信頼できる「かかりつけ医」の見分け方 「認定医」「専門医」「指導医」で信頼度はどう変わるか
コロナ禍においては、大病院に患者が殺到し、医療崩壊の危機に陥った。そういった状況を回避するためにも重要なのが、「かかりつけ医」を確保しておくことだ。では、信頼できる「かかりつけ医」を見極めるにはどうすればいいのだろうか。
コロナ禍においては、大病院に患者が殺到し、医療崩壊の危機に陥った。そういった状況を回避するためにも重要なのが、「かかりつけ医」を確保しておくことだ。では、信頼できる「かかりつけ医」を見極めるにはどうすればいいのだろうか。
【一覧】「かかりつけ医」にしたくない見分け方チェックポイント
いまはほとんどの病院がホームページにスタッフのプロフィールなどを掲載しているが、なかにはそうではない病院もある。この2月、看護師による暴行事件が明らかになった東京都八王子市の滝山病院では、プロフィールを公開していなかった。
「事件発覚後、ホームページには事件についてお詫びを表明する文章がアップされましたが、最後に『滝山病院 病院長』とあるだけで責任者名は記されていません。そればかりか病院長以下、勤務医の名前や職歴、顔写真などもホームページには一切掲載されていません」(全国紙社会部記者)
同病院の姿勢を「無責任」と批判するのは介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんだ。「責任者の名前や勤務医のプロフィールを掲載しない病院は、医療の責任を誰が取るのか明確でなく信頼できません。そうした病院は絶対に避けるべきです」
「資格」の有無も確認したい。『かかりつけ医は選ぶ時代』の著者で、ティーズ内科クリニック院長の土山智也さんは、こう話す。
「『認定医』より『専門医』、『専門医』より『指導医』の方が資格を取る条件が厳しいです。条件の厳しい資格を持つ医師は新しい知識をアップデートして研さんを重ねているので、信頼度が増します」
ネットの評価をうのみにしない
クリニックのホームページは特に力を入れている医療をアピールする場でもある。それらは自信の表れであることは確かだが、医療ガバナンス研究所理事長で内科医の上昌広さんは「にんにく注射はNGワード」と指摘する。
「“ウチはにんにく注射をやっています”と強調するクリニックがありますが、にんにく注射の医学的効果は確認されていません。それを承知で宣伝するのは、お金目当てとみられても仕方ないので、かかりつけ医としては適当ではありません」
いまは何でもネットで検索できる時代だが、その評価をうのみにするのは避けた方がいいという。
「ネットの口コミや評価はお金をかければ操作可能です。私のところにも業者から“○○円払えば悪いコメントを削除できます”という営業が時々くるので、いいコメントばかりのクリニックはむしろ怪しい。また、クリニックには累計で何万人もの患者が来ますが、口コミが載るのは10~20件ほど。少数派の意見であることを知るべきです」(土山さん・以下同)
立地や勤務歴などを確認して「ここだ!」と思ったら受診する前に電話し、スタッフの対応を確認しよう。
「スタッフの対応からクリニックの姿勢を読み取れます。機械的ではなく丁寧で詳細な対応なら院長が患者本位で物事を考え、しっかりとした医療を行うと考えられます」
「お試し受診」で確認すべきポイント
電話で確認したら、次は「お試し受診」にトライしたい。
「クリニックの雰囲気や医師の接し方を知るため、まずは再診の必要がない風邪やワクチン接種などで受診するのがおすすめです」
現地で確認すべき点は多い。まずクリニックは「清潔感」が求められる。
「築年数が経っているのは仕方ないですが、薄暗くて入りにくいクリニックは清掃が行き届かず不衛生というケースが多い。逆に小ぎれいで明るいクリニックは好印象です」(土山さん)
入り口でスリッパに履き替える昔ながらの施設は、感染症対策の面から問題がある。
キラキラと豪華な内装も決してプラスポイントではない。医療ガバナンス研究所理事長で内科医の上昌広さんが説明する。
「かかりつけ医は基本的に地域住民を相手にする町医者です。クリニックの内装をゴージャスにする必要はありません。内装が豪華なクリニックは理事長が見栄っ張りで、金にならない一般患者を長くフォローするつもりはないケースもある」
医療従事者が秘かに注目するのは「受付」だ。都内の総合病院に勤務する男性内科医(48才)が指摘する。
「医療事務のスタッフからそのクリニックの良しあしがわかります。女性スタッフの爪が長いと診察券を手渡すとき患者を傷つけるかもしれません。また患者のにおいは体調を示すサインですが、医療事務が香水をつけていると医師がにおいを嗅ぎ分けられない恐れがあります。
