l.dtd"> あなたの健康はお金で買えますか・・・? 医学的に正しいステロイド外用薬の使い方


医学的に正しいステロイド外用薬の使い方

アトピーは皮膚の炎症によって起こっています。いかに炎症を抑えるかが大切ですので、炎症を抑える代表的なステロイド外用薬について詳しく説明したいと思います。

■アトピーとは

 アトピーは、正式には「アトピー性皮膚炎」と言います。皮膚にアレルギーによる炎症が起きることで、痒みや赤みなどの症状が起こります。

炎症は、たとえるなら火事のようなもので、乾燥した皮膚で考えてみると、火事のために乾燥しているとも言えますし、乾燥しているために火事になりやすいとも言えます。

まずは、火事を起こしている部分を鎮火することが大切なのです。そこで登場するのが、火事である炎症を抑える抗炎症薬の代表格、ステロイド外用薬です。

■ステロイドの役割・副作用

 ステロイドは昔から使われている薬で、元々体に存在するものです。従って、その作用や副作用はよく知られています。適切に使用されれば、副作用を抑えて効果の方が発揮されます。

 ステロイドの副作用を気にする人は多いですが、以前より正確な情報が広がったことで、ステロイド恐怖症は減っています。ステロイドの副作用を恐れて少量塗っていてもよくなりませんし、

よくなったからと言ってすぐにやめてしまうと、またすぐにひどくなってしまうことを繰り返してしまいます。どのような使い方がいいのかを正しく理解することが大切です。

■ステロイドの正しい使い方

□ポイント1:最初が肝心! 適切な強さ、適切な量のステロイドを

 アトピーは、炎症という火事のような状態ですから、最初にしっかりと鎮火することが大切です。そのため、あまり弱いステロイドではなく、子供なら、ストロング(strong:強い)からマイルド(mild:中等度)のステロイド外用薬を、大人なら、

ベリーストロング(very strong:とても強い)からストロング(strong:強い)のステロイド外用薬を使って、しっかりと炎症を抑えます。きれいになるまでステロイド外用薬を使います。

 もし、きれいにならない場合は、ステロイドが不十分か量が少ないことがあります。適切なステロイド外用薬の量は、「1 Finger Tip Unit」と言って、人差し指に乗るくらいの量(約0.5g)で、大人の両手サイズの範囲に塗れます。見た目、ピカッと光る感じと言われています。

□ポイント2:きれいになってもすぐにやめない

 見た目がきれいになっても、まだ、皮膚の中では炎症が残っていることがあります。つまり、小火がまだくすぶっている状態です。この時点でステロイドをやめてしまうと再び火事になってしまい、「リバウンド現象」で再び最初の量のステロイドを塗らなければならなくなります。

見た目がきれいになっても適切な量を使用し続け、炎症をしっかりゼロにすることが大切です。この炎症がゼロになったかどうかが外から判りづらいことが、アトピーが治りにくい原因の1つでもあります。

□ポイント3:完治後もスキンケアと悪化因子の除去を忘れない

 ステロイドで炎症が治まっても、一時的なことがあります。子供の場合は、食物が原因になっていることがありますし、大人の場合はストレスやダニ、ホコリなどの環境因子が原因になっています。それらの原因を除くことが大切です。

また、乾燥肌のままですと、皮膚からの細菌、ウイルス、アレルギーを起こす物質(アレルゲン)が侵入し、皮膚炎を再燃してしまうので、保湿スキンケアが大切です。

■ステロイドを正しく使う最大のポイント

 アトピー性皮膚炎の治療において何よりも大切なのは、「湿疹の初期にステロイドを早めに使うこと」と言えるでしょう。通常はひどくなってからステロイド外用薬を塗りがちですが、その場合、どうしても塗る期間が長くなり、

また強いステロイドでないと炎症をゼロにするのは難しくなります。風邪などでも、すっかり悪化してから薬を飲んでも回復が遅くなってしまうのと同じです。

 湿疹が出始めた時に、早めにステロイドを塗れば、早めに湿疹を抑えてその後の悪化が防げるため、少し予防的な意味も期待できます。

この方法の方が、ステロイドの量も少なくて済み、かゆみのひどい時期も減らしてくれるのです。大切なのは初期対応。ステロイドは、適切な時期に、適切な量を上手に使用するのが重要です。

 ステロイド治療は、他のアレルギーの病気でも効果を発揮する例があります。例えば喘息に対してステロイド吸入をすることで、喘息死はかなり減少しました。

私は小学校の時に喘息で同級生を亡くしたことがあり、その頃にステロイド吸入があればという思うことがあります。

 一方で、先日、他院で脱ステロイド治療をしていた重症のアトピーの子供が、体重減少し、血液中のカリウムが非常に高い状態になって受診してきた例がありました。

カリウムはあまりに高くなると心臓を止めてしまう危険があります。アトピーの湿疹のコントロールが悪く全身の状態も悪くなれば、心停止を起こすリスクもあるのです。

 アトピーでも適切な治療がなされていないと命に関わることがあります。信頼できる医療機関で正しく治療するようにしましょう。

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