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【気になるこの症状】足の冷えは血行障害? 閉塞性動脈硬化症…脳卒中や心筋梗塞にご用心

 「冬だから足が冷える」と軽く考えていると、その裏に足の動脈硬化が隠れている場合がある。進行すると、歩くと足が痛くなる症状が現れ、脳卒中や心筋梗塞の発症リスクが急激に高まる。50歳以上で危険因子を持つ人は十分注意しよう。

 【血行障害で足が痛い】

 閉塞(へいそく)性動脈硬化症(PAD)の国内患者は100万人程度と言われ、症状が出ていない無症候性の患者は、さらに2-3倍いると推定されている。

 都庁前血管外科・循環器内科(東京・西新宿)の長江恒幸院長が説明する。

 「動脈硬化で血管内腔が狭くなり、足に十分な血液が供給されず、足の血行障害が徐々に進行する病気です。8割の人は間欠性跛行(はこう)の症状で来院します」

 間欠性跛行とは、一定の距離を歩くと足の裏やふくらはぎが痛くなり、少し休むとまた歩き出せる状態。重症度(別項)ではII度の症状だ。

 【5年内の死亡率30%】

 放置して進行すると足先が壊疽(えそ)を起こし、最悪の場合、足を切断することになる。怖いのはそれだけではない。

 「PADは全身の動脈硬化の一部分の症状にすぎません。間欠性跛行の患者さんの5年内の死亡率は30%、死亡に至らなくても20%に心血管障害が生じる。つまり、心筋梗塞や脳卒中がいつ起きてもおかしくないサインでもあるのです」

 PADの主な危険因子は、高血圧、糖尿病、脂質異常症、慢性腎臓病、喫煙。50歳以上で危険因子を持つ人、70歳以上は危険因子がなくてもスクリーニングでABPI測定を受けた方がいいという。

足と腕の血圧比を測定して、足の血流を調べる。1以上は正常、0・9以下なら脚の動脈硬化の疑いがある。

 【治療後の管理が重要】

 動脈の狭窄した場所を見つけるには、エコー(超音波)やCTA、MRAなどの検査を行い、確定診断をする。

 「治療は、症状が強くなければ運動療法(歩く)を基本にして薬物療法を行います。そのまま安定すれば継続しますが、悪化したり、QOL(生活の質)を維持できない人は、入院できる施設で血管内治療やバイパス手術を行います」

 血管内治療は、脚の付け根などの動脈から細い管を挿入し、風船で広げたり、金属製の網状の筒を留置する。代替血管を作るバイパス手術は、膝上までは人工血管、膝下なら患者自身の足などの静脈を使うという。

 「PADの治療は足の症状に対する治療になる。しかし、PADが見つかった場合、これ以上全身の動脈硬化を進行させない予後の生活改善や基礎疾患の管理が最も重要になります」

《閉塞性動脈硬化症の重症度》
I度:無症状や足の冷え症状(ABPI測定で診断できる)
II度:間欠性跛行(一定距離を歩くと、足が痛くなり、歩けなくなるが、しばらく休むと、また歩けるようになる)
III度:就寝中など安静時でも足がひどく痛む
IV度:足の潰瘍や壊疽

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