l.dtd"> あなたの健康はお金で買えますか・・・? 【日本の病院の実力】三半規管の異常による“めまい”で先端医療★聖マリアンナ医科大学病院・耳鼻咽喉科


【日本の病院の実力】三半規管の異常による“めまい”で先端医療★聖マリアンナ医科大学病院・耳鼻咽喉科

ひどいときには日常生活にまで支障が生じるめまい。その半数以上は耳石器(じせきき)が関与した「良性発作性頭位めまい症」が原因である。

 耳石器は、耳の奥の内耳のほぼ中心付近に位置し、頭部の傾きや移動感覚を感受して、その情報を脳に送っている。この耳石器の中の耳石が、間違って三半規管に入り込むとめまいが生じる。

 三半規管は、頭部の回転に関する情報を脳へ与えることで目の動きと身体を平衡に保っているため、異常が生じると眼球の動きは乱れ、脳が混乱し、めまいへ結びつく。

 これらの仕組みを解明し、眼球の動きによって三半規管の異常を判定する診断方法と装置、さらには、リハビリ法まで開発して最先端の研究を行っているのが、聖マリアンナ医科大学病院耳鼻咽喉科だ。

 「どの三半規管に耳石が入り込んだのか。三半規管内の場所の違いによって、眼球が揺れる眼振(がんしん)の動きは異なります。また三半規管や神経自体に障害があることも、わずかな動きの違いで診断できます。手術や薬物療法が必要なのか、リハビリだけで済むのかも判断できるのです。それらをより精密に行うために、いろいろな取り組みをしています」

 こう話す同科の肥塚泉教授(55)は、めまいの診断と治療のスペシャリストである。1998年には、スペースシャトルコロンビア号で、宇宙酔いに関する実験を行い、無重力空間での耳石の機能変化について徹底的に調べ、世界的にも有名だ。この研究により、リハビリの重要性も高まっている。

 「良性発作性頭位めまい症は、頭位治療という一種の理学療法で、三半規管に入り込んだ耳石を取り除くことが可能です。また三半規管や神経に障害があっても、しばらくすると、脳は反対側の三半規管や目からの情報、筋肉や関節からの情報を基にバランスを修正することができます。そのため、リハビリを行うと、めまいが起こりにくくなるのです」(肥塚教授)

 リハビリと言っても、特別な機械は必要なく、目を動かす、または、散歩などで身体を動かす簡単な方法だ。同科のめまい外来を受診すると、平衡機能を調べるための眼振検査が行われ、原因がはっきりすればリハビリを実施。患者によっては、画像診断も行われず、薬の処方もないため、拍子抜けする人もいるが、多くの人がこの診断と治療で症状を改善している。

 「めまいのリハビリは、世界的には標準治療ですが、唯一、先進国では日本だけが積極的に行っていません。そして、一般的にも認知度は低い。この状況を変えたいと思っています」(肥塚教授)

 リハビリの指導には手間暇がかかり保険点数も低く、医療機関へのメリットが少ない。国民皆保険の日本では医療費財源の問題もあり、めまいのリハビリが普及する土壌ではないのだ。それでも肥塚教授は、リハビリの効果を判定する装置の特許を取得し、普及を後押しする新たな装置の開発に着手している。

 「笑顔で帰る患者さんの姿は、私の支えです。一人でも多くの人のめまいを改善したい」と肥塚教授。そのためにまい進中だ。

 <データ>2011年実績
・平衡機能検査(電気眼振図)306件
・平衡機能検査(重心動揺計)60件
・中耳手術数96件
・病院病床数1208床
〔住所〕〒216-8511神奈川県川崎市宮前区菅生2の16の1
(電)044・977・8111

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