l.dtd"> あなたの健康はお金で買えますか・・・? 【日本の病院の実力】国立がん研究センター東病院血液腫瘍科 国内初ATL治療法確立へ2薬併用の臨床試験を開始


【日本の病院の実力】国立がん研究センター東病院血液腫瘍科 国内初ATL治療法確立へ2薬併用の臨床試験を開始

ウイルスに関連した病気は山ほどある。中でも「成人T細胞性リンパ腫・白血病(ATL)」は、ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-1)の感染が原因で、先進諸国の中では日本での発症が多い。

 もちろん、HTLV-1に感染した誰もが、この血液のがんを発症するわけではない。感染から40~80年の歳月を経て、キャリアの3~5%がATLになる。

 発症パターンは幾つかあり、急激に病状が進行して悪化するタイプには、現在、強力な化学療法や、ドナーの造血幹細胞を移植する同種造血幹細胞移植が行われている。

 昨年には「ポテリジオ」というがんを狙い撃ちにする新たな分子標的薬も登場。ただし、いずれの治療にも強い副作用が伴うため、進行の緩やかなATL患者には、病状が急変するまで注意深く経過観察を続け、悪化した段階で化学療法を行う「無治療経過観察」が標準治療となっている。

 この状況を一変させ、世界に先駆けた国内初の治療法の確立に向け、旗手役となっているのが国立がん研究センター東病院血液腫瘍科。昨年9月、長崎大学から着任した同科の塚崎邦弘科長(53)が、日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)リンパ腫グループの代表として、先進医療B制度により、ATLに保険適用のない抗ウイルス薬の「インターフェロンα」と抗HIV薬「ジドブジン」を用いた臨床試験を先月、スタートさせた。

 「従来の治療法では、強い作用の治療法か、もしくはゼロ(無治療経過観察)という状態でした。それを改善するために、進行の遅いタイプの患者さんに対して、臨床試験をスタートさせたのです。

海外では16人のこのタイプのATL患者さんがこの併用療法を続けると、長年にわたり悪化しないという報告が過去にありました。

しかし、先進諸国では患者数の多い日本が、世界に先駆けて大規模な臨床試験を行う必要がある。結果として、新たな治療法が患者さんに役立てばと思っています」(塚崎科長)

 臨床試験では、進行の遅いタイプのATL患者に対し、まずは国立がん研究センター中央病院と東病院で、投与する人とそうでない人をランダムに分けて実施。2例について安全性を確かめた上で、全国約40カ所のJCOG参加医療機関で合計74人に対する臨床試験を行う。

 「2つの薬は、これまで単独使用で治療効果の実績はありますが、併用療法は国内では初めての試み。患者さんのご協力を得て、慎重に進めているところです」

 こう話す塚崎科長は、長年ATLの研究を行ってきた。母乳によって母親から乳児に移る垂直感染の予防や、2011年にスタートした妊婦健診も後押し、治療のみならず予防への道筋もつけた。

そして、新薬「ポテリジオ」の効果の検証も行う。「予防策がきちんと行われれば、国内のキャリアは増えません。そして、新たな治療法を確立し、生命予後を改善することで、ATLを封じ込めたいと思っています」と塚崎科長。

 世界初の治療の実現に向けて尽力中だ。 

<データ>2011年実績(新規患者数)
・リンパ腫140人
・白血病および骨髄異形成症候群16人
・多発性骨髄腫および形質細胞腫15人
・病院病床数425床
〔住所〕〒277-8577 千葉県柏市柏の葉6の5の1 
(電)04・7133・1111

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