あなたの健康はお金で買えますか・・・? 【日本の病院の実力】「心房細動」治療に新技術取り入れ 医師がやりやすい方法模索 『筑波大学附属病院 循環器内科』
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【日本の病院の実力】「心房細動」治療に新技術取り入れ 医師がやりやすい方法模索 『筑波大学附属病院 循環器内科』

脳梗塞の原因の約3割を占める「心房細動」は、心臓の上部に存在する左右の心房で生じる。心房の電気信号が痙攣(けいれん)のような状態になることで一時的に血流が滞り、そこで生じた血栓が脳に運ばれて脳梗塞を引き起こしたり、心不全が生じる。

 そんな心房細動の治療のひとつに、血管から細い管であるカテーテルを入れ、先端についたペンのような医療機器で細胞の一部を焼いて、電気信号の乱れを正す「カテーテルアブレーション」がある。この医療機器が、最近、格段に進化している。

 カテーテルの先についたバルーン(風船)によって、患部を冷却する「冷却凝固バルーン法」は、2014年7月に保険適用された。また、バルーンを加熱する「高周波ホットバルーン法」は、今年4月に保険適用になる見込み。そんな最先端の心房細動治療を行うのが、筑波大学附属病院循環器内科である。

 2014年7月、冷却凝固バルーン法を国内で初めて成功させるなど、心房細動治療を牽引(けんいん)している。

 「心房細動による脳梗塞の国内状況は、近年増加しています。心房細動を早期に発見し、適切な治療を行うことで脳梗塞は防ぐことができます。しかし、従来のカテーテルアブレーションは、ペン先で患部を的確に焼灼しなければならず、高い技術が必要なため、一部の医療機関での治療に限られていました。バルーンの登場で、この状況が変わることを期待しています」

 こう話す同科の青沼和隆教授(64)は、心房細動を含む不整脈治療のスペシャリストである。カテーテルアブレーションはもとより、多くの医師がより治療しやすい方法を模索し、「バルーン法」などに取り組んできた。ペン先よりもバルーンの方が、治療範囲が広いため効率的なことも明らかにしている。

 「アイスバルーンとホットバルーンの登場で、より多くの医療機関で治療が行われるようになると思います。患者さんにとっては、安全かつ有効な早期治療を受けやすくなるでしょう。それは、心房細動を治し、脳梗塞を防ぐ上で非常に重要なことなのです」

 青沼教授は、さらに治療の選択肢を広げるため、今年6月に「経皮的左心耳(さしんじ)閉鎖術」の治験をスタートさせる。左心房にある耳のような凹みの左心耳は、血栓が生じやすい場所である。そこにカテーテルを用いて特殊な医療機器を運んで留置し、左心耳に蓋をしてしまう新しい治療法だ。日米同時スタートの治験で、日本では初の試みとなる。

 「バルーンなどのアブレーションの治療が無理で、抗血栓薬を飲み続けなければならない患者さんの新たな治療法として、福音になる可能性があります。30年前から変わらない心房細動による脳梗塞の状況が、新しい治療法で、少しでも治療法の選択の幅を広げることができればと思っています」と、青沼教授は話す。新たな治療法の開発で、ひとりでも多くの人を救うべく奮闘中だ。 (安達純子)

 【データ】2015年実績
 ・カテーテルアブレーション治療 675例(うち、バルーン治療約250例)
 ・病院病床数 800床
 〔住所〕〒305-8576 茨城県つくば市天久保2の1の1 電話/029・853・3900

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