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【日本の病院の実力】口腔がん5年生存率80%…東京医科歯科大附属病院

食事や会話などで人間にとっては欠かせない口の役割。そこに発症する口腔がんは、舌や歯肉、舌と歯肉の間など幾つもの種類があり、治療の第一選択肢は手術である。この治療で日本トップクラスの実力を誇るのが、東京医科歯科大学歯学部附属病院顎口腔外科だ。

 5年生存率も2001年~08年集積結果を見ると、早期の口腔がんはもちろんのこと、進行したステージIIIで88.2%、ステージIVでも79.7%を実現している。

 「一般的にステージIVの手術可能な口腔がんの5年生存率は、およそ50%。私たちが、80%近くの実績を持つのは、事前のきめ細かい検査と診断に基づき、チーム医療で治療方針をきちんと立てて取り組んでいるからこそだと思います」と、同科の小村健教授はいう。

 口の中にできるがんは、表面は小さくても、アゴの骨などへの進行、首のリンパ節への転移など、見た目よりも深刻なことが少なくない。そのため、CT(コンピュータ断層撮影)スキャン、MRI(核磁気共鳴画像法)、PET(ポジトロン断層法)などの検査機器を駆使し、がんの全貌を捉え治療に臨む。

 「口腔がんの治療を登山にたとえるならば、我々は検査によっていつも精密な地図を持って治療に当たってます。どのルートで登るのがよいのか、地図があるからこそわかるのです」(小村教授)

手術もきめ細かい。舌やアゴの骨の一部など、がんを残さずに摘出した後は、その部分の再建を行う。腹部や腕などの皮膚や筋肉、脂肪、骨を用い、顕微鏡を見ながらミリ単位の血管までもつないでいく。

 「がんの摘出手術は、高山の8合目にたどり着いたのと同じ。頂上まで行くには、再建によって患者さんの術後のQOL(生活の質)を確保しなければなりません」(同)

 たとえば、アゴの骨を再建しても歯はない状態。これでは以前のような食事はできない。しかし、院内のインプラント・口腔再生医学分野と協力することで、歯も蘇らせることができる。それが、歯科学全般を得意とする同病院の強みだ。

 「1本の髪の毛が入っただけでも、違和感があるほど口の中は敏感。しかし、進行した口腔がんが見つかるケースがまだ多い。日頃から口の中の状態にもっと関心を持っていただきたい」

 総合力を活かして口腔がんに取り組む小村教授だが、その願いは早期発見早期治療に尽きる。

 【データ】2008年実績

 ■口腔がん137人・良性腫瘍54人・5年生存率(2001年~08年集積結果)=ステージI…98.4%、ステージII…93.2%、ステージIII…88.2%、ステージIV…79.7%

 ■病床数 60床〔住所〕〒113-8549 東京都文京区湯島1の5の45 
 TEL03・3813・6111

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