あなたの健康はお金で買えますか・・・? ■白内障・緑内障・コンタクト:老眼
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目元の【クマ】は【疲れのパロメータ―】!

●目の疲れがくまを招く理由

目の下にくまができるのは、睡眠不足や長時間のパソコン作業などによる「目の疲れ」からくる血行不良が主な原因です。

血行が悪くなると、血液中の赤い色素が赤黒くなり、それが皮膚の下から透けて見えるのです。

こういったくまは「青くま」とも呼ばれます。

また、血流やリンパがスムーズに流れなくなると、肌へ栄養が行き渡らずに新陳代謝力も落ちてしまい、色素沈着が起きやすくなります。これは、いわゆる「茶くま」の原因となります。

●疲れ目対処法

血行不良の改善によって、疲れ目は解消できます。血行を改善するためには、以下のような方法がオススメです。

○十分な睡眠

十分かつ良質な睡眠をとることで、血行不良が改善されることで疲れ目に効果があるだけでなく、肌の新陳代謝も高まるため活性酸素の発生を抑えることにもつながります。

青くま、茶くまのどちらの対処法としても有効です。

○目をあたためる

目の周りを温めることで、目の周りの血行が促され、血行不良によって引き起こされる青くまの改善に繋がります。

目をあたためるグッズは市販品がたくさんありますが、ホットタオルであれば電子レンジで簡単に用意することもできます。

『血行不良が原因で出る目の下くま(クマ)』をご参照ください。

○目のストレッチ

ウインクで目の周りをほぐす運動や、眼球を上下左右に動かしたりぐるぐる回したりして目の周りにある筋肉を動かすことで血行を良くします。

長時間のパソコン作業などで目が疲れたときに行ってみてください。

○入浴・運動・規則正しい生活

ほかにも血行改善には、ぬるめのお湯にゆっくりつかったり、ほどよく汗ばむ程度の運動を行ったり、規則正しい生活を心がけたりすることも有効。

これらは、血行改善だけでなくたまっていたストレス解消にも役立ちます。

いずれの対処法も簡単にできるものばかりですので、日々の生活にぜひ取り入れてみてください。

(この記事の監修: Theoryクリニック 院長 / 筒井裕介 先生)

緑内障は「40歳以上の20人に1人」が該当、9割は未発見…見えていても発症の可能性あり

緑内障は視野が徐々に欠け視力が低下していく病気で、40歳以上でリスクが高くなる。3月6日から12日まで、国内の公共施設やランドマーク、多数の医療機関などにおいて、緑内障のシンボルカラーであるグリーンにライトアップする運動「ライトアップ in グリーン運動」が展開中だ。実行委員長である「たじみ岩瀬眼科」(岐阜県多治見市)の岩瀬愛子院長に、運動を通して伝えたいことを聞いた。


「伝えたいのは、早期発見、継続、希望という3つのキーワードです。緑内障を他人事と思わず検診で早期発見につなげてほしい。治療の継続が大事だと理解してもらいたい。進行して発見された人や、すでに今進行している人は、見えている部分を失わないために治療法は年々改善されているので希望を持って治療を続けてほしい」


この運動は、国際的な緑内障啓発活動期間である世界緑内障週間の事業として、2015年から国内5カ所で始まり、その後、日本緑内障学会の公式事業として次第に活発化。今年は、国内で約670カ所の実施となった。現在は海外にも、「light-up in Green」の名前で広がり始めている。

岩瀬院長によれば、「緑内障はいまだ適切に認識されているとは言い難い状況」だという日本緑内障学会が岐阜県多治見市で大規模な疫学調査「多治見スタディー」を行ったのは2000~01年。学会の総力をあげて取り組んだ事業で、岩瀬院長はその現地担当者だった。

「多治見スタディーでは程度の差はあれ、40歳以上の20人に1人は緑内障との結果が出ました。そして別の特徴として、未発見者が多く(全体の89.5%)、自覚症状がないため検診を受けておらず、目の検査といえば視力検査でいいと思い込んでいる人が大半であることが分かったのです」

これではいけないと、眼科医らは多治見スタディーの結果をあちこちで報告し、講演会や検診などを行った。「ところが外来を訪れる患者さんの傾向は一向に変わりません。進行してからようやく受診する人が後を絶たないのです」

■強度の近視は高リスク

加齢でリスクが高くなる病気には白内障があり、手術で治せる。緑内障の症状を白内障と間違い、手術で治ると思って受診する人も多い。

「眼科で緑内障と診断され、全員が失明するわけではないのに、短絡的に緑内障イコール失明とつなげ、絶望感でパニックになる人もいました」

ライトアップ運動では、まだまだ足りない緑内障についての正しい知識を広めようとしている。押さえておくべき点は次の通りだ。

【見えていても緑内障】

「緑内障のほとんどは両目に起こりますが、進行スピードが異なります。一方の目で、もう一方の見えにくさをカバーするため、見え方の変化を自覚しにくい。見えていても異常なしとは言えない。眼科医が行う眼科検診を最低でも3~5年に1回受けてください」

ただし、過去に「緑内障の疑いあり」「眼圧が高い」「視神経乳頭陥凹拡大(視神経の中央部のへこみが大きくなった状態)」のいずれかを指摘された人、または「強度近視」「家族に緑内障がいる」「ボールを目にぶつけたことがある」などのいずれかに該当する人は、1年に1回の眼科検診が必要だ。

【緑内障の再検査で異常なし、で安心しない】

「再検査では異常なしでも、その次は違う可能性があります」

前項で触れたようにできれば年1回の検診を。

【だれでも発症する可能性がある、と自覚する】

これが非常に重要だ。

「高齢者の病気と思われがちですが、多治見スタディーで示すように、40歳以上はだれでもリスクがある。だれにでも眼科検診が必要なのです」

緑内障は失明リスクのある病気だが、点眼薬の治療の継続で進行を抑えられ、日常生活に支障が出ない状況を保てる。早期発見、そして定期的な検診と治療の継続が肝要なのだ。


ここまで進んだ最新治療 アイフレイルとは何か? 加齢で徐々に目の機能が低下、「緑内障」「白内障」検診で早期発見を 順天堂大学・平塚義宗先任准教授が解説

日本眼科学会や日本眼科医会などでつくる日本眼科啓発会議は昨年から、加齢によって目の機能が低下した状態を「アイフレイル」と名付け、早期受診などの対策の呼びかけを始めた。

近年では、加齢に伴い心身の働きが弱り要介護になる手前の状態を「フレイル」と呼び、関連して口腔機能の低下は「オーラルフレイル」と呼ばれるようになった。これらの概念と同じように、アイフレイルは健康な目から視覚障害に至るまでの中間の状態だ。

しかし、目の健康に対する意識は低く、なかなか眼科検診までつながらないのが現状。アイフレイルに詳しい順天堂大学医学部眼科学講座の平塚義宗先任准教授=顔写真=はこう話す。

「40歳以上に行われている特定健診の中で眼底検査は、血圧や血糖が一定条件を満たし、医師が必要とした人のみ行われるので、地域住民の82%の人が受けられていません。また、失明原因1位の緑内障は、初期では症状がないので発症していても約9割の人は診断されていないと推定されています」

加齢と共に増加する主な眼疾患は、「緑内障」「白内障」「加齢黄斑変性」「糖尿病網膜症」など。どれも初期には自覚症状が少なく、10年くらいかけて徐々に進行する。しかし、検診で眼底写真を1枚撮るだけでも、かなり高い確率で早期発見ができるという。

日本眼科啓発会議は昨年6月、40歳以上の男女約1万3000人を対象に調査を実施。うち約9割の人は「小さな文字が読みにくい」「目が疲れやすい」「視力が低下している」など、目に何らかの気になる症状があると回答。その一方で、目の検査を受けている割合では、約4割の人が「ここ3年は受けていない」と回答している。

何らかの症状があっても眼科を受診しないのは、「年のせい」としてしまう人が多いからだ。そこで同会議は、アイフレイルを疑う目安として「自己チェックリスト」(別項)を作成した。2つ以上該当したら眼科の受診を勧めている。

「アイフレイル予防の目的は、目の病気を治すためだけではありません。アイフレイルは、フレイルやオーラルフレイルにも影響を及ぼし、健康寿命を短縮させるからです。海外の研究では視覚障害があると、転倒・骨折のリスクが2・5倍、うつ症状のリスクが約2・7倍増加するという報告があります」自己チェックリストの項目に該当しない人でも、40歳を過ぎたら一度は眼科検診を受けてもらいたいという。 (新井貴)

■アイフレイルの自己チェック

□目が疲れやすくなった

□夕方になると見にくくなることがある

□新聞や本を長時間見ることが少なくなった

□食事のときにテーブルを汚すことがある

□眼鏡をかけてもよく見えないと感じることが多くなった

□まぶしく感じやすい

□まばたきをしないとハッキリ見えないことがある

□真っすぐの線が波打って見えることがある

□段差や階段で危ないと感じたことがある

□信号や道路標示を見落としたことがある

※2つ以上該当したらアイフレイルの可能性がある

白内障と緑内障 病気ごとに「良い眼科医」を見分けるポイントとは?

良い眼科医の見つけ方を平松類医師が解説© NEWSポストセブン 提供 良い眼科医の見つけ方を平松類医師が解説

 すぐに命に関わることはなくても、普段の診療から最適なケアを受けたい。特に眼の病気はいつの間にか悪化することもある。専門的な知識を持ち、親身になって病気に向き合う良い眼科医の見つけ方を紹介しよう。眼科医で二本松眼科病院に勤める平松類氏は、「最も重要なのは患者の話を聞く医師かどうか」だと語る。

「眼の診療では『ゴロゴロする』『目やにが多い』など、検査の数値に表われにくく原因が判然としない症状で来院する方が多い。そのため、医師としての技量だけでなくコミュニケーションが一層大事になるのです」

 名医と出会うきっかけになり得るのが、メガネやコンタクトレンズだ。

「眼科はほかの診療科と異なり、大きな病気がなくても日常的に受診するタイミングがある。眼科でメガネやコンタクトレンズの処方箋をもらう際に『この医師は相談にきちんと乗ってくれる』と思えれば、相性が良い可能性は高いでしょう」

 病気ごとに「良い医者」を見分ける手がかりもある。まずは80代になるとほぼ全ての人に症状が見られる「白内障」だ。

 白内障は眼のレンズ(水晶体)が白く濁る病気で、手術が基本的な治療法とされる。その際、医師から「レンズの選択肢」を提案されるかどうかが判断材料になるという。

「白内障の手術では、職業上や生活上の理由など本人の希望や目的に応じて、遠近両用レンズ、遠くが見やすいレンズなど、最適なものが選べる時代です。ですが上から目線の医師だと、『これを入れておけばいい』とほかの選択肢を説明しないことがあります」

 手術後にレンズの選択肢があることを知り、後悔する患者は多いという。

経過観察は丁寧か

 失明原因の第1位である「緑内障」ではどうか。平松医師は、緑内障の治療では「数値」の経過を丁寧に説明するかどうかの“客観性”がポイントになると指摘する。

「眼の病気は数値だけでは判断が難しいと言いましたが、緑内障は違います。例えばMD値(単位:デシベル)という数値で視野の状態を診る検査があります。正常であれば『0』で、逆に『-30』だと失明に近い状態、『-20』で自覚症状として見づらさを感じる段階に入ります。

 ところが、『-10』程度では少しずつ数値が悪くなっていても、悪化に気付かないことが多い。むしろ進行するまで自覚症状がないので、医師の『まだ大丈夫』の一言で定期的な通院を怠った結果、最悪の場合は失明してしまうこともあります。

 初期だとしても、視野検査の結果や数値を用いて『この状態なのでまだ手術は必要ありません。経過観察しましょう』と言う医師を選ぶのがよいでしょう」

 また緑内障は最新治療を提案されないケースがあるという。

「緑内障は、手術をやりたがらない医師が多い。白内障に比べて手術の難易度が高く、術後に『目がゴロゴロする』などのクレームを受けることがあるからです。患者さん自身が症状の悪化に気付きにくいこともあり、お互いにズルズルと手術を先延ばしにしがちです」

 患者はどうすべきか。

「手術のタイミングを医師任せにしないことです。患者さんの希望次第で早期にも可能な積極的治療である『眼圧降下切開手術』などを受けるには、検査の数値について医師に説明してもらい、患者さん自身の意思を伝える必要があります。

 また評価の高い眼科医院ほど、限られた時間での診察になりがちです。眼科は患者数が多く内科の3倍は患者さんを診なければいけないことも多い。患者さんは日常のどんな困りごとを改善したいかをあらかじめ紙に書いて、診察時に伝えてほしい」

※週刊ポスト2021年12月24日号

放置すると視力悪化!ドライアイ対策に「目を温める方法」を眼科医が解説

「ドライアイ」というと、「目が乾く」イメージがあり、目薬で潤いをプラスする人も多いでしょう。

実はドライアイの正確な定義は、「目を保護している涙が乾きやすい状態」のこと。ドライアイを放置しておくと、視力が低下することもあるため、対策をした方がいいと言われています。

話題を呼んでいる新書『眼科医だけが知っている 一生視力を失わない50の習慣』(SB新書)の著者で眼科医・平松類さんに、ドライアイの症状と対策について解説してもらいました。

【目次】

ドライアイを見分ける方法とは?
ドライアイの対策は、目を温めること
外出先やお風呂の中で簡単に目を温める方法

◆ドライアイを見分ける方法とは?

そもそも、自分がドライアイかどうか、自覚する方法はあるのでしょうか。

「もちろん眼科医の診断が一番正確ですが、もし自分で簡単に見分けるなら、まばたきを12.4秒間、我慢してみてください。途中でまばたきをしてしまったら、82.5%の確率でドライアイといえます。

ドライアイの人ほど涙を作るためにまばたきをしようとするからです。まばたきによって上まぶたと下まぶたが重なり、眼球の一番外側にある角膜が刺激され涙が分泌されるのです」(平松さん・以下同)

ドライアイは目が疲れやすく見えづらい

ドライアイの人は、目が乾きやすいというつらさだけでなく、健康な目の人に比べて目が疲れやすく、見えづらくなるのも問題です。

「ドライアイの人は視力が低下します。ここでいう視力とは、視力検査で瞬間的に測る視力ではなく、1日の時間帯や目の使い方で変動する視力を継続的に測る『実用視力』です。

例えば、1日中パソコンに向かったあと、目が見えづらくなると感じたら、危険信号。ドライアイの人は、涙の質が良くないため、少し目を使うとすぐに疲れてしまい、見えづらくなるのです」

◆ドライアイの対策は、目を温めること

では、どう対策をしたらよいのか。その前に、ドライアイはどのようにして起こるのか、メカニズムを知っておきましょう。

「私たちの目を乾燥などから守るのは、涙。まるで透明な皮膚のように、目を保護する涙の質が、ドライアイかそうでないかを左右します。

涙の成分は、水と油の他、さまざまな物質で構成されていますが、ポイントは油。ドライアイは、目の水分不足と思われがちですが、実は水分量ではなく油分量、つまり水と油の配分が問題なのです。

涙の油分は、上下まぶたに無数にある『マイボーム腺』から分泌されています。ところが目が冷えると、分泌された油分が固まり、マイボーム腺をふさいでしまい、油が十分に供給されなくなります。

その結果、涙の成分がほぼ水だけとなり、目から潤いが失われやすくなるのです。油は温まると溶け、冷えると固まる性質や、油は乾きにくく水は乾きやすい性質を考えると、納得がいくでしょう」

「目を温める習慣」がおすすめの理由

そこで、“涙”の代わりとなりうる目薬で対処するわけですが、他にも自宅でできる対策はあります。「目を温める習慣」です。

「前述のように、目を温めるとマイボーム腺に詰まった油を溶かし、新たな油も分泌されます。その結果、涙の成分である水分と油分のバランスがよくなり、目を保護する涙の質がよくなるのです」

目を温めることは“いい涙”を作るだけでなく、眼精疲労や視力低下を防ぐ役割も。

「目を温めると血行がよくなり、眼精疲労が軽減します。実際、目を温める方法を試した人は、かなりの確率で『見えやすくなった』と感じています。それは、目の構造が変わったり機能が上がったりしわけではなく、眼精疲労による一時的な視力低下が回復したからです」

◆外出先やお風呂の中で簡単に目を温める方法

目を温めるためのグッズとして、「ホットアイマスク」などはドラッグストアでも見かけますね。でも、わざわざ買わなくても目を温める方法はあります。まず、外出先でもメイク崩れを気にせずできるのが、手で目を優しく覆う「パームアイ」という方法です。

「気温が低い時期、両手を10回程度こすり合わせて温めたら、その手を、水をすくう時のようにカップ状にします。そして、閉じた目を優しく包み込むように30秒から1分間ほど覆います。まぶたが、ほんのりと手の温かみを感じるくらいがちょうどいい加減です」

ホットタオルで目を覆うやり方

一方、自宅で過ごしている時、夜のくつろぎタイムに行いたいのが、ホットタオルで目を覆う方法。

「タオルを軽く濡らして、水がしたたり落ちない程度に絞ります。そのタオルを、電子レンジに入れ、600Wで40秒ほど、温めます。それから両目を覆うことができるくらいの大きさに折り畳みビニール袋に入れて、目を閉じてまぶたに乗せ、1~5分程度、じっと過ごします。

あるいは、入浴の際、お風呂場にタオルを持ち込み、湯船に張った40~43℃のお湯に浸して絞る方法も。タオルが冷めてきたら、また湯船に浸して絞ればいいので、繰り返しホットタオルで温め続けることができます。

なお、ホットタオルもパームアイも、結膜炎や目のアレルギー症状、充血、腫れ、かゆみなどが見られる時、目をぶつけたあとなどは行わないようにしましょう」

ドライアイの救世主となる涙は、目薬で“足す”だけではなく、温めて“作る”ことも可能。早速今日から始めてみましょう。

◆教えてくれたのは:眼科医・平松類さん

医師、医学博士、昭和大学兼任講師。現在、二本松眼科病院で副院長専門知識がなくても分かる歯切れのいいコメントが好評で、メディア出演多数。目の健康情報を無料配信しているYouTube「眼科平松類チャンネル」は登録者7万人以上と高い支持を得ている。http://www.nihonmatsu.net/drhiramatsu/

レーシック手術の闇。現役医師が警告する「合併症・後遺症」のリスク

近視を裸眼で1.0程度まで回復させるという「レーシック手術」。眼鏡やコンタクトレンズの煩わしさから解放されるとあって、手術を受けたり検討中という人も多いのではないでしょうか?

