【日本の病院の実力】高難度の手術など革新的医療を提供 東京医科歯科大学医学部附属病院・肝胆膵外科

肝臓、胆のう・胆道、膵臓(すいぞう)の「肝胆膵」領域における手術は、主要な血管、神経、他の臓器に囲まれているため、難易度が高いとされている。

がんそのものも、進行した状態で見つかる。あるいは、肝臓に複数のがんが点在するなど、治療が困難なことは珍しくはない。

 そんな難しい領域で、他の医療機関では請け負えないような高難度手術に加え、小さな腹壁の孔を通して行う腹腔鏡下手術、1つの孔だけで行う単孔式腹腔鏡下手術など、革新的な医療を提供しているのが東京医科歯科大学医学部附属病院の肝胆膵外科だ。

 今年4月に着任した同科の田邉稔教授(53)は、斬新な治療法を次々と開発するなど、世界屈指のスペシャリスト。

新天地では、内科や放射線科、麻酔科などとタッグを組み、身体に優しい治療だけでなく、トータルな手法でがんにアプローチする集学的な治療をさらに飛躍させるために尽力中だ。

 「肝胆膵領域では、高難度で大きな手術に挑戦し続ける姿勢は重要です。一方で、患者さんの負担をできるだけ軽くするために、可能な限りキズを小さくした腹腔鏡下手術を開発し、行っています。

また、進行がんでは手術ばかりでなく、化学療法と放射線療法を組み合わせた集学的治療を考慮します。手術における技術的な挑戦と創意工夫に加え、総合的な医療を提供するための広い視野を持つこと、それが私の外科医としての理想です」

 田邉教授は、若い頃から探究心が旺盛。患者にとって有益となりえる新たな治療法について、積極的に海外へ出向いて学んできた。慶應大学病院時代には、生体肝移植も200例以上手掛け、血液型の違う肝臓を移植する方法「門脈注入療法」を1998年に世界で初めて成功させた。

 さらに、三次元画像を駆使し、一般的には手術不能な22個の肝転移のがんも、正常な肝臓を残して手術するなど、高度な技術を提供し続けている。

 「肝移植の技術を身につけていると、部分的に肝臓を切除する技術のクオリティーも自然に上がります。キズの小さな腹腔鏡下手術も、孔が1つの単孔式手術も、技術が伴えば肝胆膵領域でも、決して不可能な治療ではありません」(田邉教授)

 ヘソの穴に2・5センチほどの一つの孔を開けて行う単孔式腹腔鏡下手術は、4年ほど前に登場した新しい治療法。田邉教授は、手術が行いやすいように、独自に医療器具も改良し、昨年4月には「バック・イン・バッグ法」を考案した。切り取った肝臓を小さな孔から取り出す画期的な方法である。

 手術方法に新風をもたらすだけでなく、手術以外にも、針を刺して小さながんを焼いて死滅させるラジオ波焼灼(しょうしゃく)療法や、凍結してがんを死滅させる凍結療法にも積極的。

 「患者さんの身体に負担の少ない低侵襲治療の選択肢は、さらに増えていくでしょう。それを普及させたいと思っています」と田邉教授。

 今も新たな扉を開け続けている。 

<データ>2009-2012年実績
・年間平均外来患者数5942人
・年間平均全身麻酔手術件数310件
・年間平均肝切除件数131件
・病院病床数800床
〔住所〕〒113-8519 東京都文京区湯島1の5の45
 (電)03・3813・6111

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