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【日本の名医】うつ病も診られる外科医 吉田勝明さん

がんと認知症。まったく別の疾患だし、診療科も異なるが、この二つの病気をともに背負い込んでいる患者は多い。

 「がんの患者でも認知症があるとがんの治療医から面倒がられる。また認知症を専門に診る精神科病院では高度ながん治療はできない。

そんな行き場所のない患者の受け皿を作りたかった」と語る吉田勝明医師は、元は胸部外科が専門。博士号も胸部外科で取得している。それがなぜ、認知症治療に興味を持ったのか。

 「地方勤務がきっかけ。都心と違って田舎の病院では、何でも診られなければなら

ない。特にがん患者で精神的な悩みを持つ人のウエートは高く、“ジェネラリスト”の必要性を感じたんです」

 あらためて精神科の勉強を始め、“うつ病も診られる外科医”が誕生した。

 「外科と精神科は意外に似ている。外科医はウデで治すが、精神科医は口(言葉)で治す。どちらも医師の体で治す診療科。決して薬がメーンではないんです」

 がんなどの外科治療を終えた認知症患者の受け入れ体制を整える一方、吉田医師がもう一つ力を入れるのがビジネスマンや学生のうつ病治療だ。産業医や学校医として出張カウンセリングを行い、休養が必要な患者は入院治療までカバーする。

 「うつと診断されてしばらく休んでも、復職、復学の状況次第では再発の危険性もある。医師が会社との連携を密にしなければ、理想的な治療はできない」(吉田医師)

 産業医として出向く企業では、単に吉田医師の顔を見るだけで安心するという“元患者”も多い。

 高齢社会とストレス社会-。現代を取り巻く二つの問題点が求める医師像を、吉田医師の柔和な笑顔に見ることができる。(長田昭二)

■よしだ・かつあき 1956年福岡県筑後市生まれ。82年金沢医科大学卒業。88年東京医科大学大学院修了。ナカジマ病院(長野県)、国立がんセンター研究所、会田病院(福島県)、上尾中央総合病院等を経て93年、横浜相原病院を設立し院長。趣味はスポーツ全般と俳句。

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