その反面、術後のトラブルが多いのも事実で、メディアでも大きく取り上げられています。今回のメルマガ『ドクター徳田安春の最新健康医学』では、著者の徳田先生が、レーシック手術を受ける前に知っておくべきリスクなどの「闇」の部分を詳細に解説しています。

眼鏡とコンタクトレンズ

近視が手術で治る。私のような近視の人にはとても素晴らしいことのように聞こえます。実際、そのような触れ込みで広がった屈折矯正手術。なかでも、レーザーを用いたレーシック手術は多くの人々が受けました。

手術で近視が矯正されて眼鏡やコンタクトレンズが要らなくなった人々が大勢いるのは事実です。しかし、手術という人間の行為は完全で無欠点ではありません。レーシック手術にも闇の部分があるのです。

近視や遠視、乱視は屈折のずれからおきます。屈折のずれを矯正するもので最もよく利用されているのは眼鏡です。日本には室町時代にキリスト教の宣教師フランシスコ・ザビエルが初めて伝えたとされています。

その後、眼鏡はファッションの一部にもなりました。最近では、カラフルなものも出回っていますね。映画ファンの私は、往年の喜劇映画スターのハロルド・ロイドが掛けていた円形眼鏡が好きでした。現代では眼鏡はもはや医療器具と言うよりファッションの一つとなりました。

そのあとに開発されたコンタクトレンズもかなり普及しました。眼鏡をかけることが難しい状況にある人々にはよい商品となりました。角膜の表面に装着されるコンタクトレンズの開発は、その後の屈折矯正手術の登場につながることになりました。角膜そのものを矯正すればよい、と考えるようになるからです。

それを可能にするためにはテクノロジーの発展が待たれていました。案の定、それは可能になりました。それは、超短波長のレーザーの開発によってでした。

エキシマレーザーの開発

そのレーザーとはエキシマレーザー。半導体製造でも用いられるほどのもので、精巧に組織を削ることができます。また、熱を出さないので、周りの組織にダメージを与えることはありません。これをコンピュータ制御でビーム射しますので、ミクロレベルの精密さで「かんな」のように角膜組織の形を変えることができるのです。

実際のレーシック手術ではまず、角膜の表面を部分的に切り込みを入れてフタのようなフラップを作り、その内部の組織にレーザーを当て、最後にフラップを戻します。

欧米に続きレーシック手術は2006年に日本でも正式に認可されました。ただし、保険医療としては認可されていません。それは、眼鏡やコンタクトレンズが保険認可されていないのと同じ理由です。そのため手術費用はかなり高額です。施設により異なりますが、片目あたり10~30万円程度かかります。

それでもこの手術はかなり人気を博しました。眼鏡をできるだけ避けたいと考える若い人々が中心です。また最近では、このレーシック手術も新しい技術を導入しています。ウェーブフロント・ガイドというタイプのものでは、あらかじめ光の乱れ具合を測定しておき、その程度を最小にするような方法でカスタマイズすることに成功しています。

レーシックの手術時間は約40分間と短く、日帰り手術で行われます。大部分の人は手術の翌日から裸眼での視力が1.0以上に回復します。回復が不十分なケースの場合、再手術が必要となったり、眼鏡やコンタクトレンズの装着が追加で必要となったりすることもあります。

レーシック手術の闇とは

しかしながら、手術は100%成功するとは限りません。レーシックも手術なのです。手術しても近視が残ってしまったケースもあります。また、矯正しすぎて遠視になってしまったりするケースもあります。

角膜のフラップが手術後ずれたり、感染したりすることも報告されています。東京都内のある眼科クリニックでこの手術を受けた患者のうちから感染性角膜炎を発症したケースが多数出たことが報道されました。手術器具の滅菌消毒が不十分であったことなど、ずさんな管理体制が明るみになりクリニック管理者逮捕にまで至りました。

上に挙げた種類の合併症は、数%程度と比較的まれですが、ドライアイなどはかなりの割合で認められます。目が乾燥して違和感を感じたりします。乾燥がひどくなると角膜炎や結膜炎等をきたすこともあります。そのため、手術後も、眼科専門医の指導に従ってきちんと点眼を行い、定期的な検査を受けることが大事です。

最も重要なことは、このような合併症のリスクについてきちんと説明を受けてから手術を受けるかどうか判断することです。それぞれの合併症の可能性をきちんとした数字で説明してくれる眼科クリニックがオススメですね。日本眼科学会の講習を受けた眼科専門医で受けることをお勧めします。

手術後の合併症の割合は術者によっても異なるからです。私の場合はそれよりも、他の人からの見た目ではなく人間としての内面を高めていくことを目指すべきと若者には話すようにしています。

文献
Kruh JN, Garrett KA, Huntington B, Robinson S, Melki SA. Risk Factors for Retreatment Following Myopic LASIK with Femtosecond Laser and Custom Ablation for the Treatment of Myopia. Semin Ophthalmol. 2016 Apr 6:0.

image by: Shutterstock.com

『ドクター徳田安春の最新健康医学』
世界最新の健康医学情報について、総合診療医師ドクター徳田安春がわかりやすく解説します。生活習慣病を予防するために健康生活スタイルを実行したい方や病気を克服したいという方へおすすめします。

http://www.mag2.com/m/0001657727.html

メガネいらずは実現するか…老眼は緑内障薬で治療できる?

写真はイメージ© 日刊ゲンダイ ヘルスケア 写真はイメージ

【医者も知らない医学の新常識】

命に関わる病気ではなくても、多くの人が治療を希望している病気があります。その代表のひとつは「老眼」です。誰でも加齢とともに体験する、近くのものが見えにくくなる症状です。

目は遠くのものから近くのものまで、その距離によって見たいものに焦点を合わせるという便利な機能を持っています。カメラの絞りのような機能ですが、その働きは年齢とともに低下し、近くのものを見るのに老眼鏡が必要な状態になるのです。

これは水晶体と呼ばれるカメラのレンズのような部分の柔らかさや、それを調節する筋肉の働きが、加齢によって低下することにより起こると考えられています。

メガネ以外に治療がないと思われていた老眼ですが、古くからある目薬を使うことで、簡単にその症状が改善する可能性があることが、最近、臨床試験で確認されて話題になっています。その薬は緑内障という病気に使用される「ピロカルピン」です。

ピロカルピンは瞳孔を小さくする(縮瞳する)働きを持つ目薬ですが、それを使用すると目の近くに焦点が合うようになるのです。すべての老眼の患者さんに有効というわけではありませんが、老眼鏡がないと本が読めない人が、目薬をさすと数時間は裸眼で本が読める、というような効果があることが報告されています。

まだ一般の使用はできませんが、近い将来、老眼が目薬で改善する時代が来るかもしれません。

(石原藤樹/「北品川藤クリニック」院長)

白内障の「早期」で手術を受ける人も 背景に眼鏡が不要になる「眼内レンズ」の進化

AERA 2021年11月15日号より© AERA dot. 提供 AERA 2021年11月15日号より

 欧米を中心に白内障の早期で手術を受ける人が増えつつある。眼内レンズの進化で、眼鏡不要の可能性が広がっているからだという。AERA 2021年11月15日号は、眼科医に最新事情を聞いた。

*  *  *

 新しい人生が始まりました。気持ちが明るくなり、何かをやろうという意欲が湧いてきました──。東京歯科大学水道橋病院眼科のビッセン宮島弘子教授のもとには、白内障手術を受けた患者からの手紙が何通も届いている。いずれも「嬉しくてつい書いてしまった」という気持ちがあふれるものばかりだ。

「目からの情報が8割と言いますが、白内障の手術で視力を取り戻すことで、読書やおしゃれなど諦めていた楽しみを取り戻せる人が多いのだと思います」(宮島さん)

 白内障は、目の中でカメラのレンズのような働きをする水晶体が濁り、集めた光が十分に眼底に届かなくなる病気だ。一般的には加齢による白内障が多く、患者の9割が65歳以上。だが、早い人では40代から発症する。症状としては「視界がかすむ」「ものがぼやけて見える」「視力低下」「ものが二重三重に見える」「光を眩(まぶ)しく感じる」などだ。

■白内障でなくても手術

 白内障の治療は、角膜を切開して濁った水晶体を取り除き、眼内レンズを挿入する手術しかない。いわば、カメラのレンズを濁りがない新たなものに取り換えるのだ。点眼薬もあるものの、進行を遅らせる程度で、水晶体の濁りは取れない。かつては、軽症のうちは点眼薬で対処し、日常生活に支障をきたすようになれば手術、という流れだった。しかし近年、欧米を中心に白内障手術に対する考え方が変わってきている。

「白内障の早期で手術を受ける人が出てきているのです。中には、白内障でなくても手術を受ける人もいます」(同)

 理由は二つ。まず、白内障手術の安全性が非常に高まっていること。次に、眼鏡やコンタクトレンズがほぼ不要になる眼内レンズが登場したこと。特に、後者によるものが大きい。

 現在使われている眼内レンズは、大きく分けて「単焦点型」「連続焦点型(3焦点型を含む)」「焦点深度拡張型」の3タイプ。このうち、最初に発売されたのが、単焦点型だ。唯一、健康保険が適用される。遠距離か近距離のどちらかに焦点が合い、焦点が合わない距離を見るときは眼鏡が必要になる。

 2008年には遠距離と近距離に焦点が合う2焦点型が登場。しかし、中間の距離が見えないため、そこを見るには眼鏡が必要だった。それが19年、「遠距離も中間も近距離もすべてに焦点が合う眼内レンズ」として、日本で初めての3焦点型が発売。さらに21年、同じく遠距離も中間も近距離もすべてに焦点が合う連続焦点型が発売された。

 単焦点型と連続焦点型(3焦点型を含む)の中間的な位置付けなのが、17年発売の焦点深度拡張型だ。焦点の数を増やすのではなく、焦点が合う位置の範囲を広げたもので、見え方としては単焦点型に近い。単焦点型と同じくらい遠くが見え、見える範囲が中間まで広がるが、近距離の見え方は連続焦点型より劣る。場合によって、眼鏡が必要になる。

 たとえば、観光地で遠くの景色から手元のガイドブックまですべて眼鏡なしで見えるのが連続焦点型。焦点深度拡張型は、遠くの景色は眼鏡なしでOKだが、ガイドブックを見るときは眼鏡が必要かもしれない。

 眼鏡の要不要の面だけ見ると、連続焦点型は、単焦点型、焦点深度拡張型に勝るように思える。しかしマイナス面も。濃淡がはっきりしない「コントラスト感度の低下」や、強い光がまぶしく感じたり光の周辺に輪がかかって見えたりする「グレアハロー」が起こる可能性があるのだ。この二つは、焦点深度拡張型でも起こり得る。生活の中で何に重きを置いているかを考え、眼内レンズを選ぶべきだ。

「とはいえ、眼鏡やコンタクトレンズがないとほとんど見えない、眼鏡やコンタクトレンズの生活が不便だという人にとっては、早くに手術を受け、連続焦点型の眼内レンズを入れることで、眼鏡を使わずに済むようになる。今後は日本でも、早期の白内障でも手術を望む人が出てくるのではないでしょうか」(同)

■選定療養の対象になる

 連続焦点型、焦点深度拡張型は保険が適用されないが、20年4月から基本的な手術は保険、多焦点の差額が保険適用外で自己負担という「選定療養」の対象となった。施設で異なるものの、自己負担額は片目で20万円前後から30万円前後だ。一方、単焦点レンズは保険で、自己負担額が片目3万~5万円。

 なお、白内障は両目に発症することがほとんどだが、手術は片目ずつが一般的。片方の目を連続焦点型の眼内レンズにし、コントラスト感度やハロー・グレアの様子を見て、「大丈夫そうだからもう片方も連続焦点型」「コントラスト感度やハロー・グレアに慣れないからもう片方は単焦点型」ということもできる。医療機関によるが、日帰り手術、入院手術の二つの選択肢がある。(ライター・羽根田真智)

※AERA 2021年11月15日号

たった50秒で目の疲れが取れる! 押すだけで「眼精疲労を解消する」簡単ツボ

今回は、目が疲れやすいという方におすすめのツボを教えていただきます。丁寧なツボの場所と押し方(ここ重要)が、もふねこ教授ならでは! 東洋医学を専門としているもふねこ教授に詳しく講義していただきます。身近なお悩みを、ツボで即解決! 

目の疲れのツボ

© ananweb 提供

【もふねこ教授の肉球ツボ講座】vol. 15

ど~も、もふねこ教授です。人間社会はスマホ、デスクワーク、テレワークなど、ますます目を酷使しているようですニャ。自宅でくつろいでいても、目だけは残業してるんですよねぇ。テレビドラマも長時間見るし、本もあれこれ読むし、郵便受けのチラシや広告まで見ちゃったりして。あ、わたしはチラシの入っている透明の封筒のノリをカミカミするのが大好きなんですけど。

まぁそれは置いといて、こんなに目を過重労働させてるんだから、みなさん目が疲れるっていうのは当然ですニャー。眼精疲労がひどい人は目の疲れだけじゃなくて、頭痛、肩こり、めまい、視力低下なんかも出てくるから、目の酷使はほどほどに。今回はそんな目の疲れを和らげるツボを紹介するニャッ!

攅竹で眼精疲労を解消

目の疲れのツボをひとつ選ぶとしたら攅竹です。眉毛の中央から内側に向かって押さえていくと、ちょっとした骨のくぼみに触れますよね? そこが攅竹のツボです。くぼみが一番わかりやすいのは親指で押さえたとき。たとえば右の眉毛を右の親指で押さえていくと、眉毛の内側のところで微妙にへこんでいる(前頭切痕といいます)のがわかるでしょう? そこです!

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右の攅竹は右の親指、左の攅竹は左の親指の先でジワーっと押さえていきます。重いような痛いような感覚がツボの周囲に広がりますよね? 10秒押さえたら10秒休憩、それを3回くり返します。でも、1度に繰り返すのは3回まで。このツボは三叉神経から枝分かれした神経が通っていて、押さえすぎると痛みが残るので注意! 次に押さえるのは数十分たってから。あと、大事なのは押さえる方向です。内上方に向けて、やさしく、少しずつ圧を加えていきましょう。ほら、何だか目がスッキリして目ヂカラが戻ってきませんか?!

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目をいたわる配慮を

言っときますけど攅竹を押さえるのは、疲れを取ってもっとたくさん仕事をするためじゃないですからね! 現代の人間の目は明らかに酷使し過ぎ。スマホやPC画面を1時間見たら、必ず数分以上は目を休ませてあげましょう。

目薬だけじゃダメ。ちゃんとしばらく目を閉じる時間を確保する、窓の外の遠くを見る、部屋の明かりと画面の明るさのバランスを考える、メガネやコンタクトの度数が合っているか確認する……などなど。それから、前に紹介した風池と曲池のツボも押さえると効果的です。

う~ん、攅竹、しみるぅ~。さて、じつは今、とっても日当たりのいいところに座布団が置いてあるんです。これから昼寝して目を休めるニャ。じゃぁまたニャーーーッ!!

もふねこ教授 プロフィール

某大学で東洋医学を担当しているリアル教授。実はキャリアも知名度も抜群。

犬養ヒロ

漫画家・イラストレーター。犬猫鳥魚と暮らす動物好き。

「マンガとエビデンスでわかるプラセボ効果」/メディカ出版

「マンガ 鍼灸臨床インシデント 覚えておきたい事故防止の知識」/医道の日本社

文 もふねこ教授 原案・イラスト 犬養ヒロ

コロナ禍で増える「近視」に潜む危険 見えづらいだけじゃない失明リスクも〈AERA〉

大人も子どもデジタルデバイスを長時間使う機会が増えているいま、近視人口の増加が懸念されている。近視は単に遠くが見えづらいだけではないリスクを抱えている。AERA 2021年11月15日号で、眼科医が解説する。


「近視人口」が激増している。オーストラリアのブライアン・ホールデン視覚研究所は、2010年には約20億人だった近視人口が、50年には世界人口の約半分の50億人に達すると予測。うち9億3800万人が強度近視になるとの推計だ。


「これは16年に発表されたデータで、新型コロナによって近視人口の増加傾向に拍車がかかったと考えられます」  こう言うのは、二本松眼科病院(東京都江戸川区)の平松類副院長だ。  


近視の大きな原因は、パソコンやスマホなどのデジタルデバイスを近くで長時間見続けることだと言われるが、コロナで「お家時間」が主になり、リモートワークやオンライン学習で大人も子どももデジタル機器を見る時間が一層増えた。20年6月、京都市では一斉休校の終了を受け、市内の小学生に視力検査を実施。結果、視力が0.7未満の子どもは、コロナ前である前年比で6%増の23%だったという。


■近視は失明リスクにも  

近視が問題なのは、遠くが見えづらくなることに限らない。慢性的な頭痛、肩凝り、疲労感を招くほか、緑内障、白内障、網膜剥離(はくり)、黄斑症といった失明リスクのある病気の発症率が高くなる。日本人の中途失明原因の1位である緑内障の場合、近視でない人に比べて、軽度近視で約2倍、中等度以上の近視で3倍高くなるとの報告もある。


「近視を治す薬はなく、眼内コンタクトレンズ(ICL)といった近視の矯正治療が登場しているとはいえ、高額ですし、近視が発症に関連する緑内障などの病気のリスクが低くなるわけではありません。視力低下をこれ以上進ませない生活習慣を日々心掛けるしかないのです」 (ライター・羽根田真智) ※AERA 2021年11月15日号より抜粋

まぶたが重い、疲れ目、ドライアイ…目ヂカラを取り戻す“簡単アイケア”4選

マスク生活が長期化し、慣れもある一方で、体は慢性的なお悩みが浮き彫りに。今回は手だけでできるマッサージを紹介します。


目・口・耳もマスク老け!? ピンポ

マスク必須のライフスタイルによって、肌のトラブルだけではなく、目や口、耳といった新たなパーツのお悩みが急浮上。

「コロナ禍初期は、マスクで肌荒れするなど美容面に関するお声が多かったのですが、最近では長引くマスク生活で、目や耳の疲れなど健康面での不安を抱える方も目立ちますね」(エイジングデザイナー・村木宏衣さん)

マスクが目や耳にも影響する!?

「マスクで口が隠れていることで、目が力んでしまってドライアイの症状が続いたり、マスクの紐の刺激によって、側頭部や耳まわりの筋肉が常に圧迫されて、気づかないうちに凝り固まっていることが。耳にある3つの耳介筋(じかいきん)は頭に繋がっているので、耳の疲れで頭痛がするということも」(村木さん)

唾液不足や口臭問題のほか、急に“老けた感”を実感する口まわりのお悩みも。

「マスクをしていると呼吸がしにくいため、つい口呼吸になって、マスクの下はお口ぽかん顔という人が増えています。このままだと、口輪筋や舌筋が衰えてたるみが進行するだけでなく、唾液が出にくくなって口臭の原因になったり、口をあまり動かさなくなったことで血流が悪くなり、唇が乾燥しやすいなど思わぬ弊害が」(歯科医師・石井さとこさん)

ここでは、簡単にできる“目のケア”を紹介します。ぜひ毎日のケアに取り入れて、不快な症状とは決別して!

