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尿の色で病気が分かる 「無色透明」なら糖尿病の疑い

尿の色の変化は、病気のサインになる。とりわけ「無色透明」のオシッコには糖尿病の危険があるという。日本大学医学部泌尿器科学系の高橋悟主任教授に詳しく聞いた。

 健康な尿は通常「麦わら色」をしている。だが、アルコールを飲んだ翌朝や、利尿作用のあるカフェイン飲料を摂取した後は、かなり色が薄い尿が多量に出る。アルコールと一緒に摂取した余分な水分が排出されているからで、一過性のものだから心配ない。

 しかし、無色透明な尿が1日に何度も、何日も続くようなら、糖尿病の可能性を疑ったほうがいいという。

「腎臓は、体内の水分量の調整や、血液中にある老廃物の濾過(ろか)などの役割を果たしています。糖尿病患者の場合、血液中の血糖値が高いので、濃度が低いほうから高いほうへ移行する浸透圧の働きによって、血管中にたくさんの水分が引っ張られます。

その血液が腎臓に達すると、フィルターの役割をしている腎杯(じんぱい)・腎盂(じんう)が余分な糖を排出しようとして、血液中に吸収された大量の水分も一緒に尿として出してしまうのです」

 尿中の水分が多いため無色透明な希釈尿となり、体内の水分も不足して喉が渇く。そのためにまた大量の水分を飲んで頻尿になる悪循環が起こり、多い場合は1日15回以上、合計で3000~3500?の尿を排出する場合もあるという。
 健康な人は1日7回、1500~2000?といわれているから倍以上だ。

 この「無色多尿」の症状は糖尿病の早期から見られるので、気付いたらすぐ病院へ行ったほうがいい。放置すると、糖を好む細菌が尿や膀胱(ぼうこう)で大量に増殖して尿路感染や尿路結石などを合併し、濁った尿や血尿、発熱などを引き起こす。こうなると重症だ。

「すでに糖尿病で食事療法や内服治療を行い、血糖値が150~200?/dl程度に保たれていれば問題ありませんが、再び血糖値が上がると、再び『無色多尿』の症状が出ます」

 その場合はすぐに再検査が必要。尿の色は病状も教えてくれるのだ。

■「赤」「白」にも注意

 他にも、病気のサインとなる尿の色がいくつかある。
「まずは赤い色をした血尿です。痛みもかゆみもない無症候性血尿の場合、膀胱がんか尿路上皮がん(尿管や腎杯・腎盂など尿の通り道にできるがん)の可能性が高いでしょう。

特に中年男性の喫煙者は注意してください。一刻も早く診断を受けるべきです」

 一度きりの血尿なら大丈夫だろうと甘くみて放置していると、半年後には手遅れに…なんてことにもなりかねない。

 白く濁った尿は、尿路結石や尿路感染症の可能性が高い。膀胱炎などで細菌が繁殖して体内で炎症が起き、膿(うみ)などによって尿が白く濁る。

若いうちは痛みを伴うが、加齢や糖尿病で末梢(まっしょう)神経が麻痺(まひ)して感覚神経が鈍っていると、痛みも感じなくなる。尿の色が重要なサインになるのだ。

「尿路感染症だけでは命の危険はありませんが、長引けば膀胱がんのリスクが高くなります。軽くみてはいけません」

 濃い茶色の尿は「ビリルビン尿」といわれ、肝硬変やC型肝炎によるものが多い。糖尿病で尿路感染症を併発している場合は、尿の泡立ちも起こる。オシッコの色や状態に変化があった場合は、たとえ1回だけでも体が異変を訴えている証拠。早めにしっかり検査を受けたい。

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