細かな点のようですが、そうした配慮が行き届かない病院は患者に寄り添っていないと判断できるので、かかりつけ医にするのはNGです」
※女性セブン2023年4月20日号
いまはほとんどの病院がホームページにスタッフのプロフィールなどを掲載しているが、なかにはそうではない病院もある。この2月、看護師による暴行事件が明らかになった東京都八王子市の滝山病院では、プロフィールを公開していなかった。
「事件発覚後、ホームページには事件についてお詫びを表明する文章がアップされましたが、最後に『滝山病院 病院長』とあるだけで責任者名は記されていません。そればかりか病院長以下、勤務医の名前や職歴、顔写真などもホームページには一切掲載されていません」(全国紙社会部記者)
同病院の姿勢を「無責任」と批判するのは介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんだ。
「責任者の名前や勤務医のプロフィールを掲載しない病院は、医療の責任を誰が取るのか明確でなく信頼できません。そうした病院は絶対に避けるべきです」
「資格」の有無も確認したい。『かかりつけ医は選ぶ時代』の著者で、ティーズ内科クリニック院長の土山智也さんは、こう話す。
「『認定医』より『専門医』、『専門医』より『指導医』の方が資格を取る条件が厳しいです。条件の厳しい資格を持つ医師は新しい知識をアップデートして研さんを重ねているので、信頼度が増します」
ネットの評価をうのみにしない
クリニックのホームページは特に力を入れている医療をアピールする場でもある。それらは自信の表れであることは確かだが、医療ガバナンス研究所理事長で内科医の上昌広さんは「にんにく注射はNGワード」と指摘する。
「“ウチはにんにく注射をやっています”と強調するクリニックがありますが、にんにく注射の医学的効果は確認されていません。それを承知で宣伝するのは、お金目当てとみられても仕方ないので、かかりつけ医としては適当ではありません」
いまは何でもネットで検索できる時代だが、その評価をうのみにするのは避けた方がいいという。
「ネットの口コミや評価はお金をかければ操作可能です。私のところにも業者から“○○円払えば悪いコメントを削除できます”という営業が時々くるので、いいコメントばかりのクリニックはむしろ怪しい。また、クリニックには累計で何万人もの患者が来ますが、口コミが載るのは10~20件ほど。少数派の意見であることを知るべきです」(土山さん・以下同)
立地や勤務歴などを確認して「ここだ!」と思ったら受診する前に電話し、スタッフの対応を確認しよう。
「スタッフの対応からクリニックの姿勢を読み取れます。機械的ではなく丁寧で詳細な対応なら院長が患者本位で物事を考え、しっかりとした医療を行うと考えられます」
「お試し受診」で確認すべきポイント
電話で確認したら、次は「お試し受診」にトライしたい。
「クリニックの雰囲気や医師の接し方を知るため、まずは再診の必要がない風邪やワクチン接種などで受診するのがおすすめです」
現地で確認すべき点は多い。まずクリニックは「清潔感」が求められる。
「築年数が経っているのは仕方ないですが、薄暗くて入りにくいクリニックは清掃が行き届かず不衛生というケースが多い。逆に小ぎれいで明るいクリニックは好印象です」(土山さん)
入り口でスリッパに履き替える昔ながらの施設は、感染症対策の面から問題がある。
キラキラと豪華な内装も決してプラスポイントではない。医療ガバナンス研究所理事長で内科医の上昌広さんが説明する。
「かかりつけ医は基本的に地域住民を相手にする町医者です。クリニックの内装をゴージャスにする必要はありません。内装が豪華なクリニックは理事長が見栄っ張りで、金にならない一般患者を長くフォローするつもりはないケースもある」
医療従事者が秘かに注目するのは「受付」だ。都内の総合病院に勤務する男性内科医(48才)が指摘する。
「医療事務のスタッフからそのクリニックの良しあしがわかります。女性スタッフの爪が長いと診察券を手渡すとき患者を傷つけるかもしれません。また患者のにおいは体調を示すサインですが、医療事務が香水をつけていると医師がにおいを嗅ぎ分けられない恐れがあります。
細かな点のようですが、そうした配慮が行き届かない病院は患者に寄り添っていないと判断できるので、かかりつけ医にするのはNGです」
※女性セブン2023年4月20日号
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