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自殺者の7割は男性…男の「メンタルリスク管理」3つのヒント


■「男はつらいよ?」ストレスを自覚しにくい男性たち
数年前、「お父さん、眠れてる?」というキャッチフレーズのもと、内閣府の自殺対策キャンペーンのCMが放映されました。疲れ果てて見えるお父さんに、高校生くらいの娘が心配そうに上の言葉をかけるシーン。

実際、人は眠れなくなるほど追いつめられると、ストレス状態を自覚できなくなるもの。そのため、疲れたお父さんたちに「眠れてる?」と、分かりやすい指標を提示するのは、とても効果的なのです。

このように、男性はなぜか体を害してまでやるべきことに突き進み、ストレス状態に気づきにくく、またそれを口にしにくい傾向があるようです。これは一体どうしてなのでしょうか?

■「男女脳」の違いでストレスの溜まり方が変わる?
男女の脳には、構造上大きな違いがあります。それは、左脳と右脳を結ぶ「脳梁」という橋のような役割を果たす部分が、女性は男性より20%太いことです。そのため、女性は男性より右脳と左脳の連絡がよく、右脳で「何となく感じたこと」がすぐに左脳で言葉に変わるため、それを口に出さずにいられなくなるのだと言われています。

たしかに、女性は会社でイヤなことがあったりすると、すぐに同僚や友だちに打ち明けずにいられないものです。女同士のランチや飲み会では、「あの上司、イライラするのよね!」「この仕事、私に合ってないような気がするの……」といったグチやつぶやきが飛び交います。

このように、女性は感じたことをすぐに言葉にできるため、比較的自分のストレス状態に気づきやすいのです。そのため、何らかの支援につながりやすく、「死ぬまで追い込まれる」リスクは、男性より低いのではないかと考えられます。実際に、近年の自殺統計(警察庁・内閣府)を見ても、男性の自殺者が約7割に対し、女性は3割程度です。

■悩みを溜めて仕事に集中……男性ならではのメンタルリスク
では、脳梁が細く、右脳と左脳の連絡の悪い男性には、どんなメリットがあるのでしょう? 両脳の連絡が悪いだけに、感情に振り回されずに、仕事にとことん没頭することができます。右脳、左脳それぞれの能力を最大限に生かし、ダイナミックな仕事をこなすこともできます。

一方、右脳で感じた「つらい」「苦しい」といった気持ちを、すぐに左脳で言語化しにくいのがデメリット。さらに、闘争性を高める男性ホルモンの働きも手伝い、寝る間も削って仕事に集中してしまうのです。

これが高じると、気づいたときには過労が行きすぎ、健康を崩してダウンしてしまいます。このように、ストレスに気づきにくく、自分を追い込み、対策が遅れがちになるのが、男性のメンタルリスクだと考えられます。

では、男性はどのようにメンタルリスクを管理していけばいいのでしょう?

■今すぐ実践! 3つの「男のメンタルリスク管理」
男女の脳の構造が異なるなら、男には「男のメンタルリスク管理術」が必要になります。そのヒントとして、3つのポイントを挙げてみましたので、ぜひ参考にしてみてください。

□その1:生活習慣と身体症状でメンタルチェック
過労状態でも感情を自覚しにくい男性は、2週間に一度くらい、「生活習慣」や「身体症状」からストレス状態をチェックするのがお勧めです。

・睡眠
過労死を防ぐためには、1日6時間以上の睡眠が必要とされています。この1日6時間睡眠を割り込むのが、時間外労働80時間の「過労死ライン」を越えた働き方です。つまり「睡眠時間が1日6時間以下」「ぐっすり眠れず、朝の目覚めが悪い」という項目に心当たりがある人は、メンタルの危険信号。もちろん、「時間外労働が80時間を越えている」ことも、重大な危険要因です。

・食欲、飲酒
食欲の変化への注目も重要です。「朝食が食べられなくなった」「食事を残してしまう」「欠食することが多い」「やたらと食べてしまう」という事項もチェックしてみましょう。

また、ストレスが溜まってくると、不眠や憂うつをアルコールを飲んで晴らそうとする人も増えてきます。「酒量が増えている」「寝酒が習慣になっている」といった事項もチェックです。

・身体症状
精神症状を自覚しなくても、体に症状が現れるうつ病もあります。これを「仮面うつ病」と言います。「頭痛、肩コリ、腰痛など体の痛みが治らない」「便秘や下痢が続く」「胃に痛みや不快感がある」などがよく見られる症状です。

内科の治療で改善しないようなら、仮面うつ病の疑いもあります。心当たりがあるなら、精神症状を自覚していなくても、心療内科、精神科を受診しましょう。

□その2:休息・休養も「スケジュール」に組み込む
本来、休息・休養は「疲れを感じたら」とるもの。しかし、感情を自覚しにくい男性は疲れを感じにくいため、タイミングよく休めない傾向があります。そのため、休息・休養は「スケジュール」の中に組み込むことをお勧めします。

たとえば社内では、「1時間仕事に没頭したら、5分間のティーブレイク」。ただし、自分の席で休むのではなく、「コーヒーコーナーで一服」「廊下でストレッチ」「社内を歩く」といった自分なりの休息ルールを設定することです。

気がつけば残業をしてしまうなら、意識的に「ノー残業デー」をつくることも大切です。100%守れなくても、形だけでも「○曜日はノー残業デー」としておけば、「その日は、早く仕事を切り上げよう」という意識を持てます。

また、休日の1日は「骨休め」の日にすること。土曜日に遊びの予定を入れるなら、その翌日は家でゆっくり休養をとりましょう。男性には、誰にも邪魔されずに1人でゆっくり過ごす時間が必要なのです。

□その3:自由に話して「感情を意識化」できる場を持つ
「おしゃべりの達人」である女性は、給湯室でもロッカールームでも「今日のイヤなこと」を口にし、ストレスを自覚しやすいものです。一方、男性はなかなかそうもいかず、「話しやすい空間」に足を運ぶ必要があります。

リラックスできる環境でとりとめもない話をしていれば、感情はふっと湧き出るもの。大人の男性に「居心地の良いバー」や「気の合う店主のいる居酒屋」が人気なのは、このためでしょう。

落ち着ける空間に身をゆだね、気持ちを受容してくれる人と言葉を交わせば、「オレ、ちょっと参ってるのかな?」なんて、感情の言葉が口をついてくるもの。

こんなやりとりを彼女や妻とできればベストでしょうが、「近しい間柄だからこそ、言えない」という声が多いのが、悲しいところ。それに「おしゃべりの達人」である彼女たちに会話の主導権を奪われ、結局聞き役になってしまうのかもしれません……。

だからこそ、「自由に話して感情を意識化できる場」をどこかに一つは持つことが、メンタルリスクを管理するためにも大切です。

メンタルリスク管理は、他にもたくさんの方法がありますが、まずは以上の3つのヒントを参考にしてみてください。普段、なかなか気づいてあげられない「俺の気持ち」をケアしてあげることこそ、明日の元気をつくる秘訣です。
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