが、原発性腹膜がんだと報じられました。歌手の平浩二さんがくも膜下出血で緊急搬送されたことで、あすはわが身と心配されたのか、人間ドックを受診。ステージ4の腹膜がんが見つかったそうです。

「私は歌うために生まれてきております。必ずステージに復帰します。どんなに苦しくても、耐えます。ロック魂で頑張ります」

パワフルな歌声そのままに、闘病する決意を語っていたのが印象的でした。報道が流れた翌27日は青森で公演。5月1日から治療に専念するそうです。

腹膜は、肝臓や胃、大腸、小腸などの表面を覆う膜で、広げると畳1畳分の広さになります。そこから発生したがんの性質は、卵巣がんに近く、生検をして組織学診断をすると、ほとんどが卵巣がんと同じタイプに分類されます。

毎年新たに診断されるのは10万人当たり6人と非常にまれですが、腫瘍マーカーも卵巣がんと同じ数値が使われるため、現実的には卵巣がんの一種として扱ってよいと思われます。

早期はほとんど無症状で、進行するとお腹に水がたまることに伴う膨満感、腹痛や腰痛、排便の異常、不正出血などが見られます。これも卵巣がんと同じで、葛城さんのようにステージ4で発見されることが珍しくありません。早期発見が難しいことも、卵巣がんと似ています。

お腹の中の腫瘍を完全に切除することを目的に行う腫瘍減量術と抗がん剤が主な治療法で、これも卵巣がんと同じです。ただし、進行してからの発見が多く、最初に手術を行えないことも往々にしてあります。

報道によれば、葛城さんはなるべく手術を避けたいと考えていらっしゃるそうです。そんなケースは、まず抗がん剤で腫瘍を小さくしてから、手術に踏み切ることがあります。手術ができる状態になったら、手術を行い、さらに術後に抗がん剤を加えます。

卵巣がんは、婦人科系のがんの中でも、抗がん剤が効きやすい。ステージ3と4では、抗がん剤と手術の組み合わせが、とても重要です。

卵巣がんは、腫瘍が卵巣にとどまるステージ1でも、両側の卵巣と卵管のほか子宮を全摘。さらに胃の下部の脂肪組織、骨盤内リンパ節などを切除する大がかりなものです。

がんが下腹部から上腹部に進行しているケースでも腫瘍を取り切ることが、その後の余命を左右します。

ぜひロック魂でハードな闘病生活を乗り越えてほしいと思います。

(中川恵一/東大医学部附属病院放射線科准教授)

にんにく、にんじんはがんを予防するという米国研究結果が


冬から春への季節の変わり目。体の不調を感じたときは、「薬」の前に「野菜」を試してみませんか? ここでは、近年の研究成果から明らかになった、野菜が持つ薬事効果を紹介。副作用なし、おいしく安全な“新しい処方箋”をお届けします!

「近年、食べ物に含まれる各種成分が人にどのような影響を及ぼすのか、最先端の科学技術を用いた研究が著しく進んでいます。これまでは“民間伝承”と思われてきた野菜が持つ薬事効果がつぎつぎに立証されているんです」

こう話すのは、薬剤師で薬学博士の田村哲彦先生。たとえば刺身のツマとして使われる、しそ。古くから生魚を食す際に殺菌効果があるといわれてきたが、成分のペリルアルデヒドに抗菌・防腐作用があることが実証されたばかりか、せきを鎮める効果も動物実験によって明らかに。

「食べ物に含まれる薬効成分を“機能性成分”と呼びます。今回はその成分が多い野菜に注目。現在、科学実験で効果が実証されているものを紹介」(田村先生・以下同)

■がんの抑制や予防になる野菜

【肺がん】にんじん

成分のβ-カロテンががんを抑制。毎日の摂取で肺がんになる確率が半分になった調査データも。

【大腸がん】かぼちゃ

成分のβ-カロテンと豊富な食物繊維のダブル効果で特に大腸がんの予防に効果がある。

【乳がん】ブロッコリー

成分のスルフォラファンが発がん物質の解毒酵素を活性化。乳がん予防に効果大とされる。

【胃がん】しいたけ

成分のβ-グルカンなどの多糖類が免疫機能を促進。胃がんの抑制効果が認められている。

【がん全般】にんにく

がんの原因となる重金属や放射線による体のダメージを成分の有機ゲルマニウムが緩和。

田村先生は40年前から、こうした食べ物の薬事効果に注目。西洋医学と東洋医学の両方を学び、病気の予防や治療に食べ物をうまく取り入れる健康法「食治」を研究してきた。

「数年前、米国国立衛生研究所が中心となって、どの食べ物のどの成分ががんに効くかという大規模な調査が行われました。その結果、にんにくに含まれるβ-カロテンなどが“効果がある”とお墨付きをもらったんです」

にんにくに含まれる硫化アリルは強い抗菌作用で知られ、食べることで体内の免疫力をアップ。さらに含有成分の有機ゲルマニウムなどが体内の有害な重金属を体の外に出す働きがあるのだという。

「またにんじんなどに含まれるβ-カロテンには変異原性抑制作用があるとわかっています。米国の研究チームが1日1本のにんじんを食べればがん全般の予防効果があると発表しています」

がん患者の83%に臨床効果!「免疫栄養ケトン食」って何?


