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【がんへの備え】膵臓がん編(12)「重粒子線の特徴」 放射線の2~3倍の効果


手術できない局所進行膵(すい)がんに対する化学療法と重粒子線治療の併用が、2012年に先進医療に認められた。重粒子線治療とは、どういう治療なのか。放射線医学総合研究所・重粒子医科学センター病院の山田滋治療室長に聞いた。

 重粒子線治療は放射線治療の一種。通常の放射線治療と何が違うのか。

 「X線やガンマ線といった一般の放射線はエネルギーの高い光の『光子線』です。重粒子線や陽子線は同じ放射線の一種ですが、粒子を高速に加速させた『粒子線』になります。

重粒子と陽子の違いは重さだけです。重粒子線治療では、炭素原子から電子をはぎ取った炭素イオンを活用しています」

 炭素イオンを1周130メートルある専用加速器で0・7秒に100万回転させて、光の84%の速さまで加速させて、がんのある患部に照射する。そのため重粒子線がん治療装置の面積はサッカー場ほどにもなる。

 一般の放射線治療がこれまで膵臓がんにあまり威力を発揮できなかった理由は、膵臓の位置にある。周囲を胃や腸、肝臓、腎臓など他の正常な臓器に囲まれているため、高い線量がかけられないからだ。その点、重粒子線治療は大きく違う。

 「X線を使う普通の放射線は外部から照射すると体の表面近くが最も線量が高く、体内の奥にいくほど効力が低下します。しかし、重粒子線はがんに届くまで線量が低く、止まる直前でピークとなります。

このピークをがんに一致させるように線量分布が設定できます。他臓器への影響が少なく、がんをピンポイントで狙い撃ちできるので、1度に高い線量が照射できるのです」

 陽子線も同様の線量分布を設定できるが、陽子よりも重粒子の方が重いので、威力は重粒子線の方が強い。その威力の強さも、がんの中でも特にタチの悪い膵臓がんの治療に適している理由だ。

 「放射線治療はがん細胞のDNAを切断して殺しますが、その際の効力には酸素濃度が関係します。

膵臓がんに普通の放射線治療が効きにくいのは、膵臓がんが低酸素濃度の細胞の塊のようなものだからです。そのような抵抗性のがん細胞も叩いてしまう威力があるのも重粒子線治療の大きな特徴です」

 放射線の治療効果を示す生物学的効果比(RBE)という指標で比べると、重粒子線は普通の放射線の2~3倍の効果があるという。

 次回は、どのような膵臓がんに適応になるのか説明してもらう。
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