あなたの健康はお金で買えますか・・・? 【日本の病院の実力】聖路加国際病院 感染症科 抗菌薬の早期・適正使用へ効果的なガイドライン作成
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【日本の病院の実力】聖路加国際病院 感染症科 抗菌薬の早期・適正使用へ効果的なガイドライン作成

冬場は風邪の季節。身の周りには、体内での増殖を狙うウイルスや細菌などがウヨウヨ存在する。細菌に関しては、1928年、抗生物質ペニシリンが発見され、感染症の時代は終わったとまで言われたほど、抗菌薬は医療に貢献してきた。

 ところが、細菌類は次々に薬剤に対する耐性を獲得し、多剤耐性菌となり、免疫力が低下した人々を襲うようになっている。それは、院内感染に加え、市中にも蔓延(まんえん)。

たくさん存在する感染症を的確に診断し、適正な薬の使用で早期に封じ込めることが、現在、世界的にも求められている。

 そんな感染症の診断、治療、院内体制で、世界的にもトップレベルの実力を持つのが聖路加国際病院感染症科。独自のシステムを構築し、外来患者から入院患者まで幅広い医療を提供している。

 「これまで日本の教育では、呼吸器内科は肺に関わる感染症のように、縦割りで、他の臓器の感染症に関する知識が乏しかった。しかし、感染症は種類が多く全身に関わります。

また、薬剤の投与が不適切であれば、感染症は治癒せず、多剤耐性菌を新たに作ることにもなる。だからこそ、迅速かつ的確、早期に診断し、抗菌薬の適正使用を行う体制は、非常に重要だと思っています」

 こう話す同科の古川恵一部長(60)は、感染症の診断と治療のスペシャリスト。米国で感染症の臨床研究を行い、帰国後の96年、現職となって以来、これまでにない感染症に対する独自の医療システムを構築した。

 研修医にもわかるような「主な感染症に対する抗菌薬治療のポイント」といったガイドラインを作り、「主な感染症に対する抗菌薬」リストも策定。いかに適正に抗菌薬を使用すべきか、科を問わず、理解できるようにオリエンテーションなども行う。

救急外来にグラム染色などの細菌検査設備を整え、すぐに診断できるようにもし、研修医全員がその方法を学んでいる。

 「むやみに抗菌薬を投与するのではなく、細菌学的検査結果が出る前に、ある程度原因菌を推測して目安をつけ、抗菌薬を早期の段階から適正使用することと、原因菌に合った治療を行うことで、重症の感染症の患者さんも救うことができます。

幸い当院には、他科との壁がない。どの科に対しても、感染症患者のコンサルティングを行うことができます。主治医とともに入院患者さんを受け持つなど、理想的な体制が整っています」(古川部長)

 外来患者の中には、マラリアなど海外で感染した人もいる。輸入感染症の診断と治療も、古川部長は得意。加えて院内感染症、市中感染症までもカバーし、その技術と知識を若い医師の育成にも生かしている。

 「感染症を専門とする医師は、全国的に少ないのですが、当院を巣立った医師たちが少しずつ専門医療を広めてくれています。後進の育成にさらに力を入れたい」と古川部長。

 1人でも多くの感染症患者を救うべく奮闘中だ。 

<データ>2010年度実績
・感染症入院患者数277人
・他科との連携入院患者数年平均500人
・初診患者数4700人 ・病院病床数520床
〔住所〕〒104-8560 東京都中央区明石町9の1
(電)03・3541・5151

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