あなたの健康はお金で買えますか・・・? 【デキる人の健康学】野菜ジュースでアルツハイマー病を予防する
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【デキる人の健康学】野菜ジュースでアルツハイマー病を予防する

「100歳までボケない」ための講演会でアルツハイマー病予防のためには、野菜・果物ジュースを週に3回以上摂取するように中高年の聴衆にむけ力説している。

1990年代にシアトル在住の日系米国人1836人の食生活を10年間追跡調査した結果、野菜・果物ジュースを週に3回以上摂取している人は、週に1回未満の人に比べアルツハイマー病の発症リスクが76パーセントも低いことが判明した。

一方、野菜・果物ジュースを週に1~2回摂取している人のアルツハイマー病の発症リスクは16パーセントしか減少していなかった。つまり野菜・果物ジュースの摂取は週に2回では不十分であることが調査で明らかとなった。

■50歳から野菜ジュースを始めるとよい

 一般的にアルツハイマー病は70~75歳くらいで物忘れで発症するタイプの認知症であるが、脳の中で神経細胞が変性していく病理所見は50~55歳で確認されると報告されている。つまり、物忘れの症状が顕著になる70歳の頃には脳の病変はかなり進行した状態になっているのだ。

しかし、今のところ物忘れの症状が出る前にアルツハイマー病を早期診断する手段は確立されてないので、講演会では50歳になったら全員に毎日野菜・果物ジュースを飲むように奨めているのである。

なぜ、発症危険度が高い人だけでなく全員に野菜・果物ジュースを奨めているかというと、私が以前に勤めていた東京都老人総合研究所(現東京都健康長寿医療センター研究所)の神経病理部門の調査によると、80~85歳で解剖された高齢者の脳では3人に1人の割合でアルツハイマー病の病理所見が観察されるからである。

つまり、日本人は何も予防しなければ3人に1人がアルツハイマー病を発症する危険因子を内在していると考えられる。最近、糖尿病や肥満、高血圧、運動不足、喫煙、うつ病、低教育水準などの要因がアルツハイマー病の発症リスクとなることが報告されているが、仮にこれらの危険因子を全く保有していなくともアルツハイマー病の発症予防を確約できる人はいないのが現状である。

■野菜ジュースは自宅でミキサーで作ること

 私の「100歳までボケない」講演会では、特に野菜・果物ジュースは市販のジュースではなく、自宅でミキサーを使って生の野菜と果物でジュースを作ることを奨めている。特にリンゴやブドウ、レモンなどはなるべく皮付きで使うこと、ジューサーではなくミキサーを使うことを奨めている。

果物の皮には病気を予防するフィトケミカル成分が豊富に含まれること、野菜に含まれる食物繊維がアルツハイマー病や糖尿病、ガンの予防に効果があり、ジューサーを使うと食物繊維が取り除かれてしまうためである。

■果物は生で食べると糖尿病を予防できる

 果物そのものを食べると2型の糖尿病の発症を予防するが、市販の果物ジュースは逆に糖尿病の発症リスクを上げることが、最近の米国ハーバード大学栄養学教室の調査で明らかとなった。

研究を統括したキ・サン博士によると果物、特にブルーベリー、ブドウ、リンゴを週に2皿(約400グラム)以上食べていた人は月に1皿(約200グラム)未満の人に比べ糖尿病の発症リスクが23パーセント減少していた。

一方、果物ジュースを毎日1本(約240ml)以上飲む人は糖尿病を発症するリスクが21%も増加していた。また、1週間に飲む果物ジュースのうちの3本分(約720ml)を果物そのものに変えることで、糖尿病のリスクが7%減少することも明らかとなった。

一般に糖尿病の発症予防効果の高かった果物はブルーベリーやブドウ、プルーン、リンゴなどフィトケミカルや食物繊維が豊富な果物で、市販のジュースではこれらの栄養成分が十分に確保されていないとサン博士は指摘している。

白澤卓二
しらさわ・たくじ 1958年神奈川県生まれ。1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大大学院医学研究科博士課程修了、医学博士。東京都老人総合研究所病理部門研究員、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て2007年より順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。日本テレビ系「世界一受けたい授業」など多数の番組に出演中。著書は「100歳までボケない101の方法」など100冊を超える。

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