1

【メタボより怖いロコモ】骨粗鬆症潜在患者に治療啓発を 「骨で人生は変わる!」(3)

日本イーライリリーの医療セミナー「骨で人生は変わる! 忍び寄る“骨粗鬆(こつそしょう)症”の恐怖とその治療最前線」(東京)のリポート3回目。講演者は浜松南病院整形外科・リハビリテーション科の梅原慶太副部長だ。

 梅原医師は、転倒して手首を骨折する橈骨(とうこつ)骨折を「お知らせ骨折」と呼ぶ。治療が必要なほど骨粗鬆症が進んでいると知らせているからだ。

その知らせで現実に治療しているN子さん(71)のインタビュービデオが会場で流された。N子さんは手首の骨折の既往あり。その後、脊椎圧迫骨折もした。連鎖骨折だ。

 〈骨折したときは痛くて、何もできない。なんで私がと思いましたよ。仕事一筋でやってきて、唯一の楽しみのダンスも続けたいし、必ず治したいと思いました〉

 N子さんの話から、女性は何歳になっても若く美しくありたいと考えているのがよくわかる。

 「それだけ純粋に前向きに病気の治療と取り組まれる方が多い」と梅原医師。そして、日本人女性が骨粗鬆症である確率について、「50代は10人に1人、60代は3人に1人、70代は2人に1人」と明らかにした。

ほとんどの女性はいざ骨折して「なんで私が」と思うが、実は70代では2人に1人が骨折予備群の骨粗鬆症なのである。

 「他人ごとではありません」と梅原医師。

 また、欧米諸外国では大腿骨近位部骨折が減少しているのに、日本では増加の一途をたどっていることも指摘した。

 「氷山の一角です。日本の骨粗鬆症の推定患者数は1300万人といわれます。総人口の約1割、東京都の全員くらいが患者数だが、実際に治療を受けているのは約200万人。潜在する患者の多くが、治療を受けていないのが、骨折の増加につながっています」

 潜在患者が治療するよう啓発が大事だと強調した。しかし、女性特有の考え方が検査の邪魔をしているのかもしれない。

 「美しく若くありたい女性にとって、病院で骨密度の検査を受けることは老いを認めることになるということで、ついつい検診を受けるタイミングを失いがちです」

 ここで鳥取大学、萩野浩教授のデータを引用した。「大腿骨近位部骨折後1年間の骨粗鬆症治療状況(65歳以上2328人)」で「治療している」がわずか19%という。

 骨折の原因は骨粗鬆症で、ほとんどの人が手術を受け、整形外科医が関与しながら、この数字は何を意味しているのか。

 「お恥ずかしいけどこれが今の日本の医療の現実です」と梅原医師。

 次回に続く。 

関連記事
スポンサーリンク メイン3
カテゴリ
★★互助会推薦★★
最新記事