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これを読んでも、本当に「独りでポックリ逝きたい」ですか? 若者にも身近な「孤独死」の実態


若者にとって、「孤独死」は決して遠い問題ではない。現に、恋愛や結婚で盛り上がる女子会の中で、恋人のいない者が「孤独死」をリアルなものとして語るのをチラホラと見かける。

ひとりで何も予定もなく家でダラダラと過ごすと、きっと自分の老後はこんな風に孤独なものになるのだろうと思えてくるのだという。

「恋愛も友達付き合いも面倒だなぁ」などと思っていると、誰にも気づかれぬままひっそりと亡くなり、気づけば死後数日発見されない…なんてことになってしまうかもしれない。そう思うと悲しい心持ちがしてこないだろうか。

 結城康博氏著『孤独死のリアル』(講談社)によれば、「孤独死」で亡くなる人の数は年間で3万人と推計されている。1日に100人近くが孤独死している現状があるのだ。

結城氏に言わせれば、「最期は家で独りで」の時代が当たり前になろうとしているらしい。2015年には、65歳以上の独り暮らし高齢者は全国で600万人、30年間で5倍に増えている。

老夫婦もいずれかはどちらかが亡くなり、「独り暮らし」世帯となる。三世代世帯は約50%(1980年)から約15%(2011年)と激減しているのに加え、結婚しない人の割合の増加も最近の傾向。これから益々、「孤独死」の割合は増えていきそうだ。

 結城氏によれば、寿命が長い分、独り暮らし高齢者の割合は女性の方が多いが、「孤独死」するのは男性の場合の方が多い。「孤独死」で亡くなる人のうち、男性の割合は全体の7割以上を占めていると結城氏はいう。

孤独死対策で全国でも名高い千葉県松戸市常磐平団地自治会の中原卓実会長によれば、これは生活習慣とも関係しているそうだ。独り暮らしの男性は、近所の人とのコミュニケーションを断つ人が多く、あいさつすらしない。

そして、「家族もいない。電話もしない。あいさつもしない」といったような「ないないづくし」が孤独死を招くひとつの原因だと中原会長は指摘している。会社が定年となって在宅生活が始まった後、打ち解けて地域のコミュニティに参画できない者が多いというのが現状らしい。

 地域とのコミュニケーション能力に欠ける人は「孤独死」で亡くなる可能性が高く、身寄りが見つからず自治会でごく簡単な葬儀を行うことも珍しくはない。そして、無縁仏として葬られることになる。

役所が死者の戸籍を辿り、遠い親族と連絡がとれるケースもあるが、多くの場合、遺産のことを告げると、親族は現れ、一方、全く遺産がないと、「役所で葬って下さい」との返答が返ってくるらしい。

 「孤独死」と一口にいっても、発見される日数によってその悲惨さは異なる。結城氏は、首都圏で検視医を務める田中努氏(仮)にも取材しているが、死後2、3日中に発見される遺体は周りから気にかけられていた存在であり、必ずしも悲惨な状態とは言えないという。

だが、2週間から1ヵ月以上も経った場合は、遺体からの異臭や窓にたかる蠅などの異変に近所の住民が気づいて行政担当者や警察が部屋に入って発見されることになる。

遺体は腐ると、身体の脂が滲み出て液化するため、家の床もすべて張り替えなければならない状態だ。

 特掃隊長著『特殊清掃 死体と向き合った男の20年の記録』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)では、遺体痕処理から不用品撤去・遺品処理・ゴミ部屋清掃・消臭・消毒・害虫駆除まで行う「特殊清掃」作業の中で特掃係長が見た「生」「死」について描かれている。

妻に先立たれた独り暮らしの老人が「最期は部屋でポックリ死にたい」と発言したことに対して、多くの遺体痕処理をしてきた特掃係長は「気持ちは分かるけど、おススメできない」と感じたという。

一般の人は、自らが死んだ後の身体については深く考えない。人が死んだ後の自らの身体について考える時、せいぜい、「最期はなにを着せてもらおうかな?」「遺骨はどうしようか」ということくらいだと特掃係長はいう。

自分の身体が腐っていく状況を想定している人はいないだろう。だから、自宅でぽっくり逝くことを安易に望むかもしれないが、その現実はそう簡単でなかったりする。

夏だと遺体の損傷は早いし、冬場でもコタツに入ったままで下半身がミイラ化した遺体や電気毛布の中で発酵した遺体等、暖房が遺体を腐らせてしまうこともあるのだ。目をそむけたくなっても、「孤独死」にはそんな死がつきものであるのだ。

 どうあがいても、死はやってくる。だから、何処で死ぬかなど決められるものでもない。だが、最期をどう迎えたいのか、もう少し具体的に考えみてもいいのではないだろうか。

「孤独死」の問題は個人がいかに死と向き合うのか、そして、地域社会とのコミュニケーションをいかにとっていくかで変わるように思える。

老いも若きも、「終活」を今一度考えてみてはいかがだろうか。若いアナタだって、「孤独死」する可能性は決してゼロではない。
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