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【メタボより怖いロコモ】「楽しく予防」健康関連、年間4兆円の新産業育成へ

引き続き「ロコモ チャレンジ!推進協議会」主催の「第1回ロコモサロン」のリポート。経済産業省ヘルスケア産業課の鈴木隼人課長補佐の「日本再興戦略を踏まえた健康サービス創出に向けて」という講演の続きだ。

政府の健康産業育成の方向性がよく分かる。

 鈴木氏は、約38兆円の国民医療費の約半分が70歳以上の高齢者によって消費されている現状に触れ、ますます高齢化が進む中、医療費の支出を予防分野に振り向けることで総医療費を抑制し、各人のQOL(生活の質)も高めたいとした。その1例として糖尿病のケースを挙げてこう続けた。

 「重症化すると週3回の透析と年間500万円の医療費が必要になります。その対象者は約10万人。その前段階で通院している方も約200万人で1人当たり年間数十万円の医療費がかかります。

このようにロコモも含まれますが、経年で重くなっていく疾病に関して、早め早めにその進行を止める予防が必要です。ですが、自らに食事制限などを課すやり方ではドロップアウトする方も多い。

そこで、楽しみながら予防活動ができるサービスがたくさん出てくるといい。そうした形で健康関連の新たな産業が創出されると考えております」

 創出される市場規模は年間4兆円に上り、1兆円の医療費削減効果が見込まれ、ロコモ関連では、さらに介護費用の削減も見込めるという。

これは安倍晋三首相が進める第三の矢としての新たな成長戦略・日本再興戦略の「戦略市場創造プラン」の1つ「国民の『健康寿命』延伸」に該当する。

 具体的には〈効果的な予防サービスや健康管理の充実により、健やかに生活し、老いることができる社会に向け、健康寿命伸長産業の育成〉と書かれている。

 「これは安倍内閣の重要政策ということです」と、鈴木氏は強調した。

 政府の戦略市場創造プランには、このほかすでに始まっている一般用医薬品のインターネット販売やロボット介護機器開発なども挙げられており、全体の市場規模では現在の16兆円が2020年で26兆円、2030年で37兆円。

雇用規模としては、現在73万人が2020年で160万人、2030年223万人という試算も明らかにされた。

 この後、鈴木氏は具体的にどのような取り組みをしているかについて話を進めた。それについては次回に報告する。 (木村進)

 ■ロコモ ロコモティブシンドローム=運動器症候群の略。筋肉や骨などの衰えで歩行などに支障を生じ要介護リスクが高まる。予備軍含め4700万人が危機にある。
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