l.dtd"> あなたの健康はお金で買えますか・・・? 「薬と薬」の飲み合わせ 重大な医療事故に発展する恐れも


「薬と薬」の飲み合わせ 重大な医療事故に発展する恐れも

歳を重ねるほど、どうしても薬を飲む機会も、その種類も増えていく。そうした日常生活に潜むリスクが「飲み合わせ」だ。

 本誌・週刊ポストではこれまで2度にわたって「納豆が抗凝固薬の作用を弱めてしまう」「グレープフルーツジュースと頭痛薬を一緒に摂ると薬の作用が強く出すぎる」「ビタミンCのサプリは糖尿病治療薬の作用を強めてしまう」といった見逃されがちなリスクをレポートし、大きな反響が寄せられた。

 今回、触れておかなければならないのが、「薬と薬」の飲み合わせだ。薬剤師の堀美智子氏が解説する。

「口から飲んだ薬は腸で溶けて吸収され、肝臓を通って全身に行き渡ります。その際、複数の薬を一緒に飲むと、体内を循環する過程で薬同士が作用を打ち消し合ったり、逆に作用が重なって効果が増強されることがある。その結果、薬が効きすぎたり、逆に効かなかったりして、体に思わぬ悪影響を及ぼすことがあります」

 飲み合わせにより薬の作用が増強したり減弱することは「相互作用」と呼ばれ、医薬品の「添付文書」に書き示されている。

 その一例が、頭痛薬などで処方される「ロキソプロフェン」(代表的な商品として『ロキソニン』がある)と躁うつ病などで処方される躁病薬「炭酸リチウム」の組み合わせだ。

「解熱鎮痛薬として幅広く処方されるロキソプロフェンやイブプロフェンなどは腎臓に負担をかけるため腎機能を低下させることがあります。この影響で腎臓からの排出が抑えられた炭酸リチウムの血中濃度が上がって、中毒症状になる可能性がある。

 実際に私の知る患者で、炭酸リチウム服用中に背中や腰の痛みを訴えて市販の痛み止めを服用し、意識がもうろうとして入院された方がいました」(堀氏)

 こうした「薬と薬」の飲み合わせの問題は、専門家である医師のチェックを経ているはずの処方薬同士でも起きることがある。

 場合によっては重大な医療事故に発展するかもしれない事例を全国8800以上の薬局から収集し、原因を分析して注意喚起する事業がある。公益財団法人・日本医療機能評価機構の行なう「ヒヤリ・ハット事例収集分析事業」だ。事例はネットで公表されて閲覧できる。

 2017年3月に報告された事例では、風邪で内科を受診してマクロライド系抗生物質「クラリス錠」を処方された50代女性に対して、調剤薬局の薬剤師が他の服用薬を確認すると、睡眠薬「ベルソムラ錠」があった。

「クラリス錠」と「ベルソムラ錠」は併用禁忌であり、一緒に服用すると睡眠薬のほうの作用が著しく増強されてしまうのだ。薬剤師が処方医に照会を行ない処方が他剤に変更された。事例データベースでは医師による確認漏れが発生要因と記されている。

 こうした確認漏れが起きる一因としては、複数の科を受診したことによって、医師の目が行き届かないという点が挙げられる。

「この50代女性のように精神科に通っているなかで内科や整形外科に行くなど、多くの診療科を受診し、違う医師から処方を受ける機会が増えると、それぞれの医師が全ての薬を把握することが難しくなり、飲み合わせの被害が生じやすくなります。

 お薬手帳を持たない人が少なくありませんが、自分がかかっている医師や薬を出してくれる薬剤師らに服薬中の薬を全て把握してもらうことが大切です」(堀氏)

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