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【日本の病院の実力】千葉県済生会習志野病院 日本人向け人工関節考案

高齢化社会に伴い股関節やひざ関節などの関節痛に悩む人が増えている。そんな関節障害に対して、独自の日本人向け人工関節を考案し、国内外に名をはせているのが千葉県済生会習志野病院千葉関節外科センターだ。

 「日本人は、股関節が浅く大たい骨がねじれているなど、世界の中でも珍しい骨格の特徴があります。そのため、従来のように諸外国で作られた人工関節を用いると、合わないことが多い。日本人に合った治療を行うために、人工関節の開発が不可欠だったのです」とは、同センター長を兼務する原田義忠副院長。

 ハーバード大学に留学中、人工関節の研究をしながら日本との違いを痛感した。そこで、帰国後、千葉大医学部准教授時代の1997年から、東京医科歯科大学や大阪大学、ヒューストン大の工学博士とのプロジェクトを発足し、日本人向けの人工関節を作り上げたという。すでに厚労省の承認も取り、臨床現場で幅広く活用されている。そして、今も次世代の人工関節をプロジェクトで考案中だ。

 「畳や正座といった日本人の生活様式で、人工関節を違和感なく使えるようにしています。日本人の医師と海外の工学博士がタッグを組んだのは初めてのこと。患者さんのQOL(生活の質)の向上をさらに上げることができるでしょう」

 こう話す原田副院長は、人工関節だけにこだわっているわけではない。関節鏡による治療や骨切り術による関節温存術も積極的に行い、その治療にも定評がある。

 「患者さんへのオーダーメード医療を心がけています。関節の故障は、高齢者の方ばかりではありません。若い方でも骨格の歪みやスポーツなどの影響、リウマチ疾患で関節を痛めます。患者さんとは長いおつき合いになりますが、私一人で患者さんを一生涯診ることはできません。そのため後輩の育成にも力を入れています」(原田副院長)

 股関節の治療は、一つ間違えると患者がうまく歩けなくなるなど、大きな支障を及ぼす。それを避けるには、外科医の手腕が問われる。原田副院長は、積極的に後輩の指導をすることで技術レベルの向上を図っているのだ。また、原田副院長の専門は股関節だが、千葉関節外科センターには、肩・上肢、下肢、スポーツグループのそれぞれ専門医がいるという。

 「次世代の医師へタスキを渡すために、もっと人材育成を強化したいと思っています。そして、世界トップレベルの技術を維持したい」(原田副院長)

 日本人特有の関節障害を封じ込めるために、今後も力を尽くすだろう。

〈データ〉2009年実績

★人工股関節113例

★人工股関節再置換術11例

★関節鏡による手術28

★寛骨臼回転骨6例

★内反骨切り術8例

★病床数45床

〔住所〕〒275-8580千葉県習志野市泉町1の1の1
TEL047・473・1281

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