扁平苔癬へんぺいたいせん)の原因・症状・治療法
扁平苔癬の症状と特徴
扁平苔癬は紫紅色をした発疹が身体のあらゆる部分に生じて、我慢できない程のひどいかゆみをともなう病気です。最初は小さな発疹がそれぞれ離れて生じますが、しだいに複数に増加して融合します。平たく盛り上がっていて境目が角ばってザラつきがあり、うろこ状のカサついた丘疹になります。
かきむしると新しい発疹が現れ、再発性があるので注意が必要です。発疹が消えた後も色素沈着を起こし、跡が残ります。
ほとんどの場合、発疹は身体の両側に現れます。主に好発するのが胴体、四肢、陰部、口内です。四肢に生じた場合は発疹が特に大きく広がります。顔面に生じることはあまりないですが、頭部に生じると脱毛を引き起こす原因となります。
扁平苔癬の原因
扁平苔癬の原因は詳しく解明されていません。しかし特定のリンパ球が皮膚の細胞にダメージを与えて発症すると考えられています。また薬剤が原因で似たような症状が現れることがありますが、その場合は扁平苔癬型薬疹として判断されます。さらに最近ではC型肝炎やエイズウイルスの感染症に合併している場合も増加しています。
扁平苔癬の治療法
扁平苔癬のほとんどは特別な治療をしなくても治ります。通常1年から2年で症状は消えますが、なかにはもっと長引く場合もあります。口内に生じた場合はさらに長引く傾向があり、口腔癌を引き起こす可能性がありますが、そのリスクは極めて低いものです。
皮膚に生じた場合は皮膚癌になることはありません。また発症した約2割の方が再発をするので、完治までには相当な時間が掛かります。
治療法として、かゆみを抑えるため薬剤を使用します。発疹へ直接注射したり、内服、塗布をしたりさまざまです。また薬剤が原因になっている場合には、その薬剤の使用を中止し原因を取り除きます。口内に生じて痛みがあり食事ができない場合には、麻酔薬を含んだ液剤で口内をゆすぎ、痛みを抑制します。
いずれも専門のドクターに相談をしながら根気よく治療を進めていくことが大切です。
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