疲れを一掃して目ヂカラを取り戻す。

リモートワークが始まり、パソコンと長時間向き合うことが日常化。

「同じ姿勢でデジタル画面を見続けるせいか、眉毛の皺眉筋(しゅうびきん)や額の前頭筋が凝り固まっている人が増えましたね。まぶたの眼瞼挙筋(がんけんきょきん)を使わずに、額の筋肉だけで目を開けようとすることで、おでこがカチコチになって目も開けにくい、後頭部も動きにくいという状態に」(村木さん)

常に緊張している目まわりの筋肉をリリースするには、“ほぐし”が効果大。

「皮膚をこするのではなく、奥にある筋肉に働きかけるよう、手の圧をかけながら小刻みに動かすことが大切です」

Q.慢性的にまぶたが重く、目が見開いていないなと感じます。

A.額がゴリゴリしてない? 前頭筋のコリを疑って。

疲れ目になるとつい力が入ってしまうのが、額の前頭筋。目を開けるときに使う眼輪筋にも影響して、まぶたが重くなってしまいます。

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1.こぶしの平らな面を眉毛の上に置き、圧をかけながら皮膚を持ち上げて止まった位置からスタート。筋肉をとらえるイメージで行う。

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2.小さく外側に円を5回描きながらほぐす。これを眉頭から側頭部まで、4~5か所同様に行う。2、3の段も同様に。

Q.画面の見すぎで目が冴えてしまい、寝付きが悪いです。

A.頭の緊張を取ってリラックスさせましょう。

前頭筋、帽状腱膜(ぼうじょうけんまく)、側頭筋、後頭下筋群のこわばりを緩めてあげて。食いしばらないように、口は軽く開けて行うこと。

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1.指の腹を生え際から後頭部へ1~2mmずつ動かしながら、圧をかけてジグザグにほぐす。

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2.こぶしの平らな面をこめかみに当て、小さく円を描きながら生え際から耳後ろに10秒ほぐす。

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3.こぶしの平らな面を後頭部に当て、1~2mmずつ下に動かしながら襟足までほぐす。

Q.朝起きると、目を開けられないほどのドライアイに…。

A.硬直している目まわりのリンパや血の巡りを促進。

涙は副交感神経が優位になってリラックスしたときに分泌されます。血管やリンパが集まっている目まわりの緊張を取るケアがおすすめ。

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1.右手の親指の腹を眉頭側の眼窩のくぼみに当てて上方向に引っ張り、人差し指の側面で生え際の少し上を押さえる。

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2.左手の親指と中指で鼻の骨を押さえ、手の付け根を顎に添え下に引っ張り「ウンウン」「イヤイヤ」と首を縦横3回ずつ振る。反対も。

Q.目を酷使しすぎて、眉毛のあたりまでコリを感じます。

A.目を開けるときに使う皺眉筋をリリースして。

まぶたの開け閉めをサポートする、眉の上にある皺眉筋が凝り固まっている可能性が大。眉間にシワが寄る原因にもなるので、ケアが急務。

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机に肘をつき、人差し指をカギ形に曲げ、平らな面を眉頭に縦に当てる。頭の重みで圧をかけ、首を小さく縦に「ウンウン」と3回振り、次に「イヤイヤ」と首を横に3回振る。これを2セット。眉頭が終わったら、眉の中央、眉尻と位置をずらしながら、同様に行う。

ハイネックブラウス¥17,600(NOMBRE IMPAIR/ノンブルアンペール吉祥寺パークストア TEL:0422・26・8300) その他はスタイリスト私物

タンクトップ¥5,400(YES/KIT) その他はスタイリスト私物

村木宏衣さん エイジングデザイナー。自身のサロン『Amazing beauty』をオープン。近著に『10秒で疲れがとれる 奇跡の目元ほぐし』(主婦の友社)。

石井さとこさん 歯科医師。女優やモデルなどからの信頼も厚い口もと美容スペシャリスト。近著に『マスクしたまま30秒!! マスク老け撃退顔トレ』(集英社)。

※『anan』2021年11月10日号より。写真・小笠原真紀(モデル) スタイリスト・白男川清美 ヘア&メイク・浜田あゆみ(メランジ) モデル・松木育未(LIGHT management) 取材、文・岡井美絹子

(by anan編集部)

イントケアを習慣に。

見え方に違和感、まぶたの腫れ…「目の異変」に潜む重大な病気のサイン

 私たちが最も酷使している器官の1つである「目」。さまざまなものを見るだけでなく、自分自身をも映し出す。見えにくさや乾燥など、不調を自覚しやすいのも目の特徴。ただの加齢や疲労だと見くびっていると、痛い目にあうかもしれない。

 ある日から、目の見え方に違和感を持つようになった都内在住の多田典子さん(仮名・54才)は眼科を受診した。

「ハードコンタクトレンズに傷がついたのだろうと、深刻には考えていなかったんです。『念のため視野検査をしておきましょう』と言われて検査をしたところ、視野に欠けている部分があるとわかりました。眼科医の指摘から脳腫瘍が判明し、先日、手術を受けたところです」

 道玄坂加藤眼科院長の加藤卓次さんは、多田さんのような患者が2~3年に1人ほどいると話す。

「視野の欠け方によって視神経のダメージの場所がわかります。それによって、下垂体腫瘍などの脳腫瘍が見つかることがあります。全身の中で、血管の状態を直接見ることができるのは目だけです。目は視神経で脳とつながっていることもあり、さまざまな疾病のサインが表れます」(加藤さん・以下同)

 自分で目視はできないが、眼科で眼底検査を受けることで高血圧性の動脈硬化や糖尿病もわかるという。

「糖尿病や高血圧は外見でわかる病気ではないため、目の不調を感じて眼科を受診し、それらの疾患に初めて気づく患者も少なくありません」

 意外にも、眼科では多くの重大な病気が発見されている。

病気が完治しても目の異常は悪化する

 まぶたの「腫れ」もあなどれない。井上眼科病院名誉院長の若倉雅登さんはいう。

「まぶたが片方、あるいは両方腫れぼったくなっていたら、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の疑いがあります。眼球突出といいますが、眼球が少し飛び出て、眼球の動きが悪くなり、ものが二重に見える場合もある。症状が軽い場合は目が疲れるとか、目がしょぼしょぼする程度なので、まさかそれが甲状腺の病気だと思う人は少ない」(若倉さん・以下同)

 原因は解明されていないが、目の周りの組織や筋肉と甲状腺が共通の抗体に反応するため、甲状腺が病気になると目にも異常が起こると考えられている。

「内科で甲状腺の治療を受ければ、すべて完治するわけではありません。甲状腺は改善しても、目の異常は悪化することも。目は目で治療する必要があるので、必ず眼科の受診も必要です」

 まぶたの腫れは、がんを示している可能性もある。眼窩(眼球が入っている空間)に腫瘍が発生し、片目が飛び出しまぶたが腫れてしまったら、ほかのがんが目に転移している危険もゼロではない。

「ただし、眼窩や眼球内にがんが起こることは非常にまれで、腫瘍ができても良性のことが多い。それ以上に問題なのは、抗がん剤の副作用で網膜や視神経がダメージを受け、視力低下のリスクがあること。そして、なぜか眼科へ来た患者は、がん治療中であることを眼科医に伝えないことが多い。眼科医は原因がわからないため、対処のしようがありません」

 目は臓器とつながっているということを忘れず、医師にはすべて説明しよう。

糖尿病の悪化で失明する

 視力が下がったと感じたときも、加齢や疲れが原因だと自己判断してはいけない。

「現代人の一千万人が糖尿病、さらに一千万人が糖尿病予備軍といわれています。そして、そのうち30%近くが糖尿病網膜症です。糖尿病網膜症患者のうち1割程度の人は、視細胞が集中する黄斑という部分に病変が及ぶなどして、急激に視力が低下することがあります」

 糖尿病網膜症に気づかずに糖尿病の治療だけをしていると、最悪の場合、失明に至る。

「日本では失明原因の2位といわれています。早期発見できればレーザー治療などを行うことができます」

 冒頭で、視野が欠けると脳腫瘍のリスクがあると伝えたが、意外な病気が発覚することもある。

「脳にも異常がなく原因がわからなかったのですが、CTやMRIを撮って、やっと蓄膿症だと発覚したことがあります」(加藤さん)

 この場合は、蓄膿症を治療すれば自然と視野の不調も元に戻る。

ゆっくり進む目の病気「緑内障」早期に気づくためのポイントは?

新型コロナウイルス感染の心配や、緊急事態宣言下での医療機関の負担軽減を考えて、気になる症状の受診や持病の定期診察を控える人が増えているといいます。しかし、“痛くも痒くもないから大丈夫”という自己判断には危険が潜んでいることも。診察を先延ばしにして後悔を招く病気もあります。気づかぬうちにゆっくり進行する目の病気「緑内障」も、その一つです。

緑内障がわかっても早ければラッキー
緑内障は、目から入ってきた情報を脳に伝達する「視神経」が傷んで「視野(見える範囲)」が狭くなったり、欠けたりする目の病気です。日本人の失明原因の第1位で、40歳以上の20人に1人、60歳以上では1割以上もの人にみられます。多くの緑内障は、とてもゆっくり、年単位で視野が失われていきます。

目は左右の目でものを見るため、視野欠損がかなり進行するまで気づかないことが多く、治療につながっていない人が少なくありません。どんな病気も早期発見が大切ですが、とくに緑内障では発見時期が、その後の治療や生活に大きく影響します。

たとえ緑内障と診断がついても早ければ早いほどラッキーと前向きに考えてください。一度傷んだ視神経は元に戻らないので、早期に治療するのが理想的なのです。たとえ進行していても、食い止める治療法があります。

眼圧が正常でも緑内障になることがある!?
緑内障にはいくつかタイプはありますが、原因の一つとして「眼圧」が高くなり、視神経が圧迫され傷つけられることが考えられています。眼圧とは「目の球形を保つ力」、「目の中の圧力」、「目の硬さ」のこと。目の中は一定量の水(房水)が循環して眼圧が保たれています。房水の量が増え過ぎたり、流れ出る量が減ったりすると眼圧が高くなり視神経が傷むのです。

眼圧の正常範囲は10~20mmHgとされていますが、眼圧が正常範囲なのに緑内障を発症することも。これを「正常眼圧緑内障」といい、日本人に最も多く、全体の約7割を占めています。動脈硬化と関係しているのではないかと考えられていますが、詳しい原因はまだわかっていません。

緑内障が進行しないためには、眼圧を保つための点眼薬を確実に使い、定期的な通院を継続することが最も大切です。

現在、正常眼圧緑内障に対する新しい薬や治療法の開発が進められ、視神経を保護する薬も使われ始めています。また、すでにほかの病気で使われている薬を再活用する方法が世界的に注目されており、抗てんかん薬や血圧を下げる薬が緑内障に効くのではないかという研究も進んでいます。レーザーや手術での治療も行われますが、さらに遺伝子治療やiPS細胞などを用いた再生療法で視神経を再生するなど、失った視野を取り戻す治療法の研究も期待されています。

“一生見えるため”に危険因子をチェック
人間は情報の約80%を目から得ているともいわれます。大切な目を守るために40歳を過ぎたら定期的な眼科検診をおすすめします。また、次のような緑内障の危険因子がないか知っておくことも大切です。

・血縁者に緑内障の人がいる
・強度近視だ
・糖尿病だ
・内服や外用でステロイドホルモン剤を使用している
・目にケガをしたことがある

簡単なセルフチェックで見え方の異変に気づき、早期発見、治療につながった人もいます。下記の要領で、時々チェックしてください。

<壁を使ってチェック>
1.明るい部屋の明るい色の壁を選び、目の高さの位置に直径1センチほどの目印をつける
2.壁から30cmほど離れて立つ
3.片目ずつ交互に目印を見つめる
4.視野の一部に影やかすんだ部分がないか確認(とくに鼻側)

視野の一部に影やかすれがあるように見える時は、すぐに眼科を受診する。
(「日本眼科医会日本プレスセンター 緑内障の症状と対策 北里大学医学部眼科 庄司信行」を参考に作成)

眼鏡にサヨナラ 近視にICL、レーシックとの違いは「削らない」

眼科医が警鐘 コロナだから「ちょっと様子見」は失明の危機…死ぬまで健康な目で生きるために

 長引くコロナ禍。感染が怖くて通常診療の病院に行けない人は多いだろう。しかし、放っておくと重症化し手遅れになる病気はさまざまある。

特に目の病気は命の危機に直結しないため後回しにされがちだが、「かじわらアイ・ケア・クリニック」の梶原一人院長(眼科医)は「人生100年時代といわれるいま、目の健康を維持することはQOLを保つためには必要不可欠」と警鐘を鳴らす。

 まずは梶原院長の経歴を紹介しよう。1959年、東京・品川区の生まれ。慶応義塾大学医学部を卒業後、眼科医に。

しかし、現場で治せない病気に数多く直面し、「根本的な治療法を見つけたい」と米ハーバード大学に研究員として留学した。在職中に世界的に権威のある英科学誌「ネイチャー」と米科学誌「サイエンス」に論文を発表するなど実績を残す。

その後、スタンフォード大学医学部に移籍。2006年に「かじわらアイ・ケア・クリニック」(東京・錦糸町駅直結)を開設するや、全国から患者が殺到しており、これまでに8万6000人の目を救ったスーパードクターだ。

 新刊書「ハーバード×スタンフォードの眼科医が教える 放っておくと怖い目の症状25」(ダイヤモンド社)を執筆したが、その理由をこう説明する。

「患者側と医師側、それぞれの問題に警鐘を鳴らしたかったからです。まず患者側の問題は、目の病気を甘くみて、重症になるまで受診してくれないこと。もっと早く来てくれればと思うことが多いのです。

そして医師側の問題。保険医療制度では人数を診ないと収入が上がらないので、眼科医がじっくり患者さんと向き合う時間が少ない。確かに目の病気は進行が遅く、すぐ死に直結するわけではないのですが、ろくに説明もせず『しばらく様子を見ましょう』の繰り返しでは患者さんが切迫感を抱くことができません。結果的に手遅れになるという悪循環に陥ってしまうのです」

 どの病院に行っても満足できる説明や治療を受けられず、行き場を失った患者が梶原院長のクリニックを訪れている。

「私はこうした患者さんたちを〈眼科難民〉と名付けました。私たち眼科医側が患者さんとの向き合い方を正すのはもちろんですが、患者さんの側も〈放っておいたら怖い目の病気や症状がある〉ことを理解し、早めに対処してほしいのです」

■40歳でも緑内障は始まっている

 放っておくと怖い目の病気や症状とは具体的に何か。特に中高年男性が気をつけたいものを梶原院長に聞いた。

「まずは、日本人の失明原因の第1位である〈緑内障〉です。高齢者の病気と思われがちですが、40歳以上の20人に1人が緑内障だといわれています」

 緑内障とは、目の奥の視神経の細胞がダメージを受け、少しずつ視野が狭くなっていく病気だ。この病気がやっかいなのは、目の痛みや充血といった自覚症状がほとんどないこと。

初期や中期はおろか、失明寸前まで「見えない」と感じることがない。つまり、自覚した時には「手遅れ」である可能性が高い。しかも早ければ10代で発症することもあるという。

「防ぐためには、早めの検査しかありません。一般的には眼圧が高いと緑内障になるといわれていますが、うちのクリニックの緑内障患者の97%は正常眼圧。つ

まり一般的な健康診断で眼圧検査をしても、緑内障の早期発見にはつながらないのです。ですので、特に血縁者に緑内障の人がいれば、30歳になったら一度眼科医に診てもらって下さい」

■目に小さなゴミや虫が飛んだらすぐに受診を

 次に気をつけたいのは「飛蚊症」だ。物を見ていると黒い虫のようなものが動いて見える状態のことで、生理的な原因で起こるものもあれば、病気が原因で起こるものもあるという。

「その病気の代表格が〈網膜剥離〉です。網膜剥離とは、眼球の内側の網膜という膜が剥がれて、視力が低下する病気です。ボクサーが引退に追い込まれる病気というイメージがありますが、加齢や糖尿病などでも起こる身近な病気です」

 剥離というから痛いのかと思いきや、緑内障と同様、痛みを伴わず、自覚症状がほとんどないという。進行すると手術しか治療法がなく、視力が回復しない可能性もある。

「網膜剥離の発症は20代と60代がピーク。急に目の前に小さなゴミや虫が飛んでいるように見えたら、すぐさま眼科医を受診して下さい」

 どんなに長生きしても、見えていたものが見えなくなったり、見えづらくなったりしては、生きる喜びも半減だ。100歳まで元気な目でいるにはどうすればいいのか?

「緑内障や網膜剥離など一部の重篤な病気は、日常生活では防ぎようがありません。しかし、それ以外の多くの目のトラブルには〈目の血流〉を促すことが効果的です。なぜなら目には細かい血管が集中しており、血流が悪化すると十分な酸素や栄養が届きづらくなり、目の病気につながりやすくなるからです」

目の「機能」を高める3つのポイント
 梶原院長が勧める「目の血流をアップする方法」は次の通り。

①ホットタオルで目を温める

 一日の終わりに、濡らしたタオルをギュッと絞り、電子レンジで1分ほど温めて、まぶたの上に3分置く。ドライアイの改善にも効果あり。

②首を回す

 肩から首にかけての血流を改善すれば、目の血流にも好影響。目が疲れたと思ったら、ゆっくり10秒ほどかけて首を1周回すといい。

③たばこをやめる

 たばこに含まれるニコチンは、血管を収縮させて血液の流れを阻害する。喫煙者が「眼底出血」や「加齢黄斑変性」になる確率は、非喫煙者の3倍近くという報告も。

 その他、「こまめに動いて全身の血流をうながす」や「シャワーだけでなく風呂につかる」など、ささいなことでも効果があるそう。

「基本的には高血圧や糖尿病、動脈硬化の人は目の病気にかかりやすい。近年日本人にも増えている加齢黄斑変性症も、食習慣の欧米化が大きな原因といわれています。つ

まり、死ぬまで目の健康を維持するには、からだ自体を健康に保つこと。そして、親身に診てくれる眼科医を見つけておき、少しでも異変を感じたら診てもらうことです」

 コロナだから「ちょっと様子を見よう」と受診を遅らせてしまうと、とんでもないことになる。

購入時は受診を コンタクトレンズで注意呼びかけ

新型コロナの影響で医療機関で受診しないまま購入する人が増える恐れがあるとして、消費者庁がコンタクトレンズの購入に注意を呼び掛けています。

 コンタクトレンズが原因の事故は角膜炎を起こして目が白濁したり、カビが生えて眼球を摘出したりするなど、およそ5年半で242件報告されています。

 コンタクトレンズは全国で最大1800万人が使用しているとみられますが新型コロナの影響で医療機関を受診せずにインターネット通販で購入する人が増えている恐れがあるということです。

 消費者庁は異常を感じたらすぐに使用をやめ、視力補正を目的としないカラーコンタクトでも眼科で自分に合ったレンズの処方が必要だとして注意を呼び掛けています。

「とにかく1秒でも早く洗い流して!」眼科医がツイートした目に劇物をかけられた際の応急処置が話題

「もし何かヤバい液体を目にかけられたら」ー。目に劇物をかけられた緊急時の応急処置がSNS上で大きな注目を集めている。

「それが何かにかかわらずとにかく1秒でも早く洗い流して!!水がなければ手持ちのお茶でもジュースでもいいからとにかく早く!介助者がいるなら、本人は仰向けで少し首を傾け、目頭から目尻に流れるように水を流し続けるのが良いです。」

「量は多くて困ることはないのでとにかく流す。流しながらまばたきと目を動かす。ヤバい物質であればあるほど恐らくクソ痛いですが、早急にしっかり洗い流せるかどうかが今後一生の視力にかかわります。」

「化学物質、特に強酸やアルカリ性のものは短時間で角膜の深くまで侵します。最悪の場合、黒目が真っ白になってほぼ何も見えなくなります。とにかく原因物質の除去が第一です。」

など一連の投稿をしたのは都内で勤務する眼科医の「めめめ」さん(@ophthalmicgamer)。

8月24日には東京メトロ白金高輪駅構内で、男性が顔に硫酸をかけられやけどを負う事件が起こったばかり。めめめさんの投稿に対しSNSユーザー達からは

「駅の構内とかでそういう現場に出くわした場合、自動販売機を見付けてミネラルウォーターでも麦茶でも買って被害者に渡せると良いですね。」

「水場が近くにないときは、まずは唾液だな。溶剤扱う会社でシンナー目に入ったときは、唾液でめを洗いながら水場まで連れていってもらってた。」

「硫酸、中和するには重曹だっけ?覚えてない。水だと希釈熱だとかなんだとかで熱が発せられるってなにかで見た気がする。でも実際にはそんな都合よく中和できる物が手元にある!なんてことは殆ど無いだろうから、うだうだ考えずに大量の水で洗い流すべきだよね」

「あと、もう一つ大事な事を…絶対に『素手』で介助しないように!出血者の救護と同じで『ヤバイ液体』にはビニールなどで手を保護して対応してね。被害者に水などをかける際、介助者は眼にも気をつけて。撥ねた『ヤバイ液体』が眼に入ったら大変だから。二次被害防止にも気をつけるんだぞ!」

「地下鉄サリン事件の際、先輩が日比谷線から地上に避難した際、朝なのに夕方みたいに風景が見えた(後から判明したのなサリンが瞳孔に影響を与えていた)所に下町の風のおばちゃんが取り敢えず眼だけでも洗って!!の一言に顔や眼をすぐに洗い救われた話があったのを思い出しました」

など数々のコメントが寄せられている。

めめめさんにお話をうかがってみた。

中将タカノリ(以下「中将」):今回のご投稿のきっかけをお聞かせください。東京メトロの事件でしょうか?