「がん患者に『免疫栄養ケトン食』を3カ月以上実施したところ、がん細胞が小さくなったり、消滅するなどして、その83%に効果があったことが臨床研究でわかりました。治療だけでなく、再発を含めたがんの予防や、認知症予防などにも効果的です」

そう説明してくれたのは、がん専門医である古川健司医師の監修のもと、『免疫栄養ケトン食でがんに勝つレシピ』(光文社)を出版した、管理栄養士の麻生れいみさん。この食事療法のカギとなるのが“ケトン体”だという。

「ケトン体というのは、体内の糖質が少なくなったときに出てくる“緊急用”のエネルギー源。体が“飢餓状態”に陥ると産生されるように遺伝子に組み込まれていて、栄養不足の時代も人類は、このケトン体で生き延びてきたのです。現代でも、たとえば、夕飯を抜いた翌朝、グゥ〜とおなかが鳴ったときに出ている場合もあります」

これまで、人間の体を動かすエネルギー源になるものは、糖質だけだと考えられてきた。ところがケトン体もその役割を担うという最新の研究結果を受け、この食事療法が編み出されたのだ。

「ケトン体は脂肪を燃やすことで作られますが、その脂肪燃焼を邪魔するのが糖質。さらに糖質はがん細胞の栄養になることもわかっています。糖質の摂取を制限し、ケトン体を出す体質になることで、エネルギー源はケトン体で確保しながら、がん細胞に栄養を与えずに弱らせて、がんを小さくしたり、死滅させられる可能性があるのです」

糖質は、炭水化物のごはんや麺、パン、そして砂糖や果物などに多く含まれている栄養素。「免疫栄養ケトン食」は、まず糖質を含む食べ物を控えることから始める。

「やみくもに糖質を制限しさえすればいい、というものではありません。必要最低限の糖質は摂取しつつ、免疫機能と密接に関わるタンパク質と、体の機能を調整するミネラル、ビタミン、そして良質な油を十分に取ること。さらに、“MCTオイル”を取り入れる必要があります」

MCTオイルとは中鎖脂肪酸100%のオイルのこと。最近では「MCTオイル」と表記され市販されているものも多い。体内に入るとケトン体が産生され、3〜4時間後にはその量がピークに達する。「油は太るから避けたい……」という心配も無用。一般的な食用油と比べて消化と吸収が早く、エネルギーとなって燃える働きがあるのだ。熱に弱く、一度に大量に取ると下痢や嘔吐の原因になるので、サラダなどにかけたりコーヒーに入れたりして少しずつ取り入れよう。

日本人の3人に1人が死亡…「がん」の切らない治療法とは


日本人の死因の第1位であるがんで、3人に1人はがんで亡くなっている状況です。日本人は、一生のうちに、2人に1人は何らかのがんにかかるといわれています。

その治療法というと、“化学療法・外科療法・放射線療法”いわゆる、“抗がん剤でたたく、手術で切る、放射線を当てて再発を防ぐ”が一般的ですが、いずれも一長一短。

そんななか、技術の進歩で最新治療が注目を浴びています。今回は、食道がんを克服した、作詞家であるなかにし礼さんの著書『生きる力 心でがんに克つ』からご紹介します。

■切らないがん治療って?

通常の放射線治療は、身体を通り抜ける性質を持つのですが、陽子線は決められた場所にピタっと止まることができ、それ以上先にはいかないため、がんをくり抜くように治療がでます。ですので、がん細胞に集中的に放射線をあてることができるのです。

これが先進医療の“陽子線治療”。この治療法が、がんを切らずに、なかにしさんの“進行した食道がん”を治したのです。

■最新治療が適用できるがん

先進医療でもすべての疾患が陽子線治療の対象になるわけではありません。

広い範囲や全身にがんが散らばっているような状態は、陽子線治療の有効性を発揮できません。まとまったがんであれば、たとえば15センチ程度にまで大きくなったがん治療が可能だそうです。

ただし、陽子線治療は先進医療と認められているが、保険適用ではないのです。また、同じ種類のがんであっても病気の進行度、自覚症状などその病状は一様ではないので、主治医の先生と相談するのがよいですね。

なかにしさんのように、他の身体の不調の問題や、お仕事上など、何かしらの問題で手術ができない場合などに、陽子線治療を選ぶのもひとつの選択肢かもしれませんね。

日々医療の進歩がされている昨今。今日にはない治療が明日には有るかもしれないと思うと、病気と戦う希望が見えてくるのではないでしょうか。

AIでがん発見、熟練医並み 見逃し防止へ医療機器承認


国立がん研究センターは、人工知能(AI)を使って大腸の内視鏡画像から早期の大腸がんやがんの手前の段階のポリープを見つけることに成功し、医療機器として承認されたと発表した。25万枚の画像を使った学習で、熟練医なみの実力を備えたという。

 国がんによると、大腸がんになりうるポリープの発見率が1%上がれば、命にかかわる大腸がんが5%減るとされる。

 医師の技術のばらつきによる見逃しを減らそうと、国がんとNECは共同でAIを使って診断を補助するソフトウェアの開発を進めてきた。

 国がんの山田真善医師らは、約1万2千種類の早期がんやがんになる前のポリープの画像25万枚分をAIに学習させた。

 有効性を検証したところ、判断しやすいタイプの病変は95%を正しく検出し、熟練医と同等レベルに達していた。判断しにくいタイプの病変でも78%を検出した。山田医師は「人間が認識しにくいタイプの画像をさらに学習させて精度を高めたい」と話す。

