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受診したら逮捕? 「麻薬専門病棟」で行われる治療の中身

薬物に溺れている人は逮捕されたASKA容疑者に限らず、日本中にあふれている。警察庁によると13年の覚醒剤の検挙件数は1万5232件(検挙人数は1万909人)。

薬物依存者数の統計はないが、国立精神・神経医療研究センターの推計では大麻は人口の1.4%、覚醒剤が0.3%。つまり、大麻は約180万人、覚醒剤は約38万人が経験ありという計算だ。

 ASKAに続いて、「次は自分も…」と怯えている人も相当多そうだが、適切な治療でクスリを断ち切れるケースもある。国内の麻薬専門病院では、一体どんな治療が行われているのか。

1963年、日本で最初に麻薬治療を始めた神奈川県立精神医療センター「せりがや病院」(横浜市港南区)の川副泰成院長がこう言う。

「まず最初に伝えたいのは、指名手配犯を除き、薬物依存から脱したい患者を当院が警察に通報することは一切ないということです。それは他の専門病院も同様です。また、治療費は一般病院と同じで健康保険が適用できます。

入院する場合は、基本的に1カ月ほどかけて依存症治療プログラムを行いますが、その後は週1回程度の頻度で通院してもらい、集団認知行動療法などを行います」

■薬物依存症に特効薬はない

 妄想や幻聴などの症状がある重篤者の場合は、救急治療室(隔離病棟)もある。もちろん、このケースでも患者のプライバシー保護の観点から通報されることはない。

 また、「警察に見張られている」という妄想や、「神様の声が聞こえる」といった幻聴も、適切な治療を行えば、3カ月以内で80%は消し去ることができるという。

 だが、薬物依存症の治療はここからが本番だ。

「精神疾患治療に使われる薬が処方されますが、薬物依存症に特効薬はありません。また、意志が強いだけでは、クスリを断ち切れないのが薬物の怖さ。治療中に覚醒剤を使ってしまう人もいます。

それでも怒らず、〈今度はどうしますか〉と根気よく諭す。渇望をどう抑えるのか、そのコントロールが最も大切です」(川副院長)

 ASKAも、シャバに戻って来たら真っ先に受診してもらいたい。

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