めめめ:はい、東京メトロの事件を受け、同様の事件や事故が起こった場合の応急処置について少しでも多くの人に知っていただければいいなと思い投稿しました。応急処置の有無で今後の状態にかなり差がでますが、いざそうなったときにどうして良いか分からない、正しいかわからないという方が多いのではないかと思います。「目が開けられない」という報道を見たので被害者の方の状態が大変心配です。

中将:SNSで大きな反響がありました。

めめめ:正直、医療者からすると当然のことなので「何を今更」と言われるのではと思っていましたが、思った以上に反響があり「知らなかった」「知っておいてよかった」という声が多かったです。投稿して良かったです。

「今回のツイート内容はあくまで応急処置です。何でもいいとは書きましたがベストは水なので、水が手に入り次第水で洗いましょう。そして洗浄後はできるだけ急いで病院を受診してください。今回の投稿で今後1人でも多くの方が救われたら嬉しいです。」とめめめさん。事件や事故に遭わないのが一番だが、万が一の時のためにぜひ頭の片隅に置いていただきたい応急処置だ。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

小林幸子さん網膜剥離を振り返る 医師に「失明しますよ」と言われ頭が真っ白に…

【独白 愉快な“病人”たち】
小林幸子さん(67歳・歌手)=網膜剥離

  これはね、もう本当に突然! 「網膜剥離」なんてビックリしました。

 私、自分で言うのも何ですけど丈夫で元気なんです。何しろ検査が大好きなの。いわゆる検査フェチ(笑い)。心配性なんですかね。病気が怖いから検査専門の病院にしょっちゅう行っています。あまりにも頻繁に行くものだから、「あんまり来なくていいですよ」って言われちゃうくらい。先生から「大丈夫です!」と言ってほしくて行っているようなところがあります。

 ただ、1カ所だけノーマークだったのが「目」だったんです。それまで老眼以外は何の問題もありませんでした。飛蚊症はたまにありましたけど、周りに聞いたらみんなあるっていうから気にしていなかった。

 それがある日、右目の中に小さい黒い点が連なってクルクル回って見えたのです。「おかしいなぁ」と思っていたら30分ぐらいできれいに消えました。「何だったんだろう」と思いながらも、そのことを忘れて過ごしていたら、2日後に大きい黒い点がグルングルン回っている……「これは普通じゃない」と慌てて病院で検査を受けました。

 そうしたら、先生が一言、「幸子さん、今から手術です」とおっしゃったのです。「え? 私のこれ、なんですか?」と聞いたら「網膜剥離です」と言うのです。それが2019年9月下旬のことでした。

 驚いたのはその後です。「4日後にNHKの生放送があるので、それが終わってからじゃダメですか?」と尋ねると、先生はずいぶん考えて「うーん、間に合うかな」とおっしゃったの。ドキッとして「どういうことですか?」と聞いたら、「失明しますよ」と言われたのです。そのときの心境たるや、頭が真っ白になりました。

 その日は、先生が譲歩してくださって自宅に帰りました。でも、「水平線から朝日が出るような、夕日が沈むときのようなオレンジ色の絵が見える症状が出たらすぐ来てください」と言われました。で、その翌朝、さっそく朝日が昇っちゃって(笑い)。結局、即手術になりました。

 網膜剥離は、簡単にいえば部屋の壁紙が剥がれたような状態です。手術は2通りを提示されました。ひとつはガスを眼球の中に入れ、ガスの圧力で網膜を張り付ける方法。もうひとつはオイルを注入する方法です。ガス注入のメリットは1カ月ほどでガスが体に吸収されるので1度の手術で終わること。ただし、ガスを入れたら1カ月間は飛行機に乗れません。気圧でガスが膨脹してしまうからです。

 当時はコンサートで全国を回っていましたから、飛行機に乗れなくなるのは困ります。ということで、オイル注入の手術をしました。オイルの場合はオイル抜きのためにもう一度手術をしなければならないのですが、仕方がありません。

 最初の入院は3日間ぐらいでした。術後1日はうつぶせ状態でいなければいけなかったのが一番つらかったですね。

 それでも翌日の夕方には、お化粧をして病院からテレビの収録に出掛けました。それは私のために作っていただいた番組だったので、キャンセルしたくなかったのです。

 先生もしぶしぶでしたがOKしてくれました。「本当はよくないんですけど、この目薬を本番直前にさしてください」と痛み止めを持たせてくださいました。30~40分しか効果がないので、収録の後半は痛みが出ちゃいましたけどね。

 それから3カ月、オイルを入れたまま眼帯生活でした。片目での生活はとても疲れました。仕事もたくさんありましたので、本番は眼帯を外して慎重にお化粧をして……。

■まだ色の見え方が左右で違う

 そして迎えたクリスマスの日、オイルを抜く手術を受け、それから1年半以上たちました。じつはまだ右目は元通りではありません。手術は成功して網膜剥離は治っているんですけど、色の見え方が左右で違います。

 初めてそれに気づいたのは、オイルを抜いて3カ月後ぐらいでした。もう視力がだいぶ回復したように思ったので、近所までクルマを運転して出かけたのです。信号待ちでふと「右目だけで見てみよう」と左目をつぶって信号を見上げたら、赤でも黄でも青でもなく、真っ黒でした。もうビックリしました。普通に見えると思ったのは、左目がカバーして見ていたので自然に見えていたんです。

 いまだに電気系の光だけがまだ少しモノトーンです。それ以外の色も左右で少し色みが違います。先生に聞くと「長年かかる人もいるんです」って。「それ早く言ってよ」と思っちゃいました(笑い)。

 でも、失明するかもしれなかったのですから、嘆くのではなく、見えることに感謝して生きようと思います。人生、健康がどれだけ幸せかってことですよね。元気なうちにやりたいことはやりたいですし、思い切り遊びたい。唯一の趣味がスキューバダイビングなので、できる環境になったらすぐにでも行きたい気持ちです。

(聞き手=松永詠美子)

▽小林幸子(こばやし・さちこ)1953年、新潟県生まれ。64年、10歳のときに「ウソツキ鴎」でデビュー。79年に「おもいで酒」が大ヒットし、数々の賞を受賞した。同年、NHK紅白歌合戦に初出場して以降34回出場。2006年には紺綬褒章を受章している。近年、ニコニコ動画などに出演し、若い世代からも支持されている。

コンタクトレンズの「常識」は、ウソばかりだ

多くの人は、「日本の医療は世界のトップレベルにある」と思っているかもしれません。しかしそれは幻想です。こと眼科医療に関しては、日本は世界から20年遅れています。

その原因は、日本では眼科医の地位が低いことにあります。「歯医者目医者も医者のうち」という差別的な言い回しがあることがそれを示しています。コンタクトレンズショップや美容業界の下請けのような仕事に甘んじている眼科医が多いという現状があるのです。

私は現役の眼科医として、これまで15万件の手術を行ってきました。私が院長を務める横浜と六本木の施設には、間違った知識や間違った手術によって失明寸前になり、最後の頼みの綱として駆け込んでくる患者さんが後を絶ちません。

眼科治療に関して言うなら、日本には「間違った常識」がはびこっているのです。

これまで私は医師向けの専門書を多く書き、優秀な眼科医を育てることに情熱を注いできました。しかし、患者さん自身が正しい知識を持っていないと救うことが難しいということを痛感するようになりました。間違った知識で間違った治療を受け、にっちもさっちもいかなくなってから私の施設に駆け込んでこられても、手遅れになる場合があるのです。

日本の眼科医療がいかに遅れているか、いかに間違った常識がはびこっているかを、私は初めて書いた一般向けの著書『やってはいけない目の治療 スーパードクターが教える“ほんとうは怖い”目のはなし』で指摘しました。

間違った常識とは何か? 例を挙げてわかりやすく解説していきたいと思います。

■「コンタクトの保存液で洗浄もできる」の嘘

たとえば、コンタクトレンズの手入れがいい加減な方がいます。直接眼に触れるものなのに、ぞんざいに扱っている人が多すぎます。もっと清潔に保つことに気を遣うべきです。2週間装用タイプなどは決して使わないでください。就寝時はコンタクトを外して保存液に入れるのですが、この保存液が問題なのです。保存液でタンパクも除去もできて清潔にできるとメーカーはうたっているらしいのですが、鵜呑みにしてはいけません。

もしも本当にタンパクを分解できて細菌も殺せるほど強い液体ならば、そんな液につけたコンタクトを装用したら、眼の細胞が死んでしまいます。実際には保存液の成分は水とほとんど一緒なのです。信頼などできないのです。

それなのに保存液すら買うのが面倒だからと、代わりに水道水を使う人もいます。水道水には雑菌が含まれていますし、地方によってはアメーバ原虫もいます。私の施設に駆け込んできたある患者さんは、水道水を保存液代わりに使ってアメーバ原虫による角膜炎にかかりました。眼が真っ白になってほとんど見えなくなったのです。早急に角膜移植をする必要がありました。

なぜコンタクトショップは駅前で大量のティッシュを配っているのか?

コンタクトレンズの問題は根深いものがあります。都会の駅の周辺には、驚くほど多くの眼科があります。極端に言えばビルごとにあります。しかし、そのほとんどはコンタクトクリニックだということをご存じですか。

医薬品医療機器等法ではコンタクトレンズは医師が扱うべき高度管理医療機器とされています。しかし、実際は眼鏡店やコンタクト会社のお店で宣伝して売ることが多いのです。医療法上の形を整えるために、コンタクトショップが医師を雇って診療所として届け出ています。

多くのコンタクトショップ直営の診療所で行われる診療は、きわめて形式的なものです。コンタクトのフィッティングを診ているだけです。コンタクトショップに雇われている眼科医は、未熟な医師の場合が多いのです。それどころか眼科医ではない医師が診療していることも少なくありません。

コンタクトレンズの原価は「数十円」

コンタクトショップが医師を雇って割に合うのかって? 割に合うのです。そもそもコンタクトレンズの材料費など数十円です。原価など知れているのです。つまりコンタクトレンズメーカーは数十円のものを数万円で売っているのです。その値段の根拠は、以前は医師が診療する代金も含んでいるからということでした。

ところが、開業医の先生方が、コンタクト屋がレンズを売るのはけしからん、診療所での診察を経ないとコンタクトは売らせないようにしろと、厚生省にねじ込んだのです。

しかしこれはまったく裏目に出ました。コンタクトショップが診療所を併設するようになったのです。しかも、同じビルであっても入口は別の診療所ですから、保険診療をしていると言って別に診察代金も取るようになりました。

資金のあるコンタクトショップは診療所の入口を別に作れますが、街の小さな眼科診療所は入口を別に作ることなどできません。コンタクトを販売することは物販なので、診療所ではコンタクトを販売できないのです。

結局、町医者たちがコンタクト販売のもうけ話を奪い返そうとしたのが、かえって自分たちではコンタクトを扱えなくなるという皮肉な状況となりました。

要するに、コンタクトレンズ販売はお店にとってすごい利益率なのです。原価数十円のものを仮に定価2万円で販売するとします。半額の1万円で「大売出し」と広告を打って、そ飛びついた人に、併設の診療所を通じて診療代金も取れば、大きな利益が上がります。だからどんどんと売りつけるわけです。

駅前で大量のティッシュを配っているのは、コンタクトショップであることが多いですよね。宣伝費を大量にかけても儲かる仕組みになっているのです。なぜコンタクトレンズが本来は高度管理医療機器だと警告したかというと、多くの問題を起こすことがあるからです。そもそもコンタクトに向いていない方も多くいます。コンタクトレンズは涙に浮いているようなものですから、涙の分泌の少ない人はもともと向いていないのです。

よく、「このコンタクトレンズは酸素透過性が70%と高いので、着けっぱなしにできます。目に優しい材料です」などと宣伝しています。いいですか? このような宣伝文句を鵜呑みにしてはいけませんよ。まずは疑わなければなりません。

酸素透過性とは、コンタクトレンズの工場出荷時点での値に過ぎません。コンタクトレンズを装用していると、タンパク質や油やカルシウムや汚れが付着して、酸素透過性もどんどん悪くなります。やがて酸素が十分に黒目の角膜に行き渡らなくなります。

すると角膜の表面の上皮という部分がまず傷み、表面の細胞が死にます。細かい傷がたくさんできます。こうなると目がごろごろしたり、赤くなったりするのです。「目に優しい」というメーカーの宣伝を鵜呑みにして、コンタクトレンズを一日中着けていては危険です。

コンタクトレンズの装着は8時間以内に

コンタクトレンズの原則を言います。長くても8時間以内の装用にしてください。装用中でも、痛いとか目が赤くなる見えにくいとか目やにが多いなどあれば、すぐに外してメガネに代えてください。「目に優しいコンタクトレンズ」などないのです。

角膜の表面に傷ができてもそのままコンタクトを着けたままにしておくと、特にソフトコンタクトの場合、傷を覆ってしまい、痛みを感じにくくなります。これがまずいのです。角膜表面の傷に細菌感染を起こすことがあります。

細菌は人間の細胞の壁を溶かす物質を出します。コンタクトを着けっぱなしのままだと、角膜細胞の壁が溶かされ小さな穴が開きます。そして、この小さな穴から細菌が侵入し、眼の中に広がって増えていくことになります。コンタクトレンズを甘く見てはいけません。失明につながる病気が起こりうるのです。

「眼圧リセット」提唱する清水ろっかんさん伝授 目のトラブルを防ぐ3つの習慣

PCやスマホの画面を見すぎて、ドライアイやかすれ目になってしまっているかも…という人、多いのではないでしょうか?

その目の疲れは、普段の習慣を見直すことで、改善できるかもしれません。そこで、体幹整体サロン「ろっかん塾」主宰の骨格矯正士・清水ろっかんさんの著書『眼圧リセット』(飛鳥新社)から、目が疲れない新習慣を紹介。日常に取り入れれば、目の疲れが劇的に変化するそうです。

骨格矯正と目の疲れの関係とは?
骨格矯正の専門家である清水さんによれば、目のトラブルは顔や頭の骨格矯正をすることで、改善できるそうです。

骨格矯正がなぜ目のトラブルに効果があるのかというと、矯正やマッサージでアプローチをすることで、目の不調につながりやすい眼圧(眼球の中の圧力のことで、まぶたを閉じて眼球に触れたときに感じる、風船のような弾力のこと)を正常に保てるためだと言います。

清水さんによれば、骨格矯正やマッサージをする前に、まず大事なのは生活習慣の見直し。そうすることで、未然に目の疲れやトラブルを防ぐことができるそうです。

目のトラブルを防ぐ習慣3選
さまざまな目の不調に悩む人こそ、習慣にその原因があるかもしれません。目に優しいアプローチができる3つの習慣を紹介します。

【1】文字を目から離す
人の目は水晶体の厚みを調節することで、網膜にピントを合わせています。その水晶体の調節が少し遅れることを「調整ラグ」と呼んでいます。調節ラグが起こったときに、眼球は奥に楕円形に伸びます。この眼球の伸びが視力が低下する原因だと、最近の研究で判明しているそうです。

つまり、文字から目を離して読むだけで、近視になることを遠ざけられます。近くのものを見る時間を減らすと、ピントを合わせる時間も減り、目の調整ラグが起こりにくくなって、視力低下を防げるからです。

【2】1分間の仮眠をする
たった1分の仮眠をするだけで、目と頭の両方の疲れを軽減できるセルフケアもおすすめです。目を閉じていると、たとえ1分でも涙が眼球に行き渡ります。涙は、眼球に養分と水分を与えることができるのです。

さらに、頭にも効果的な理由は、脳の特殊な性質によるもの。たとえ何も考えていないときでも、脳は目から入ってくる情報があれば働き続けてしまいます。そのため、目を閉じていれば、いつでもどこでも休んでいる状態でいられるのです。

【40代からのアイケア術】脳トレで老眼や近視の視力回復!?「ガボール・アイ」ってなに?

ガボール・アイで目と連携する脳トレを!