 大腸の内視鏡画像をAIが診断補助する医療機器は、内視鏡メーカーのオリンパスや富士フイルムに次いで三つ目の承認という。

世界一利便性が高く、先進国で唯一がん患者が増加する国・日本 あなたも知らぬ間に摂取している「毒」の正体


他国で禁止された「毒」が日本の“安くて美味しい”の秘訣?|来たる2025年、国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という“超・超高齢化社会”を迎える日本。若年性アルツハイマーも急増する今、見直すべきは「食事と環境」である……病院では教えてくれない「家庭の医学」をお届けします。本稿は、高城剛『高城式健康術55』(光文社新書)の一部を再編集したものです。

コンビニエントな食事を避ける
米国から日本を訪れる友人たちは、皆、東京の食事が安くて美味しいことに驚いているが、同じビッグマックでも、米国のビッグマックより日本のビッグマックのほうが「体に悪い」ことは、ほとんど知られていない。「体に悪いもの」として、この数年よく耳にするようになった「トランス脂肪酸」は、2003年には世界保健機関(WHO)と国連食糧農業機関(FAO)が「総摂取エネルギー量の1%未満」という国際基準を設けた。

その後、2006年にはアメリカでも商品パッケージへの含有量表示を義務づけたことから、アメリカ保存食品製造業者協会(GMA)によれば、加工食品への使用量は86%も減少したという。

当然、米国のマクドナルド他、スターバックスやKFC(ケンタッキーフライドチキン)などのファストフードチェーンは、(顧客から訴えられないように)米国内ではもうトランス脂肪酸を使用していないが、日本のマクドナルドは、「2007年よりトランス脂肪酸を減らすように商品仕様を変える取り組み、2013年には提言したフライオイルを導入しました。毎日、適量をお召し上がりいただく分には栄養上の問題はありませんので、安心してお召し上がりください」というのが公式のコメントである(日本マクドナルドHPより)。

つまり、まだ使用を続けている。
米国では、法律と条例により、2021年までにトランス脂肪酸を多く含むマーガリンやショートニングなどの油が、食品市場から完全に消えることに決まっているが、日本では厚生労働省が規制しておらず、表示義務すらない。よって、良心的な製法で作られた商品が差別化できず、低品質・低価格しか競争の軸がないため、特に米国や欧州から訪れたゲストは、「日本の食べ物は、安価で美味しい!」と感じるのだ。なにしろ、自国で禁止されている「毒」を久しぶりに楽しむわけなのだから。

身近に潜む、安価で便利なさまざまな「毒」
その他、日本に蔓延する「毒」を挙げよう。

◇砂糖の200倍の甘さを持つ甘味料「アスパルテーム・L―フェニルアラニン化合物」(→発がん、視力低下、内臓異常、うつ症状、てんかん発作、ストレス増加、精子減少、体重漸増、パーキンソン症発症などに有害性論文多数)

◇バターの使用や手間のかかる調理をせずに、サクサク感を出せる、菓子パン、クッキーの必需品「ショートニング」(→動脈硬化、心臓病、ぜんそく、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などに有害性論文多数)

◇パック野菜からイクラ、たらこまで! 色とりどりの食品を輝かせる「亜硝酸塩」(→発がん、遺伝子に悪影響、頭痛、記憶障害、うつ症状などに有害性論文多数)

◇もっちり感、とろみをつける「増粘多糖類(及びカラギナン・グアーガムなど)」(→胃潰瘍、食欲不振、衰弱、発がん、軟便、慢性的な腸の不調などに有害性論文多数)

◇コンビニ弁当からシャンプーまで使用され、何日も保存できる魔法の保存料「ソルビン酸カリウム」(→発がん、成長不順、腎臓肥大などに有害性論文多数)

つまり、世界一利便性の高い国といわれる日本が、先進国で唯一がんが増えている理由は、このあたりにあると考えてもおかしくない。モチロン、「毒」には中毒性もあるのは、言うまでもない。

コロナ禍で見逃し増の懸念!下半身の症状で可能性のあるがん


がん検診を受診する人が激減している。「日本対がん協会」によると、地方自治体のがん検診での受診件数は、国内でコロナ感染が拡大した今年3月に前年比の64%まで落ち込むと、4月には前年比16%、5月には8%と激減した。

常磐病院(福島県)の乳腺外科医の尾崎章彦さんが語る。

「東日本大震災のとき、独自に調査しましたが、福島県では症状を自覚していながら病院に1年以上行かなかったケースが、震災前は4.1%でしたが、震災後には18.6%と、約4.5倍も増えました。こうした“受診控え”は、今回のコロナ禍においても実感します。なかには、非常に進行の早いがんもあるので、注意が必要です」

そこで専門医等に取材し、下半身で疑われるがんの代表的な自覚症状を作成した(※医師への取材をもとに本誌が作成。がんによって、ここにない症状が出ることもあります。症状が出なくてもがんになることもあるので、必ず定期的な検診を受けましょう。また、ここに出る症状が別の病気によるものであることもありますので、必ず医師の判断を仰いでください)。

【お腹】
□ みぞおちの痛み、違和感、不快感=胃がん
□ 食欲不振=胃がん
□ 腹痛=大腸がん、子宮頸がん、子宮体がん

【お尻と性器】
□ 便が細くなる=大腸がん
□ 便の表面に赤、または赤黒い血が付着している=大腸がん
□ タール状の黒い便が出る=胃がん
□ 不正出血=子宮頸がん、子宮体がん
□ 水のような透明なおりものが出る=子宮体がん
□ 月経が長引いたり、月経前後の出血が少量だったり、多量である=子宮体がん
□ おりもののなかに血が混じっている=子宮頸がん
□ 排便・排尿の違和感=子宮頸がん
□ 性交後に出血がある=子宮頸がん

