l.dtd"> あなたの健康はお金で買えますか・・・? 【日本の病院の実力】肝がん 予後治療に尽力する世界のリーダー「日本赤十字社医療センター」


【日本の病院の実力】肝がん 予後治療に尽力する世界のリーダー「日本赤十字社医療センター」

国内で年間3万3000人以上の命を奪っている肝がん。肝臓は消化管からの血液が流入している場所だけに、原発性の肝がんだけでなく、転移性肝がんも多い。しかし、肝臓の手術は難しく治療によって予後が大きく左右される。その外科的治療で世界に名をはせているのが、日本赤十字社医療センターだ。

 「標準治療では適応できない難しい症例の患者さんが集まっています。そういう方の予後をいかに確保するか。365日24時間、そのことを考えています」

 こう話す幕内雅敏院長は、肝胆膵外科における世界のリーダー。80年代に手術中にエコーを用いた「幕内術式」を世界で初めて開発し、安全性の高い手術を実現している。また、93年に世界初となる成人生体肝移植を手掛け、海外の科学雑誌で紹介された。

それまで大人から大人への肝臓の部分移植は、ドナーの危険が高いといわれていたが、これを実現したことで、多くの人の命が救われるようになった。

 幕内院長が現在まで手掛けた成人生体肝移植は、500例以上。「手抜きはできない」という真摯な姿勢で、“365日24時間”ドクターであり続け、肝切除や生体肝移植など長時間に及ぶ手術を今も行っている。

 加えて、2007年に就任した病院長としての手腕も発揮。同センターは、地域がん診療連携拠点病院であるだけでなく、救命救急センター、総合周産期母子医療センターなど、さまざまな機能を持っている。来年1月4日からは、同施設内の新病院に移転し、さらなる医療の充実を目指す。

 「新病院は、患者さんにとってはより利用しやすくなるでしょう。しかし、医療というのは、設備ではなく人材が最も大切。肝臓の手術は難しいのですが、日本はもとより世界中から医師がここに勉強に来ています」

 こう話す幕内院長が憂えているのは、日本全体の医療における外科医不足。救急救命医、産婦人科のみならず、外科医も近い将来激減するといわれているのだ。幕内院長のもとには、若い外科医が集まっている。とはいえ、全体的な底上げがなされないと、将来外科手術に支障が出かねない。

 「20年前に比べて外科の専門医を希望する人は3分の1に減っています。使命感だけでは、ハードな仕事に若い人は就かないでしょう。医療システムを変える必要があると思っています」

 “患者のために”を考え続ける幕内院長の取り組みに、終わりはない。(安達純子)

<データ>2008年実績

★がん手術件数942件

★肝切除172例

★膵頭十二指腸切除(PD)19例

★分娩件数2516件

★取扱救急患者数2万6480人

★病床数708床(2010年1月からの数)

〔住所〕〒150-8935東京都渋谷区広尾4ノ1ノ22(電)03・3400・1311

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