『1日3分見るだけでぐんぐん目がよくなる! ガボール・アイ』(平松 類/SBクリエイティブ)より

眼科の専門医が「よく見えるメガネを使うべきではない」と断言する理由

メガネが体調不良の原因となることがある。NHKディレクターの大石寛人さんは「4万人以上の患者を診てきた眼科医の梶田雅義さんによると、患者の7割はよく見えすぎている“過矯正”のメガネをかけている。過矯正は視力に悪影響があり、頭痛や吐気などの体調不良の原因にもなる」という――。

※本稿は、大石寛人、NHKスペシャル取材班『子どもの目が危ない「超近視時代」に視力をどう守るか 』(NHK出版新書)の一部を再編集したものです。

「メガネで人生が変わる」という患者たち

私がテレビディレクターとして、初めて「ガッテン!」(かつての「ためしてガッテン」)を担当した際のテーマは「メガネ」だった。

その時、眼科専門医を中心に何人かの専門家に取材をしたのだが、全員から必ず耳にしたのが次のような言葉だった。

「メガネのことなら、梶田さんに話を聞いてみたほうがいいよ」

日本眼光学学会理事を務めた梶田雅義さんは、これまで4万人以上の目を診察してきた、目とメガネ(コンタクトレンズ)のエキスパートだ。そんな梶田さんが最初の取材で話してくれた内容が印象に残っている。

「メガネで、本当に人生が変わる方がいらっしゃるんです。新しいメガネを試してもらうと、患者さんが『あっ!』と驚くんですよ。それが楽しくてやっているようなものです」

「メガネで人生が変わる」とは、どういうことか。都内の梶田さんの診療所で改めて取材をさせてもらうことにした。最初に驚かされたのは、本当に多種多様な目の悩みを持った患者が、全国からやってきていることだ。一例を見ていただこう。

「痛い、とかではなく、すごい違和感があるんです。『重い』が一番近いんですけど、(正確には)重いとも違うんですよね。目が開かないというか……」(30代女性)「目がぎゅっと握りつぶされるような(感覚があります)。頭痛もひどいです。眠ってもとれません」(40代男性)

メガネから来る不調で仕事を辞めた女性も

聞いているだけでつらくなるような相談もある。

「目の状態が本当にひどくて目が開けられない。毎日、めまいとか偏頭痛とか耳鳴りがします。年末くらいから症状がどんどん悪化して、ひどい時は1日寝込んで立ち上がれないような状態です。仕事も休職しないといけないほどになってしまって……」(40代女性)

最後の女性はパソコンを使った事務の仕事をしていた。だが、新型コロナウイルスの感染拡大が始まった頃から、目の不調がみるみる悪化し、仕事を休職するまでに追い込まれてしまったのだという。

また、撮影は遠慮してほしいと言われたものの、話だけならと、ある20代の女性は次のような話をしてくれた。

「専門学校を卒業して、映像を制作する会社に就職しました。画面が見えづらくなったのでメガネをかけ始めました。最初の頃は視力も1.5と快調でよく見えていたのですが、段々頭痛や吐き気がひどくなってきて……。

色々な病院を回って、脳のMRIをとっても『異常なし』と言われてしまい、仕事もやめて引きこもり状態に。もう死にたいと何度も思いました」

しかし、その話の最後に聞いたのは意外な言葉だった。

「それがいまでは、自分にぴったりのメガネをかけることで気持ちも前向きになり、再就職の面接まで受けられるようになりました。信じられません」

じつはこの女性は、梶田さんの診療所を受診した結果、「メガネがおかしい」と指摘されたのだそうだ。メガネの合う/合わないが、「人生を変える」と話していた梶田さん。その言葉は、決して誇張ではなかったのだ。

患者の約8割は「合わないメガネ」をかけている

梶田さんは「来院される方で、合わないメガネをかけている方は、全体の8割から9割に及びます」と言う。

梶田さんの診療所には目の不調を訴える患者が多いので、一般の割合より高くなっているのかもしれないが、それでも驚くべき数字だ。梶田さんが特に気をつける必要があると話すのは、度数の強すぎるメガネ=「過矯正」のメガネだ。

じつは過矯正が引き起こすのは、眼精疲労だけではない。過矯正のメガネが、近視を進行させるリスクを増大させてしまうことも明らかになってきているのだ。

度数的に「ちょうどよくつくるか」「やや弱めにつくるか」という問いに対しては、いまだに議論が続いているものの、「過矯正は避けるべき」との結論はすでに出ている。

とりわけ眼精疲労を引き起こすという観点からは、過矯正は避けるべきとされている。しかし、梶田さんを訪れるメガネが合っていない人のうち、およそ7割以上が、過矯正だという。なぜ多くの人は目に「よくない」とわかっている過矯正のメガネを選んでしまうのだろうか。

過矯正を生み出している「超近視時代」

「どうして過矯正を選んでしまう人がこれほど多いのか」。この疑問は、じつは私たちが抱く「よい目」というイメージと密接に結びついている。

パソコン、タブレット、スマートフォンなどの「デジタルデバイス」が急速に普及していることからわかるように、目とモノとの距離が、30センチ以内の「近業」をする機会が増加している。

みなさんがこの1週間を思い出してみて、近業をしなかった日はあるだろうか。私たちは、まさに超近視時代を生きている。

にもかかわらず、どうしてわざわざ近くのモノを見ると疲労が蓄積してしまう「過矯正」のメガネをかけた(コンタクトレンズをつけた)人がこんなにも数多く存在するのだろうか。よくよく考えてみると、時代と逆行しているように感じないだろうか。

その理由の一つは、超近視時代「なのに過矯正」、ということではなく、超近視時代「だからこそ過矯正」になってしまっているという実情だ。どういうことか。

じつは、先に紹介した梶田さんの「診療所を訪れるメガネが合っていない人のうち7割以上が過矯正」という話には、ある注釈が必要だ。それは、「生活スタイルを考えると、過矯正の状態の人を含む」というもの。

つまり、かつてのライフスタイルであれば適切だったメガネの度数も、近業が増加したこの超近視時代においては、その度数が「過矯正」と同じ状況を生んでしまう、ということなのだ。

生活スタイルの劇的な変化にメガネが追いついていない

第1章で説明した通り、目とモノとの距離が近くなればなるほど、焦点は網膜の奥へとずれてしまう。ある程度、距離が離れているものを見ているならば、その度数で焦点が網膜上に来るものが、近業を行うことで目の奥に行きすぎてしまう、というように。

要するに、遠くがよく見えるメガネは、こんなに近くを見続けることのなかった時代が基準になっているのだ。

生活スタイルが劇的に変化しても、この基準がアップデートされず、多くの過矯正状態を生んでしまっているということなのだ。梶田さんは、この状況について次のような表現をしている。

「すごく過酷な時代です。これまで人類が誰も経験したことがないほどの近い距離に、長時間ピントを合わせなければいけない環境ができてしまっているのです」

梶田さんの話を聞いて、「なるほど」と思わず膝を打ったもう一つのキーワードが「視力信仰」だ。視力検査で「視力1.0」と診断されたことがある人なら、どこか誇らしい気持ちになった記憶がないだろうか。

少なくとも、私はある。かつて、中学1年生の頃、視力1.2なんて言われると「100点満点で120点」と言われたような気持ちになったのを思い出す。しかし、私たちは大事なことを見落としていたのかもしれない。

そもそも「視力」とは何だろうか。じつは視力にはいくつかの種類があるのだが、私たちが話題にする「視力」は、「遠見(えんけん)視力」と呼ばれるものだ。つまり、「遠くがよく見えるかどうか」という指標だ。

私たちは、近業が増えたこの超近視時代にあって、いまなお遠くがよく見えるかどうかという指標のみで、目のよし悪しを決めてしまっているのだ。

「遠くがよく見えるように」を基準にしてはいけない

取材の過程で、歴史的な視力検査の写真を調べたところ、第二次世界大戦下の徴兵検査の一場面を映した写真が見つかった。

ふんどし姿で視力を測る青年たち。確かに、戦地で遠くが見えることは非常に重要だったに違いない。さらに歴史を遡ると、かつてアラビアでは優秀な戦士を選ぶ試験として、北斗七星を使った検査をしていたらしい。

北斗七星の「柄」のほうから2番目の星「ミザール」のすぐそばに、暗くて小さい「アルコル」という星がある。この2つの星を見分けることができるかどうかをテストして、優秀な兵士を選抜していたらしい。

「戦争」において、いかに遠くが見えることが有利と考えられてきたかがわかる。しかし、現代では運転時や駅の表示を見る時などを除き、基本的に近くを見ている。

にもかかわらず、遠くを見る能力を示す「遠見視力」が目の指標としてそのまま使われ、過信されてきた結果(もちろん遠見視力検査は重要な検査ではあるのだが)、メガネを購入する際に「遠くがよく見えるように」つくってしまいがちになっている。

度数を強くすれば、より遠見視力は上がり、遠くをよく見ることができるようになる。当然、視力検査の結果は1.0以上など、満足のいく結果になるだろう。しかしその反面、焦点は必要以上に目の奥へずれてしまい、特に近くを見る際、眼精疲労だけでなく、近視をさらに進行させてしまうリスクまで高めてしまっている可能性がある。

結果的に過矯正のメガネを購入してしまう消費者

読者のみなさんは、こうした状況を知りながら、過矯正のメガネを売る販売店や、処方箋を出す眼科医はけしからんと思われるだろうか。

確かに、そうかもしれないが、取材に応じてくれたメガネ販売店のあるスタッフは、「お客様から、『せっかく買ったのに、実際にかけてみたら、遠くがよく見えないじゃないか!』と、購入後にクレームをいただくこともあります」と言っていた。

つまり、これはメガネを処方したり販売したりする側だけの問題ではなく、どんなメガネを――もっと言えば、どんな見え方を――私たちが求めるか、という問題でもあるのだ。

梶田さんは、この問題について、「メガネを処方したり販売したりする側にも、意識しないといけない点はたくさんありますが、メガネを購入するみなさんの意識が変わらなければ、絶対に解決しない問題だと思います」と話した。

---------- 大石 寛人(おおいし・ひろと) NHKディレクター 筑波大学大学院数理物質科学研究科修了後、2011年にNHK入局。広島局・福井局を経てNHK制作局・第3制作ユニット(科学)番組ディレクター。NHKスペシャルやクローズアップ現代、ガッテン!、サイエンスZEROなどの番組を担当し、「防災」「原子力」「近視」などのテーマを中心に取材。著書に『子どもの目が危ない「超近視時代」に視力をどう守るか』(NHK出版新書)がある。 ------

あなたのご両親は大丈夫? 加齢による視力低下がもたらす心と体の不調

美しいものを見れば気分が良くなる。当たり前といえば当たり前の話である。ただ、それを自分の視力の良し悪しと関連付けて考えるということはあまりしない。今回は視力と心や体の健康、さらには睡眠との関係について考えてみよう。

□視力の低下が心と体の健康に悪影響を及ぼす

 イギリス・ロンドンにあるユニバ ーシティ・カレッジ・ロンドンの研究チームが、視力と健康の関係の調査を行った。

 10万人以上の男女を対象とした調査により、視力に問題がある人の12%以上に健康上の問題があり、14%以上がうつや不安、その他の精神的な健康の問題で精神科医の治療を受けているという。

 さらに、白内障などの視力に関わるような病気の多くが見逃されている可能性があるということも報告された。

□視力の低下による日常生活の変化が問題を引き起こす

 この研究を行ったラヒ教授は、視力が健康上の問題や精神的な問題に影響する理由の一つは、視力の低下に伴う生活の変化だと語る。視力が落ちることで、転倒などの事故への恐怖からあまり外に出なくなり、社会生活が少なくなるという。

 さらには視力の低下は食生活の変化や、家でのちょっとしたアクシデントを引き起こすことで、家の中での活動量も低下させるという。こうした日常生活の変化が、健康上の問題を引き起こしたり、気分を落ち込ませたりする原因になるようだ(※1)。

□高齢者の視力低下は認知機能も低下させる

 日本では奈良県立医科大学が、高齢者約3,000人を対象に、視力と認知機能の関連を調べている。それによると視力の悪い人はいい人の約2倍認知症の発症リスクが高いというデータが出ている。

 そして、視力が落ちる白内障を手術すると手術後は視力だけでなく認知機能も改善するという調査結果も発表された。

□視力の低下はしっかり治療すべき

 奈良県立医科大学の緒方医師は、「眼は重要な感覚器で、脳に送られる情報の80%以上は眼を通して入ってくるといわれています。視力が低下して眼からの情報が減れば、脳に送られる情報も減少する。見えにくい状態をそのままにしておけば、脳の働きはおのずと低下してしまいます」と語っている。

 また、視力低下により、外出での事故を恐れて家に引きこもりがちになっているのを、認知症と勘違いされて病院へ来院する例も少なくないという(※2)。

□白内障手術により概日リズムを改善できる

 また、白内障手術による概日リズムの改善効果の報告もある。この報告によると、白内障があると、網膜まで届く光が減少するため、昼間に脳が感じる光の量が減少してしまう。その結果、睡眠と覚醒をコントロールする概日リズムがくるってしまい、夜中のメラトニン分泌が減少し、睡眠の質が低下するという。

 白内障の手術をすることで、特に概日リズムを左右するブルーライトの透過性が回復して、睡眠の質が改善するということである(※3)。

 人間にとって目から入る情報というのは非常に重要である。その分、脳と視覚というのは密接な関係があり、視力が落ちることで体や心の調子も崩れてしまうようだ。

 自分自身だけでなく、身近な家族の気分が落ち込みやすくなったとか、気持ちよく眠れていないという人は、視力が最近落ちてきていないか一度考えてみてほしい。

目の不調が整う新習慣5|専門家が教える『ドライアイ』や『疲れ目』対策

 おうちに時間が長いコロナ禍のなかでは、目を酷使しがち。そこで、目に優しい習慣を取り入れて、疲れ目やドライアイなどをスッキリさせちゃいましょう。専門家がおすすめする『目の不調が整う新習慣』5つを紹介します。早速トライできる簡単なものばかりなので、ぜひ取り入れてみて欲しい。

パソコンを長時間使うときに最適な位置など目のための新常識をご紹介© 介護ポストセブン 提供 パソコンを長時間使うときに最適な位置など目のための新常識をご紹介

【新習慣1】意識してまばたきをする

「ドライアイは日本で約2200万人も疾患数がいるといわれる病気で、原因の1つはまばたき不足です」(骨格矯正士 清水ろっかんさん・以下同)。

 まばたきの回数が少ないと涙の分泌が減って、角膜が傷つき痛みを感じるように。気づいたときにまばたきエクササイズを行い、目に潤いを取り戻して。

●まばたきエクササイズ

[1] 1秒間に1回まばたきをする。それを10秒続ける。

[2] 1秒間に2回まばたきをする。それを10秒続ける。

[3] 1秒間に3回まばたきをする。それを10秒続ける。

[1]~[3]を1セットとして、数セット繰り返す。

【新習慣2】手のひらで目を温める

「まつげの生え際には目の乾燥を防ぐ“マイボーム腺”があります。この油分が加齢とともに固まり、網膜に行き渡らなくなると目がゴワゴワに。手のひらで温めるだけでマイボーム腺が溶けて、潤いのある目を取り戻すことができます。さらに疲れ目を改善したり、涙の分泌を促しドライアイを予防することができます」。

 家で行うときは市販のグッズやホットタオルを使ってもOK!

●温め方

手のひらで目を包み込むように軽く押さえている© 介護ポストセブン 提供 手のひらで目を包み込むように軽く押さえている

 リラックスして、両手のひらを擦り合わせる。「温まった」と思ったら、手のひらで目を包み込むように軽く押さえる。深呼吸を10回行いながら、「体温で眼球を温めている」とイメージして行おう。

【新習慣3】パソコン画面は目の高さにする

「人間の頭の重さは体重50kgの人の場合、約5kgですが、頭を前に30度傾けただけで、18kgも頸椎に負荷がかかります」。

 パソコンを使うときは、画面を目の高さに上げ、画面との距離は40cm以上離すのがベスト。パソコンの下に、辞書などの分厚い本や雑誌などを置くと、簡単に高さを調節できる。

【新習慣4】だてメガネで目を守る

「目は常に外界にさらされた器官。メガネをするだけで、空気中の汚れなどさまざまな刺激から目を守ることができ、目の健康を維持するのにうってつけです」。

だてメガネを習慣にすれば、室内の空調やほこりから目をガードできる© 介護ポストセブン 提供 だてメガネを習慣にすれば、室内の空調やほこりから目をガードできる

 UVカット加工やブルーライトカット加工、花粉対策など自分に合ったメガネを選んで。

【新習慣5】目の遠近トレーニングをする

「日常生活では、スマホなど近くを見ていることが多いため、目の筋肉がずっと緊張している状態となり不調の原因に。目の遠近トレーニングを行って目の筋肉を鍛えましょう」。

 血流がよくなり、目の疲れや老眼防止に効果的です。

女性がテーブルの上の花を3メートル離れてみている© 介護ポストセブン 提供 女性がテーブルの上の花を3メートル離れてみている

・やり方

 片手を前に突き出し親指を立て、その爪にピントを合わせて10秒キープ。次に3m以上離れたところにある置物などにピントを合わせて10秒キープ。これを数回繰り返す。

教えてくれた人

骨格矯正士 清水ろっかんさん

骨格矯正士 清水ろっかんさん© 介護ポストセブン 提供 骨格矯正士 清水ろっかんさん

 体幹整体サロン「ろっかん塾」主宰。40年以上にわたり骨格矯正による美容メニューを次々に開発。高い技術を持つゴッドハンドとして知られ、有名女優やモデルなど各界の著名人から高い信頼を寄せられている。ベストセラー『バンド1本で小顔になれる!』(フォレスト出版)など著書も多数。

撮影/浅野剛(清水さん)、玉井幹郎 イラスト/きくちりえ(softdesign LLP)

※女性セブン2021年5月6・13日号

目の不調が整う新習慣5|専門家が教える『ドライアイ』や『疲れ目』対策

 おうちに時間が長いコロナ禍のなかでは、目を酷使しがち。そこで、目に優しい習慣を取り入れて、疲れ目やドライアイなどをスッキリさせちゃいましょう。専門家がおすすめする『目の不調が整う新習慣』5つを紹介します。早速トライできる簡単なものばかりなので、ぜひ取り入れてみて欲しい。

パソコンを長時間使うときに最適な位置など目のための新常識をご紹介© 介護ポストセブン 提供 パソコンを長時間使うときに最適な位置など目のための新常識をご紹介

【新習慣1】意識してまばたきをする

「ドライアイは日本で約2200万人も疾患数がいるといわれる病気で、原因の1つはまばたき不足です」(骨格矯正士 清水ろっかんさん・以下同)。

 まばたきの回数が少ないと涙の分泌が減って、角膜が傷つき痛みを感じるように。気づいたときにまばたきエクササイズを行い、目に潤いを取り戻して。

●まばたきエクササイズ

[1] 1秒間に1回まばたきをする。それを10秒続ける。

[2] 1秒間に2回まばたきをする。それを10秒続ける。

[3] 1秒間に3回まばたきをする。それを10秒続ける。

[1]~[3]を1セットとして、数セット繰り返す。

【新習慣2】手のひらで目を温める

「まつげの生え際には目の乾燥を防ぐ“マイボーム腺”があります。この油分が加齢とともに固まり、網膜に行き渡らなくなると目がゴワゴワに。手のひらで温めるだけでマイボーム腺が溶けて、潤いのある目を取り戻すことができます。さらに疲れ目を改善したり、涙の分泌を促しドライアイを予防することができます」。

 家で行うときは市販のグッズやホットタオルを使ってもOK!

