早期発見が難しい慢性閉塞性肺疾患 症状と診断方法とは
岡山ろうさい病院(岡山市)呼吸器内科の渊本康子副部長に「慢性閉塞性肺疾患COPDの現状」をテーマに寄稿してもらった。
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【症状】COPDの特徴的な症状は慢性の咳(せき)、喀痰(かくたん)と労作性の息切れです。症状の現れ方がゆっくりしているため、早期発見が難しい病気です。そのため、かなり症状が重くなってから医院・病院を受診される傾向にあります。
まず、階段や坂道での息切れにはじまり、重症になると歯みがきや着衣の動作でも強い息切れが現れます。一方、喘息(ぜんそく)と異なり、通常は安静にしている時には息切れがないのが特徴です。
40歳以上で喫煙歴があり上記の症状が出現した際には、COPDを疑い医療機関で検査を受けてください。
【診断】診断のためには、呼吸機能検査と画像診断をおこないます。呼吸機能検査は、肺にどれだけ多くの空気(息)を吸い込むことができ、どれだけ大量にすばやく吐き出せるかについて、スパイロメータという器具を用いて調べます。
最初の1秒間に吐き出せる量を1秒量(FEV1)といいますが、このとき、最大努力で吐き出した全体量(努力性肺活量FVC)と1秒量の比率である1秒率(FEV1%)の値をみます。1秒率の値が70%未満の場合に閉塞性肺機能障害と診断されます。同じように閉塞性障害がある気管支喘息では、β2刺激薬と呼ばれる気管支拡張薬を吸入すると呼吸機能が改善するのに対して、COPDの患者さんでは改善効果が認められないことが多いのが特徴です。
病期分類は、1秒量の正常値に対する割合によって4段階に分けられています(I度=80%以上、II度=50~80%、III度=30~50%、IV度=30%未満)。重症度はこれらの病期に加えて、呼吸困難の強さ、運動能力や併存症・合併症の有無などから総合的に判断されます。
画像診断には、胸部レントゲンと胸部CTがあります。胸部レントゲンは、進行した気腫性病変および気道病変の診断に有用ですが、早期の病変検出は困難です。胸部レントゲンでは異常を認めない場合でも、胸部CTスキャンによる精密検査を行うことでより軽度の肺の気腫性変化を検出できることがあり、重要な補助診断になります。
岡山ろうさい病院(086―262―0131)
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【症状】COPDの特徴的な症状は慢性の咳(せき)、喀痰(かくたん)と労作性の息切れです。症状の現れ方がゆっくりしているため、早期発見が難しい病気です。そのため、かなり症状が重くなってから医院・病院を受診される傾向にあります。
まず、階段や坂道での息切れにはじまり、重症になると歯みがきや着衣の動作でも強い息切れが現れます。一方、喘息(ぜんそく)と異なり、通常は安静にしている時には息切れがないのが特徴です。
40歳以上で喫煙歴があり上記の症状が出現した際には、COPDを疑い医療機関で検査を受けてください。
【診断】診断のためには、呼吸機能検査と画像診断をおこないます。呼吸機能検査は、肺にどれだけ多くの空気(息)を吸い込むことができ、どれだけ大量にすばやく吐き出せるかについて、スパイロメータという器具を用いて調べます。
最初の1秒間に吐き出せる量を1秒量(FEV1)といいますが、このとき、最大努力で吐き出した全体量(努力性肺活量FVC)と1秒量の比率である1秒率(FEV1%)の値をみます。1秒率の値が70%未満の場合に閉塞性肺機能障害と診断されます。同じように閉塞性障害がある気管支喘息では、β2刺激薬と呼ばれる気管支拡張薬を吸入すると呼吸機能が改善するのに対して、COPDの患者さんでは改善効果が認められないことが多いのが特徴です。
病期分類は、1秒量の正常値に対する割合によって4段階に分けられています(I度=80%以上、II度=50~80%、III度=30~50%、IV度=30%未満)。重症度はこれらの病期に加えて、呼吸困難の強さ、運動能力や併存症・合併症の有無などから総合的に判断されます。
画像診断には、胸部レントゲンと胸部CTがあります。胸部レントゲンは、進行した気腫性病変および気道病変の診断に有用ですが、早期の病変検出は困難です。胸部レントゲンでは異常を認めない場合でも、胸部CTスキャンによる精密検査を行うことでより軽度の肺の気腫性変化を検出できることがあり、重要な補助診断になります。
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