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専門医に聞け! Q&A 奥歯の噛み合わせと動脈硬化

Q:虫歯はないのですが、右の奥歯の噛み合わせがないため、左で噛むのが習慣になっています。左も奥歯は上はないのですが、下はあるので、右よりもよく噛むことができます。

奥歯の噛み合わせが悪いと動脈硬化につながる恐れがあると聞きました。本当でしょうか。アドバイスをお願いします。(48歳・財団法人勤務)

 A:ご質問の方は、右の奥歯の噛み合わせがないとのことですが、上下ともに奥歯が1本もないということなのでしょう。
 質問の文だけでは細かいことはわかりませんが、左の奥歯は下が自分の歯があるとのことですから、どうしても左側で噛むのが癖になってしまうでしょう。

 それはともかく、奥歯の噛み合せと動脈硬化の関係については、奥歯の噛み合わせがない(あるいは悪い)と、動脈硬化につながる恐れがあることが最近、大阪大学や東京都健康長寿医療センターなどのチームの調査で示唆されました。

 研究チームは、兵庫県の伊丹市と朝来市に住む70歳の男女300人に対し、歯科検診で奥歯の状態を、また超音波検査で動脈硬化かどうかを調査。高血圧や糖尿病、喫煙など動脈硬化のリスク要因と歯周病の影響を除外して分析したそうです。

 その結果、正常なら4カ所ある奥歯の噛み合わせがまったくない人たちは、すべてある人たちより1.9倍も動脈硬化になりやすいと出たといいます。

●まずは歯科で噛み合わせ状態をチェック
 研究チームは、参加者の食事内容から栄養摂取との関連を調べたところ、噛み合わせが悪いと、緑黄色野菜や果物、魚介類をあまり食べないことが浮かび上がったそうです。

 動脈硬化は心筋梗塞や脳卒中を発症する基盤ともいえる状態です。緑黄色野菜や果物、魚介類は、動脈硬化を予防する食品です。奥歯があろうとなかろうと、これらの食品をよく食べることが重要です。

 しかし、前述したように、奥歯の噛み合わせが悪いと、これらの食品をあまり食べない傾向があります。ということは、基本的なこととして、奥歯の噛み合わせをなんとかすることが必要でしょう。

 咀嚼のためにいちばん重要なのは奥歯です。今は義歯はたいへん進歩しているので、義歯でも十分よく咀嚼できます。義歯であろうとも、奥歯で噛んで食べられると、食生活はかなり変わってきます。

 ご質問の方は、歯の噛み合わせだけでなく、歯列にも問題があるかもしれません。なにはともあれ、歯科医院を受診して、それらの状態を調べてもらい、必要であれば治療を受けるようお勧めします。

渡辺秀司氏(とつかグリーン歯科医院院長、漢方歯科医学研究所所長)
独自の歯周病治療で名高い。神奈川歯科大学卒。同大学研修医を経て、横浜市でとつかグリーン歯科医院を開設する。歯学博士。歯科領域に漢方を取り入れ、天然素材を配合したうがい薬や歯磨き剤を開発。

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