●温め方

手のひらで目を包み込むように軽く押さえている© 介護ポストセブン 提供 手のひらで目を包み込むように軽く押さえている

 リラックスして、両手のひらを擦り合わせる。「温まった」と思ったら、手のひらで目を包み込むように軽く押さえる。深呼吸を10回行いながら、「体温で眼球を温めている」とイメージして行おう。

【新習慣3】パソコン画面は目の高さにする

「人間の頭の重さは体重50kgの人の場合、約5kgですが、頭を前に30度傾けただけで、18kgも頸椎に負荷がかかります」。

 パソコンを使うときは、画面を目の高さに上げ、画面との距離は40cm以上離すのがベスト。パソコンの下に、辞書などの分厚い本や雑誌などを置くと、簡単に高さを調節できる。

【新習慣4】だてメガネで目を守る

「目は常に外界にさらされた器官。メガネをするだけで、空気中の汚れなどさまざまな刺激から目を守ることができ、目の健康を維持するのにうってつけです」。

だてメガネを習慣にすれば、室内の空調やほこりから目をガードできる© 介護ポストセブン 提供 だてメガネを習慣にすれば、室内の空調やほこりから目をガードできる

 UVカット加工やブルーライトカット加工、花粉対策など自分に合ったメガネを選んで。

【新習慣5】目の遠近トレーニングをする

「日常生活では、スマホなど近くを見ていることが多いため、目の筋肉がずっと緊張している状態となり不調の原因に。目の遠近トレーニングを行って目の筋肉を鍛えましょう」。

 血流がよくなり、目の疲れや老眼防止に効果的です。

女性がテーブルの上の花を3メートル離れてみている© 介護ポストセブン 提供 女性がテーブルの上の花を3メートル離れてみている

・やり方

 片手を前に突き出し親指を立て、その爪にピントを合わせて10秒キープ。次に3m以上離れたところにある置物などにピントを合わせて10秒キープ。これを数回繰り返す。

教えてくれた人

骨格矯正士 清水ろっかんさん

骨格矯正士 清水ろっかんさん© 介護ポストセブン 提供 骨格矯正士 清水ろっかんさん

 体幹整体サロン「ろっかん塾」主宰。40年以上にわたり骨格矯正による美容メニューを次々に開発。高い技術を持つゴッドハンドとして知られ、有名女優やモデルなど各界の著名人から高い信頼を寄せられている。ベストセラー『バンド1本で小顔になれる!』(フォレスト出版)など著書も多数。

撮影/浅野剛(清水さん)、玉井幹郎 イラスト/きくちりえ(softdesign LLP)

※女性セブン2021年5月6・13日号

9割の人が知らない!「強度近視」は失明の原因になる恐れアリと判明

日本人の多くが悩んでいると言われる“近視”。眼鏡やコンタクトレンズを使用すれば問題ないなどと思いがちですが、実は“強度近視”になってしまうと、失明の原因になるおそれもあるのだそうです。

ところが、バイエル薬品株式会社が、20~60代の近視の男女1,000名を対象に行ったアンケートによると、多くの人が“近視の危険性”を把握できていないことが判明しました。


■9割の人が「強度近視」が失明の原因になりうると知らない

まず、「強度近視という言葉を聞いたことがありますか?」と聞いたところ、「ある」と回答した人は29.3%となり、「強度近視」の認知度は3割以下という結果になりました。

また、「強度近視が失明の原因になりうることを知っていますか?」との問いにも、「知らない」と回答した人が90.2%となり、その危険性もほとんど知られていないことがわかりました。

■7割の人が「自分の近視度数」を把握できていない

次に、「自分の近視の度数(メガネやコンタクトレンズの屈折率)を知っていますか?」と尋ねたところ、73.4%の人が「知らない」と回答。近視を矯正している人であっても、自分の近視の度数を把握していない人が多数であるという実態が浮き彫りとなりました。

ただ、強度近視が失明の原因になりうることを「知っている」と回答した人の場合は、「自分の近視度数を知っている」が46.9%と一気に増加。やはり失明リスクを知ると、自身の症状への関心も高まるのでしょう。

■「近視の定期受診」は2割程度の人しか行っていない

最後に、「メガネやコンタクトレンズの処方以外に、近視を診てもらうために定期的に眼科を受診していますか?」との質問に、「受診している」と回答した人は21.5%と、約2割程度という結果となりました。

ただこちらも、強度近視が失明の原因になりうることを「知っている」と回答した人の場合は、「受診している」が41.8%と大幅に増加しています。

まずは「強度近視の失明リスク」を認識することが、近視への意識を変える大きな要素になるようですね。

近視は身近で多くの人が抱えている悩みでもあるので、そこまで危険性を感じていない人が多いようです。まさか失明リスクがあるとまでは、考えていないことでしょう。“強度近視の危険性”をしっかりと認識して、近視の定期受診などに行くことが、危険回避への一番の近道ですよ。

「4人に1人が目薬のさし方を間違えている」現代人の角膜が危ない

リモートワークや在宅時間の増加で私たちはますます目を酷使している。疲れ目を癒やすために使う点眼薬が、意外に角膜の傷を悪化させることがあるという――。

■PC、スマホ、サブスク動画…。新型コロナでドライアイが加速

 人と直接会うことが制限され、デバイスを介した生活が定着して1年以上が経つ。テレワークやオンライン飲み会、スマホ時間の増加や動画サブスクサービスの浸透などによって、私たちはこれまでにないほど目を酷使している。

 「コロナ禍によって目の角膜の危機が新たな局面を迎えている。角膜の傷に、より一層の注意が必要」と警鐘を鳴らすのは、東邦大学医療センター大森病院眼科教授・診療部長の堀裕一先生だ。

 角膜とは目の表面にある厚さ0.5mmの膜で、眼球に光を取り入れるレンズの機能を持つ。5層構造で、一番外側にある角膜上皮は生きた部分がむき出しの状態になっているが、まばたきをすることで表面に涙の膜をつくり、外部刺激と乾燥から守っている。

 この涙の膜は、油層、水層、ムチン層の3層構造だが、この涙の層がくずれてドライアイが進むと、角膜がむき出しになり、異物やまばたきそのものでも角膜上皮に傷がついてしまうという。晴れた日に、乾いた車のフロントガラスのワイパーを動かすことをイメージするとわかりやすい。

 角膜上皮は傷がついても10日~2週間で細胞が入れ替わるが、現代の生活環境は角膜を傷つけるリスク要因が多いため修復が追いつかない状態だという。コロナ禍のライフスタイルの変化によってその傾向はますます顕著になっている。

■マスクで目が乾く「マスクドライアイ」とは

 1年以上続いているコロナ禍の状況は、角膜の傷リスクを高める3つの条件が揃っていると堀医師は指摘する。

 1.目の酷使

 前述のとおり、テレワークの導入などによりデバイスの操作時間は格段に増えている。通常時のまばたきの回数は1分あたり15~20回なのに対し、スマホやPC、タブレットなどのディスプレイ作業をすると、まばたきの回数は1分あたり約5回と、通常時の1/4に減る。

 また、長時間画面を見続けて目の周りの筋肉が緊張し続けることで、自律神経が交感神経優位になり、涙が出にくくなるという。

 2.マスクドライアイ

 マスクドライアイとは、マスクから漏れる呼気によって涙が蒸発し、目が乾燥すること。マスクをしているとメガネが曇ることがあるように、隙間から漏れた呼気は上向きになる可能性が高く、これにより眼球に空気があたって涙の蒸発を促すことが考えられるという。

 日本人はコロナ以前からマスク生活に慣れているため、マスクドライアイの報告は今のところ多くないそうだが、マスク習慣のなかった欧米ではマスク関連ドライアイの論文が多数投稿されており、3605人を対象とした調査研究(※)では参加者の18.3%がマスク関連ドライアイを経験し、症状のある26.9%がマスク着用時に症状が悪化すると答えているという。

 ※Self-reported symptoms of mask-associated dry eye:A survey study of 3,605 people=マスク関連のドライアイの自己申告症状。3,605人を対象とした調査研究。ContLensAnteriorEye.2021 Jan 20:S1367-0484(21)00007-2. doi:10.1016/j.clae.2021.01.003. Online ahead of print. PMID:33485805)

 3.精神疲労による涙の量と質の低下

 コロナ禍による不安やストレスの持続で自律神経のバランスが乱れると、涙が出にくくなるばかりか、涙の蒸発を防ぐ働きのある油層を分泌するマイボーム腺の働きが悪くなり、涙の質が低下する。

 角膜の傷を悪化させないためには早めのケアが肝心だという。まずは自身の角膜の傷リスクを確認してみよう。

■目の酷使具合と不快症状の有無からリスクをチェック

 角膜の傷チェックリスト

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監修:東邦大学医療センター大森病院 眼科 教授 堀裕一先生
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 【行動編】【症状編】のチェック項目で「角膜の傷」リスクの可能性を判定

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【行動編】□平均睡眠時間は5時間以下である
□コンタクトレンズを使用している
□1日5時間以上パソコン作業をしている
□パソコンを使うテレワークを週に3日以上している
□ほぼ毎日スマホを連続1時間以上見ている
□スマホやタブレット、PCでゲームを1日3時間以上している
□スマホやタブレットで動画を1日3時間以上見ている
□テレビやビデオを1日5時間以上見ている
□細かい作業を伴う趣味(絵を描く、パズル、書道、プラモデル制作など)の時間がコロナ前よりも増えた
□手芸・裁縫などの時間がコロナ前よりも増えた
□家にこもりきりの日が週2日以上ある

コロナ前に比べて:
□ストレスを感じることが増えた
□運動不足になった
□よく眠れなくなった【症状編】□寝ても疲れ目が解消しない
□光をまぶしく感じやすくなった
□常に目が乾いてショボショボする
□目が重たい感じがする
□目が痛くなることがある
□目を10秒以上開けていられない
□朝、目が開きにくい
□一日中目がゴロゴロする
□目が乾いてコンタクトを入れにくい
□午後から夕方にかけて特に目の疲れがひどくなる
□午後から夕方にかけて特に目のかすみがひどくなる
□午後から夕方にかけて特に目の乾きがひどくなる
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 行動編+症状編のチェック数の合計が
0~3個→今のところ大丈夫
4~7個または8個以上だが【行動編】【症状編】どちらかが1~2個→要注意
8個以上かつ【行動編】【症状編】それぞれに3個以上→危険! 

 角膜の傷リスクから守るコツを堀先生に聞いた。

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1.ディスプレイ作業中の工夫●目線を下げる(上を向くと涙が蒸発しやすいため)
●エアコンの風が直接顔や目に当たらないようにする
●加湿器などを使う
●1時間作業したら5分休憩する2.心身をリラックスさせて涙の量・質をアップ入浴や軽いストレッチなどを取り入れて、副交感神経を優位にする。3.点眼薬を正しく使う→詳しくは次の項
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■点眼薬の防腐剤で傷がつく可能性も。4人に1人が「さし過ぎ」

 目に不快感を感じたときのセルフケア法として点眼薬を使う人は多いだろう。「正しく使えば有効なセルフケア法だが、誤った使い方によってかえって症状を悪化させている人もいる」と指摘するのは、杏林大学医学部眼科学教授の山田昌和先生だ。

 コロナ禍の点眼薬使用実態調査(※)によると、点眼薬ユーザーの47.5%がコロナ禍で点眼薬の使用回数が増加していると答え、全体の26.0%が適正回数を超える7回以上点眼していることが判明した。「回数の上限にこだわらず、症状を感じるたびにさしている」と答えた人は全体の48.8%で、約半数が点眼薬の使用回数を意識していないことが浮き彫りになった。

 ※現代人の角膜ケア研究室「コロナ禍の点眼薬使用実態調査」(n=638)

 山田先生によると、点眼薬を適正回数以上さすと涙の油膜層が破壊されてしまい、角膜に傷がついてしまうことがあるという。また、多くの点眼薬には雑菌の繁殖を防ぐための防腐剤(塩化ベンザルコニウム等)が入っているが、すでに角膜が傷ついている人がこれらを使用すると、適正使用回数内でも傷を悪化させてしまう恐れがあるという。

 「点眼薬の使い過ぎや防腐剤の影響により、かえって角膜の傷を悪化させてしまっている可能性も。目の不快症状→点眼薬の回数が増える→傷がますます悪化する、という負のスパイラルを断ち切るには、正しい点眼薬の選び方、使い方が大切」と話す。

■正しい点眼薬の使い方とは

 適正回数は1日5~6回。例えば、下記のタイミングで使用したうえで、リフレッシュでさすのは1日1~2回にとどめるといい。症状が軽いうちに使うことで、さし過ぎを防げる。

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1.起床時(おすすめ)……最も眼球が乾いているのが起床時。目をこする前に、起き抜けに点眼するのが効果的2.昼休み
3.3時の休憩時
4.夕食の前「点眼は1滴で十分効果があります。眼球を潤している涙の量は10µl(マイクロリットル)で、点眼薬の1滴はこの5倍の量に相当します。目が乾くからと2滴・3滴と使うと自前の涙液を洗い流してしまうことに。防腐剤の有無に関わらず、さし過ぎには注意を」(山田先生)
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■適切な点眼薬の選び方を知ろう

 角膜への影響が少ない防腐剤無添加のもので、角膜修復効果のあるものを選ぶ。清涼感があるタイプの点眼薬をリフレッシュ目的で使うのは、1日1~2回まで。白目の充血を取るタイプの点眼薬は気になるときのみの使用にとどめ、常用しないほうがいいという。

 角膜に傷がつくリスクが高いニューノーマル時代。正しいセルフケアと、アイケア習慣を取り入れて、できるかぎり目をいたわりたいもの。症状が改善しない場合は、早めに眼科を受診することも大切だ。

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中島 夕子(なかじま・ゆうこ)
フリーライター&エディター
ヘルス&ビューティ系の記事を中心に、Web、雑誌、単行本などの執筆を手掛ける。
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50代の50%が白内障!? 若者にも増えている4つのタイプと手術法|専門医が解説

「最近、目がかすむ」「ぼやけて見えにくい」。そんな人は、白内障かもしれない。白内障50代の約50%の人が発症するといわれる。目の仕組みや白内障のタイプなど、20万件超えの白内障手術を行ってきた眼科医が解説する。


白内障の症状と目の仕組みを理解

 白内障になると色の判別が苦手になる。本来は無色透明だった水晶体が濁ることで、黄色から茶褐色に変わり、サングラスをかけているような状態になり、黄色の文字や、黒と紺が組み合わさった色の区別がしにくくなります。また、コントラストがくっきりしない文字の判読も難しくなる。まずは、目の仕組みと働きについて見ていこう。

目の仕組みと働き図解●チン小帯:水晶体を吊っている糸のような組織
●視神経:網膜がとらえた映像情報を脳へ伝える神経
●網膜(もうまく):映像を焼きつけるフィルムにあたる
●硝子体(しょうしたい):眼球の形と内圧を保持するゼリー状の物質
●虹彩(こうさい):光の量を調節するカメラの絞りに相当。明るい所では小さく、暗い所では大きくなる
●水晶体:目の中のレンズとして働き、厚みを自由自在に変えることで光を屈折させて、ピントを合わせる
●角膜:目の表面にある透明な膜。光の取り入れ口。光はここで一度屈折する
●瞳孔:光の通り道
●毛様体(もうようたい):ゆるんだり、引っ張ったりすることでレンズの厚みを調節する筋肉

白内障とは…水晶体が濁って光が通りにくくなる

 直径約9mm、厚さ4.5mm。ほとんどが水とたんぱく質でできている。透明な膜(嚢)で包まれ、中央の硬い部分を核、周囲のやわらかい部分を皮質という。水晶体は、チン小帯という細かいクモの巣のような組織によって360度吊られ、毛様体で固定されている。毛様体の筋肉を使ってレンズの厚みを変化させることでピントを合わせる。


「白内障とは水晶体が濁って光が通りにくくなることで目が曇ってくる病気です。50代で50%、60代では80%、80代以上ではほぼ100%の人に起こる症状ですが、数年単位でゆっくりと進行していくため、老眼と勘違いして気づきにくいのが特徴です」

 と言うのは、これまで20万件超の白内障手術を執刀した眼科医の赤星隆幸さん(「」内以下同)。

若い世代の白内障が増加傾向に

 髪が白髪になるのと同じように、年を取れば誰もがなる老化現象だが、最近は若年性白内障が増加傾向にある、と赤星さんは注意を促す。「白内障には4つのタイプがあり(下イラスト参照)、それぞれ水晶体の濁る部分と見え方が異なります。

 

若年性白内障はパソコンをよく使う30~40代の人に多く、水晶体を包む透明な嚢(のう)の前の部分の中央に強い濁りが生じます(前嚢下白内障)。明るい所で視界がまっ白になり、前から歩いてくる人の顔が判別できないというような症状があれば疑わしいでしょう」また、花粉症やアトピー性皮膚炎などに伴って起こるのが後嚢下白内障。10代から20代に多くみられる。「これらの白内障は進行も速いので、早期発見、早期治療が重要です」皮質白内障と核白内障の原因は加齢によるものが大きい。

白内障の4つのタイプ

 右側の□内は水晶体を正面から見た図で、濁り方の違いを示す。

■皮質白内障

皮質白内障を発症した眼球のイラスト

 周辺からくさび形に濁る。濁りが瞳孔に到達するまで、自覚症状がない。

■後嚢下(こうのうか)白内障

後嚢下白内障を発症した眼球のイラスト

 後嚢の膜の直下が磨りガラス上に濁る。初期からまぶしさを感じやすい。

■核白内障

核白内障を発症した眼球のイラスト

 核部分が硬くなり、茶色く濁る。黒と紺、灰色と黒の区別がつきにくい。

■前嚢下(ぜんのうか)白内障

前嚢下白内障を発症した眼球のイラスト

 前嚢の膜の直下にヒトデ形の濁りができる。明るい所では視界がまっ白に。

基本的な白内障手術の流れ

 一般的に、白内障手術は点眼麻酔を使って行われる。

「手術の痛みはほとんどありませんが、手術中は医師の指示に従い、眼球を動かさないよう、注意が必要です。器具によってまぶたを開くので、まばたきをしても構いません。手術では、眼球を切開し、濁っている水晶体(レンズ)を超音波で砕いて吸引し、レンズを包んでいる袋の中に人工の眼内レンズを移植します。こうした流れはどこの病院でも同じですが、眼球切開の際、どこにメスを入れるかという点は病院によって異なります」


 角膜(黒目)を切る場合、出血はないが、強膜(白目)を切る場合は出血が生じる。「血栓予防のために血液をサラサラにする薬を服用している人は血が止まりにくいので、強膜を切開する手術ではなく、角膜切開の方が安全です」ちなみに、赤星さんが考案した「フェイコ・プレチョップ法」による手術だと、特殊な手術器具を使い、あらかじめ水晶体の核を4分割することで、超音波をかける時間を10分の1に短縮。片目につき約3~4分で手術を終わらせることができ、両目を同時に手術することも可能だ。


「白内障手術はその後の人生において視力を決める大切な手術です。手術法やどんな眼内レンズを入れるのか、医師と充分に話し合った上で、納得のいく最良の選択をしてください」

メスで切った眼球イラスト

【1】点眼麻酔の後、眼球をメスで切る。

水晶体の核を超音波で乳化(砕いて液状にすること)している眼球のイラスト
【2】水晶体の核を超音波で乳化(砕いて液状にすること)させて吸引する。

空になった嚢の中に眼内レンズを移植するイラスト
【3】空になった嚢の中に、特殊な器具を使って眼内レンズを移植する。

教えてくれた人

赤星隆幸さん/日本国内では「秋葉原白内障クリニック」をはじめ、海外でも年間1万件近くを執刀する白内障手術の専門医。著書に『白内障手術のすべて』(KADOKAWA)ほか。

白内障がよくわかるQ&A|一生に1度しか手術できない?費用は?医師解説

目がかすむ、ぼやけて見えにくい──そんな症状は、老眼かと思いきや白内障ということも。白内障は50代の約50%の人が発症する病気だが、近年は若い世代にも増加している。年齢問わず、誰もがなり得る白内障。費用や手術にまつわることなど、知っておきたいことをQ&A形式で眼科医に解説いただいた。


【Q】白内障手術は何回受けることができますか?