【その他】
□ ダイエットしていないのに、体重が半年~1年で5%落ちる=胃がん、食道がん
もちろん症状があるからといって、即がんというわけではないが……。「少しでも不安な症状があれば、医療機関で受診すべきです」(尾崎さん)前出の日本対がん協会の調査で、受診率が低かった胃がん(5月の前年同月比5.9%)、大腸がん(同6.8%)に関しても、各医師からアドバイスをもらった。

【胃がん】
「胃がんは腹部の不調を引き起こすことがあります。お腹の不調が長引いたら、必ず検査しましょう。自治体で違いがありますが、50歳以上で胃カメラ検査、もしくはバリウム検査を2年に1回受けるよう、呼び掛けられています。胃がんの原因となるピロリ菌は、40代、50代の3~4割が保菌者といわれていますが、除菌しておけば、胃がんのリスクがかなり下げられる。ただし、除菌後も自治体による検診なども利用して、胃カメラ検査を年に1回受けましょう」(マールクリニック横須賀・水野靖大さん)

【大腸がん】
「便の異常のほかに、貧血なども大腸がんの症状です。年に1度の便潜血検査をしない人も多いですが、前がん状態であるポリープの7~8割がわかります。陽性になった場合、大腸内視鏡検査をすることになります」ここで紹介した症状がある人は迷わず病院へ行こう。そして、いちばんは症状の出ていないがんも発見できるがん検診を受けること。コロナ禍であっても、がん検診は不要不急の外出ではないのだ。

わずか1滴の血液から早期のがんを発見するには


[文:銀座血液検査ラボ -ketsuken-(https://ketsuken.jp/)]

 がんは日本人の死因のトップです。それにもかかわらず、日本のがん検診受診率は低いと言われています。例えば乳がん検診の受診率は、欧米の60~80%に対し日本は40%程度と言われています。

先日、東芝から、がん検査の技術において大きな発表がありました。
たった1滴の血液から13種類のがんのいずれかにかかっているかどうかを判定でき、精度も99%だといいます。「痛い」「面倒くさい」「時間がかかる」といったがん検査のイメージが大きく変わりはじめています。

一体どのような検査なのでしょうか。
私たちの血液中に流れる「マイクロRNA」という物質の濃度を測定します。採血した血液からマイクロRNAを抽出。健康な場合と、がんの場合では血液中に含まれるマイクロRNAの濃度が異なることが分かっています。つまり、この性質を利用してがんの有無が分かるわけです。

さらに、この検査の注目すべきところは、レントゲンや内視鏡検査で見えないものや触診などで気付かないような初期段階のレベルの小さながんでも発見できるということです。ちなみに、例えば肺がんの場合、ステージ0で発見できて治療すれば5年生存率は97%以上と言われています。「がん」と聞くとどうしても恐いイメージですが、がんが簡単に見つけられたり、治療できる日が来るといいですね。実用化はまだ先になりますが、大注目です。

今私たちができること。
発見される前に予防しませんか?

がんは日々の積み重ねで出来ています。
出来ることからコツコツと健康生活、はじめませんか?

残念ながら、これさえ守れば「絶対にがんにならない」という方法はありません。煙、食生活、運動不足などの生活習慣を改善することによって、がんのリスクは大幅に下がることが分かっています。食事で大切なのは「バランスのよい食事」です。

たとえばハムやソーセージなどの加工肉の摂り過ぎは、大腸がんのリスクを上げるといわれており、反対に野菜類に含まれる食物繊維は、大腸の働きを活発にし、腸内発がん物質の濃度を薄めるため、大腸がんにかかりにくくするといわれています。物に含まれる発がん物質を一切口にしないなどということは不可能ですが、バランスのよい食事をさまざまな食品から摂るよう心がけることで、健康的な身体作りは可能です。

また、過不足のないバランスのとれた食生活を送ることは、多くの生活習慣病の予防にもつながります。例えば、糖尿病は生活習慣病の代表的なひとつですが、糖尿病になることによって、がんになるリスクが大幅に上昇することが明らかになっています。

・今すぐ読みたい→
つらい便秘・・・大腸がんや心血管疾患のリスクが高くなる?! https://cocokara-next.com/stress/risk-of-colorectal-cancer-and-cardiovascular-disease/

がんの「画像下治療」広がる…大がかりな外科的処置せずに苦痛緩和 高齢者にも


 がん患者に対し、画像で体内の様子を見ながら治療する画像下治療(IVR)が広がっています。進行したがんの苦痛を和らげたり、がんを縮小させたりすることを目的に、大がかりな外科的処置をせずに行う治療です。患者の負担も軽減されるため、体力が低下した高齢者にも対象を広げられる特徴があります。(加納昭彦)

カテーテル使用

 IVRによる治療はコンピューター断層撮影法(CT)や超音波などの画像を確認しながら、カテーテルと呼ばれる細い管を血管内に通したり、皮膚から針で刺したりして進めます。  IVRは、がん患者の苦痛を和らげる治療で効果を発揮しています。進行した 膵臓すいぞう がんを患う東京都の50歳代の女性は5月、両足が腫れ上がり、膝が曲がらなくなりました。椅子に座ると皮膚がひっぱられて激しい痛みに襲われました。  国立がん研究センター中央病院(東京)の主治医に診てもらい、肝臓に転移したがんが「下大静脈」と呼ばれる血管を圧迫し、下半身の血液が心臓に戻りにくくなっていることなどが、むくみの原因とわかりました。外科手術や薬物、放射線療法でも症状の改善が難しい状態でした。  

