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「前立腺がん」増加…新薬相次ぎホルモン療法の可能性広がる


男性特有のがん、前立腺がんの新薬が相次いで登場している。前立腺がん患者数は、食の欧米化や社会の高齢化により今後も増加し続けるとみられる。

最新の治療法について、近畿大医学部の植村天受(ひろつぐ)教授(泌尿器科)に聞いた。(村島有紀)

 前立腺は男性だけが持つ臓器でぼうこうの真下にあり、栗の実のような形状をしている。排尿をスムーズにしたり、精液の流れを調節したりするのが役割で、精液の一部である前立腺液を作る。

 ◆6年後には1位

 がん対策情報センターによると、人口10万人当たりの前立腺がんによる死亡率は、昭和63年には20人だったが平成24年には40人を超えた。「がん・統計白書」によると6年後の患者数は約10万人で、男性がんの患者数第1位になると予想されている。

 「前立腺がんは50歳以降に急増し、病理解剖のデータからすると高齢男性の60%以上に潜在的ながんがあると推察されている。進行の速さは、悪性度や年齢によって異なり、何十年も進行しない人もいれば、1年程度で急激に悪くなる人もいる」(植村教授)

 治療法としては手術、放射線療法のほか、男性ホルモンを遮断する薬物療法(ホルモン療法)も広く行われている。

根治はされないが、前立腺がんは精巣から分泌される男性ホルモンにより進行することから、薬物による去勢状態を作り出すことで進行を抑えられるからだ。

 ◆薬剤に抵抗性

 しかし、長年ホルモン療法を続けていると、やがて大部分の患者は、精巣から男性ホルモンを作り出さないにもかかわらず、がんが進行する状態「去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)」に移行するとされる。

 例えば、65歳でホルモン療法を始め、3~5年進行を抑えた後、CRPCになったとする。すると、自覚症状がなく転移がない場合でも平均余命は約2年、症状がなく転移がある場合は1年~1年半、痛みなどの症状がある場合は約1年しかないという。

 近年の研究で、副腎と前立腺がんそのものが男性ホルモンを生成し、腫瘍を大きくすることが分かり、より完全に男性ホルモンの生成を抑える新薬の開発が進展。

日本では今年5月にアステラス製薬(東京都中央区)が、「イクスタンジカプセル」(一般名・エンザルタミド)を発売。アストラゼネカ(大阪市北区)とヤンセンファーマ(東京都千代田区)も「ザイティガ」(同・アビラテロン)を今月2日、発売した。

 ◆治療に選択肢

 植村教授は「これまでホルモン療法が効かなくなった患者に対しては、たった1種の抗がん剤(ドセタキセル)を使うしかない状況が長年続いていた。今回発売された新しいホルモン剤2種が、CRPCの第一選択肢になる」と話す。

 そのほか、サノフィ(新宿区)も、新たな抗がん剤「ジェブタナ」(同・カバジタキセル)の販売を開始。植村教授は「従来の抗がん剤よりも、末梢(まっしょう)神経への影響が少ない。

たとえ70歳以上でCRPCになっても、新薬を適切に使うことで、平均寿命までより良い生活を目指す治療の選択肢が増えた」と話している。

 ■前立腺がんへの新薬

 「エンザルタミド」 男性ホルモン受容体阻害薬。1日1回160ミリグラムを経口投与する。主な副作用は疲労、背部痛、便秘、関節痛。一部にけいれん発作も。

 「アビラテロン」 男性ホルモン生成酵素阻害薬。1日1回空腹時に1000ミリグラムを、ステロイド剤(プレドニゾロン)と併用して、経口投与する。主な副作用は疲労、背部痛、関節痛など。

 「カバジタキセル」 抗がん剤。ステロイド剤(同)と併用し、1日1回1時間かけて3週間おきに点滴静注する。重い副作用として白血球減少がある。
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