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遊びのボランティア…小児病棟で笑顔引き出す


付き添いの親にも安らぎ

 子どもの心身の成長を促す「遊び」。小児がんや重度障害などで長期間の入院を強いられている子どもたちにとって、遊び相手の存在は特別だ。高度医療の現場で、ボランティアがその役割を担っている。

 今月6日、東京都新宿区の国立国際医療研究センター。「次の遊びを早くやろう。ボランティアさんは」。

滅菌したクリーンルームで過ごす男児(6)の部屋から、大きな声が聞こえた。クリスマスの飾りを作った後はカードゲーム。残り時間は30分。初めて会った学生ボランティアにルールを教えながら、先を急ぐ。「勝ったぁ」。笑みが浮かぶ。

 遊び相手を務めるのは、「病気の子ども支援ネット遊びのボランティア」のメンバー。同センターで毎週土曜の午後2時から90分、小児病棟の病室やプレイルームを訪問する。

長期入院の場合は、平日に個人訪問もしている。現在、保育士や教師、学生など約60人が登録。土曜だけで年間約50回、延べ約600人と遊ぶ。

 設立は1991年で24年目を迎えた。2006年5月にNPO法人になった。同法人理事長で保育士の坂上(さかうえ)和子さん(60)は、「高度医療が必要な子どもたちを訪問看護した時、一人で泣いている姿を見たのが活動のきっかけ。

付き添いの親も疲れ切っている。そんな親子に支援が必要だと思った」と力を込める。

 東京都内在住の加藤由紀子さん(42)は、生後11か月の長男が約7か月間、急性骨髄性白血病で同センターに入院した。抗がん剤治療を受ける長男に毎日、泊まり込みで付き添った。

3か月が過ぎて精神的に行き詰まっていた頃、遊びのボランティアに平日も来てくれるよう頼んだ。

 以来、週2回各90分、複数のボランティアが交代で訪れる。ベテランの保育士もおり、触ると音が出るもの、指先を使うものなど、長男の発達に合わせたおもちゃを用意してくれた。

加藤さんに「遊んでいる間、お茶でも飲みに行って」と気分転換を勧めたのもボランティアだ。

 退院して約1年。加藤さんは「遊びを通じて息子は目に見えて成長し、よく笑うようになった。1歳になってもつかまり立ちができなかったが、助言を受けてベッドから下ろしたら、できるようになった。

初めての子育てと入院が重なり、余裕がなかった。ボランティアの方には感謝しきれない」と振り返る。

 同センターで約15年間、遊びのボランティアの活動を見てきた小児科医の山中純子さんは「『ボランティアのおかげで長い入院生活をがんばれた』という声をよく聞く。小児病棟になくてはならない存在」と目を細める。

 坂上さんらは毎回、何をして遊んだか、どんな様子だったかなどを記録して、看護師らに渡している。

不慮の事故や感染症などを恐れ、ボランティアの受け入れに慎重な病院もあるが、こうした地道な積み重ねで信頼を得てきた。坂上さんは「子どもはどんな状況でも遊びが必要。活動の理解者を増やしていきたい」と話している。
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