女性は、主治医の紹介で、同病院IVRセンターの荒井保明さんの治療を受けることになりました。脚の付け根と首からカテーテルを通して磁気共鳴画像(MRI)で確認しながら、血管の狭くなった部分にステントと呼ばれる金属製の網状の筒を挿入します。治療を終え血流が良くなり、むくみがとれた女性は「苦痛がなくなり、買い物にもいけます」と喜んでいます。

医療機関は限定

 がんを縮小させる目的でIVRを活用するケースとしては、肝臓がんや腎臓がんなどへの治療に公的医療保険が認められています。どちらもまず、超音波の画像などでがんの位置を観察します。  肝臓がんの場合は、特殊な針を皮膚の表面から患部に刺し、ラジオ波と呼ばれる電磁波を発生させて焼くラジオ波焼灼(しょうしゃく)療法があります。腎臓がんでは、先端が極めて低温になる針を皮膚からがんまで刺し、がん細胞を凍らせて破壊します。荒井さんは「チューブを通す小さな傷ができる程度で、局所麻酔ですみます。治療時間や入院期間が短いのが利点です」と説明します。  

しかし、現状ではIVRを実施する医療機関は限られています。IVRは主に放射線科医が担当します。日本IVR学会によると、学会認定の専門医は1085人(5月現在)。専門医が在籍する病院は331か所で、東京や大阪など大都市に偏る傾向があります。  石川記念会HITO病院(愛媛県四国中央市)緩和ケア内科統括部長の大坂巌さんは「緩和医療の分野では、IVRをあまり知らない医師が多い。特に地方でさらに普及させる必要がある」と指摘します。 保険が適用される治療が限られている点も課題の一つです。荒井さんは「有効性を調べる臨床研究を一つずつ進め、適用拡大を目指したい」と話しています。  IVRを希望する場合、まずは主治医に相談しましょう。同学会ホームページで、専門治療を受けられる医療機関を確認できます。

がんが転移するかしないかには「時間」が関係 細胞に違いはありません


中川恵一「がんの話をしよう」

 がんが転移する仕組みは完全にはわかっていませんが、二つの仮説が考えられています。  一つは、がん細胞に遺伝子変異が加わることによって、転移する能力(転移能)を獲得する可能性です。がん細胞が誕生するためには、数個の遺伝子変異が蓄積される必要があります。遠隔転移についても、転移能をもたらす遺伝子変異があるに違いないという発想です。「遺伝子変異追加説」と呼ぶことにします。しかし、今のところ、そういう遺伝子は見つかっていません。  もう一つの考え方は、遠隔転移をつかさどる遺伝子変異はそもそもないという仮説です。原発巣から血中へのがん細胞の流入は最初から起きており、大抵は転移せずに終わるのだけれども、そのうちのほんの一部がある時たまたま転移すると考えます。血流に乗ったがん細胞が遠くの臓器に漂着して増えるのは、実はとても難しいことなのです。実際、血管に入ったほとんどのがん細胞は途中で死ぬことがわかっています。しかし、ずっと続けていれば、いつか転移が成立してしまうという見方です。「数撃ちゃ当たる説」としておきます。

「がんもどき」は存在するのか?

 さて、ベストセラー「患者よ、がんと闘うな」で知られる近藤誠医師が提唱した「がんもどき理論」というのがあります。 ・がんには、「本物のがん」と「がんもどき」がある ・「本物のがん」は、早期発見してもすでに転移していて命を奪うから治療してもむだ ・「がんもどき」は、転移する能力を持っていないため、放っておいても大丈夫  「だから、がんは放置せよ」という理論です。この理論の前提にあるのは、がんが転移するかどうかは最初から決まっていて、それは絶対に変わらないという仮定です。転移の仕組みから考えると、この仮定は成立しません。  


仮に「遺伝子変異追加説」が正しいとします。遺伝子変異というのはランダム(偶然)に起きる現象です。遺伝子変異は、たばこを吸ったとか、放射線を浴びたとか、何かで遺伝子に傷がつくことが引き金で起きます。例えば放射線は、遺伝子のどこだろうとお構いなしに切断する能力を持っています。転移を起こす遺伝子を、たばこの煙や放射線が認識して避けて通る理由があるでしょうか? 長い時間をかけていくつもの遺伝子変異を積み重ねた結果、がん細胞になったのです。転移をつかさどる遺伝子に変異が起きるのも、時間の問題と考えるのが自然です。

一つのがんに二つの時期が

 次に「数撃ちゃ当たる説」が正しいとするなら、数を撃たせてはいけないのは自明です。これも時間の問題です。つまり、どちらの仮説が正しいにせよ、「がんの転移は時間の問題である」という結論は同じです。がんもどき理論の仮定は成り立ちません。  「がんもどき」と「本物のがん」という二つの別物があると考えるところに間違いがあります。全てのがんは最初のうち、まだ転移していないという意味で「がんもどき的」です。時間がたつにつれ、転移して本物のがんに見えるものが増えていきます。「がんもどき」と「本物のがん」という二つの別物があるわけではなく、同じ一つのがんに、まだ転移が起きていない時期と、転移が起きてしまった時期という「二つの時期」があると考えるべきです。  


