l.dtd"> あなたの健康はお金で買えますか・・・? 【日本の病院の実力】世界初の大動脈弁形成術を確立 東邦大学医療センター大橋病院


【日本の病院の実力】世界初の大動脈弁形成術を確立 東邦大学医療センター大橋病院

★自己心膜を使用した弁形成で血栓による脳梗塞など解消

心臓病の中でも高齢化に伴い増加しているのが、心臓弁膜症の一つである大動脈弁狭窄症。弁が石灰化して固くなり十分に開かなくなる状態だ。その結果、心肥大や胸痛、失神を起こし、心不全に至ることもある。

従来から、人工的に作った弁(人工弁)に置き換える手術は行われているが、人工弁には血栓がつきやすい。

血栓による脳梗塞や肺梗塞を防ぐため、血液をサラサラにするワーファリンという薬を一生飲み続けるが、脳出血・消化管出血など出血の合併症にも注意が必要だ。加えて、妊娠する可能性がある女性には原則として使用できない。

また、患者は、摂取できる食品が制限されるなど不都合があった。

 それらを解消する新たな治療法として、「自己心膜を使用した大動脈弁形成術」を2007年に日本で初めて実施したのが、東邦大学医療センター大橋病院心臓血管外科だ。

 「患者さんから、異物である人工弁を入れずに治療してほしいという要望が多々あり、それに応える方法がないかと考えたのです」

 こう話す尾崎重之教授は、患者自身の心臓を包む心膜で大動脈弁を作ることを思いついた。そして、大動脈弁の形にも着目。正常な3枚の弁は、お椀状の立体的な形をしておりそれぞれの大きさが違う。

 人工弁は、大きさが3つとも同じで本来の弁とは本質的に異なる。そこで尾崎教授は、それぞれの弁の大きさ(交連部間距離)の長さを簡単に測れる「弁尖(べんせん)サイザー」という道具と、それに合わせて「自己心膜から弁を作るテンプレート」を考案。どの医師でも容易にできる世界初の大動脈弁形成術を確立させた。

 「患者さんにとっては人工弁を使用しない分、医療費が安くなり、ワーファリンを飲まずに済むため運動制限や食事制限もありません」(尾崎教授)

 3年間で累計174人がこの治療を受けているが、再手術をした人はゼロ。1年間に1%程度の再手術が行われる人工弁と比較すると好成績。また、88歳といった高齢者にも適応できる治療法であり、循環器学会で発表したところ大反響を呼び、少しずつ普及も始まっている。

 「私たちは、QOL(生活の質)をより高められる治療法と『からだにやさしい』手術を目指しています。そのための新たな治療法を開発することも、使命なのです」(尾崎教授)

 次の目標は「成長する弁」の開発。牛の心膜から細胞を取り除くと、枠組みだけのような状態になり、その枠に合わせて人間の細胞が再生される仕組み。身体の成長に合わせて弁も成長し、耐久性にも優れたものと期待されている。新たな世界初の治療法が、産声を上げるのは間近といえそうだ。

<データ>2009年実績

★自己心膜を使用した大動脈弁形成術66件

★人工心肺を使用しない冠動脈バイパス術35件

★僧帽弁形成術32件

★大動脈瘤「腹」18件/「胸」20件

★病床数468床

 [住所]〒153-8515東京都目黒区大橋2の17の6
TEL03・3468・1251。

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