【A】チャンスは一生に1回だけしかありません

「白内障手術が受けられるのは一生に一度きりです。手術で移植した眼内レンズは、術後数週間でしっかりと固定され、再び取り出して交換することができないからです。眼内レンズの寿命は半永久的で、手術を受ければ、白内障になることは生涯ありません。ただし、10%くらいの人が、術後数年経ってから『後発白内障』(眼内レンズを包んでいる嚢の後ろ部分に濁りが生じる症状)を発症することもあります。


一時的に視力が落ちますが、外来による5分程度のレーザー治療で簡単に治すことができるので心配はいりません」(眼科医・赤星隆幸さん・以下同)手術後は自身のケアが大切。約2か月間は処方された点眼を続け、目をこすったりしないように気をつける必要がある。

【Q】費用はいくらかかりますか?

【A】どの眼内レンズを選ぶかによって変わります

「単焦点レンズの場合は、健康保険適用となります。術前術後の検査、診察や投薬も保険が利き、手術代は、眼内レンズ込みで3割負担の場合、片目で5万円、両目で10万円程度です。一方、これまで先進医療の対象だった多焦点レンズは昨年3月末に対象外となり、4月から選定療養として位置づけられました。これによって、厚生労働省が認可した眼内レンズであれば、健康保険適用の費用にレンズの追加分を負担するだけでよくなりました。


老眼を治すことができる多焦点レンズを使った手術も手頃な費用で受けられるようになったのです。金額は片目で約25万~30万円、両目で50万~60万円です。

 認可外の多焦点レンズについては、すべて自由診療(自己負担)となり、両目で100万円くらいになります。眼内レンズは日々進歩を遂げているため、最新の情報はかかりつけの病院で確認してください」白内障手術によって乱視も治せるトーリックレンズは、健康保険適用で、費用は通常の単焦点レンズと同額である。

眼内レンズの費用負担について解説した表

【認可外の多焦点レンズ】

 診察・検査、手術・投薬、眼内レンズなどすべてが10割負担。手術費用、手術前後の検査・診察、投薬代金、レンズの費用のすべてが自由診療(自己負担)。レンズの販売価格は病院による。

【認可内の多焦点レンズ】

 選んだ多焦点レンズの販売価格から単焦点レンズの販売価格を引いた差額分が自己負担。レンズの販売価格は病院による。

【単焦点レンズ】

 白内障手術費用にかかわるすべてが健康保険の対象。※健康保険費用は自己負担区分(1~3割)によって変わる。

【Q】手術の時期はいつがいいですか?

【A】不自由と感じたときが治療のタイミング

「白内障の治療として、点眼や内服薬の使用もありますが、これらで進行を多少遅らせることはできても、視力の回復や根本的な治療にはなりません。白内障を治すには手術を行うのがいいでしょう。水晶体は加齢とともに硬くなるので、手術は年齢を重ねるごとに難しくなっていきます。日常生活を送る上で目の見え方に満足できなくなったり、不便さを感じるようになったら、手術を検討してみることをおすすめします」

【Q】眼鏡やコンタクトレンズはいつ作ればいいですか?

【A】眼鏡は術後1か月、コンタクトレンズは3か月以降に

「白内障手術では水晶体を完全に取り替えてしまうので、眼鏡やコンタクトレンズの度数が変わります。すぐに新しいものが必要な場合は代用の眼鏡を用意してもいいですが、手術直後は傷口の腫れも強く、眼内レンズが安定するのはだいたい1~2か月後ぐらいになります。それまでは度数が落ち着かないので、眼鏡は術後1か月以降、コンタクトレンズは3か月をめどにしましょう」

【Q】手術後のメイクや運動はいつから大丈夫ですか?

【A】術後のアイメイクは2週間後から

「日常的な家事には制限はありませんので、ふだん通りで大丈夫です。ただ、布団の上げ下ろしや力仕事など、下を向いて力む動作は傷口が開く危険性があるので、1週間は避けてください。アイメイクは2週間後からOKです。運動は、振動が加わったり、目に汗が入るとよくないので、術後3週間過ぎから徐々に始めてください。ただし、手術方法や傷の大きさによっても異なるので自己判断せず、担当医に必ず確認をしてください」

【Q】白内障手術を受ければ眼科検診は行かなくていいですか?

【A】白内障以外の目の病気にも注意が必要です

「手術で白内障の治療が終わった後も、油断は禁物。白内障で視界がスッキリと見えるようになったとしても、ほかの病気は別のものと考えましょう。視力障害がある場合は、何かほかに病気が隠れている可能性もあります。特に40代以上になると、『緑内障』や『加齢黄斑変性症』、『飛蚊症』など目の成人病が顕著に表れてくるので、年に1度は眼科の定期検査でチェックすることを習慣づけ、目を大切にするようにしましょう」

教えてくれた人

赤星隆幸さん/日本国内では「秋葉原白内障クリニック」をはじめ、海外でも年間1万件近くを執刀する白内障手術の専門医。著書に『白内障手術のすべて』(KADOKAWA)ほか。

ブルーライトカット眼鏡は子どもの「発育に悪影響」。日本眼科学会が指摘した4つの問題点とは?

© ハフポスト日本版

ブルーライトカットの眼鏡を子どもが着用するのは、発育に悪影響を与えかねない。そういう趣旨の声明を日本眼科学会など6つの団体が連名で発表した。この声明が出されたのは4月14日。日本眼科学会の公式サイトに「小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見」として掲載されている。

液晶画面から出る「ブルーライト」をカットする眼鏡について、小児に「装用させることを推奨する動きが一部にあります」と指摘。その上で「科学的観点からそれを危惧する」と警鐘を鳴らしている。

■4つの問題点とは?

「体内時計とブルーライトの関係についてはいくつかの論文があり、夜遅くまでデジタル端末の強い光を浴びると、睡眠障害をきたす恐れが指摘されています」として、「夕方以降にブルーライトをカットすることには、一定の効果が見込まれる可能性はあります」と記載。その上で、4つの問題点を指摘した。

①デジタル端末の液晶画面から発せられるブルーライトは、曇天や窓越しの自然光よりも少なく、網膜に障害を生じることはないレベルであり、いたずらにブルーライトを恐れる必要はないと報告されています。

②小児にとって太陽光は、心身の発育に好影響を与えるものです。なかでも十分な太陽光を浴びない場合、小児の近視進行のリスクが高まります。ブルーライトカット眼鏡の装用は、ブルーライトの曝露自体よりも有害である可能性が否定できません。

③最新の米国一流科学誌に掲載されたランダム化比較試験00072-6/abstract)では、ブルーライトカット眼鏡には眼精疲労を軽減する効果が全くないと報告されています。

④体内時計を考慮した場合、就寝前ならともかく、日中にブルーライトカット眼鏡をあえて装用する有用性は根拠に欠けます。産業衛生分野では、日中の仕事は窓ぎわの明るい環境下で行うことが奨められています。

この4点を元に「小児にブルーライトカット眼鏡の装用を推奨する根拠はなく、むしろブルーライトカット眼鏡装用は発育に悪影響を与えかねません」と訴えている。

目の不調は“眼球への圧力”原因か、医師ら語る「骨と血流」の関係

まぶたの垂れ下がりや目の下のクマ、視力の低下、さらには緑内障など、目にまつわる不調や病気に悩む人は多い。そして、それは年齢を重ねるごとに実感を深めるので、目の使いすぎや老化による衰えだと思われがちだ。

しかし、美容矯正サロン「フォルム」院長であり、人体の構造を知り尽くしたゴッドハンド・清水ろっかん先生は、「目のまわりの骨が大きく関係しているんです」と言う。

「そのことに気づいたのは、目をぱっちりさせるための美容矯正がきっかけでした。施術をした人から、『視界までクリアになった』という声を聞いたのです。目の状態と目のまわりの骨には何か関係があるぞと予測し、研究した結果、多くの不調の原因は骨のゆがみにあることを確信しました」

年をとると、目のまわりがくぼんだり、まぶたが垂れ下がって“目が小さくなった”という人が増える。

「これは、加齢によって目のまわりの筋肉がゆるみ、それと一緒に頭がい骨の一部である眼窩骨が下がることで、眼窩(眼球のまわりの穴)がせまくなるのが原因のひとつ。眼球が収まるのに十分なスペースがなくなってしまうわけですから、結果、眼球に圧力がかかって、血流が悪くなります。当然、目の動きも悪くなるし、視神経も圧迫される。これが一連の不調のメカニズムだと、私は考えています」

因果関係をさぐるため、日本眼科学会認定専門医である回生眼科院長・山口康三先生にも話をうかがってみた。目の状態は、血流と深い関係があるという。

「血液には体じゅうに栄養や酸素を運ぶ大切な役割があります。その流れが滞れば、生活習慣病のリスクが高まることは知られていますが、当然、目にも影響があるわけです。ましてや目には毛細血管が多く、目の中を流れる血液の量は、脳の23倍もあるといわれるほど。視力低下。老眼、ドライアイ、緑内障、白内障、黄斑変性症、網膜症……挙げたらきりがありませんが、さまざまな目の障害が起こる可能性があります」

ちなみに、40歳以上の約20人に1人が発症し、失明の危険もある緑内障は、眼圧が高まって視神経が圧迫され、血流が悪くなることで目の働きが失われていく病気。

「最近では正常眼圧での緑内障発症も増加していることから、単純な血流の悪化も原因に考えられています。血流が悪くなるのは老化も一因ですが、生活習慣によるところも大きい。現代社会では目も酷使するし、ストレスフルで、血流が滞る原因は山ほどありますから、若い人も安心はできませんよ」(山口先生)

「近視は老眼にならない」はウソ!医学博士語る「老眼の誤解」

「老眼は防げない、治らない。年をとったら、みな老眼鏡が必需品に、と思っている人は多いのでは? でもそれは、老眼に対する大きな誤解。現代の医学では、予防も改善も可能なのです」

そう訴えるのは、眼科専門医で、『老眼のウソ 人生をソンしないために』(時事通信社)を出版した医学博士の平松類先生。

「老眼」は、40代も半ばを過ぎれば誰にでも訪れる老化現象の1つ。だが、健康寿命が延びて、さまざまな病気が予防可能になったにもかかわらず、目だけは“仕方がない”とあきらめている人が多い。

「これは、老眼の“正しい知識”が広く伝わっていないからです。ぜひみなさんに、老眼に煩わされた時間を取り戻していただきたい」

そこで平松先生に、老眼に関する「誤解」を解いてもらい、最新の予防法を伝授してもらった。

【誤解1】老眼とは手元が見えないこと

「離せばわかる」が老眼の特徴だと思いきや、そもそもそれだけではないという。

「老眼とは、目のレンズの“ピント調節能力”が衰えること。人間の目は、遠くを見るとき、レンズの周りにある毛様体筋を緩めることでレンズを薄くしてピントを合わせます。逆に、近くを見るときは、毛様体筋を緊張させてレンズを厚くします。

しかし、年齢とともに毛様体筋が衰え、レンズ自体も硬くなると、瞬時にピントを調節しづらくなる。近くを見ていてふと遠くを見ると、遠くが見づらい。遠くを見ていてふと近くを見ると、近くが見えづらい、という状態になるわけです」(平松先生・以下同)

【誤解2】老眼は誰も避けられない

「肌もこまめに手入れをしていれば、潤いのある若々しい肌を保つことができるように、目も適切なケアで80代でも老眼鏡なしの生活が可能です。一方で、最近では20代にも“スマホ老眼”が増えています。これは、スマートフォンなどのブルーライトを見続けたことが原因だと思われます」

【誤解3】近視の人は老眼にならない

近視の人が老眼になった場合は、近視用メガネをかけたままでは手元が見えないので、メガネを外すようになる。

「ここで『老眼鏡なしで手元が見えるから老眼じゃない』と思うのは誤解です。若いころは近視用メガネをかけたまま手元も見えていたのに、外さないと見えないというのは、すでに『近視+老眼』になっているからです」

【誤解4】老眼は予防できないもの

老眼の改善にはおもに3つの方法がある。(1)食べ物、(2)目のケア、(3)トレーニングだ。

「食べ物で効果的なのはほうれん草や青魚です。ほうれん草には、目にダイレクトに働きかける“ルテイン”という抗酸化物質が含まれていて、目の老化防止のほか、白内障や黄斑変性症など、失明につながる目の病気の予防も期待できます。

また、ブラジルの研究では、青魚に含まれるDHAが血中に多い人は、老眼の危険性が63%減るという結果も出ています」

ルテインやDHAはサプリメントなどでも摂取できる。

「ホットタオルを目に当てて血行をよくするなど“目のケア”も老化防止になります。また『遠近トレーニング』もおすすめ。これは、指を1本だけ目の前に立てて、その指を見つめたまま、遠ざけたり近づけたりするというトレーニングで、毛様体筋の柔軟性が高まり、老眼の予防・改善につながります」

40歳以上罹患者の9割が気付いていない「緑内障」の見つけ方

40歳を過ぎれば誰もが検査を受けるべきだという緑内障。罹患すれば視野がどんどん狭くなっていくのだが、無意識に片方の眼がそれを補ってしまうため自分ではなかなか気付かない。悪化するまで……。

「『視力がいいから大丈夫』と思っていても、40歳以上の20人に1人は、日本の失明原因第1位の眼の病気、緑内障にかかっている可能性があります。

私のクリニックでも『買い物をするとき値札が見えづらい……』と来院された女性が緑内障だったというケースがありましたが、そうした自覚症状はごく少数。気付かないうちに進行し、見えなくなる寸前に発見、というケースもあります」

そう警鐘を鳴らすのは、たじみ岩瀬眼科の院長で、日本緑内障学会理事の岩瀬愛子先生だ。6月7日は「緑内障を考える日」。緑内障とは、視神経に障害が起きることで、眼で捉えた映像がうまく脳に伝わらず、じわじわと視野が欠けていく病気。

日本緑内障学会と岐阜県多治見市が’00~’01年に実施した疫学調査では、無作為抽出で選ばれた40歳以上の男女約3000人のうち、5%にあたる20人に1人が、緑内障に罹患していることが判明した。しかも、9割は罹患の事実に気付いていなかったというから驚きだ。

そこで岩瀬先生に、緑内障の基礎知識と、早期発見のための方法を伝授してもらった。

「緑内障の発見が遅れる原因のひとつは、視野の一部が欠けていても見えるほうの眼で補うので見えていないことに気付かないから。視野が欠けていても、視力を測ると1.5だったりするのです」(岩瀬先生・以下同)

岩瀬先生には、緑内障が自覚症状に乏しいことを象徴する次のような体験がある。

「タクシーに乗っていたときのこと。車のすぐ横を歩行者が横切ろうとしているのに、その運転手さんはまったく気付かず、あやうく事故になりかけました。慌ててその方を説得して検査をしたところ、緑内障であることがわかりました」

それほど自覚症状に乏しいのなら、どんなタイプの人が緑内障になりやすいのか、日ごろから意識しておく必要があるだろう。

「ひとつには“眼圧”の高さが関係しています。眼球には、液体が循環していて、眼球がちょうどよい硬さに保たれるように内部から圧力をかけています。これを眼圧と呼びます。しかし、なんらかの原因で眼球内の液体の排出が悪くなると、眼圧が高くなって視神経が徐々に死滅していき、視野が欠けていきます」

一方で、眼圧が正常でも、緑内障にならないとは限らない。

「多治見市の調査で最も多かったのは、眼圧が正常でもなる“正常眼圧緑内障”というタイプでした。これは“近視”が関係しているという報告もある型ですから、日本人は欧米人に比べて近視の割合が多いといわれていますし、強い近視がある方は要注意です」

加齢も大きな要因となる。

「40代から増え始め、50代60代と、年齢を経るごとに緑内障になっている人の数は増しています」

そのほか、とくに家族に緑内障罹患者がいる人は、専門の検査を受けることを検討してほしい。

「多くの方が視力検査はしても視野検査はしない。職場の健康診断でも車の免許取得の際でも、視力検査は義務付けられていますが、残念ながら視野検査はその項目にない。これが早期発見を妨げていると思われます」

岩瀬先生は「40歳を過ぎたら一度は、限定検査、眼圧検査、そしてできたら視野検査の3つの検査を受けてほしい」と呼びかける。

【1】眼底検査

眼球の底をカメラで撮影したり診察したりして、視神経などの状態を調べる。眼科専門医の総合判定が必要。

【2】眼圧検査

眼に一定の風圧を加え、眼球のへこみ具合によって眼圧を調べる。所要時間は3分程度。

【3】視野検査

検査機の画像をのぞき、光の点が見えたらボタンを押して合図するといった方法で、見えている範囲や感度を調べる検査。片眼の検査に要する時間は1分弱のものから10分程度のものが多い。これも眼科専門医の判定が必要。

40歳を過ぎれば誰もが検査を受けるべきだという緑内障。強い近視の人は要注意!