今、この瞬間だけを見れば、人間には「子供」と「大人」がいると言えます。しかし、時間をかけて観察すれば、同じ人に「子供の時」も「大人の時」もあることがわかってきます。「がんもどき」と「本物のがん」もそういう関係です。  このように、人間で考えれば当たり前のことなのですが、がんは人間に比べて増殖速度の個体差が大きく、また何もせずに観察することは生命の危険を伴うことになりますから、放置して観察することは倫理的にもできません。これが誤解を生み出す原因と言えるでしょう。

中川 恵一(なかがわ・けいいち)

 東京大学医学部附属病院放射線科准教授、放射線治療部門長。  1985年、東京大学医学部医学科卒業後、同学部放射線医学教室入局。スイスPaul Sherrer Instituteへ客員研究員として留学後、社会保険中央総合病院(当時)放射線科、東京大学医学部放射線医学教室助手、専任講師を経て、現職。2003~14年、同医学部附属病院緩和ケア診療部長を兼任。患者・一般向けの啓発活動も行い、福島第一原発の事故後は、飯舘村など福島支援も行っている。

“発見しすぎ”のデメリットも…けいゆう先生教える「がん検診」


ネット上には、信ぴょう性に欠ける医療情報が少なくない。そんな現状を改善しようと情報発信に尽力する現役外科医が語る、がんと向き合う患者の心得とはーー。「いまでは、患者さんは外来を受診する前にインターネットなどでなんらかの情報を得ています。しかし、ネット上の医療情報は出典も執筆者も不確かで間違いだらけの記事も多く、まともに信じてしまうと、命の危険さえ伴います」

そう話すのは、外科医の山本健人先生。山本先生はこの状況を改善したいと、「外科医けいゆう」のペンネームで’17年に医療情報サイト「外科医の視点」を開設、患者に寄り添った視点で語られ人気サイトに成長。新著『医者が教える正しい病院のかかり方』(幻冬舎)も話題を呼んでいる。

今回は、けいゆう先生のもとに多く寄せられる疑問のうち、がん治療に関するものを紹介。“外科医の本音”を聞かせてもらった。

【Q1】がんの検査は何を選ぶべき?

「まず人間ドックを頭に浮かべる人も多いと思いますが、はじめは市区町村などで受けられる対策型検診を。対策型検診は受診により死亡率が下げられると統計的に証明され、安全性とのバランスも考慮されているものを公費によって安価で実施する検診です。一方、自費で受ける任意の検診は、有効な場合もあるものの結果的に不必要な検査や治療を受けるリスクがあることを忘れずに。がんの中には生涯発見されなくても命を縮めることのないタイプもあり、過剰な検診で『発見しすぎてしまう』というデメリットもあるのです」

【Q2】病院を選ぶ決め手は?

「腕利きと有名な医師の名前にこだわってはるばる受診する人もいますが、現代のがん医療は1人の医師に委ねるのではなくチーム医療。さまざまな分野が連携するので、医師個人の力を頼りにしすぎるのはおすすめしません。症例数は1つの判断基準にしていいと思います。術後の通院や家族のお見舞いなども考慮して、病院へのアクセスのよさも大切です」

【Q3】治療はまず何が優先?

「何よりも保険適用された“標準治療”を優先すべきです。標準治療は“並みの治療”という意味ではなく、質の高い臨床試験でどれだけ効果が高いかを統計学的に導き出したもの。現時点で医療の観点からみたベストな選択肢なのです。また、民間療法は完全に否定すべきではなく、闘病の心の支えになることもあります。病気と向き合うモチベーションアップになるならよいですが、標準治療より優先されるべきではないと考えます」

そして最後に、けいゆう先生から忠告がーー。

「患者さんは、どうしても信じたい情報を信じる傾向があります。自分では偏りなく情報収集しているつもりでも、無意識のうちに安心材料となるソースばかりをピックアップしてしまうのです。迷ったときには友人やネット記事ではなく、きちんと話を聞いてくれる医師に相談するようにしましょう。『医師はどんなことを考えて医療行為をしているのか』をよく知り、医師をうまく利用してください」

赤身肉でがん? 焼肉で死亡リスク高まるとの研究結果


 日本人の死因ナンバー1の「がん」。60代頃から、男女ともに急激にがん罹患率が上昇する。米ハーバード大学がん予防センターによると、発がん要因のトップは「喫煙」と「食事」でそれぞれ30%を占め、「運動不足」と「職業(不規則な生活やストレスも含む)」はそれぞれ5%で、日々の生活習慣が大きな要因だ。その一方で「遺伝」は5%に過ぎない。逆に言えば、食べ物や生活習慣に気をつければ、がんリスクを低減できるということだ。

◆「赤身肉」「焼肉」から発がん性物質
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 ご飯やパンなどの糖質を摂らない分、肉などのたんぱく質は制限なく食べられる「炭水化物抜きダイエット」の流行とともに、国内で店舗を急激に増やしたのが、ランチでも気軽に「赤身肉」を食べられるステーキチェーン店だ。赤身肉とは、牛や豚、羊などの肉を指し、鶏肉は含まない。
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 近年、そんな赤身肉が、がんリスクを増加させるという複数の研究結果が報告されている。米ハーバード大学公衆衛生大学院によると、1日に赤身肉を85g以上食べる人は、ほとんど食べない人に比べてがんによる死亡リスクが10%高かった。
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 また、赤身肉を1日あたり50g食べる人は、21gしか食べない人に比べ、大腸がんリスクが19%上昇するという英オックスフォード大学の研究者の調査もある。大腸がんは、日本人女性のがんの死亡数1位、罹患率2位なので、特に注意が必要だ。赤身肉はなぜダメなのか。秋津医院院長の秋津壽男さんが解説する。
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「赤身肉を食べると、腸の中の悪玉菌が『ニトロソアミン』という強い発がん性物質を作り出します。これによって大腸がんのリスクが高まるのです」調理法によってもがんリスクが高まるという。米ボストン在住の内科医、大西睦子さんが話す。
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「米ノースカロライナ大学の研究チームが約18年かけて行った追跡調査によると、乳がんと診断される前に焼肉やバーベキューなどを多く食べていた人は、少ない人に比べてがんを含む総死亡リスクが23%高かったという結果があります。

