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【がんへの備え】大腸がん編(1)「腸相」 内視鏡で腸の状態を見極める

「大腸がんは40代から急増し、60代でピークを迎える。この期間を『大腸がん年齢』といっています」と話すのは、昭和大学横浜市北部病院・消化器センター長の工藤進英教授=写真中央。どんな人のリスクが高く、どれくらいの間隔で検査を受ければいいのか。早期発見のポイントを聞いた。

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 毎年、新たに大腸がん(直腸がんと結腸がん)と診断される人数は約11万人(2008年データ)。男性では3番目、女性では2番目に多いがんだ。

 「大腸がんになりやすい主なリスクは、(1)40歳以上(2)家族歴(3)肥満。40代以降は一度、大腸内視鏡検査を受けて、自分の『腸相』を診てもらうべきです。その結果で、どれぐらいの間隔で次の内視鏡検査を受ければいいか判断できます」

 腸相とは、大腸がんになりやすい腸かどうか、大腸の顔つきのこと。大腸がんの発生には、良性のポリープ(腺腫)の一部が、がん化するものと、正常粘膜から直接がんができるタイプ(平坦型や陥凹型)がある。

 「大腸ポリープは40-50%の人にあり、50代ではほとんどの人が持っています。良性は取る必要はないですが、数が多いかどうかでリスクが違う。ポリープが出やすい人はがん化しやすく、平坦・陥凹型も出やすいので毎年検査した方がいい」

 遺伝性で数千のポリープができる家族性大腸腺腫症の人は、半年や4カ月に1回、内視鏡を行う必要がある。潰瘍性大腸炎の人も、がんの発生率が高いので毎年やった方がいい。

ポリープがなければ主治医と相談し、内視鏡は数年おきでいい場合もある。ただし、親兄弟が大腸がんを経験していると発症リスクが高くなるので要注意だ。

 「肥満が悪いのは、背景に高脂肪・高カロリーの欧米型食生活や運動不足があるからです。実は大腸がんが最も多いのは大都市ではなく、青森県と秋田県です。これは車社会の影響で、運動量が著しく減少している影響と考えられます」

 欧米型食生活の影響は、発症部位の変化に見られる。もともと日本の大腸がんは直腸がんが多かったが、1980年代頃から結腸がんの増加が目立ち、欧米型の発症に近づいているという。

 「大腸内視鏡検査が重要なのは、便潜血検査など他の検査法では平坦・陥凹型の早期発見ができないからです。進行がんでは3分の1は助からない。内視鏡で自覚症状のない早期のうちに見つければ9割は助かります」

 次回は、悪性度の高い陥凹型がんの特徴を解説してもらう。 

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