10月は年金支給【シニアの年金一覧表】60歳~90歳以上「国民年金と厚生年金」平均月額を1歳刻みでチェック
2023年度の公的年金は最大2.2%引き上げ
10月は年金支給月。
「10月は」と表記されるように公的年金は、2ヶ月に1回の支給です。
まだ年金生活には程遠い年代の方が聞くと驚かれるかもしれません。
最近になってようやく高校の授業で金融の授業が始まりましたが、日本はまだまだ金融後進国と言われています。
マネー情報や資産運用に興味がある人や、金融機関にお勤めの人でなければ、金融について学ぶ機会はそう多くないでしょう。
老後の大切な収入源である年金に関してもそうかもしれません。
本記事では日本の公的年金制度について仕組みを確認し、シニア世代の年金事情を眺めていきます。
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日本の公的年金制度は「2階建て」構造
日本の公的年金制度は、1階「国民年金」と2階「厚生年金」の2階建て構造です。
国民年金と厚生年金の特徴は以下のとおりです。
国民年金(1階部分)
・加入対象:原則、日本に住む20歳から60歳未満の方
・保険料:一律(年度ごとに見直し)
・年金額:満額79万5000円(※)✕調整率(未納期間がある場合は差し引かれます)
※2023年度の年額
厚生年金(2階部分)
・加入対象:主に会社員、公務員など
・保険料:報酬比例制(毎月の報酬により決定)
・年金額:加入期間や納付保険料によって決まります(国民年金に上乗せで支給)
このように、国民年金と厚生年金では「加入対象・保険料・年金額」が異なります。
現役時代の働き方、過ごし方が老後の年金額に影響するため、決して「老齢年金=老後のこと、ずっと先のこと」ではないのです。
2023年度「国民年金と厚生年金」は増額改定。年金額の例
年金額は毎年見直しが行われます。2023年度は、以下のとおり、前年度から最大2.2%の増額となりました。
「国民年金と厚生年金」2023年度の年金月額の例
・国民年金(老齢基礎年金の満額):6万6250円
・厚生年金(会社員の夫または妻と専業主婦または専業主夫のモデル夫婦):22万4482円※夫婦2人分の国民年金を含む
上記の厚生年金の夫婦のモデルは「平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円で、40年間就業した場合の老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」の受給額です。
では、現在のシニアは実際に年金をどれくらい受け取っているのでしょうか。
国民年金:60~90歳以上の平均月額
国民年金から見ていきましょう。
国民年金:60歳代の平均月額
・60歳:3万8945円
・61歳:4万150円
・62歳:4万1904円
・63歳:4万3316円
・64歳:4万3842円
・65歳:5万8078円
・66歳:5万8016円
・67歳:5万7810円
・68歳:5万7629円
・69歳:5万7308円
国民年金:70歳代の平均月額
・70歳:5万7405円
・71歳:5万7276円
・72歳:5万7131円
・73歳:5万7040円
・74歳:5万6846円
・75歳:5万6643円
・76歳:5万6204円
・77歳:5万6169円
・78歳:5万5844円
・79歳:5万5609円
国民年金:80歳代の平均月額
・80歳:5万5483円
・81歳:5万7204円
・82歳:5万6981円
・83歳:5万6815円
・84歳:5万6828円
・85歳:5万6404円
・86歳:5万6258円
・87歳:5万5994円
・88歳:5万5560円
・89歳:5万5043円
国民年金:90歳代の平均月額
・90歳以上:5万1382円
※60歳~64歳の国民年金の平均年金月額は「繰上げ受給制度」により年金額が減額されたものです。
国民年金の平均年金月額は、60歳代~90歳以上すべての世代で5万円台でした。
自営業者など、老後の年金が国民年金のみとなる人は、現役時代から老後資金をコツコツ準備しておく必要がありそうです。
厚生年金:60~90歳以上の平均月額
次に厚生年金(国民年金の金額を含む)についても1歳刻みで見ていきましょう。
厚生年金:60歳代の平均月額
・60歳:8万7233円
・61歳:9万4433円
・62歳:6万1133円
・63歳:7万8660円
・64歳:7万9829円
・65歳:14万5372円
・66歳:14万6610円
・67歳:14万4389円
・68歳:14万2041円
・69歳:14万628円
厚生年金:70歳代の平均月額
・70歳:14万1026円
・71歳:14万3259円
・72歳:14万6259円
・73歳:14万5733円
・74歳:14万5304円
・75歳:14万5127円
・76歳:14万7225円
・77歳:14万7881円
・78歳:14万9623円
・79歳:15万1874円
厚生年金:80歳代の平均月額
・80歳:15万4133円
・81歳:15万6744円
・82歳:15万8214円
・83歳:15万9904円
・84歳:16万349円
・85歳:16万1095円
・86歳:16万2007円
・87歳:16万1989円
・88歳:16万952円
・89歳:16万1633円
厚生年金:90歳代の平均月額
・90歳以上:16万460円
※上記、60歳~90歳以上の厚生年金の月額には国民年金部分を含みます。
厚生年金は、国民年金に上乗せして支給されるため、国民年金より手厚い印象を受けるかもしれません。
「平均」としてデータを見ると、どの世代も10万円台を超えていますが、厚生年金への加入期間が短い人や年収が少ない人は、国民年金部分を含めても10万円台に達しない人も多いのが現状です。
現役世代の人は年金見込額を「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認してみることをおすすめします。
長い老後生活に向けて「考える」ことから始める
今回は、老後の大切な収入源である年金について詳しく眺めてきました。
年金については、実際の受給額を確認すると現役時代より収入が減ることは予想できます。
支出も減ることは考えられますが、反対に増える可能性がある支出もあります。
それは医療費や介護費用です。
老後を安心して過ごすには、身体の健康も大切ですが、お財布事情も健康である必要があります。
しかし将来の年金だけでは、ゆとりある老後を過ごすのは少し難しそうです。
健康であってもお財布事情が寂しいのは辛いものです。
もちろん老後をどのような状態で迎えるかは各家庭によって違いますが、老後準備は必要であることは間違いないです。
準備を始めるにあたっては、「ねんきん定期便」などでまずご自身の状況を確認し、どれぐらい理想と乖離するか?まずは考えてみてはいかがでしょうか。