 バーベキューのように肉を直火で高熱調理すると、発がん性物質である『多環芳香族炭化水素(PAHs)』などが発生します。PAHsは肉を焼いた時の煙にも多く含まれ、それがついた肉を食べることの影響も指摘されています」どうしてもバーベキューをしたい場合は、黒ビールで肉をマリネしてから焼くと、PAHsの発生を減らせるという研究結果もある。
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 米国の南カリフォルニア大学の調査によると、肉や魚、牛乳や卵などを主とする高たんぱく質の食事をする人(たんぱく質からのカロリー摂取が20%以上)のがんによる死亡リスクは、低たんぱく質食の人(同10%未満)の4倍にも達していた。
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 死亡リスクが高まるのは動物性たんぱく質だけで、植物性たんぱく質では見られない。
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「赤身肉や牛乳などの動物性たんぱく質を摂りすぎると、細胞の成長や分裂を促し細胞死を抑制する成長ホルモン『インスリン様成長因子1(IGF-1)』の血中濃度が上昇します。このIGF-1が過剰になると、異常な細胞増殖を引き起こし、がん化につながるとされています」(大西さん)

「コゲを食べるとガンになる」「牛乳は骨にいい」は本当か?


 病原菌はマスクで完全防御。電車に乗るとそんな人たちの多さに驚くもの。しかし、これを「気休め」とする専門家の意見も。秋津医院院長の秋津壽男さんは、「マスクがウイルスを遮断する効果は、実はほとんどありません。ウイルスは非常に小さく、一般的に売られているマスクのメッシュなどを素通りしてしまう」と語る。

 健康にいいと言われる食品を買いあさったり、サプリを飲んだり…でも、これらの行為、すべて自己満足の「気休め」だったとしたら…? 食べ物についてもこんな定説があるが、果たしてそれは正しいのか。

◆コゲを食べない

「コゲを食べるとがんになる」と以前からいわれている。これはどうか秋津さんはこう言う。

「たしかに、魚や肉などのたんぱく質が焦げたものにはニトロソアミンという発がん性物質が含まれますが、ネズミを使った実験による結果であり、人間なら超大量に食べない限りは問題ないということがわかった。国立がん研究センターが最新の知見をもとにまとめたものでも、コゲを食べないようにとは書かれていません」

◆牛乳

「強い骨を作ってくれる」と老若男女に愛される牛乳だが、最新の研究によればその効果は首をひねるものだそう。薬学博士の生田哲さんが言う。

「牛乳のカルシウムは体内に吸収されづらい。骨を強くしたいならば小松菜や小魚を食べた方がいいでしょう。さらに、牛乳を飲むことが骨を弱くしているという研究すら進んでいるのです」

“1日ビール1杯”でも飲み続けると「がんリスク5%上昇」!? 東大の研究チームに詳しく聞いた


そろそろ忘年会シーズンだが、飲みすぎが体に良くないことは当然ご存じだろう。

しかし、1日にビール中ビン1本500ml、ワイン1杯180ml程度でも、10年飲酒するとがんにかかるリスクが5%増加するという研究成果を、9日、東京大学などのチームがアメリカの医学誌に発表した。

【画像】こんな一杯がリスクを高める?

他のお酒に換算すると、日本酒1合180 ml、チュウハイ(7%)350ml、ウィスキーダブル1杯60ml程度となる。
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実は厚労省の「節度ある適度な飲酒」と同じ量…

東京大学などの研究チームは全国に33か所ある労災病院に登録された病職歴データベースなどを使い、新規がん6万3232症例と同数の良性疾患から、低~中等度の飲酒とがん罹患のリスクの関連を詳細に調査。その結果、飲酒しない人は最もがん罹患のリスクが低く、飲酒する人は酒量によってがんリスクが上昇。1日1杯10年間継続して飲むと、がんに罹患するリスクが5%に増加すると結論付けた。

これは、喫煙傾向や生活習慣病などを考慮しても同じ傾向が現れるとしていて、研究チームは日本の死因第1位のがんの予防のため、飲酒とがんリスク増加についてさらなる啓発活動が必要だとしている。また、がんの種類別でみてもばらつきはあるものの、発症頻度の高い 大腸がん・胃がん・乳がん・前立腺がんの罹患リスクはいずれも増加している。

飲酒指数10drink-year時点(一例として1日1杯10年間継続)の がん罹患リスク
・がん全体 1.05倍
・大腸がん 1.08倍
・胃がん 1.06倍
・乳がん 1.08倍
・前立腺がん 1.07倍

ただ、これまで飲酒の量について、国立がん研究センターは「(日本酒)2合未満は、がんの発生率は高くならない」としていて、厚生労働省は「節度ある適度な飲酒」の定義を、1日平均純アルコールで20g程度の飲酒としている。これを一般的なお酒に換算すると…ビール中ビン1本、日本酒1合、チュウハイ350ml…と、今回の研究とまったく同じ。

正確に言えば、東大は推定アルコール含有量23gを飲酒1単位としているものの、今回の研究成果では、これまで「節度ある適度な飲酒」だとされていた酒量でも、継続すればがんになるリスクが増加するということなのだ。ということは、これまで適度だと思っていた晩酌の酒量をさらに減らさなければならないのだろうか?それこそ毎日ちびちびやるのではなく、忘年会などのたまの機会にがぶ飲みする方がまだいいのか?

