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【日本の病院の実力】帝京大医学部附属病院・眼科 斜視手術は日本トップ、目の腫瘍には先進医療


眼の病気は山ほどある。加齢に伴い水晶体が濁る白内障、網膜や視神経の細胞が死滅あるいはダメージを受ける糖尿病網膜症や緑内障、視力の低下や失明に関わる病気だけでなく、左右の黒目が異なる方向を向く斜視(しゃし)、機能障害でまぶたがうまく開かなくなる眼瞼下垂(がんけんかすい)など広範囲に渡る。

 そんな眼の病気に対し、一般的な診断と治療だけでなく、特殊な技術を用いた医療の提供で全国的に名をはせているのが、帝京大学医学部附属病院眼科。斜視を治す手術は全国1位の実力を誇り、眼瞼下垂の治療や眼の形成手術も得意としている。さらに、遺伝的な難病疾患を始め、眼のがんに対して眼を残す治療など、守備範囲は広い。

 「眼の病気というのは、治療が確立されていない難病もたくさんあります。

判別が難しい病態もあり、正しい診断法や新たな治療法の開発、さらには、メカニズムを明らかにする基礎研究にも取り組まなければなりません。そういった特殊な病気も含めて、私たちは技術力を集結し向上に努めているのです」

 こう話す同科の溝田淳主任教授(56)は、網膜色素変性症や難治性視神経症など、視覚系難病の診断と治療を得意としている。

例えば、網膜色素変性症は、遺伝的な病気で、眼から入ってきた映像を脳へ伝える視細胞が変性していく。失明の原因となる病気だが、有効な治療法は今のところない。

 「一般的に、網膜色素変性症はひとつの疾患として解釈されますが、人によって視細胞、あるいは、色素上皮細胞など、たくさんの原因があります。

網膜電図検査(ERG)などを用いて、詳細な診断を行った上で、進行を遅らせることでQOL(生活の質)は維持できます。完治はしなくても進行を食い止めることも、重要です。そういった診断法や治療法の開発に取り組んでいます」

 溝田教授は、長年、眼腫瘍(がんしゅよう)の診断と治療も行ってきた。中でも、眼の中にできる悪性黒色種は、眼球を取り除くのが一般的治療法。しかし、義眼を避けて眼球を残したいと願う患者はいる。

そんな人々のため、約15年前から放射線医学総合研究所とタッグを組み、重粒子線がん治療装置を用いた新たな治療法を確立した。

 現在、先進医療として、全国の眼の悪性黒色種の年間患者数約3分の1に対して行うほど治療実績を積み重ねている。

 「重粒子線治療を行うマーキング手術は、私が最も多く手掛けています。10年経っても1・0の視力を維持できる症例もあります。転移に関しては、眼球摘出術と変わらない結果を得られています」

 特殊な治療にも取り組む姿勢で「ひとつでも新たな治療法を見つけ、次のステップに進む。その繰り返しです」。

 眼の難病治療の未来の扉を開けるため、尽力中だ。  

<データ>2012年度実績
・手術総数2958件
・白内障手術1378件
・斜視手術624件
・網膜硝子体394件
・眼瞼下垂126件
・病院病床数1154床
〔住所〕〒173-8606 東京都板橋区加賀2の11の1
(電)03・3964・1211

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