医学博士語る「老眼治療薬」の将来、米国ではすでに臨床試験も

「老眼は防げない、治らない。年をとったら、みな老眼鏡が必需品に、と思っている人は多いのでは? でもそれは、老眼に対する大きな誤解。現代の医学では、予防も改善も可能なのです」

そう訴えるのは、眼科専門医で、『老眼のウソ 人生をソンしないために』(時事通信社)を出版した医学博士の平松類先生。

「老眼」は、40代も半ばを過ぎれば誰にでも訪れる老化現象の1つ。だが、健康寿命が延びて、さまざまな病気が予防可能になったにもかかわらず、目だけは“仕方がない”とあきらめている人が多い。

「これは、老眼の“正しい知識”が広く伝わっていないからです。ぜひみなさんに、老眼に煩わされた時間を取り戻していただきたい」

そこで平松先生に、老眼に関する「誤解」を解いてもらい、最新の予防法・治療法を伝授してもらった。

【誤解1】老眼は目の衰えだけが原因

「ものを見るという行為は、目だけで完結しているわけではありません。目から入ってきた信号を脳で受け取るという機能も重要です。つまり老眼には、脳の老化や損傷も関係してくるのです」(平松先生・以下同)

そこで平松先生が推奨するのが「ガボールパッチ脳トレ」。イスラエル空軍の視力開発実験にも使用されている方法だ。

「ボヤっとしているものをあえて選り分ける訓練をすることで、目から受け取った情報を処理する“脳”が鍛えられ、老眼や軽度の近視も予防・改善できます。アメリカの研究では、この脳トレにより老眼の人の視力が、0.2~0.3改善されたという結果が出ています」

【誤解2】老眼鏡をかけると悪化する

「とくに40代半ばは老眼が進行しやすい時期で、その世代で多くの人が『老眼鏡をかけたら老眼が進んだ』と思い込んでしまっているのです。実際には関係ありません」

老眼は肩こりや頭痛、イライラなどの原因にもなる。老眼鏡は早めに作るべきだ。

【誤解3】老眼を治す薬はない

老眼治療薬はアメリカで開発が進んでおり、すでに臨床試験に入っているという。

「目の水晶体(レンズ)の柔軟性をよくする薬と、毛様体筋の機能をよくして老眼を改善する薬の2タイプあります。近い将来、アメリカで実用化されれば、いずれ日本でも使用できるようになるはず」

【誤解4】老眼は一生元に戻らない

「老眼は外科手術により、治療可能です。ポピュラーなのは『眼内レンズ』という、遠くも近くも見える多焦点レンズを目に埋め込む手術です。これは白内障の手術の際に、一緒に受けるのがベスト。目の負担も軽減されます」

ただ、老眼の手術は保険適用外。約30万円から数百万円とレンズによっても幅がある。

「目の疾患があると手術できないこともあるので、医師と相談を。また、手術しても20代のころと同じように見えるわけではないので、注意してください」

視力回復治療で使用される「就寝時装用コンタクトレンズ」とは

 近視の矯正というと、まず浮かぶのはメガネやコンタクトレンズの装用だ。しかし、できることなら裸眼でよく見えるようにしたいという人がほとんどだろう。最近では、様々な視力矯正の技術が登場しているが、そんななか、夜間に特殊なコンタクトレンズを装用して視力回復を目指すのがオルソケラトロジーだ。


 オルソケラトロジーは、就寝時にコンタクトで角膜のカーブを矯正し、視力改善をはかる。起床後は裸眼で正視の状態で過ごせる。日本に初めてオルソケラトロジーを導入した三井メディカルクリニックでは、さらに進化させたオサート治療も行われている。


「オサートは、オルソケラトロジーでは対応できない強度近視や乱視、遠視、老眼の改善にも効果があります」(三井メディカルクリニック・三井石根院長)従来のオルソケラトロジーは、矯正するレンズの種類が少なく、オルケソラトロジーを利用したくても適合する選択肢が少なかった。オサートは、三井院長自ら患者の目の状態や形状に応じてレンズのデザインを施すオーダーメイドなので、一人ひとりの角膜形状に応じたレンズを使用できる(特許取得済み)。


 オルソケラトロジーもオサートも毎晩の装用が必要なため、俳優などの不規則な時間で活動する職業の人や、世界を飛び回るスポーツ選手などには継続使用が難しい場合もあった。現在は矯正した角膜を固定化させ、以後は矯正レンズが不要という技術も開発中で、今後が期待される治療法のひとつといえる。

コンタクトレンズで角膜の形状を矯正するオサート

視力回復医療はここまで進んだ 体験者が語る“見える生活”

 加齢にともなう視力低下を甘受するだけの時代は終わった。最新の技術で視力を取り戻せる時代が到来している。進化を遂げる視力回復医療の最前線について紹介しよう。レーザーによって角膜を変形させる、角膜屈折矯正手術の主流であるレーシック。レーザーで角膜の表面にフラップ(蓋)を作り、角膜中央の細胞を削ることで形状を変形させて再びフラップを戻す。レーシックを体験したプロゴルファーの芹澤信雄さん(TSI所属)はいう。


「30代半ば頃から距離感が掴みにくくなり、グリーンの傾斜も見にくくなってきました。成績が落ちてきたのを目のせいにすることも考えたのですが(笑い)、先輩から紹介されて40歳前にレーシックを受けることにしました。手術はわずか10分くらいで、術後にはすでに『人の顔って、こんなにくっきり見えるんだ』と感動したほど回復していました。もう成績の悪さを目のせいにできないのが残念です(笑い)」

リレックススマイル

レーシックの施術手順、レーシックとリレックススマイルの違い

レーシックの施術手順、レーシックとリレックススマイルの違い

写真5枚

 レーシックよりさらに進化したレーザー視力矯正手術であるリレックススマイルは、切開口から矯正部位の角膜片を抜き取るのが特徴。フラップを作らないのがレーシックとの大きな違いで、角膜の切開幅もレーシックの約1割で済む。フラップを作るレーシックは角膜の剛性が弱まり、視力のリバウンドが起こりやすいというデメリットがあるが、リレックススマイルの場合は剛性が損なわれにくいため、リバウンドが少ないとされる。

フェイキックIOL

フェイキックIOLの種類

フェイキックIOLの種類

写真5枚

 フェイキックIOLは、眼内にコンタクトレンズを移植する手術。角膜に切開口を作りレンズを挿入する。角膜と虹彩の間に挿入するのを「前房型有水晶体眼内レンズ」(前房型フェイキックIOL)、虹彩と水晶体の間に挿入するのを「後房型有水晶体眼内レンズ」(後房型フェイキックIOL)と呼ぶ。


角膜を削るレーシックと違い、近視や老眼が進行して度数が変わった場合でも、レンズを交換できる可逆性を持ち、強度近視や角膜に十分な厚さがないと診断されレーシックを受けられなかった人でも施術できるのが特徴。近年、タレントの指原莉乃が施術を受けたことで注目を浴びている。フェイキックIOL体験者の竹内薫さん(サイエンス作家)はいう。


「中学生の頃から目が悪く、20歳の頃は視力が0.01。かろうじて手元が見えるという状態でした。このままでは生まれたばかりの娘を守れないと思い、フェイキックIOLを受けました。私の場合、右と左で違う度数にするモノビジョンという施術を選びました。慣れは必要ですが、これにより生活の中で近視だけでなく、老眼も克服できるからです。手術から10年以上経ちますが、今もメガネなし(写真は伊達メガネ)の生活を送れています」

目のピント調整機能を持つ水晶体を、人工のレンズに置き換える「多焦点眼内レンズ」

目のピント調整機能を持つ水晶体を、人工のレンズに置き換える「多焦点眼内レンズ」

写真5枚

 多焦点眼内レンズは「水晶体」と呼ばれる目のピント調節機能を持つ部位を人工のレンズに置き換える方法。ストロー状の器具で「水晶体」を吸い上げ、そこへ小さく折りたたんだ眼内レンズを挿入する手術で、白内障の手術に用いられている。保険適用となるのは、患者が日常的によく見る距離に合わせた単焦点レンズに置き換える手術。「遠・中・近」の多焦点でピントを合わせることができるレンズであれば、白内障だけでなく、老眼も克服できる。


 多焦点レンズはこれまで自費診療だったが、2019年に「遠・中」に対応したレンズが保険認可された。現在、海外製の5焦点に対応するレンズが登場しているが、国内では「遠・中・近」の3焦点レンズを選ぶ患者が多いという。

取材・文/小野雅彦

コロナ禍で「近視」が増加傾向 自宅生活やIT機器使用が要因か

昨今、近視が増加傾向にあるという──。2019年8月に慶應義塾大学医学部眼科の研究チームが、都内の約1400人の小中学生を対象にした調査を実施。なんと小学生の76.5%、中学生の94.9%が近視という結果が出た。

 また株式会社ジンズが2019年に行なった「成人の近視に対する危機意識調査」では、仕事による視力の影響を感じると回答した人は5割。そのうち8割近くの人が「PCでの作業が増えた」と答えている。

「『コロナ禍の休校で自宅にいる生活が増え近視が進行した』と駆け込んでくる子どもさんが増えました。成人もIT機器使用の増加と視力の低下を感じる人の増加に相関関係が見られます」(三井メディカルクリニック・三井石根院長)

 この1年間で、視力に何らかの不調を感じる人は確実に増えているのだ。

アジア圏は特に近視が多く、さらに増えている

 近視増加の傾向は、全世界的な動きとの見方がある。そもそも近視の割合が3割から5割程度だった欧米でも、徐々に増え続けているとの報告があり、2050年には世界の近視人口が47億5800万人にのぼるとする推計すらある。

 これを受け、近年ではWHO(世界保健機関)をはじめ、各国で近視にまつわる研究に力を入れるようになり、さまざまなエビデンスが示されるようになった。

 なかでも日本を含むアジア圏は近視人口が多い。シンガポールや台湾、香港などでは18歳になった時の近視の割合が8割を超え、中国では20歳代までの若年層の90%が近視であるとの報告がある。上述の通り、日本の中学生の約95%は近視という調査結果もある。また、世界的な高齢化を背景に、老眼の数も増え続けている。

取材・文/小野雅彦
※週刊ポスト2021年4月16・23日号

視力の低下で「見えづらい」ときに有効な頭がい骨矯正術

「最近ますます視力が落ちてきた」「視界がぼんやりする」という人が増えている。それって、コロナ禍で重なった複数の悪条件が原因かも。あなたが整えるべきは頭がい骨のゆがみと、それを引き起こす日常の姿勢だったーー。

コロナ禍で視力の低下を訴える人が増えている。情報を得るためにスマホの使用頻度が増加し、整っていない環境でのパソコン操作が必要になり、ほかにも、動画配信チャンネルの視聴が慢性化するなど、目の酷使が主たる原因だと思われがちだが……。

「根本的な問題は、頭がい骨のゆがみ。それを正せば改善します」

そう提唱するのは、骨格矯正の第一人者にしてゴッドハンドの、清水ろっかん先生だ。

「最初に気づいたのは10年以上も前、もともとは、小顔矯正のために頭がい骨や眼窩(眼球のおさまった骨のくぼみ)を正しい位置に戻す施術がきっかけでした。矯正をした多くの方から『視界が広がってクリアになった』『視力が上がった』という声が届き、頭がい骨と視力の関係に着目するようになったのです。

研究を重ねるうち、頭がい骨のゆがみから眼窩が押しつぶされ、眼球に負荷がかかり、この状態が視力にまつわる不調を引き起こしている、という推測に至りました」

実際、施術に通う女優のなかには、視力が両目あわせて0.7も回復したという人も。また、近年はテレビ番組などで“若年性近視”が取り上げられるようになり、その原因として前述のようなメカニズムが解明されつつある。その際、キーワードとなるのが「眼軸長」だ。

眼軸長とは、角膜から網膜までの長さのこと。正常な長さなら網膜で焦点が合うが、眼窩によって押しつぶされた眼球が前に飛び出て眼軸長が伸びると、焦点が網膜より手前で合ってしまうため、遠くが見えづらくなる。

なお、眼球に負荷がかかった状態が引き起こすのは、視力の低下だけではない。ろっかん先生は著書『手のひらマッサージで目の不調がスッキリ整う 眼圧リセット』(飛鳥新社)のなかで、ドライアイや緑内障といった病気の引き金にもなる、と解説している。

「だからこそ、いつでも自分で矯正できることが重要です。私が施術する際は、ある程度、強い力をかけますが、人間の体とは不思議なもので、“気持ちいい”と感じることでこわばりが解け、骨は弱い力でも素直に動いてくれます。また、動きやすい方向もあるので、コツさえつかめば簡単ですよ」

■セルフ矯正は簡単3ステップ!

【1】押しつぶされた側頭骨を伸ばす

横につぶれて張り出しやすい側頭骨(こめかみの斜め上あたり)を正すことが、眼窩を広げる第一歩。指先を上に向け、手のひらを側頭骨に置く。頭頂部に向かって、頭皮をグイッと伸ばすような感覚で、気持ちいい程度に押し上げる。両ひじは机に置いて固定すると、力を加えやすい。

【2】垂れ下がった前頭骨を押し上げる

うつむき姿勢によって前に垂れ下がった前頭骨(眉間の上あたり)を正す。手のひらを前頭骨に向かって押し上げる。もう一方の手をひじに添えたり、ひじを机に置いても力を加えやすい。また、額にティッシュを当てるとすべらない。

【3】眼球を圧迫している眼窩を広げる

親指と人さし指で鼻骨(目頭のわき)をつかみ、鼻を押し下げる。同時にもう一方の手を頭頂部に向かって押し上げる。鼻骨をつかむ手は薬指を添え、前頭骨に当てるほうの手はひじを机に置くと力を加えやすい。目を大きく、鼻を高く見せる効果もある。

また、ろっかん先生によれば、頭がい骨がゆがむ根本原因は、姿勢の乱れ。ステイホームで座っている時間が増えたことに加え、スマホやパソコンの操作、不安やストレスでうつむきがちになることも悪影響をおよぼしている。

「“必然的に姿勢がよくなる”生活習慣を紹介するので、セルフ矯正と併せて実践してみてください」

■座骨クッション

座り方は特に大事で、よい姿勢を身につけるいちばん簡単な方法は、クッションや丸めたタオルを置き、座骨が当たるようにお尻の半分を乗せて座ること。これはお坊さんが座禅を組むときと同じ方法で、強制的に骨盤が立って姿勢がよくなり、しかも疲れにくい。

「頭がい骨のゆがみが解消されれば、目がパッチリする、目の下のクマが目立たなくなるなど、美的効果のおまけもついてきますよ」

スマホの見過ぎで目の周りの筋肉がガチガチに?眼精疲労&頭痛を緩和する方法

「疲れ目」と「眼精疲労」の違いとは?

疲れ目はあくまでも一時的な目の疲れです。目を休めたり、睡眠を取ることによって改善されます。一方、眼精疲労は休息を取ったり睡眠によって改善されず、目の疲れや充血や痛みなどの目の症状だけではなく、頭痛や首こり、肩こりなどの症状といった身体の他の部位へも影響を及ぼしてしまいます。目の下のクマや、たるみの原因ともなってしまいます。そのため、放置せずにセルフケアすることが大切なのです。

眼精疲労© Interspace.Co.,Ltd. 眼精疲労

眼精疲労はどうして起こるの?

眼精疲労の原因として、眼球のまわりの筋肉のこりが挙げられます。肩こりを感じたら肩まわりの筋肉がこっているように、眼精疲労を感じたら目の筋肉がこってしまっているのです。疲労が蓄積してしまった筋肉には、ストレッチやマッサージや休息などのケアが必要となります。

眼精疲労の場合、鍵となる筋肉は「毛様体筋」と「眼輪筋」です。まずは、それぞれについて説明しましょう。

毛様体筋とは?

私たちが対象物を見る時、目のピント機能によって対処物にピントを合わせています。目の水晶体にはカメラのレンズのようにピントを合わせる役割があり、水晶体の厚さを調節しながら対象物を見ているのです。このピントを調節するために関わっているのが「毛様体筋」という筋肉で、水晶体の厚さを調節しています。遠くを見る時には毛様体筋はゆるみ、いわばリラックスしている状態にあり、水晶体は薄いままで大丈夫です。しかし、近くを見る時は毛様体筋は収縮し、水晶体を膨らませてピントを合わせています。スマホやPCなどの目の前のものに長時間集中している時は、毛様体筋までもが長時間緊張状態にあるため、筋肉疲労へと繋がってしまうのです。最近では、リモートワークによりほとんどデスクの前から動かずに仕事を続けてしまう人も増えています。長時間姿勢を変えずにデスクワークを続けていると、より毛様体筋がこりやすくなってしまいます。

毛様体筋のケア方法はとても簡単です。デスクワークが続いたりスマホを見続けたりといった、1〜2時間以上続けて近くのものを見ていた際には、遠くを見るようにしましょう。毛様体筋は遠くを見る時にはリラックスするため、意識的に遠くを見る時間を作るようにするといいでしょう。

目の休息© Interspace.Co.,Ltd. 目の休息

眼輪筋とは?

眼輪筋とは、眼のまわりについている丸い筋肉のことです。

眼輪筋© Interspace.Co.,Ltd. 眼輪筋

眼のまわりにある眼輪筋が凝り固まってしまう原因も同じです。近くのものを見続けていると、眼輪筋も固まってしまうのです。眼輪筋が固まると、眼の痙攣が起こりやすくなります。眼の上や下がピクピクと痙攣するような経験がある方は多いと思います。これは、眼輪筋が痙攣している状態にあるのです。眼輪筋も自分で緩めることが大切なのですが、眼輪筋は遠くを見たからといって緩まないため、自分でマッサージなどケアする必要があります。また、眼精疲労によって頭痛が引き起こされてしまった場合にも、セルフケアしてあげることで改善しやすくなります。目を使いすぎたと気づいたら、以下の動画を見ながらケアしておきましょう。

磯沙緒里

幼少期よりバレエやマラソンに親しみ、体を使うことに関心を寄せる。15年前、長期的にみた体調管理方法を模索していたところ、ヨガに出会う。その魅力を体感し、会社員の傍ら都内、時には旅をしながら国内外の先生からヨガを学び、様々なヨガを試す。ヨガと相性の良い心地いい音楽、体がよろこぶ食べ物を提案し、暮らしに寄り添うヨガを行う。年齢やヨガ経験に関係なく、ヨガを日常に取り入れていくお手伝いをしていきたいと願っている。ヨガコンテンツ監修やコラム執筆、広告出演、[sn]super.naturalアンバサダー、True Nature TOKYO、True Nature KARUIZAWA、commmons10「健康音楽」、「東京JAZZ 2017」生演奏ヨガ、ヨガフェスタ横浜等さまざまなイベントに出演。その他、品川シーズンテラスヨガ、SHARE GREEN MINAMI AOYAMAヨガ、草津温泉ヨガプロデュース等、活動は多岐に渡る。全米ヨガアライアンスRYT200取得(ヴィンヤサヨガ)、クリパルヨガトレーニング ステージ1~3修了、発酵食品マイスター。ブログhttp://saoriiso.com/


増える子どもの視力低下。【○○に夢中】が原因に!?

小学生で4人に1人、また中学生以上になると2人に1人は近視による視力低下があると言われています。その原因は、スマホ、

ゲーム、テレビ、本に夢中になるといった目の酷使が考えられますが、じつは食生活の乱れ、血流の悪循環、神経の異常、遺伝的要素なども視力の低下を招くとか。

今回は、そんな子どもたちの視力低下の予防策について、医師に伺いました。 目への負担を軽減する方法・2つ

1:短時間&明るい部屋で
目の疲れの主な原因が、テレビ、ゲーム、パソコン、携帯、スマホ、読書など。とはいえ、これらすべてを子どもたちから完全に取り除くことはまず不可能。

こうしたものに夢中になっている子どもには、使用する時間を決めて、適宜目の休憩を取るといったコントロールをしてあげることが大切です。また、部屋を明るくして目の負担を軽減することも有効です。

2:目に良い食材を積極的に摂取
ニンジンやほうれん草に多く含まれるビタミンAやβカロチン、青魚に多く含まれているEPAとDHAといった栄養素は目を健やかな状態に保ってくれます。これらの食材を日頃から、たっぷり摂取することも有効です。

【医師からのアドバイス】
子どもの楽しみを、すべて取り上げなくても、上手にコントロールする、あるいは食事等でも目を労ることは可能なのです。子どもの視力が心配な方は上記の方法にも目を向けてみましょう。(監修:医師 佐藤 留美)
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