あなたの健康はお金で買えますか・・・? “こんもり型”口内炎は要注意/照山裕子お口の悩み
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“こんもり型”口内炎は要注意/照山裕子お口の悩み

<歯科医照山裕子が答えるお口の悩み(30)>

 元モデルの歯学博士・照山裕子さんが、口臭が気になる、歯周病が進んできた…歯と口の悩みなど、皆さんの悩みに回答します。

 Q 口内炎だと思うのですが、なかなか治りません。

 A 口内炎とは口の中や舌の粘膜に生じる炎症を指します。細菌やウイルスの感染で起きることもありますが、睡眠不足やストレス、ビタミンや鉄分の不足、かみ合わせや歯ブラシの擦過傷なども原因として挙げられます。唾液の分泌量が少なく口の中が乾燥しやすかったり、アレルギー体質だったりと口内炎ができやすい方もいますが、全身疾患のサインのひとつとして現れることもありますから、自己判断は禁物です。通常4~5日で快方に向かうことが多く、長引いたとしても2週間程度あれば治ります。

医療機関では、軟こうやシールのような貼り薬を処方する場合が多いです。塗り薬やシールがはげる、痛くて我慢ができないという時は、レーザーを照射する治療法もあります。レーザーを当てることでタンパク質を凝固させ、痛みを和らげます。患部に膜を張るイメージです。

歯並びが悪く、同じ場所を何回もかんでしまうという人もいます。例えば八重歯でいつも唇の内側をかむ。そういうケースでは歯の形態を整えて傷がつきにくくします。

口の中が不潔だと治りが遅かったり再発したりするので、ケアはきちんと行いましょう。

口内炎との鑑別が必要なのが、膨らんでくるタイプや出血を伴う粘膜の病気です。口内炎がややへこむイメージなのに対し、粘膜の表面が白っぽくざらついているとか、こんもりと盛り上がってきた場合は口腔(こうくう)がんの可能性もあります。少しでもおかしいなと思った場合は歯科医院を受診しましょう。精密な検査が必要であると判断された場合は大きな病院の口腔外科での処置になります。

私は歯科医師になってからの8年間、口腔がん治療に伴うリハビリを目的とした専門外来に勤務していましたが、疾患自体の認知度が低く、自分で気付かずに家族や友人の指摘で病院に来るという患者さんにたくさんお会いしました。ほとんどの方は口内炎だと思って放置していたとおっしゃいました。口腔がんによって「食べる」「飲む」「呼吸する」「話す」といった、これまでごく当たり前のことが困難になってしまった患者さんと向き合う中で、情報発信の必要性を強く感じ今日に至ります。

皆さんも(特に喫煙、飲酒の習慣がある方は)歯肉、舌、口唇に異常が起きていないか、鏡で口の中を見ることを習慣づけてください。他臓器と異なり、口腔がんは直接自分の目で見て触ることができる病気だと、ひとりでも多くの方に知ってもらえたら幸いです。

 ◆照山裕子(てるやま・ゆうこ) 歯学博士。厚労省歯科医師臨床研修指導医。歯と全身の関わりについて幅広く学んだ経験を基に、機能面だけでなく審美的要素にもこだわった丁寧な治療がモットー。分かりやすい解説でテレビ、ラジオにも多数出演している。学生時代はモデル事務所に所属。近著に「歯科医が考案 毒出しうがい」(アスコム)。

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