東京大学大学院医学系研究科公衆衛生学教室の財津將嘉助教に聞いてみた。

少しの飲酒なら良い結果が出ると思っていた

――どうしてこの研究をしようと思ったの?

もともと、お酒をたくさん飲むと、がんになるリスクが増えることはよく知られています。また昨年は、「LANCET(ランセット)」という医学誌に、お酒を飲まない人は様々な病気などのリスクが一番低いという論文が載りました。そこで、私たち日本人やアジアの人々のような基本的にお酒に弱い人が少し飲む場合の研究を探したら、ほとんどなかったんです。 少なくとも日本では明らかになっていなかったので調べてみたという事です。

――最初から、少しのお酒でがんリスクが増えると思っていた?

いいえ。
私はもともと泌尿器科の臨床を長くやっており、腎臓がんに関しては、お酒を少し飲むとリスクが減り、量が増えるとリスクも増える、いわゆる「Jカーブ」というパターンが海外では見られていました。また、少量のお酒はメンタルヘルスに良いこともありえますから、ストレス社会と言われる今の日本では、少しの飲酒なら良い結果が出るのかと想定していましたが、そうではかったのです。

――この研究結果は、日本人特有なの?

おそらくそうでしょう。
ただ、おそらく少量の飲酒が、がんに関連するいい方向に働くことは、他の地域や人種でも多分ないだろうという感覚はあります。

――なぜ国立がん研究センターなどと違う結果になったの?

まず僕たちの方は、国立がんセンターで行っているようなコホート研究ではないので、研究上のデザインの違いがあり、バイアスや限界があります。

ただし、がん患者の数は全然違うはずです。
僕たちの研究では約6万人。おそらく国立がんセンターのデータ(2005年、解析対象総数は約73000人)では、がんは3500人程度の発症です。今回の研究では、がんになった人がすごく多いデータを使い、統計学的にしっかり差が出たと言えます。例えば、もう一回「低~中等量のアルコール」に注目する、数千万人規模のコホート研究をしたら、今回の研究と同じような結果が得られる可能性はあります。

コホート研究:
同じ地域に住んでいる、同じ職業を持っている、同じ年に生まれたなど、共通の特性を持つ集団を追跡して、その集団からどのような疾病が発生し、また健康状態が変化したかなどを観察して、各種要因との関連を明らかにしようとする研究

今まで飲んだお酒の総量が影響する

――研究では、お酒を飲む量についてどんな質問をしたの?

「1日に平均してどのぐらい飲みますか?」「何歳から何歳まで飲んでいますか?」という形で調べています。

――飲んだお酒の総量でリスクが上昇するの?

「1日1杯10年」というのは、分かりやすい一つの指標として使っています。もちろん実際には差が出てくると思いますが、人生で今まで飲んだお酒の総量によって変わってくるイメージです。よく、たばこの研究で使われる「ブリンクマン指数」や「喫煙指数」(1日に吸うタバコの本数×喫煙している年数)のように、お酒の影響が体にどれぐらい蓄積されたか、という感じでとらえています。

――お酒を飲まない「休肝日」でリスク軽減はできる?

休肝日を作るということは一生に飲むお酒の総量が減るので、当然リスクは減ってくると思います。
毎日飲んでいる人が休肝日を作って、飲むのは週の半分だけにしたら当然リスクの上がり方も緩やかになるでしょう。

――結局、飲まないのが最良というわけ?

僕らの論文で一番リスクが低いのは飲まない人なので、がんのことだけを考えればそうなります。しかし、がんにならないことが人生のすべてではないでしょう。例えば、ウェルビーイング(身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念)や生きがいなどのバランスを考えれば、1日1合を適切とするのは確かにその通りだと思います。ただし「1日1合が適切だから毎日飲んでいいんだ」というわけではないのです。
.
では、どういう飲み方をすればいい?

――1日1杯ではなく忘年会などたまの機会にたくさん飲む方いいの?

(常識的な酒量であれば)たまに飲む方が大きな影響を及ぼすとは考えにくいですね。 年に1度の忘年会で「1年分365杯飲みます」という人は普通はいないでしょう。少なくとも今の僕らのデータでは、お酒は一杯も飲んじゃダメというわけではありません。

――これからお酒の飲み方はどうすればいい?

私のイメージとしては、お酒が好きな人は今より少し健康に気を付けて、できれば減らしていけばいいと思います。お酒の一番の問題は、がんよりも飲酒運転などだと思います。また、これから人生が長くなり人口が減ってくると、がんの治療費や医療費の負担も上がってきます。日本という国のお金のことを考えれば、飲まない人はそのまま、よく飲む人は減らすことを自覚したり、努力をしていただくのが、よいのではないでしょうか。

――研究チームの人はお酒を飲むの?

(笑)私たちは「普通」です。
お酒はたしなむ程度です。

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